目次略語一覧 臨床に関する概括評価 製品開発の根拠 製品及び予想される追加適応 製品開発の科学的背景 適応疾患の臨床的 / 病態生理学的側面 アンメットメデ

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1 トリアムシノロンアセトニド マキュエイド硝子体内注用 40mg 医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請書 添付資料 CTD 第 2 部 ( 資料概要 ) 2.5 臨床に関する概括評価 わかもと製薬株式会社 1

2 目次略語一覧 臨床に関する概括評価 製品開発の根拠 製品及び予想される追加適応 製品開発の科学的背景 適応疾患の臨床的 / 病態生理学的側面 アンメットメディカルニーズ WP-0508ST 全体の臨床開発計画 試験の概略 本剤の臨床的な位置付け 公表文献の検索及び抽出 生物薬剤学に関する概括評価 臨床薬理に関する概括評価 薬物動態評価 薬物動態のまとめ 有効性の概括評価 糖尿病黄斑浮腫に対する試験 網膜静脈閉塞症に対する試験 非感染性ぶどう膜炎に対する試験 有効性評価のまとめ 安全性の概括評価 本治験に特徴的な有害事象の評価方法 臨床安全性評価成績 有害事象 市販後情報 文献による安全性情報 推奨する用法 用量 有害事象の予防, 軽減, 管理方法 ベネフィットとリスクに関する結論 推奨する使用方法 本剤のベネフィット 本剤のリスク 推奨する使用法とベネフィットとリスクの総括 参考文献

3 略語一覧 用語及び略号 正式名称 ( 英語 ) 正式名称 ( 日本語 ) AAO American Academy of Ophthalmology アメリカアカデミー眼科学会 AGEs Advanced Glycation End products 糖化後期反応生成物 AUC 0-t AUC 0- Area Under Concentration time curve from zero to time t 投与後 t 日までの血漿中濃度 時間曲線下面積 Area Under Concentration time curve from 投与後 日までの血漿中濃度 時 zero to time 間曲線下面積 BRVO Branch Retinal Vein Occlusion 網膜静脈分枝閉塞症 CCL CC Chemokine Ligand CC ケモカインリガンド CDER Center for Drug Evaluation and Research 医薬品評価研究センター C max maximum Concentration 最高血漿中濃度 CRVO Central Retinal Vein Occlusion 網膜中心静脈閉塞症 CSME Clinically Significant Macular Edema 臨床的に明らかな黄斑浮腫 CTD Common Technical Document コモンテクニカルドキュメント EMA European Medicines Agency 欧州医薬品庁 ETDRS Early Treatment Diabetic Retinopathy Study 糖尿病網膜症の早期治療研究 FAG Fluorescein Angiography 蛍光眼底造影検査 注 1) FAS Full Analysis Set 最大の解析対象集団 FDA U.S. Food and Drug Administration アメリカ合衆国食品医薬品局 GCP Good Clinical Practice 医薬品の臨床試験の実施の基準 HbA 1C Hemoglobin A1c グリコヘモグロビン Hemi-RVO Hemi Retinal Vein Occlusion 半側中心網膜静脈閉塞症 HPLC High Performance Liquid Chromatography 高速液体クロマトグラフ ICAM Intercellular Adhesion Molecule 細胞接着因子 IL Interleukin インターロイキン IRMA Intraretinal Microvascular Abnormality 網膜内細小血管異常 LC Liquid Chromatography 液体クロマトグラフ logmar log Minimum Angle of Resolution 対数視力 MedDRA/J Medical Dictionary for Regulatory Activities Terminology ICH 国際医薬用語集日本語版 MCP Monocyte Chemotactic Protein 単球走化性タンパク質 MS Mass Spectrometry 質量分析計 N Number 被験者数 OCT Optical Coherence Tomography 光干渉断層計 3

4 用語及び略号 正式名称 ( 英語 ) 正式名称 ( 日本語 ) PGE 2 Prostaglandin E 2 プロスタグランジン E 2 PMDA Pharmaceuticals and Medical Devices 独立行政法人医薬品医療機器総合 Agency 機構 注 2) PPS Per Protocol Set 治験実施計画に適合した対象集団 PRP Panretinal Laser Photocoagulation 汎網膜光凝固 PT Preferred Term MedDRA における基本語 RIA Radioimmunoassay 放射免疫測定 RVO Retinal Vein Occlusion 網膜静脈閉塞症 SAS Statistical Analysis System 統計分析システム SD Standard Deviation 標準偏差 SOC System Organ Class MedDRA における器官別大分類 T 1/2 Half Life 半減期 TA Triamcinolone Acetonide トリアムシノロンアセトニド Th T-helper cell ヘルパー T 細胞 T max Time to reach maximum concentration 最高血漿中濃度到達時間 TNF-α Tumor Necrosis Factor-α 腫瘍壊死因子 -α UPLC Ultra-Performance Liquid Chromatography 超高速液体クロマトグラフ VEGF Vascular Endothelial Growth Factor 血管内皮細胞増殖因子 WHO World Health Organization 世界保健機関 WP-0508 MaQaid Intravitreal injection 40mg トリアムシノロンアセトニド硝子体内注用 ( マキュエイド 硝子体内注用 40mg) の開発コード番号, 本剤 注 3) WP-0508ST トリアムシノロンアセトニドテノン嚢下注用の開発コード番号, 本剤 注 1) 選択基準を満たし, 除外基準に該当しない症例で, 治験薬の投与, 又は注射筒の先を当て る処置がなされ, 解析対象とするデータが存在するもの 注 2)FAS のうち, 中止基準違反, 併用薬 併用療法違反, 用法用量 投与方法違反のないもの 注 3)WP-0508( マキュエイド 硝子体内注用 40mg) と同じ製剤 4

5 2.5 臨床に関する概括評価 製品開発の根拠 製品及び予想される追加適応 マキュエイド 硝子体内注用 40mg 1) ( 開発コード番号 :WP-0508) は, トリアムシノロンアセトニド (TA) を有効成分とし, わかもと製薬株式会社が市販している添加剤を含有しない眼科手術補助剤, 硝子体内注用副腎皮質ホルモン剤である 2010 年 10 月に 硝子体手術時の硝子体可視化,2012 年 11 月に 糖尿病黄斑浮腫 の効能 効果が承認されている TA はプレドニゾロンの誘導体の 1 つで,9α 位にフッ素,16α 位に水酸基が置換された合成副腎皮質ホルモンであり, 筋肉内注射用, 関節腔内注射用等の製剤として 1961 年頃から抗炎症薬として用いられている 2) 薬理作用として黄斑浮腫や血管新生の原因となる血管内皮増殖因子 (VEGF) の作用を抑制すること 3),4), さらに,VEGF 産生を促進するプロスタグランジン E(PGE 2 2 ) 5),6) や腫瘍壊死因子 -α(tnf-α) 7) の産生を抑制することが知られており, 眼科用剤として, 糖尿病黄斑浮腫, 網膜静脈閉塞症 (RVO), ぶどう膜炎等の治療に使用されている 8) 本剤の投与経路として硝子体内投与が糖尿病黄斑浮腫に対して承認されているが, 臨床現場では, 安全性の観点等から TA 含有製剤のテノン嚢下投与が広く選択され, 適応外使用されている 硝子体内投与, テノン嚢下投与及び他の眼科投与経路を図 に示した 図 硝子体内投与, テノン嚢下投与及び他の眼科投与経路 今回,WP-0508ST[ マキュエイド 硝子体内注用 40mg(WP-0508) と同じ製剤 ] のテノン嚢下投与による糖尿病黄斑浮腫,RVO 及び非感染性ぶどう膜炎患者を対象とした国内臨床試験より, 本剤の有効性が確認され, 忍容性が確認されたことから, テノン嚢下投与で副腎皮質ホルモン剤としての効能 効果を有する 新投与経路医薬品 として製造販売承認事項一部変更承認申請を行うこととした 5

6 本剤の予想される薬効分類, 販売名, 追加効能 効果及び追加用法 用量は以下のとおりとし た 予想される薬効分類眼科手術補助剤 眼科用副腎皮質ホルモン剤予想される販売名マキュエイド 硝子体内注用 40mg 追加が予想される [ テノン嚢下投与 ] 効能 効果下記の疾患に伴う黄斑浮腫の軽減 糖尿病黄斑浮腫 網膜静脈閉塞症 非感染性ぶどう膜炎追加が予想される [ テノン嚢下投与 ] 用法 用量通常 本剤 1 バイアルに 1 ml の生理食塩液又は眼灌流液を注入してトリアムシノロンアセトニド濃度が 40 mg/ml になるように用時懸濁し トリアムシノロンアセトニドとして 20 mg( 懸濁液として 0.5 ml) をテノン嚢下に投与する < 用法 用量に関連する使用上の注意 > [ 硝子体内投与 ] 糖尿病黄斑浮腫 [ テノン嚢下投与 ] 1. 長期投与時の有効性及び安全性は確立していない 長期投与により 白内障のリスクが高くなるおそれがあることから 継続的な長期投与は避けること 再投与は 患者の状態をみながら治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ 3 ヶ月以上の間隔をあけて行うこと 糖尿病黄斑浮腫に対する硝子体内投与の場合は トリアムシノロンアセトニド粒子の消失を細隙灯顕微鏡等で確認した後に再投与すること 2. 臨床試験においては 両眼治療は行われていない 両眼に治療対象となる病変がある場合は 両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること なお 初回治療における両眼同日投与は避け 片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行うこと 6

7 製品開発の科学的背景 開発の背景 黄斑浮腫は, 糖尿病網膜症, 網膜静脈閉塞症, ぶどう膜炎等に合併する視力低下の主要な原因であり, 血液網膜関門が破綻し, 網膜血管の透過性が亢進するなどにより引き起こされる病態である 黄斑浮腫の病態は, 疾患や患者ごとに多様性があり, 一度発症すると根治は難しいと考えられるため, 治療の使い分け, 組合せを患者ごとに検討し, 適切な時期に治療する必要がある 本邦での標準的な治療方法としては, 糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫には, 薬物治療 [ ステロイドの局所投与 ( 硝子体内投与, テノン嚢下投与, 点眼等 ),VEGF 阻害剤硝子体内投与 ], 網膜光凝固, 硝子体手術等 9)-12) が選択されている しかし, 効能 効果が承認された硝子体内注射用剤があるにもかかわらず, 承認されていない投与経路 ( テノン嚢下投与, 点眼等 ) の薬剤が適応外使用されている実態がある ぶどう膜炎には, 薬物治療 [ ステロイドの局所投与 ( 点眼, 結膜下注射, テノン嚢下投与等 ), ステロイドの内服, コルヒチン, シクロスポリン, 抗腫瘍壊死因子 (TNF)-α 抗体製剤等 13)-18) ] が選択されており, 原疾患コントロールの観点から, 眼科以外の薬物治療も承認されている 眼科治療においては, ステロイド治療 ( 適応外使用含む ) が主体となっている TA 含有製剤の眼科使用については,2001 年に Jonas ら 19) が初めて糖尿病黄斑浮腫患者の硝子体内に TA を投与し, 浮腫が軽減することを報告しており,2004 年には Ohguro ら 20) が硝子体切除に無効であった糖尿病黄斑浮腫患者に TA をテノン嚢下投与し, 中心窩網膜厚及び視力改善を確認したと報告している 以来, 眼科領域では, 骨粗鬆症, 糖尿病, 肥満, 高血圧等の全身副作用を避ける目的も含め, 硝子体内投与やテノン嚢下投与が多く選択され, 他の疾患も含め適応外使用されてきた 8) TA のテノン嚢下投与は, 硝子体内投与に比して効果がやや減弱することが示唆されている 21) が,20 mg 及び 40 mg 投与後の有効性や持続性が報告されており 22),23), 他の治療 ( 光凝固, 硝子体手術,VEGF 阻害剤等 ) との併用や組合せ治療に適していると考えられる 有害事象についても多くの臨床報告があり, 眼圧上昇, 白内障, 眼瞼下垂等, 有害事象の種類, 発生頻度, コントロール方法等, 実態が把握されてきている 8),24),25) TA テノン嚢下投与は, 硝子体内投与に比して, 眼圧上昇, 白内障進展, 眼内炎等のリスクが少ないことから, 適応外であるがより広く臨床使用されている 8) 以上, 適応外使用是正の観点からテノン嚢下投与での開発に意義があると考えられた また, 本剤のテノン嚢下投与は網膜疾患治療剤として汎用性が高いと考えられ, 糖尿病黄斑浮腫, 網膜静脈閉塞症及び非感染性ぶどう膜炎の治療においても重要な選択肢の 1 つになると考えられた 7

8

9 適応疾患の臨床的 / 病態生理学的側面 黄斑浮腫の臨床的 / 病態生理学的側面 27),28) 網膜浮腫は網膜血管の循環障害, 網膜血管炎などの炎症性疾患で網膜血管の透過性が亢進し, 網膜内の細胞外組織液が貯留した状態をいう 特に, 黄斑部では,Henle 線維が長く, 大きな空間が得られるので, 浮腫が起こりやすい Müller 細胞の突起が他の網膜部分より少ないこと, 網膜血管が少なく液体の吸収が悪いことも関与している 黄斑部に浮腫を伴う場合は視力低下を合併することが多いため, 臨床的に重要であるとされている 病態としては, 網膜血管の内皮細胞及び網膜色素上皮では tight junction による細胞間結合によりバリアを形成している ( 図 ) が, 循環障害, 糖尿病に伴う代謝異常, 高血圧, 炎症性疾患など種々の原因によりバリアが傷害されることによって, 網膜内に浮腫を生じ, 血漿蛋白や脂質の沈着を起こすと考えられている a) 網膜の縦横基本構造 b) 網膜の血管構造と黄斑部の特殊構造 図 網膜の構造 蛍光眼底造影検査 (FAG) が血管透過性, 毛細血管瘤の検出には有用である また, 近年, 光干渉断層計 (OCT) の進歩により, 黄斑部浮腫の病態を鮮明に描出することができるようになってきており, 嚢胞様, 漿液性網膜剥離を伴うものなど浮腫の形態や, プログラム解析によって網膜浮腫の程度を非侵襲的かつ定量的に評価することが可能になった 血液網膜関門の破綻によって黄斑浮腫を起こす代表的な疾患は, 糖尿病網膜症, 網膜静脈閉塞症 (RVO)[ 網膜中心静脈閉塞症 (CRVO), 網膜静脈分枝閉塞症 (BRVO)], 加齢黄斑変性, 傍中心窩毛細血管拡張症などの網脈絡膜疾患やぶどう膜炎がある 硝子体の関与, 主に硝子体の牽引による黄斑浮腫を起こす疾患は, 黄斑前膜, 黄斑硝子体牽引症候群, 網膜剥離術後などがある その他, 外因性要因より黄斑浮腫をきたすものとして, エピネフリンやラタノプロスト点眼, 白内障術後の黄斑浮腫 (Irvine-Gass 症候群 ), 外傷性低眼圧黄斑症, 放射線網膜症などがある 28) 9

10 糖尿病黄斑浮腫 糖尿病黄斑浮腫に関連する疾患の臨床的 / 病態生理学的側面を以下に要約した 糖尿病黄斑浮腫 とは, 糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫である 1. 糖尿病網膜症の臨床的 / 病態生理学的側面 30) 糖尿病網膜症とは, 糖尿病により血管壁障害や循環障害が引き起こされ, 重症化すると網膜や硝子体において 3 次元的に多彩な病変を呈し, 高度の視覚障害を惹起する疾患である ただし, 重症化する前に適切な治療を施すことで進行を食い止め, 視機能障害を予防することが可能な疾患でもある 厚生労働省の平成 24 年国民健康栄養調査報告 31) によると, 本邦には推定 950 万人 ( 成人男性の 15.2%, 女性の8.7%) の糖尿病患者がおり, 糖尿病患者のうち15~38% 32),33) に網膜症が認められるため, 糖尿病網膜症患者数は約 150~330 万人と推計される 年間約 3,000 人が失明しており, 網膜症は中途失明原因の上位を占めている 34) 高血糖による代表的な糖代謝異常には, ポリオール代謝経路の活性亢進, 蛋白質への非酵素的糖化反応に基づく糖化後期反応生成物 (AGEs) の蓄積, プロテインキナーゼ C 活性化, 活性酸素や過酸化脂質の産生増加が挙げられる これらの糖代謝異常は相互にネットワークを形成し, 網膜の血管壁細胞に直接的に, 又はサイトカインの発現亢進や, ネットワーク形成を介して間接的に作用して糖尿病網膜症の発症 伸展に関与している 35) 眼底所見における基本病態は, 網膜血管の透過性亢進, 網膜血管の内腔閉塞, 血管新生の 3 つに要約され, これら 3 つの基本病態には VEGF を中心とした様々なサイトカインの関与が報告されている 35) 糖尿病網膜症のリスク背景因子としては, 高血糖, 高血圧, 脂質異常症, 肥満, 糖尿病罹患期間, 妊娠が挙げられる 36) 日本で行われた久山町研究においては, 糖尿病罹患期間,HbA 1c の関連が大きかったと報告されている 32) 糖尿病網膜症の重症度分類として米国眼科学会 (AAO) 分類 37) を表 に示した 10

11 重症度 軽症非増殖糖尿病網膜症 表 AAO 糖尿病網膜症重症度新分類 毛細血管瘤のみ認める 37) 散瞳下眼底検査所見 中等症非増殖糖尿病網膜症毛細血管瘤以外の所見も認めるが, 重症非増殖糖尿病網膜症より軽い重症非増殖糖尿病網膜症以下の所見のいずれかを認め, かつ増殖性網膜症の所見を認めないもの 4 象限すべてで 20 個以上の網膜出血 2 象限以上で明らかな静脈の数珠状拡張 1 象限以上で顕著な網膜内細小血管異常 (IRMA) 増殖糖尿病網膜症以下の所見のいずれかを認めるもの 新生血管 硝子体出血 網膜前出血 2. 糖尿病黄斑浮腫の病態と治療 1) 病態 27),29),38) 糖尿病黄斑浮腫とは, 糖尿病網膜症を基礎疾患として黄斑部に生じる組織浮腫のことである 黄斑部は網膜の中でも神経が密集し, 視力に直接影響する部位であるため, 黄斑部での浮腫は直接視力低下に結びつく 糖尿病網膜症の約 20~30% に糖尿病黄斑症を合併していると報告されており, 現在の日本での糖尿病黄斑症患者数は約 30~70 万人と推測される 糖尿病網膜症重症度との関連では, 軽度の非増殖糖尿病網膜症の 3%, 中等度から重度の非増殖糖尿病網膜症の 38%, 増殖糖尿病網膜症の 71% に合併しているといわれる 39) 糖尿病黄斑症の中で90% 以上を占めるのが糖尿病黄斑浮腫である 糖尿病黄斑浮腫は糖尿病網膜症の進行に並行して重症化することが多いが, 軽症 ~ 中等症非増殖性網膜症でも発症することがあり注意が必要である 糖尿病では網膜血管透過性の亢進により後部硝子体に構造的な変化が生じ, 後部硝子体膜の肥厚と収縮を起こすと考えられている 肥厚 収縮した後部硝子体膜は, 網膜の前後 接線方向の牽引を生じ, 黄斑浮腫を助長させる さらに, 網膜の前に硝子体ゲルが存在することで, 網膜内の液性成分の拡散が妨げられることや, 肥厚した後部硝子体膜や硝子体のゲル内にサイトカインなどの透過性因子が貯留すること, 硝子体内にある細胞が透過性因子を産生することなどが黄斑浮腫の悪化因子として考えられている 糖尿病黄斑浮腫患者では, 非糖尿病患者及び網膜症を伴わない糖尿病患者よりも, 硝子体液中の VEGF, 細胞接着分子 (ICAM)-1, インターロイキン (IL)-6, 単球走化性タンパク質 (MCP)-1 濃度が有意に高く, 重度の糖尿病黄斑浮腫患者では, 重篤でない糖尿病黄斑浮腫患者に比べて有意に高値を示すことが確認されている 40) 糖尿病黄斑浮腫のリスク背景因子としては, 糖尿病網膜症と同様に高血糖, 高血圧, 脂質異常症, 肥満, 糖尿病罹患期間, 妊娠が挙げられる 36) 臨床的には, 黄斑の一部に限局した浮腫が生じる局所性黄斑浮腫 ( 図 a) と, 黄斑部の増殖膜や硝子体の収縮, 血管透過性の亢進などによりびまん性の浮腫が生じるびまん性黄斑浮腫 11

12 2.5 臨床に関する概括評価 マキュエイド硝子体内注用 図 b とに分けられる 診断には糖尿病の罹患を確認し 加えて眼底検査を行う 図 a 局所性黄斑浮腫の眼底写真 27) b びまん性黄斑浮腫の眼底写真 27) 糖尿病黄斑浮腫の FAG の特徴は蛍光漏出が黄斑部に認められることであり 大きく分けて以下 の 3 パターンになる 表 FAG は循環状態を把握するのに重要である 表 分類 局所漏出 FAGによる糖尿病黄斑浮腫の特徴 29),41) FAG 画像 特徴 網膜血管の局所から血漿成分が漏出した状態 であり 網膜毛細管瘤の存在を示唆するもの と考えられる びまん性漏 網膜血管内皮のバリア破綻による網膜血管の 出 透過性亢進 あるいは炎症に伴う網膜組織へ の水分貯留を示唆するものと考えられてい る 花弁状漏出 花弁状漏出は黄斑部中心窩における外網状層 中心窩 での水分貯留であり Müller 細胞をはじめとす る網膜細胞の浮腫を 蜂巣状漏出は傍中心窩 蜂巣状漏出 の内網状層 いわゆる Henle 線維層での水分 傍中心窩 貯留を反映しているとされる ともに境界明 瞭な貯留パターンを示すことから 細胞ある いは組織間隙での水分停滞と考えられてい る 血管透過性の亢進というよりは組織での 水分貯留を主体とする病態と考えられる 12 花弁状漏出 蜂巣状漏出

13 2.5 臨床に関する概括評価 マキュエイド硝子体内注用 糖尿病黄斑浮腫の OCT 所見については Otani ら 42),43)が以下の 3 つのパターンに分類することを 提唱している 表 OCT は形態異常を把握するのに重要である 44) 表 OCTによる糖尿病黄斑浮腫の特徴 29),42),43) OCT 画像 分類 特徴 スポンジ状浮腫 黄斑浮腫の中でも最も頻繁に認められる形態であり 糖尿 網膜膨化 病黄斑浮腫では 60 90%の症例に認められる 傍中心窩か ら周中心窩にかけ 内網状層には小さな 外網状層には比 較的大きな嚢胞様間隙が認められるため 網膜血管のバリ ア破綻から組織間隙への水分貯留の移行段階と考えられ る 嚢胞様浮腫 Müller 細胞に代表される網膜内の細胞が極度に腫脹 ある いは網膜全層に著しく水分貯留が起きている病態と考え られる 網膜血管の透過性の亢進が病変の主体とは考えに くく スポンジ状浮腫を伴えば遷延化した病態が伴わなけ れば急激に水分貯留が引き起こされる病態が考えられる 漿液性網膜剥離 網膜色素上皮細胞のバリア機能の破綻による脈絡膜側か らの水分漏出も考えられるが 糖尿病黄斑浮腫では 細胞 間隙の水分が網膜色素上皮細胞のポンプ機能によって吸 収される過程で機能不全を起こしたものと考えられる 多 くはスポンジ状浮腫 嚢胞様浮腫を伴っている 糖尿病黄 斑浮腫の 15%に合併している 2 治療方法 29),38),45) 糖尿病黄斑浮腫は 直接視力低下に結びつくためその治療は非常に重要であるが 現時点でも 決定的な治療方法はない 糖尿病黄斑浮腫は様々な病態が複雑に絡んでいる可能性があるため 個々の病態について FAG や OCT 所見を組み合わせて適切に把握することが重要である 糖尿病網膜症発症以前や初期糖尿病網膜症では内科的な血糖 血圧コントロールが重要である が 糖尿病黄斑浮腫発症後の治療としては 薬物療法 網膜光凝固 硝子体手術が主に選択され 組合せ治療が実施されている 1 薬物治療 現在 糖尿病黄斑浮腫治療に臨床使用されている眼科用製剤を表 に示した 硝子体内投 与においては 糖尿病黄斑浮腫の効能が承認されているマキュエイド 硝子体内注用 40mg 1) ル センティス 硝子体内注射液 46) アイリーア 硝子体内注射液 47)の他に 眼科適応が承認されてい ないケナコルト-A 筋注用関節腔内用 2) アバスチン 点滴静注用 48)が使用されている テノン嚢 下投与においては 副腎皮質ホルモン剤 TA が 点眼においては 副腎皮質ホルモン 非ステ ロイド点眼液等が適応外使用されている TA VEGF 阻害剤については 投与後早期 1 週間以 内 に効果を発揮し 1 数ヶ月間隔での継続投与が必要とされる 持続性は薬剤によって異なり 維持期においては再発が認められた場合に再投与する 13

14 治療薬の種類 硝子体内投与 副腎皮質ホルモン剤 (TA) 表 糖尿病黄斑浮腫治療に臨床使用されている眼科用製剤 販売名 マキュエイド 硝子体内注用 40mg 1) ケナコルト-A 2) 筋注用関節腔内用 VEGF 阻害剤ルセンティス 硝子体内注射液アイリーア 47) 硝子体内注射液アバスチン 48) 点滴静注用テノン嚢下投与副腎皮質ホルモン剤マキュエイド 硝子体内注用 40mg 1) (TA) ケナコルト-A 2) 筋注用関節腔内用点眼 46) 投与経路 注 1) 効能効果 注 1) 承認状況 用法 用量注 2) 3 ヶ月以降再投与 - 3) 1 ヶ月毎注 4) 1~2 ヶ月毎注 - 副腎皮質ホルモン剤, 非ステロイド剤 - 注 1) 本申請における適応 注 2) 効能 効果が承認されているもののみ記載 注 3)1 ヶ月に 1 回視力等を測定し, その結果及び患者の状態を考慮し, 本剤投与の要否を判断するこ と 投与開始後, 視力が安定するまでは 1 ヶ月毎に投与することが望ましい 注 4)1 ヶ月毎に 1 回, 連続 5 回硝子体内投与する その後は, 通常,2 ヶ月毎に 1 回, 硝子体内投与 する なお, 症状により投与間隔を適宜調節するが,1 ヶ月以上あけること 49),50) (2) 網膜光凝固 汎網膜光凝固 (PRP) 及び局所光凝固の治療適応, 治療効果及び合併症について表 に示 した 治療効果, 発現時期及び合併症を考慮して,TA テノン嚢下投与等との組合せ治療が選択さ れている 51),52) 表 汎網膜光凝固と局所光凝固の治療適応, 治療効果及び合併症 光凝固種類 ( 推奨併用処置 ) 主な適応疾患 治療効果, 合併症 汎網膜光凝固 増殖糖尿病 網膜症 局所光凝固 (TA テノン嚢下投与 ) 汎網膜光凝固局所光凝固 (TA,VEGF 阻害剤 ) 糖尿病黄斑浮腫 CSME 注 ) - - 黄斑浮腫を認める症例に対して視力悪化を有意に抑制したが, 軽症, 中等度の非増殖網膜症では PRP による視野狭窄等の合併症の頻度が視力悪化抑制より上回っており推奨されないとの報告がある 53) 処置合併症として中心窩誤照射, 炎症, 黄斑浮腫, 硝子体出血, 視野欠損が挙げられる 黄斑浮腫に対して, 局所光凝固を行わない場合, 約 30% に中等度の視力低下が起こるが, 局所光凝固によりこのリスクを 15% まで低下させると報告されている 54) a) 直接凝固 局所性浮腫 毛細血管瘤や透過性が亢進した異常血管を直接光凝固する 中心窩誤照射に注意する b) 格子状凝固 びまん性浮腫 毛細血管瘤が原因ではないびまん性浮腫がよい適応であり, 浮腫のある部位を凝固する 中心窩誤照射に注意するとともに, 不要な凝固は視野欠損や視力低下の原因となるので行ってはならない 注 )CSME(clinically significant macular edema): I 黄斑中央 500 μm 以内に黄斑浮腫が存在,II 黄斑中央 500 μm 以 内に硬性白斑が存在,III 黄斑中央 1 乳頭径以内に 1 乳頭径以上の網膜肥厚が存在するもの 55) 14

15 (3) 硝子体手術 55)-58) 硝子体手術適応となる疾患, 所見, 治療効果及び合併症について表 に示した 侵襲的治療法であり, 近年は侵襲が小さい治療法 ( 薬物療法, 光凝固 ) が優先される結果, 施行機会が減少しているが, 本邦においては欧米と比較して選択されることが多い また, 効果発現までに半年から 1 年を要することが多いことから, 薬物治療の併用が推奨されている 硝子体手術施行後は, 眼内における薬剤のクリアランスが亢進し 56),59), 治療効果の持続期間が短くなることから,TA テノン嚢下投与による治療が推奨されている 表 硝子体手術の治療適応疾患, 所見, 治療効果及び合併症 適応疾患 ( 推奨併用処置 ) 所見 治療効果, 合併症 増殖糖尿病網膜症 ( 汎網膜光凝固, TA,VEGF 阻害剤 ) 硝子体出血, 網膜剥離, 線維血管増殖, 血管新生緑内障 主に増殖性変化の除去と進行抑制を目的として施行される 後部硝子体剥離が起こっておらず, 血管新生が多発している場合は, 難易度が非常に高くなる 術中合併症として新生血管からの出血, 医原性網膜裂孔形成, 術後合併症として硝子体出血, 再増殖, 眼圧上昇等が挙げられる びまん性黄斑浮腫 ( 光凝固,TA テノン嚢下投与 ) 牽引性黄斑浮腫, 後部硝子体膜肥厚 ( 光凝固や薬物療法の無効 再発例 ) 硝子体手術により浮腫は改善するが, 視力改善効果は乏しい 60) 浮腫改善までに半年 ~1 年を要することから, その間に視細胞の不可逆的な障害が進行してしまうことが理由の一つと考えられる 術後糖尿病黄斑浮腫残存例は 0~30% である 術中合併症として医原性網膜裂孔形成, 術後合併症として浮腫の再発, 眼圧上昇等が挙げられる 15

16 網膜静脈閉塞症 10),61) 1. 網膜静脈閉塞症の臨床的 / 病態生理学的側面 網膜静脈閉塞症は, 種々の原因によって網膜静脈内に血栓が形成され, 網膜静脈の閉塞により, 血流のうっ滞を生じ, それに伴って網膜浮腫, 網膜出血, 網膜虚血を引き起こし, これらが黄斑 に及ぶと急性に視力低下を引き起こす疾患である 網膜静脈閉塞症は糖尿病網膜症に次いで多い 網膜血管疾患であり, 片眼失明原因の 5 番目に挙げられている 62) 本邦における網膜静脈閉塞症 の有病率は久山町研究により 2.1% と報告されており, 欧米諸国や他のアジアの国よりも高いこと が知られている 63) 病期は大きく, 切迫期, 急性期, 慢性期 に分けられる 3 ヶ月以上経 過して 慢性期 に入り, 黄斑にかかる嚢胞用浮腫, 硬性白斑, 黄斑変性が長期化すると回復は 困難になることから, 慢性期 に至る前の治療が肝要と考えられる 網膜静脈閉塞症は, 視神経内の篩状板付近の動静脈の静脈閉塞による CRVO と, 網膜動静脈交 叉部で網膜静脈の分枝部に閉塞が起こる BRVO に大別される BRVO 及び CRVO 別の有病率は, 久山町研究ではそれぞれ 2.0% 及び 0.2% と報告されている 63) 網膜静脈閉塞症に占める BRVO と CRVO の比率は,BRVO の割合で 34%~86% と報告により差がみられる 網膜中心静脈は櫛状版 部で先天的に二本に分かれている場合があり, そのうちの 1 本が閉塞した場合には半側網膜静脈 閉塞症 (Hemi-RVO) となる BRVO,Hemi-RVO 及び CRVO の分類は, 眼底検査及び蛍光眼底造 影検査による眼底出血又は静脈閉塞を認める象限数で判別される SCORE study による分類を表 に示した 64) SCORE study では Hemi-RVO は BRVO の subtype としている 一方,Hemi-RVO は半側中心網膜静脈閉塞症 (Hemi-CRVO) にも分類されている 出血の範囲が少しでも 2 象限に かかれば Hemi-CRVO とするか, 完全に 2 象限に及んでいる場合とするかで頻度が変わるといわ れており, 有病率は RVO 全体の 5% 前後であるが,13~14% とする報告もある 62),65) BRVO との 相違点として,CRVO では血管新生緑内障を生じることに伴う完全失明の危険性があるため注意 が必要である BRVO Hemi-RVO (BRVO subtype) CRVO 表 網膜静脈閉塞症の分類 網膜出血又は顕微鏡下で観察される網膜静脈閉塞を 1 象限以下に認める網膜出血又は顕微鏡下で観察される網膜静脈閉塞を 1 象限を超え,4 象限未満に認める 網膜出血又は顕微鏡下で観察される網膜静脈閉塞を 4 象限すべてに認める 64) 網膜静脈閉塞症は静脈閉塞により網膜虚血の状態となる CRVO では虚血の程度によって虚血型と非虚血型に分類されている 蛍光眼底造影検査で 10 乳頭面積以上の無灌流領域を認める場合は虚血型,10 乳頭面積未満の場合は非虚血型と分類される 66) 発症初期の 2/3 が非虚血型,1/3 が虚血型であり, 虚血型は非虚血型に比して予後不良である 非虚血型では最終視力が 0.7 以上の症例が全体の 57% であったが, 虚血型では全体の 87% の症例が 0.05 以下であったと報告されている また, 全 CRVO の中で, 虹彩ルベオーシスの頻度は 20% であるが, 虚血型では 45~80% に 16

17 2.5 臨床に関する概括評価 マキュエイド硝子体内注用 起こり 未治療ではその 3 分の 2 に新生血管緑内障が発症すると報告されている そのため 米 国のガイドラインでは新生血管を認めた後に光凝固が勧められるのに対し 本邦では新生血管の 予防を念頭に虚血の程度が強ければその時点で汎網膜光凝固が施行される 網膜静脈閉塞症のリスク背景因子としては 高血圧 糖尿病 高脂血症 心血管病変 脳卒中 睡眠時無呼吸症候群 腎疾患が挙げられ 本邦における久山町研究では高血圧が最も重要な危険 因子と報告されている 63) 2. 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の病態と治療 11),12),67) 静脈内の血栓により血流障害が起き 血管内液から網膜内に血液成分の滲出をきたすことによ って 浮腫 蛋白漏出や虚血が引き起こされる これらの変化によって VEGF などの炎症性サイ トカインの産生が亢進され 黄斑浮腫を促進させると考えられている VEGF の過剰な発現は血 管拡張や網膜血管柵の破綻をきたす RVO に伴う黄斑浮腫患者において 硝子体内の VEGF IL-6 濃度が上昇し その濃度は黄斑浮腫の重篤度と有意な相関を示すことが報告されている 68),69) そ の他の病態に関与する炎症性サイトカインとして IL-8 MCP-1 の増加が報告されている CRVO では著明な黄斑浮腫を伴うことが多く BRVO においても急性期では 96%に嚢胞様黄斑浮腫が認 められたとの報告がある 70) 遷延する黄斑浮腫が視力予後の最も重要な因子と考えられており 急性期には黄斑浮腫による視力低下の回復が治療の対象とされる 加えて 慢性期や虚血状態に よって新生血管に対する治療が行われる RVO の診断 治療方針 治療効果の判定のため 眼底検査 FAG OCT 検査が行われる FAG 検査は網膜の虚血状態を評価することが重要である BRVO の典型的な所見は 静脈閉塞部位よ り神経線維層に沿って扇状に広がる火焔状の出血を呈し 出血部位に一致して網膜静脈からの血 管透過性の亢進や無潅流領域が認められることである 図 CRVO と同様に嚢胞様黄斑 浮腫や漿液性網膜剥離を認めることが多い 図 網膜静脈閉塞部 図 BRVOの眼底画像 左 及びFAG画像 右 67) 17

18 2.5 臨床に関する概括評価 マキュエイド硝子体内注用 図 BRVOのOCT画像 72) CRVO の典型的な所見は 視神経乳頭から放射状に広がる火焔状出血を呈し FAG 検査による 網膜内循環時間に遷延が認められることである 図 嚢胞様黄斑浮腫を伴うことが多く 漿液性網膜剥離 網膜外層の膨化を伴うこともある 図 図 CRVOの眼底画像 左 及びFAG画像 右 67) 図 CRVOのOCT画像 72) 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対する治療としては 眼局所に対する薬物治療 網膜光凝固 硝子体手術が主に選択される その他 有効性は証明されていないまま RVO に対して抗血小板 薬 抗凝固薬治療が行われていたが 近年 これらの治療は視力予後を悪化させると報告されて いる 虚血型の CRVO に対しては ルベオーシス発生後の緑内障進展を汎網膜光凝固が有意に抑 えると大規模臨床試験により報告されており 本邦では予防的な光凝固の施行が行われている 18

19 1) 治療方法 (1) 薬物治療 現在, 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫治療に臨床使用されている眼科用製剤を表 に示し た 硝子体内投与において, ルセンティス 硝子体内注射液 46) 及びアイリーア 47) 硝子体内注射液 は網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の効能が承認されている 他に, 網膜静脈閉塞症では適応が承 認されていないマキュエイド 硝子体内注用 40mg 1), 眼科適応が承認されていないケナコルト -A 筋注用関節腔内用 2), アバスチン 点滴静注用 48) が使用されている 他の投与経路において, 承認 されている薬剤はないが, 副腎皮質ホルモン剤 (TA) のテノン嚢下注射用剤, 副腎皮質ホルモン 点眼剤, 非ステロイド点眼剤等が使用されている 抗 VEGF 療法は頻回の投与による患者, 医療 者側への負担軽減のため, 副腎皮質ホルモン剤などの併用療法の有効性検討の必要性が言及され ている 表 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫治療に臨床使用されている眼科用製剤 治療薬の種類 硝子体内投与 販売名 VEGF 阻害剤ルセンティス 硝子体内注射液アイリーア 47) 硝子体内注射液 副腎皮質ホルモン剤 (TA) テノン嚢下投与副腎皮質ホルモン剤 (TA) 点眼 48) 46) アバスチン 点滴静注用マキュエイド 硝子体内注用 40mg 1) ケナコルト-A 2) 筋注用関節腔内用 マキュエイド 硝子体内注用 40mg 1) ケナコルト-A 2) 筋注用関節腔内用 投与経路 注 1) 効能効果 注 1) 承認状況 用法 用量注 2) 3) 1 ヶ月毎注 4) 1~2 ヶ月毎注 副腎皮質ホルモン剤, 非ステロイド剤 - 注 1) 本申請における適応注 2) 効能 効果が承認されているもののみ記載 注 3)1 ヶ月に 1 回視力等を測定し, その結果及び患者の状態を考慮し, 本剤投与の要否を判断するこ と 投与開始後, 視力が安定するまでは 1 ヶ月毎に投与することが望ましい 注 4) 視力等の測定は 1 ヶ月に 1 回を目安に行い, その結果及び患者の状態を考慮し, 本剤の要否に ついて慎重に判断すること 投与開始後, 視力が安定するまでは,1 ヶ月に 1 回投与することが 望ましい - - (2) 網膜光凝固 BRVO では,FAG による無灌流領域が 5 乳頭径を超える場合に無灌流領域に対する格子状光凝固が網膜新生血管及び硝子体出血の発生を有意に抑えることが示され 73), 発症 6 ヶ月以降が推奨されている しかし, 視野を傷害し暗点を生じることが問題点として挙げられている 19

20 CRVO では, 虚血型において, 新生血管に対する汎網膜光凝固が薦められている 74) 黄斑浮腫に対する汎網膜光凝固は, 浮腫軽減の効果はあるが視力改善は得られないことが無作為前向き試験で示されている 75) 一方で, 浮腫遷延例に対しては毛細血管瘤など漏出点が明らかなものに対しては局所光凝固が行われることもある (3) 硝子体手術エビデンスのレベルは低いが,BRVO に対して交叉部血管外膜切開術 76),CRVO に対して放射状視神経乳頭切開術が行われている 77) ぶどう膜炎 1. ぶどう膜炎の臨床的 / 病態生理学的側面ぶどう膜炎は眼球の前部, 中間部, 後部において血管 眼関門が破綻することで起こる炎症性疾患である ぶどう膜は眼球内の虹彩や毛様体, 脈絡膜の総称であり, 占有体積はわずかであるが豊富な量の血液が流れている このコンパクトかつ血管密度の高い構造から, 膠原病や自己免疫疾患, 感染症等様々な要因でぶどう膜を介して眼内炎症が惹起される 世界各国の統計をまとめた報告によると, ぶどう膜炎の年間新規発症患者数は 10 万人当たり 17~52 人, 有病率は 10 万人当たり 38~714 人である おおむね男女差はないが, 年齢層別では 20 歳 ~59 歳に多いことが報告されている また, ぶどう膜炎患者の約 35% が重度の視覚障害あるいは社会的失明となっている 78) ぶどう膜炎は細菌や真菌, ウイルスが原因である感染性ぶどう膜炎と, 感染以外が原因である非感染性ぶどう膜炎に分類される 非感染性ぶどう膜炎は, 色素細胞に反応して炎症を起こす自己免疫反応や, 全身性の疾患の影響により合併症として誘発されるなど, 根本的原因の解明は困難とされている 非感染性ぶどう膜炎は, 肉芽腫性 ( 図 a) と非肉芽腫性 ( 図 b) に分類される 79),80) 肉芽腫性ぶどう膜炎は, マクロファージやリンパ球が血管に浸潤することで炎症を呈し, 雪玉状硝子体混濁や結節性血管炎を引き起こす 一方, 非肉芽腫性ぶどう膜炎は, 好中球が貪食を行い浸潤することで炎症を呈し, びまん性の硝子体混濁や血管炎を引き起こすことが報告されている 81),82) ぶどう膜炎の眼底所見は1 脈絡膜炎,2 網脈絡膜炎,3 血管壁や血管周囲に炎症細胞が浸潤する網膜血管炎 81),83),4 網膜視神経炎 84),85) に要約され, どの疾患においても自己免疫や炎症性物質の産生が関与することが報告されている ( 図 ) 20

21 2.5 臨床に関する概括評価 マキュエイド硝子体内注用 図 a 肉芽腫性ぶどう膜炎眼底所見 80) 図 b 非肉芽腫性ぶどう膜炎眼底所見 80) それぞれの眼底所見の写真 86)-89) 2. ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫の病態と治療 1 病態 ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫は ぶどう膜炎を基礎疾患として黄斑部に生じる組織浮腫のことで ある 黄斑部は網膜の中でも神経が密集し 視力に直接影響する部位であるため 黄斑部での浮 腫は直接視力低下につながる 本邦では 非感染性ぶどう膜炎に起因する疾患としてサルコイドーシスや Vogt-小柳-原田病 ベーチェット病が代表的であり 非感染性ぶどう膜炎での三大ぶどう膜炎 90)といわれている ぶ どう膜炎を診察している主な大学病院 36 施設の 2009 年度の臨床統計をまとめた報告 91)によると 非感染性ぶどう膜炎が 75% 感染性ぶどう膜炎が 25%であった また 非感染性ぶどう膜炎の原 21

22 因疾患として, サルコイドーシスが 10.6%,Vogt- 小柳 - 原田病が 7.0%, ベーチェット病が 3.9% を 占めている ( 表 ) ベーチェット病においては, 発症した患者のうち約 34% がびまん性黄 斑浮腫, 約 45% が嚢胞様黄斑浮腫を合併することが報告されている 表 日本でのぶどう膜炎の診察例数上位 7 位 症例 症例数 (%) サルコイドーシス 407(10.6) Vogt- 小柳 - 原田病 267(7.0) 急性前部ぶどう膜炎 250(6.5) 強膜炎 235(6.1) ヘルペス性虹彩炎 159(4.2) ベーチェット病 149(3.9) 細菌性眼内炎 95(2.5) 91) ぶどう膜炎が遷延すると黄斑部に浮腫を生じる 炎症病巣におけるサイトカイン等の炎症性物質産生細胞の浸潤及び壊死に陥った組織, 浸出液等が眼底において貯留し滲出斑となる 特に黄斑部は滲出斑が生じやすく, 大部分は中心窩周囲の内顆粒層と外網状層に滲出液が溜まり神経線維層にまで突出した嚢胞様黄斑浮腫となることが多い また, 中間部ぶどう膜炎患者から採取したサイトカインから, 血清中では TNF-α が, 房水中においては IL-1β,IL-6,IL-8,IL-10,IL-12, 及び CCL/MCP-1 の濃度が有意に上昇する結果が報告されている 92) 日本人に代表的なぶどう膜炎であるサルコイドーシス,Vogt- 小柳 - 原田病, ベーチェット病の病態形成には Th1 サイトカインと Th17 サイトカインが重要な役割を果たすことが数多く報告されることから 93), 人種による大きな違いはないと考えられる 2) 治療方法ぶどう膜炎は種類や重症度によって治療法や治療の期間が異なる 局所療法として, 炎症により虹彩が水晶体に癒着することで瞳が不整円となる虹彩後癒着を予防する散瞳薬点眼が処方される 眼球の炎症が強い場合は, 眼周囲の組織に注射する場合もある 眼の局所治療だけでは改善がみられない場合や, 眼の奥に強い炎症がみられる場合は, 副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬の全身投与が行われる 副腎皮質ステロイド療法は症状の改善に伴い徐々に量を減らす一方, 自覚症状に改善がみられた場合に自己判断による薬剤の急激な減量や中止は炎症を再燃させるばかりではなく, 死に至るショック症状を引き起こす危険性があり, 注意が必要である ぶどう膜炎の原因が細菌等の病原微生物の場合, その病原微生物に有効な薬が使用される しかし, ぶどう膜炎の多くは, 原因疾患が判明しても根治が困難である そのため, 治療の目的は炎症の抑制及び視力障害につながる合併症の予防である 22

23 (1) 薬物治療 1) ぶどう膜炎現在, ぶどう膜炎の薬物治療としてステロイドの局所投与及び内服, コルヒチン, シクロスポリン, 抗 TNF-α 抗体製剤等が広く使用されている ( 表 ) 14)-18) 多くのぶどう膜炎においては, 当初からステロイドの全身治療を行うのではなく, できる限りテノン嚢下投与をはじめとする, ステロイドの局所治療が望ましいとされている ぶどう膜炎の中でも, 非感染性ぶどう膜炎と感染性ぶどう膜炎で治療方針が異なる 非感染性ぶどう膜炎は多くの場合, ステロイド投与が一般的に使用されているのに対し, 感染性ぶどう膜炎においてはステロイド投与も用いられるが, ステロイドの単独療法における感染症の悪化による重篤な副作用が懸念される そのため, 確定診断前のステロイド投与は慎重に行うべきとの報告がされている 152) 副腎皮質ステロイドは, 眼内において血液網膜関門の破綻を改善し血液外滲出物の再吸収に貢献する 94) また眼局所投与は副腎皮質ステロイド全身投与に伴う副作用の発現を回避できることや高濃度の副腎皮質ステロイドを直接眼局所に伝達できるといった長所を持つ このことから, 多くのぶどう膜炎では当初からステロイドの全身治療に頼るのではなく, できる限りテノン嚢下投与をはじめ, 副腎皮質ステロイドの眼局所治療のみが望まれる しかし, 慢性疾患に対するステロイドの長期投与は様々な副作用を引き起こすことが報告されている 95) 免疫抑制剤は炎症性疾患の活動性の抑制, 寛解導入を目的としてステロイドと併用, あるいはステロイドを減量するために用いられる 近年では抗 TNF-α 抗体であるインフリキシマブが単独, 又はステロイドとの併用療法で使用されている 抗 TNF-α 抗体は, 腫瘍壊死因子 (Tumor Necrosis Factor) を標的にした生物学的製剤の一つで, 炎症性サイトカインを治療標的分子として反応する抗体である 作用としては1 血中の可溶型 TNF-α の中和,2 受容体に結合した TNF-α の解離作用,TNF-α 産生細胞に対する細胞障害作用が報告されている 一方,TNF-α は身体の感染防御に対して重要な働きをしているため, 感染症といった重篤な副作用が懸念される 2) ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫に対する治療は, ぶどう膜炎の治療と同様に副腎皮質ステロイドの局所治療が基本であり, 点眼薬, 眼軟膏, 眼周囲注射などの投与方法がある その中でトリアムシノロンアセトニドのテノン嚢下投与は中間部ぶどう膜炎, 後部ぶどう膜炎に広く使用されており 104), ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫の改善に有効である報告がされている 105)-107) 23

24 治療薬の種類 テノン嚢下投与 副腎皮質ホルモン剤 (TA) 表 ぶどう膜炎に臨床使用されている製剤 販売名 マキュエイド 硝子体内注用 40mg 1) ケナコルト-A 2) 筋注用関節腔内用 結膜下注射, 球後注射副腎皮質ホルモン剤マキュエイド 硝子体内注用 40mg 1) ケナコルト-A 2) 筋注用関節腔内用リンデロン 96) 注 投与経路 注 2) 注 3) 点眼副腎皮質ホルモン剤非ステロイド剤 サンテゾーン 点眼液 0.1% 97) フルメトロン 点眼液 0.1% 98) ニフラン 点眼液 0.1% 99) 注 3) 注 3) 注 3) 内服 副腎皮質ホルモン剤 注 3) 免疫抑制剤 ( シクロスポリン剤 ) 注 4) 静注 抗 TNF-α 抗体剤レミケード 100) 点滴静注用 ( インフリキシマブ ) 注 5) 効能効果 注 2) 注 3) 注 3) 注 3) 注 3) 注 3) 注 4) 注 5) 承認状況 - - 用法 用量注 1) - - 6) 下記参照注 3~4 回 / 日,1~2 滴 2~4 回 / 日,1~2 滴 4 回 / 日,1~2 滴 - - 下記参照注 7) 注 1) 効能 効果が承認されているもののみ記載注 2) 本申請における適応注 3) 前眼部ぶどう膜炎若しくはぶどう膜炎を含む炎症性疾患の対症療法として注 4) 非感染性ぶどう膜炎 ( 既存治療で効果不十分であり, 視力低下のおそれのある活動性の中間部又は後部の非感染性ぶどう膜炎に限る ) 注 5) ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎注 6) 結膜下注射 :1 回 0.4~2 mg/0.2~0.5 ml, 球後注射 :1 回 0.8~4 mg/0.5~1.0 ml 注 7) 体重 1 kg あたり 1 回 5 mg 投与 初回投与から 2 週,6 週に投与以後,8 週間隔で投与 (2) 外科的手術ぶどう膜炎に伴う硝子体混濁や黄斑浮腫に対して, 治療の第一選択はステロイド局所治療が基本である 一方, 近年の眼科手術の手技向上により, 以前は難しいとされたぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫に対し, 硝子体手術等の外科的治療も積極的に選択されている 24

25 アンメットメディカルニーズ 糖尿病黄斑浮腫 糖尿病黄斑浮腫に伴う黄斑浮腫の治療におけるアンメットメディカルニーズを以下に示した 1. VEGF 阻害剤 ( ルセンティス 硝子体内注射液, アイリーア 硝子体内注射液, 等 ) 非常に高価であり, 効果の持続が 1~2 ヶ月と短く, 投与回数が多くなることから, 医師及 び患者の精神的 肉体的負担, 保険及び患者の経済的負担が大きくなっている VEGF 阻害剤無効例が存在する 嚢胞様黄斑浮腫, 漿液性網膜剥離を伴う浮腫に対する効 果に限定される 脳梗塞, 心疾患等の患者には重篤副作用発現のおそれがある 硝子体手術後の無硝子体眼における効果持続期間が短くなる ( 硝子体手術の効果発現が約 半年以降であり, 術中投与した場合, 再発予防のための追加投与が必要になる ) 投与手技による眼内炎のリスクがあり, 手術室を持たないクリニック等での投与が制限さ れる 2. マキュエイド 硝子体内注用 40mg 効果持続期間が約 3 ヶ月であり, 繰り返し投与が必要となる 眼圧上昇のリスクがあり, 長期間の投薬や手術を必要とする場合がある 白内障進展に伴う白内障手術が必要となる場合がある 硝子体手術後の無硝子体眼における効果持続期間が短くなる ( 硝子体手術の効果発現が約半年以降であり, 術中投与した場合, 再発予防のための追加投与が必要になる ) 眼内に粒子が残存するため, 投与後一過性の視力低下等, 視力への影響がある場合がある また, 光凝固前の投与には向かない 投与手技による眼内炎のリスクがあり, 手術室を持たないクリニック等での投与が制限される 3. 光凝固 局所性黄斑浮腫に対する網膜光凝固の有用性は証明されているが, 主として視力悪化抑制の目的で使用される 中心窩誤照射, 炎症, 黄斑浮腫, 硝子体出血, 視野欠損等の処置後合併症のリスクがある 効果発現までに数週間から数ヶ月の期間を要する 4. 硝子体手術 びまん性黄斑浮腫の選択肢と考えられているが無効例もある 浮腫改善効果発現までに半年から 1 年の期間を要し, 視力改善効果に乏しい 硝子体手術後の無硝子体眼において, 眼内における薬剤のクリアランスが亢進し, 治療効果の持続期間が短くなることから, 術後の治療選択肢が狭まる 難易度が高く, 術後合併症 ( 眼内炎, 硝子体出血, 再増殖, 眼圧上昇等 ) のリスクがある 侵襲性が大きく, 手術室及び入院設備を持つ病院のみで施行可能となる 25

26 網膜静脈閉塞症 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の治療におけるアンメットメディカルニーズを以下に示した 1. VEGF 阻害剤 ( ルセンティス 硝子体内注射液, アイリーア 硝子体内注射液, 等 ) 非常に高価であり, 効果の持続が 1~2 ヶ月と短く, 投与回数が多くなることから, 医師及 び患者の精神的 肉体的負担, 保険及び患者の経済的負担が大きくなっている 脳梗塞, 心疾患等の患者には重篤副作用発現のおそれがある 硝子体手術後の無硝子体眼における効果持続期間が短くなる 投与手技による眼内炎のリスクがあり, 手術室を持たないクリニック等での投与が制限される 2. 光凝固 網膜静脈分枝閉塞症に対する格子状光凝固の有用性は報告されているが, レーザー光凝固単独での黄斑浮腫のコントロールは困難である 急性期の出血の多い症例など実施困難な例がある 中心窩誤照射, 炎症, 黄斑浮腫, 硝子体出血, 視野欠損等の処置後合併症のリスクがある 3. 硝子体手術 網膜静脈分枝閉塞症から生じる硝子体出血や牽引性又は裂孔原性網膜剥離には有効であるが黄斑浮腫に対する効果は限定的である 種々の術式があり, 手術成績についても一定していない 硝子体手術後の無硝子体眼において, 眼内における薬剤のクリアランスが亢進し, 治療効果の持続期間が短くなることから, 術後の治療選択肢が狭まる 難易度が高く, 術後合併症 ( 眼内炎, 硝子体出血, 再増殖, 眼圧上昇等 ) のリスクがある 侵襲性が大きく, 手術室及び入院設備を持つ病院のみで施行可能となる 非感染性ぶどう膜炎 非感染性ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫の治療におけるアンメットメディカルニーズを以下に示した 1. 副腎皮質ホルモン剤 ( 注射剤 )( マキュエイド 硝子体内注用 40mg, ケナコルト-A 筋注用関節腔内用, リンデロン 注, 等 ) 効果持続期間が限定的なため, 繰り返し投与が必要となる 注射用液剤による後眼部への投与は持続性( 滞留性 ) が期待できない 硝子体注投与では眼内炎リスクがあり, 添加剤を含む製剤の場合除去が必要になる 眼圧上昇のリスクがあり, 長期間の投薬や手術を必要とする場合がある 白内障進展に伴う白内障手術が必要となる場合がある 2. 副腎皮質ホルモン剤 ( 内服剤 ) 糖尿病, 骨粗しょう症, 易感染性, 高血圧, 脂質代謝異常, 消化性潰瘍など重度の副作用 26

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28 試験の概略 臨床試験一覧表を表 に示した WP-0508ST( 糖尿病黄斑浮腫 ) 第 II/III 相試験 ( 資料番号 : , 治験番号 :WP ST) WP ST 試験は, 糖尿病黄斑浮腫を有する患者を対象とした第 II/III 相, 多施設共同無作為化二重遮蔽 ( 評価者遮蔽 ) 並行群間比較試験である 本剤を 94 例 [40 mg 群 (30 例 ), 20 mg 群 (32 例 ) 又は非投与群 (32 例 )] の被験者の片眼に単回テノン嚢下投与し, 有効性, 安全性及び血漿中薬物濃度を検討した また, 初回投与後 12 週以降 1 年以内に基準を満たした 37 例 [ 40 mg 群 (8 例 ), 20 mg 群 (14 例 ) 又は非投与群 (15 例 )] の被験者に対し 1~3 回の再投与 ( 延べ 60 回 ) を行い, 有効性, 安全性及び血漿中薬物濃度を検討した 初回投与後 12 週の経過観察の結果, 主要評価項目 (FAS) において,20 mg 群の投与後 12 週最終評価時 ( エンドポイント ) の時点で非投与群と比べ統計学的に有意な中心窩平均網膜厚改善が認められた [p<0.025(bonferroni); スクリーニング値を共変量とした共分散分析 ( 以下同様 )] 一方で 40 mg 群では統計学的に有意な改善は認められなかった (p=0.029) PPS においては, 両群にて有意差が認められた (p<0.025) 副次的評価項目である中心窩平均網膜厚及び最高矯正視力の推移 (FAS) においては,40 mg 群,20 mg 群とも投与後観察期間のいずれの時点 ( 初回投与後 1~12 週 ) においてもスクリーニング時と比べ有意な改善が認められ, エンドポイントにおける変化量平均は, 中心窩平均網膜厚では 40 mg 群で-97.8± μm,20 mg 群で-124.1± μm, 最高矯正視力では 40 mg 群で 7.6±6.70 文字改善,20 mg 群で 6.1±8.52 文字改善した 投与後 12 週以降の追跡調査期間においても, 中心窩平均網膜厚では 40 mg 群で初回投与後 9 ヶ月,20 mg 群で初回投与後 12 ヶ月, 最高矯正視力では 40 mg 群,20 mg 群で初回投与後 9 ヶ月時点まで有意な改善が維持された (p<0.05; 対応のある t 検定 ) 再投与における中心窩平均網膜厚 (FAS) において, 投与後 12 週の変化量は,40 mg 群で再投与 1 回目 -55.1± μm(p=0.381,7 例 ), 再投与 2 回目 -50.5±64.88 μm(p=0.114,6 例 ), 再投与 3 回目 -2.0±53.74 μm(p=0.966,2 例 ) であった 20 mg では, 再投与 1 回目 -41.7± μm(p=0.236, 14 例 ), 再投与 2 回目 -17.0±28.00 μm(p=0.197,6 例 ), 再投与 3 回目で 8.3±52.37 μm(p=0.808,3 例 ) であった 非投与群 (40 mg) では, 再投与 1 回目 ±61.88 μm(p<0.001,14 例 ), 再投与 2 回目 -81.0±73.63 μm(p=0.196,3 例 ), 再投与 3 回目 30.0 μm(1 例 ) であった 本剤 40 mg が投与された非投与群を含めて,40 mg 群及び 20 mg のいずれの群においても再投与 2 回目まで投与後 12 週における中心窩平均網膜厚の減少がみられ, 少数例となった再投与 3 回目においても各症例の中心窩平均網膜厚の推移は初回から再投与 2 回までと同様の推移であったことから, 再投与においても本剤による中心窩平均網膜厚の改善効果が維持されていると考えられた 再投与における最高矯正視力 (FAS) において, 投与後 12 週の変化量は, 再投与 1 回目の 20 mg 28

29 群及び非投与群 (40 mg) は, 再投与前検査時から再投与後 12 週に 5 文字以上の改善がみられ, 40 mg 群は明らかな改善がみられなかった 再投与 2 回以降はいずれの群においても明らかな最 高矯正視力の改善がみられなかった 本試験の再投与を含む全試験期間において, 重篤な有害事象が 40 mg 群 3 例 (10.0%), 20 mg 群 2 例 (6.3%), 非投与群 1 例 (3.1%), 非投与群 (40 mg)1 例 (6.7%) にみられた 因果関係 が否定されず副作用と判定されたのは 40 mg 群 3 例 (10.0%), 20 mg 群 1 例 (3.1%) であり, い ずれも水晶体混濁であった 中止に至った有害事象は糖尿病性網膜浮腫であり, 非投与群で 1 例 (3.1%), 再投与 3 回目に 40 mg 群で 1 例 (3.3%) であった 当該事象はいずれも追跡調査期間 中に軽快が確認され, 治験薬との因果関係は否定された 全試験期間における副作用発現は 40 mg 群 15 例 (50.0%), 20 mg 群 9 例 (28.1%), 非投与群 2 例 (6.3%), 非投与群 (40 mg)2 例 (13.3%) であった いずれかの群において発現率 5.0% 以上 となった副作用は, 眼圧上昇 [40 mg 群 7 例 ( 23.5%),20 mg 群 5 例 ( 15.6%)], 水晶体混濁 [ 40 mg 群 8 例 (26.7%), 20 mg 群 3 例 (9.4%)], 後嚢部混濁 [ 20 mg 群 2 例 (6.3%)] 及び好中球百分率 増加 [20 mg 群 2 例 (6.3%)], 角膜炎 [ 非投与群 (40 mg)1 例 (6.7%)] であった 本剤 20 mg 及び 40 mg をテノン嚢下投与した場合の血漿中薬物濃度は, 用量に依存して T max は 長くなる傾向を,AUC 0-t は増加する傾向を示し, また,C max においても用量に依存した増加がみ られた また, 全身からの消失 (T 1/2 ) も硝子体内投与の場合と類似し比較的遅い傾向にあり, 全 身への吸収量 ( 投与量あたりの AUC 0-t ) は他の投与経路 ( 硝子体内投与 [ ], 筋肉内注射 101)-103) 等 ) と同程度であると考えられた 眼以外の副作用発現率についても, マキュエイド 硝子 体内注用 40mg(WP-0508) と同様であった 以上より,20 mg 群にて副作用発現率, 血漿中薬物濃度 (C max ) が低かったこと, 主要評価項 目である初回投与後 12 週最終評価時 ( エンドポイント ) の中心窩平均網膜厚が非投与群と比較し て有意に改善 (p<0.025) していたことから, 本剤の臨床用量として 20 mg が妥当と考えられた WP-0508ST( 網膜静脈閉塞症 ) 第 III 相試験 ( 資料番号 : , 治験番号 :WP ST) WP ST 試験は, 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象とした第 III 相, 多施設共同非遮蔽非対照試験である WP ST 試験で至適用量とされた本剤 20 mg を用いて 50 例の被験者の片眼に単回テノン嚢下投与し, 投与後 12 ヶ月までの有効性及び安全性を検討した 主要評価項目である投与後 12 週最終評価時 ( エンドポイント ) における中心窩平均網膜厚のスクリーニング値からの変化量 ± μm であり, その 95% 信頼区間は-200.9~-99.1 μm であった 95% 信頼区間の上限値は本剤の有効性の判断として臨床的に意味のある閾値として設定した-100 μm を下回らなかったものの, その上限は設定した閾値と同程度の結果であることから, 本剤は有効と判断できるものと考えた 副次的評価項目である中心窩平均網膜厚の推移において, 各評価時点のスクリーニング時から 29

30 の変化量は, 投与後 1 週 -84.0± μm,4 週 ± μm,8 週 ± μm,12 週 ± μm, エンドポイント-150.0± μm であり, いずれの時点でも有意な浮腫改善を示した [p<0.001; 対応のある t 検定 ( 以下同様 )] 投与後 12 週検査終了後に併用禁止が解除された追跡調査期間の投与後 6 ヶ月,9 ヶ月,12 ヶ月 ( いずれも 39 例 ) のスクリーニング時からの中心窩平均網膜厚の変化量はそれぞれ ± μm,-235.6± μm,-244.2± μm と有意な浮腫改善を示した (p<0.001) 副次的評価項目であるスクリーニング時からの ETDRS による最高矯正視力の変化量は, 投与後 1 週 1.7±8.11 文字,4 週 2.3±6.78 文字,8 週 3.9±7.07 文字,12 週 4.6±8.08 文字, エンドポイント 2.6±9.77 文字であり, 投与後 4 週,8 週及び 12 週で有意な文字数の改善がみられた (4 週で p =0.023,8 週及び 12 週で p=0.001) また, 投与後 6 ヶ月,9 ヶ月,12 ヶ月 ( いずれも 39 例 ) のスクリーニング時からの最高矯正視力の変化量はそれぞれ 5.4±8.27 文字,6.1±8.35 文字,6.2±8.96 文字であった ( いずれも p<0.001) 投与後 12 ヶ月において重篤な有害事象及び重度の有害事象はみられなかった 投与後 12 ヶ月における副作用発現は 21 例 (42.0%) であった そのうち発現率 5.0% 以上の副作用は, 眼圧上昇が 7 例 ( 14.0%), 結膜充血が 6 例 ( 12.0%), 結膜浮腫及び血中コルチゾール減少が各 5 例 ( 10.0%), 血中トリグリセリド増加が 4 例 (8.0%) であった 中止に至った有害事象は, 投与後 12 週以内に 7 例 ( 網膜静脈閉塞 4 例, 一過性視力低下 2 例, 一過性視力低下及び黄斑浮腫 1 例 ) の発現がみられた これらの事象はいずれも現病の悪化とされた 一過性視力低下の 2 例については, それぞれ発現から 21 日後,28 日後に消失が確認された 網膜静脈閉塞の 4 例については, 発現から 286~331 日後に消失 (2 例 ) 又は軽快 (2 例 ) が確認された 一過性視力低下及び黄斑浮腫の 1 例については発現から 331 日後に消失が確認された 以上より, 本剤 20 mg は, 有効性においてエンドポイントである中心窩平均網膜厚の変化量の 95% 信頼区間の上限値が有効性の判断として臨床的に意味のある閾値として設定した-100 μm と同程度であること, 安全性において臨床的に問題となる有害事象はみられなかったことから, 臨床用量として妥当と考えられた 30

31 WP-0508ST( 非感染性ぶどう膜炎 ) 第 III 相試験 ( 資料番号 : , 治験番号 :WP ST) WP ST 試験は, 非感染性ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象とした第 III 相, 多施設共同非遮蔽非対照試験である WP ST 試験で至適用量とされた本剤 20 mg を用いて 40 例の被験者の片眼に単回テノン嚢下投与し, 投与後 12 ヶ月までの有効性及び安全性を検討した 主要評価項目である投与後 8 週最終評価時 ( エンドポイント ) における中心窩平均網膜厚のスクリーニング値からの変化量は,-114.0± μm であり, その 95% 信頼区間は-160.9~-67.1 μm であった 95% 信頼区間の上限値は本剤の有効性の判断として設定した臨床的に意味のある閾値 -50 μm を下回っており, 本剤の有効性が確認された 副次的評価項目である中心窩平均網膜厚の推移において, 各評価時点のスクリーニング時からの変化量は, 投与後 1 週 -79.5±84.61 μm,4 週 ± μm,8 週 ± μm,12 週 ± μm, エンドポイント-114.0± μm であり, いずれの評価時点においても有意な減少がみられた [ いずれも p<0.001; 対応のある t 検定 ( 以下同様 )] 投与後 12 週検査終了後に併用禁止が解除された追跡調査期間の投与後 6 ヶ月後,9 ヶ月後,12 ヶ月後のスクリーニング時からの中心窩平均網膜厚の変化量はそれぞれ-117.2± μm (p<0.001), -91.5± μm(p<0.001), -88.6± μm(p=0.001) であった 副次的評価項目である各評価時点のスクリーニング時からの最高矯正視力 (ETDRS) の変化量 ( 平均値 ± 標準偏差 ) は, 投与後 1 週で 4.9±7.04 文字,4 週で 8.4±7.76 文字,8 週で 10.3±8.32 文字,12 週で 9.8±8.68 文字, エンドポイントで 9.7±8.19 文字といずれの時点でも有意な視力改善を示した [ いずれも p<0.001; 対応のある t 検定 ( 以下同様 )] 投与後 12 週検査終了後に併用禁止が解除された追跡調査期間の投与後 6 ヶ月後,9 ヶ月後,12 ヶ月後のスクリーニング時からの最高矯正視力 (ETDRS) の変化量はそれぞれ 9.4±7.00 文字,6.2±8.70 文字,7.5±9.51 文字 ( いずれも p<0.001) であった 副次的評価項目である炎症スコアは, 前房細胞数において, 投与後 1 日から 12 週及びエンドポイントのいずれの時点においても有意な [ いずれも p<0.001;wilcoxon の符号付順位和検定 ( 以下同様 )] 炎症の改善が認められ, 投与後 6 ヶ月,9 ヶ月,12 ヶ月のいずれの評価時においても前房細胞数の有意な改善がみられた (6 ヶ月 :p=0.004,9 ヶ月 :p=0.010,12 ヶ月 :p=0.006) 前房フレアにおいては, 投与後 4 週から 12 週及びエンドポイントにおいて炎症の改善が認められ (4 週,8 週, エンドポイント :p=0.002,12 週 :p=0.008), 投与後 6 ヶ月以降においては 9 ヶ月のみ前房フレアの有意な改善がみられた (6 ヶ月 :p=0.063,9 ヶ月 :p=0.031,12 ヶ月 :p=0.125) 投与後 12 ヶ月において, 重篤な有害事象が 4 例 (10.0%) にみられた そのうち因果関係が否定されず副作用と判定されたのは水晶体混濁 1 例 (2.5%) であった また, 重度の有害事象は 3 例 ( 水晶体混濁 1 例, 硝子体出血 1 例, 上部消化管出血 1 例 ) であった 投与後 12 ヶ月における副作用発現は 12 例 (30.0%) であった そのうち, 発現率 5.0% 以上の副作用は, 眼圧上昇 6 例 (15.0%), 血中コルチゾール減少 4 例 (10.0%) 及び水晶体混濁は 2 例 31

32 (5.0%) であった 中止に至った有害事象は, 投与後 12 週以内に 4 例 (10.0%) みられ, 現病の悪化とされた硝子体出血 1 例, 黄斑浮腫 1 例及びベーチェット症候群 1 例と, 新規発症とされた筋骨格痛の 1 例であった いずれも軽快又は消失の転帰を確認しており, 本剤との因果関係は否定された 以上より, 本剤 20 mg は, 有効性においてエンドポイントである中心窩平均網膜厚の変化量の 95% 信頼区間が有効性の判断として臨床的に意味のある閾値として設定した-50 μm 以下であったこと, 安全性において臨床的に問題となる有害事象はみられなかったことから, 臨床用量として妥当と考えられた 32

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34 GCP 遵守に関する記述 本 CTD に用いた臨床試験は, ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則, 医薬品, 医療機器等の品質, 有効性及び安全性の確保等に関する法律, 医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令( 平成 9 年 3 月 27 日厚生省令第 28 号 ) 及び関連通知, 並びに治験実施計画書を遵守し, 実施医療機関の治験審査委員会で承認された後に実施され, 本治験に関わる文書, 資料は治験依頼者又は治験実施医療機関において適切に保管されている 臨床データパッケージ 本 CTD において臨床データパッケージとして用いた試験を表 に示した WP 試験及び WP 試験については, 投与経路が異なるため参考資料とし,WP ST 試験の薬物動態, 有効性, 安全性及び WP ST 試験及び WP ST 試験の有効性, 安全性を主な評価対象とした 34

35 相 II / III III III I / II II / III 表 本 CTDにおいて臨床データパッケージとして用いた試験 本 CTD 本 CTD 本 CTD 治験治験用法 用量での薬での有での安資料対象疾患投与方法観察期間番号デザイン ( 症例数 ) 物動態効性の全性の番号 の評価 評価 評価 テノン嚢下投与 12 週経過観察単回投与 12 ヶ月追跡調査 WP0508- 無作為化糖尿病黄斑浮腫 4003ST 二重遮蔽テノン嚢下投与 12 週経過観察再投与 (1~3 回 ) 12 ヶ月追跡調査 WP0508- テノン嚢下投与 12 週経過観察網膜静脈閉塞症非遮蔽 4004ST 単回投与 12 ヶ月追跡調査 WP ST WP WP 非感染性テノン嚢下投与 12 週経過観察非遮蔽ぶどう膜炎単回投与 12 ヶ月追跡調査 無作為化 硝子体内投与 12 週経過観察 単遮蔽 単回投与 24 ヶ月追跡調査 糖尿病黄斑浮腫 非遮蔽 硝子体内投与 12 週経過観察再投与 24 ヶ月追跡調査 無作為化硝子体内投与 12 週経過観察糖尿病黄斑浮腫単遮蔽単回投与 12 ヶ月追跡調査 40 mg (30 例 ) 20 mg (32 例 ) 非投与 (32 例 ) 40 mg (8 例 ) mg (14 例 ) 非投与注 1) (15 例 ) 20 mg (50 例 ) mg (40 例 ) mg (11 例 ) 4 mg (11 例 ) 注 2) 注 2) 注 2) 8 mg (11 例 ) 1 mg (1 例 ) mg (1 例 ) - 注 2) 注 2) 8 mg (0 例 ) 4 mg (34 例 ) 注 2) 注 2) 8 mg (33 例 ) 非投与 (33 例 ) 注 1) 非投与群に対して再投与が選択された場合は 40 mg が投与された 注 2)WP 試験及び WP 試験は, 投与経路が異なることから, 有効性, 安全性及び薬物動態の評価の参考情報として用いた 35

36 本剤の臨床的な位置付け 本剤の臨床的な位置付け 本剤の臨床的な位置付けは以下のとおりである 1. 副腎皮質ホルモン剤の抗炎症作用により, 炎症性の強い病態 ( 嚢胞様黄斑浮腫, 漿液性網膜剥離, ぶどう膜炎等 ) に対しても効果を発揮する 2. ベンジルアルコール等の有害な添加剤を含まない製剤 3. 眼内炎等のリスクが少ないことから, 手術室, 入院設備のないクリニック等でも投与が可能 4. 単回投与後 1 週後には浮腫軽減効果及び視力改善効果が得られ,12 週間以上持続する 5. TA 硝子体内投与と比較して副作用の発現率, 程度が低く, 特に眼圧上昇のリスクが少ないため, 汎用性が高い 6. 全身性副作用発現のリスクが既存の副腎皮質ホルモン剤投与 ( 筋肉内注射, 内服, 硝子体内投与等 ), 又は VEGF 阻害剤の硝子体内投与のリスクを上回らない 重篤な全身性副作用発現の危惧が少ない 7. 光凝固, 硝子体手術との併用, 組合せ治療が推奨される - 光凝固前に治療を行うことにより, 処置合併症のリスクを軽減できる - 光凝固, 硝子体手術後 治療後早期から治療効果が得られる - 光凝固, 硝子体手術後の再発予防効果がある ( 硝子体手術後も眼内クリアランスへの影響が少ない ) 8. 他の投与経路の薬剤 ( 硝子体内投与, 点眼等 ) との併用が推奨される 9. 効果の持続及び価格の面から, 医療経済, 患者, 医師, 病院の負担を軽減 現在, 実施されている糖尿病黄斑浮腫, 網膜静脈閉塞症, ぶどう膜炎の治療における本剤の位置付けは以下のとおりである 糖尿病黄斑浮腫の治療方法 糖尿病黄斑浮腫は, 直接視力低下に結びつくためその治療は非常に重要であるが, 現時点でも決定的な治療方法はない 糖尿病黄斑浮腫は様々な病態が複雑に絡んでいる可能性があるため, 個々の病態について適切に把握することが必要である 糖尿病網膜症発症以前や初期糖尿病網膜症では内科的な血糖, 血圧コントロールが重要であるが, 糖尿病黄斑浮腫発症後の治療としては, 薬物療法, 網膜光凝固, 硝子体手術が主に選択され, これらを組合せた治療が実施されている 薬物治療として副腎皮質ホルモン剤 (TA) や VEGF 阻害剤が使用されている 硝子体内投与での承認を有する VEGF 阻害剤は, 効果の持続が 1~2 ヶ月と短く, 頻回での投与が必要とされている また浮腫の状態によっては効果が無効な場合もあり, 脳梗塞や心疾患等の患者には重篤副作用の発現が危惧されている TA も硝子体内投与において使用されており,VEGF 阻害剤より効 36

37 果の持続が長く,VEGF 阻害剤の効果無効例や患者背景にとらわれず使用することができる ただし眼圧上昇や白内障進展のリスクがあること, 粒子の眼内残存による一過性の視力低下等がみられる場合もある 一方,TA テノン嚢下投与は適応外ではあるが, 眼圧上昇等のリスクが硝子体内投与より低いとされており, 臨床現場では既に広く使用されている また硝子体内投与と比べ投与手技による眼内炎等のリスクは低く, 外来処置室などでも対応できるため, 手術室を有さないクリニック等でも多く使用されている 他の治療方法として網膜光凝固や硝子体手術がある 光凝固はエビデンスを有する治療方法であるが, 不可逆的な網膜障害をもたらすことや効果が限局的であるといわれている また硝子体手術は侵襲的治療法であるため, 近年は侵襲が小さい治療法 ( 薬物療法, 光凝固 ) が優先され, 施行機会が減少している いずれも治療効果, 発現時期及び合併症を考慮し,TA との併用治療を行うことでさらに効果が上がると報告されている 51),52),56),59) TA テノン嚢下投与は単独での使用に加え, 他の治療薬や治療方法との組合せが可能という点で本剤の臨床的意義は大きいと考えられる 網膜静脈閉塞症の治療方法 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対する治療としては, 眼局所に対する薬物治療, 網膜光凝固, 硝子体手術が主に選択される その他, 有効性が証明されていないまま網膜静脈閉塞症に対して抗血小板薬 抗凝固薬治療が行われてきたが, 近年, これらの治療は視力予後を悪化させると報告されている 虚血型の CRVO に対しては, ルベオーシス発生後の緑内障進展を汎網膜光凝固が有意に抑えることが大規模臨床試験により報告されており, 本邦では予防的な光凝固の施行されている TA 硝子体内注射もまた CRVO の黄斑浮腫に効果的との報告があり, その効果については VEGF 阻害剤とほぼ同等かやや高いという報告が多い しかしながら, 再発例に対して再投与を繰り返していくうちに, ステロイドの副作用である眼圧上昇や白内障といった合併症の頻度が高くなるため, 近年ではこの治療法の頻度は減少傾向にある 現在, 薬物療法では網膜静脈閉塞症での適応を持つ VEGF 阻害剤が多く使われている しかし抗 VEGF 療法では頻回の投与による患者や医療者側の負担を軽減するためステロイド薬などの併用療法の有効性を検討する必要性が挙げられる また心筋梗塞, 虚血性脳卒中などの循環障害を有する患者において重篤副作用の発現のおそれが危惧されている TA テノン嚢下投与は不可逆的な侵襲を与える光凝固や硝子体手術に比べ低侵襲であり,VEGF 阻害剤に比べ効果が持続するため, 患者の負担 ( 通院回数, 薬剤費 ) は小さくなる また DME 治療と同様に他の治療方法との併用が可能となるため,VEGF 阻害剤とは異なる場面でも使用できる薬剤として, 本剤の臨床的意義は大きいと考えられる ぶどう膜炎の治療方法 ぶどう膜炎は種類や重症度によって治療法や治療の期間が異なる 局所療法として散瞳薬点眼が処方されることが多く, 眼球の炎症が強い場合は, 眼周囲の組織に注射する場合もある 眼の 37

38 局所治療だけでは改善がみられない場合や, 眼の奥に強い炎症がみられる場合は, 副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬の全身投与が行われる TA 療法は症状の改善に伴い徐々に量を減らす一方, 自覚症状に改善がみられた場合に自己判断による薬剤の急激な減量や中止は炎症を再燃させるばかりではなく, 死に至るショック症状を引き起こす危険性があるため注意が必要である ぶどう膜炎の治療目的は炎症の抑制及び視力障害につながる合併症の予防である 副腎皮質ステロイドの局所治療が基本であり, 点眼薬, 眼軟膏, 眼周囲注射などの投与方法により, 種々のぶどう膜炎に使用されている その中で TA テノン嚢下投与は硝子体浮遊物又は嚢胞様黄斑浮腫のため視力が低下しうるとされる中間部ぶどう膜炎, 後部ぶどう膜炎に広く使用されており 104),105), ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫の改善においても有効であるとの報告がされている 106),107),108) 眼局所投与は, 副腎皮質ステロイド全身投与に伴う副作用の出現を回避できることや高濃度の副腎皮質ステロイドを直接眼局所に伝達できるといった長所を持つ このことから, 多くのぶどう膜炎では副腎皮質ステロイドの全身治療に頼るのではなく, できる限りテノン嚢下投与をはじめ, 副腎皮質ステロイドの眼局所治療が望ましいとされている 眼局所投与の薬剤として, 点眼液は既に適応を持っているが, 前眼部ぶどう膜炎の対処療法である TA 硝子体内投与は, 重症例のぶどう膜炎に対し適応外使用されている事例があるが, 有害とされる添加剤の存在が懸念されている このような状況下で,TA テノン嚢下投与は中間部ぶどう膜炎, 後部ぶどう膜炎に汎用されている臨床現場の状況を踏まえると, 本剤の臨床的意義は大きいと考えられる 38

39 公表文献の検索及び抽出 モジュール 2.5 及び 2.7 で引用した公表文献のうち, 一律の条件で検索を行った文献の検索方法 及び抽出の条件を以下に示した 1. 糖尿病黄斑浮腫, 網膜静脈閉塞症及びぶどう膜炎に対する TA テノン嚢下投与に関する文献報告 1) 有効性評価 PubMed を使用し, 以下の条件で検索を行った 糖尿病黄斑浮腫, 網膜静脈閉塞症及びぶどう膜炎を対象とした TA テノン嚢下投与に関する, 投与量及び有効性に関する記載 ( 網膜厚, 視力 ) があるものを抽出した --- 検索条件 検索式 糖尿病黄斑浮腫:(triamcinolone acetonide)and(( tenon)or(tenon's) OR (subtenon) OR(sub-tenon))AND(( diabetic macular edema) or(diabetic macular oedema)) RVO:(triamcinolone acetonide)and(( tenon)or(tenon's)or (subtenon)or(sub-tenon)) AND(retinal vein occlusion) ぶどう膜炎 :(triamcinolone acetonide)and(( tenon)or(tenon's) OR (subtenon) OR(sub-tenon))AND(uveitis) 絞込み条件 Humans, Clinical Trial, Meta-Analysis, Randomized Controlled Trial ) 安全性評価有効性評価と同様の条件で検索を行った 糖尿病黄斑浮腫, 網膜静脈閉塞症及びぶどう膜炎を対象とした TA テノン嚢下投与に関する, 投与量の記載がある報告のうち, 副作用 ( 因果関係不明の有害事象含む ) の記載があるものを抽出した 2. 眼科用 TA 製剤 1) PMDA の医薬品医療機器情報提供ホームページ ( における医療用医薬品の添付文書情報より検索した 2) FDA(U.S. Food and Drug Administration) の CDER(Center for Drug Evaluation and Research) Drug@FDA にて Triamcinolone Acetonide を検索した 投与経路が眼科用の製剤を抽出した テノン嚢下投与の製剤は検出されなかったが, 硝子体内投与の製剤として Triesence が検出された 3) EMA(European Medicines Agency) にて Triamcinolone Acetonide を検索した 投与経路が眼科用の製剤を抽出した テノン嚢下投与及び硝子体内投与の製剤は検出されなかった 39

40 3. 糖尿病黄斑浮腫, 網膜静脈閉塞症又はぶどう膜炎治療剤 PMDA の医薬品医療機器情報提供ホームページ ( における医療用医 薬品の添付文書情報より検索した 4. 既存投与経路 ( 筋注他 )TA の血漿中薬物濃度 1) 既存投与経路 ( ケナコルト-A 他 )TA の添付資料及びインタビューフォームに引用されている文献の一部を参考資料とした 2) PubMed にて以下の条件で検索し, 既存投与経路 ( ケナコルト-A 他 )TA の血漿中薬物濃度に関する文献を参考とした --- 検索条件 検索式 triamcinolone acetonide and pharmacokinetic or pharmacokinetics or absorption or distribution or metabolism or excretion

41 2.5.2 生物薬剤学に関する概括評価 該当資料なし 臨床薬理に関する概括評価 WP 試験及び WP 試験 [ M ], 並びに他の投与経路により投与された TA の文献報告を参考に, 糖尿病黄斑浮腫を有する患者を対象に実施した WP ST 試験における本剤の薬物動態を評価した [ ] データ欠損例については, データが存在する時点のみを解析対象とした 薬物動態評価 糖尿病黄斑浮腫に対する WP-0508ST 投与後の血漿中薬物濃度の検討 (WP ST 試験 ) 1. 初回投与本剤 20 mg 及び 40 mg 投与後の血漿中 TA 濃度の平均値の推移を図 に示した 糖尿病黄斑浮腫患者 43 例 (20 mg 群 22 例,40 mg 群 21 例 ) に本剤をテノン嚢下投与した結果, 本剤 20 mg 群の投与後 3 時間,5 時間,1 日,7 日,28 日,56 日及び 84 日の血漿中 TA 濃度はそれぞれ 0.604±0.363 ng/ml( 平均値 ± 標準偏差, 以下同様 ),0.600±0.334 ng/ml,0.489±0.220 ng/ml, 0.261±0.081 ng/ml,0.149±0.057 ng/ml,0.099±0.054 ng/ml 及び ng/ml( 定量限界未満の値を含むため, 標準偏差は算出せず ) であった 投与後 84 日の 1 例を除き, 投与後 84 日まで TA が血漿中に検出された 本剤 40 mg 群の投与後 3 時間,5 時間,1 日,7 日,28 日,56 日及び 84 日の血漿中平均 TA 濃度はそれぞれ 0.917±0.563 ng/ml,0.990±0.597 ng/ml,0.954±0.596 ng/ml,0.507±0.209 ng/ml, 0.329±0.137 ng/ml,0.247±0.100 ng/ml 及び 0.176±0.069 ng/ml であった 投与後 84 日においても全例で TA が血漿中に検出された 41

42 血漿中 TA 濃度 (ng/ml) mg 40mg 投与後の時間 (day) 図 WP0508ST テノン嚢下投与後の血漿中 TA 濃度 ( 平均値 ± 標準偏差,n=21~22) 本剤 20 mg 及び 40 mg 投与後の血漿中 TA の薬物動態パラメータの平均値を表 及び図 に示した 本剤 20 mg 群の T max,c max,auc 0-t 及び T 1/2 は, それぞれ 0.362±0.356 日,0.647±0.374 ng/ml, ±4.537 ng day/ml 及び 38.1±14.4 日であった 本剤 40 mg 群の T max,c max,auc 0-t 及び T 1/2 は, それぞれ 0.494±0.408 日,1.041±0.597 ng/ml,28.042± ng day/ml 及び 65.0±27.7 日であった 表 薬物動態パラメータ 投与群 T max (day) C max (ng/ml) AUC 0-t (ng day/ml) T 1/2 (day) 20 mg 群 0.362± ± ± ± mg 群 0.494± ± ± ±27.7 平均値 ± 標準偏差 (n=21~22) 42

43 Tmax(day) Cmax(ng/mL) AUC0-t(ng day/ml) mg 20mg 20mg 40mg mg 40 40mg 図 血漿中 TA 濃度より算出した薬物動態パラメータ ( 平均値 ± 標準偏差,n=21~22) 2. 再投与初回投与後 12 週の観察期以降に再投与へ移行した被験者中, 血漿中 TA 濃度測定を実施した症例について初回投与後並びに再投与後 1 週及び 12 週における血漿中 TA 濃度を表 に示した なお, 再投与量は,20 mg 群及び 40 mg 群については初回と同用量, 非投与群については 40 mg とした 20 mg 群及び 40 mg 群における再投与後 1 週及び 12 週の TA 濃度は, 初回投与後の同時点と比較して同程度であった 非投与群における 3 回目の再投与後 1 及び 12 週の TA 濃度は,1 回目及び 2 回目の再投与後の TA 濃度と比較して高い値を示したが,40 mg 群における初回及び 1 回目の再投与後の TA 濃度のばらつきの範囲内であった 表 WP-0508ST 初回投与及び再投与後の血漿中 TA 濃度 再投与時投与群投与量 (mg) 20 mg 20 投与後 1 週 (0.112) *1 初回投与 投与後 12 週 (0.039) 投与回数 再投与 1 回目再投与 2 回目再投与 3 回目 投与後 1 週 (0.133) 投与後 12 週 (0.041) 投与後 1 週 (0.211) 投与後 12 週 (0.044) 投与後 1 週 ( - ) 投与後 12 週 ( - ) 40 mg (0.227) (0.099) (0.177) (0.069) (0.075) (0.037) ( - ) - ( - ) *2 非投与 (0.000) (0.000) (0.165) (0.057) (0.126) (0.058) ( 資料番号 より一部改編 ) (ng/ml, 上段 : 平均値, 下段 :( 標準偏差 )) ( - ) ( - ) *1: 再投与に移行した症例の初回投与後の血漿中 TA 濃度平均 *2: 非投与群の初回投与は注射筒の先を結膜に押し当てる処置のみ 観察期間 12 週後に必要と判断された場合, 再投与として本剤 40 mg をテノン嚢下投与した 43

44 既存の投与経路薬剤の血漿中薬物濃度の検討 ヒトにおける各種投与経路での血漿 ( 又は血清 ) 中 TA 濃度及び薬物動態パラメータを表 に示した 既存の投与経路における C max ( 又は血漿中濃度 ) は, 筋肉内投与 (40 mg) で 0.5~517 ng/ml 101)-103), 関節腔内投与 (10~40 mg) で平均 1.73~8.47 ng/ml 109), 経口吸入 (0.2~1.6 mg) で平均 0.32~ 2.42 ng/ml 103),110)-112), 鼻腔内投与 (0.1~0.44 mg) で平均 0.10~1.27 ng/ml 103),113)-115), 塗布 (0.1%) で 0.8~3.4 ng/ml(c max ではなく, 特定の時間の血漿中濃度 ) 116) であった また, 硝子体内投与にて実施された WP 試験 (1,4,8 mg 投与 ) における C max は平均 0.232~0.508 ng/ml であった 一方,WP ST 試験で本剤 20 mg 及び 40 mg をテノン嚢下投与した場合の C max は平均 及び ng/ml であった また, 文献における後部テノン嚢下投与 (40 mg) 時の C max ( 又は血清中最高濃度 ) は, 平均 ), ) 及び ng/ml 119) と報告されている 想定される臨床用量 (20 mg) をテノン嚢下投与した場合の血漿中 TA 濃度は, 糖尿病黄斑浮腫治療剤として 4 mg を硝子体内投与した場合よりも高かったが ( 図 ), 筋肉内投与及び関節腔内投与した場合の C max の範囲内であった 以上より,WP ST 試験における血漿中 TA 濃度は, 報告されているヒトにおける既存投与経路での曝露濃度範囲内であった 血漿中 TA 濃度 (ng/ml) 投与量 0.5~3.8 mg 1mg 4 mg 8 mg 20 mg 40 mg 20 mg 40 mg (n=32) (n=11) (n=8) (n=10) (n=22) (n=21) (n=22) (n=21) 硝子体手術硝子体内投与テノン嚢下投与 (WP 試験 ) (WP 試験 ) (WP ST 試験 ) 投与後 4 時間投与後 3 時間投与後 5 時間 図 WP-0508ST テノン嚢下投与 ( 投与後 3 及び 5 時間 ) 及び WP-0508 硝子体内投与 ( 投与後 4 時間 ) の血漿中 TA 濃度の比較 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 44

45 T max に関しては,WP ST 試験 (20 mg 及び 40 mg) の値は平均 8.7~11.9 時間と, 鼻腔内投与 ( 平均 0.38~4.2 時間 ) 103),113)-115) や経口吸入 ( 平均 0.25~3.67 時間 ) 103),110)-112) に次いで速やかであり, 関節腔内投与 ( 平均 24 時間 ) 109), 筋肉内投与 (3~68.0 時間 ) 101)-103) 及び硝子体内投与 (WP 試験, 平均 9.56~46.0 時間 ) よりも早かった AUC 0-t に関しては, 鼻腔内投与 (0.1~0.44 mg) で平均 1.20~3.56 ng hr/ml 113)-115), 経口吸入 (0.4~1.6 mg) で平均 2.62~10.5 ng hr/ml 110),111), 関節腔内投与 (10~40 mg) で平均 157~643 ng hr/ml 109), 硝子体内投与 (WP 試験 :1,4,8 mg 投与 ) で平均 11.1~190.3 ng hr/ml であり,WP ST 試験 (20 mg 及び 40 mg) の値 ( 平均 ~ ng hr/ml) は投与量あたりの AUC で判断すると他の投与経路と同程度であった また, 各用法 用量で投与した際の曝露量 (AUC) で比較すると,WP ST 試験 (20 mg 及び 40 mg 投与 ) での値は鼻腔内投与, 経口吸入, 硝子体内投与よりも高値を示したが, 関節腔内投与の 20 mg 及び 40 mg の場合と同程度であった T 1/2 に関しては, 鼻腔内投与 ( 平均 1.65~5.2 時間 ) 113),114) と経口吸入 ( 平均 1.79~3.95 時間 ) 103),110)-112) で比較的短く, 関節腔内投与 ( 平均 76.8~151 時間 ) 109) と筋肉内投与 ( 平均 156 時間 ) 103) で同程度, 硝子体内投与 (WP 試験 ) の T 1/2 は平均 48.4~1800 時間であり, WP ST 試験 (20 mg 及び 40 mg) の T 1/2 ( 平均 914.7~ 時間 ) は硝子体内投与 (4 mg 及び 8 mg) に近い値であった 45

46 参考文献番号 101) 性別 患者背景 疾患暦 - 進行性乳癌患者 表 ヒトにおける各種投与経路での血漿 ( 又は血清 ) 中 TA 濃度に関する薬物動態パラメータ 投与薬物動態パラメータ *1 対象投与物質または投与量採血時間年齢投与経路回数 Cmax Tmax AUC0-t AUC0- T1/2 例数製剤名 ( 投与後 ) ( 歳 ) (mg/body) ( 回 ) (ng/ml) (hr) (day) (ng hr/ml) (ng day/ml) (ng hr/ml) (hr) (day) 5 3 H-TA 3hr,1,2,3,4,5,6,7day, 以後 21day まで必要に応じ 102) 男健康成人 - 18 TA 筋肉内 40 1 ( 図より )21dayまで約 3 *3 筋肉内 40 1 平均血漿中 TA 濃度 :517(3hr), 152(6day), 50(21day, 1 例のみ )ng/ml シンチレーションカウンター 約 6 * HPLC ) 男健康成人 - 6 Kenalog-40 筋肉内 (6.5) RIA [ ] 分析法 *2 定量限界 (ng/ml) - 104) 男女 患者 * (157) (76.8) 3.2 *4 0,1,2,3,4,5,6,7,9,10,12, 4 Volon A 関節腔内 * (538) (151) 14,18,21day 6.3 * * (643) (120) 5.0 *4 RIA [ 0.1 ] 103) 男健康成人 - 6 Azmacort 経口吸入 RIA [ ] 105) 男 喘息患者 Azmacort 経口吸入 ,20,40min,1,1.5,2,3,4, ,8,10hr RIA ) 男 健康成人 Azmacort HFA225 mcg Inhalation Aerosol 経口吸入 ,10,25,45min,1,1.5,2, 3,4,5,6,8,10,12,16,24hr 11 * LC/MS/MS ) 男 健康成人 Ultrahaler (130 µg) 経口吸入 12 Ultrahaler (360 µg) ,0.25,0.5,1,1.5,2,3,4, Ultrahaler (100 µg) ,8,12,16,24hr Ultrahaler (225 µg) 経口吸入 Ultrahaler (450 µg) RIA LC/MS/MS ) 男健康成人 - 6 Nasacort 鼻腔内 RIA [ ] 108) 109) 男 男女 アレルギー性鼻炎患者 鼻腔内 0,0.5,1,2,3,4,5,6,8,12hr 健康成人 TA アレルギー性鼻炎患者 鼻腔内 4 0.5,1,2,3,4,5,6,8,12hr *7 42 * 多年性アレルギー患者 * * *4 - ( 男 18) *4 - ( 女 10) Tri-Nasal 0,5,10,30min,1,2,3,4,8, 鼻腔内 ( 溶液 ) 7 *8 12,16,20,24hr * * * * * Nasacort AQ *10 鼻腔内 ( 水性懸濁 ) RIA HPLC/RIA ) 男女アレルギー性鼻炎患者 TA 鼻腔内 *6 42 回投与前,42 回投与後 0.5,1,1.5,6hr *11 平均血漿中 TA 濃度 :0.070(0hr), 0.658(0.5hr), 0.710(1hr), 0.731(1.5hr), 0.243(6hr)ng/mL RIA - 111) - 乾癬症患者 - 6 TA (0.1%cream) 塗布 0.1% を 1 日 2 回, 全身の 1/3~1/2 塗 布 - - 入院期間中の血漿中 TA 濃度 :0.8~3.4ng/mL RIA [ 0.2ng ] *12 男女 糖尿病黄斑浮腫患者 男 4 女 7 男 7 女 4 WP-0508 硝子体内 平均血漿中 TA 濃度 :<0.020(0hr),0.187(4hr),0.252(8hr),0.153(24hr),<0.020(1w),N.C.(4w),N.C.(8w),N.C.(12w)ng/mL * 平均血漿中 TA 濃度 :<0.020(0hr),0.400(4hr),0.557(8hr),0.447(24hr),0.245(1w),0.076(4w),<0.020(8w),<0.020(12w) 4 0,4,8,24hr,1,4,8,12w ng/ml *13 LC/MS/MS *14 男女硝子体手術適応患者 男 8 女 3 男 11 女 21 8 平均血漿中 TA 濃度 :<0.020(0hr),0.376(4hr),0.401(8hr),0.385(24hr),0.204(1w),0.088(4w),0.046(8w),0.032(12w)ng/mL * WP-0508 硝子体内 ,4hr,7day 平均血漿中 TA 濃度 :<0.020(0hr),0.062(4hr),<0.020(7day)ng/mL LC/MS/MS *1:( ) 内の値は, 文献又は報告書内の値を換算したもの *2:[ ] 内は検出限界 *3: 図より判断 (1 例の結果 ) *4: 文献中のパラメータより算出 *5: 反復投与,1 日目のみ 1 回,2-6 日目は 1 日 2 回 *6: 反復投与,1 日 1 回,42 日間連続 *7: パラメータの上段は投与 1 日目, 下段は投与 42 日目 *8: 反復投与,1 日 1 回,7 日間連続 *9: パラメータの上段は投与 1 日目, 下段は投与 7 日目 *10: 公表値 (FDA NDA review) を引用 *11:42 回投与前後の値 *12:WP-0508 初期安全性試験 (WP 試験 ) *13:<0.020; 定量限界 (0.020ng/mL) 未満,N.C.; 算出せず *14:WP-0508 眼科用手術補助剤の臨床試験 (WP 試験 ) 46

47 表 ヒトにおける各種投与経路での血漿 ( 又は血清 ) 中 TA 濃度に関する薬物動態パラメータ ( 続き ) 参考文献番号 性別 患者背景 疾患暦 投与薬物動態パラメータ *1 対象投与物質または投与量年齢投与経路回数採血時間 Cmax Tmax AUC0-t AUC0- T1/2 例数製剤名 ( 投与後 ) ( 歳 ) (mg/body) ( 回 ) (ng/ml) (hr) (day) (ng hr/ml) (ng day/ml) (ng hr/ml) (hr) (day) 分析法 *2 定量限界 (ng/ml) 112) 男女 増殖糖尿病網膜症患者黄斑円孔患者など 男 16 女 20 Kenalog-40 後部テノン嚢下 hr,1,3,5,10,14, 21,28day 血漿中に検出された最低濃度は 0.15ng/mL, 最高濃度は 1.15ng/mL (417.6) (600) 25 UPLC/MS/MS 0.1 [ 0.05 ] 113) - 硝子体手術適応患者 - 57 Kenalog ) 男女白内障患者 男 20 女 15 Injection Aurocort 後部テノン嚢下 後部テノン嚢下 ,3,7,14,21,28,56day ,1,2,3,24,48hr,1,2,6w 平均血清中 TA 濃度 :7.90(1day),35.00(3day),2.17(7day),4.43(14day),1.48(21day),7.76(28day),5.32(56day) ng/ml 平均血清中 TA 濃度 :0(0hr),6.94(1hr),21.83(2hr),47.14(3hr),35.49(24hr),10.46(48hr),3.74(1w),0(2w),0(6w) ng/ml * *15 - LC/MS/MS [ 0.05 ] HPLC 3.2 *16 男女糖尿病黄斑浮腫患者 男女 WP-0508ST 後部テノン嚢下 ,3,5,24hr,7,28,56,84day 平均血漿中 TA 濃度 :0.604(3hr),0.600(5hr),0.489(24hr),0.261(1w),0.149(4w),0.099(8w),0.056(12w) ng/ml (8.68) (304.19) (914.7) 38.1 平均血漿中 TA 濃度 :0.917(3hr),0.990(5hr),0.954(24hr),0.507(1w),0.329(4w),0.247(8w),0.176(12w) ng/ml (11.85) (673.01) (1560.8) 65.0 LC/MS/MS 0.02 *1:( ) 内の値は, 文献又は報告書内の値を換算したもの *2:[ ] 内は検出限界 *15: 血清中濃度値より算出 *16:WP-0508ST テノン嚢下投与試験 (WP ST 試験 ) 47

48 テノン嚢下投与間隔の妥当性 WP ST 試験における初回投与後 12 週の観察期以降に再投与へ移行した被験者のうち, 血漿中 TA 濃度測定を実施した症例について, 初回投与後 12 週, 並びに 1 回目,2 回目及び 3 回目の再投与後 1 週及び 12 週における血漿中 TA 濃度推移を図 に示した なお, 再投与量は,20 mg 群及び 40 mg 群については初回と同用量, 初回投与が注射筒の先を結膜に押し当てる処置のみである非投与群については 40 mg とした 20 mg 群及び 40 mg 群では, 各再投与後 12 週の TA 濃度は初回投与後 12 週の TA 濃度の範囲内であり, 蓄積性はみられなかった ただし,40 mg 群 3 回目の再投与後 12 週の測定値は欠損のため評価できなかった 非投与群では,3 回目の再投与後 12 週の TA 濃度が,1 回目及び 2 回目の再投与後 12 週と比較して高い値を示したが,40 mg 群における初回及び 1 回目の再投与後 12 週の TA 濃度のばらつきの範囲内であったことから, 蓄積性はないものと判断した 以上, 再投与による血漿中 TA 濃度の上昇及び蓄積はみられなかったため, 再投与による全身への影響は少なく, 本剤を投与後 3 ヶ月以上の間隔をあけて再投与を行うことは妥当と考えられた なお, 本剤の両眼治療による血漿中薬物濃度について検討していないため, 両眼同日投与に関して注意が必要と考えられた 0.8 非投与群 血漿中薬物濃度 (ng/ml) mg 群 20 mg 群 0.0 投与後 12 週投与後 1 週投与後 12 週投与後 1 週投与後 12 週投与後 1 週投与後 12 週 初回投与再投与 (1 回目 ) 再投与 (2 回目 ) 再投与 (3 回目 ) 図 WP-0508STテノン嚢下投与再投与後の血漿中 TA 濃度の推移 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 非投与群の初回投与は注射筒の先を結膜に押し当てる処置のみ 再投与では 40 mg を投与した 48

49 薬物動態のまとめ 本剤 20 mg 及び 40 mg をテノン嚢下投与した場合, 用量に依存して T max は長くなる傾向を, AUC 0-t は増加する傾向を示し, また,C max においても用量に依存した増加がみられた 本剤をテノン嚢下投与した場合, 全身への移行は硝子体内投与の場合よりも速やかであるものの, 投与部位から全身への移行が非常に緩やかで, 血漿中濃度が急激に上昇することなく C max が抑えられる傾向にあることは硝子体内投与の場合と類似していた また, 全身からの消失 (T 1/2 ) も硝子体内投与の場合と類似した比較的遅い傾向にあり, 全身への吸収量 ( 投与量あたりの AUC 0-t ) は他の投与経路と同程度であると考えられた 以上より, テノン嚢下投与における本剤の眼以外への影響は, 既存の投与経路と比較し同程度と考えられた 本剤 20 mg,40 mg 及び非投与群の初回テノン嚢下投与後 12 週及び再投与後 12 週における血漿中 TA 濃度を比較した結果, 再投与による血漿中 TA 濃度の上昇及び蓄積はみられなかったため, 再投与による全身への影響は少なく, 本剤を投与後 3 ヶ月以上の間隔をあけて再投与を行うことは妥当と考えられた なお, 本剤の両眼治療による血漿中薬物濃度について検討していないため, 両眼同日投与に関して, 下記のとおり注意喚起することとした < 用法 用量に関連する使用上の注意 > [ 硝子体内投与 ] 糖尿病黄斑浮腫 [ テノン嚢下投与 ] 1. 長期投与時の有効性及び安全性は確立していない 長期投与により 白内障のリスクが高くなるおそれがあることから 継続的な長期投与は避けること 再投与は 患者の状態をみながら治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ 3 ヶ月以上の間隔をあけて行うこと 糖尿病黄斑浮腫に対する硝子体内投与の場合は トリアムシノロンアセトニド粒子の消失を細隙灯顕微鏡等で確認した後に再投与すること 2. 臨床試験においては 両眼治療は行われていない 両眼に治療対象となる病変がある場合は 両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること なお 初回治療における両眼同日投与は避け 片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行うこと 49

50 2.5.4 有効性の概括評価糖尿病黄斑浮腫に関して,WP ST 試験を基に本剤テノン嚢下投与の臨床的有効性を評価した また,WP 試験及び WP 試験より, 硝子体内投与との相違について検討した 網膜静脈閉塞症に関しては WP ST 試験, 非感染性ぶどう膜炎に関しては WP ST 試験を基に, 本剤テノン嚢下投与の臨床的有効性を評価した 糖尿病黄斑浮腫に対する試験 テノン嚢下投与による検証試験として,WP ST 試験 ( 第 II/III 相試験 ) を実施している 過去に本剤 ( マキュエイド 硝子体内注用 40mg) の硝子体内投与による試験として, WP 試験 ( 第 I/II 相試験 ) 及び WP 試験 ( 第 II/III 相試験 ) を実施していることから, その異同についても検討した WP ST 試験デザインの妥当性 テノン嚢下投与による第 II/III 相試験 ( 検証試験 ) である WP ST 試験のデザイン等と その妥当性について述べた 1. デザイン概略本治験は, 多施設共同無作為化二重遮蔽 ( 評価者遮蔽 ) とし, 本剤の投与群 (20 mg 群,40 mg 群 ) と非投与群を設けた スクリーニング検査後, 被験者を無作為に 20 mg 群,40 mg 群, 非投与群に割り付け, 投与対象眼に対し本剤の懸濁液 0.5 ml のテノン嚢下投与, 又は注射筒の先を結膜に押し当てる処置を行った 投与後 12 週を含む各時点における有効性 ( 中心窩平均網膜厚, 最高矯正視力 ), 安全性 ( 眼圧等 ) 及び血漿中薬物濃度を評価した また, 中心窩平均網膜厚, 最高矯正視力, 眼圧及び水晶体混濁に関する追跡調査を初回投与後 12 ヶ月まで実施した 投与後 12 週以降の来院日に, 再投与の必要性を検討し, 再投与の判断基準に合致した被験者に対して, 投与群では同用量, 非投与群では本剤を再投与できることとした 再投与可能な期間は初回投与後 1 年以内とし, 期間内は繰り返し投与可能とした また, 中心窩平均網膜厚, 最高矯正視力及び水晶体混濁に関する追跡調査を再投与後 12 ヶ月まで実施した 主要評価項目である光干渉断層計により測定されたデータに関しては, 実施医療機関, 治験依頼者から独立した中央判定委員会にて評価 判定を実施し, 解析対象とした 初回投与後 12 週及び中止 脱落症例における 12 週以内の最終評価時をエンドポイントとして評価に用いた 50

51 クリーニング検査2.5 臨床に関する概括評価マキュエイド硝子体内注用 初回投与 再投与期限 ( 初回投与後 1 年 ) 2 週 12 週 6 ヶ月 9 ヶ月 12 ヶ月ス追跡調査期間 ( 再投与可能期間 ) 観察期間 再投与 (1 回目 ) * 12 週 6 ヶ月 9 ヶ月 12 ヶ月 追跡調査期間 再投与 (2 回目 ) * 観察期間 12 週 6 ヶ月 9 ヶ月 12 ヶ月 観察期間 エンドポイント ( 初回投与後 12 週 ) 追跡調査期間 *: 再投与に関しては投与の 1 例を示した < 用法 用量設定の妥当性 > 本治験における本剤の投与用量は, 文献にて有効性 ( 視力改善, 網膜厚減少等 ) が報告されている 20 mg 及び 40 mg とし, その有効性及び安全性を非投与群と比較するデザインとした 観察期間は, 本剤硝子体内投与による糖尿病黄斑浮腫を対象とした第 II/III 相試験で有効性が検証され, TA テノン嚢下投与での報告においても多く評価されていた投与後 12 週を設定した 再投与間隔 (12 週 ) についても, 文献にて臨床使用の報告があり, 血漿中薬物が消失していると考えられる 時期 119) とした 投与容量は, 文献報告で使用されている 0.5 ml とし, 調製濃度についても文献報告の範囲内であり,0.5 ml で投与できる 40 あるいは 80 mg/ml と設定した [ 表 ] 本邦にて汎用されている 20 mg 群の調製濃度は, マキュエイド 硝子体内注用 40mg で使用実績 1) のある 40 mg/ml とした < 盲検化水準の妥当性 > 本剤は投与前に調製する必要があること, 非投与群を注射針のない注射筒の先を当てることしたことから, 治験薬管理者, 調製者, 投与医師等の遮蔽性維持が不可能なため, 患者及び評価者を遮蔽対象とすることとした 背景因子及びカテゴリ分類による動的割付け ( 最小化法 ) に従い, 適格と判定された被験者を 20 mg 投与群,40 mg 投与群又は非投与群に割り付け, 非遮蔽者 ( 実施医療機関, 治験責任医師から指名を受け非遮蔽者合意した治験薬管理者, 調製者, 投与医師等 ) が投与情報等の遮蔽情報の管理を行った < 主要評価項目評価方法に関する妥当性 > 本治験では, 主要評価項目の解析対象データである中心窩平均網膜厚の解析等を実施することを目的として, 治験依頼者及び実施医療機関から独立した中央判定委員会を設置し, 実施医療機関から回収した OCT 撮像データ ( 電子ファイル ) による画像解析を行った 実施医療機関からは, 51

52 中心窩平均網膜厚測定値を取得せず, 中央判定にて解析され, 適格と判定となった中心窩平均網 膜厚データを評価に使用した 2. 評価項目, 解析方法の概略本治験における有効性評価項目は以下のとおりとした 1) 主要評価項目 : 初回投与後 12 週 ( 最終評価時 ) の中心窩平均網膜厚 2) 副次的評価項目 : 中心窩平均網膜厚の推移 ETDRS チャートによる最高矯正視力の推移 主要な解析方法 : 本治験では, 有効性の主要評価項目に関して,40 mg 投与群対非投与群と,20 mg 投与群対非投与群の 2 パターンの比較検証を行うことから,Bonferroni の多重性の調整を用いた それぞれの検定における有意水準を両側 2.5% とし, その他, 特に示さないものについては, 有意水準両側 5% を用いた 主要な解析対象集団は最大の解析対象集団 ( 以下 FAS) とした スクリーニング時の中心窩平均網膜厚を共変量として, エンドポイントの中心窩平均網膜厚について, 共分散分析を行った 共分散分析は,40 mg 群対非投与群と 20 mg 群対非投与群の 2 パターン実施した エンドポイントの中心窩平均網膜厚については, 対象となる被験者数を表示し, 投与群ごとにスクリーニング時のデータで調整後の平均値, 標準誤差を算出した 40 mg 群と非投与群の差及び 20 mg 群と非投与群との差について, スクリーニング時のデータで調整後の平均値, 標準誤差, 及びその 95% 信頼区間を表示し, スクリーニング時の中心窩平均網膜厚を共変量とした共分散分析を行った 投与後 1 週 ( 投与日 +7-3)~ 投与後 12 週 ( 投与日 +84+5) の範囲内で一番遅くに観察されたものをエンドポイントとして採用した また, 副次的評価項目である ETDRS 視力による最高矯正視力に関しても, 同様の解析を実施した < 評価項目の妥当性 > 糖尿病黄斑浮腫効能を承認された製剤 ( マキュエイド 硝子体内注用 40mg 1), ルセンティス 硝子体内注射液 46), アイリーア 硝子体内注射液 47) ) の臨床試験 120)-125) においては,ETDRSチャートによる最高矯正視力及び網膜厚が有効性の評価項目として採用されていることから, 有効性評価項目を中心窩平均網膜厚 ( 中心窩より半径 0.5 mmの範囲の平均値 ) 及びETDRSチャートによる最高矯正視力と設定した 主要評価項目として, 既存の製剤の治験では,ETDRSチャートによる最高矯正視力を評価しているが, 本剤テノン嚢下投与においては, 他の薬物療法, レーザー治療等との併用に使用されているという実態を考慮し, 主要評価項目を中心窩平均網膜厚とした 中心窩平均網膜厚は, 光干渉断層計の自動計測による客観的な指標であり, 定量評価が可能である 主要な評価時点については,WP 試験にて,4 mg 群にスクリーニング時からの有意な視力改善が認められたこと, 文献報告よりTA 20 mgあるいは40 mg 単回投与で糖尿病黄斑浮腫患者の網膜厚, 視力改善が報告されていること [ 表 ] から初回投与後 12 週と設定した 初回投 52

53 与後 12 週検査終了後は, 糖尿病黄斑浮腫に対する併用薬又は併用療法を使用可能としたため, 参考データとして, 投与後 6ヶ月,9ヶ月,12ヶ月の中心窩平均網膜厚と最高矯正視力を評価した 3. 目標症例数設定 90 例 1 群 30 例 3 群 [ 集積症例数 :96 例 (1 群 32 例 3 群 )] < 症例数設定の妥当性 > 症例数の設定に関しては,WP-0508 第 II/III 相試験 ( 硝子体内投与, 糖尿病黄斑浮腫対象 ) 結果 参考データ (1) 及び文献値( テノン嚢下投与, 糖尿病黄斑浮腫対象 ) 参考データ(2) を参考にして, 投与後 12 週における中心窩平均網膜厚の非投与群との差 (100 μm) が再現されると想定した ( 表 ) Bonferroni の方法を用い, 非投与群と 20 mg 群, 非投与群と 40 mg 群の二つの比較を行うことから, 多重性を考慮し, 第一種過誤 (α) を 2.5%(0.05/2) とし,SAS(proc power) にて必要症例数を算出したところ, 各群 29 例で検出力 80.5% となった 以上から, 目標症例数を各群 30 例とし, 中止 脱落例を考慮に入れて集積症例数を各群 32 例とした 表 必要症例数の設定根拠とした網膜厚 (μm) データ データ項目 参考データ (1) WP-0508 第 II/III 相試験 ( 硝子体内投与 ) 参考データ (2) 文献値 ( 単独投与のみ ) * ( テノン嚢下投与 ) 平均値 平均値 群分け ( スクリーニング時 標準偏差 ( スクリーニング時 標準偏差 からの変化量 ) からの変化量 ) 非投与群 (-13.9) (83.1) (25.5) (-) 投与群 276.4~ ~ ~ ~97 (-157.1~-149.9) (110.3~117.3) (-243.2~-15) (91~114.9) * 中心窩網膜厚又は網膜厚 変数設定に使用したデータ ** 非投与群標準との差偏差 ** 投与群間の症例数比率投与群 : 非投与群 =1:1 < 設定閾値の妥当性 > 現在, 糖尿病黄斑浮腫治療方法として選択されている薬物療法 (VEGF 阻害剤,TA 硝子体内投与, 副腎皮質ホルモン剤点眼等 ), 光凝固, 硝子体手術の単独療法では有効性に限界があり, 併用治療の模索が行われている TA 含有製剤のテノン嚢下投与は, その投与経路から, 他の投与経路の薬剤 ( 点眼, 硝子体内投与 ), 光凝固, 硝子体手術との併用に関する有用性が高いと考えられる マキュエイド 硝子体内注用 40mgの単回投与後 12 週のスクリーニング時からの中心窩平均網膜厚変化量は-149.9±110.3 μm, 国内外にて糖尿病黄斑浮腫治療剤として承認されているVEGF 阻害剤の治療開始 3~4ヶ月後のベースラインからの網膜厚改善は, ルセンティス 硝子体内注射液 10mg/mL (3 回 /3ヶ月投与) で約 -120~-200 μm 120)-122), アイリーア 硝子体内注射液 40mg/mL(3 回 /3ヶ月投 53

54 与 ) で約 -130~-160 μm 123)-125) である また, 本邦にて開発中のステロイド点眼液 ( ジフルプレドナード点眼液 )1 日 4 回 1ヶ月点眼,1 日 2 回 2ヶ月点眼で-79.5~ μm 127),128) の浮腫改善であり, TAテノン嚢下投与と同程度の浮腫改善効果が報告されている 128) 本剤テノン嚢下投与においては, 硝子体内注射製剤と比較し, 眼内炎等の安全性に関するリスクが少ないこと, 他の薬剤との併用, 光凝固の前治療, 他の治療 ( 薬物療法, 硝子体手術 ) 後の再発予防等に使用されることも考慮し, 点眼液と同様の有効性を示す必要があると考えられた したがって, 本設定で使用した非投与群との差 (100±120 μm) は臨床的に意義のある差であると考えられた 以下に設定の根拠とした文献等の内容を示した 120) 1. 文献番号 Brown DM, et al. の報告 (RISE and RIDE study) 本報告は, 米国にて糖尿病黄斑浮腫患者 759 例を対象に実施された4 週毎投与のranibizumab 0.3 mg 群,0.5 mg 及びsham 群を比較検討した無作為化二重遮蔽比較対照の第 III 相試験であり, データは投与後 3ヶ月時を引用した 承認用量であるranibizumab 0.5 mg 群における平均網膜厚のベースラインからの3ヶ月後の平均変化量は約 -180 μm(rise study) 及び約 -200 μm(ride study) であった 121) 2. 文献番号 Schmidt-Erfurth U, et al. の報告 (The RESTORE Extension study) 本報告は, スイス,EU, 豪州, カナダ他にて糖尿病黄斑浮腫患者 345 例を対象に実施された4 週毎投与のranibizumab 0.5 mg 群,ranibizumab 0.5 mg + レーザー治療群及びレーザー治療群を比較検討した無作為化二重遮蔽比較対照の第 III 相試験の追跡試験であり, データはThe RESTORE studyに該当する投与後 3ヶ月時を引用した 承認用量であるranibizumab 0.5 mg 群における平均網膜厚のベースラインからの3ヶ月後の平均変化量は約 -120 μmであった 122) 3. 文献番号 Ishibashi T, et al. の報告 (The REVEAL study) 本報告は, 日本, 中国, 韓国他にて糖尿病黄斑浮腫患者 396 例 ( 日本人 154 例を含む ) を対象に実施された4 週毎投与のranibizumab 0.5 mg 群,ranibizumab 0.5 mg + レーザー治療群及びレーザー治療群を比較検討した無作為化二重遮蔽比較対照の第 III 相試験である 承認用量であるranibizumab 0.5 mg 群における平均網膜厚のベースラインからの3ヶ月後の平均変化量は約 -130 μmであった 123),124) 4. 文献番号 Diana V. et al. の報告 (The DA VINCI study) 本報告は, 米国, カナダ, オーストリアの3ヵ国 39 施設における糖尿病黄斑浮腫患者 221 例を対象にafliberceptの用法用量を検討した無作為化二重遮蔽比較対照の第 II 相試験である 承認用量であるaflibercept 2 mgを投与した群における平均網膜厚のベースラインからの3ヶ月後の平均変化量は,4 週毎投与群で約 -160 μm,8 週毎投与群で約 -130 μm,4 週毎投与後適宜投与群で約 -150 μmであった 54

55 125),126) 5. 文献番号 David MB, et al. の報告 (The VISTA and VIVID studies) VIVID-DME 試験は, 日本, オーストラリア, 欧州連合の11ヵ国 73 施設における糖尿病黄斑浮腫患者 406 例 ( 日本人 77 例を含む ) を対象にaflibercept 投与群のレーザー治療群に対する優越性を検討した無作為化二重遮蔽比較対照の第 III 相試験である 承認用量であるaflibercept 2 mgを投与した群における平均網膜厚のベースラインからの3ヶ月後の平均変化量は, 約 -150 μmから-160 μmであった VISTA-DME 試験は, 米国,54 施設における糖尿病黄斑浮腫患者 466 例を対象にaflibercept 投与群のレーザー治療群に対する優越性を検討した無作為化二重遮蔽比較対照の第 III 相試験である 承認用量であるaflibercept 2 mgを投与した群における平均網膜厚のベースラインからの 3ヶ月後の平均変化量は, 約 -150 μmであった 6. 文献番号 127) Nakano.GS, et.al. の報告本報告は, びまん性糖尿病黄斑浮腫患者 15 名 19 眼にジフルプレドナード0.05% 点眼液を最初の1ヶ月は1 日 4 回, その後の2ヶ月は1 日 2 回点眼した治療群と, コントロール群としてステロイドレスポンダーテストを実施した糖尿病黄斑浮腫患者から選択した11 名 22 眼を比較した国内実施のcase-control studyである 治療群におけ平均網膜厚はbaseline 461.1±109.9 μm,1ヶ月後 372.1±70.0 μm,3ヶ月後 381.6±123.6 μmであり,1ヶ月後及び3ヶ月後の変化量は平均値の差として-89.0 μm 及び-79.5 μm であった コントロール群における平均網膜厚 baseline 388.0±122.7 μm,1 ヶ月後 375.2±143.4 μmであり,1 ヶ月後の変化量は平均値の差として-12.8 μm であった 治療群とコントロール群における平均網膜厚の変化量の群間差は平均値の差として76.2 μmであった 7. 文献番号 128) Nakano.S, et.al. の報告本報告は, 難治性糖尿病黄斑浮腫患者を対象に, トリアムシノロンアセトニドテノン嚢下投与 (STTA) 群 10 名 11 眼とジフルプレドナード0.05% 点眼液を最初の1ヶ月は1 日 4 回, その後の2ヶ月は1 日 2 回点眼した群 7 名 11 眼を比較した国内実施のcase-control studyである STTA 群における平均網膜厚はbaseline 543.3±132.6 μm,1ヶ月後 372.3±132.8 μm,3ヶ月後 378.6±135.0 μm であり, ジフルプレドナード0.05% 点眼液における平均網膜厚はbaseline 500.6±207.7 μm,1ヶ月後 353.4±160.7 μm,3ヶ月後 341.2±194.8 μmであった STTA 及びジフルプレドナード0.05% 点眼治療 1ヶ月後における平均網膜厚の変化量は平均値の差としてそれぞれ μm 及び μmであり, 治療 3ヶ月後においては, それぞれ μm 及び μmであった 55

56 WP ST 試験の有効性評価成績 糖尿病黄斑浮腫患者を対象に多施設共同無作為化二重遮蔽 ( 評価者遮蔽 ) 試験を実施した 本治験への参加に同意し, スクリーニング検査を実施した被験者数は 120 例であった 本治験では, 同意取得に関する違反はなかった スクリーニング検査を終了し, 登録された被験者数は 95 例 ( 40 mg 群 30 例,20 mg 群 33 例, 非投与群 32 例 ) であった 登録された被験者のうち,20 mg 群の 1 例が硝子体出血により投与未実施となったことから, 初回投与が実施された被験者数は 94 例 (40 mg 群 30 例,20 mg 群 32 例, 非投与群 32 例 ) となった 初回投与後 12 週の観察期を完了した被験者数は,92 例 (40 mg 群 30 例,20 mg 群 31 例, 非投与群 31 例 ) であった 初回投与後 12 週までに中止 脱落した被験者数は,20 mg 群で 1 例, 非投与群で 1 例であり, 中止 脱落の理由は, それぞれ併用禁止薬の使用, 現病の悪化であった 上記 2 例 ( 中止したが追跡調査は継続 ) のうち,1 例 (20 mg 群 ) は有害事象に伴う追跡調査, 治験実施計画書で規定された初回投与後 6 ヶ月の追跡調査に移行し, 初回投与後 12 ヶ月まで追跡調査を継続した もう 1 例 ( 非投与群 ) は, 有害事象の追跡調査のみ実施のため, 初回投与後 6 ヶ月に規定された追跡調査は実施せず, 有害事象の転帰確認時点で治験終了となった 初回投与後 12 週検査終了後 12 ヶ月までの間に治験終了となった被験者はいなかった 初回投与後 12 週の観察期以降に再投与へ移行した被験者は 37 例 (40 mg 群 8 例,20 mg 群 14 例, 非投与群 15 例 ) であった 初回投与後 12 ヶ月の追跡調査実施被験者は,57 例 (40 mg 群で 22 例,20 mg 群で 19 例, 非投与群で 16 例 ) であった FASでは, 投与実施症例 94 例から, 選択基準, 除外基準に抵触した症例を除く89 例 (40 mg 群 27 例,20 mg 群 31 例, 非投与群 31 例 ) が,PPSでは,FASから投与方法違反を除く88 例 (40 mg 群 26 例,20 mg 群 31 例, 非投与群 31 例 ) が解析対象となった 以下, 主要な解析対象集団であるFASにおける結果について示した 1. 人口統計学的特性及びその他の特性主要な解析対象集団である FAS での人口統計学的及び他の基準値の特性を表 に示した 群間の人口統計学的及び他の基準値の特性の偏り ( 不均衡 ) を検出する有意水準は両側 15% とした カテゴリカルデータで群間に有意な偏りが認められた項目について, カテゴリごとに中心窩平均網膜厚の解析 (FAS のみ ) を実施することとした FAS における解析対象被験者数は合計 89 例であり,40 mg 群 27 例,20 mg 群 31 例及び非投与群 31 例, 年齢の平均値はそれぞれの群で 65.8 歳,64.3 歳及び 65.5 歳であった 糖尿病網膜症の重症度はそれぞれの群で軽症非増殖糖尿病網膜症が 4 例 ( 14.8%),9 例 ( 29.0%) 及び 3 例 ( 9.7%), 中等度非増殖糖尿病網膜症が 21 例 (77.8%), 16 例 (51.6%) 及び 23 例 (74.2%), 重症非増殖糖尿病網膜症が 2 例 (7.4%), 6 例 (19.4%) 及び 5 例 (16.1%) であり, 糖尿病網膜症罹病期間の平均値はそれぞれの群で 3.61 年,3.70 年及び 3.84 年であった HbA 1c の平均値はそれぞれの群で 7.69%,7.17% 及び 7.32% であった FAS においては, 性別 (p=0.107,χ 2 検定 ) 及び HbA 1c ( 計量データ ) (p=0.074,kruskal-wallis 56

57 検定 ) で群間の不均衡が検出されたため, 中心窩平均網膜厚の部分集団の検討を行った 本治験で動的割付けの因子とした中心窩平均網膜厚, 硝子体手術既往の有無及び水晶体の状態については, 群間に不均衡はなかった 本剤が投与された患者集団は,36 歳未満の患者,I 型糖尿病患者, 増殖糖尿病網膜症の患者, 妊婦, 産婦, 妊娠している可能性のある女性を含まないものの, 市販後に投与が予想される集団と大きな相違はないと考えられた 57

58 表 WP ST 試験における人口統計学的及び他の基準値の特性 [FAS] 項目 40 mg 群 20 mg 群 非投与群 解析対象被験者数 Kruskal- Wallis 検定 χ 2 検定 性別 男 17 (63.0) 14 (45.2) 22 (71.0) - p= 女 10 (37.0) 17 (54.8) 9 (29.0) 年齢 ( 歳 ) 被験者数 p= 平均値 標準偏差 最小値 中央値 最大値 歳未満 1 (3.7) 3 (9.7) 0 (0.0) - p= 歳以上 55 歳未満 1 (3.7) 2 (6.5) 5 (16.1) 55 歳以上 65 歳未満 7 (25.9) 9 (29.0) 7 (22.6) 65 歳以上 75 歳未満 14 (51.9) 12 (38.7) 15 (48.4) 75 歳以上 4 (14.8) 5 (16.1) 4 (12.9) 対象眼 右眼 13 (48.1) 15 (48.4) 16 (51.6) - p=0.956 左眼 14 (51.9) 16 (51.6) 15 (48.4) 眼局所への副腎皮質ステロイド無 9 (33.3) 13 (41.9) 15 (48.4) - p=0.509 投与の既往 ( 対象眼 ) 有 ( 硝子体内 ) 3 (11.1) 4 (12.9) 1 (3.2) 有 ( テノン嚢下 球後 ) 14 (51.9) 13 (41.9) 16 (51.6) 有 ( その他 ) 3 (11.1) 8 (25.8) 0 (0.0) 眼局所への 無 4 (14.8) 5 (16.1) 7 (22.6) - p=0.705 レーザー治療の既往 ( 対象眼 ) 有 23 (85.2) 26 (83.9) 24 (77.4) 水晶体の状態 有水晶体眼 19 (70.4) 18 (58.1) 21 (67.7) - p=0.577 ( 対象眼 ) 偽水晶体眼若しくは無水晶体眼 8 (29.6) 13 (41.9) 10 (32.3) 硝子体手術の既往 無 23 (85.2) 26 (83.9) 28 (90.3) - p=0.736 有 4 (14.8) 5 (16.1) 3 (9.7) 既往歴 ( 対象眼 ) 無 17 (63.0) 18 (58.1) 21 (67.7) - p=0.733 有 10 (37.0) 13 (41.9) 10 (32.3) 多い順に5% 以上の疾患名をPTで表示白内障 7 (25.9) 12 (38.7) 9 (29.0) 後嚢部混濁 4 (14.8) 2 (6.5) 1 (3.2) 既往歴 ( 眼以外 ) 無 23 (85.2) 27 (87.1) 30 (96.8) - p=0.281 有 4 (14.8) 4 (12.9) 1 (3.2) SOCごとに集計耳および迷路障害 1 (3.7) 0 (0.0) 0 (0.0) 胃腸障害 1 (3.7) 0 (0.0) 0 (0.0) 傷害 中毒および処置合併症 1 (3.7) 1 (3.2) 0 (0.0) 良性 悪性および詳細不明の新生物 ( 嚢胞およびポリープを含む ) 1 (3.7) 1 (3.2) 0 (0.0) 神経系障害 0 (0.0) 1 (3.2) 1 (3.2) 外科および内科処置 0 (0.0) 1 (3.2) 0 (0.0) 現病歴 / 糖尿病罹病期間 ( 年 ) 被験者数 p= 平均値 標準偏差 最小値 中央値 最大値 年未満 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) - p= 年以上 2 年未満 1 (3.7) 1 (3.2) 2 (6.5) 2 年以上 26 (96.3) 30 (96.8) 29 (93.5) 不明 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 病型 1 型 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 型 27 (100.0) 31 (100.0) 31 (100.0) その他 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 治療歴 / 薬物療法 無 1 (3.7) 1 (3.2) 0 (0.0) - p=0.574 有 26 (96.3) 30 (96.8) 31 (100.0) 治療歴 / 食事療法 無 17 (63.0) 23 (74.2) 18 (58.1) - p=0.395 有 10 (37.0) 8 (25.8) 13 (41.9) 治療歴 / 運動療法 無 19 (70.4) 24 (77.4) 19 (61.3) - p=0.383 有 8 (29.6) 7 (22.6) 12 (38.7) 被験者数 (%),+: p<0.15 MedDRA/J ver

59 表 WP ST 試験における人口統計学的及び他の基準値の特性 [FAS]( 続き ) 項目 40 mg 群 20 mg 群 非投与群 解析対象被験者数 現病歴 / 糖尿網膜症 ( 対象眼 ) Kruskal- Wallis 検定 χ 2 検定 重症度 ( 対象眼 ) 糖尿病網膜症なし 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) - p=0.151 軽症非増殖糖尿病網膜症 4 (14.8) 9 (29.0) 3 (9.7) 中等度非増殖糖尿病網膜症 21 (77.8) 16 (51.6) 23 (74.2) 重症非増殖糖尿病網膜症 2 (7.4) 6 (19.4) 5 (16.1) 増殖糖尿病網膜症 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 罹病期間 ( 年 ) 被験者数 p= 平均値 標準偏差 最小値 中央値 最大値 年未満 3 (11.1) 3 (9.7) 3 (9.7) - p= 年以上 2 年未満 3 (11.1) 6 (19.4) 5 (16.1) 2 年以上 21 (77.8) 22 (71.0) 22 (71.0) 不明 0 (0.0) 0 (0.0) 1 (3.2) 現病歴 / 糖尿病黄斑浮腫 ( 対象眼 ) 罹病期間 ( 年 ) 被験者数 p= 平均値 標準偏差 最小値 中央値 最大値 年未満 5 (18.5) 9 (29.0) 7 (22.6) - p= 年以上 2 年未満 4 (14.8) 3 (9.7) 7 (22.6) 2 年以上 18 (66.7) 19 (61.3) 16 (51.6) 不明 0 (0.0) 0 (0.0) 1 (3.2) 治療歴 / 糖尿網膜症 糖尿病黄斑浮腫 ( 対象眼 ) レーザー治療 無 4 (14.8) 4 (12.9) 6 (19.4) - p=0.774 有 23 (85.2) 27 (87.1) 25 (80.6) 薬物治療 無 6 (22.2) 12 (38.7) 9 (29.0) - p=0.388 有 21 (77.8) 19 (61.3) 22 (71.0) 硝子体手術 無 22 (81.5) 26 (83.9) 22 (71.0) - p=0.423 有 5 (18.5) 5 (16.1) 9 (29.0) その他 無 27 (100.0) 31 (100.0) 31 (100.0) - - 有 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 現病歴 無 12 (44.4) 11 (35.5) 9 (29.0) - p=0.474 ( 対象眼 ) 有 15 (55.6) 20 (64.5) 22 (71.0) 多い順に5% 以上の疾患名をPTで表示白内障 13 (48.1) 13 (41.9) 20 (64.5) アレルギー性結膜炎 1 (3.7) 4 (12.9) 2 (6.5) 季節性アレルギー 2 (7.4) 1 (3.2) 1 (3.2) 眼精疲労 3 (11.1) 0 (0.0) 0 (0.0) 後嚢部混濁 0 (0.0) 3 (9.7) 0 (0.0) 現病歴 無 2 (7.4) 2 (6.5) 2 (6.5) - p=0.986 ( 眼以外 ) 有 25 (92.6) 29 (93.5) 29 (93.5) SOCごとに集計血液およびリンパ系障害 0 (0.0) 1 (3.2) 0 (0.0) 心臓障害 3 (11.1) 1 (3.2) 0 (0.0) 耳および迷路障害 1 (3.7) 1 (3.2) 0 (0.0) 内分泌障害 0 (0.0) 0 (0.0) 1 (3.2) 胃腸障害 8 (29.6) 8 (25.8) 5 (16.1) 肝胆道系障害 3 (11.1) 0 (0.0) 3 (9.7) 免疫系障害 1 (3.7) 0 (0.0) 2 (6.5) 感染症および寄生虫症 0 (0.0) 1 (3.2) 4 (12.9) 傷害 中毒および処置合併症 1 (3.7) 0 (0.0) 0 (0.0) 代謝および栄養障害 16 (59.3) 18 (58.1) 20 (64.5) 筋骨格系および結合組織障害 5 (18.5) 8 (25.8) 3 (9.7) 良性 悪性および詳細不明の新生物 ( 嚢胞およびポリープを含む ) 1 (3.7) 0 (0.0) 1 (3.2) 神経系障害 4 (14.8) 7 (22.6) 11 (35.5) 精神障害 2 (7.4) 2 (6.5) 1 (3.2) 腎および尿路障害 2 (7.4) 4 (12.9) 5 (16.1) 生殖系および乳房障害 1 (3.7) 0 (0.0) 1 (3.2) 呼吸器 胸郭および縦隔障害 2 (7.4) 1 (3.2) 1 (3.2) 皮膚および皮下組織障害 1 (3.7) 4 (12.9) 0 (0.0) 血管障害 19 (70.4) 19 (61.3) 20 (64.5) 被験者数 (%) MedDRA/J ver

60 表 WP ST 試験における人口統計学的及び他の基準値の特性 [FAS]( 続き ) 項目 40 mg 群 20 mg 群 非投与群 解析対象被験者数 Kruskal- Wallis 検定 χ 2 検定 薬剤アレルキ ー 過敏症 無 25 (92.6) 30 (96.8) 29 (93.5) - p=0.764 有 2 (7.4) 1 (3.2) 2 (6.5) 併用薬 *( 対象眼 ) 無 20 (74.1) 22 (71.0) 23 (74.2) - p=0.950 有 7 (25.9) 9 (29.0) 8 (25.8) 併用薬 *( 眼以外 ) 無 1 (3.7) 0 (0.0) 0 (0.0) - p=0.313 有 26 (96.3) 31 (100.0) 31 (100.0) 併用療法 ( 対象眼 ) 無 27 (100.0) 31 (100.0) 31 (100.0) - - 有 0 (0.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 併用療法 ( 眼以外 ) 無 19 (70.4) 22 (71.0) 18 (58.1) - p=0.486 有 8 (29.6) 9 (29.0) 13 (41.9) 最高矯正視力 ( 文字 ) 被験者数 p= ( 対象眼 ) 平均値 標準偏差 最小値 中央値 最大値 文字未満 2 (7.4) 5 (16.1) 6 (19.4) - p= 文字以上 60 文字未満 10 (37.0) 9 (29.0) 10 (32.3) 60 文字以上 15 (55.6) 17 (54.8) 15 (48.4) 中心窩平均網膜厚 (μm) 被験者数 p= ( 対象眼 ) 平均値 標準偏差 最小値 中央値 最大値 μm 未満 7 (25.9) 7 (22.6) 12 (38.7) - p= μm 以上 500 μm 未満 10 (37.0) 11 (35.5) 7 (22.6) 500 μm 以上 600 μm 未満 1 (3.7) 6 (19.4) 6 (19.4) 600 μm 以上 9 (33.3) 7 (22.6) 6 (19.4) 眼圧 (mmhg) 被験者数 p= ( 対象眼 ) 平均値 標準偏差 最小値 中央値 最大値 mmhg 未満 7 (25.9) 8 (25.8) 9 (29.0) - p= mmhg 以上 20 mmhg 未満 16 (59.3) 21 (67.7) 19 (61.3) 20 mmhg 以上 4 (14.8) 2 (6.5) 3 (9.7) HbA1c (%) 被験者数 p= 平均値 標準偏差 最小値 中央値 最大値 % 未満 5 (18.5) 11 (35.5) 9 (29.0) - p= % 以上 22 (81.5) 20 (64.5) 22 (71.0) 被験者数 (%) *: 治験薬投与のため 以外の理由で使用したもののみ 60

61 2. 主要評価項目に関する結果エンドポイントの中心窩平均網膜厚については,40 mg 群と非投与群の比較及び 20 mg 群と非投与群の比較について, スクリーニング時のデータで調整した平均値, 標準誤差, 群間差, 差の標準誤差, 共分散分析による p 値, 差の 97.5% 信頼区間を表 に示した 本治験では有効性の主要評価項目に関して,40 mg 群対非投与群と,20 mg 群対非投与群の 2 パターンの比較検証を行うことから,Bonferroni の多重性の調整を用いて解析を行い, 検定における有意水準は両側 2.5% とした 本治験の主要な解析対象集団 FAS において, エンドポイントでの中心窩平均網膜厚の非投与群との差の平均値 ± 標準誤差は,40 mg 群で-62.7±27.88 μm,20 mg 群で-93.0±23.80 μm であった 40 mg 群と非投与群の比較では有意差はみられず [p=0.029; 共分散分析 ( 以下同様 )],20 mg 群と非投与群の比較で,20 mg 群が有意に低値を示した (p<0.001) PPS では,40 mg 群,20 mg 群ともに非投与群との比較で, 有意に低値を示した ( それぞれ p=0.017,p<0.001) 以上より, 本剤 20 mgを糖尿病黄斑浮腫眼にテノン嚢下投与した結果, 主要なエンドポイントにおいて非投与群との統計学的に有意な差が認められたことから, 本剤 20 mgの非投与群に対する優越性が検証され, その有効性が示された 本剤 40 mgについても, 主要な解析集団であるFASにおいては, 非投与群との統計学的に有意な差が認められなかったものの,PPSにおいては認められたことから, 本剤の浮腫改善効果が確認された FAS において本剤 40 mg 群が非投与群との統計学的に有意な差が認められなかった要因は, 無作為割り付け後の脱落 除外例が 40 mg 群に多く認められたこと, 並びに本剤 40 mg を投与中に針詰まりを起こしたため, 規定量注入できず PPS では除外された無効例の 1 例が FAS に含まれているためと考えられる 実際, 登録され無作為に各群に割り付けられた被験者数 95 例 (40 mg 群 30 例,20 mg 群 33 例, 非投与群 32 例 ) のうち, 硝子体出血により投与未実施となった 20 mg 群の 1 例, 選択除外基準違反により FAS より 40 mg 群の 3 例,20 mg 群の 1 例, 非投与群の 1 例 [ 表 ] の計 6 例がデータ欠損及び解析から除外されたことより,FAS の解析対象集団は 89 例 (40 mg 群 27 例,20 mg 群 31 例, 非投与群 31 例 ) となった FAS 除外のエンドポイントのデータが存在する 5 例を解析に加えたところ, エンドポイントでの中心窩平均網膜厚における 40 mg 群と非投与群との差は-75.7±28.09 μm となり有意な (p=0.009) 改善を示している ( 表 ) 61

62 [FAS] 40 mg 群対非投与群 20 mg 群対非投与群 表 WP ST 試験における中心窩平均網膜厚 (μm) 1) の評価 ( エンドポイント 2) における検討 )[FAS 及び PPS] スクリーニング時のデータで調整後の値投与群非投与群 非投与群との差 被験者数 平均値 標準誤差 スクリーニング時のデータを共変量とした共分散分析 - - p= % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~1.6 被験者数 平均値 標準誤差 スクリーニング時のデータを共変量とした共分散分析 - - p< % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~-38.2 [PPS] 40 mg 群対非投与群 20 mg 群対非投与群 スクリーニング時のデータで調整後の値投与群非投与群 非投与群との差 被験者数 平均値 標準誤差 スクリーニング時のデータを共変量とした共分散分析 - - p= % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~-4.6 被験者数 平均値 標準誤差 スクリーニング時のデータを共変量とした共分散分析 - - p< % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~ ) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 (μm) 2) 初回投与後 1 週 ( 投与日 +7-3)~12 週 ( 投与日 +84+5) の範囲内で一番遅くに観察されたデータ ; p<0.025(bonferroni), 非投与群に対するスクリーニング時の値を共変量とした共分散分析 62

63 40 mg 群対非投与群 20 mg 群対非投与群 表 WP ST 試験における中心窩平均網膜厚 (μm) 1) の評価 ( エンドポイント 2) における検討 )[FAS 不採用例を含む ] スクリーニング時のデータで調整後の値投与群非投与群 非投与群との差 被験者数 平均値 標準誤差 スクリーニング時のデータを共変量とした共分散分析 - - p= % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~-11.1 被験者数 平均値 標準誤差 スクリーニング時のデータを共変量とした共分散分析 - - p< % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~ ) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 (μm) 2) 初回投与後 1 週 ( 投与日 +7-3)~12 週 ( 投与日 +84+5) の範囲内で一番遅くに観察されたデータ ; p<0.025(bonferroni), 非投与群に対するスクリーニング時の値を共変量とした共分散分析 3. 副次的評価項目に関する評価 FASにおける観察期間 ( 投与後 12 週まで ) 及び追跡調査期間 ( 投与後 12ヶ月まで ) の投与対象眼の中心窩平均網膜厚の推移を図 に, 最高矯正視力の推移を図 に示した 1) 中心窩平均網膜厚の推移 FAS におけるスクリーニング時から初回投与後 12 週までの中心窩平均網膜厚の推移は,40 mg 群,20 mg 群ともに, スクリーニング時に比べ投与後 1 週より有意な改善がみられ, 投与後 4 週, 8 週,12 週と改善が維持された [40 mg 群の 12 週では p=0.003, その他はいずれも p<0.001; 対応のある t 検定 ( 以下同様 )] 非投与群では投与後 1 週,4 週,8 週,12 週のいずれにおいても, スクリーニング時に比べ有意な改善はみられなかった 初回投与後 12 週のスクリーニング時からの平均変化量 ± 標準偏差は,40 mg 群で-97.8± μm (p=0.003),20 mg 群で-124.1± μm(p<0.001) であった 非投与群では-21.8±99.91 μm(p=0.242) であった 初回投与後 12 週以降は併用禁止が解除となり, 糖尿病黄斑浮腫に対する併用禁止薬及び併用禁止療法も使用可能となった また, 初回投与後 12 週以降, 再投与の判断基準に従い再投与が実施された 37 例 (40 mg 群 8 例,20 mg 群 14 例, 非投与群 15 例 ) の再投与後のデータが評価対象外となった 初回投与後 12 週以降の中心窩平均網膜厚は, スクリーニング時に比べ 40 mg 群では投与後 9 ヶ月まで有意な改善がみられ [6 ヶ月 (p=0.004), 及び 9 ヶ月 (p=0.009)],20 mg 群では投与後 12 ヶ月 (p=0.009) まで有意な改善が維持された [6 ヶ月 (p=0.008),9 ヶ月 (p=0.004), 及び 12 ヶ月 (p=0.009)] 非投与群においても 9 ヶ月 (p=0.004) 及び 12 ヶ月 (p=0.036) におい 63

64 て有意な中心窩平均網膜厚の減少がみられた 700 ** ** ** * ( 平均値 ± 標準偏差 ) 600 ** ** ** ** 中心窩平均網膜厚 (μm) : 非投与群 :31 例 : 20mg 群 :31 例 : 40mg 群 :27 例 0 スクリーニング時 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後 エンド ポイント 評価時期 6 ヶ月後 1) 9 ヶ月後 1) 12 ヶ月後 1) ( 平均値 ) 非投与群 mg 群 mg 群 *: p<0.05,**: p<0.01, 非投与群に対するスクリーニング時の値を共変量とした共分散分析 : p<0.025(bonferroni), 非投与群に対するスクリーニング時の値を共変量とした共分散分析 +: p<0.05,++: p<0.01, スクリーニング時の値に対する対応のある t 検定 1) 12 週以降のデータは再投与に移行した症例を含まない 図 WP ST 試験における中心窩平均網膜厚の推移 [FAS] 2) 最高矯正視力 (ETDRS) の推移 FAS におけるスクリーニング時から初回投与後 12 週までの最高矯正視力の推移は,40 mg 群, 20 mg 群ともに, スクリーニング時に比べ投与後 1 週より有意な改善がみられ,4 週,8 週,12 週と改善が維持された [20 mg 群の 1 週では p=0.003, その他はいずれも p<0.001; 対応のある t 検定 ( 以下同様 )] 非投与群では投与後 1 週に有意な改善がみられたが (p=0.028), 4 週,8 週, 12 週のいずれにおいても, 有意な改善はみられなかった 初回投与後 12 週のスクリーニング時からの平均変化量 ± 標準偏差は,40 mg 群で 7.6±6.70 文字の改善 (p<0.001), 20 mg 群で 6.1±8.52 文字の改善 (p<0.001) であった 非投与群では 2.2±7.23 文字の改善 (p=0.102) であった 64

65 90 * * * * ( 平均値 ± 標準偏差 ) 80 * * 最高矯正視力 ( 文字 ) : 非投与群 :31 例 : 20mg 群 :31 例 : 40mg 群 :27 例 0 スクリーニング時 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後 エンド ポイント 評価時期 6 ヶ月後 1) 9 ヶ月後 1) 12 ヶ月後 1) 非投与群 mg 群 mg 群 *: p<0.05, 非投与群に対するスクリーニング時の値を共変量とした共分散分析 +: p<0.05,++: p<0.01, スクリーニング時の値に対する対応のある t 検定 1) 12 週以降のデータは再投与に移行した症例を含まない 図 WP ST 試験における最高矯正視力の推移 [FAS] ( 平均値 ) 初回投与後 12 週検査終了後は, 糖尿病黄斑浮腫に対する併用禁止薬及び併用禁止療法が使用可能となった また, 初回投与後 12 週検査終了後, 再投与の判断基準に従い再投与が実施された 37 例 (40 mg 群 8 例,20 mg 群 14 例, 非投与群 15 例 ) の再投与後のデータが評価対象外となった 初回投与後 12 週以降の最高矯正視力は, スクリーニング時に比べ 40 mg 群及び 20 mg 群で 9 ヶ月後まで有意な改善が維持された [40 mg 群 :6 ヶ月後 ( p<0.001), 及び 9 ヶ月後 ( p=0.007), 20 mg 群 :6 ヶ月後 ( p=0.008), 及び 9 ヶ月後 ( p<0.001)] 非投与群においても初回投与後 9 ヶ月後 ( p=0.026) 及び 12 ヶ月後 (p=0.005) において有意な最高矯正視力の改善がみられた 以上より, 本剤のテノン嚢下投与より, 黄斑浮腫軽減に伴う視力改善が確認され,40 mg 群,20 mg 群とも初回投与後 12 週以降も効果が持続することが確認された 4. 中心窩平均網膜厚における部分集団の検討 FAS のエンドポイントの中心窩平均網膜厚において, 被験者背景別の部分集団について解析した 各部分集団 ( 性別, 年齢, 硝子体手術の既往, 水晶体の状態, 罹病期間, 併用薬の有無, ベ 65

66 ースラインの中心窩平均網膜厚, ベースラインの最高矯正視力,HbA 1c, 局所レーザー治療の有無, 眼周囲への副腎皮質ステロイド注射の既往の有無, 重症度 ) におけるエンドポイントの中心窩平均網膜厚について, 非投与群と比較及びスクリーニングからの変化量を表 に示した 投与群ごとの患者背景に偏りのあった性別及び HbA 1c については, それぞれを調整因子に含めた主要解析の結果を表 及び表 に示した 性別及び HbA 1c を調整因子とした解析は,FAS における主要解析 ( 表 ) と同様の結果を示しており, 投与群間で分布の偏りによる解析結果への影響は少ないと考えられた 各部分集団の解析において, 局所レーザーの治療歴無のカテゴリにおいて 40 mg 群,20 mg 群の両群に浮腫改善効果が減弱する傾向がみられたが, スクリーニング時より悪化した症例の局在によるもの, すなわち, スクリーニング時より浮腫が悪化した投与群における 4 症例 [20 mg 群 1 例 (12-01), 40 mg 群 3 例 (06-04,16-04,20-04)] のうち, 少数症例である眼局所レーザーの治療歴無に 20 mg 群 1 例及び 40 mg 群 1 例がカテゴライズされたことによるばらつきに起因すると推察された 糖尿病黄斑浮腫のレーザー治療無群の症例においても有効例は 100 μm 以上中心窩平均網膜厚が改善している症例も存在し [40 mg 08-02( 除外例 ),20 mg 06-02], 本剤における網膜静脈閉塞症, 非感染性ぶどう膜炎を対象にした試験でも, レーザーの治療がない症例に対し有効性が得られていることから, 少数例であるレーザー治療歴有無の部分集団解析においては意味のある比較はできなかった その他検討が可能であった部分集団において, 本剤の中心窩平均網膜厚の変化量に影響を及ぼす部分集団はみられなかった 66

67 表 エンドポイントの中心窩平均網膜厚における部分集団の検討 [FAS] *1) 非投与群との比較スクリーニングからの変化 *1) 非投与群との比較スクリーニングからの変化非投与群スクリーニンク N 非投与群スクリーニンク *2) *2) 差変化量差変化量投与群エント ホ イント投与群エント ホ イント 全解析対象集団 ± ± ± ± ± ± ± ± ±20.33 (0.029*) 389.7± (0.003*) 357.4±16.75 (<0.001**) 366.9± (<0.001**) 性別 年齢 硝子体手術の既往 水晶体の状態 男 ± ± ± ± ± ± ± ± ±26.21 (0.049*) 388.9± (0.008*) 364.0±23.62 (0.011*) 372.6± (<0.001**) 女 ± ± ± ± ± ± ± ± ±34.57 (0.396) 390.9± (0.189) 355.4±24.56 (0.028*) 362.2± (<0.001**) 45 歳未満 ± ± ± ± (0.215) 45 歳以上 55 歳未満 ± ± ± ± ± ± ± (0.268) ±47.72 (0.112) 270.0±66.47 (0.006*) 55 歳以上 65 歳未満 ± ± ± ± ± ± ± ± ±52.27 (0.230) 386.4± (0.044*) 413.5±32.03 (0.299) 421.4±94.01 (0.010*) 65 歳以上 75 歳未満 ± ± ± ± ± ± ± ± ±22.36 (0.009*) 341.1±62.09 (0.042*) 314.8±24.39 (<0.001**) 334.7±89.44 (<0.001**) 75 歳以上 ± ± ± ± ± ± ± ± ±79.88 (0.642) 526.5± (0.624) 404.7±53.28 (0.841) 374.8± (0.053) 無 ± ± ± ± ± ± ± ± ±21.88 (0.041*) 390.0± (0.010*) 368.2±18.54 (0.002*) 374.5± (<0.001**) 有 ± ± ± ± ± ± ± ± ±72.95 (0.539) 387.5± (0.198) 296.6±44.26 (0.163) 327.4± (0.018*) 有水晶体眼 ± ± ± ± ± ± ± ± ±25.21 (0.190) 406.4± (0.040*) 373.3±20.74 (0.013*) 382.5± (<0.001**) ± ± ± ± ± ± ± ± ±35.10 (0.054) 350.0± (0.024*) 337.5±26.63 (0.010*) 345.2± (<0.001**) 1 年未満 ± ± ± ± ± ± ± ± ±34.85 (0.537) 370.7±55.37 (0.970) 397.3±86.21 (0.634) 405.0± (0.209) 糖尿病網膜症 1 年以上 2 年未満 ± ± ± ± ± ± ± ± 罹病期間 309.1±50.47 (0.069) 318.3±48.00 (0.359) 440.8±37.38 (0.490) 467.2±94.69 (0.191) 罹患期間 ( 糖尿病黄斑浮腫 ) *3) 併用薬 ( 対象眼 ) *3) 併用薬 ( 眼以外 ) ベースラインの中心窩平均網膜厚 ベースラインの最高矯正視力 眼局所レーザーの治療歴 副腎皮質ステロイド薬投与 ( 眼周囲への注射 ) の既往 HbA1c 2 年以上 ± ± ± ± ± ± ± ± ±25.38 (0.163) 402.6± (0.005*) 337.8±19.46 (0.001*) 334.3± (<0.001**) 1 年未満 ± ± ± ± ± ± ± ± ±36.11 (0.650) 403.8± (0.765) 397.4±32.95 (0.576) 411.7± (0.016*) 1 年以上 2 年未満 ± ± ± ± ± ± ± ± ±56.79 (0.063) 322.3±39.97 (0.258) 419.9±61.66 (0.310) 481.7± (0.132) 2 年以上 ± ± ± ± ± ± ± ± ±27.10 (0.143) 400.7± (0.003*) 335.5±20.69 (0.004*) 327.5± (<0.001**) 不明 無 ± ± ± ± ± ± ± ± ±24.77 (0.126) 385.1± (0.012*) 364.0±20.55 (0.016*) 374.2± (<0.001**) 有 ± ± ± ± ± ± ± ± ±35.51 (0.097) 402.7± (0.142) 341.6±28.02 (0.003*) 349.0± (0.006*) 無 有 ± ± ± ± ± ± ± ± ±20.86 (0.038*) 392.6± (0.004*) 357.4±16.75 (<0.001**) 366.9± (<0.001**) 400 μm 未満 ± ± ± ± ± ± ± ± ±16.64 (0.098) 331.6±50.49 (0.645) 285.1±21.31 (0.004*) 283.4±76.26 (0.073) ± ± ± ± ± ± ± ± ±26.81 (0.306) 365.9±96.01 (0.101) 316.9±17.37 (0.005*) 318.5±55.27 (<0.001**) ± ± ± ± ± ± ±159.9 (0.864) ±61.05 (0.156) 428.5± (0.052) 600 μm 以上 ± ± ± ± ± ± ± ± ±49.33 (0.641) 460.2± (0.016*) 483.2±46.06 (0.691) 473.6± (0.019*) 45 文字未満 ± ± ± ± ± ± ± ± ±95.13 (0.318) 316.5±57.28 (0.195) 382.5±46.85 (0.318) 354.4± (0.001*) ± ± ± ± ± ± ± ± ±33.63 (0.025*) 408.7± (0.046*) 357.7±35.92 (0.004*) 383.4± (0.005*) 60 文字以上 ± ± ± ± ± ± ± ± ±24.63 (0.872) 386.7± (0.085) 354.3±18.46 (0.177) 361.8± (<0.001**) 無 ± ± ± ± ± ± ± ± ±37.88 (0.665) 467.8± (0.731) 417.4±39.36 (0.623) 476.2± (0.36) 有 ± ± ± ± ± ± ± ± ±22.01 (0.010*) 376.1± (0.001*) 343.3±17.99 (<0.001**) 345.8± (<0.001**) 無 ± ± ± ± ± ± ± ± ±36.57 (0.630) 414.4± (0.144) 373.1±25.81 (0.116) 393.3± (0.002*) 有 ± ± ± ± ± ± ± ± ±25.28 (0.029*) 377.3± (0.011*) 348.5±22.74 (0.001*) 347.8± (<0.001**) 7.0% 未満 ± ± ± ± ± ± ± ± ±22.13 (0.007*) 396.8± (0.041*) 354.1±23.10 (0.005*) 359.0± (0.004*) 7.0% 以上 ± ± ± ± ± ± ± ± ±24.36 (0.125) 388.0± (0.011*) 359.4±22.50 (0.010*) 371.2± (<0.001**) 軽症 ± ± ± ± ± ± ± ± ±24.12 (0.957) 317.0±46.78 (0.054) 372.7±34.66 (0.517) 351.2± (0.034*) 糖尿病網膜症 ( 非増殖 ) 中等症 ± ± ± ± ± ± ± ± 重症度 382.0±24.10 (0.194) 388.7± (0.009*) 363.1±24.83 (0.031*) 387.6± (<0.001**) 重症 ± ± ± ± ± ± ± ± ±46.21 (0.274) 545.5±78.49 (0.495) 339.6±34.39 (0.013*) 335.2±86.62 (0.022*) *1) 非投与群との差 = スクリーニング時のデータで調整後の差 ( 投与群 - 非投与群 )± 標準誤差,( ) 内は非投与群に対するスクリーニング時の値を共変量とした共分散分析におけるp 値 *2) 変化量 = エンドポイント-スクリーニング時の差の平均 ± 標準偏差,( ) 内はスクリーニング時の値に対する対応のあるt 検定におけるp 値 *3) 治験薬投与のため 以外の理由で使用したもののみ *; p<0.05,**; p<0.001** 項目カテゴリ N 偽水晶体眼もしくは無水晶体眼 400 μm 以上 500 μm 未満 500μm 以上 600 μm 未満 45 文字以上 60 文字未満 40 mg 群 20 mg 群 67

68 表 性別を調整因子に含めた中心窩平均網膜厚 (μm) 1) の評価 ( エンドポイント 2) における検討 )[FAS 及び PPS] [FAS] スクリーニング時のデータで調整後の値 非投与群との差 投与群 非投与群 40 mg 投与群対非投与群 被験者数 平均値 標準誤差 ) 共分散分析 - - p= % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~ mg 投与群対非投与群 被験者数 平均値 標準誤差 ) 共分散分析 - - p= % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~-39.9 [PPS] スクリーニング時のデータで調整後の値 非投与群との差 投与群 非投与群 40 mg 投与群対非投与群 被験者数 平均値 標準誤差 ) 共分散分析 - - p= % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~ mg 投与群対非投与群 被験者数 平均値 標準誤差 ) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 (μm) 3) 共分散分析 - - p= % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~ ) 投与日 ~ 投与日 の範囲内で一番遅い時点 3) スクリーニング時の中心窩平均網膜厚測定値, スクリーニング時の性別測定値を共変量とした 68

69 表 HbA 1c を調整因子に含めた中心窩平均網膜厚 (μm) 1) の評価 ( エンドポイント 2) における検討 )[FAS 及び PPS] [FAS] スクリーニング時のデータで調整後の値 非投与群との差 投与群 非投与群 40 mg 投与群対非投与群 被験者数 平均値 標準誤差 ) 共分散分析 - - p= % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~ mg 投与群対非投与群 被験者数 平均値 標準誤差 ) 共分散分析 - - p< % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~-45.7 [PPS] スクリーニング時のデータで調整後の値 非投与群との差 投与群 非投与群 40 mg 投与群対非投与群 被験者数 平均値 標準誤差 ) 共分散分析 - - p= % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~ mg 投与群対非投与群 被験者数 平均値 標準誤差 ) 共分散分析 - - p< % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~ ) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 (μm) 2) 投与日 ~ 投与日 の範囲内で一番遅い時点 3) スクリーニング時の中心窩平均網膜厚測定値, スクリーニング時のHbA1c 測定値を共変量とした 再投与に関する検討 1. 再投与基準 WP ST 試験では, 下記の再投与基準を設けて,12 週以上の投与間隔で 40 mg,20 mg の再投与を行った ( 本剤投与群には同用量, 非投与群には 40 mg が再投与された ) 再投与間隔 12 週以上に関しては, 白色ウサギテノン嚢下投与試験 (6 回投与系 )[ ] にて計画された投与間隔 (6 週 ) 以上であり, 文献報告 [ 表 ] のあった再投与間隔とした また, マキュエイド 硝子体内注用 40mg の投与間隔 1) に準じて設定した < 再投与基準 > 前回投与後 12 週以降, 初回投与後 12 ヶ月までに, 中心窩平均網膜厚, 最高矯正視力及び眼圧の測定結果より再投与の必要性を検討し, 以下の項目を全て満たす患者には同一眼に同用量 ( 非投与群の場合は 40 mg) の本剤を再投与できることとした 再投与可能な期間は初回投与 69

70 後 1 年以内とした 1) 前回投与後 12 週以降に, 最高矯正視力が 35 文字以上 70 文字以下であり, 初回投与前と比較して 15 文字以上の悪化がみられていない者 2) 前回投与後 12 週以降に, 中心窩平均網膜厚が 300 μm 以上の者 3) 対象眼の眼圧が 21 mmhg 以下, かつ投与による眼圧上昇が点眼薬で 21 mmhg 以下にコントロールが可能であり, 治験責任医師又は治験分担医師により再投与のリスクがないと判断された者 4) 重篤な有害事象を認めなかった者 5) その他, 治験責任医師又は治験分担医師により再投与のリスクがないと判断された者 2. 投与回数及び投与間隔 初回投与実施被験者 94 例のうち, 再投与へ移行した被験者は 37 例 [ 40 mg 群 30 例中 8 例 ( 26.7%), 20 mg 群 32 例中 14 例 (43.8%), 非投与群 32 例中 15 例 (46.9%)] であった 投与回数及び投与 間隔の要約統計量を表 に示した 表 WP ST 試験における投与回数及び投与間隔 [ 投与実施被験者 ] 投与回数 ( 回 ) 要約統計量 投与間隔 ( 日 ) 要約統計量 40 mg 群 20 mg 群 非投与群 40 mg 群 20 mg 群 非投与群 総投与被験者数 再投与被験者数 平均値 標準偏差 最小値 中央値 最大値 再投与実施率 1) (%) ) 再投与実施率 = 再投与被験者数 / 初回投与被験者数 3. 再投与の副次評価項目再投与時の副次的評価項目として, 再投与前検査から再投与後 12 ヶ月までのデータを再投与回数ごとの対象とした 再投与後 12 週検査以降に再度, 再投与に移行した症例については, 再投与移行前までのデータのみを再投与回数ごとの対象とした 非投与群の再投与では本剤 40 mg が投与された [ 以下, 非投与群 (40 mg) とした ] 1) 中心窩平均網膜厚の推移 WP ST 試験の FAS における再投与 1 回目,2 回目,3 回目の投与後 12 ヶ月までの中心窩平均網膜厚の推移を図 ~ 図 に示した FAS において, 中心窩平均網膜厚の再投与前 4 週以内検査実施時から ( 初回投与時はスクリーニング時から ) の投与後 12 週における平均変化量 ( 平均値 ± 標準偏差 ) は,40 mg 群の初回投与時 -97.8± μm[p=0.003, 対応のある t 検定 ( 以下 同様 ),27 例 ] に対し, 再投与 1 回目 70

71 -55.1± μm(p=0.381,7 例 ), 再投与 2 回目 -50.5±64.88 μm(p=0.114,6 例 ), 再投与 3 回目 -2.0±53.74 μm(p=0.966,2 例 ) であった 20 mg 群の投与後 12 週における平均変化量は初回投与時 ± μm(p<0.001,31 例 ) に対し, 再投与 1 回目 -41.7± μm(p=0.236,14 例 ), 再投与 2 回目 -17.0±28.00 μm(p=0.197,6 例 ), 再投与 3 回目 8.3±52.37 μm(p=0.808,3 例 ) であった 非投与群 (40 mg) の投与後 12 週における変化量は初回投与時 -21.8±99.91 μm(p=0.242,30 例 ) に対し, 再投与 1 回目 ±61.88 μm(p<0.001,14 例 ), 再投与 2 回目 -81.0±73.63 μm(p=0.196, 3 例 ), 再投与 3 回目 30.0 μm(1 例 ) であった 非投与群の再投与は本剤 40 mg が投与されたことにより, 再投与 1 回目及び再投与 2 回目において, 初回投与時より高い中心窩平均網膜厚の改善が得られた 非投与群の再投与 1 回目の 12 週後では, 40 mg 群及び 20 mg 群の初回投与後 12 週と同程度の中心窩平均網膜厚変化量 [40 mg 群 μm 及び 20 mg 群 μm] であった 本剤 40 mg が投与された非投与群を含めて, いずれの群においても再投与 2 回目まで投与後 12 週における中心窩平均網膜厚の減少がみられ, 少数例となった再投与 3 回目においても各症例の中心窩平均網膜厚の推移は初回から再投与 2 回までと同様の推移であったことから, 再投与においても本剤による中心窩平均網膜厚の改善効果が維持されていると考えられた PPS でも FAS と同一の結果であった 700 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 600 中心窩平均網膜厚 (μm) * * * * * * * * * * 再投与前検査時 2) 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後 6 ヶ月後 3) 9 ヶ月後 3) 12 ヶ月後 3) 評価時期 再投与 : 非投与群 (40 mg):14 例 : 20 mg 群 : 14 例 : 40 mg 群 : 7 例 1) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 2) 再投与前 4 週以内検査実施時 3)12 週以降のデータは再投与 2 回目に移行した症例を含まない *; p<0.05 再投与前検査時の値に対する対応のある t 検定 図 WP ST 試験の再投与 1 回目における中心窩平均網膜厚 1) の推移 [FAS 及び PPS] 71

72 700 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 600 中心窩平均網膜厚 (μm) * * * * * * 再投与 再投与前検査時 2) 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後 6 ヶ月後 3) 9 ヶ月後 3) 12 ヶ月後 3) 評価時期 : 非投与群 (40 mg):3 例 : 20 mg 群 : 6 例 : 40 mg 群 : 6 例 1) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 2) 再投与前 4 週以内検査実施時 3)12 週以降のデータは再投与 3 回目に移行した症例を含まない *; p<0.05 再投与前検査時の値に対する対応のある t 検定 図 WP ST 試験の再投与 2 回目における中心窩平均網膜厚 1) の推移 [FAS 及び PPS] 700 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 600 中心窩平均網膜厚 (μm) 再投与 再投与前検査時 2) 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後 6 ヶ月後 9 ヶ月後 12 ヶ月後 評価時期 : 非投与群 (40 mg):1 例 : 20 mg 群 : 3 例 : 40 mg 群 : 2 例 1) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 2) 再投与前 4 週以内検査実施時 *; p<0.05 再投与前検査時の値に対する対応のある t 検定 図 WP ST 試験の再投与 3 回目における中心窩平均網膜厚 1) の推移 [FAS 及び PPS] 72

73 2) 最高矯正視力の推移 FAS における再投与 1 回目,2 回目,3 回目の投与後 12 ヶ月までの最高矯正視力 (ETDRS) の推移を図 ~ 図 に示した FAS において, 最高矯正視力の再投与前 4 週以内検査実施時から ( 初回投与時はスクリーニング時から ) の投与後 12 週における平均変化量 ( 平均値 ± 標準偏差 ) は,40 mg 群の初回投与時 7.6±6.70 文字 [p<0.001, 対応のある t 検定 ( 以下 同様 ),27 例 ] に対し, 再投与 1 回目 0.0±5.42 文字 (p=1.000,7 例 ), 再投与 2 回目 2.0±3.58 文字 (p=0.229,6 例 ), 再投与 3 回目 -7.5±16.26 文字 (p=0.632,2 例 ) であった 20 mg 群の変化量は初回投与時 6.1±8.52 文字 (p<0.001,31 例 ) に対し, 再投与 1 回目 5.1±4.98 文字 (p=0.002,14 例 ), 再投与 2 回目 -2.0±6.51 文字 (p=0.485,6 例 ), 再投与 3 回目 0.7±5.86 文字 (p=0.861,3 例 ) であった 非投与群 (40 mg) の変化量は初回投与時 2.2±7.23 文字 (p=0.102,30 例 ) に対し, 再投与 1 回目 5.5±8.01 文字 (p=0.023,14 例 ), 再投与 2 回目 2.7±6.66 文字 (p=0.559,3 例 ), 再投与 3 回目 -1.0 文字 (1 例 ) であった 非投与群の再投与では本剤 40 mg が投与されたことにより, 再投与 1 回目及び再投与 2 回目において, 初回投与時より高い最高矯正視力の改善が得られた 非投与群の再投与 1 回目の投与後 12 週では,40 mg 群及び 20 mg 群の初回投与後 12 週と同程度の最高矯正視力の変化量 [40 mg 群 7.6 文字,20 mg 群 6.1 文字 ] であった 20 mg 群の再投与 1 回目及び非投与群 (40 mg) の再投与 1 回目において, 再投与前検査時から再投与後 12 週に 5 文字以上の改善がみられた PPS でも FAS と同一の結果であった 73

74 90 80 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 最高矯正視力 ( 文字 ) * * * * * * * * 再投与前検査時 2) 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後 6 ヶ月後 3) 9 ヶ月後 3) 12 ヶ月後 3) 評価時期 再投与 : 非投与群 (40 mg):14 例 : 20 mg 群 : 14 例 : 40 mg 群 : 7 例 1) 投与対象眼の最高矯正視力 2) 再投与前 4 週以内検査実施時 3)12 週以降のデータは再投与 2 回目に移行した症例を含まない *; p<0.05 再投与前検査時の値に対する対応のある t 検定 図 WP ST 試験の再投与 1 回目における最高矯正視力 1) の推移 [FAS 及び PPS] ( 平均値 ± 標準偏差 ) 最高矯正視力 ( 文字 ) * 再投与前検査時 2) 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後 6 ヶ月後 3) 9 ヶ月後 3) 12 ヶ月後 3) 評価時期 再投与 : 非投与群 (40 mg):3 例 : 20 mg 群 : 6 例 : 40 mg 群 : 6 例 1) 投与対象眼の最高矯正視力 2) 再投与前 4 週以内検査実施時 3)12 週以降のデータは再投与 3 回目に移行した症例を含まない *; p<0.05 再投与前検査時の値に対する対応のある t 検定 図 WP ST 試験の再投与 2 回目における最高矯正視力 1) の推移 [FAS 及び PPS] 74

75 90 80 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 70 最高矯正視力 ( 文字 ) 再投与前検査時 2) 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後 6 ヶ月後 9 ヶ月後 12 ヶ月後 評価時期 再投与 : 非投与群 (40 mg):1 例 : 20 mg 群 : 3 例 : 40 mg 群 : 2 例 1) 投与対象眼の最高矯正視力 2) 再投与前 4 週以内検査実施時 *; p<0.05 再投与前検査時の値に対する対応のある t 検定 図 WP ST 試験の再投与 3 回目における最高矯正視力 1) の推移 [FAS 及び PPS] 75

76 硝子体内投与との比較検討 テノン嚢下投与 (WP ST 試験 ) 及び硝子体内投与 [ マキュエイド 硝子体内注用 40mg の検証試験 (WP 試験 )] の試験結果から, 中心窩平均網膜厚の推移の比較を表 に, 最高矯正視力の推移の比較を表 に示した 主要評価項目を中心窩平均網膜とする WP ST 試験の 40 mg 群,20 mg 群のスクリーニング時の中心窩平均網膜厚は,40 mg 群では 487.4± μm,20 mg 群では 490.9± μm であり, エンドポイントにおける中心窩平均網膜厚 ( 変化量 ) は, それぞれ 389.7±89.1(-97.8± ) μm 及び 366.9±114.05(-124.1±103.65) μm であった 副次的評価項目を中心窩平均網膜とする WP 試験の 4 mg 群 ( 硝子体内投与 ) のスクリーニング時の中心窩平均網膜厚は, 426.3±89.1 μm であり, エンドポイントにおける中心窩平均網膜厚 ( 変化量 ) は 276.4±74.7 (-149.9±110.3) μm であった WP 試験の 4 mg 群 ( 硝子体内投与 ) いずれの群も全ての時点において, 非投与群に対するスクリーニング時の値を共変量とした共分散分析に基づく群間比較, スクリーニング時の値に対する対応のある t 検定の双方で統計学的に有意な差が認められた (p<0.05) また, いずれの群においても, 浮腫改善効果が最大となったのは投与後 8 週の時点であった 本剤 40 mg 及び 20 mg のテノン嚢下投与は, いずれも投与後 1 週の時点から浮腫改善効果を発揮し, その効果は投与後 8 週で最大となり, 投与後 12 週時点でも持続することが示された 副次的評価項目を最高矯正視力とする WP ST 試験の 40 mg 群及び 20 mg 群のスクリーニング時の最高矯正視力は,40 mg 群では 57.3±9.52 文字,20 mg 群では 57.6±10.17 文字であり, エンドポイントにおける最高矯正視力 ( 変化量 ) は, それぞれ 64.9±10.15(+7.6±6.70) 文字及び 63.6±12.84(+6.1±8.52) 文字であった 一方, 主要評価項目を最高矯正視力とする WP 試験の最高矯正視力は,4 mg 群 ( 硝子体内投与 ) のスクリーニング時で 56.0±8.8 文字であり, エンドポイントでは 61.5±9.3(+5.6±6.2) 文字であった 非投与群に対するスクリーニング時の値を共変量とした共分散分析に基づく群間比較においては,WP ST 試験の 40 mg 群では投与後 4 週,8 週,12 週, エンドポイントで,20 mg 群では投与後 4 週,8 週で,WP 試験の 4 mg 群では投与後 8 週,12 週, エンドポイントで統計学的な有意差が認められた (p<0.05) スクリーニング時の値に対する対応のある t 検定においては, いずれの群の全ての時点において統計学的に有意な差が認められた (p<0.05) また, 視力改善効果が最大となったのは投与後 8~ 12 週の時点であった 本剤 40 mg 及び 20 mg のテノン嚢下投与は, いずれも投与後 1 週の時点から視力改善効果を発揮し, 投与後 12 週時点でも持続することが示された 以上, 本剤 40 mg 及び 20 mg のテノン嚢下投与は投与後 1 週から浮腫及び視力改善効果を示し, これらの効果が投与後 12 週時点においても持続することが示された 76

77 表 テノン嚢下投与 (WP ST 試験 ) 及び硝子体内投与 (WP 試験 ) 40 mg 群テノン嚢下投与 (WP ST) *2 対非投与群 20 mg 群テノン嚢下投与 (WP ST) *2 対非投与群 4 mg 群硝子体内投与 (WP ) *2 対非投与群 における中心窩平均網膜厚の推移 [FAS] スクリーエンド 1 週 4 週 8 週 12 週ニング時ポイント N 実測値 ± ±96.17 ±88.06 ±81.15 ± ± *1 - 変化量 ±99.53 ± ± ± ± p<0.001 ## p<0.001 ## p<0.001 ## p =0.003 # p =0.003 # - p =0.001* p<0.001** p<0.001** p =0.030* P=0.029* N 実測値 ± ± ± ± ± ± *1 - 変化量 ± ± ± ± ± p<0.001 ## p<0.001 ## p<0.001 ## p<0.001 ## p<0.001 ## - p<0.001** p<0.001** p<0.001** p<0.001** p<0.001** N 実測値 426.3± ± ± ± ± ± *1 - 変化量 ±78.2 ±94.0 ±96.4 ±110.3 ± p<0.001 ## p<0.001 ## p<0.001 ## p<0.001 ## p<0.001 ## - p<0.001** p<0.001** p<0.001** p<0.001** p<0.001** 平均値 ± 標準偏差 (μm) *1 変化量 : 各評価時期 -スクリーニング時,#: p<0.05,##: p<0.001( 対応のある t 検定 ) *2 対非投与群 : 非投与群に対するスクリーニング時の値を共変量とした共分散分析に基づく群間比較,*: p<0.05, **: p<0.001 表 テノン嚢下投与 (WP ST 試験 ) 及び硝子体内投与 (WP 試験 ) に 40 mg 群テノン嚢下投与 (WP ST) *2 対非投与群 20 mg 群テノン嚢下投与 (WP ST) *2 対非投与群 4 mg 群硝子体内投与 (WP ) *2 対非投与群 おける最高矯正視力の推移 [FAS] スクリーエンド 1 週 4 週 8 週 12 週ニング時ポイント N 実測値 57.3± ± ± ± ± ± ± ± ± ± ±6.70 *1 変化量 - p <0.001 ## p <0.001 ## p <0.001 ## p <0.001 ## p <0.001 ## p =0.053 p =0.022* p <0.001** p =0.005* p =0.006* N 実測値 57.6± ± ± ± ± ±12.84 *1 変化量 - 4.3± ± ± ± ± p =0.003 # p <0.001 ## p <0.001 ## p <0.001 ## p <0.001 ## p =0.195 p =0.039* p =0.020* p =0.065 p =0.070 N 実測値 56.0± ± ± ± ± ±9.3 *1 変化量 - 3.1± ± ± ± ±6.2 - p<0.001 ## p<0.001 ## p<0.001 ## p<0.001 ## p<0.001 ## p=0.348 p=0.089 p=0.010* p=0.008* p=0.008* 平均値 ± 標準偏差 ( 文字数 ) *1 変化量 : 各評価時期 -スクリーニング時,#: p<0.05,##: p<0.001( 対応のある t 検定 ) *2 対非投与群 : 非投与群に対するスクリーニング時の値を共変量とした共分散分析に基づく群間比較,*: p<0.05, **: p<

78 文献による報告 検索で得られた 49 報のうち,TA の投与用量及び有効性に関する記載 ( 視力, 網膜厚, 改善率等 ) があるものを抽出し表 に示した TA テノン嚢下投与が用いられた治療法は, 単独療法が 10 報, 併用療法は光凝固併用が 9 報, 硝子体手術後の使用が 5 報, 白内障手術後の使用が 2 報だった TA の投与用量は,20 mg 10 報, 40 mg 13 報であり,40 mg/ml に調整された TA を 0.5 ml 又は 1 ml 投与されていた 中心窩網膜厚の減少に対する TA の用量依存性は認められていない 再投与が報告されていたのは 3 報だった (20 mg 群 1 報,40 mg 群 2 報 ) 投与間隔は 20 mg で 3~6 ヶ月,40 mg で 2~18 ヶ月であり, 投与回数は最大 1~2 回だった 再投与の基準は, 中心窩網膜厚が 250~300 μm 以上であること, 及び浮腫の残存がみられた場合だった 単独療法及び併用療法いずれにおいても中心窩網膜厚の減少及び視力の改善が多数報告されていた 78

79 網膜静脈閉塞症に対する試験 WP ST 試験デザインの妥当性 本剤 20 mg のテノン嚢下投与による網膜静脈閉塞症 ( 網膜静脈分枝閉塞症及び網膜中心静脈閉 塞症 ) に伴う黄斑浮腫を有する患者に対する第 III 相試験である WP ST 試験のデザイン 等とその妥当性について述べた 1. デザイン概略本治験は,WP ST 試験において至適とされた本剤 20 mg の用量を用いた多施設共同非遮蔽非対照試験として実施した スクリーニング検査後,WP ST 試験と同一の手順にて本剤懸濁液 0.5 ml のテノン嚢下投与を行った 投与は 1 回のみとし, 再投与は設定しなかった 投与後 12 週及び中止 脱落症例における 12 週以内の最終評価時をエンドポイントとして評価に用いた エンドポイントとした投与後 12 週を含む各時点における有効性 ( 中心窩平均網膜厚, 最高矯正視力 ) 及び安全性 ( 眼圧等 ) を評価した また, 中心窩平均網膜厚, 最高矯正視力, 眼圧及び水晶体混濁に関する追跡調査を投与後 12 ヶ月まで実施した 主要評価項目である光干渉断層計による測定データは実施医療機関において補正等を行い, 治験責任医師又は治験分担医師の確認後に提出されたデータを解析対象とした <フローチャート> WP-0508ST 投与観察期間終了追跡調査期間終了 観察期間追跡調査期間 投与後 12 週投与後 12 ヶ月エンドポイント < 用法 用量設定の妥当性 > 本治験における本剤の投与用量は, 糖尿病黄斑浮腫を対象とした WP ST 試験で設定された至適用量である 20 mg とした 投与容量も同じ 0.5 ml とし, 調製濃度についても WP ST 試験と同じ 40 mg/ml とした 同一手順にてテノン嚢下投与された本剤の滞留性及び網膜への移行等の薬物動態は疾患に依存しないと考え,WP ST 試験で至適とした用量 用法を用いることは妥当と判断した < 主要評価項目評価方法に関する妥当性 > 本治験の主要評価項目である中心窩平均網膜厚の解析データは, 実施医療機関より治験責任医師又は治験分担医師の確認したデータを入手し,OCT 専門家により妥当性が判定されたデータを評価に使用した 79

80

81

82 慮して設定した *2:WP ST 試験の主要な解析対象集団におけるエンドポイントの中心窩平均網膜厚の変化量の標準偏差は 20 mg 群で μm,40 mg 群で μm であった より大きい 40 mg 群の標準偏差値から設定した 以上から, 目標症例数を 40 例とし, 中止 脱落例を考慮に入れて集積症例数を 50 例とした WP ST 試験の有効性評価成績 網膜静脈閉塞症 ( 網膜静脈分枝閉塞症及び網膜中心静脈閉塞症 ) に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に多施設共同非遮蔽非対照試験を実施した 本治験への参加に同意し, スクリーニング検査を実施した被験者数は 56 例であった 本治験では, 同意取得に関する違反はなかった 登録された被験者のうち, 投与未実施例はなく,50 例に投与された 12 週間の観察期を完了した被験者数は 42 例であった 本剤投与後 12 週以内に中止 脱落した被験者数は8 例であり, 中止 脱落の理由は, それぞれ 有害事象が発現し, 治験責任医師又は治験分担医師が中止すべきと判断したため が7 例, 治験開始後に被験者が同意を撤回したため が1 例であった 中止 脱落した8 例のうち, 有害事象により中止した7 例は, いずれも追跡調査に移行した 投与が実施された被験者 50 例のうち, 安全性解析対象集団不採用例,FAS 不採用例は認めず, PPSにおける最高矯正視力にのみ不採用例を1 例認めた したがって, 最高矯正視力以外の安全性解析対象集団,FAS 及びPPSは, いずれも同一集団 (50 例 ) となった 以下, 主要な解析対象集団であるFASにおける結果について示した 1. 人口統計学的特性及びその他の特性 FAS におけるスクリーニング検査時の人口統計学的及び他の基準値の特性を表 に示した FASにおける50 例のうち, 男性の割合は58.0%, 女性の割合は42.0%, 年齢の平均値は64.7 歳であった 網膜静脈閉塞症の病型は網膜静脈分枝閉塞症が80.0%, 半側網膜静脈閉塞症及び網膜中心静脈閉塞症が各 10.0% であった 網膜静脈閉塞症の罹病期間は平均 2.22ヶ月であり, 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の罹病期間は平均 2.08ヶ月であった 対象眼への眼局所に, レーザー治療の既往を有する患者の割合は4.0% であり, 副腎皮質ステロイド薬投与及び硝子体手術の既往を有する患者はみられなかった 対象眼における, 中心窩平均網膜厚の平均値は,575.3 μm, 最高矯正視力の平均値は,67.1 文字, 眼圧の平均値は15.0 mmhgであった 本剤が投与された患者集団は, 虚血型の網膜中心静脈閉塞症の患者,47 歳未満の患者, 妊婦, 産婦, 妊娠している可能性のある女性を含まないものの, 市販後に投与が予想される集団と大きな相違はないと考えられた 82

83 表 WP ST 試験における人口統計学的及び他の基準値の特性 [FAS] 項目 解析対象被験者数 50 性別 男 29 (58.0) 女 21 (42.0) 年齢 ( 歳 ) 被験者数 50 平均値 64.7 標準偏差 7.99 最小値 47 中央値 65.0 最大値 歳未満 0 (0.0) 45 歳以上 55 歳未満 8 (16.0) 55 歳以上 65 歳未満 14 (28.0) 65 歳以上 75 歳未満 23 (46.0) 75 歳以上 5 (10.0) 対象眼 右眼 28 (56.0) 左眼 22 (44.0) 眼局所への副腎皮質ステロイド薬 無 50 (100.0) 投与の既往 ( 対象眼 ) 有 ( 硝子体内 ) 0 (0.0) 有 ( テノン嚢下 球後 ) 0 (0.0) 有 ( 点眼 ) 0 (0.0) 有 ( その他 ) 0 (0.0) 眼局所への 無 48 (96.0) レーザー治療の既往 ( 対象眼 ) 有 2 (4.0) 水晶体の状態 ( 対象眼 ) 有水晶体眼 49 (98.0) 偽水晶体眼若しくは無水晶体眼 1 (2.0) 硝子体手術の既往 ( 対象眼 ) 無 50 (100.0) 有 0 (0.0) 既往歴 ( 対象眼 ) 無 48 (96.0) 有 2 (4.0) 多い順に5% 以上の疾患名をPTで表示該当症例無し 既往歴 ( 眼以外 ) 無 46 (92.0) 有 4 (8.0) SOCごとに集計心臓障害 1 (2.0) 胃腸障害 1 (2.0) 良性 悪性および詳細不明の新生物 ( 嚢胞およびポリープを含む ) 1 (2.0) 神経系障害 1 (2.0) 現病歴 / 網膜静脈閉塞症 ( 対象眼 ) 罹病期間 ( ヶ月 ) 被験者数 50 平均値 2.22 標準偏差 最小値 0.0 中央値 1.00 最大値 ヶ月未満 40 (80.0) 3ヶ月以上 6ヶ月未満 6 (12.0) 6ヶ月以上 4 (8.0) 不明 0 (0.0) 病型 網膜静脈分枝閉塞症 40 (80.0) 半側網膜静脈閉塞症 5 (10.0) 網膜中心静脈閉塞症 虚血型 0 (0.0) 網膜中心静脈閉塞症 非虚血型 5 (10.0) 網膜静脈分枝閉塞症 半側網膜静脈閉塞症 45 (90.0) 網膜中心静脈閉塞症 5 (10.0) 被験者数 (%) MedDRA/J ver

84 表 WP ST 試験における人口統計学的及び他の基準値の特性 [FAS]( 続き ) 項目 解析対象被験者数 50 現病歴 / 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫 ( 対象眼 ) 黄斑浮腫 無 0 (0.0) 有 50 (100.0) 罹病期間 ( ヶ月 ) 被験者数 50 平均値 2.08 標準偏差 最小値 0.0 中央値 1.00 最大値 ヶ月未満 41 (82.0) 3ヶ月以上 6ヶ月未満 6 (12.0) 6ヶ月以上 3 (6.0) 不明 0 (0.0) 現病歴 / 網膜静脈閉塞症 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫 ( 対象眼 )/ 治療歴レーザー治療 無 50 (100.0) 有 0 (0.0) 薬物治療 無 35 (70.0) 有 15 (30.0) 硝子体手術 無 50 (100.0) 有 0 (0.0) その他 無 50 (100.0) 有 0 (0.0) 現病歴 / その他の治療歴 無 21 (42.0) ( 対象眼 ) 有 29 (58.0) 多い順に5% 以上の疾患名をPTで表示白内障 21 (42.0) 眼精疲労 5 (10.0) マイボーム腺機能不全 5 (10.0) 眼乾燥 4 (8.0) 結膜弛緩症 4 (8.0) アレルギー性結膜炎 3 (6.0) 現病歴 / その他の治療歴 無 8 (16.0) ( 眼以外 ) 有 42 (84.0) SOCごとに集計心臓障害 5 (10.0) 先天性 家族性および遺伝性障害 1 (2.0) 内分泌障害 1 (2.0) 胃腸障害 8 (16.0) 肝胆道系障害 2 (4.0) 免疫系障害 1 (2.0) 感染症および寄生虫症 2 (4.0) 傷害 中毒および処置合併症 1 (2.0) 臨床検査 9 (18.0) 代謝および栄養障害 22 (44.0) 筋骨格系および結合組織障害 10 (20.0) 良性 悪性および詳細不明の新生物 ( 嚢胞およびポリープを含む ) 1 (2.0) 神経系障害 7 (14.0) 精神障害 7 (14.0) 腎および尿路障害 2 (4.0) 生殖系および乳房障害 2 (4.0) 呼吸器 胸郭および縦隔障害 2 (4.0) 皮膚および皮下組織障害 2 (4.0) 外科および内科処置 1 (2.0) 血管障害 21 (42.0) 被験者数 (%) MedDRA/J ver

85 表 WP ST 試験における人口統計学的及び他の基準値の特性 [FAS]( 続き ) 項目 解析対象被験者数 50 薬剤アレルギー 過敏症 無 48 (96.0) 有 2 (4.0) 併用薬 *( 対象眼 ) 無 40 (80.0) 有 10 (20.0) 併用薬 *( 眼以外 ) 無 14 (28.0) 有 36 (72.0) 併用療法 ( 対象眼 ) 無 50 (100.0) 有 0 (0.0) 併用療法 ( 眼以外 ) 無 49 (98.0) 有 1 (2.0) 中心窩平均網膜厚 (μm) 被験者数 50 ( 対象眼 ) 平均値 標準偏差 最小値 301 中央値 最大値 μm 未満 8 (16.0) 400 μm 以上 500 μm 未満 11 (22.0) 500 μm 以上 600 μm 未満 9 (18.0) 600 μm 以上 22 (44.0) 最高矯正視力 ( 文字 ) 被験者数 50 ( 対象眼 ) 平均値 67.1 標準偏差 9.48 最小値 41 中央値 70.0 最大値 文字未満 3 (6.0) 45 文字以上 60 文字未満 6 (12.0) 60 文字以上 41 (82.0) 眼圧 (mmhg) 被験者数 50 ( 対象眼 ) 平均値 15.0 標準偏差 2.29 最小値 10 中央値 15.0 最大値 mmhg 未満 22 (44.0) 15 mmhg 以上 20 mmhg 未満 27 (54.0) 20 mmhg 以上 1 (2.0) 被験者数 (%) *: 治験薬投与のため 以外の理由で使用したもののみ 85

86 2. 主要評価項目に関する結果本剤投与後の中心窩平均網膜厚の変化量が, 臨床的に意味のある閾値を越える変化であるかどうかを評価するため, スクリーニング値からの変化量の 95% 信頼区間を評価項目として設定した 中心窩平均網膜厚のスクリーニング値からの変化量 -100 µm を臨床的に意味がある閾値とし, 本治験結果で得られた変化量の 95% 信頼区間上限が-100 µm を下回れば, 本剤の有効性が確認されるとした FAS におけるエンドポイントである本剤投与後 12 週 ( 最終評価時 ) の中心窩平均網膜厚のスクリーニング時からの変化量の要約統計量を表 に示した 主要評価項目としたエンドポイントにおけるスクリーニング時からの変化量は ± μm であり統計学的に有意な改善 (p<0.001, 対応のある t 検定 ) が認められ, その 95% 信頼区間は-200.9~-99.1 μm であった エンドポイントにおけるスクリーニング値からの変化量の 95% 信頼区間の上限は設定した閾値 -100 μm に近似であったものの下回ることはできなかった しかしながら, 設定した閾値との差異は 1 μm 以内であり, 本剤投与後の中心窩平均網膜厚はスクリーニング時からの変化量はエンドポイントを含め投与後 1 週より 12 週まで有意な抑制を示していること,TA の硝子体内投与による BRVO に対する浮腫の改善報告値 -142 μm 132) と比較して遜色ないことより, 本剤は有効であると判断して問題ないと考える WP ST 試験において, 中心窩平均網膜厚の変化量の 95% 信頼区間の上限が事前に設定した閾値を上回った理由として, 以下の要因が考えられた 1. 想定した変化量との差異期待値として設定した変化量 -170 μm は,TA の硝子体内投与における BRVO の浮腫の改善報告値 -142 μm と CRVO の浮腫の改善報告値 -196 μm の間で設定した BRVO の変化量は想定と同程度の μm であったが,CRVO の変化量は想定より低い μm であった 本試験で得られた変化量に対する CRVO の変化量の寄与が少なかったことが, 想定した変化量が得られず設定した閾値を上回った要因の一つと考えられた 2. 想定した変化量の標準偏差との差異の要因設定した変化量の標準偏差は WP ST 試験における 20 mg 群の μm,40 mg 群の μm を参考に 150 μm と設定した WP ST 試験における初回投与後 12 週以内の中止例は投与実施 94 例中 2 例 (2.1%) であったのに対し, 本治験においては投与実施 50 例中 8 例 (16.0%) にみられ, 想定より高い標準偏差 μm となったことが設定した閾値を上回った要因の一つと考えられた 公表されている RVO における臨床試験の中止率は SCORE Study(BRVO)3.0% 132),BRAVO Study 3.8% 134),SCORE Study(CRVO)18.2% 133),CRUISE Study 7.7% 135),GALILEO Study 9.4% 136), GENEVA Study 5.7% 129) [ 表 ] であるのに対し, 本治験では 16.0% と高い中止率となった 中止例のほとんどは現病の悪化 (7/8 例 ) で, 黄斑浮腫の罹病期間の短い症例であった ( 平均 0.86 ヶ月,5/7 例が 1 ヶ月以内 ) 例数設計の参考とした文献における黄斑浮腫の 86

87 罹病期間は BRVO 試験では平均 4.6 ヶ月 132),CRVO では平均 4.2 ヶ月 133) に対し, 本治験では 2.08 ヶ月 ( 中央値 1.0 ヶ月,3 ヶ月未満 82.0%) であったことから, 急性期と思われる被験者が多く組み入れられたと考えられた この罹病期間の違いは, 参考とした試験が実施された時期の RVO に対する治療は 3 ヶ月程度の経過観察の後, 光凝固などの治療が行われていたのに対し, 現在ではより早期に抗 VEGF 剤などの薬物治療が行われるようになっている 137) ことによるものと考えられる 本治験において, 主要な解析集団である FAS にて, エンドポイントにおける中心窩平均網膜厚が事前に設定した閾値をわずかに上回ったが, 投与後 12 週時点における変化量の平均値は μm, 信頼区間上限は μm と設定した閾値を十分下回っており, 急性期の反応が大きかったと考えられる投与後 1 週に中止となった 2 例を除外した時のエンドポイントの変化量の平均値は μm, 信頼区間上限は μm と設定した閾値を下回った このことから, 発症初期における急性期の悪化症例によりわずかに平均網膜厚の変化量の 95% 信頼区間の上限が事前に設定した閾値を上回った結果となったが, おおむね想定した中心窩平均網膜厚の減少が得られたものと考えられた 表 WP ST 試験におけるエンドポイントの中心窩平均網膜厚 1) [FAS] 中心窩平均網膜厚 (μm) 2) 中心窩平均網膜厚変化量 (μm) 評価時期要約統計量要約統計量 /p 値 エンドポイント 3) 被験者数 平均値 標準偏差 最小値 中央値 最大値 % 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) ~-99.1 対応のあるt 検定 - p< ) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 2) 変化量 = 各評価時期 -スクリーニング時 3) 治験薬投与日 +7 日 -3 日 ~ 治験薬投与日 +84 日 +5 日の範囲内で一番遅い時点 87

88 3. 副次的評価項目に関する評価 1) 中心窩平均網膜厚の推移 FAS における本剤投与後 12 ヶ月までの中心窩平均網膜厚の推移を図 に, スクリーニング時からの変化量の推移を図 に示した FAS において, 各評価時点のスクリーニング時からの中心窩平均網膜厚の変化量 ( 平均値 ± 標準偏差 ) は, 投与後 1 週で-84.0± μm,4 週で-124.3± μm,8 週で-167.9± μm,12 週で-192.1± μm, エンドポイントで-150.0± μm であった 中心窩平均網膜厚の変化量について, スクリーニング時に比べ投与後 1 週,4 週,8 週,12 週及びエンドポイントのいずれの評価時点においても有意な減少がみられた [ いずれも p<0.001; 対応のある t 検定 ( 以下同様 )] 本剤投与後 12 週検査終了後は併用禁止が解除となり, 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対する併用禁止薬及び併用禁止療法も使用可能となった 本剤投与後 6 ヶ月,9 ヶ月,12 ヶ月 ( いずれも 39 例 ) のスクリーニング時からの中心窩平均網膜厚の変化量はそれぞれ-217.7± μm, ± μm,-244.2± μm であった ( いずれも p<0.001) 88

89 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 中心窩平均網膜厚 (μm) ** ** ** ** ** ** ** ** スクリーニング時 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後エンド 6ヶ月後 9ヶ月後 12ヶ月後ポイント 2) 評価時期 1) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 2) 治験薬投与日 +7 日 -3 日 ~ 治験薬投与日 +84 日 +5 日の範囲内で一番遅い時点 *: p<0.05, **: p<0.001( 対応のあるt 検定 ) 図 WP ST 試験における中心窩平均網膜厚 1) の推移 [FAS] ( 平均値 ± 標準偏差 ) 中心窩平均網膜厚変化量 (μm) ** ** ** ** ** ** ** ** 週後 4 週後 8 週後 12 週後エンドポイント 3) 6 ヶ月後 9 ヶ月後 12 ヶ月後 評価時期 1) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 2) 変化量 = 各評価時期 -スクリーニング時 3) 治験薬投与日 +7 日 -3 日 ~ 治験薬投与日 +84 日 +5 日の範囲内で一番遅い時点 *: p<0.05, **: p<0.001( 対応のあるt 検定 ) 図 WP ST 試験における中心窩平均網膜厚変化量 1) 2) の推移 [FAS] 89

90 2) 最高矯正視力 (ETDRS) の推移 FASにおける本剤投与後 12 ヶ月までの最高矯正視力の推移を図 に, スクリーニング時からの最高矯正視力の変化量の推移を図 に示した FASにおいて, 各評価時点のスクリーニング時からの最高矯正視力 (ETDRS) の変化量 ( 平均値 ± 標準偏差 ) は, 投与後 1 週で 1.7±8.11 文字,4 週で 2.3±6.78 文字,8 週で 3.9±7.07 文字,12 週で 4.6±8.08 文字, エンドポイントで 2.6±9.77 文字であった 最高矯正視力 (ETDRS) の変化量について, スクリーニング時に比べ投与後 1 週, エンドポイントでは有意な文字数の改善はみられず, 投与後 4 週,8 週及び 12 週で有意な文字数の改善がみられた (4 週でp =0.023,8 週及び 12 週でp=0.001; 対応のあるt 検定 ) 本剤のテノン嚢下投与により黄斑浮腫軽減は投与後 1 週より改善がみられているのに対し, 視力改善について遅れて改善がみられていることは,15 文字以上の視力悪化による中止例が投与後 1 週に 2 例, 投与後 4 週に 1 例みられ, 中止とされていないが流涙など原疾患と別の理由により一過性に 15 文字以上の視力悪化がみられた症例が投与後 1 週に 1 例あったことが初期及びエンドポイントにおいて有意な視力改善が得られなかった要因の一つと考えられる 本剤投与後 12 週検査終了後は併用禁止が解除となり, 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対する併用禁止薬及び併用禁止療法も使用可能となった 本剤投与後 6 ヶ月,9 ヶ月,12 ヶ月 ( いずれも 39 例 ) のスクリーニング時からの最高矯正視力 (ETDRS) の変化量はそれぞれ 5.4±8.27 文字, 6.1±8.35 文字,6.2±8.96 文字であった ( いずれもp<0.001) 90

91 最高矯正視力 ( 文字 ) ( 平均値 ± 標準偏差 ) * ** ** ** ** ** 0 スクリーニング時 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後エンドポイント 2) 6 ヶ月後 9 ヶ月後 12 ヶ月後 評価時期 1) 投与対象眼の最高矯正視力 2) 治験薬投与日 +7 日 -3 日 ~ 治験薬投与日 +84 日 +5 日の範囲内で一番遅い時点 *: p<0.05, **: p<0.01( 対応のあるt 検定 ) 図 WP ST 試験における最高矯正視力 1) の推移 [FAS] 20 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 15 最高矯正視力変化量 ( 文字 ) * ** ** ** ** ** -10 1) 投与対象眼の最高矯正視力 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後エンドポイント 3) 6 ヶ月後 9 ヶ月後 12 ヶ月後 2) 変化量 = 各評価時期 -スクリーニング時 評価時期 3) 治験薬投与日 +7 日 -3 日 ~ 治験薬投与日 +84 日 +5 日の範囲内で一番遅い時点 *: p<0.05, **: p<0.01( 対応のあるt 検定 ) 図 WP ST 試験における最高矯正視力変化量 1) 2) の推移 [FAS] 91

92 4. 中心窩平均網膜厚における部分集団の検討 1) 網膜静脈閉塞症の病型による部分集団解析 FAS における,RVO の病型別 [BRVO(Hemi-RVO を含む )45 例及び CRVO 5 例 ] の部分集団について, 中心窩平均網膜厚の推移を図 に, 中心窩平均網膜厚のスクリーニング時からの変化量の平均値 (95% 信頼区間下限 ~ 上限 ) を表 に示した 中心窩平均網膜厚のスクリーニング時からの変化量において,BRVO 群と CRVO 群のどちらも本剤投与後 1 週 ~12 週の全ての時点においてスクリーニング時と比較して有意な減少 [p<0.05; 対応のある t 検定 ( 以下同様 )] がみられた エンドポイントにおける中心窩平均網膜厚のスクリーニング時からの変化量の平均値 (95% 信頼区間下限 ~ 上限 ) は,BRVO で-152.6(-209.2~-96.1)μm, CRVO で-126.0(-194.8~-57.2) μm であった BRVO の部分集団では, 全体での結果と同様の結果が得られた 例数の少ない部分集団である CRVO では, 投与後 1 週に中心窩平均網膜厚が減少した後ベースラインに戻る傾向が認められたが,12 週までおおむね減少が維持されており,CRVO に対しても有効であると考えた また, 本剤投与後 12 週検査終了後は併用禁止が解除となり, 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫に対する併用禁止薬及び併用禁止療法も使用可能となった 本剤投与後 6 ヶ月では,CRVO 集団に一時的に漸増傾向がみられたが, その後の本剤投与後 9 ヶ月及び 12 ヶ月では,BRVO 及び CRVO ともに全体と同様の結果が得られた :BRVO + CRVO:50 例 :BRVO 単独 :45 例 :CRVO 単独 : 5 例 600 中心窩平均網膜厚 (μm) ** ** ** ** ** ** ** * ** ** ** ** ** ** ** ** ** ** ** ** ** スクリーニング時 ( 平均値 ± 標準偏差 ) 1 週後 4 週後 8 週後 12 週後エンド 6ヶ月後 9ヶ月後 12ヶ月後ポイント 2) 評価時期 1) 投与対象眼の中心窩平均網膜厚 2) 治験薬投与日 +7 日 -3 日 ~ 治験薬投与日 +84 日 +5 日の範囲内で一番遅い時点 *: p<0.05,**: p<0.01( 対応のあるt 検定 ) 図 RVO の病型別の部分集団における中心窩平均網膜厚 1) の推移 [FAS] 92

93 表 エンドポイント 1) における部分集団 (RVO 病型 ) 別 中心窩平均網膜厚変化量 2) (μm) の評価 RVO 病型 被験者数 平均値 95% 信頼区間 ( 下限 ~ 上限 ) 最小値 中央値 最大値 全体 ~ BRVO ~ CRVO ~ ) 治験薬投与日 +7 日 -3 日 ~ 治験薬投与日 +84 日 +5 日の範囲内で一番遅い時点 2) 変化量 = 各評価時期 -スクリーニング時 2) 被験者背景による部分集団解析 WP ST 試験におけるエンドポイントの中心窩平均網膜厚において,FAS の被験者背景別の部分集団について解析した 各部分集団 ( 性別, 年齢, 硝子体手術の既往, 水晶体の状態, 罹病期間, 併用薬の有無, ベースラインの中心窩平均網膜厚, ベースラインの最高矯正視力, 局所レーザー治療の有無, 眼周囲への副腎皮質ステロイド注射の既往の有無 ) における中心窩平均網膜厚について, スクリーニング時, エンドポイント及びその変化量を表 に示した ベースラインの中心窩平均網膜厚別の解析では, ベースラインの網膜厚が 400 μm 未満及び 400 μm 以上 500 μm 未満の部分集団において中心窩平均網膜厚の変化量が低くなる傾向を示したが, ベースラインの中心窩平均網膜厚が低値であるほど正常の中心窩平均網膜厚に近いため変化量として小さくなるためと考えられた 年齢別の解析では,75 歳以上の部分集団において中心窩平均網膜厚の変化量が低値であったが, 65 歳以上 75 歳未満の部分集団の変化量が高値を示していることにより年齢カテゴリ順の傾向がみられず,75 歳以上の集団の変化量が低値を示したのは例数が少ないことによる変動と考えられた 罹病期間別 ( 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫 ) の解析では, 罹病期間の短い部分集団ほど標準偏差が大きくなる傾向がみられたが, 本試験における全中止例が短い部分集団に含まれること, また病態の性質として罹病期間の短い急性期ほど不安定であることより得られた結果であると考えた その他検討が可能であった部分集団において, 本剤の中心窩平均網膜厚の変化量に影響を及ぼす部分集団はみられなかった 93

94 表 WP ST 試験の部分集団におけるエンドポイントの検討 ( 中心窩平均網膜厚 ) [FAS] 評価例数 スクリーニング時 エンドポイント 変化量 全例 ± ± ± 性別男 ± ± ± 年齢 <45 歳未満 > 0 女 ± ± ± <45 歳以上 55 歳未満 > ± ± ± <55 歳以上 65 歳未満 > ± ± ± <65 歳以上 75 歳未満 > ± ± ± <75 歳以上 > ± ± ± 硝子体手術の既往無 ± ± ± 有 0 水晶体の状態 < 有水晶体眼 > ± ± ± < 偽水晶体眼若しくは無水晶体眼 > 罹病期間 ( 網膜静脈閉塞症 ) <3 ヶ月未満 > ± ± ± <3 ヶ月以上 6 ヶ月未満 > ± ± ± <6 ヶ月以上 > ± ± ± < 不明 > 0 罹病期間 ( 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫 ) <3 ヶ月未満 > ± ± ± <3 ヶ月以上 6 ヶ月未満 > ± ± ± <6 ヶ月以上 > ± ± ± < 不明 > 0 併用薬 * ( 対象眼 ) 無 ± ± ± 有 ± ± ± 併用薬 * ( 眼以外 ) 無 ± ± ± 有 ± ± ± ベースラインの中心窩平均網膜厚 <400 μm 未満 > ± ± ± <400 μm 以上 500 μm 未満 > ± ± ± <500 μm 以上 600 μm 未満 > ± ± ± <600 μm 以上 > ± ± ± ベースラインの最高矯正視力 <45 文字未満 > ± ± ± <45 文字以上 60 文字未満 > ± ± ± <60 文字以上 > ± ± ± 眼局所レーザー治療歴無 ± ± ± 有 ± ± ± 眼周囲への副腎皮質ステロイド薬注射の既往 < 無 > ± ± ± 平均値 ± 標準偏差 (µm) *: 治験薬投与のため 以外の理由で使用したもののみ < 有 ( 硝子体内 )> 0 < 有 ( テノン嚢下 球後 )> 0 < 有 ( 点眼 )> 0 < 有 ( その他 )> 0 94

95 文献による報告 検索で得られた 16 報のうち,TA の投与用量及び有効性に関する記載 ( 視力, 網膜厚, 改善率等 ) があるものを抽出し, 表 に示した 有効性の対象となった 6 報のうち,TA の投与用量は 20 mg が 3 報,40 mg が 3 報であった 再投与について記載している報告は 2 報であった TA 投与前及び約 3 ヶ月後の網膜厚を評価している 5 報のうち,TA の投与用量は 20 mg が 3 報, 40 mg 投与が 2 報であった 20 mg 投与では, 投与前の網膜厚は 404±141 μm~612.4 μm, 投与後は 358.7±109.2 μm~457±123 μmであった 同様に,40 mg では投与前は 499.4±209.1 μm~566±42 μm, 投与後は 186.8±67.7 μm~278±40 μm であった TA 投与前及び約 3 ヶ月後の logmar 視力を評価している報告は 20 mg 投与で 1 報確認された 投与前の logmar 視力は 0.501±0.229~0.451±0.320, 投与後は 0.499±0.296~0.462±0.304 であった 同様に,40 mg 投与の 1 報では投与前の視力は 0.74±0.26, 投与後 3 ヶ月は 0.47±0.28 であった ETDRS 視力を評価している 40 mg 投与の 1 報では, 投与前の ETDRS 視力は 36.89±18.22 文字, 投与後は 58.11±22.19 文字であった また, 小数視力を評価している報告は 20 mg 投与で 1 報確認された 投与前の小数視力は 0.23±0.23, 投与後は 0.23±0.18 であった 本文献調査で得られた TA テノン嚢下投与の有効性に関する情報から,WP ST 試験で得られた有効性の結果は妥当であると考えられた 95

96 非感染性ぶどう膜炎に対する試験 WP ST 試験デザインの妥当性 WP-0508ST 20 mg のテノン嚢下投与による非感染性ぶどう膜炎に伴う黄斑浮腫を有する患者に 対する第 III 相試験である WP ST 試験のデザイン等とその妥当性について述べた 1. デザイン概略本治験は,WP ST 試験において至適とされた本剤 20 mg の用量を用いた多施設共同非遮蔽非対照試験として実施した スクリーニング検査後,WP ST 試験と同一の手順にて本剤懸濁液 0.5 ml のテノン嚢下投与を行った 投与は 1 回のみとし, 再投与は設定しなかった 投与後 8 週及び中止 脱落症例における 8 週以内の最終評価時をエンドポイントとして評価に用いた エンドポイントとした投与後 8 週を含む12 週までの各時点における有効性 ( 中心窩平均網膜厚, 最高矯正視力, 炎症スコア ) 及び安全性 ( 眼圧等 ) を評価した また, 中心窩平均網膜厚, 最高矯正視力, 炎症スコア, 眼圧及び水晶体混濁に関する追跡調査を投与後 12 ヶ月まで実施した 主要評価項目である光干渉断層計による測定データは実施医療機関において補正等を行い, 治験責任医師又は治験分担医師の確認後に提出されたデータを解析対象とした <フローチャート> WP-0508ST 投与 観察期間終了 ( 投与後 12 週 ) 追跡調査期間終了 ( 投与後 12 ヶ月 ) 観察期間 追跡調査期間 エンドポイント ( 投与後 8 週 ) < 用法 用量設定の妥当性 > 本治験における本剤の投与用量は, 糖尿病黄斑浮腫を対象とした WP ST 試験で設定された至適用量である 20 mg とした 投与容量も同じ 0.5 ml とし, 調製濃度についても WP ST 試験と同じ 40 mg/ml とした 同一手順にてテノン嚢下投与された本剤の滞留性及び網膜への移行等の薬物動態は疾患に依存しないと考え,WP ST 試験で至適とした用量 用法を用いることは妥当と判断した < 主要評価項目評価方法に関する妥当性 > 本治験の主要評価項目である中心窩平均網膜厚の解析データは, 実施医療機関より治験責任医師又は治験分担医師の責任で確認したデータを入手し,OCT 専門家により妥当性が判定されたデータを評価に使用した 96

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