「実践報告」論文の書き方

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4) 構成本文の構成は 原則として次の通りとする はじめに 目的 方法 倫理的配慮 結果 考察 結論 引用文献 (1) 引用文献は引用順に本文の引用箇所の肩に 1)2) と番号をつけ 本文原稿の最後に一括して引用番号順に記載する (2) 引用文献の記載方法は次のようにする 雑誌掲載論文 著者名 :

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(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

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め 投稿者の方でも 書を読めば 投稿者がをどのように理解し 受止めて どのように論文を修正したのかが査読者に分かるように記述することが望ましいと思われます また その際に 論理展開と論文紙面の都合で割愛した部分への対応についてもすべき と指摘した点についても論文構成上で割愛できる内容かどうかの判断が

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解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

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今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

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文章作成の手引き

はじめてのPFD

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

(5) 文体は である調 とし 原則として当用漢字 新仮名づかいを用いる 英数字 ( アラビア数字 ) は半角文字を用いる (6) 年次については西暦年次の使用を原則とし 元号を使用する場合には 初出の年次に平成 (20 ) 年と西暦年次を併記する (7) 学術用語は文部科学省の学術用語集を参考とす

国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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(5) 論文の採否投稿論文の採否の決定は, 査読を経て編集委員会が行う. 査読者は編集委員会が依頼する. 原則として査読者は 2 名とする. 査読者間の意見の相違が在る場合は編集委員会が別の 1 名に査読を依頼することができる. 査読は別途定める査読基準ならびに査読ガイドラインに従って行う. 投稿論

ひょうごつまずきポイント指導事例集について 次ページ 示 ポイント 過去 全国学力 学習状況調査 結果 うち 特 課題 あた問題をも 作成したひう 状況調査 等 結果 明 したも あ 各学年 領域 共通 内容 い た4ページ~5ページポイントをも 各領域 やそ 学習内容を整理した系統表を掲載しい 各

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第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

たす つまり 序論 = 問い ( レポート全体の見通し ) 本論 = 答えを導く議論 ( 理由 + 客観的根拠 ) 結論 = 答え ( レポート全体のまとめ ) 感想は書かないという形になる c. 脱 ダメレポートのための最低ラインまず初めのポイントはコピペレポートにしないこと レポート課題にたいし

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第 2 問 A 問題のねらいインターネット上の利用者の評価情報やイラストを参考に場面にふさわしい店を推測させることを通じて, 平易な英語で書かれた短い説明文の概要や要点を捉えたり, 情報を事実と意見に整理する力を問う 問 1 6 友人, 家族, 学校生活などの身の回りの事柄に関して平易な英語で書かれ

はっきした声であいさつ は高学年では少ないね < 資料 2 より > よい感想だけでなく 問題点も挙げている感想も多いね めあてを達成したとは言えないかもしれないね < 資料 3 より > あいさつ運動への意見が出されているね 4 つの意見が出されているね < 資料 1 2,3 より > 資料 2

論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お

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別紙様式 (Ⅴ)-1-3で補足説明している 掲載雑誌は 著者等との間に利益相反による問題が否定できる 最終製品に関する研究レビュー 機能性関与成分に関する研究レビュー ( サプリメント形状の加工食品の場合 ) 摂取量を踏まえた臨床試験で肯定的な結果が得られている ( その他加工食品及び生鮮食品の場合

学習者用デジタル教材リスト 国語 1 年 国語 1 年上コンテンツ上 8 あいさつをしよう 8 関連ページ 内容 趣旨など 場面の様子を想像する ( 音声付 場面や状況に合わせた言葉遣いの確認 ) 国語 1 年上 コンテンツ 上 10 じこしょうかいをしよう 10 場面の様子を想像する ( 音声付

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「標準的な研修プログラム《

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レポート・論文の書き方 Part2

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目次 1. 応募論文のテーマおよび審査基準 テーマ 情報システムに関するあらゆる分野のテーマ 研究活動の研究成果を発展させた論文 審査基準 独創性 / 進取性 適用

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

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ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

第213回幹事会資料5別添2-3

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

「運動疫学研究」投稿規定

によるものなのかどうか (WEB 上で手に入れた論文は特に!) 論文の背景をできるだけ詳しく調べた方がよいです 基本的にはちゃんと雑誌に載っている論文である事が確かめられない場合や もしくは著者の身分がはっきりと確かめられないような場合は ( 身分がはっきりした人のワーキングペーパーでないかぎりは

るかどうか, そして, その予想した事柄を ~は, になる という形で表現できるかどうかをみるものである 正答率は, 48.1% であり, 発展的に考え, 予想した事柄を ~は, になる という形で表現することに課題がある (3) 学習指導に当たって 事柄を予想することを大切にする数や図形について成

6. 研究が終わった後 血液を他の研究に使わせてください 詳しくは ページへ 病には未解決の部分がまだ多く残っています 今後のさらなる研究のため ご協力をお願いいたします ( 必要に応じて ) バンク事業へのご協力をお願いします 遺伝子を扱う研究を推進するため 多くの人の遺伝子の情報を集めて研究に使

ルとして送信してください ファイル形式は,Word 形式と PDF 形式の両方をお送りください なお, 郵送による投稿は受け付けません (a) 投稿票 (b) 投稿原稿 (c) 査読用原稿 ( 著者の氏名, 所属, 謝辞等をマスキングしたもの ) (d) 著作権譲渡書 教育実践方法学研究 投稿規程

KABC Ⅱ 検査報告書作成日 : 年月日 1 氏名 : 男 女検査年月日 : 年月日生年月日 : 年月日 ( 歳 ) 検査者 : 学校 学年 : 2 相談内容 ( 主訴 ) 3 検査結果 1) 全般的な知的水準 ( 認知総合尺度 ) および習得度の水準 ( 習得総合尺度 ) 2) 認知面および習得

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2010年度版 レポートの書き方の手引き

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『証券経済学会年報』執筆要領《研究論文用》

京都立石神井高等学校平成 31 年度教科 ( 外国語 ( 英語 ) ) 科目 ( 英語表現 Ⅱ ) 年間授業計 ( 標準 α) 教 科 : 外国語 ( 英語 ) 科目 : 英語表現 Ⅱ 単位数 : 2 単位 対象学年組 : 第 2 学年 A 組 ~G 組 教科担当者 :(A 組 : 岡本 松井 )(

コンピュータ中級B ~Javaプログラミング~ 第3回 コンピュータと情報をやりとりするには?

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実践報告 論文の書き方 一般社団法人日本 LD 学会編集委員会 ( 第 21 回大会 : 編集委員会企画研修より )

実践報告 論文投稿のお願い 投稿論文の種類 実践報告 とは 投稿論文について 報告者の倫理 文章を書くということ わかりやすい文章を書くために 論文の書き方 ( 構成 ) タイトルについて 1. 問題と目的 2. 方法 3. 結果 4. 考察 先行研究の結果と比較 まとめ ( 今後の課題 ) 今後の課題 文献の書き方 ( 投稿規定より ) Q&A 目次

実践報告 論文投稿のお願い 一般社団法人日本 LD 学会機関誌 LD 研究 に 実践報告 論文の投稿を ふるってご応募ください 実践報告 は LD の教育 評価 相談 診療などに携わる方々が 日々の実践で試みた事柄の方法とその結果を整理し 意味づけ 広く読者と共有することを目的とします

投稿論文の種類 原著論文 (LD 等に関する独創的 実証的な研究論文 問題提起 研究成果 理論的考察 明確な結論を備える ) 短報 ( 原著論文に準ずるが 萌芽的な研究あるいは主要なテーマに付随するような論文 ) 資料 ( つい指摘研究のような 独創性はないが資料的価値のある論文 ) 総説 ( ある研究テーマ 研究領域の動向についてまとめたもの ( 研究のレビュー )

実践報告 とは 実践報告 には 事例報告 指導 法の検討 評価法の検討 学校で 特別支援教育の取り組み 地域の ネットワークづくり 親の会の活動などが含まれます 特に教育現場における実践報告を歓迎します

投稿論文について 投稿された論文は 編集委員会による査読に基づき 論文の構成や内容に修正を求めることがあります また 掲載される 実践報告 論文には さらにその展開を促すためにコメントをつけることがあります 論文は 学会誌掲載の投稿規定にそって執筆 投稿してください

報告者の倫理 事例報告では 個人や集団が特 定できないように配慮してください 個人の事例報告では 本人 保護者の承諾を得てください

文章を書くということ 楽しみ自分の考えたことがまとまったかたちで目にみえる 辛さ産み出す = 新しいものを創る 完成品 は 自分の頭の中にもない 自分を鍛えること組み立てた論理を その根拠となるデータを示して 他人に納得してもらえるようにする

わかりやすい文章を書くために ひとつの文章に ひとつの内容 4 行以上は長すぎる 主語 と 述語 の関係を明確に 書いたら必ずチェック 熱い想い 冷めてからチェック 数週間 横に置いておく 他人に読んでもらい 感想やコメントを聴く

矛盾したところ 話の筋が通らないところ をチェック 自分で良いと思う文章を真似する 内容ではなくスタイルを 大事なのは プラン 実践 指導する前に 考える その指導にどういう意味があるのか

最初に結論ありき はダメ結果を慎重に そして丁寧に考察結果を拡大解釈しない 目的が大事目的に沿った方法がとられているか結果から無理矢理解釈をしていないか目的に沿った考察をしているか限界をわきまえているか 研究をするにあたっての倫理

論文の書き方 ( 構成 ) タイトル 1, 問題と目的 ( はじめに ) 2, 方法 ( 対象と手続き ) 3, 結果 ( 経過 ) 4, 考察 ( まとめ 今後の課題 ) 文献 実際の執筆作業は この順とは限らない

タイトルについて 研究内容を適切に 正確に表現しているか? タイトルから内容がイメージできるか? 作業の正確さに及ぼす の効果 技能の習得に困難を示す 障害のある 児童への 教材を用いた学習支援

1, 問題と目的 ( はじめに ) 実践研究 日常の実践経験から問題意識を導き出す + 関連する文献も調べて深める その研究を 何のために行うのか どのような意義があるのか 願い や ねらい を書くことと同じではない はじめに は 実際には 後で書く場合もある

2, 方法 ( 対象と機材 手続きなど ) 方法 は 論文の 心臓部 なぜ 論文の 科学性 を保証するから ( 客観性 公共性 ) 論文の評価に大きく影響する

2, 方法 ( 対象と機材 手続きなど ) どのように 再現可能性 によって だから 具体的で 正確な記述を 書かれた通りに行えば 確かめることができる

2, 方法 ( 誰に対して 何を どうして ) 誰に ( 対象者 ) どこ ( 指導の場 ) で 何を用いて ( 検査器具 質問紙 教材など ) どのような働きかけ ( 介入 指導的援助 ) を行ったか 対象者 検査器具 教材等は 正確に 具体的に記述 手続きは 読んだ人が 同じことを実行できるように 必要かつ十分に記述

3, 結果 ( 経過 ) 実験的な研究 指導前プリテスト 指導 介入 指導後ポストテスト 指導前後の変化を図にして示す

事例研究 対象児 ( 標的行動 ) 第 1 期働きかけと変化 指導前後の変化を表にして示す 第 n 期働きかけと変化 対象児 ( 標的行動 )

結果と考察を分ける 4, 考察 実践記録 と 研究報告 とは 異なる考察が必要 得られたデータ ( 量的 質的 ) に基づいて議論書く人の主張は データを根拠として論理的に示されるべき

先行研究の結果と比較 日本の 世界のどこかで似たような研 究をしている どのような結果を出して どのように議論しているか参考にする ( 独りよがりの勝手な解釈をさけるために重要 )

まとめ ( 今後の課題 ) 考察の中に含められる場合もある まとめ読み手はアウトラインを把握しやすくなる 目的 と合致した議論になっているかチェック

今後の課題 今後の課題一つの研究で全てがわかってしまう ということはない 何事にも限界 今回の研究では何がわかって 何がわからなかったのか? わからなかったことを 今後はっきりさせるためには どのようなことをしたらよいのか

論文は著者自身によるオリジナルの論文ですか 執筆者が連名である場合 その順序は貢献度を適切に反映していますか 他者が作成した材料やプログラムを用いた場合 そのソースは示されていますか 不適切あるいは差別的な用語や表現がないかチェックしましたか

文献の書き方 ( 投稿規定より ) 文献は 本文中に引用したもののみ 本文の後に 筆頭著者名のアルファベット順に並べてください ( 引用の表示 ) 雑誌など逐次刊行物の名称は省略せずに記載 著者名は 3 名以下のものは全員 4 名以上の場合は 3 人目までを全員記載 4 人目からは et al.( または他 ) と記載

書き方雑誌の場合氏名 発行年次 論文題名 雑誌名 巻 ページの順に 単行本の場合 著者名 ( 編集者名 ) 発行年次 書名 発行所名 発行地 ( 国内は不要 )

Q & A Q: タイトルをどのように書くとよいのでしょうか A: タイトルは 内容と一致することが大切です 読者がタイトルを見て 内容がイメージできるものが良いタイトルです 地名や教室名などローカルなタイトルは 一般性が乏しいと考えられます

Q & A Q: 方法のところでは 対象児の実態を どのよ うに記載すれば良いですか A: 対象児が はじめにどのような状態であったか記述し 指導後 どう変化したのかという観点から記述しなければなりません アセスメントに 標準検査などの記載があると良いと考えます

A: 学年相当の計算スキルにつまずきがみられた といった記述のみでは 十分ではない 読者が 対象児に対して 共通したイメージがもてない 例えば という検査を用いたところ 学年の平均と比較して の落ち込みがあった レベルの計算問題を実施した際に 問中 問程度の正答率だった 対象児の情報は 客観的事実に留める

Q & A Q: 結果を記述する際には どのようなことに注 意したらよいですか A: 指導を行った結果についての記述では どのくらい当初みられていた誤りが減ったのか どのくらい処理の速度が上がったのか等客観的な根拠を記述していきます

Q & A Q: 指導の効果があった とまとめていきたいのですが どのような結果の書き方をすると論文としてまとまりますか A: 指導前と指導後に 何か変化が起きていることを証明することです 指導前テスト ( プレテスト ) を取って置き 指導後に 内容が同じか 難易度が等価である指導後テスト ( ポストテスト ) を行い その違いを比較する

A: 数値化できるものであれば 数値化できると最も客観性が強くなります ( 統計的な処理が必要になることもある ) 数値化できないものは 主観的な意見と受け取られることもあるので アンケートにする 複数名で分析して 一致度を確かめる 等工夫が必要です 万人に納得してもらえるような 論理展開 工夫が必要

Q & A Q: 考察の記述では 引用文献を用いないといけないのでしょうか? A: 先行研究を引用するのは 自分が行った研究について 説得力を高めるといった意味があります 自分の解釈だけで結論づける 読者が 妥当性や信頼性についての判断がしづらい

A: 過去の研究でも同様の結果が得られていた も指摘するように というように 書くことで自分の思いや考えだけではなく 過去の論文と同様のことが指摘できる 過去の研究では しかわからなかったが 今回の研究で まで明らかになった と先行研究と比較して 更なる進歩があった等異なる筆者の論文からも引用できる 自分の研究に肉付けしていくことが重要

日々の実践を 論文にまとめてみましょう