1 巡目調査 ( 平成 3~7 年度 ) 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) ゲンジボタルの確認された調査地区 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 6-61

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6.5 注目すべき種の分布状況ここでは私たちにとって馴染み深い昆虫類の確認状況や 水域と陸域との接点である水際域に特徴的な種の確認状況を整理しました なお 前回 前々回調査との比較は 調査の範囲や時期 回数などの条件が必ずしも同一ではありません また 移動性の高い種や 限られた季節にしかみられない種もあることから 比較結果は同一河川での消長を示すものではなく 全国的な傾向を示したものです ゲンジボタルとヘイケボタルの確認状況 ( 陸上昆虫類等調査 ) ゲンジボタルとヘイケボタルを江の川で確認ゲンジボタルは中国地方の江の川と九州地方の 3 河川から確認されました ヘイケボタルが確認されたのは 中国地方の江の川の 1 河川でした ( 資料掲載 : 6-61~6-64 6-78~6-79 ページ ) 種類 ゲンジボタル ヘイケボタル 1~4 巡目調査の確認河川数の比較 1 巡目調査 2 巡目調査 3 巡目調査 (78 河川 ) (120 河川 ) (122 河川 ) 21 河川 37 河川 36 河川 26.9 30.8 29.5 15 河川 22 河川 26 河川 19.2 18.3 21.3 4 巡目調査 (86 河川 ) 19 河川 22.1 14 河川 16.3 注 1) 確認河川数の比較は 直轄管理区間のデータを対象とした 注 2)1~3 巡目調査のデータは対象全河川のうち 種名等について真正化され 河川環境データベースに格納されている調査データを対象とした 注 3)() 内は分析対象河川数を示す 注 4) 内は確認河川数の分析対象河川数に対する % を示す 1~4 巡目調査全体を通した確認状況を比較すると ゲンジボタルとヘイケボタルともに確認河川数に減少傾向がみられます 今回調査を行った河川では 中国地方の江の川で両種を確認したほかは ゲンジボタルが九州地方の 3 河川から確認されたのみでした ヘイケボタルは 1 巡目から継続して確認されていた東北地方の高瀬川 同じく 2 巡目から確認されていた関東地方の利根川で今回は確認がありませんでした ゲンジボタルは 北海道を除く全国に ヘイケボタルは全国に分布しています ゲンジボタルが主に山地などの清流を生息地するのに対し ヘイケボタルはより流れの緩やかな小川や用水路など 平地や丘陵地を主な生息場とする傾向がみられます ゲンジボタルは 発光のパターンや産卵習性のほか 遺伝子レベルでも顕著な地理的変異が認められています 本種は各地で飼育や放流が行われていますが 地域を越えた安易な放流は 本種の地域個体群の遺伝的特性など及ぼす悪影響が懸念されています 6-60

1 巡目調査 ( 平成 3~7 年度 ) 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) ゲンジボタルの確認された調査地区 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 6-61

3 巡目調査 ( 平成 13~17 年度 ) 天塩川 4 巡目調査 ( 平成 18~24 年度 ) が確認された地域 ( 平成 20 年度陸上昆虫類調査 ) 高瀬川 沙流川 江の川 梯川 利根川水系 ( 利根川 ) ( 常陸利根川 ) ( 中川 綾瀬川 ) ( 江戸川 ) ( 渡良瀬川 ) ( 鬼怒川 ) ( 小貝川 ) ( 烏川 神流川 ) 遠賀川 六角川 ( 河川名は平成 24 年度とりまとめ対象河川を示す ) 肝属川 注 )4 巡目調査は調査実施途中であり は 調査未実施の河川を示す ゲンジボタルの確認された調査地区 (3 巡目調査 4 巡目調査 ) 6-62

1 巡目調査 ( 平成 3~7 年度 ) 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) ヘイケボタルの確認された調査地区 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 6-63

3 巡目調査 ( 平成 13~17 年度 ) 天塩川 4 巡目調査 ( 平成 18~24 年度 ) が確認された地域 ( 平成 20 年度陸上昆虫類調査 ) 高瀬川 沙流川 江の川 梯川 利根川水系 ( 利根川 ) ( 常陸利根川 ) ( 中川 綾瀬川 ) ( 江戸川 ) ( 渡良瀬川 ) ( 鬼怒川 ) ( 小貝川 ) ( 烏川 神流川 ) 遠賀川 六角川 肝属川 ( 河川名は平成 24 年度とりまとめ対象河川を示す ) 注 )4 巡目調査は調査実施途中であり は 調査未実施の河川を示す ヘイケボタルの確認された調査地区 (3 巡目調査 4 巡目調査 ) 6-64

コオニヤンマの確認状況 ( 陸上昆虫類等調査 ) コオニヤンマを 9 河川で確認コオニヤンマは 関東地方以西の 9 河川で確認されました 中国地方の江の川 九州地方の遠賀川では1 巡目から継続して確認されています ( 資料掲載 : 6-66~6-67 6-78~6-79 ページ ) 種類 コオニヤンマ 1~4 巡目調査の確認河川数の比較 1 巡目調査 (78 河川 ) 24 河川 30.8 2 巡目調査 (120 河川 ) 46 河川 38.3 3 巡目調査 (122 河川 ) 51 河川 41.8 4 巡目調査 (86 河川 ) 43 河川 50.0 注 1) 確認河川数の比較は 直轄管理区間のデータを対象とした 注 2)1~3 巡目調査のデータは対象全河川のうち 種名等について真正化され 河川環境データベースに格納されている調査データを対象とした 注 3)() 内は分析対象河川数を示す 注 4) 内は確認河川数の分析対象河川数に対する % を示す コオニヤンマは 国内では最大のサナエトンボ類で 各地の平地から山地の河川に広く生息しています 大きな体長に比較して小さな頭部と長い後脚を持つ形態的な特徴があり 生息には浅瀬や流れの緩やかな砂泥底 水際の植物などの環境条件が必要です 今回調査した河川では 関東地方の利根川水系小貝川 北陸地方の梯川で初めて確認されました また中国地方の江の川 九州地方の遠賀川では1 巡目から継続して確認されるなど 1~4 巡目調査全体を通した確認状況では 確認河川数は増加傾向がみられます 6-65

1 巡目調査 ( 平成 3~7 年度 ) 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) コオニヤンマの確認された調査地区 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 6-66

3 巡目調査 ( 平成 13~17 年度 ) 天塩川 4 巡目調査 ( 平成 18~24 年度 ) が確認された地域 ( 平成 20 年度陸上昆虫類調査 ) 高瀬川 沙流川 江の川 梯川 利根川水系 ( 利根川 ) ( 常陸利根川 ) ( 中川 綾瀬川 ) ( 江戸川 ) ( 渡良瀬川 ) ( 鬼怒川 ) ( 小貝川 ) ( 烏川 神流川 ) 遠賀川 六角川 肝属川 ( 河川名は平成 24 年度とりまとめ対象河川を示す ) 注 )4 巡目調査は調査実施途中であり は 調査未実施の河川を示す コオニヤンマの確認された調査地区 (3 巡目調査 4 巡目調査 ) 6-67

ヒヌマイトトンボの確認状況 ( 陸上昆虫類等調査 ) ヒヌマイトトンボは確認されずヒヌマイトトンボは 今回調査を実施した 16 河川では確認されませんでした 関東地方の利根川水系江戸川では 1 巡目から継続して確認されてきましたが 今回は確認されていません ( 資料掲載 : 6-69~6-70 6-78~6-79 ページ ) 種類 ヒヌマイトトンボ 1~4 巡目調査の確認河川数の比較 1 巡目調査 (78 河川 ) 4 河川 5.1 2 巡目調査 (120 河川 ) 7 河川 5.8 3 巡目調査 (122 河川 ) 4 河川 3.3 4 巡目調査 (86 河川 ) 1 河川 1.2 注 1) 確認河川数の比較は 直轄管理区間のデータを対象とした 注 2)1~3 巡目調査のデータは対象全河川のうち 種名等について真正化され 河川環境データベースに格納されている調査データを対象とした 注 3)() 内は分析対象河川数を示す 注 4) 内は確認河川数の分析対象河川数に対する % を示す ヒヌマトンボは 主に本州太平洋岸の河川河口部周辺のヨシやマコモなどの抽水植物が繁茂する汽水域に生息しています 1~4 巡目調査全体での確認状況を比較すると 確認河川数は微減傾向がみられます 今回調査を実施した 16 河川では 利根川水系の江戸川で 1 巡目から継続して確認されてきましたが 今回は確認されませんでした 6-68

1 巡目調査 ( 平成 3~7 年度 ) 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) ヒヌマイトトンボの確認された調査地区 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 6-69

3 巡目調査 ( 平成 13~17 年度 ) 天塩川 4 巡目調査 ( 平成 18~24 年度 ) が確認された地域 ( 平成 20 年度陸上昆虫類調査 ) 高瀬川 沙流川 江の川 梯川 利根川水系 ( 利根川 ) ( 常陸利根川 ) ( 中川 綾瀬川 ) ( 江戸川 ) ( 渡良瀬川 ) ( 鬼怒川 ) ( 小貝川 ) ( 烏川 神流川 ) 遠賀川 六角川 肝属川 ( 河川名は平成 24 年度とりまとめ対象河川を示す ) 注 )4 巡目調査は調査実施途中であり は 調査未実施の河川を示す ヒヌマイトトンボの確認された調査地区 (3 巡目調査 4 巡目調査 ) 6-70

ミズスマシ類の確認状況 ( 陸上昆虫類等調査 ) 沙流川でエゾコオナガミズスマシ 高瀬川でヒメミズスマシを初めて確認ミズスマシ類は かつては身近でなじみ深い昆虫でしたが 近年は各地でその減少が危惧されています 今回調査では 北海道地方の沙流川でエゾコオナガミズスマシが 東北地方の高瀬川ではヒメミズスマシが初めて確認されました ミズスマシ類は 今回調査の 16 河川 16 ダム全体では計 6 種が確認されています ( 資料掲載 : 6-72~6-73 6-78~6-79 ページ ) 種類 ミズスマシ類 1~4 巡目調査の確認河川 ダム数の比較 1 巡目調査 (78 河川 ) (80 ダム ) 22 河川 28.2 29 ダム 36.3 2 巡目調査 (120 河川 ) (80 ダム ) 36 河川 30.0 35 ダム 43.8 3 巡目調査 (122 河川 ) (96 ダム ) 35 河川 28.7 43 ダム 44.8 4 巡目調査 (86 河川 ) (61 ダム ) 11 河川 12.8 20 ダム 32.8 注 1) 確認河川数の比較は 直轄管理区間のデータを対象とした 注 2)1~3 巡目調査のデータは対象全河川のうち 種名等について真正化され 河川環境データベースに格納されている調査データを対象とした 注 3)() 内は分析対象河川 ( ダム ) 数を示す 注 4) 内は確認河川数の分析対象河川 ( ダム ) 数に対する % を示す 今回調査した 16 河川 16 ダムのうち 北海道地方の天塩川 沙流川 岩尾内ダム 東北地方の高瀬川 関東地方の鬼怒川 川俣ダムの計 4 河川 2 ダムから 全 6 種のミズスマシ類が確認されました そのうち北海道地方の沙流川ではエゾコオナガミズスマシが 東北地方の高瀬川ではヒメミズスマシが それぞれ初めて確認されています 1~4 巡目調査での確認状況を比較すると ダムともに1~3 巡目までの確認割合はほぼ横這いでしたが 4 巡目では減少傾向がみられます 河川では これまでに4 巡目調査を実施した 86 河川のうち ミズスマシ類が確認されたのは 11 河川にとどまり 減少傾向です また今回調査した 16 ダムのうち 利根川水系の相俣ダム 薗原ダム 渡良瀬遊水池では 3 巡目までは継続してミズスマシ類が確認されていましたが 今回は未確認となっています ミズスマシ類の成虫は 体下面が平坦で 中 後脚は扁平 前脚は長く 複眼は水中と水上を同時にみられるように上下に分かれているなど 水面生活に適応した形態を有する甲虫類です 主に日中を活動時間とする種も多いのですが 昼間は水生植物の葉間や岸辺の石の下などに潜み 目に付きにくい夜行性の種もいます 日本のミズスマシ科は分類学的に 3 つのグループ ( 亜科 ) に分けられ オオミズスマシ亜科 ミズスマシ亜科の種は 主として小川 水田 池など止水域に近い環境に生息し オナガミズスマシ亜科の種は主として渓流で 流れがやや緩やかな流水域に生息します 日本全土からは 3 属 20 種 ( 亜種を含む ) が知られており そのうち 12 種が環境省のレッドリストで絶滅のおそれのある種として指定されました 6-71

1 巡目調査 ( 平成 3~7 年度 ) 2 巡目調査 ( 平成 8~12 年度 ) 河川 ダム : 確認ダム : 未確認ダム ミズスマシ類の確認された調査地区 (1 巡目調査 2 巡目調査 ) 6-72

3 巡目調査 ( 平成 13~17 年度 ) 天塩川 4 巡目調査 ( 平成が確認された地域 18~24 年度 ) ( 平成 20 年度陸上昆虫類調査 ) 岩尾内ダム 高瀬川 沙流川 二風谷ダム 六角川 遠賀川 土師ダム 灰塚ダム 江の川 梯川 利根川水系 ( 利根川 ) ( 常陸利根川 ) ( 中川 綾瀬川 ) ( 江戸川 ) ( 渡良瀬川 ) ( 鬼怒川 ) ( 小貝川 ) ( 烏川 神流川 ) 藤原ダム相俣ダム薗原ダム品木ダム矢木沢ダム奈良俣ダム渡良瀬遊水地草木ダム川俣ダム川治ダム五十里ダム下久保ダム 肝属川 河川 ダム : 確認ダム : 未確認ダム ( 河川名は平成 24 年度とりまとめ対象河川 ダムを示す ) 注 )4 巡目調査は調査実施途中であり は 調査未実施の河川を示す ミズスマシ類の確認された調査地区 (3 巡目調査 4 巡目調査 ) 6-73