労働法令のポイント に賞与が分割して支払われた場合は 分割した分をまとめて 1 回としてカウントし また 臨時的に当該年に限り 4 回以上支払われたことが明らかな賞与については 支払い回数にカウントしない ( 賞与 として取り扱われ に該当しない ) ものとされている 本来 賞与 として取り扱われる

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記 1 標準報酬月額の決定に係る制度の概要 (1) 定時決定保険者等 ( 被保険者が 全国健康保険協会が管掌する健康保険の被保険者である場合は厚生労働大臣 健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者である場合は当該健康保険組合をいう 以下同じ ) は 健康保険法 ( 大正 11 年法律第 70 号 )

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大金問発第   号

VBA 社会保険 労働保険 のご利用について VBA 社会保険 労働保険 システムは 社会保険の算定基礎届 社会保険の月額変更届 社会保険の賞与支払届 労働保険の基礎賃金集計表 労働保険の概算確定申告書 ( 継続事業 ) を作成します 被保険者報酬月額算定基礎届総括表 被保険者賞与支払届総括表 およ

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間平均で算出した標準報酬月額に係る保険者算定の留意事項 厚生労働省より 23 3 月 31 付で 健康保険法及び厚生金保険法における標準報酬月額の定時決定及び随時改定の取扱いについて の一部改正について ( 保発 0331 第 17 号 発 0331 第 9 号 ) 及び 健康保険法及び厚生金保険法

3 保険者算定の追加の要件 ⑴ 業務の性質上例年発生することが見込まれる場合 とは 業種や職種の特性上 基本的に毎年 4 月 ~6 月が繁忙期に当たるため 4 月 ~6 月までの期間中の残業手当等が 他の期間と比べて多く支給されることなどを理由として 例年季節的な報酬変動の起こることが想定されること

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3 保険者算定の追加の要件 ⑴ 業務の性質上例年発生することが見込まれる場合 とは 業種や職種の特性上 基本的に毎年 4 月 ~6 月が繁忙期に当たるため 4 月 ~6 月までの期間中の残業手当等が 他の期間と比べて多く支給されることなどを理由として 例年季節的な報酬変動の起こることが想定されること

2 改正の概要 昇給又は降給などで固定的賃金に変動があった月以後の継続した3か月間の報酬の平均から算出した標準報酬月額 ( 通常の随時改定の計算方法により算出した標準報酬月額 ) と 1 昇給月又は降給月以後の継続した3か月の間に受けた固定的賃金の月平均額に 2 昇給月又は降給月前の継続した9か月及

, 原則としてこの支払基礎 月変算定や月変では 図表 2 標準報酬月額を決める報酬 分類 標準報酬月額の対象となるもの 標準報酬月額の対象とならないもの 基本給 ( 月給, 週給, 日給等 ) 傷病見舞金, 災害見舞金, 結婚祝金, 出張旅費, 通貨で支給されるもの 交際費, 大入袋, 解雇予告手当

記入の方法 標準報酬月額の比較欄 の 合計額 及び 平均額 を算出する場合は 以下にご注意ください 1 支払基礎日数 17 日未満の月の報酬額は除いてください 2 短時間就労者 ( パート アルバイト等 ) の場合は 本年 4 月 ~6 月の合計額 平均額 には 支 払基礎日数が 17 日以上あれば

2.5% % 1 88,000 ~ 93,000 13, , ,000 93,000 ~ 101,000 15, , , ,000 ~ 107,000 16, , ,00

給与システム 定時決定処理における”こんなときには”

2 事務取扱の ( 様式 2) の裏面の 2 ( 変更前 ) 2 短時間就労者 ( パート アルバイト等 ) の場合は 本年 4 月 ~6 月の合計額 平均額 には 支払基礎日数が17 日以上あればその月の報酬の合計額 平均額を記入してください 17 日以上の月がなければ 15 日以上の月の報酬の合

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厚生局受付番号 : 東海北陸 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東海北陸 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求者のA 社 ( 現在は B 社 ) における昭和 39 年 7 月 1 日から同年 10 月 1 日までの期間の標準報酬月額を訂正することが必要である

平成16年度  算定基礎届について

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別紙 1 健康保険料 介護保険料 厚生年金保険料 子ども 子育て拠出金 1. 複数資金間での負担配分について (1) 複数の外部資金間での負担配分当該外部資金管理者間の調整により任意に負担割合等を決定する (2) 外部資金と経常費間での負担配分 A. 外部資金による常勤の雇用者に経常費による手当支給

34(30) 等級の 報酬月額 欄は 厚生年金保険の場合 605,000 円以上 と読み替えて下さい 4. 平成 27 年度における協会けんぽの任意継続被保険者の標準報酬月額の上限は 280,000 円です 5. 健康保険組合に加入する方の健康保険料額については 加入する健康保険組合へお問い合わせ下

⑵ 外来年間合算の支給額計算の基礎となる合算対象額は 基準日において 同一保険者の同一世帯に属しているか否かにより判断されます ( 例 ) 下記の事例の場合 基準日において 甲と乙が同一世帯であれば 3 と 4 は合算できるが 甲と乙が別世帯であれば 3 と 4 は合算できない 基準日保険者である

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チュートリアル編 賃金データ入力してから月変処理を行う手順 まず基本情報を入力します 3 事業所マスタ [ 労保設定 ]- 労働保険番号 ( 雇 ) 事業所番号 労災 雇用成立日 保険関係 業種登録 特掲区分 4 事業所マスタ [ 印刷帳票設定 ]- 月変届帳票選択 1 個人マスタ [

●「高齢者医療運営円滑化等補助金《については、なぜ、本日の公開による再仕分けの対象事業に選定されたと認識しているか

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目次 定時決定 随時改定 定時決定 随時改定 標準報酬月額の更新の時期 P2 社会保険算定画面を表示する P4 定時決定 随時改定 p6 対象者のみを表示する P13 社員情報の標準月額報酬を更新する P14 出力 ( 定時決定 随時改定 ) 算定基礎届 月額変更届 P15 社会保険料改定通知書 P

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平成16年度  算定基礎届について

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短時間労働者の適用拡大 新しい 4 分の 3 基準 に満たない場合であっても 平成 28 年 10 月 1 日以降 次のすべての要件に該当した場合は 短時間労働者の適用拡大の対象となります 週労働時間 20 時間以上 勤務期間 1 年以上 月額賃金 8.8 万円以上 学生でない 従業員 501 人

平成20年度

Microsoft Word - 別紙4.doc

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5. 改正の要件 固定的賃金の変動 ( 給与体系の変動 ) があり 変動月以後継続した 3 ヶ月の支払基礎日数がすべて 17 日以上あるとき ( 短時間労働者は 11 日以上 ) 以下の 1~4 の全ての要件に該当すると 年間平均額による随時改定 ( 保険者算定 ) を提出することができます ( 被

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育児休業や 介護休業をする方を 経済的に支援します 育児休業給付の支給 介護休業給付の支給 育児休業等期間中の社会保険料 ( 健康保険 厚生年金保険 ) の免除 育児休業等終了後の社会保険料 ( 健康保険 厚生年金保険 ) の特例 3 歳未満の子を養育する期間についての年金額計算の特例 ( 厚生年金

別紙 1 法人契約の がん保険 ( 終身保障タイプ ) 医療保険 ( 終身保障 タイプ ) の保険料の取扱いについて の一部改正案等の概要 1 改正等の背景がん保険 ( 終身保障タイプのものに限ります 以下同じです ) は 保険期間の前半において支払う保険料の中に前払保険料が含まれておりますが 法令

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2016年 弾丸メールセミナー № 36回 雇用保険法 育児休業給付金

支給開始日以前に カ月の標準報酬月額がある場合 06 年 月 日まで 06 年 4 月 日以降 休んだ日の標準報酬月額 0 日 / 支給開始日以前の継続した カ月間の各月の標準報酬月額の平均額 0 日 / ( 例 ) 支給開始日以前の継続した カ月間に 標準報酬月額が 6 万円の月が カ月 0 万円

時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

2016年 弾丸メールセミナー № 33 雇用保険法 高年齢再就職給付金

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政策課題分析シリーズ16(付注)

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目 次 適用関係の届書一覧表 加入員資格取得届 加入員資格喪失届 加入員報酬標準給与月額変更届 加入員報酬標準給与月額算定基礎届 加入員賞与標準給与支払届総括表 加入員賞与支払届 加入員氏名変更 ( 訂正 ) 届 事業所関係変更届

例 1 一般的な例 算定基礎届の記載例 4 月 5 月 6 月の報酬と平均月額を計算 基本給や諸手当 その他報酬とされる手当をすべて計上します 支払基礎数 基本給 家族手当 職能手当 通勤手当 残業手当 合計 4 月 ,000 11,000 10,000 7,500 12,

例 1 一般的な例 算定基礎届の記載例 4 月 5 月 6 月の報酬と平均月額を計算 基本給や諸手当 その他報酬とされる手当をすべて計上します 支払基礎日数 基本給 家族手当 職能手当 通勤手当 残業手当 合計 4 月 30 日 250,000 11,000 10,000 7,500 12,900

【照会1】(別紙1)「事業主への呼びかけ」平成23年12月号

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健保連共同システム 法改正・機能拡張対応について

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のとおりとする ( 給与支給実績と比して総額で大幅な乖離がある場合は 時間単価の調整が必要となります ) 次の各号に定める分類に応じ 当該各号に定める方法により計算した金額を人件費単価とする 1 健保等級適用者 (A) 次の各要件の全てを満たす者の人件費単価については 健保等級により該当する等級単価

平成25年4月から9月までの年金額は

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3 平成 25 年 4 月に給与の支給規程を改訂し 平成 24 年分 10 月にまでさかのぼって実施する こととなり 平成 25 年 4 月の給与支給日に支払うこととなった平成 24 年 10 月から平成 25 年 3 月までの給与改訂差額 A 3 1 給与所得の収入金額の収入すべき時期は 契約又は

(2) 報酬日額の算出方法休業給付の給付日額を算出する際の 標準報酬日額 の算定は 標準報酬月額の1/22 支給割合 となりますが 比較の対象となる 報酬日額 については 次表の区分に応じて算出します 報酬日額の算出方法 ( 手当等の金額に乗じる率 ) 区分手当等の種類算出に用いる率 日々の勤務に対

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別表 ( 第 3 条関係 ) 給料表 職員の区分 職務の級 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 号給給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額給料月額 再任用職 1 144, , , , , ,60

スライド率等の改定に伴う労災保険年金額の変更について 1 スライド制について (1) スライド制の趣旨労災保険年金額については 原則として算定事由発生日 ( 被災日 ) の賃金を基に算定した給付基礎日額に給付の種類等に応じた給付日数を乗じて算定されていますしかしながら 年金は長期にわたって給付するこ

戦略的基盤技術高度化支援事業における労務費の計算に係る実施細則 ( 健保等級ルール ) 平成 24 年 3 月中小企業庁創業 技術課平成 24 年 4 月以降に実施される戦略的基盤技術高度化支援事業 ( 以下 本事業 という ) に係る労務費の算出方法を以下のとおり定めて運用する 事務の効率化や計算

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< 派遣 > 直接雇用者の健保等級適用者以外の算出方法を適用します ただし 年俸 月給 日給 時給の記載はそれぞれの単位の契約額と読み替えます 人件費単価一覧表 ( 専従者用 ) 人件費単価 YES NO チャート ( 専従月額単価用 ) (P.4) を参考にしてください < 直接雇用

平成 31 年 3 月分 (4 月納付分 ) からの健康保険 厚生年金保険の保険料額表 健康保険料率: 平成 31 年 3 月分 ~ 適用 介護保険料率: 平成 31 年 3 月分 ~ 適用 厚生年金保険料率: 平成 29 年 9 月分 ~ 適用 子ども 子育て拠出金率: 平成 30 年 4 月分

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厚生局受付番号 : 東北 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 東北 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求期間 1について 当該期間のうち請求者のA 社における平成 21 年 9 月 1 日から平成 22 年 12 月 1 日までの期間の標準報酬月額を訂正することが

アップデート 4.89 のご案内 拝啓時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます 平素は 社労法務システム を御愛顧いただきまして誠に ありがとうございます さて このたび下記の内容のソフト アップデートを行いましたので ご確認下さい 敬具 記 アップデート 4.89 < 概要 > 1. 健康保険の標

障害基礎年金 障害厚生年金 労災補償年金の属性別受給内容 以下の表に 個人事業主 法人経営者 個人事業の労働者 法人会社の労働者別に障害基礎年金 障害厚生年金 障害補償年金を受給できるか できないかを一覧表にしてみました 国民年金厚生年金労災 障害基礎年金障害厚生年金障害補償年金 1 個人事業主 2

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【事務連絡】(機構宛)「「健康保険法及び厚生年金保険法における標準報酬月額の定時決定及び随時改定の取扱いについて」の一部改正に伴う事務処理について」に関するQ&Aについて

( 様式 1) 中部アイティ産業健康保険組合様 本金機構 様 間報酬の平均で算定することの申立書 ( 定時決定用 ) 当事業所は業を行っており ( 当事業所内の部門では ) 例 4 月から6 月までの間は の理由により繁忙期となることから 健康保険及び厚生金保険被保険者の報酬月額算定基礎届を提出する

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

5 恩恵的に支給するものであっても 労働協約等に基づいて支給されるもの で 経常的 ( 定期的 ) に支払われる場合は 報酬等 に該当する 例 傷病手当金と給与の差額補填を目的とした見舞金 6 労働の対償として支給されるものであっても 被保険者が常態として受ける報酬以外のものは 報酬等 に含まれない

千代田区議会議員の報酬、費用弁償及び

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

1 年分の年金額を超えることとなること ( 別紙 1 の 2 参照 )( 第 2 次改正 一部 ) (4) 障害補償年金に係る平均給与額の改定により年金額が改定された場合には 改定後の年金額によって支給停止期間の再算定を行うものであること ( 第 2 次改正 一部 ) 3 支給の停止が終了する月に係

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目次 1. 被保険者資格の取得要件 ( 総論 ) 問 1 被用者保険の適用拡大の実施により 厚生年金保険 健康保険の被保険者資格の取得要件はどのようになるのか 問 2 施行日以降は 4 分の 3 基準をどのように判断するのか 問 2 の 2 就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間又は所定労働

資料4 事務処理誤りによる誤裁定(過払いが発生するケース)の取扱いについて

障害厚生年金 厚生年金に加入している間に初診日 ( 障害のもととなった病気やけがで初めて医者にかかった日 ) がある病気やけがによって 65 歳になるまでの間に 厚生年金保険法で定める障害の状態になったときに 受給要件を満たしていれば支給される年金です なお 障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害

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第14章 国民年金 

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労務費単価の具体的な適用は 給与支給実績と比して過大である場合等を除き 原則として以下のとおりとする ( 給与支給実績と比して総額で大幅な乖離がある場合は 時間単価の調整が必要となります ) 次の各号に定める分類に応じ 当該各号に定める方法により計算した金額を労務費単価とする 1 健保等級適用者 (

実技試験 ( 個人資産相談業務 ) 次の設例に基づいて 下記の各問 ( 問 1 ~ 問 3 ) に答えなさい 設例 Aさん (33 歳 ) および妻 Bさん (29 歳 ) は 民間企業に勤める会社員である 平成 29 年 3 月に第 1 子を出産予定の妻 Bさんは 産前産後休業および育児休業を取得

定期金に関する権利の評価(定期金給付事由が発生しているもの)

Transcription:

法律政令省令告示通達 ここに注目! 労働法令のポイント その他の労働関係法令の最新動向は 労働法ナビ の News で随時更新中 https://www.rosei.jp/lawdb/ 社会保険関係 健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係るの取扱いについて 健康保険と厚生年金保険における社会保険料の負担を軽減するため 賞与を分割し 毎月の手当として支給することで社会保険料の負担を軽くする手法を導入している企業について問題視する厚生労働省は 9 月 18 日にその賞与の取り扱いを見直す改正通知を発出したため この改正通知における見直し内容について解説する 健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係るの取扱いについて の一部改正について ( 平 27. 9.18 保保発 0918 第 1 年管管発 0918 第 5 ) 健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係るの取扱いについて の一部改正について ( 平 27. 9.18 事務連絡 ) 佐々木寛奈社会保険労務士 ( 社会保険労務士法人みらいコンサルティング ) 1. 変更された通達の概要健康保険法および厚生年金保険法では 賃金 給料 俸給 手当 賞与その他いかなる名称であるかを問わず 労働の対償として受けるすべてのもののうち 臨時に受けるものおよび 3 月を超える期間ごとに受けるもの以外 ( 年 4 回以上支給されるもの ) を 3 月を超える期間ごとに受けるもの ( 年 3 回まで支給される ) を 賞与 としている 多くの企業で夏季 冬季など年 2 回支払われる いわゆるボーナスが 賞与 の代表的なものであるが 期末手当や決算手当など名称は異なっても同じ性質を持つと認められるもので 毎年 7 月 1 日を基準とした 1 年間に支払われた回数が 3 回までのものは 賞与 に該当する 一方で の範囲を示す通達 ( 昭 53. 6.20 保発 47 庁保険発 9 ) では 毎月支払われる基本給や手当などを 通常の とし ボーナス等の 3 月を超える期間ごとに受ける 賞与 であっても給与規程や賃金協約等の諸規定によって年 4 回以上の支払いが客観的に定められているもの および 1 年間を通じ 4 回以上支払われる 賞与 は に該当するものとされており 1 年間の支払い額の12 分の 1 を額とする 賞与に係る として取り扱われる なお 賞与の支払い回数のカウントは 例外的 10

労働法令のポイント に賞与が分割して支払われた場合は 分割した分をまとめて 1 回としてカウントし また 臨時的に当該年に限り 4 回以上支払われたことが明らかな賞与については 支払い回数にカウントしない ( 賞与 として取り扱われ に該当しない ) ものとされている 本来 賞与 として取り扱われるべきものを分割して毎月支払うことで 基本給や手当などの毎月支払われる 通常の として取り扱う手段を用いて 保険料を削減する事例が生じていることから 1 カ月を超える期間にわたる事由によって算定される賃金等が分割して支給されることとなる場合 その他これに準ずる場合は 通常の ではなく 賞与に係る として取り扱われるべく の範囲が見直され 過去の通達の一部が変更されたものである この通達の変更は平成 27 年 10 月 1 日より適用され 保険料への影響およびその手続きについて従来と異なる対応が必要となる 円未満の端数があるときは これを切り捨てたものを 標準賞与額 とする 例えば 毎月支払われる 通常の が19 万 5000 円以上 21 万円未満の場合 標準月額 は 20 万円に決定され 夏季 冬季のボーナスが各 40 万円支払われた場合 標準賞与額 はそれぞれ 40 万円に決定される この場合の社会保険料のは88 万 9536 円となる [ 図表 1-1] ところが 年間 80 万円のボーナスを分割し A 手当 として毎月支払うことで 通常の として取り扱われていたため 標準月額 は [ 図表 1-2] のようになり 10 月と 4 月に手当の増額に伴い月額変更 11 月と 5 月には手当の減額に伴う月額変更が行われることで 結果として社会保険料のは74 万 4986 円となり 賞与 として取り扱われる場合よりも社会保険料の額が 14 万 4550 円負担が軽くなっていた 平成 27 年 10 月 1 日以後は 1 カ月を超える期間にわたる事由によって算定される賃金等を分割し て毎月支払う場合 賞与に係る として取り 2. 通達のポイント [ 1 ] 保険料への影響健康保険法および厚生年金保険法では 保険料の徴収や一定の保険給付を行う場合 原則として 被保険者が受ける および 賞与 を基にその額を算出する しかし 個々の被保険者が受ける は それぞれの年齢や働き方などによって異なり またその額は毎月変動するものであるため 被保険者が実際に受ける とは別に 区切りのよい幅で幾つかの等級に区分したを定めて 標準月額 とし これに個々の被保険者が実際に受ける を当てはめ いずれかの等級に決定する方法を取っている また 賞与 にかかる保険料の算出等については 個々の被保険者が実際に受ける 賞与 に 1000 扱われ 標準月額 の定時決定等の際に 1 年間の支給額の12 分の 1 のを月額に加算し [ 図表 2 ] のように決定される 結果的に社会保険料の額は86 万 7300 円となる 健康保険法および厚生年金保険法では 標準月額 および 標準賞与額 に保険料率を乗じて保険料を算出する仕組みであることから 特に標準月額等級の上限 ( 健康保険法では第 47 級 121 万円 厚生年金保険法では第 30 級 62 万円 ) および標準賞与額の上限 ( 健康保険法では年度 [ 4 月 1 日から翌年 3 月 31 日まで ] の累計額 540 万円 厚生年金保険法では 1 カ月 [ 同 1 月内につき 2 回以上支給されたときは合算 ]150 万円 ) に達する場合 この通達の変更によって保険料の増減が想定される 11

図表 1 通常の賞与支給と賞与を分割して手当として支給する場合の社会保険料の違い 1 通常の賞与の取り扱いの場合 賞与 + 標準月額 ( より ) 月例社会保険料 3 標準賞与額 ( より ) 賞与時の社会保険料 4 社会保険料 3+ 4 7 月 202,500 400,000 602,500 200,000 55,596 400,000 111,192 166,788 8 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 9 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 10 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 11 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 12 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 1 202,500 400,000 602,500 200,000 55,596 400,000 111,192 166,788 2 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 3 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 4 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 5 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 6 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 7 202,500 400,000 602,500 200,000 55,596 400,000 111,192 166,788 8 202,500 202,500 200,000 55,596 0 55,596 2,430,000 800,000 3,230,000 889,536 2 賞与を分割し A 手当 として毎月支給する場合 A 手当 + 標準月額 ( より ) 月例社会保険料 3 標準賞与額 ( より ) 賞与時の社会保険料 4 社会保険料 3+ 4 7 月 202,500 397,500 600,000 200,000 55,596 0 55,596 144,550 8 202,500 500 203,000 200,000 55,596 0 55,596 9 202,500 500 203,000 200,000 55,596 0 55,596 10 202,500 500 203,000 340,000 94,513 0 94,513 11 202,500 500 203,000 200,000 55,596 0 55,596 12 202,500 500 203,000 200,000 55,596 0 55,596 1 202,500 397,500 600,000 200,000 55,596 0 55,596 2 202,500 500 203,000 200,000 55,596 0 55,596 3 202,500 500 203,000 200,000 55,596 0 55,596 4 202,500 500 203,000 340,000 94,513 0 94,513 5 202,500 500 203,000 200,000 55,596 0 55,596 6 202,500 500 203,000 200,000 55,596 0 55,596 7 202,500 397,500 600,000 200,000 55,596 0 55,596 8 202,500 500 203,000 200,000 55,596 0 55,596 2,430,000 800,000 3,230,000 744,986 [ 注 ] 1. 10 月と 4 月に手当の増額に伴い月額変更 11 月と 5 月には手当の減額に伴う月額変更が行われる 2. 健康保険および厚生年金保険料率 ( 東京都のケースで健保 9.97% 一般のケースで厚年 17.828%) は変更することがあります ([ 図表 2 ] も同じ ) 12

労働法令のポイント [ 2 ] 手続きの違い ⑴[ 図表 1-1] の場合 賞与 を支払った日から 5 日以内に 被保険者賞与支払届 および 被保険者賞与支払届総括表 を年金事務所 ( 健康保険組合に加入している場合は 年金事務所および健康保険組合 ) へ提出する必要がある ⑵[ 図表 1-2] の場合固定的賃金の変動があった 7 月 8 月および 1 月 2 月から継続した 3 月間 ( 各月とも 支払いの基礎となる日数が17 日以上でなければならない ) に受けたの平均月額による 標準月額 と 従前の 標準月額 との間に 2 等 級以上またはそれに相当する差が生じた場合 速やかに 被保険者月額変更届 を年金事務所 ( 健康保険組合に加入している場合は 年金事務所および健康保険組合 ) へ提出する必要がある ⑶[ 図表 2 ] の場合毎年 7 月 1 日前 3 月間 (4 月 5 月および6 月に支払いの基礎となる日数が17 日未満である月は除く ) に受けたの平均月額を月額として 標準月額 を決定し 7 月 10 日までに 被保険者月額算定基礎届 および 被保険者月額算定基礎届総括表 を年金事務所 ( 健康保険組合に加入している場合は 年金事務所および健康保険組合 ) へ提出する必要がある 図表 2 平成 27 年 10 月 1 日以降の 賞与に係る による社会保険料の取り扱い A 手当 + 賞与に係る ( の 12)= 3 算定上の 月額 標準 月額 + 3= 4 ( 4 より ) 月例 社会 保険料 標準 賞与額 賞与時 の社会 保険料 社会保険料 4 月 202,500 500 203,000 66,666 269,166 200,000 55,596 0 55,596 5 202,500 500 203,000 66,666 269,166 200,000 55,596 0 55,596 6 202,500 500 203,000 66,666 269,166 200,000 55,596 0 55,596 7 202,500 397,500 600,000 202,500 200,000 55,596 0 55,596 8 202,500 500 203,000 202,500 200,000 55,596 0 55,596 9 202,500 500 203,000 202,500 260,000 72,275 0 72,275 10 202,500 500 203,000 202,500 260,000 72,275 0 72,275 11 202,500 500 203,000 202,500 260,000 72,275 0 72,275 12 202,500 500 203,000 202,500 260,000 72,275 0 72,275 1 202,500 397,500 600,000 202,500 260,000 72,275 0 72,275 2 202,500 500 203,000 202,500 260,000 72,275 0 72,275 3 202,500 500 203,000 202,500 260,000 72,275 0 72,275 4 202,500 500 203,000 66,666 269,166 260,000 72,275 0 72,275 5 202,500 500 203,000 66,666 269,166 260,000 72,275 0 72,275 6 202,500 500 203,000 66,666 269,166 260,000 72,275 0 72,275 7 202,500 397,500 600,000 202,500 260,000 72,275 0 72,275 8 202,500 500 203,000 202,500 260,000 72,275 0 72,275 2,430,000 800,000 3,230,000 199,998 2,629,998 867,300 13

この通達の変更によって [ 図表 1-2] の手段を用いて手続きを行っている場合は 年金事務所または健康保険組合から指摘を受ける可能性があり 適切な運用を求められる 追加された 保険料の削減を目的として 賞与 を分割して毎月支払いをする場合はもとより これまで 通常の として取り扱っていた手当の定義およ び運用について見直しが必要になる 3. 実務上の留意点これまでも 年間を通じて支払い回数が 3 回までのものは 賞与 4 回以上のものは とされているが 通達の変更に伴い 支払い回数だ 今後も 通常の として取り扱うためには 1 カ月を超える期間にわたる事由によって算定されること等について より明確な定義づけがなされていることが重要となる けでなく算定期間等の支給基準も判断要素として 14