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ごあいさつ バイオシミラーの課題 バイオ医薬品は 20 世紀後半に開発されて以来 癌や血液疾患 自己免疫疾患等多くの難治性疾患に卓抜した治療効果を示し また一般にベネフィット リスク評価が高いと言われています しかしその一方で しばしば高額となる薬剤費用が 患者の経済的負担や社会保障費の増大に繋がる

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オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

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別添 治験副作用等症例の定期報告に関する質疑応答集 (Q&A) について < 半年ごとの定期報告の受け付け> Q1 平成 26 年 6 月 30 日までの間は 治験依頼者 ( 自ら治験を実施する者を除く ) が提出する副作用等症例の定期報告は なお従前の例によることができる とあるが 平成 26 年

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300927_課_薬生薬審発0927第3号_核酸医薬品の品質の担保と評価において考慮すべき事項について

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる


(案-1)

バイオ医薬品は生物を用いて製造されます 通常 細菌や動物細胞などの生体の中で目的とするタンパク質を産生させます バイオ医薬品の特性は製造プロセスの状態に依存するところが大きく しばしば プロセスが製品 と喩えられます 事実 製造プロセスにおける小さな変更でも 最終製品の違いにつながる可能性があります

1 遺伝子導入法の選択理由及びその特徴 2 非ウイルスベクターの構成 3 遺伝子構造 2) 非ウイルスベクターの由来及び性質 3) 非ウイルスベクターの構築及び作製に用いる細胞 1 非ウイルスベクターの製造に用いるプラスミド等の構築 2 非ウイルスベクターの製造に用いる微生物等 3バンクシステム 4

動物用医薬品(医薬部外品)製造販売承認事項変更承認申請書

医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

ICH Q4B Annex12

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(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

ヒトゲノム情報を用いた創薬標的としての新規ペプチドリガンドライブラリー PharmaGPEP TM Ver2S のご紹介 株式会社ファルマデザイン

医薬品の基礎研究から承認審査 市販後までの主なプロセス 基礎研究 非臨床試験 動物試験等 品質の評価安全性の評価有効性の評価 候補物質の合成方法等を確立 最適な剤型の設計 一定の品質を確保するための規格及び試験方法などの確立 有効期間等の設定 ( 長期安定性試験など ) 医薬品候補物質のスクリーニン

目次 ( 用語の定義 ) 背景 ガイドラインの対象 がん治療用ウイルスの選択 初期段階での確認事項 ウイルス選択の理由 腫瘍選択性 ウイルスの分子変異の確認 規格 製造

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薬生安発 0302 第 1 号 平成 30 年 3 月 2 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課長 ( 公印省略 ) 医薬品リスク管理計画の実施に基づく再審査期間終了後の評価報告について の一部改正について 再審査期間中の新医薬品以外の医薬品の医薬品リ

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事務連絡 平成 3 0 年 9 月 1 4 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 御中 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬品審査管理課 原薬の開発と製造 ( 化学薬品及びバイオテクノロジー応用医薬品 / 生物 起源由来医薬品 ) に関する質疑応答集 (Q&A) について 医薬品規制調和国際会議 ( 以下

化学物質の分析 > 臨床で用いる分析技術 > 分析技術 > 免疫学的測定法 1 免疫学的測定法 免疫反応を利用して物質を分析する方法として 免疫学的測定法 ( イムノアッセイ ) がある イムノアッセイは 抗体に抗原を認識させる ( 抗原抗体反応を利用する ) ことにより 物質を定量する分析法であり

豚繁殖 呼吸障害症候群生ワクチン ( シード ) 平成 24 年 3 月 13 日 ( 告示第 675 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した弱毒豚繁殖 呼吸障害症候群ウイルスを同規格に適合した株化細胞で増殖させて得たウイルス液を凍結乾燥したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株

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Chemical Glycosylation of Peptides (Japanese Version)

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

バリデーション基準 1. 医薬品 医薬部外品 GMP 省令に規定するバリデーションについては 品質リスクを考慮し 以下の バリデーション基準 に基づいて実施すること 2. バリデーション基準 (1) バリデーションの目的バリデーションは 製造所の構造設備並びに手順 工程その他の製造管理及び品質管理の

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生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )


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ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

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記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 # 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 # 5 酸化マグネシ

SSH資料(徳島大学総合科学部 佐藤)

審査報告 (1) 別紙 平成 29 年 4 月 3 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下 のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] ジャドニュ顆粒分包 90 mg 同顆粒分包 360 mg [ 一般名 ] デフェラシロクス [ 申請者 ] ノ

株化細胞 + 生ウイルスワクチン 特定の株名及びロット番号を記載 株変更は新規 また 6 製造方法ロットの更新は 事項変更 6.1 製造用株 名称弱毒 ウイルス 株 ( マスターシードウイルスロット〇 ) 株名 本数 継代方法等は GMP 省令第 7 条の 3 に基づく記録に関する文 書

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( 八 ) 慢性毒性 / 発がん性併合試験 ( 九 ) 毒物代謝及び薬物動態試験 ( 十 ) 原料の特性と用途に基づいて その他必要な試験も考慮する 新原料が現在化粧品に使用されている原料の化学構造及び特性と類似する場合は 一部試験の省略も考慮できる 本ガイドラインは毒理学試験試料を原則とするが 原

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

( 別紙 ) 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方について ( 平成 26 年 6 月 20 日付け薬食審査発 0620 第 6 号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知 ) 新旧対照表 ( 別添 ) 改正後 承認申請時の電子データ提出に関する基本的考え方 1. 承認申請時に電子データ提出を

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薬食審査発第 号平成 19 年 9 月 28 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課長 国際共同治験に関する基本的考え方について 従来 我が国においては ICH-E5 ガイドラインに基づく 外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因について

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審査結果 平成 23 年 4 月 5 日 [ 販 売 名 ] ゴナールエフ皮下注用 150 [ 一 般 名 ] ホリトロピンアルファ ( 遺伝子組換え ) [ 申請者名 ] メルクセローノ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 7 月 21 日 [ 審査結果 ] 提出された資料から 本剤の視床

第 3 章第 4 章第 5 章第 6 章第 7 章第 1 章第 1 (3) 細胞の純度試験 (4) 細胞由来の目的外生理活性物質に関する試験 (5) 製造工程由来不純物試験 (6) 無菌試験及びマイコプラズマ否定試験 (7) エンドトキシン試験 (8) ウイルス等の試験 (9) 効能試験 (10)

医薬品たるコンビネーション製品の不具合報告等に関する Q&A [ 用いた略語 ] 法 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 施行規則 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 ( 昭和 36 年

法第 14 条第 10 項の規定に基づく承認事項の軽微変更に係る届出 ( 以下 軽微変更届出 という ) を行わせること その際 軽微変更届出書の 備考 欄に 平成 29 年 12 月 1 日薬生薬審発 1201 第 3 号 第十七改正日本薬局方第一追補の制定に伴う医薬品製造販売承認申請等の取扱いに

成分 CAS 番号 重量 % 金属蒸着積層フィルム なし 応急措置 応急措置 吸入した場合応急処置は不要 皮膚に付着した場合応急処置は不要 眼に入った場合応急処置は不要 飲み込んだ場合応急処置は不要 予想できる急性症状及び遅発性症状の最も重要な徴候症状毒性学的影響についてはセクション

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1食品か薬品か?

モノクローナル抗体

写 薬生発 0131 第 1 号 平成 30 年 1 月 31 日 都道府県知事 殿 厚生労働省医薬 生活衛生局長 ( 公印省略 ) 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 関係手数料令の一部を改正する政令の公布について この度 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確

Hi-level 生物 II( 国公立二次私大対応 ) DNA 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造, 半保存的複製 1.DNA の構造 ア.DNA の二重らせんモデル ( ワトソンとクリック,1953 年 ) 塩基 A: アデニン T: チミン G: グアニン C: シトシン U

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第4回独立行政法人評価委員会技術基盤分科会製品評価技術基盤機構部会 参考資料N2-1 平成15年度NITE業務実績表参考資料集 表紙~P19

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スチック その他の化学物質を生産する化学工業ではなく 生命最強のツールである酵素を使って化学反応を触媒し さらには 新しい酵素を設計して作り出すことによって 物質生産を根本的に変えることができると考えていました 当時 世界的なバイオテクノロジーブームが盛り上がる中で アーノルド博士と同様のことを多く

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革新的がん治療薬の実用化を目指した非臨床研究 ( 厚生労働科学研究 ) に採択 大学院医歯学総合研究科遺伝子治療 再生医学分野の小戝健一郎教授の 難治癌を標的治療できる完全オリジナルのウイルス遺伝子医薬の実用化のための前臨床研究 が 平成 24 年度の厚生労働科学研究費補助金 ( 難病 がん等の疾患

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組換え DNA 技術を応用して製造される医薬品の承認申請に必要な 添付資料の作成について 薬審第 243 号昭和 59 年 3 月 30 日各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長厚生省薬務局審査 生物製剤課長連名通知 今般 標記について左記のとおり取り扱うこととしたので 貴管下関係業者に対し周知方よろしくお願い致したい なお 本通知は 組換え DNA 技術を応用して製造されるペプチド又はタンパク質を有効成分とする医薬品 ( 以下 組換え医薬品 という ) に適用する おって 本通知における用語は次の定義による 1 組換え DNA 技術 とは ある生細胞内で増殖可能な DNA と異種の DNA との組換え分子を酵素などを用いて試験管内で作製し それを当該生細胞に移入し異種の DNA を増殖させる技術 ( この技術を応用した結果 DNA の組換え分子が移入された生細胞 ( 以下 組換え体 という ) を用いる技術を含む ただし DNA の組換え分子が移入された生細胞と同等の遺伝子構成をもつ生細胞が自然界に存在する場合を除く ) をいう 2 宿主 とは DNA 組換え分子を移入される生細胞を ベクター とは 組換え DNA 技術を用いて宿主に異種の DNA を運ぶ DNA を 宿主 ベクター系 とは それらの組合わせをいう 記 Ⅰ 添付資料の範囲の取扱い区分について 組換え DNA 技術は 製造方法として全く新しいものであることにかんがみ この方法で製造される医薬 品は 安全性及び有効性に関する資料が蓄積されるまで 当分の間 次のとおり取り扱うこととする

1 アからウまでに掲げる医薬品については 原則として 昭和五五年五月三〇日薬発第六九八号厚生省薬務局長通知の別表 2 (1)( 以下 通知別表 という ) の 1 (1) 新有効成分含有医薬品として取り扱う アこれまで同一有効成分の組換え医薬品が承認されていない組換え医薬品イ既承認の組換え医薬品と目的ペプチドなどの構造遺伝子の入手方法が異なる組換え医薬品ウ既承認の組換え医薬品と製造に用いる宿主 ベクター系が異なる組換え医薬品 2 エからカまでに掲げる医薬品については 原則として 通知別表の 1 (8) その他の医薬品として取り扱う エ既承認の組換え医薬品と組換え体の培養に用いる培地の組成が異なる組換え医薬品オ既承認の組換え医薬品と精製の方法が異なる組換え医薬品カその他の組換え医薬品ただし エ及びオに掲げる医薬品については 通知別表の 1 (8) に規定されるもののほか 次の資料を提出すること 1 製造方法 構造決定及び物理的化学的性質等 2 毒性試験のうち不純物に係る抗原性試験及び発熱性物質試験 3 安全性を確認する目的で詳細な検討がなされた臨床試験 ( 二か所以上 一か所当たり二〇例以上 ) Ⅱ 添付資料の作成方法について組換え医薬品の製造 ( 輸入 ) 承認申請の際に必要な添付資料は イからトまでの各区分ごとに以下の点に留意して作成すること イ起原又は発見の経緯及び外国における使用状況等について外国において開発又は承認されている同種の組換え医薬品がある場合には その使用状況 副作用の発生状況等について詳細に説明すること ロ物理的化学的性質並びに規格及び試験方法等について 1 製造方法について次の点に関する詳細なデータを集積すること (1) 目的とするペプチド又はタンパク質の構造遺伝子について 1 当該構造遺伝子又はそれに相当する mrna 断片を入手する方法を明らかにすること 2 全塩基配列を明らかにすること 3 クローン化遺伝子の機能及び塩基配列の安全性を確認すること

4 当該構造遺伝子に相当する mrna を腫瘍組織から抽出する場合には 正常組織のものとの同等性を確認することが望ましい (2) 宿主 ベクター系について宿主 ベクター系の諸性質を明らかにすること (3) 培養について 1 組換え体の安全性 ( 例えば組換え体の保存 継代時の安定性など ) を明らかにすること なお 大量培養の場合をも考慮すること 2 組換え体の同定方法を明らかにすること 3 培地の組成を明らかにすること なお できるだけ単純な組成の合成培地などを使用することが望ましい (4) 精製について 1 精製工程は 製造方法のフローチャートの一部として説明すること 2 目的ペプチドなどと微生物に由来する異種タンパク質又は多糖類などとの分離方法を明らかにすること 3 細胞中で分解されやすいタンパク質の安定化を図る目的で N 末端に付加した余分のペプチドなどをブロムシアン分解などで化学的に分離する場合には それらの試薬及び分離するペプチドなどを除去する方法を明らかにすること 4 ブロインシュリンなど前駆体としての高分子タンパク質などから目的生成物を分離する場合には 分離に用いた酵素及び分離するペプチドなどを除去する方法を明らかにすること 2 構造決定及び物理的化学的性質等について原則として次の性質等についてのデータを集積すること (1) 構造 組成について次の項目について明らかにすること 1 アミノ酸組成 2 末端アミノ酸 3 ジスルフィド結合がある場合には その位置 4 ペプチド分析 5 アミノ酸配列 ( 高分子の場合には 可能な範囲での末端域アミノ酸配列 ) (2) 物理的化学的性質について次の項目について検討すること

1 分光学的性質 ( 紫外部吸収スペクトル等 ) 2 電気泳動的性質 ( ポリアクリルアミドゲル電気泳動等 ) 3 等電点 ( ショ糖密度勾配等電点電気泳動 ゲル等電点電気泳動等 ) 4 分子量 (SDS ゲル電気泳動 ゲルろ過クロマトグラフ法 超遠心分離法等 ) 5 液体クロマトグラフパターン 6 高次構造 ( 旋光分散 円二色性等 ) (3) 免疫化学的性質についてイムノアッセイ 免疫電気泳動等の方法を用いて検討すること (4) 生物学的性質について次の項目について明らかにすること 1 生物学的活性 含量及び純度 ( 比活性等 ) 等 2 酵素の場合には 酵素化学的性質 3 規格及び試験方法について次の項目について 組換え医薬品の特質を的確にとらえた規格及び試験方法を設定すること (1) 基原又は本質組換え医薬品であることを明示すること (2) 性状 1 色 味及びにおい 2 溶解性 結晶性及び安定性 ( 吸湿性 光分解等 ) (3) 確認試験化学的反応を利用した試験のほかバイオアッセイ又はイムノアッセイなどを用いること (4) 構成アミノ酸 (5) ペプチド分析原則として設定すること (6) 純度試験溶状など一般の医薬品と同様の項目のほか 菌体又は培地等由来のポリペプチド タンパク質 分解生成物などの分離又は検出の項目を液体クロマトグラフ法 ラジオイムノアッセイ エンザイムイムノアッセイなどを用いて設定すること また 製造方法又は用法 用量などを勘案して 重金属及びヒ素の試験を設定すること (7) 乾燥減量試験又は水分定量法

(8) 強熱残分試験 (9) 生物学的活性試験組換え医薬品は 一般に 生物学的なもの であり 生物由来の複雑な物質の同等性 純度 力価又は安全性の保証については 物理的化学的方法だけでは証明できない場合が多いので 特殊性能試験として採用することを検討すること (10) 抗原性試験原則として設定すること (11) 発熱性物質試験 (12) 定量法物理的化学的試験又は生物学的活性試験のいずれかの方法を用いて設定すること なお 物理的化学的試験により設定する場合には 活性との相関が確認されていること ハ安全性について一般の医薬品と同様に検討すること ニ毒性について組換え医薬品の有効成分のアミノ酸配列が生体由来成分のものと全く同一であり かつ その成分が既に毒性学的に研究されているものであれば 不純物由来の毒性について十分確認できる範囲内において 毒性試験の一部を省略することは差し支えない 組換え医薬品の毒性試験の実施基準は 原則として次のとおりとする なお 毒性試験を実施するに当たり ガイドラインが作成されているものについては それに基づいて行うこと 1 急性毒性試験 亜急性毒性試験及び変異原性試験一般の新医薬品に準じて実施すること 2 慢性毒性試験 生殖に及ぼす影響に関する試験 依存性試験 局所刺激性試験及び癌原性試験一般の新医薬品に準じて実施すること ただし 合理的な理由がある場合には省略することができる 3 抗原性試験 1 有効成分の抗原性について検討すること ただし 合理的な理由がある場合には省略することができる 2 製法に由来する微量混在物に対する免疫反応が起こる可能性が考えられるので ラジオイムノアッセイ又はエンザイムイムノアッセイなどの方法を用いて検討すること この場合 その試験法の検出感度を明らかにしておくこと 4 発熱性物質試験

ウサギを用いる発熱性物質試験及びリムラステストによつて検討すること なお これ以外にも発熱性物質を検出するための他の試験法を検討することが望ましい ホ薬理作用について一般の新医薬品と同様に検討すること ただし 組換え医薬品の有効成分のアミノ酸配列が生体由来成分のものと全く同一であり かつ その成分が既に薬理学的に研究されているものであれば 次の試験を除き省略することは差し支えない 1 生体由来の同種の医薬品との比較を含めた基本的な効力薬理試験 2 必要な場合には 生体由来の同種の医薬品との高次構造の同等性の証明を含めて 次の性質を確認する試験 1 レセプターとの結合性 結合状態及び結合親和力 2 各種標的細胞がある場合には それに及ぼす生物効果ヘ吸収 分布 代謝及び排泄について一般の医薬品と同様に検討すること ト臨床試験について第 Ⅰ 相 第 Ⅱ 相及び第 Ⅲ 相と段階的に慎重に行い 有効性及び安全性について 精密かつ客観的な考察を行うこと 組換え医薬品については 特に次の項目について 詳細に検討すること 1 局所的及び全身的アレルギー 2 抗体産生 ( 有効成分に対する抗体及び宿主の抗原と反応するような抗体 ) 3 投与部位の変化 4 循環抗体との相互作用による薬物動態の変化 5 発熱性なお 既に生体由来のものが臨床の場に提供されている場合には 生体由来のものを用いている患者と組換え医薬品を用いている患者について 抗体の推移 作用の変動などを観察し 比較考察するほか 予測される治療期間 患者数などを考慮し 必要に応じて精密かつ客観的な比較試験を行うこと