八幡平市地域防災計画 平成 27 年 3 月 八幡平市防災会議
用語凡例 1 略語 県 本 部 岩手県災害対策本部 防災会議 八幡平市防災会議 市 本 部 八幡平市災害対策本部 県 計 画 岩手県地域防災計画 市 計 画 八幡平市地域防災計画 県本部長 岩手県災害対策本部長 市本部長 八幡平市災害対策本部長 県地方支部 岩手県災害対策本部盛岡地方支部 防災関係機関 指定行政機関 県市町村その他地方公共団体の執行機関 指定公共機関 指定地方公共機関 公共団体並びに防災上重要な施設の管理者 2 読替災害対策本部が設置されていない場合の各章の用語の読替え 県本部長 岩手県知事 市本部長 八幡平市長 市副本部長 副市長 教 育 長 教育委員会教育長 企画総務部長 企画総務部長 市民福祉部長 市民福祉部長 産業建設部長 産業建設部長 教育次長 教育委員会教育次長
目 次 第 1 編 総則 第 1 章 計画の目的 1 第 2 章 市民の責務 1 第 3 章 計画の性格及び基本方針 1 第 4 章 八幡平市防災会議 2 第 5 章 災害の想定 3 第 6 章 目指すべき防災ビジョンと基本目標 3 第 2 編 災害予防計画 第 1 章 共通予防計画 第 1 節 防災知識普及に関する計画 5 第 2 節 防災訓練計画 9 第 3 節 避難計画 11 第 4 節 要配慮者の安全確保計画 17 第 5 節 地域防災活動活性化計画 19 第 6 節 防災施設等整備計画 21 第 2 章 風 ( 雪 ) 水害予防計画 第 1 節 水害予防計画 22 第 2 節 土砂崩壊災害予防計画 24 第 3 節 暴風害予防計画 28 第 4 節 豪雪害予防計画 29 第 3 章 地震災害予防計画 第 1 節 都市の防災化計画 30 第 2 節 地盤災害の予防計画 32 第 3 節 公共施設等の安全確保整備計画 33 第 4 節 火災予防計画 34 第 4 章 その他災害予防計画 第 1 節 建造物災害予防計画 37 第 2 節 林野火災の予防計画 38 第 3 節 農畜産関係の気象災害予防計画 40 第 4 節 文化財災害予防計画 42 第 5 節 火山災害予防計画 43 第 3 編 災害応急対策計画 第 1 章 共通応急対策計画 第 1 節 活動体制計画 45 第 2 節 気象予警 警報等の伝達計画 53 第 3 節 通信情報計画 55 第 4 節 情報の収集 伝達計画 58 第 5 節 広報広聴計画 64 第 6 節 交通確保 輸送計画 67 第 7 節 公安警備計画 70 第 8 節 消防活動計画 71 第 9 節 相互応援協力計画 73 第 10 節 自衛隊災害派遣要請計画 75
第 11 節 防災ボランティア活動計画 77 第 12 節 災害救助法の適用計画 79 第 13 節 避難 救出計画 81 第 14 節 医療 保健計画 92 第 15 節 生活必需品供給計画 95 第 16 節 食料供給計画 97 第 17 節 給水計画 99 第 18 節 応急仮設住宅の建設及び応急修理計画 102 第 19 節 感染症予防計画 106 第 20 節 廃棄物処理 障害物除去計画 109 第 21 節 行方不明者等の捜索及び遺体の処理 埋葬計画 115 第 22 節 応急対策要員確保計画 118 第 23 節 文教対策計画 119 第 24 節 道路施設等応急対策計画 122 第 25 節 ライフライン施設応急対策計画 123 第 26 節 危険物施設等応急対策計画 124 第 27 節 農畜産物応急対策計画 125 第 28 節 林野火災応急対策計画 128 第 29 節 原子力災害対策計画 129 第 4 編 災害復旧計画 復興計画 第 1 章 各災害共通復旧計画 第 1 節 被災者の生活確保計画 140 第 2 節 公共施設の災害復旧計画 145 第 3 節 災害住民相談計画 146 第 4 節 被災者へのメンタルケア計画 147 第 2 章 各災害共通復興計画 第 1 節 復興計画の作成 148 資料編 201 例規編 301 協定編 401
第 1 編 総則
第 1 編 総則 第 1 章 計画の目的 この計画は 災害対策基本法 ( 昭和 36 年法律第 223 号 ) 第 42 条の規定に基づき 八幡平市防災会議が作成する計画で 市 岩手県 指定地方行政機関 指定公共機関 指定地方公共機関等の各防災関係機関が 八幡平市の地域に係る防災の万全を期するために必要な災害予防 災害応急対策及び災害復旧に関する事項を策定し それぞれが全機能を有効に発揮するとともに相互協力により市民の生命 身体及び財産を災害から保護することを目的とする 国 県及び八幡平市の防災会議並びに防災計画の体系 国中央防災会議防災基本計画 岩手県県防災会議県地域防災計画 八幡平市八幡平市防災会議八幡平市地域防災計画 第 2 章 市民の責務 市民は みんなで取り組む防災活動促進条例 ( 平成 22 年岩手県条例第 49 号 ) 第 4 条に規定する県民の責務その他法令 県計画又はこの計画により防災上の責務とされている事項については 誠実にその任務を果たすほか 自ら災害に備えるための手段を講じるとともに 自発的な防災活動に参加するなど防災に寄与するよう努める また 将来の災害に適切に対処するため 行政による対策はもとより 自らを災害から守る自助の意識を高めつつ 高齢者や障がい者 乳幼児 妊産婦 病弱者 外国人等 ( 以下 要配慮者等 という ) への支援など地域を守る共助の気運を醸成しながら みんなで防災に取り組むものとする 第 3 章 計画の性格及び基本方針 1 計画の性格この計画は 八幡平市域における災害対策を推進する上での基本となるものであって 国の防災基本計画及び岩手県地域防災計画に抵触するものであってはならない 2 計画の基本方針この計画は 防災関係機関等がとるべき災害予防対策 災害応急対策 災害復旧対策 その他必要な災害対策の基本的事項を中心に定めるものであり 各防災関係機関は これに基づいて細部計画等を定め その具体的推進に努めるものとする なお 各対策の策定に当たっては 以下の点に留意する (1) 災害予防対策の充実想定被害量を前提にすれば 全てを災害応急対策でカバーするのは不可能であり 想定被害量を軽減するために最も効果的な対策を明記する ア防災知識の普及防災教育等は ともすれば忘れがちになる防災への認識を新たにさせるうえで重要であり 学校教育 社会教育等を通じて各個人のライフステージに応じた防災教育を実施させる イ自主防災組織の育成阪神 淡路大震災や岩手 宮城内陸地震のような大規模災害の場合には 行政機関だけでは到底対応できない このため 救助救出や初期消火活動の重要な戦力として自治会や地域振興協議会等を構成単位とする自主防災組織の育成を図る - 1 -
第 1 編 総則 ウ防災訓練の実施職員の参集 災害対策本部設置及び運営訓練 通信訓練 住民避難及び避難所運営訓練 防災関係機関との連携による訓練等を実施し 職員の防災に関する実務の経験及び防災関係機関との円滑な協力体制の確立を目指すとともに 市民参加の訓練が万が一の対策に生かされることから継続的に実施する (2) 災害応急対策の工夫想定被害量を踏まえると 初動期には 以下のような災害イメージを前提とした応急対策活動となる 同時火災や要救出現場の多発による救出者の増大 負傷者などの大量の発生による医療救護需要の増大 土砂崩れなどの二次災害の警戒 避難勧告など また職員も被災し 要員を確保できない 安否の問い合わせなどによる電話通報の殺到等 市にとっても危機的な状況となる このような危機をどのように管理し 局面を打開していくか その方策を明記する ア応急対策活動の 2 段階編成化応急対策活動を初動期 ( 人命の救助救出 安全確保活動期 ) と救援期 ( ライフラインなどの復旧など重度の生活障害の解消期 ) の 2 段階に分類し 全課等が総力をあげて対応する イ本部機能の充実 強化を図る対策 ( ア ) 情報の管理を一元化し 情報の共有化を図る ( イ ) 広報機能を強化し 不要不急電話の抑制及び救助救出活動の喚起を促す広報を発災直後から実施する ( ウ ) 情報収集に優先順位をつけ 初動期は人的被害情報を優先する (3) 災害復旧対策の強化ア災害住民相談所の開設被災者の資金の借入など 多様な住民要望に答えられる相談所を開設する イ被災者のメンタルケア災害によって深く心の傷ついた心理状態 ( 心的外傷後ストレス症候群 ) を癒す 或いは 軽減するための対策を講じる (4) 個人情報の取扱い市は 災害時における被災者支援において 個人情報を適切に活用することができるよう それぞれが定める条例の規定に従って あらかじめ必要な取扱いを定めるよう努める 第 4 章 八幡平市防災会議 1 所掌事務八幡平市防災会議の所掌事務は 次のとおりとする (1) 八幡平市地域防災計画を作成し その実施を推進すること (2) 八幡平市の地域において災害が発生した場合 当該災害に関する情報を収集すること (3) 水防法 ( 昭和 24 年法律第 193 号 ) 第 25 条の規定に基づく水防計画の策定に関すること (4) 前各号に掲げるもののほか 法律又はこれに基づく政令によりその権限に属する事務 2 組織八幡平市防災会議の組織は 会長を八幡平市長とし 資料編別表 1-3 P211 に示す各防災関係機関の長 又はその指名する職員によって構成する 3 防災会議の招集防災会議の招集は 会長が会議開催の 5 日前までに開催日時 開催場所及び議事を示して委員に通知して行う ただし 急を要する場合は この限りではない - 2 -
第 1 編 総則 第 5 章 災害の想定 災害の種類には 台風 大雨を要因とする風水害のように予知しうる災害と 地震 火山噴火災害等のように殆ど予知できない突発的な災害とに大別することができる そこで 本市の地理的条件 過去において発生した災害の態様等を勘案のうえ 次のように想定する 1 水害過去においては 河川の氾濫により大きな被害が発生したが 河川改修などで水害の危険は少なくなっている しかしながら 近年の集中豪雨 或は未改修の中小河川もあり 住家及び農地等への浸水 冠水 土砂崩れ等の被害が予想される 2 地震災害市域に隣接して活断層が存在することなどから 当面 次の前提条件に基づき想定するものとする (1) 地震の規模マグニチュード 7 程度 (2) 市内の最大震度震度 6 強 (3) 想定被害量 ( 阪神 淡路大震災級の想定被害量 ) 資料編別表 5-2 P229 参照 3 火山災害八幡平市には 岩手山と八幡平の 2 つの活火山がある その中でも 岩手山は これまで 噴火を繰り返してきた大きな活火山であり 一時的に火山活動が活発となった平成 10 年 10 月に 岩手山火山災害対策委員会が国 県 周辺市町村とともに作成した 岩手山火山防災マップ 資料編別表 7-3 P259 は 次の条件により作成されている (1) 過去の噴火の仕方や火山観測状況から 噴火の可能性が高いと推定される 刈屋集落センターから なかやま荘ライン 西側の水蒸気爆発と同ライン東側のマグマ噴火が想定されている (2) 西側の水蒸気爆発は 大地獄谷から姥倉付近を火口とした約 3200 年前の水蒸気爆発と同程度の規模を想定している (3) 東側のマグマ噴火は 岩手山山頂を火口として 1686 年の噴火と同程度の規模を想定している 第 6 章 目指すべき防災ビジョンと基本目標 1 八幡平市が目指すべき防災ビジョン ( 基本理念 ) 八幡平市が目指す 安心して暮らせる安全なまち を次のように設定する 基本理念 人々が個々の防災能力を育み 万が一災害が発生したときは それぞれの能力に応じた防災力を遺憾なく発揮するとともに 互いに助け合う地域社会を目指す 安心して暮らせる安全なまち 将来像 次の 3 つが満たされたまち 1 個々の防災力が高められた 安全なまち 2 互いが助け合い心通い合う安全なまち 3 人々が健やかに暮らせる安全なまち この基本理念から 八幡平市が企画 実施する防災施策は 以下の要件を満たす必要がある (1) 個々の防災力が高められた 安全なまち災害時に最も重要な初期救助活動は 行政の対応だけでは限界がある 住民一人ひとりが 自分の身は自分で守る という自覚のもとに 防災力が高められた地域防災の担い手を作る必要がある - 3 -
第 1 編 総則 (2) 互いが助け合い心通い合う安全なまち要配慮者の視点からとらえたときに安心して暮らせるまちになっていることが必要である そのために 互いが助け合い心がふれ合うまちをつくりあげるための視点を防災対策のなかに盛り込む (3) 人々が健やかに暮らせる安全なまち災害時だけでなく 平常時においても人々が健康で暮らせるまちであることが重要である そのためには 要配慮者にやさしいまちをつくることが要求される 2 計画の目標 - 対策の緊急度 重要度 - (1) 計画の目標ア人命危険の解消 ( 対策 ) 八幡平市域における水害 ( 浸水 ) については 水害に起因して発生する土砂崩れ等による生き埋め等人命損失にいたる災害が懸念される また 八幡平市の隣接地域には活断層の存在もあり 直下型地震の発生も懸念される 阪神 淡路大震災など近年我が国が経験した直下型地震では たとえマグニチュードが 6 クラスでも震源地付近で局所的に震度 6 以上と思われる揺れが発生しており その被害は甚大である 以上のことから 地震災害対策を重視することとする また その場合 人命危険防止対策を最優先する イ地震災害による重度の生活障害の解消 ( 対策 ) 人命危険の解消 ( 対策 ) の状況を考慮しながら 順次 地震災害時の重度の生活障害軽減対策へ重点を移す ウ水害による生活障害の解消 ( 対策 ) 水害 ( 浸水 ) については 地震による重度の生活障害の解消 ( 対策 ) ほどの生活障害にいたらないものと想定されるが 中長期的に取り組む (2) 危険性とその内容 (1) で示した危険性の具体的な内容は 表 1 のとおりである 表 1 危険性とその内容目標 内 容 地震火山災害による人命危険の解消 倒壊家屋の下敷き 生き埋め 転倒落下家具による人命損失 ブロック塀等の倒壊による人命損失 地震時火災による焼死 要配慮者の生活環境の悪化に伴う二次的人命損失 ライフラインの損壊や適切な診療機会の喪 失に伴う要配慮者の人命損失 火山災害による火砕流や火山泥流による人命損失 地震災害による重度の生活障害の解消水害による生活障害の解消雪害による生活障害の解消 長期の避難所生活 ライフライン ( 上下水道 電気 通信施設 ) の長期機能停止 低下 ( 衣食住の長期不安定 ) 床上浸水 家屋の損壊 流失 土砂崩れによる生き埋め 道路の決壊 橋梁の流失家屋の倒壊 雪崩による生き埋め 倒木等によるライフラインの損壊 交通の途絶 - 4 -