自動運転への対応状況 自動運転の分類 運転支援型自動運転 : 緊急時は運転者が操作 ( 運転者がいることを前提とした自動運転 ) 完全自動運転 : 緊急時もシステムが操作 ( 運転者が不要な自動運転 ) 自動車メーカーの開発状況 運転支援の高度化を目指す 当面目標とはしておらず 試験走行の予定もない

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資料 3 自動運転を巡る国際的動向 国土交通省自動車局技術政策課 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 1

自動運転への対応状況 自動運転の分類 運転支援型自動運転 : 緊急時は運転者が操作 ( 運転者がいることを前提とした自動運転 ) 完全自動運転 : 緊急時もシステムが操作 ( 運転者が不要な自動運転 ) 自動車メーカーの開発状況 運転支援の高度化を目指す 当面目標とはしておらず 試験走行の予定もない 現行法令における取扱い 平成 27 年 1 月自動車局 特別な手続きなく 公道走行が可能 ( 1) 運転者がいることを前提とした現行の自動車の概念を変えるもの 今後 技術の進展に伴い相応しい制度のあり方について検討の必要あり 国際的な取組み 国連の 自動運転分科会 において 英国との共同議長として完全自動運転も含め国際基準づくりをリード 当面 自動運転技術の導入に障壁となっている国際基準の改正を提案中 ( 2) 国内における取組み 2014 年 6 月 自動走行が SIP( 戦略的イノベーション創造プログラム ) のテーマとして選定され 通信技術を利用した自動運転の実用化を目指すことが決定 2020 年の東京オリパラを一里塚に自動運転を実用化すべく 関係省庁連携して技術開発等を推進 ( 平成 25 年 10 月 ) ( 平成 25 年 7 月 ) ( 平成 25 年 9 月 ) ( 1) トヨタ ホンダ 日産等の公道走行試験車 ( 車線変更支援システム等を搭載 ) にナンバー交付済 ( 2) 国連規則では時速 10km 以上での自動操舵は禁止 ( 参考 ) 1. 道路交通条約 (1949 年ジュネーブ条約 ) では 1 車両には運転者がいなければならない 2 運転者は適切かつ慎重な方法で運転しなければならない と規定されている 2. 米国のグーグルカーについては 特別な訓練を受けた運転者が運転席にいることを条件に いくつかの州で試験走行が認められているものであり 無人運転は認められていない 3. 米国運輸省道路交通安全局 (NHTSA) は 現時点では 無人運転技術は存在していないとし 無人運転に関する基準策定も時期尚早とし 2 ている ( 平成 25 年 5 月公表 )

自動運転の導入を巡る国際的動向 国連欧州経済委員会 (UN-ECE) の政府間会合 (WP29) において自動車の安全 環境基準に関する国際調和活動を実施しているところ 平成 26 年 11 月に開催された WP29 において 自動運転について議論する 自動運転分科会 を立ち上げることが合意された この分科会では日本と英国が共同議長に就任し 自動運転に関する国際的な議論を主導している また 平成 27 年 2 月に開催された GRRF( 副議長 : 日本 ) において 自動操舵専門家会議 を立ち上げることが合意された この会議では 日本とドイツが共同議長に就任し 現在 10km/h 超での使用が禁止されている自動操舵に関する規則改正を主導することとなる 国連欧州経済委員会国際連合 (UN-ECE) Ⅰ 自動運転分科会 自動車基準調和世界フォーラム (WP29) 安全一般 (GRSG) 衝突安全 (GRSP) ブレーキとブレー走行装置 (GRRF) キと 排出ガスとエネルギー (GRPE) 騒音 (GRB) 灯火器 (GRE) 自動操舵専門家会議 Ⅱ 会議体 Ⅰ 自動運転分科会 Ⅱ ブレーキと走行装置 (GRRF) 専門分科会自動操舵専門家会議 日本の役職 UK との共同議長 副議長 ( 議長 UK) ドイツとの共同議長 最近の主な成果 平成 26 年 11 月 : 自動運転分科会の設立が決定 ( 第 3 回 :3 月 10 日 ) ドライバー支援型自動運転についての検討 ( 平成 29 年 3 月まで ) 完全自動運転についての検討 ( 適宜実施 ) (1) 衝突被害軽減ブレーキをはじめ 自動運転技術に関する各種基準案を関係主要国の合意の下 取り纏め (2) 平成 27 年 2 月より自動運転に関するアジェンダ設置 自動運転の議論促進 平成 27 年 2 月 : 自動操舵専門家会議の設立が決定 ( 第 1 回 :4 月 29~30 日予定 ) 現在 10km/h 超で使用が禁止されている自動操舵に関する規則改正についての検討 3

( 参考 ) 米国における自動運転車両の公道実証に必要な手続きの例 米国では 日本や欧州のような車両認証制度がなく 連邦政府の定める自動車基準 (FMVSS) に基づき 各自動車メーカーが自らの責任で認証を行い 車両を販売している 自動車メーカーが自動運転技術を搭載した車両を用いて公道実証を行う際には 州法に基づく所要の手続きを経ることが求められる ただし この場合においても FMVSS を満たさない車両を用いることは認められない 州法に基づく手続きの例 ( ミシガン州 ) 以下の内容を満たすことにより 公道における自動運転技術の実証実験が可能 1 ミシガン州認定の専用ナンバープレート (Mプレート) を装着すること ( 使用者を確定するため ) 2 ミシガン州が認めた保険に加入すること ( 注 1) 3 自動車メーカーの従業員 ( もしくはこれに準ずる自動車メーカーとの契約者 ) 等により運行されること 4 車両の走行について監視し 必要に応じて 運転操作ができる人が乗車すること 第 3 者により改造された場合等を除き 自動車製造時の仕様が原因で起こる事故等の責任はメーカーが負う ( 注 1) 他州では 500 万ドル以上の保険への加入又は支払い能力があること等が求められる例あり 出典 : ミシガン州 HP 自動運転に係るミシガン州法に基づく自動車メーカー専用プレート 4

( 参考 ) 自動運転車両の公道実証に必要な手続きの日米比較 一方 日本国内においては 保安基準に適合した車両に対して 自動運転技術の公道実証に特別な手続きは必要ない また 保安基準に適合しない車両であっても 大臣認定により公道実証を許可することが可能 日米の自動運転に関する公道実証に係る規制 手続きの比較は以下の通りであり 全体として米国の方が自動運転に対して寛容とはいえない 日本 米国 自動車に係る基準保安基準 FMVSS 自動車の認証方法国による認証 ( 新規検査 ) 自動車メーカーによる自己認証 自動運転技術の公道実証に必要となる追加的な手続き 基準適合車両の場合 基準不適合車両の場合 無し ( ただし 運転者の乗車は必須 ) 大臣認定により対応可能 ( ただし 運転者の乗車は必須 ) 州法に基づく所要の手続きが必要 ( 専用ナンバープレートの取得 緊急時等に対応できる運転者の乗車等 ) 走行不可 出典 : グーグル HP 5

( 参考 ) 英国における Driverless Cars プロジェクトの概要 英国運輸省は 2015 年 2 月に Driverless Cars プロジェクトに係るアクションプランをまとめた 上記プロジェクトでは 1,900 万ポンド ( 約 35 億円 ) の予算措置により 4 つの都市で自動運転技術の実証実験が行われる 長期的には完全自動運転を目標としながら 短 中期的には ドライバー支援型自動運転技術の向上を目指す 当分の間 テストドライバーが乗車し 必要なときにオーバーライドできる状態で実証実験を行う < 実証実験の場所 > 1 英国での自動運転の実証実験は グリニッジ ミルトンキーンズ コベントリー ブリストルの 4 都市で行われている 2 2014 年 7 月に政府がコンペを行い 12 月に上記都市を決定した 3 今後 3 年程度実証実験を行う予定 < 実証実験における主な要件 > 1 2 事故分析のため イベントデータ ( システムの作動状況の履歴 ) を記録すること 走行計画を事前に道路当局へ協議すること テストドライバーの乗車 監視が必要 < アクションプランにおける予定 > 1 2015 年春までに 自動運転の実証実験のための 実施要領 を作成 2 2018 年末までに 国際規則の見直し 改正すべき内容を整理 6

自動運転に関する各国の動向 ( 平成 27 年 2 月時点 ) 自動運転のトピック 規制当局の考え 国際的動き ( 米国の場合連邦法規の動向含む ) 各国 ( 各州 ) の動き 自動運転に関する各国の状況 (2015 年 2 月 ) 米国 英国 ドイツ 日本 google による無人運転車 ( ハンドル アクセル ブレーキ無 ) の公道走行試験開始の意向 NHTSA は完全自動運転に関する議論は時期尚早であり現時点では認められない旨表明 (2013.5) 現在 HMI セキュリティ確保といった基礎研究を実施 加州では自動運転に係る法律が施行 これに併せ 自動運転車は運転者が操作できるハンドル アクセル ブレーキを設け 運転者がいなければ公道走行を認めない旨を公表 ネバダ州では 完全自動運転車にも特別な免許を保有する運転者を載せることを前提に公道試験を許可 運輸省がに Driverless Cars プロジェクトに係るアクションプランを策定 (2015.2) 同プロジェクトでは 1,900 万ポンド ( 約 35 億円 ) の予算措置により 4 つの都市で自動運転技術の実証実験を実施予定 長期的には完全自動運転を目標としながら 短 中期的には ドライバー支援型自動運転技術の向上を目指す 当分の間 テストドライバーが乗車し 必要なときにオーバーライドできる状態で実証実験を実施 ベンツがフランクフルトで自動運転車 ( 運転者有 ) で約 100km 公道を走行 (2013.11) オートパイロット検討会で自動運転のロードマップ作成 SIP において自動運転の議論推進 トヨタ 日産 ホンダの自動運転車 ( 運転者あり ) に総理試乗 (2013.11) 現在 UN 規則により 10km/h 以上での自動操舵禁止 ( 運転者の操舵の補完は可能 ) 各種自動運転に関する国際法規作成に向けて 日本と定期的な 国連の自動運転分科会共同議長として 会合を設け できる限り共同提自動運転の議論を統括案できる道を模索している 自動運転技術による事故時の議論に 国連の自動操舵専門家会議共先んじた各種国際基準作成に慎重同議長として 現在 10km/h 超での使用が禁止されている自動操舵に関する規則改正を主導 上記議長指示に従い 無人運転以外の自動運転に関し 国内の特認 基準緩和制度等により走行可能とするプロセスを明示予定 また 国内の特別認可制度用いて 2015 年中にトラックによるプラトーンシステムの実証実験を公道で行う予定 ( なお 公道では二台目以降も緊急時対応用の運転者を乗せるとのこと ) なお 完全自動運転の導入には ( 民事 刑事両面からの ) 事故時の責任を明確にする必要がある旨 国連で表明 運転者有を前提に国内法の特別取扱いで認可 自動運転については自動車側の制御が確実に安全サイドで行われることを前提に 国内メーカと議論を継続中 国連の自動運転分科会共同議長として 自動運転の議論を統括 自動運転技術に関する各種国際基準作成を提案 ( 審議中 ) 国連の自動操舵専門家会議共同議長として 現在 10km/h 超での使用が禁止されている自動操舵に関する規則改正を主導 自動運転技術の導入を後押し 無人運転に関する議論はメーカー等の意向を踏まえ今後議論開始予定 7