マーケットの統計解析シリーズ まとめと復習編 2010 年 6 月 16 日インディ パ株式会社 1
はじめに システムトレードにおいて 統計学のナレッジはとても有用です 今回は これまでの 5 回シリーズを振り返って まとめと復習を行うセミナーです 全体を通して学べますのでパーツ毎の知識が統合されて より使いこなせるようになることが今回の狙いです 2
CONTENTS 1. テクニカル分析と統計解析の違い 2. 統計解析の基本 3. 基本統計量を使いこなす 4. 標準偏差と正規分布 5. 相関 6. 回帰分析 7. まとめのまとめ 8. 会社情報 3
テクニカル分析と統計解析の違い 4
テクニカル分析の特徴 1 テクニカル分析は 過去の価格データ (1 次元のデータ ) を 2 次元 ( グラフやチャート ) で表示したものに基づいて行われる 移動平均線 RSI MACD 等のインディケータ テクニカル指標は 過去の価格データを一定の計算式 関数に基づいて計算 加工し 2 次元のラインや図形として表示したもの インディケータそれ自体は 計算結果を値動きを表示した結果であるから 未来を予測しない 5
テクニカル分析の特徴 2 テクニカル指標を解釈し トレードの意思決定を行うのは人間 人間の意思決定には バイアスが伴なう 人間はバイアスを排除できない とはいえ テクニカル指標をシステム化し 機械的にトレードすることで中長期的には 資産曲線をプラスに導くことも可能 もちろん有効なテクニカル分析や指標は存在する 将来にわたって有効かどうかの担保は無い 6
統計解析の特徴 統計解析は 過去の価格データ (1 次元のデータ ) を計算 加工を加え 2 次元 ( グラフやチャート ) で表示するところまでは テクニカル分析と同様 また その意味を解釈し ロジックの採用の意思決定を行うのは人間であることも同様 しかしながら テクニカル指標自体は 過去の値動きを表示した結果であるから 未来を予測しないのに対し 統計解析は 予測することが目的の作業である 統計解析は 関数を使用し 予測を行う その予測の方法は 数学や統計学等 学問的に担保されている 金融市場に当てはまるかは また別の問題 ( 金融工学の限界 ) 7
統計解析をシステムトレードに応用するプロセス 過去の膨大な価格データを統計解析 人間のパターン認識を介さない 統計的有意性から統計的有意性及び統計的優位性 ( エッジ ) を見出す 将来もエッジが有効であることを前提条件 ( 長期記憶 ) に 予測アルゴリズムを構築 ロジック構築 & プログラミング バックテスト フォワードテスト シミュレーションを繰り返す 実際のトレードに適用 検証 8
統計解析の基本 9
統計学の定義 統計学 (statistics) とは ある全体について知るための方法論の体系 注 : 元来は国 (state) の状態 (state) について知るのが目的であった (status) ナイル河の水位を測り 洪水を予測する メソポタミアで国民が工作する土地を測量し 地租を公平に賦課する 10
統計の基本 1. 時系列データ 2. データの分布 ( 散布図 ヒストグラム ) 3. 代表値 ( 平均値 中央値 最頻値 ) 11
データの分布 1 散布図 12
データの分布 2 ヒストグラム 13
基本統計量 14
代表値 平均 複数のデータを代表させるひとつの数値 データの母集団の特徴を表す 算術平均 ( アベレージ ) データの値の合計をデータ数で割った値 中央値 ( メジアン ) データを小さい順に並び替えたとき 真ん中に位置するデータの値 最頻値 ( モード ) 最頻値とは, 度数の最も多い階級に対する値である その他 幾何平均 調和平均等いろいろな平均がある 15
日経 225 日足データの基本統計量 16
散布図に変換 17
散布図に変換 18
標準偏差と正規分布 19
比較 差 偏差 時系列データの特徴を知りたい 特徴を知るために最も有効なのは 比較 という作業 比較するためには 定量データの 差 を取る ( マイナス 引き算 減算 ) 統計学上 平均値との差のことを 偏差 と呼ぶ 20
日経 225 のデータで検証 (2006.1.26-2010.2.22) 21
標準偏差 標準偏差 分散の平方根 ( ルート ) を計算した値 平均的なばらつき と考えて良い 平均と分散の単位が一致しないため 分散の平方根を取る 平均と標準偏差を同レベルで使用可能となる 正規分布 ( 後述 ) するデータ群において 平均値と標準偏差の値が分かれば 高い確度でデータの分布が推定できる データの分布が分かれば 予測が可能となる 時系列データにおけるデータの平均値と標準偏差が得られ 正規分布することが証明されれば 統計解析に基づくトレーディングシステムを制作することができる 22
正規分布 横軸は確率変数 縦軸は確率密度 正規分布とは 平均値の付近に集積するようなデータの分布を表した連続的な変数に関する確率分布である ( 山形 ) 正規分布は統計学や自然科学 社会科学の様々な場面で複雑な現象を簡単に表すモデルとして用いられている たとえば実験における測定の誤差は正規分布に従って分布すると仮定され 不確かさの評価が計算されている 平均 0 標準偏差 1 の分布を標準正規分布という 23
正規分布であると仮定すると 平均値 = 最頻値 = 中央値 平均 ± 標準偏差の範囲内にデータ全体のおよそ 68% が入る 平均 ±2 標準偏差の範囲内にデータ全体のおよそ 95% が入る 平均 ± 標準偏差の範囲内にデータ全体のおよそ 99.7% が入る 24
日経 225 のデータで検証 (2006.1.26-2010.2.22) 25
トレード仮説を自分なりに考えてみる 1. 1 標準偏差の値に ロスカット水準を置く 2. 1 標準偏差の値に 利益確定水準を置く 3. 2 標準偏差の値に ロスカット水準を置く 4. 2 標準偏差の値に 利益確定水準を置く 5. 過去 X 日間のデータに基づく標準偏差を求めるコードを書き データを自動的に更新しつつ 指標として使用する 6. 1 標準偏差の値を乗せやナンピンのラインとして使用する 26
相関 27
相関とは?(1) 2 つ以上の時系列データ間の関係を知りたい 2 つの量的変数のうち 一方が変化したとき それに連動する形でもう一方が変化する場合 相関がある という 予測したい変数を目的変数 予測を説明するための変数を説明変数という グラフを書く際には 縦軸が目的変数 横軸が説明変数にするのがルール 28
相関とは?(2) 相関を表す指標 相関係数 R 相関係数は -1<R<+1 の値をとる R が + であれば 正の相関 ーであれば 負の相関と呼ぶ Excel 関数では 相関を意味する correlation の CORREL を使用 29
相関とは?(3) 収穫 正の相関 日照量 30
Excel を使った相関の調べ方 31
マーケット間の相関を取る USDJPY 日経 225 S&P500 NY ダウ上海 A 株 USDJPY 1 日経 225 0.079 1 S&P500 0.447 0.109 1 NY ダウ 0.435 0.102 0.938 1 上海 A 株 -0.176 0.368 0.017 0.043 1 ポイント対数差分で正規化する 32
トレード仮説を自分なりに考えてみる 1. S&P とダウの方向が乖離した場合 今後の接近を狙う 2. USDJPY と S&P の 1 時間足で時間をずらして相関を取ってみる 3. 同じく USDJPY と NY ダウの 1 時間足で時間をずらして相関を取ってみる 4. 他の通貨ペアとの相関を調べてみる 5. もっと長いデータ期間で調べてみる 33
回帰分析 34
回帰分析とは? 原因と結果との関係を 法則性として捉えるための統計的方法を 回帰分析 (regression analysis) という 統計学では最も頻繁に使われる重要な分析方法 回帰式の基本 :Y=aX+b 傾き a と定数項 b を推計する方法 X を入力すると Y が決まる 35
トレードにどう役立つか? 相関関係だけでは 関係の強弱しか分からない 回帰分析を使用することで トレードにおける相関性があるデータ同士の法則性を数式 ( アルゴリズム ) として使うことができる これにより 直接的 間接的にシステムトレードの売買ロジックに応用することも可能となる 36
Excel を使った回帰分析 0.03 USDJPY 終値 0.02 0.01 0-0.06-0.04-0.02 0 0.02 0.04 0.06 0.08 USDJPY 終値 線形 (USDJPY 終値 ) -0.01-0.02 y = 0.1514x - 0.0001 R² = 0.0976-0.03 37
Excel を使った回帰分析 回帰式を読む X の定数 a がプラスであることから S&P500 が上がった翌日の USDJPY の終値は上がる 逆の場合は下がるという仮説を導くことができる ロジック前日の S&P500 が上がった場合 翌日の USDJPY 始値でロング 逆の場合はショートします 当日の引け前にポジションをクローズします ( 終値で EXIT したと仮定 ) 果たして このロジックで利益は出るでしょうか?( スプレッド非考慮 ) 結果を見る前に考察してみましょう 38
Excel を使った回帰分析 10 8 6 4 2 系列 1 0 1 7 13 19 25 31 37 43 49 55 61 67 73 79 85 91 97 103 109 115 121 127 133 139 145 151 157 163 169 175 181 187 193 199 205 211 217 223 229 235 241 247 253-2 -4-6 -8 39
Excel を使った回帰分析 結果 2009 年のデータを使用すると スプレッド控除前で 703pips, スプレッド (2pips) 控除後で 183pips の利益が出た 考察このようなシンプルなロジックも有効である場合がある 更に長期のデータ期間で試してみる うまく行きそうであれば自動売買をチャレンジする 40
まとめのまとめ 41
マーケットの統計解析 規律の無い裁量トレードでは 厳しい相場をサバイバルできない ルールを持ち ルールに従ってトレードするシステムトレードは有効な方法 テクニカル分析と統計解析の違いは 相場を予測するかしないかにある 予測する前に相場を知る必要がある 相場を知るために基本統計量や標準偏差を見たり グラフのように視覚化して分布を見ることが有効 統計的な根拠は 相関や回帰分析等で定量的に表現でき それに基づき予測のロジックを作る 42
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会社情報 48
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シストレ Q&A システムトレードについての一般的なご質問と回答を掲載しています ( インディ パ株式会社 HP 内 ) 50
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