Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System

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研究用 Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System 説明書 v201305

I. 概要 細胞増殖能力や細胞生存能力を測定することは 生命科学におけるキーテクノロジーとなっています 感度 確実性 迅速性 簡便さの必要性から 核酸への [ 3 H]- チミジンのような RI 標識ヌクレオシドの取込みを測定することにより DNA 合成を決める方法などのいくつかの標準的測定法が開発されました 1) 近年 培地に加えたテトラゾリウム塩の分解により 生存細胞の数を分析する増殖能力測定方法が開発されました この測定法は 細胞の洗浄や取込みの必要がなく 培養の開始から ELISA リーダーによるデータ解析までが 同じマイクロタイタープレートで行えます 本製品は 細胞増殖能力や細胞生存能力を発色測定により定量するためのもので 生存細胞中のミトコンドリア脱水素酵素によるテトラゾリウム塩 (WST-1) の分解を基本としており [ 3 H]- チミジン取込み測定法にかわり non-ri で測定できる製品です II. 測定の原理 最近 MTT 2~4), XTT 5~7), MTS 8) のような異なるテトラゾリウム塩が 細胞増殖能力や生存能力の測定に使われている テトラゾリウム塩は ミトコンドリアの呼吸鎖に存在して 生存細胞にだけ活性のある succinate-tetrazolium reductase( コハク酸塩テトラゾリウム還元酵素 ) (EC1.3.99.1) によりホルマザン色素に分解される 9) 生存細胞数が増加すれば サンプル中のミトコンドリア脱水素酵素の全体の活性が増加することになる この酵素活性の増加が ホルマザン色素の生成増加を導くため ホルマザン色素と培地中の代謝活性のある細胞の数とは直線的な相関を示す ELISA リーダーで色素溶液の吸光度を測定することにより 代謝活性のある細胞が作り出すホルマザン色素を定量できる これにより 細胞増殖能力や細胞生存能力をみることが可能である 本製品は 上記の還元酵素によりホルマザン色素を形成する < 図 1 > このホルマザン色素を定量すれば 生細胞 (= 代謝活性のある細胞 ) が測定できる ホルマザン色素溶液の吸光度と生細胞数との間には直線的な関係がある また 本製品は 増殖能力や薬剤感受性測定法において 細胞増殖と生存能力を non-ri で定量できるようにデザインされている 例えば 成長因子 cytokines mitogens nutrients に反応する細胞増殖能力の測定 < 図 4 > 抗癌剤や他の薬剤のような 細胞毒性や細胞静止性のある化合物の解析 成長阻害抗体や生体 mediators の評価 < 図 5 > のような測定に利用できる 図 1: テトラゾリウム塩 (WST-1) からホルマザン色素への分解 EC = 電子結合試薬 RS = ミトコンドリアのコハク酸 - テトラゾリウム還元システム 2

III. 特長 安全 : non-ri 測定系 MTT のように揮発性の有機溶剤での可溶化は不要正確 : 吸光度は生存細胞の数と強く相関 < 図 2a, b > 感度 : MTT より優れた感度簡単 : ready-to-use な Premix 溶液 ( 無菌溶液 ) 短い反応時間 < 図 2b > すべての測定が 1 枚のマイクロタイタープレートで測定可能 洗浄 取込み 可溶化の step が不要 multiwell-elisa reader を使用することで 多数のサンプルの処理が可能適応性 : より発色させるために同じプレートを 反応時間を変えて (0.5 ~ 4 時間 ) 繰り返し測定することが可能 < 図 2b > P815 細胞は 図の細胞濃度で それぞれの tetrazolium を加える前に 20 時間培養した 各 tetrazolium 塩を添加反応 4 時間後 ELISA リーダーを用いてそれぞれの波長で吸光度を求めた 図 2a: P815 細胞を用いた MTT( ) と XTT( ) と Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System( ) の比較 Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System の添加前に A549 細胞を図の細胞濃度で 20 時間培養した Premix WST-1 を添加後 0.5 時間 ( ) 1 時間 ( ) 2 時間 ( ) 4 時間 ( ) インキュベーションし ELISA リーダーで吸光度を求めた 図 2b: Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System の反応の Kinetics 3

IV. 製品内容 Premix WST-1 25 ml 1 bottle Premix WST-1 は リン酸バッファーで希釈された無菌の WST-1 と電子結合試薬を含む ready-to-use な Premix 溶液である 細胞濃度に関係なく 100 μl/well の場合には 10 μl の Premix WST-1 を 200 μl/well の場合には 20 μl の Premix WST-1 を加えればよい (10:1) 100 μl/well で細胞を培養した場合 本製品 1 bottle で 2,500 回 (25 マイクロタイタープレート ) 分に相当する V. 輸送 保存温度 輸送 20 保存 20 ( 遮光すること ) 注意 本製品を解凍した際 沈殿が見られる場合がありますが 製品の性能には問題ありません 沈殿が生じた場合には 軽く混合しながら 37 で数分あたため 沈殿を溶解させてご使用ください 溶解後は 遮光した状態であれば 4 で数週間安定です 長期保存される場合は 使い切り量に小分注し - 20 で凍結保存することをお勧めします 小分注したものを解凍した際にも沈殿が生じることがありますが 同様に沈殿を溶解させてご使用ください 4

VI. 操作 A. 必要な器具 インキュベーター (37 ) 遠心機 420 ~ 480 nm の波長に対応するフィルターをもつマイクロタイタープレート (ELISA) リーダー ( 対照波長 600 nm 以上のフィルターをお勧めします ) 顕微鏡 血球計算盤 マルチチャンネルピペッター (10 50 100 μl) 滅菌済ピペットチップ マイクロタイタープレート ( 組織培養グレード 96 ウェル 平底 ) B. 操作手順 1. 加湿 常圧下 ( 例えば 37 5% CO2) で 最終的な培地の液量が 100 μl/well になるように マイクロタイタープレートで細胞を培養する * *: 培養時間や培養細胞濃度は 個々の実験条件や用いている細胞系による ほとんどの実験では細胞濃度は 0.1 ~ 5 10 4 cells/well 培養時間は 24 ~ 96 時間が適当である 2. 細胞培養終了後 Premix WST-1 を 1 well あたり 10 μl ずつ加える 3. 加湿 常圧下 ( 例えば 37 5% CO2) で 0.5 ~ 4 時間インキュベートする 4. マイクロタイタープレート (ELISA) リーダーを用いて バックグラウンドコントロール ( 次項 VI. C 参照) に対するサンプルの吸光度を測定する ホルマザン産物の吸光度を測定するための波長は ELISA リーダーの利用できるフィルターによるが 420 ~ 480 nm の間である ( 最大吸光は約 440 nm)< 図 3 > 対照波長は 600 nm 以上がよい < 使用上の注意 > Premix WST-1 添加後の適切なインキュベーション時間は 個々の実験により異なります ( 例えば 用いている細胞の種類や濃度 ) したがって 個々の実験においては Premix WST-1 を添加後 異なった時間 ( 例えば 0.5 1 2 4 時間 ) で繰り返し吸光度を測定することをお勧めします 用いている個々の実験に対する最適のインキュベーション時間を決めてください 高い感度を得たい場合は Premix WST-1 存在下で細胞をより長い時間インキュベーションしてください< 図 2 b > 5

C. バックグラウンドコントロール ( ブランク ) 1 つのウェルに VI.B-1 で用いた培地 100 μl と Premix WST-1 を 10 μl 加える これを ELISA リーダーのブランクポジションで バックグラウンドコントロール ( 細胞のない培地 + Premix WST-1 の吸光度 ) として用いる 細胞のない培地に Premix WST-1 を加えた場合でも わずかな自発的な吸光度がある このバックグラウンドの吸光度は 培地 インキュベーション時間 光への露出によって変わる 2 時間後の典型的なバックグラウンドの吸光度は 0.1 ~ 0.2 の間である D. 参考プロトコール早見表 step 手順量時間 1 2 3 96 ウェルマイクロタイタープレートで組織培養を行う Premix WST 1 を加えて 37 加湿 常圧下でインキュベーションする 対照波長 600 nm 以上と 420 ~ 480 nm で ELISA リーダーを用いて吸光度を測定する 100 μl/well 0.1~5 10 4 cells/well 24 ~ 96 hr 10 μl/well 0.5 ~ 4 hr Premix WST-1 は 10% FCS を含む RPMI1640( 共に Lonza 社 ) の細胞懸濁液に 1:10 で希釈した 図 3: Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System の吸収曲線 < A > とミトコンドリア脱水素酵素活性による分解反応産物 (formazan) の吸収曲線 < B > 6

VII. 使用例 A. 細胞増殖能力測定 (IL-2) マウス T 細胞系 CTLL-2 におけるヒトインターロイキン 2(IL-2) の活性の測定 A-1. 試薬 器具 : 培地 ; 10% 非働化牛胎児血清 (FCS) 2 mm L- グルタミン 1 mm Na-pyruvate 1 非必須アミノ酸 50 mm 2- メルカプトエタノール を含む RPMI1640 任意でペニシリン / ストレプトマイシンまたはゲンタマイシンを加える ヒト IL-2(10,000 U/ml, 5 μg/ml) 無菌状態のもの Premix WST-1 用いる器具は VI. A. 必要な器具 と同じものを使用する A-2. 方法 : マイクロタイタープレートに いろいろな量の IL-2( 最終濃度 0.005 ~ 25 ng/ml) を含む培地を 100 μl ずつ入れ CTLL-2 細胞を 4 10 3 cells/well の濃度でまく 37 5% CO2 で 48 時間 細胞を培養する Premix WST-1 を 10 μl/well 加えて 37 5% CO2 で 4 時間 インキュベーションする VI. B-4 にそって吸光度を測定する 図 4: ヒト IL-2 存在下での CTLL-2 細胞の増殖能力測定 7

B. 細胞毒性の測定 (TNF-α) マウス線維肉腫細胞系 WEHI-164 におけるヒト癌壊死因子 -α(tnf-α) の細胞毒性効果の測定 B-1. 試薬 器具 : 培地 ; 10% 非働化 FCS 2 mm L- グルタミン 1 μg/ml アクチノマイシン D を含む RPMI1640 任意でペニシリン / ストレプトマイシンまたはゲンタマイシンを加える ヒト TNF-α(10 μg/ml) 無菌状態のもの Premix WST-1 用いる器具は VI. A. 必要な器具 と同じものを使用する B-2. 方法 : アクチノマイシン D(1 μg/ml) を含む培地で 1 10 6 cells/ml の濃度の WEHI- 164 細胞を 37 5% CO2 の条件で 3 時間培養する マイクロタイタープレートに アクチノマイシン D(1 μg/ml) といろいろな濃度の TNF-α( 最終濃度 0.001 ~ 0.5 ng/ml) を含む培地を 100 μl ずつ入れ 細胞を5 10 4 cells/well の濃度でまく 37 5% CO2 で 24 時間 細胞を培養する Premix WST-1 を 10 μl ずつ加えて 37 5% CO2 で 4 時間 インキュベーションする VI. 操作 B-4 にそって吸光度を測定する 図 5:WEHI-164 細胞におけるヒト TNF-α の細胞毒性活性の測定 8

VIII.Q&A Q-1. Premix とはどういうことか? A-1. 従来の WST-1 を用いたキットは 使用時に WST-1 と電子結合試薬とを混合して用いなければならず その上混合液は冷蔵で約 3 日 冷凍でも約 1 ヵ月しか保存ができませんでした 本製品はあらかじめ すべての試薬が混合されています そのため 用時 混合液を調製する必要がありません さらに保存性を大幅に改善し - 20 で少なくとも 1 年間 一度溶解したものは 4 で少なくとも 2 週間は使用可能となりました したがって 使用頻度の少ない方が本キットをご購入されても安心です また Premix とすることで従来の用時調製型のキットよりも感度が向上しました Q-2. 細胞増殖測定に MTT, XTT, MTS という試薬 ( テトラゾリウム塩 ) が使用されているが 本製品との違いは? A-2. 原理は同じですが 各テトラゾリウム塩により生成したホルマザン色素の水への溶解性が全く異なります MTT は水に溶けないホルマザン色素の針状結晶を形成しますので 界面活性剤や有機溶剤で可溶化するという煩雑な操作が必要です また XTT, MTS は水溶性のホルマザン色素を生成しますが Premix WST-1 に比べその溶解性は低く したがって感度 測定範囲 ( ダイナミックレンジ ) において Premix WST-1 の方が優れています Q-3. 水溶性細胞増殖試薬として AlamarBlue という製品があるが WST-1 との違いは何か? A-3. AlamarBlue は吸光度と蛍光の両方で測定できますが WST-1 に近い感度を出そうとすると吸光では測定できず 蛍光で測定する必要があります Q-4. フェノールレッド添加培地でも測定できるか? A-4. フェノールレッドを含む培地の場合 少なくとも 0.1 程度の吸光度の上昇が見られます 使用するフェノールレッド含有培地をネガティブコントロールとして同様の操作を行ない 測定値の補正を行ってください Q-5. 細胞をまいてから Premix WST-1 を添加するまでの前培養の時間はどのくらい必要か? A-5. 細胞の種類 細胞の状態 ( 増殖期 静止期等 ) 実験の目的によって異なりますが 通常一晩 (16 hr) で十分だと考えられます Q-6. 死細胞から漏れだした LDH( 乳酸脱水素酵素 ) は測定に影響はあるか? A-6. 細胞障害活性を測定するのに LDH 活性を測定することがよく行われます ( 弊社ではこのためのキットを別途販売しています ;LDH Cytotoxicity Detection Kit, 製品コード MK401) しかし 死細胞由来の LDH 活性は 生細胞の脱水素酵素活性に比べ非常に微量であり 通常の測定では問題ありません 上記細胞障害活性の測定には上記弊社専用キットをお使いください Q-7. 色素の発色を測定するプレートリーダーの波長は? また フィルターはどのようなものがよいか? A-7. 420 ~ 480 nm の間であれば 十分です ただし 最大吸光は約 440 nm ですので それからはずれると吸光度の値は低下していきます 9

IX. 参考文献 1) Cook, J. A. & Mitchell, J. B. (1989)Anal. Biochem. 179, 1-7. 2) Mosmann, T. (1983)J. Immunol. Methods 65, 55-63. 3) Carmichael, J. et al. (1987)Cancer Res. 47, 936-942. 4) Vistica, D. T. et al. (1991)Cancer Res. 51, 2515-2520. 5) Scudiero, D. A. et al. (1988)Cancer Res. 48, 4827-4833. 6) Weislow, O. S. et al. (1989)J. Natl. Cancer Inst. 81, 577-586. 7) Roehm, N. W. et al. (1991)J. Immunol. Methods 142, 257-265. 8) Cory, A. H. et al. (1991)Cancer Commun. 3, 207-212. 9) Slater, T. F., Sawyer, B. & Strauli, U. (1963)Biochem. Biophys. Acta 77, 383-393. X. 注意 本製品は研究用として販売しております ヒト 動物への医療 臨床診断用には使用しないようご注意ください また 食品 化粧品 家庭用品等として使用しないでください タカラバイオの承認を得ずに製品の再販 譲渡 再販 譲渡のための改変 商用製品の製造に使用することは禁止されています ライセンスに関する最新の情報は弊社ウェブカタログをご覧ください 本説明書に記載されている会社名および商品名などは 各社の商号 または登録済みもしくは未登録の商標であり これらは各所有者に帰属します 10

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