1. 留学概要フィンランドのトゥルク応用科学大学の環境 ビジネス学科 (Turku University of Applied sciences,environment and Business) へ,2011 年 9 月 1 日から 9 月 30 日までの 1 か月間にわたって留学した.1 か月間

Similar documents
P1

カナダビジネス研修に参加して グローバルビジネス学科 金城亜由美 私はカナダビジネス研修に参加し 約 2 週間トロントに滞在しました この研修は私がグローバルビジネス学科に進学したかった要因の 1 つであったので 参加できることがとても楽しみでした それと同時に 日本語でも難しいビジネスについて 英

< 先生方へ > 長崎県学力向上推進協議会では 子どもに確かな学力をつけていくためには 何 が大切か また 学力の向上を阻害している要因は何かなどについて 検討を重ね ています その中から次のようなことが指摘されました 1 家庭で毎日決まった時間に学習をする習慣をつけることが大切である 2 食事や睡

<4D F736F F F696E74202D FA8C6F B938C8FD888EA95948FE38FEA8AE98BC6817A81758A4F8D91906C97AF8A7790B682CC8DCC977082C693FA967B8CEA945C97CD82C98AD682B782E992B28DB881768C8B89CA838C837C815B83678DC58F4994C52E70707

スライド 1

データ概要調査対象 : 留学ジャーナルから 7 月 ~9 月に短期留学 (1 週間 ~4 週間の留学を指す ) した大学生に任意で実施したアンケート調査の結果調査人数 :64 名調査期間 :2016 年 9 月 26 日 ~10 月 16 日 留学期間 1 週間以内 2 週間 3 週間 4 週間 合

Microsoft Word - 医療学科AP(0613修正マスタ).docx

<4D F736F F D E9197BF A B83678C8B89CA8A5497AA2E646F63>

< DDD8A7790B E90B688C88A4F816A B83678F578C762E786C7378>

京都立石神井高等学校平成 31 年度教科 ( 外国語 ( 英語 ) ) 科目 ( 英語表現 Ⅱ ) 年間授業計 ( 標準 α) 教 科 : 外国語 ( 英語 ) 科目 : 英語表現 Ⅱ 単位数 : 2 単位 対象学年組 : 第 2 学年 A 組 ~G 組 教科担当者 :(A 組 : 岡本 松井 )(

[ 中学校男子 ] 1 運動やスポーツをすることが好き 中学校を卒業した後 自主的に運動やスポーツをする時間を持ちたい 自分の体力 運動能力に自信がある 部活動やスポーツクラブに所属している 3 運動やスポーツは大切 [ 中学校女子

< F2D915391CC94C5824F C52E6A7464>

งานนำเสนอ PowerPoint

習う ということで 教育を受ける側の 意味合いになると思います また 教育者とした場合 その構造は 義 ( 案 ) では この考え方に基づき 教える ことと学ぶことはダイナミックな相互作用 と捉えています 教育する 者 となると思います 看護学教育の定義を これに当てはめると 教授学習過程する者 と

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

例 1) 日系人の A さんの場合 1 域内の外国人の状況 ニーズ, 地域のリソース等の把握 (1) 対象とする学習者の属性や数の把握 レディネス( 日本語学習をどの程度行っているか ) 家族形態 来日 3か月で日本語学習経験はなし 妻, 子供 ( 小学生 ) 漢字圏かどうか 在留資格 非漢字圏 定

〈各種報告〉近畿大学語学研修(中国語圏・台湾大学)に関する報告

睡眠調査(概要)

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

H30全国HP

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

日常的な食事に関する調査アンケート回答集計結果 ( 学生 ) 回収率 平成 30 年 12 月 1 日現在 134 人 問 1 性別 1 2 男性女性合計 % 97.0% 100.0% 3.0% 男性 女性 97.0% 問 4 居住状況 家族と同居一人暮らし

表紙(A4)

調査結果概要 留学概要について 留学の種類 私費留学 が 4 割でもっとも高い 大学経由の留学 ( 交換留学 認定留学 派遣留学 の合計 ) も同様に 4 割を占める 留学先 アメリカ がもっとも高い 留学先の 4 位までが英語圏で 6 割以上を占める 留学した学年 大学 2 年 大学 3 年 がそ

PowerPoint プレゼンテーション

0517ffs_専修_経済

1. 出発前の準備について ビザの種類 必要書類 手続き 手続きに要した期間 有 無種類 ( ) ビザ申請先 国内 現地場所 ( 大阪 ) 入学許可書 オンラインで行った手続きの書類のコピー パスポート IELTS のスコア証明書がビザの手続きに必要です 毎年規定や申請に要する期間が変わるので 自分

小学生の英語学習に関する調査

平成 30 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 食べ物と健康との関わりについて知ろう 給食について知ろう 学習 遊びの指 導 生活単元 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 食後の片付けができる しっかりかむ習慣を身に付け,

日本スポーツ栄養研究誌 vol 目次 総説 原著 11 短報 19 実践報告 資料 45 抄録

Q2. 海外旅行にいくなら下記のどの形態で行きたいですか [SA] ガイド付きパック旅行 ( 自由行動あり ) % ガイド付きパック旅行 ( 自由行動なし ) % 航空券とホテルがセットになったパック旅行 ( ガイドなし ) % 航空券とホテルを別々に自分で

PowerPoint プレゼンテーション

2016 年度 中国派遣留学報告書 実習先 : 北京師範大学 実習期間 :8 月 29 日 ( 月 )~1 月 7 日 ( 金 ) 新潟国際情報大学国際文化学科学籍番号 : 中村匠

論文題目 大学生のお金に対する信念が家計管理と社会参加に果たす役割 氏名 渡辺伸子 論文概要本論文では, お金に対する態度の中でも認知的な面での個人差を お金に対する信念 と呼び, お金に対する信念が家計管理および社会参加の領域でどのような役割を果たしているか明らかにすることを目指した つまり, お

2013 年度 統合実習 [ 表紙 2] 提出記録用紙 5 実習計画表 6 問題リスト 7 看護過程展開用紙 8 ( アセスメント用紙 1) 9 ( アセスメント用紙 2) 学生証番号 : KF 学生氏名 : 実習期間 : 月 日 ~ 月 日 実習施設名 : 担当教員名 : 指導者名 : 看護学科

目次 1 留学先及び実習期間 留学先概要 留学目的 留学内容 留学のスケジュール 留学の詳細 当初目的 目標への達成度 反省 課題...9 謝辞...9 2

2 / 5 2 単位取得 単位互換 教職履修などに関してのアドバイスをお願いします 英語の授業であるからと物怖じせず 難しそうでも日本では取れない授業を取ることをおすすめする 交換留学生は学部に関係なく幅広い授業の履修が可能である その為この機会を活かして自分の分野外でも興味のある授業を受けてほしい

留学報告書

平成 29 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 遊びの指導 生活単元学習 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 給食の食材や献立について知る バランスよく, 何でも食べる 必要な水分を上手に摂取する 食後の片付けができる しっ

能代市中心市街地活性化計画

選択評価事項C 水準判定のガイドライン(案)

留学報告書

2017 年度 韓国留学報告書 留学先 : 慶煕大学 留学期間 :9 月 5 日 ( 火 )~12 月 28 日 ( 木 ) 新潟国際情報大学国際文化学科学籍番号 : 村木沙弥香 1

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

1

リヨンでフランス語留学 - Lyon Bleu

3. ある 1 日のスケジュール 7:00 起床 7:30 朝食 9:00~10:00 予習 10:00~4:00 授業 4:00~5:00 ジム 5:00~7:00 予習復習 7:30 夕食 8:00~12:00 予習復習 12:30 就寝 4. 留学にかかった費用 渡航費( 往復 )22 万円

ライフプランニング学科ライフデザインコース 学科 専攻名ミッション ( 教育目標 ) 到達目標到達目標に対応する授業科目 年 年 3 年授業科目春春春春組織のミッション到達目標 ( 綱 ) 到達目標 ( 細 ) 科目区分 科目区分 科目区分 3 家庭を経営する専門的知識と能力を身につけている に関す

PowerPoint プレゼンテーション

~「よい夫婦の日」、夫婦間コミュニケーションとセックスに関する実態・意識調査~

< 受験生トレンド > 受験生に必須のアイテム 受験生の半数以上が勉強に SNS を活用 3 人に 1 人以上が活用している Twitter が第 1 位に 目的は モチベーションを上げたい 記録に残したい 共有して安心したい が上位に 勉強専門アカウントについては約 5 割が興味 約 2 割が活用

2020 年度海外臨床実習 応募要綱 医学教育 国際化推進センター (2019 年 4 月 26 日 )

初めて親となった年齢別に見た 母親の最終学歴 ( 問 33 問 8- 母 ) 図 95. 初めて親となった年齢別に見た 母親の最終学歴 ( 母親 ) 初めて親となった年齢 を基準に 10 代で初めて親となった 10 代群 平均出産年齢以下の年齢で初めて親となった平均以下群 (20~30 歳 ) 平均

2 夜食 毎日夜食をとっている者は では 22.5%( 平成 23 年 23.9%) であり で % と割合が高い では 18.3%( 平成 23 年 25.2%) であり 40 歳代で割合が高い 図 夜食の喫食状況 (15 歳以上 性別 年齢階級別 )

困窮度別に見た はじめて親となった年齢 ( 問 33) 図 94. 困窮度別に見た はじめて親となった年齢 中央値以上群と比べて 困窮度 Ⅰ 群 困窮度 Ⅱ 群 困窮度 Ⅲ 群では 10 代 20~23 歳で親となった割 合が増える傾向にあった 困窮度 Ⅰ 群で 10 代で親となった割合は 0% 2

高合格率目標達成のためのノウハウを満載! 情報処理試験合格へのパスポートシリーズ ポイント 1 他社テキストにはない重要用語の穴埋め方式 流れ図の穴埋めを採用している他社テキストはあるが, シリーズとして重要用語の穴埋めの採 用 ( 問題集は除く ) はパスポートシリーズだけです なぜ, 重要用語の

<4D F736F F D C835894AD955C8E9197BF EE CC B83678E9E8E96816A8F4390B38CE32E646F63>

Microsoft Word - 4㕕H30 �践蕖㕕管璃蕖㕕㇫ㅪ�ㅥㅩㅀ.docx

平成 20 年度全国学力 学習状況調査回答結果集計 [ 児童質問紙 ] 松江市教育委員会 - 児童 小学校調査 質問番号 (1) 朝食を毎日食べていますか 質問事項 選択肢 その他 無回答 貴教育委員会 島根県 ( 公

問 6 (2) 1. 毎日またはほとんど毎日 に をつけた方以外におたずねします あなたが夕食を食べない理由はなんですか ( あてはまる番号 1 つに をつけてください ) 計 時間がない おなかがすいていない

プレトリア大学(南アフリカ共和国・プレトリア)

1 高等学校学習指導要領との整合性 高等学校学習指導要領との整合性 ( 試験名 : 実用英語技能検定 ( 英検 )2 級 ) ⅰ) 試験の目的 出題方針について < 目的 > 英検 2 級は 4 技能における英語運用能力 (CEFR の B1 レベル ) を測定するテストである テスト課題においては

01-02_入稿_0415

CAMPUS COMMUNICATION April No.83

1 単位対象学年 組 区分 1 年 必修 奥村秀章 黒尾卓宏 晝間久美 保健体育 保健 我が国の健康水準 健康であるための成立要因や条件について理解させ 飲酒や喫煙等の生活習慣について考える 薬物乱用 感染症 エイズの予防対策の重要性について認識させる ストレス社会への対処の仕方や身

学籍番号:  氏名:

成績評価を「学習のための評価」に

副学長 教学担当 中村 久美 新しい大学づくりに向けた教育の展開 巻頭言 2012年6月に文部科学省が公表した 大学改革実行プラン は 激動の社会における大学機能の再構築を掲げています 教学に関し ては ①学生の主体的な学びの創出や学修時間の拡大化をはじめと する大学教育の質的転換 ②グローバル化に

(Page 2) 2015 年 春学期 4 月 13 日 ~ 7 月 24 日 年 学期 月 日 ~ 月 日 年 学期 月 日 ~ 月 日 授業の概要について 留学生のための語学の授業と一般の授業を並行して履修できる ( カリキュラム, プログラム等 ) 単位互換希望の有無 有 無 有の場合, 所属

AIMS-HU_report

平成30年版高齢社会白書(全体版)

調査結果概要

コミュニケーションを意識した授業を考えるーJF日本語教育スタンダードを利用してー

Microsoft PowerPoint - 電子ポートフォリオのフィードバック(配付).pptx

[ 演習 3-6AA] ウェブページの検索結果の表示順序 ( 重要 ) 10D H 坂田侑亮 10D F 岩附彰人 10D D 財津宏明 1.1 ページランクとは ページランクとは グーグルが開発した検索エンジンのウェブページの重要度を判定する技術である サーチエ

平成28年度 海外留学プログラム

(Microsoft Word - \217\254\212w\202U\224N\201i\216R\217\343\201j.doc)

AIMS-HU_report

2021 年度入学者選抜 (2020 年度実施 ) について 静岡大学 本学は,2021 年度入学者選抜 (2020 年度実施 ) より [ 註に明記したものは, その前年度より ], 志願者のみなさんの能力をこれまで以上に多面的に評価することを目的として, 課す教科 科目等を以下のとおりに変更いた

スライド 1

PowerPoint 프레젠테이션

(4) ものごとを最後までやりとげて, うれしかったことがありますか (5) 自分には, よいところがあると思いますか

スライド 1

スペイン語研修 田中日奈子 渡航先 : スペイン ( マドリード ) はじめに活動内容の概要は アルカラ大学での語学研修とスペイン観光 ホームステイを通してスペイン文化に触れるというものです 授業は平日に 4 時間行われました 期間は 2 月 9 日から 3 月 5 日までの 25 日間でした 短期

言語は人とコミュニケーションを取るためにあるものだが 実際に使うために学んでいるのではなく受験で格差をつけるために日本人は英語を学習している 日本人で英語を話せる人がより増えるようにするためには 実際に使える英語 を学び 英語を学ぶ目的を明確にさせれば良い 3 方法 日本 韓国 中国 ( 都市部 )

生に 分析系 合成系 生物系の研究室を案内してもらいましたが それぞれの研究室の実験機器がとても充実しており さらに 出した論文の数も豊富でした 夕方には 学部生 3 人と学生交流をしました 彼らは 小学 1 年生のころから英語を勉強しており 特にスピーキングを重視した教育を受けており 英語でのコミ

情報技術論 教養科目 4 群 / 選択 / 前期 / 講義 / 2 単位 / 1 年次司書資格科目 / 必修 ここ数年で急速に身近な生活の中に浸透してきた情報通信技術 (ICT) の基礎知識や概念を学ぶことにより 現代の社会基盤であるインターネットやコンピュータ システムの利点 欠点 それらをふまえ

初めて親となった年齢別に見た 就労状況 ( 問 33 問 8) 図 97. 初めて親となった年齢別に見た 就労状況 10 代で出産する人では 正規群 の割合が低く 非正規群 無業 の割合が高く それぞれ 22.7% 5.7% であった 初めて親となった年齢別に見た 体や気持ちで気になること ( 問

2018 年度 アメリカ留学報告書 留学先 : セントラル ミズーリ大学 留学期間 : 8 月 23 日 ~12 月 6 日 新潟国際情報大学国際地域学部学籍番号 : 北澤凌 1

2015年 4月6日(月)~12日(日)

<4D F736F F F696E74202D20358BA48C9A927A B E B6A8D5B92C789C1>

賞 最優秀賞 1 件 賞金 15 万円 副賞 : ハノイ貿易大学での交流のための渡航費用 ( 上限 3 名 ) 優秀賞 2 件 賞金 5 万円 スケジュール スケジュール内容 日程 応募申請書と企画書の提出 5 月 1 日 ~ 6 月 30 日 一次審査結果通知 7 月 23 日 一次審査通過プラン

観光・サービス分科会 本編

Microsoft Word - 【確認】アンケート結果HP.docx

別記第 3 号様式 団体名 活動計画表 平成年月日 ( ) 6:30 起床 洗面等 冬季 (11 月 ~2 月 ) 起床時刻 7:00 7:00 7:30 8:45 朝のつどい 美化活動 朝食 活動準備 この時間帯に寝具の整頓 シーツの返却 晴天時活動内容 入所日入所前活動 ( 立寄先 ) を記入

3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

6. アンケート調査上述のように, 本研究における価値とは, 人それぞれのライフスタイルに沿うことと定義した. つまり, ライフスタイルの中で時間やお金をかけているものこそが, 価値を感じ大切にしているものであるとする. それは人によって衣食住であったり, 娯楽や勉強, スポーツであったりと様々では

SGH 発表用 ドラフト

な取組 日本や東京の文化 歴史を学び 日本人としての自覚と誇りを涵養主な取組 東京都国際交流委員会 * を再構築し 外国人への生活サポートを推進主な取 様々な広報媒体の活用などによる障害者への理解促進主2020 年に向けた取組の方向性 1 オリンピック パラリンピック教育を推進するとともに 多様性を

PP

Transcription:

短期留学学習成果報告書 留学先 : フィンランド, トゥルク応用科学大学 留学期間 :2011 年 9 月 1 日 ~9 月 30 日 報告者 : 釧路高専専攻科 建設 生産システム工学専攻 2 年田中康基

1. 留学概要フィンランドのトゥルク応用科学大学の環境 ビジネス学科 (Turku University of Applied sciences,environment and Business) へ,2011 年 9 月 1 日から 9 月 30 日までの 1 か月間にわたって留学した.1 か月間の主な活動内容を表 1 に示す. フィンランドへ到着してから 1 週間は主にオリエンテーションや留学生向けのイベントに参加した. オリエンテーションでは図書館の利用方法や学内のコンピュータの利用方法,Web メールの登録や留学の手続きなどを実施した. 5 日からはフィンランドでの研究の進め方や進行中のプロジェクトなどについて説明を受けた後, プロジェクトマネージャーと留学中の研究内容について話し合い, テーマを決定してから研究を開始した. 留学中の学習としては主に研究を実施することとし, 短期留学であることから授業に参加できる日数が少ないため, 授業の履修などは特に行わなかった. 研究は主に研究室へ行って実施した.14 日には自分と同様のプロジェクトを進行させている学生とミーティングを行い, 情報を交換することでその後のプロジェクトの方向性などについて検討した. また, フィンランドでは複数の学校と企業が共同でプロジェクトを進行させることから, プロジェクトにかかわる他大学の学生とコンタクトを得ることができた. 平日の過ごし方について, 一日の代表的なタイムテーブルを図 1 に示す. 研究を行う時間や場所については特に指定されなかったものの, フィンランドでは一般的な仕事時間が午前 8:30 から午後 4:30 程度であるため, およそこの時間帯は主に研究室で研究活動を実施した. 研究の終了後は市内の美術館や博物館に行くなどして観光を楽しむか, 市場やスーパーマーケットで食材を購入するなどして過ごした. 美術館や博物館は必ず学割が効くため, 市内全域を格安で観光することができた. いずれにおいても, 休日でなくても様々な場所へ出かけることができたことには, 観光名所やスーパーマーケットは徒歩で移動できる範囲にまとまって存在しているため, 移動にはさほど時間がかからなかったという背景がある. 帰宅後はアパートのシェアメイトの 2 人とともに夕食の準備をし, 食事をとった. 就寝前にはシャワーを浴びた後, 英語の勉強をして過ごすことが多かった. 留学中は特に英語によるコミュニケーション能力の必要性を痛感していたためである.

表 1 留学スケジュール 日 曜日 活動内容 1 木 アパートへの入居 2 金 オリエンテーション 3 土 交換留学生向けパーティ 4 日 5 月 研究に関する説明 6 火 研究内容の決定, 交換留学生向け観光案内 7 水 研究の実施 8 木 9 金 10 土 11 日 12 月 研究の実施 13 火 14 水 研究内容に関するミーティング 15 木 16 金 17 土 18 日 19 月 研究の実施 20 火 21 水 22 木 23 金 24 土 25 日 26 月 研究の実施 27 火 28 水 29 木 30 金 研究報告書の提出 24:00 21:00 勉強 入浴等 夕食 睡眠 19:00 観光 買い出し等 起床 朝食 登校 7:00 15:30 研究 昼食 研究 8:30 13:30 12:30 図 1 一日のタイムテーブル

2. 留学先での学習内容留学前の準備から留学中の学習内容まで, 留学に関して学習した内容には様々なものがある. 主なものとしては, 留学先の文化, コミュニケーションツールとしての英語, 留学先での研究に関する学習があり, ここではそれらの詳細について報告する. 2.1 留学前に準備したこと留学前には留学先での研究テーマなどが未定だったこともあり, 専門分野に関する予備知識を得るための学習は実施していなかった. ただし, 日本語や英語で書かれた書籍を利用し, フィンランドの文化や国土, 歴史についての概要を学ぶことで人々の気質や習慣, および生活面での特徴に対して理解を深めることに努めた. また, 英語については日常会話を中心に参考書や CD, 海外ドラマなどを利用してコミュニケーションを円滑にとるための勉強を実施した. 特に, 海外ドラマを利用した勉強ではドラマを鑑賞すること自体も楽しみとなり, 結果としてリスニング力の向上, 日常的によく使う英語表現の習得につながり, 効果的な学習となった. 2.2 学習内容および学習結果留学中の主な学習内容として, 研究を実施した. 研究内容についてプロジェクトマネージャーと話し合った結果, 日本では木材に関する研究をしていることから, フィンランドでも木材に関する研究を実施することとなった. 研究テーマは木材加工のロボット化に関して, すでに実施されてきたことと未来の可能性について調査することであった. このようなテーマに決定した背景としては, トゥルク応用科学大学をはじめとした複数の大学および企業が連携して行うプロジェクトが計画されていたことが挙げられる. このプロジェクトは 2011 年の 10 月から本格的な計画段階に入るものであり, テーマは木材加工ラインのロボット化であった. そのため, プロジェクトに関する事前情報として既往の論文などの調査を任せられたものである. 基本的な作業内容としては, 木材のロボット加工に関する文献の調査があり, 具体的には図書館, 書店, 論文検索サイトについて調査を実施した. いずれにおいても言語は英語あるいはフィンランド語であるため, 英語論文に関しては様々な専門用語を含む論文の熟読と要約, フィンランド語論文に関しては英語への翻訳を主に実施した. 最終的には調査した内容を報告書としてまとめ, 指導教官へ提出することで 1 ヶ月間の学習成果とした. 研究結果報告書の内容としては, 木材の切削形態には主に milling と carving があること, およびそれらの切削メカニズムについて述べ, それぞれの場合において産業用ロボットによる切削制御について記述されている既往の論文から利点や問題点, 制御方法などについて論じた.

3. フィンランドでの日常生活移動手段としては, 路線や本数が充実しているバスの定期券を購入し, それによって登校や買い物に行くことができた. ただし, 留学先のトゥルクは学校や店, 観光名所がまちの中心に集まっており, 宿泊先と学校の距離も歩いて 25 分程度であるため, 買い出しや観光は徒歩によることが多かった. 食生活について, 朝食と夕食は自炊とし, 昼食は学校のカフェテリアで取ることが多かった. 校内のカフェテリアは半バイキング方式となっており, 高額な料理を取らなければ, 量にかかわらず一律 2.55 ユーロであるため, 安く多量の食事をとることができた. 自炊に関しては, 市内の市場やスーパーマーケットで食材を購入し, それらを調理することでまかなった. フィンランドでは食品類の税率が低いため, 食材はかなり安く購入できた. ただし, 野菜は低価格であるものの, 魚や肉類はやや割高であったため, 主に野菜中心の食事となった. 主食はパンやパスタ, ジャガイモとすることが多かったが, 日本食を作るときにはタイ米を炊いて食べることも多かった. フィンランドの環境について特筆すべきこととして, 治安の良いことおよびフィンランド人の英語習熟度の高さが挙げられる. そのため, 盗難の被害にあう危険性は極めて低く, 夜間でも安心して市内を歩き回ることができる. また, 一部の年輩の方々を除けばほとんどすべてのフィンランド人は英語が通じ, また親切であるため, 道や買い物の仕方など, わからないことがあればすぐに訪ねることができる. ほかにも, 市街地であっても緑が多く, 人々が森林や樹木を大切にしていることがうかがえる. 4. フィンランド人学生および海外留学生との交流留学生向けのパーティーや観光案内など, 様々なイベントが催されており, そのいくつかに参加することで他国の留学生と交流することができた. また, 現地で知り合った留学生やフィンランド人学生をアパートに招き, 国の文化やそれぞれの専攻分野, また研究内容などについて会話することができた. いずれにおいても, 他国の留学生は日本に対して興味を抱いており, 日本の文化や技術に関して会話することが多かった. 他国の留学生に紹介した日本の文化としては書道がある. 書道を紹介した理由として, 書道は小学生のころから学び始め, 現在では有段者となり指導者としての資格も有しているため, 文化を伝えられる自信があったためである. 持参した半紙に様々な字を書いてプレゼントすると, 皆一様に喜んでくれたことが特に印象に残っている. このような経験から, 日本の伝統的な文化について学ぶ意義は, 日本国内よりも海外において強く意識することができると感じた. 日本人として誇れる技能を持っていれば, それは海外の人々の興味を引く格好のツールとなり, また自身も生粋の日本人としての誇りを持って海外の人々と触れ合うことができる. これは留学するうえで自身のアイデンティティともなるため, 日本人としての自身の源となる. また, 現地で交流した学生の一部とは Facebook を通じて現在でも連絡を取り合うことが

できる状態にある. フィンランドで知り合ったすべての留学生が Facebook の利用者であっ たことからも, 留学においては Facebook が友好関係を結ぶための重要なツールであったこ とは決して見過ごせるものではない. 5. 留学による成果および感想留学を志願した動機としては, 海外へ行くことによって貴重な経験ができると考えたこと, また自らの価値観や考え方を拡張できる可能性が高いと考えたことが挙げられる. 近年, 日本では留学を志願する学生が少ないという社会背景もあったため, そのような需要に応えられる人材を志したことも動機の一つである. 実際に留学したことによる成果としては, 世界の広さを痛感し, 自らの価値観の拡張 向上につながったこと, 様々な文化に刺激されることで国際的な視点からの日本の立ち位置や日本人としての立場を理解することができたこと, 他国からの留学生の意識や考えに触れることができたことなどが挙げられる. 特に, 言葉による意志の疎通がままならない環境において, 他人とのコミュニケーションを取るために努力した経験から, 日本国内では当たり前のように円滑に言葉によるコミュニケーションをとることができるという事実を再発見し, 言葉が通じる以上, コミュニケーションを阻害する要因はほとんどすでに克服されていることに感銘を受けた. 一方で, 研究を実施した感想としては, 先進的な研究をするためには必ずしも海外へ行く必要性がないと感じたことが挙げられる. これは, 日本の研究設備や専門書が充実しているためであり, また母国語による学習のほうが外国語による学習に比べて高効率であると考えられるためである. しかしながら, 真に先進的な技術は国際的な情報交換の必要性を伴うものであることから, 留学することによって情報交換のしやすい環境をつくることは技術者にとって必須の条件であるとともに, 厳しい環境に身を置くことで技術者としてのみならず人間としても成長できると考えられる. 以上のように, 今回の留学は非常に貴重な経験となった半面,1 か月の留学では得られるものに限界があることも痛感した. 基本的な文化や生活様式に触れることはできたが, 人々の考え方や, 日本人との意識の違いなどはあまり多くを理解できなかったためである. そのため, 今後は次回の留学のチャンスに備え, 英語によるコミュニケーション能力をより一層高めることに努めたい. なぜなら, 留学においてはコミュニケーションを円滑に取れるかどうかで留学の意義が決定されることを痛感したためである. また, 他国の留学生は自分の国以外の国に対する関心が非常に高かったことから, 今後は海外のニュースや文化に対し, 興味を持って向き合いたいと考えている.