マークシート式問題の モデル問題例の公表に当たって 独立行政法人大学入試センターでは, 大学入学共通テスト における記述式問題の導入及び思考力 判断力 表現力を一層重視したマークシート式問題について, 問題の条件設定や採点基準, 採点体制, 試験時間等の在り方など, 問題の公表に向けた検証を行うため

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学力スタンダード(様式1)

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指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

学習指導要領

第 1 問 2 問題のねらい三角形の形状と三角比に関する命題について, その探究過程の会話文を読みながら, 命題の条件を変えるなどして論理的 発展的に考察する問題である 得られた結果を基に批判的に検討し, 概念を広げたり深めたりする力を問う オ焦点化した問題を目的に応じて数学における基本 72.4

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平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

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調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

平成 0 年度高校 1 年 ( 中入 ) シラバス予定 授業計画月単元 項目内容時数 10 節三角形への応用数学 Ⅱ 1 章方程式 式と証明 1 節整式 分数式の計算 1 正弦定理 2 余弦定理 三角形の面積 4 空間図形の計量 参 内接円の半径と三角形の面積 発展 ヘロンの公式 1 整式の乗法と因

問 題

学習指導要領 ( イ ) 集合集合と命題に関する基本的な概念を理解し それを事象の考察に活用すること 向丘高校学力スタンダード 三つの集合について 共通部分 和集合を求めることができる また 二つの集合について ド モルガンの法則 を理解する ( 例 ) U ={ n n は 1 桁の自然数 } を

1 高等学校学習指導要領との整合性 高等学校学習指導要領との整合性 ( 試験名 : 実用英語技能検定 ( 英検 )2 級 ) ⅰ) 試験の目的 出題方針について < 目的 > 英検 2 級は 4 技能における英語運用能力 (CEFR の B1 レベル ) を測定するテストである テスト課題においては

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平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる さらに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイ

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

Ⅰ 指導と評価の年間計画 及び 評価規準と単元計画 の作成の手引き 1 指導と評価の年間計画 についてこれは 次の 2 の 評価規準と単元計画 の全単元について その概要を記述したものである 生徒の学習活動に対するより適正な評価 及び生徒の学習の改善に生かされる評価 ( 指導と評価の一体化 ) の実

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I 高等学校学習指導要領 国語総合 の 内容 のポイント A 話すこと 聞くこと (1) 指導事項ア話題について様々な角度から検討して自分の考えをもち, 根拠を明確にするなど論理の構成や展開を工夫して意見を述べること イ目的や場に応じて, 効果的に話したり的確に聞き取ったりすること ウ課題を解決した

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

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国語 求められている学力が見える 主として 知識 に関する問題では ほかの学習や実生活において活用できる知識 技能の習得が求められている 描写 要約 紹介 説明 記録 報告 対話 討論などの言語活動に必要な 基礎的な知識 技能を身につけていること 表現したり理解したりするための言語事項に関する 基礎

英語                                    英-1

第 2 章 知 徳 体 のバランスのとれた基礎 基本の徹底 基礎 基本 の定着 教育基本法 学校教育法の改正により, 教育の目標 義務教育の目標が定められるとともに, 学力の重要な三つの要素が規定された 本県では, 基礎 基本 定着状況調査や高等学校学力調査を実施することにより, 児童生徒の学力や学

第 1 学年国語科学習指導案 日時 平成 27 年 11 月 11 日 ( 水 ) 授業 2 場所 八幡平市立西根中学校 1 年 2 組教室 学級 1 年 2 組 ( 男子 17 名女子 13 名計 30 名 ) 授業者佐々木朋子 1 単元名いにしえの心にふれる蓬莱の玉の枝 竹取物語 から 2 単元

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平成19年度全国学力・学習状況調査の結果をふまえた指導改善策

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教科 : 外国語科目 : コミュニケーション英語 Ⅰ 別紙 1 話すこと 学習指導要領ウ聞いたり読んだりしたこと 学んだことや経験したことに基づき 情報や考えなどについて 話し合ったり意見の交換をしたりする 都立工芸高校学力スタンダード 300~600 語程度の教科書の文章の内容を理解した後に 英語

ひょうごつまずきポイント指導事例集について 次ページ 示 ポイント 過去 全国学力 学習状況調査 結果 うち 特 課題 あた問題をも 作成したひう 状況調査 等 結果 明 したも あ 各学年 領域 共通 内容 い た4ページ~5ページポイントをも 各領域 やそ 学習内容を整理した系統表を掲載しい 各

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平成24年度全国学力・学習状況調査の結果について(概要)

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

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2 度数分布 ( 正答数分布グラフ ) 3 の概要 学習指導要領の領域別平均正答率 評価の観点の平均正答率では 各領域とも全国平均を上回っている 特に 学習指導要領の領域別平均正答率の 読むこと で2.9ポイント 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 で4.1ポイント全国平均を上回っている 評価

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6. 単元の展開 ( 全 6 間 ) 学習活動 単元の見通しを持つ 2. 学習計画を立てる 3. 本文を読み, 感想を書く 内容に関する感想 書き方に関する感想 4. 感想や疑問を交流する 指導上のポイント ( ) 学習活動に即した評価規準 ( 関 読 言 ) 既習事項を振り返らせ,

7 命題の仮定 三角形の合同条件 図形の性質を記号で表すこと 41

1 平均正答率1 平均正答率1 平均正答率1 平均正答率 小学校 6 年生 1252 人 ( 小学校第 5 学年内容 ) 8 6 全国 弘前市 コメント 話すこと 聞くこと の中の 意図 立場を明確にし

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第 9 章 外国語 第 1 教科目標, 評価の観点及びその趣旨等 1 教科目標外国語を通じて, 言語や文化に対する理解を深め, 積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り, 聞くこと, 話すこと, 読むこと, 書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う 2 評価の観点及びその趣旨

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

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中学校第 3 学年国語科学習指導案 日時平成 28 年 月 日第 校時対象第 3 学年 組学校名 中学校授業者 1 教材名 故郷 2 単元の目標 情景や人物を描写する語句や表現を読み取り 内容への理解を深めることができる 作品を通して 社会の中での人間の生き方について考え 自分の意見をもつことができ

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

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第 2 問 A 問題のねらいインターネット上の利用者の評価情報やイラストを参考に場面にふさわしい店を推測させることを通じて, 平易な英語で書かれた短い説明文の概要や要点を捉えたり, 情報を事実と意見に整理する力を問う 問 1 6 友人, 家族, 学校生活などの身の回りの事柄に関して平易な英語で書かれ

() 調査問題の趣旨 内容, 課題等, 指導改善のポントト 調査問題の趣旨 内容 国語 A 国語 B 課題等 基礎的 基本的な知識 技能が身に付いているかどうかをみる問題 ( 例 ) スピーチをより分かりやすくするためにラストを提示する箇所として適切なものを選択する それまでがんばってきた様子が読み

し, 定期的に評価することで 自己の考え を自覚する場面を意図的に設定している 本教材の学習においては, 様々な情報の中から必要な情報を取り出し, 整理 分析し, それに基づいた自分の考えを表現する活動を通して, 自己の考えの深まりや広がり を実感させることによって, 課題改善につなげたいと考えてい

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第○学年○組 学習指導案

第 2 問 A インターネット上に掲載された料理レシピやその写真から料理の特徴の読み取りや推測を通じて, 平易な英語で書かれた短い説明文の概要や要点を捉える力や, 情報を事実と意見に整理する力を問う 問 1 6 イラストを参考にしながら, ネット上のレシピを読んで, その料理がどのような場合に向いて

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

第 2 問問題のねらい青年期と自己の形成の課題について, アイデンティティや防衛機制に関する概念や理論等を活用して, 進路決定や日常生活の葛藤について考察する力を問うとともに, 日本及び世界の宗教や文化をとらえる上で大切な知識や考え方についての理解を問う ( 夏休みの課題として複数のテーマについて調

Ⅱ 平成 28 年度みえスタディ チェックの結果 分析 ( 中学校数学 ) 1 集計結果 (1) 平均正答率及び領域別平均正答率 平均正答率 領域別 数と計算 量と測定 図形 数量関係 第 1 学年第 1 回 61.2% 61.1% 52.7% 46.8% 66.8% 数と式 図形 関数 資料の活用

教科に関する調査の各問題の分析結果と課題 (3) 中学校数学 B

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H30全国学テ 保護者校内お知らせ鏡文

(1) 具体的な場面を通して正の数と負の数について理解し, その四則計算 (1) 正の数と負の数について具体的な場面での活動を通して理解し, その ができるようにするとともに, 正の数と負の数を用いて表現し考察する 四則計算ができるようにする ことができるようにする ア 正の数と負の数の必要性と意味

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< 中学校 A B 問題 > ( 単位 %) 教科富士見市埼玉県全国 国語 A 国語 B 数学 A 数学 B < 中学校国語 A> ( 単位 %) 話すこと 聞くこと

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都道府県名

項目評価規準評価方法状況 C の生徒への対応 関心意欲態度 1 自の考えを持ち 積極的に交流 討論している 2 自らの言葉で 中学生にかりやすく紹介文を書こうとしている 交流 討論で得た仲間の意見を取り入れて 自らの考えを深めるよう促す 参考例を示したり 書き出しを例示したりして 参考にするように指

学習者用デジタル教材リスト 国語 1 年 国語 1 年上コンテンツ上 8 あいさつをしよう 8 関連ページ 内容 趣旨など 場面の様子を想像する ( 音声付 場面や状況に合わせた言葉遣いの確認 ) 国語 1 年上 コンテンツ 上 10 じこしょうかいをしよう 10 場面の様子を想像する ( 音声付

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(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

平成23年度第2回学力向上対策会議協議資料  <遠野市立綾織小学校>

Transcription:

大学入学共通テスト マークシート式問題のモデル問題例 平成 29 年 7 月 独立行政法人大学入試センター 1

マークシート式問題の モデル問題例の公表に当たって 独立行政法人大学入試センターでは, 大学入学共通テスト における記述式問題の導入及び思考力 判断力 表現力を一層重視したマークシート式問題について, 問題の条件設定や採点基準, 採点体制, 試験時間等の在り方など, 問題の公表に向けた検証を行うため, モニター調査を実施しました 平成 29 年 2 月,3 月に実施しましたモニター調査の問題から, 記述式問題とマークシート式問題をそれぞれ各 2 問, モデル問題例として公表します これまでの高大接続システム改革会議等の検討を踏まえ, マークシート式のモニター調査では, 以下のこと等に留意して作問を行いました 国語では, 多様な文章をもとに, 複数の情報を統合し構造化してとらえること 数学では, 日常や身近な課題を題材として数学を活用する場面を設定し, 数学的な思考を深めること平成 28 年度のモニター調査は小規模での実施ではありましたが, その結果等を踏まえつつ, 知識の深い理解と思考力 判断力 表現力を重視した作問の在り方について, 平成 29 年 11 月予定のプレテストを通じて, 更に検証をしていきます なお, 記述式問題については, 平成 29 年 5 月に独立行政法人大学入試センターのホームページにて公表しています ホームページの URL http://www.dnc.ac.jp/corporation/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/model.html 2

I 高等学校学習指導要領 国語総合 の 内容 のポイント A 話すこと 聞くこと (1) 指導事項ア話題について様々な角度から検討して自分の考えをもち, 根拠を明確にするなど論理の構成や展開を工夫して意見を述べること イ目的や場に応じて, 効果的に話したり的確に聞き取ったりすること ウ課題を解決したり考えを深めたりするために, 相手の立場や考えを尊重し, 表現の仕方や進行の仕方などを工夫して話し合うこと エ話したり聞いたり話し合ったりしたことの内容や表現の仕方について自己評価や相互評価を行い, 自分の話し方や言葉遣いに役立てるとともに, ものの見方, 感じ方, 考え方を豊かにすること (2)(1) の指導のための言語活動の例ア状況に応じた話題を選んでスピーチしたり, 資料に基づいて説明したりすること イ調査したことなどをまとめて報告や発表をしたり, 内容や表現の仕方を吟味しながらそれらを聞いたりすること ウ反論を想定して発言したり疑問点を質問したりしながら, 課題に応じた話合いや討論などを行うこと B 書くこと (1) 指導事項ア相手や目的に応じて題材を選び, 文章の形態や文体, 語句などを工夫して書くこと イ論理の構成や展開を工夫し, 論拠に基づいて自分の考えを文章にまとめること ウ対象を的確に説明したり描写したりするなど, 適切な表現の仕方を考えて書くこと エ優れた表現に接してその条件を考えたり, 書いた文章について自己評価や相互評価を行ったりして, 自分の表現に役立てるとともに, ものの見方, 感じ方, 考え方を豊かにすること (2)(1) の指導のための言語活動の例ア情景や心情の描写を取り入れて, 詩歌をつくったり随筆などを書いたりすること イ出典を明示して文章や図表などを引用し, 説明や意見などを書くこと ウ相手や目的に応じた語句を用い, 手紙や通知などを書くこと C 読むこと (1) 指導事項ア文章の内容や形態に応じた表現の特色に注意して読むこと イ文章の内容を叙述に即して的確に読み取ったり, 必要に応じて要約や詳述をしたりすること ウ文章に描かれた人物, 情景, 心情などを表現に即して読み味わうこと エ文章の構成や展開を確かめ, 内容や表現の仕方について評価したり, 書き手の意図をとらえたりすること オ幅広く本や文章を読み, 情報を得て用いたり, ものの見方, 感じ方, 考え方を豊かにしたりすること (2)(1) の指導のための言語活動の例ア文章を読んで脚本にしたり, 古典を現代の物語に書き換えたりすること イ文字, 音声, 画像などのメディアによって表現された情報を, 課題に応じて読み取り, 取捨選択してまとめること ウ現代の社会生活で必要とされている実用的な文章を読んで内容を理解し, 自分の考えをもって話し合うこと エ様々な文章を読み比べ, 内容や表現の仕方について, 感想を述べたり批評する文章を書いたりすること 3

伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 (1) A 話すこと 聞くこと, B 書くこと 及び C 読むこと の指導を通して, 次の事項について指導する ア伝統的な言語文化に関する事項 ( ア ) 言語文化の特質や我が国の文化と外国の文化との関係について気付き, 伝統的な言語文化への興味 関心を広げること ( イ ) 文語のきまり, 訓読のきまりなどを理解すること イ言葉の特徴やきまりに関する事項 ( ア ) 国語における言葉の成り立ち, 表現の特色及び言語の役割などを理解すること ( イ ) 文や文章の組立て, 語句の意味, 用法及び表記の仕方などを理解し, 語彙を豊かにすること ウ漢字に関する事項 ( ア ) 常用漢字の読みに慣れ, 主な常用漢字が書けるようになること 4

Ⅱ マークシート式問題のモデル問題例と評価することをねらいとする能力について ( 国語 ) 問題全体の出題のねらい文学的な文章のみを題材として提示するのではなく, 文学的な文章 ( 短歌 ) について書かれた二つの評論を比較して読み, それぞれの筆者の短歌の解釈や論理の展開の仕方を理解する力を問うとともに, 更に二つの評論の内容を基に生徒が他の短歌を鑑賞する言語活動の場を設定し, テクストを的確に読み取る力, 及び推論による内容の補足や精緻化によってテクストを構造化する力も問うた 5

モデル問題例 1 6

モデル問題例 1 7

モデル問題例 1 8

モデル問題例 1 9

モデル問題例 1 10

モデル問題例 1 < 正答 > 問 1 ( ア )3 ( イ )4 ( ウ )1 11

モデル問題例 1 < 正答 > 問 2 2-5( 順序問わず ) 問 3 5 問 4 2 12

モデル問題例 1 13

モデル問題例 1 14

モデル問題例 1 < 正答 > 問 5 (ⅰ)3 (ⅱ)5 (ⅲ)3 15

問 1 ( ア )( イ )( ウ ) 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 (1) イ言葉の特徴やきまりに関する事項 ( イ ) 文や文章の組立て, 語句の意味, 用法及び表記の仕方などを理解し, 語彙を豊かにすること 出題のねらい テクストを読む上で, 文脈との関連において用いる語句を的確に理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 テクストの中における, 抽象的表現等の意味 内容をとらえることができる 解答させる内容 琴線に触れる 時雨 感嘆おくあたわざる のそれぞれの語句の本文中における意味として最も適当なものを選択肢の中から一つずつ選ぶ 16

問 2 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 C 読むこと (1) 指導事項ア文章の内容や形態に応じた表現の特色に注意して読むこと 出題のねらい テクストの構成をとらえ, 短歌を題材として書かれた文章の内容を読み取る問題である 具体的には, 触覚を通じた短歌の表現について書かれた文章の内容を理解した上で, 対応する短歌について, 表現に即して内容を理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 テクストの中における, 抽象的表現等の意味 内容をとらえることができる 解答させる内容 1. 短歌を題材として書かれた文章の内容について, 触覚が生きている歌の一つの例として 動詞がリアルに効いていて, 日常の破れ目が見えるような怖さがある と表現した筆者の意図を理解する 2. 選択肢として示された 6 首の短歌の内容について理解し,1. の文章の内容と比較して筆者が例示した短歌を選択肢の中から二つ選ぶ 17

問 3 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 C 読むこと (1) 指導事項イ文章の内容を叙述に即して的確に読み取ったり, 必要に応じて要約や詳述をしたりすること 出題のねらい テクストの展開をとらえ, 短歌を題材として書かれた文章全体の内容を読み取る問題である 具体的には, 触覚を通じた短歌の表現について書かれた文章全体から, 筆者の考えを理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 テクストにおける筆者の主張とその主張の理由 根拠をとらえることができる 解答させる内容 短歌を題材として書かれた文章について, 触覚を通じて短歌を表現する意味について筆者が指摘する内容を理解して, その説明として最も適当なものを選択肢の中から一つ選ぶ 18

問 4 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 C 読むこと (1) 指導事項イ文章の内容を叙述に即して的確に読み取ったり, 必要に応じて要約や詳述をしたりすること 出題のねらい テクストの構成をとらえ, 短歌を題材として書かれた文章の内容を読み取る問題である 具体的には, 聴覚を通じた短歌の表現について, 視覚を通じた表現との関係に触れながら書かれた文章の内容を理解した上で, 筆者が例示した短歌の表現の仕方を理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 テクストにおける筆者の主張とその主張の理由 根拠をとらえることができる 解答させる内容 1. 短歌を題材として書かれた文章について, 短歌の表現における聴覚と視覚との関係や, 聴覚を通じた表現の効果について筆者が指摘する内容を理解する 2.1. の文章の内容と筆者が例示した二つの短歌の共通点の説明として最も適当なものを選択肢の中から一つ選ぶ 19

問 5 (ⅰ)(ⅱ)(ⅲ) 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 C 読むこと (1) 指導事項イ文章の内容を叙述に即して的確に読み取ったり, 必要に応じて要約や詳述をしたりすること なお, 本問では話し合う場面がテクストとなっていることから, A 話すこと 聞くこと (1) アを意識し, 意見の基となる事実や事柄 などについて認識し, 異なる立場に立って見つめ直したこと などに基づいて, 相手に分かりやすく示すこと も想定した問いとしている ( は, 高等学校学習指導要領解説国語編より抜粋 ) 出題のねらい 複数のテクストを読んで内容を理解した上で, 新しい情報に対して様々な立場の意見と統合して内容を読み取る問題である 具体的には, 短歌の鑑賞について異なる観点から述べられた二つの文章の内容を理解した上で, 新しい短歌を鑑賞する生徒同士の会話の内容からそれぞれの立場に立って, 二つの文章や新しい資料との関連を理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 複数のテクストの妥当性を吟味し, 情報を統合 構造化してとらえることができる 解答させる内容 1. 短歌を題材として書かれた二つの文章について, 筆者が指摘する内容を理解する 2. 新しく示された短歌を 1. の二つの文章の内容を踏まえて読み取った上で, 言語活動の場面のそれぞれの生徒の立場に立って, 新しい資料と関連付けながら説明した内容として最も適当なものを選択肢の中から一つずつ選ぶ 20

問題全体の出題のねらい古文を題材として提示するだけではなく, その古文を読み, 現代にも通じる表現の仕方や当時の文化を踏まえた古文の解釈などについて, 二人で対談する文章も題材として, 古文を理解する力を問うとともに, 対談のそれぞれの立場における話し手の古文の内容に対する考え方を的確に理解する力を問うた なお, 他者の考え方を聞くことによって, 題材の古文への理解が深まるような対談の場面を題材として取り上げた 21

モデル問題例 2 22

モデル問題例 2 23

モデル問題例 2 24

モデル問題例 2 25

モデル問題例 2 < 正答 > 問 1 ( ア )3 ( イ )5 ( ウ )1 26

モデル問題例 2 < 正答 > 問 2 4 問 3 3 27

モデル問題例 2 < 正答 > 問 4 (ⅰ)6-7( 順序問わず ) (ⅱ)3 28

モデル問題例 2 < 正答 > 問 5 1,5( 正答の番号を過不足無くマークしているもののみ正答 ) 問 6 3 29

問 1 ( ア )( イ )( ウ ) 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 (1) イ言葉の特徴やきまりに関する事項 ( イ ) 文や文章の組立て, 語句の意味, 用法及び表記の仕方などを理解し, 語彙を豊かにすること 出題のねらい 古文を読む上で, 古文の中で使われている語句について, 文脈との関連において現代の意味に置き換え的確に理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 構造や内容に即して, テクストの中における, 語句の内容を適切にとらえることができる 解答させる内容 おろかならぬ御事に思ひ参らせ候へども ゆめゆめ疎略を存ずまじう候ふ 子細におよばずといひながら のそれぞれの語句の本文中における意味として最も適当なものを選択肢の中から一つずつ選ぶ 30

問 2 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 (1) ア伝統的な言語文化に関する事項 ( イ ) 文語のきまり, 訓読のきまりなどを理解すること 出題のねらい 古文を読む上で, 現代語と異なる古文特有のきまりである助動詞について, 文脈の中で使われている意味を的確に理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 伝統的な言語文化, 言葉の特徴やきまり, 漢字に関することについて, テクストの中で適切にとらえることができる 解答させる内容 助動詞 る らる のそれぞれの本文中における意味を理解し, 同じ用法の組合せとして最も適当なものを選択肢の中から一つ選ぶ 31

問 3 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 (1) ア伝統的な言語文化に関する事項 ( ア ) 言語文化の特質や我が国の文化と外国の文化との関係について気付き, 伝統的な言語文化への興味 関心を広げること 出題のねらい テクストの内容や表現を理解し, 和歌集の個性と価値を適切に理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 伝統的な言語文化, 言葉の特徴やきまり, 漢字に関することについて, テクストの中で適切にとらえることができる 解答させる内容 テクストの内容や古文の中にある和歌の表現の仕方を理解し, 千載集 の特徴について八代集の他の和歌集の特徴と比較して最も適当なものを選択肢の中から一つ選ぶ 32

問 4 (ⅰ)(ⅱ) 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 C 読むこと (1) 指導事項ウ文章に描かれた人物, 情景, 心情などを表現に即して読み味わうこと 出題のねらい 複数のテクストを読んだ上で, 文章に描かれた情景について読み取る問題である 具体的には, 古文の内容を理解した上で, その古文を読んだ二人の対談の場面を通して, 話し手がイメージした情景や描かれた人物の心情を理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 テクストの会話や表現等に着目して, 登場人物の心情の変化や言動の意味等をとらえることができる 解答させる内容 平家物語を読んだ二人の対談の中で提示されている 空の色 の描写についてのイメージや, そこから想起される 忠度の姿 について, 平家物語の表現に即して選択肢の中から適当なものを,(ⅰ) は二つ,(ⅱ) は一つ選ぶ 33

問 5 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 C 読むこと (1) 指導事項ウ文章に描かれた人物, 情景, 心情などを表現に即して読み味わうこと 出題のねらい 複数のテクストを読んだ上で, 文章に描かれた人物について読み取る問題である 具体的には, 古文の内容を理解した上で, その古文を読んだ二人の対談の場面で話し手がイメージした登場人物の人物像や描かれた人物の心情を理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 テクストの会話や表現等に着目して, 登場人物の心情の変化や言動の意味等をとらえることができる 解答させる内容 平家物語を読んだ二人の対談の中で提示されている登場人物の人物像について, 平家物語の表現に即して選択肢の中から適当なものを全て選ぶ 34

問 6 主な指導事項 学習指導要領 国語総合 2 内容 C 読むこと (1) 指導事項イ文章の内容を叙述に即して的確に読み取ったり, 必要に応じて要約や詳述をしたりすること なお, 本問では対談の場面がテクストとなっていることから, A 話すこと 聞くこと (1) ウを意識し, 合意を形成したり思考の深化を図ったりする ために, 相手の考えを的確に理解 して, 話の構成や展開, 言葉遣いなどを工夫して話し合うこと も想定した問いとしている ( は, 高等学校学習指導要領解説国語編より抜粋 ) 出題のねらい 複数のテクストを読み比べ, 話し合う場面の中で考えを深めていく表現と構成の特徴について読み取る問題である 具体的には, 古文の内容を理解し, その古文を読んだ二人の対談の場面を通して, 話し手が相手の立場や考えを尊重して話し合うための工夫について理解することができる力を問う問題である 問いたい資質 能力 テクストを通じて対比されている事項について考察し, 共通点や相違点についてとらえることができる 解答させる内容 平家物語を読んだ二人の対談の中で, 話し手が相手の立場や考えを尊重して工夫している表現の仕方や話の進め方として, 最も適当なものを選択肢の中から一つ選ぶ 35

Ⅲ 高等学校学習指導要領 数学 Ⅰ 及び 数学 A の 内容 のポイント 数学 Ⅰ (1) 数と式数を実数まで拡張する意義や集合と命題に関する基本的な概念を理解できるようにする また, 式を多面的にみたり処理したりするとともに, 一次不等式を事象の考察に活用できるようにする ア数と集合 ( ア ) 実数数を実数まで拡張する意義を理解し, 簡単な無理数の四則計算をすること ( イ ) 集合集合と命題に関する基本的な概念を理解し, それを事象の考察に活用すること イ式 ( ア ) 式の展開と因数分解二次の乗法公式及び因数分解の公式の理解を深め, 式を多面的にみたり目的に応じて式を適切に変形したりすること ( イ ) 一次不等式不等式の解の意味や不等式の性質について理解し, 一次不等式の解を求めたり一次不等式を事象の考察に活用したりすること (2) 図形と計量三角比の意味やその基本的な性質について理解し, 三角比を用いた計量の考えの有用性を認識するとともに, それらを事象の考察に活用できるようにする ア三角比 ( ア ) 鋭角の三角比鋭角の三角比の意味と相互関係について理解すること ( イ ) 鈍角の三角比三角比を鈍角まで拡張する意義を理解し, 鋭角の三角比の値を用いて鈍角の三角比の値を求めること ( ウ ) 正弦定理 余弦定理正弦定理や余弦定理について理解し, それらを用いて三角形の辺の長さや角の大きさを求めること イ図形の計量三角比を平面図形や空間図形の考察に活用すること 36

(3) 二次関数二次関数とそのグラフについて理解し, 二次関数を用いて数量の関係や変化を表現することの有用性を認識するとともに, それらを事象の考察に活用できるようにする ア二次関数とそのグラフ事象から二次関数で表される関係を見いだすこと また, 二次関数のグラフの特徴について理解すること イ二次関数の値の変化 ( ア ) 二次関数の最大 最小二次関数の値の変化について, グラフを用いて考察したり最大値や最小値を求めたりすること ( イ ) 二次方程式 二次不等式二次方程式の解と二次関数のグラフとの関係について理解するとともに, 数量の関係を二次不等式で表し二次関数のグラフを利用してその解を求めること (4) データの分析統計の基本的な考えを理解するとともに, それを用いてデータを整理 分析し傾向を把握できるようにする アデータの散らばり四分位偏差, 分散及び標準偏差などの意味について理解し, それらを用いてデータの傾向を把握し, 説明すること イデータの相関散布図や相関係数の意味を理解し, それらを用いて二つのデータの相関を把握し説明すること 課題学習 (1),(2),(3) 及び (4) の内容又はそれらを相互に関連付けた内容を生活と関連付けたり発展させたりするなどして, 生徒の関心や意欲を高める課題を設け, 生徒の主体的な学習を促し, 数学のよさを認識できるようにする 37

数学 A (1) 場合の数と確率場合の数を求めるときの基本的な考え方や確率についての理解を深め, それらを事象の考察に活用できるようにする ア場合の数 ( ア ) 数え上げの原則集合の要素の個数に関する基本的な関係や和の法則, 積の法則について理解すること ( イ ) 順列 組合せ具体的な事象の考察を通して順列及び組合せの意味について理解し, それらの総数を求めること イ確率 ( ア ) 確率とその基本的な法則確率の意味や基本的な法則についての理解を深め, それらを用いて事象の確率を求めること また, 確率を事象の考察に活用すること ( イ ) 独立な試行と確率独立な試行の意味を理解し, 独立な試行の確率を求めること また, それを事象の考察に活用すること ( ウ ) 条件付き確率条件付き確率の意味を理解し, 簡単な場合について条件付き確率を求めること また, それを事象の考察に活用すること (2) 整数の性質整数の性質についての理解を深め, それを事象の考察に活用できるようにする ア約数と倍数素因数分解を用いた公約数や公倍数の求め方を理解し, 整数に関連した事象を論理的に考察し表現すること イユークリッドの互除法整数の除法の性質に基づいてユークリッドの互除法の仕組みを理解し, それを用いて二つの整数の最大公約数を求めること また, 二元一次不定方程式の解の意味について理解し, 簡単な場合についてその整数解を求めること ウ整数の性質の活用二進法などの仕組みや分数が有限小数又は循環小数で表される仕組みを理解し, 整数の性質を事象の考察に活用すること 38

(3) 図形の性質平面図形や空間図形の性質についての理解を深め, それらを事象の考察に活用できるようにする ア平面図形 ( ア ) 三角形の性質三角形に関する基本的な性質について, それらが成り立つことを証明すること ( イ ) 円の性質円に関する基本的な性質について, それらが成り立つことを証明すること ( ウ ) 作図基本的な図形の性質などをいろいろな図形の作図に活用すること イ空間図形空間における直線や平面の位置関係やなす角についての理解を深めること また, 多面体などに関する基本的な性質について理解し, それらを事象の考察に活用すること 課題学習 (1),(2) 及び (3) の内容又はそれらを相互に関連付けた内容を生活と関連付けたり発展させたりするなどして, 生徒の関心や意欲を高める課題を設け, 生徒の主体的な学習を促し, 数学のよさを認識できるようにする 39

Ⅳ マークシート式問題のモデル問題例と評価することをねらいとする能力について ( 数学 ) 問題全体の出題のねらい都道府県別の平均睡眠時間について, 平均気温, 通勤 通学時間, 仕事時間に関するデータを用いて, 多面的 批判的に考察する力を問うた 平均, 分散, 標準偏差などの統計量を求めるだけではなく, 問題場面におけるデータの分析のプロセスに沿って問いを設定し, データの傾向や変数間の関係について考察する問題とした また, 見いだした事柄を既習の知識と結びつけ, データを多面的に考察する力を問うように工夫した 40

モデル問題例 3 < 正答 > (1) オ 2 41

モデル問題例 3 42

モデル問題例 3 < 正答 > (2) カ 2 (3) キ 1,3,5( 正答の番号を過不足無くマークしているもののみ正答 ) 43

モデル問題例 3 44

モデル問題例 3 < 正答 > (4) ク 3 (5) ケ 2,3( 正答の番号を過不足無くマークしているもののみ正答 ) 45

設問 (1) 主な指導内容 学習指導要領 数学 Ⅰ 2 内容 (4) データの分析イデータの相関散布図や相関係数の意味を理解し, それらを用いて二つのデータの相関を把握し説明すること 出題のねらい 問題文中に示した登場人物の主張を批判的に検討し, その真偽の検証に必要かつ十分であるデータは何かを適切に判断する力を問う問題である 具体的には, 睡眠時間と平均気温の相関についての主張に対して, 根拠が不十分である理由を正しく指摘させる問題である 問いたい資質 能力 数学的根拠に基づいて批判的に検討することができる 解答させる内容 問題文中に示した登場人物が述べる根拠 ( 下線部 1) では, 47 都道府県全体の平均より平均気温が低い都道府県が睡眠時間が長い という結論を得るには不十分である理由として最も適切なものを選択肢の中から一つ選ぶ 46

設問 (2) 主な指導内容 学習指導要領 数学 Ⅰ 2 内容 (4) データの分析イデータの相関散布図や相関係数の意味を理解し, それらを用いて二つのデータの相関を把握し説明すること 出題のねらい 散布図における分布の様子から, 二つのデータの相関を把握し, 相関係数に近い値を正しくとらえることができるかを問う問題である 問いたい資質 能力 目的に応じて数 式, 図, 表, グラフなどを活用し, 的確かつ能率的に処理することができる 解答させる内容 与えられた散布図から二つのデータ ( 平均気温と睡眠時間 ) の傾向を把握し, その相関係数として最も近いものを選択肢の中から一つ選ぶ 47

設問 (3) 主な指導内容 学習指導要領 数学 Ⅰ 2 内容 (4) データの分析イデータの相関散布図や相関係数の意味を理解し, それらを用いて二つのデータの相関を把握し説明すること 出題のねらい データを二つの層に分ける前後の散布図から傾向の違いを読み取り, 得られた結果を最初の主張と照らし合わせて, どのような意味をもつのかを問う問題である なお, 複数選択することによって, より深い考察をさせるようにした 問いたい資質 能力 得られた結果の意味を考えたり, 条件を変更したりして, 統合的 発展的に考えることができる 解答させる内容 二つのデータ ( 平均気温と平均睡眠時間 ) に関する複数の散布図から, 選択肢で記述されているそれぞれの事柄の真偽を判断する根拠となる散布図を適切に選び, 選択肢の中から正しいものを全て選ぶ 48

設問 (4) 主な指導内容 学習指導要領 数学 Ⅰ 2 内容 (4) データの分析アデータの散らばり四分位偏差, 分散及び標準偏差などの意味について理解し, それらを用いてデータの傾向を把握し, 説明すること 出題のねらい 散布図からデータの中央値や四分位範囲, 散らばり具合等を読み取り, それらを箱ひげ図と対応付けることができるかを問う問題である 問いたい資質 能力 目的に応じて数 式, 図, 表, グラフなどを活用し, 的確かつ能率的に処理することができる 解答させる内容 通勤 通学時間の平均に関するデータの特徴を散布図から読み取り, それを箱ひげ図として表した場合に最も適切なものを選択肢の中から一つ選ぶ 49

設問 (5) 主な指導内容 学習指導要領 数学 Ⅰ 2 内容 (4) データの分析イデータの相関散布図や相関係数の意味を理解し, それらを用いて二つのデータの相関を把握し説明すること 出題のねらい 解決過程を振り返り, 平均睡眠時間と, 平均気温, 通勤 通学時間, 仕事時間のそれぞれとの相関を総合的に判断させる問題である なお, 各データを基に複数選択することによってより多面的に考察させるようにした 問いたい資質 能力 解決過程を振り返り, 数学的根拠に基づいて適切に判断したり, 体系化して考えたりすることができる 解答させる内容 四つのデータ ( 平均睡眠時間, 平均気温, 通勤 通学時間, 仕事時間 ) に関する複数の散布図を基に, 選択肢で記述されているそれぞれの事柄の真偽を判断し, 選択肢の中から正しいものを全て選ぶ 50

問題全体の出題のねらい三つの円とそれらの交点を通る直線に関する問題場面において, 成り立つ性質を見いだしたり, 見いだした性質に関する証明や構想を立てたりする力を問うた 線分の長さや角の大きさ, 面積等を求めるだけではなく, 図形の性質を基に問題の本質を見いだす力を問うように工夫した また, 解決過程を振り返り, 条件を一部変更した場合においても, 同様のことが成り立つかを考察することにより問題を発展的に考察する力を問う問題とした さらに, 数学におけるICTの活用を想定し, 生徒がコンピュータを用いて図形の考察を行う場面を設定した 51

モデル問題例 4 52

モデル問題例 4 < 正答 > (1) ア 3 (2) イ 4 (3) ウ 2 エ 3 オ 5 カ 1 キ 2 53

モデル問題例 4 < 正答 > (4) ク 3 54

設問 (1) 主な指導内容 学習指導要領 数学 Ⅰ 2 内容 (1) 数と式ア数と集合 ( イ ) 集合集合と命題に関する基本的な概念を理解し, それを事象の考察に活用すること 出題のねらい 問題場面の条件を正しくとらえ, 成り立つ性質を見いだすことができるかを問う問題である 問いたい資質 能力 事象を数 式, 図, 表などに着目して考察し, 問題解決の構想を立てることができる 解答させる内容 条件を満たす点 D が, 最初に与えた点 A と一致することを問題文から読み取り, 選択肢の中から一つ選ぶ 55

設問 (2) 主な指導内容 学習指導要領 数学 A 2 内容 (3) 図形の性質ア平面図形 ( イ ) 円の性質円に関する基本的な性質について, それらが成り立つことを証明すること 出題のねらい 問題文中に示した登場人物が主張する命題の証明の構想について批判的に考えることができるかを問う問題である 問いたい資質 能力 事象を数 式, 図, 表などに着目して考察し, 問題解決の構想を立てることができる 解答させる内容 SAQ と SDQ が等しいこと を証明したのでは問題文中に示した登場人物が主張する性質の証明にはならない理由を選択肢の中から一つ選ぶ 56

設問 (3) 主な指導内容 学習指導要領 数学 A 2 内容 (3) 図形の性質ア平面図形 ( イ ) 円の性質円に関する基本的な性質について, それらが成り立つことを証明すること 出題のねらい 問題文中に示した登場人物が主張する図形の性質について, 証明することができるかを問う問題である 問いたい資質 能力 焦点化した問題に対して論理的に推論したり, 表現したりして解決することができる 解答させる内容 直線 CS が点 A を通ることの証明について, 空欄に適する語句を, 円に内接する四角形の性質を用いて選択肢の中から適切に一つずつ選ぶ 57

設問 (4) 主な指導内容 学習指導要領 数学 A 2 内容 (3) 図形の性質ア平面図形 ( イ ) 円の性質円に関する基本的な性質について, それらが成り立つことを証明すること 出題のねらい 最初に与えられた条件を一部変更したときに, 同様の命題が成立するかどうかを, 証明を振り返り統合的 発展的に考察することができるかを問う問題である 問いたい資質 能力 得られた結果の意味を考えたり, 条件を変更したりして, 事象の意味を考えることができる 解答させる内容 点 A の位置を変更した場合に直線 CS が点 A を通ることの証明について, 条件を変更する前の証明を振り返り, 修正すべき箇所を選択肢の中から一つ選ぶ 58