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ほだかしもかさ
5 years ago
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1 高知県臨床検査技師会輸血研究班研修会 Wako 輸血検査の異常反応時の対応について和光純薬工業 ( 株 ) 臨薬学術部輸血グルプ認定輸血検査技師原邦雄於総合あんしんセンター 3 階中会議室

2 輸血検査の検査項目血液型検査輸血検査装置不規則抗体検査交差適合試験試験管法原理的には同じ分類

3 輸血検査の標準化試薬検査方法試験管法選択選択統一統一判定個人差統一再現性なしありケルカラム法

4 血液型検査の変遷現在の血液型亜型はポリクロ試薬の結果で命名されている血液型判定でポリクロ試薬とモノクロ試薬の反応性は違うモノクロ試薬は各社でクローンが異なるので反応性は統一されていないロットでクローンを変更するメーカーもある A 2 A 2 B 等はルーチン検査で検出できなくなった

5 血液型検査結果の解釈 Normal 原因追求亜型異常反応 ( 移植 )

6 抗 A 抗 B 抗体の種類モノクロナル抗体細胞融合などで得られる主流の抗体動物免疫抗体抗 A~ 人粘膜をウサギに免疫抗 B~ カメ血球をヤギに免疫人由来抗血清 ( ポリクロ ) バイラッド社カラム凝集法各社で抗体の特性や使用方法が異なる点に注意!

7 各種血球との反応性 : 抗 A A 1 A 2 A 3 Ax モノクロナル抗 A >1 モノクロナル抗 A >2 2 モノクロ抗 Aワコ抗 A 血清ワコ

8 モノクロ試薬の反応性 A 様抗原 A 抗原ポリクロ抗体血球洗浄必要モノクロ抗体血球洗浄不要

9 亜型の抗体に対する反応性と特性おもて試験うら試験唾液中の型物抗 A 抗 B 抗 A,B 抗 A 1 抗 H A 1 血球 B 血球 O 血球質型転移酵素 A A,H A A 3 3 mf 0 3 mf A,H A Ax 0~ w 0 w 0 4 w 4 0 H Am A,H A cisa 2 B A,BH cisa 2 B A,BH cisa 1 B A,BH

10 各社 ABO 血液型検査方法の相違点和光 A 社 B 社 C 社 D 社スライド法での血球濃度 10% 全血 35%~45% 35%~45% 10% スライド法での判定時間 2 分以内 2 分以内 2 分以内 2 分以内 3 分以内試験管法での血球濃度その他の特徴 3~5% 3~5% 3~4% 2~5% 2~5% Tn 後天性 B 反応

11 ペパ法の問題点判定用紙の紙質で材質が剥がれ偽凝集がでる血球濃度が一定に保てない ( 吸収 ) 遅延凝集で検出する亜型がない芸術家になりやすい判定用紙自体が感染源になる可能性がある実施するならば混和はゴム製の爪楊枝を使用する

12 ABO 血液型検査 ( 試験管法 ) おもて試験モノクロ抗 A モノクロ抗 B 抗 A 1 レクチン抗 H レクチン各 1 滴 3~5% 披検血球各 1 滴ルチン検査? うら試験追加検査? 披検血清 ( 血漿 ) 各 2 滴 A 1 血球 B 血球 O 血球各 1 滴不規則抗体検査実施時は不要! よく混和後 3000r.p.m 15 秒間遠心後判定

13 検査結果を導くための 3 要素試薬おもて検査うら検査抗 A 抗 B A 血球 B 血球判定結果判断力検査結果 A 型 A 型 A 型思考力人間もしくは機械は判定

14 Landsteiner の法則規則抗体血液型血球の反応 ( オモテ試験 ) 血清の反応 ( ウラ試験 ) 頻度 (%) 抗 A 抗 B A 血球 B 血球 A 39.1 B 21.5 O 29.4 AB 10.0 A 2 ~ 抗 A 1 A 2 B 3 ~ 抗 B 不規則抗体

15 A 型で B 血球に反応が弱い症例おもて試験うら試験抗 A 抗 B A 血球 B 血球 O 血球原因日本人の抗 Aおよび抗 Bが減弱化している市販血球試薬の違い

16 検査方法と判定基準おもて試験 4 が基準うら試験試験管法 3 までが基準 4 で 5 分間インキュベートゲルカラム法 2 までが基準ブロメリン溶液を 1 滴追加

17 不規則抗体関与の不一致症例おもて試験うら試験抗 A 抗 B A 血球 B 血球 O 血球原因室温反応性の不規則抗体等を保持している血球試薬のコンタミ等がある場合

18 不規則抗体関与の不一致症例 ( 対策 ) うら試験の各試験管にブロメリン溶液を 1 滴加える不規則抗体が抗 M 抗 N であれば正常化するおもて試験うら試験抗 A 抗 B A 血球 B 血球 O 血球増強されれば抗 P 1 抗 Le 等の不規則抗体を疑う

19 おもてうら不一致症例の考え方 1 判定結果が 4 または 0 の場合はおもて試験とうら試験を個別に定義抗 A 抗 B A 1 血球 B 血球 O 血球おもて試験が正しい場合免疫グロブリンの定量家系調査等うら試験が正しい場合吸着解離試験型転移酵素測定等

20 モノクローナル抗 A 抗 B ワコーを用いた吸着解離試験抗 A or 抗 B 血球沈査感作冷生食遠心 5~7 回繰り返す 5~7% 牛アルフミン分フロメリン溶液 1 滴加え 4 15 分間インキュヘート遠心遠心判定

21 考え方のフローチャート 1 オモテ試験が正しい場合ウラ試験が正しい場合免疫グロブリン定量吸着解離試験正常減量 (0) () 抗体の減弱欠損骨髄移植型転移酵素測定疾患名投薬歴の確認 (0) () Bx 家計調査

22 血液型抗原基の模式図 H( 前駆物質 ) Gal GlcNAc Gal: カラクトス GlcNAc:Nアセチルクルコサミン Fuc: フコス GalNAc:Nアセチルカラクトサミン Fuc GalNAc Gal GlcNAc 型転移酵素 Fuc A 抗原 Gal Gal GlcNAc Fuc B 抗原

23 おもてうら不一致症例の考え方 2 判定結果が 2 または 1 の場合はその検査項目から推測抗 A 抗 B A 1 血球 B 血球 O 血球凝集の強い方が正しい A 1 レクチンとの反応性 A 2 血球との反応性

24 考え方のフローチャート 2 A 1 レクチンとの反応性 A 2 血球との反応性 () (0) (0) () A 2 不規則抗体の存在

25 亜型の特徴一番多い亜型は Bm 型亜型の約 70% を占める次いで多い亜型は ABm 型 cisab 型は徳島県に多い次いで石川県香川県 A X 型 A X B 型の他は少数派 Bombay 等

26 血液型判定に重要な要素臨床診断名 ( 感染症肝疾患等 ) 輸血歴投薬歴骨髄移植歴

27 血液型検査結果の報告 A 型 B 型 O 型 AB 型亜型 Bm Ax 判定保留抗原性が減弱骨髄移植後

28 Rh50 糖蛋白質

29 市販抗 D のクロン構成使用クロン A 社 IgM モノクロ IgG ポリクロ B 社 IgM モノクロ IgG モノクロ C 社 IgM モノクロ IgM モノクロ IgG モノクロ D 社モノクロ ( IgM IgG) 和光 IgM モノクロ IgG モノクロ

30 Rh(D) 血液型検査各 1 滴各 1 滴モノクロ抗 D Rhコントロル 3~5% 披検血球よく混和後 3000r.p.m 15 秒間遠心後判定陰性の場合はRh 陰性確認試験を実施分間インキュベト後 15 秒間遠心後判定生理食塩水で披検血球を 3 回洗浄クムス血清生理食塩水各 2 滴検査結果報告陰性血液輸血よく混和後 3000r.p.m 15 秒間遠心後判定

31 直後判定での結果解釈抗 D Rh コントロル生理食塩水判定 0 0 陽性 0 試薬非特異判定保留確認試験へ 4 および 3 以上の凝集が見られないと亜型を疑う自己凝集の解裂 1.50% 自己血球浮遊液を調製 2. 等量の0.2M 2MEを加え分間インキュヘート 3. 血球を生理食塩水で3 回洗浄し 3~5% 血球浮遊液に調製

32 陰性確認試験判定での結果解釈分後の判定結果抗 D Rh コントロル生理食塩水判定 0 0 weak D 疑い 0 試薬非特異クムス試験へクムス試験後の判定結果抗 D Rh コントロル生理食塩水判定 0 0 partial D 疑い DAT 陽性陰性

33 RhD 陰性の背景日本人 0.50% 白人 16.00% 遺伝子背景白人 ~ ほぼ全例が RHD 遺伝子の欠失日本人 ~RHD 遺伝子欠失 55.0% RHD 遺伝子陽性 45.0%

34 Rh 遺伝子座の模式図 ( 日本人 ) RHD 遺伝子 RHCE 遺伝子 Rh 陽性 (D/D) Rh 陽性 (D/d) Rh 陰性 (d/d)

35 Rh 血液型の表現型と頻度 Rh 0 (D) 陽性 Rh 0 (D) 陰性頻度 (%) 頻度 (%) 表現型表現型日本人白人日本人白人 CCDee(R 1 R 1 ) ccdee(rr ) CcDEe(R 1 R 2 ) Ccdee(rr) ccdee(r 2 R 2 ) ccdee(r r ) CcDee(R 1 r) Ccdee(r r) 8.9 ccdee(r 0 R 2 ) CcdEe(r r ) 7.5 CCDEe(R z R 1 ) 0.4 CCdee(r r ) 1.6 CcDEE(R 2 R z ) 0.3 CcdEE(r r y ) 0.4 ccdee(r 0 R 0 ) CCdEe(r r y ) 0.2 CCDEE(R z R z ) 0.1 CCdEE(r y r y ) 0.1

36 血液型検査結果の報告陽性陰性亜型 weak D partial D weak D は Rh 陽性血液製剤 partial D は Rh 陰性血液製剤を推奨するので Rh 陰性確認試験は重要!

37 不規則抗体検査結果の解釈 Normal ( 陰性 ) 原因追求同種抗体異常反応 ( 自己抗体その他 )

38 規則抗体と不規則抗体規則抗体 ABO 血液型のみに存在する抗体不規則抗体 ABO 血液型以外に存在する抗体

39 不規則抗体の発生機序輸血 D() 妊娠 D() TPH D () 経胎盤出血 D () D() の母親に D() の子供を妊娠した場合 D() の母親に抗 D 抗体を産生する

40 不規則抗体検査に重要な因子妊娠歴 ( 中絶流産を含む ) 輸血歴 ( 不明の場合は有と考える ) 骨髄移植歴

41 抗体の特徴規則抗体不規則抗体抗体クラス IgM IgM IgG 反応性生理食塩水法で主に反応クムス法で主に反応反応温度 4~15 37 輸血副作用ほとんど無有

42 不規則抗体の産生される期間一次免疫反応産生期間 : 1 週間 ~ 数ヶ月 ( 最短 72 時間 ) 二次免疫反応産生期間 : 1 日 ~20 日 (24 時間以内の報告もある ) IgG IgM 輸血輸血

43 検体の差で生じる感度差試験管法カラム凝集法補体血清血漿溶血広範囲クムス血清 IgG クムス血清

44 試験管法での輸血検査法血液型検査 ABO Rh 血液型共にモノクロ抗体使用不規則抗体検査交差適合試験 Liss 法 ( ブロメリン法 ) PEG 法どれか一法を選択

45 ゲルカラム法での輸血検査法血液型検査 ABO Rh 血液型共にモノクロ抗体使用不規則抗体検査パパイン2 段法 (IgM 抗体を主 ) Lissクムス法 (IgG 抗体を主 ) 交差適合試験 Liss クムス法

46 低不規則抗体検査方法の感度差試験管法感度 CAT 法試験管法マイクロフレート法ゲルカラム法高

47 保険点数から見た不規則抗体検査不規則抗体検査不規則抗体スクリニング検査間接クムス試験不規則抗体同定検査

48 検査結果から見た不規則抗体検査不規則抗体検査凝集を認めない判定抗体を認めません凝集を認める判定抗体を認めます直接クムス試験陰性陽性間接クムス試験陰性陽性

49 赤血球の凝集通常赤血球は一定の電位を持つため一定の距離で反発しあって凝集しない IgM 抗体は血球を凝集できる IgG 抗体は血球を凝集できない一定電位生理食塩水法

50 中間増強剤の反応原理溶液中のイオンを少なくし一定電位を減少させ血球を近づける Liss 法 PEG 法アルブミン法高分子体にイオンがひきつけられ血球が近づく PEG アルフミン PEG については仮説

51 クムス法の原理判定は 1 回のみクームス試薬クムス血清が抗体を架橋して凝集をするクムス血清 :IgG ウサギ免疫モノクロ補体

52 不規則抗体検査 (LissCoombs 法 ) 患者血清 2 滴づつ PEG 低イオン溶液重合アルブミン溶液各血球 1 滴づつ低イオン溶液 2 滴づつ SCⅠ SCⅡ Di a 分間インキュベト生理食塩水で 3~4 回洗浄後クムス血清 2 滴づつ入れ遠心判定陰性試験管にクムスコントロル血球 1 滴づつ入れ遠心凝集確認

53 ブロメリン法の原理フロメリンマイナスイオン持つ蛋白を酵素で分解し一定電位を減少し血球を近づける一部の血液型抗原は破壊されるため検出出来ない抗体がある Fy Xg MN 血液型抗原等失活

54 ブロメリン非特異反応? Rh 系抗原 I P 1 FY MN 系抗原

55 不規則抗体検査 ( ブロメリン 1.5 段法 ) 各血球 1 滴づつブロメリン溶液 1 滴づつ患者血清 2 滴づつ生食 2 滴づつ酵素 1.5 段法 SCⅠ SCⅡ SCⅢ 自己対照生食対照 ( 自己対照陽性時のみ ) 分間インキュベト ( 時間厳守 ) 試験管の底を拭き遠心判定 hara.kunio@wakochem.co.jp

56 酵素 2 段法の有用性初期抗体の検出過去抗体の検出 IgG 副作用防止 IgM 輸血輸血 PEG クムス法

57 IgM および IgG 1 パパイン 2 段法ゲルカラム法 LissCoombs 法 IgM IgM IgM AntiP 1 N Le b IgG PEGCoombcs 法試験管法

58 IgM および IgG 2 パパイン 2 段法ゲルカラム法 LissCoombs 法 IgM IgM Anti Fy b M IgG PEGCoombcs 法試験管法

59 IgM および IgG 3 ゲルカラム法パパイン 2 段法 LissCoombs 法初期抗体 IgM AntiK Lu Kp IgG IgG IgG PEGCoombcs 法試験管法

60 抗 D 免疫クロフリンと初期 D 抗体の鑑別点確認事項抗 D 免疫グロブリン投与の有無 ( 時期 ) 過去の妊娠歴と輸血歴注意点抗 D 免疫グロブリンの証明はブロメリン1 段法が陰性で重合アルフミンクームス法は陰性であること抗 D 免疫グロブリンが陰性化すれば追加免疫が必要になる初期 D 抗体は PEGクームス法ゲルカラム法でパパイン2 段法が陽性であること

61 自己対照の必要性不規則抗体検査時には自己対照は立てない ( 精査検査には立てる ) ゲルカラム法で不規則抗体検査を実施すれば交差適合試験は原則不要自己抗体保有者の選択血は自己抗原性を考慮する必要はない ( 溶血症状があれば考慮しないといけない )

62 直接クムス試験の感度直接クムス試験ゲルカラム法 IgG 分子 60 以上陽性試験管法 IgG 分子 200 以上陽性

63 直接抗グロブリン試験の実際 3~5% 赤血球浮遊液各 1 滴 EDTA 採血生理食塩水で 3~4 回洗浄広範囲クムス血清 1 滴生理食塩水 1 滴遠心後判定

64 直接抗グロブリン試験判定の解釈広範囲クムス血清生理食塩水判定備考 0 0 陰性 0 陽性解離試験判定保留自己凝集の解裂自己凝集の解裂 1.50% 自己血球浮遊液を調製 2. 等量の0.2M2MEを加え分間インキュヘート 3. 血球を生理食塩水で3 回洗浄し 3~5% 血球浮遊液に調製

65 交差適合試験主試験陽性症例主試験自己対照生食対照 DAT() ~ 凝集ゲルカラム法の考え方不規則抗体検査は認めない : 供血者が直接抗グロブリン試験陽性不規則抗体未実施 : 同種抗体の可能性が高い

66 交差適合試験自己対照陽性症例主試験自己対照生食対照 DAT() ゲルカラム法の考え方 ~ 凝集最近 3 ヶ月間に輸血歴が有 : 不規則抗体検査を実施 ( パパイン 2 段法 ) 最近 3 ヶ月間に輸血歴が無 : 同種抗体の可能性は低いので輸血可能

67 広範囲凝集に対する対応の仕方自己対照の陰性化血球のクロロキン処理自己血球の解離 DT 解離試験クムス法での陰性化ブロメリン法での陰性化 2 M E 処理 PEG 吸収試験ブロメリン吸収試験

68 ご意見ご質問がありましたらまでご連絡ください Wako

平成18年度青臨技移植・輸血研究班精度管理

平成18年度青臨技移植・輸血研究班精度管理平成 30 年度青臨技輸血移植検査部門輸血検査精度管理調査 ( 回答選択用 ) 昨年度と回答方法が異なります! 青臨技ホームページにアクセスし Google フォームから回答してください Google フォームで結果を送信すると回答のコピーが指定したアドレスにメールに送信されます受信したメールの回答を編集するを押すと回答の編集が可能です Google フォームでは上付き下付きの表示ができないため