新有効成分含有医薬品の安定性試験データの評価

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1 統計 D 部会資料 新有効成分含有医薬品の安定性試験データの評価 - リテスト期間及び有効期間設定のための試験デザインと統計的推定法 - 平成 7 年 3 月 日本製薬工業協会 医薬品評価委員会統計 D 部会 発行医薬出版センター

2 新有効成分含有医薬品の安定性試験データの評価 -リテスト期間及び有効期間設定のための試験デザインと統計的推定法- 統計 D 部会タスクフォース 8 資料作成者 浅原初木竹内久朗堀進太郎夜久晃治濱地洋三渡邉一彦タスクフォース 8 リーダー統計 D 部会副部会長 ファイザー株式会社三菱ウェルファーマ株式会社ワイス株式会社田辺製薬株式会社アベンティスファーマ株式会社 平成 5 年 6 月 アベンティスファーマ株式会社 平成 5 年 7 月 上坂浩之日本イーライリリー株式会社 監修 統計 D 部会部会長 前田 博 藤沢薬品工業株式会社 同 副部会長 東宮秀夫 住友製薬株式会社 同 副部会長 酒井弘憲 三菱ウェルファーマ株式会社 以上の資料作成に当たり 医薬品評価委員会魚井委員長ならびに本資料の査読を実施頂いた査読担当の諸氏に感謝致します

3 謝辞 本稿で参照したガイドラインの解釈に関して IH の専門家会議委員である国立医薬品食品衛生研究所薬品部吉岡澄江室長ならびにノバルティスファーマ株式会社麻生伸一郎氏にご教示いただきました 厚くお礼申し上げます

4 目次 緒言.... 新有効成分含有医薬品の承認申請における安定性試験 はじめに 有効成分含有医薬品の安定性試験ガイドライン QR の概略 ロットの選択... 容器施栓系..3. 規格..4. 測定時期..5. 保存条件..7. コミットメントロットによる安定性試験..8. 安定性試験結果の評価. 安定性試験のデザイン..... はじめに..... 全数試験 減数試験 ブラケッティング法.4. まとめ 安定性データの評価 はじめに 安定性データの評価に関するガイドライン QE の概略 安定性データ及び評価結果の申請資料への記載 外挿 安定性データの評価の流れ 室温 保存の原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間設定のための評価 冷蔵庫保存の原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間設定のための評価 冷凍庫保存の原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間設定のための評価 以下で保存される原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間設定のための評価 4. 標準的な統計的推定法 はじめに 単一ロットのデータ解析 単一因子のデータ解析 回帰分析 リテスト期間又は有効期間の推定値が提示するリテスト期間又は有効期間を支持するか否かの判断 いずれかのロットのリテスト期間又は有効期間の推定値が提示するリテスト期間又は有効期間を支持しない場合 共分散分析の実施 最減数モデルの 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間の算出

5 最減数モデルに基づいて得られた期間が提示する有効期間を支持するか否かの判定 単一因子のデータ解析結果 4.4. 複数因子のデータ解析の手順 - 複数の包装形態がある場合 包装形態毎の有効期間 いずれかの包装形態のデータが提示する有効期間を支持しないとき 共分散分析の実施 最減数モデルの 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間の算出 最減数モデルに基づいて得られた期間が提示する有効期間を支持するか否かの判定 複数因子のデータ解析結果 - 複数の包装形態がある場合 4.5. 複数因子のデータ解析の手順 - 複数の含量がある場合 含量毎の有効期間 いずれかの含量のデータが提示する有効期間を支持しないとき 共分散分析の実施 最減数モデルの 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間の算出 最減数モデルに基づいて得られた期間が提示する有効期間を支持するか否かの判定 複数因子のデータ解析結果 - 複数の含量がある場合 4.6. 複数因子のデータ解析の手順 - 複数の包装形態及び複数の含量がある場合 包装形態と含量の水準組み合わせ毎の有効期間 水準組み合わせのいずれかが提示する有効期間を支持しなかった場合 共分散分析の実施 最減数モデルの 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間の算出 最減数モデルに基づいて得られた期間が提示する有効期間を支持するか否かの判定 複数因子のデータ解析結果 - 複数の包装形態及び複数の含量がある場合 5. 統計的推定法の実際 はじめに 単一ロットの場合のリテスト期間又は有効期間の推定 回帰分析 5... リテスト期間又は有効期間の推定 5.3. 複数ロットの場合のリテスト期間又は有効期間の推定 ロット毎のリテスト期間又は有効期間の推定 ロットの一括評価に関する検定とモデル分類 共分散分析とリテスト期間又は有効期間の推定 5.4. 行列による表現 回帰モデル リテスト期間又は有効期間の推定 共分散分析モデル 6. 統計的推測の基礎 はじめに 共分散分析モデル... 84

6 6... 一般的な多クラスモデル 6... 実験因子が包装形態である場合 実験因子が含量である場合 実験因子として含量と包装形態の 因子がある場合 6.3. 線形モデルの推測理論 共分散分析への応用 多クラスモデルの解析 傾きが共通の多クラスモデル 傾きと切片が共通の多クラスモデル 多クラスモデルにおける分散分析表 切片が共通の多クラスモデル 6.5. 安定性試験への応用 複数の包装形態がある試験の解析 複数の含量がある試験の解析 複数含量及び複数の包装形態を含む試験の解析 7. 安定性試験の統計的方法に関する論点及び他の方法 QE で推奨している統計的方法の特徴 母数モデルと変量モデル 7... 一括評価に関する検定の問題 入れ子構造と交差構造 共通分散 一括評価のための検定を進める順序 7.. その他の方法 多重比較方式による有効期間の設定 7... 同等性基準に基づく併合 用語集... 9

7 緒言日米 EU 医薬品規制調和国際会議 IH;Itratoal ofr o Harmozato of Thal Rqurmts for Rgstrato of Pharmautals for Huma Us の場において 品質 安全性 有効性に関する多くのガイドラインが調和されてきた 安定性試験に関するガイドラインについては 安定性試験ガイドライン QR 平成 5 年 6 月 3 日医薬審発第 63 号医薬局審査管理課長通知 を親ガイドラインとし 他に QB Q QD QE QF 及び Q5 ガイドラインが作成されてきた 親ガイドラインには EU 日本及び米国 3 極内において新有効成分含有医薬品の原薬及び製剤の承認申請を行うときに必要な安定性試験成績の主要部分が示されている しかし 安定性試験データの評価及び統計解析に関する指針については 簡略に記載されているにすぎず その適用範囲も限られ また複数の因子が含まれる場合の全数試験や減数試験については記載されていない 本書で取り扱うガイドライン 安定性データの評価に関するガイドライン QE 平成 5 年 6 月 3 日医薬審発第 634 号医薬局審査管理課長通知 は その目的の項に 親ガイドラインに記載された原理に従って得られた安定性データを承認申請においてどのように利用してリテスト期間又は有効期間を提示したらよいかを示したものである 本ガイドラインには 長期保存条件での安定性試験により得られたデータ 以下 長期データという がカバーする期間を超えた原薬のリテスト期間又は製剤の有効期間を提示する場合に どのような状況で またどの程度まで外挿することができるかを記載する とあるように 親ガイドラインの拡大版として作成された しかし QE ガイドラインの記載から 安定性試験の実施者 品質関連部門の担当者 が 長期データでカバーする期間を超えて原薬のリテスト期間又は製剤の有効期間を提示するために 実際の安定性試験データをどのような統計モデルに基づいて評価するのか理解するのが難しいように考えられた このため 日本製薬工業協会医薬品評価委員会統計 D 部会は 安定性試験の統計的方法タスクフォース を 年 9 月に発足させ検討を開始した 本書はこれまで当タスクフォースで QE ガイドライン及び関連する IH ガイドラインや文献について検討を重ねた事柄をまとめたものである 安定性試験の実施者のみならず 統計解析の専門家においても 実際の長期データをどのような統計モデルに基づいて解析していくかをわかりやすくイメージできるよう解説を試みた 第 章では 親ガイドラインの要件に従って得られた安定性データを利用して 承認申請時に QE ガイドラインに基づいてどのようにリテスト期間又は有効期間を提示したらよいかを正しく理解するために また 安定性試験の概略を理解できるように親ガイドラインの全般を要約する 章では 親ガイドライン及び QD にしたがい 長期データを得るための安定性試験のデザインを全数試験及び減数試験 ブラケッティング法及びマトリキシング法 に分けて例示する 3 章では 本書で取り QB Q QD QE QF 及び Q5 ガイドライン ; 章表. 参照

8 扱う QE ガイドラインの概略及び留意点に当タスクフォースの見解を加えて解説し 4 章では 品質関連部門の担当者及び分散分析や共分散分析の基礎を理解している研究者向けに QE ガイドラインの概念に基づき外挿によりリテスト期間又は有効期間を提示する際の統計解析の進め方について解説する 5 章では QE ガイドラインの概念に基づくリテスト期間又は有効期間の統計的推定について 品質関連部門の担当者が自ら計算過程を確認しながら統計的推定が理解できるよう数値例を用いながら計算過程を解説する 6 章では 統計解析の専門家向けに 安定性試験の解析で用いられる共分散分析の数理的な基礎を解説する 7 章では QE ガイドラインに基づく統計解析によりリテスト期間又は有効期間を推定する際の統計的観点からの問題点及び QE ガイドラインの参考文献の中に記載されていた解析方法について述べる 本書は 各製薬企業において統計解析及び品質 ; hmstry aufaturg ad otrol を専門とする委員より構成されるタスクフォースにて協議し 作成したものである したがって 本書は QE ガイドラインに示されている解析手順に基づき当タスクフォースにて解釈した方法を例示したものであり 現在 提案されているすべての方法を取り扱っているわけではない また本書は解析方法を中心に解説しており 試験デザインの選択の統計的側面は扱っていないため 繰り返し数やマトリキシングデザインにおける省略の仕方等については 予備安定性試験の結果や品質試験の分析精度等を考慮し 試験開始前に統計解析の専門家を含めて検討することが望ましい 著者一同 安定性試験の実施者及び統計解析担当者に本書で示した例が役立つとともに 統計解析を行うことを念頭においた安定性試験計画を考える時の参考にして頂けることを願っている

9 . 新有効成分含有医薬品の承認申請における安定性試験.. はじめに医薬品の承認申請における安定性試験は 温度 湿度 光等の環境要因の影響下での品質の経時的変化を評価し 原薬のリテスト期間 製剤の有効期間及び医薬品の適切な保存条件の設定に必要な情報を得るために行う試験である 一般に 原薬及び製剤の安定性試験は 様々な予備安定性試験結果を含め開発初期の関連資料や製剤設計研究時のデータなどを考慮し その実施計画が立案される その安定性試験結果から導き出されるリテスト期間又は有効期間及び保存条件は その医薬品の有効性と安全性の確保を十分に考慮して流通期間内で一定の品質が保てるよう設定する必要がある したがって それらの設定根拠については 統計学的な考察を含め科学的に考察を行うべきである 表. に各種安定性試験ガイドラインの一覧を示す 表. 各種安定性試験ガイドライン IH コード ガイドラインの通知名 通知コード QR 安定性試験ガイドラインの改定について H5.6.3 医薬審発 63 号 QB 新原薬及び新製剤の光安定性ガイドラインに H9.5.8 薬審 4 号 ついて Q 新投与経路医薬品等の安定性試験成績の取扱 H9.5.8 薬審 45 号 いに関するガイドラインについて QD 原薬及び製剤の安定性試験へのブラケッティ H4.7.3 医薬審発 734 号 ング法及びマトリキシング法の適用について QE 安定性データの評価に関するガイドラインに H5.6.3 医薬審発 634 号 ついて QF 気候区域 Ⅲ 及びⅣにおける承認申請のための安定性試験成績に関するガイドラインについて H5.6.3 医薬審発 637 号 Q5 生物薬品 バイオテクノロジー応用製品 / 生物起源由来製品 の安定性試験について H..6 医薬審発 6.. 有効成分含有医薬品の安定性試験ガイドライン QR の概略本ガイドラインは IH において調和された 所謂 安定性試験の親ガイドラインで 新有効成分含有医薬品の原薬及び製剤の承認申請を行うときに必要な安定性試験成績を示したものであり 3 極のいずれか一地域で行われた安定性に関する試験成績は 原則として 他の二つの地域においても申請資料として使用できるものとされている 本ガイドラインの構成を表. に示す 本ガイドラインは大きく分けて. 序論. ガイドライン 及び 3. 用語集 から構成されており. ガイドライン は更に.. 原薬 と.. 製剤 からなり 各々に詳細な指針を与えている 3

10 表. 有効成分含有医薬品の安定性試験ガイドライン QR の構成. 序論.. 製剤.. ガイドラインの目的... 一般的事項.. ガイドラインの適用範囲... 光安定性試験.3. 一般原理..3. ロットの選択. ガイドライン..4. 容器施栓系.. 原薬..5. 規格... 一般的事項..6. 測定時期... 苛酷試験..7. 保存条件..3. ロットの選択..7. 一般的な製剤..4. 容器施栓系..7.. 不透過性の容器に包装された製剤..5. 規格 半透過性の容器に包装された製剤..6. 測定時期 冷蔵庫での保存の場合..7. 保存条件 冷凍庫での保存の場合..7.. 一般的な原薬 以下での保存の場合..7.. 冷蔵庫での保存の場合..8. 安定性試験の確認のための試験の実施 コミットメント 冷凍庫での保存の場合..9. 評価 以下での保存の場合... 取扱い上の注意 / 表示..8. 安定性試験の確認のための 3. 用語集 試験の実施 コミットメント..9. 評価... 取扱い上の注意 / 表示... ロットの選択安定性試験結果から導き出されたリテスト期間 巻末用語集参照 以下 用語集参照 と略す 有効期間 用語集参照 及び貯蔵方法は 将来にわたって製造される全てのその医薬品に適用され 設定されている規格値の範囲内であるという信頼性を確保しなければならない その意味においても ロットの選択は安定性試験を計画する上で 非常に重要な要素であると考えられ 使用される検体もロットを代表しているべきである 本ガイドラインでは 正式な安定性試験 用語集参照 は 3 ロット以上の基準ロットについて実施することとされている 原薬 用語集参照 における基準ロット 用語集参照 は パイロットスケール以上で製造されたロットとし 生産ロットで適用される最終的な方法を反映する製造方法及び製造工程で製造されたものとし 更にその品質は 実生産スケールで製造されたものの品質を反映するものである 製剤 用語集参照 における基準ロットは 市販予定製剤と同一処方 同一容器施栓系の包装で その製造工程は生産ロットで適用される方法を反映するものとし 更に市販予定製剤と同等な品質でかつ同じ品質規格を満たさなければならない 可能ならば 製剤の各ロッ 4

11 トは 異なる原薬ロットを使用して製造されることが望まれる 加えて QE では製造直後の含量が表示量の % に近いロットであることが望ましいとしている... 容器施栓系原薬における容器施栓系は 申請するものと同一のもの又はそれに準ずるものとされているが 製剤では申請する容器施栓系 用語集参照 で包装されたもので 必要ならば二次包装及び容器ラベルを含めるとされている また 製剤における容器施栓系とは 製剤を収容し保護する包装の構成要素全体を指し 主に直接容器を指すが 二次包装が機能を有する場合 遮光 防湿等 は 二次包装も含まれる..3. 規格安定性試験で採用される規格 用語集参照 つまり 測定項目 分析方法及び判定基準は 予め Q6 及び Q6B に基づき十分に検討されている必要がある 更に分解生成物の規格も同 Q3R 及び Q3BR に準拠し設定される必要がある 安定性試験における測定項目は 保存により影響を受け易く また 品質 安全性又は有効性に影響を与えるような項目を選択する必要がある 原薬の安定性試験では 物理的 化学的 生物学的及び微生物学的測定項目を適切に含めることとされている 一方 製剤の安定性試験では 上記の他に さらに保存剤含量 抗酸化剤 抗菌剤など 並びに機能性試験 製剤に特有の機能性に関する試験で 例えば 予め薬液を入れた注射筒や自己注射用カートリッジなどの操作性 圧力及び密閉性などの試験がある Q6 参照 も適切に設定する必要がある 但し保存剤の含量試験は 保存効力と保存剤の含量の相関関係が確認されている場合について保存効力試験の代替法として採用可能である その場合でも 一つの基準ロットの製剤につき 有効期間の最終時点において 保存剤含量試験に加え 保存効力試験を行う必要がある 測定方法は事前にバリデートされている必要があり 本ガイドラインでは 測定の繰り返しの必要性及び回数は バリデーション試験の結果に基づいて決定できると記載されている..4. 測定時期本ガイドラインで示されている測定時期は 原薬及び製剤とも安定性の特性を十分に把握できるように 長期保存試験 用語集参照 では 通常 年目は 3 箇月毎 年目は 6 箇月毎 その後はリテスト期間又は有効期間を通して 年毎とされている 加速試験 用語集参照 の測定時期は 試験開始時と終了時を含め 6 箇月の試験につき 3 回以上 3 6 箇月 行うことが望ましいとされている しかし 品質の変化が予め予想され 5

12 るような場合は 最初と最後を含めて 4 回以上の測定を行うか 或いは最終時点の検体数を増やして実施することになっている 更に加速試験において品質の明確な変化が示された時に実施する中間的試験 用語集参照 は 試験開始時と終了時を含め 箇月の試験につき 4 回以上 6 9 箇月 行うことが望ましいとされている..5. 保存条件一般的に安定性試験における保存条件は 熱安定性と必要ならば湿度に対する安定性が試験できる適切な条件下に保存し評価しなければならず その他に製剤では溶媒の損失の可能性も試験する必要がある つまり 保存条件及び試験期間の設定は 貯蔵 流通及びそれに続く使用を十分に考慮しなければならない 長期保存試験は 試験の途中であっても 箇月以上の試験成績をもって承認申請は可能であるが 申請されるリテスト期間又は有効期間を保証する十分な期間継続しなければならない また 加速試験又は必要に応じて実施された中間的試験は 輸送中に起こりうる貯蔵方法からの短期的な逸脱の影響を評価するために実施される試験であるという位置付けに留意しなければならない..5.. 一般的な原薬 / 製剤一般的な原薬及び製剤に求められている保存条件を表.3 に示す 表.3 一般的な原薬 / 製剤の保存条件 試験の種類 3 保存条件 申請時点での最小試験期間 長期保存試験 5 ± /6%RH±5%RH 又は 箇月 3 ± /65%RH±5%RH 中間的試験 3 ± /65%RH±5%RH 6 箇月 加速試験 4 ± /75%RH±5%RH 6 箇月 長期保存試験として 5 ± /6%RH±5%RH 又は 3 ± /65%RH±5%RH どちらの条件で行うかは 申請者が決定する 3 ± /65%RH±5%RH が長期保存条件の場合は 中間的条件はない 3 ただし RH は相対湿度 Rlatv Humdty を表す 6 箇月の加速試験のいずれかの時点において 明確な品質の変化 が認められた場合は 中間的な条件での追加の試験を実施しなければならない なお ここでいう 明確な品質の変化 は表.4 のように定義されている ただし QE では 加速条件において認められる以下のような物理的な変化の場合 その他の項目に 明確な品質の変化 がない限り 中間 6

13 的試験が要求される 明確な品質の変化 とはみなされない 融点が明確に示されている場合に 37 で溶けるよう設計された坐剤の軟化 明確な品質の変化 の原因が架橋によることが明らかである場合に ゼラチンカプセル又はゲルコーティング錠の 個に対して溶出が判定基準を満たさないこと しかし 加速条件での半固形製剤が相分離を起こす場合は 中間的試験を実施しなければならない 原薬製剤 表.4 原薬及び製剤における 明確な品質の変化 の定義規格からの逸脱が認められた場合. 試験開始時から含量が 5% 以上変化した場合 生物学的又は免疫学的方法を用いる時は 力価が判定基準から逸脱した場合. 特定の分解生成物が判定基準を超えた場合 3. 外観 物理的項目及び機能性試験が判定基準から逸脱した場合 例えば 色 相分離 再懸濁性 ケーキング 硬度 回当りの投与量 しかし 加速試験条件下では 物理的特性の変化 例えば 坐剤の軟化 クリームの融解 が予想されることもある さらに 剤形により必要に応じて 4. ph が判定基準を逸脱した場合 5. 溶出試験 投与単位 で判定基準を逸脱した場合..5.. 不透過性の容器に包装された製剤水分及び溶媒が透過しない不透過性の容器に入れられた液剤は 湿度に対する安定性や溶媒の損失の可能性についての検討は必要なく その安定性試験では相対湿度を調整する必要はない 半透過性の容器に包装された製剤半透過性の容器に入れられた水を基剤とする製剤については 物理的 化学的 生物学的及び微生物学的安定性に加えて予想される水分の損失についても評価しなければならず 表.5 に示すように その安定性試験における湿度条件が定められている 長期保存試験では 5 ± /4%RH±5%RH で 箇月 加速試験では 4 ± /5%RH 以下で 3 箇月間試験を行って その間に水分の損失が 5% を超えないことを示す必要がある 水分の損失以外の試験項目については加速試験を 6 箇月間行い 明確な品質の変化 を認める場合は 中間的試験を行わなければならない しかしながら 加速試験において 水分の損失のみに 明確な品質の変化 を認める場合は その中間的な試験は必要ないとされている この場合は 製剤を 5 ± /4%RH±5%RH の条件下に保存し 申請される有効期間を通じて水分の損失に係わる 明確な品質の変化 を認めないことを示さなければならな 7

14 い また 本ガイドラインでは 実際に低い相対湿度条件に製剤を保存して試験する方法の代わりに 通常の湿度条件で得られたデータから低い湿度条件に相当する水分損失を計算することも可能であるが その詳細はガイドラインを参照願いたい 表.5 半透過性の容器に包装された製剤の保存条件 試験の種類 保存条件 申請時点での最小試験期間 長期保存試験 5 ± /4%RH±5%RH 又は 箇月 3 ± /35%RH±5%RH 中間的試験 3 ± /65%RH±5%RH 6 箇月 加速試験 4 ± /5%RH 以下 6 箇月 長期保存試験として 5 ± /4%RH±5%RH 又は 3 ± /35%RH±5%RH どちらの条件で行うかは 申請者が決定する 3 ± /35%RH±5%RH が長期保存条件の場合は 中間的条件はない 冷蔵庫での保存の場合冷蔵庫に保存される医薬品の安定性試験条件を表.6 に示す 表.6 冷蔵庫保存における条件 試験の種類 保存条件 申請時点での最小試験期間 長期保存試験 5 ±3 箇月 加速試験 5 ± /6%RH±5%RH 6 箇月 冷蔵庫保存の場合 加速試験において 測定開始後 3 箇月から 6 箇月の間に 明確な品質の変化 が認められた時は リテスト期間又は有効期間は長期保存試験から得られる試験成績 リアルタイムのデータ に基づいて設定しなければならない また 加速試験の測定開始後 3 箇月以内に 明確な品質の変化 が認められた時は 輸送中や取扱い中等における貯蔵方法からの短期的な逸脱の影響の試験成績を用意するために 適切ならば ロットの原薬 / 製剤につき 3 箇月より短期間で通常より多い測定時点での追加試験を実施し説明することができるとされている また 半透過性の容器に包装された製剤の場合は 前述のように水分損失の程度を評価できる適切な情報提供も求められている 冷凍庫での保存の場合表.7 に冷凍庫保存の場合の条件を示す 表.7 冷凍庫保存における条件 試験の種類 保存条件 申請時点での最小試験期間 長期保存試験 - ±5 箇月 8

15 冷凍庫保存の場合のリテスト期間又は有効期間は 長期保存試験で得られる試験成績 リアルタイムのデータ に基づいて設定し申請する 冷凍庫保存の場合は 例えば- と を超えた場合ではその物理的な状態が変化するため 加速試験の条件は明記されていない しかしながら 冷凍庫の故障や誤って室温に放置されるなど 貯蔵方法からの短期的な逸脱の影響を説明するために ロットにつき 5 ±3 又は 5 ± の温度条件での試験の実施が要求されている 以下での保存の場合 - 以下で保存される原薬 / 製剤は その物性や安定性などを考慮して個別に妥当な保存条件下での試験が求められている..6. 苛酷試験原薬の苛酷試験 用語集参照 は ロットを用いて 加速試験より ずつ高く設定した温度 例えば 5 6 適切な湿度 例えば 75%RH 以上 酸化及び光分解による影響を検討し 分解経路や医薬品本来の安定性を明らかにし 更に安定性試験に用いる分析方法の適合性の確認に役立つ また QB に述べられている光安定性試験は 苛酷試験の不可欠な構成要素である 一方 本ガイドライン QR では 製剤の苛酷試験 用語集参照 は光安定性試験しか記載されていない しかしながら 物理的に特殊な特性を有する剤形 吸入剤 軟膏 エマルジョンなど 用語集参照 によっては特別な条件での苛酷試験が必要となる..7. コミットメントロットによる安定性試験原薬又は製剤の承認時点において 長期保存試験成績がリテスト期間又は有効期間をカバーする期間まで得られていない場合は 承認後 長期保存試験を継続して 申請されたリテスト期間又は有効期間を確認しなければならない 実生産スケールで製造された 3 ロットを用いてリテスト期間又は有効期間を通して実施された場合は コミットメントロット 用語集参照 による安定性試験は必要ないが その他の場合は 表.8 に示す試験を実施しなければならない また コミットメントとして実施する長期保存試験は 科学的に妥当性がない限り 基準ロットと同一の安定性試験プロトコールにより実施しなければならない..8. 安定性試験結果の評価安定性試験結果の評価は 本ガイドラインには 簡略に記載されており また 全数試験や減数試験に複数の要因が含まれる場合の記載はない そこで この親ガイドラインの評価 9

16 の項の拡大版として 安定性データの評価に関するガイドライン QE が IH で議論され 通知された その QE の詳細については 以降の章で詳細に解説する 表.8 コミットメントロットによる安定性試験添付資料コミットメント. 実生産スケールで製造された 3 ロット以上のロットの安定性試験の成績に基づき申請される場合. 実生産スケールで製造された 3 ロット未満のロットを用いた安定性試験の成績に基づき申請される場合 3. 実生産スケールで製造されたロットを用いた安定性試験の成績が提出されない場合 リテスト期間又は有効期間中試験を継続し 安定性を確認 コミットメント する必要がある 当該試験をリテスト期間又は有効期間中継続する コミットメント 必要がある 実生産スケールで製造されたロット数の合計が 3 以上になるよう 実生産スケールで製造されたロットを追加し リテスト期間又は有効期間を通じて長期保存試験を実施し 安定性を確認する コミットメント 必要がある 但し製剤については加速試験を実施しなければならない 実生産スケールで製造される最初の 3 ロットについて リテスト期間又は有効期間を通じて長期保存試験を実施し 安定性を確認する コミットメント 必要がある 但し製剤については加速試験を実施しなければならない

17 . 安定性試験のデザイン.. はじめに安定性試験のデザインは 全数試験と減数試験のデザインに分けられる 全数試験は 安定性に係わる全因子 用語集参照 含量 包装形態 ロット 測定時点など について 全ての因子の全ての水準組み合わせを実施する方法である 減数試験は 因子の水準の一部や測定時点を省略する方法であり 省略の仕方によってブラケッティング法とマトリキシング法に分けられる これらの試験デザインの例を以下に示すと共に 各デザインの特徴などについて解説する.. 全数試験全数試験は 安定性に係わる全因子 含量 包装形態 ロット 測定時点など の水準で全ての組み合わせを実施する方法である 複数の含量違い製剤 複数の包装形態が存在する場合には 多量の試験サンプルと膨大な労力を要することになる しかし有効期間の推定精度は高く 一般に 全数試験から推定される有効期間は減数試験から推定される期間よりも長い よって全数試験は 減数試験が適用できない場合だけでなく 安定性に懸念がある場合や 分析誤差が大きく測定時点間での変動が大きい場合などにも適している 全数試験による安定性試験の試験デザインの例を表.a 及び.b に示す ここでは 3 種類の含量 5 mg 75 mg 及び mg 各含量につき 3 ロット PTP 包装及びボトル包装 5 m m 及び 5 m を想定している 表.a 全数試験による試験デザインの例 PTP 包装の場合 包装形態 含量 ロット 3 測定時点 月 ot T T T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T T ot 3 T T T T T T T T ot 4 T T T T T T T T PTP 75 mg ot 5 T T T T T T T T ot 6 T T T T T T T T ot 7 T T T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T T ot 9 T T T T T T T T.3. 減数試験減数試験は 安定性に係わる因子の水準や測定時点の一部を省略する方法であり 省略の仕方によってブラケッティング法とマトリキシング法に分けられる 減数試験の適用は QD ガイドラインに準拠する必要がある これらの方法の特徴や当該ガイドラインに示された試験デザインの例 長期保存試験に適用した試験デザインの例を以下に示す

18 表.b 全数試験による試験デザインの例 ボトル包装で 3 つの容器サイズがある場合 包装形態 含量 ロット 3 測定時点 月 ot T T T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T T ot 3 T T T T T T T T ot 4 T T T T T T T T 5 m 75 mg ot 5 T T T T T T T T ot 6 T T T T T T T T ot 7 T T T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T T ot 9 T T T T T T T T ot T T T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T T ot 3 T T T T T T T T ot 4 T T T T T T T T ボトル m 75 mg ot 5 T T T T T T T T ot 6 T T T T T T T T ot 7 T T T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T T ot 9 T T T T T T T T ot T T T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T T ot 3 T T T T T T T T ot 4 T T T T T T T T 5 m 75 mg ot 5 T T T T T T T T ot 6 T T T T T T T T ot 7 T T T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T T ot 9 T T T T T T T T T: 試験サンプル.3.. ブラケッティング法ブラケッティング法は 全数試験と同様 全測定時点において試験を実施するが 含量や容器サイズ 容れ目等の試験因子について 中間的な水準にある検体の試験を省略し 両端の検体 両端の水準 についてのみ測定する安定性試験のデザインである QD ガイドラインに示されている ブラケッティング法の代表的な試験デザインの例を表. に示す ここでは 3 種類の含量 5 mg 75 mg 及び mg 各含量につき 3 ロット 3 つの容器サイズ 5 m m 及び 5 m を想定している 3 つ以上の含量違い製剤あるいは 3 種類以上の包装形態があるからといって いつでもブラケッティング法を適用できるわけではない ブラケッティング法では 中間的な水準にある検体の安定性は 試験された両端の水準の安定性により代表されるという前提がある QD ガイドラインによれば 次のように 製剤の処方が同一か もしくは極めて類似している含量違い製剤の場合 中間的な水準にある含量に対し ブラケッティング法を適用できることが示されている

19 異なるサイズのカプセルに同一の混合末を充填して製造した含量違いのカプセル剤 同一の顆粒で量を変えて製造した含量違いの錠剤 3 着色剤や香料といったようなマイナーな添加剤の処方のみが異なる含量違いの経口液剤 表. ブラケッティング法の試験デザイン例 QD ガイドライン表 より 含量 5 mg 75 mg mg ロット ot ot ot 3 ot 4 ot 5 ot 6 ot 7 ot 8 ot 9 容器 5 m T T T T T T サイズ m m T T T T T T T: 試験サンプル QD ガイドラインでは 75 mg mg のロットについても 5 mg と同様のロットの表記となっているが ロットが異なることを明確にするため ここでは ot 46 ot 79 とした 製剤処方中の原薬と添加剤の比率が異なる複数の含量違いの製剤については その妥当性 すなわち中間の含量が 両端の含量に代表されることを示す必要がある 妥当性を証明する一例として 臨床又は開発ロットの安定性プロファイルが含量間で同等であることを示す ことが QD ガイドラインに例示されている なお異なる添加剤を使用した含量違いの製剤については ブラケッティング法を適用すべきではないことが示されている 表.a に示す全数試験にブラケッティング法が適用できる場合には 表.3a に示す試験デザインとすることができる ボトル包装などで 容器サイズ又は容れ目のどちらかだけが異なる場合 中間の容器サイズ又は容れ目についてはブラケッティング法の適用が可能である しかし 容器サイズが異なる場合には容れ目が変わることも多く これらの因子の中間水準を省略する場合 QD ガイドラインによれば 安定性に影響すると考えられる容器及び施栓系の様々な特性 容器の壁の厚さ 施栓の構造 容量対表面積率 容量対空隙率 単位投与量又は単位容れ目量あたりの透湿速度 又は酸素透過速度等 を必要に応じて考慮しなければならない 表.b に示す全数試験にブラケッティング法が適用できる場合には 表.3b に示す試験デザインとすることができる また QD ガイドラインによれば 両端の安定性が異なった場合 中間のものの有効期間は 最も安定性の悪いものの有効期間を超えて設定できないことから 短い方の有効期間を採用する必要がある 3

20 表.3a ブラケッティング法の試験デザイン例 PTP 包装の場合 包装形態 含量 ロット 3 測定時点 月 ot T T T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T T ot 3 T T T T T T T T ot 4 PTP 75 mg ot 5 ot 6 ot 7 T T T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T T ot 9 T T T T T T T T 表.3b ブラケッティング法の試験デザイン例 ボトル包装で 3 つの容器サイズがある場合 包装形態 含量 ロット 3 測定時点 月 ot T T T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T T ot 3 T T T T T T T T ot 4 5 m 75 mg ot 5 ot 6 ot 7 T T T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T T ot 9 T T T T T T T T 5 mg ot ot ot 3 ot 4 ボトル m 75 mg ot 5 ot 6 mg ot 7 ot 8 ot 9 ot T T T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T T ot 3 T T T T T T T T ot 4 5 m 75 mg ot 5 ot 6 ot 7 T T T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T T ot 9 T T T T T T T T T: 試験サンプル.3.. マトリキシング法マトリキシング法は ある特定の測定時点で 全因子の水準組み合わせのうちの一部分を省略し 選択された部分集合を測定する省力化が図られた安定性試験のデザインである ある測定時点における全検体の安定性は 各部分集合の安定性により代表されるという仮定に 4

21 基づいている QD ガイドラインに示されている代表的な試験デザイン例を表.4 及び表.5 に示す 表.4 含量の異なる 種の製剤に適用する試験デザインの例 QD ガイドライン表 より 表.4a 測定時点を / 省略したマトリキシング法 測定時点 月 含量 ot T T T T T T ot T T T T T T ot 3 T T T T T ot 4 T T T T T ot 5 T T T T T T ot 6 T T T T T T: 試験サンプル QD ガイドラインでは のロットについても と同様のロットの表記となっているが ロットが異なることを明確にするため ここでは ot 46 とした 表.4b 測定時点を /3 省略したマトリキシング法 測定時点 月 含量 ot T T T T T T ot T T T T T T ot 3 T T T T T T T ot 4 T T T T T T T ot 5 T T T T T T ot 6 T T T T T T T: 試験サンプル QD ガイドラインでは のロットについても と同様のロットの表記となっているが ロットが異なることを明確にするため ここでは ot 46 とした 表.5 3 種の含量違い及び 3 種の容器サイズ違いの製剤に適用する試験デザインの例 表.5a 測定時点を省略したマトリキシング法 QD ガイドライン表 3a を一部修正 含量 3 ロット 容器 T T T3 T T3 T T3 T T 容器 B T T3 T T3 T T T T T3 容器 T3 T T T T T3 T T3 T -3: 含量違い -: 容器サイズ違い T-T3: 測定時点のパターン 5

22 表.5b 測定時点と因子の双方を省略したマトリキシング法 QD ガイドライン表 3b を 一部修正 含量 3 ロット 容器 T T3 T T3 T T 容器 B T T3 T T T T3 容器 T T T T3 T T3-3: 含量違い -: 容器サイズ違い T-T3: 測定時点のパターン 表.5 測定時点のパターン 測定時点 月 T T T T T T T T T T T T T T T T3 T T T T T T T: 試験サンプル QDガイドラインではsに s3 のロットに着いても s と同様のロットの表記となっているが ロットが異なることを明確にするため ここでは ot とした QD ガイドラインによれば 参考資料によって製剤の安定性が予測でき また変動性が小さいときにのみマトリキシング法が適用できることが示されている さらに ブラケッティング法と同様 含量違いの製剤間にマトリキシング法を適用する場合には 製剤の処方が同一か もしくは極めて類似している必要がある 製剤処方中の原薬と添加剤の比率が異なる含量違い製剤にマトリキシング法を適用する場合 参考資料の結果などから その妥当性を示す必要がある 含量の異なる 3 種の製剤について 測定時点を省略したマトリキシング法の代表的な割付例を表.6 及び表.7 に示す 各因子水準の組み合わせの測定回数ができるだけ偏らないようなデザインとし またある時点では全検体について試験をする 有効期間を設定する時点で全数試験を実施しないと 推定精度の低下から有効期間は短くなる場合がある 表.6 では測定時点を /3 省略 表.7 では /3 省略している 測定時点と因子の両方を省略した試験デザインを表.8 に示す QD ガイドラインに示されている表.5 のデザインを適用した例である 省略される時点が増えると 推定精度の低下から 一般に有効期間は短くなる また減数による検出力の低下により 誤って一括評価し 不当に長い有効期間を推定することも懸念される 6

23 表.6 /3 省略マトリックスデザインの試験デザインの例 表.6a /3 省略マトリックスデザイン PTP 包装の場合 測定時点 月 包装形態含量ロット ot T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T ot 3 T T T T T T ot 4 T T T T T T PTP 75 mg ot 5 T T T T T T T ot 6 T T T T T T ot 7 T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T ot 9 T T T T T T 表.6b /3 省略マトリックスデザイン ボトル包装で 3 つの容器サイズがある場合 包装形態 含量 ロット 3 測定時点 月 ot T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T ot 3 T T T T T T ot 4 T T T T T T 5 m 75 mg ot 5 T T T T T T T ot 6 T T T T T T ot 7 T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T ot 9 T T T T T T ot T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T ot 3 T T T T T T ot 4 T T T T T T ボトル m 75 mg ot 5 T T T T T T T ot 6 T T T T T T ot 7 T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T ot 9 T T T T T T ot T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T ot 3 T T T T T T ot 4 T T T T T T 5 m 75 mg ot 5 T T T T T T T ot 6 T T T T T T ot 7 T T T T T T mg ot 8 T T T T T T T ot 9 T T T T T T T: 試験サンプル 4 箇月目までの試験結果で有効期間を推定する場合には 全てのサンプルについて試験を実施する. 7

24 表.7 /3 省略マトリックスデザインの試験デザインの例 表.7a /3 省略マトリックスデザイン PTP 包装の場合 測定時点 月 包装形態含量ロット ot T T T T T 5 mg ot T T T T T ot 3 T T T T T ot 4 T T T T T PTP 75 mg ot 5 T T T T T ot 6 T T T T T ot 7 T T T T T mg ot 8 T T T T T ot 9 T T T T T 表.7b /3 省略マトリックスデザイン ボトル包装で 3 つの容器サイズがある場合 包装形態 含量 ロット 3 測定時点 月 ot T T T T T 5 mg ot T T T T T ot 3 T T T T T ot 4 T T T T T 5 m 75 mg ot 5 T T T T T ot 6 T T T T T ot 7 T T T T T mg ot 8 T T T T T ot 9 T T T T T ot T T T T T 5 mg ot T T T T T ot 3 T T T T T ot 4 T T T T T ボトル m 75 mg ot 5 T T T T T ot 6 T T T T T ot 7 T T T T T mg ot 8 T T T T T ot 9 T T T T T ot T T T T T 5 mg ot T T T T T ot 3 T T T T T ot 4 T T T T T 5 m 75 mg ot 5 T T T T T ot 6 T T T T T ot 7 T T T T T mg ot 8 T T T T T ot 9 T T T T T T: 試験サンプル 4 箇月目までの試験結果で有効期間を推定する場合には 全てのサンプルについて試験を実施する. 8

25 表.8 測定時点と因子の水準の両方を省略したマトリックスデザインの試験デザインの例 表.8a 測定時点と因子の水準の両方を省略したマトリックスデザイン PTP 包装の場合 包装形態 含量ロット Pattr 3 測定時点 月 ot T T T T T T T T 5 mg ot T T T T T T T ot 3 省略 ot 4 省略 PTP 75 mg ot 5 T3 T T T T T T ot 6 T T T T T T T T ot 7 T3 T T T T T T mg ot 8 省略 ot 9 T T T T T T T 表.8b 測定時点と因子の水準の両方を省略したマトリックスデザイン ボトル包装で 3 つの容器サイズがある場合 包装形態 含量ロット Pattr 3 測定時点 月 ot T T T T T T T T 5 mg ot 省略 ot 3 T3 T T T T T T ot 4 T T T T T T T 5 m 75 mg ot 5 T3 T T T T T T ot 6 省略 ot 7 省略 mg ot 8 T T T T T T T T ot 9 T T T T T T T ot T T T T T T T 5 mg ot T3 T T T T T T ot 3 T T T T T T T T ot 4 省略 ボトル m 75 mg ot 5 T T T T T T T T ot 6 T T T T T T T ot 7 T T T T T T T T mg ot 8 省略 ot 9 T3 T T T T T T ot 省略 5 mg ot T T T T T T T T ot 3 T T T T T T T ot 4 T T T T T T T T 5 m 75 mg ot 5 省略 ot 6 T3 T T T T T T ot 7 T T T T T T T mg ot 8 T3 T T T T T T ot 9 省略 T: 試験サンプル 表.5 の T T T3 に対応する 4 箇月目までの試験結果で有効期間を推定する場合には 全てのサンプルについて試験を実施する 但し 省略と記されたロット以外 9

26 .4. まとめ複数の含量違い製剤 複数の包装形態が存在する場合に全数試験を採用すると 多量のサンプルと大変な労力を要する このような場合 減数試験は魅力的である しかし 減数試験は QD ガイドラインに準拠する必要があることから 適用の可否について 十分に検討する必要がある さらに ガイドラインに適合するからといって 無条件に減数試験を採用するのではなく 実際に意図する有効期間を推定するのに十分な精度を確保できるのかどうかを判断することも重要である 有効期間の推定については 第 3 章 第 6 章で解説する QE ガイドラインに準拠する必要がある 詳細は 次の章で解説するが 一般に 加速試験 長期保存試験共に安定で 測定時点間での変動も小さい場合には 統計解析が要求されないため 減数試験を適用してもリスクは少ないと考えられる しかし 長期保存試験又は加速試験で いずれかの試験項目に変化や変動が認められる場合には 統計解析が推奨されている 有効期間の推定精度は 実測データの個数の減少に伴って低下するため 減数試験では 全数試験で求められる有効期間よりも短くなる 特に 一括評価ができない場合で 分析誤差が大きい場合には 大幅な有効期間の短縮もあり得る マトリキシングデザインにおける省略の仕方等については 予備安定性試験の結果や品質試験の分析精度等を考慮し 試験開始前に統計解析の専門家を含めて検討することが望ましい ブラケッティング法及びマトリキシング法を適用する際には QD ガイドラインに従い かつ QE ガイドラインを考慮して 意図する有効期間を推定できるかどうかを 関連する参考資料 用語集参照 の結果などに基づいて事前に検討する必要がある

27 3. 安定性データの評価 3.. はじめに承認申請において提示する原薬のリテスト期間 製剤の有効期間及び医薬品の貯蔵条件は 承認前に実施した安定性試験結果に基づいて設定されるが これらは承認後から将来にわたって同様な方法で製造 包装されるすべてのロットに適用可能でなければならない そのためには QR に従って得られた安定性データが 提示しようとするリテスト期間又は有効期間において規格を満足するかを単に確認するのみならず 統計解析や参考資料等による裏づけを行うなど 適切な評価を行うことが重要である 安定性データの評価についての指針は QE に詳細に示されており 本章ではその内容について解説する なお 安定性データの評価における統計解析の手法に関しては 次章以降に詳細に解説した 3.. 安定性データの評価に関するガイドライン QE の概略安定性データの評価に関する指針は QR の評価の項に示されているが 概要が記載されているに過ぎない 例えば 複数のロットを一括して評価し 一つのリテスト期間又は有効期間を求めること 及び長期保存試験の成績を外挿することにより長期保存試験でカバーされる範囲を超えてリテスト期間又は有効期間を提示することが可能である旨の記述があるが その詳細については記載されていない そこで 安定性データの評価に関するより詳細な指針を与えるべく作成されたのが QE であり QR の評価の項の拡大版として位置付けられている 本ガイドラインは本文及び付録で構成されており 本文には主として 外挿の原理及び正式な安定性試験から得たデータに応じてどのような評価を行う必要があるか またどの程度外挿が許容されるかについて指針が示されている 付録 には 正式な安定性試験から得たデータに応じてどのような評価を行う必要があるか またどの程度外挿が許容されるかがフローチャート形式で図示されている また付録 B には 直線回帰 ロットの一括評価に関する検定及び最減数モデル 用語集参照 の構築等の安定性データ解析に関する統計的方法の例が記載されている QE の構成を表 3. に示す 3.3. 安定性データ及び評価結果の申請資料への記載申請の際は 全試験項目のデータを 表 図などの形式を用いてまとめ 試験項目毎に評価を行う 定量的な試験項目のデータは 全測定時点につき測定値 数値 を記載する 統計解析を実施する場合 その解析手法及びモデルの基礎をなす仮定を記載し その妥当性を示した上で 統計解析結果の要約を示すとともに長期保存試験データに対する解析結果を図示する

28 表 3. 安定性データの評価に関するガイドライン QE の構成. 序論. ガイドラインの目的. 背景.3 ガイドラインの適用範囲. ガイドライン.. 一般原理.. データの記載.3. 外挿.4. 室温 保存の原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間推定のためのデータ評価.4. 加速条件で 明確な品質の変化 を認めない場合.4.. 長期データ及び加速データが経時的な変化及び変動をほとんど示さない場合.4.. 長期データ及び加速データが経時的な変化ないし変動を示す場合.4. 加速条件で 明確な品質の変化 が認められる場合.4.. 中間的条件で 明確な品質の変化 が認められない場合.4.. 中間的条件で 明確な品質の変化 が認められた場合.5. 室温 以下で保存の原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間推定のためのデータ評価.5. 冷蔵庫保存の原薬又は製剤.5.. 加速条件で 明確な品質の変化 が認められない場合.5.. 加速条件で 明確な品質の変化 が認められる場合.5. 冷凍保存の原薬又は製剤 以下で保存される原薬又は製剤.6. 一般的な統計的方法 3. 付録付録 : 原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間の推定のためのデータ評価のフローチャート 冷凍庫で保存される製剤を除く 付録 B: 安定性データ解析の統計的方法の例 3.4. 外挿安定性試験における外挿とは 既知のデータセットを用いて 将来のデータを推論することである すなわち 実際に観測された期間中に起こった品質の変化のパターンを解析 評価し 将来も同様なパターンが継続するという仮定のもとに 長期データがカバーする期間を超えて リテスト期間又は有効期間を提示することである 外挿が適切かどうかは 参考資料 関連する参考資料 共に用語集参照 及び仮定した数学モデルの妥当性の評価結果等によって判断する 外挿に基づいて提示されたリテスト期間又は有効期間は 長期保存試験の追加データが得られ次第 それらのデータによって検証することが求められる 含量について 箇月までの実測データに基づき有効期間を外挿により推定したときの一例を図 3. に示す ここでは含量が経時的に低下する製剤を仮定し 規格下限値は 95.% とした 下側 95% 信頼限界 用語集参照 が規格下限値と交差する時点が外挿による有効期間の

29 推定値となり 約 36 箇月と導かれる ただし 提示可能な外挿期間には上限があり 提示可能な有効期限は最長で 4 箇月までとなる 詳細については次節以降に解説する 図 3. 外挿による有効期間の推定 3.5. 安定性データの評価の流れまず 正式な安定性試験データ 必要であれば参考資料を評価し 原薬又は製剤の品質及び性能に影響があると考えられる試験項目を決め 各項目について別々に評価を行う これらの結果に基づいてリテスト期間又は有効期間を設定する 安定性データの評価の基本的な考え方は単一要因 複数要因を問わず また全数試験 減数試験を問わず同一である 以下に どのような状況のときどの程度まで長期保存試験データがカバーする期間を超えてリテスト期間又は有効期間を提示し得るのかについて 原薬又は製剤の保存条件毎に解説する 室温 保存の原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間設定のための評価室温保存の原薬又は製剤についての評価は 加速条件 必要なら中間的条件で 明確な品質の変化 が認められるか否かの評価からはじまり 長期データが変化の傾向や変動を示すかどうかの評価へと進める このときの評価の流れをフローチャートで示したものを図 3. に示す なお本チャートは QE の付録 に基づいている 3

30 加速条件で 6 ヶ月以内に 明確な品質の変化 が認められるか YE 中間的な条件で 明確な品質の変化 が認められるか YE F: 外挿不可場合によってはリテスト期間 有効期限の短縮を求められる可能性あり NO NO 長期保存試験データは経時的な変化及び変動を示すか全く又は殆ど示さない YE 長期保存試験データは統計解析を適用可能であり統計解析を実施するか共に YE どちらか一方でも NO E: 最長 3 ヶ月の外挿可関連する参考資料により支持される場合 Y=+3 ヶ月以下 D: 最長 6 ヶ月の外挿可長期データの統計解析結果に加えて関連する参考資料により支持される場合 Y=.5 以下 ただし +6 ヶ月を超えない 加速試験データは経時的な変化及び変動を示すか YE 長期保存試験データは統計解析を適用可能であり統計解析を実施するか どちらか一方でも NO 全く又は殆ど示さない 共に YE : 最長 ヶ月の外挿可 Y= 以下 ただし + ヶ月を超えない B: 最長 ヶ月の外挿可長期データの統計解析結果及び関連する参考資料により支持される場合 Y= 以下 ただし + ヶ月を超えない : 最長 6 ヶ月の外挿可関連する参考資料により支持される場合 Y=.5 以下 ただし +6 ヶ月を超えない Y= 提示するリテスト期間又は有効期間 = 長期データーがカバーする期間 図 3. 安定性試験データ評価のフローチャート 室温 保存 加速条件で 明確な品質の変化 を認めない場合 長期保存試験及び加速試験データが経時的な変化及び変動をほとんど示さない場合通常 統計解析を行う必要はないが 統計解析を省略することの妥当性が必要である 妥当性については 安定であるとみなせる理由を 加速試験データ 物質収支についての議論 参考資料等に基づいて説明すればよい 経時的な変化及び変動を示さない 及び ほとんど示さない の判断基準は QE には示されていない 経時的変化の有無及び程度を判断する方法の一つとしてデータが時間軸にほぼ平行な帯状になっていることを散布図を描いて確認することが挙げられる またほとんど変動がないことは 例えば分析法バリデーションの結果を参考にして判断できると思われる 提示するリテスト期間又は有効期間については 長期保存試験データがカバーする期間の 倍以内まで提示可能であるが 長期保存試験データがカバーする期間から 箇月を超えて 4

31 はならない 図 3. フローチャートの 例えば 長期データがカバーする期間が 箇月の場合 4 箇月までのリテスト期間又は有効期間を提示することができる 長期保存試験又は加速試験データが経時的な変化及び変動を示す場合変化変動を認める項目が統計解析を適用できるか否かによって 提示できるリテスト期間又は有効期間が異なる 統計解析が適用できる項目として QE では 長期保存試験においてゼロ次速度論に従うと仮定できる定量的な化学的項目であるとの理由から 含量 分解生成物 保存剤含量が例示されている また 速度論が明らかになっていない他の定量的な項目 ph 溶出試験等 であっても適当であれば統計解析を適用できるとされている 一方 統計解析が適用できない項目としては 定性的項目及び微生物学的項目が挙げられている 統計解析を適用できない試験項目の場合 外挿には関連する参考資料が必要である 関連する参考資料がある場合には 長期データがカバーする期間の.5 倍までのリテスト期間又は有効期間を提示できるが 長期データがカバーする期間から 6 箇月を超えてはならない 図 3. フローチャートの 関連する参考資料がない場合には 長期データがカバーする期間に基づいて設定する 統計解析を適用できる試験項目の場合 同様に外挿には関連する参考資料が必要である 提示できるリテスト期間又は有効期間の設定は 統計解析を実施するか否かにより異なる 統計解析を実施しないならば 統計解析を適用できない試験項目の場合と同様である 統計解析を実施した場合 長期データがカバーする期間の 倍までのリテスト期間又は有効期間を提示できるが 長期データがカバーする期間から 箇月を超えてはならない 図 3. フローチャートの B 関連する参考資料がない場合には 長期データがカバーする期間に基づいて設定する 統計解析の指針は QE の付録 B に示されており その詳細は第 4 章で解説する ロット間 包装間 あるいは含量間で差が認められる場合 そのような差が製品に及ぼす全体的な意味合いについて考察が求められる 加速条件で 明確な品質の変化 を認めた場合加速条件で明確な品質の変化を認めた場合 中間的な条件で安定性試験を実施することになるが この中間的な条件で明確な品質の変化を認めなければ 実測期間を超えたリテスト期間又は有効期間を提示することが可能である この場合の評価の手順は 加速条件で明確な品質の変化を認めない場合 と同様であるが 長期データがカバーする期間を超えて外挿可能な期間は / となる 図 3. フローチャートの D 及び E 中間的な条件で明確な品質の変化を認めた場合 長期データがカバーする期間を超えてリテスト期間又は有効期間を提示することはできない また場合によっては 長期データがカ 5

32 バーする期間よりも短いリテスト期間又は有効期間が要求される 図 3. フローチャートの F 冷蔵庫保存の原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間設定のための評価加速条件で 明確な品質の変化 を認めない場合の評価の手順は 室温保存の場合 と同様であるが 長期データがカバーする期間を超えて外挿可能な期間はいずれの場合も / となる 図 3.3 フローチャートの G 加速条件で 明確な品質の変化 を認めた場合 外挿はできない 場合によっては 長期データがカバーする期間よりも短いリテスト期間又は有効期間が要求される 長期データが変動を示す場合は 統計解析が推奨されている 図 3.3 フローチャートの H また 明確な品質の変化 を認めたのが 3 箇月以内であるのであれば これらに加えて ラベルに表示される貯蔵条件から短期的に逸脱した場合の影響を考察しなければならない 図 3.3 フローチャートの I 冷凍庫保存の原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間設定のための評価長期保存試験データの実測期間を超えてリテスト期間又は有効期間を提示することはできない 加速条件で 明確な品質の変化 が認められるか YE 明確な品質の変化 が認められたのは 3 ヶ月以内であるか NO H: 外挿不可 場合によってはリテスト期間 有効期限の短縮を求められる可能性あり 長期保存試験で変動を示す場合は リテスト期間 有効期限を統計解析により検証 NO G: 外挿可以下 室温保存と同様の評価手順 ただし 外挿可能な期間は以下のとおり 室温保存のときの / 又は B に該当するとき : Y=.5 以下 ただし +6 ヶ月を超えない に該当するとき : Y=+3 ヶ月以下 YE I: 外挿不可 H の要求事項に加えて 更にラベルに表示される貯蔵方法から短期的に逸脱した場合の影響についての考察が求められる Y= 提示するリテスト期間又は有効期間 = 長期データーがカバーする期間 図 3.3 安定性試験データ評価のフローチャート 冷蔵保存 以下で保存される原薬又は製剤のリテスト期間又は有効期間設定のための評価長期保存試験データの実測期間を超えてリテスト期間又は有効期間を提示することはできない 6

33 4. 標準的な統計的推定法 4.. はじめに QE ガイドラインには リテスト期間又は有効期間の外挿の手順について 詳細な解説がなされている よって どのようなデータが得られたときに どの程度までの外挿ができるかについては 明確な方針の立案が可能である しかし 外挿にあたって 統計解析が必要となった場合 統計解析の詳しい手順は QE ガイドラインには示されていない 特に 因子が多い安定性試験 すなわち複数の含量違い製剤の複数ロットが 複数の包装形態で供される製剤の安定性試験のデータを実際に解析しようとすると分かりにくい点も多い そこで 第 4 章及び第 5 章では QE ガイドラインの概念に基づき 解析手順の一例を示す 本章では 単一ロットのデータ解析 単一因子 ロット のデータ解析 複数因子のデータ解析の手順について解説する 複数の包装形態がある場合は 一般に全ての包装形態で使用するロットは同一であるが 複数の含量違い製剤がある場合は 含量毎にロットが異なり 用いる共分散分析 用語集参照 モデルが異なるため 本章では別々に解説する 第 5 章では 単一ロット及び単一因子のデータ解析の具体的な計算手順について解説する 4.. 単一ロットのデータ解析 ロットについて 表 4. に示すような結果が得られたときのデータ解析について解説する なお 回帰分析 用語集参照 やリテスト期間又は有効期間の推定での具体的な計算例については 5.. 単一ロットの場合のリテスト期間又は有効期間の推定 を参照されたい 表 4. 単一ロットのデータ例 測定時点 月 ロット 一般に分解物や含量等の定量的な化学的項目と時間の関係は直線であると仮定できる 分解物の場合 分解物の生成量を時間に対してプロットし 回帰分析を行い 回帰直線を得る 母平均の上側 95% 信頼限界が規格値 判定基準 と交差する時点が リテスト期間又は有効期間の推定値に相当する 得られたリテスト期間又は有効期間の推定値が 提示するリテスト期間又は有効期間を支持する場合 提示するリテスト期間又は有効期間は妥当であると考えられる 一方 支持しない場合には 得られたリテスト期間又は有効期間の推定値に基づいて 提示するリテスト期間又は有効期間を設定する 試験項目が含量の場合 一般的な原薬や製剤では 経時的に含量が減少すると考えられるため 母平均の下側 95% 信頼限界を用いる 図 3. を参照 半透過性容器に包装された水性 7

34 基材の製剤のように 含量が経時的に増加するか減少するか前もって分からないような場合には 母平均の両側 95% 信頼限界を適用する 4.3. 単一因子のデータ解析単一含量及び単一包装で供される原薬又は製剤の長期保存試験結果の解析について解説する データ例を表 4. に 解析手順のアウトラインをフローチャート に示す 以下 フローチャート の手順に従って解説する なお 最初から に進み 共分散分析を開始しても構わない 回帰分析やリテスト期間又は有効期間の推定での具体的な計算例については 5.3. 複数ロットの場合のリテスト期間又は有効期間の推定 を参照されたい ロット 表 4. 単一因子の安定性試験のデータ例 測定時点 月 回帰分析以下の手順 3 に従って 個々のロットのリテスト期間又は有効期間を算出する 手順 個々のロットについて回帰式を得る 個々の傾き 個々の切片 共通の誤 差分散を用いる 手順 個々のロットについて 母平均の 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限 と交差する期間を算出する 測定値が減少傾向を示すことが分かっている場合 例えば一般的な原薬や製剤の含量値 には 判定基準の下限値が 母平均の下方の片側 95% 信頼限界と交差する期間を算出する 測定値が増加傾向を示すことが分かっている場合 例えば原薬や製剤の分解物 には 判定基準の上限値が 母平均の上方の片側 95% 信頼限界と交差する期間を算出する 測定値が増加傾向を示すか 減少傾向を示すか分からない場合 例えば 半透過性容器に包装された水性基材の製剤の場合 には 母平均の両側 95% 信頼限界が判定基準の上限及び下限と交差する期間を算出する 手順 3 手順 での個々のロットのリテスト期間又は有効期間の推定値のうち 最 も短いものを選ぶ 8

35 4.3.. リテスト期間又は有効期間の推定値が提示するリテスト期間又は有効期間を支持するか否かの判断リテスト期間又は有効期間の最短の推定値 4.3. 参照 が 提示するリテスト期間又は有効期間を支持する場合 提示する有効期間は妥当であり ここで解析を終わらせることができる 例えば 冷蔵保存でない単一因子の原薬 3 ロットについて 箇月の実測データが存在する場合 最大 箇月間の外挿が可能となり 提示するリテスト期間として最大 4 箇月を設定できる リテスト期間の最短の推定値が 4 箇月を超えている場合には 提示するリテスト期間として 4 箇月を設定することができる 一方 リテスト期間又は有効期間の最短の推定値が 提示するリテスト期間又は有効期間を支持しない場合には 次の に示す つのオプションから選択する いずれかのロットのリテスト期間又は有効期間の推定値が提示するリテスト期間又は有効期間を支持しない場合以下の つのオプションから選択する オプション : リテスト期間又は有効期間の最短の推定値に基づいて提示するリテスト期間又は有効期間を設定 4.3. の手順 3 で得られたリテスト期間又は有効期間の最短の推定値が満足できるものであれば それを提示するリテスト期間又は有効期間として設定する 例えば 冷蔵保存でない単一因子の原薬 3 ロットについて 箇月の実測データが存在し リテスト期間の最短の推定値が 箇月であれば 提示するリテスト期間として最大 箇月を設定できる 但し 実際的には 8 箇月を設定することになる 通常 長期保存試験の測定時点として 箇月目は設定しないため 4 箇月目に不適であった場合には 箇月目まで安定性が保証できていたことを確認できないためである オプション : 共分散分析の実施共分散分析を実施し 複数ロットの安定性試験データを一括評価することにより オプション で得られた推定値よりも長い期間を提示するリテスト期間又は有効期間として設定できる場合がある に手順を示す 共分散分析の実施共分散分析の手順単一因子のロットのデータを解析する際の共分散分析モデルを式 4. に示す Y t = α + α + + t + ε t 4. 9

36 ここで Y t は測定時点 t における 番目のロットの観測値 α 及び は各々共通の切片及び共通の傾き α 及び は 番目のロットの α 及び からの個々の偏差 ε t は誤差項 3 である 最減数モデルの構築要因 傾き : ロット はロット毎の傾きの違いを示す 要因 傾き : ロット が等しいとする仮説が QE ガイドラインに示されている有意水準 ここでは α=.5 この値に関しては 7.. を参照されたい で棄却された場合 すなわち ロット間で傾きに有意差がある場合 は 式 4. が最減数モデルとなる 棄却されなかった場合は 式 4. より の項を消去することができる [ 式 4.] 傾きを示す項は全ロットで共通の のみとなり 傾きについて一括評価できる Y t = α + α + t + ε t 4. 式 4. において 切片の違いを示す要因 ロット が等しいとする仮説が有意水準.5 で棄却された場合 すなわち ロット間で切片に有意差がある場合 は 式 4. が最減数モデルとなる 棄却されなかった場合は 式 4. より α の項を消去することができる [ 式 4.3] 切片を示す項は全ロットで共通の α のみとなり 切片についても一括評価できる Yt = α + t + εt 最減数モデルの 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間の算出単一因子のロットデータを共分散分析した結果から得られる最減数モデルには 次に示す 3 つのパターンが想定される 一括評価すると 母平均の信頼限界の幅が狭くなると共に 回帰直線の傾きが平均化されるので 通常 一括したデータから推定したリテスト期間又は有効期間は個々のロットから求めた最短のリテスト期間又は有効期間の推定値よりも長くなる モデル の最減数モデルが得られた場合 全データを一括して使用できるため 一般に最も長い期間を設定できる 共通の傾き 共通の切片 共通の誤差分散を用い 全ロットから共通のリテスト期間又は有効期間の推定値を算出する モデル の最減数モデルが得られた場合 傾きについては一括評価が可能になる 共通の傾き 個々の切片 共通の誤差分散を用い 個々のロットについてリテスト期間又は有効期間の推定値を算出した後 最短の期間を採用する 3 繰り返し測定を実施している場合は観測値の平均値 平均値 分散の σ の正規分布に従い 互いに独立であることを前提としている 3

37 表 4.3 最減数モデル 単一因子のロットデータを解析 モデル 最減数モデル 共分散分析の結果 提示するリテスト期間又は有効期間 ロットを一括してリテスト期間又は有効期間を推定することはでき Y t = α +α + + t + ε ロット間で傾きに有ない オプション で得られ t た最短の推定値を採用するか 外意差がある場合 挿することなく 長期保存試験デ ータがカバーする期間を採用す る Y t = α +α + t + ε t Y t = α + t + ε t ロット間で傾きには有意差がないが切片には有意差がある場合 ロット間で傾きにも切片にも有意差がない場合 共通の傾き 個々の切片 共通の誤差分散を用いて 個々のロットについてリテスト期間又は有効期間の推定値を算出した後 最短の期間を採用 共通の傾き 共通の切片 共通の誤差分散を用いて 全ロットから共通のリテスト期間又は有効期間の推定値を算出 モデル の最減数モデルが得られた場合 一括評価はできない でのオプション にしたがって提示するリテスト期間又は有効期間を設定するか あるいは外挿することなく 長期保存試験データがカバーする実際の期間に基づいて 提示するリテスト期間又は有効期間として設定する 最減数モデルに基づいて得られた期間が提示する有効期間を支持するか否かの判定 で得られたリテスト期間又は有効期間の推定値が 提示するリテスト期間又は有効期間を支持する場合 提示するリテスト期間又は有効期間は妥当であり ここで解析を終わらせることができる 例えば 冷蔵保存でない単一因子の原薬 3 ロットについて 箇月の実測データが存在する場合で で得られたリテスト期間の推定値が 4 箇月を超えていれば 提示するリテスト期間として最大 4 箇月を設定できる 一方 提示するリテスト期間又は有効期間を支持しない場合であっても で得られたリテスト期間又は有効期間の推定値が満足できるものであれば これを提示するリテスト期間又は有効期間として設定することは可能である 例えば 冷蔵保存でない単一因子の原薬 3 ロットについて 箇月の実測データが存在し で得られたリテスト期間の推定値が 箇月であれば 最大 箇月を提示するリテスト期間として設定できる 実際的には 8 箇月と設定 単一因子のデータ解析結果表 4. に示すデータの解析結果を以下に示す 3

38 表 4.4 単一因子のデータの解析結果表 4.4a フルモデルの下での分散分析表 要因自由度平方和平均平方 傾き 切片に関するロット主効果 傾きに関するロット主効果 誤差 合計 表 4.4b 一括評価に関する検定後の分散分析表 要因 自由度 平方和 平均平方 F 値 p 値 傾き 切片に関するロット主効果 誤差 合計 表 4.4 最減数モデルの回帰分析 回帰係数推定値標準誤差 t 値 p 値 ロット <. 切片 ロット <. ロット <. 傾き 共通 最減数モデルは モデル となり 最短の有効期間又はリテスト期間は ロット から 9.6 箇月と推定される 詳細な計算過程については 5 章を参照されたい 3

39 フローチャート : 単一因子のデータ解析の手順 個々のロットについて 個々の傾き 個々の切片 共通の誤差分散を用い 回帰式を得る 個々のロットについて 母平均の 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間を算出し 有効期間の推定値を得る 最短を選ぶ 最短の有効期間の推定値は提示する有効期間を支持するか 支持する 支持しない 以下の つのオプションから選択 オプション : 有効期間の最短の推定値を提示する有効期間とする オプション : 共分散分析 NOV を実施する NOV を実施する 最初は全要因を考慮して分散分析表を作成 適切な順 解説書を参照 に 一括評価の検定を進め 最減数モデルを構築する 最減数モデルの母平均の 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間を算出し 有効期間の推定値を得る 個々のロットについて推定値を得た場合には 最短を選ぶ 4.3. で得られた 最短の 有効期間の推定値又は で得られた 最短の 有効期間の推定値を提示する有効期間とする 支持しない 最短の 有効期間の推定値は提示する有効期間を支持するか 支持する 提示する有効期間は妥当である 注 原薬の安定性試験の場合は 必要に応じて 有効期間をリテスト期間として読みかえること 33

40 4.4. 複数因子のデータ解析の手順 - 複数の包装形態がある場合単一含量で複数の包装形態 例えば PTP 包装とボトル包装 で供される製剤の長期保存試験結果の解析について解説する 典型的なデータ例を表 4.5 に 解析手順のアウトラインをフローチャート に示す 以下 フローチャート の手順に従って解説する なお 最初から に進み 共分散分析を開始しても構わない 表 4.5 のデータの解析結果は に示すので参照されたい 表 4.5 単一含量で複数の包装形態がある場合の安定性試験のデータ例 包装 P P ロット 測定時点 月 包装形態毎の有効期間個々の包装形態について 単一因子のロットのデータとみなし 4.3 に示した方法 フローチャート に従って有効期間の推定値を算出する いずれの包装形態についても 有効期間の推定値が提示する有効期間を支持する場合には 提示する有効期間は妥当であり ここで解析を終了することができる いずれかの包装形態について 有効期間の推定値が提示する有効期間を支持しなかった場合 次に示す 4.4. の 3 つのオプションから選択する いずれかの包装形態のデータが提示する有効期間を支持しないとき以下の 3 つのオプションから選択する オプション : 包装形態別に提示する有効期間を設定 4.4. で個々の包装形態について得られた有効期間の推定値に基づき 包装形態別に提示する有効期間を設定する この場合 安定性試験ガイドライン上での問題はないが 医療現場での混乱を招くことも予想されるため 通常このオプションはとらない オプション : 有効期間の最短の推定値に基づいて提示する有効期間を設定 4.4. で個々の包装形態について得られた有効期間の推定値のうち 最短の推定値が満足できるものであれば それを全包装形態に共通の提示する有効期間とし 34

41 て設定する 例えば 冷蔵保存でない包装形態の異なる製剤で 箇月の実測データがあり フローチャート に従って得られた期間が PTP 包装で 箇月 ボトル包装で 4 箇月であった場合 最大 箇月を有効期間として設定できる 実際的には 8 箇月と設定 オプション 3: 共分散分析の実施共分散分析を実施し 個々の包装形態のデータを一括評価することにより 4.4. で得られた有効期間よりも長い有効期間を設定できる場合がある に手順を示す 共分散分析の実施 複数の包装形態のデータを解析する際の共分散分析モデルを式 4.4 に示す Y pbt = α + α p + α b + α pb + + p + b + pb t + ε pbt 4.4 ここで Y pbt は測定時点 t における観測値 α 及び は各々共通の切片及び共通の傾き α p 及び p は包装形態の変動による α 及び からの偏差 α b 及び b はロットの変動による α 及び からの偏差 α pb 及び pb は包装形態とロットの交互作用 ε pbt は誤差項である 最減数モデルの構築共分散分析における一括評価の可能性の検討では QE ガイドラインに従い ロットが関わる要因の有意水準には.5 ロットが関わらない要因の有意水準には.5 を使用する 一括評価に関する検定は 表 4.6 に示す優先順位を考慮しながら進めて行く すなわち QE ガイドラインに従い 傾きの項を縦軸切片の項より前に また交互作用を主効果の前に検定する 高次交互作用の傾きの項から検定を開始し 次に切片の項を検定し さらに単純な主効果の傾きの項 そして切片の項へと進めて行く 一括評価が可能な場合 その要因を誤差に含めて切片と傾きを再計算し F 検定を実施するという操作を繰り返す 一括評価ができなくなったとき 残った要因で最減数モデルが決まる 即ち 表 4.7 におけるモデル から始め で示した項を検定し これが有意であればこのモデルが最減数モデルとなる 有意でなければ次のモデルを当てはめ の項を検定する 以下順次検定が有意となるまでこの手順を繰り返す 35

42 表 4.6 一括評価に関する検定を進める順位 順位 要因 有意水準 傾き : ロット 包装形態.5 切片 : ロット 包装形態.5 3 傾き : ロット.5 4 切片 : ロット.5 5 傾き : 包装形態.5 6 切片 : 包装形態.5 表 4.7 一括評価に関する検定を進める順位と対応する最減数モデル 含量が一つで複数包装 モデ P a B b PB TP d TB TPB f 最減数モデルル Y pbt = α + α p + α b + α pb + + p + b + p b t + ε p bt Y pbt = α + α p + α b + α pb + + p + b t + ε p bt Y pbt = α + α p + α b + + p + b t + ε pbt Y pbt = α + α p + α b + + p t + ε pbt 4 - Y pbt = α + α p + + p t + ε pbt 5 Y pbt = α + α p + t + ε pbt 6 Y p bt = α + t + ε p bt a 切片 : 包装形態 b 切片 : ロット 切片 : 包装形態 ロット d 傾き : 包装形 態 傾き : ロット f 傾き : 包装形態 ロット - 検定せず 検定対象の要因効果 最減数モデルの 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間の算出 で得られた最減数モデルから 有効期間を推定する 誤差分散の推定値には 最減数モデルの下で得られた値を用いる 最減数モデルに基づいて得られた期間が提示する有効期間を支持するか否かの判定 で得られた有効期間の推定値が 提示する有効期間を支持する場合 提示する有効期間は妥当であり ここで解析を終わらせることができる 一方 提示する有効期間を支持しない場合であっても で得られた有効期間の推定値が満足できるものであれば これに基づいて提示する有効期間を設定することは可能である 例えば 複数の包装形態で供される冷蔵保存でない製剤 36

43 について 箇月の実測データが存在し で得られた有効期間の推定値が 箇月であれば 最大 箇月を提示する有効期間として設定できる 実際的には 8 箇月と設定 複数因子のデータ解析結果 - 複数の包装形態がある場合 表 4.5 に示すデータの解析結果を以下に示す 表 4.8 複数因子のデータ解析結果 複数の包装形態がある場合 表 4.8a フルモデルの下での分散分析表 要因 自由度 平方和 平均平方 傾き 切片に関する包装主効果 傾きに関する包装主効果.5.5 切片に関するロット主効果 傾きに関するロット主効果.46.3 切片に関する包装 ロット交互作用 傾きに関する包装 ロット交互作用.6.35 誤差 合計 表 4.8b 一括評価に関する検定後の分散分析表 要因 自由度 平方和 平均平方 F 値 p 値 傾き 切片に関する包装主効果 誤差 合計 表 4.8 最減数モデルの回帰分析回帰係数推定値標準誤差 t 値 p 値包装 <. 切片包装 <. 傾き共通 最減数モデルは 表 4.7 のモデル 5 となり 最短の有効期間は 包装 から 6.7 箇月と推定される 計算手順については 6 章を参照されたい 37

44 フローチャート : 複数因子のデータ解析の手順 - 複数の包装形態がある場合 個々の包装形態について単一因子のデータとみなし フローチャート に従って有効期間の推定値を算出 いずれの包装形態の推定値についても提示する有効期間を支持するか? 支持する 支持しない 以下の 3 つのオプションから選択 オプション : 包装形態別に有効期間を設定オプション : 包装形態間で 最短の推定値を全包装形態の有効期間として設定オプション 3: NOV を実施 NOV を実施 オプション 3 の場合 最初は全要因を考慮して分散分析表を作成 適切な順 解説書を参照 に一括評価の検定を進め 最減数モデルを構築する 最減数モデルの母平均の 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間を算出し 有効期間の推定値を得る 最減数モデルから 複数の推定値を得た場合には 最短を選ぶ で得られた 最短の 有効期間の推定値又は 4.4. オプション 又は により提示する有効期間を設定する 支持しない 最短の 有効期間の推定値は提示する有効期間を支持するか 支持する 提示する有効期間は妥当である 38

45 4.5. 複数因子のデータ解析の手順 - 複数の含量がある場合複数の含量違い製剤が単一包装で供される製剤の長期保存試験結果の解析について解説する データ例を表 4.9 に 解析手順のアウトラインをフローチャート 3 に示す 提示する有効期間を設定する手順は 4.4 複数の包装形態がある場合 と同様である しかし 含量毎にロットが異なるので含量とロットの交互作用が共分散分析モデルには含まれないため 詳細については 第 6 章及び第 7..3 項を参照 用いる共分散分析モデルが異なる 以下 フローチャート 3 の手順に従って解説する なお 最初から に進み 共分散分析を開始しても構わない 表 4.9 のデータの解析結果は に示すので参照されたい 表 4.9 単一包装で複数の含量がある場合の安定性試験のデータ例 含量 ロット 測定時点 月 含量毎の有効期間個々の含量について単一因子のロットのデータとみなし 4.3 に示した方法 フローチャート に従って有効期間の推定値を算出する いずれの含量についても 有効期間の推定値が提示する有効期間を支持する場合には 提示する有効期間は妥当であり ここで解析を終了することができる いずれかの含量について 有効期間の推定値が提示する有効期間を支持しなかった場合 次に示す 4.5. の 3 つのオプションから選択する いずれかの含量のデータが提示する有効期間を支持しないとき以下の 3 つのオプションから選択する オプション : 含量毎に別々の有効期間を設定 4.5. で個々の含量について得られた有効期間の推定値に基づき 含量別に提示する有効期間を設定する この場合 安定性試験ガイドライン上での問題はないが 医療現場での混乱を招くことも予想されるため 通常このオプションはとらない オプション : 含量間で最も短い有効期間を全ての含量の有効期間として設定 39

46 4.5. で個々の含量について得られた有効期間の推定値のうち 最短の推定値が満足できるものであれば それを全含量に共通の提示する有効期間として設定する 例えば 冷蔵保存でない含量の異なる製剤 mg 錠 mg 錠 で 箇月の実測データがあり フローチャート に従って得られた期間が mg 錠で 箇月 mg 錠で 4 箇月であった場合 最大 箇月を有効期間として設定できる 実際的には 8 箇月と設定 オプション 3: 共分散分析の実施共分散分析を実施し 全ての含量違い製剤のデータを一括評価することにより 4.5. で得られた有効期間よりも長い有効期間を設定できる場合がある に手順を示す 共分散分析の実施複数の含量がある場合のデータを解析する際の共分散分析モデルを式 4.5 に示す Y sbt = α + α s + α bs + + s + bs t + ε sbt 4.5 ここで Y sbt は測定時点 t における観測値 α 及び は各々共通の切片及び共通の傾き α s 及び s は含量の変動による α 及び からの偏差 α bs 及び bs はロットの変動による α 及び からの偏差 ε sbt は誤差項である ロットは含量毎に異なるため これを因子 ロット 含量 と示すこととする. また含量とロットは交絡するため これらの交互作用は含めない 最減数モデルの構築共分散分析における一括評価の可能性の検討では QE ガイドラインに従い ロットが関わる要因の有意水準には.5 ロットが関わらない要因の有意水準には.5 を使用する 一括評価に関する検定は QE ガイドラインに従い 傾きの項を縦軸切片の項より前に また交互作用を主効果の前に検定する すなわち 高次交互作用の傾きの項から検定を開始し 次に切片の項を検定し さらに単純な主効果の傾きの項 そして切片の項へと進めて行く 但しここでは 含量とロットの交互作用は考えないため 表 4. に示す優先順位に従い傾きに関するロット主効果の検定から開始する 一括評価が可能な場合 その要因を誤差に含めて切片と傾きを再計算し F 検定を実施するという操作を繰り返す 一括評価ができなくなったとき 残った要因で最減数モデルが決まる 4

47 表 4. 一括評価に関する検定を進める順位 順位 要因 有意水準 傾き : ロット 含量.5 切片 : ロット 含量.5 3 傾き : 含量.5 4 切片 : 含量.5 一括評価に関する検定を進める順位 表 4. 及び傾きを切片より先に検定する必要があることを考慮すると 得られる最減数モデルは表 4. にのいずれかに該当する 表 4. 一括評価に関する検定を進める順位と対応する最減数モデル 包装形態が一つで複数含量 モデル a B b T TB d 最減数モデル Y sbt = α + α s + α bs + + s + bs t + ε sbt - - Y sbt = α + α s + α bs + + s t + ε sbt - Y sbt = α + α s + + s t + ε sbt 3 Y sbt = α + α s + t + ε sbt 4 Y sbt = α + t + ε sbt a 切片 : 含量 b 切片 : ロット 含量 傾き : 含量 d 傾き : ロット 含量 - 検定せず 検定対象の要因効果 最減数モデルの 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間の算出 で得られた最減数モデルから 有効期間を推定する 誤差分散の推定値には 最減数モデルの下で得られた値を用いる 最減数モデルに基づいて得られた期間が提示する有効期間を支持するか否かの判定 で得られた有効期間の推定値が 提示する有効期間を支持する場合 提示する有効期間は妥当であり ここで解析を終わらせることができる 一方 提示する有効期間を支持しない場合であっても で得られた有効期間の推定値が満足できるものであれば これを提示する有効期間として設定することは可能である 例えば 冷蔵保存でない複数の含量違い製剤について 箇月の実測データが存在し で得られた有効期間の推定値が 箇月であれば 最大 箇月を提示する有効期間として設定できる 実際的には 8 箇月と設定 4

48 複数因子のデータ解析結果 - 複数の含量がある場合表 4.9 に示すデータの解析結果を以下に示す 表 4. 複数因子のデータ解析結果 複数の含量がある場合 表 4.a フルモデルの下での分散分析表 要因 自由度 平方和 平均平方 傾き 切片に関する含量主効果 傾きに関する含量主効果 切片に関するロット 含量 主効果 傾きに関するロット 含量 主効果 誤差 合計 表 4.b 一括評価に関する検定後の分散分析表 要因 自由度 平方和 平均平方 F 値 p 値 傾き 切片に関する含量主効果 誤差 合計 表 4. 最減数モデルの回帰分析回帰係数推定値標準誤差 t 値 p 値含量 <. 切片含量 <. 傾き共通 最減数モデルは 表 4. のモデル 3 となり 最短の有効期間は 含量 のモデルから 7.7 箇月と推定される 計算手順については 6 章を参照されたい 4

49 フローチャート 3: 複数因子のデータ解析の手順 - 複数の含量がある場合 個々の含量について単一因子のデータとみなし フローチャート に従って有効期間の推定値を算出 いずれの含量の推定値についても提示する有効期間を支持するか? 支持する 支持しない 以下の 3 つのオプションから選択 オプション : 含量別に有効期間を設定オプション : 含量間で 最短の推定値を全含量の有効期間として設定オプション 3: NOV を実施 NOV を実施 オプション 3 の場合 最初は全要因を考慮して分散分析表を作成 適切な順 解説書を参照 に一括評価の検定を進め 最減数モデルを構築する 最減数モデルの母平均の 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間を算出し 有効期間の推定値を得る 最減数モデルから 複数の推定値を得た場合には 最短を選ぶ で得られた 最短の 有効期間の推定値又は 4.5. オプション 又は により提示する有効期間を設定する 支持しない 最短の 有効期間の推定値は提示する有効期間を支持するか 支持する 提示する有効期間は妥当である 43

50 4.6. 複数因子のデータ解析の手順 - 複数の包装形態及び複数の含量がある場合複数の含量違い製剤が複数の包装形態で供される製剤の長期保存試験結果の解析について解説する 典型的なデータ例を表 4.3 に 解析手順のアウトラインをフローチャート 4 に示す 以下 フローチャート 4 の手順に従って解説する なお 最初から に進み 共分散分析を開始しても構わない 表 4.3 のデータの解析結果は に示すので参照されたい 表 4.3 複数含量 複数包装形態の製剤の安定性試験のデータ例 包装 含量 ロット 測定時点 月 P P 包装形態と含量の水準組み合わせ毎の有効期間包装形態と含量の水準組み合わせ 表 4.3 の例では 4 つの水準組み合わせ の各々を単一因子のロットのデータとみなし 4.3 に示したフローチャート に従って有効期間の推定値を算出する いずれの水準組み合わせの有効期間の推定値も提示する有効期間を支持する場合 提示する有効期間は妥当であり ここで解析を終了することができる いずれかの水準組み合わせの有効期間の推定値が提示する有効期間を支持しなかった場合 次に示す 4.6. の 3 つのオプションから選択する 水準組み合わせのいずれかが提示する有効期間を支持しなかった場合以下の 3 つのオプションから選択する オプション : 包装形態 又は含量 別に有効期間を設定 4.6. で得られた有効期間の推定値に基づき 包装形態 又は含量 別に提示す 44

51 る有効期間を設定する この場合 安定性試験ガイドライン上での問題はないが 医療現場での混乱を招くことも予想されるため 通常このオプションはとらない オプション : 有効期間の最短の推定値に基づいて提示する有効期間を設定 4.6. で得られた有効期間の推定値のうち 最短の推定値が満足できるものであれば それを全包装形態および全含量に共通の提示する有効期間として設定する オプション 3: 共分散分析の実施共分散分析を実施し 全包装形態及び全含量のデータを一括評価することにより 4.6. で得られた有効期間よりも長い期間を設定できる場合がある に手順を示す 共分散分析の実施 複数の包装形態及び複数の含量がある場合のデータを解析する際の共分散分析モデルを式 4.6 に示す Y psbt = α +α p + α s + α bs + α sp + α pbs + + p + s + bs + sp + pbs t + ε psbt 4.6 ここで Y psbt は測定時点 t における観測値 α 及び は各々共通の切片及び共通の傾き α s 及び s は個々の含量における α 及び からの偏差 α p 及び p は個々の包装形態における α 及び からの偏差 α bs 及び bs は含量 の下での個々のロットにおける α + α s 及び + s からの偏差 α sp 及び sp は含量と包装形態の交互作用 α pbs 及び pbs は包装形態とロットの交互作用 ε spbt は誤差項である 最減数モデルの構築共分散分析における一括評価の可能性の検討では QE ガイドラインに従い ロットが関わる要因の有意水準には.5 ロットが関わらない要因の有意水準には.5 を使用する 一括評価に関する検定は 表 4.4 に示す優先順位を考慮しながら進めて行く すなわち QE ガイドラインに従い 傾きの項を切片の項より前に また交互作用を主効果の前に検定する 高次交互作用の傾きの項から検定を開始し 次に切片の項を検定し さらに単純な主効果の傾きの項 そして切片の項へと進めて行く 一括評価が可能な場合 その要因を誤差に含めて切片と傾きを再計算し F 検定を実施するという操作を繰り返す 一括評価ができなくなったとき 残った要因で最減数モデルが決まる 45

52 QE ガイドラインには 複数因子の場合の一括評価の検討を進める手順について詳細が記載されていないため 順位 7 及び 8 並びに 9 及び において包装と含量のいずれを先にするかは示されていない 詳細は 7.. 及び 7..5 を参照 どちらの因子から検定するかによって 得られる最減数モデルが変わることもあり得る 消費者危険を減らすためには 保守的な 有効期間がより短くなるような 最減数モデルを導く方がよいかもしれない 表 4.4 一括評価に関する検定を進める順位 順位 要因 有意水準 傾き : 包装 ロット 含量.5 切片 : 包装 ロット 含量.5 3 傾き : 包装 含量.5 4 切片 : 包装 含量.5 5 傾き : ロット 含量.5 6 切片 : ロット 含量.5 78 傾き : 包装傾き : 含量.5 9 切片 : 包装切片 : 含量.5 一括評価に関する検定を進める順位 表 4.4 及び傾きを切片より先に検定する必要があることを考慮すると 得られる最減数モデルは表 4.5 のいずれかに該当する 最減数モデルの 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間の算出 で得られた最減数モデルから 有効期間を推定する 誤差分散の推定値には 最減数モデルの下で得られた値を用いる 最減数モデルに基づいて得られた期間が提示する有効期間を支持するか否かの判定 で得られた有効期間の推定値が 提示する有効期間を支持する場合 提示する有効期間は妥当であり ここで解析を終わらせることができる 一方 提示する有効期間を支持しない場合であっても で得られた期間が満足できるものであれば これに基づいて提示する有効期間を設定することは可能である 例えば 冷蔵保存でない製剤について 箇月の実測データが存在し で得られた有効期間が 箇月であれば 最大 箇月を有効期間として設定できる 実際的には 8 箇月と設定 46

53 表 4.5 一括評価に関する検定を進める順位と対応する最減数モデル 複数の包装形態及び複数の含量がある場合 モデル P a b B P d PB TP f T g TB h TP TPB 最減数モデル Y psbt =α+α p +α s +α bs +α sp +α pbs ++ p + s + bs + sp + pbs t+ε sbt Y psbt =α+α p +α s +α bs +α sp +α pbs ++ p + s + bs + sp t+ε sbt Y psbt =α+α p +α s +α bs +α sp ++ p + s + bs + sp t+ε sbt Y psbt =α+α p +α s +α bs +α sp ++ p + s + bs t+ε sbt Y psbt =α+α p +α s +α bs ++ p + s + bs t+ε sbt Y psbt =α+α p +α s +α bs ++ p + s t+ε sbt Y psbt =α+α p +α s ++ p + s t+ε sbt Y psbt =α+α p +α s ++ p t+ε sbt 8 - Y psbt =α+α p +α s +t+ε sbt 9 Y psbt =α+α p +t+ε sbt 7 k - - Y psbt =α+α p +α s ++ s t+ε sbt 8 k - Y psbt =α+α p +α s +t+ε sbt 9 k Y psbt =α+α s +t+ε sbt Y psbt =α+t+ε sbt a 切片 : 包装形態 b 切片 : 含量 切片 : ロット 含量 d 切片 : 包装形態 含量 切片 : 包装形態 ロット 含量 f 傾き : 包装形態 g 傾き : 含量 h 傾き : ロット 含量 傾き : 包装形態 含量 傾き : 包装形態 ロット 含量 k モデル 79 でなく モデル 7 9 の順に検定を進めてもよい - 検定せず 検定対象の要因効果 47

54 複数因子のデータ解析結果 - 複数の包装形態及び複数の含量がある場合 表 4.3 に示すデータの解析結果を以下に示す 表 4.6 複数因子のデータ解析結果 複数の包装形態及び複数の含量がある場合 表 4.6a フルモデルの下での分散分析表 要因 自由度 平方和 平均平方 傾き 切片に関する含量主効果 切片に関する包装主効果 傾きに関する含量主効果.3.3 傾きに関する包装主効果 切片に関するロット 含量 主効果 傾きに関するロット 含量 主効果 切片に関する包装 含量交互作用 傾きに関する包装 含量交互作用 切片に関する包装 ロット 含量 交互作用 傾きに関する包装 ロット 含量 交互作用 誤差 合計 表 4.6b 一括評価に関する検定後の分散分析表 要因 自由度 平方和 平均平方 F 値 p 値 傾き <. 切片に関する含量主効果 切片に関する包装主効果 誤差 合計 表 4.6 最減数モデルの回帰分析 回帰係数及びその要因効果推定値標準誤差 t 値 p 値 切片 基準とし * た水準 <. 含量 包装 傾き共通 <. * 含量 かつ包装 の水準組み合わせを基準とした 最減数モデルは 表 4.5 のモデル 8 となり 最短の有効期間は 含量 包装 48

55 から.7 箇月と推定される 計算手順については 6 章を参照されたい 49

56 フローチャート 4: 複数因子のデータ解析の手順 - 複数の包装形態及び複数の含量がある場合 個々の包装形態における個々の含量について単一因子のデータとみなし フローチャート に従って有効期間の推定値を算出 いずれの含量の推定値についても提示する有効期間を支持するか? 支持する 支持しない 以下の 3 つのオプションから選択 オプション : 含量 包装 別に有効期間を設定オプション : 含量 包装 間で 最短の推定値を全製剤の有効期間として設定オプション 3: NOV を実施 NOV を実施 オプション 3 の場合 最初は全要因を考慮して分散分析表を作成 適切な順 解説書を参照 に一括評価の検定を進め 最減数モデルを構築する 最減数モデルの母平均の 95% 信頼限界が判定基準の上限又は下限と交差する期間を算出し 有効期間の推定値を得る 最減数モデルから 複数の推定値を得た場合には 最短を選ぶ で得られた 最短の 有効期間の推定値又は 4.6. オプション 又は により提示する有効期間を設定する 支持しない 最短の 有効期間の推定値は提示する有効期間を支持するか 支持する 提示する有効期間は妥当である 5

57 参考文献 arsts J.T. tablty ad Datg of old Dosag Forms Pharmauts of olds ad old Dosag Forms Wly-Itrs QE ガイドライン 引用文献 5

58 5. 統計的推定法の実際 5.. はじめに 5 章ではリテスト期間又は有効期間の統計的推定について 数値例を用いて実際の計算過程を解説する 統計的推定において市販の解析ソフトウェアを用いた場合 その計算過程がブラックボックスとなるおそれがある そこで本章では 安定性試験実務担当者を対象にして リテスト期間又は有効期間の統計的推定がどのような統計的原理に基づいているのか またどのような計算がなされているかについて 入門的な解説を行うことを目的としている したがって読者には 本章の数値例を表計算ソフトウェア 例えば -EE や電卓を用いて 自分で確認することを薦める 本章で用いる事例は 解説のために用意した単純な仮想の数値例である 実際の安定性試験は様々な試験デザインで実施されており 適切なリテスト期間又は有効期間を推定するには その試験デザインに応じた適切な解析方法を用いなければならない したがって 実際に統計的推定を行う場合は 試験デザインを含めて統計担当者に相談することを薦める 5 章で解説する統計的推定法の理論的部分は 6 章に また統計的方法の留意点は 7 章に示した 本解説書では 一般的な原薬又は製剤を想定しており 測定値の分散は全ての時点で等しいことを仮定している したがって つの時点で繰り返し測定が行われている場合には 平均値を解析に用いることとする 5.. 単一ロットの場合のリテスト期間又は有効期間の推定 5... 回帰分析本節では リテスト期間又は有効期間の統計的推定に必要な回帰分析について解説する 表 5. に 単一ロットの場合の含量 % の推移を示す 表 5. 実験データ : 単一ロットの含量 % 推移 測定時点 月 ロット 軸を時間 月 Y 軸を含量 % として散布図 : 測定値 を書くと図 5. となり 経時的に含量が減少していることが確認できる 一般に 含量 y と時間 の間には直線関係がみられることから QE の参考文献 その関係式を時間 含量 y として 式 5. と表す y 5. 式 5. は回帰式とよばれ は 切片 である は 傾き であり単位時間あたり ここでは一箇月あたり の含量の変化量を表している 回帰係数 が特定されれば 時 5

59 間 と含量 y の間の関係を定量的に捉えることができる QE と同様に ここでは含量と時間に線形モデルを仮定しているが 図による視覚的な確認 実測値とモデルに基づく予測値の乖離の程度およびその傾向について検討する残差分析等によって 仮定したモデルの妥当性を確認しておく必要がある 含 99 量% 時間 月 図 5. 実験データ の散布図と回帰直線 実験データ について回帰分析を行うと 表 5. の結果が得られる 表 5. 実験データの回帰分析分散分析表 要因 自由度 平方和 平均平方 F 値 p 値 回帰 誤差 合計 回帰係数 切片傾き 回帰係数 推定値 標準誤差 t 値 p 値 < 表 5. の回帰係数から 含量 y の時間 上への回帰式は次式のように推定される 図 5. に推定した回帰直線を示した y 推定した回帰式より 一箇月あたりの含量の減少量は.83% で 一年あたり約 % である また 表 5. の分散分析表の 要因 : 誤差 の平均平方から 誤差分散の推定値は

60 54 である 誤差分散は 回帰係数の検定や区間推定に用いる重要な値で リテスト期間又は有効期間の統計的推定において不可欠な値である 以下 表 5. の解析結果を得る計算過程を解説する 式 5. を 個々の観測値を用いて具体的に書き下すと 時点 の観測値を y 誤差を を観測値数として y y y と書くことができる 上式を纏めて書くと式 5. となり これを回帰モデルとよぶ y 5. 式 5. の回帰係数 の推定量 は 最小二乗法を用いて式 5.3 から求めることができる Y y 5.3 式 5.3 において y は平均 YY は平方和 Y は積和とよばれ 具体的にはそれぞれ以下のように定義される このとき 各式はそれぞれ括弧内のように変形することができ 手計算には簡便であるので括弧内の式を用いてもよい y y y y Y y y y y YY y y

61 また 上記の平方和 積和を用いて誤差平方和 E 回帰平方和 R として以下を定義する Y E YY R YY 5.4 Y R 回帰モデルの誤差分散の推定量 標準偏差の推定量 は 式 5.5 に示すように 誤差平方和 E から求めることができる E 5.5 回帰係数の標準誤差 t 値 p 値は 平方和 積和 誤差分散の推定値を用いて計算される 回帰係数の推定値の標準誤差は E E で表され t 値は回帰係数の推定量をその標準誤差で割った t E t E となる ここで t 値とは各回帰係数についての仮説 H 切片 H : : H 傾き H : : に対する検定の検定統計量である この検定統計量を用いて それぞれの回帰係数が かどうかの検定を行う 検定の結果 p 値が事前に設定した有意水準 を下回る時 その回帰係数は でないことが統計的に示される 55

62 分散分析表とは 平方和 観測値の変動 を要因別に分解して示したものである Y は 総平方和とよばれ観測値の全変動を表している この全変動のうち回帰によって説明できる変動が 回帰平方和 R である 一方 全変動のうち回帰によって説明できない変動が誤差平方和 E である すなわち これら各要因の平方和の間には YY R E の関係が成立している この関係は平方和の定義からも明らかである 平均平方は 平方和を対応する自由度で割ったものである 回帰平方和 R の自由度は であるので 平方和と平均平方は同じ値である 誤差平方和 E の自由度は であるの で 誤差の平均平方は式 5.5 となり これが誤差分散の推定量となる F 値は 回帰の平均平方を誤差の平均平方で割った R F E / で定義される ここでは F 値の分子の自由度が であるので 以下の式変形より F t の関係が成立っており F 検定は傾きが かどうかの仮説を検定するt 検定と同等であることが確認できる t E Y Y R E E / / F 以下に回帰分析の分散分析表を示す 分散分析表 回帰分析 要因自由度平方和平均平方 F 値回帰 Y R R R E / 誤差 Y E YY E - 合計 YY - - 実験データの計算例 回帰分析 実験データの平均 平方和 積和は y y

63 y y YY y y Y となる よって 回帰平方和 誤差平方和は Y YY E Y R となる これを式 5.3 式 5.5 に代入すると回帰係数および誤差分散は y YY E と推定される よって 実験データ の回帰モデルは y となる また 各回帰係数の標準誤差および t 値は E E E t E t となる 5... リテスト期間又は有効期間の推定本節では リテスト期間又は有効期間の統計的推定について解説する 安定性試験におけるリテスト期間又は有効期間の統計的推定は 式 5.6 で与えられる

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