先導的実践プログラム部門 ( 北海道教育大学主催プロジェクト ) 北海道教育大学教員養成開発連携センター長 城後 豊
北海道教育大学におけるプロジェクト 小学校英語教育の指導力向上プロジェクト へき地 小規模校教育に関するプロジェクト 演劇的手法による教員養成課程の学生並びに現職教員の コミュニケーション能力育成プロジェクト
小学校英語教育の指導力向上プロジェクト ( 事業期間平成 25 年度 平成 27 年度 )
事業の概要 < 背景 > 2011 年小学校外国語活動の必修化 2013 年 グローバル化に対応した英語教育改革実施計画 大学院レベルの小学校英語専門家の養成が急務 < 本プロジェクトの目的 > 国内外の多様な質の授業を録画撮りし, 研究用教材バンクとする 小学英語 関連学問分野の講義 講座の映像資料を大学間で提供し合い共有教育コンテンツとする これらを遠隔において大学間で共有し, 連携するためのオンライン協働研究 学修用プラットフォーム (VODCAST) を構築する
VODCAST 北海道教育大学 学生 教員 授業分析機能 オンライン講義コンテンツ 東京学芸大学 教員 院生 愛知教育大学 学生 教員 授業ビデオ教材バンク 課題提供機能 大阪教育大学 教員 院生 授業改善の様々な視点客観的な授業改善の基準
VODCAST の機能 授業分析機能 (COLT coding による ) ビデオオンデマンド + チャット TV 電話でコミュニケーションしながら協働学修を進める 授業の特徴をアクティビティー毎に分析 数量化 すぐれた授業の特徴を定量的に明らかにする
4 大学連携の成果 これまで大学内の教員と院生の間でのみやり取りされていた知見や経験 研究方法が共有され, 大学という枠を超え, 広がりを見せている 各大学の教員の専門分野を活かした講義ビデオを一つの共通の大学院生用オンラインコースとして提供し, 院生が様々な専門家の講義を視聴することが可能となっている 教員, 院生 学生を問わず, 小学校英語教育というこれから発展が見込まれる新しい研究分野において先導的な役割を担うことが期待される人材が, 本プロジェクトのオンラインや対面の交流を通して, 人的ネットワークが広がっていく意義は大きい
今度の展望 平成 27 年度 ( 最終年度 ) VODCAST 上で, 統一科目による大学院 ( 学部 ) 学生による協働授業を本格実施 VODCAST 上で, 単位認定を前提とした講義ビデオの視聴とコンテンツの改良 院生 ( 学生 ) による対面交流 ( 北海道 ) 海外の専門家の招致による講演会 セミナーの開催 平成 26 年度においては, イタリアと台湾から小学校英語の専門家を招致し, 協同セミナーを開催 平成 27 年度においては, フィンランドから講師を招致し, 協同セミナーを開催予定 成果のまとめと発表 平成 26 年度においては, 本事業の1 年目の成果を海外 ( フィンランド 台湾 ) の国際学会で発表 平成 27 年度においては, 国内学会での発表, 国際学会 ( イタリア ) での発表予定
学校現場における本プロジェクト発展の可能性 VODCAST の授業分析機能を ipad のアプリとして実現 ( 開発済み ) 教室内の授業を録画しながら分析し, 分析結果を数量的 視覚的に瞬時に入手することが可能となる 各教員の授業改善の指針が得られる 授業研究会での客観的な授業評価基準を提供できる VODCAST を通じて, 教室と大学をつなぐ 大学教員 学生 院生の授業研究 教員の指導スキル 経験
へき地 小規模校教育に関するプロジェクト ( 事業期間平成 25 年度 平成 27 年度 )
事業の概要 プロジェクトの目的 学生のへき地 小規模校教育への理解を深め 実践現場を体験させることで 地域に生きる教育としての意識を喚起し もって 北海道の約半数を占めるへき地 小規模校で実践的な教育指導ができる教員の養成を行う さらに 学生教育の成果やへき地 小規模教育に関わる研究の成果を生かし へき地 小規模校教育に携わる現職教員への支援につながる取り組みを行う プロジェクトの成果 へき地 小規模校の教育指導方法が都市 大規模校にも応用できる可能性を確認した ( 異学年指導 一斉指導と個別指導 体験的活動 子どもの主体的な学習 ) プロジェクト研究の柱 へき地 小規模校教育に関する調査研究 へき地校体験実習の充実 へき地 小規模校教育に関する研究交流の促進 (1) へき地校 小規模校教育に関する指導方法の開発 1 複式教育における学習指導の在り方 に関する指導書の作成 2 へき地 小規模校教育の授業の実際を撮影 編集した映像資料の作成 (2) 国内のへき地 小規模校教育の事例調査 ( 和歌山 長崎 沖縄等 ) (3) 海外のへき地 小規模校教育の事例調査 ( アラスカ フィンランド ) (1) へき地教育アドバイザー を教員養成 3 キャンパス ( 札幌校 旭川校 釧路校 ) への配置 大学と学校現場 行政との連携の充実 (2) へき地校体験実習 の充実を図るための学生に対する事前事後指導の方法と工夫 教材開発 (3) 北海道内における教育実習先の新規開拓 平成 26 年度は北海道の広域性の中で 25 市町村 54 校 123 名が受講 (1) へき地 小規模校教育に関する研究会等の実施 ( 複式授業の工夫 少人数指導の工夫 異学年交流の在り方 集合学習の在り方 ) (2) 他大学との研究交流の促進 連携大学への 出前授業 (3) へき地 小規模校教育に関するシンポジウムの実施 ( 実習校 行政 地域 大学等 )
富良野市立樹海小学校富良野市立樹海中学校富良野市立布部小学校富良野市立布礼別小学校富良野市立麓郷小中学校富良野市立鳥沼小学校富良野市立山部中学校 利尻富士町立鴛泊小学校礼文町立香深井小学校 南富良野町立南富良野小学校南富良野町立金山小学校南富良野町立下金山小学校南富良野町立南富良野中学校 蘭越町立昆布小学校 今金町立種川小学校 幌加内町立幌加内小学校幌加内町立朱鞠内小学校幌加内町立幌加内中学校 実習協力校 25 市町村 54 校実習生合計 123 名 猿払村立浅茅野小学校 美深町立仁宇布小中学校 名寄市立風連下多寄小学校名寄市立智恵文小学校名寄市立智恵文中学校 弟子屈町立奥春別小学校弟子屈町立昭栄小学校弟子屈町立美留和小学校弟子屈町立和琴小学校 士別市立上士別小学校士別市立中士別小学校士別市立糸魚小学校士別市立多寄小学校士別市立温根別小学校士別市立温根別中学校士別市立上士別中学校士別市立朝日中学校 別海町立上風連小学校 根室市立花咲港小学校 地域に生きる教員養成のあり方を提起する へき地校体験実習 は理論と実践の往還型実習プログラムとして発展したことが確認された 橙字は夏期 13 校札幌校 2 4 年生対象 緑字は夏期 21 校旭川校 2 4 年生対象 ピンク字は夏期 6 校釧路校 2 年生対象 伊達市立大滝小学校 占冠村立占冠中央小学校占冠村立占冠中学校 足寄町立螺湾小学校幕別町立古舞小学校 鶴居村立幌呂小学校鶴居村立下幌呂小学校 帯広市立八千代中学校帯広市立愛国小学校帯広市立広野小学校鹿追町立上幌内小学校 浜中町立茶内第一小学校 釧路町立昆布森小学校標茶町立久著呂中央小中学校標茶町立沼幌小学校標茶町立磯分内小学校釧路市立中徹別小学校 青字は秋期 14 校釧路校 3 4 年生対象 12
(1) フォーラムの開催 ( 平成 26 年 3 月 8 日 平成 27 年 2 月 13 日開催 ) 目的 へき地校体験実習 の成果と課題を交流し 教員養成段階における教師教育のあり方を協議する 4 大学連携の成果 (1) (2) 教材開発 1 複式授業 算数 3 4 年 DVD 2 複式学級における学習指導の手引 4 大学による意見交換 へき地校体験実習の報告 等
(3) 連携大学への 出前授業 4 大学連携の成果 (2) 連携大学と教材開発した複式学級の学習指導教材を活用した 出前授業 平成 27 年 1 月 平成 27 年 2 月 平成 27 年度 東京学芸大学愛知教育大学大阪教育大学 地域や学校規模に応じた 指導 の工夫として発展的に活用できる教材へ
今後の展望 学校現場による発展の可能性 複式学習指導の手引きの改訂 Web 上から研究 研修等で活用できるようにする 現職教員への支援 教育行政との合同研修会の開催等 全国の教員養成大学 学校現場への発展 平成 26 年 12 月 13 日 北海道教育大学と北海道立教育研究所との合同研修会 を開催し, 本プロジェクトで開発した教材が教育行政や学校現場でも活用できることを確認した
演劇的手法による教員養成課程の学生並びに現職教員のコミュニケーション能力育成プロジェクト ( 事業期間平成 26 年度 平成 28 年度 )
これまでの経緯
平成 25 年度シンポジウム 倉本聰氏と HATO 四大学長
事業の概要 教師の人間関係やコミュニケーションという領域に対して 教員養成大学では どのような教育実践を行っていくべきなのか また その際 学びの目的をどのように設定し 学びの形態や教育方法をどのように考えていくべきなのか このような問題意識を元に 授業実践と調査 研究を進める 四大学連携の成果 本プロジェクトは 今年度から開始したもので 第 1 回会議では 事業構成員から事前に頂いていたこれまでの富良野 GROUP と連携した事業の報告書 教師になる劇場 に対するレスポンスをもとに 今後のプロジェクトの展開と情報の共有方法について意見交換が行われた 開発した授業の参観 交流 (2 月 7 8 日釧路校にて実施 )
今後の展開 HATO 四大学間で授業参観 出前授業など相互交流 HATO 四大学から教員免許状更新講習 現職教員講習等へ提供 シラバス 教材等の作成 教師力養成モデルとして全国に発信 学校現場における発展の可能性 現職教員に対する教師教育プログラムの充実
ご静聴ありがとうございました