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1 既存耐震診断基準におけるせん断破壊型柱の 耐震性能評価方法の一考察 A Study on the Evaluating Method for Seismic Performance of Shear Failures Columns in the Guidelines of Existing Seismic Index for Reinforced Concrete Buildings 高知工科大学大学院工学研究科基盤工学専攻社会システム工学コース 竹内康智 指導教員 : 中田愼介 那須清吾 穴見健吾 2007 年 2 月

2 論文要旨 既存耐震診断基準におけるせん断破壊型柱の耐震性能評価方法の一考察 竹内康智 1995 年の兵庫県南部地震の被害を契機に 建築物の耐震改修の促進に関する法律 が制定された これを受け各自治体などで耐震改修が進められてきている 改修する建物が5~ 6 階の鉄筋コンクリート造の場合 日本建築防災協会が発行している 既存鉄筋コンクリート造建物の耐震診断基準 ( 以下 診断基準 ) で建物の安全性が評価されている 診断基準の問題点は せん断破壊型の柱はせん断破壊耐力に達すると その後の耐力を即座にゼロとして評価し 安全側に判断する仕組みとなっている しかし せん断破壊した部材に関するいくつかの実験データを考察すると せん断破壊耐力に達しても 耐力が徐々に低下していることが分かった そこで本論文ではせん断破壊柱に着目し 現行の基準よりも実挙動を反映させた評価方法を提案する 他方 せん断破壊部材の動的解析は市販のプログラムでは スケルトンカーブが負勾配になるために解析が行えない そこで市販のプログラムで解析できるよう手法を提案する i

3 Abstract A Study on the Evaluation Method of Seismic Performance for Shear Failure Type-columns in the Current Seismic Index Standards for Existing Reinforced Concrete Buildings Yasutomo TAKEUCHI Japan Building Disaster Prevention Association revised Seismic Index Standards for Existing Reinforced Concrete Buildings in However the evaluation on shear failure type of columns is still conservative. In this standards, after the ultimate shear failure strength the shear capacity of the column should be suddenly zero. According to the recent test results, after such shear failure, the shear capacity does not show sudden decrease. Test results showed the downgrade stiffness after the ultimate shear strength. This paper is focused the downgrade stiffness. Through the case study of the dynamic response analysis on lumped mass system for prototype school building, the proposed downgrade stiffness system showed much smaller response story drift than the response story drift by the above mentioned Seismic Index Standards. The analysis started from the evaluation and mathematical modeling of the downgrade stiffness from test results offered by Professor Manabu Yoshimura, Tokyo Metropolitan University. The construction of the mathematical modeling is based on the existing evaluation methods on the initial stiffness and shear capacity on each failure mode. Especially the evaluation of the downgrade stiffness is originally devised from the energy dissipation concept. In case considering the effect of downgrade stiffness after shear failure, the response story drift showed much smaller values than the value which is not considered the downgrade stiffness after shear failure. Through the numerical analysis of such dynamic response analysis for lumped mass system due to design earthquake inputs showed the reasonable difference among above mentioned case study. ii

4 目次 第 1 章序論 1-1 研究の背景と目的 研究方法 既往の研究 論文の構成 4 付録 1.1 耐震診断基準の考え方 6 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 2-1 はじめに 既存のスケルトンカーブの修正 使用した実験データ 既存スケルトンカーブの修正および検証 まとめ 16 付録 2.1 崩壊水平変形および既存の荷重低下域におけるスケルトンカーブ 17 付録 2.2 崩壊実験の水平力 - 水平変形 鉛直変形 - 水平変形 破壊状況 19 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 3-1 はじめに 記号の定義 現行の耐震診断基準におけるスケルトンカーブのモデル化の手法 せん断部材と曲げ部材が混在する場合のスケルトンカーブのモデル化の手法 せん断部材と曲げ部材のスケルトンカーブの定式化 スケルトンカーブの合成手法 せん断破壊部材含む建物を市販のプログラムで行うための手法 まとめ 45 付録 3.1 現行の設計規準 診断基準の中で使用した公式 46 付録 3.2 解析におけるスケルトンカーブの条件 50 付録 3.3 せん断破壊後の残留耐力の考察 51 iii

5 第 4 章解析概要および解析結果 4-1 解析対象建物のモデル化 地震応答解析 解析結果 58 付録 4.1 解析に使用したプログラム 88 付録 4.2 せん断部材のみを考慮したスケルトンカーブ 92 第 5 章安全率および可能性の検討 5-1 はじめに 安全率の検討 市販のプログラムでの応答予測の可能性の検討 まとめ 96 第 6 章結論 97 参考文献 99 謝辞 101 iv

6 図目次 第 1 章図 1-1 構造耐震指標 Is と損傷割合の関係 ページ 1 図 1-2 研究方法のフロー 2 図 1-3 論文の構成 5 付図 1-1 靭性が異なる部材を含む水平力と水平変位の関係 7 第 2 章 図 2-1 既存せん破壊型のスケルトンカーブ 9 図 2-2 試験体形状と配筋例 (No.1) 11 図 2-3 加力装置 11 図 2-4 クリアスパン比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係 12 図 2-5 横補強筋比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係 13 図 2-6 主筋比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係 13 図 2-7 軸力比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係 14 図 2-8 各試験体と実験の比率 15 付図 2-1 既存せん破壊型のスケルトンカーブによる計算結果と実験データ 18 付図 2-2(a~o) 各試験体の水平力 - 水平変形関係 19~33 付図 2-3(a~o) 各試験体の鉛直変形 - 水平変形関係 19~33 付写真 2-1(a~o) 各試験体の破壊状況 19~33 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 図 3-1 スケルトンカーブの記号の定義 37 図 3-2 診断基準で求めたせん断部材と曲げ部材のスケルトンカーブ 38 図 3-3 診断基準で求めたせん断部材と曲げ部材を合成したスケルトンカーブ 39 図 3-4 診断基準で求めた解析用スケルトンカーブ (A モデル ) 39 図 3-5 せん断部材のスケルトンカーブ 40 図 3-6 曲げ部材のスケルトンカーブ 41 図 3-7 せん断部材と曲げ部材の合成スケルトンカーブ ( f R mm s R m の場合 ) 43 図 3-8 f R mm s R m の解析用スケルトンカーブ (B モデル ) 43 図 3-9 せん断部材と曲げ部材の合成スケルトンカーブ ( f R mm < s R m の場合 ) 44 図 3-10 f R mm < s R m の解析用スケルトンカーブ (B モデル ) 44 v

7 図 3-11 置換曲げモデルのスケルトンカーブ (C モデル ) 45 付図 3-1 モーメント- 回転角の関係 47 付図 3-2 スケルトンカーブの入力条件 50 付図 3-3 鉄筋コンクリートのせん断破壊現象のモデル化 51 付図 3-4 破壊時のモールの応力円とクーロンの破壊線の関係 52 付図 3-5 dについて 52 付図 3-6 σ1 の分力 53 付図 3-7 σ3 の分力 53 第 4 章 図 4-1 建物イメージの平面図 55 図 4-2 建物モデル 55 図 4-3 実建物イメージ 55 図 4-4 最大化速度 50cm/s に基準化した場合の加速度応答スペクトル 57 図 4-5 CASE1 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 61 図 4-6 CASE1 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 61 図 4-7 CASE1 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 61 図 4-8 CASE1 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 62 図 4-9 CASE1 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 62 図 4-10 CASE1 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 62 図 4-11 CASE1 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 63 図 4-12 CASE1 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 63 図 4-13 CASE1 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 63 図 4-14 CASE2 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 64 図 4-15 CASE2 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 64 図 4-16 CASE2 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 64 図 4-17 CASE2 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 65 図 4-18 CASE2 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 65 図 4-19 CASE2 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 65 図 4-20 CASE2 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 66 図 4-21 CASE2 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 66 図 4-22 CASE2 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 66 図 4-23 CASE3 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 67 図 4-24 CASE3 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 67 図 4-25 CASE3 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 67 vi

8 図 4-26 CASE3 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 68 図 4-27 CASE3 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 68 図 4-28 CASE3 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 68 図 4-29 CASE3 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 69 図 4-30 CASE3 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 69 図 4-31 CASE3 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 69 図 4-32 CASE4 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 70 図 4-33 CASE4 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 70 図 4-34 CASE4 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 70 図 4-35 CASE4 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 71 図 4-36 CASE4 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 71 図 4-37 CASE4 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 71 図 4-38 CASE4 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 72 図 4-39 CASE4 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 72 図 4-40 CASE4 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 72 図 4-41 CASE5 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 73 図 4-42 CASE5 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 73 図 4-43 CASE5 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 73 図 4-44 CASE5 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 74 図 4-45 CASE5 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 74 図 4-46 CASE5 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 74 図 4-47 CASE5 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 75 図 4-48 CASE5 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 75 図 4-49 CASE5 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 75 図 4-50 CASE6 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 76 図 4-51 CASE6 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 76 図 4-52 CASE6 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 76 図 4-53 CASE6 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 77 図 4-54 CASE6 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 77 図 4-55 CASE6 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 77 図 4-56 CASE6 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 78 図 4-57 CASE6 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 78 図 4-58 CASE6 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 78 図 4-59 CASE7 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 79 図 4-60 CASE7 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 79 図 4-61 CASE7 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 79 vii

9 図 4-62 CASE7 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 80 図 4-63 CASE7 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 80 図 4-64 CASE7 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 80 図 4-65 CASE7 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 81 図 4-66 CASE7 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 81 図 4-67 CASE7 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 81 図 4-68 CASE8 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 82 図 4-69 CASE8 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 82 図 4-70 CASE8 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 82 図 4-71 CASE8 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 83 図 4-72 CASE8 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 83 図 4-73 CASE8 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 83 図 4-74 CASE8 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 84 図 4-75 CASE8 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 84 図 4-76 CASE8 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 84 図 4-77 CASE9 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 85 図 4-78 CASE9 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 85 図 4-79 CASE9 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 85 図 4-80 CASE9 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 86 図 4-81 CASE9 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 86 図 4-82 CASE9 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 86 図 4-83 CASE9 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 87 図 4-84 CASE9 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 87 図 4-85 CASE9 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 87 付図 4-1 復元力モデルのスケルトンカーブの概略 88 付図 4-2 復元力モデル 88 付図 4-3 武田スリップモデルの履歴特性 89 付図 4-4 使用した復元力モデル ( 武田モデル ) 90 付図 4-5 せん断部材のみを考慮したスケルトンカーブ (Z モデル ) 92 viii

10 第 5 章 図 5-1 A モデルと B モデルの最大応答量の比率と各 CASE の関係 94 図 5-2 Cモデルの応答量と B モデルの最大応答量の比率と各 CASE の関係 95 第 6 章 第 7 章 ix

11 表目次 第 1 章 第 2 章 表 2-1 使用した実験データ 10 第 3 章 第 4 章 表 4-1 各 CASE の部材のパラメータの諸元 56 表 4-2 に Z モデルの最大応答変位結果 58 表 4-3 に A モデルの最大応答変位結果 58 表 4-4 に B モデルの最大応答変位結果 59 表 4-5 に B モデルの最大応答変位結果 59 表 4-6 に C モデルの最大応答変位結果 60 表 4-7 に C モデルの最大応答変位結果 60 第 5 章 第 6 章 第 7 章 x

12 第 1 章序章 第 1 章序論 1-1 研究背景と目的 1995 年の兵庫県南部地震の被害を契機に 建築物の耐震改修の促進に関する法律 が制定された これを受け各自治体などで耐震改修が進められてきている 改修する建物が5~ 6 階の鉄筋コンクリート造の場合 日本建築防災協会が発行している既存鉄筋コンクリート造建物の耐震診断基準同解説 1.1)( 以下 診断基準 ) で建物の安全性が評価されている 図 1-1に構造耐震指標 I S と損傷割合の関係 (182ページ) を引用した 診断基準ではIsを求め I S が0.6 以上ならば若干の例外はあるものの概ね小破以下にとどまっており 少なくとも建物は倒壊しないとされている しかし同図において I S が0.6 以下でも小破と判断された建物が多数存在する これは診断基準が作成された当時はせん断破壊関する実験があまり多く行われていなっかたことが考えられる 診断基準ではせん断破壊部材はせん断破壊耐力に達するとその後の耐力を即座にゼロとして安全側として評価している しかし せん断破壊した部材に関するいくつかの実験データ 2 )3) を考察すると せん断破壊耐力に達しても耐力が徐々に低下していることが分かった そこで本論文ではせん断破壊柱の下り勾配に着目し せん断破壊後の下り勾配を考慮した場合と考慮しない場合について 建物全体地震応答解析を行い 両者の応答量の比較から安全率の検討を行う 他方 せん断破壊部材の動的解析は市販のプログラムではスケルトンカーブが負勾配になるために解析が行えない そこで市販のプログラムで解析できるよう手法を提案する 図 1-1 構造耐震指標 Is と損傷割合の関係 1

13 第 1 章序章 1-2 研究方法通常のせん断部材は骨格曲線 ( スケルトントンカーブ ) が負の勾配になるため地震応答解析が行えない しかし首都大学東京の芳村学教授のご好意によりせん断破壊部材の地震応答解析可能なプログラムと実験データを提供して頂いた そこで まず既存の下り勾配モデルをより実験の挙動に合うようにモデルを修正し 実験データとの検証を行った 次に現行診断基準の考え方を基に 水平耐力と層間変形角を算出し それをスケルトンカーブ ( 以下 Aモデル ) にモデル化した そして せん断部材の下り勾配のエネルギーを考えそれをスケルトンカーブ ( 以下 Bモデル ) にモデル化した また Bモデルを基に市販の地震応答解析プログラムで解析可能なスケルトンカーブ ( 以下 Cモデル ) を作成した それぞれのモデルを地震応答解析し その応答量から判断をすることとする 既往の研究により作成されたせん断部材のスケルトンカーブ 修正 実験データ せん断破壊後の下り勾配を考慮しないスケルトンカーブ作成 (A モデル ) せん断破壊後のエネルギーを考えたスケルトンカーブ作成 (B モデル ) 市販のプログラムで解析可能なスケルトンカーブ作成 (C モデル ) 地震応答解析 A モデルの応答量と B モデルの応答量を比較 B モデルの応答量と C モデルの応答量を比較 安全率の検討 可能性の検討 図 1-2 研究方法のフロー 2

14 第 1 章序章 1-3 既往の研究 せん断破壊部材の定式化と耐震診断基準に動的解析を適応した既往の研究を以下に示す 高稻 1.2) は 旧基準による鉄筋コンクリート (RC) 柱の崩壊実験を行い得られた結果を基に 崩壊水平変形および崩壊に至るまでの荷重低下域における荷重変形関係を定式化し算定式を示している 芳村 上野 中村 1.3) らは 診断基準で せん断柱 からなる建物を想定して Is 値と倒壊の関係を示している 上野 芳村 1.4) らは 診断基準で せん断柱 と判断される柱 1 種のみで構成される建物の動的解析を行いF 値の推定式を示している 3

15 第 1 章序章 1-4 論文の構成本論文の構成を図 1-4に示す 本論論文は全 7 章より構成されている に以下にその概要を示す 第 1 章では 本研究の背景と目的 および研究方法と研究の位置づけを示すと共に 耐震診断基準の考え方 既往の研究と論文の構成について述べる 第 2 章では 既往の研究 および実験データを基に既往の実験データにより忠実のモデル化し 修正下り勾配モデルを作成する 第 3 章では それぞれのスケルトンカーブをモデル化する 現行の耐震診断基準の考え方を基に 水平力および層間変形角を求め それを解析可能なスケルトンカーブ (Aモデル) にする手法を述べる 次に 鉄筋コンクリート構造の設計規準 1.4) に則り 曲げ終局耐力およびせん断終局耐力 変位を求める せん断部材についてはせん断破壊後の下り勾配を考慮する 曲げ部材は設計規準を基にスケルトンカーブを作成する そして 曲げ部材とせん部材が混在するラーメン構造を考えた場合のスケルトンカーブ (Bモデル) をモデル化する手法について述べる そして Bモデルを基に市販の地震応答解析プログラムで解析可能なスケルトンカーブ (Cモデル) を作成する手法について述べる 第 4 章では 本研究の解析概要とその解析結果について示す 第 5 章では 3 章で作成したAモデルとBモデルの解析結果を基に せん断部材の下り勾配のエネルギーを考えた安全率の検討を行う また BモデルとCモデルの解析結果を基に せん断部材を含む建物の地震応答解析を市販の地震応答解析プログラムで行うことができるかについて その可能性の検討をする 第 6 章では 各章の内容を総括する また 今後の検討課題について示す 4

16 第 1 章序章 第 1 章序論 研究の背景目的 研究方法 既往の研究 第 2 章既存せん断破壊部材の下り勾配モデルの修正 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 第 4 章解析概要および解析結果 第 5 章 安全率の検討 市販のプログラムで地震応答解析を行うことができるか可能性の検討 第 6 章結論 各章の内容の総括 今後の課題 図 1-3 論文の構成 5

17 第 1 章序章 付録 1.1 耐震診断基準の考え方以下の文章 式は 既存鉄筋コンクリート造建物の耐震診断基準同解説の引用である 診断指標では 構造診断指標 I S を求め0.6 以上あれば少なくとも倒壊しないとされている ( 付 1-1) 式にその算定式を示す (63ページ引用) I S = E 0 S D T ( 付 1-1) ここで E 0 : 保有性能基本指標 S D : 形状指標 T : 経年指標 ここに診断対象となる建物が整形で比較的新しい場合 S D とTは1.0に近い値になる そこでのI S 算定式は ( 付 1-2) 式で表すことが出来る I S = E 0 = C F ( 付 1-2) ここで C : 強度指標 F : 靭性指標 強度指標 Cは保有水平強度を 靭性指標 Fは建物が崩壊するまでの限界の水平変形性能および塑性域におけるエネルギー吸収能力をあらわす 強度指標は重量で基準化した建物の強度 ( 降伏せん断力係数 ) に直接対応する値であるが 靭性指標はそれによって算定される保有性能基本指標 E 0 が建物を崩壊させる下限 ( あるいは崩壊させない上限 ) の入力時振動の強さに対応するように設定されている (72ページ引用) 6

18 第 1 章序章 図 1-3に靭性が異なる部材を含む水平力と水平変位の関係を示す この図は 建物の水平力と水平変位を理想化して考えられている すなわち 水平変位が増加すると ( イ ) 点で靭性が低い ( 脆性 ) 部材 ( 骨組 ) が破壊し 強度が一且低下する さらに水平変位が増加すると水平力は再び増加し始め ( ロ ) 点で靭性がある部材も破壊する 通常の建物では ( イ ) 点で脆性部材が崩壊しても 同図に破線で示したように徐々に耐力が低下するものと思われるが ここでは安全側に一挙に耐力低下が生じると仮定する (74ページ引用 ) 付図 1-1 靭性が異なる部材を含む水平力と水平変位の関係 7

19 8 第 1 章序章

20 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカー ブの修正 2-1 はじめに既往の研究 1.2) で高稻氏によりせん断破壊部材の荷重低下域における荷重変形関係 ( スケルトンカーブ ) が定式化されている ( 付録 2.1 参照 ) しかし その計算結果と実験結果ではあまり対応できていないケースがある ( 付図 2-2 参照 ) そこで本章では既往のスケルトンカーブを修正し実験データとの対応をよくし スケルトンカーブを修正する 既存のせん断破壊型のスケルトンカーブを参考文献 1.2(65 ページ ) より引用し 図 2-1 に示す 本章では第 3 折れ点に着目し 修正を行う 図 2-1 におけるスケルトンカーブの崩壊点 R u は実験の回帰式で求められており 第 3 折れ点の水平変形 R 3 は平均値を使用している 本論文では 水平耐力 P 3 に関して パラメータから回帰分析することで実験データのエネルギーを安全側に判断できるのではないかと考えた 図 2-1 既存せん破壊型のスケルトンカーブ 9

21 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 2-2 既存のスケルトンカーブの修正 使用した実験データ芳村教授より提供して頂いた実験データを表 2-1 に示す パラメータの範囲は クリアスパン比 h 0 /D=4.0~2.0 横補強筋比 p w =0.11~0.21% 主筋比 p g =1.69~2.65% 軸力比 η=0.18~0.35 である 図 2-2 に試験体形状と配筋例 (No.1) を示す 柱断面は寸法 (b B=300mm 300mm) 柱の内法高さ (h 0 =1200mm) コンクリートの設計基準強度は(18N/mm 2 ) は共通である 図 2-3 に加力装置を示す 加力にはパンタグラフにより上下スタブの平行がされる保持される逆対象加力装置を用いている 表 2-1 使用した実験データ 試験体諸元 実験結果 クリアス崩壊水試験体名横補強筋比主筋比軸力比最大水平パン比平変位 P w (%) P g (%) η 力 (KN) h 0 /D (%) No No No No No N18M N18C N27M N27C M C M C M C 注 ) 崩壊水平変位 最大水平力は絶対値 10

22 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 図 2-2 試験体形状と配筋例 (No.1) 図 2-3 加力装置 11

23 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 既存スケルトンカーブの修正および検証既存の研究 ( 付録 2.1) より スケルトンカーブと実験データの比較により崩壊点 R u の算定式 ( 付 2.1) 式と 第 3 折れ点の水平変形 R 3 の ( 付 2.2) 式は採用することにした しかしながら P 3 の ( 付 2.3) 式は パラメータにより変動することが予想される そこで修正を行う まず 各パラメータと実験データとの比較を行う 実験データの水平力 - 荷重変形関係 ( 付図 2-2 シリーズ参照 ) から 0.3 R u 時の実験耐力を目視で読み取った その耐力と実験最大耐力を比率にした 各パラメータを横軸に 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率を縦軸にとったグラフにし 考察を以下に示す クリアスパン比 h 0 /D クリアスパン比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係を図 2-4 に示す クリアスパン比が大きくなると 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率が一般に大きくなる傾向がみられた (0.3 Ru 時の実験耐力 )/ 実験耐力 クリアスパン比 h 0 /D 図 2-4 クリアスパン比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係 12

24 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 横補強筋比 p w 横補強筋比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係を図 2-5 に示す 傾向として 横補強筋比が大きくなると 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率が大きくなるように見えるが パラメータのデータが少ないために検討できない (0.3 Ru 時の実験耐力 )/ 実験耐力 横補強筋比 Pw 図 2-5 横補強筋比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係 主筋比 p g 主筋比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係を図 2-6 に示す 主筋比が大きくなると 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率が大きくなるように見えるが パラメータのデータが少ないために検討できない (0.3 Ru 時の実験耐力 )/ 実験耐力 主筋比 Pg 図 2-6 主筋比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係 13

25 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 軸力比 η 軸力比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係を図 2-7 に示す 一般の傾向として 軸力比が大きくなると 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率が大きくなる (0.3 Ru 時の実験耐力 )/ 実験耐力 軸力比 η 図 2-7 軸力比と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係 以上のようなパラメータの関係から クリアスパン比 h 0 /D 軸力比 η に 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率の関係に一般的な傾向が見られたので h 0 /D と η の 2 つを説明変量とした 回帰分析を行った そして P3 に回帰式で求めた係数を代入し P3 とし (2-1) 式に示す ( h0 ) P2 P 3 = η (2-1) D 14

26 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 修正した P3 と既往の P3 とで実験データとの検証を行う まず 実験最大耐力と P3 を比率にする 次に 実験最大耐力と P3 を比率にする そして CASE ごとに算出したものを図 2-8 に示す 実験最大耐力と P3 の平均の比率は 1.01 実験最大耐力と P3 の平均の比率は 1.19 であった このことから算出した回帰式は実験データをより再現していることがいえる 2.50 実験 /P3 実験 /P 比率 NO.1 NO.3 NO.5 NO.2 NO.4 N18M N18C N27M N27C 2M 2C 3M 3C 2M13 2C13 試験体名 図 2-8 各試験体と実験の比率 15

27 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 2-4 まとめ本章では 既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正を行うために 実験データから検討を行った 検討対象試験体の範囲は クリアスパン比 h 0 /D=4.0 ~2.0 横補強筋比 p w =0.11~0.21% 主筋比 p g =1.69~2.65% 軸力比 η=0.18~0.35の15 体試験体と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率について得られた知見について以下に示す (1) クリアスパン比 h 0 /D と軸力比 η には 一般的な傾向が見られた しかし 横補強筋比 p w 主筋比 p g はデータの数が少ないために 検討対象から除外した (2) クリアスパン比 h 0 /D と軸力比 η を説明変量として 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率に対し 回帰式を行ったところ 実験データをより再現できていることがいえる 16

28 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付録 2.1 崩壊水平変形および既存の荷重低下域におけるスケルトンカーブ高稻 1.2) は 旧基準による鉄筋コンクリート (RC) 柱の崩壊実験を行い得られた結果を基に 崩壊水平変形および崩壊に至るまでの算定式を示している その算定式を ( 付 2-1) 式に示す また 崩壊実験の結果を付録 2.2 に示す R 62.2 p 52.9 η p ( 付 2-1) u = W g ここで R : 崩壊水平変形の計算値 (%) u p w : η : p g : 横補強筋比 (%) 軸力比 主筋比 (%) しかし この算定式は パラメータの制限がある パラメータの制限は以下に示す せん断余裕度 0.49 ~ 0.73 η = 0.18 ~ 0.35 クリアスパン比 : h0 / D = P P 2.0 ~ 4.0 g w = 0.11% ~ 0.21% = 1.69% ~ 2.65% また 図 2-1 に既存せん破壊型のスケルトンカーブより 第 1 折れ点 ( ひび割れ点 ) 第 2 折れ点 ( せん断破壊点 ) については高稻の研究では特別に検討されていない 第 3 折れ点 ( 水平変形 R3 水平力 P3) R 3. 3 u P2 = 0 R R ( 付 2-2) 2 P = ( 付 2-3) 崩壊点 ( 水平変形 R u 水平力 P u ) R u P u = ( 付 2-1) 式による = 0 ( 付 2-4) 17

29 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 既存せん破壊型のスケルトンカーブによる計算結果と実験データを付図 2-2 に示す 付図 2-1 既存せん破壊型のスケルトンカーブによる計算結果と実験データ 18

30 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付録 2.2 崩壊実験の水平力 - 水平変形 鉛直変形 - 水平変形 破壊状況 各 CASE の水平力 - 水平変形関係を付図 2-2 シリーズ (a~o) に鉛直変形 - 水平変形関係を付図 2-3 シリーズ (a~o) に破壊状況を付写真 2.1 シリーズ (a~o) に示す 付図 2-2(a) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(a) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(a) 破壊状況 (No.1) 19

31 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(b) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(b) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(b) 破壊状況 (No.2) 20

32 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(c) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(c) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(c) 破壊状況 (No.3) 21

33 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(d) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(d) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(d) 破壊状況 (No.4) 22

34 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(e) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(e) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(e) 破壊状況 (No.5) 23

35 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(f) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(f) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(f) 破壊状況 (N18M) 24

36 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(g) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(g) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(g) 破壊状況 (N18C) 25

37 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(h) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(h) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(h) 破壊状況 (N27M) 26

38 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(i) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(i) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(i) 破壊状況 (N27C) 27

39 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(j) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(j) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(j) 破壊状況 (2M) 28

40 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(k) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(k) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(k) 破壊状況 (2C) 29

41 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(l) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(l) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(l) 破壊状況 (3M) 30

42 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(m) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(m) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(m) 破壊状況 (3C) 31

43 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(n) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(n) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(n) 破壊状況 (2M13) 32

44 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 付図 2-2(o) 水平力 - 水平変形関係 付図 2-3(o) 鉛直変形 - 水平変形関係 付写真 2-1(o) 破壊状況 (2C13) 33

45 第 2 章既存せん断破壊部材の荷重低下域におけるスケルトンカーブの修正 34

46 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 3-1 はじめに現行の耐震診断業務では地震応答解析を行っていない その理由として診断を主として 手計算でも行えるように大胆な仮定をしているため 診断基準で求めた荷重 - 変形関係から地震応答解析を行うことができないからである しかし 既存建物の地震応答特性を把握することにより 適切な診断を行うことが出来るのではないかと考え 地震応答解析を行えるようにスケルトンカーブをモデル化する また 現行の診断で耐震性に問題ありと判断された建物にもかかわらず 兵庫県南部地震では小破と判断された建物が存在する その診断結果はせん断部材の下り勾配を考慮しないために I s 値が低くなっているのではないかと考え 地震応答解析の応答量から せん断部材の取り扱いについての考察を行うためにモデル化する 本研究では 地震応答解析を行い それぞれの応答量から 安全率を算出することが主目的である また せん断部材の地震応答解析を市販のプログラムで行えるようにする手法の可能性を探ることも目的としている そこで本章では 地震応答解析を行うために荷重変形関係 ( 以下 スケルトンカーブとする ) を定義する 本章の 3-2 では スケルトンカーブを決定するにあたり記号の定義を示す 本章の 3-3 では せん断破壊部材は現行の診断基準の考え方を基に 水平力と層間変形角を求めた 曲げ部材は 曲げ終局耐力は診断基準の考え方を基に求め 崩壊点を仮定する そして 地震応答解析を行う上で 靭性が異なる部材を含む建物を想定し せん断部材と曲げ部材が混在する場合のスケルトンカーブのモデル化の手法を示す これを A モデルとする 本章 3-4 では 診断基準の考え方とは異なる方法で スケルトンカーブを求めた 日本建築学会発行の鉄筋コンクリート構造計算規準 同解説 3.1) ( 以下 計算規準とする ) より 曲げ部材のスケルトンカーブを決定した せん断部のスケルトンカーブは 第 2 章での修正を加え 診断基準と計算規準の公式 ( 付録 3.2 を参照 ) を用いて決定した 曲げ部材の曲げ終局耐力は設計規準で求め 崩壊点を仮定する そして 靭性が異なる部材を含む建物を想定し せん断部材と曲げ部材が混在する場合の スケルトンカーブのモデル化の手法を示す これを B モデルとする 本章の 3-5 では 3-4 で作成した B モデルを基に 市販のプラグラムで解析できるようにエネルギーを置換し 曲げ型にしたスケルトンカーブ再決定する その手法を示す これを C モデルとする 35

47 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 付録 3.1 に現行の設計規準 診断基準示す 付録 3.2 には解析におけるスケルトンカーブ条件を示す 付録 3.3 にはせん断破壊以後の残留耐力について考察をする 36

48 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 3-2 記号の定義 スケルトンカーブの決定にあたり記号を定義し 図 3-1 に示す 図 3-1 スケルトンカーブの記号の定義 f f f f f s s s s s s s s Q Q R R R Q Q Q Q R R R R c su r m c su r c mu c mu m : 曲げ部材のひび割れ耐力 : 曲げ部材の曲げ終局耐力 : 曲げ部材のひび割れ時の層間変形角 mm : 曲げ部材の曲げ降伏時の層間変形角 : 曲げ部材の限界層間変形角 ( 1/ 50とした ) : せん断部材のひび割れ耐力 : せん断部材のせん断終局耐力 : せん断部材のせん断残留耐力 : せん断部材崩壊時の耐力 ( 0とした ) : せん断部材のひび割れ時の層間変形角 : せん断部材のせん断終局耐力時の層間変形角 : せん断部材のせん断残留耐力時の層間変形角 : せん断部材崩壊時の層間変形角 添え字の定義 f : 曲げ部材 s : せん断部材 c : ひび割れ mu : 曲げ終局 mm : 曲げ限界 su : せん断終局 r : 残留 m : 崩壊 37

49 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 3-3 耐震診断基準の考え方に基づくスケルトンカーブのモデル化の手法建物を現行の診断基準で行う場合 その建物にせん断破壊部材が多数存在すると 強度抵抗型となる そして その建物はせん断部材のみで Is 値が決定する しかし 地震が発生し 建物に地震力が作用する場合 せん断部材だけではなく 曲げ部材も一緒に地震力に抵抗することが予想される そこで せん断部材と曲げ部材を合成したスケルトンカーブを求める 現行の耐震診断基準における合成スケルトンカーブを求めるにあたり 以下の項目を仮定した 本研究では曲げ部材を特別な対象としていないために限界変形を 1/50 とした (1) 曲げ部材 ( 柱 ) の終局限界変形 fr mm を層間変形角で 1/50 をする (2) せん断部材 ( 柱 ) と曲げ部材 ( 柱 ) の両方のエネルギーで建物を支える (3) せん断部材 ( 柱 ) の取り扱い ( 水平耐力 層間変形角 ) は 診断基準の計算方法で求める (4) 曲げ部材 ( 柱 ) の終局耐力 層間変形角は 診断基準で求める 診断基準の計算方法で求めた せん断部材と曲げ部材のスケルトンカーブを図 3-2 に示す せん断部材は 層間変形角 sr su =1/250 で最大耐力が発揮すると仮定されており 耐力 sq su は ( 付 3-8) 式で求める 曲げ部材の終局強度 fq mu は ( 付 3-7) 式で求め層間変形角 fr mu は ( 付 3-9) で求めた 図 3-2 診断基準で求めたせん断部材と曲げ部材のスケルトンカーブ 診断基準のせん断部材と曲げ部材を合成したスケルトンカーブを図 3-3 に示す せん断部材と曲げ部材が混在する場合 せん断部材がせん断破壊するまでの曲げ部材のエネルギーをせん断部材に足し合わすことができる すなわち 図 3-3 における Q をせん断部材の耐力 sq su に足し合わすことができる そして 実線で示しているスケルトンカーブが 診断基準における スケルトンカーブを合成したものとなる 38

50 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 図 3-3 診断基準で求めたせん断部材と曲げ部材を合成したスケルトンカーブ 解析に使用するスケルトンカーブには 条件がある ( 付録 3.3 参照 ) すなわち 図 3-3 で示す 合成したスケルトンカーブでは 地震応答解析が行えない そこで 以下に示す方法で解析に使用する 現行基準で合成したスケルトンカーブ ( 以下 A モデル ) を定義する (1) エネルギー ( 面積 ) を等価にすることができる (2) 降伏耐力は Q su +Q とし 弾性剛性は 原点と降伏耐力結んだものとする (3) 崩壊点 fr mm を固定とする (4) 第 3 折れ点の水平耐力は曲げ部材の終局強度 fq mu とする 図 3-4 に実線で A モデルを示す 図 3-4 診断基準で求めた解析用スケルトンカーブ (A モデル ) 39

51 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 3-4 せん断部材と曲げ部材が混在する場合のスケルトンカーブのモデル化の手法 せん断部材と曲げ部材のスケルトンカーブの定式化せん断部材と曲げ部材が混在する場合のスケルトンカーブのモデル化を 設計規準での計算方法でアプローチする 以下にその方法を示す せん断部材せん断部材のスケルトンカーブを高稻 1.2) を参考に図 3-5 に示すように 4 折れ線にモデル化する 以下にそれぞれの折れ点の定義を示す 第 1 折れ点 ( ひび割れ点 ) ひび割れ耐力 sq c は ( 付 3-5) 式より求める ひび割れ耐力時の層間変形角 sr c は ( 付 3-1) 式より 弾性剛性を求め s Q cの関係により求める 第 2 折れ点 ( せん断破壊点 ) せん断終局耐力 sq su は 曲げ降伏すると仮定して求めたスケルトンカーブの第 2 折れ線上で ( 付 3-8) 式になる点の耐力とする また ( 付 3-8) 式は荒川式であり 係数を変化させることで 最小値 (min) と平均値 (mean) を求めることができる せん断終局耐力時の層間変形角 sr su は 曲げ降伏すると仮定して求めたスケルトンカーブの第 2 折れ線上で ( 付 3-8) 式になる点の層間変形とする 第 3 折れ点 ( せん断残留耐力点 ) せん断終局残留耐力 sq r は (2-1) 式より求める せん断終局残留耐力時の層間変形角 sr r は ( 付 2-2) 式より求める 崩壊点 せん断崩壊耐力 sq m は 0 とする せん断崩壊耐力時の層間変形角 sr m は ( 付 2-1) 式より求める 図 3-5 せん断部材のスケルトンカーブ 40

52 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 曲げ部材曲げ部材のスケルトンカーブを図 3-6 に示す 曲げ部材は 曲げ降伏後に限界点を設けることにした 以下にそれぞれの折れ点の定義を示す 第 1 折れ点 ( ひび割れ点 ) ひび割れ耐力 fq c は ( 付 3-5) 式より求める ひび割れ耐力時の層間変形角 fr c は ( 付 3-1) 式より弾性剛性を求め f Q c の関係により求める 第 2 折れ点 ( 曲げ降伏点 ) 曲げ終局耐力 fq mu は ( 付 3-7) 式より求める 曲げ断終局耐力時の層間変形角 fr mu は ( 付 3-1) 式と ( 付 3-2) 式を用いて求める 限界点 限界点の耐力は 曲げ終局耐力 fq mu とする 限界層間変形角 fr mm は 1/50 とする 図 3-6 曲げ部材のスケルトンカーブ 41

53 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 スケルトンカーブの合成手法通常の建物の場合 せん断部材と曲げ部材が混在し地震のエネルギーを吸収する そこで で定義した せん断部材と曲げ部材のスケルトンカーブを合成し 地震応答解析可能となるようにスケルトンカーブを定義する せん断部材と曲げ部材の合成スケルトンカーブを求めるにあたり 以下の項目を仮定した (1) せん断部材 ( 柱 ) と曲げ部材 ( 柱 ) の両方のエネルギーで建物を支える すなわち せん断部材のエネルギーと曲げ部材のエネルギーと足し合わすことができる (2) 弾性剛性は f R c s R c の場合 s R c 間での曲げ部材の耐力を s Q c に加算し 合計した耐力と原点までを結んだ剛性を弾性剛性とする また f R c < s R c の場合は f Q c の耐力をせん断部材の弾性剛性時線上に加算し その点と原点とを結ぶ剛性を弾性剛性とする また 3-3 で示したように 解析に使用するスケルトンカーブには条件がある ( 付録 3.3 参照 ) そこで 以下に示す方法で 解析に使用するせん断部材と曲げ部材の合成スケルトンカーブ ( 以下 B モデル ) を定義する (1) エネルギー ( 面積 ) を等価にすることができる (2) 解析用のスケルトンカーブの第 1 折れ点は合成したスケルトンカーブの 3 分の 1 とする (3) 解析用のスケルトンカーブの第 3 折れ点は固定として 崩壊点でエネルギーが等価なる点を求める 以上のこと考え せん断部材の崩壊点が曲げ部材の限界点を超えない場合 ( f R mm s R m ) と超える場合 ( f R mm s R m ) の 2 パターンの方法を示す 42

54 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 せん断部材の崩壊点が曲げ部材の限界点を超えない場合 ( f R mm s R m ) せん断部材と曲げ部材を合成したスケルトンカーブを図 3-7 に示す 図に示すように せん断部材のエネルギーと曲げ部材のエネルギーを足し合わせて 合成スケルトンカーブを描く 図 3-7 せん断部材と曲げ部材の合成スケルトンカーブ ( f R mm s R m の場合 ) 解析で使用できるようにエネルギーを置換し 解析用のスケルトンカーブ (B モデル ) を図 3-8 示す 図 3-8 f R mm s R m の解析用スケルトンカーブ (B モデル ) 43

55 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 せん断部材の崩壊点が曲げ部材の限界点を超える場合 ( f R mm < s R m ) せん断部材と曲げ部材を合成したスケルトンカーブを図 3-9 に示す 図 3-9 せん断部材と曲げ部材の合成スケルトンカーブ ( f R mm < s R m の場合 ) 解析で使用できるようにエネルギーを置換し 解析用のスケルトンカーブ (B モデル ) を図 3-10 示す 図 3-10 f R mm < s R m の解析用スケルトンカーブ (B モデル ) 44

56 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 3-5 せん断破壊部材を含む建物を市販のプログラムで行うための手法せん断部材の地震応答解析は 通常市販されているプログラムでは行えない なぜならば 地震応答解析は設計業務で行うために 梁 柱は曲げ降伏部材として設計されるためである そこで 3-4 で作成した B モデルを基に エネルギーを置換し 曲げ型にしたものを市販のプラグラムで解析できるように スケルトンカーブを再決定する スケルトンカーブを決定することで地震時の最大応答量を予測できるようになる 曲げ置換モデル ( 以下 C モデル ) を作成するにあたり 以下のことを定義する (1) エネルギー ( 面積 ) を等価にすることができる (2) B モデルの折れ線上にエネルギーの等価となる点を求める (3) B モデルの崩壊点を C モデルの限界点とする 図 3-11 に実線で C モデルを示す 図 3-11 置換曲げモデルのスケルトンカーブ (C モデル ) 3-6 まとめ本章では 地震応答解析を行うためにスケルトンカーブを A モデル B モデル C モデル化した 45

57 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 付録 3.1 現行の設計規準 診断基準の中で使用した公式 設計規準より 弾性剛性 K 12Ec I K = ( 付 3-1) 3 l ここで γ Fc E c : コンクリートのヤング係数 = I : l : γ : Fc : 断面 2次モーメント =b D 部材長 3 /12 コンクリートの気乾単位体積重量 コンクリートの設計基準強度 降伏時の剛性低下率 α y d α y = ( np t a / D η 0 ) ( 付 3-2) D 2 ここで n: 20.5 ヤング係数比 = 2 γ Fc D : せい b : 幅 Pt : 引張鉄筋比 = at /( bd) a : シアースパン長さ = M / Q η 0 : 軸力比 = N /( bdfc) 46

58 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 任意の剛性低下率 α 1 1 = 1+ α α y M 1 M 1 M 1 M C C y ( 付 3-3) 剛性低下率 α y を求めることが推定できれば 任意の剛性低下 αを求めることが出来る ただし (M c <M<M y ) の場合のみ 付図 3-2 にモーメント- 回転角の関係を示す 付図 3-1 モーメント - 回転角の関係 ひび割れモーメント M c M = 0.56 σ Ze ND / 6 ( 付 3-4) C B + 2 ここで σ : コンクリートの圧縮強度 ( N / mm ) B Ze : N : 断面係数 軸力 ひび割れ耐力 Q c 2M Q = C C h ( 付 3-5) 0 ここで h クリアスパン : 0 47

59 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 診断基準より 柱の曲げ終局モーメント M u N N>0.4b D Fcのとき max M u = 2 N { } max N 0.8a + t σ y D 0.12 D Fc Nmax 0.4b D Fc 0.4b D Fc N>0のとき M = 0.8at σ y D + 0.5N D 0 N >N のとき u 1 min N b D Fc ( 付 3-6) M u = 0.8a σ D N D (N mm) t y ここで N : 中心圧縮終局強度 = b D Fc + a g σ y N max (N) : 中心引張時終局強度 = min a g σ y (N) N : 柱軸方向力 (N) a : 引張鉄筋断面積 (mm 2 ) t a g : 柱鉄筋全断面積 (mm 2 ) b : 柱断面幅 (mm) D : 柱断面せい (mm) σ : 鉄筋降伏点強度 (N/mm 2 ) y Fc : コンクリート圧縮強度 (N/mm 2 ) 異形鉄筋については規格降伏強度に 49N/mm 2 を加算した値を用いてよい 曲げ終局耐力 Q u 2M u Qu = ( 付 3-7) h 0 48

60 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 柱のせん断終局強度 Q su Q su pt ( FC + 18) = pw s σ wy + 0.1σ 0 b j ( 付 3-8) M /( Q d) ここで p t : 引張鉄筋比 (%) p : せん断補強筋比 P w 0.012のときは P w =0.012とする w sσ wy : せん断補強筋比の降伏強度 (N/mm 2 ) σ : 軸方向応力度 (N/mm 2 ) 0 d : 柱の有効せい D-50mm としてよい M h : 0 としてよい h 0 は柱内のり高さ Q 2 j : 応力中心間距離 0. 8D としてよい (mm) M (Q d) が 1 以下のときは これを 1 とし 3 以上のときは 3 とする σ0>8n/mm 2 のときは σ0=8n/mm 2 とする また という係数を とすると ( 付 3-6) 式は平均的な値となる 柱の曲げ降伏変形 R my R my = ( h R R ( 付 3-9) 0 / H 0 ) c my 250 ここで H 0 : 梁下から床上までの柱内のり標準寸法 c R my = = c c R R h0 / D 3.0のとき h0 / D 2.0のとき c c R150 : 基準となる変形角 ( 柱内のり ) で1/150 R250 : 基準となる変形角 ( 柱内のり ) で1/ 250 c R my : 柱のまで降伏部材角 ( 柱内のり ) h 0 /H 0 >1.0 のときは h 0 /H 0 =1.0 とする 49

61 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 付録 3.2 解析におけるスケルトンカーブの条件解析に使用したプログラムは 実験データともに 首都大学東京の芳村教授より提供していただいた プログラムを使用する上で スケルトンカーブに入力条件がある それを 付図 3-3 に示す 図に示す1~6までの情報を入力し解析を行う 入力情報以外に指定できない条件を否に示す 第 1 折れ点の水平耐力は降伏耐力の 3 分の1 崩壊点の水平耐力は 0 付図 3-2 スケルトンカーブの入力条件 50

62 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 付録 3.3 せん断破壊後の残留耐力の考察 付録 2-2 に示すように せん断破壊部材にもせん断破壊後ある程度の下り勾配を持っている事が分かった そこで せん断破壊以後の耐力保持能力について検討をした 検討した項目を以下に記す コンクリートのひび割れ面におけるかみあわせ 主筋の抵抗力 帯筋のせん断抵抗力しかし はっきりとした答えを導くことが出来なかった そこで モールの応力円とクーロンの破壊線 (3.2 からせん断破壊後の耐力保持の考察を試みた 本論文では せん断破壊後の耐力保持の考え方のみを示しており 具体的な考察は行えていない 今後の検討課題である 文献 3.2 を参考に以下のように考えた クーロンの式 τ = c + σ tanφ ( 付 3-10) ここで τ : せん断応力 c : 粘着力 σ : せん断面に働く垂直応力 tanφ : せん断抵抗係数せん断破壊現象とモデル化を付図 3-3 に示す ここに 鉄筋コンクリートの柱が地震力を受けせん断破壊する時の微小な供試体を考える 作用する最大主応力 σ1 が破壊時にσ θf に達していたとする 側方の応力 σ3 とした場合の破壊時の応力円は付図 3-4 になる 付図 3-3 鉄筋コンクリートのせん断破壊現象のモデル化 51

63 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 付図 3-4 破壊時のモールの応力円とクーロンの破壊線の関係 N As σ y 1 =, σ = ( 付 3-11) bd D d ここで N : 軸力 b : 柱の幅 σ 3 D : 柱の全せい As : せん断補強筋の断面積 σ y : せん断補強筋の降伏強度 d : 付図 3-5 参照 付図 3-5 d について 52

64 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法 次にせん断破壊面に対する分力を考える σ1 の分力を付図 3-6 に σ3 の分力を付図 3-7 に示す 付図 3-6 σ1 の分力 付図 3-7 σ3 の分力 すべらそうとする力を τ 上から押さえつけようとする力を σ とすると付 3-12 式 付 3-13 式のようになる τ [ σ 1 cosθ σ 3 sinθ ] [ σ θ σ cosθ ] = ( 付 3-12) σ = 1 sin + 3 ( 付 3-13) 付 3-10 式の右辺の c は押えなくても引っ掛かる力で粘着力である そしてσtanθは破壊面のギザギザ度合いを表している すなわち 曲げモーメントがかかっていない軸力のみのせん断応力度は付 3-10 式に付 式を代入した以下のような式になる せん断応力 τが右辺を上回ればせん断破壊してしまう [ σ θ σ sinθ ] [ σ sinθ + σ cosθ ] tanφ + c 1 cos ( 付 3-14) 以上 付 3-14 式で曲げモーメントがかかっていない軸力のみのせん断応力度は求めることが可能だが 曲げモーメント受ける場合も考える必要がある 以後 追随したいと考えている 53

65 54 第 3 章スケルトンカーブのモデル化の手法

66 第 4 章解析概要および解析結果 第 4 章解析概要および解析結果 4-1 解析対象建物のモデル化旧基準による鉄筋コンクリートの 3~5 層の建物を解析対象建物とする 各層は診断基準で せん断 と 曲げ柱 で構成されている 各層の柱断面は旧基準で設計された学校建築は断面を同一する場合が多いので 柱断面は一定とする 図 4-1 に建物イメージの平面図を示す X 方向に 3 スパン Y 方向に 1 スパンとし 点線で示している箇所を対象とする 図 4-2 に建物モデルを示す モデルを 1 質点系とする A 通りはせん断柱 B 通りは曲げ柱で ( 図 4-3 建物イメージ参照 ) 構成されている 表 4-1 に各 CASE の部材のパラメータの諸元を示す 図 4-.3(a) せん断柱の柱内のり高さ h 0 は垂れ壁 w s 腰壁 w w が各 CASE で異なるために変数とした 図 4-1 建物イメージの平面図 図 4-2 建物モデル (a) せん断柱 (b) 曲げ柱図 4-3 実建物イメージ 55

67 第 4 章解析概要および解析結果 表 4-1 に各 CASE の部材のパラメータの諸元を示す 階高 H 0 はすべての部材で共通である せん断柱のパラメータの範囲は クリアスパン h 0 /D=2.0~4.0 横補強筋比 p w =0.11~0.21% 主筋比 p g =1.69~2.65% 軸力比 η=0.18~0.30 である 一方 曲げ部材のパラメータの範囲はクリアスパン h 0 /D=3.0 横補強筋比 p w =0.24% 主筋比 p g =1.29% 軸力比 η=0.18~0.30 である コンクリートの設計規準強度 Fc は 18N/mm 2 鉄筋は主筋 帯筋ともに SD345 を使用した 以上のパラメータから 解析に必要な値を算出 (3 章 参照 ) し 地震応答解析を行った CASE1 CASE2 CASE3 CASE4 CASE5 CASE6 CASE7 CASE8 CASE9 表 4-1 各 CASE の部材のパラメータの諸元 内法階高柱せい柱幅柱種高さ (mm) (mm) (mm) (mm) 軸力比主筋比横補強筋比 η 0 P g (%) p w (%) せん断柱 曲げ柱 せん断柱 曲げ柱 せん断柱 曲げ柱 せん断柱 曲げ柱 せん断柱 曲げ柱 せん断柱 曲げ柱 せん断柱 曲げ柱 せん断柱 曲げ柱 せん断柱 曲げ柱

68 第 4 章解析概要および解析結果 4-2 地震応答解析入力地震動として 神戸海洋気象台 NS 波 (JMA, 兵庫県南部地震 最大速度 83cm/s) El Centro NS 波 (ELC Imperial Valley 地震 最大化速度 34cm/s) 日本建築センター模擬地震波 BCJ の 3 つそれぞれ最大化速度 25cm/s(L1 とする ) に基準化したものと 最大化速度 50cm/s(L2 とする ) に基準化した波を用いた 最大化速度 50cm/s に基準化した場合の加速度応答スペクトルを図 4-4 に示す 減衰定数は剛性比例型で 3% とした 1000 応答加速度 [cm/s2] EL 神戸 BCJ 固有周期 [sec] 図 4-4 最大化速度 50cm/s に基準化した場合の加速度応答スペクトル 57

69 第 4 章解析概要および解析結果 4-3 解析結果 地震応答解析の最大応答変位の結果 A モデル ( 下り勾配を考慮しないモデル ) B モデル ( 下り勾配を考慮したモデル ) C モデル ( 曲げ置換モデル ) の解析結果を以下に示す なお B モデル C モデルはせん 断終局耐力 sq su を min 式 ( 付録 3.1 参照 ) で算出したモデルである B モデル C モ デルはせん断終局耐力 sq su を mean 式で算出した値でモデルを描いたものである また せん断部材のみを考慮したスケルトンカーブ Z モデル ( 付録 4.2 参照 ) の応答結果も同 時に示す 解析結果は絶対値で示す 表 4-2 に Z モデルの最大応答変位を 表 4-3 に A モデルの最大応答変位を示す 表 4-2 Z モデルの最大応答変位結果 [ 単位 :cm] CASE 名 Zモデル EL-L1 神戸 -L1 BCJ-L1 EL-L2 神戸 -L2 BCJ-L2 CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE 表 4-3 A モデルの最大応答変位結果 [ 単位 :cm] CASE 名 Aモデル EL-L1 神戸 -L1 BCJ-L1 EL-L2 神戸 -L2 BCJ-L2 CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE

70 第 4 章解析概要および解析結果 表 4-4 に B モデルの最大応答変位を 表 4-5 に B モデルの最大応答変位を示す 表 4-4 B モデルの最大応答変位結果 [ 単位 :cm] CASE 名 Bモデル EL-L1 神戸 -L1 BCJ-L1 EL-L2 神戸 -L2 BCJ-L2 CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE 表 4-5 B モデルの最大応答変位結果 [ 単位 :cm] CASE 名 B モデル EL-L1 神戸 -L1 BCJ-L1 EL-L2 神戸 -L2 BCJ-L2 CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE

71 第 4 章解析概要および解析結果 表 4-6 に C モデルの最大応答変位を 表 4-7 に C モデルの最大応答変位を示す 表 4-6 C モデルの最大応答変位結果 [ 単位 :cm] CASE 名 Cモデル EL-L1 神戸 -L1 BCJ-L1 EL-L2 神戸 -L2 BCJ-L2 CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE 表 4-7 C モデルの最大応答変位結果 [ 単位 :cm] CASE 名 C モデル EL-L1 神戸 -L1 BCJ-L1 EL-L2 神戸 -L2 BCJ-L2 CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE CASE

72 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE1 の ELCENTRO のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-5 CASE1 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 図 4-6 CASE1 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 図 4-7 CASE1 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 61

73 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE1 の神戸のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-8 CASE1 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-9 CASE1 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-10 CASE1 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 62

74 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE1 の BCJ のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-11 CASE1 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 図 4-12 CASE1 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 図 4-13 CASE1 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 63

75 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE2 の ELSENTRO のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-14 CASE2 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 図 4-15 CASE2 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 図 4-16 CASE2 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO-L2) 64

76 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE2 の神戸のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-17 CASE2 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-18 CASE2 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-19 CASE2 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 65

77 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE2 の BCJ のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-20 CASE2 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 図 4-21 CASE2 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 図 4-22 CASE2 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ-L2) 66

78 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE3 の ELCENTRO のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-23 CASE3 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-24 CASE3 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-25 CASE3 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 67

79 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE3 の神戸のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-26 CASE3 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-27 CASE3 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-28 CASE3 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 68

80 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE3 の BCJ のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-29 CASE3 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-30 CASE3 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-31 CASE3 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 69

81 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE4 の ELCENTRO のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-32 CASE4 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-33 CASE4 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-34 CASE4 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 70

82 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE4 の神戸のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-35 CASE4 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-36 CASE4 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-37 CASE4 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 71

83 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE4 の BCJ のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-38 CASE4 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-39 CASE4 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-40 CASE4 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 72

84 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE5 の ELCENTRO のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-41 CASE5 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-42 CASE5 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-43 CASE5 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 73

85 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE5 の神戸のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-44 CASE5 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-45 CASE5 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-46 CASE5 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 74

86 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE5 の BCJ のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-47 CASE5 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-48 CASE5 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-49 CASE5 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 75

87 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE6 の ELCENTRO のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-50 CASE6 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-51 CASE6 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-52 CASE6 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 76

88 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE6 の神戸のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-53 CASE6 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-54 CASE6 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-55 CASE6 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 77

89 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE6 の BCJ のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-56 CASE6 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-57 CASE6 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-58 CASE6 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 78

90 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE7 の ELCENTRO のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-59 CASE7 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-60 CASE7 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-61 CASE7 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 79

91 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE7 の神戸のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-62 CASE7 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-63 CASE7 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-64 CASE7 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 80

92 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE7 の BCJ のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-65 CASE7 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-66 CASE7 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-67 CASE7 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 81

93 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE8 の ELCENTRO のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-68 CASE8 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-69 CASE8 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-70 CASE8 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 82

94 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE8 の神戸のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-71 CASE8 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-72 CASE8 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-73 CASE8 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 83

95 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE8 の BCJ のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-74 CASE8 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-75 CASE8 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-76 CASE8 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 84

96 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE9 の ELCENTRO のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-77 CASE9 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-78 CASE9 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 図 4-79 CASE9 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (ELCENTRO -L2) 85

97 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE9 の神戸のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-80 CASE9 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-81 CASE9 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 図 4-82 CASE9 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 ( 神戸 -L2) 86

98 第 4 章解析概要および解析結果 以下に各モデルにおける CASE9 の BCJ のレベル 2 地震動入力時の水平力 - 変位の応答結果を示す 図 4-83 CASE9 の A モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-84 CASE8 の B モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 図 4-85 CASE8 の C モデルの水平力 - 変位の応答結果 (BCJ -L2) 87

99 第 4 章解析概要および解析結果 付録 4.1 解析に使用したプログラムせん断部材解析用プラグラム解析に使用したプログラムについて示す 文献 1.3) を引用する 付図 4-1 に復元力モデルのスケルトンカーブの概略を示す 同図に実線で描かれている線がせん断部材のスケルトンカーブとなる 付図 4-2 に復元力モデルを示す このモデルは武田スリップモデル (4.1 を基本とし これに最大強度以降の耐力低下を考慮している また せん断破壊型復元力特性の特徴を表すために 耐力低下を含む武田スリップモデルにさらに以下の修正を施している ある方向でせん断破壊が生じ耐力が低下した場合 加力反転時に反対方向の最大耐力を指向するのではなく せん断破壊が起こった方向での最大変形点の原点に対する対称点を思考するように挙動する 付図 4-3 に武田スリップモデル 4.1) の履歴特性を示す 付図 4-1 復元力モデルのスケルトンカーブの概略 付図 4-2 復元力モデル 88

100 第 4 章解析概要および解析結果 付図 4-3 武田スリップモデルの履歴特性 89

101 第 4 章解析概要および解析結果 市販のプラグラム本研究で解析を行った市販のプログラムは 構造計画研究所の RESP-MⅡである このプログラムは 建築構造物の質点系モデルによる振動解析プログラム であり 多種の復元力特性モデル 減衰評価方法があり 多くの建築構造物の振動解析を行うことができる また 各種免震 制振装置に対応しているため 免震 制振構造物の振動解析も行うことが可能である 付図 4-4 に解析で使用した復元力特性 ( 武田モデル ) を示す 以下は文献 4.2) の引用である (Ⅳ-39~Ⅳ-40 ページ ) 図 4-4 使用した復元力モデル ( 武田モデル ) 1 δ max <δ y 1 の場合 原点を通る勾配 K 1 の直線上を動く 2ⅰ)δ が δ y 1 をこえた場合 スケルトンカーブ上の第 2 勾配 K 2 の直線上を進む ⅱ) この直線から戻って反対方向に進む場合は 戻り点 ( この δ が新しい δ max となる ) から反対側の第 1 折れ点を目指す ⅲ) 反対側の最大変形が弾性域の場合は この剛性域の範囲は反対側の第 1 折れ点までとする ⅳ) 反対側の最大変形 δ y 1 をこえている場合は この剛性域の範囲は復元力が 0 となる点までとする そして この 0 点をこえた場合は 反対側の最大変形点を目指す 更にこの最大変形点を目指す直線から戻る場合以降の規則は 図を参照するものとする ⅴ) 最大変形点をこえた場合は スケルトンカーブ上の第 2 勾配 K 2 の直線上を進む 90

102 第 4 章解析概要および解析結果 3ⅰ)δ が δ y 2 をこえた場合 スケルトンカーブ上の第 3 勾配 K 3 の直線上を進む ⅱ) この直線上を戻って反対方向に進む場合は 戻り点 ( この δ が新しい δ max となる ) から下式で求まる勾配 K d の直線上を進む K + d =K 0 δ + max/δ y2 -γ ⅲ) 反対側の最大変形が δ y1 をこえていない場合は 勾配 K d の範囲は反対側のQ c までとする 更にこのQ c こえた場合は 第 2 折点を目指す ⅳ) 反対側の最大変位が δ y1 をこえている場合は 勾配 K d の範囲は復元力が 0 の点までとする 更にこの 0 の点をこえた場合は 最大変形点を目指す ただし 反対側の最大変形が δ y2 をこえていない場合は第 2 折点を目指す 又 δ max =δ y2 となる ⅴ)ⅲ) において 第 2 折点を目指す直線上から戻る ( この δ が δ max となる ) 場合は 勾配 K 0 の直線上を進む 更に復元力 0 の点をこえると 最大変形点を目指す この最大変形点を目指す直線上から戻る場合は 上式で求まる勾配 K 0 上を進み 復元力 0 をこえると 反対側の最大変形点を目指す ⅵ)ⅳ) において 最大変形店を目指す直線上から戻る ( この δ が内部ループの最大変形 iδ max となる ) 場合は 勾配 K d 上を進み 復元力 0 の点をこえると 最大変形点を目指す この最大変形点を目指す直線上から戻る ( 内部ループの反対側の最大変形 iδ max とする ) 場合も 勾配 K d 上を進み 復元力 0 の点をこえると内部ループの最大変形点を目指す ⅶ)ⅵ) において 内部ループの最大変形点をこえてスケルトンカーブ上の最大変形点に向かって動いている途中で 反対方向に進む場合は勾配 K d 上を進み 復元力 0 の点をこえると 反対側のスケルトンカーブ上の最大変形点を目指す 91

103 第 4 章解析概要および解析結果 付録 4.2 せん断部材のみを考慮したスケルトンカーブ現行の診断基準ではせん断破壊部材がせん断破壊してしまうと せん断部材のみで Is 値が決定する そこで せん断部材のみを考慮したスケルトンカーブを定義し 地震動的解析を行ことにした そこでその手法を示す せん断破壊するまでは 3-3 章と同じようにせん断部材と曲げ部材の両方のエネルギーを考え せん断破壊後はその耐力をほとんどゼロにし 地震応答解析を行う 付図 4-5 にせん断部材のみを考慮したスケルトンカーブ (Z モデル ) を示す 付図 4-5 せん断部材のみを考慮したスケルトンカーブ (Z モデル ) 92

104 第 5 章安全率および可能性の検討 第 5 章安全率および可能性の検討 5-1 はじめに 4 章での解析結果を基に診断基準におけるせん断部材の下り勾配を考慮した建物場合の建物と考慮しない場合の建物についての安全率の検討を行う また 市販のプログラムでのせん断部材を含む建物の応答の可能性を検討する 解析の結果を考察すると クリアスパン比が 2.0 以下は解析結果が不安定であったために 今回の評価対象からはずした また 本論文ではレベル 2 地震動 ( 当該建物の敷地において過去および将来にわたって最強と考えられる地震 ) の応答結果を用いて評価することした 即ち 巨大地震に対しての安全率を評価するということである 93

105 第 5 章安全率および可能性の検討 5-2 安全率の検討図 5-1 に A モデル ( 下り勾配を考慮しないモデル ) と B モデル ( 下り勾配を考慮したモデル ) の最大応答量を比較し縦軸に 横軸に各 CASE をとった図を示す この図から レベル 2 地震動に対して A モデルの応答量は B モデルの応答量をすべて上回っていることが分かる 即ち せん断破壊後の下り勾配を考慮した場合の応答量は考慮しない場合より比べて応答量は小さくなっていることが言え 安全率が存在する 平均の比率は 2.51 となり標準偏差は 1.35 となった データの範囲は最大が 5.18 で最小が 1.02 であった 標準偏差が 1.35 と大きな値となっていることに関して A モデルの応答が入力時振動とモデルの周期により大きくなったためだと考えられる A の応答量 /B の応答量 CASE 名 図 5-1 A モデルと B モデルの最大応答量の比率と各 CASE の関係 94

106 第 5 章安全率および可能性の検討 5-3 市販のプログラムでの応答予測の可能性市販のプログラムからせん断破壊する部材を含む建物の応答量を推測するために C モデルの応答量を B モデルの応答量で割ったものを図 5-2 に示す 全部で 18 個のデータがあり平均の値として 0.70 となった しかし 安全性を考慮すると平均値の 0.70 という値は大きく設定すべきである そこで図 5-2 から 比率を 1.20 とした場合 その範囲内に収まる確立は 94% である 比率を 1.40 とした場合は 94.4% になる 比率 4.0 とした場合は 100% であった 以上のことから せん断破壊部材を含む建物の応答量を曲げ置換モデルで予測する場合の安全率は 1.20 が妥当であると判断した また 応答量は予測できると結論づけた C の応答量 /B の応答量 CASE 名 図 5-2 C モデルの応答量と B モデルの最大応答量の比率と各 CASE の関係 95

107 第 5 章安全率および可能性の検討 5-4 まとめ解析の応答結果から せん断部材の下り勾配を考慮した建物の評価方法を提案すること と 市販のプログラムでのせん断部材を含む建物の応答の可能性を検討した 得られた知見を以下に記す 検討試験体の範囲は せん断柱のパラメータの範囲は クリアスパン h 0 /D=3.0~4.0 横補強筋比 p w =0.11~0.21% 主筋比 p g =2.65% 軸力比 η=0.18~0.30 である 一方 曲げ部材のパラメータの範囲はクリアスパン h 0 /D=3.0 横補強筋比 p w =0.24% 主筋比 p g =1.29% 軸力比 η=0.18~0.30 である (1) せん断破壊後の下り勾配を考慮した場合の応答量は考慮しない場合より比べて応答量は小さくなっていることが言え 安全率が存在する (2) せん断破壊部材を含む建物の応答量を曲げ置換モデルで予測する場合の安全率は 1.20 が妥当あり 応答量は予測できる 96

108 第 6 章結論 既存耐震診断基準におけるせん断破壊型柱の耐震性能評価方法の一考察 というテーマの下に せん断破壊柱の下り勾配に着目し 実験データから既往研究で作成されたスケルトンカーブを実験データから 実挙動により反映させるために新たに定義を行った そして せん断部材と曲げ部材が混在する場合のスケルトンカーブの作成手法について定義を行った そのモデルで 地震応答解析を行い せん断部材の安全率を検討をした また 市販のプログラムでせん断破壊部材における地震応答解析の応答量を予測すること など を行った 本章では各章の内容を総括するとともに 本論文では検討をなしえなかった事項および今後の検討課題について示す 第 1 章では 本研究の背景と目的 および研究方法と研究の位置づけを示すと共に 耐震診断基準の考え方 既往の研究と論文の構成について述べた 第 2 章では 既往の研究で作成されたスケルトンカーブを 実験データを基に 修正下り勾配のスケルトンカーブをモデル化した 検討対象試験体の範囲は クリアスパン h 0 /D=4.0~2.0 横補強筋比 p w =0.11~0.21% 主筋比 p g =1.69~2.65% 軸力比 η=0.18~ 0.35の15 体試験体と 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率について得られた知見について以下に示す (3) クリアスパン h 0 /D と軸力比 η には一般的な傾向が見られた しかし 横補強筋比 p w 主筋比 p g はデータの数が少ないために検討対象から除外した (4) クリアスパン h 0 /D と軸力比 η を説明変量として 0.3 R u 時の実験耐力と実験最大耐力の比率に対し回帰式を行ったところ実験データをより再現できていることがいえる 第 3 章では 地震応答解析行うためにスケルトンカーブのモデル化の手法を示した そして 現行基準のスケルトンカーブとしてAモデル 設計規準と診断基準の公式を用いて実践に近いモデル 実践モデルとしてBモデルを そして 市販のプログラムで解析可能にするために Bモデルを基に曲げ置換モデル Cモデルを作成した 第 4 章では 解析概要と地震応答解析の結果を示した 97

109 第 5 章では 3 章で作成したモデルの応答結果を基に せん断部材のエネルギーを考えた評価方法と 市販の地震応答解析プログラムで 地震応答解析を行うことができるかについてその可能性を検討した 検討試験体の範囲は せん断柱のパラメータの範囲は クリアスパン h 0 /D=3.0~4.0 横補強筋比 p w =0.11~0.21% 主筋比 p g =2.65% 軸力比 η=0.18~0.30 である 一方 曲げ部材のパラメータの範囲はクリアスパン h 0 /D=3.0 横補強筋比 p w =0.24% 主筋比 p g =1.29% 軸力比 η=0.18~0.30 である (3) せん断破壊後の下り勾配を考慮した場合の応答量は考慮しない場合より比べて応答量は小さくなっていることが言え 安全率が存在する (4) せん断破壊部材を含む建物の応答量を曲げ置換モデルで予測する場合の安全率は 1.20 が妥当あり 応答量は予測できる 本論文では検討をなしえなかった事項および今後の検討課題を以下に示す (1) 作成したモデルと実被害との検討作成したモデル (B モデル ) の実被害との検証を行う必要がある 本研究では実験データから作成したスケルトンカーブ用いて 提案モデルを作成している しかし 実被害との検証をしなければ提案モデルの実用には至らないためである (2) せん断抵抗機構に関する応力状態の把握付録 3-3 に示す考え方を基に 重回帰分析し 実験データと照らし合わせることで せん断破壊後のせん断抵抗機構が解明できるのではないかと考える 98

110 参考文献 第 1 章 1.1) 日本建築防災協会 : 既存鉄筋コンクリート造建物の耐震診断基準同解説 2001 年度改訂版 1.2) 高稻宜和 : 鉄筋コンクリート柱の崩壊に関する研究東京都立大学学位論文 ) 芳村学 上野裕美子 中村孝也 : 既存鉄筋コンクリート造建物の Is 値と倒壊の関係 診断基準における せん断柱 からなる建物を対象として 日本建築学会構造系論文集第 587 号 年 1 月 1.4) 上野裕美子 芳村学 : 既存鉄筋コンクリート造建物の耐震診断基準における せん断柱 の靭性指標再評価に関する一考察 日本建築学会構造系論文集第 609 号 年 11 月 第 2 章 第 3 章 3.1) 日本建築学会 : 鉄筋コンクリート構造計算規準 同解説許容応力設計法 1999 年 3.2) 安川郁夫 今西清志 立石義孝 (2000): 絵とき土質力学 ( 改訂 2 版 ) オーム社 pp 第 4 章 4.1) 江戸宏彰, 武田寿一 : 鉄筋コンクリート構造物の弾塑性地震応答フレーム解析, 日本建築学会大会学術講演梗概集,pp , ) RESP-MⅡ 利用者マニュアル 構造計画研究所 第 5 章 第 6 章 99

111 100

112 謝辞 本修士論文執筆にあたって指導教員である中田愼介教授 副査を引き受けてくださった那須清吾教授 穴見健吾教授に様々な視点より貴重なご意見 ご指摘 助言をいただくとともに 終始温かなご指導をいただき深く感謝の意を示す次第であります また 中田研究室の諸氏にはデータ整理をしていただきました 深く感謝します 地震応答解析の指導 実験データを快く提供していただいた 首都大学 東京の芳村学教授に深甚なる謝意を表します 最後に 修士進学にあたり快く承諾し ここまで支えていただいた母 亡き父に改めて感謝の意を表します 101

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