このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

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Microsoft Word 施策の推進方策(Ⅰ-1-2健康寿命の延伸_

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

スライド 1

居宅介護支援事業者向け説明会

スライド 1

区分

11 平成 21 年度介護予防事業実施状況について 平成 22 年 7 月 大阪市健康福祉局健康づくり担当

高齢者の日常生活機能維持 回復のための リハビリテーション 日本リハビリテーション病院 施設協会 会長 全国デイ ケア協会 会長 医療法人真正会 霞ヶ関南病院 理事長 斉藤正身 1

平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

上田市介護予防 日常生活支援総合事業実施要綱 平成 30 年 5 月 31 日 告示第 131 号 ( 趣旨 ) 第 1 条この告示は 介護保険法 ( 平成 9 年法律第 123 号 以下 法 という ) 第 115 条の45 第 1 項に規定する介護予防 日常生活支援総合事業 ( 以下 総合事業

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

点検項目 点検事項 点検結果 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ 計画の定期的評価 見直し 約 3 月毎に実施 リハビリテーションマネジメント加算 Ⅱ ( リハビリテーションマネジメント加算 Ⅰ の要件に加え ) 居宅介護支援事業者を通じて他のサービス事業者への情報伝達 利用者の興味 関心 身体

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通所型サービスの例 ( 典型例として整理したもの ) 現行の通所介護相当 市場 ( 地域支援事業の外 ) で提供されるサービス Ⅰ 通所介護 Ⅱ 通所介護 Ⅲ 通所型サービス A ( 緩和したによるサービス ) Ⅳ 通所型サービス B ( 住民主体による支援 ) Ⅴ 通所型サービス C ( 短期集中

Microsoft Word - 4㕕H30 �践蕖㕕管璃蕖㕕㇫ㅪ�ㅥㅩㅀ.docx

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

< 国が示す新しい総合事業の構成例 > ( 以下はサービスの典型例を示しているため, 市町村はこれらの例を踏まえて, 地域の実情に応じたサービス容を検討 ) 1 訪問介護 訪問型サービス ( 第 1 号訪問事業 ) 現行の訪問介護相当 多様なサービス 2 訪問型サービス A( 緩和した基準によるサー

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

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Microsoft PowerPoint 訪問サービス事業所向け研修会資料

01 【北海道】

歯科中間報告(案)概要

Ⅰ 通所リハビリテーション業務基準 通所リハビリテーションのリハビリ部門に関わる介護報酬 1. 基本報酬 ( 通所リハビリテーション費 ) 別紙コード表参照 個別リハビリテーションに関して平成 27 年度の介護報酬改定において 個別リハビリテーション実施加算が本体報酬に包括化された趣旨を踏まえ 利用

加算 栄養改善加算 ( 月 2 回を限度 ) 栄養スクリーニング加算 口腔機能向上加算 ( 月 2 回を限度 ) 5 円 重度療養管理加算 要介護 であって 別に厚生労働大が定める状態である者に対して 医学的管理のもと 通所リハビリテーションを行った場合 100 円 中重度者ケア体制加算

平成 28 年 2 月以降に認定更新等により要支援認定を受けた方が介護予防訪問介護 介護予防通所介護を利用される場合 これまでの予防給付サービスから総合事業のサービスに変わります 要支援者の認定有効期間は現在最長 12か月ですので 大川市は平成 28 年 2 月から1 年かけて移行します 更新の場合

Microsoft PowerPoint - これからの介護予防

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まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

計画の今後の方向性

7 時間以上 8 時間未満 922 単位 / 回 介護予防通所リハビリテーション 変更前 変更後 要支援 Ⅰ 1812 単位 / 月 1712 単位 / 月 要支援 Ⅱ 3715 単位 / 月 3615 単位 / 月 リハビリテーションマネジメント加算 (Ⅰ) の見直し リハビリテーションマネジメン

医療 回復支援 在宅 見附市の地域包括ケアシステム 介護体制と支援の拡大 資料 1 病院 ( 救急 基幹病院等 ) 早期退院 回復期 ( 市外 ) リハビリ病院 見附市立病院 保健福祉センター 特養ほか 医療 救急 手術など高度医療 集中リハビリ 早期回復 見附市医療の里 老健施設ケアプラザ見附 か

場に結び付けていきます 利用者のための目標設定がポイント 利用者自身がその生活課題に気付き 状況が改善されたときのイメージをもつことが必要です 利用者が主体的になれるよう支援します 非現実的な目標ではなく 実現可能で具体的な目標設定を行ない 利用者が実際に行動に移せるよう支援します 一定期間取り組ん

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者


<4D F736F F F696E74202D20332E8CFA90B6984A93AD8FC E18F8A93BE8D8297EE8ED293998F5A82DC82A B68A888E B8E968BC682CC8D6C82A695FB B8CDD8AB B83685D>

第1章 計画の基本的考え方 態を改善して地域社会への参加等を通じ 生きがいや役割を持てるようにすることが 重要です 4 住まい 持ち家や賃貸住宅だけでなく 有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅など 多様な形態の住まいを含みます 生活の基盤である住まいは 高齢者のプライバシー と尊厳が十分に守ら

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宮城県福祉サービス第三者評価のご案内(宮城県)

地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が 75 歳以上となる 2025 年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が包括的に確保される体制 ( 地域包括ケアシステム ) の構築を実現 今後

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事業内容

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リハビリテーションマネジメント加算 計画の進捗状況を定期的に評価し 必要に応じ見直しを実施 ( 初回評価は約 2 週間以内 その後は約 3 月毎に実施 ) 介護支援専門員を通じ その他サービス事業者に 利用者の日常生活の留意点や介護の工夫等の情報を伝達 利用者の興味 関心 身体の状況 家屋の状況 家

( 選定提案 ) は 利用者に貸与しようと福祉用具の種目の候補が決まった後で 具体的な提案品目 ( 商品名 ) を検討する際に用いる つまり ( 選定提案 ) に記載されるのは 候補となる福祉用具を利用者に対して提案 説明を行う内容である 平成 30 年度の制度改正では 提案する種目 ( 付属品含む

介護予防ケアマネジメントについて

【1117修正原稿】説明会資料

介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

<4D F736F F D B8DFB816991E682548FCD81798F64935F8EE A816A81698DC58F49816A2E646F63>

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Microsoft PowerPoint - ③資料2(参考資料)【作業終了:確定】.pptx

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

地域包括ケアシステムの構築について 団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らし い暮らしを人生の最後まで続けることができるよう 医療 介護 予防 住まい 生活支援が一体的に提供される 地域包括ケアシステムの構築を実現 今後 認知症高齢者の増加が

総合事業に係る Q&A 国 注意事項 備考欄には厚生労働省が作成した Q&A の参照先を記載しています 1 介護予防 日常生活支援総合事業ガイドライン案についての Q&A 9 月 30 日版 2 総合事業ガイドライン案に係る追加質問項目について ( 平成 26 年 11 月 10 日全国介護保険担当

はじめに 介護保険制度の改正に伴い 要支援に認定された高齢者への介護サービスのうち 訪問介護 通所介護は 市町村ごとに実施されることになり 平成 27 年 4 月から 3 年の間に移行されることになりました 要支援高齢者は増加傾向にあり この方々の介護や生活を支えることは喫緊の課題です このことに鑑

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アレルギー疾患対策基本法 ( 平成二十六年六月二十七日法律第九十八号 ) 最終改正 : 平成二六年六月一三日法律第六七号 第一章総則 ( 第一条 第十条 ) 第二章アレルギー疾患対策基本指針等 ( 第十一条 第十三条 ) 第三章基本的施策第一節アレルギー疾患の重症化の予防及び症状の軽減 ( 第十四条

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愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

1_【鑑】「生活困窮者自立支援制度と介護保険制度との連携について(通知)」の一部改正について

1_【鑑】「生活困窮者自立支援法の施行に伴う多重債務者対策担当分野との連携について(通知)」の一部改正について

本来目指すべき療養病棟の転換の方向性 ( イメージ ) 一般病床 医療療養病床 (5:) 介護療養病床 H9 年度末で廃止 (6 年間の経過期間 ) 地域医療構想の推進と療養病床の再編 現行の介護療養病床は平成 9 年度末で廃止 ( 経過措置あり ) となり 新たな類型として介護医療院が設置され こ

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第 2 章計画の推進及び進行管理 1 計画の推進 県 市町村及び県民が 関係機関等と相互に連携を図りながら 県民の歯 口腔の健康づくりを推進します 県における推進 (1) 全県的な推進 県全域の課題を踏まえた基本的施策や方向性を示すとともに 取組の成果について継続的な評価を行い 県民の生涯を通じた歯

揖斐川町デイサービスセンター運営規程

書類点検等における通所介護事業所への主な指摘事項について

Microsoft Word - シラバス.doc

Microsoft Word - 統合短冊0209-2.docx

住所地特例に係る事務の見直しの概要について Ⅱ- 資料 2 本事務は 介護予防 日常生活支援総合事業の実施時期に係わらず 平成 27 年 4 月から 全ての市町村において必要な事務であるので 留意されたい 1. 平成 27 年 4 月からの住所地特例に係る事務の見直しの概要 住所地特例の対象施設にサ

基本理念 第 6 期計画では 高齢者が住み慣れた地域で健康でいきいきと充実した生活を送ることができる地域社会の構築をめざしてきました 第 7 期計画においても 第 6 期計画の基本理念を継承し 総合計画における高齢者福祉の施策の実現をめざして 住んでよかった亀岡 老後も楽しい亀岡 を本計画の基本理念

平成18年度標準調査票

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

3 高齢者 介護保険を取り巻く現状 1 人口 高齢化率本市は高齢化率が 45% を超えており 本計画の最終年度である 2020( 平成 32) 年度には 高齢化率 48.0% 2025( 平成 37) 年度には高齢化率 49.7% まで増加することが推計されます また 2018( 平成 30) 年以

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

第3節 重点的な取り組み

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Microsoft PowerPoint - 資料8 家計相談支援事業について


改定事項 基本報酬 1 入居者の医療ニーズへの対応 2 生活機能向上連携加算の創設 3 機能訓練指導員の確保の促進 4 若年性認知症入居者受入加算の創設 5 口腔衛生管理の充実 6 栄養改善の取組の推進 7 短期利用特定施設入居者生活介護の利用者数の上限の見直し 8 身体的拘束等の適正化 9 運営推

Microsoft PowerPoint - 矢庭第3日(第6章ケアマネジメントのプロセス)

Taro-指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

< F2D D8791CC817995D28F578CE B38CEB94BD8966>

保監第   号 

Microsoft Word - 単純集計_センター長.docx

06 参考資料1 平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について

(頭紙)公布通知

Transcription:

介護予防の推進について 1. 基本的な考え方 介護予防は 高齢者が要介護状態等となることの予防や要介護状態等の軽減 悪化の防止を目的として行うものである 特に 生活機能の低下した高齢者に対しては リハビリテーションの理念を踏まえて 心身機能 活動 参加 のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることが重要であり 単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものではなく 日常生活の活動を高め 家庭や社会への参加を促し それによって一人一人の生きがいや自己実現のための取組をして 生活の質の向上を目指すものである [ 参考 ] 生活機能とは生活機能とは 人が生きていくために必要な機能であり 体の働きや精神の働きである 心身機能 ADL IADL 職業能力といった生活行為全般である 活動 家庭や社会生活で役割を果たすことである 参加 から構成される 要者であっても自立した生活を実現することは可能であり そのためには 心身機能 活動 参加 のそれぞれの要素にバランスよく働きかける必要がある 高齢者リハビリテーションのイメージ 生活機能 <ADL 向上への働きかけ> 食事 排泄 着替え 入浴等ができるように 意欲への働きかけと環境調整をする < 機能回復訓練 > 座る 立つ 歩く等ができるように 訓練をする < 役割の創出 社会参加の実現 > 地域の中に生きがい 役割をもって生活できるような居場所と出番づくりをする家庭内の役割づくりをする <IADL 向上への働きかけ > 掃除 洗濯 料理 外出等ができるように 意欲への働きかけと環境調整をする 心身機能へのアプローチ 時間軸 活動へのアプローチ 参加へのアプローチ 対象者例 脳卒中 骨折など ( 脳卒中モデル ) 急性期 回復期リハ 閉じこもり 虚弱高齢者 ( 廃用症候群モデル ) 生活期リハ 一方で これまでの介護予防の手法は 心身機能を改善することを目的とした機能回復訓練に偏りがちであり 介護予防で得られた活動的な状態をバランス良く維持するための活動や社会参加を促す取組 ( 多様な通いの場の創出など ) が必ずしも十分ではなかったという課題がある

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的なアプローチを実践するため 地域においてリハビリテーション専門職等を活かした自立に資する取組を推進し 要介護状態になっても 生きがい 役割を持って生活できる地域の実現を目指す 2 介護予防事業の見直しについて 現行の介護予防事業は 一次予防事業と二次予防事業を区別せずに 地域の実情に応じた効果的 効率的な介護予防の取組を推進する観点から 介護予防事業を見直す また 介護予防を機能強化する観点から リハビリテーション専門職等を活かした自立に資する取組を推進するための 地域リハビリテーション活動事業 を 一般介護予防事業に新たに位置づける 新しい介護予防事業 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 地域づくりなどの高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めたバランスのとれたアプローチができるように介護予防事業を見直す 年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく 住民運営の通いの場を充実させ 人と人とのつながりを通じて 参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりを推進する リハ職等を活かした自立に資する取組を推進し 介護予防を機能強化する 現行の介護予防事業 一般介護予防事業 一次予防事業 介護予防普及啓発事業 地域介護予防活動事業 一次予防事業評価事業二次予防事業 二次予防事業対象者の把握事業 通所型介護予防事業 訪問型介護予防事業 二次予防事業評価事業 一次予防事業と二次予防事業を区別せずに 地域の実情に応じた効果的 効率的な介護予防の取組を推進する観点から見直す 介護予防を機能強化する観点から新事業を追加 介護予防把握事業地域の実情に応じて収集した情報等の活用により 閉じこもり等の何らかのを要する者を把握し 介護予防活動へつなげる 介護予防普及啓発事業介護予防活動の普及 啓発を行う 地域介護予防活動事業地域における住民主体の介護予防活動の育成 を行う 一般介護予防事業評価事業介護保険事業計画に定める目標値の達成状況等の検証を行い 一般介護予防事業の事業評価を行う ( 新 ) 地域リハビリテーション活動事業地域における介護予防の取組を機能強化するために 通所 訪問 地域ケア会議 サービス担当者会議 住民運営の通いの場等へのリハビリテーション専門職等の関与を促進する 介護予防 日常生活総合事業 介護予防 生活サービス事業 従来 二次予防事業で実施していた運動器の機能向上プログラム 口腔機能の向上プログラムなどに相当する介護予防については 介護予防 生活サービス事業として介護予防ケアマネジメントに基づき実施

3. 地域づくりによる介護予防の推進 幾つかの市町村では 高齢者を年齢や心身の状況等によって分け隔てることなく 住民が主体となって行う介護予防活動を広く展開し 人と人とのつながりを通じて 参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりを推進することで 心身機能 活動 参加 のそれぞれの要素にバランスよく働きかけることが可能となり 全国の推移と比較して 要介護認定率の伸びの抑制の効果が示されている また 社会参加の割合が高い地域ほど 転倒や認知症やうつのリスクが低いという傾向も指摘されている このような地域の実情に応じた効果的 効率的な介護予防の取組事例を全国に展開する観点から 先行している市町村の取組内容や立ち上げからのプロセス等について整理し 事例集としてとりまとめ 厚生労働省の介護予防の HP 上に公表するとともに 地域包括ケア 見える化 システム ( プロトタイプ ) でも検索できるようにしている 介護予防の HP アドレス http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/yobou/in dex.html 地域包括ケア 見える化 システム ( プロトタイプ ) の HP アドレス http://mieruka.mhlw.go.jp/ また 平成 26 年度から実施している 地域づくりによる介護予防推進モデル事業 では 25 府県 59 市町村 実践経験を有するアドバイザー 40 名とともに 地域づくりによる介護予防の推進に取り組んでいるところである 地域づくりによる介護予防推進モデル事業 ( 平成 26 年度 ~) 国 ( アドバイザー組織 ) モデル都道府県モデル市町村 アドバイザー 情報収集すべき項目の提示 アドバイザーによるのイメージ 地域診断 住民の自主活動が既にどれくらい展開されているのか等の情報を整理する アドバイザー + 都道府県担当者 ( 厚労省 ) 戦略策定の アドバイザー + 都道府県担当者 現地 電話 メール相談 相談 戦略策定 地区内でどのように通いの場を充実するのか等の計画立案する ( いつ どこに 何箇所程度等 ) 住民の動機付け方法の戦略を立てる モデルとなる住民運営の通いの場を立ち上げ 立ち上げの経験を積む 通いの場の効果として 高齢者が元気になる過程を記録する 住民運営の通いの場の本格育成 戦略に基づき 通いの場を展開する モデルとなった通いの場での効果等を用い住民を動機付ける 住民運営の通いの場の拡大 リハビリ専門職等の活用 高齢者人口の 1 割以上が通いの場に参加 地域づくりによる介護予防の推進は 高齢者の社会参加の促進 生活

サービスの充実 にもつながることから 予防給付の見直しを円滑に進める観点からも重要であり 市町村が積極的に取り組むのはもちろんのこと 都道府県が広域的な立場から 市町村の介護予防の取組の評価 リハビリテーション専門職等の広域調整 関係機関間の調整 管内市町村の取組に係る情報収集及び提供 人材育成等を通じて市町村をすることが重要であると考えている 各自治体においては 当該事業や先行事例等を参考にしながら 地域づくりによる介護予防の推進に取り組んでいただくとともに 第 6 期市町村介護保険事業計画 都道府県介護保険事業計画に具体的な戦略を盛り込んでいただきたい 4. リハビリテーション専門職等を活かした介護予防の機能強化 リハビリテーション専門職等が 地域包括センターと連携しながら 通所 訪問 地域ケア会議 サービス担当者会議 住民運営の通いの場等の介護予防の取組を総合的にすることにより 介護予防の機能強化を図れることが 市町村介護予防強化推進事業や先行事例等から明らかになっている 具体的には以下の通りである (1) 地域ケア会議やサービス担当者会議にリハビリテーション専門職等が定期的に関与することにより 1 日常生活に支障のある生活行為の要因 2 疾患の特徴を踏まえた生活行為の改善の見通し 3 要者等の有する能力を最大限に引き出すための方法 等について検討しやすくなり 自立のプロセスを参加者全員で共有し 個々人の介護予防ケアマネジメント力の向上につながる (2) 住民運営の通いの場にリハビリテーション専門職等が定期的に関与することにより 1 身体障害や関節痛があっても継続的に参加することの出来る運動法の指導 2 認知症の方への対応方法等を世話役に指導 3 定期的な体力測定 等について実施し 要介護状態になっても参加し続けることのできる通いの場を地域に展開することができる (3) 通所や訪問にリハビリテーション専門職等が定期的に関与することにより 1 日常生活に支障のある生活行為を改善するための効果的な運動プログラムの提案 2 介護職等への助言 等を実施し 通所や訪問における自立に資する取組を促すことができる 地域リハビリテーション活動事業は 一般介護予防事業の 1 メニューであるが 効果的かつ効率的な介護予防の取組を推進するために できる限り取り組んでいただきたい なお 当該事業については 介護予防 生活総合事業の実施を猶予する市町村においても 早期に介護予防を機能強化する必要があることから 平成 27 年 4 月をもって 従来の一次予防事業の 1 メニューとして実施することが可能である

当該事業の検討にあたっては 関連団体と連携しながら 市町村介護予防強化推進事業の報告書や先行事例等を参考にしていただきたい また 厚生労働省の介護予防の HP 上において 介護予防に資するリハビリテーション関連団体の取組 として それぞれの関連団体の取組 ( 実施可能なの内容や 都道府県別の相談窓口など ) を紹介している HP とリンクしているので活用していただきたい 地域リハビリテーション活動事業の概要 地域における介護予防の取組を機能強化するために 通所 訪問 地域ケア会議 サービス担当者会議 住民運営の通いの場等へのリハビリテーション専門職等の関与を促進する 訪問 定期的に関与することにより 介護職員等への助言などを実施することで 通所や訪問における自立に資する取組を促す 通所 地域ケア会議 等 住民運営の通いの場 定期的に関与することにより 自立のプロセスを参加者全員で共有し 個々人の介護予防ケアマネジメント力の向上につなげる 定期的に関与することにより 要介護状態になっても参加し続けることのできる通いの場を地域に展開する 連携 リハビリテーション専門職等 地域包括センター リハビリテーション専門職等は 通所 訪問 地域ケア会議 サービス担当者会議 住民運営の通いの場等の介護予防の取組を地域包括センターと連携しながら総合的にする