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Transcription:

新システムの概要と 設計のポイント 櫻田武嗣 Takeshi Sakurada (take-s @ cc.tuat.ac.jp) 東京農工大学総合情報メディアセンター Jun. / 2016

内容 遠隔講義システムの更新について 使われる遠隔講義システムにするには? 電子計算機システムの更新について 持たないシステム 端末の無い PC 教室 2

学部生約 4,000 名大学院生約 2,000 名 東京農工大学は 1874 年に設置された内務省勧業寮内藤新宿出張所農事修学場および蚕業試験掛をそれぞれ農学部 工学部の創基とし 1949 年に大学として設置され 前身校を含め 130 年にも及ぶ歴史と伝統を有する大学で 人類社会の基幹となる農業と工業を支える農学と工学の二つの学問領域を中心として 幅広い関連分野をも包含した全国でも類を見ない特徴ある科学技術系大学として発展し また 安心で安全な社会の構築や新産業の展開と創出に貢献しうる教育研究活動をおこなってきた 東京農工大学は 20 世紀の社会と科学技術が顕在化させた 持続発展可能な社会の実現 に向けた課題を正面から受け止め 農学 工学およびその融合領域における自由な発想に基づく教育研究を通して 世界の平和と社会や自然環境と調和した科学技術の進展に貢献するとともに 課題解決とその実現を担う人材の育成と知の創造に邁進することを基本理念とする この基本理念を 使命志向型教育研究 - 美しい地球持続のための全学的努力 (MORESENSE : Mission Oriented Research and Education giving Synergy in Endeavors toward a Sustainable Earth) と標榜し 自らの存在と役割を明示して 21 世紀の人類が直面している課題の解決に真摯に取り組む 3

メインとなる 2 つのキャンパスは 東京都のほぼ中心に位置 府中キャンパス 小金井キャンパス 4

遠隔講義システムの更新 5

はじめに 衛星通信 (VSAT) を利用した遠隔講義システム ( 2008 年 ) SCS(Space Collaboration System) 1997 年前後 全国 90 拠点程度 メディア教育開発センター (NIME) が主導 ) 画質は SD( アナログテレビ ) 程度 放送型 ( 数拠点だけ双方向可能 ) 天候に左右される 設備維持費 利用料の問題 前遠隔講義システム (2009 年 ) SCS にかわるシステムの構築 : 東京農工大学が主導 HD 品質 全拠点双方向 システムの自動化 利用推進のしかけ 全国国立大学法人 18 校 初期 23 拠点 拠点増加 ( 合計 40 拠点超 ) 6

旧システムの要件 SCSのように遠隔講義ができること 安定した接続であること システムの操作が簡単であること 機器操作の習熟した人が各拠点に必ずしも必要ない 多数の拠点を同時に結ぶ 各校 1 拠点としても最低 18 拠点は同時に接続の必要有り 双方向の講義をしたい いつでも質問や学生同士のディスカッションを取り入れる 少なくとも4 5 年は利用したい 地域連携や国際交流 共同研究でも活用したい 7

ところで 大規模な遠隔講義システムでは 多数の教室を結ぶ 多くのテレビ会議システムは単体で4 地点まで 今回は18 教室以上を同時に結ぶ MCU( 多地点接続装置 ) 等必要 大きな教室での講義 受講 カメラを複数台設置 前のカメラで学生を撮影 後ろのカメラで講師を撮影 椅子や机固定の教室 パン チルトなどの操作を減らす プロジェクタ ( 大型モニタ ) やマイクの使用 音の回り込みへの対策 ( 自拠点内での拡声もある ) 遠隔講義以外の通常の講義でも利用 8

システム構成機器 (2009 2015 年 ) 東京農工大学 Internet 各拠点に配置される機器 モニタ プロジェクター スピーカなどは各大学で教室の大きさに合わせて設置 多地点接続装置 (MCU) HD 対応大型モニタ ( プロジェクター ) HD カメラ ( 講師撮影用 ) HD カメラ ( 教室撮影用 ) タブレット PC レコーディングサーバ SINET4 HD 対応テレビ会議端末 Web カメラ デジタルミキサ / ハウリングサプレッサ / エコーキャンセラ マトリクススイッチャ パワーアンプ 簡易配信サーバ ワイヤレスタッチパネル ワイヤレスマイク スピーカ 集音マイク ( 天井 ) システム予約サーバ / 自動制御管理サーバ 9

音声の作り込みー快適な音声を目指すー ハウリングやエコーなどが起こると聞きづらい 大きな会議室で自己拡声がある場合には テレビ会議付属マイクで は難しい 遠隔教室 スピーカー 教室 マイク 解決には音声の作り込みが不可欠 SoundStructure C8 を利用 講義や会議ができるレベルにまで機器 設置調整 遠隔から監視 音量調整等が可能 音声のループが発生 10

遠隔講義ができる仕組み 会議をするには会議室が必要 仮想的に会議室を提供 MCU( 多地点接続装置 ) 仮想会議室 A 仮想会議室 B 仮想会議室 C 拠点 a 拠点 b 拠点 d 拠点 e 拠点 h 拠点 i 拠点 c 拠点 f 拠点 g 拠点 j 18 大学が同じ仮想会議室に接続すれば同一講義を受けられる 11

テレビ会議システムを購入するだけではダメ? 各拠点に機器操作に詳しい人が必要 映像 音響機器も含めて操作する必要があるので リモコンも沢山 前の人が設定を変えていたら直せる? 多地点をつなぐ場合 MCU( 多地点接続装置 ) の設定も必要 各社の予約ソフトウェアがあるけれど MCU 内に仮想会議室を作成することはできる 端末向けにコールアウトしてくれるものまではある 各拠点の電源が入っていないとそもそも接続できない 結局 各拠点で操作が必要 誰がする? 最初に特定の場所とだけつなぐ設定だけする それ以外操作させない 活用されなくなる例が非常に多い 12

誰でも使えるシステムにするには? 予約システムとの連動による自動化 リモコンを撤去 タッチパネル 遠隔地からの機器診断 遠隔サポート 不要 それぞれの機器のリモコン 個々の機器の操作 タッチパネルで簡単に操作 13

Web で予約後 予約時刻に拠点に向かうだけ 終了時も機器のシャットダウンと電源切断を自動的に行う 14 予約システムによる自動化 利用者 (1) 利用予定の日時 接続拠点を入力 MCU 管理サーバ (2) 予約情報を伝達 予約管理サーバ (5) 仮想会議室作成と接続拠点通知 (3) 予約開始時刻前に機器の自動起動 多地点接続装置 (MCU) (6) 各拠点へ自動接続 各拠点 NI-3100 コントローラ (4) 機器の起動と設定 (7) 遠隔講義の開始 HDX-8006XLP AV 機器等

テレビ会議切断時の復旧手順 回線が途中で切れた場合やシステムが起動しなかった場合の回復 (1) [ 利用者 ] タッチパネルから予約情報問い合わせ 拠点内タッチパネル (5) [ 利用者 ] タッチパネルに表示された再接続ボタンで MCU 内の仮想会議室に接続 拠点内テレビ会議端末 (4) タッチパネル上に予約情報 再接続ボタンを表示 (3) 予約情報 仮想会議室 ID の通知 予約管理サーバ (2) タッチパネルが置かれた拠点の予約情報検索 (6) 自動的に MCU へコールをし, 遠隔講義を開始 ( 再開 ) 統合管理サーバ MCU( 多地点接続装置 ) 15

本遠隔講義システム導入大学 帯広畜産大学, 弘前大学, 岩手大学 ( 複数拠点 ), 山形大学, 茨城大学, 宇都宮大学, 東京農工大学 ( 複数拠点 ), 静岡大学, 岐阜大学, 鳥取大学, 島根大学, 山口大学, 香川大学, 愛媛大学 ( 複数拠点 ), 高知大学, 佐賀大学, 鹿児島大学 ( 複数拠点 ), 琉球大学 鳥取大学大学院連合農学研究科 佐賀大学 鳥取大学 島根大学 山口大学 岐阜大学大学院連合農学研究科 弘前大学山形大学岐阜大学香川大学 静岡大学 茨城大学 岩手大学 宇都宮大学 東京農工大学 帯広畜産大学 岩手大学大学院連合農学研究科 東京農工大学大学院連合農学研究科 計 18 校 ( 約 40 拠点超 ) 鹿児島大学 愛媛大学 高知大学 愛媛大学大学院連合農学研究科 鹿児島大学大学院連合農学研究科 HD 品質で国立大学法人を結ぶシステムとしては日本最大規模 琉球大学 連合農学研究科 ( 全て ) 連合獣医研究科 ( 一部除く ) 共同獣医学科等で運用中 16

利用シーン 本システム導入校の接続 MCU 通常講義 ( 遠隔講義を利用しない ) タッチパネルからシステムを立ち上げ プロジェクタ ( 大型モニタ ) やマイクだけを使用 (1) あらかじめ予約システムから接続拠点と時間を入力 (2) 予約時間には自動的にシステムが立ち上がっていて 接続が完了 予約を利用しない遠隔会議 ( 手動接続 ) 導入校 導入校以外 本システム導入校以外との接続 ( 多地点利用 ) MCU 導入校導入校 導入校以外 導入校以外 接続の制約無し ( 各大学の方針に従う ) (1) タッチパネルからシステムを起動 (2) タッチパネル上からテレビ会議システムの仮想リモコンを呼び出して 導入校以外に接続 接続例 : 姉妹校 共同研究企業 シンポジウムなど (1) あらかじめ予約システムから接続拠点と時間を入力 ( 仮想会議室番号を決めて入力 ) (2) 予約時間には自動的にシステムが立ち上がり 本システム導入校の接続は完了 (3) 導入校以外は MCU 内の仮想鍵室に接続する 導入校の拠点が 1 カ所でも入っていれば 導入校以外との接続は基本的に自由 ( 商用での利用不可 ) 17

遠隔講義の画面 講師の画像と遠隔地の様子 講義資料 画面の入れ替えは拠点毎に可能 18

遠隔講義の立ち会い 遠隔地からの調整 利用説明会 ( 毎年 ) 現地立ち会い 事前テスト 接続拠点の監視 再接続 音量調整 講義集録等 19

遠隔だけではない利用 近くの教室を接続しても活用 オープンキャンパス 新入生オリエンテーション 学長 学部長挨拶 全体説明などで利用 講演会 イベント等 一時的に収容人数を多くする必要がある場合 20

システムの利用実績 (2009 2015 年 ) 平均開催時間 平均毎日 2 つの遠隔講義 会議が開催 ( 単純に土日を除いて算出 ) 平均予約時間 2h50m ( 実質 2h40m) 最大同時 24 拠点の接続 ( 平均 4 拠点 ) 時間延長は約 10 回利用 ( 予定より長めに予約されていることが多い ) 再接続は 20 回 ( ほぼネットワーク側の問題 ) 上記はあくまで予約が入った利用だけを算出 旧システムでも多く活用されていた 21

旧システム (2009 2015 年 ) での問題点 機器の故障発生の頻度が多くなった 老朽化等? 起動時のスプラッシュ画面で停止が多い メーカー保守延長ができない ( 保守期限終了 ) 副映像の送出フレームレートが低い PowerPoint や動画を PC で出力する際に問題 これまでは主 副映像の入力を切り替えて送出 手間がかかって面倒 あまり利用されない 解像度が HD まで Full-HD に対応していない 入力がアナログハイビジョン デジタル入力できない モバイル環境から参加したい 22

新システムの概要 旧システム ( 2015 年 ) の老朽化に伴う更新 コンセプトは引き継ぐ 音声の作り込み 自動化等の仕組み等は継続 旧システムとの混在で動作 コンテンツ画面での動画送出への対応 返し映像への対応 モバイルへの対応 23

旧システムでのコンセプト (2009 2015 年 ) は維持 安定した接続で遠隔講義ができること システムの操作が簡単であること 機器操作の習熟した人が各拠点に必ずしも必要ない 多数の拠点を同時に結ぶ 各校 1 拠点としても最低 18 拠点は同時に接続の必要有り 双方向の講義をしたい いつでも質問や学生同士のディスカッションを取り入れる 少なくとも4 5 年は利用したい 地域連携や国際交流 共同研究でも活用したい 24

システム更新の概要 (2016 年 ) デジタル入力への対応 Cisco SX80 を利用 PC からの動画送出に対応 フレームレート向上と高品質化 (Full HD 化 ) 返し映像への対応 自拠点の映像を確認 モバイルへの対応 (CMR Hybrid / WebEx) モバイル環境から遠隔講義への参加が可能 大教室とモバイル環境との融合 新しい予約 自動制御システムの構築 モバイル環境とルームを統合した予約システムが無い Pin が設定された会議室へも自動接続 旧システム ( 2015 年 ) との混在運用 予算の都合上 全拠点が入れ替え対象では無いため 25

全体図 録画サーバ モバイル接続サーバ モバイル環境 PC / Tablet MCU 新予約サーバ 新統合サーバ 利用者 その他テレビ会議システム Web ブラウザから予約 新システム 現行システム ( 入れ替えしない拠点 ) Concept Sketch rev.2

講義室とモバイル環境の融合 PC に H.323 対応のソフトウェアを導入が多かった 外出先で Firewall などを通過できないことがある 対応機種が限られている MCU のリソースを多く消費 Web を利用したモバイルの会議システム 講義室の環境では自動化 音響等の作り込みが難しい WebEx と MCU を連携できる CMR シリーズを利用 CMR Cloud が理想 自動化を実現する上で必要としていた API が公開されていないため CMR Hybrid を利用 ( 多摩クラウド内にシステム構築 ) 予約システムも再構築 従来通りの MCU と講義室の端末の予約が必要 Cisco への対応 Cisco TMS だけでは 講義室 モバイルが融合した環境でシームレスに予約ができない モバイル環境のリソース確保 CMR Hybrid の自動制御 先日 予約システムに PhoneAppli 社の製品型番つきました!(VC-SL-001) 27

SINET5 システム構成機器 (2016 年 ) 多摩クラウド拠点 ( 農工大ラック ) MCU( 多地点接続装置 ) MSE8000/VCS 各拠点に配置される機器 Full-HD 対応大型モニタ or プロジェクター Full-HD 対応大型モニタ or プロジェクター HD カメラ ( 講師撮影用 ) HD カメラ ( 受講者撮影用 ) HD 対応モニタ ( 返し映像 ) レコーディングサーバ (Cisco TCS) 簡易配信サーバ システムコントローラ (AMX) Full-HD Dual 対応テレビ会議端末 (CiscoSX80) 予約サーバ PoE 対応タッチパネル マトリクススイッチャ (HDMI 対応 スキャンコンバータ内蔵 ) 統合管理サーバ 主電源パネルユニット (AC コントロールユニット ) デジタルミキサ / ハウリングサプレッサ / エコーキャンセラ (Polycom SoundStructure C8) 持ち込み PC ( アナログ RGB or HDMI) Cisco TMS Web カメラ ワイヤレス対応マイクアンプ パワーアンプ スピーカ スピーカ クラウドサービス ワイヤレスマイク複数本 ( ピン ハンドマイク ) Cisco WebEx Internet モバイル (PC/ タブレット等 ) ( 利用者所有の端末から接続 ) イーサネット映像音声シリアル等制御 28

予約システムによる自動化 Web で予約後 予約時刻に拠点に向かうだけ 利用者 (1) 利用予定の日時 接続拠点を入力 (7) 遠隔講義の開始 予約管理システム 各拠点 統合管理サーバ (2) 予約情報を伝達 (3) 機器自動起動 ( 予約開始時刻前 ) システムコントローラ AV 機器等 (2) (4) 機器の起動と設定 Cisco TMS (5) 仮想会議室作成 MCU ( 多地点接続装置 ) (4) テレビ会議端末 (Cisco SX80) Cisco WebEx (6)WebEx 連携開始 コールインに変更 (7)MCUへ接続 モバイル利用者は WebEx へ各自接続 終了時も機器のシャットダウンと電源切断を自動的に行う

新システムの稼働開始と問題点 利用者からの評判が良い点 Full-HD 対応となり綺麗 コンテンツ映像もスムーズに見られる MCU の分割数が多くできるため 20 拠点でも一度に表示できる モバイル環境からも接続でき 今後色々活用できそうという意見 問題点 ( 現在改善に向けて動いている状態 ) TMS を利用しないと MCU と WebEx と連携できない 連携の会議室番号を固定しておかなければならない 会議室番号が既知となる可能性が高く セキュリティ的に問題となる可能性が高い Cisco 社と協力し 攻撃を受けにくくする仕組みを考える必要がある MCU のリソース計算が正確にできない コンテンツ送信で 1 リソースを消費してしまう これまでは 1 拠点あたり一定のリソースであったので事前に計算可能だった 初回のコンテンツ送信に失敗することがある : 現在対処中 回避策 : 一度 別のメーカのソフトウェアコーデックでコンテンツ送信 停止を行う 拠点の Firewall ルールがゆるすぎてシステムコントローラ等に攻撃を受けているところがある 該当拠点には連絡済 雑音が入る問題 テレビ会議コーデックの音声出力レベルが低い ヒスノイズが載っている? カメラ映像が緑がかる問題 ブライトネス設定が自動の場合に現象が発生することが多い 30

遠隔講義システムまとめ 全国 18 の国立大学法人を結ぶ遠隔講義システムを更新 自動化の仕組みを継続し使いやすいシステムに 高解像度化 モバイル環境からの接続への対応 講義室とモバイル環境の融合 システムの構築を完了し 稼働を開始したところ 不具合がいくつか残っているのでより完全なものとしていきたい 今後はモバイル環境も融合したことで 今まで以上に活用されることを期待 新たな使い方を提案できるようにしたい 33

電子計算機システムの更新 34

全学で BYOD 化 (2016 年 2 月 ) PC の並んだ端末室を廃止 個人の端末を活用する時代 普段の講義でも端末を活用してもらう 自分で端末を管理できる能力を養う 単純に持ち込みにする大学はあるが 持ち込んでくる端末の種類が多数 OS バージョン アップデート 入れているソフトウェア等の違い それらの差異で講義がつまづき 進行しない 講師 学生ともに負担となる 端末が壊れた時に代替機を持って来てもすぐには環境構築できない 端末の差異を吸収する仕組みが必要 仮想端末室を構築 ライセンスを考慮したつくり 35

画面転送方式を採用 ユーザの端末にイメージを転送してブート 無理 画面転送方式を利用 36

持ち込み端末 学内ネットワークに接続 無線 802.11a,acを推奨 (5GHz 帯 ) 無線は今回に合わせてさらに強化 コントローラ型で集中制御 :Cisco Aironet2700 (or 2600) 講義で中心的に使う部屋をいくつか選定して強化 HTML5 に準拠したブラウザ内で動作 クライアントソフト不要 画面をブラウザ内に転送 利用 OSは問わない Windows/Mac/Linux/ChromeOS 37

持たないシステム 学内に仮想基盤を組んで画面転送するのか? 物理的に学内に置く必要があるのか? 保守してもらう業者に物理的に近い方が時間が対応が早いのでは? 物理的な物が必要? 使えれば良いのでは? すべてサービスとして提供してもらう形へ 仮想端末室は業者のネットワークセンター内 電源 空調など整備されている 壊れた時には代替のもので勝手にサービス提供される 38

トラフィックを北の大地へ 北海道に仮想端末室等のサーバ群がおかれている ( 北海道総合通信網株式会社 [HOTnet] 内 ) 本学 -SINET:10Gbps, SINET- 業者 :10Gbps+ 予備 10Gbps( 共用 ) サービスとして仮想端末室環境を提供してもらう 物理サーバは Cisco UCS 等 仮想端末室の予約機能 予約 追い出し 自習 休み時間の重複制御 トラフィック折返しを減らす工夫 管理運用システムの構築 自動化 ( 協力 :SRA 東北 ) 他にも色々と工夫 ChromeBook 新機種など ライセンスの低減 (VDI+SBC) 詳しくは別の機会にでも 39

まとめ 全国 18 の国立大学法人を結ぶ遠隔講義システムを更新 高解像度化 モバイルへの対応等 現在も多く活用されている 他のテレビ会議システムとも気軽につなげる 遠隔だけではない使い方 平均すると毎日 2 つ以上の遠隔講義や会議が開催 使われやすさを考える ( 自動化 保守 規約 教育等 ) モバイルの WebEx と融合 もっと活用されることを期待 電子計算機システムの更新 持たないシステム HTML5 を利用した画面転送による汎用化 システムの自動連携 手作業を少なく システム更新のポイント 誰でも使えるシステム ( 自動化や予約等 ) 保守 運用までを考えたシステム ( 保守業者の動きも考える ) 40