要 旨 政府の社会保障国民会議は 2008 年 5 月 19 日の雇用 年金分科会で 公的年金制度に関する定量的なシミュレーションを公表した 主たる注目点は 基礎年金の財源を全額税方式とした場合の必要財源の規模と消費税率換算のシミュレーションである 基礎年金の税方式化を行うにあたっては 制度移行前の

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1 2008 年 5 月 27 日発行 基礎年金の税方式化で税負担はどうなるか ~ 政府試算結果をどう考えるか ~

2 要 旨 政府の社会保障国民会議は 2008 年 5 月 19 日の雇用 年金分科会で 公的年金制度に関する定量的なシミュレーションを公表した 主たる注目点は 基礎年金の財源を全額税方式とした場合の必要財源の規模と消費税率換算のシミュレーションである 基礎年金の税方式化を行うにあたっては 制度移行前の保険料納付実績をどう給付に反映させるかにより追加財源の額が大きく変化する 政府シミュレーションでは A. 過去の保険料納付実績を無視して全員にを給付 B. 過去の保険料未納期間に応じて減額 C. 過去の保険料納付期間に応じて増額 のパターンが試算されている また 基礎年金の税方式化による必要な財源をすべて消費税で賄うとするとその税率は 2009 年度時点で 3.5%~12.0% になると示されている 税方式を導入しても 基本的には財源が保険料負担から国庫負担 ( 税負担 ) に振り替えられるだけであり 全体の負担額は変わらない ただし 税方式への移行に伴い 給付総額を増額させるとその分総費用が増額するため 税方式切り替え時に追加負担が発生することになる 税方式への移行は 過去の保険料納付実績に応じた移行期の経過措置と 国庫負担の財源をどこに求めるかにより 移行の是非が大きく左右される 政府シミュレーションでは 複数の移行措置パターンの試算が行われているが 実現が困難なパターンの試算も行われていること 他の選択肢も取り得ることから 移行措置をどうするかについては 今後 さらに検討を進める必要がある また 財源については 政府シミュレーションでは 一律に消費税率換算のみの結果を示しているが 財源が消費税中心になるとしても その他の財源も視野に入れる必要がある 今回 社会保障国民会議で政府による定量的なシミュレーション結果が公表されたことは非常に意義があると言えよう 今後は更なる選択肢も視野に入れ 社会保険方式主張派 税方式主張派双方の意見を中立に考慮し 国民の納得性と実現可能性に最大限に配慮した改革案を前提とした多様なシミュレーション結果の公表が期待される 政策調査部堀江奈保子

3 本誌に関するお問い合わせはみずほ総合研究所株式会社調査本部電話 (03) まで 当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり 商品の勧誘を目的としたものではありません 本資料は 当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが その正確性 確実性を保証するものではありません また 本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります

4 1. はじめに政府の社会保障国民会議は 2008 年 5 月 19 日の雇用 年金分科会で 公的年金制度に関する定量的なシミュレーションを公表した 主たる注目点は 基礎年金の財源を全額税方式とした場合の必要財源の規模と消費税率換算のシミュレーションである 本稿では 同シミュレーションの結果から 選択し得る基礎年金の税方式化について検討するとともに 税方式化に伴う負担の変化 今後の検討課題について考察することとする 2. 税方式と社会保険方式現行制度の基礎年金の財源は 2009 年度までに保険料負担が 2 分の 1 国庫負担( 税負担 ) が 2 分の 1 となることが決まっている 1 年金制度改革を巡っては この基礎年金の財源を全額税方式化 2する案が与野党や経済団体等から相次いで発表されている 税方式と社会保険方式の主な特徴の差は図表 1 の通りである 図表 1: 税方式と社会保険方式の主な特徴 税方式 社会保険方式 特徴 個人の保険料拠出を必要とせず 拠出にかかわらず国内居住年数等の要件で一律に給付 一定期間にわたって保険料を拠出し 拠出した程度に応じた額の年金を給付 負担 拠出と給付の関係が不明確 現役世代だけではなく高齢者も一定程度負担 拠出と給付の関係が明確 現役世代のみが負担する 所得水準等による給付制限が行われやすい 権利として給付を請求できる給付 生活保護との関係の調整が必要 保険料拠出が十分でないと低年金となる 低年金 無年金が生じない ( 資料 ) 厚生労働省資料によりみずほ総合研究所作成 3. 政府のシミュレーション結果の概要こうしたなか 社会保障国民会議 (2008 年 5 月 19 日 ) は 税方式に移行した場合の定量的な政府シミュレーションを公表した その概要は以下の通りである 3 (1) 現行制度を維持した場合の見通し社会保障国民会議資料によると 現行の基礎年金の財源 ( 保険料負担 2 分の 1 国庫負担 2 分の 1) を維持した場合の財源規模の見通しは 2009 年度時点では基礎年金給付費 1 基礎年金の財源は 従来 保険料負担 3 分の 2 国庫負担 3 分の 1 であったが 2004 年度から段階的に国庫負担割合が引き上げられている 2 基礎年金の税方式化は 国庫負担割合を 2 分の 1 からさらに引き上げ 2 分の 2 とする方式である 3 その他 基礎年金を取り巻く様々な状況や提案等に関連するシミュレーション等も行っているが 本稿では省略する 1

5 は 19 兆円 うち税負担が 10 兆円 保険料負担が 9 兆円となっている 4 ( 図表 2) 図表 2: 現行制度の基礎年金の保険料と税負担の財源規模の見通し 年度基礎年金給付費うち税負担うち保険料負担 兆円 10 兆円 9 兆円 兆円 12 兆円 12 兆円 兆円 14 兆円 14 兆円 兆円 29 兆円 28 兆円 ( 注 ) 試算の経済前提は 足下は 2007 年 1 月 進路と戦略 内閣府試算 2012 年度以降は物価上昇率 1.0% 賃金上昇率 2.5% 運用利回り 4.1% 国民年金保険料納付率は 80% ( 資料 ) 社会保障国民会議資料 (2008 年 5 月 19 日 ) (2) 移行パターンの種類基礎年金の税方式化のシミュレーションを行うにあたっては 税方式化前の保険料納付実績を給付にどう反映させるかによって追加財源の額が大きく変化することに注意が必要である 政府のシミュレーションでは 過去の保険料納付実績の給付の反映について A~C のパターンを前提としてシミュレーションを行っている なお 基本となる年金額は 現行の基礎年金の満額給付と同じ月額 6.6 万円とされている まず ケース A は 過去の保険料納付実績については 全く勘案せず 全員に税方式の基礎年金の満額給付を行うパターンである 移行後すぐに無年金 低年金問題が解決できるものの 過去の保険料納付実績を全く反映させないことは これまで保険料を納付してきた国民の納得を得ることは難しく 現実的な選択肢とは言えないものの ひとつの参考値にはなる また ケース B は 過去の保険料未納期間に係わる分については その期間に応じて税方式の基礎年金給付から減額するパターンである 一方 ケース C は ケース B とは反対に 過去の保険料納付期間に係わる分について その期間に応じて税方式の基礎年金に上乗せして給付するパターンである ケース C については 保険料納付期間に応じた加算額を1 保険料相当額 ( 現行基礎年金の 2 分の 万円相当分 ) とするパターンと 2 給付全額 ( 同 2 分の 万円相当分 ) とするパターン ( ケース C ) が前提とされている ( 図表 3) 4 税負担の方が若干多いのは 保険料免除者等の影響によるものと考えられる 2

6 図表 3: 移行パターンのイメージ ケース A: 過去の納付状況に関係なく一律給付 ケースB: 過去の保険料未納期間に応じて減額未納期間分を減額保険料納付期間分の基礎年金 ケースC: 過去の保険料納付相当額を加算して給付上乗せ給付 ケース C': 過去の保険料納付相当分に公費相当分も加算して給付 上乗せ給付 税方式導入前期間に見合う給付 税方式導入後期間に見合う給付 ( 資料 ) 図表 1 に同じケース B を採用すれば 追加的な税負担は保険料からの振り替え分のみに限定されるものの 長期にわたる移行期間が必要となり 無年金 低年金問題の解消に時間がかかる 一方 ケース C を採用すると 移行後すぐに無年金 低年金問題が解決できるとともに 過去の保険料納付者の納得は得られやすいが 巨額の追加的財源負担が発生することになり その財源をどう手当てするのかが問題となる ( 図表 4) 図表 4: 移行パターンごとの特徴 無年金 低年金問題の解消 過去の保険料納付者の納得 追加的財源負担 A( 一律に給付 ) すぐに解消 得られない 負担増 B( 未納期間に応じて減額 ) 移行期間が必要 得られやすい 不要 C( 納付期間に応じて上乗せ ) すぐに解消 得られやすい 巨額の負担増 ( 資料 ) 社会保障国民会議資料等によりみずほ総合研究所作成 (3) パターン別のシミュレーション結果 以上のパターン別のシミュレーション結果をみると 2009 年度時点で 追加財源の規 模が 過去の納付状況に関係なく一律に基礎年金を給付するケース A では 14 兆円 ( 消費 税率換算 5.0% ) から未納期間分を減額したケース B では 9 兆円 ( 同 3.5%) に過去の保険料納付相当分を加算するケース C では 24 兆円 ( 同 3

7 8.5%) 過去の保険料納付相当分に公費相当分も加算して給付するケース C では 33 兆円 ( 同 12.0%) となっている ( 図表 5) 図表 5: パターン別のシミュレーション結果 ( 追加財源の規模 ) 年度 2009 ケース A ケース B ケース C ケース C 消費税 消費税 消費税 消費税 率換算 率換算 率換算 率換算 14 兆円 5.0% 9 兆円 3.5% 24 兆円 8.5% 33 兆円 12.0% 現行保険料の振替 9 兆円現行保険料の振替 9 兆円現行保険料の振替 9 兆円現行保険料の振替 9 兆円 切替時の追加負担 5 兆円切替時の追加負担 0 兆円切替時の追加負担 14 兆円切替時の追加負担 24 兆円 兆円 5.5% 12 兆円 3.5% 28 兆円 8.5% 39 兆円 12.0% 兆円 5.0% 15 兆円 3.5% 31 兆円 8.0% 42 兆円 10.5% 兆円 7.0% 32 兆円 6.0% 42 兆円 8.0% 50 兆円 9.5% ( 注 )1. 所得等による給付制限は行わず 全高齢者に同額を給付 年度から基礎年金のための保険料徴収を完全に廃止し 一斉に税財源に切り替える 年度の予算における基礎年金国庫負担割合は 37.3%(1/3+40/1000) であることから 上記の消費税率換算の他に 国庫負担割合 1/2 にまで引き上げるための財源として約 1% が追加的に必要となる ( 資料 ) 図表 1 に同じ 4. 現行制度との負担の差税方式を導入しても 基本的には財源が保険料から国庫負担に振り替えられるだけであり 全体の負担額は変わらない ただし 税方式への移行に伴い 一律の給付を行ったり 移行措置を行ったりすることで給付総額を増額させるとその分総費用が増額するため 税方式切り替え時に追加負担が発生することになる 以下では 現行制度と税方式移行後の負担の差について整理する (1) 税方式移行に伴う保険料負担減税方式に移行すると 国民年金保険料の月額 14,410 円 (2008 年度 ) と 厚生年金保険料率の %(2007 年 9 月 ~2008 年 8 月 ) のうち基礎年金分の保険料率 4% 5 の負担がなくなる なお 厚生年金保険料は労使折半のため これは 企業と被保険者と 2% ずつの負担減を意味する 5 社会保障国民会議資料によると 基礎年金の国庫負担割合を 2 分の 1 に引き上げることを前提とし 厚生年金保険料率のうち 基礎年金分の保険料割合は 4.0%/14.996% とされている 4

8 (2) 税方式移行に伴う税負担増前述の通り 税方式移行後も給付総額を変更しなければ (1) で指摘した保険料負担が減額する分だけ税負担が増えるだけであり 全体の負担増はない ただし 税方式導入は 無年金者 低年金者をなくす ことがその目的のひとつとなっているため 現行制度で無年金 低年金となっている者にも一定の給付が行われる仕組みとするには 給付総額が増加し それに伴い負担額も増加する 政府のシミュレーションでは ケース B を税方式移行後は過去の保険料未納期間に応じて額を減額するパターンとしているため このケースでは追加的な負担は発生しない しかし その他のケース A ケース C ケース C ではいずれも過去の保険料未納者についてもを給付するパターンとなっており 追加的負担が生じている 過去の保険料納付実績を全く無視したケースであるケース A は 制度移行時の追加的負担額が 5 兆円となっているが 前述の通り このケースでこれまで保険料を納付していた国民の納得を得るのは困難である そこで に過去の保険料納付実績に応じて給付額を加算するパターンである C をみると 追加的負担額は ケース C で 14 兆円 ケース C 24 兆円となっている ( 図表 4) このうち ケース C では過去の保険料納付実績に応じて 過去の保険料納付相当分 ( 基礎年金の財源の 2 分の 1) に加えて 公費相当分 ( 同 2 分の 1) も加算するとされており 年金受給者であれば 最大月額 6.6 万円が加算されるパターンとなっている 過去の保険料納付実績に応じて 税方式移行前の公費負担分も上乗せするのは 制度移行前と制度移行後の公費負担分の二重の給付となる 仮に 6.6 万円が加算されると 基礎年金だけで 13.2 万円となり 厚生年金受給者であれば さらに 10.1 万円 ( 平均的な所得の会社員の厚生年金額 ) が支給されるので合計が月額 23.3 万円となる 夫婦世帯であれば 妻が専業主婦としても 基礎年金の上乗せ給付が最大とすれば 基礎年金額総額で 13.2 万円が支給され 世帯の年金総額は 36.5 万円に上る ( 図表 6) これは 追加的財源が 24 兆円に上ることを考え合わせても 給付が過大であると考えられる 図表 6: ケース C とした時の世帯年金額基礎年金上乗せ給付厚生年金 夫 妻 世帯年金額 36.5 万円 ( 万円 ) ( 資料 ) 社会保障国民会議資料 (2008 年 5 月 19 日 ) 厚生労働省資料によりみずほ総合研究所作成 5

9 したがって に過去の保険料納付実績に応じた上乗せ給付をするとしても 最大で保険料納付相当分を上乗せするパターンが現実的な選択肢になると考えられる 政府のシミュレーションによると 過去の保険料納付相当額 (3.3 万円 ) を加算するケース C が提示されているが その場合の追加的財源は 14 兆円となり ケース C と比較すれば追加負担額は大きく抑制されるものの なおその規模は巨額である 過去の保険料実績に応じた上乗せ給付を行うのであれば 上乗せ額をどう設定するのか別の選択肢 6も検討する必要があろう (3) 税方式移行に伴う負担者の違い a. 家計と企業現行制度では 前述の通り 厚生年金保険料に基礎年金相当分の保険料が含まれている 厚生年金保険料は労使折半であるため 基礎年金相当分となる 4.0% が軽減されるとすれば 2.0% は企業分 2.0% は被保険者分が負担減ということになる 厚生年金保険料率の 2.0% 分は社会保障国民会議資料によると 3 兆円 ~4 兆円に相当するとされているが 基礎年金の税方式化に伴い 税負担を全て消費税で賄うとすると 基礎年金に係わる企業負担が減少し 家計負担が増加することとなる しかし 厚生年金保険料率のうち企業負担 2.0% が負担減となるとしても 別に税負担等で企業に基礎年金の財源を求めることは可能である 7 また 現行制度を維持し 企業に基礎年金分も含めた厚生年金保険料を継続して求めれば 賃金抑制や商品価格への転嫁等の形で家計負担に跳ね返ることにもなる したがって 税方式化に伴い 一概に企業負担が家計負担に移転するとは言えない b. 世代別 世帯形態別一方 家計負担については 税方式としたときの財源を全て消費税に求めれば 概ね 現役世代より 年金受給者世代の負担増となる しかし 消費税率引き上げにより 消費者物価が上昇すれば 年金額が物価上昇率に応じて改定されること 基礎年金の税方式化で が給付されることにより 年金額が増加する層もいることから 年金受給者世代であっても基礎年金の税方式化で一概に負担増になるとは言えない また 自営業者等世帯 ( 国民年金のみ世帯 ) では 高所得者世帯ほど負担増になると試算されている また 保険料免除者にとっては 基礎年金の税方式化で負担増にはなるものの 8 現行制度では 免除者は給付も減額される 給付まで総合的に考えれば 基礎年金の税方式化は一概に負担増とは言えない 6 例えば 過去の保険料拠出額に一定の運用利回りを乗じるといった方法も考えられる 7 従業員の賃金総額に一定率を乗じた額を基礎年金の財源のための税として徴収する案も出ている 8 税方式移行に伴い 消費税率が大幅に引き上げられるとすれば 低所得者には別途配慮措置を行うことを検討する必要がある 6

10 5. 移行期の経過措置と国庫負担の財源税方式への移行は 過去の保険料納付実績に応じた移行期の経過措置と 国庫負担の財源をどこに求めるかにより 移行の是非が大きく左右される 政府シミュレーションでは 複数の移行措置パターンの試算が行われているが 実現が困難なパターンの試算も行われていること 他の選択肢も取り得ることから 移行措置をどうするかについては 今後 さらに検討を進める必要がある また 財源については 政府シミュレーションでは 一律に消費税率換算のみの結果を示しているが 財源が消費税中心になるとしても その他の財源も視野に入れる必要がある 以下では 経過措置と財源について検討する (1) 制度移行期の経過措置のあり方基礎年金の税方式化への移行の最大の難関は移行措置であるとも言える 移行措置をどうするかにより 追加的財源の額が大きく変わることは政府のシミュレーションからも明らかである また 移行措置については 追加的財源の問題のみならず 移行前の保険料納付者の納得が得られるような制度設計としなければ 年金制度の信頼性を大きく損なうことにもなりかねない したがって 移行措置の選択肢としては 税負担による一律の給付と 1 保険料未納期間に応じた減額 または 2 保険料納付期間に応じた加算のいずれかになる 1では 追加的な財源は不要であるが 移行期間が長くなり 税方式へ移行してもその効果が現れるまでに時間がかかるのが難点である また 過去の保険料未納期間が長く 受給資格期間が満たされなかったために無年金となっている者についても 基礎年金が全額税負担となれば 自分の給付につながらない税負担が生じてしまう ただし こうした無年金者については 制度移行時に過去分の保険料の事後納付を一時的に認め 一定の年金支給を認める措置を設けることである程度対応できよう 2については 税方式の効果がすぐに現れるものの 加算額により 追加的な財源負担が大きいことが問題となる 政府シミュレーションでは 最大で 24 兆円 (2009 年度 ) の追加的負担が生じるケースが示されているが 追加的財源をどの程度まで国民全体で負担可能であるかを考慮のうえ 負担可能な範囲内での移行措置の検討を進めていくことが必要であろう (2) 国庫負担の財源の検討基礎年金の国庫負担分は 税方式化する場合だけではなく 現行制度を維持した場合にも将来大幅に増加する そこで その財源をどこに求めるかは非常に影響が大きい問題である 基礎年金の財源については 何らかの増税は不可避であるが まず 歳出削減なしでは増税に対する国民の納得は得られない 具体的に 削減可能な歳出項目の検討が第一である そのうえでの増税の検討となるが やはり消費税を中心に考えるのが妥当であろう 消 7

11 費税には 現役世代だけではなく 高齢者に至るまであらゆる世代に広く負担が求められるため 生涯の一時期に負担が大きく偏らないという特徴があり 世代間格差の是正に効果がある 今後 急速に少子高齢化が進行するなか 現役世代に大きく負担が偏らないという点では 社会保障の財源として消費税は有力な候補となる また 消費税については 一般財源に比べ景気変動の影響を受けにくいことから税収の安定性が確保できるほか 所得税と異なり 職業による所得捕捉の不公平がないといった特徴もある その他の財源としては 現在 課税割合が 4.2%(2006 年 ) にとどまっている相続税の見直し 高所得高齢者の公的年金等控除の見直しなどが 年金財政への繰り入れに国民の理解が得られやすいと考えられる また 前述の通り 現在の基礎年金の財源のうち 企業が負担している 3 兆円 ~4 兆円の年金保険料については 税方式へ移行することに伴い負担減となるとすれば 企業にも基礎年金の財源の一部について別の形で負担を求めることも考えられる 6. おわりに昨年来 基礎年金の税方式化に関する提言が相次いでいるなか 今回 社会保障国民会議で政府による定量的なシミュレーション結果が公表されたことは非常に意義があり 今後の年金改革の議論を進めていく上で重要な情報となる 今回公表されたシミュレーションでは いくつかのケースが示されていたものの 前述の通り 明らかに選択不能な極端なシミュレーション結果も含まれている 例えば 移行措置を充実させた場合 ( ケース C ) には 最大で消費税率換算で 12% の財源が必要になると示されているが これは過剰な上乗せ給付を仮定した選択し得ないパターンの数字である 制度が複雑な年金制度において 制度や改革案を完全に理解することが難しいなかで 世論の注目を集めるのは 複雑な制度体系や仕組みではなく 分かりやすい個別の問題となる傾向がある 9 税方式の導入による本来の意義が広く理解されないまま 基礎年金の税方式化は最大で消費税率 12% の財源が必要で 税方式の選択は不可能 との印象が世間に広がる懸念がある 政府による基礎年金の税方式化の定量的シミュレーションには 今回にとどまることなく 社会保険方式主張派 税方式主張派双方の意見を中立に考慮し 国民の納得性と実現可能性に最大限に配慮した改革案を前提とした多様性が期待される 9 過去の例では 国民年金保険料の未納者問題や 年金記録問題等が挙げられる 8

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