認知症初期症状 11 質問票 介護者記入 記入日 : 年 月 日 患者様お名前 ID 記入者お名前 関係 記入方法家族等 家族等から聞き書き 最近 1 か月の状態について 日々の生活の様子から判断して, あてはまるものに を付けてください ( ただし 原因が痛みなど身体にあるものは除きます ) 同じことを何回も話したり 尋ねたりする出来事の前後関係がわからなくなった服装など身の回りに無頓着になった水道栓やドアを閉め忘れたり 後かたづけがきちんとできなくなった同時に二つの作業を行うと 一つを忘れる薬を管理してきちんと内服することができなくなった以前はてきぱきできた家事や作業に手間取るようになった計画を立てられなくなった複雑な話を理解できない興味が薄れ 意欲がなくなり 趣味活動などを止めてしまった前よりも怒りっぽくなったり 疑い深くなった認知症初期症状 11 質問票合計項目数 次の 2 項目も あてはまるものに をつけてください 被害妄想 ( お金を取られる ) がありますか幻視 ( ないものが見える ) がありますか
質問票 本人記入 記入日 : 年月日 お名前 ID: 記入方法ご本人記入 聞き書き 最近ご自身の 1 か月の状態について あてはまるものに を付けてください ( ただし 原因が痛みなど身体にあるものは除きます ) 同じことを何回も話したり 尋ねたりする 出来事の前後関係がわからなくなった 服装など身の回りに無頓着になった 水道栓やドアを閉め忘れたり 後かたづけがきちんとできなくなった 同時に二つの作業を行うと 一つを忘れる 薬を管理してきちんと内服することができなくなった 以前はてきぱきできた家事や作業に手間取るようになった 計画を立てられなくなった 複雑な話を理解できない 興味が薄れ 意欲がなくなり 趣味活動などを止めてしまった 前よりも怒りっぽくなったり 疑い深くなった 合計項目数
認知症初期症状 11 項目質問票 < スクリーニング & 病識評価 > 手引き Symptoms of Early Dementia-11 Questionnaire (SED-11Q) 認知症のスクリーニング目的 : 当質問紙は 認知症の診察の必要性の目安として用います 記入 : 介護者などが 対象者の最近 1か月の状態について 日々の生活の様子から判断して あてはまるものに を付けます ( ただし 原因が痛みなど身体にあるものは除きます ) 記入は 同居の方など 対象者の生活状況を良く知っている方にお願いします 認知症を発症すると 病識が低下するので 本人記入では認知症スクリーニングの評価ができません ある もしくは ない のいずれかで記入し ある の合計数を点数とします どちらともいえない場合は 不明ではなく なるべく ある か ない で記入してもらいます 判断基準 : 医療機関では 11 項目中 3 項目以上で認知症を強く疑います 地域での認知症スクリーニングでは 11 項目中 4 項目以上で受診を勧めます 質問票の下方部分の 2 項目 :1もの盗られ妄想などの妄想や 2 幻視 幻聴がある場合には 11 項目部分の陽性項目数にかかわらず 受診 精査を勧めます 解説 :ROC カーブの area under curve は 0.932 (95% 信頼区間 0.903-0.979) と良好で 2/3 のカッカットオフトオフ値では 感度が 84% 特異度が 90%, とな 2/3 ります 統計的に最適なカットオフ値は 2/3 で 感診療ではこのカットオフ値を 認知症の詳しい検度カットオフ査に進む目安とすることが出来ます 地域で認知 3/4 症のスクリーニングに用いる場合は 3/4 のカットオフ値を用いることが推奨されます この場合 感度は 76% と下がりますが 特異度が 96% となります 地域では 見過ぎ の擬陽性の危険を少なくするために 高い特異度が優先されます 病識チェック目的 : 介護者用 (11+2 項目 ) に加えて 本人用 (11 項目 ) があり 両者に記入してもらい 比較することで 病識をチェックできます 解説 : 軽度認知障害 (MCI) では差があまりありませんが 軽度アルツハイマー型認知症では本人評価が有意に低くなり 中度まで進むと できないことが増えるのに本人評価はさらに少なくなります ( 自己の能力を過大評価する ) この結果を介護者に見せて 本人の自覚が低いことを理解してもらい 叱らないように指導することで BPSD を予防しましょう なお うつだと本人評かが増えます 1- 特異度図 1 ROC 曲線 文献 :Maki Y, Yamaguchi T, Yamaguchi H: Symptoms of Early Dementia-11 Questionnaire (SED-11Q): A brief informant-based screening for dementia. Dement Geriatr Cogn Disord Extra 3: 131-142, 2013 (DOI:10.1159/000350460) Maki Y, Yamaguchi T, Yamaguchi H. Evaluation of Anosognosia in Alzheimer's Disease Using the Symptoms of Early Dementia-11 Questionnaire (SED-11Q). Dement Geriatr Cogn Dis Extra 3(1):351-359, 2013. doi: 10.1159/000355367. `F bnレ図 2 SED-11Qを用いた病識の評価 (*** p<0.001) 介護者 患者 MCI 軽度 AD 中等度 AD
患者様お名前 記入日 : 年 月 日 記入者お名前 患者様との関係 ご本人の日々の生活の様子から あてはまるものに を付けてください しっかりしていて 一人暮らしをするに 手助けはほぼ不要買い物に行けば 必要なものを必要なだけ買える MCI & NC 薬を自分で管理して飲む能力が保たれているこの1 週間 ~ 数か月の間に症状が急に進んでいる Delirium お金など大切なものが見つからないと 盗られたと言う最初の症状は物忘れだ物忘れが主な症状だ置き忘れやしまい忘れが目立つ ADD 日時がわからなくなったできないことに言い訳をする他人の前では取り繕う頭がはっきりとしている時と そうでない時の差が激しい実際には居ない人や動物や物が見える見えたものに対して 話しかける 追い払うなど反応する誰かが家の中に居るという介護者など身近な人を別人と間違える DLB & 小股で歩く PDD 睡眠中に大声や異常な行動をとる失神 ( 短時間気を失う ) や立ちくらみがある転倒する便秘がある動作が緩慢になった悲観的であるやる気がないしゃべるのが遅く 言葉が不明瞭 VD 手足に麻痺がある飲み込みにくく むせることがある感情がもろくなった ( 涙もろい ) 思考が鈍く 返答が遅い最近嗜好の変化があり 甘いものが好きになった以前よりも怒りっぽくなった同じ経路でぐるぐると歩き回ることがある我慢できす 些細なことで激高する些細なことで いきなり怒り出す FTD-bv こだわりがある または まとめ買いをする (Fr-ADD) 決まった時間に決まったことをしないと気が済まないコロコロと気が変わりやすい店からものを持ち去る ( 万引き ) などの反社会的行動があるじっとしていられない akathisia 尿失禁があるボーッとしている NPH 摺り足で歩く言葉が減った Aphasia ものの名前が出ない
山口晴保研究室版 認知症タイプ分類質問票解説 2014.10.30 この質問票は これだけで鑑別診断を行うものではありません 生活状況を判っている介護者が記入することで アルツハイマー型認知症以外の認知症に気付くきっかけになることを目的にしています 認知症かどうかの判別には 認知症初期症状 11 項目質問票 (SED-11Q) をお使いください この質問票は SED-11Qを併用することを前提に作られています SED-11Qも山口晴保研究室のホームページからダウンロードできます 診察で使う場合は 稀なタイプを見落とさないことに役立ちます チェックがついたタイプを疑うための質問票です 各タイプの確定診断には より詳しい聞き取りや診察が必要です 薬物療法では 前頭葉症状 (FTD) にチェックがつけば アセチルコリンを増やす薬剤の投与で易怒性などが悪化するので注意が必要です レビー小体型認知症 (DLB) らしさがある場合は 薬剤過敏性に注意が必要です やる気のなさ ( アパシー ; アセチルコリンやドパミンを増やす薬剤 ) とうつ ( 悲観的 ; 抗うつ薬 ) を区別して 適切な薬剤を選んでください 介護施設で利用する場合は 各種疾患の特徴を捉えて ケアに活かしてください 略語の解説 NC MCI Delirium ADD DLB PDD VD FTD-bv Fr-ADD akathisia NPH Aphasia 健常者軽度認知障害 (Mild cognitive impairment) せん妄 : 意識障害の一種で 症状が変動アルツハイマー型認知症 (Alzheimer disease dementia) レビー小体型認知症 (Dementia with Levy bodies) パーキンソン病に伴う認知症 (Parkinson disease dementia) 脳血管性認知症 (Vascular dementia) 前頭側頭型認知症 (Frontotemporal dementia)- 行動バリアント前頭葉症状の強いアルツハイマー型認知症 (Alzheimer disease dementia) 正座不能症状 ( じっとしていると足がむずむずするなど ) 薬の副作用正常圧水頭症 (Normal pressure hydrocephalus) 失語症 ( 失語症が主症状の意味性認知症など ) 山口晴保研究室ホームページ :http://orahoo.com/yamaguchi-h/ 各種評価用紙や論文のダウンロードができます