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ありおきすわ
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赤血球抗原不規則抗体検査の基礎 Rh(D,C,c,E,e) Kell(K,k,Kp a,js a ) MNS(M,N,S,s) Duffy(Fy a,fy b,fy 3 ) Duffy Glut 1 Kell トロポモジュリンアデューシン 217 年 11 月 16 日株式会社イムコア赤血球表面には ABO 以外にも多くの抗原が存在 ABO(A,B) Kidd(Jk a, Jk b )

種々の血液型と血液型抗原血液型と血液型抗原血液型血液型抗原 ABO A, B Rh D, C, E, c, e, MNS M, N, S, s, Lewis Le a, Le b Kell K, k, Kp a, Kp b, Js a, Js b, Duffy Fy a, Fy b Kidd Jk a, Jk b Diego Di a, Di b, Wr a, Wr b, 36の血液型と3

1 赤血球抗原不規則抗体検査の基礎 Rh(D,C,c,E,e) Kell(K,k,Kp a,js a ) MNS(M,N,S,s) Duffy(Fy a,fy b,fy 3 ) Duffy Glut 1 Kell トロポモジュリンアデューシン 217 年 11 月 16 日株式会社イムコア赤血球表面には ABO 以外にも多くの抗原が存在 ABO(A,B) Kidd(Jk a, Jk b ) Lewis(Le a, Le b ) アンキリントロポミオシンアクチン α スペクトリン β スペクトリンスペクトリン反復デマチン 1 All Content Immucor, Inc. 2 All Content Immucor, Inc. 種々の血液型と血液型抗原血液型と血液型抗原血液型血液型抗原 ABO A, B Rh D, C, E, c, e, MNS M, N, S, s, Lewis Le a, Le b Kell K, k, Kp a, Kp b, Js a, Js b, Duffy Fy a, Fy b Kidd Jk a, Jk b Diego Di a, Di b, Wr a, Wr b, 36の血液型と3 以上の血液型抗原が知られている 3 All Content Immucor, Inc ABO Rh MNS A B D C E c e M N 4 All Content Immucor, Inc. 不規則抗体とは不規則抗体の臨床的意義 A 抗原 B 抗原以外の赤血球抗原に対する抗体 ( 規則抗体以外の抗体 ) 抗原陰性の人の血清 ( 血漿 ) 中に必ず抗体が存在するわけではない輸血や妊娠などの同種免疫によって産生される免疫抗体同種免疫によらず産生される自然抗体不規則抗体は検査の対象および方法によって異なるが 1% 未満から数 % の人に認められる臨床的意義のある抗体対応する血液型抗原をもつ赤血球を体内で破壊する抗体溶血性輸血副作用や新生児溶血性疾患の原因となる抗体臨床的意義のない抗体対応する血液型抗原をもつ赤血球を体内で破壊しない抗体溶血性輸血副作用や新生児溶血性疾患の原因にならない抗体 5 All Content Immucor, Inc. 6 All Content Immucor, Inc. 1

免疫応答について溶血性輸血副作用輸血または妊娠により自分にない血液型抗原にさらされる抗体 ( 免疫抗体 ) の産生一次免疫応答輸血により再度同じ血液型抗原にさらされる急激な抗体の産生抗原の排除二次免疫応答急性溶血性輸血副作用 (AHTR) 24 時間以内に発症多くはABO 不適合輸血が原因で血管内溶血が多い遅発性溶血性輸血副作用 (DHTR) 24

2 免疫応答について溶血性輸血副作用輸血または妊娠により自分にない血液型抗原にさらされる抗体 ( 免疫抗体 ) の産生一次免疫応答輸血により再度同じ血液型抗原にさらされる急激な抗体の産生抗原の排除二次免疫応答急性溶血性輸血副作用 (AHTR) 24 時間以内に発症多くはABO 不適合輸血が原因で血管内溶血が多い遅発性溶血性輸血副作用 (DHTR) 24 時間以降に発症多くは不規則抗体による二次免疫応答が原因で血管外溶血が多い 7 All Content Immucor, Inc. 8 All Content Immucor, Inc. 血管内溶血と血管外溶血赤血球上の血液型抗原に対応する抗体が結合補体の活性化 ( 体内を循環 ) 赤血球の破壊マクロファージによる赤血球の捕捉胎児新生児溶血性疾患 (, Hemolytic Disease of the Fetus and Newborn) 妊婦において母親の血漿中の IgG は胎盤を通過し胎児の血液循環により入りこむ IgM は胎盤を通過しない IgG 抗体が胎児赤血球上の抗原に対応している場合胎児赤血球の破壊される可能性があるこの状態は胎児新生児溶血性疾患 () と呼ばれ胎児新生児溶血性疾患が重症な場合は胎児や新生児に致命的なことがある血管内溶血急性溶血性輸血副作用 (AHTR) 赤血球の破壊血管外溶血遅発性溶血性輸血副作用 (DHTR) 9 All Content Immucor, Inc. 1 All Content Immucor, Inc. 糖鎖系抗原と蛋白系抗原 Rh 血液型 ABO, H, Lewis, P 関連抗原は糖鎖構造を持つ遺伝子は糖転移酵素をコードしている Rh, Kidd, Duffy, MNS, Kell, Diegoなどの抗原は赤血球膜蛋白上に存在遺伝子は蛋白をコードしている Rh 血液型システムには 54 種類の抗原が存在 194 年に Landsteiner と Wiener が動物免疫由来のアカゲザ (Rhesus Monkey) 血球に対する凝集素が白人の 85% を凝集させる抗体を発見したことに由来 ( 後にこの抗体は LW に対する抗体であることが判明 ) Rh 血液型は ABO 血液型についで臨床的に最も重要なもののひとつされている一般的に問題となる抗原は D, C, E, c, e の 5 つ Rh 抗原は 2 つ遺伝子である RHD と RHCE にコードされている特に D 抗原は免疫原性が強く, 抗 D が産生されやすい抗 D は輸血副作用や新生児溶血性疾患の原因となることからルーチン検査で D 抗原の有無が検査されている 11 All Content Immucor, Inc. 12 All Content Immucor, Inc. 2

3 Rh 血液型日本人における RhD() の頻度は約.5%(2 人に 1 人の割合 ) D 抗原の頻度 ( 輸血学改訂第 3 版より ) 日本人 99.5% 白人 83.2% 黒人 91.6% Rh 血液型 Rh 血液型システムの重要な抗原は次の5つ D 抗原 d 抗原はなし C 抗原 c 抗原対立抗原 E 抗原 e 抗原対立抗原細胞外赤血球膜細胞内 NH 2 RhCE タンパク c/c Pro13Ser e/e Ala226Pro COOH c/c Trp16Cys c/c Asn68Ser c/c Leu6Ile The Blood Group Antigen Facts Book Third Edition, Marion E. Reid et al より 13 All Content Immucor, Inc. 14 All Content Immucor, Inc. Rh 血液型 Rh 血液型主要ハプロタイプの頻度 Rh 表現型の頻度 (D 陽性 ) 抗原表現型日本人の頻度 (%) D, C, e R D, c, E R c, e, r 3.8 c, E r 3.3 D, c, e R 1.2 C, e r.6 D, C, E R z.13 C, E r y.7 表現型 D C c E e 日本人の頻度 (%) ( 最もあり得る型 ) DCe/DCe R 1R 1 43 DCe/DcE R 1R 2 35 DcE/DcE R 2R 2 1 DCe/dce R 1r 7 DcE/dce R 2r 3 DCe/DCE R 1R z.5 Dce/dce R r DcE/DCE R 2R z DCE/DCE R zr z 遠山博, 輸血学改訂第三版, 抜粋遠山博, 輸血学改訂第三版, 抜粋 15 All Content Immucor, Inc. 16 All Content Immucor, Inc. Rh 血液型 D, C, c, E, e 抗原の特徴 Ficin/Papain: 耐性 ( 著しく反応が増強される ) DTT 2 mm: 耐性酸性 : 耐性 The Blood Group Antigen Facts Book Third Edition, Marion E. Reid et al より Rh 血液型抗 D, 抗 C, 抗 c, 抗 E, 抗 eの臨床的意義 DHTRの発症頻抗原抗体検出頻度臨床的意義重篤可能性高い可能性低い度 D Yes C Yes E Yes c Yes e Yes 輸血副作用ガイド, Ver /11/1 17 All Content Immucor, Inc. 18 All Content Immucor, Inc. 3

Kidd 血液型 Kidd 血液型システムにはJk a, Jk b, Jk3の3 種類の抗原が存在 1951 年にKidd 夫人の新生児溶血性を起こした第 6 子 (John Kidd) に由来主要な抗原はJk a とJk b 抗 Jk a, 抗 Jk b は消失が早いとされている Kidd 血液型抗 Jk a, 抗 Jk b の臨床的意義抗原検出頻度臨床的意義 DHTRの発症頻度重篤

214/11/1 Jk a, Jk b 抗原の特徴 Ficin/Papain: 耐性 ( 反応増強 ) DTT 2 mm: 耐性酸性 : 耐性 19 All Content Immucor, Inc. 2 All Content Immucor, Inc.

4 Kidd 血液型 Kidd 血液型システムにはJk a, Jk b, Jk3の3 種類の抗原が存在 1951 年にKidd 夫人の新生児溶血性を起こした第 6 子 (John Kidd) に由来主要な抗原はJk a とJk b 抗 Jk a, 抗 Jk b は消失が早いとされている Kidd 血液型抗 Jk a, 抗 Jk b の臨床的意義抗原検出頻度臨床的意義 DHTRの発症頻度重篤可能性高い可能性低い Jk a Yes Jk b Yes 表現型日本人の頻度 (%) Jk(ab) 22.4 Jk(ab) 5.4 Jk(ab) 27.2 遠山博, 輸血学改訂第 3 版, より抜粋輸血副作用ガイド, Ver /11/1 Jk a, Jk b 抗原の特徴 Ficin/Papain: 耐性 ( 反応増強 ) DTT 2 mm: 耐性酸性 : 耐性 19 All Content Immucor, Inc. 2 All Content Immucor, Inc. Diego 血液型 Diego 血液型 Diego 血液型システムには Di a, Di b, Wr a, Wr b などの 22 種類の抗原が存在ベネズエラでの症例での抗体産生者から名付けれた主要な抗原は Di a と Di b Di a と Di b は対立抗原 Di a は白人黒人では稀だが日本人では約 1% が陽性で重要な抗原 Di b は高頻度抗原抗 Wr a は 1/6 名の割合で検出されるとされているが Wr(a) 血球は稀なため検出されることは稀表現型日本人の頻度 (%) 白人の頻度 (%) 黒人の頻度 (%) Di(ab).2 まれまれ Di(ab) 9. まれまれ Di(ab) 遠山博, 輸血学改訂第 3 版, より抜粋, Di a, Di b 抗原の特徴 Ficin/Papain: 耐性 DTT 2 mm: 耐性酸性 : 耐性 21 All Content Immucor, Inc. 22 All Content Immucor, Inc. 抗 Di a, 抗 Di b の臨床的意義 Diego 血液型 MNS 血液型 MNS 血液型システムには M, N, S, s などの 49 種類の抗原が存在抗原検出頻度臨床的意義 DHTR の発症頻度重篤可能性高い可能性低い Di a Yes Di b Yes 1927 年に Landsteiner と Levine によって発見された M はヒト赤血球で免疫したウサギの抗体 ( 抗 M) immune に由来 N は M の次で immune 5 番目 S は 1947 年に同定されシドニー ( オーストラリア ) に由来血液型は 3 つの抗原 (M, N, S) になんで名付けられた輸血副作用ガイド, Ver /11/1 23 All Content Immucor, Inc. 24 All Content Immucor, Inc. 4

5 MNS 血液型 MNS 血液型主要な抗原は M, N, S, s M と N, S と s は対立抗原 MN 抗原は糖タンパクのグリコフォリン A に存在 Ss 抗原はグリコフォリン B に存在抗 M, 抗 N は IgG 型でも直接凝集を示す抗 M, 抗 N の多くは自然抗体抗 M は酸性で反応が増強されることがある抗 M は重篤なの原因になることがあるこれは赤血球の産生抑制によると考えられている細胞外細胞内 AABB Technical Manual 18th より M, N 抗原の特徴 Ficin/Papain: 感受性 DTT 2 mm: 耐性酸性 : 耐性 The Blood Group Antigen Facts Book Third Edition, Marion E. Reid et al より抜粋 s 抗原は免疫原性が低く抗 s が検出されることは稀と考えられている S, s 抗原の特徴 Ficin/Papain: 可変 DTT 2 mm: 耐性酸性 : 耐性 The Blood Group Antigen Facts Book Third Edition, Marion E. Reid et al より抜粋細胞外細胞内 AABB Technical Manual 18th より 25 All Content Immucor, Inc. 26 All Content Immucor, Inc. MNS 血液型抗 M, 抗 N, 抗 S, 抗 s の臨床的意義 MNS 血液型表現型日本人の頻度 (%) MN 28.3 MN 49.4 MN 22.3 Ss.5 Ss 1.7 Ss 88.8 遠山博, 輸血学改訂第 3 版, より抜粋 DHTRの発症抗原検出頻度臨床的意義重篤可能性高い可能性低い頻度 M Rare N No S Yes s Yes 関与しない輸血副作用ガイド, Ver /11/1 27 All Content Immucor, Inc. 28 All Content Immucor, Inc. Duffy 血液型 Duffy 血液型システムには Fy a, Fy b, Fy3, Fy5, Fy6 の 5 種類の抗原が存在抗 Fy a, 抗 Fy b の臨床的意義 Duffy 血液型 195 年にMr. Duffyの血清中で同定され後ろ2 文字から名付けれた主要な抗原はFy a とFy b Fy a とFy b は対立抗原表現型日本人の頻度 (%) Fy(ab) 8.4 Fy(ab) 18.5 抗原検出頻度臨床的意義 DHTRの発症頻度重篤可能性高い可能性低い Fy a Yes Fy b Yes 輸血副作用ガイド, Ver /11/1 Fy(ab) 1.1 遠山博, 輸血学改訂第 3 版, より抜粋 Fy a, Fy b 抗原の特徴 Ficin/Papain: 感受性 DTT 2 mm: 耐性酸性 : 耐性 29 All Content Immucor, Inc. 3 All Content Immucor, Inc. 5

6 Lewis 血液型 Lewis 血液型 Lewis 血液型システムには Le a, Le b などの 6 種類の抗原が存在 1946 年に発見され抗 Le a 保有者に由来して名付けられた主要な抗原は Le a と Le b Lewis 抗体は Le(ab) の人が自然抗体として産生していることが多い Le a, Le b 抗原の特徴 Ficin/Papain: 耐性 ( 著しく反応増強が増強 ) DTT 2 mm: 耐性酸性 : 耐性 The Blood Group Antigen Facts Book Third Edition, Marion E. Reid et al より抜粋表現型赤血球の反応分泌 / 非分泌唾液中の型物質抗 Le a 抗 Le b ABH Lewis 日本人の頻度 (%) Le(ab) * 非分泌微量 ~ なし Lea 17. Le(ab) 分泌型 A, B, H Le(ab) *Se w (Sej) 遺伝子を持つ場合, Le(abw) と判定されることがある非分泌分泌型微量 ~ なし A, B, H Lea( 少量 ) Leb( 大量 ) なしなし輸血移植検査技術教本より抜粋 All Content Immucor, Inc. 32 All Content Immucor, Inc. Lewis 血液型抗 Le a, 抗 Le b の臨床的意義 DHTRの発症関与抗原検出頻度臨床的意義重篤可能性高い可能性低い頻度しない Le a Rare Le b No P1PK 血液型 P1PK 血液型システムにはP 1, P k, NORの3つの抗原が存在 P1 抗原は1927 年に発見されすでにM, N, Oが割り当てれていたことからPとされた 21 年にP k が加わり P 血液型システムからP1PKに変更 P 1 抗原は個人間で抗原量の差が大きい抗 P 1 は自然抗体として産生されていることが多い輸血副作用ガイド, Ver /11/1 P 1 抗原の特徴 Ficin/Papain: 耐性 ( 著しく反応増強が増強 ) DTT 2 mm: 耐性酸性 : 耐性 The Blood Group Antigen Facts Book Third Edition, Marion E. Reid et al より抜粋 33 All Content Immucor, Inc. 34 All Content Immucor, Inc. P1PK 血液型表現型血清中の抗体抗 P 1 抗 P 抗 P k 抗 PP 1P k 日本人の頻 (%) 抗 P 1 の臨床的意義 P1PK 血液型 P 1 なし 31 P 2 時に抗 P 1 69 P k 1 抗 P P k 2 抗 P きわめてまれ DHTRの発症関与抗原検出頻度臨床的意義重篤可能性高い可能性低い頻度しない P 1 No p 抗 (P 1)PP k 遠山博, 輸血学改訂第 3 版, より抜粋生合成輸血副作用ガイド, Ver /11/1 AABB Technical Manual 18th より 35 All Content Immucor, Inc. 36 All Content Immucor, Inc. 6

7 Jr 血液型 Jr 血液型には Jr a 1 つの抗原のみが存在抗 Jr a の臨床的意義 Jr 血液型 Jr a は高頻度抗原である日本人の Jr(a) の頻度は.65%, 1/15 人 ( 輸血学改訂第 3 版より ) 抗原検出頻度臨床的意義 DHTR の発症頻度重篤可能性高い可能性低い関与しない Jr a occasionally Jr a 抗原の特徴 Ficin/Papain: 耐性 ( 増強 ) DTT 2 mm: 耐性酸性 : 耐性 The Blood Group Antigen Facts Book Third Edition, Marion E. Reid et al より抜粋輸血副作用ガイド, Ver /11/1 37 All Content Immucor, Inc. 38 All Content Immucor, Inc. Xg 血液型 Xg 血液型 Xg 血液型システムには Xg などの 2 種類の抗原が存在 1962 年に頻回輸血を受けた男性患者から発見遺伝子が X 染色体上に存在するため男性よりも女性に多く存在 X 染色体の X, 患者が処置を受けた場所 Grand Rapids( ミシガン州 ) の g に由来主要な抗原は Xg a Xg は免疫原性が低いとされている抗 Xg a は自然抗体であること多い抗 Xg a は IgG 型であることが多い表現型性別日本人の頻度 (%) 男 69.4 Xg(a) 女 88.8 男 3.6 Xg(a) 女 11.2 遠山博, 輸血学改訂第 3 版, より抜粋 Xg 抗原の特徴 Ficin/Papain: 感受性 DTT 2 mm: 耐性 39 All Content Immucor, Inc. 4 All Content Immucor, Inc. 抗 Xg a の臨床的意義 Xg 血液型 Kell 血液型 Kell 血液型システムには 36 種類の抗原が存在抗原検出頻度臨床的意義 DHTRの発症頻度重篤可能性高い可能性低い関与しない Xg a No 小児輸血学, 大戸斉, 抜粋, 輸血副作用ガイド, Ver /11/ 年に胎児新生児溶血性疾患に関連した抗体として発見され抗体を保有した女性 Kelleher に由来 K, k, Kp a, Kp b, Js a, Js b などの抗原が存在するが日本人ではほとんどが Kk, Kp(ab), Js(ab) であるため問題になることはほとんどない通常 Kell 糖タンパクは赤血球前駆体に早い段階で出現することから抗 K によるは溶血の程度は低く赤血球産生抑制による貧血になると考えられている 41 All Content Immucor, Inc. 42 All Content Immucor, Inc. 7

IgM と IgG IgM IgM 及び IgG 抗体 IgG IgM SS 結合 L 鎖 IgG H 鎖抗原結合部位 U 糖鎖 3~45nm J 鎖 7.

8 Kell 血液型抗体 K, k, Kp a, Kp b, Js a, Js b 抗原の特徴 Ficin/Papain: 耐性 DTT 2 mm/5mm: 感受性酸性 : 感受性 The Blood Group Antigen Facts Book Third Edition, Marion E. Reid et al より一部より抜粋免疫グロブリン (Immunoglobulin) 5 種類 IgG, IgM, IgA, IgE, IgD 43 All Content Immucor, Inc. 44 All Content Immucor, Inc. IgM と IgG IgM IgM 及び IgG 抗体 IgG IgM SS 結合 L 鎖 IgG H 鎖抗原結合部位 U 糖鎖 3~45nm J 鎖 7.5~14nm 抗原結合部位室温以下で反応することが多い自然抗体であることが多い胎盤を通過しないを生じない次のような特異性であることが多い抗 Le a, 抗 Le b 抗 M, 抗 N ( 抗 M は IgG の場合もある ) 37 で反応することが多い免疫抗体であることが多い胎盤を通過するを生じる次のような特異性であることが多い抗 D, 抗 C, 抗 c, 抗 E, 抗 e 抗 Fy a, 抗 Fy b, 抗 Jk a, 抗 Jk b 抗原結合部位の数 1 2 抗 P 1 抗 I 抗 S, 抗 s, 抗 Xg a, 抗 Di a 抗 K, 抗 k 4つのサブクラス :IgG1, 2, 3, 4 45 All Content Immucor, Inc. 46 All Content Immucor, Inc. IgG サブクラス不規則抗体検査の流れ IgG1 IgG2 IgG3 IgG4 血球濃度 (IgG に占める割合 ) 6~8% 14~25% 4~8% 2~6% スクリーニング検査不規則抗体の有無を調べる半減期 21~22 日 21~22 日 5~16 日 21~22 日補体活性化有り ( 普通 ) 有り ( 弱い ) 最強無単球付着能有無最強無胎盤通過性最大普通普通普通陰性陽性遠山博, 輸血学改訂第 3 版, より抜粋同定試験抗体の特異性を調べる 47 All Content Immucor, Inc. 48 All Content Immucor, Inc. 8

不規則抗体検査不規則抗体スクリーニング用赤血球試薬スクリーニング血球 I II III Dia 血清 ( 血漿 ) O 型の赤血球で構成されている ABO 血液型に関係なく検査可能 ( 抗 A 抗 B と反応しない ) 主な血液型抗原が含まれている D, C, E, c, e, Jk a, Jk b, Fy a, Fy b, M, N, S, s, P 1, Le a, Le b, Di

9 不規則抗体検査不規則抗体スクリーニング用赤血球試薬スクリーニング血球 I II III Dia 血清 ( 血漿 ) O 型の赤血球で構成されている ABO 血液型に関係なく検査可能 ( 抗 A 抗 B と反応しない ) 主な血液型抗原が含まれている D, C, E, c, e, Jk a, Jk b, Fy a, Fy b, M, N, S, s, P 1, Le a, Le b, Di a, Di b 主な血液型抗原に対する抗体を検出可能凝集溶血非凝集 49 All Content Immucor, Inc. 5 All Content Immucor, Inc. Di(a) 赤血球についてスクリーニング血球について Diego 血液型に属する抗原の一つ抗原の頻度白人 : まれ日本人 : 約 9~1% 日本人では輸血や妊娠により Di(a) の人が Di(a) の赤血球に一定の割合でさらされる抗 Di a は溶血性輸血副作用や新生児溶血性疾患の原因となるスクリーニング検査で Di(a) の赤血球使用する必要がある注意 : ほとんどの血球は Di(ab) である 51 All Content Immucor, Inc. 52 All Content Immucor, Inc. 対立遺伝子と量的効果量的効果 E 抗原遺伝子染色体 E E E e e e Eの eのホモ ( 同種 ) 接合ホモ ( 同種 ) 接合ヘテロ ( 異種 ) 接合 e 抗原ホモ接合体の抗原はヘテロ接合体の抗原よりも対応する抗体との反応が強い傾向がある抗体が弱い場合ホモ接合体の抗原のみで陽性となることがある不規則抗体スクリーニングに使用する赤血球はホモ接合体の抗原を含むことが望ましい量的効果を示す抗原 :Rh(C,c,E,e), Kidd(Jk a,jk b ), Duffy(Fy a,fy b ), MNS(M,N,S,s,) 等 53 All Content Immucor, Inc. 54 All Content Immucor, Inc. 9

10 不規則抗体検査の検査法試験管法生理食塩液法間接抗グロブリン試験酵素法固相法カラム凝集法など生理食塩液に浮かべた赤血球赤血球のシアル酸による陰性荷電電気二重層 ( ゼータ電位 ) 18~21 mv 反発力赤血球 (1516 nm) 陽性荷電 (Na) のイオン雲赤血球 55 All Content Immucor, Inc. 56 All Content Immucor, Inc. 生理食塩液法赤血球生理食塩液法の流れ ( 例 ) 生理食塩水に浮遊させた赤血球ある一定以上近づけない被検血清 ( 血漿 ) 赤血球浮遊液電気二重層 IgM 型の抗体 ( 場合によりインキュベーション ) 遠心判定赤血球の橋渡し凝集 57 All Content Immucor, Inc. 58 All Content Immucor, Inc. 生理食塩液法の検査方法生理食塩液法患者血漿 ( 血清 ) 2 滴 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Di a スクリーニング血球 1 滴基本的に IgM 型の抗体が検出される混和 ( 場合によりインキュベーション ) 抗 P 1 抗 Le a 抗 Le b 抗 M 抗 N など遠心判定 ( 即時遠心 ) 凝集の有無を確認 59 All Content Immucor, Inc. 6 All Content Immucor, Inc. 1

11 間接抗グロブリン試験 IgG 型の抗体間接抗グロブリン試験の検査方法凝集しない Ⅰ Ⅱ Ⅲ Di a 患者血漿 ( 血清 ) スクリーニング血球 2 滴 1 滴 : 抗ヒトグロブリン抗体反応増強剤の添加, 混和 37 インキュベーション洗浄ポリエチレングリコール液 (PEG) 低イオン強度溶液 (LISS) アルブミン溶液反応増強剤を添加しない場合には 6 分凝集する 61 All Content Immucor, Inc. 抗ヒトグロブリン抗体判定遠心凝集の有無を確認陰性の場合にはIgG 感作赤血球を添加 62 All Content Immucor, Inc. ポリエチレングリコール液による反応増強の原理 PEG の脱水作用による抗体濃縮効果 ( 立体排他現象 ) によって抗体濃度が高くなり抗原抗体反応が増強する輸血移植検査技術教本よりポリエチレングリコール液 (PEG) 溶液他の反応増強剤よりも抗体検出感度が高い自己抗体も高感度に検出することがあるポリエチレングリコルHO(CH2CH2O)nH H2O H2O HCH O HCH 赤血球 HCH 赤血球高蛋白検体などでは偽陽性反応や偽陰性反応が得られることがある IgG 感作赤血球の使用は必須反応増強剤無添加の間接抗グロブリン試験等の対応を考慮補体による非特異的反応を避けるため抗グロブリン試薬は抗 IgG を使用することが推奨されている 63 All Content Immucor, Inc. 64 All Content Immucor, Inc. 抗グロブリン試験における洗浄操作の意義 IgG 感作赤血球使用の意義 IgG 感作赤血球抗 IgG 試薬洗浄により未結合の抗体を除去するスクリーニング赤血球 65 All Content Immucor, Inc. 66 All Content Immucor, Inc. 11

12 IgG 感作赤血球使用の意義 IgG 感作赤血球が管理できること間接抗グロブリン試験における洗浄効果の確認 ( 手技的要因, 自動洗浄機の不良, 検体由来の要因 ) 抗グロブリン試薬の性能確認 IgG 感作赤血球試験系に抗グロブリン試薬が存在していることの確認残留する患者抗体抗 IgG 試薬スクリーニング赤血球 67 All Content Immucor, Inc. 68 All Content Immucor, Inc. IgG 感作赤血球が管理できないこと検体 ( 血清 / 血漿 ) の入れ忘れ反応増強剤の入れ忘れ反応時間温度検査プロセスの確認が重要酵素法について原理フイシンやブロメリンといった蛋白分解酵素により赤血球膜上でマイナスに荷電しているシアル酸を分解させ凝集反応を促進する特徴 1: 特定の抗原の破壊 (MNS, Duffy, Xg) することから複数抗体の同定に役立つ 2:Rh 系, Kidd, Lewis などの抗体の反応が増強される 3: 非特異反応が多い 69 All Content Immucor, Inc. 7 All Content Immucor, Inc. 酵素法 IgG 型の抗体酵素一段法 ( 例 ) マイナスの荷電が減る相対的に電気二重層が減る凝集しない蛋白分解酵素の添加凝集する赤血球の酵素処理抗原抗体反応被検血清 ( 血漿 ) 赤血球浮遊液ブロメリン試薬 37 でインキュベーション遠心判定 IgG 抗体も凝集するようになる 71 All Content Immucor, Inc. 72 All Content Immucor, Inc. 12

13 酵素二段法 ( 例 ) 酵素法赤血球の酵素処理赤血球浮遊液酵素試薬 37 でインキュベーション生理食塩液で洗浄酵素一段法赤血球の酵素処理と抗原抗体反応を同時に行う手技が簡便抗原抗体反応酵素処理赤血球浮遊液被検血清 ( 血漿 ) 37 でインキュベーション酵素二段法赤血球の酵素処理と抗原抗体反応を別々に行う一段法よりも抗体検出感度が高い遠心判定 73 All Content Immucor, Inc. 74 All Content Immucor, Inc. 固相法の原理測定の手順マイクロプレート指示血球患者抗体陽性赤血球膜指示血球赤血球抗ヒト IgG 抗体赤血球は既にマイクロウェル表面に結合している洗浄 LISS 血清または血漿の添加遠心インキュベーション指示血球の添加指示血球陰性強陽性弱陽性陰性強陽性弱陽性陰性 75 All Content Immucor, Inc. 76 All Content Immucor, Inc. カラム凝集法の原理各方法の比較血漿 ( 血清 ) スクリーニング赤血球 LISS 固相法カラム凝集法試験管法エアギャップが作成されることで血漿 ( 血清 ) と抗ヒトグロブリン試薬は接触しない反応槽抗ヒカトラグムロ槽ブリン試薬陽性陰性反応槽で抗原抗体反応を起こさせる遠心をすることで抗体未結合の赤血球は底部に移動する抗体が感作した赤血球は抗ヒトグロブリンにより凝集しカラム槽を十分に通過できず底部に移動できないスクリーニング赤血球乾燥液体液体インキュベーション必要必要必要洗浄必要不必要必要遠心必要必要必要検出振とうは必要なし反応は安定的振とうは必要なし反応は安定的振とうは必要反応は安定的ではない 77 All Content Immucor, Inc. 78 All Content Immucor, Inc. 13

検出される抗体の頻度竹下ら, Collaboratetive study of irregular erythrocyte antibodies in Japan: Result from the Japanese study of alloimmunity and antigen diversity in Asian populations.

14 検出される抗体の頻度竹下ら, Collaboratetive study of irregular erythrocyte antibodies in Japan: Result from the Japanese study of alloimmunity and antigen diversity in Asian populations. Transfusion and Apheresis Science, Vol.43, 21 抗 E, 抗 Le a で 52.2% (1~2 位 ) 抗 P 1, 抗 M, 抗 E 抗 c で 2.9% (3~5 位 ) 抗 Fy b, 抗 Di a, 抗 Le b, 抗 D, 抗 Jk a で 13% (6~1 位 ) 上位 1 で 86.1% 79 All Content Immucor, Inc. 8 All Content Immucor, Inc. 14

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Title 不規則抗体検査の解説福島県立総合衛生学院教務部臨床検査学科安田広康 SLIDE 1 不規則抗体同定のプロセス (1) 不規則抗体スクリーニング (Sc) 可能性の高い抗体の推定 * 否定できない抗体の推定反応態度 *1 消去法 * - 日臨技輸血移植検査技術教本 - *1 陽性の Sc 赤血球 1) 反応パターン ) 反応温度 ) 凝集の強さ * 陰性の Sc 赤血球 1) 量的効果 *