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1 ガスクラスターイオンビームを照射した場合においても 照射角度が 60 度近傍で各種の材料表面にリップルの形成が観察される 図 に SF 6 ガスクラスターを 53 度の角度で照射した場合の MgF 2, Cr, SiO 2, Si の AFM 像を示す SF 6 ガスクラスターの照射方向と垂直にリップルが形成されることがわかる リップルの形成は MgF 2 で最も明瞭に観察され Cr, SiO 2 の順に明瞭でなくなり シリコン表面では実質的にリップルが形成されない 材料によってリップル形成の様子が著しく異なるという結果は従来のリップル形成のメカニズムでは説明することがでない この現象は われわれが提案している超平坦化モデルを用いると説明することができる すなわち 表面に衝突した際にクラスターから解離した SF 6 分子は 水平方向への運動エネルギーを有し 表面上にある突起をエッチングする リップルが形成される条件下では 解離した SF 6 分子は突起すなわちリップルの頂上を削っていき 結果としてリップルを分断することになる リップルの形成とリップルの分断が競合して起こった結果 化学反応性の大きさによって分断効果が異なり リップルの形成状態に違いが生じるものと考えられる a) 1 μm b) c) d) 1 μm 1 μm 1 μm 図 SF 6 ガスクラスターを入射角 53 度で照射した場合の a) MgF 2, b) Cr, c) SiO 2, d) Si 表面の原子間力顕微鏡像. 矢印は表面に投影したクラスターの照射方向 Ripple length (μm) 10 1 MgF 2 Cr SiO 2 Ripple length Si Etching yield (atoms/cluster) 図 エッチング率とリップルの長さと の関係 これらの解釈を検討するため ガスクラスターと各物質の組み合わせの化学反応性の違いを検討した 図 に 各物質表面のリップルの長さと エッチング率 ( 照射ガスクラスターイオン1 個あたりに除去される物質の原子数 ) との関係をプロットした SF 6 ガスクラスターを物質に照射する場合 エッチング率はその物質のフッ化 -138-

2 物の融点と相関があることがわかっている 8) すなわち 物質のフッ化物の融点が低い物質では SF 6 クラスターとの化学反応によりフッ化物の形成と蒸発が起こりやすく エッチング率が大きくなるという関係が得られている このことから エッチング率を化学反応性の指標として用いることがでる 図 から明らかなように エッチング率が大きい物質ほどリップルの長さが短くなっていることがわかる われわれの提案する角度照射による超平坦化メカニズムで リップル形成の材料依存性の実験結果が説明できることがわかった MEMS 光スイッチの金ミラーの平坦化 GCIB 角度照射法を用いて MEMS 光スイッチ垂直ミラー表面を研磨することを試みた MEMS ミラーは大きさが約 100 μm 角程度の微小なミラーで 半導体微細加工技術を用いて基板表面に対して垂直に形成される そのため ミラーの表面粗さは典型的には数 nm から数 10 nm と比較的大きいにもかかわらず 従来の CMP 法などを用いて研磨することが困難であった MEMS の垂直ミラーを GCIB 技術で研磨することができれば ミラーの光反射特性等が改善され 入出力に用いる光ファイバの配置などが散乱光による制約を受けにくくなり コンパクトな MEMS 光デバイスの実現に寄与することができる 1 金ミラー表面の光反射特性と表面形状変化 Ar クラスターを用いて GCIB 照射前後の金ミラーの光反射特性を調べた 9) 角度照射法の特徴を明らかにするため ミラー表面に対して GCIB を垂直に照射した場合と 83 度の角度で照射した場合とを比較した このとき 実効照射イオン量が同じになるよう ともに ions/cm 2 で照射した 図 は GCIB 垂 1 before GCIB (0 ) 0.9 直照射と角度照射を行った前後で after GCIB (0 ) before GCIB (83 ) 0.8 aftre GCIB (83 ) の同一のミラーに対する散乱角と 散乱光強度の関係を示したグラフ 0.6 である すべての光反射特性カーブは反射角が 0 度の場合の光反射 強度 すなわち鏡面反射光の強度 が 1 となるように規格化してある GCIB 照射前の各々の金ミラーに おいて 広い範囲の散乱角で散乱 光の強度が観測される ( 図中点線 ) GCIB を照射すると 垂直照射と角度照射の場合で共に 散乱光強 Scattered angle φ φ(deg.) 図 ガスクラスターイオンビーム照射前後での金ミラーの散乱光強度と散乱角との関係 Normalized Intensity -139-

3 300 a) 100 nm c) nm 0 5 μm 5 μm b) d) 図 ガスクラスターイオンビーム照射による金ミラーの表面形状の原子間力顕微鏡像. (a) 未照射, (b) Ar クラスター垂直照射後, (c) Ar クラスター角度 (83 度 ) 照射後, (d) SF 6 クラスター角度 (83 度 ) 照射後. 矢印は角度照射時のビーム方向を表す. それぞれの平均表面粗さは (a) 57 nm, (b) 50 nm, (c) 45 nm, (d) 42 nm. 度が 特に散乱角が 20 度以上の領域で かなり減少することがわかった GCIB 照射による散乱光強度減少メカニズムを理解するため ミラー表面の形状変化を調べた GCIB 照射前後の典型的な AFM 像を図 3.110(a)-(c) に示す 平均表面粗さ (Ra) は 照射前 垂直照射後 角度照射後の順に 57nm, 50 nm, 45 nm であった 照射前と比べて平均表面粗さは垂直照射の場合と角度照射の場合で共に小さくなっており このことが散乱光強度の減少に寄与していると考えられる 金ミラーの光反射特性と表面形状との関係を明らかにするため 表面形状の変化をさらに詳細に検討した 図 の AFM 像を詳しく比較してみると 垂直照射の場合と角度照射の場合では表面の凹凸形状がかなり異なっていることがわかる すなわち GCIB 垂直照射後には表面凹凸の凸部 ( 突起 ) の形状は照射前と比べてかなり丸くなっているが 角度照射の場合にはあまり丸くならない むしろ突起の頂上がそぎ落とされたような形状に変化している 突起形状の違いを定量的に示すため 個々の突起の大きさと高さの分布を調べた 図 3.111(a) に示すように 個々の突起を球形で近似し その曲率半径 r と表面への露出部分の高さ h で評価した 角度照射後の突起については 先端がそぎ落とされてできた頂上の平坦な部分と急峻な角部分とが存在するため 曲率半径の大きい球と小さい球との組み合わせで近似した 図 3.111(b) は突起の形状分布を 横軸に曲率半径 r 縦軸に突起高さ h と曲率半径 r との比 h/r をとってプロットした結果である GCIB 照射前には r が小さく h/r が大きい領域に突起形状の分布が観測されていたが GCIB 垂直照射後には r がかなり大きく h/r が小さい領域に分布がシフトしていることがわかる 同様の傾向が GCIB 角度照射後にも観測 -140-

4 (a) 突起 h r 1 before GCIB (SF 6, 83 ) after GCIB (SF 6, 83 ) before GCIB (Ar, 83 ) aftre GCIB (Ar, 83 ) Normalized Intensity (b) 0.1 before GCIB Ar cluster 83 Ar cluster Scattered angle φ (deg.) (deg.) h/r r (μm) 図 ガスクラスターイオンビーム照射 前後での金ミラーの散乱光強度と散乱角との関係 ( ガスクラスター種の効果 ) 図 (a) 金ミラー表面突起の球形 近似モデル化 (b) 金ミラー表面の表面突起の 形状分布 されるが 突起先端部に急峻な角が残ることに対応して曲率半径が小さい領域にも分布が観測される点が異なっている 突起の表面積が大きいほど光散乱への寄与が大きくなると考えられるが これは図 3.111(a) においては 突起の大きさに相当する曲率半径 r が大きく 表面への露出度に相当する h/r が大きい場合に対応する すなわち 光散乱は突起の形状分布が図 3.111(b) において右下の方向へシフトすることにより低減するものと期待される 以上のように 表面突起形状の変化で GCIB の垂直照射および角度照射による光散乱強度の減少を説明することができる 次に 金ミラー表面の平坦化と光反射特性の改善について クラスターの種類による違いを検討した GCIB 角度照射法では クラスターと基板材料との化学反応性が 高いほど表面が平坦化されやすいという垂直照射法とは異なるユニークな特徴がある 一般に金は化学的に不活性であると考えられているが エッチング率を Ar クラスターの場合と ハロゲン系ガスのひとつである SF 6 クラスターの場合とで比較すると 30 kev の加速エネルギーの場合 Ar クラスターでは 47 atoms/ion SF 6 クラスターでは 137 atoms/ion となり SF 6 クラスターの場合の方が数倍高いエッチング率を示す 金表面に対する SF 6 ク h/r 1 SF 6 cluster 83 Ar cluster r (μm) 図 ガスクラスター種の違いによる金ミラー表面突起形状の解析 ) -141-

5 ラスターの照射過程で化学反応性が関与しているかどうか そのメカニズムは明らかではないが エッチング率がより大きな SF 6 クラスターを用いることにより 金ミラーの表面をさらに平坦化し 光反射特性を改善させる可能性がある このような考え方から 金ミラー表面に SF 6 クラスターを角度照射し Ar クラスター照射の場合と比較した 光反射特性を図 照射前 Ra=5.9 nm 30 nm 照射後 Ra=2.1 nm 1 μm 1 μm 0 nm 図 金の薄膜表面の AFM 写真 Ar クラスターをサンプル表面の法線から 83 度 加速エネルギー 30 kv 照射量 ions/cm 2 ( 実効照射量は ions/cm 2 ) で照射した に示す 光散乱強度は SF 6 クラスター照射の方が Ar クラスター照射の場合より特に散乱角が大きい領域で小さくなっている また 突起の形状変化を図 と同様な方法で比較してみると SF 6 クラスター照射後の方が h/r がやや小さい領域に分布していることがわかった ( 図 3.113) 以上の結果を考え合わせると エッチング率が大きな SF 6 クラスターを用いることにより Ar クラスターと比較して金ミラーの特性をより改善させることが可能である すなわち GCIB 角度照射技術では ガスクラスターの化学反応性やエッチング率をコントロールすることによって さらなる特性改善が期待されると考えられる MEMS 光スイッチの性能向上実証 前節までで示した研究結果により 初期表面が比較的粗い場合 (Ra~ 数 10 nm) においても GCIB の平坦化効果があり ミラーの光学特性といったデバイス特性を改善させることが可能であることが明らかになった 表面粗さが Ra= 数 10 nm 程度というのは 一般的な MEMS ミラー表面の表面粗さレベルに相当するため GCIB 技術が MEMS デバイスの光学特性を改善させるために有効である 本節では JAE の実際の MEMS 光スイッチに対して GCIB 角度照射による垂直ミラーの平坦化が性能改善に結びつくかどう図 MEMS 光スイッチの SEM 像かを検証した まず 垂直ミラ -142-

6 ーへの GCIB 照射によりミラーの表面形 状がどのように変化するのかを明らかにするため 次のような実験を行った シリコン基板に 1 mm 厚の金を高周波スパッタ成膜したサンプルを作製し その表面を AFM で調べた 結果を図 に示す 照射前には金の膜成長時に発生した E E E E+17 金の粒子 (grain) に起因する表面粗さが存在している この表面に Ar クラスターを ions/cm 2 で照射すると 平均表 照射量 (ions/cm2) 図 Ar クラスター照射後のクロストーク改善量と Ar クラスター照射量との関係 面粗さ,Ra は 5.9 nm から 2.1 nm へと大き く減少し 粒子状の凹凸をかなり平坦化できることがわかった クロストーク改善量 (db) 7 次に 実際の MEMS 光スイッチに GCIB を照射し 垂直ミラーの光学特性が改善するかどうかを調べた 図 に MEMS 光スイッチチップの写真を示す 光学特性としてクロストークに着目し その改善効果と GCIB の照射量との関係を図 に青点でプロットした グラフには前節で得られた実験結果 ( 図 3.109) についても参考に紫角点でプロットしている 横軸の照射量は垂直照射量とした 図 から GCIB の照射量が増加するにつれて クロストーク改善量は増大する傾向があることがわかる 照射量の増加と共に金ミラー表面の表面粗さは低下していると考えられるため 表面平坦化効果がクロストーク特性改善の原因であると考えられる この関係は 実際のプロセスにおいては 目的のクロストーク減少量を得るために最適な GCIB 照射量を得るための指針として用いることができる 以上のように 実際の JAE 製 MEMS 光スイッチの垂直ミラーに対してアルゴンクラスターを角度照射した結果 クロストーク特性が改善することを実証した GCIB エッチングによるプラズモニック結晶構造作製 表面プラズモンは金属 - 誘電体界面を伝搬する表面電磁波であり 界面に周期的な凹凸 ( 格子 ) がある場合 表面プラズモンはある波長において格子によりブラック反射され 反対方向に伝搬する その結果 定在波が生じ 定在波と格子の相対位相によって 2 つの異なるエネルギー状態が存在する その結果 プラズモニック バンドギャップとよばれるバンドギャップが生じる このような構造をプラズモニック結晶と呼んでいる -143-

7 表面プラズモン共鳴が起きている表面近傍の領域では 数桁のオーダーに及ぶ電場増強が見られ各種の光学効果に顕著な高揚が観察される 表面プラズモンは古くから物理学における重要な研究分野であったが 近年になりその応用研究も盛んに行われるようになってきた 特に 最近では光学分野におけるナノテクノロジーの強力なツールとして 3 次元的な微少領域に局在させた表面プラズモンの利用が提案され 多様な研究が展開されるようになってきた この応用とし Normalized 光透過率 Transmittance ( 任意単位 ) Sidewall 加工表面粗さ Roughness,Ra(nm) (Ra, 図 加工表面粗さとプラズモンデバイスの透過率 ( プラズモン増強効果に対応 ) の関係 ては バイオセンシング 光通信用デバイス 太陽電池 超高密度記録などをはじめとする幅広い分野が期待されている これらプラズモニック結晶中でも 金属膜に周期構造と小さな開口を形成し その開口からの透過光が著しく増強する効果が近年発見され 注目を浴びている しかしながら このプラズモン増強効果は 表面粗さに敏感であり 周期構造を加工する際 低ラフネスで加工する必要がある シミュレーションにより プラズモン増強効果と表面粗さの関係を調べた結果を図 に示す 石英基板上に金のスリットアレイを形成した構造で その際の光の透過率を求めた 金のスリットとしては 周期 :360nm スリット幅:140nm 厚さ :540nm とした 表面粗さが小さくなると光透過率 (=プラズモン増強効果 ) が著しく増加していることがわかる 高効率デバイスを得るには 表面粗さを 1nm 以下程度にすることができれば非常に高効率なデバイスが作製できることが推察される 図 プラズモンデバイスに用いる Au 膜のエッチング加工 (100nm パターン形成と GCIB とモノマーイオンビーム比較 ) -144-

8 次に 100nm パターン幅以下の高精度ナノ加工を実証するために フォトニック結晶の一種であるプラズモニック結晶のエッチング加工を行った シリコン基板上に Au を 200nm 成膜し 電子ビーム露光によりレジストパターンを形成した 現像後 SF 6 ガスを用いた GCIB エッチングを行い レジスト除去後パターンを AFM により観察した 比較として モノマーイオンビームでも同様な照射を行った 結果を図 に示す As depo の金表面の粗さは Ra=1.31nm であるが モノマーイオンビームでエッチングを行うと表面粗さが増加してしまう (Ra=2.49nm) しかし GCIB エッチングでは表面粗さが Ra=0.84nm と非常に小さな粗さで加工ができており 本加工法の優位性が示された また 100nm グルーブ形成に関しても 同様に加工表面粗さが 1nm 以下で実現できている このようにプラズモニック結晶デバイスの表面粗さを Ra<1nm で加工することができるので デバイス感度が~10 倍程度増加することが可能となる これにより最終目標である 100nm 以下での高精度ナノ加工を実証した また これまでのプロジェクト成果である 新規開発した GCIB 角度照射法の開発 およびそれを利用した MEMS 光スイッチミラー光学特性向上の成果と併せて考えると 非常に幅広い領域の光学デバイスに対して パターン構造を高精度にナノ加工ができるプロセス技術を完成させたことになる (3) 目標の達成度と成果の意義 本研究では GCIB を MEMS デバイスやフォトニック結晶デバイスなどの作製技術に応用するために必要な高精度ナノ加工技術を開発することを目的に行われた 具体的目標は パターン幅 100nm 以下の高精度ナノ加工 ( 加工表面粗さ Ra<1nm) である まず 3 次元的なパターン加工を可能にする GCIB 角度照射法を新規に開発した これは 垂直照射よりも表面粗さを低減することができること 化学反応性をより効果的に利用できること 突起先端だけを研磨できること より低損傷に加工できること 等が特徴である また 角度照射時でもエッチングイールドがあまり低下しないことから実用的にも適したプロセスであることも大きな特徴である この GCIB 角度照射法を応用して デバイスに適用による効果を実証することを進めた まず MEMS 光スイッチの側壁ミラー平坦化を行った GCIB 角度照射法は比較的粗さの大きな表面でも平坦化が可能なことを見出し そのメカニズムを検討し明らかにした 航空電子製 MEMS 光スイッチに適用し 光散乱特性 ( クロストーク特性 ) が著しく改善できることを示し 開発した GCIB プロセスの実用性を実証した -145-

9 次に フォトニック結晶デバイスとして プラズモン増強効果を用いるプラズモニック結晶デバイスへの適用と評価を進めた シミュレーションにより光強度増強効果と加工精度 ( 表面粗さ ) の関係を明らかにし 表面粗さ Ra<1nm にすることによって デバイス感度が~10 倍程度増加することを明らかにした さらに ガスクラスターイオンビームにより金薄膜の 100nm パターン加工を行い 表面粗さ Ra=0.84nm を実証し 従来加工方法のモノマーイオンビーム加工と比較して優位性を示した 以上のことから最終目標である 100nm 以下での高精度ナノ加工を実証した この成果によって 非常に幅広い領域の光学デバイスに対して パターン構造を高精度にナノ加工ができるプロセス技術が完成したことになる 本研究開発の目標と達成状況を表 3.18 にまとめる 表 3.18 研究開発目標と達成状況研究開発項目研究開発目標研究開発成果目標達成度 高精度ナノ加 パターン幅 100nm パターン幅 100nm で加工 工技術の開発 以下で加工表面粗 表面面粗さ (Ra)=0.3nm さ (Ra)<1nm 参考文献 1. K. K. Lee et al. : Fabrication of ultralow-loss Si SiO 2 waveguide by roughness reduction, Opt. Lett. 26, (2001) W. Bogaerts et al. : Scattering at sidewall roughness in photonic crystal slabs, Opt. Lett. 28, (2003) E. Bourelle, A. Suzuki, A. Sato, T. Seki and J. Matsuo, Jpn. J. Appl. Phys. 43 (2004) L E. Bourelle et al. : Sidewall polishing with a gas cluster ion beam for photonic device applications, Nucl. Instr. and Meth., B 241, (2005) S.J. McNab et al. : Ultra-low loss photonic integrated circuit with membrane-type. photonic crystal waveguides, Opt. Exp. 11, (2003) R. M. Bradley and J. M. E. Harper: Theory of ripple topography induced by ion bombardment, J. Vac. Sci. Technol. A 6 (1988) E. Chason et al.: Dynamics of pattern formation during low-energy ion bombardment of Si(001), Nucl. Instr. And Meth. B 178, (2001) E. Bourelle et al. : Highly accurate machining of silicon through thin film masks with -146-

10 high etching selectivity using gas cluster ion beam, Extended abstracts of 4 th workshop on cluster ion beam and advanced quantum beam process technology, (2003) A. Suzuki, E. Bourelle, A. Sato, T. Seki, J. Matsuo: Effect of oblique irradiation of gas cluster ion beam on surface properties of gold mirrors, Nucl. Instr. and Meth., B, in press

11 2.2.3 超高速 高精度ナノ加工技術の体系化 ( 京都大学 兵庫県立大学 財団法人大阪科学技術センター ) (1) 研究目標高エネルギークラスターイオンビーム及び反応性クラスターイオンビームによる加工特性を調べるためには 実験に必要な装置の開発及びビーム生成条件の探査が必要となる 図 はクラスター照射装置の概念図である 高エネルギークラスターイオンビームの生成には イオン化部 加速部を高加速対応させる必要がある また 反応性クラスターイオンビームの生成には 種々の反応性ガスやそれらの混合ガスをノズルに供給し 反応性クラスター生成条件を探索する必要がある さらに 反応性クラスターによるエッチング過程には 実験では時間分解不可能な反応過程を含んでいるため 分子動力学法等を用いたシミュレーションによるクラスター衝突過程の解析も必要となる クラスター生成部イオン化部加速部照射部 ノズル Ar O 2 Cl 2 SF 6 CHF 3 ポンプポンプポンプ 図 クラスター照射装置の概念図 本研究課題では 50keV を越える加速エネルギーでクラスターイオンの照射が可能な高エネルギーナノ加工装置を構築し 高加速エネルギー照射におけるスパッタ率等のデータを集積する また 高速 高精度ナノ加工が可能な反応性ガスクラスターの生成法を検討し 生成した反応性ガスクラスターを用いて 様々な材料の加工速度や選択性などの加工特性を調べるとともに それらとクラスターサイズやイオン入射角依存性の解析や表面加工精度の評価を行う これによりクラスターによるナノ加工の素過程の解明を行い 高速 高精度ナノ加工に必要なサイズやエネルギーに関する知見を得る さらに クラスター衝突による化学反応過程の解析を行うために 固体表面上における反応前駆体の脱離過程に関するシミュレーションを行い 衝突させるクラスターの種類 エネルギー 入射角度等を変える事により 入射クラスターの侵入深さ スパッタ率 反応生成物などの解析を行う これらの知見をまと -148-

12 め 超高速 高精度ナノ加工技術の体系化のための指針を得る (2) 研究成果 高エネルギー Ar クラスターイオンビーム照射 50keV を越える加速エネルギーでクラスターイオンビーム照射を行うため 高エネルギークラスターイオンビーム照射装置の開発を行った 図 に高エネルギークラスターイオンビーム照射装置の外観を示す 本装置はクラスター生成部 差動排気部 イオン化部 照射部で構成されており 各部は排気速度 1600l/s のターボ分子ポンプでそれぞれ排気されている これによりビーム照射時でもイオン化部及び照射部は Torr 以下の真空度を保つことができる また 最大加速電圧は 80kV であり 8 インチウエハー対応のロードロック機構を備えており高エネルギー照射実験を真空を破ることなく連続的に行うことが可能である 本装置を用いて Ar クラスターイオンビームを生成し そのビーム特性を測定すると共に Si 基板や Au 薄膜及び Cu 薄膜に Ar クラスターを照射し 50keV を越える加速エネルギーでのスパッタ深さやスパッタ率を調べ 高速加工に必要な加速エネルギーに関するデータを収集した 図 に高エネルギークラスターイオンビーム照射装置の Ar クラスターイオンビーム電流特性を示す イオン化電子電流依存性ではイオン化電子電流が 100mA 以上でイオン電流が飽和しており 十分なイオン化ができていることが分かる 加速エネルギー依存性では 図 高エネルギークラスターイオンビーム照射装置 -149-

13 (a) イオン化電子電流依存性 (b) 加速エネルギー依存性図 高エネルギークラスターイオンビーム照射装置の Ar クラスターイオンビーム電流特性 (a) ソフトなイオン化条件 (b) ハードなイオン化条件図 高エネルギークラスターイオンビーム照射装置における Ar クラスターサイズ分布加速エネルギー 30~40keV 付近にピークを持つような特性が得られた これはビームの引出系が 30keV のエネルギーで最適化するように設計されているためと考えられる また 最高加速エネルギー 80keV におけるビーム電流は約 80µA であり 50keV 以上の高加速エネルギー領域においても加工特性評価に十分なビーム強度が得られている 高エネルギークラスターイオンビーム照射装置におけるビームのクラスターサイズを調べるため 飛行時間型 (Time-Of-Flight:TOF) 質量分析計を高エネルギークラスターイオンビーム照射装置内に設置し クラスターサイズ分布を測定した 図 に測定した Ar クラスターサイズ分布を示す イオン化電子電圧 35V イオン化電子電流 10mA のソフトなイオン化条件では イオン化電子電圧を低く抑えることで イオン化時の電子衝撃によってクラスターが壊れ サイズ分布が小さい方へシフトするのを抑制しており 中性クラスター生成時に近いサイズ分布が得られていると考えられる 図 に示すように 高エネルギークラスター -150-

14 イオンビーム照射装置を用いて生成した中性ビームはサイズ 30,000~40,000 付近にピークを持つようなサイズ分布をしており 最大 100,000 に達するサイズのクラスターを含むクラスタービームであることが分かった また 実際の照射に用いられるイオン化電子電圧 400V イオン化電子電流 200mA のハードなイオン化条件では サイズ 2,000~3,000 付近にピークを持つようなサイズ分布となり これまでの汎用クラスター照射装置と同様のサイズ分布が得られた 図 3.123(a) に高エネルギー Ar クラスターイオンビームによる加工特性 ( スパッタ深さ ) を示す 照射は Si 基板 Si 熱酸化膜基板 Si 基板上に通電加熱で真空蒸着した Au Cu Ni 薄膜に対して行った 各基板の前面にはステンレスメッシュを置き イオンドーズ量 ions/cm 2 だけ照射した後にできた段差を DEKTAK3 を用いて測定し スパッタ深さとした 照射条件は 導入ガス圧 4000Torr イオン化電子電圧 400V イオン化電子電流 200mA とした スパッタ深さはいずれの照射基板においても加速エネルギーに従って増大し 50keV 以上の高加速エネルギー領域に置いても 50keV 以下と同様の増大をしていることが分かる このことはさらに加速エネルギーを高くすることにより 加工速度を増大できることを示している 図 3.123(b) に Si 基板 Au 薄膜 Cu 薄膜に対する Ar クラスターイオンビームによるスパッタ率の加速エネルギー依存性を示す 同時に TRIM 1) を用いて計算した Ar モノマーイオンビームによる Si のスパッタ率も示す Ar クラスターによるスパッタ率は Ar モノマーよりも大きいことが分かる また Ar モノマーのスパッタ率が 10keV 以上の加速エネルギー領域でほぼ横ばいなのに対し 加速エネルギーにほぼ比例して増大しており Si 基板に対するクラスターによる加工速度は 80keV の加速エネルギーにおいてモノマ-に比べ約 180 倍に達することが分かる このことは Ar クラスターによる加工速度は加速エネルギーが増大すればするほどモノマーイオンを用いるよりも速くなり 超高速加工が実現可能であることを示している スパッタ深さ (nm) Ar cluster 導入ガス圧 : 4000Torr イオン化条件 : Ve400V,Ie=200mA イオンドーズ量 : 5x10 15 ions/cm 2 Si SiO2 Au Cu Ni スパッタ率 (atoms/ion) Ar cluster 導入ガス圧 : 4000Torr イオン化条件 : Ve=400V,Ie=200mA Si Au Cu Ni 約 180 倍 Ar monomer (TRIM) Si 加速エネルギー (kev) 加速エネルギー (kev) (a) スパッタ深さ (b) スパッタ率図 高エネルギー Ar クラスターイオンビームによる加工特性 -151-

15 表面平均粗さ Ra(nm) Ar cluster -> Si Ion Dose : 5x10 15 ions/cm 2 1x1μm 2 scan 0.5 (Ra<0.2 nm ) Unirradiated 表面平均粗さ Ra(nm) 2.0 (Ra=1.84nm) Unirradiated Ar cluster -> Au Ion Dose : 5x10 15 ions/cm 2 1x1μm 2 scan 加速エネルギー (kev) 加速エネルギー (kev) (a) Si 基板 (b) Au 薄膜図 Ar クラスターイオン照射前後における Si 基板及び Au 薄膜の表面形状の加速エネルギー依存性 図 に Ar クラスターイオン照射前後における Si 基板及び Au 薄膜の表面形状の加速エネルギー依存性を示す 表面形状の測定は原子間力顕微鏡 (Atomic Force Microscope, AFM) を用いて測定し 1μm 角のエリアにおける平均粗さ (Ra) を求めた Si 基板の初期表面は Ra で 0.2nm 以下の原子レベルで平坦な表面であるため Ar クラスター照射後の表面は 照射エネルギーの増大に従って荒れていることが分かる このことはクラスターが表面に衝突するとクレーターが形成され クレーターの大きさは加速エネルギーに従って大きくなることに起因していると考えられる 2,3) 一方 Au 薄膜の場合は Ar クラスター照射後の表面が照射エネルギーの増大に従って荒れる傾向は Si 基板と同様であるが 初期表面が Ra で 1.84nm と荒いため 加速エネルギー 80keV においても初期表面よりも平坦な表面が得られていることが分かる このことは 50keV 以上の高エネルギー領域においてもクラスター照射による平坦化効果が発揮され 高エネルギー領域においても平坦な表面加工が可能であることが分かった 図 にクラスターイオンビームによる平坦化の概念図を示す Si 基板のように原子レベルで平坦な表面にクラスターが衝突するとクレーター状の衝突跡が形成され クレーターの径は照射エネルギー増大に従って大きくなる 4,5) このとき クレーター形成による凹凸の p-v 値も増大するため クラスターが十分照射された後の表面粗さは高エネルギーで照射するほど荒くなる しかし 初期表面粗さがクレーター形成に起因する表面荒れよりも荒い場合には 高エネルギークラスター照射においても表面平坦化がおこる この場合の照射後の平 -152-

16 クラスター衝突低エネルギー高エネルギー クレーター小 クレーター大 原子レベルで平坦な初期表面 Si 荒れる 高イオンドーズ量照射 荒い初期表面 超平坦な表面 平坦な表面 Au 平坦化 図 クラスターイオンビームによる平坦化の概念図 坦度はクレーター形成に起因する表面荒さにより決まると予想される 高エネルギー反応性クラスターイオンビームの生成と照射 Ar などの不活性ガスに加え 反応性ガス材料である SF 6, CF 4, CHF 3, CH 2 F 2, O 2, Cl クラスターの生成を行った Ar のように分子間力が大きくクラスターを生成しやすい材料の場合には 室温でそのままノズルに供給してクラスターを生成することが可能である 6) 2.0x10 し x10 かし SF 6, CF 4, CHF 3, O 2 は室温でそのま -3 SF 6 + He P=4000Torr 1.6x10-3 P=6000Torr まノズルに供給してもクラスターが生成さ 1.4x10-3 れにくく 気体の冷却が必要である そこ 1.2x10-3 でキャリアガスとして He を用い クラスタ 1.0x10-3 ー生成時の凝縮熱を逃がして材料ガスの 8.0x x10 冷却を行った 具体的には各材料ガスと x10 He の混合ガスをノズルに供給することで -4 反応性ガスクラスターを生成可能である 7) 2.0x 反応性ガスクラスターの生成も高エネル SF 6 Mol Fraction (%) ギークラスターイオンビーム照射装置を用図 SF いて行い 反応性ガスクラスターによるス 6 クラスター中性ビーム強度の SF パッタ率などの高速加工に必要な基礎的 6 -He 混合比依存性 Neutral Beam Intensity (Arb.U.) -153-

17 データを収集した 図 に SF 6 クラスター中性ビーム強度の SF 6 -He 混合比依存性を示す SF 6 クラスターの生成は SF 6 -He 混合ガス圧が 4000Torr 又は 6000Torr に一定となるように SF 6 及び He の流量を調節しながら行った 中性ビーム強度は照射部内でビーム軸上に設置されたイオンゲージの示す真空度とした SF 6 クラスター中性ビーム強度は He をキャリアガスとして混合することで増大し SF 6 の混合比が 8~10% 前後でピークとなっており 混合しない場合に比べ 2 桁以上高いことが分かる また 混合ガス圧を 6000Torr にした場合は 4000Torr の場合に比べ約 10 倍強い中性ビーム強度が得られ ガス圧を高くすることで中性ビーム強度を増大できることが示された 導入ガス圧 : P(SF 6 +He)=6000Torr 加速電圧 : Va=20kV イオン化条件 : Ve=400V, Ie=200mA 導入ガス圧 : P(SF 6 +He)=6000Torr 加速電圧 : Va=20kV イオン化条件 : Ve=35V, Ie=10mA Intensity (Arb.U.) Intensity (Arb.U.) SF 6 Cluster Size (moleules) SF 6 Cluster Size (moleules) (a) ソフトなイオン化条件 (b) ハードなイオン化条件図 SF 6 クラスターサイズ分布 この中性ビームがクラスタービームであることを調べるため 飛行時間型 (Time-Of-Flight:TOF) 質量分析計を用いてクラスターサイズ分布を測定した 図 に混合ガス圧が 6000Torr の場合にクラスターサイズ分布を測定した結果を示す SF 6 混合比は 10% とした イオン化電子電圧 35V イオン化電子電流 10mA のソフトなイオン化条件では イオン化電子電圧を低く抑えることで イオン化時の電子衝撃によってクラスターが壊れ サイズ分布が小さい方へシフトするのを抑制しており 中性クラスター生成時に近いサイズ分布が得られていると考えられる 図 に示すように高エネルギークラスターイオンビーム照射装置を用いて生成した中性ビームはサイズ 10,000~15,000 付近にピークを持つようなサイズ分布をしており 最大 25,000 に達するサイズのクラスターを含むクラスタービームであることが分かった また 実際の照射に用いられるイオン化電子電圧 400V イオン化電子電流 200mA のハードなイオン化条件では サイズ 600~700 付近にピークを持つようなサイズ分布となった -154-

18 図 に SF 6 クラスターイオンビーム 電流のイオン化電子電流依存性を示す SF 6 クラスター生成条件は 混合ガス圧 6000Torr SF 6 混合比 10% とし 加速電圧は 60kV とした SF 6 クラスターイオンビーム電流はイオン化電子電流に従って増大し イオン化電子電圧 200V イオン化電子電流 150mA の時に 80µA に達した Beam Current (μa) 図 に SF 6 クラスターイオンビーム電流の加速エネルギー依存性を示す SF 6 クラスター生成条件は 混合ガス圧 Emission Current (ma) 6000Torr SF 6 混合比 10% とし イオン 化条件は イオン化電子電圧 200V イオン化電子電流 150mA 及びイオン化 図 SF 6 クラスターイオンビーム電流のイオン化電子電流依存性 電子電圧 300V イオン化電子電流 200mA とした 図に示すように 加速エネルギー 80keV の SF 6 クラスターイオンビームの生成 に成功し 約 60µA のイオンビーム電流を得た 加速電圧 : 60kV 導入ガス圧 : P=6000Torr SF6 混合比 : 10% イオン化電子電圧 : Ve=400V イオン化電子電圧 : Ve=300V イオン化電子電圧 : Ve=200V イオン化電子電圧 : Ve=100V イオン化電子電圧 : Ve=50V 図 に SF 6 クラスターイオンビームによるスパッタ深さの加速エネルギー依存性を示す 照射は Si 基板 SiO 2 膜 Au 薄膜 Ni 薄膜に対して行った 各基板の前面にはステンレスメッシュを置き イオンドーズ量 ions/cm 2 だけ照射した後にできた段差を DEKTAK3 を用いて測定し スパッタ深さとした 照射条件は 混合ガス圧 6000Torr イオン化電子電圧 400V イオン化電子電流 200mA とした スパッタ深さは Si 基板 SiO 2 膜 Au 薄膜 Ni 薄膜 Beam Current (ua) 導入ガス圧 : 6000Torr SF 6 混合比 : 10% Ve=200V,Ie=150mA Ve=300V,Ie=200mA Acceleration Voltage (kv) Sputtered Depth (nm) SF6 cluster 導入ガス圧 : 6000Torr SF6 混合比 : 10% イオン化条件 : Ve=400V,Ie=200mA Si Au SiO 2 Ni Acceleration Energy (kev) 図 SF6 クラスターイオンビーム電流の加速エネルギー依存性 図 SF6 クラスターイオンビームによるスパッタ深さの加速エネルギー依存性 -155-

19 Sputtering Yield (atoms/ion) SF6 cluster 導入ガス圧 : 6000Torr イオン化条件 : Ve=400V,Ie=200mA Si Au Ni Ar cluster 導入ガス圧 : 4000Torr イオン化条件 : Ve=400V,Ie=200mA Si Au Acceleration Energy (kev) 図 SF 6 クラスターイオンビームによるスパッタ率の加速エネルギー依存性 ともに加速エネルギーに従って増大していることが分かる このことはさらに加速エネルギーを高くすることにより 加工速度を増大できることを示している 図 に Si 基板及び Au 薄膜に対する SF 6 クラスターイオンビームによるスパッタ率の加速エネルギー依存性を示す 同時に Ar クラスターイオンビームによるスパッタ率も示す SF 6 クラスターによるスパッタ率は Si 基板及び Au 薄膜ともに Ar クラスターよりも大きいことが分かる 特に Si 基板に対するスパッタ率 30 は SF 6 クラスターの場合 Ar クラスターよ 28 SF 6 cluster 26 Au/Si りも数十倍高く 反応性エッチングが起 SiO 24 2 /Si Ni/Si こっていると考えられる 22 図 に SF 6 クラスターイオンビームによる Si の SiO 2 Au 及び Ni に対する選択比の加速エネルギー依存性を示す SiO 2 に対する選択比は加速エネルギー 5keV の時に 14.5 であったが 加速エネルギーの増加に従って減少し 30keV 以上の高加速エネルギー領域では 2 以下にまで減少している これに対し Au や Ni に対する選択比は加速エ Sputtered Ratio Acceleration Energy (kev) 図 SF 6 クラスターイオンビームによる Si に対する SiO 2 Au 及び Ni の選択比 -156-

20 ネルギーが増大しても 6 以上の選択比を維持している このことは高加速エネルギー領域でのマスク材料としては SiO 2 よりも Au や Ni の方が有利であることを示している SF 6 クラスターイオンビームを用いて Si を超高速加工するにはスパッタ率の高い 30keV 以上の高加速エネルギー領域を用いると考えられ その際のマスク材料としては金属系のマスクを選択するのが良いと考えられる 表面平均粗さ Ra(nm) SF 6 cluster -> Si 加速電圧 : 80kV 導入ガス圧 : 6000Torr イオン化条件 : 400V, 200mA 1um scan 図 に加速エネルギー 80keV の SF 6 クラスターイオン照射後の Si 基板の表面形状の照射イオンドーズ量依存性を示す 表面形状の測定は原子間力顕微鏡 (Atomic Force Microscope, AFM) を用いて測定し 1μm 角のエリアにおける平均粗さ (Ra) を求めた Si 基板の初期表面は Ra で 0.2nm 以下の原子レベルで平坦な表面であるため SF 6 クラスター照射後の表面は 初期表面に比べ荒れ ドーズ量 ions/cm 2 以上で Ra 約 3nm の値に飽和していることが分かる このことは クラスター照射によるクレーター形成に起因する表面荒れはドーズ量 ions/cm 2 以下の低ドーズ量で十分起こることを示している x x x x x10 15 Ion Dose (ions/cm 2 ) 図 SF 6 クラスター照射後の Si 基板表面粗さの照射イオンドーズ量依存性 平均表面粗さ (nm) uniradiated 図 に SF 6 クラスターイオン照射加速エネルギー (kev) 後の Si 基板の表面粗さの加速エネルギ図 SF 6 クラスターイオン照射後の Si 基板の表ー依存性を示す 同時に Ar クラスター面粗さの加速エネルギー依存性イオン照射後の Si 基板の表面粗さの加速エネルギー依存性及び SF 6 モノマーイオン照射後の Si 基板の表面粗さも示す 照射イオンドーズ量は SF 6 クラスターが ions/cm 2 Ar クラスターが ions/cm 2 SF 6 モノマーが ions/cm 2 である 図から分かるように SF 6 クラスター照射後の表面粗さは Ar クラスター照射よりも少し大きいが SF 6 モノマー照射よりも十分小さいことが分かる SF 6 クラスターによるスパッタ深さは Ar クラスターや SF 6 モノマーよりも十分大きいにもかかわらず Ar ク SF 6 monomer (8x10 16 ions/cm 2 ) SF 6 cluster (1x10 15 ions/cm 2 ) Ar cluster (5x10 15 ions/cm 2 ) -157-

21 平均表面粗さ Ra(nm) Ar クラスター 60 照射 DOSE=2x10 16 ions/cm 2 SF 6 クラスター照射 DOSE=1x10 15 ions/cm 加速エネルギー (kev) 図 荒れた Si 表面への SF 6 クラスターイオン照射による表面粗さの変化 ラスター照射に近い表面粗さで加工ができていることから SF 6 クラスターを用いることで高速 で平坦な加工が可能であることが分かる 図 に故意に表面を荒らした Si 基板に SF 6 クラスターを 80keV で ions/cm 2 だけ照射した場合の表面粗さの変化を示す Si 基板は Ar クラスターを加速エネルギー 20keV で斜め 60 度の角度にて基板回転させながらイオンドーズ量 ions/cm 2 だけ照射することで表面を Ra で 5.3nm に荒らしたものを使用した SF 6 クラスター照射後の表面粗さは Ra で 3.3nm となっており 80keV の高エネルギー反応性クラスター照射においても表面平坦化効果があることが示された 図 および図 に反応性ガス材料である CF 4,CHF 3,CH 2 F 2, CH 4, O 2, Cl 2, N 2 のクラスター中性ビーム強度を示す CH 2 F 2, CF 4,CHF 3,CH 4, Cl 2, N 2 クラスターの生成は純ガスをノズルに供給して行い O 2 クラスターの生成は He との混合ガス圧が 6000Torr に一定となるように材料ガス及び He の流量を調節しながら行った 中性ビーム強度は照射部内でビーム軸上に設置されたイオンゲージの示す真空度とした O 2 クラスター中性ビーム強度は He をキャリアガスとして混合することで増大し 混合比が 61% 前後でピークとなっており 混合しない場合に比べ数倍高いことが分かる このように SF 6 クラスター以外にも CF 系クラスター及び O 2, Cl 2, N 2 クラスターの生成に成功した -158-

22 3.0x x10-3 CF 4 CHF 3 2.5x x10-3 Intensity (A.U.) 2.0x x x10-4 Intensity (A.U.) 4.0x x x x x Source Gas Pressure (Torr) (a) CF4-He 混合比依存性 Source Gas Pressure (Torr) (b) CHF3-He 混合比依存性 5.0x x10-3 CH 2 F 2 1.0x x10-4 CH 4 Intensity (A.U.) 3.0x x10-3 Intensity (A.U.) 6.0x x x x Source Gas Pressure (Torr) (c) CH 2 F 2 導入ガス圧依存性 Source Gas Pressure (Torr) (d) CH 4 導入ガス圧依存性 図 CF 系ガス材料のクラスター中性ビーム強度 -159-

23 4.0x x10-4 O 2 + He 6000Torr 2.0x10-3 Cl 2 3.0x x10-3 Intensity (A.U.) 2.5x x x x % Intensity (A.U.) 1.0x x x O 2 Mol Fraction [F O2 /(F O2 +F He )] (%) (a) O 2 -He 混合比依存性 Source Gas Pressure (Torr) (b) Cl 2 導入ガス圧依存性 6.0x10-4 N 2 5.0x x10-4 Intensity (A.U.) 3.0x x x Source Gas Pressure (Torr) (c) N 2 導入ガス圧依存性図 反応性ガス材料のクラスター中性ビーム強度 これらの中性ビームがクラスタービームであることを調べるため 飛行時間型質量分析計を用いてクラスターサイズ分布を測定した 図 に SF 6,CF 4,CHF 3,CH 2 F 2,CH 4 クラスターのサイズ分布 図 に O 2,Cl 2,N 2 クラスターのサイズ分布を測定した結果を示す このときのクラスターの生成条件は表 3.19 に示す 表 3.19 クラスター生成条件 導入ガス圧 He に対する混合比 SF6 6000Torr 10% CF Torr 100% CHF3 6000Torr 100% CH2F2 4000Torr 100% CH4 8000Torr 100% O2 8000Torr 70% CL2 4000Torr 100% N Torr 100% -160-

24 Intensity (A.U.) SF 6,6000Torr Acceleration Energy : 20keV Ionization Energy : 400eV CF 4,10000Torr Emission Current : 200mA CHF 3,6000Torr CH 2 F 2,4000Torr CH 4,8000Torr Cluster Size (molecules) 図 SF 6,CF 4,CHF 3,CH 2 F 2,CH 4 クラスターのサイズ分布 導入ガス圧 : 8000Torr 加速電圧 : 20kV イオン化条件 : Ve=400V,Ie=100mA O 2 混合比 : 70% 導入ガス圧 : 4000Torr 加速電圧 : 20kV イオン化条件 : Ve=500V,Ie=200mA Intensity (A.U.) Intensity (A.U.) Cluster Size (molecules) (a) O 2 クラスター Cluster Size (molecules) (b) Cl 2 クラスター 0.20 導入ガス圧 : 10000Torr 加速電圧 : 20kV イオン化条件 : Ve=400V,Ie=200mA 0.15 Intensity (A.U.) Cluster Size (molecules) (c) N 2 クラスター 図 O 2,Cl 2,N 2 クラスターのサイズ分布 -161-

25 実際の照射に用いられるようなイオン化電子電圧 400V イオン化電子電流 200mA のイオン化条件において いずれのガス種でもサイズ数百から数千付近にピークを持つようなサイズ分布が得られた このことは 様々なガス種でノズルを用いたクラスター生成が可能であることを示している Si に対するスパッタ率 (atoms/ion) cluster SF CH 2 F 6 2 CHF 3 Ar CF 4 Ar monomer 加速エネルギー (kev) インチウエハー処理時間 ( 分 /1μm) 図 反応性クラスターイオンビームによるスパッタ率の 加速エネルギー依存性 図 に Si 基板に対する反応性クラスターイオンビームによるスパッタ率の加速エネルギー依存性を示す 同時に Ar クラスターイオンビームによるスパッタ率 及び TRIM を用いて計算した Ar モノマーイオンビームによるスパッタ率も示す Ar モノマー Ar クラスターのスパッタ率の差は加速エネルギーの増加と共に広がり 80keV の加速エネルギーにおいてはモノマ-に比べ約 180 倍に達した また SF 6 クラスターは加工速度は Ar クラスターよりもさらに十数倍高く モノマ-に比べ約 2600 倍に達し 反応性エッチングが起こっていることが示されている CF 4,CHF 3,CH 2 F 2 クラスターにおいても 加工速度は Ar クラスターよりも約十倍高く 反応性エッチングが起こっていることが示された また 40keV の加速エネルギーにおいて Si 基板に対して Ar モノマーよりも約千倍高いスパッタ率を実現した このように 反応性ガスと He の混合ガスをノズルに供給することで反応性クラスターを生成し 高加速エネルギーで照射することにより 超高速加工が実現できることが示された -162-

26 図 に F 原子 1 個あたりの Si スパッタ率の F 原子エネルギー依存性を示す クラスターサイズはサイズ分布のピークサイズとしてイオン 1 個当たりの F 原子数を算出し F 原子 1 個の持つエネルギーを決定した 図に示すようにスパッタ率と F 原子エネルギーの間には強い相関があり F 原子エネルギーを大きくすることで高いスパッタ率が実現可能であることが分かる 図 に O 2 クラスターによる Si 及び CVD ダイヤモンド薄膜のスパッタ率を示す 同時に Ar クラスターによるスパッタ率も示す O 2 クラスターによる Si のスパッタ率は Ar クラスターよりも低いにもかかわらず CVD ダイヤモンド薄膜のスパッタ率は Ar クラスターに比べて数倍高く 反応性エッチングが起こっていると考えられる このことは 対象となる材料 プロセスに合わせて反応性 非反応性クラスターイオンビームを様々に組み合わせることにより ナノスケールの表面加工において幅広い応用が可能であることを示している 図 F 原子 1 個あたりの Si スパッタ率の F 原子エネルギー依存性 Sputtering Yield (/ion) O 2 クラスター P=6000Torr Si Diamond Ar クラスター P=4000Torr Si Diamond Acceleration Energy (kev) 図 O2 クラスターによる Si 及び CVD ダイヤモンド薄膜のスパッタ率 -163-

27 スパッタ率のクラスターサイズ依存性 クラスターイオンビームを用いると 最表面における多体衝突効果や高密度照射効果により単原子イオンビームに比べて高いスパッタ率が得られ 高速ナノ加工プロセスが実現できる クラスター照射による高スパッタ率はクラスター特有のパラメータであるクラスターサイズに起因して実現されると考えられるが そのサイズ効果のメカニズムは未だ明らかとなっていない そこで クラスターによるスパッタリングのサイズ効果を解明するため 異なるサイズ分布を持つクラスターイオンビームの照射によるスパッタ率を測定し そのクラスターサイズ依存性の評価を行った 図 Ar クラスターサイズ分布の制御 ノズルから生成された Ar クラスターは電子衝撃法によりイオン化される これまでの研究からクラスターサイズはノズルへの Ar ガスの導入ガス圧とイオン化条件により制御することが可能である 4) 図 は様々な導入ガス圧 (Ps) イオン化電子電圧 (Ve) イオン化電子電流(Ie) における Ar クラスターサイズ分布である 測定は飛行時間型質量分析計を用いて行った ピーククラスターサイズは表 3.18 に示すとおり と変化していることが分かる これらの異なるサイズのクラスターイオンビームを用いて Si 基板及び Au 薄膜のエッチングを行い スパッタ率のクラスターサイズ依存性を調べた A B C D 表 3.20 ピーククラスターサイズ 生成条件ピークサイズ Ps=4000 Torr, Ve=500 V, Ie=400 ma 2000 Ps=6000 Torr, Ve=300 V, Ie=300 ma 3000 Ps=6000 Torr, Ve=100 V, Ie=100 ma 5000 Ps=6000 Torr, Ve=50 V, Ie=30 ma 図 は Ar クラスターによる Si 及び Au のスパッタ率の加速エネルギー依存性である クラスター生成条件は表 3.20 図 Ar クラスターによる Si 及び Au のスパッタ率の加速エネルギー依存性 -164-

28 の条件 A であり ピークサイズは 2000 である この図よりクラスターによるスパッタ率は加速エネルギーに比例しており 約 4eV/atom にスパッタのための閾エネルギーが存在することが分かる このことから スパッタ率 (Y(N)) とクラスターサイズ (N) 及び加速エネルギー (E) の関係として次式を考える p E Y ( N, E) = kn ( Eth ) N ここで E th はスパッタのための閾エネルギー p はクラスターサイズ効果の指数 k は定数である スパッタのための閾エネルギー E th はターゲットの表面原子の脱離エネルギーと相関があると考えられる Si 及び Au の表面原子の脱離エネルギーはそれぞれ 4.7eV 3.8eV であり 図 における閾値と近いことからこれを閾エネルギー E th とみなした 図 に Ar クラスターによる Si 及び Au のスパッタ率のクラスターサイズ依存性を示す 四角の点は実験値であり 丸点は図 のクラスターサイズ分布の強度 (I(N)) から次式を用いて計算した値である Y = Y ( N ) I( N ) dn I( N ) dn ここで I(N) がピーク強度の 5% 以下のときは サイズ測定時のノイズと見なして I(N) は 0 とした 定数 k は図 のスパッタ率のエネルギー依存性の傾きとした サイズ効果の指数 p は 1.05~ 1.2 の間で変化させてフィッティングを行ったところ 図 に示すように p=1.1 の時に Si 及び Au 共に実験値と近い特性となった このときの Si 及び Au の定数 k は それぞれ eV eV -1 であった Si のスパッタ率特性においてサイズの大きい側で実験値と測定値の差が大きくなっているが これは大きなサイズにおけるビーム電流が小さく サイズ分布測定の誤差が大きくなっているためと思われる 以上の結果よりスパッタ率を表す式の 図 Ar クラスターによる Si 及び Au のスパッタ率のクラスターサイズ依存性図 式 (8) を用いた Si のスパッタ率の Ar クラスターサイズ依存性の計算結果 -165-

29 パラメータ値は下記のように表される Si : k= ev -1, E th =4.7 ev, p=1.1, Au : k= ev -1, E th =3.8 ev, p=1.1. 図 は Si のスパッタ率の Ar クラスターサイズ依存性を計算した結果である 図よりサイズ 2000 の Ar クラスターを加速エネルギー 100keV で照射した場合 スパッタ率は 250atoms/ion に達することが予想される 一方 加速エネルギーが 20keV の場合 クラスターサイズが 4000 以上でスパッタ率が 0 になることから クラスターサイズ分布の幅が広い場合 4000 以上のサイズのクラスターはスパッタには寄与しないことが分かる 従って 高効率なスパッタのためには クラスターサイズ分布を高精度に制御する必要があることが示された クラスターイオン衝突シミュレーションによる高速 高精度ナノ加工技術の検討 クラスターイオンビームにより高速 高精度ナノ加工を実現するためには クラスター衝突時におけるターゲット材料との相互作用を明らかにする必要がある 分子動力学シミュレーションによる衝突解析は 数百 nm 数 ps という微小領域 短時間に生じる現象を高い空間 時間分解能で直接知る方法であり したがって分子の分解や再結合の過程を追跡することが可能である 反応性クラスターイオンと固体表面との相互作用を明らかにするために フッ素クラスターとシリコン表面との衝突過程を分子動力学法による計算機シミュレーションを用いて解析した 分子間相互作用を記述するためのポテンシャルモデルとして Si-Si には Stillinger と Weber による 3 体モデル 7) また F-F F-Si については Weakliem らにより修正された S-W モデル 8) を適用した 一方 反応性の有無によるクラスター衝突過程の違いを調べるため Ne 及び Ar クラスターについてもシミュレーションを行った このとき Ne-Si 及び Ar-Si のポテンシャルには TRIM 等にも用いられている Ziegler Biersack Littmark らによる ZBL モデルを用いた -166-

30 Ne eV/atom before impact (F 2 ) eV/atom before impact 50Å 50Å 8ps after impact 8ps after impact 50Å 50Å F と Ne についてサイズ 600 のクラスターをつくり 1 原子あたり 10eV 合計 6keV のエネル ギーを与え Si(100) 表面に衝突させるシミュレーションを行った 衝突前のクラスターの構造 については 希ガス粒子である Ne は原子単位で六方細密 (hcp) 構造を取らせたのに対し F クラスターでは F 2 分子単位で hcp 構造をとらせた後 10K の低温で構造緩和させた状態 を用いた 図 にそれぞれのクラスターの衝突前後の様子を示す いずれのクラスター 衝突においてもこれまでの Ar クラスターなどの衝突と同様に クラスターが一旦固体内部に 侵入し クレーター上のダメージを形成した後 入射クラスター原子が脱離するという 過程をとることがわかった また 衝突により形成されるクレーターの深さや形状につい ては Ne 600 と (F 2 ) 300 で大きな違いがないことがわかる これはこのようなクレーターが 個々 のクラスター構成原子が持つ運動エネルギーと原子間の物理的な多体衝突効果によって 形成されることを意味する 一方 Ne クラスター衝突では 入射したクラスター構成原子は直 ちに基板表面から脱離するが F クラスター衝突においては 多くの F 原子が衝突箇所であ るクレーターの内部に吸着していることがわかる これは F と Si 原子の間に強い引力が働く ためであり それぞれの原子が持つ反応性がシミュレーションに反映されていることがわか る 図 Ne 600 ( 左 ) と (F 2 ) 300 ( 右 ) クラスターの Si(100) 表面への衝突 それぞれの衝突エネルギーは 6keV(=10eV/atom) Ne 600 の衝突では Si 原子の脱離 すなわちスパッタリングが見られなかったが (F 2 ) 300 の -167-

31 衝突では約 50 個の Si 原子がタ ーゲット表面から脱離することが観察された 脱離した Si の結合 45 状態を図 に示す 多くの 40 Si が F と結合した状態で脱離し 35 F クラスター衝突により 化学的 30 なスパッタリングが生じていること 25 がわかる 通常の気相エッチン 20 グではフッ化物は SiF 4 の状態まで十分フッ化されたのち 固体 15 表面から脱離する過程をとること 10 が一般的であるが 図 で 5 は SiF や SiF 2 などフッ素の価数 0 が少ない状態で Si が脱離する過程が多く生じていることが示さ Species れている これは反応性クラスターの衝突において 高密度の原子衝突による高密度の反応前駆体の形成 高密度の運動エネルギー付与より 反応前駆体の脱離促進が生じるためであると考えられる Yield [atoms/impact] 50 (F 2 ) 300 6keV Si F Si Si 2 Si x SiF SiF 2 SiF 3 SiF 4 Si x F y 図 (F2)300 6keV のクラスター衝突により脱離した Si の結合状態の分布 図から 反応性クラスターの衝突においては 単独の衝突であっても反応前駆体の形成と脱離が一度に生じることでスパッタリングが進行することが明らかになった しかしながら実際のエッチングプロセスでは 多数の粒子が固体表面に衝突することから 図 に示されるような清浄な表面ではなく ある程度のフッ素原子が表面にすでに吸着した状態でスパッタリングが進行するものと考えられる 表面にフッ素原子があらかじめ吸着し反応前駆体が形成されている場合 清浄表面に比べより多くのシリコン原子がクラスターの衝突によりスパッタされると思われる このような実際のプロセスに近い条件下におけるスパッタリング過程を調べるため 同一のシリコン基板にクラスターを連続的に衝突させるシミュレーションを行い 表面構造の変化 スパッタ率の変化について解析した クラスターを連続的に衝突させる方法は次の手順によった 1. ターゲット表面全体からランダムに衝突位置を選択する 2. (F 2 ) 300 あるいは Ne 600 クラスターを 6keV で衝突させるシミュレーションを行う (12ps) 3. ターゲット表面と直接結合していない粒子を取り除く これらの原子はスパッタされた -168-

32 (F2)300 6keV 100Å D=1 D=40 D=160 D=40 D=160 Ne600 6keV 100Å D=1 図 (F2)300 Ne600 クラスターの連続衝突による表面状態の変化(衝突エネルギー6keV) 粒子として その個数や構造を調べる 4. 残されたターゲット全体を 300K に冷却する(4ps) 5. 手順 1 に戻り 繰り返す Y axis [Å] Total 6keV (F2)300 Ne X axis [Å] Y Axis [Å] Surface Roughness (rms) [Å] Impacts X Axis [Å] 図 表面粗さの変化と最終状態における表面高さの分布

33 初期ターゲットとして 1 辺約 173Å 26 万原子からなる清浄 Si(100) 表面を準備し これに 対し上記の手順で Ne 及び F クラスターを 160 回衝突させた この量は約 /cm 2 の照 射量に相当する 図 に F 及び Ne クラスターの連続照射による基板状態の変化 図 に基板表面粗さの変化と 最終状態における基板表面高さ分布を示す Ne クラスターの衝突では数十回の衝突で表面粗さが約 10Å(rms) で収束し なだらかな丘状の構造をとり また照射した Ne 原子はほとんど基板内に残されていないこともわかる 一方 F クラスターの衝突では 衝突回数が増えるにしたがって Ne クラスターの場合よりも粗い表面が形成される 図 の表面高さの分布より F クラスター照射表面は幾つかの柱状構造が形成されていることがわかる このような構造は単原子 F イオンの衝突によっても見られる現象である 9) (F 2 ) 300 クラスターが 160 回衝突した後の表面構造の拡大図を図 に示す 図の 1 辺は 128Å ターゲット表面部分から厚さ 20Å 分を切り出したものである 図より F クラスターの連続衝突により 固体表面が F 原子で高密度に覆われていることがわかる この F 原子の吸着によって表面の凹凸が不動態に近い状態になり 大規模な柱状構造が長時間にわたって保持されるものと考えられる また図 より F 原子の吸着した柱状構造部の Si 原子の配列は不規則であるが F 原子が侵入していない部分については Si の結晶構造が保持されていることがわかる このことから クラスターの侵入深さを制御することにより 表面にダメージが残留しないエッチングプロセスが実現できると考えられる Ne 600 6keV の衝突では ほとんどの Ne 原子が衝突直後に真空中に脱離 また Si 原子のスパッタリングは 160 回の衝突で 130 個と少ない量であった これに対し (F 2 ) 300 の衝突では衝突の度に多数の F および Si 原子の脱離が観察された 図 に (F 2 ) 300 の連続衝突による F および Si 原子の脱離数の変化を示す 図中 其々の衝突毎の脱離量をシンボルで その前後 10 点の算術平均を曲線で示す 連続衝突の初期段階では 脱離粒子の量は衝突回数とともに増加するが これは固体表面での F の残留量が増加し これに伴い F 原子の吸着サイトが減少していく過程を示している 衝突回数が 100 回を (F 2 ) 300 6keV after 160 impacts 20Å thickness 50Å 図 (F 2 ) 300 6keV 連続衝突後の表面状態 ( 基板中心部から 20Å 厚さを切り出したもの ) -170-

34 超えると 入射 F 原子と脱離 F 原子の数がつりあう定常状態に達することがわかる Si 原子の脱離量に関しても連続衝突の初期段階では 数十程度と少ないが F 原子と同様に衝突回数の増加とともに Si 原子脱離量も増加する 定常状態に達した後は Si の脱離量はおよそ 300 と極めて高い値となる 図 に脱離生成物のなかで SiFx として脱離した分子数の変化を示す 図中のシンボル 曲線の意味は図 と同様である 図 で吸着 F 原子量の増加に対応するようにフッ化生成物の脱離量が増加することがわかる また図 より SiF 2 が主な脱離生成物であるが これは図 で 定常状態において脱離する Si F の原子数の比率が 1:2 であることに対応するといえる また SiF 2 の他に SiF 3 や SiF の分子も数多く生成される一方で フッ化しない Si 単体での脱離がほとんど見られないことから (F 2 ) 300 6keV というクラスターイオン衝突系では フッ素の付加による反応前駆体の形成がエッチングプロセスにおいて重要な役割を果たしているといえる SiF x の構造で脱離したスパッタ生成物の並進運動エネルギー分布を図 に示す 並進運動エネルギーの測定は 実際の実験により確認することが可能な値のひとつであり 各種ビーム照射による脱離粒子の生成メカニズムの解析に広く利用されている 通常のイオンビームスパッタリングでは 線形カスケード衝突理論に基づく脱離過程が一般的であり この場合脱離粒子のエネルギー分布はエネルギーの -2 乗に比例する Number of Desorbed Atoms [atoms/cluster impact] Si F Impacts 図 (F 2 ) 300 6keV の連続衝突における脱離原子量の変化 Number of Molecules Si SiF SiF 2 SiF 3 SiF Impacts 図 SiF x の状態で脱離した脱離生成物の変化 -171-

35 図 では 並進運動エネルギー分布を各脱離生成物で規格化して示している 図よ り この分布は脱離生成物の種類によらずほぼ同様の傾向を示し 300K から 10000K という 幅広い温度での Boltzmann 分布に従っている このことから 反応性クラスターイオンビーム によるスパッタリングが 線形カスケードモデルとは異なり あらかじめ生成された脱離生成物が クラスターイオン衝突により高温の熱平衡状態に達することで表面から脱離するモデルであると考えられる 図 において 最終状態における SiF x 粒子数の総和を求めると これらが総脱離 Si 原子の約半数を占 10 めていることがわかる すなわち これ Trans. Ek Si 以外の Si 原子は 2 量体以上の Si x F y SiF 1 SiF2 クラスターとして脱離していることとな SiF3 SiF4 る 図 に脱離した Si x F y クラスターのサイズ分布を示す 図より 2 量体 3 量体にとどまらず サイズ数十という巨大 SixFy クラスターも生成されることがわかる このような巨大な脱離生成物は Si クラスターの核の表面を F 原子が覆う構造であることから 図 に見られる表面柱状部がそのまま表面から脱離したものであると考えられる 一方 小さいサイズのクラスターについては その生成頻度がクラスターサイズの-7/3 乗にほぼ比例することがわかる この-7/3 乗のモデルは 高密度のエネルギー付与により準液体状態になった表面からクラスターが放出される過程として知られている 10) (F 2 ) 300 クラスターの連続衝突においても 表面に多数の Si-F 結合が生成されることから この表面は固体と液体の中間状態にあるとみなされる このような不安定な表面状態に対して クラスターが衝突し 表面が励起されることにより 従来知られているモデルと同 Probability (normalized) [/ev] E-3 300K 1000K 3000K 10000K 1E-4 1E Kinetic Energy [ev] 図 (F 2 ) 300 6keV の衝突による脱離生成物の並進エネルギー分布 Number of Molecules (F 2 ) 300 6keV x -7/ x in Si x F y molecule 図 脱離生成物のサイズ分布 ( 生成物に含まれる Si 原子の個数で分類 ) -172-

36 θ = 30 Ar2000 cluster 100Å 100Å 100Å 100Å 100Å 100Å 100Å θ = Å θ = Å 0 ps 図 keV) 2.4 ps 16ps 入射角度の異なる Ar2000 クラスターの Si(100)表面への衝突(総加速エネルギー 様のクラスター放出過程が生じることが示された これまでのシミュレーションおよび実験を通じて ガスクラスターイオンビームプロセスにお いては 照射するクラスターのサイズを適切に制御することにより 基板内部への損傷生成 を抑えた照射が可能であることが明らかとなってきた さらに本プロジェクトでは クラスター イオンビームを入射する角度を極めて水平に近い角度とすることで 低損傷かつ極めて高 効率の平坦化が可能であるとする事例 100 が報告されている これは エネルギ 10eV/atom 90 Ar Different Incidnet Angle 80 ー 照射クラスター種 クラスターサイ 80deg. 70 ズという従来考えられていたクラスター 60 75deg. イオンビーム照射条件に加え 角度と 50 70deg. 40 いう新たな制御要素を提示するもので 60deg. 30 ある クラスターの斜め衝突による表面 45deg. 20 平坦化 スパッタリングのメカニズムを 10 30deg. 0 MD シミュレーションにより検討した 0deg. Surface Profile [Å] keV に加速された Ar2000 クラスター (10eV/atom)を Si(100)表面に様々な角 度で衝突させた MD シミュレーションの 結果を図 に またシミュレーショ X Position [Å] 図 Ar2000 クラスター衝突後の Si(100)表面 形状の入射角度依存性(総加速エネルギー20keV) -173-

37 ン開始より 16ps 後における 表面形状 の様子を図 に示す 図 の スナップショットに示す角度は それぞれ 基板垂直より 30 度 60 度 80 度である Kientic Energy of Cluster [ev] 入射角度 30 度においては 垂直入射の場合と同様に クラスターの大部 45deg 分が基板内部に侵入した後 クラスタ 30deg. ーが崩壊 基板上から脱離する ただ 0deg. 0 し 垂直入射の場合と異なる点として クラスター構成原子の多くが 入射方 Time [ps] 向に対し反跳方向に多く脱離するほ図 異なる角度で Si(100) 表面に衝突したか 形成されるクレーターについても Ar 2000 の持つ運動エネルギーの時間変化非対称な形状となることが分かる 入射角が大きくなるにつれて形成されるクレーターの非対称性は大きくなると共に その深さが浅くなる 特に入射角が水平面に近 90 い 70~80 度においては クラスター Ar eV/atom は基板内に侵入せず 表面形状の変化も見られなることが図 より分かる Reflection Angle from S. N. [deg.] 斜入射クラスターが固体表面に与える影響を図る指標として 入射クラ 30 スター原子が持つ運動エネルギー θ θ の時間変化を各入射角度において調べた結果を図 に示す 図よ り 固体表面にクレーター状の変形 Incident Angle from Surface Normal [deg.] を与える条件である 入射角 60 度以図 総加速エネルギー 20keV の Ar 2000 の下の衝突においては クラスターの Si(100) 表面に対する散乱角運動エネルギーの時間変化が一時 極小値をとることがわかる これは クラスター構成原子の多くが基板内部に侵入し 基板表面原子と多体衝突を生じた結果である この多体衝突を通じ 入射クラスターの持つ運動エネルギーが一度基板側に伝搬し クレーター状の形状変位を引き起こす しかし多体衝突を受け大きく変位した基板原子の一部が回復することにより 基板が得た運動エネルギーの一部は再度入射クラスター原子を押し戻す働きをする Ar keV 80deg. 75deg. 70deg. 60deg

38 図 に衝突した Ar 2000 クラスタ ーの入射角と散乱角の関係を示す 90 入射角 散乱角はそれぞれ MD シミ 80 Ar deg. ュレーション前後における 全ての Ar 70 different incident energy 1eV/atom 60 原子の重心の速度方向より算出した 50 2eV/atom 衝突過程において 入射 Ar クラスタ 40 3eV/atom ー及び 衝突を受ける基板双方が大 30 5eV/atom 20 きく変形するため いずれの入射角 10 10eV/atom 度においても非弾性散乱過程をとる 0 25eV/atom ことが分かる しかしながら その散乱 -10 角は 入射角 60 度よりも浅い角度ではより浅い ( 基板垂直に近い ) 角度 それ以上の入射角ではより大きな角度 X Position [Å] に散乱される結果を得た 散乱角の図 Ar 2000 クラスターイオンの衝突後の挙動が変化する閾値である 60 度とい Si(100) 表面形状のエネルギー依存性 ( 垂直入射時 ) う角度は 図 3.156~3.158 に示したよ うに クラスターが固体内に侵入し クレーター状の表面形状変形を生じるための条件に一 致する すなわち クラスターの入射 20 角が 60 度よりも小さい場合には クラスターが基板内部に侵入することにより クラスターの持つ水平方向の運動量成分が優先的に基板に伝搬すると考えられる 一方 入射角が大きい場 Ar eV/atom Different angle 合は クラスターは図 に示すよう -15 rim に 上部は球状の形態を保ったまま 下部が押しつぶされた状態で基板上 bottom Ar deg. -30 Different energy を滑っていくため クラスターの持つ -35 rim bottom 運動量の基板垂直方向が損なわれる ことにより 散乱角は入射角よりも大き Vertical Incident Energy [ev/atom] くなる 図 図 および図 におけるクレータ ーの深さ 及び縁の高さの比較 (1 原子あたりの持つエ 図 3.156~3.159 で述べたように 斜 ネルギーの垂直成分で比較 ) 入射クラスターの衝突においても 入 射クラスターが固体内に侵入するか否かにより 大きく衝突過程が異なることが分かる これ までの実験やシミュレーションの結果より クラスターイオンの固体内部への侵入過程は ク ラスターを構成する 1 原子あたりのエネルギーが重要な要素であることが指摘されている Surface [Å] Crater Rim or Bottom Level [Å] -175-

39 Z value [Å] Incident Angle [deg.] (a) 角度依存性 Z value [Å] Vertical Incident Energy [ev/atom] Ar 600 6keV rim bottom Ar keV rim bottom (b) 入射エネルギーの垂直成分で比較 図 総加速エネルギー 6keV 及び 12keV の A r600 の角度照射により形成されるクレーターの深さと縁の高さ 図 に図 と同等の Ar 2000 クラスターが基板表面に対して垂直に衝突した 場合の表面形状の入射エネルギー依存性を示す 図より 1 原子あたりの入射エネルギーが 2eV/atom 以下の領域で固体表面に変形が生じないことが分かる ここで 2eV は基板材料で ある Si の結合手一本あたりの結合エネルギーとほぼ同程度である 図 及び図 に示したクレーター形状の深さ及びリムの高さを クラスターを構成する原子の持つ運動エネルギーの垂直成分 (E av ) により比較した結果を図 に示す 斜入射の場合 E av は入射角を θ として 10eV cos 2 θ で与えられる 図 より E av が 5eV/atom 以下の領域では 垂直入射 斜め入射共にほぼ等しいクレーター形状を取るが E av が高い領域においては 水平方向の運動エネルギーを多く持つ分 斜入射のほうが垂直入射に比べて損傷が形成されやすいことがわかる 図 と同様の解析を 6keV 12keV とエネルギー異なる Ar ps 0.8ps 4ps 100Å 45 0ps 0.8ps 4ps 100Å 75 0ps 0.8ps 4ps 100Å 図 入射角度の異なる (F 2 ) 300 クラスターの Si(100) 表面への衝突 ( 総加速エネルギー 6keV) -176-

40 の衝突に対して行った結果を図 に示す 図 3.162(a) はクレータ ー形状の入射角依存性 図 3.162(b) は E av で規格化した結果を 示す この例においても図 3.162(b) で示される E av による規格化がクラス ター衝突時の損傷形成過程を表す端的な指標となることが分かる Surface [Å] 続いて 反応性クラスターの斜め X Position [Å] 衝突によるエッチング過程について図 (F 2 ) 300 クラスター衝突後の Si(100) 表面形検討した 図 に 300 分子から状の入射角度依存性 ( 総加速エネルギー 6keV) なるフッ素分子クラスター ((F 2 ) 300 ) が (1 原子あたりの持つエネルギーの垂直成分で比較 ) 様々な入射角度で Si(100) 表面に衝突する MD シミュレーションの結果を示す このときクラスターの総加速エネルギーは 6keV フッ素 1 原子あたりのエネルギーは 10eV/atom であり 図 で示した Ar 600 6keV と等しい条件である また 図 に 表面形状のクラスター入射角度依存性を示す (F 2 ) eV/atom 75deg. 60deg. 45deg. 30deg. 15deg. 0deg. 図 より (F 2 ) 300 の角度入射においても 10eV/atom の Ar 600 や Ar 2000 クラスターと同様に入射角が 75 度において クレーター状の表面形状変化が生じないことが分かる 一方 (F 2 ) 300 衝突シミュレーションでは フッ素 -シリコン間の化学反応性を反映し フッ素クラスターの衝突箇所において フッ素が高密度でシリコン表面に吸着する様子が見られる (F 2 ) 300 の斜め衝突シミュレーションでは 入射角が 度いずれの場合においても シリコンの脱離が観察された それぞれの入射角条件における 脱離したシリコンの結合状態の分布を図 に示す 図中 Si x はフッ素を含まない 3 量体以上 Si クラスター Si x F y はシリコン原子を 2 個以上含むフッ化シリコン化合物を示す 図 より 垂直入射及び 45 度入射においては 一部のシ Yield [atoms/impact] Si Si 2 Si x SiF SiF 2 SiF 3 SiF 4 Si x F y Species 図 (F 2 ) 300 0deg Si (total 50) F (total 51) Yield [atoms/impact] (F 2 ) deg Si (total 117) F (total 104) Si Si 2 Si x SiF SiF 2 SiF 3 SiF 4 Si x F y Species Yield [atoms/impact] (F 2 ) deg Si (total 55) F (total 76) Si Si 2 Si x SiF SiF 2 SiF 3 SiF 4 Si x F y Species (F 2 ) 300 6keV の衝突により脱離した Si と F の結合状態 -177-

41 リコンが フッ素が結合しない単体で脱離することが分かる この場合 個々のクラスター構成原子に加え シリコン-フッ素間の反応エネルギーが運動エネルギーとして付加された状態でクラスターと固体表面との多体衝突が生じるため 固体表面原子が単体で脱離するのに十分なエネルギーを得るものと考えられる 一方 入射角が 75 度の場合 シリコン単体での脱離はほとんど見られない これは 水平に近い入射角度においては クラスターが固体内部に侵入することにより生じる多体衝突効果を通した運動エネルギー付与現象が生じにくいことを意味する しかしながらこのような衝突条件においても 反応性材料であるフッ素がクラスターの状態で高密度に衝突することによる高化学反応効果が得られ 垂直入射時と変わらないシリコンのスパッタ率が得られることが分かった (3) 目標の達成度と成果の意義 高エネルギークラスターイオンビーム照射装置を用いて最大 80keV の加速エネルギーでの Ar 及び SF 6 クラスターイオンビーム照射を実現した Si 基板に対するクラスターによる加工速度は加速エネルギーが増大すればするほどモノマーイオンを用いるよりも速くなり 80keV の加速エネルギーにおいてモノマ-に比べ Ar クラスターで約 180 倍 SF 6 クラスターでは約 2600 倍に達し 超高速加工が実現可能であることを示した また このような高加速領域においてもクラスター照射による平坦化加工が可能であることを示した また 反応性ガス材料である CF 4, CHF 3, CH 2 F 2, CH 4, O 2, Cl 2, N 2 クラスターを生成し SF 6 クラスター同様 CF 4, CHF 3, CH 2 F 2 クラスターにおいても 加工速度は Ar クラスターよりも十数倍高く 反応性エッチングが起こっていることを示した また 40keV の加速エネルギーにおいて Si 基板に対して Ar モノマーよりも約千倍高いスパッタ率を実現した さらに Ar クラスターによるスパッタ率のクラスターサイズ依存性を調べ クラスターサイズ及び加速エネルギーからスパッタ率を計算するための経験式を導き出した これにより 高効率なスパッタのためには クラスターサイズ分布を高精度に制御する必要があることが示された 反応性クラスターの衝突シミュレーションでは 入射クラスター構成原子の蓄積による表面構造の変化や 脱離粒子の数および種類の変化について解析を計算機シミュレーションにより実施した 多数のフッ素クラスターの衝突により 表面において高密度の反応前駆体が形成され これが高密度のエネルギー付与を受けて 高温の熱平常状態となり真空中に脱離するという 一般的なイオンビームスパッタリングとは異なるエッチングプロセスをとることを明らかにした また 無損傷かつ高速な表面加工プロセスとして クラスターイオンビームの入射角を制御する方法についても検討を行った 総加速エネルギーが数 kev から数十 kev という高エネルギーを持つクラスターイオンにおいても 1 原子あたりの基板垂直成分を数 ev/atom 以下となる角度で照射することにより クラスターの基板表面内部への侵入が生じず 極めて低損傷の衝突過程となる事を示した -178-

42 このように クラスターイオンビームプロセスにより高速 高精度加工を行う際に重要となる クラスターサイズ クラスター種 照射エネルギー 照射角度等の種々のパラメータについて広範囲なデータ収集を行った また 大規模シミュレーションとの連携により クラスターイオン特有の衝突過程に伴うエッチングのモデルを確立し 加工速度や加工精度の向上に関する開発指針を提示することができた 最後に本研究開発項目の目標と達成状況を表 3.21 にまとめる 表 3.21 超高速 高精度ナノ加工技術の体系化研究成果の要約研究開発項目研究開発目標研究開発成果目標達成度 超高速 高精度ナノ加工技術の体系化 高エネルギークラスター生成 制御技術 反応性クラスター生成 制御技術 クラスターと固体表面との相互作用の解析 評価技術 80kV のクラスターイオンビームを生成し 表面加工効果 ( スパッタ率 表面平坦化効果 ) を明らかにした SF 6 CF Cl 系クラスターの生成に成功し モノマーイオンビームに比べ 千倍超の高速エッチングを実現した 反応性クラスターイオン衝突の多数の繰り返しによる表面反応プロセス 及びクラスター入射角度の依存性を明らかにした 参考文献 1. J.P.Biersack and L.G.Haggmark, Nucl. Instr. and Meth., 174 (1980) T.Seki et.al., Nucl. Instr. and Meth., B121 (1997) D.Takeuchi et.al., J. Mat. Chem. and Phys. 54 (1998) T.Seki, J.Matsuo, G.H.Takaoka and I.Yamada, Nucl. Instr. and Meth. B206 (2003) F. H. Stillinger and T. A. Weber, Phys. Rev. B 31 (1985) Hagena and W.Obert, J. Chem. Phys., vol.56, no.5, (1972) N. Toyoda, H. Kitani, J. Matsuo and I. Yamada, Nucl. Instr. and Meth. B121 (1997) P. C. Weakliem, C. J. Wu and E. A. Carter, Phys. Rev. Lett. 69 (1992) S. Chiba, T. Aoki and J. Matsuo, Nucl. Instr. And Meth., B180 (2001) H. M. Urbassek, Nucl. Instr. and Meth. B31 (1988)

43 3. 発表リスト ( 発表 論文等 ) 3.1 国内学会発表 (2002 年度 ) 1. 北川晃幸 宮内和哉 神田一浩 清水川豊 椿野晴繁 山田公 松井真二 松尾二郎 下條竜夫 Ar クラスターイオン援用 DLC 膜の放射光評価を用いた成膜プロセス安定性の検討 第 63 回応用物理学会学術講演会 ( 新潟大学, 2002/9/24-27) 2. 藤原祐司 豊田紀章 山田公 酸素クラスターイオンビーム援用蒸着法を用いた極薄 Ta2O5 膜による表面粗さの改善 第 63 回応用物理学会学術講演会 ( 新潟大学, 2002/9/24-27) 3. 寶角真吾 豊田紀章 山田公 ガスクラスターイオンビームによる化合物半導体の表面平坦化効果 第 63 回応用物理学会学術講演会 ( 新潟大学, 2002/9/24-27) 4. 中井敦子 瀬木利夫 青木学聡 松尾二郎 高岡義寛 クラスターイオンビーム照射による損傷量のクラスターサイズ依存性 第 63 回応用物理学会学術講演会 ( 新潟大学, 2002/9/24-27) 5. 尾本啓介 中津治 瀬木利夫 松尾二郎 高岡義寛 ガスクラスター援用蒸着法による TiO2 成膜 (2) 第 63 回応用物理学会学術講演会 ( 新潟大学, 2002/9/24-27) 6. 青木学聡 松尾二郎 高岡義寛 低エネルギーホウ素イオン注入における ホウ素の蓄積 脱離過程のシミュレーション シリコン材料 デバイス研究会 ( 京都大学, 2002/12/20) 7. 豊田紀章 山田公 ガスクラスターイオンビームの基礎と産業応用 プラズマナノテクノロジー研究会第 4 回研究会 ( 名古屋大学, 2003/3/7) 8. 瀬木利夫 松尾二郎 高岡義寛 クラスターイオンビームによる超高速ナノ加工 第 50 回応用物理学関係連合講演会 ( 神奈川大学, 2003/3/27-30) 9. 青木学聡 松尾二郎 高岡義寛 クラスターイオン衝突過程の表面形状依存性 第 50 回応用物理学関係連合講演会 ( 神奈川大学, 2003/3/27-30) 10. 中井敦子 瀬木利夫 松尾二郎 高岡義寛 Ar クラスターイオンビームによる表面照射効果 ( サイズ分布依存性 ) 第 50 回応用物理学関係連合講演会 ( 神奈川大学, 2003/3/27-30) 11. 尾本啓介 中津治 瀬木利夫 松尾二郎 高岡義寛 薄膜形成用大電流クラスターイオン源の開発 第 50 回応用物理学関係連合講演会 ( 神奈川大学, 2003/3/27-30) 12. 北川晃幸 宮内一哉 豊田紀章 神田一浩 椿野晴繁 松井真二 松尾二郎 山田公 DLC 膜形成における Ar クラスターおよび Ar モノマーイオンの照射効果 第 50 回応用物理学関係連合講演会 ( 神奈川大学, 2003/3/27-30) 13. 宝角真吾 間下喬史 豊田紀章 持地公造 三田村徹 山田公 Ar クラスターイオンビームによる表面平坦化の形状依存性 第 50 回応用物理学関係連合講演会 ( 神奈川大学, 2003/3/27-30) -180-

44 14. 藤原祐司 井上真輔 高坂公彦 豊田紀章 持地公造 三田村徹 山田公 酸素クラスターイオンビーム援用 Ta2O5 蒸着膜の基板温度依存性 第 50 回応用物理学関係連合講演会 ( 神奈川大学, 2003/3/27-30) 15. 宮内和哉 北川晃幸 豊田紀章 神田一浩 清水川豊 持地広造 山田公 松井真二 松尾二郎 クラスターイオン援用 DLC 膜蒸着における基板温度依存性 第 50 回応用物理学関係連合講演会 ( 神奈川大学, 2003/3/27-30) (2003 年度 ) 16. 瀬木利夫 松尾二郎 大電流クラスターイオンビームの発生 第 64 回応用物理学会学術講演会 ( 福岡大学, 2003/8/30-9/2) 17. 尾本啓介, 中津治, 瀬木利夫, 松尾二郎, 高岡義寛 酸素クラスターイオンビーム援用蒸着法により作製した TiO2 薄膜の結晶性評価 第 64 回応用物理学会学術講演会 ( 福岡大学, 2003/8/30-9/2) 18. 井上真輔 藤原祐司 豊田紀章 椿野晴繁 山田公 Ta2O5 援用蒸着における膜質の O2 クラスターイオンビームの入射角依存性 第 64 回応用物理学会学術講演会 ( 福岡大学, 2003/8/30-9/2) 19. 間下喬史 寶角真吾 豊田紀章 持地廣造 山田公 長野正裕 秋田調 Ar ガスクラスターイオンビームによる化合物半導体の加工 第 64 回応用物理学会学術講演会 ( 福岡大学, 2003/8/30-9/2) 20. 佐藤明伸, 鈴木晃子, ブーレルエマニュエル, 瀬木利夫, 松尾二郎 ガスクラスターイオンビームによる高精度ナノ加工 (1)- 表面粗さ - 第 64 回応用物理学会学術講演会 ( 福岡大学, 2003/8/30-9/2) 21. ブーレルエマニュエル, 鈴木晃子, 佐藤明伸, 瀬木利夫, 松尾二郎 ガスクラスターイオンビームによる高精度ナノ加工 (2) エッチング率の材料依存性 第 64 回応用物理学会学術講演会 ( 福岡大学, 2003/8/30-9/2) 22. 瀬木利夫 松尾二郎 大電流クラスターイオンビーム発生技術の開発 第 4 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2003/10/3) 23. 青木学聡 松尾二郎 クラスターイオン衝突過程の表面形状依存性 第 4 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2003/10/3) 24. 村瀬武史 瀬木利夫 松尾二郎 ガスクラスターイオンビームによるスパッタリング 第 4 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2003/10/3) 25. 井上真輔 藤原祐司 豊田紀章 椿野晴繁 山田公 ガスクラスターイオンビーム援用蒸着による光学薄膜の作成 日本鉄鋼協会 日本金属学会関西支部材料物性工学座談会 (2003/11/25) 26. 青木学聡, 松尾二郎 クラスターイオン連続衝突による表面形状変化のシミュレーション 第 51 回応用物理学関係連合講演会 ( 東京工科大学, 2004/3/28-31) 27. 瀬木利夫, 村瀬武史, 松尾二郎 -181-

45 クラスターイオンビーム照射によるスパッタ率のクラスターサイズ依存性 第 51 回応用物理学関係連合講演会 ( 東京工科大学, 2004/3/28-31) 28. 能勢智之 藤原祐司 井上真輔 豊田紀章 持地廣造 三田村徹 山田公 大電流クラスターイオン援用蒸着薄膜形成におけるモノマー除去効果 第 51 回応用物理学関係連合講演会 ( 東京工科大学, 2004/3/28-31) 29. 井上真輔 藤原祐司 能勢智之 豊田紀章 椿野晴繁 山田公 超低角入射酸素クラスターイオンビーム照射による Ta2O5 薄膜の形成 第 51 回応用物理学関係連合講演会 ( 東京工科大学, 2004/3/28-31) 30. 寶角真吾 鎌田泰彰 豊田紀章 持地廣造 三田村徹 山田公 サイズ選別 Ar クラスターイオン照射後の HOPG 表面 STM 観察 第 51 回応用物理学関係連合講演会 ( 東京工科大学, 2004/3/28-31) 31. 中山優樹 寶角真吾 豊田紀章 持地廣造 三田村徹 山田公 Ar クラスターイオンビーム照射による Si 基盤損傷のクラスターサイズ依存性 第 51 回応用物理学関係連合講演会 ( 東京工科大学, 2004/3/28-31) 32. 山田公 イントロダクトリー ( 基礎研究 産業応用 : 経過と今後の展開 ) 第 51 回応用物理学関係連合講演会シンポジウム 実用化を迎えたナノ加工技術クラスターイオンビーム技術の現状と動向 ( 東京工科大学, 2004/3/30) 33. 豊田紀章 ガスクラスターイオンビーム援用蒸着による薄膜形成技術 第 51 回応用物理学関係連合講演会シンポジウム 実用化を迎えたナノ加工技術クラスターイオンビーム技術の現状と動向 ( 東京工科大学, 2004/3/30) 34. 青木学聡 松尾二郎 クラスターイオン衝突過程の計算機シミュレーション 第 51 回応用物理学関係連合講演会シンポジウム 実用化を迎えたナノ加工技術クラスターイオンビーム技術の現状と動向 ( 東京工科大学, 2004/3/30) 35. 角田茂 GCIB 照射による磁性材料の無損傷 超平坦加工 - 磁気ヘッドへの応用に向けて - 第 51 回応用物理学関係連合講演会シンポジウム 実用化を迎えたナノ加工技術クラスターイオンビーム技術の現状と動向 ( 東京工科大学, 2004/3/30) 36. 市橋豊紀 次世代量子ビーム利用ナノ加工技術開発プロジェクトの目指もの 第 51 回応用物理学関係連合講演会シンポジウム 実用化を迎えたナノ加工技術クラスターイオンビーム技術の現状と動向 ( 東京工科大学, 2004/3/30) 37. 大脇清人 次世代量子ビーム利用ナノ加工技術開発プロジェクトの目指すもの 第 51 回応用物理学関係連合講演会シンポジウム 実用化を迎えたナノ加工技術クラスターイオンビーム技術の現状と動向 ( 東京工科大学, 2004/3/30) 38. 時岡秀忠 超高速ナノ加工技術の開発 -poly-si 膜の表面平坦化 - 第 51 回応用物理学関係連合講演会シンポジウム 実用化を迎えたナノ加工技術クラスターイオンビーム技術の現状と動向 ( 東京工科大学, 2004/3/30) 39. 佐藤明伸 高精度ナノ加工技術の開発 第 51 回応用物理学関係連合講演会シンポジウム 実用化を迎えたナノ加工技術クラスターイオンビーム技術の現状と動向 ( 東京工科大学, 2004/3/30) -182-

46 40. 瀬木利夫 松尾二郎 大電流クラスターイオンビーム技術の開発と高速加工技術開発と高速加工技術 第 51 回応用物理学関係連合講演会シンポジウム 実用化を迎えたナノ加工技術クラスターイオンビーム技術の現状と動向 ( 東京工科大学, 2004/3/30) (2004 年度 ) 41. 豊田紀章 ガスクラスターイオンの表面衝突プロセスと表面反応 イオン利用基礎講座 ( 成蹊大学, 2004/7/22-23) 42. 井上真輔 能勢智之 豊田紀章 椿野晴繁 山田公 新坂俊輔 SF6 クラスターイオンビーム援用蒸着によるフッ化物薄膜の形成 第 65 回応用物理学会学術講演会 ( 東北学院大学, 2004/9/1) 43. 能勢智之 井上真輔 豊田紀章 持地広造 三田村徹 山田公 酸素クラスターイオン援用蒸着法により作製した薄膜の内部応力 第 65 回応用物理学会学術講演会 ( 東北学院大学, 2004/9/1) 44. 中山優樹 寶角真吾 豊田紀章 持地広造 三田村徹 山田公 Ar クラスターイオンビーム照射によるスパッタ率のクラスターサイズ依存性 第 65 回応用物理学会学術講演会 ( 東北学院大学, 2004/9/3) 45. 青木学聡, 松尾二郎 クラスターイオン衝突による損傷形成プロセスのシミュレーション 第 5 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2004/10/1) 46. 瀬木利夫, 松尾二郎 大電流クラスターイオンビーム技術の開発と高速加工技術 第 5 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2004/10/1) 47. 村瀬武史, 瀬木利夫, 松尾二郎 ガスクラスターイオンビームによるスパッタリング 第 5 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2004/10/1) 48. 羽田真毅, 松尾二郎 エリプソメトリーを用いた単結晶 Si のイオン照射による変化の評価 第 5 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2004/10/1) 49. 山田公 クラスターイオンビーム技術の開発経過と実用化動向 新技術協会セミナー (2004/12/9) 50. 豊田紀章 高密度 超平坦化薄膜形成技術 新技術協会セミナー (2004/12/9) 51. 山田公 クラスターイオンビームのナノ加工プロセス技術 冷凍部会 ( 産業技術総合研究所臨海副都心センター, 2005/3/8) 52. 豊田紀章 ガスクラスターイオンビーム利用加工技術 冷凍部会 ( 産業技術総合研究所臨海副都心センター, 2005/3/8) 53. 二宮啓, 中田由彦, 青木学聡, 松尾二郎, 伊藤秋男 複数の方法で測定した全スパッタリング収率の比較 -183-

47 日本物理学会第 60 回年次大会 ( 東京理科大, 2005/3/24-27) 54. 中田由彦, 二宮啓, 青木学聡, 土田秀次, 松尾二郎, 伊藤秋男 高速イオン衝撃スパッタリングによる中性粒子の収量及び放出エネルギー測定 日本物理学会第 60 回年次大会 ( 東京理科大, 2005/3/24-27) 55. 寳角真吾 竹嶋圭吾 持地広造 豊田紀章 三田村徹 山田公 サイズ選別 Ar クラスターイオン照射後の HOPG 表面 STM 観察 (2) 第 52 回応用物理学関係連合講演会 ( 埼玉大学, 2005/3/29-4/1) (2005 年度 ) 56. 中村和寛 寶角真吾 豊田紀章 持地広造 三田村徹 山田公 反応性ガスクラスターイオンビームによるエッチングのクラスターサイズ依存性 第 65 回応用物理学会学術講演会 ( 徳島大学, 2005/9/7-10) 57. 中山優樹 寶角真吾 豊田紀章 持地広造 三田村徹 山田公 Ar-GCIB 照射によるスパッタリングのクラスターサイズ依存性 第 65 回応用物理学会学術講演会 ( 徳島大学, 2005/9/7-10) 58. 中澤彰吾, 能勢智之, 豊田紀章, 持地広造, 三田村徹, 山田公 ガスクラスターイオンビーム援用蒸着によるフッ化物薄膜の低温形成 第 65 回応用物理学会学術講演会 ( 徳島大学, 2005/9/7-10) 59. 竹嶋圭吾 寳角真吾 持地広造 豊田紀章 山田公 表面反応研究用小型ガスクラスターイオンビーム照射装置の開発 第 65 回応用物理学会学術講演会 ( 徳島大学, 2005/9/7-10) 60. 能勢智之 豊田紀章 山田公 ガスクラスターイオンの表面衝突プロセスとその応用 電気学会光 量子デバイス研究会 ( 早稲田大学, 2005/9/9) 61. 二宮啓, 青木学聡, 瀬木利夫, 松尾二郎 巨大ガスクラスターイオン衝突による半導体材料からの二次イオン放出 日本物理学会 2005 年度秋季大会 ( 同志社大学, 2005/9/19-22) 62. 羽田真毅, 松尾二郎 フェムト秒レーザーを用いた超高速過渡現象の実時間観測 日本物理学会 2005 年度秋季大会 ( 同志社大学, 2005/9/19-22) 63. 青木学聡, 松尾二郎 反応性クラスターイオンの連続衝突シミュレーション 第 6 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2005/10/7-8) 64. 瀬木利夫, 松尾二郎, 高エネルギークラスターイオンビームによる高速加工技術, 第 6 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2005/10/7-8) 65. 二宮啓, 青木学聡, 瀬木利夫, 松尾二郎, 伊藤秋男 低速 Ar クラスターイオンを用いた Si の二次イオン測定 第 6 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2005/10/7-8) 66. 村瀬武史, 瀬木利夫, 松尾二郎 GCIBAD による高品位金属薄膜の作成 第 6 回京都大学大学院工学研究科附属量子理工学研究実験センター公開シンポジウム ( 京都大学, 2005/10/7-8) -184-

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氏 名 田 尻 恭 之 学 位 の 種 類 博 学 位 記 番 号 工博甲第240号 学位与の日付 平成18年3月23日 学位与の要件 学位規則第4条第1項該当 学 位 論 文 題 目 La1-x Sr x MnO 3 ナノスケール結晶における新奇な磁気サイズ 士 工学 効果の研究 論 文 審 査 九州工業大学学術機関リポジトリ Title La1-xSrxMnO3ナノスケール結晶における新奇な磁気サイズ効果の研究 Author(s) 田尻, 恭之 Issue Date 2006-06-30 URL http://hdl.handle.net/10228/815 Rights Kyushu Institute of Technology Academic Re 氏 名 田 尻 恭 之 学 位

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