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2 一般論文 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 目次 肉用牛 乳酸発酵芋焼酎粕の給与が黒毛和種子牛に及ぼす影響宮谷さゆり 加藤聡 日高和幸 福永又三 1 宮崎県産牛肉のおいしさに関する実態調査 黒木信 中武好美 築城努 6 画像解析によるロース芯断面の脂肪交雑粒子に関する客観的評価法の検討 黒木信 中武好美 築城努 11 肥育開始月齢および出荷月齢の違いが黒毛和種肥育牛に及ぼす影響 中武好美 鍋倉弘良 竹之山愼一 17 肥育開始月齢および出荷月齢の違いが黒毛和種肥育牛に及ぼす影響 ( 第 2 報 ) 中武好美 鍋倉弘良 竹之山愼一 22 肥育期間の延長が黒毛和種去勢牛に及ぼす影響 中武好美 竹之山慎一 27 黒毛和種繁殖雌牛における分娩間隔延長要因の分析と対策 鍋西久 亀樋成美 坂口浩平 黒木幹也 中原高士 32 過剰排卵処理における発情開始から AI までの時間と産子の性比について 亀樋成美 重永あゆみ 鍋西久 黒木幹也 中原高士 37 FSH 単回投与法における ecg 投与および PRID 抜去時期の検討 坂口浩平 重永あゆみ 鍋西久 中原高士 40 FSH 製剤単回投与法 OPU における卵胞波調節法の検討 亀樋成美 重永あゆみ 鍋西久 黒木幹也 中原高士 43 乳用牛 乳用牛の受胎率に及ぼす諸要因 西村慶子 鶴田清秀 恒吉吉和 中園締二 46

3 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 飼料用ムギ類サイレージの栄養価および乳用牛への給与が乳生産に及ぼす影響 西村慶子 鶴田清秀 恒吉吉和 中園締二 50 圧ペン処理したモミ米の給与割合が乳用牛の第一胃内容液性状ならびに乳生産に及ぼす影響西村慶子 恒吉吉和 鶴田清秀 中園締二 中原高士 54 飼料草地 最大乾物収量をねらった周年作付体系確立試験 ( 第 2 報 ) 立山松男 東政則 小畑壽 58 飼料イネ ルリアオバ 2 回刈り栽培を基軸とする多収穫栽培技術の現地実証試験 ( 第 1 報 ) 立山松男 東政則 小畑壽 65 牧草及び飼料作物の冠さび病特性検定試験小畑壽 東政則 立山松男 72 牧草及び飼料作物の系統適応性検定試験小畑壽 東政則 立山松男 78 養豚 養豚復興に向けたプロジェクト ( 第 2 報 )) 宮﨑涼子 林礼華 金松尚裕 岩切正芳 81 規格外トマト給与による夏期の豚繁殖性向上試験林礼華 宮﨑涼子 金松尚裕 岩切正芳 90 養鶏 みやざき地頭鶏種鶏群の改良稲井耕次 原田晋平 津曲明美 神坂明茂 93 種鶏雌 ( 九州ロード ) の適正体重の検定稲井耕次 津曲明美 神坂明茂 97 メチオニン添加による みやざき地頭鶏 の夏季生産効率改善試験稲井耕次 津曲明美 101 飼料の差異によるみやざき地頭鶏への影響津曲明美 稲井耕次 竹之山愼一 105

4 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 発育関連遺伝子を指標とした地頭鶏の選抜試験 ( 第 1 報 ) 津曲明美 稲井耕次 高橋秀彰 111 環境衛生 製茶残渣の給与が肥育豚の発育及びふん尿からの悪臭発生に及ぼす影響について ( 第 1 報 ) 森弘 西礼華 岩切正芳 宮崎涼子 114 上野顕 ナノバブルオゾン処理が回分式活性汚泥処理及び高機能膜処理水の脱色に及ぼす効果について上野顕 森弘 原田晋平 119 博士論文 ( 要約 ) 乳用牛 飼料作物 地域資源を活用した発酵混合飼料の飼料特性ならびに乳用牛への給与技術の確立に関する研究西村慶子 123 気象表 2012 年 4 月 ~2013 年 3 月 127

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6 乳酸発酵芋焼酎粕の給与が黒毛和種子牛に及ぼす影響 乳酸発酵芋焼酎粕の給与が黒毛和種子牛に及ぼす影響 1) 宮谷さゆり 加藤聡 日髙和幸 福永又三 1) 宮崎県立農業大学校 Effect of feeding Shochu for Japanese Black Calves Sayuri MIYATANI,Satoshi KATO,Kazuyuki HIDAKA,Yuzoh FUKUNAGA < 要約 > 近年 飼料費の低減と自給率向上の観点からエコフィードを活用した家畜の飼養管理技術に注目が集まっている 前報で黒毛和種繁殖雌牛の乳酸発酵芋焼酎粕の長期給与が可能であることを報告したが 子牛では給与試験が行われていない そこで 本研究では乳酸発酵芋焼酎粕を黒毛和種子牛へ給与し その影響について調査した ( 試験 1) 黒毛和種去勢子牛及び雌子牛へ乳酸発酵芋焼酎粕を育成期にバケツで給与し 飼料摂取量 血液性状 発育を調査した 焼酎粕摂取率は低く個体差がみられたが 去勢子牛では乳酸発酵芋焼酎粕を給与した子牛が無給与の子牛より発育が良い傾向がみられた ( 試験 2) 黒毛和種雌子牛へ乳酸発酵芋焼酎粕を濃厚飼料 粗飼料と混合給与し 飼料摂取量 血液性状 発育 下痢の発生状況について調査した 飼料摂取率及び焼酎粕摂取率の差は認められず 増体は乳酸発酵芋焼酎粕を給与した子牛が無給与の子牛よりやや大きい傾向にあった 血液性状は 乳酸発酵芋焼酎粕を給与した子牛の総コレステロール値が 給与後僅かに正常値を上回った このことから 黒毛和種子牛において乳酸発酵芋焼酎粕は濃厚飼料の代替が可能であり 発育向上が期待された 宮崎県は焼酎生産が盛んであり 副産物である焼酎粕はメタン発酵 ペレット飼料化等の処理が行われているが その90% 以上が水分であるため処理には多く 響がないことを報告した 本試験では 黒毛和種子牛へ乳酸発酵芋焼酎粕を給与した場合の生体へ及ぼす影響を調査した のエネルギーを必要とし 低コストでの処理が検討さ れている 焼酎粕は水分含量の高さから変敗しやすいという欠点があるが 芋焼酎粕に市販のサイレージ調整用乳酸菌 (17g/t) と廃糖蜜 (9L/t) を添加して 乳酸発酵をさせる ( 以下 乳酸発酵芋焼酎 という ) ことで長期間の保存が可能であることが 黒木らにより報告されている 1) また 前報で乳酸発酵芋焼酎粕の黒毛和種繁殖雌牛への長期間給与により 繁殖性や体重 血液成分への影 試験方法 試験 1: 黒毛和種子牛への乳酸発酵芋焼酎粕給与 1 試験区分と供試牛供試牛は 場内飼養の黒毛和種去勢子牛 8 頭 雌子牛 4 頭を用い 濃厚飼料 0.15kgの代替として乳酸発酵芋焼酎粕を3.5L 給与した試験区と 乳酸発酵芋焼酎粕無給与の対照区とした 供試牛の概要を表 1に示した 乳酸発酵芋焼酎粕給与以外の飼養管理は同一とした 1

7 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 表 1 供試牛の概要区分牛番生年月日母牛産次血統 1 H 忠富士 2 H 忠富士去勢 3 H 福桜試験区 4 H 忠富士 5 H 福桜雌 6 H 福桜 7 H 福之国 8 H 忠富士去勢 9 H 忠富士対照区 10 H 第 1 花国 11 H 福之国雌 12 H 忠富士 2 給与飼料及び給与方法 給与飼料は県内酒造メーカーより排出された芋焼酎 粕に 乳酸菌 17g/t と廃糖蜜 9L/t を添加 調整した乳 酸発酵芋焼酎粕 えづけ飼料 濃厚飼料 チモシー 場内産イタリアン乾草を用い 表 2に給与飼料の成分を記載した 給与量は 宮崎牛飼養管理マニュアル 用いて給与設計を組み 4カ月齢以降から試験を開始した 飼料給与は 9 時と14 時の1 日 2 回とし 乳酸発酵芋焼酎粕は1.75L/ 回ずつ給与した 給与方法は 4カ月齢以降より乳酸発酵芋焼酎粕の入ったバケツを牛房内に設置し 自由採食とした 試験期間は 両区とも9カ月齢までとし 平成 21 年 4 月から平成 23 年 3 月まで行った 3 調査項目 (1) 飼料摂取量 : 飼料摂取量は 毎日残量を測定し調査した (2) 体重 体高 : 体重は 分娩後 3 日齢 2 週間毎に測定し 体高は 3 日齢 4 週間毎に測定した (3) 血液性状 :4 週毎に午前 9 時半から体重測定時に採血し 臨床検査機関に委託し検査を行った 試験 2: 黒毛和種雌子牛への乳酸発酵芋焼酎粕 1 試験区分と供試牛 混合給与 供試牛は 場内飼養の黒毛和種雌子牛 5 頭を用い 乳酸発酵芋焼酎粕を哺育期に1L/ 日 育成期に2L/ 日給与した試験区と 乳酸発酵芋焼酎粕無給与の対照区とした 供試牛の概要を表 3に示した 乳酸発酵芋焼酎粕給与以外の飼養管理は同一とした 表 3 供試牛の概要 区分 牛番 生年月日母牛産次 血統 1 H 福之国 試験区 2 H 秀菊安 //30 6 美穂国 対照区 4 H 福之国 5 H 勝平正 2 給与飼料及び給与方法給与飼料は 試験 1と同様である 飼料給与は 9 時と14 時の1 日 2 回とし 乳酸発酵芋焼酎粕を哺育期で0.5L/ 回 育成期に1.0L/ 回ずつ給与した 給与方法は 哺育期 育成期共に濃厚飼料と粗飼料に混合し給与した 試験期間は 平成 24 年 4 月から平成 25 年 3 月までである 3 調査項目 (1) 飼料摂取量 : 飼料摂取量は 毎日残量を測定し調査した (2) 体重 体高 : 体重は 分娩後 3 日齢 2 週間毎に測定し 体高は 3 日齢 4 週間毎に測定した (3) 血液性状 :4 週毎に午前 9 時半から体重測定時に採血し 臨床検査機関に委託し検査を行った 表 2 飼料成分値 (%) 飼料名 水分粗蛋白質粗脂肪可溶性無窒素物粗繊維可消化養分総量 乳酸発酵芋焼酎粕 濃厚飼料 ( 子牛用 )

8 乳酸発酵芋焼酎粕の給与が黒毛和種子牛に及ぼす影響 試験結果 試験 1: 黒毛和種子牛への乳酸発酵芋焼酎粕給与 (1) 飼料摂取量試験期間中の濃厚飼料摂取量は試験区が対照区より少ないが 濃厚飼料の代替として乳酸発酵芋焼酎粕を給与しているためである 粗飼料摂取量は 試験区が対照区より多くなった ( 表 4) 芋焼酎粕摂取率は去勢が64.3% 雌が47.4% と低く個体差がみられた (2) 発育去勢子牛における体重と体高は 試験区が標準値を大きく上回りし 対照区は標準の推移を示した このことから 試験区が対照区と比較して発育良好であることが確認された 雌子牛については 試験区 対照区共に標準の推移であった ( 表 5) (3) 血液性状焼酎粕給与後の血液性状は 雌雄どちらも試験区 対照区共に正常の範囲内であった ( 表 6) 表 4 飼料摂取量 区分 牛番号 濃厚飼料摂取量 (kg) 粗飼料摂取量 (kg) 焼酎粕摂取量 (kg) 焼酎粕摂取率 (%) 試験区対照区 去勢去勢 ± 24.5 ± ± 31.9 ± ± 雌雌 ± 33.7 ± ± 24.6 ± ± 表 5 発育 区分 去勢雌 体重 (kg) 体高 (cm) 試験開始時 40 週齢時 試験開始時 40 週齢時 試験区 96.8 ± ± ± ± 2.9 対照区 99.0 ± ± ± ± 4.8 標準値 試験区 80.6 ± ± ± ± 1.8 対照区 82.3 ± ± ± ± 5.8 標準値 表 6 血液性状 区分 総蛋白質 γ-gtp AST 総コレステロール BUN (g/dl) (U/l) (U/l) (mg/dl) (mg/dl) 去勢 試験区 6.6 ± ± ± ± ± 1.6 対照区 6.3 ± ± ± ± ± 1.0 雌 試験区 6.8 ± ± ± ± ± 0.5 対照区 6.3 ± ± ± ± ± 4.9 正常値 6.5 ~ ~ ~ ~ ~ 20.0 試験 2: 黒毛和種雌子牛への乳酸発酵芋焼酎粕混合給与 (1) 飼料摂取量飼料摂取量の平均は 試験区が6.00kg/ 日 対照区が4.67kg / 日と試験区が対照区と比較して多いが これは試験区は乳酸発酵芋焼酎粕を通常飼料に添加給与しているためである 試験区 対照区間での飼料摂取率に差は認められなかった ( 表 7) 3

9 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 表 7 飼料摂取率 区分 牛番号 飼料摂取量 (kg/ 日 ) 飼料摂取率 (%) 試験区 試験牛 試験牛 試験牛 平均 ±SD 6.00± ±1.04 対照区 対照牛 対照牛 平均 ±SD 4.67± ±1.13 (2) 発育 試験区の試験開始時体重は 58.0kg 体高が 80. 7cm 40 週齢で体重 254.3kg 体高 114.3cmと標準であった DGにおいては試験区が対照区よりやや高い傾向がみられた ( 表 8) (3) 血液性状 血液性状については 試験区の試験開始前と試 験終了後で総コレステロール値を除いて正常の範囲内にあったが 試験終了後の総コレステロール値は僅かに正常値を上回った ( 表 9) その他の項目については 試験区と対照区の間に差は認められなかった (4) 下痢の発生状況下痢の発生割合には個体差がみられたが 試験区と対照区の糞便スコアを比較してもほとんど差が認められなかったことから 乳酸発酵芋焼酎粕を給与することによって下痢が発生する可能性は低いと考えられた ( 表 10) 表 8 体測値 区分 牛番号 体重 (kg) 体高 (cm) 胸囲 (cm) 腹囲 (cm) 試験開始時 40 週齢時試験開始時 40 週齢時試験開始時 40 週齢時試験開始時 40 週齢時 DG 試験区 試験牛 試験牛 試験牛 平均 ±SD 58.0± ± ± ± ± ± ± ±6.3 対照区 対照牛 対照牛 平均 ±SD 64.9± ± ± ± ± ± ± ±2.7 表 9 血液成分値総蛋白質 γ-gtp AST 総コレステロール BUN β-ヒドロキシ酪酸区分 (g/dl) (U/l) (U/l) (mg/dl) (mg/dl) (μmol/l) 試験開始前 6.4 ± ± ± ± ± ± 試験区 9カ月齢時 6.5 ± ± ± ± ± ± 51.9 試験開始前 5.8 ± ± ± ± ± ± 43.8 対照区 9カ月齢時 6.3 ± ± ± ± ± ± 60.8 正常値 6.5 ~ ~ ~ ~ ~ 20.0 < 表 10 下痢の発生状況 区分 牛番号糞便スコア 日数割合 ( 日 ) (%) 試験区 試験牛 試験牛 対照区 対照牛 対照牛 糞便スコア : 糞便点数の合計 / 日数 100 考 察 乳酸発酵芋焼酎粕を黒毛和種子牛へ給与したと ころ 去勢子牛の体重 体高は乳酸発酵芋焼酎粕 を給与した子牛が標準値を大きく上回り 無給与の子牛は標準の推移を示した 雌子牛でもDGは乳酸発酵芋焼酎粕を給与した子牛が無給与の子牛よりやや高い傾向がみられた 同様に 胸囲 腹囲においても給与した子牛が無給与の子牛の伸びを上回ったことから 乳酸発酵芋焼酎粕は濃厚飼料の代替が可能であることが分かった 一方で 焼酎粕は乾物当たりの蛋白含量が高く 試験 2では乳酸発酵芋焼酎粕を給与した子牛の試験終了後の総コレステロール値は 僅かに正常値よりも高くなった よって 乳酸発酵芋焼酎粕は蛋白飼料として認識し 給与前に必ず給与設計を行い 過剰給与及び他の蛋白質含量の高い飼料との併用を避ける必要がある また 本試験は育成期のみを調査したものであり 乳酸発酵芋焼酎粕を給与した子牛が成牛なった際の繁殖成績や枝肉成績を引き続き調査する必

10 乳酸発酵芋焼酎粕の給与が黒毛和種子牛に及ぼす影響 要がある 参考文献 1) 黒木邦彦 工藤寛 森弘 工藤三 水谷政美 : 宮崎県畜産試験場研究報告第 21 号 (2008),5 8 2) 独立行政法人農業技術研究機構編 : 日本標準飼料成分表 (2008 年版 ) 3) 水谷政美 高山清子 山本英樹 越智洋 加藤聡 黒木邦彦 : 日本醸造学会誌 (2011), ) 川端健次 堤知子 山口浩 窪田力 加治佐修 横山喜世志 : 鹿児島県畜産試験場研究報告第 28 号 (1995) 5) 中尾ら : 宮崎大学農学部研究報告 49(2003) 5

11 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 宮崎県産牛肉のおいしさに関する実態調査 黒木信 中武好美 築城努 1) 1) 西諸県農林振興局 The Survey on taste of Miyazaki beef Shin KUROGI,Yoshimi NAKATAKE,Tsutomu TSUYUKI < 要約 > 宮崎県産黒毛和種牛肉の脂肪酸を主体とする おいしさ に関する実態を把握するため 県内の食肉処理場に出荷された一般牛および現場後代検定牛を対象にオレイン酸含有率を測定した結果 一般牛の平均値は 54.6 % で このうち 肉質等級が3 等級以上 かつ 牛肉中のオレイン酸含有率が 55 % 以上を占める割合は 46.5 % であった また 牛肉中のオレイン酸含有率は去勢より雌の方が高く 検定牛を系統別で比較すると鳥取系で高い値を示した 緒言 牛肉のおいしさは 外観ややわらかさ 多汁性 風味など複数の要因が関与していると考えられている 特に近年では 脂肪の質が重要視され 含有率が高くなると口溶けや舌触りが良くなり 好ましい風味をもたらすことから オレイン酸をはじめとする不飽和脂肪酸に注目が集まっている そこで 宮崎県産和牛肉のおいしさに関する実態を把握するために 近赤外線を利用して牛脂肪中のオレイン酸割合を推定することが可能な牛用脂質測定装置を用いて 一般出荷牛および現場後代検定牛のオレイン酸含有率などを測定した 調査方法 1 調査区分 (1) 一般出荷牛 2013 年 1 月から3 月にかけて県内の食肉処理場に出荷された黒毛和種肥育牛 525 頭 ( 去勢 384 頭 雌 141 頭 ) の枝肉成績を収集し 併せて牛用脂質測定装置 ( 相馬光学株式会社 ) を用いて第 6~7 肋骨間横断面の筋間脂肪オレイン酸含有率を測定した ( 図 1) (2) 現場後代検定牛 2010 年 11 月から 2013 年 3 月にかけて県内の食 肉処理場に出荷された黒毛和種産肉能力検定牛 294 頭 ( 去勢 200 頭 雌 94 頭 ) の枝肉成績を収集し 一般出荷牛と同様に牛用脂質測定装置を用いて第 6 ~7 肋骨間横断面の筋間脂肪オレイン酸含有率を測定し 枝肉形質との分析を行った なお 分析形質は 枝肉形質 6 項目 ( 枝肉重量 胸最長筋面積 バラの厚さ 皮下脂肪の厚さ 歩留基準値 BMS ナンバー ) と牛用脂質測定装置によって得られたオレイン酸含有率 ( オレイン酸推定値 ) を用いた また 産肉能力検定牛においては 系統別 ( 兵庫系 島根系 鳥取系 ) および Stearoyl-CoA Desatura se 遺伝子 ( 脂肪酸不飽和化酵素遺伝子 以下 SCD 遺伝子 ) 型別のオレイン酸含有率についての比較を行った 図 1 脂肪酸の測定 ( 牛用脂質測定装置 S-7030) 6

12 宮崎県産牛肉のおいしさに関する実態調査 調査結果 (1) 一般出荷牛 オレイン酸含有率の平均は 去勢 54.3 % 雌 % 全体 54.6 % で 雌が去勢よりも有意 (p<0.0 1) に高く 性による差が認められたが 枝肉重量 など枝肉形質との間に相関は認められなかった ( 表 1) 表 1 オレイン酸含有率と枝肉形質 項目 去勢 雌 全体 頭数 出荷月齢 ( ヶ月 ) 枝肉形質枝肉重量 (kg) ロース芯面積 (cm 2 ) バラの厚さ (cm) 皮下脂肪厚 (cm) 歩留基準値 (%) BMSナンハ ー オレイン酸含有率 (%) B A 同行異符号間に有意差あり (p<0.01) オレイン酸含有率 (%) 特に BMS ナンバーとオレイン酸含有率との間に 相関は認められず むしろ BMS ナンバーが上昇 するに連れ オレイン酸含有率は僅かに減少する傾向にあった ( 図 2) また オレイン酸の最大値 最小値 最頻度はそれぞれ 64.0 % 43.5 % 55.2 % で 一般出荷牛のうち 肉質等級が3 等級以上 かつ 牛肉脂肪中のオレイン酸含有率が 55 % 以上を占める割合は 46.5 % であった ( 表 2 図 3) y = x R² = BMS ナンハ ー 図 2 オレイン酸含有率と BMS ナンハ ーとの相関 表 2 オレイン酸含有率 55% 以上の割合条件 一般出荷牛のうち肉質等級 3 等級以上かつオレイン酸含有率 55% 以上 去勢 161 ( 41.9% ) 雌 83 ( 58.9% ) 全体 244 ( 46.5% ) 頭数 オレイン酸含有率 (%) 図 3 オレイン酸含有率の頻度分布 7

13 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) (2) 現場後代検定牛 検定牛のオレイン酸含有率の平均は 去勢 54.8 % 雌 56.1 % 全体 55.2 % で 一般牛出荷牛と同様に 雌が去勢よりも有意 (p<0.01) に高い値を示したが いずれの枝肉形質においても オレイン酸含有率との間に相関は認められなかった ( 表 3) また オレイン酸の最大値 最小値 最頻度はそれぞれ 65.4 % 45.1 % 54.1 % で一般出荷牛よりもオレイン酸含有率が高い傾向にあった ( 図 4) 検定牛のうち 肉質等級が3 等級以上 かつ 牛肉脂肪中のオレイン酸含有率が 55 % 以上を占める割合は 49.7 % で 検定牛の約半数を占めていた ( 表 4) なお 一般出荷牛同様 BMS ナンバーとオレイン酸含有率との間に相関は認めらず BMS ナンバーが上昇するに連れ オレイン酸含有率は減少するする傾向にあった ( 図 5) 表 3 オレイン酸含有率と枝肉形質 項目 去勢 雌 全体 頭数 出荷月齢 ( ヶ月 ) 枝肉形質枝肉重量 (kg) ロース芯面積 (cm 2 ) バラの厚さ (cm) 皮下脂肪厚 (cm) 歩留基準値 (%) BMSナンハ ー オレイン酸含有率 (%) B A 同行異符号間に有意差あり (p<0.01) オレイン酸含有率 (%) y = x R² = BMSナンハ ー 図 4 オレイン酸含有率の頻度分布 表 4 オレイン酸含有率 55% 以上の割合 120 条件 100 検定牛のうち肉質等級 3 等級以上かつオレイン酸含有率 55% 以上 去勢 89 ( 44.5% ) 雌 57 ( 60.6% ) 全体 146 ( 49.7% ) 頭数 オレイン酸含有率 (%) 図 5 オレイン酸含有率と BMS ナンハ ーの相関 8

14 宮崎県産牛肉のおいしさに関する実態調査 次に オレイン酸含有率を鳥取系 島根系 兵庫 系の3 大系統別で比較したところ 含有率は鳥取系 55.5 % 島根系 54.4 % 兵庫系 55.2 % で 鳥取系 が最も高く 鳥取系は島根系より有意 (p<0.05) に 高い値を示した また オレイン酸含有率が 55 % 以上の割合につ いても 鳥取系 兵庫系 島根系の順に高く 気高 系が高い割合を占めていた ( 表 5) 表 5 系統別のオレイン酸含有率 系統 n オレイン酸含有率 (%) 鳥取系 a ± 2.8 島根系 b ± 2.8 兵庫系 ± 2.8 田尻系 ± 2.8 熊波系 ± 3.0 オレイン酸含有率 55% 以上 鳥取系 61 ( 54.0% ) 島根系 18 ( 36.0% ) 兵庫系 67 ( 51.1% ) 同列異符号間に有意差有り (P<0.05) 脂肪酸組成に影響を与えるとされる SCD 遺伝子の遺伝子型頻度および遺伝子型別オレイン酸含有率について比較したところ 遺伝子型頻度は AA 型が 56.8 % で最も高く VV 型が 13.3 % と低い割合となっていた また 遺伝子型別オレイン酸含有率は AA 型が AV 型および VV 型よりも有意に高い (p<0.05) 値を示した ( 表 6) 考察 一般出荷された本県産和牛肉のオレイン酸含有率は 54.6 % で このうち 含有率 55 % 以上 かつ 肉質等級 3 等級以上の割合は 46.5 % で高い値を示した この値は オレイン酸を指標としてブランドを図っている牛肉の認証 ( 発生 ) 率が2 割程度しかないことを考えると高い水準にあると思われる また オレイン酸含有率を系統別で比較すると鳥取系が島根系より有意に高く オレイン酸は血統や系統により左右されることが示唆された また 脂肪酸組成に影響を与えると考えられる SCD 遺伝子型別のオレイン酸含有率を比較すると AA 型が AV 型 VV 型より含有率が有意に高く この結果は食味性の向上を図る上で 本県の肉用牛改良 特に種牛候補牛の選抜時において有効な指標となり得ると考える 今後は さらに脂肪酸データおよび枝肉情報を集積するとともに枝肉断面の画像情報や DNA 情報も含めデータベース化を図り それらを総合的に解析することにより 宮崎牛の新たな枝肉評価法 を構築し 将来的には本県種雄牛の選抜等に活用していきたいと考える 表 6 SCD 遺伝子型別頻度およびオレイン酸含有率 遺伝子型 n 遺伝子型頻度 (%) オレイン酸含有率 (%) AA a AV b VV b 同列異符号間に有意差有り (P<0.05) 9

15 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 参考文献 1) 浅田勉ら 黒毛和種における早期肥育に関する研究. 群馬畜試研報 11: ) 浅田勉ら 米ぬか添加が黒毛和種去勢牛の産肉性および枝肉脂肪の脂肪酸組成に及ぼす影響. 群馬畜試研報 14:9-20 3) 庄司則章ら 黒毛和種雌肥育牛における濃厚飼料 血漿 筋肉内脂肪の脂肪酸組成の関連性. 山形農研研報 1: ) 宮澤浩太ら 黒毛和種繁殖雌牛の SCD 遺伝子型調査. 群馬畜試研報 11: ) 横田祥子ら 黒毛和種牛肉の食味性に対する, BMSNo., 性, モノ不飽和脂肪酸割合の影響.. 肉用牛研究会会報 92:63 6) 中武好美ら 生米ぬかと湿熱加熱大豆給与が黒毛和種肥育牛に及ぼす影響. 宮崎畜試研報 25:

16 画像解析によるロース芯断面の脂肪交雑粒子に関する客観的評価法の検討 画像解析によるロース芯断面の脂肪交雑粒子 に関する客観的評価法の検討 黒木信 中武好美 築城努 1) 1) 西諸県農林振興局 Study of evaluation method objective about marbling particle cross section of rib eye by the image analysis Shin KUROGI,Yoshimi NAKATAKE,Tsutomu TSUYUKI < 要約 >ミラー型牛枝肉撮影装置を用いて枝肉断面を撮影し 枝肉形質との解析を行ったところ 脂肪交雑面積割合と BMS ナンバーとの間に高い相関が確認されたが 同じ階層の BMS ナンバーであっても最大最小値間に 20 % 程度のばらつきが見られた これら平均値からの差とあらさ指数 細かさ指数との相関分析を行ったところ 脂肪交雑粒子の粗さや細かさが BMS ナンバーの判定に影響を与える可能性が示唆された なお 脂肪交雑粒子の形状は 去勢が雌よりも粗く 雌が去勢よりも細かい傾向にあり 系統別で比較すると兵庫系で細かい傾向にあった 緒言 牛枝肉の評価は ( 社 ) 日本食肉格付協会の格付員の目視検査により行われ 形質の中でも脂肪交雑は価格に影響を及ぼす主な形質の一つとされている 脂肪交雑は枝肉断面の脂肪割合によって判定されるが 単に割合だけでなく 脂肪交雑の程度 ( 一般的に 粗ザシ 小ザシ と言われる ) も影響する考えらており 近年 枝肉断面の画像解析による客観的な評価法の検討が進められている そこで当場では 現場後代検定牛を対象に画像解析による牛枝肉の客観的評価法について検討した られた画像は画像解析ソフトウェア BeefAnalyzer Ⅱ ( 早坂理工株式会社 ) により解析を行った 分析形質は 枝肉形質 6 項目 ( 枝肉重量 (CW) 胸最長筋面積 (REA) バラの厚さ(RT) 皮下脂肪の厚さ (FST) 歩留基準値(YE) BMS ナンバーと画像解析形質 4 項目 ( 胸最長筋面積 (RE A) 胸最長筋内の脂肪交雑面積割合;Marbling pe rcent(mp) あらさ指数;Coarseness index of large r 10 marbling particles(cim) 細かさ指数;Finene ss index of marbling(fim)) を用いた なお あらさ指数は 口田ら (2002) の手法にならい 10 回の細線化処理によって算出した値を用いた 材料および方法 2007 年 1 月から 2013 年 6 月にかけて県内の食肉処理場で格付けされた黒毛和種産肉能力検定牛 ( 現場後代検定牛 )894 頭 ( 去勢 619 頭 雌 275 頭 ) について枝肉形質を調査するとともに枝肉左半丸の第 6~7 肋骨間横断面をミラー型牛枝肉牛撮影装置 (HK-333; 早坂理工株式会社 ) を用いて撮影し 得 図 1 牛枝肉断面の撮影 11

17 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 結果および考察 (1) 枝肉形質枝肉形質 6 項目及び画像解析形質 4 項目の平均値を表 1に示した 枝肉形質のうち 枝肉重量は去勢 473.9kg 雌 kg で去勢が雌より有意 (p<0.01) に大きく バラの厚さにおいても去勢 7.82cm 雌 7.69cm で去勢が有意 (p<0.05) に厚い傾向にあった また 胸最長筋面積は去勢 63.19cm 2 雌 65.11cm 2 で雌が去勢よりも有意 (p<0.01) に大きく 雌の方が皮下脂肪が厚いため 歩留基準値においても雌が高い傾向にあった 一方 BMS ナンバーについては 去勢 雌 6.08 で 性差は認められなかった (2) 画像解析形質画像解析によって得られた胸最長筋面積は去勢 cm 2 雌 66.73cm 2 で 枝肉形質と同様に雌が有意 (p<0.01) に大きく 格付け値と画像解析値との間に高い相関 (r=0.91) が認められた また 脂肪交雑面積割合は去勢 % 雌 % で去勢が雌より有意 (p<0.05) に高い値を示した あらさ指数は去勢 % 雌 % で 脂肪交雑粒子の形状は去勢が雌より有意 (p<0.01) に粗い傾向にあった 一方 細かさ指数は去勢 2.87 個 / cm 2 雌 3.07 個 / cm 2 で 雌が去勢より有意 (p<0.01) に細かい傾向にあった 表 1 枝肉形質と画像解析形質 ( 枝肉形質 ) 去勢 N=619 雌 N=275 全体 N=894 CW(kg) A B REA(cm 2 ) B A RT(cm) 7.82 a 7.69 b 7.78 FST(cm) 2.68 B 2.91 A 2.75 YE(%) B A BMS ナンハ ー ( 画像解析形質 ) REA(cm 2 ) B A MP(%) a b CIM(%) A B FIM( 個 /cm 2 ) 2.87 B 3.07 A 2.93 同行異符号間に有意差有り (A-B;p<0.01,a-b;p<0.05) 表 2 BMS ナンハ ー階層別 MP および CIM BMSナンハ ー 平均値 CIM(%) MP(%) 標準偏差 最大値 最小値 平均値 標準偏差 最大値 最小値 BMSナンハ ー 平均値 CIM(%) MP(%) 標準偏差 最大値 最小値 平均値 標準偏差 最大値 最小値 BMSナンハ ー 平均値 CIM(%) MP(%) 標準偏差 最大値 最小値 平均値 標準偏差 最大値 最小値

18 画像解析によるロース芯断面の脂肪交雑粒子に関する客観的評価法の検討 また BMS ナンバーと脂肪交雑面積割合との間に高い相関 (r=0.85) が認められたが 同じ階層の BMS ナンバーにおいて最小値と最大値間に最大で 20 % 程度のばらつきが認められた ( 図 2 表 2) このため 各階層の BMS ナンバーの脂肪交雑面積割合が平均値よりが高いものについて 平均値からの差とあらさ指数の相関分析を行ったところ 正の相関 (r=0.35) が認められた すなわち 脂肪交雑面積割合が平均値よりも高く BMS ナンバーが上位の階層へ移行してもおかしくないものについては 平均値からの差が大きくなるに連れ あらさ指数も高くなる傾向が認められた ( 図 3) 次に各階層の BMS ナンバーの脂肪交雑面積割合が平均値よりも低いものについて 平均値からの差と細かさ指数について相関分析を行ったところ 一定の傾向は認められず むしろ平均値からの差が大きくなるに連れ 細かさ指数は低くなる傾向にあった ( 図 4) しかしながら 脂肪交雑面積割合が一定の水準 (MP>57%) を満たしている条件下では 平均値からの差が大きくなるに連れ 細かさ指数が高くなる傾向が認められた また 同様の傾向は BMS ナンバーと細かさ指数との間にも認められ 脂肪交雑面積割合が一定の水準 (MP>58%) を満たしている条件下では BMS ナンバーが高くなるに連れ 細かさ指数が高くなる傾向が認められた ( 図 5 6) 図 2 BMS ナンハ ーと MP との相関 図 4 MP 平均値からの差と FIM との相関 図 3 MP 平均値からの差と CIM との相関 図 5 MP 平均値からの差と FIM との相関 (MP > 57%) 13

19 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 図 6 BMS ナンハ ーと FIM との相関 (MP > 58%) 図 7 MP と CIM ( 上 ;BMS ナンハ ー 8 MP55.1% CIM18.3% 下 ;BMS ナンハ ー 8 MP65.5% CIM33.2%) 図 8 MP と FIM ( 上 ;BMS ナンハ ー 4 MP39.1% FIM4.34 個 / cm 2 下 ;BMS ナンハ ー 11 MP59.9% FIM3.75 個 / cm 2 ) 14

20 画像解析によるロース芯断面の脂肪交雑粒子に関する客観的評価法の検討 これらの結果から 牛枝肉の格付け 特に枝肉価格に大きな影響を及ぼす脂肪交雑の判定は 主に脂肪交雑面積割によって決定されるが 同程度の脂肪面積割合においては脂肪交雑粒子の形状が脂肪交雑の判定に影響を与える可能性が示唆された 特に脂肪交雑粒子の形状が粗いものでは 同じ階層の BMS Sナンバーの脂肪交雑面積割合が平均値よりも高く より上位の階層に判定される脂肪割合であっても 下位の階層に判定される可能性が示唆された また あらさ指数が脂肪交雑に及ぼす影響ほど顕著ではないものの 脂肪交雑面積割合が高い水準を満たしている場合には 脂肪交雑粒子の細かさが脂肪交雑の判定に影響を与える可能性が示唆された これらは 脂肪交雑面積割合が50% 50% を下回るような低い条件下下では 脂肪交雑粒子の形状がいかに細かくても では 脂肪交雑粒子の形状がいかに細かくても 枝枝肉に経済的価値を付加するほどの肉のきめや締まり 肉色などを発現できないものと推察され 細かさ指数は高い脂肪交雑面積割合の条件下ではじめて小ザシとして認識され 枝肉に経済的な価値を付加できるものと考えられる ( 図 77 8) 8) 表 3 系統別の画像解析形質 系統 頭数 脂肪交雑面積割合 (MP) 兵庫系 ± ± 4.36 B 3.03 ± 0.49 A 島根系 ± ± 4.27 A 2.88 ± 0.44 B 気高系 ± ± 4.53 A 2.83 ± 0.43 B 同列異符号間に有意差有り (A-B:p<0.01) あらさ指数 (CIM) 細かさ指数 (FIM) (%) (%) ( 個 /cm 2 ) 次に画像解析形質を系統別に比較したところ 脂肪交雑面積割合は系統間に差は認められなかった あらさ指数は兵庫系があらさ指数は兵庫系が 16.94% 16.94% で 島根系で 島根系 18.31% 気高系 18.31% 18.45% 気高系よりも有意 18.45% よりも有意 (P<0.01)(P<0.01) に低い傾向にに低あった 一方 細かさ指数では兵庫系がい傾向にあった 一方 細かさ指数では兵庫系が 3.03 個 / 3.03 c m 個 2 / で 島根系cm2で 島根系 個 / 個 / cm cm2 気高系 2 気高系 個個 / cm2より / cm 2 も有意よりも有意 (P<0.01) (P<0.01) に高い値を示したに高い値を示した ( 図 9 表( 3) 図 9 表 3) これらのことから 脂肪交雑粒子の形状は血統や 系統によって異なる特徴を持ち 肉用牛の改良形質これらのことから 脂肪交雑粒子の形状は血統や系統によって異なる特徴を持ち 肉用牛の改良形質の一つとして利用可能であることが示唆された の一つとして利用可能であることが示唆された 図 9 系統別 CIM と FIM 15

21 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 以上の結果から 枝肉横断面の精細画像を取り込みそれらを解析することで 従来の枝肉形質だけでは評価できなかった脂肪交雑粒子の形状や脂肪交雑面積割合の客観的な評価が可能となった 今後は これらの成果を活用して 脂肪交雑面積割合は高水準を維持しつつ 脂肪交雑粒子の形状が細かい高品質な肉用牛の改良に向け 画像解析データをはじめ 枝肉情報 脂肪酸データ DNA 情報などを併せて収集 蓄積し データベース化を図り それらを総合的に解析することによって 宮崎牛の新たな枝肉評価法 として構築し 将来的には本県種雄牛の評価 選抜等に活用していきたいと考える 参考文献 1) 口田圭吾ら 枝肉横断面撮影装置の開発とその牛枝肉格付への応用. 第 98 回日本畜産学会大会一般講演 2) 口田圭吾ら 枝肉横断面撮影の開発と得られた画像を利用した BMS ナンバーの推定. 日本畜産学会会報 72: ) 口田圭吾ら 画像解析による黒毛和種の. 日本畜産学会会報 74: ) 長谷川未央ら 脂肪交雑粒子のあらさおよび胸最長筋の形状に関する画像解析値を用いた BMS ナンバーの推定. 日本畜産学会会報 75: ) 口田圭吾ら 牛脂肪交雑基準の評価に対する判定者間の偏差に関する検討. 日本畜産学会会報 75: ) 波通隆ら 牛枝肉横断面の高精細画像撮影装置の開発. 北海道立工業試験場報告.303:

22 肥育開始月齢および出荷月齢の違いが黒毛和種肥育牛に及ぼす影響 肥育開始月齢および出荷月齢の違いが 黒毛和種肥育牛に及ぼす影響 中武好美 鍋倉弘良 1) 竹之山愼一 2) 1) 宮崎県畜産協会 2) 南九州大学健康栄養学部 The Effects of Feeding Dried Shochu By-Product on the Fattening of Japanese Black Cattle Yoshimi NAKATAKE,Hiroyoshi NABEKURA, Shin-ichi TAKENOYAMA < 要約 > 黒毛和種去勢牛において通常より3カ月早め生後 7カ月齢から肥育を開始し 通常より4 カ月出荷を早め24カ月齢で出荷する試験区 1と 肥育開始は通常と同じ生後 10カ月齢とし 24カ月齢で出荷する試験区 2および肥育開始を生後 10カ月齢 出荷を通常と同じ28カ月齢とした対照区を設け 以下の成績が得られた 肥育期間中のDGについて3 区を比較したところ 試験区 1で大きく試験区 2で小さい傾向にあった 濃厚飼料摂取量は 肥育期間の短い試験区 2で少ない傾向にあった また 粗飼料摂取量は両試験区とも少ない傾向にあり 肥育開始直後から摂取量の低下がみられた 枝肉成績において 両試験区で肉色が濃く 試験区 1においてはきめやしまりが良くない傾向にあった また 枝肉重量は両試験区とも対照区と比較して小さい傾向にあった 胸最長筋および皮下脂肪の脂肪酸組成については ともに対照区でオレイン酸含量が高い傾向にあった 胸最長筋 皮下脂肪および筋間脂肪のビタミンE 含量は試験区 1で高い傾向にあった 現在 黒毛和種牛の肥育においては 濃厚飼料を多給して28カ月齢以上で出荷する肥育方法が一般的に行われている 一方 増体量や飼料効率 胸最長筋における脂肪交雑量の増加は24カ月齢がピークであるとする報告もあるが 近年では出荷月齢の延長が脂肪の質に影響を与えるという報告もある また 輸入穀物価格の高騰および高止まりに加え 牛枝肉価格の低迷により肉用牛肥育経営は逼迫した状況が続いており 解決策が求められている そこで 肥育期間の短縮や出荷月齢の違いによる発育や枝肉成績 肉質および経済性に及ぼす影響について検討した 試験方法 1 試験区分供試牛は黒毛和種去勢牛 9 頭を用い 試験区分は 7カ月齢に肥育を開始し24カ月齢で出荷する試験区 1 10カ月齢に肥育を開始し24カ月齢で出荷する試験区 2 10カ月齢に肥育を開始し28カ月齢で出荷する対照区の3 区を設け それぞれ3 頭ずつ配置した 全頭とも福之国産子を用いた 試験区分を表 1に示した 2 給与飼料および給与方法濃厚飼料は全期間を通して主に市販の肥育用配合飼料を用い 粗飼料は前期に当場内産イタリアンラ 17

23 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) イグラス乾草 中期および後期に稲ワラを給与した 表 2に給与飼料の成分を示した 表 1 試験区分 区分頭数性別種雄牛 肥育開始月齢 肥育中期開始月齢 肥育後期開始月齢 肥育終了月齢 試験区 1 3 去勢 福之国 試験区 2 3 去勢 福之国 対照区 3 去勢 福之国 表 2 給与飼料の成分 ( 単位 :%) 区分 水分 粗蛋白質 粗脂肪 粗繊維 粗灰分 TDN 肥育用配合飼料 大麦圧ペン コーンミール 飼養管理試験開始前の予備期間中に全頭 除角と鼻環装着 5) 脂質含量 脂肪酸組成 遊離アミノ酸含量 ビタミンE 含有量 : 胸最長筋および皮下脂肪につ を行い 約 8 m2の牛房で単飼による個別給餌で飼養 いて分析した した 飼料給与時刻は9 時および16 時とし 水は自由摂 試験結果 取とした なお 牛床はコンクリート床にのこくずを敷き天井から直下型ファンで送風し その他は当場の通常管理とした 1 発育および増体成績表 3に肥育開始時の体型 表 4に肥育終了時の体型 4 調査項目 1) 体重 :4 週ごとに13 時に測定した 2) 体型 :12 週ごとに体重測定後測定した 3) 飼料摂取量および養分要求率 : 濃厚飼料摂取量は毎日 粗飼料摂取量は週ごとに測定した 養分要求率の基礎となる栄養価は 日本標準飼料成分表 (2001 年版 ) 2) を用いた 4) 枝肉成績 :( 社 ) 日本食肉格付協会の格付成績を用いた を示した 肥育開始時の体型は 試験区 1で開始時月齢が早いため 小さかった 図 1に体重の推移を示した 全期間を通して試験区 1でやや大きく推移し 試験区 2と対照区はほぼ同様に推移した 肥育終了時の体重は試験区 1が696.0 kg 試験区 2 が682.6 kg 対照区が771.3 kgであり 出荷月齢の早い試験区 1 2で小さく 対照区で大きい傾向にあったが 肥育期間中のDGは試験区 1が0.88 kg/ 日 試験区 2が0.82 kg/ 日 対照区が0.84 kg/ 日であり 試験区 1で大きい傾向にあり 試験区 2で小さい傾向にあった 表 3 開始時の体型 ( 単位 : 日 kg cm) 区分 日齢 体重 体高 体長 胸囲 腹囲 試験区 ± ± ± ± ± ± 7.5 試験区 ± ± ± ± ± ± 1.5 対照区 ± ± ± ± ± ±

24 肥育開始月齢および出荷月齢の違いが黒毛和種肥育牛に及ぼす影響 800 (kg) 試験区 1 試験区 2 対照区 700 体重 週齢 図 1 体重の推移 表 4 終了時の体型 ( 単位 : 日 kg cm kg/ 日 ) 区分 日齢 体重 体高 体長 胸囲 腹囲 1 日当たり増体量 試験区 ± ± ± ± ± ± ± 0.08 試験区 ± ± ± ± ± ± ± 0.06 対照区 843 ± ± ± ± ± ± ± 飼料摂取状況表 5に濃厚飼料および粗飼料の摂取量を示した において粗飼料摂取量に個体差が見られた 図 2に試験期間中の粗飼料摂取量の推移を示した 濃厚飼料摂取量は 肥育期間の短い試験区 2で少なく DM 摂取量 TDN 摂取量 CP 摂取量も少ない傾向にあった 肥育期間としては同等である試験区 1と対照区では差は認められなかった 粗飼料摂取量は 濃厚飼料摂取量と同様に試験区 2で少なかったが 試験区 1でも少ない傾向にあった 試験区 1 試験区 1 2において肥育開始直後から摂取量の低下が見られた 表 6に飼料要求率を示した 飼料要求率 (DM) は試験区 1が10.77 kg/kg 試験区 2が9.39 kg/kg 対照区が10.09 kg/kgであり 試験区 2で低い傾向にあった 表 5 飼料摂取量 ( 単位 :kg) 区分 濃厚飼料粗飼料原物 DM TDN CP 原物 DM TDN CP 試験区 ± ± ± ± ± ± ± ± 9.5 試験区 ± ± ± ± ± ± ± ± 5.1 対照区 ± ± ± ± ± ± ± ± (kg) 試験区 1 試験区 2 対照区 2 粗飼 1.5 料摂取 1 量 週齢 図 2 粗飼料摂取量の推移 19

25 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 表 6 飼料要求量 ( 単位 :kg) 区分 DM TDN CP 試験区 ± ± ±0.05 試験区 ± ± ±0.03 対照区 ± ± ± 枝肉成績表 7に枝肉成績を示した 枝肉重量は肥育終了時体重と同様に試験区 1 2に比べて対照区が大きい傾向にあった また 胸最長筋面積は対照区で大き い傾向にあり 皮下脂肪厚は試験区 2で薄い傾向にあり 脂肪交雑 (BMS ) は対照区で高い傾向にあった 試験区 1において 肉色が濃く きめやしまりが良くない傾向にあった 表 7 枝肉成績 区分 枝肉重量胸最長筋面積バラの厚さ皮下脂肪厚歩留基準値脂肪交雑肉色しまりきめ脂肪色 (kg) (cm 2 ) (cm) (cm) (%) (BMS ) (BCS ) (BFS ) 試験区 ± ± ± ± ± ± ± ± ± ± 0.0 試験区 ± ± ± ± ± ± ± ± ± ± 0.0 対照区 ± ± ± ± ± ± ± ± ± ± 脂肪酸組成表 8に胸最長筋の脂質含量を示した 脂肪交雑 (BMS ) と同様に対照区が最も高く 次いで試験区 2 試験区 1の順であった 表 9 脂肪酸組成 ( 胸最長筋 ) ( 単位 :%) 表 8 胸最長筋の脂質含量 ( 単位 :%) 区分 脂質含量 試験区 ± 4.70 試験区 ± 3.86 対照区 ± 2.90 胸最長筋 区分 試験区 1 試験区 2 対照区 12: ± ± ± : ± ± ± : ± ± ± : ± ± ± :1(n-7) 4.94 ± ± ± 0.74 また 表 9 10に胸最長筋および筋間脂肪の脂肪酸組成を示した 牛肉のおいしさの要因の一つとして注目されているオレイン酸 (18:1(n-9)) は 胸最長筋において試験区 1が46.10 % 試験区 2が % 対照区が51.97 % で 対照区が高い傾向にあった 不飽和脂肪酸割合も同様に対照区が高い傾向にあった 筋間脂肪におけるオレイン酸 (18:1(n- 9)) は 試験区 1が46.77 % 試験区 2が49.28 % 対照区が50.65 % であり 試験区 1が低い傾向にあ 17: ± ± ± : ± ± ± :1(n-9) ± ± ± :2(n-6) 1.89 ± ± ± :3(n-3) 0.09 ± ± ± : ± ± ± :1(n-9) 0.33 ± ± ± :3(n-6) 0.00 ± ± ± :4(n-6) 0.00 ± ± ± c,11tCLA 0.18 ± ± ± 0.03 不飽和脂肪酸 ± ± ± 1.71 った 不飽和脂肪酸割合は胸最長筋と同様に対照区が高い傾向にあった 20

26 肥育開始月齢および出荷月齢の違いが黒毛和種肥育牛に及ぼす影響 表 10 脂肪酸組成 ( 筋間脂肪 ) ( 単位 :%) 筋間脂肪 区分 試験区 1 試験区 2 対照区 12: ± ± ± : ± ± ± : ± ± ± : ± ± ± :1(n-7) 4.23 ± ± ± : ± ± ± : ± ± ± :1(n-9) ± ± ± :2(n-6) 1.69 ± ± ± :3(n-3) 0.10 ± ± ± : ± ± ± :1(n-9) 0.39 ± ± ± :3(n-6) 0.00 ± ± ± :4(n-6) 0.00 ± ± ± c,11tCLA 0.28 ± ± ± 0.06 不飽和脂肪酸 ± ± ± ビタミンE 表 11に胸最長筋 皮下脂肪および筋間脂肪のビタ ミンE 含量を示した 胸最長筋のα-トコフェロー ル含量は試験区 1が μg/100g 試験区 2が μg/100g 対照区が μg/100gであり 試 験区 2がやや低い傾向にあった 皮下脂肪 筋間脂 肪のα-トコフェロール含量は試験区 1で高い傾向に あった 表 11 ビタミンE ( 単位 :μg/100g) 区分胸最長筋皮下脂肪筋間脂肪 試験区 1 試験区 2 対照区 α-toc ± ± ± α-toc T ± ± ± γ-toc 9.30 ± ± ± 3.22 Total ± ± ± α-toc ± ± ± α-toc T ± ± ± 4.92 γ-toc ± ± ± Total ± ± ± α-toc ± ± ± α-toc T ± ± ± γ-toc 8.87 ± ± ± 9.58 Total ± ± ± 考察 両試験区において 1 日当たり増体量は対照区と比較して差は認められなかった しかし 試験区 2 においては濃厚飼料摂取量が対照区より少ない傾向にあり 粗飼料摂取量は両試験区ともに少ない傾向にあった このことから肥育期間の短縮は飼料費節減につながることが示唆された しかし 枝肉成績については両試験区とも枝肉重量が小さく しまりやきめが良くない傾向にあり 脂肪交雑は対照区が高い結果となった 今日の枝肉評価では 脂肪交雑重視となっているため 枝肉販売価格によっては飼料費が節減されていたとしても収益性が低くなる可能性が示唆された さらに 肥育開始月齢が早かった試験区 1においては 個体によっては飼料摂取量が低下し 増体量が減少する傾向にあった 脂肪酸組成における一価不飽和脂肪酸 ( 以下 M UFA) 割合は 牛肉のおいしさに関係するといわれている その割合の変動要因について 様々な報告が挙げられているが 岩本 ³) はと畜月齢を30カ月齢から34カ月齢に延長することで飼料効率は低下したが MUFA 割合は増加することを報告している 本調査においても と畜月齢が長かった対照区がM UFA 割合が高く 同様の結果となった ビタミンEは脂溶性ビタミンの1つで 抗酸化作用があり 肉色の保持等に効果があるといわれている 両試験区における枝肉成績において肉色が濃い傾向にあったが これは胸最長筋 皮下脂肪および筋間脂肪のα-トコフェロール含量が 対照区よりも高い傾向にあったことによると推察される 参考文献 1) 中武好美 森弘 竹之山愼一 : 宮崎県畜産試験場県研究報告 22(2009),1-8 2) 独立行政法人農業技術研究機構編 : 日本標準飼料成分表 (2009 年版 ) 3) 岩本英治 : ひょうごの農林水産技術 134( ),8 21

27 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 肥育開始月齢および出荷月齢の違いが 黒毛和種肥育牛に及ぼす影響 ( 第 2 報 ) 中武好美 鍋倉弘良 1) 竹之山愼一 2) 1) 宮崎県畜産協会 2) 南九州大学健康栄養学部 The Effects of Feeding Dried Shochu By-Product on the Fattening of Japanese Black Cattle Yoshimi NAKATAKE,Hiroyoshi NABEKURA, Shin-ichi TAKENOYAMA < 要約 > 増体系種雄牛を父にもつ黒毛和種去勢牛を7か月齢から肥育し24か月齢で出荷したところ 以下の成績が得られた 肥育期間中の濃厚飼料摂取量は対照区がやや多い傾向にあり 粗飼料摂取量は対照区が多かったが これは通常肥育の肥育前期における粗飼料摂取の差によるものと考えられた 肥育終了時の体重は 試験区 736.6±49.5kg 対照区 800.6±15.2kgであり 対照区が大きい傾向にあった 肥育期間中の1 日当たり増体量は試験区が0.95±0.08kg/ 日 対照区が0.87±0.04kg/ 日であり試験区が大きい傾向にあったが ばらつきがみられた 枝肉成績において枝肉重量は対照区が大きい傾向にあったが 試験区の枝肉重量は本県平均と同程度であった 胸最長筋面積は試験区 55.6cm2 対照区 73.3cmで試験区が小さかった 脂肪交雑 (BMS ) は試験区 3.6 対照区 5.3であり しまりやきめは試験区で良くない傾向にあった 胸最長筋におけるオレイン酸割合は試験区が48.07±1.7% 対照区が50.13±4.02% あり 試験区が低い傾向にあった 前報 1) で 福之国産子を用いた早期肥育 早期出荷を検討したところ 十分な枝肉重量を得られず また 肉質も良くない傾向にあった そこで 本試験においては増体系種雄牛である忠富士の産子を早期肥育 早期出荷する技術について検討した 試験方法 1 試験区分供試牛は黒毛和種去勢牛 6 頭を用い 試験区分は 7カ月齢に肥育を開始し24カ月齢で出荷する試験区 9カ月齢に肥育を開始し28カ月齢で出荷する対照区の2 区を設け それぞれ3 頭ずつ配置した 全頭とも忠富士産子を用いた 試験区分を表 1に示した 2 給与飼料および給与方法濃厚飼料は全期間を通して主に市販の肥育用配合飼料を用い 粗飼料は前期に当場内産イタリアンライグラス乾草 中期および後期に稲ワラを給与した 給与飼料の成分について表 2に示した 22

28 肥育開始月齢および出荷月齢の違いが黒毛和種肥育牛に及ぼす影響 ( 第 2 報 ) 表 1 試験区分 区分 頭数 性別 種雄牛 肥育開始肥育終了月齢月齢 試験区 3 去勢 忠富士 7 24 対照区 3 去勢 忠富士 9 28 表 2 給与飼料の成分 ( 単位 :%) 区分水分粗蛋白質粗脂肪粗繊維粗灰分 TDN 肥育用配合飼料 大麦圧ペン コーンミール 飼養管理試験開始前の予備期間中に全頭 除角と鼻環装着 5) 脂質含量 脂肪酸組成 遊離アミノ酸含量 ビタミンE 含有量 : 胸最長筋および皮下脂肪につ を行い 約 8 m2の牛房で単飼による個別給餌で飼養 いて分析した した 飼料給与時刻は9 時および16 時とし 水は自由摂 試験結果 取とした なお 牛床はコンクリート床にのこくずを敷き天井から直下型ファンで送風し その他は当場の通常管理とした 1 発育および増体成績表 3に開始時の体型を 図 1に体重の推移を示した 4 調査項目 1) 体重 :4 週ごとに13 時に測定した 2) 体型 :12 週ごとに体重測定後測定した 3) 飼料摂取量および養分要求率 : 濃厚飼料摂取量は毎日 粗飼料摂取量は週ごとに測定した 養分要求率の基礎となる栄養価は 日本標準飼料成分表 (2001 年版 ) 2) を用いた 4) 枝肉成績 :( 社 ) 日本食肉格付協会の格付成績を用いた 肥育開始月齢の差から 試験区が対照区よりも体重 体高 体長 胸囲および腹囲が小さかった 体重は 試験区が246.0kg 対照区が314.3kgであった 表 4に終了時の体型を示した 肥育終了月齢の差から 試験区が対照区よりも体重 体高 胸囲および腹囲が小さかった 体重は 試験区が736.6kg 対照区が800.6kgであった 体長は試験区が対照区よりやや大きかったが バラツキがみられた また 全期間 DGも対照区より試験区が大きい傾向にあったが バラツキがみられた 表 3 開始時の体型 ( 単位 : 日 kg cm) 区分 日齢体重体高体長胸囲腹囲 試験区 ± ± ± ± ± ± 1.7 対照区 ± ± ± ± ± ± 5.2 表 4 終了時の体型 ( 単位 : 日 kg cm kg/ 日 ) 区分 日齢体重体高体長胸囲腹囲 DG 試験区 ± ± ± ± ± ± ± 0.08 対照区 ± ± ± ± ± ± ±

29 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 900 (kg) 体重 試験区 対照区 週齢 図 1 体重の推移 2 飼料摂取状況 が多く 粗飼料も対照区が多かった 表 5に濃厚飼料および粗飼料の摂取量 図 2に粗飼 表 6に飼料要求率を示した 飼料要求率 (DM) 料摂取量の推移を示した は試験区が8.11 kg/kg 対照区が10.16 kg/kgであ 全期間の濃厚飼料摂取量は 肥育期間が長い対照区 り 試験区が低い傾向にあった 表 5 飼料摂取量 ( 単位 :kg) 区分 前期中期濃厚飼料粗飼料濃厚飼料粗飼料 試験区 ± ± ,949.2 ± ± 49.8 対照区 ± ± 9.2 2,328.9 ± ± 20.6 区分 後期全期間濃厚飼料粗飼料濃厚飼料粗飼料 試験区 ± ± ,922.8 ± ± 32.3 対照区 1,207.9 ± ± ,422.3 ± ,234.1 ± 39.3 図 2 (kg/ 日 ) 粗飼料摂取量の推移 週齢 試験区 対照区 表 6 飼料要求量 ( 単位 :kg) 区分 DM TDN CP 試験区 8.11 ± ± ± 0.07 対照区 ± ± ±

30 肥育開始月齢および出荷月齢の違いが黒毛和種肥育牛に及ぼす影響 ( 第 2 報 ) 3 枝肉成績 表 7 に枝肉成績を示した 枝肉重量は肥育終了時 体重と同様に 対照区が大きい傾向にあった 脂肪 交雑 (BMS ) は対照区が良い傾向にあった また きめやしまりは試験区が悪い傾向にあった 表 7 枝肉成績 胸最長筋と畜前体重枝肉重量バラの厚さ皮下脂肪厚歩留基準値脂肪交雑肉色区分面積しまりきめ 脂肪色 (kg) (kg) (cm 2 ) (cm) (cm) (%) (BMS ) (BCS ) (BFS ) 試験区 722.0± ± ± ± ± ± ± ± ± ± ±0.0 対照区 790.0± ± ± ± ± ± ± ± ± ± ±0.0 4 脂肪酸組成表 8に胸最長筋の脂質含量を示した 試験区より対照区が多かった 表 8 胸最長筋の脂質含量 ( 単位 :%) 区分脂質含量 試験区 28.5 ± 4.8 対照区 44.4 ± 10.8 また 表 9 10 に胸最長筋および筋間脂肪の脂肪 酸組成を示した 胸最長筋において オレイン酸割合は試験区より対照区が高く また 不飽和脂肪酸割合も対照区が高かった 筋間脂肪においても 試験区より対照区がオレイン酸割合 不飽和脂肪酸割合共に多かった 表 9 脂肪酸組成 ( 胸最長筋 ) ( 単位 :%) 区分 胸最長筋試験区対照区 ラウリン酸 12: ± ± 0.01 ミリスチン酸 14: ± ± 0.78 ミリストレイン酸 14: ± ± 0.13 パルミチン酸 16: ± ± 2.40 パルミトレイン酸 16:1(n-7) 3.27 ± ± : ± ± 0.08 ステアリン酸 18: ± ± 1.05 オレイン酸 18:1(n-9) ± ± 4.02 リノール酸 18:2(n-6) 1.88 ± ± 0.27 α-リノレン酸 18:3(n-3) 0.10 ± ± 0.02 アラキジン酸 20: ± ± 0.00 エイコセン酸 20:1(n-9) 0.34 ± ± 0.12 エイコサジエン酸 20:2(n-6) 0.03 ± ± 0.02 エイコサトリエン酸 20:3(n-6) 0.10 ± ± 0.03 アラキドン酸 20:4(n-6) 0.11 ± ± c,11tCLA 0.24 ± ± 0.06 不飽和脂肪酸 ± ± 4.26 表 10 脂肪酸組成 ( 筋間脂肪 ) ( 単位 :%) 筋間脂肪区分試験区対照区 ラウリン酸 12: ± ± 0.00 ミリスチン酸 14: ± ± 0.26 ミリストレイン酸 14: ± ± 0.33 パルミチン酸 16: ± ± 1.47 パルミトレイン酸 16:1(n-7) 4.45 ± ± : ± ± 0.12 ステアリン酸 18: ± ± 2.94 オレイン酸 18:1(n-9) ± ± 2.60 リノール酸 18:2(n-6) 1.79 ± ± 0.21 α-リノレン酸 18:3(n-3) 0.11 ± ± 0.01 アラキジン酸 20: ± ± 0.05 エイコセン酸 20:1(n-9) 0.50 ± ± 0.08 エイコサジエン酸 20:2(n-6) 0.02 ± ± 0.09 エイコサトリエン酸 20:3(n-6) 0.07 ± ± 0.03 アラキドン酸 20:4(n-6) 0.03 ± ± c,11tCLA 0.34 ± ± 0.05 不飽和脂肪酸 ± ± ビタミンE 表 11に胸最長筋 皮下脂肪および筋間脂肪のビタミンE 含量を示した 胸最長筋において 試験区は 702.2μg/100g 対照区は856.0μg/100g 皮下脂肪において 試験区が1566.8μg/100g 対照区が μg/100gであり いづれの部位も試験区より対照区が高い傾向にあった 筋間脂肪は 試験区が μg/100g 対照区が323.8μg/100gであり 試験区が高い傾向にあった 25

31 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 表 11 ビタミン E ( 単位 :μg/100g) 区分試験区対照区 α-toc ± ± 65.2 α-toc T 胸最長筋 ± ± 38.6 γ-toc 0.0 ± ± 0.0 Total ± ± 93.8 α-toc ± ± α-toc T ± ± 33.8 皮下脂肪 γ-toc 0.0 ± ± 0.0 Total ± ± α-toc ± ± α-toc T ± ± 40.6 筋間脂肪 γ-toc 0.0 ± ± 0.0 Total ± ± 考 察 増体系種雄牛を父牛に持つ黒毛和種去勢牛を生後 7カ月齢から肥育を開始し 24カ月齢で出荷したところ 枝肉重量は本県平均と同程度であったが きめやしまりが良くなく 胸最長筋におけるオレイン酸割合も低い傾向にあった これら肉質の低下は 前報の結果と同様であった また 胸最長筋面積が試験区で55.6cm 2 対照区で73.3cm2であり 試験区が小さい傾向にあったが これは 試験区では若齢より肥育を開始しており月齢が早い内から濃厚飼料給与量を増加させたことにより 粗飼料の摂取量が減少してしまい 胸最長筋の発育が十分にできなかったと推察された 早期出荷技術について 前報で課題となった枝肉重量の減少については 増体系種雄牛の産子を利用することで枝肉の平均重量と遜色ない成績となったが 肉質の低下については課題が残る結果となった 今後は 肥育の各ステージの期間やそれぞれの期間における粗飼料と濃厚飼料の比率等について再度検討する必要がある 参考文献 1) 肥育開始月齢および出荷月齢の違いが黒毛和種肥育牛に及ぼす影響 : 中武好美 鍋倉弘良 竹之山愼一 2) 独立行政法人農業技術研究機構編 : 日本標準飼料成分表 (2009 年版 ) 26

32 肥育期間の延長が黒毛和種去勢牛に及ぼす影響 肥育期間の延長が黒毛和種去勢牛に及ぼす影響 中武好美 竹之山愼一 1) 1) 南九州大学健康栄養学部 The Effects of Extended Fattening Period on the Japanese Black Steers Yoshimi NAKATAKE,Shin-ichi TAKENOYAMA < 要約 > 黒毛和種去勢肥育牛の肥育中期から出荷までの目標 1 日当たり増体量 ( 以下 DG) を慣行の70% に設定し 肥育期間を慣行の28カ月齢から6カ月間延長し34カ月齢で出荷したところ 以下の成績が得られた 1 肥育中期以降のDGは試験区で小さくなるが 肥育終了時の体重は両区間に差はなかった 2 飼料摂取量は試験区で有意に多くなった 3 試験区において延長した6カ月間における飼料要求率が高くなる傾向にあった 4 枝肉成績は 両区間に差は認められなかった 5 筋間脂肪におけるオレイン酸割合が試験区で有意に高くなった 近年 和牛肉に関する研究が多方面から進められており その中の一つとして 牛肉の脂肪の質が食べたときに感じるおいしさに関係していることが注目されている 牛脂肪は不飽和脂肪酸割合が高く 融点が低いほど風味が良いとされている 1) 脂肪の軟らかさは 脂肪酸組成によって決定される 牛脂肪の脂肪酸組成は 牛の品種や性別および血統に加えて 給与している飼料の種類や屠畜月齢等の飼養管理条件に左右されることが報告されている2) ものの 実際に同一飼料を給与して黒毛和種去勢牛の肥 勢牛 6 頭を用い 10カ月齢から肥育を開始し34カ月齢で出荷する試験区と10カ月齢から肥育を開始し28 カ月齢で出荷する対照区の2 区を設け それぞれ3 頭ずつ配置した 10から14カ月齢を肥育前期 15から 22カ月齢を肥育中期 以降 出荷までを肥育後期とした また 肥育前期は両区とも同じ飼料給与設計とした 出荷時の目標体重を同程度とするため 肥育中期以降は 試験区の目標 DGを対照区の70% とし 濃厚飼料給与量を決定した 試験区分を表 1に示した 育を行い 屠畜月齢を延長して肉質への影響を調査 した例は多くない そこで 肥育期間を慣行の28カ月齢から6カ月間延長し 34カ月齢で出荷し 発育と肉質への影響を調査した 2 給与飼料および給与方法 濃厚飼料は全期間を通して主に市販の肥育用配合 飼料を用い 粗飼料は前期に当場内産イタリアンラ 1 試験区分 試験方法 イグラス乾草とチモシー乾草 中期および後期に稲わらを給与した 表 2に給与濃厚飼料の成分を示した 供試牛は父牛が同一 ( 勝平正 ) である黒毛和種去 表 1 試験区分 区分頭数性別種雄牛肥育開始月齢肥育終了月齢目標 DG 試験区 3 去勢勝平正 慣行の 70% 対照区 3 去勢勝平正 慣行 27

33 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 表 2 主な給与濃厚飼料の成分 ( 単位 :%) 水分 粗蛋白質 粗脂肪 粗繊維 粗灰分 TDN 肥育用配合飼料 ( 前期用 ) 肥育用配合飼料 ( 中後期用 ) トウモロコシ圧ペン フスマ 飼養管理試験開始前の予備期間中に全頭 除角と鼻環装着を行い 約 8 m2の牛房で単飼による個別給餌で飼養した 飼料給与時刻は9 時および16 時とし 水と鉱塩は自由摂取とした なお 牛床はコンクリート床にのこくずを敷き天井から直下型ファンで送風し その他は当場の通常管理とした 2.0 kgであった 肥育前期におけるDGは両区間に差は認められなかった 肥育中期は試験区の目標 D Gを対照区の70% とし 濃厚飼料給与量を減らしているため 中期終了時の体重は試験区が600.0 kg 対照区が656.6 kgであり 対照区が大きい傾向にあり DGは試験区が0.68 kg/ 日 対照区が0.90 kg/ 日であり 対照区が有意に大きくなった 肥育後期終了時の体重は 試験区が776.0 kg 対照区が kg であり 両区間に差は認められなかったが D 4 調査項目 1) 体重 :4 週ごとに 13 時に測定した Gは試験区が0.49 kg/ 日 対照区が0.73 kg/ 日であり 対照区が有意に大きくなった 2) 体型 :12 週ごとに体重測定後測定した 3) 飼料摂取量および養分要求率 : 濃厚飼料摂取量は毎日 粗飼料摂取量は週ごとに測定した 養分要求率の基礎となる栄養価は 日本標準飼料成分表 (2009 年版 ) 3) を用いた 4) 枝肉成績 :( 社 ) 日本食肉格付協会の格付成績を用いた 5) 脂質含量 脂肪酸組成 : 胸最長筋 筋間脂肪 皮下脂肪について分析した 6) 画像解析 : ミラー型牛枝肉横断面撮影装置で枝肉の第 6-7 肋骨間断面を撮影し BeefAnalyz 体重 (kg) 試験区対照区 生後週齢 erⅡ で画像解析を行った 図 1 体重の推移 試験結果 1 発育および増体成績図 1に体重の推移 図 2に体高の推移を示した 肥 (cm) 試験区対照区 28 育中期から試験区の目標 DGを対照区の70% としているため 肥育中期以降の体重は試験区が対照区より小さく推移した 同様に体高も試験区がやや小さく推移する傾向にあった 表 3に各肥育期間終了時の体重とDGを示した 肥育開始時の体重は試験区が289.6 kg 対照区が29 体高 生後週齢 図 2 体高の推移

34 肥育期間の延長が黒毛和種去勢牛に及ぼす影響 表 3 体重とDGの推移 ( 単位 :kg kg/ 日 ) 肥育開始時前期終了時中期終了時後期終了時全期間区分体重体重 DG 体重 DG 体重 DG DG 試験区 ± ± ± ± a ± ± A ± A ± 0.03 対照区 ± ± ± ± b ± ± B ± B ± 0.03 A-B:p<0.01 a-b:p< 飼料摂取状況表 4に飼料摂取量を示した 濃厚飼料摂取量 ( 乾物 ) は 肥育前期では両区に差はなく 中期では試験区の1 日当たりの濃厚飼料給与量は対照区より少ないため 試験区の摂取量が有意に少なく 後期は試験区の肥育期間が6カ月間長くなっているため 試験区が有意に多くなった また 粗飼料摂取量 ( 乾物 ) は 肥育前期および中期では両区間に差は認められなかったが 後期では濃厚飼料の給与量が少ない試験区で多くなる傾向にあった 表 5に飼料要求率 ( 濃厚飼料乾物 ) を示した 肥育前期および中期では両区間に差は認められなかった 肥育後期において 対照区を出荷した28カ月齢までの飼料要求率は試験区 10.0 kg/kg 対照区 10.0 kg/kgであり 両区間に差は認められなかったものの 試験区において28カ月齢以降 延長した6カ月間の飼料要求率は14.8 kg/kgとなり 28カ月齢までの期間と比較して高い傾向にあった 肥育全期間を通すと 試験区 8.6 kg/kg 対照区 7.6 kg/kgとなり 試験区が有意に高くなった 表 4 飼料摂取量 ( 単位 :kg) 飼料名 区分 前期 DM TDN CP DM 中期 TDN CP 濃厚飼料 粗飼料飼料名 濃厚飼料 粗飼料 試験区 ± ± ± A ± A ± A ± 2.9 対照区 ± ± ± B ± B ± B ± 11.3 試験区 ± ± ± ± ± ± 6.8 対照区 ± ± ± ± ± ± 1.7 後期全期間区分 DM TDN CP DM TDN CP 試験区 A ± A ± A ± A ± A ± A ± 2.0 対照区 B ± B ± B ± B ± B ± B ± 15.0 試験区 ± ± ± ± ± ± 12.8 対照区 ± ± ± ± ± ± 6.9 A-B:p<0.01 表 5 飼料要求率 ( 単位 :kg/kg) 区分 試験区 4.8 ± ± ± ± a ± 0.4 対照区 4.8 ± ± ± b ± 0.1 a-b:p<0.05 前期 中期 後期 (~28 カ月齢 ) 後期 (28~34 カ月齢 ) 全期間 3 枝肉成績 表 6 に枝肉成績を示した 枝肉重量は試験区で kg 対照区で kg であり 肥育終了時の体重 ( 以下 BMSナンバー ) は両区ともに7.0であり差は認められず 肉色や脂肪色およびきめやしまりも両区間に差は認められなかった と同様に両区間に差は認められなかった 脂肪交雑 29

35 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 表 6 区分 枝肉成績 枝肉重量 胸最長筋面積 バラ厚皮下脂肪厚歩留基準値脂肪交雑肉色脂肪色きめしまり (kg) (cm 2 ) (cm) (cm) (%) (BMS ) (BCS ) (BFS ) 試験区 489.2± ± ± ± ± ± ± ± ± ±0.6 対照区 487.0± ± ± ± ± ± ± ± ± ±0.6 4 脂肪酸組成表 7に胸最長筋における脂質含量を示した 試験区 43.31% 対照区 48.94% であり 枝肉成績では同等であったものの 対照区が有意に高かった 表 8に胸最長筋 筋間脂肪および皮下脂肪における脂肪酸組成を示した 18:1(n-9)( 以下 オレイン酸 ) は 筋間脂肪において 試験区 53.94% 対照区 48.89% であり 試験区が有意に高く 胸最長筋 と皮下脂肪においても試験区が高い傾向にあった 表 7 胸最長筋の脂質含量 ( 単位 :%) 区分脂質含量試験区 a ± 1.73 対照区 b ± 2.43 a-b:p<0.05 また 一価不飽和脂肪酸も同様に全ての部位において試験区が高い傾向にあった 表 8 胸最長筋 筋間脂肪 皮下脂肪における脂肪酸組成 ( 単位 :%) 区分 胸最長筋筋間脂肪皮下脂肪試験区対照区試験区対照区試験区対照区 12: ± ± ± ± ± ± : ± ± a ± b ± ± ± : ± ± ± ± ± ± : ± ± a ± b ± ± ± :1(n-7) 4.49 ± ± ± ± A ± B ± : ± ± ± ± a ± b ± : ± ± ± ± A ± B ± :1(n-9) ± ± a ± b ± ± ± :2(n-6) 1.57 ± ± ± ± ± ± :3(n-3) 0.09 ± ± ± ± ± ± : ± ± ± ± ± ± :1(n-9) 0.51 ± ± ± ± a ± b ± :3(n-6) 0.12 ± ± ± ± ± ± :4(n-6) 0.07 ± ± ± ± ± ± c,11tCLA 0.29 ± ± ± ± ± ± 0.00 一価不飽和脂肪酸 ± ± ± ± ± ± 2.07 A-B:p<0.01 a-b:p< 画像解析表 9に画像解析結果を示した 胸最長筋における脂肪面積割合は試験区 53.56% 対照区 57.05% であり 両区間に有意な差は認められなかったものの 理化学分析による脂質含量と同様に対照区で高い傾向にあった あらさ指数や細かさ指数においても両 と 同程度の脂肪面積割合でも あらさ指数が高い個体はBMSナンバーが低く評価されているものがあった よって枝肉成績においてBMSナンバーは同等であったものの 脂質含量に差があったのは 脂肪交雑のあらさや細かさが格付成績に影響を及ぼした可能性が考えられた 区間に有意な差は認められなかったが 個別に見る 30

36 肥育期間の延長が黒毛和種去勢牛に及ぼす影響 表 9 画像解析結果 区分 脂肪面積割合あらさ指数細線化 10 あらさ指数 1~10 細線化 10 細かさ指数 (%) (%) (%) ( 個 /cm 2 ) 試験区 ± ± ± ± 0.17 対照区 ± ± ± ± 0.41 考 察 岩本は但馬牛去勢牛において屠畜月齢を 30 カ月齢 から34カ月齢に延長することで飼料効率は低下したが 一価不飽和脂肪酸割合は増加傾向にあった 4) と報告している 一価不飽和脂肪酸は牛肉のおいしさに影響を与えると考えられているが 肥育の進行に伴いその割合は増加すると言われている 本調査においても 28カ月齢屠畜の対照区よりも34カ月齢屠畜の試験区の方が一価不飽和脂肪酸が高い傾向にあった しかしながら 本調査において得られた牛肉の官能評価試験を行っていないため 今後 出荷月齢の違いが実際の食味に与える影響について検討する必要があると考える また 試験区で肥育後期の延長した6カ月間における飼料要求率が高くなる傾向にあった その原因の一つとして 体重が大きくなり 給与濃厚飼料の栄養成分充足率が低下したことが考えられ 肥育期間を延長するためには 飼料要求率を抑える効率的な飼料給与体系の開発が必要と考えられた 参考文献 1) 農林水産技術会議事務局 : 食肉の理化学的特性による品質評価基準の確立, 研究成果 193,6-18(1987) 2) 独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構編日本飼養標準 肉用牛 (2008 年版 ) 3) 独立行政法人農業技術研究機構編日本標準飼料成分表 (2009 年版 ) 4) 岩本英治 : ひょうごの農林水産技術 134( ),8 31

37 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 黒毛和種繁殖雌牛における分娩間隔延長要因の分析と対策 鍋西久 亀樋成美 坂口浩平 黒木幹也 中原高士 ( 宮崎県畜産試験場 ) Factorial analysis and practical approaches to improve reproductive performance in Japanese black cattle. Hisashi NABENISHI, Narimi KAMEBI, Kouhei SAKAGUCHI, Mikiya KUROGI and Takashi NAKAHARA < 要約 > 県平均の分娩間隔は約 414 日となっており 所得確保のためにも分娩間隔の短縮が急務である そこで 分娩間隔延長の要因を明らかにする目的で県内の人工授精成績を詳細に解析し 現状の把握と問題点の抽出を行った さらに 得られた結果から "1 年 1 産 " を実現するために考えられる対策について検討した 平成 12 年から 23 年までに人工授精された肉用牛繁殖雌牛延べ 101,416 頭の成績を用いて繁殖成績の現状を分析したところ 各農家の平均初回授精日数と分娩間隔との間には有意な正の相関が認められた (r=0.85, P<0.01) また 平均実空胎日数についても分娩間隔との間に有意な正の相関が認められたが (r=0.67, P <0.01) 受胎率は実空胎日数に影響せず 発情発見効率の低下が実空胎日数の延長に影響していることが明らかとなった 以上のことから 初回授精日数の短縮 発情発見効率の改善が分娩間隔を短縮するための近道になると考えられた そこで この二つの課題を解決するために 牛群の繁殖状況を把握し 発情や人工授精などの繁殖イベントを自発的に管理できる繁殖管理スマートフォンアプリと繁殖管理回転盤を開発した 本県は全国有数の畜産県であり 県内の農業産出額に占める畜産の割合は 55 % と重要な産業のひとつとして位置付けられている なかでも肉用繁殖雌牛の飼養戸数は 7,280 戸 飼養頭数は 78,800 頭で いずれも鹿児島県に次ぐ全国第 2 位で 肉用子牛の生産地として高い位置づけとなっている 一方で 肉用牛の初回人工授精受胎率は全国的に低下傾向にあり 近年では 60 % を下回っていることが報告されている 宮崎県内における肉用牛の平均分娩間隔も 413 日 (H24) となっており 繁殖経営の目標とされている 365 日 (1 年 1 産 ) にはほど遠い状況である 宮崎県では 平成 22 年の口蹄疫発生からの復興 さらに新たな成長に向け 畜産新生の取り組みを進めている そのなかで 宮崎県畜産新生プラン を策定し 肉用牛繁殖経営では "1 年 1 産 " を目指す 姿として 分娩間隔の短縮に取り組んでいる そこで 県内における肉用牛の繁殖成績改善を達成するため 分娩間隔延長の要因を明らかにする目的で県内の人工授精成績を解析し 現状の把握と問題点の抽出を行った さらに "1 年 1 産 " を実現するために考えられる対策について検討した Ⅰ. 宮崎県内における繁殖成績の現状調査対象は県内の肉用牛繁殖経営 594 戸で 平成 12 年から 23 年までに人工授精された肉用牛繁殖雌牛延べ 101,416 頭の成績を用いて繁殖成績の現状を分析し 分娩間隔に影響を与えている主要因の解析を行った さらに 繁殖成績が良好な農家とそうでない農家とを比較することで 分娩間隔が延長している農家ではどこに問題があるのか検討した 32

38 黒毛和種繁殖雌牛における分娩間隔延長要因の分析と対策 (1) 初回授精日数と分娩間隔との関係図 1-1 に初回授精日数と分娩間隔との関係を示した 初回授精日数と分娩間隔との間には有意な正の相関が認められ (r=0.85, P<0.01) 初回授精日数が短い農家ほど分娩間隔が短く 日数が長い農家ほど分娩間隔が延長していた た そのためには 分娩後 20 ~ 40 日までに初回発情を確認することが重要であり 早期に初回発情が回帰するような飼養管理が最低限求められる しかしながら 初回授精日数の長短に影響を及ぼしている主な要因は 農家の意識によるところが大きいのではないかと考えられた 平均分娩間隔 ( 日 ) (2) 実空胎日数と分娩間隔との関係図 2-1 に初回授精から受胎するまでの日数 ( 実空胎日数 ) と分娩間隔との関係を示した 実空胎日数と分娩間隔との間には有意な正の相関が認められ (r=0.67, P<0.01) 実空胎日数が短い農家ほど分娩間隔が短く 実空胎日数が長い農家ほど分娩間隔が延長しているという結果になった 平均初回授精日数 ( 日 ) 500 図 1-1 初回授精日数と分娩間隔との関係 また 分娩間隔が 365 日以下 (1 年 1 産 ) の農家で は初回授精日数は 2 ヶ月以内であるのに対し 425 日以上の農家では初回授精までに約 4 ヶ月も要して いることが明らかとなった ( 図 1-2) つまり 分 娩間隔の差は 分娩から初回授精までの日数の差とも言える結果となった 120 ( 日 ) 日 >425 分娩間隔 図 1-2 分娩間隔 365 日以下と 425 日以上農家の比較 したがって 分娩間隔が延長している農家において 分娩間隔を短縮するための最初の解決策は 初回授精までの日数を短縮することではないかと考えられ 平均分娩間隔 ( 日 ) ( 日 ) 平均実空胎日数 ( 日 ) 図 2-1 実空胎日数と分娩間隔との関係 日 >425 分娩間隔 図 2-2 分娩間隔 365 日以下と 425 日以上農家の比較 また 分娩間隔が 365 日以下 (1 年 1 産 ) の農家の 33

39 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 実空胎日数は一発情周期内であるのに対し 425 日以上の農家ではそれよりも約 1 ヶ月も延長していることが明らかとなった ( 図 2-2) 図 3-1 は受胎率と分娩間隔との関係を示したものであるが 受胎率は分娩間隔に影響せず 425 日以上の農家の受胎率も 分娩間隔が 365 日以下 ( 1 年 1 産 ) の農家とほとんど差がなく ( 図 3-2) 今回のケースでは分娩間隔の延長に受胎率は影響していないということが明らかとなった 500 く 発情発見効率が低い農家ほど分娩間隔が延長している結果となり 425 日以上の農家の発情発見効率は 365 日以下 (1 年 1 産 ) の農家よりも著しく低かった ( 図 4-2) 500 平均分娩間隔 ( 日 ) 400 平均分娩間隔 ( 日 ) 発情発見効率 (%) 図 4-1 発情発見効率と分娩間隔との関係 70 (%) 受胎率 (%) 図 3-1 受胎率と分娩間隔との関係 365 日 >425 分娩間隔 図 3-2 分娩間隔 365 日以下と 425 日以上農家の比較 図 4-1 は実空胎日数に影響するもう一つの要因である発情発見効率 (= 授精回数 / 初回授精から妊娠までの理論的な発情回数 100) と分娩間隔との関係を示したものである 発情発見効率と分娩間隔との間には有意な負の相関が認められ (r=-0.75, P< 0.01) 発情発見効率が高い農家ほど分娩間隔が短 100 (%) 以上のことから 分娩間隔が延長している農家では 受胎率が低いのではなく 発情発見効率が低いということが明らかとなった したがって 実空胎日数を短縮するための近道は 発情発見効率の改善に尽きる結果となった Ⅱ."1 年 1 産 " を実現するための繁殖管理ツール の開発 365 日 >425 分娩間隔 図 4-2 分娩間隔 365 日以下と 425 日以上農家の比較 (1) 繁殖管理スマートフォンアプリ 身近となっているスマートフォンを意識的な発情 管理を行うための繁殖管理ツールとして活用するた 34

40 黒毛和種繁殖雌牛における分娩間隔延長要因の分析と対策 め これまでになかったスマートフォン等の携帯端末用の繁殖管理アプリを開発した 繁殖管理アプリ開発のコンセプトは 繁殖管理のみに絞った " 単純な機能と簡単な操作性 " で スマートフォンの機能と機動性を生かすとともに 忙しい農家でも無理なく操作できるように入力作業を極力省くこと 普及性を高めるために低コスト化を図ることを念頭に置いた 一方で これまでの調査結果を反映させ 分娩間隔短縮の近道である分娩後初回授精日数の短縮と発情発見効率の改善を達成するために有効と考えられる機能を盛り込んだ 図 5-1 図 5-2 図 5-3 アプリ起動時 基本画面 詳細画面 AI 対象牛 AI 後妊鑑定待ち妊鑑 (+) 分娩前育成牛 よるデータ共有も可能となるほか 農家が入力したデータをテキスト形式で出力できるようにしたため 普及指導員やJAの技術員等が 繁殖改善のためのコンサルティングにも効果的に活用できるように設計している点も大きな特徴である ( 図 5-5) (2) 繁殖管理回転盤携帯端末を持っていない農家や携帯端末の取扱いに不安を唱える農家のため 繁殖管理アプリと同様の性能を持つアナログ的な繁殖管理ツール ( 繁殖管理回転盤 ) も新たに製作した ( 図 6) 繁殖管理回転盤自体は今から50 年近くも前にアメリカで開発され 様々な改良がなされ今日に至っている 一日に一目盛り回転させる手間は必要になるが ホワイトボードやノートでは実現できない牛群の繁殖状況の動きを直感的に知ることができる 図 5-4 図 5-5 繁殖記録画面 データ入出力 図 5. 開発したスマートフォンアプリの概要 開発した繁殖管理アプリは 起動時には発情予定牛 人工授精対象牛や分娩予定牛など その日に注意する牛のリストが表示される警告画面が必ず出るようにした ( 図 5-1) 警告画面を閉じるとアプリの基本画面になり 管理している牛の一覧が表示される ( 図 5-2) この画面では繁殖状況に応じて五色の色分けで表示される 色分けは 赤色 : 分娩後人工授精待ち 黄色 : 人工授精後妊娠鑑定待ち 緑色 : 妊娠鑑定済み (+) 灰色: 妊娠末期 白色 : 育成牛とし 特に赤色と黄色で表示されている牛について注意しなければならない 基本画面の牛の名号をタップすると その牛の繁殖状況が詳細に表示される ( 図 5-3) この画面から繁殖管理画面に進み 繁殖イベント ( 分娩 発情 人工授精 受精卵移植 妊娠鑑定 ) を選択 入力するが ( 図 5-4) 過去の繁殖状況( 産歴 種付記録 分娩間隔 ) を記録 確認することもできる さらに 複数の管理者 ( 例 : 家族 従業員間 ) に 図 6. 1 年 1 産 を実現するための繁殖管理回転盤今回製作した繁殖管理回転盤にもこれまでの調査結果を反映させ 繁殖管理 ( 分娩から妊娠が確定するまで ) のみに特化している点が大きな特徴であり "1 年 1 産 " を実現することを意識して製作した そのため 目盛り間隔が広いため視認性が高くシンプルな文字盤となっている 製作の背景と狙いは スマートフォンアプリの開発と同様であり 分娩日を起点として分娩後の経過日数の把握 発情予定牛 観察注意牛の表示や繁殖状況による色分けにより 牛群の繁殖状況の " 可視化 " を回転盤によって図っている 色分けは 四面がそれぞれ赤色 : 分娩後人工授精待ち 黄色 : 人工授精後妊娠鑑定待ち 緑色 : 35

41 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 妊娠鑑定済み (+) 白色: 発情予定牛からなる四角柱の牛 No.( 名号 ) タグによって行い 繁殖状況に応じてタグを回転させて色を変える仕組みである この回転盤を使用することで 牛群の繁殖状況が直感的に把握できるようになる Ⅲ. まとめこれまでの調査結果から 繁殖成績を改善するためには まず牛群の繁殖状況を農家自身が把握することが必要であり そのためのひとつの手段として今回紹介した繁殖管理ツールを提案することに至った 今回開発した繁殖管理ツールはいずれも製品化され 普及が広まりつつあるところである 36

42 過剰排卵処理における発情開始から AI までの時間と産子の性比について 過剰排卵処理における発情開始から AI までの時間 と産子の性比について 亀樋成美 重永あゆみ 1) 鍋西久 黒木幹也 中原高士 1) 延岡家畜保健衛生所 Effect of time lapse from the onset of estrus after superovulation treatment until insemination on calf sex ratio Narimi KAMEBI,Ayumi SHIGENAGA, Hisashi NABENISHI, Mikiya KUROKI, Takashi NAKAHARA < 要約 > 過剰排卵処理において発情開始から人工授精までの時間及び採胚成績は その後の産子の性比に関係が認められない 胚移植技術を効率的な家畜生産技術として活用するためには安定した採胚成績や受胎率に加え 胚の性比をコントロールする技術が求められている 人工授精 ( 以下 AI) では 歩数計から求めた発情開始から AI までの時間により性比が異なり 早い AI では雄比率が低く 遅い AI では雄比率が高い傾向があると報告されている ( 邉見 2011: 発情開始から 8 時間まで 0% 9~16 時間までは 75.0%) 1) しかし 過剰排卵処理における AI では 発情開始から AI までの時間と胚の性比についての知見は少ない そこで 本研究では過剰排卵処理における発情開始から AI までの時間と性比について検討した 試験方法 1 分析対象平成 20~23 年度までに当場で実施した黒毛和種の採胚成績 (23 頭 59 例 ) と移植後の産子 (180 頭 ) のデータを用いた 2 過剰排卵処理方法および産子の性について発情から 9~14 日目に卵胞刺激ホルモン ( 以下 FSH( アントリン R)) を 20~24AU 3 日間の漸減投与によって行い FSH 投与 3 日目の朝 夕にプロスタグランジン ( ジノプロスト製剤 以下 PG) を投与し 5 日目に AI を 1 回または 2 回行った AI 後 7 日目に胚を回収し 凍結保存 後移植した (180 頭のうち 10 頭は新鮮胚を移植 ) 移植後の出生報告から産子の性を特定した 3 試験区設定発情開始から AI までの平均時間以前 ( 早い AI) と以後 ( 遅い AI) に分けて比較した 発情開始から AI までの平均時間は 1 回 AI では 13 時間 ( 最小 0 時間 最大 22 時間 ) 2 回 AI のうち 1 回目までは 13 時間 ( 最小 3.5 時間 最大 22.5 時間 ) 2 回目までは 20 時間 ( 最小 6 時間 最大 36 時間 ) であった 4 調査項目 (1) 発情開始時刻および発情持続時間過剰排卵処理 30 日前から歩数計 ( 牛歩 : ( 株 ) コムテック ) を供試牛の前肢に装着し 発情開始は供試牛の歩数が過去 15 日間の同時刻における1 時間当たりの平均歩数を著しく上回った時刻 発情終了は歩数の増加がみられなくなる時刻とし 発情持続時間は発情終了開始から終了時刻までの時間とした (2) 採胚成績採胚成績には 回収総胚数 採胚時の胚のステージおよびランクを調査した 5 統計処理データは統計ソフト JMP を用い X 2 検定による有意差検定を行った 37

43 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 結果 今回 試験で用いた PG( ジノプロスト製剤 ) を 2 回投与 ( 午前 9 時 午後 15 時 ) する過剰排卵処理方法において 発情開始時刻は PG 投与後翌日の 14 時から翌々日の 6 時まで 16 時間の間 (PG 投与後 29~45 時間 ) で全体の 84% が出現しており 出現割合もばらついていた また 発情持続時間において 11 時間以上 13 時間未満で一番高い割合を示した (17%) が 全体的に大きくばらついていた ( 図 1) 産子の性比について 全体の産子の性比は雄 95 頭 (52.8%) 雌 85 頭 (47.2%) であった 発情開始から AI までの産子の性比において 1 回 AI における発情開始から AI までの時間による雄比率は 早い AI で 42.9% 遅い AI で 54.5% となり 性比に有意な差は認められなかった ( 表 1) また 2 回 AI においても発情開始から AI までの時間と産子の性比との間に特定の関係は認められなかった ( 表 2) さらに 発情持続時間や採胚時の胚のステージ ランクと性比との間にも特定の関係は認められなかった 以上のことから 過剰排卵処理による採胚においては 発情開始から AI までの時間により産子の性比に有意な差や傾向がないことが明らかとなった ( 表 3) 考察 子の受精能獲得時間 (Y 精子のほうが早く受精能を獲得する ) や生存率 (X 精子のほうが寿命が長い ) に差があることがあげられる 牛の排卵時期は 通常発情開始から約 32 時間後であるとされ 早い AI では卵管膨大部に X 精子よりも早く受精能獲得した Y 精子が到達するため その後排卵した卵子と受精するまで時間がかかり死滅するため 卵管膨大部に後から到達した X 精子が受精する割合が高まると考えられ 逆に 遅い AI では卵管膨大部到達後排卵までの時間が短いことから Y 精子が受精する割合が高まることから 遅い AI では雄比率が高いと考えられる 2) しかし 過剰排卵処理において発情開始から AI までの時間と産子の性比には差がみられなかった これらの要因として 通常の過剰排卵処理においての排卵は継続的に行われていることから X/Y 精子の受精能獲得時間 生存率の差と排卵とのタイミングによる産子の性比への影響が少なくなったためと推測される よって 今後は 性腺刺激ホルモン ( 以下 GnRH) を利用して排卵の同期化した場合の性比について検討する必要がある 体外受精由来胚においては 雌胚よりも雄胚の方が発育のスピードが早い傾向にあることが報告されているが 本研究においては 胚の発育速度を示す胚のステージと性比についても関係が認められなかった 3) 発情開始時刻 Martinez.F et al.(2004) は 発情観察により発情開始時刻を特定し 発情開始から AI までの時間により 2 区に分けた結果 早い AI(8~ 18 時間 ) では雄産子比率が低く (27.0%) 遅い AI(30 時間以上 ) では高い (72.1%) 2) と報告している また 邊見ら (2010) は 今研究と同様に歩数計を用いて発情開始時刻を特定し 発情開始から AIまでの時間により 3 区に分けた結果 早い AI では雄比率が有意に低いと報告している ( 早い AI(0~8 時間 ):0% 中間 AI(9~16 時間 ):75% 遅い AI(17~24 時間 ):46.7% (P<0.05)) 1) これら 発情から AI までの時間により産子の性比に差が見られる要因の一つとして X/Y 精 38

44 過剰排卵処理における発情開始から AI までの時間と産子の性比について 発情持続時間 後期桑実胚 53.8(57/106) 採胚時の 胚ステージ 初期胚盤胞 50.0( 31/62) 胚盤胞 60.0( 6/10) 拡張胚盤胞 50.0( 1/2 ) A 50.0( 1/2 ) 採胚時の 胚ランク A 53.2(83/156) B 50.0( 10/20) B 50.0( 1/2 ) 図 1 PG 投与後の発情開始時刻と発情持続時 間の割合 表 1 発情開始から AI までの時間と産子の性との関係発情開始から AI 授精回数雄比率 %( 頭数 ) までの時間 1 回 AI 早い AI( 13) 42.9( 8/14) 遅い AI(13<) 54.5( 15/33) 表 2 2 回 AI 時における発情開始から AI までの時間と産子の性との関係 AI 区分 1 回目 2 回目 早い ( 13h) 早い ( 13h) 早い ( 20h) 遅い (20h<) 雄比率 %( 頭数 ) 59.5(22/37) 41.7(10/24) まとめ 過剰排卵処理において発情開始から AI までの時間により産子の性比に有意な差や傾向はない 参考文献 1) 邉見広一郎ら : 歩数計測による発情開始から人工授精までの時間と発情同期化が黒毛和種子牛の性比に及ぼす影響 宮崎大学農学部研究報告 57 巻 (2011) 2)Martinez.F et al.:effect of the interval between estrus onset and artificial insemination on sex ratio and fertility in cattle:a field study. Theriogenology (2004) 3) 大久津昌治ら :PCR 法によるウシの初期胚と胎子の性判定 西日本畜産学会報 (1994) 遅い (13h<) 遅い (13h<) 早い ( 20h) 遅い (20h<) 54.5( 6/11) 54.1(33/61) 表 3 採胚成績と産子の性との関係雄比率 %( 頭数 ) 発情持続時間 ( 時間 ) ( 33/58) ( 40/84) ( 22/37) ( 20/41) 回収総胚数 ( 個 ) ( 55/98) ( 10/19) ( 10/22) 39

45 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) FSH 単回投与法における ecg 投与および PRID 抜去時期の検討 坂口浩平 重永あゆみ 1) 鍋西久 中原高士 1) 延岡家畜保健衛生所 Examination for the timing of administration of ecg and PRID removal in the FSH single dose. Kohei SAKAGUCHI, Ayumi SHIGENAGA, Hisashi NABENISHI, Takashi NAKAHARA < 要約 > 過剰排卵処理における卵胞刺激ホルモン (FSH) の単回投与法について さらなる採卵成績の向上に役立つ可能性が示唆された妊馬血清性性腺刺激ホルモン (ecg) の効果的な投与時期と卵胞波調整に使用するエストラジオールカプセル付き膣内挿入型プロゲステロン製剤 (PRID テイゾー ) 抜去時期について検討を行ったところ PRID 挿入日から数えて6 日目の午後に抜去することで未受精卵数が減少することが確認され また同時期の ecg 投与が採卵総数の増加に効果を示す可能性が示唆された ウシ体内胚生産における過剰排卵処理法として広く用いられている卵胞刺激ホルモン ( 以下 FSH) の漸減投与法と比較して生理食塩水を溶媒とした皮下単回投与法は同等の採卵成績を示すことがわかっている 1) これに妊馬血清性性腺刺激ホルモン ( 以下 ecg) を併用することで発育卵胞数および採卵総数が増加する傾向が認められたが 投与時期によっては受精タイミングのずれを引き起こす可能性が示唆された 2) そこで単回投与法における正常胚回収率の向上を目的として ecg の効果的な投与時期および前処理に用いるエストラジオールカプセル付き膣内挿入型プロゲステロン製剤 ( 以下 PRID) の適切な抜去時期について検討した 試験方法 1 試験区設定試験区は1 区 (ecg400iu をPRID 膣内挿入後 6 日目 ( 以下 day6) 朝に筋肉内投与 ) 2 区 (ecg400iu を day6 夕に筋肉内投与 ) 3 区 (ecg 非投与 ) を設け 表 1のとおり反転試験を行った また全区ともPRIDを day6 夕に膣内より抜去した 2 供試牛場内繋養の黒毛和種経産牛 3 頭を供試した 表 1 反転試験試験牛 1 回目 2 回目 3 回目 A 1 区 2 区 3 区 B 2 区 3 区 1 区 C 3 区 1 区 2 区 1 区 (ecg 朝投与 ) 2 区 (ecg 夕投与 ) 3 区 ( 非投与 ) 3 過剰排卵処理過剰排卵処理に伴う処置は 表 2に示すスケジュールに準じて行った 発情前後 3 日間を避けて PRID( テイゾー ) を膣内挿入 (day0) 後 プロスタグランジン ( 以下 PG ( エストラメイト3ml)) 投与および FSH の単回投与法により過剰排卵処理 (day4) 後 PRID を抜去 (day6 夕 ) し GnRH 製剤 ( イトレリン2.5ml) の筋肉内投与 (day7) により排卵を誘起 同一ロットの精液ストローを使用して定時 AI(day8) その7 日後 (day15) 定法により採卵を行った 採卵後はPGを頸部筋肉内投与 および2% イソジン液 50mlを子宮内へ注入した FSH 投与方法 :FSH( アントリンR lot )20auを50mlの生理食塩水に溶解し 頸部皮下 1カ所に投与 ecg 投与方法 :ecg( セロトロピン )1000iu 1 アンプルを5mlの生理食塩水で溶解し 400iu(2m l) を day6 朝 (1 区 ) day6 夕 (2 区 ) にそれぞれ頸部筋肉内投与 40

46 FSH 単回投与法における ecg 投与および PRID 抜去時期の検討 4 調査項目 (1) 採胚成績 (2) 発情開始時期歩数計 ( 牛歩 :( 株 ) コムテック ) もしくはヒートマーカーにより推定 (3) 超音波による卵巣所見 FSH 投与直前 (day4) からAI 翌日 (day9) まで,2 4 時間ごとに卵巣をエコーにて観察し, 大, 中, 小の各卵胞数の変化を記録 さらに採胚時の黄体数および遺残卵胞数も記録した 5 統計処理データは統計ソフト JMP を用い分散分析後に Tukey の HSD 検定を行った % の値については アークサイン変換をした後有意差検定を行った とができると示唆された 表 5 胚ランク別成績 区分 A 胚数 B 胚数 C 胚数 Aランク胚率 1 区 % 2 区 % 3 区 % 胚のランク別採胚成績を表 5に示した 有意差は認められなかったものの ecg の投与を 午前に行った1 区ではAランクの良質な胚の割合 が低く 一方で午後に行った2 区においては対照 区である3 区と比較してAランク胚の割合が高く なる傾向が見られた 結果および考察 各区の採卵成績を表 3に示した 有意差が認められなかったが ecg 投与とPR ID 抜去を同時に行った2 区で黄体数 採卵総数 正常胚数の増加傾向を示した その一方で 変性卵数や未受精卵数も増加傾向を示したため各試験区間での正常胚率に差は見られなかった 表 4のとおり 全 9 回の過剰排卵処理のうち7 回で発情確認から AI までの時間が 24 時間以内となっており 正常胚率についても 50% 以上の結果となった 表 4 採卵回別正常胚率 区分 試験牛 発情確認から AI までの時間 (h) 正常胚率 A % 1 区 B % C % A % 2 区 B % C % A % 3 区 B % C % PRID 抜去を day6 朝に行った試験では 発情確認から AI までの時間が 24 時間を超えるものが ecg 投与区の過剰排卵処理 6 回中 4 回で見られた 2) ことから ecg の投与によって発情開始時期が早まる可能性が高く それに対してPRID 抜去を半日遅らせることで受精のずれを改善するこ 図 1 平均卵胞数推移 41

47 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 図 1に FSH 投与後 AI 翌日までの卵巣における卵胞数の推移について示した 採卵総数 黄体数がともに多かった 2 区においては 他の試験区と比較して各卵胞数が高い値で推移しているが 各卵胞数の全体的な動向に差は見られず ほぼ同等であると考えられた なお 採卵日における遺残卵胞 ( 大卵胞 ) 数も差は認められなかった まとめ ecg は,FSH 様の作用と黄体形成ホルモン ( 以下 LH) 様の作用を合わせ持つ このことから,eCG 投与により非投与区と比較して早い LH 放出が起こるため 発情開始が早まると考えられる そのため 卵胞波の調整に用いる PRID の抜去を遅らせることにより発情時期を調整することが可能であることが示唆された ecg 投与の時期については 有意差が認められなったものの2 区において採胚総数 Aランクの良質胚割合において良好な結果が得られる傾向が認められたことから PRID 抜去と ecg の投与は day6 夕に同時に行うことが採胚成績の向上に結び付く可能性が高いと考えられた 参考文献 1) Superovulatory response in Japanese black cattle by a single subcutaneous administration of pure follicle-stimulating hormone dissolved in saline. Journal of Reproduction, Fertility and Development 23(1) )eCG 製剤を併用したFSH 単回投与による過剰排卵処理方法の検討. 重永あゆみ, 鍋西久, 鎌田博志, 中原高士. 宮崎県畜産試験場研究報告第 25 号 表 2 過剰排卵スケジュール Day0 Day4 Day5 Day6 Day7 Day8 Day15 AM PG (9:00) PRID in FSH(1shot) ecg(1 区 ) 採卵 PM PRID out (16:00) ecg(2 区 ) GnRH AI 表 3 採卵成績区分 黄体数 遺残卵胞数 採卵総数 正常胚数 変性卵数 未受精卵数 正常胚率 1 区 区 区

48 FSH 製剤単回投与法 OPU における卵胞波調節法の検討 FSH 製剤単回投与法 OPU における卵胞波調節法の検討 亀樋成美 重永あゆみ 1) 鍋西久 黒木幹也 中原高士 1) 延岡家畜保健衛生所 Examination of follicular wave control on OPU using a single-dose method of FSH. Narimi KAMEBI,Ayumi SHIGENAGA, Hisashi NABENISHI, Mikiya KUROKI, Takashi NAKAHARA < 要約 >FSH 製剤単回投与法 - 経膣採卵 (OPU) において 主席卵胞除去 (DFR) 処理による卵胞波調節の代替法を検討したところ 牛用腟挿入プロジェステロン 安息香酸エストラジオール配合剤 (PRID) 処理による卵胞波調節を用いても OPU 成績および胚発生成績に有意な差が認められなかった よって FSH 製剤単回投与法 -OPU 時の卵胞波調節法は PRID 処理で代替可能であり 手技の簡素化が図れた 我々は前年度の経膣採卵 ( 以下 OPU) 前卵胞刺激ホルモン ( 以下 FSH) 製剤投与法試験において OPU 前の FSH 製剤単回投与と漸減投与法を比較検討したところ 卵胞数推移 OPU 成績および胚発生成績に有意な差が認められず FSH 投与による回収 正常卵総数の増加も認められたことから FSH 製剤単回投与法を用いることにより胚生産性が向上し 手技の簡素化が図れ た 1) 本試験では FSH 製剤単回投与法 OPU 技術をさらに実用的なものとするため FSH 製剤単回投与前の卵胞波調節において 煩雑かつ機械的な作業が伴う主席卵胞吸引除去 ( 以下 DFR) をより簡便な手法である牛用腟挿入プロジェステロン 安息香酸エストラジオール配合剤 ( 以下 PRID) 処理による調節法で代替可能であるかを OPU 後の胚生産性について比較検討した 試験方法 1 供試牛場内繋養の黒毛和種繁殖雌牛 2 頭を供試した 2 試験区設定試験区 :PRID による調節法対照区 :DFR 及びエストラジオール ( 以下 EB) を除去した PRID 腟内挿入 ( 以下 PRID(EB 除去 )) 無処置区 : 卵胞波調節および FSH 投与なし OPU なお FSH 投与間隔は 3 週間以上とし OPU は反転試験を 2 回行った 3 FSH 投与方法単回投与法は FSH10AU を指定量の生理食塩水 (10ml) に溶解し 頸部皮下 1 カ所に投与した OPU は FSH 投与後 48 時間後に 家畜改良センターのマニュアル 2) に準じ 定法にて行った 4 経膣採卵 (OPU) OPU 試験スケジュールは 以下 ( 図 1) に示した 図 1 OPU 試験スケジュール (1) 試験区 (PRID 区 ) ア PRID 挿入の 4 日前にウェーブコントロールのため OPU を実施した ( 無処置区 ) イ PRID 挿入後 4 日目から FSH 投与 ( 単回投与 ) を行い 投与開始 48 時間後家畜改良センターのマニュアル 2) に準じ 定法にて行った OPU 時に PRID を除去した (2) 対照区 (DFR 区 ) ア. 卵胞吸引 (DFR) PRID(EB 除去 ) 挿入の 4 日前にウェーブコントロールのため OPU を実施した ( 無処置区 ) 43

49 宮崎県畜産試験場試験研究報告 第 26 号 2014 イ 卵胞吸引後 2 日目から FSH 投与(単回投与) 結 を行い 投与開始 48 時間後家畜改良センタ ーのマニュアル2 に準じ 定法にて行った 5 果 図 2 に 試験区 PRID 区 における PRID 挿 OPU 時に PRID EB 除去 を除去した 入前から OPU 時まで および対照区 DFR 区 体外培養 における DFR 前から OPU 時までの卵胞数 平均 2 回収した卵子は G1 G6 にランク分けし G1 G4 を体外胚培養に供した (1) 成熟培養 の推移を示した 試験区 PRID 区 においても対照区 DFR 区 と同様に FSH 単回投与前の卵胞波調節作用が認 回収した卵丘細胞卵子複合体 以下 COCs を 修正リン酸緩衝液 以下 m PBS で 3 回洗浄後 FSH Estrediol-17β ピルビン酸および抗生剤 められ FSH 投与から OPU までの卵胞数推移に 差はなかった また OPU 時の平均卵胞数では各試験区間に を添加した 5%FCS TCM199 でさらに洗浄し 同 有意差はないものの OPU 時の中卵胞数は試験 培養液で作成したドロップを成熟培地として 区 対照区ともに無処置区より増加傾向を示し %CO2 in air た 表1 湿潤条件下のインキ ュベータ内で 20~22 時間培養した (2) 媒精 黒毛和種凍結精液ストローを用いた 成熟培 養後の COCs を媒精液 IVF100 ペプチド研 で 胚発生成績において試験区 PRID 区 対照 区 DFR 区 無処置区に有意な差はなかった 特に FSH 投与による回収卵数 胚盤胞発生個 数の増加は認めらなかった 表2 洗浄後 定法に従い 6 時間媒精を行った (3) 発生培養 媒精後の COCs をピペッティングによって裸 化し 無血清培地 グルコース無添加 SOFaa-PVA に EGF IGF Ⅰ トランスフェリン セレンを 添加したものに培養 6 日目からグルコース 4.0mM を添加 を用い 5%CO2 5%O2 90%N2 の気相条件下のインキュベータ内で 8 日間培養 した 6 調査項目 (1 超音波による卵巣所見 試験区 PRID 区 において PRID 挿入前 PRID 挿入後 時間後 および OPU 時に超音波診断装置 HS-101V (株)本多電子 により卵巣所見を観察 対照区 DFR 区 においても 同様に DFR 前 DFR 後 時間後 および OPU 時に測定 を行った 卵胞所見は 大卵胞 10mm 以上 中卵胞 6~9mm 小卵胞 5mm 以下 に区分し 各卵胞個数と黄体所見を記録した (2 OPU 時の回収卵子の数およびグレード (3 媒精 48 時間後の分割率 5 日目の桑実胚率 6~8 日目の胚盤胞率 7 統計処理 データは統計ソフト JMP を用い分散分析後に Tukey の HSD 検定を行った %の値については アークサイン変換をした後有意差検定を行った 44 図 2 試験区 PRID および対照区 DFR にお ける OPU 時までの卵胞数 平均 の推移

50 FSH 製剤単回投与法 OPU における卵胞波調節法の検討 表 1 OPU 時の平均卵胞数試験区 例数 大 中 小 計 試験区 (PRID) 対照区 (DFR) 無処置区 表 2 胚発生成績 試験区 回収卵数 供試卵数 分割率 (%) 桑実胚率 (%) 胚盤胞発生率 (%) 媒精後 7 日目媒精後 8 日目 試験区 (PRID) 10.5± ± ± ± ± ±15.1 対照区 (DFR) 12.3±4.0 10± ± ± ± ±15.8 無処置区 11.1± ± ± ± ± ±6.6 考 察 PRID を用いた過剰排卵処理での卵胞波調節において FSH 単回投与法による採卵成績では 従来の漸減投与法と同等の成績が得られていることから 3) FSH 単回投与 OPU における卵胞波調節を PRID で可能であるかを従来の卵胞波調節法である主席卵胞除去 (DFR) で比較したところ 同等の OPU 成績と胚発生成績を示した さらに OPU 前の FSH 投与による中卵胞数の増加も試験区 (PRID) で認められたことから FSH 単回投与 OPU の前処理の簡易化が図れた よって OPU 前の機械的な作業が伴わず OPU が行えるため現地 OPU での活用が期待される まとめ FSH 単回投与 OPU において 主席卵胞除去 (DFR) 処理による卵胞波調節は牛用膣挿入プロジェステロン 安息香酸エストラジオール配合剤 (PRID) 処理で代替できる可能性が示された 参考文献 1) 重永あゆみ FSH 単回投与法を利用した OPU-IVF 方法の検討 宮崎県畜産試験場研究報告第 25 号 2) 独立行政法人家畜改良センター ウシ生体卵子吸引 体外受精技術マニュアル家畜改良センター技術マニュアル 19,200 3) 倉原貴美農林水産研究指導センター ウシ腟内留置型ホルモン製剤 (PRID) を活用した過剰排卵処理 45

51 宮崎県畜産試験場試験研究報告第 26 号 (2014) 乳用牛の受胎率に及ぼす諸要因 西村慶子 鶴田清秀 恒吉吉和 中園締二 The factor exerted on reproduction of a dairy cow Keiko NISHIMURA, Kiyoshide TSURUTA,Yoshikazu TSUNEYOSHI, Teiji NAKAZONO < 要約 > 乳用牛の受胎率に及ぼす要因として, 発情行動または分娩後の繁殖機能修復状況との関係を調べた 試験 1: 発情行動は歩数計型発情発見装置を用い, 歩数が著しく増加した日を発情日とし, 発情開始時刻, 発情持続時間および発情開始から人工授精までの時間を調査した 初産牛と2 産以上の経産牛は, 発情開始時刻および持続時間が異なることが示された さらに人工授精までの時間は, 初産牛で経産牛よりも長い傾向を示した 試験 2: 分娩後の子宮および卵巣動態は超音波型診断装置を用い, 分娩後 25,45および60 日に子宮内膜状況および黄体出現状況を調査した 分娩後 25 日目の子宮内にヒダが確認できた場合, または卵巣に黄体が確認できた場合に受胎までの日数が最も短かった このことから, 初産牛と経産牛では授精適期が異なることが明らかとなり, さらに分娩後の繁殖機能修復状況は受胎率に影響を及ぼすことが示された 近年, 飼料価格の高止まりと牛乳の消費低迷により酪農経営は圧迫されている状況の中, 乳用牛の受胎率低下の問題が指摘されている 受胎率の低下は, 乳用牛だけでなく肉用牛でも同様に認められており,1989 年の受胎率は, 乳牛 62.4 %, 肉用牛 67.5% であったのに対し,2007 年では, 乳牛 48.7%, 肉用牛 57.9% であることから, 乳用牛で大きな低下が認められている ( 家畜改良事業団 2007) このような乳用牛における受胎率の低下は, 生産性を低下させ酪農経営に影響を及ぼす要因の一つと考えられる 受胎率の低下を引き起こす要因の一つに, 牛の発情行動の不明瞭化が考えられている 乳量中心に改良された乳用牛を対象とした報告は少ない そこで, 本研究では受胎率改善に向けて基礎的知見を得るために, 乳用牛の発情行動および分娩後の生殖機能の動態が受胎率に及ぼす影響を調査した 試験方法 試験 1 泌乳牛の発情行動が受胎率に及ぼす影響供試牛は,2008 年 8 月から 2013 年 4 月に宮崎県畜産試験場内で分娩したホルスタイン種泌乳牛延べ 95 頭 ( 初産牛 45 頭,2 産以上の経産牛 50 頭 ) を用いた 発情行動は,24 時間の行動量をリアルタイムで把握できる歩数計型発情発見装置 ( 牛歩 : 株式会社コムテック, 宮崎 ) を用い, 歩数が著しく増加した日を発情日とした また, 歩数が増加した時間を発情開始時間とし, 発情開始時間から非発情時の歩数に戻った時間を発情持続時間とした ( 図 1) さらに, 発情時の歩数増加率は, 発情持続時間の総歩数を非発情時の同時間帯の総歩数で除して求めた 人工授精は, 発情開始時刻から 8-30 時間に子宮角付近に行い, 妊娠鑑定を人工授精から 35 日目に実施した 46

52 乳用牛の受胎率に及ぼす諸要因 試験 2 ぼす影響 発情開始時間 図 1 発情時の歩数グラフ 分娩後の子宮および卵巣動態が受胎率に及 供試牛, 発情行動の把握ならびに人工授精は試験 1 と同様である 発情持続時間 分娩後の子宮および卵巣動態は, 分娩後 25 日目 に超音波診断装置 ( 以下, 超音波 ) を用いて行った 子宮は, 妊娠角の子宮内膜の状態からヒダあり, ヒダなし, 貯留物およびエコージェニックラインの 4 種類に分類した ( 写真 1) 卵巣は, 黄体または卵胞の出現状態を調査した 表 1 泌乳牛の産次の違いと発情開始時刻との関係 発情開始時刻 初産牛 経産牛 0:00~6:00 19 (47.5) 14 (30.4) 7:00~12:00 6 (15.0) 10 (21.7) 13:00~17:00 5 (12.5) 11 (24.0) 18:00~23:00 10 (25.0) 11 (24.0) *( ) は割合を示す 泌乳牛の産次の違いと発情持続時間との関係を表 3, 発情持続時間と受胎率との関係を図 2 に示した 発情持続時間は, 初産牛の 80% で 6-11 時間, 経産 牛の 60% で 9-14 時間を示した 発情持続時間が 14 時間以内の場合, 初産牛では持続時間が長くなるの に伴い受胎率が高まり, 経産牛では持続時間の影響 はみられなかった しかし,15 時間以上であれば, 産次間の違いは認められなかった 表 2 泌乳牛の産次の違いが発情持続時間に及ぼす 影響 発情持続時間 初産牛 経産牛 1~4 2 (5.0) 5 (10.9) 5~7 14 (35.0) 5 (10.9) 8~10 17 (42.5) 11 (23.9) 11~13 6 (15.0) 20 (43.5) 14~16 1 (2.5) 5 (10.9) *( ) は割合を示す ヒダあり ヒダなし 貯留物空洞 エコージェニック 図 2 発情持続時間が受胎率に及ぼす影響 写真 1 子宮内膜の状況 結果と考察 試験 1 泌乳牛の発情行動が受胎率に及ぼす影響泌乳牛の産次の違いと発情開始時刻との関係を表 1に示した 初産牛の発情開始時刻は,0:00-6:00 に半数の牛で確認されたが, 経産牛には一定の傾向は認められなかった 泌乳牛の産次の違いと歩数増加率との関係を表 2, 歩数増加率と受胎率との関係を図 3 に示した 発情時の歩数増加率は, 初産牛および経産牛ともに約 70 % の牛で 2-5 倍を示した さらに, 両者とも増加率が高まるに伴い, 受胎率は高まった 47

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