Bernard Bernard Apple Steve Jobs Stay hungry, stay foolish Bernard Bernard Walter Bradford Cannon 表 ホメオスタシス homeostas

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今日勉強すること 1. 脊髄と脳幹の構造 2. 自律神経一般的の性質 3. 臓器別にみた自律神経の作用 4. 自律神経反射の例

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1 アドレナリンってなんだ アドレナリンって何だろう 普段は温厚な人たちでも 草野球の試合になると いつになく興奮し 闘争意識をむきだしにして激しいファイトを展開することがある そんな時 人の体内では 副腎という臓器の髄質部分からアドレナリンやノルアドレナリンというホルモンが分泌されているのだ アド

生物 第39講~第47講 テキスト

エジプト、アブ・シール南丘陵頂部・石造建造物のロータス柱の建造方法

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今日勉強すること 1. 反射弓と伸張反射 2. 屈曲反射 3. 膝蓋腱反射の調節機構 4. 大脳皮質運動野の機能

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお

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科目名授業方法単位 / 時間数必修 選択担当教員 人体の構造と機能 Ⅱ 演習 2 単位 /60 時間必修 江連和久 北村邦男 村田栄子 科目の目標 人体の構造と機能 はヒトの体が正常ではどうできていてどう働くのかを理解することを目的とする この学問は将来 看護師として 病む ということに向き合う際の

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学位論文の要約

高位平準動物看護概論動物機能形態学対面学習確認テスト 問題 1: 脳幹の役割として正しいのはどれか 1 学習 知覚 認知 運動 感覚などの高次機能に関わる 2 呼吸 心臓 嚥下の働きなど 生命にかかわる基本的な機能を維持する 3 からだの働き バランス 姿勢の制御を行う 4 末梢の各器官で得た情報を

第四問 : パーキンソン病で問題となる運動障害の症状について 以下の ( 言葉を記入してください ) に当てはまる 症状 特徴 手や足がふるえる パーキンソン病において最初に気づくことの多い症状 筋肉がこわばる( 筋肉が固くなる ) 関節を動かすと 歯車のように カクカク と軋む 全ての動きが遅くな

院内がん登録における発見経緯 来院経路 発見経緯がん発見のきっかけとなったもの 例 ) ; を受けた ; 職場の健康診断または人間ドックを受けた 他疾患で経過観察中 ; 別の病気で受診中に偶然 がん を発見した ; 解剖により がん が見つかった 来院経路 がん と診断された時に その受診をするきっ

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緊張 ~緊張は和らげられるのか~

第6章 循環器系

報道発表資料 2001 年 3 月 8 日 独立行政法人理化学研究所 脳内の食欲をつかさどるメカニズムの一端を解明 - ムスカリン性受容体欠損マウスはいつでも腹八分目 - 理化学研究所 ( 小林俊一理事長 ) は 脳の食欲をつかさどる情報伝達にはムスカリン性受容体が必須であることを世界で初めて発見し

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Ⅰ. ヒトの遺伝情報に関する次の記述を読み, ~ に答えなさい 個体の形成や生命活動を営むのに必要な ( a ) は, 真核生物の細胞では主に核 の中で染色体を形成している 通常, ₁ 個の体細胞には同じ大きさと形の染色体が 一対ずつあり, この対になっている染色体を ( b ) といい, 片方の染

臨床神経学雑誌第48巻第1号

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によ

抑制することが知られている 今回はヒト子宮内膜におけるコレステロール硫酸のプロテ アーゼ活性に対する効果を検討することとした コレステロール硫酸の着床期特異的な発現の機序を解明するために 合成酵素であるコ レステロール硫酸基転移酵素 (SULT2B1b) に着目した ヒト子宮内膜は排卵後 脱落膜 化

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検査項目情報 1223 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4E. 副腎髄質ホルモン >> 4E040. メタネフリン分画 メタネフリン分画 [ 随時尿 ] metanephrine fractionation 連絡先 : 3495 基本情報 4E040 メタネフリン分画分析物

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

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報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

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をずっと疑問を持っていました 2 3 年前に安保徹先生の本を読んでいた時 元々あった副交感神経の間に交感神経が割り込んできて二つに分けたのだと書いてありましたから これは納得できると思いました それで交感神経ができたのは どうしてだろうかということを考え始めました 交感神経と副交感神経は 対立しなが

福島県のがん死亡の年次推移 福島県におけるがん死亡数は 女とも増加傾向にある ( 表 12) 一方 は 女とも減少傾向にあり 全国とほとんど同じ傾向にある 2012 年の全のを全国と比較すると 性では高く 女性では低くなっている 別にみると 性では膵臓 女性では大腸 膵臓 子宮でわずかな増加がみられ

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7. 発生期における脳の神経細胞の増殖機序 ( 細胞増殖期 ) や神経膠細胞の働きを説明できる 髄膜, 血管, 脳室, 血液脳関門 1. 脳と脊髄は軟膜, クモ膜, 硬膜の三層の膜で包まれていることを説明できる 2. それぞれの膜の間の腔 ( くも膜下腔, 硬膜下腔 ) がわかる 3. 大脳鎌, 小

末梢神経障害

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研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

平成14年度研究報告

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細胞の構造

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PRESS RELEASE (2016/11/22) 北海道大学総務企画部広報課 札幌市北区北 8 条西 5 丁目 TEL FAX URL:


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検査項目情報 6154 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4E. 副腎髄質ホルモン >> 4E016. カテコールアミン3 分画 カテコールアミン3 分画 [ 随時尿 ] catecholamines 3 fractionation 連絡先 : 3764 基本情報 4E016

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糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

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2. 手法まず Cre 組換え酵素 ( ファージ 2 由来の遺伝子組換え酵素 ) を Emx1 という大脳皮質特異的な遺伝子のプロモーター 3 の制御下に発現させることのできる遺伝子操作マウス (Cre マウス ) を作製しました 詳細な解析により このマウスは 大脳皮質の興奮性神経特異的に 2 個

COヘモグロビン濃度と一酸化炭素中毒 より


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TOHOKU UNIVERSITY HOSPITAL 今回はすこし長文です このミニコラムを読んでいただいているみなさんにとって 救命救急センターは 文字どおり 命 を救うところ という印象が強いことと思います もちろん われわれ救急医と看護師は 患者さんの救命を第一に考え どんな絶望の状況でも 他

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( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

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く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル


1. はじめに近年の計算機パワーおよび数理的な解析手法の向上を背景に, 生命現象について, 数理モデルを用いて明らかにする研究の重要性は増している. そのような研究は今後, 医療, 健康管理などにおいてますます必要になると考えられる. そこで, 筆者はこれまでに生体計測 信号処理等工学技術の生活支援

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1981 年 男 全部位 C00-C , , , , ,086.5 口腔 咽頭 C00-C


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( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

新規遺伝子ARIAによる血管新生調節機構の解明

例えば行為の際に使用する ツール について 行為との関連性をわかりやすくするために イベントの p/o である行為の p/o として記述した 咀嚼する 時に使用するツールである 義歯 は 咀嚼する の p/o でありツールロールを担う として記述する オントロジーに記述する概念は 極力看護プロファイ

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー

< 研究の背景 > 運動に疲労はつきもので その原因や予防策は多くの研究者や競技者 そしてスポーツ愛好者の興味を引く古くて新しいテーマです 運動時の疲労は 必要な力を発揮できなくなった状態 と定義され 疲労の原因が起こる身体部位によって末梢性疲労と中枢性疲労に分けることができます 末梢性疲労の原因の

スライド 1

Transcription:

Clause 1 研究の歴史 自律神経系とは 末梢神経系のうち 内臓機能を調節する部分は 自律神経系 autonomic nervous system とよばれ る 自律神経系は平滑筋 心筋および腺を支配し 呼吸 循環 消化 代謝 分泌 体温維持 排泄 生殖など 生体にとって最も基本的な機能の調節 を担う 自律神経系の特徴は随意的な制御を受け ないことである このため植物神経系 vegetative nervous system または不随意神経系 involuntary nervous system ともよばれ 随意的な制御を受け 図 1 1 阿古屋の琴責2 る体性神経系と対比して考えられる 自律神経系が随意的な制御を受けずに機能して いることは 昔から知らず知らずのうちに生活に である 自律神経系はまさに現代でいう嘘発見器 としての一面を持っている 取り入れられている 以下は時実利彦著 脳と保 育 1 に記されている内容である 歌舞伎の 壇之 自律神経系は 生体の内部環境の恒常性の維持 浦兜軍記 では 名判官畠山庄司重忠が平景清の に重要な役割を果たす 内部環境の恒常性とは 愛人である阿古屋に景清の居場所を問いただす Claude Bernard 仏 表 1 1 の写真 によって シーンがある 阿古屋は何も知らない 彼女は琴 1860 70 年代に打ち出された概念である 我々 の名手である そこで 畠山判官は阿古屋を拷問 の体の内部にあって無数の細胞を取り囲む環境の にかけずに琴を奏でさせる 琴の音はあまりに美 ことを 体の外部の環境に対して 内部環境 と しく 判官は彼女に嘘偽りのないことを知り そ よび その内部の環境が 一定 に保たれている のまま彼女を無罪放免したという 邪心があれば ことを初めて唱えたのである 琴をいかにうまく奏でようにも音は必ず乱れる 自著 実験医学序説 3 あるいは平野 新島著の 自律神経系の調節を古の判官は知っていたのであ 4 によれば Bernard はブドウ作り 脳とストレス る 図 1 1 西鶴の書によると 江戸時代には犯 の農家に生まれている 少年時代 勉強はできな 罪者を拷問にかける代わりに 医師を法廷に呼ん かったが 多くの友人を作ったという5 決めら で脈を計らせる手段もあったという れた勉強よりは文学や芸術 哲学に傾倒し つい 好いた人が現れると胸は高鳴り 隠したくても には劇作家を志して自作の台本を評論家に見せて 顔が赤らむ 嘘をつく時は鼓動が聞こえるよう いる ところがその評論家に医学を学ぶように勧 だ 医師や看護師の前に座ると緊張して血圧も上 められてしまう 体よく断られたのである 21 歳 がってしまう 誰しもこんな経験をしたことがあ で医学部に入学するが成績は相変わらずふるわ るだろう ベテラン看護師はこのことを心得てい ず 卒業時の試験は 29 人中 26 番目だったとい て 身体に影響する患者の気持ちを考慮するよう 2 う 臨床家になることもあきらめ 25 歳で研究活

1 1848 1851 Bernard Bernard Apple Steve Jobs Stay hungry, stay foolish Bernard 1865 1876 2 Bernard Walter Bradford Cannon 表 1 1 1920 ホメオスタシス homeostasis Homeo stasis Cannon The word does not imply something set and immobile, a stagnation. It means a condition a condition which may vary, but which is relatively constant. 37 37.0 1 1 Bernard Cannon Cannon 6 Cannon 研究の歴史 表 1 1 Galenos 3

第 1 章 自律神経系の概要 表 1 1 自律神経系に関する主な研究の歴史A Galenos 129 199 自律神経系の最初の解剖 主な自律神経節を記載 Estienne C 1545 交感神経と迷走神経を識別 Eustachio B 1552 自律神経系の詳細な解剖図 交感神経幹を外転神経の枝とみなす Vesalius A, Vidius V 1555 1626 交感神経幹を第Ⅵ脳神経の枝とみなす Willis T 1664 交感神経幹を肋間神経とよぶ 毛様体神経節発見 du Petit F P 1727 交感神経幹は脳神経の枝ではなく脊髄と連絡 緊張性活動を示唆 Winslow JB 1732 Willis の肋間神経を大交感神経とよぶ Meckel JF 1749 1751 翼口蓋神経節 顎下神経節発見 Johnstone J 1764 交感神経系の途中に神経節存在 神経節性神経系とよぶ Bichat M F X 1800 1802 生体機能において内臓性機能と体性機能を区別 Reil JC 1807 植物神経系という名称を使用 Arnold F, Brachet JL 1827 1837 耳神経節発見 Ehrenberg CG, Remak R 1833 1838 顕微鏡を用いた解剖 自律神経の有髄線維と無髄線維を識別 Weber E & Weber EH 1845 迷走神経の心臓抑制作用の発見 Beck TS 1846 白交通枝と灰白交通枝を区別 Henle FG, von Kölliker A 1843 1848 動脈壁の平滑筋層発見 Johannes Müller 1848 虹彩 胃腸管 膀胱 子宮の平滑筋層の発見 Meissner G 1852 腸管の粘膜下神経叢の発見 Claude Bernard, Brown Séquard C E 1852 自律神経の vasomotor action の発見 Raynaud AGM 1862 Raynaud 病を報告 Auerbach L 1864 腸管の筋層間神経叢の発見 Cyon E & Ludwig C 1866 減圧反射の発見 Du Bois Reymond E, Cyon M & Cyon E 1866 心臓促進神経の発見 Horner JF 1869 Horner 症候群を報告 Argyll Robertson DMCL 1869 Argyll Robertson 瞳孔を報告 Schiff M 1870 交感神経中の立毛筋支配神経の発見 Goltz F ら Luchsinger B 1875 1876 交感神経中の汗腺支配神経の発見 Ludwig C 一派 1870 年代 緊張性および反射性昇圧中枢が延髄に存在することを発見 Lange C, Head H, Mackenzie J 1870 90 年代 関連痛の起こる機序の説明を提唱 Claude Bernard 1878 内部環境の恒常性の概念を提唱 Gaskell WH 1886 節前線維は有髄 節後線維は無髄を Hirschsprung H 1886 Hirschsprung 病を報告 Edgeworth FH, Langley JN 1892 迷走神経中の有髄求心性線維の存在を報告 Oliver G & Schäfer EA 1895 副腎髄質抽出物の交感神経刺激類似作用を Langley JN 1898 自律神経系という名称を使用 高峰譲吉 Aldrich TB 1901 アドレナリンの抽出結晶化 Elliott TR 1904 交感神経末端からアドレナリン様物質放出 を示唆 Langley JN 1905 Sherrington CS 1906 自律神経を交感および副交感神経系に分類 John Newport Langley 受容体の概念導入 1852 1925 英 脊髄動物における昇圧反射を証明 Dixon WE 1906 1907 迷走神経刺激とムスカリンの効果の類似性を Aschner B 1908 Aschner 反射発見 Dale HH 1914 アセチルコリンと副交感神経刺激の効果の類似性を ムスカリン様作用とニコチン様作用を区別 不随意運動という概念と随意運動とを区別 Claude Bernard 1813 1878 仏 次頁へ 4

1 研究の歴史 表 1 1 つづき Barrington FJF 1914 排尿反射の Gaskell WH 1916 不随意神経系という名称を使用 Ranson SW & Billingsley PR 1916 延髄の血圧調節部位の発見 Loewi O 1921 迷走神経からの心臓抑制物質 Vagusstoff としてアセチルコリンを Hering HE 1924 頸動脈洞神経の役割を Bradbury S & Eggleston C 1925 進行性自律神経障害 PAF を報告 Pavlov IP 1927 唾液分泌の条件反射の発見 Heymans C 1927 動脈化学受容器による呼吸促進反射の発見 Cannon WB 1929 ホメオスタシスの概念を提唱 Cannon WB & Bacq ZM 1931 交感神経刺激様物質 sympathin を提唱 Cannon WB & Rosenbluth A 1933 アドレナリン作動性受容物質 受容体 呉 1931 1934 脊髄後根内の血管拡張性遠心性線維の 存在を提唱 Adie WJ 1931 Adie 症候群を報告 Adrian ED & Bronk DW ら 1932 交感神経の緊張性電気活動を初めて記録 Reilly J 1932 Reilly 現象を報告 Dale HH 1933 コリン作動性およびアドレナリン作動性神経という名称を使用 久野 寧 1934 精神性発汗と温熱性発汗の区別 Hess WR 1936 自律神経機能を統合する視床下部の働きを発見 Papez JW 1937 情動発現における視床下部 辺縁系の重要性を von Euler US 1946 アドレナリン作動性神経からのノルアドレナリン放出を Alexander RS 1946 延髄の昇圧野 降圧野を Ahlquist RP 1948 α受容体とβ受容体の区別 として sympathin E と I を提唱 建 冲中重雄 MacLean PD Walter Bradford Cannon 1871 1945 米 1949 大脳辺縁系を内臓脳とよぶ 1949 1951 自律機能の調節における視床下部の重要性を指摘 高木健太郎 1950 皮膚圧反射の発見 Levi Montalcini R 1951 1953 マウス肉腫より交感神経節細胞の成長を促す神経成長因子の発見 小池上春芳ら 1952 1954 自律機能の調節における大脳辺縁系の重要性を指摘 Eccles RM 1955 交感神経節細胞より細胞内電位を初めて記録 久留 1956 1962 排尿調節に関する求心路の脊髄内上行路の Uvnäs B ら Folkow B ら 1956 1965 防衛反応の中枢内経路の Axelrod J 1957 カテコールアミン合成酵素の 1 つ カテコール O メチル基転移酵素 を発見 Schaefer H ら 1958 延髄性の体性 交感神経反射を証明 Shy GM & Drager GA 1960 Shy Drager 症候群を報告 Falck B & Hillarp N Å 1962 ホルムアルデヒド蛍光組織化学法を開発 Young RR ら 1969 acute pandysautonomia を報告 Burnstock G ら 1970 1981 非コリン作動性 非アドレナリン作動性のプリン作動性神経を Gershon MD 1970 1981 非コリン作動性 非アドレナリン作動性のセロトニン作動性神経を 黒津敏行 伴 忠康 勝ら Hökfelt T ら Sundler F ら Furness JB 1980 & Costa M 非コリン作動性 非アドレナリン作動性のペプチド作動性神経を 沼 アセチルコリンのニコチン様およびムスカリン様受容体の一次構造の 決定 正作ら 1983 1986 注 外国の研究者名は 原則として first name をイニシアルとしたが first name がポピュラーな場合は full name で記載した 5

1 ganglion Galenos 1000 Galenos Galenos Leonardo da Vinci 1452 1519 Galenos 7 Eustachio 1552 140 Vesalius 1555 Vesalius Willis 1664 Petit 1727 Winslow 1732 Weber 1845 Bichat 1800 Bichat 31 Reil 1807 Bichat 植物神経系 Müller 1848 生 命神経系 Valenstein 8 19 Cambridge Gaskell 1886 1 2 不随意神経系 Gaskell Langley 1898 表 1 1 自律神経系 Langley 1905 Gaskell 交感神経系 Winslow 副交感神経系 20 図 1 2A Langley Sherrington 1906 Elliott 1904 6