Microsoft Word - マーケットアイNo.150

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1 2016 年 2 月 12 日 セントラル短資株式会社 総合企画部松尾徹 マーケット アイ 1. 景況判断 内閣府が1 月 20 日に公表した1 月の月例経済報告では 景気の基調について このところ一部に弱さもみられるが 緩やかな回復基調が続いている との判断を維持した 個別項目では 生産を 弱含んでいる から 横ばいとなっている に上方修正した また 先行きについては 金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある との文言を加えた 総務省が1 月 29 日に発表した12 月の全国コアCPI( 除く生鮮食品 ) は 前年同月比で+0.1% (11 月同 +0.1%) と前月に続くプラスを維持した エネルギーが引き続き大幅なマイナスとなったが 生鮮食品を除く食料や教養娯楽用耐久財などが上昇幅を維持したため横這いとなった 消費者物価の総合は同 +0.2%(11 月同 +0.3%) となった 物価の基調をみるうえで参考となる食料 ( 除く酒類 ) とエネルギーを除くいわゆる米国型のコアCPIは前年同月比 + 0.8%(10 月同 +0.9%) と前月の伸びを下回った また 日銀が1 月 29 日に発表した消費者物価の基調的な変動を示す12 月の生鮮食品 エネルギーを除く総合ベースは前年比 +1.3%(11 月同 +1.2%) となった 2. 金融政策 日銀は 1 月 日に開催した金融政策決定会合で マイナス金利付き量的 質的金融緩和 を導入することを決定した そのうち 新たに実施する マイナス金利の導入 については賛成 5 反対 4の僅差での決定となった 金融市場調節方針 資産買入れ方針 の現状維持は賛成多数 ( 賛成 8 反対 1) で決定した 追加緩和の背景については 原油価格の一段の下落に加え 中国をはじめとする新興国 資源国経済に対する先行き不透明感などから 金融市場は世界的に不安定な動きとなっている ため 企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し 物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大している と説明している マイナス金利の導入 については 本年 2 月 16 日の準備預金適用期間から適用されるが 次のような内容となっている 金融機関が保有する日本銀行当座預金に 0.1% のマイナス金利を適用する 具体的には 日本銀行当座預金を3 段階の階層構造に分割し それぞれの階層に応じて基礎残高はプラス金利 マクロ加算残高はゼロ金利 政策金利残高はマイナス金利を適用する また 今後 必要な場合 さらに金利を引き下げる なお マイナス金利の導入反対 したのは白井委員 石田委員 佐藤委員 木内委員 白井委員は 量的 質的金融緩和 の補完措置導入直後のマイナス金利の導入は資産買入れの限界と誤解される惧れがあるほか 複雑な仕組みが混乱を招く惧れがあるとして 石田委 1

2 員は これ以上の国債のイールドカーブの低下が実体経済に大きな効果をもたらすとは判断されないとして 佐藤委員は マイナス金利の導入はマネタリーベースの増加ペースの縮小とあわせて実施すべきであるとして 木内委員は マイナス金利の導入は長期国債買入れの安定性を低下させることから危機時の対応策としてのみ妥当であるとして反対した また 金融調節方針 および 資産買入れ方針 については 木内委員より マネタリーベースおよび長期国債保有残高が 年間約 45 兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節および資産買入れを行うなどの議案が提出されたが 反対多数で否決された また 29 日発表された 経済 物価情勢の展望 では 輸出 生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの 緩やかな回復を続けている 2017 年度までを展望すると 家計 企業の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで 国内需要が増加基調をたどるとともに 輸出も 新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に 緩やかに増加するとみられる このため わが国経済は 基調として緩やかに拡大していくと考えられる として 景気に対する評価を維持した 消費者物価 ( 除く生鮮食品 ) の前年比については エネルギー価格下落の影響から 当面 0% 程度で推移するとみられるが 物価の基調は着実に高まり 2% に向けて上昇率を高めていくと考えられる が 2016 年度末まではマイナス寄与が残る としている このため 消費者物価の前年比が 物価安定の目標 である2% 程度に達する時期は 2017 年度前半頃になると予想される として 前回の展望レポートで 2016 年度後半頃 に後ずれさせたのをさらに先延ばしした 成長率の見通しについては 従来の見通しと比べると 概ね不変である (2016 年度前年比 +1.4% +1.5% 2017 年度同 +0.3% +0.3%) が 物価の見通しは 2016 年度 ( 同 +1.4% +0.8%) は下振れ 2017 年度 ( 同 +1.8% +1.8%) は概ね不変である であるとした 物価見通しの下振れおよび2% 程度に達する時期の後ずれは 原油価格の想定を下振れさせたことによるものである によるものと説明している 3. 短期金利の動向 (1) インターハ ンク市場 コール市場をみると 無担保コールでは マイナス金利付き量的 質的金融緩和 の導入に伴う政策金利残高に対するマイナス金利の適用が 2 月 16 日からであるため 月初の加重平均は 0.058~0.073% 程度での推移となっている 16 日以降の新積み期に関しては 取引の減少とレートの低下が予想されており マイナス金利で取引される可能性も考えられる (2) オーフ ン市場 レポ市場では マイナス金利の導入が決定されたことで レートの絶対水準が低下したものの 発行要因等の需給関係でレートがプラス圏に上昇する場面もみられている 短国市場では 資産買入方針に変更がないなか マイナス金利が新たに導入されたため 全 ての国庫短期証券が深いマイナス圏での気配となっている オファーとビッドの幅はワイド 2

3 な状態が続いているが 入札を経て徐々に水準感が固まりつつある CP 市場では 国債市場でマイナスの金利が拡がっていることもあり レートは低下した 発 行レートは a-1 格以上の事業法人の3M 物で0.01~0.04% 程度 a-1+ 格以上の事業法人は 0.01% 近辺の発行が中心となっている 4. 今後の見通し等 ユーロ圏経済の先行きについて 市場では 中国やロシアをはじめとする新興国経済の減速による影響が続くと見込まれているが 追加金融緩和の効果 原油安による企業や家計への負担軽減 ドイツを中心とした雇用 所得環境の改善等により域内需要が底堅く推移し こうした中 内需主導の回復が続く米国や英国への輸出が下支えともなって 全体として緩やかな持ち直しが続くとみられている もっとも 地域により持ち直しの度合いに差がみられるとも予想されている ドイツでは 新興国経済の下振れにより輸出の伸びが鈍化していくと見込まれているが 良好な雇用 所得環境を背景に個人消費が底堅さを維持し 回復基調を続けると見込まれている また スペインでは労働環境の改善等により回復基調が続くと予想されている 一方 フランスやイタリアでは 雇用 所得環境が依然として厳しいなか 回復感の乏しい状況が続くとみられている こうした中 ユーロ圏の景気が腰折れする事態は回避されるとの見方が多いが 欧州を取り巻く大きな下振れリスクとして地政学的リスクによる影響が懸念されている なお 難民急増による社会不安の高まりによる影響といった懸念材料もあるが 今のところは 難民対策のための財政支出拡大が景気押し上げに作用していると指摘されている ユーロ圏の 1 月の消費者物価指数 ( 速報値 ) は 前年比 +0.4%(11 月同 +0.2%) と前月から伸びを高めた エネルギー価格の下落率が縮小したこと サービスや工業品などの価格が上昇したことが要因となっている エネルギー 食品 酒 タバコを除いたコア指数は前年比 +1.0%(12 月同 +0.9%) の伸びとなった ユーロ圏の物価の先行きについて 市場では 原油の一段安をはじめとする商品価格の低迷のほか 南欧諸国を中心とした低成長が続くことにより需給ギャップの縮小が限定的であることもあって インフレ率は低水準での推移が続くとみられており 年央にかけて再びマイナス圏に陥る可能性があるといった予想もされている また ECB の物価目標である 2% 弱の水準を大きく下回る状況が長期化するともみられている 欧州中央銀行 (ECB) は1 月 21 日に開催した定例理事会で 主要政策金利であるリファイナンス金利を0.05% に据え置き 中銀預金金利 ( 0.30%) と限界貸出金利 (0.30%) もそれぞれ維持した ドラギ総裁は理事会後の記者会見での声明で 昨年 12 月の定例理事会で決定した追加緩和策については 当時入手していた情報を踏まえると きわめて適切であった とした しかしながら 年明け以降 新興国の成長見通し 金融および商品市場のボラティリティ 地政学リスクなどを巡る不確実性が強まる中で下振れリスクが再び高まっている と 3

4 指摘した また インフレ率については 今後数か月は極めて低い水準かマイナスに止まり 年内のより遅い時期にしか上向かないと見込んでいる とした このため 次回 3 月初旬の定例理事会で 金融政策方針を改めて評価 (review) するとともに 再考する可能性 (possibly reconsider) がある と言明した また 記者との質疑において 十分な情報を持っている中で 状況が悪化しているにも関わらず 金融政策方針の再評価と再考を行わなければ ECBに対する信認を害するおそれがある と述べた 緩和策として取りうる具体的な内容については言及を避けたが 理事会は行動する力と意欲と決意があり 責務の範囲内で取り得る行動に制限はない と述べた ECBの金融政策の先行きについて 市場では ECBの政策余地が狭まってきていることや ドイツなどからの追加緩和に対する根強い抵抗が追加緩和の制約条件となって動きづらくなっているのではないかといった指摘もみられているが 1 月 21 日の定例理事会の内容を受けて追加緩和観測が強まっている 市場では もともと 原油価格の低迷などによる物価上昇力の弱さのほか 南欧諸国を中心とした需要不足などによる内生的なデフレ圧力が根強く存在していることもあって ECBの中長期的な物価目標に整合的な経路に復する時期を見通すことが当面難しく 経済や物価の下振れ圧力が一段と強まれば 追加の金融緩和を余儀なくされるとの見方が多かった こうした中 1 月の定例理事会後 ドラギ総裁が記者会見で 次回 3 月初旬の定例理事会で 金融政策スタンスを改めて評価するとともに 再考する可能性がある と言明したことで 市場では ECBないしはドラギ総裁のこれまでの行動パターンからみて 原油価格の大幅な反発や中国等新興国経済に対する不透明感が解消するなど経済環境の改善がみられない限り 3 月 10 日の理事会で経済 物価見通しを下方修正したうえで追加緩和を実施する確度が高まったとみられている 追加緩和の具体的な政策手段については 中銀預金金利の引き下げによるマイナス金利幅の拡大 資産買入れ期間の延長 資産買入れ額の拡大 社債 株式など購入対象の追加などが予想されている ただ 資産買入れ額の拡大などはさらに状況が悪化した場合に備えて温存する ないしはドイツなどが強く反対するなどの予想もあり 中銀預金金利の引き下げなどの追加策に止まるのではないかといった見方もある 英国経済をみると 10~12 月期の実質 GDP( 速報値 ) は前期比 +0.5%(7~9 月同 +0.4%) となった 海外需要の減退とポンド高により製造業部門が重石となったが サービス部門での好調な伸びから前期を若干上回る成長となった 2015 年通年では前年比 +2.2%(2014 年同 +2.9%) を下回り 引き続き2% 台の伸びを維持したが 成長ペースは鈍化した 英国の経済の先行きについて 市場では 個人消費を中心とした底堅い成長が続くことが期待されているものの 外需の伸び悩みなどによる影響が見込まれるなど弱めの動きが成長の鈍化に繋がる可能性があることも指摘されている 個人消費は 雇用情勢の改善や物価の低水準での推移が続いていることなどを背景に家計の実質所得が伸びているため 今後とも堅調な伸びが続くとみられている また 住宅投資については 低金利等を背景に 住宅支援 4

5 制度の拡大もあって 緩やかな伸びが見込まれている 一方 輸出については 米国および欧州の景気の持ち直しによる効果が期待されるものの 新興国経済の減速が下押し圧力となることなどから伸び悩むとみられている こうした中 設備投資については 個人消費の回復が続くのに伴い 消費関連企業の設備投資は底堅く推移するとみられているが 輸出が伸び悩む中 回復の足取りは緩やかなものに止まると予想されている なお 下振れリスクとして強く警戒されているのがUE 離脱の可否を問う国民投票であり 仮に離脱となった場合には 景気下押し圧力が強まると予想されている 国民投票は2017 年末までに行われる予定となっているが 早ければ2016 年半ばにも実施されるのではないかとの憶測もみられている 英国の12 月の消費者物価指数は前年比 +0.2%(11 月同 +0.1%) と前月の伸びを小幅ながら上回ったが 引き続き低調な伸びに止まっている 航空運賃の上昇が伸びの主因となったが エネルギーや食料品が物価の押し下げに働き その他の費目も弱めのものが目立っており 物価上昇力の高まりは窺われない エネルギー 食品 酒類 たばこを除いたコア物価は前年比 +1.4%(11 月 +1.2%) と振れの大きい航空運賃の上振れからやや上昇した 英国の物価の先行きについて 市場では 良好な雇用 所得環境による需要増が物価の押し上げに作用するものの 原油価格の下落の影響が長引いていることや このところ賃金の伸び率が鈍化していることなどの影響もあって 物価の低水準での推移が暫く続く可能性が高いとみられている BOEは2 月 4 日に金融政策委員会の結果を発表し 政策金利を0.5% に据え置き 量的緩和の規模 (3,750 億ポンド ) についても現状維持を決定した これまで0.75% への利上げを主張してきたマカファーティー委員が同主張を取り下げ 委員会は全会一致で政策金利の据え置きを決定した 金融政策委員会の議事要旨では 賃金の伸びは従来期待されたよりも弱く 労働コストは前回 11 月のインフレ報告で見通されたよりも緩やかに止まるとみられるため 日課の伸びはより減速している とした 四半期のインフレ報告によると インフレ見通しは 2016 年を通じ1% を下回る水準に止まる とし 前回予想よりも長期間にわたりインフレ率が低水準に止まるとの見通しを示した カーニー総裁は 英国経済は底堅く推移しているものの 新興国経済の不振でリスクが高まる中 世界の成長率は緩やかなペースに止まる見通しで 英国経済の下振れリスクとなる との認識を示した また 利上げについては BOE は金利に関し適時適切な行動を取る とし 次の行動が利上げとなる可能性が高い としたが 今は利上げの時期ではない 状況であり 利上げへの動きはより緩やかで限定的なものに止まると予想される との見方を示した BOEの金融政策の先行きについて 市場では 原油価格の下落などから物価の低水準での推移が続く可能性が高いとみられているほか 新興国経済の減速に伴う英国経済への影響を懸念する見方もあり 利上げ開始時期に対する見方が後ずれしている そうした中 カーニー総裁が講演 (1 月 19 日 ) において 英国のインフレ圧力が弱いことなどを指摘したうえで 今 5

6 は利上げの時期ではない と言明したことも利上げ観測の後退に繋がっている このため 利上げがあるとしても 経済 物価情勢に対する判断次第で 早くて開始時期は2016 年後半以降とみられており 2017 年以降まで後ずれしたといった予想もある なお 2017 年末までに実施されるとみられるEU 離脱の是非を問う国民投票の実施時期次第で利上げの時期が左右される可能性もあるといった指摘もみられている 米国経済をみると 10~12 月期の実質 GDP( 速報値 ) は前期比年率 +0.7%(7~9 月期同 +2.0% 4~6 月期 +3.9%) と伸びが大幅に鈍化した この結果 2015 年通年の実質 GDPは+2.4% となり 2014 年と同じとなった ここへ来て景気の減速感が窺われているが 10~12 月の大幅鈍化の要因としては 企業による在庫投資 ( 寄与度 0.45ポイント ) の削減の動きがみられたほか ドル高や世界需要の鈍化等から輸出 ( 前期比年率 2.5%< 前期同 +0.7%>) や設備投資 ( 前期比年率 1.8%< 前期同 +2.6%>) が不振であったためである GDPの3 分の2 以上を占める個人消費は+2.2% と前期 ( 同 3.0%) に比べて伸びが鈍化したが 暖冬による影響とみられており また 住宅投資は+8.1%( 前期同 +8.2%) となるなど 堅調な雇用情勢を背景とした家計による支出は底堅いと捉えられている 米国の1 月雇用統計では 非農業部門雇用者数が前月比 万人 ( 前月同 万人 ) と前月から鈍化した ただ 雇用の伸びが昨年第 4 四半期から鈍化したのは 同時期の例年にない暖冬により建設部門などの雇用が押し上げられていた反動などが影響している 失業率は4.9% と2008 年 2 月 (+4.9%) 以来の低水準となった また 時間当たり賃金は前年比で +2.5%( 前月同 +2.6%) とこのところ伸び率が高まりつつある状況を維持し 前月比では +0.5%( 前月同 +0.0%) と伸びを高めた 今回の雇用統計については 強弱両様の評価ができるものであるが 単月の振れである可能性もあり慎重な評価が必要であるとみられている また 前向きな評価としては 雇用者数の鈍化は天候要因による影響とみられているうえ 失業率の一段の低下や 賃金の増加もあって 労働市場の回復が継続していることを示唆していると捉える見方もある 米国経済の先行きについて 市場では 減速感がみられているが 雇用 所得環境の改善を背景に個人消費など家計部門が中心となって 内需主導の緩やかな回復が続くとの見方が引き続き多い また FRBによる利上げの影響については そのペースは緩やかなものに止まると想定されていることから 経済の腰折れに繋がる可能性は低いとみられている 個人消費は 暖冬等一過性の下振れ要因を除けば 良好な雇用 所得環境の下 ガソリン価格の低水準での推移もあって 基調としての堅調な伸びを維持するとの見方が多い 住宅投資については 住宅ローン金利が引き続き低位で推移するとみられることのほか 家賃の上昇や世帯数の増加がみられている中 良好な環境が続くとみられている 一方で 新興国経済の減速や資源価格の低下が長期化する中 製造業の伸び悩みが懸念されている 製造業の設備投資は内需の拡大とそれに伴う企業収益の底堅さなどから 総じてみれば緩やかな増加が見込まれているが 経営環境の後退が今後設備投資の手控えに繋がるかが注目点となっている 6

7 また 輸出については 欧州経済等の持ち直しがある程度下支えすると期待されているが 新興国経済の減速による伸び悩みが懸念されている 米国の物価動向をみると 12 月のコア消費者物価指数 ( 除く食品 エネルギー ) は前月比 + 0.1%(11 月同 +0.2%) 前年比では+2.1%(11 月同 +2.0%) となった 家賃や医療費の伸びが緩慢であったことや衣料品価格などの下落がみられたことなどからコアCPIの上昇幅は限定的であった 総合では前月比で 0.1%(11 月同 0.0%) とエネルギー価格 食品価格などの下落からマイナスに転じた 前年比では+0.7%(11 月同 +0.4%) の伸びとなり 従来の原油安の影響が一巡したことで前年比のCPIは前月の伸びを上回ったが 最近の原油の一段の値下がりで物価の上昇力は限定的なものに止まるとみられている また 12 月の個人消費支出価格指数は コア指数では前月比 0.0%(11 月同 +0.2%) と横這いに止まり 前年比でも+1.4%(11 月同 +1.4%) と低めの伸びが続いている また 総合では前月比 0.1% (11 月同 +0.1%) とマイナスに転じた 前年比では+0.6% と前月 (11 月同 +0.4%) を上回った 昨年の物価押し下げ要因が剥落するのに伴って前年比でみた物価は上昇している 米国の物価の先行きについて 市場では エネルギー価格の下落に伴う下押し要因などから 暫くは大きな上昇を見込み難い状況が続くとみられている また 消費者や予測専門家のインフレ期待に低下の兆しがあるなど 物価の先行きを懸念する指摘もみられている ただ その一方で 内需が今後とも堅調に推移すると予想されていることや ドル高の影響が和らいでくるとみられていることなどから 物価の下押し圧力は緩和方向に向かう可能性があるとの見方もある また 労働需要の改善を背景に 特にサービス部門での賃金の伸びが高まっていることなどが物価を押し上げる要因として強まっていく可能性があるとの予想もみられている 1 月 日に開催されたFOMCで FFレートの誘導レンジを0.25~0.50% に据え置き 保有する債券の償還元本の再投資を継続することを全会一致で決定した 委員会後に発表した声明文では 経済および物価について幾分慎重な文言がみられたが 全体としては前向きな判断を維持した 具体的には 昨年末に経済成長が鈍化したにもかかわらず (even as economic growth slowed late last year) との文言を加えたうえで 労働市場の状況は一段と改善した (labor market conditions improved further) と評価した 家計支出と企業の設備投資については 前回の 堅調 (solid rates) に増加した から今回は ここ数か月間に緩やかな速度 (moderate rates) で増加した との文言に和らげた また 物価については エネルギー価格のさらなる下落が一部の原因となって インフレ率は短期的に低いままで推移すると見込まれる との文言を加えたが エネルギーや輸入価格の下落による一時的な影響が消え 労働市場がさらに力強さを増せば 中期的に2% に向かって上昇すると予想される との見方を維持した 一方 今回の声明文では 全般的に国内外の動向を考慮すると 委員会は経済活動と労働市場の両方の見通しにとってのリスクは安定しているとみている との文言を削除し 新たに 世界経済と金融動向を注意深 7

8 く監視し 労働市場やインフレ そして見通しへのリスクバランスに与える影響を評価する との文言を加え 世界経済の減速と金融市場の不安定の影響を見極める姿勢を示した なお FF 金利の目標誘導レンジの将来的な調整については 経済状況はFF 金利の緩やかな引き上げしか正当化しない形で進むと予測する FF 金利は当面 長期的に到達すると見込まれる水準を下回るレベルで推移する可能性がある との見通しを維持した その後 FRB のイエレン議長は 2 月 日の議会証言で 雇用の改善 賃金の上昇 が続いていることを評価し これにより 消費支出の増加を下支えしている との基調判断は維持し 先行きについても 金融政策スタンスの緩やかな調整により 経済は緩やかに拡大し 雇用指標も引き続き力強さを続ける との予測を述べた この間 世界経済は 海外の極めて緩和的な金融政策によって 時間とともに改善する との見方も示した また 国内物価については 上昇の弱さの大半は一時的なもので いずれ緩和される とみており 原油価格の下落が止まるなど 下押し圧力が弱まれば 労働市場がさらに力強さを増すにつれ 中期的に 2% に向かって上昇していく との見通しを述べた さらに FF 金利の目標誘導レンジの将来的な調整に関する評価に関しては 経済データ次第であり 金融動向および国際情勢も見守っていく との判断を引き続き述べた 一方 そうした中で 海外経済の動向は 米国経済の成長にリスクをもたらしている との懸念を示した 特に 人民元相場の低下は 中国の為替政策および経済見通しの不確実性を助長している と述べ こうした不確実性が国際金融市場のボラティリティを高め 世界経済の成長見通しに対する不安を強めている との認識を示した また こうした不安が 供給過剰と高い在庫水準と相俟って 最近の原油 資源価格の下落に繋がっている とともに こうした資源価格の下落が資源を輸出する脆弱な新興国経済のストレスを引き起こしかねない との警戒感も表明した 市場では イエレン議長の議会証言が 労働市場が力強さを増すなど米国経済の回復基調は変わっておらず 米金利は緩やかに上昇していくとの考えを変えていないとの見解を示したと受け止めつつも 原油安や中国不安 それに伴う世界経済の先行き不透明感や金融市場の動揺が強調されたことで 次回の早期の利下げには慎重になっているのではないかと強く捉えられる見方も多かった 米国の金融政策の先行きについて 市場では 12 月の利上げの影響や世界経済および金融市場の不安定の影響を含めた米国経済 物価動向等を見極めながら 次の利上げ時期や利上げのペースを慎重に探っていく展開となっているが 今後とも利上げができるかについての不透明感や懐疑的な見方も強まっている 当面の展開としては 中国や原油に端を発する金融 資本市場の不安定が落ち着きを取り戻すかどうかを焦点に 3 月のFOMCで次回の利上げの可能性を探っていく展開となると市場ではみられている もっとも イエレン議長の議会証言を受けて 3 月は見送られる公算が高いとの見方が強まっている また 不安定要因の継続はもとより 米国景気の減速感が強まる場合や 物価下押し懸念が再び高まる場合には 次回利上げは2016 年半ば以降に先送りされる可能性があるとの見方があるほか 利上げを当 8

9 面見送ることも想定できるとの指摘もみられている また 利上げが難しくなるとみられる大統領選挙の日程があることにも留意する必要があるとの指摘もある なお FRBが仮に利上げを見送ることになれば 12 月の利上げが失敗であったことや短期間での政策変更を認めることになり FRBに対する市場の信任が低下する事態を懸念する見方もある 中国経済をみると 1 月 19 日に発表された 10~12 月期の実質 GDP が前年同期比 +6.8% となった この結果 2015 年の実質 GDP は前年比 +6.9%(2014 年同 +7.3%) となり 1990 年 ( 前年比 +3.9%) 以来 25 年振りの低い伸びとなった 同時に公表された主要経済指標からみると 家計の消費は雇用 所得の安定などが下支えとなって底堅く推移しているものの 不動産や重工業を中心に減速が続いているなど生産や投資が弱めに推移しており こうした状況が成長に現れている 実質 GDP の内容について 市場の評価を窺うと 政府目標 (+7.0% 前後 ) をほぼ達成しているが 緩やかな減速が継続していることが確認されたとみられている また 経済改革を進めている中での減速であり 今後とも政府による景気下支え策が期待できるとみられていることもあって 成長ペースの減速を悲観する必要はなく ハードランディングといった景気の失速に繋がる可能性も今のところ低いとみられている ただし 製造業を中心とする生産能力の過剰問題を解消するには依然として相当な時間がかかるとみられていること 地方政府での不動産開発などによる過剰債務問題が金融市場の信用収縮に繋がるリスク 中国の金融市場の混乱と政府の後手に回る政策対応がさらなる混乱に繋がる可能性 米国が利上げ局面に入ったなかでさらなる元安圧力が高まる可能性が資本逃避の動きを加速させる懸念等の様々なリスクによる経済への影響には留意する必要があるとみられている 日本経済の先行きについて 市場では 在庫調整の一巡とともに 踊り場局面から持ち直し基調を取り戻していくとみられている 持ち直しの強さについては 景気の循環的な回復基調が進むとみる向きもみられるが 景気の牽引役が不在のなか 持ち直しのペースはごく緩やかなものに止まるとの見方が多く 下振れリスクが引き続き強いともみられている 個人消費は 良好な雇用環境や原油価格の低下に伴う家計の実質購買力の改善などが下支えとなるものの 賃金の大幅な上昇が期待し難いことや景気回復感が弱いことなどから 消費者マインドの改善が足踏みする可能性もあり 緩やかな持ち直しに止まると予想されている 住宅投資については 低金利や税制面などから節税目的の賃貸住宅の建設 供給が増加していること 2017 年 4 月の消費税引き上げ前の駆け込み需要などから 緩やかな持ち直しが続くと見込まれているが 販売価格の上昇による分譲マンションの売れ行き悪化や杭打ちデータの偽装問題などが重石となる可能性があるとの指摘もみられている 設備投資は 好調な企業収益を背景に 製造業での人手不足対応や維持 更新投資や 非製造業でのインバウンド関連投資の充実などを中心に徐々に増加すると見込まれているが 原油安や円相場といった事業環境により振れやすく 消費や輸出が緩やかな動きに止まるとみられていることなどから 企業の慎重な投資姿勢が続くことも予想され 総じてみれば限定的な増加に止まる可能 9

10 性が高いとみられている 輸出については 海外経済が欧米先進国を中心として回復基調が維持されるとみられていることなどから 持ち直してくると期待されているが 中国をはじめとする新興国経済の減速のほか 生産拠点の海外移転の進展などにより輸出の増加に一定の限度があるとみられていることなどから 持ち直しのペースは振れを伴いつつ緩やかに止まるとの指摘が多い 国内物価の先行きについて 市場では 原油価格が一段と下落しており 円安による物価押上げ効果が弱まっていることもあって コアの消費者物価は再びマイナスに転じる可能性もあるなど伸び悩みの状況が続くとみられている エネルギー価格は 一昨年以来の価格下落が大きかった裏が出ることから マイナス寄与が先行き縮小することが想定されていたが 今年に入って原油価格の再下落の影響が大きいことから そうした想定が難しくなってきている また 内需の持ち直しが緩やかに止まっているため 需給要因による物価押上げ圧力も弱いとみられている このため 除く食料 エネルギー ( 米国型コア ) や除く生鮮食品 エネルギーといった消費者物価についても これまで底堅い伸びが続くとみられていたが 消費が弱いなかでこのところの円安修正の動きによる輸入価格の上昇による値上げの動きも弱まるとみられていることもあって 基調的な物価の底堅さに不透明感が出てきているなど先行きに対する慎重な見方が増えている 黒田日銀総裁は 1 月 29 日の決定会合後の定例記者会見で マイナス金利導入の狙いについては 当座預金にマイナス金利を付すことで イールドカーブの起点を引き下げ 短期金融市場に幅広くマイナス金利が浸透することになる とし これに 量の面で大規模な長期国債の買入れを継続することと合わせて 金利全般により強い下押し圧力を加えていく と述べた また 階層構造にしたのは 部分的にゼロあるいはプラス金利を適用することによって 金融機関収益を過度に圧迫し かえって金融仲介機能を弱めることを防ぐことができる ため 金融仲介機能に配慮しながらマイナス金利の効果を最大限発揮することを狙ったものである と説明した 今回の追加緩和の背景については次のような認識を示した 景気は 輸出 生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの 緩やかな回復を続けている 状況で 先行きも 家計 企業の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで 国内需要が増加基調を辿る うえ 輸出も 新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に 緩やかに増加するとみられている このため わが国経済は 基調として緩やかに拡大していく 従来の見解を維持した しかし 物価面をみると 原油価格の一段の下落に加え 中国をはじめとする新興国 資源国経済に対する先行き不透明感などから 金融市場は世界的に不安定な動きとなっている ため 企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し 物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大している との懸念があることが追加緩和導入の理由であると表明した さらに マイナス金利の位置付けについては 国債買入れなどの量的拡大が限界に達したということではない と強調し 金利面での緩和オプションを追加して 量 質 金利 といった3つの次元で緩和手段を駆使することによって金融緩和を進めるものである 10

11 と説明した 今回の施策の効果については これまでと同様 基本的に名目金利をイールドカーブ全体として引き下げる一方で 予想物価上昇率を引き上げることによって 実質金利をイールドカーブ全体にわたって押し下げる それによって消費や投資を刺激し 経済が拡大し その中で需給ギャップが縮小し インフレ期待の上昇と相まって物価上昇率を2% に向けて引き上げていく うえ ポートフォリオ リバランスも生じ それがまた経済にプラスに効く とした また 金融機関収益に過度な影響が出ないようにしたが いかなる金融緩和であれ 緩和自体が短期的には金融機関の収益に影響を与えることは避けられない が そういう金融緩和を通じて経済をできるだけ早くノーマルな 物価安定の目標 が達成できるような持続的成長経路に乗せる そうしたことにより実は金融機関の収益も改善していく と述べた 日銀の金融政策の先行きについて 市場では 1 月の追加緩和の効果を暫くは見極めていくとみられているものの 引き続き不安要因や不透明要因が多いため マイナス金利幅の拡大などさらなる追加緩和観測が浮上しやすい展開が続くとの見方が多い 原油価格の低迷が暫く続くとみられていることや 中国をはじめとする新興国経済の減速が一段と強まる懸念も否めないとみられていることなどから これらを背景に 金融市場の不安定や日本経済のさらなる下振れに繋がるようであれば さらなる追加緩和に追い込まれる公算があるとみられている また 需給ギャップの解消に時間がかかるとみられていることや 賃金が大きく上昇する可能性が低いと見込まれていることなどから 2017 年度前半頃であっても2% の物価安定の目標を達成することは厳しいとの指摘も多く こうした見方を背景に追加緩和観測が継続するとの見方もある こうした内外環境を勘案すれば さらなる追加緩和が マイナス金利の拡大や量的緩和の拡大も含め 年前半にも有り得るとの予想もみられている また そうした中で 日銀は 企業コンフィデンスの改善や人々のデフレマインドの転換が遅延し 物価の基調に悪影響が及ぶリスクが増大する ことを回避するための政策に主眼を置いているため それに影響を及ぼす今回のような中国をはじめとする新興国や原油等の不安定要因や それによる金融 資本市場の不安定に市場が強く着目し 例えば 円高 株安に直面すれば 追加緩和の可能性が高いとの憶測が市場で高まる可能性があるとみられている これが追加緩和に対する観測程度に止まればよいが こうした憶測事態が金融市場での過度の変動を強める要因となることを懸念する見方もある なお マイナス金利政策は 短期的には円安効果などが期待されるものの 中長期的には金融機関や預金者の運用収益へのマイナスの影響など弊害も大きいため 長く続けられる政策ではないとの見方があり 物価安定の目標である2017 年前半頃までに効果が出なかった場合の次の展開を不安視する見方も出ている 以 上 11

12 総合企画部企画調査グループ 東京都中央区日本橋本石町 Tel: Fax: 当資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり 取引の勧誘を目的としたものではありません ここに記載されているデータ 意見などはセントラル短資が信頼に足り 且つ正確であると判断した情報に基づき作成されたものではありますが 当社はその正確性 確実性を保証するものではありません ここに記載された内容が事前連絡無しに変更されることもあります 当資料に記載された条件などはあくまでも仮定的なものであり かかる取引に関するリスクを全て特定 示唆するものではありません なお 本レポートに記述された意見に関する部分は執筆者の個人的見解によるもので 当社の見解を示すものではありません 金融商品のお取引には価格変動によるリスクがあります 金融商品のお取引には手数料等をご負担頂くものがあります 金融商品取引法に基づきお渡しする書面や目論見書をよくお読み下さい セントラル短資株式会社登録金融機関関東財務局長 ( 登金 ) 第 526 号日本証券業協会加入 12

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