第 2 回呼吸器症例検討会 相模が丘動物病院 呼吸器科 稲葉 健一 犬 猫の喉頭疾患
喉頭疾患 : 主訴 呼吸困難 異常呼吸音 チアノーゼ 失神 咳 嗄声 / 声の変化 吐出 ギャギング / レッチング 咽頭液の喀出 嚥下障害 飲水障害 X 線異常陰影
喉頭疾患 : 鑑別リスト 閉塞喉頭麻痺 喉頭虚脱 反転喉頭小嚢 喉頭腫瘍 喉頭蓋の後傾 炎症慢性喉頭炎 肉芽腫性喉頭炎 感染急性喉頭炎
喉頭疾患の検査方法 問診 身体検査 CBC 血液生化学検査 動脈血ガス分析 頭部 X 線検査 ( 吸気 / 呼気の2 枚 ) 透視検査 喉頭鏡検査
喉頭疾患の検査方法 問診 身体検査 CBC 血液生化学検査 動脈血ガス分析 頭部 X 線検査 ( 吸気 / 呼気の2 枚 ) 透視検査 喉頭鏡検査
問診 ~ 上気道疾患の特徴的な症状や徴候 ~ 吸気性異常呼吸音ストライダー スターターなど いびき 睡眠時無呼吸 鼻汁 / くしゃみ 嚥下障害 飲水障害 嗄声 ギャギング レッチング 喉頭性咳強く 持続せず数回で終わる喉になにか引っかかったような仕草を伴う (Terminal retch) 興奮時関連の失神 チアノーゼ
喉頭疾患の検査方法 問診 身体検査 CBC 血液生化学検査 動脈血ガス分析 頭部 X 線検査 ( 吸気 / 呼気の2 枚 ) 透視検査 喉頭鏡検査
身体検査 呼吸様式 異常呼吸音 ゆっくりとした呼吸 (20~30/ 分 重症では <20/ 分 ) 努力呼吸 ( 主に吸気努力喉頭虚脱や喉頭腫瘍では両相性努力呼吸 ) 犬座姿勢 頸伸展 体表熱感 嗄声 チアノーゼ 吸気性高調ストライダーまたは両相性ストライダー
身体検査 : 異常呼吸音 ストライダー 高調ストライダー
身体検査 : 呼吸様式 異常呼吸音 吸気性高調ストライダー 両相性ストライダー
身体検査 : 聴診 3 咽喉頭 2 頸部気管 1 肺野
身体検査 : カフテスト 炎症性疾患では喉頭性咳が誘発される場合がある カフテスト反応性 (5 から始め 咳が生じたところのレベルを表記 ) 5 上部気管部を人差し指 1 本で横に軽く擦る 4 同部位から人差し指 1 本で縦に軽く下向きに擦る 3 同様に 強く下向きに擦る 2 上部気道部を人差し指と親指で軽くつまみ 腹側方向に擦る 1 同様に 強く挟み擦る
身体検査 : カフテスト
喉頭疾患の検査方法 問診 身体検査 CBC 血液生化学検査 動脈血ガス分析 頭部 X 線検査 ( 吸気 / 呼気の2 枚 ) 透視検査 喉頭鏡検査
CBC 血液生化学検査 特異所見なし 炎症性 感染性疾患であれば WBC CRP の上昇が認められることもある
喉頭疾患の検査方法 問診 身体検査 CBC 血液生化学検査 動脈血ガス分析 頭部 X 線検査 ( 吸気 / 呼気の2 枚 ) 透視検査 喉頭鏡検査
動脈血ガス分析 動脈血ガス分析は重症度や肺実質障害を調べることが可能となり 予後判定として有用 重度の閉塞性喉頭疾患の場合肺胞低換気を示す PaCO2: or PaO2 : 有意でない AaDO2 の開大 (<30mmHg) * ただし 陰圧性肺水腫や誤嚥性肺炎を併発している場合は有意な AaDO2 の開大 ( 30mmHg) が認められる
喉頭疾患の検査方法 問診 身体検査 CBC 血液生化学検査 動脈血ガス分析 頭部 X 線検査 ( 吸気 / 呼気の2 枚 ) 透視検査 喉頭鏡検査
頭部 X 線検査 上気道疾患の鑑別 閉塞性喉頭疾患に有用 正しいポジションでの撮影が必要 Lateral 吸気相 呼気相の 2 枚 閉口時の撮影
頭部 X 線検査 : ポジショニング 硬口蓋が一直線フィルム底面と平行 左右下顎が合う 舌骨装置が揃う
頭部 X 線検査 : ポジショニング 正しいポジションで撮影するための工夫 撮影前にはしばらく ICU (Fio2:25% 温度 20 以下 ) で安静にする 開口呼吸時には冷却処置!! 保冷材を体表にあてる うちわで扇ぐなど必要があれば助手に口を閉じてもらう 前肢を持ち上げ 傾ける
部 X 線検査 : ポジショニング
頭部 X 線検査 : 解剖
頭部 X 線検査 : 解剖 鼻咽頭 軟口蓋 咽頭内口 口咽頭 喉頭 喉頭咽頭 気管
頭部 X 線検査 呼吸相での喉頭の不透過性呼気時に甲状舌骨が咽頭の動的変化喉頭の前後運動の有無喉頭降下の有無動的頸部気管虚脱の有無第 1-2 頸椎間
喉頭疾患の検査方法 問診 身体検査 CBC 血液生化学検査 動脈血ガス分析 頭部 X 線検査 ( 吸気 / 呼気の2 枚 ) 透視検査 喉頭鏡検査
X 線透視検査 上気道および中枢気道の呼吸相の一連の動きを連続的かつリアルタイムに観察可能 簡便 非侵襲的 経済的
X 線透視検査
X 線透視検査
喉頭疾患の検査方法 問診 身体検査 CBC 血液生化学検査 動脈血ガス分析 頭部 X 線検査 ( 吸気 / 呼気の2 枚 ) 透視検査 喉頭鏡検査
喉頭鏡検査 観察 組織の採材が可能 確定診断のため実施される 自発呼吸を残した状態で観察が必要 麻酔深度の目安 : 眼瞼反射 喉頭反射 < 麻酔 > 前投与薬: ミダゾラム + ブトルファノール 導入薬: プロポフォール 5mg/kg IV ~ to effect or チオペンタール 2.5~5mg/kg IV 挿管前 ラリンゲルマスク挿管後に観察
喉頭鏡検査
喉頭疾患の初期対応 徹底的なクーリング 20 以下の部屋 扇風機 うちわで扇ぐ 保冷剤を当てる 冷水タオルを体表にかける 酸素投与 Fio2:25~30% 鎮静 : アセプロマジン 0.05~0.2mg/kg SC ブトルファノール 0.2mg/kg * 咽頭虚脱には禁忌 ステロイド剤 : プレドニゾロン 1.0mg/kg SC * 感染性疾患には禁忌
喉頭疾患の初期対応 ネブライザー療法 長期治療が可能で 術前 術後の炎症 / 浮腫 感染に対して有効 * 肺炎や肺水腫を併発している場合は禁忌 配合レシピ ( 例 ) 生理食塩水 20ml + ゲンタマイシン 0.5ml + ボスミン 0.5ml + ビソルボン 0.5ml 1 日 2 回 コンフォート oasis KU-200 新鋭工業株式会社
症例紹介
症例 1 ボーダーコリー 13 歳雌 9 カ月前から嗄声 3 カ月前から喘鳴 来院時 嗄声様パンティング 吸気性高調ストライダー チアノーゼ ( 初診時 ) PaCO2:48mmHg PaO2:45mmHg AaDO2:50mmHg ( 第 3 病日 ) PaCO2:32mmHg PaO2:93mmhg AaDO2:17mmHg
吸気 症例 1- 検査所見
呼気 症例 1- 検査所見
症例 1- 検査所見
DV 症例 1- 検査所見
症例 1- 検査所見
症例 1- 検査所見
症例 1- 最終診断 治療 後天性特発性喉頭麻痺 片側披裂軟骨側方化術を実施術後 起立困難や歩行障害なし術創の管理も含め術後 14 日目に退院
症例 1- 術中所見
症例 1- 退院時
後天性特発性喉頭麻痺 7~12 歳の大型犬 ( ラブラドールレトリバーなど ) で好発 反回喉頭神経の変性性障害により背側輪状披裂筋が声門裂を広げることができなくなる 緩徐に進行していく全身性神経筋障害の一症状 食道機能低下 運動失調 筋委縮 後肢の不全麻痺などが出現する 症状は進行性 : 嗄声 興奮時ストライダー 吸気努力 運動不耐性 治療 : 初期治療 ( クーリング 鎮静化 酸素投与 ) 片側披裂軟骨側方化術 ( ストライダー発症を予防し QOL を安定化させる ) * 術前に食道機能障害があると術後の誤嚥性肺炎のリスク大
初期治療 持続性ストライダー チアノーゼ 喉頭麻痺疑い クーリング (22-23 )+ 酸素投与 (FIo2 25-30%) +/- プレドニゾロン 1 mg/kg SC 単回投与 +/- アセプロマジン 0.05-0.1 mg/kg SC ストライダー消失 2-3 時間続く 緊急気管切開 問診 身体検査 一次検査 初期安定化後病状評価 ストライダー歴 ( ヵ月間 ) <3 3-6 >6 0 1 2 来院時年齢 ( 歳 ) 10 10-12 >12 0 1 2 安静時呼吸数 (/ 分 ) 40 >40 0 1 吐出 ギャギングないよくある 0 1 階段上り下り 台上で起立 問題なし 問題あり 0 1 CXRで浸潤影 or 間質影なしあり 0 1 CXRで食道拡張所見なしあり 0 1 なし 誤嚥性肺炎歴 あり 起立困難 ほぼ横臥なしあり Pao2 (mmhg) 85 70-85 <70 0 1 0 1 0 1 2 グループスコア評価 A 0 Tie-back 術適応 予後良好 最終治療方針判定 B 1-4 Tie-back 術適応だが 術後起立困難が生じうる 予後要注意 C 5-7 Tie-back 術非適応 術後 起立困難や誤嚥性肺炎発症リスク大 温存対処 or 永久気管開口術 D 8 外科非適応 予後不良
症例 2 パグ 9 歳避妊雌 1 歳未満よりいびきあり 2,3 年前より睡眠時無呼吸 吸気性ストライダー 嗄声様パンティング 咽喉頭音に両相性連続音 PaCO2:40mmHg PaO2:58mmHg AaDO2:44mmHg
吸気 症例 2- 検査所見
呼気 症例 2- 検査所見
症例 2- 検査所見
症例 2- 検査所見 DV
症例 2- 検査所見
犬の咽頭閉塞の麻酔および外科療法の術式選択について 評価 : リスク小 リスク大 Ⅰ. 透視検査 : 咽頭開存吸気時咽頭閉塞呼気時咽頭閉塞常に咽頭閉塞 Ⅱ. 運動不耐性 : 軽度中程度重度 Ⅲ. 年齢 : 1 歳未満 1-4 歳 4-8 歳 8 歳以上 Ⅳ. 危険因子評価 : 7 /11 項目該当 (>4でリスク大 6で強い非代償期兆候と考えられる ) # 犬の咽頭閉塞の周術期リスク評価 1 短頭種 とくにイングリッシュブルドック 2 睡眠時無呼吸あり とくに毎時 20 回以上無呼吸あり ( 注 1) 3 幼齢 (3 週 -3ヶ月) または 4 歳以上 とくに8 歳以上は特にリスク大 4 明らかなストライダー 診察台上に載せると確実に認められる ( 注 2) 5 Paco 2 40 mm Hg 以上 または Pao 2 80 mm Hg 未満 6 食欲元気なし 7 明らかな運動不耐 ( 注 3) 8 心不全 心肥大あり 9 胸部 X 線にてびまん性間質陰影あり 10 気管虚脱あり 11 誤嚥性肺炎の病歴あり
犬の咽頭閉塞の麻酔および外科療法の術式選択について 評価全身麻酔時の周術期上気道閉塞事故発生のリスクは 低いある程度ある非常に高いと考えられ 全身麻酔時の周術期管理に一時的気管切開術実施は必要でない行った方が安全である必須と考えられます 外科療法の術式適応 ( 注 4) についてはグループ A: 気管内挿管下に従来法で実施可能グルーブ B: 一時的気管切開下にて上気道整復術グループ C: 永久気管開口術と考えられます
症例 2- 暫定診断 短頭種気道症候群代償不全期 + 重度喉頭虚脱疑い + 陰圧性肺水腫疑い < 飼い主へのインフォメーション 治療方針 > 当院呼吸器科での咽頭閉塞の評価基準では 永久気管切開術適応だが肥満傾向および咽頭浮腫がストライダー発症に関連があることが推察され 外科介入前に ICU 入院管理下に -20% の体重減量を行えば 永久気管切開術を回避できるかもしれない体重 肺機能 X 線検査で経過観察しながら 入院治療を推奨
吸気 症例 2- 第 22 病日 体重 -20%
呼気 症例 2- 第 22 病日 体重 -20%
症例 2- 第 22 病日 体重 -20% 第 1 病日 第 22 病日
症例 2- 第 22 病日 体重 -20%
動脈血ガス分析 ( 初診時 第 22 病日 ) 初診時 第 22 病日 Pco2 40 40 (mmhg) (29~39) Po2 58 87 (mmhg) (80~100) AaDo2 44 16 (mmhg) (0~20)
犬の咽頭閉塞の麻酔および外科療法の術式選択について ( 第 22 病日 ) 評価 : リスク小 リスク大 Ⅰ. 透視検査 : 咽頭開存吸気時咽頭閉塞呼気時咽頭閉塞常に咽頭閉塞 Ⅱ. 運動不耐性 : 軽度中程度重度 Ⅲ. 年齢 : 1 歳未満 1-4 歳 4-8 歳 8 歳以上 Ⅳ. 危険因子評価 : 4 /11 項目該当 (>4でリスク大 6で強い非代償期兆候と考えられる ) # 犬の咽頭閉塞の周術期リスク評価 1 短頭種 とくにイングリッシュブルドック 2 睡眠時無呼吸あり とくに毎時 20 回以上無呼吸あり ( 注 1) 3 幼齢 (3 週 -3ヶ月) または 4 歳以上 とくに8 歳以上は特にリスク大 4 明らかなストライダー 診察台上に載せると確実に認められる ( 注 2) 5 Paco 2 40 mm Hg 以上 または Pao 2 80 mm Hg 未満 6 食欲元気なし 7 明らかな運動不耐 ( 注 3) 8 心不全 心肥大あり 9 胸部 X 線にてびまん性間質陰影あり 10 気管虚脱あり 11 誤嚥性肺炎の病歴あり
犬の咽頭閉塞の麻酔および外科療法の術式選択について ( 第 22 病日 ) 評価全身麻酔時の周術期上気道閉塞事故発生のリスクは 低いある程度ある非常に高いと考えられ 全身麻酔時の周術期管理に一時的気管切開術実施は必要でない行った方が安全である必須と考えられます 外科療法の術式適応 ( 注 4) についてはグループ A: 気管内挿管下に従来法で実施可能グルーブ B: 一時的気管切開下にて上気道整復術グループ C: 永久気管開口術と考えられます
症例 2 ー検査所見
症例 2 ー最終診断 治療 短頭種気道症候群代償不全期 ( 軟口蓋過長 / 肥厚 反転喉頭小嚢 ) 喉頭虚脱ステージ 3 一時的気管切開下にて上気道整復術軟口蓋整復術 喉頭小嚢切除術ネブライザー療法 (GM ボスミン ビソルボン )
症例 2 ー退院 1 か月後
症例 2- 退院後 1 か月
喉頭虚脱 慢性上気道閉塞に継発し 喉頭内に生じる持続性陰圧によって喉頭軟骨の剛性が減少し声門裂が狭窄 閉塞する状態 グレード 1: 反転喉頭小嚢のみ グレード 2: 左右の披裂軟骨小角突起の接着 グレード 3: 左右の披裂軟骨楔状突起の会合 正常グレード 2 グレード 3
喉頭虚脱 慢性上気道閉塞に継発し 喉頭内に生じる持続性陰圧によって喉頭軟骨の剛性が減少し声門裂が狭窄 閉塞する状態 グレード 1: 反転喉頭小嚢のみ グレード 2: 左右の披裂軟骨小角突起の接着 グレード 3: 左右の披裂軟骨楔状突起の会合 短頭種気道症候群や咽頭気道閉塞症候群の重症例や進行例でよく認められる 症状 : 吸気性高調ストライダー 重症例では両相性努力呼吸 両相性高調ストライダー 治療 : 初期治療 ( クーリング 鎮静化 酸素投与 ) 肥満の場合は減量 上気道整復術( 外鼻孔狭窄整復術 軟口蓋整復術 反転喉頭小嚢切除術 ) 重症例では永久気管開口術
症例 3 ポメラニアン 5 歳雌 幼少時より興奮しやすい 2 カ月前より興奮時持続性ストライダー 嗄声なし 吸気時異常呼吸音あり PaCO2:21mmHg PaO2:97mmhg AaDO2:26mmHg
吸気 症例 3 ー検査所見
呼気 症例 3 ー検査所見
症例 3 ー検査所見
症例 3 ー検査所見
症例 3 ー最終診断 治療 喉頭蓋の後傾 一時的気管切開下にて喉頭蓋部分切除 (V 字状切除 )
症例 3 ー退院時
症例 3 ー術後 1 年後
喉頭蓋の後傾 吸気時に喉頭蓋が後屈し喉頭口を部分的閉塞または閉塞する状態 原因は十分に解明されていないが パンティングや開口呼吸が持続することで発症する場合が多い 症状 : 興奮時の吸気努力と大きな荒々しい音を伴うストライダー チアノーゼ 嗄声なし 治療 : 初期治療 ( クーリング 鎮静化 酸素投与 ) 喉頭蓋固定術( 推奨されない ) 喉頭蓋楔状部分切除術 温存療法: 基礎疾患の十分な治療
症例 4 雑種猫 15 歳去勢雄 2 か月前より嗄声 レッチング 次第に呼吸困難 吸気努力あり 吸気性連続性異常呼吸音 PaCO2:59mmHg PaO2:74mmhg AaDO2:7mmHg
吸気 症例 4 ー検査所見
呼気 症例 4 ー検査所見
吸気 症例 4 ー検査所見
DV 症例 4 ー検査所見
症例 4 ー検査所見
症例 4 ー検査所見
症例 4 ー検査所見 腺腔を成す多数の腺上皮細胞 不規則な腺腔構造 画像提供 :( 株 ) アマネセル
症例 4 ー最終診断 治療 悪性喉頭腫瘍 ( 腺癌 ) 診断 10 日後に永久気管切開術実施腎不全 重度貧血を併発術後 38 日安楽死
喉頭腫瘍 喉頭内またはその周囲で発生し喉頭を閉塞し 吸気性高調性ストライダーを発症 猫でよく認められ 発症年齢の中央値は 11 歳 (3-16 歳 ) 症状 : 緩徐に進行し 早期に診断されることは少ない 初期 末期 単回の喉頭性咳やレッチング安静時や睡眠時は無症状数カ月前よりの進行性の嗄声運動不耐性運動時 / 興奮時のストライダー 吸気努力起立不全 音のない著明な吸気努力 チアノーゼ 治療 : 外科切除 ( 緩和的腫瘍減量 喉頭切除術 ) 化学療法 放射線療法 永久気管開口術など
症例 5 スコティッシュフォールド 7 歳雄 1 ヵ月前より嗄声 興奮時開口呼吸あり 4 日前より吸気努力 吸気性高調ストライダー PaCO2:56mmHg PaO2:64mmhg AaDO2:22mmHg
吸気 症例 5 ー検査所見
呼気 症例 5 ー検査所見
吸気 症例 5 ー検査所見
呼気 症例 5 ー検査所見
DV 症例 5 ー検査所見
症例 5 ー検査所見
症例 5 ー検査所見
症例 5 ー検査所見 強い炎症を伴う浮腫状の肉芽組織 小リンパ球や形質細胞の顕著な浸潤 画像提供 :( 株 ) アマネセル
症例 5 ー最終診断 治療 猫の炎症性喉頭疾患 : 肉芽腫性喉頭炎 一時的気管切開 気切 T 設置により気道確保し減容積処置第 7 病日の病理組織検査判明後 プレドニゾロン 2mg/kg SC SID 開始
症例 5 ー第 49 病日
症例 5 ー第 49 病日
猫の炎症性喉頭疾患 : 肉芽腫性喉頭炎 病因 背景 症状 急性タイプ発症から 2 週間以内 FCV 感染 FHV-1 感染 パスツレラ感染 外傷? 摂食時疼痛 元気食欲消失 異常呼吸音 嗄声 声が出ない レッチング ギャギング 咳 開口呼吸 横臥状態 慢性タイプ発症から 30 日以上 気管挿管刺激 口腔内異物 ワクチン未接種 猫多頭飼育 免疫介在性疾患 リンパ増殖性疾患 努力呼吸 元気食欲消失 嗄声 体表熱感
猫の炎症性喉頭疾患 : 肉芽腫性喉頭炎 急性タイプ発症から 2 週間以内 慢性タイプ発症から 30 日以上 病理組織 好中球浸潤 リンパ球 形質細胞浸潤
猫の炎症性喉頭疾患 : 肉芽腫性喉頭炎 治療と予後 急性タイプ発症から 2 週間以内 胃瘻チューブ 安静 / ケージレスト クーリング 酸素投与 ネブライザー療法 適切な処置で予後良好 慢性タイプ発症から 30 日以上 摂食困難なら胃瘻チューブ + 基礎疾患に応じた処置 肉芽腫性喉頭炎ステロイド予後良好 ( 治療継続が必要 ) 喉頭麻痺関連温存療法 ( 安静 クーリング ) 予後要注意 リンパ増殖性疾患ステロイド予後要注意