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ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

保健機能食品制度 特定保健用食品 には その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をすることができる 栄養機能食品 には 栄養成分の機能の表示をすることができる 食品 医薬品 健康食品 栄養機能食品 栄養成分の機能の表示ができる ( 例 ) カルシウムは骨や歯の形成に 特別用途食品 特定保健用

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診療ガイドライン : ホモシスチン尿症 ( シスタチオニン β 合成酵素欠損症 ) 1, 疾患概要 ホモシスチン尿症は先天性アミノ酸代謝異常症の一種であり メチオニンの代謝産物であるホモシステインが血中に蓄積することにより発症する ホモシステインの重合体がホモシスチンである ホモシステインはチオール基を介し 生体内の種々のタンパクとも結合する その過程で生成されるスーパーオキサイドなどにより血管内皮細胞障害などをきたすと考えられている 狭義のホモシスチン尿症はシスタチオニン β 合成酵素 (CBS) 欠損症を指す 1), 2), 3) CBS はホモシステインからシスチンを合成する径路の入り口に位置し CBS の活性低下によりホモシステインが蓄積する またホモシステイン代謝のもう一つの径路は再メチル化によるメチオニン合成であり 新生児マススクリーニングではメチオニンを指標として CBS 欠損症をスクリーニングしている CBS はビタミン B6 を補酵素とする CBS 欠損症には大量のビタミン B6 投与により血中メチオニン ホモシステインが低下するタイプが知られている ( ビタミン B6 反応型 ) 白人ではビタミン B6 反応型が半数を占めるが 1) 日本人では稀である 6),7) 疫学 : 本邦での患者発見頻度は約 1/80 万とされる 2, 臨床病型 1 慢性進行型無治療の場合 およびコントロール不良の場合には 成長に伴い中枢神経障害や骨格異

常 眼症状 血管系障害を発症してくる 3, 主要症状と臨床所見無治療 ( およびコントロール不良 ) の場合には 以下の症状を呈する 1 中枢神経系異常 : 知的障害 てんかん 精神症状 ( パーソナリティ障害 不安 抑うつなど ) 2 骨格異常 : 骨粗鬆症や高身長 クモ状指 側弯症 鳩胸 凹足 外反膝 ( マルファン症候群様体型 ) 3 眼症状 : 水晶体亜脱臼に起因する近視 ( 無治療の場合には 10 歳までに 80% 以上の症例で水晶体亜脱臼を呈する 4) ) 緑内障 4 血管系障害 : 冠動脈血栓症 肺塞栓 脳血栓塞栓症血栓症は一般に思春期以降に起こり 生命予後を規定する因子となるため 5) 治療は一生涯を通じて行う必要がある 4, 参考となる検査所見 1 一般血液 尿検査一般検査において特徴的な所見を認めない 2 画像検査脳血栓塞栓症などの際には 梗塞所見が認められる 5. 診断の根拠となる特殊検査 1 血中メチオニン高値 *:1.2 mg/dl (80μmol/L) 以上 [ 基準値 :0.3-0.6 mg/dl (20-40μmol/L)] 2 高ホモシステイン血症 *:60 μmol/l 以上 ( 基準値 :15μmol/L 以下 ) 3 尿中ホモシスチン排泄 * ( 基準値 : 検出されない ) 4シスタチオニンβ 合成酵素 (CBS) 活性低下 **: 線維芽細胞 リンパ芽球 5 遺伝子解析 **:CBS 遺伝子の両アレルに病因として妥当な変異を認める 6. 診断基準 1 疑診例疑診にあたるものはない 2 確定診断例診断の根拠となる特殊検査の 1および2 を確定例とする また4もしくは5でも確定診断できる

3 鑑別診断 1) 高メチオニン血症をきたす疾患 (1) メチオニンアデノシル転移酵素 (MAT) 欠損症血中ホモシステインは正常から軽度高値 (60 μmol/l 以下 ) (2) シトリン欠損症 ( 別項参照 ) 血中メチオニン高値は一過性 (3) 新生児肝炎等の肝機能異常血中メチオニン高値は一過性 2) 高ホモシステイン血症 ( 広義の ホモシスチン尿症 ) をきたす疾患 (1) メチオニン合成酵素欠損症血中メチオニンは低値 (2) メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素 (MTHFR) 欠損症血中メチオニンは低値 (3) ホモシスチン尿症を伴うメチルマロン酸血症 ( コバラミン代謝異常症 C 型など ) 血中メチオニンは低値 尿中にメチルマロン酸の排泄 7. 新生児マス スクリーニングにて本症を疑われた場合の対応 1 診断までの流れメチオニン高値 [1.0 1.2 mg/dl (67 80 μmol/l): スクリーニングのカットオフ値は施設ごとに若干の違いがある ] を以ってスクリーニングされる 新生児マス スクリーニングでの発見時には前述の症状はみとめられない 一般生化学検査に加え 以下の検査を実施して診断をすすめる 血中アミノ酸分析* 血中メチオニン高値 :1.2 mg/dl (80 μmol/l) 以上 [ 基準値 :0.3-0.6 mg/dl (20-40μmol/L)] 血中総ホモシステイン* 60 μmol/l 以上 ( 基準値 :15μmol/L 以下 ) 尿中アミノ酸分析* ホモシスチン排泄 ( 基準値 : 検出されない ) 並行して下記の高メチオニン血症をきたす疾患を鑑別する MAT 欠損症 : 血中ホモシステインは正常から軽度高値 (60 μmol/l 以下 ) 8),9) 8) シトリン欠損症: 血中メチオニン高値は一過性 新生児肝炎等の肝機能異常: 血中メチオニン高値は一過性 血中メチオニン高値:1.2 mg/dl (80 μmol/l) 以上 および 血中総ホモシステイン : 60 μmol/l 以上 を満たせば CBS 欠損症と確定してよい 血中ホモシステインが やや高値 であるため メチオニンアデノシル転移酵素欠損症などとの鑑別が困難な場合には

酵素診断 ( 線維芽細胞やリンパ芽球での CBS 活性低下の証明 ) もしくは遺伝子診断 (CBS 遺伝 子解析の両アレルに病因として妥当な変異を認める ) の実施を考慮する 3 治療 1) メチオニン制限食 ( 推奨度 B) 治療は血中ホモシステイン値の低下を主眼とする 食事療法としてメチオニン摂取制限を実施し 血中メチオニン濃度を 1 mg/dl (67 μ mol/l) 以下に保つようにする ( 資料 1 10) ) 血中総ホモシステインを指標とした治療基準としては 20 μmol/l 以下 : 良好 50 μmol/l 以下 : やや良好 とするものが提案されている 11) 新生児 乳児期には許容量かつ必要量のメチオニンを母乳 一般粉乳 離乳食などより摂取し 不足分のカロリー 窒素源などは治療乳 雪印メチオニン除去粉乳 (S26) ( 特殊ミルク事務局に申請して入手 ) から補給する 幼年期以降の献立は 食事療法ガイドブック ( 特殊ミルク共同安全開発委員会編 ) ( 非売品 特殊ミルク事務局に申請して入手 ) を参考にする 2)L-シスチン補充 ( 推奨度 B) ホモシステインの下流にある L-シスチンを補充する前述の雪印メチオニン除去粉乳 (S26) には L-シスチンが添加されている L-シスチン ( 各種市販品 ) を併用することもある 3) ピリドキシン * の大量投与 ( 推奨度 B) ビタミン B6 反応型においてはピリドキシンの大量投与 (30~40 mg/kg/day) を併用する 1), 5) ビタミン B6 反応型ではピリドキシン投与で 食事療法の緩和が可能であることが多い 反応型か否かの確認には ホモシスチン尿症の確定診断後 まず低メチオニン 高シスチン食事療法を行い 生後 6 ヵ月時に普通食にした後 ピリドキシン 40 mg/kg/ 日を 10 日間経口投与し 血中メチオニン ホモシスチン値の低下を検討する 反応があれば投与量を漸減し 有効な最小必要量を定め継続投与する 反応がなければ食事療法を再開し 体重が 12.5 kg に達する 2~3 歳時に再度ピリドキシン 500 mg/ 日の経口投与を 10 日間試みる ( 資料 2 12) ) 10) 1977 年に発表されたホモシスチン尿症の暫定治療指針では 確定診断後に500mg/ 日の投与により反応型か否かを判定することとなっていた しかしながら新生児期ないし乳児期前半に行ったビタミンB6 大量投与後に急性呼吸不全 筋緊張低下 意識障害 肝障害などの重篤な症状を呈した症例が認められた症例があったため 13) 前段落のように実施時期を遅らせることとなった経緯がある ただしこの時期の施行であっても慎重に実施する必要がある また長期大量投与例で末梢神経障害の報告があり 1000 mg/day 以上 ( 成人 ) ではそのリ

スクが高いとされる 4) ベタイン ( サイスタダン R )( 推奨度 B) 年長児においてはベタインが併用されることが多い 5), 14), 15) ベタイン内服によりホモシステインの再メチル化を促進しメチオニンに代謝することとで 結果としてホモシステインを低下させることができる ( この場合 血中メチオニン値は上昇するためコントロールの基準はホモシステイン値を使用する ) 投与量は 11 歳以上には 1 回 3 g 11 歳未満には 1 回 50 mg/kg を 1 日 2 回経口投与し 適宜増減する ベタイン投与のみでホモシステイン値をコントロールすることは多くの場合困難であり 16) 食事療法との併用が必要である 17) ベタイン療法中に脳浮腫をきたした症例が報告されている 高メチオニン血症がその原因として推察されているため ベタイン投与中のメチオニン値は 15 mg/dl (1000 μmol/l) 以下にすることとされている 18), 19) 葉酸* ビタミン B12*( 推奨度 C) 血中葉酸 ビタミン B12 値が低い場合には 適宜補充する 8. 遅発例への対応 新生児マス スクリーニング時に ミルクの摂取が不十分であったことなどから血中メチオニン値が基準値以下となり ( マス スクリーニングすり抜け例 ) 学童 思春期以降に下記の症状から診断される例がある ( その意味においては 遅発例 と表現するよりは 自然経過例 と解釈すべきものである ) また未実施例 ( 本邦での 1970 年代以前の出生例 マス スクリーニングを実施していない地域での出生例 ) にも注意が必要である 21), 22) 1 水晶体亜脱臼 マルファン症候群様体型にて本症を疑われた場合の対応以下の可能性を考えて鑑別を行う 20) マルファン症候群 CBS 欠損症 CBS 欠損症以外のホモシスチン尿症 1) メチオニン合成酵素欠損症 : 血中メチオニンは低値 2) メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素 (MTHFR) 欠損症 : 血中メチオニンは低値 23) 3) ホモシスチン尿症を伴うメチルマロン酸血症 ( コバラミン代謝異常症 C 型など ): 血中メチオニンは低値 尿中にメチルマロン酸の排泄マルファン症候群の診断基準にある診察 画像診断に加え 血中アミノ酸分析 血中総ホモシステイン 尿中アミノ酸分析 尿中有機酸分析 を実施する 知的障害などの症状がある場合には CBS 欠損症 ( およびそれ以外のホモシスチン尿症 )

を念頭において 上述の検査を実施する この場合も 血中メチオニン高値 :1.2 mg/dl (80 μmol/l) 以上 および 血中総ホモシステイン :60 μmol/l 以上 を満たせば CBS 欠損症と確定してよい 治療については 7-3と同様に実施する 2 若年性脳梗塞などにて本症を疑われた場合の診療ガイドライン不整脈 ( 心房細動など ) 血管奇形( 脳動脈瘤 モヤモヤ病 ) 血管炎 抗リン脂質抗体症候群などの鑑別疾患に CBS 欠損症 ( マス スクリーニング見落とし例 実施されていな 11) かった例 ) CBS 欠損症以外のホモシスチン尿症を加え 血中アミノ酸分析 血中総ホモシステイン 尿中アミノ酸分析 尿中有機酸分析 を実施する 知的障害 水晶体亜脱臼 マルファン様体型などの症状を認める場合には CBS 欠損症 ( およびそれ以外のホモシスチン尿症 ) を念頭において 上述の検査を実施する この場合も 血中メチオニン高値:1.2 mg/dl (80 μmol/l) 以上 および 血中総ホモシステイン : 60 μmol/l 以上 を満たせば CBS 欠損症と確定してよい 治療については 5-2) と同様に実施する 9. 確定診断後のフォローアップ指針 1 一般的評価と栄養学的評価 ( 推奨度 B) 評価は初期には月 1 回以上 状態が安定すれば最低 3 か月に 1 回は行う 身長 体重測定 血漿アミノ酸分析 血漿総ホモシステイン 末梢血液像 一般的な血液生化学検査項目 その他: 上記以外の栄養学的評価に関係する骨代謝を含めた一般的項目も 病歴 食事摂取 身体発育に鑑みて適宜測定する 2 神経学的評価 ( 推奨度 C) 発達チェック: 年 1 回程度 頭部 MRI の評価 :1 回 /1-3 年程度 脳梗塞症状を呈した場合には適時 てんかん合併時: 脳波検査も年 1 回程度行う 10. 成人期の患者の課題 1 治療の継続 7-3の治療は一生涯を通じて行う必要がある フェニルケトン尿症の治療とは違い 年齢により治療維持目標値が変わることはない 若年成人以降では血栓予防のためアスピリン * ジピリダモール* の投与がなされているが 長期的効果に関しては評価が定まっていない ( 推奨度 C)

2 妊娠と出産成人女性において妊娠 出産は血栓症発症のリスクが高い 低容量アスピリンの妊娠期を通した内服および妊娠第 3 期から出産後 6 週間の低分子ヘパリン投与による血栓予防 ** が提案されている 24), 25) ( 推奨度 C) 4 医療費の問題本疾患の罹患者は 低タンパク食品の購入 ベタイン服用 定期的な検査など 成人期にも少なからぬ額の支出を強いられる可能性が高い 小児期に引き続いて十分な医療が不安なく受けられるよう 費用の公的補助が強く望まれる

10) 資料 1 暫定的治療指針 メチオニン (mg/kg/day) シスチン (mg/kg/day) O~6 ヵ月 40 150 6 ヵ月 ~1 歳 20 150 1 歳以後 10~15 150 上記の摂取メチオニン シスチン量を一応の目安として食事療法を開始し 空腹時血中メチオニン量が 1.0 mg%[ 注 :1 mg/dl ( 67 μmol/l) を指す ] 以下に保たれるよう摂取メチオニン量を定める 維持量は症例により個体差があるので 特に治療開始 1 ヵ月間はできるだけ頻回に血中メチオニン値を測定し さらに臨床症状 体重増加 血清蛋白値 血色素値に留意する 治療開始 1ヵ月以後も週 1 回程度血申メチオニン値を測定しながら治療を続けることが望ましい 特に治療開始 1~2 ヵ月間は専門病院に入院して治療方針を確立することが必要である 蛋白源は低メチオニン 高シスチン乳 [ 注 : 現在これに対応した特殊ミルクは雪印メチオニン除去粉乳 (S26) のみ ] を基本とし 不足分のメチオニンは自然蛋白 ( 一般粉乳 牛乳ないし一般食品 ) の形で補給する 定期的に身体発育値 DQ IQ 肝機能 血小板粘着度 脳波 眼科所見 ( 水晶体偏位 ) 等を観察しながら治療を続ける 資料 2 ホモシスチン尿症の治療指針の一部改定 ( ホモシスチン尿症の治療に関するお知らせ ) 12) 新生児マス スクリーニングで発見され ホモシスチン尿症の確定診断後 まず低メチオニン 高シスチン食事療法を行い 生後 6 ヵ月時に入院させて普通食にした後 ピリドキシン 40 mg/kg/ 日を 10 日間経口投与し 血中メチオニン ホモシスチン値の低下を調べ 反応があれば投与量を漸減し 有効な最小必要量を定め継続投与する 反応がなければピリドキシンを一旦中止して 食事療法を再開する 体重が 12.5kg に達する 2~3 歳児に入院させて普通食にした後 ピリドキシン 500 mg/ 日の経口投与を 10 日間試み 反応の有無を再度確認する また ピリドキシン継続投与中は 定期的に末梢神経伝導速度など 末梢神経機能の電気生理学的検査によってニューロパチー発症の早期発見に努める

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