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31608 要旨 ルミノール発光 3513 後藤唯花 3612 熊﨑なつみ 3617 新野彩乃 3619 鈴木梨那 私たちは ルミノール反応で起こる化学発光が強い光で長時間続く条件について興味をもち 研究を行った まず触媒の濃度に着目し 1~9% の値で実験を行ったところ触媒濃度が低いほど強い光で長

Problem P5

練習問題

注釈 * ここでニッケルジメチルグリオキシム錯体としてのニッケルの重量分析を行う場合 恒量値を得るために乾燥操作が必要だが それにはかなりの時間を要するであろう ** この方法は, 銅の含有量が 0.5% 未満の合金において最も良い結果が得られる 化学物質および試薬 合金試料, ~0.5 g, ある

酢酸エチルの合成

実験手順 1 試料の精秤 2 定容試料を 5%HPO3 酸で1ml に定容し 試料溶液とする この時 アスコルビン酸濃度は1~4mg/1ml の範囲がよい 3 酸化試験管を試料の (a) 総ビタミン C 定量用 (b)daa( 酸化型ビタミン C) 定量用 (d) 空試験用の3 本 (c) 各標準液

ウスターソース類の食塩分測定方法 ( モール法 ) 手順書 1. 適用範囲 この手順書は 日本農林規格に定めるウスターソース類及びその周辺製品に適用する 2. 測定方法の概要試料に水を加え ろ過した後 指示薬としてクロム酸カリウム溶液を加え 0.1 mol/l 硝酸銀溶液で滴定し 滴定終点までに消費

CERT化学2013前期_問題

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土壌溶出量試験(簡易分析)

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photolab 6x00 / 7x00 バーコードのない測定項目 バーコードのない測定項目 使用できる測定法 これらの測定項目の分析仕様は 付録 4 に記載されています ここでは 使用方法は カラム 5 の測定法番号を使用して手動で選択します 測定法の選択方法の説明は 光度計の機能説明の 測定法の

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東京理科大学 Ⅰ 部化学研究部 2015 年度春輪講書 シクロデキストリンを用いた 包接化合物の生成 水曜班 Ikemura, M.(2C),Ebihara, K.(2C), Kataoka, T.(2K), Shibasaki,K.(2OK),Tsumeda,T.(2C),Naka,A.(2OK)

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フォルハルト法 NH SCN の標準液または KSCN の標準液を用い,Ag または Hg を直接沈殿滴定する方法 および Cl, Br, I, CN, 試料溶液に Fe SCN, S 2 を指示薬として加える 例 : Cl の逆滴定による定量 などを逆滴定する方法をいう Fe を加えた試料液に硝酸

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1. 測定原理 弱酸性溶液中で 遊離塩素はジエチル p フェニレンジアミンと反応して赤紫色の色素を形成し これを光学的に測定します 本法は EPA330.5 および US Standard Methods 4500-Cl₂ G EN ISO7393 に準拠しています 2. アプリケーション サンプル

平成27年度 前期日程 化学 解答例

高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

日本食品成分表分析マニュアル第4章

< イオン 電離練習問題 > No. 1 次のイオンの名称を書きなさい (1) H + ( ) (2) Na + ( ) (3) K + ( ) (4) Mg 2+ ( ) (5) Cu 2+ ( ) (6) Zn 2+ ( ) (7) NH4 + ( ) (8) Cl - ( ) (9) OH -

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Ⅰ One-compartmentmodel( 静脈内急速投与 ) [ シミュレーション実験上の全般的注意点 ] 実習書をよく読み 適切な器具 ( フラスコ, メスシリンダー ) を使用する の流速を 実際の実験状態に近い位置で 別々にしっかりと合わせる ( 最低 3 回 ) 精製水の補給用のチュー

 

14551 フェノール ( チアゾール誘導体法 ) 測定範囲 : 0.10~2.50 mg/l C 6H 5OH 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の ph が ph 2~11 であるかチェックします 必要な場合 水酸化ナトリウム水溶液または硫酸を 1 滴ずつ加えて ph を調整

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カールフィッシャー法と濃度計算問題

2004 年度センター化学 ⅠB p1 第 1 問問 1 a 水素結合 X HLY X,Y= F,O,N ( ) この形をもつ分子は 5 NH 3 である 1 5 b 昇華性の物質 ドライアイス CO 2, ヨウ素 I 2, ナフタレン 2 3 c 総電子数 = ( 原子番号 ) d CH 4 :6

研究要旨 研究背景研究目的 意義研究手法結果 考察結論 展望 研究のタイトル 研究要旨 ( 概要 ) あなたの研究の全体像を文章で表現してみよう 乳酸菌を用いてハンドソープの殺菌力を上げる条件を調べる手を洗う時に どのくらいの時間をかければよいのかということと よく薄めて使うことがあるので薄めても効

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てた後, ビーカーに水を 500 ml 入れて 1 度目の洗浄をした. 洗浄液の phをphメーターで測定した. さらに二度目の洗浄を 500 ml の水で行った. この洗浄液の ph も測定した. さらに流水で枝豆の洗浄を行った. その後この枝豆をめのう乳鉢ですりつぶし, 水を少量加えてその液の

Taro-22 No19 大網中(中和と塩

▲ 電離平衡

2,3-ジメチルピラジンの食品添加物の指定に関する部会報告書(案)

ここで Ω は系全体の格子数,φ は高分子の体積分率,k BT は熱エネルギー,f m(φ) は 1 格子 あたりの混合自由エネルギーを表す. またこのとき浸透圧 Π は Π = k BT v c [ φ N ln(1 φ) φ χφ2 ] (2) で与えられる. ここで N は高分子の長さ,χ は

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○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

TNT820-1 化学的酸素要求量 (COD) (DR1900 用 ) DOC 加熱分解法方法 ULR (1~60 mg/l COD) TNTplus TM 820 用途 : 下水 処理水 地表水 冷却水 : 本測定方法は 分解を必要とします 測定の準備試薬パッケ

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プレスハム及びソーセージのでん粉含有率 (2014) プレスハム及びソーセージのでん粉含有率測定手順書 独立行政法人農林水産消費安全技術センター 1. 適用範囲 この測定方法は 日本農林規格に定めるプレスハム及びソーセージに適用する 2. 測定方法の概要試料 5 g から水酸化カリウムエタノール溶液

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キレート滴定2014

A 通 則 1. 添加物の適否は, 別に規定するもののほか, 通則, 一般試験法, 成分規格 保存基準各条等の規定によって判定する ただし, 性状の項目の形状は, 参考に供したもので, 適否の判定基準を示すものではない 2. 物質名の前後に を付けたものは, 成分規格 保存基準各条に規定する添加物を

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競技の流れ 発泡入浴剤は, 炭酸水素ナトリウム ( 重曹 ) とクエン酸という物質を固めて作られている これを水に溶かすと, 水中で両者が反応して二酸化炭素が発生する この発泡は, 血行を良くする働きがあると考えられている 今日の実験は, 発泡入浴剤に関係する次の 3 テーマからなる 時間配分 (1

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A6/25 アンモニウム ( インドフェノールブルー法 ) 測定範囲 : 0.20~8.00 mg/l NH 4-N 0.26~10.30 mg/l NH ~8.00 mg/l NH 3-N 0.24~9.73 mg/l NH 3 結果は mmol/l 単位でも表示できます 1. 試料の

石綿含有建材分析マニュアル第4章

化学 1( 応用生物 生命健康科 現代教育学部 ) ( 解答番号 1 ~ 29 ) Ⅰ 化学結合に関する ⑴~⑶ の文章を読み, 下の問い ( 問 1~5) に答えよ ⑴ 塩化ナトリウム中では, ナトリウムイオン Na + と塩化物イオン Cl - が静電気的な引力で結び ついている このような陽イ

科学先取り岡山コース ( 大学先取り 化学分野 ) 2008 年 12 月 13 日 ( 土 ) 担当 : 大久保貴広 ( 岡山大学大学院自然科学研究科 ) 1 はじめに高校までの化学では 先人たちの努力により解き明かされた物質や基本的な現象を中心に勉強していることと思います それ故 覚えなければな

本手順書は, 消費者庁衛新 13 号 栄養表示基準における栄養成分等の分析方法等について ( 通知法 ) にもとづいた 塩試料を分析するための操作手順である. 塩の性質を考慮し, 通知法を一 部変更している. << 目次 >> 1. たんぱく質 1 2. 脂質 3 3. 炭水化物 5 4. 熱量 7

イオン化傾向 イオン化傾向 1 金属の単体はいずれも酸化されて陽イオンになりうる 金属のイオンのなりやすさを表したものをイオン化傾向という イオン化傾向 K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb (H) Cu Hg Ag Pt Au e- を出してイオンになりやすい酸化されやすい イ

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3

プロトコール集 ( 研究用試薬 ) < 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫

を加え,0.05 mol/l チオ硫酸ナトリウム液で滴定 2.50 する.0.05 mol/l チオ硫酸ナトリウム液の消費量は 0.2 ml 以下である ( 過酸化水素として 170 ppm 以下 ). (4) アルデヒド (ⅰ) ホルムアルデヒド標準液ホルムアルデヒド メタノール液のホルムアルデヒ

1 次の問い ( 問 1~ 問 5) に答えよ (23 点 ) 問 1 次の単位変換のうち, 正しいもののみをすべて含む組み合わせは どれか マーク式解答欄 1 (a) 1.0 kg = mg (b) 1.0 dl = ml (c) 1.0 g/cm 3 = 1.

木村の理論化学小ネタ 熱化学方程式と反応熱の分類発熱反応と吸熱反応化学反応は, 反応の前後の物質のエネルギーが異なるため, エネルギーの出入りを伴い, それが, 熱 光 電気などのエネルギーの形で現れる とくに, 化学変化と熱エネルギーの関

Taro-化学3 酸塩基 最新版

前ページの反応から ビタミン C はヨウ素によって酸化され ヨウ素はビタミン C によって還元された と説明できます あるいはビタミン C は還元剤として働き ヨウ素は酸化剤として働いた ともいう事ができます 定量法 ある物質の量や濃度を知りたいとき いくつかの定量法を使って調べることができます こ

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留意点 指導面 化学に対する興味 関心を高めることが主なねらいなので, 原理については簡単に触れる程度にとどめる 身の回りにある合成高分子に気付かせ, それらが化学の先人の研究成果によって作られたものであることから, 化学が人間生活に果たしている役割について触れる 分子量が約 1 万以上の分子からな

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3. 原理 (a) 化学発光 化学発光は, 簡単にいうと 化学反応により分子が励起されて励起状態となり, そこから基底状態にもどる際に光を放つ現象 である. 化学反応において基底状態の分子が起こす反応は熱反応であるため光の放出は見られないが, 化学発光においては基底状態の分子が反応して, 光エネルギ

木村の理論化学小ネタ 緩衝液 緩衝液とは, 酸や塩基を加えても,pH が変化しにくい性質をもつ溶液のことである A. 共役酸と共役塩基 弱酸 HA の水溶液中での電離平衡と共役酸 共役塩基 弱酸 HA の電離平衡 HA + H 3 A にお

木村の化学重要問題集 01 解答編解説補充 H S H HS ( 第 1 電離平衡 ) HS H S ( 第 電離平衡 ) そこで溶液を中性または塩基性にすることにより, つまり [ H ] を小さくすることにより, 上の電離平衡を右に片寄らせ,[ S ] を大きくする 193. 陽イオン分析 配位

必要があれば, 次の数値を使いなさい 原子量 O= 標準状態で mol の気体が占める体積. L 問題文中の体積の単位記号 L は, リットルを表す Ⅰ 次の問いに答えなさい 問 飲料水の容器であるペットボトルに使われているプラスチックを, 次の中から つ選び, 番号をマークしなさい ポリエチレン

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留意点 指導面 物質量について物質を扱うとき, 体積や質量で表すことが多い しかし, 化学変化は, 物質の構成粒子が切り離されたり, 結合したりすることによっておこるため, 粒子の個数で表した方が都合がよい 一方, 物質の構成粒子は非常に小さく,1 個ずつ数えることはできない また, 私たちが日常取

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ミリモル毎リットル mmol/l マイクロジーメンス毎センチメートル µs/cm 度 ( 角度 ) 5. 質量百分率を示すには % の記号を用いる 液体又は気体 100mL 中の物質量 (g) を示すには w/v% の記号を用いる 物質 100g 中の物質量 (ml) を示すには v/w% の記号を

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B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k

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結晶の美学

(3) イオン交換水を 5,000rpm で 5 分間遠心分離し 上澄み液 50μL をバッキングフィルム上で 滴下 乾燥し 上澄み液バックグラウンドターゲットを作製した (4) イオン交換水に 標準土壌 (GBW:Tibet Soil) を既知量加え 十分混合し 土壌混合溶液を作製した (5) 土

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46 th International Chemistry lympiad 問題 35. アスピリンの加水分解加水分解におけるにおける速度論的解析 (20140303 修正 : ピンク色の部分 ) 1. 序論アスピリン ( アセチルサリチル酸 ) は サリチル酸のエステルの一種であり 治療用の医薬品としてよく用いられている 具体的には 頭痛 歯痛 神経痛 筋肉痛 関節痛 ( 関節炎 リューマチ ) に効能のある穏やかな鎮痛剤として使用されている アスピリンはまた 解熱剤 抗炎症剤としても作用し 炎症によって生じる腫れもの 赤みを緩和する 抗凝結剤としても有効であるので 脳卒中や心臓発作の予防にも役立つ アスピリンは サリチル酸と無水酢酸とを反応させることで 実験室レベルでも容易に 合成できる その反応スキームは以下の通りである H + H + H 3 C H H サリチル酸 無水酢酸 アセチルサリチル酸 酢酸 アスピリンは 酸性あるいは塩基性溶媒中において加水分解されてサリチル酸となり 反応が起こりやすい状態となる しかしアスピリンの加水分解は 塩基性条件下の方が酸性よりも反応速度が相当速い このことから 体内における医薬品の安定性や作用機序は体内のpHに大きく依存することが分かる 一般論としては エステルの加水分解においては 酸あるいは塩基によって触媒作用を受ける そういった加水分解の詳細な反応機構は これまで詳しく研究されてきた 化学反応基礎論としても 大変重要だからである 酸 塩基によって触媒される加水分解機構の一般論は 既によく知られている そのうえで とりわけ生化学分野においては 従来の加水分解機構の知見を用いて さらに新規で具体的な生体反応系を説明しようとしている

46 th International Chemistry lympiad 今回の実験課題では まずアスピリンを合成する 次いで 塩基性条件下におけるア スピリンの加水分解の反応速度論を調べる アスピリンの合成段階においては まず無 水酢酸とサリチル酸を反応させる ここで 酸触媒 ( 具体的には濃硫酸 ) を使って 反 応を促進させる 一方 反応速度論の解析としては アスピリンの加水分解について ( 見かけの ) 擬反応次数を仮定して取り扱う するとアスピリンの濃度に関して その反 応次数を求めることができる 水酸化物イオン濃度の反応次数が与えられた場合 今回 の実験結果を元にして 加水分解の全反応機構について議論することが可能となる 2. 使用するする薬品 - サリチル酸 CH3C2C6H4C2H - 無水酢酸 CH3C23CH3 - 濃硫酸 H2S4 - エタノール ( 無水 )C2H5H - 水酸化ナトリウム標準水溶液 NaH 3. 使用するする装置装置 ガラスガラス器具 - 紫外可視分光光度計 - 恒温水槽 - ホットプレート ( 撹拌機能つき ) - 分析用化学天秤 ( 精度 ± 0.0001 g) - 100 cm 3 ガラスビーカー - 100 cm 3 三角フラスコ - ピペット (5 cm 3 ) - 吸引ビン ( ブフナーフラスコ ) - 吸引ろうと ( 漏斗 ) - ろ紙

- ガラス棒 46 th International Chemistry lympiad - ストップウォッチ - 50 cm 3 メスフラスコ 4. 実験手順手順 1. アセチルサリチルチル酸の合成 1. 400 cm 3 ビーカー (500 cm 3 ビーカーでも可 ) に水を半分程度入れ 加熱して沸騰させる こ れをウォーターバスとして用いる 2. 化学天秤を使ってサリチル酸を 2.0 g 量り取り それを 100 cm 3 三角フラスコに入れる このときサリチル酸を実際に量り取った量を元にして 以降の速度論解析やアスピリン収率の計算を進める 3. ピペットを使って 無水酢酸 5.0 cm 3 を三角フラスコ ( サリチル酸が入っているもの ) の中に注意深く滴下する 4. 濃硫酸を5 6 滴加えて 触媒とする 安全上の注意 : 無水酢酸の蒸気が目に触れると炎症を起こす可能性がある また 硫酸が皮膚に触れるとやけどの恐れがある 注意して取り扱うこと 5. 三角フラスコ中のこれらの試薬を混合し フラスコごと沸騰水が入ったウォーターバスに入れる フラスコを時々ゆっくりと回しながら内容物を振り混ぜつつ15 分間加熱すると 元々加えた固体が溶解する 6. 三角フラスコの中に水を10 cm 3 加え 三角フラスコを十分に振り混ぜる 次に その三角フラスコをアイスバス ( 大きめの容器に氷を入れて 冷却できるようにしたもの ) 中に10 15 分間放置すると 生成物のアセチルサリチル酸 ( 固体 ) が充分に析出する 得られた結晶を真空ろ過により回収する もし結晶化がゆっくりと進行して取り出しにく

46 th International Chemistry lympiad い場合は ガラス棒を使用して三角フラスコの内部を慎重にひっかき 結晶化を促進さ せる 7. 粗生成物の再結晶を行う 得られた粗生成物を10 cm 3 エタノールに溶解させ それを 60.0 cm 3 の温水に入れる 次に この溶液を氷水に 10 15 分間浸けて冷却したのち ろ過する 8. 生成物を乾燥機に入れ 100 で30 分間乾燥させる 最終生成物の質量を量る 手順 2. アセチルサリチル酸の加水分解 1. 試料調製 :5 10 3 mol / dm 3 サリチル酸溶液 50.0 cm 3 ( 溶媒 :20% エタノール及び 約 5 10 3 mol / dm 3 NaH 溶液 ) i) 化学天秤を用いてサリチル酸 ( 分子量 M w = 138.1 g mol 1 ) を必要な量だけ量り取り 小さなビーカーに入れる ii) 量り取ったサリチル酸を エタノール 10 cm 3 に溶かす iii) 予め 50 cm 3 メスフラスコ中に 5 10 2 mol / dm3 NaH 水溶液を 5 cm 3 入れておく 次に ii) で定量したサリチル酸エタノール溶液をメスフラスコに移す 水を使って ii) で使用したビーカーの内部を洗うとともに 洗液をすべてメスフラスコに入れる この洗い作業を数回繰り返して ビーカー内部の試薬が完全にメスフラスコに移るようにする 最後にメスフラスコの標線まで水を加え 定容する 2. 試料調製 :5 10 4 mol / dm3 サリチル酸溶液 50.0 cm 3 i) 50 cm 3 メスフラスコに エタノール 10.0 cm 3 を入れる 次に ピペットを使って 上記 1. で調製した溶液を 5 cm 3 入れる ii) 5 10 3 mol / dm3 NaH 溶液を メスフラスコの標線まで加える このメスフラスコ を 恒温水槽に入れて 37 に保つ

46 th International Chemistry lympiad 3. 295 nm における吸光度 A を測定する この測定値を A と考え 以下の計算過程におい て使用する 注 : サリチル酸の吸光度を測定する前に 標準サンプルを使って 紫外可 視分光光度計のベース ( 吸光度ゼロ ) を設定する ここでは標準サンプルとして 20% エタノールを含んだ 5 10 3 mol / dm3 NaH 溶液を使用する 4. 試料調製 :5 10-4 mol / dm3 アセチルサリチル酸溶液を 50 cm 3 上記手順 1 及び 2 を参照す ること 5. 反応容器を 恒温水槽に入れて37 に保つ 恒温水槽に入れた直後から 反応時間を計測すること 6. 反応開始から5 分を経過したのち 反応溶液のうちの適量を吸光度測定用の光学セル ( 光路長 1 cm) に取って 295 nm における吸光度を測定する 以後 反応時間が 60 分に達するまでこの作業を反応開始時から数えて10 分おきに繰り返す 測定結果は 次表にまとめる 時間 / 分 5 10 20 30 40 50 60 吸光度 A 5. 課題及びデータデータ解析 1. 反応収率を求めよ 2. アスピリンを服用すると 胃炎を起こすことがある このような副作用を軽減するために 製剤するときにはどのような措置が取られるか 3. 5 10 4 mol / dm3 アスピリン溶液において NaHの濃度を計算せよ 4. 次の3つのグラフを作成せよ それぞれ 別々のグラフとすること (A - A) vs. t, ln(a - A) vs. t, and vs. t

46 th International Chemistry lympiad 次に これらのプロットを使ってアセチルサリチル酸に関する反応次数を決定せよ 5. 見かけの ( 擬 ) 反応速度定数の次数 kobs を求めよ また 今回の反応条件における加 水分解の半減期を計算せよ 次に 今回の反応時間スケール (60 分間 ) において 半減 期が何回繰り返されたか 求めよ 6. 塩基性溶液においては アセチルサリチル酸はアニオンとして存在する C - アスピリンの塩基触媒による加水分解反応に関して 次の機構が提案されている 今回得たアスピリンの反応次数を使って [H ] の反応次数を 1 とした場合 反応速度 則を導け また 次の反応のうちどの過程が律速段階であるか示せ C - C - C- + H - k 1 (1) k -1 - H k C - 2 + H 3 C C (2) H - - H C - + H 2 - C - k 3 + H - (3) H