2013 年 3 月 鳥インフルエンザ A(H7N9) が中国で発生し 2014 年 11 月 5 日時点で全部で 456 症例を引き起こし 172 名の命を奪っている このウイルスは家禽で低病原性 ( 感染した鳥で臨床症状は認められない ) だが 哺乳類においては種を越える事前の適応なしで致命的な

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1 鳥インフルエンザ A(H5N6): 東および東南アジアにおける人獣共通 鳥インフルエンザの脅威発生についての最新追加情報 Avian influenza A(H5N6): the latest addition to emerging zoonotic avian influenza threats in East and Southeast Asia EMPRES WATCH, VOL 30, NOVEMBER 2014 ( 仮訳 ) 鹿児島大学名誉教授岡本嘉六 東部アジアにおける鳥インフルエンザウイルス亜型の新たな発生の流れ鳥由来の世界的な人獣共通感染インフルエンザ出現の最初の報告は 1996 年 中国広東省のガチョウの農場で H5N1 型高病原性トリインフルエンザ (HPAI) の流行が発生した時である [Guan et Smith, 2013] 1 年後 H5N1 HPAI ウイルスは 香港で特定された 6 名の死亡を含む 18 名のヒト症例の人獣共通感染病原体として認識された [WHO] 香港における大規模な家禽の殺処分プログラムが 流行を終わらせるために必要だった [De Jong et al, 1998]. 数年後 H5N1 HPAI はアジアにおいてより大規模に再発生した 2003 年 2 月に 2 名の症例が香港で初めて報告され [Peiris et al, 2004] その後 2003 年 12 月に韓国が数件の家禽における発生を報告した 2003 年末から 2004 年初頭の間に H5N1 HPAI は急速に東および東南アジア全域に広がり 2004 年 1 月だけでカンボジア 中国 ラオス 韓国 タイ ベトナムにおいて 1,300 件以上の発生が報告された [EMPRES-i] 2006 年中旬には ウイルスはヨーロッパ 中東およびアフリカの 60 以上の国と地域に広がった ヒンドスタン平野と大メコン圏地域 中国 インドネシアとエジプトにいくつかの風土性ホットスポットを残して ほとんどの国は 家禽部門から病気を排除することに成功した 貧弱なバイオセキュリティーと不十分な獣医療サービスを含む家禽生産システムの特徴が 効果的に病気を制御する活動を混乱させており 生産と流通活動において衛生 検査および法令順守改善するための大きな変化がない限り これらの国々で病気が予見可能な将来に排除される可能性をなくしている 多様なウイルスの遺伝子プールは 多くの様々な鳥インフルエンザ (AI) ウイルス株が循環している東アジアに現在存在している ウイルス間の遺伝的再集合やウイルス遺伝子の突然変異に続いて 新たなウイルス株がこの地域で発生し続け 動物衛生と公衆衛生に予測不能な結果をもたらしている 最近では このような新しい再集合体の検出がより頻繁になっている 2013 年上旬以来 いくつかの新しい鳥インフルエンザウイルス株が東および東南アジアで報告され 家禽に依存する生活と人間の健康を脅かしている

2 2013 年 3 月 鳥インフルエンザ A(H7N9) が中国で発生し 2014 年 11 月 5 日時点で全部で 456 症例を引き起こし 172 名の命を奪っている このウイルスは家禽で低病原性 ( 感染した鳥で臨床症状は認められない ) だが 哺乳類においては種を越える事前の適応なしで致命的な肺感染症を引き起こし得る [Can et al, 2014] その後 2013 年 12 月に H10N8 が報告され 中国で 2 名の死亡を含む 3 名の感染を引起し 一方 H5N8 が数か月後に出現し 少なくとも 40 件の家禽での流行が主に韓国で その後日本と中国でも発生している [OIE; EMPRES-i] これは 2014 年 5 月初頭の中国とラオスからの高病原性 H5N6 による家禽での発生報告に続いた より最近では H5N3 亜型が中国湖南省長沙の生鳥市場から 2014 年 10 月 24 日に初めて報告された [OIE] 新しい亜型の出現率が増加し 新たな潜在的脅威および継続的な警戒と監視の必要性を生み出しているので 懸念が高まっている ( 表 1 図 1) H5N6 の出現 H5N6 亜型に属する低病原性ウイルスは 過去に既に発生している 主にアヒルで見つかるが環境サンプルでも見つかり H5N6 ウイルスは 1975 年における米国ウィスコンシン [GenBank acc. U79451] および 1984 年ドイツ [GenBank] の例を含め既に世界の様々な地域で検出されている このことは H5N6 が東アジアに既に広範に広がっていることを示唆している ( 図 1) 公式情報によると それぞれの発生について 殺処分 移動制限および発生施設の消毒などの封じ込め対策が実施されている (OIE 2014) 表 年初頭以降東および東南アジアで検出された新たな鳥インフルエン ザウイルスの型と亜型 型と亜型 H7N9 H10N8 H5N8 H5N6 H5N3 場所 中国 中国 中国 韓国 中国 ラオス 日本ベトナム 中国 ヒト症例数 家禽の徴候 無? 有 有 有 家禽での発生件数 *? 最初の報告 2013/3 2013/ /1 2014/5 2013/10 *: 家禽では臨床徴候を欠くので outbreak( 発生 流行 ) という用語は使え ない ただし 2013 年 4 月から 2014 年 9 月の間に農業省が家禽と環境から採 取した 600,000 サンプル以上およびヒト症例追跡調査で採取した 63 環境サンプ ルの内 132 サンプルでウイルスが見つかっている 査読がある公表論文では 22,197 サンプル中 326 サンプルがウイルス陽性と報告している

3 図 1. 東および東南アジアで 2013 年以降循環している鳥インフルエンザウイル ス株の概要 ヒトにおける H5N6 これまでにわずか 1 例のみの H5N6 ヒト感染が報告されている この症例は中国四川省の最初の家禽発生と関連のある 49 歳農夫で 2014 年 5 月 6 日に報告され 入院後数日で重度の肺炎によって死亡した 患者との濃厚接触者は医療監視下に置かれたが さらなるヒト症例は発見されなかった (HFPC Sichuan, 2014) 現在の証拠 および東アジアかなり広範な地域の家禽で検出されているにもかかわらずヒト症例が 1 名しか報告されていないことから WHO は H5N6 が鳥からヒトへ容易に広がる可能性がないと考える 2002 年のスウェーデン (GenBank acc. AY995892) 2013 年の米国カリフォルニア (GenBank acc. CY177425) これらの発生は しかしながら家禽産業にほとんど影響していないし 公衆衛生上の意味もない 先行事例とは異なって 最近発生したアジア H5N6 株は高病原性鳥インフルエンザウイルスであり 家禽に重度の臨床症状と関連する死亡を引起す H5N6 による最初の家禽発生例は中国四川省南充市で ハルビン獣医学研究所

4 (OIE/FAO 参照研究所 ) で RT-PCR とウイルス分離によって確認された後 2014 年 5 月 4 日に OIE へ報告された 遺伝子配列から このウイルス通知の数ヶ月前に OIE へ発生の公式報告はなかったけれども中国で既に存在していたことが証明された このウイルスは 2013 年 12 月 20 日に中国江蘇省鎮江市の生鳥市場で採取した環境サンプル (Qi et al, 2014) および 2014 年 3 月に広東省のアヒル (GenBank acc. KJ754145) から分離されている その直後 ラオスとベトナムは家禽における H5N6 発生を それぞれ 2 件と 7 件報告した 最初の発生はラオスで 2014 年 3 月 ベトナムで 2014 年 4 月であった ( 表 2) 2014 年 10 月 24 日に中国は最東部の黒竜江省から南西部のチベットまでの 12 の省における家禽または環境の 24 サンプルが陽性となったことを OIE へ報告した 表 2. 東および東南アジアにおいて H5N6 HPAI によって引起された家禽の発 生報告 :OIE へ報告されたデータを採材日別に並べ変え 採材日報告日場所種類単位集団数症例数死亡数 13/3/14 5/5/14 ラオス鶏 アヒル村 5, /4/14 12/8/14 ベトナム鶏村 /4/14 4/5/14 中国鶏農場 1, /6/14 12/8/14 ベトナムアヒル村 1, /7/14 15/9/14 ラオス鶏 アヒル農場 /8/14 22/8/14 ベトナムキジ村 /8/14 4/9/14 ベトナムアヒル村 1, /8/14 1/9/14 中国ガチョウ農場 86,674 20,550 17,790 23/8/14 4/9/14 ベトナムアヒル村 1, /9/14 24/10/14 中国の 12 省 24 件の派生 アヒル 鶏 環境 13/9/14 20/9/14 ベトナムアヒル裏庭 1,000 1, /9/14 20/9/14 ベトナムアヒル裏庭 2,000 2, 訳注 : ラオスからの OIE への鳥インフルエンザ発生報告は 2014 年になっ て 3 回あった 緊急通知 (31/3/2014): 高病原性 H5N1 として報告されたが 後に 高病原性 H5N6 と修正経過報告 1(7/5/2014 採取報告 ): オーストラリア動物衛生研究所の検討 を経て上記の修正が行われた 緊急通知 (15/9/2014): 低病原性 H5N6 としているが 農場で 200 羽中 2 羽が死亡している オーストラリア動物衛生研究所へ送付

5 新型の H5N6 の検査手順が不慣れだと 血清型や病原性に判定ミスが起き得ることを示している 中国の OIE への報告においても 31/7/2014 通知で 低病原性 H5N6 から 高病原性 H5N6 に修正されており 24/10/2014 通知では高病原性の H5N6 と一緒に H5N8 H5N3 H5N1 H5N2 が同時に報告され 異様な事態が起きていることを伺わせていた H5N6 ウイルスの遺伝的特徴ベトナムとラオスからの H5N6 ウイルスの 8 本の遺伝子分節の解析は これらのウイルスが遺伝的に同じものであることを示した 赤血球凝集素 (HA) は特定の H5 クレード グループ 1 に属していた 最近ベトナム生鳥市場で分離された H5N1 HPAI 株および韓国と日本で検出された H5N8 ウイルスは いずれもこの遺伝子グループに属していた ノイラミニダーゼ (NA) 遺伝子は 南中国のアヒルで循環している H5N6 ウイルスグループのものと密接に関連していた 内部遺伝子は H5 ウイルスクレード B および A/wild duck/fujian/1/2011 のものと類似している このように H5N6 は三種集合体ウイルスである可能性がたかい ( 図 2) 図 2.GenBank で先祖ウイルスとして知られる最も近縁の株に基づく H5N6 三 種再集合体の起源の仮説 ヒト症例や家禽での発生から分離された新型 A(H5N6) ウイルスの遺伝学的

6 特徴は 以下のように要約できる 家禽に対して高病原性 : 新型 A(H5N6) ウイルスは クレード HPAI ウイルスに共通の HA 開裂のシーケンス PLRERRRKR/GLF を持っている このことは 家禽に高い死亡率を引き起こし得る高病原性鳥インフルエンザウイルスであることを示す 鳥型受容体結合の嗜好性 : これらの新型 H5N6 ウイルスのヘマグルチニンのアミノ酸特性は 鳥型のα2,3 結合シアル酸受容体の嗜好性を示している このことは 現在の H5N6 は中国で最近発生した H7N9 LPAI とは対照的に哺乳類型よりも鳥型受容体に親和性が高いことを意味している ただし これらのウイルスは N- 糖鎖位置 154 を修正する Thr156Ala 置換を含んでおり 哺乳類受容体への親和性を高める可能性がある [Herfst et al, 2012] 陸生家禽への適応 :: H5N6 の NA 遺伝子は 中国広東省のアヒルから分離された A(H6N6) ウイルスで以前見つかった [Herfst et al, 2012] ように NA stalk 領域 (59-69 番目 ;N6 の番号 ) に 11 個のアミノ酸欠損がある 哺乳類宿主へ適応の証拠なし : 哺乳類宿主への適応に関連する PB2 E627K 変異は これまで分離された A(H5N6) ウイルスに存在しない オセルタミビル ( タミフル ) に対する感受性 : 既知の A(H5N6) ウイルスに N1 と N2 のノイラミニダーゼ阻害剤抵抗性マーカーが知られていないことから これらのウイルスはオセルタミビルに感受性がある [Boltz et al, 2010] H5N6 H5N8 および H5N1 ウイルスの系統発生学的解析新しいクレード ウイルス (H5N1 H5N6 および H5N8) の HA 遺伝子を解析すると 3 つの際立ったグループが見つかる ( 図 3) 最初のグループは 2013~2014 年に中国と韓国で分離された新たな H5N8 ウイルス ( 桃色四角 ) で構成されている これらのウイルスは 2010~2011 年に中国のアヒルと野鳥から分離されたいくつかの古い H5N1/H5N2 HPAI ウイルスと密接な遺伝的関係を示す 第 2 の遺伝学的クラスターは ベトナムの生鳥市場で新たに分離された H5N1 HPAI( 黒三角 ) 韓国と日本で分離された H5N8 ウイルスおよびラオスと中国広東省で分離された H5N6( 緑色円 ) からなる この クレードにおける第 3 のグループは ベトナムと中国の H5N6 ウイルス ( 赤円 ) からなる ベトナムの 5 事例全てが相互に密接に関係し 中国四川省で 2014 年 4 月にヒト症例で検出された H5N6 ウイルス (A/Sichuan/2622/2014) および四川省と寧夏省の鶏からの分離株とも密接に関連していることが示されている

7 系統発生樹は ベトナム 中国 H5N6 ウイルスグループが 2014 年 3 月にラオスで検出した H5N6 ウイルスおよび中国広東省で分離されたアヒルウイルスと若干異なることを示しており したがってこの新たに出現したウイルスクレードの内で遺伝的多様性が既に存在していることを示している 図 3. 東および東南アジアにおける H5 株 2,3,4,6 系統の遺伝的類似性 見通しと勧告上記で説明した疫学的および遺伝的解析は このウイルスがヒト型呼吸器受容体よりも鳥型受容体に未だより適応していることを示している ただし 東アジアに冬の季節が近づくとともに家禽におけるこのウイルス保有率の増加が予想され ヒトの曝露機会および変異や再集合の機会の両方が高まり とりわけこのウイルスが循環している地域や中国の H5N1 H9N2 および H7N9 が常在化している地域で高い 後者はヒトへのウイルス伝播の可能性を変えることができる したがって H5N6 は公衆衛生上の脅威であり H5N1 HPAI および H7N9 と同じ方法で密接に監視する必要がある 野鳥が感染し 他の国や大陸にこれらのウイルスを拡散する可能性がある ヨーロッパとアフリカへの H5N1 の侵入 [Kilpatrick et al, 2006] 韓国への H5N8 の侵入 [Jeong et al, 2014] に重要な役割を果たした渡り鳥は 他の国や大陸にウイルスを拡散する可能性がある これらの新型ウイルスおよび関連する

8 リスクの疫学に果たす渡り鳥の役割をよりよく理解するために研究が必要である FAO は ベトナムで現在使用中の鳥インフルエンザ用家禽ワクチンの評価を調整している 暫定的結果は 検査に供した 3 つのワクチンの内 2 つが鶏の病気の劇的な減少を示し 有望である [FAO unpublished data] FAO の参照センターの一つである Geelong のオーストラリア動物衛生研究所 (AAHL) は 現在の鳥インフルエンザ検査が H5N6 を効果的に検出できることを証明している さらに 新しいより特異的な検査が開発中である OIE/FAO 動物インフルエンザ専門家連携網 (OFFLU) のウェブサイトで間もなく入手できる診断手順書も この地域における診断への備えを強化するために吟味中である 自己資金と米国国際開発庁からの助成金を用いて H7N9 H5N6 およびその他の鳥インフルエンザウイルスの侵攻や広がりを早期発見できるよぅに 各国が鳥インフルエンザ発生動向調査を実施するのを FAO は支援している 継続的な H5N1 HPAI 発生動向調査を行っている国々に対して H5 陽性 N1 陰性の全てのサンプルについて 公認された手順を適用して N6 を検査するか またはさらなる特性解明のため国際参照研究所へサンプルを送付することを強く勧告する 拡大と伝播のリスクを減らすため 生鳥市場の衛生と生物学的安全対策を増強し 市場の発生動向調査を強化するとともに 感染陽性例を農場まで有効かつ迅速に遡れるように遡及調査能 (traceability) を強化することを FAO は各国に勧告する 発生地域からの家禽群は 輸入前に必ず検査しなければならない 多くの異なる鳥インフルエンザウイルスの循環を通して確立された東アジアにおける多様なウイルス遺伝子プールは H5N6 などの新型再集合ウイルスを出現させ続け 動物と人間の健康にとって予測不可能な結果を生じさせている したがって とりわけ 次のインフルエンザシーズンが近づいている中で 強化された事前準備に沿った継続的な警戒と監視が必要とされている 謝辞訳注 : 表 2 で最も多く出てくるベトナムについてだが 4/9/2014 通知で Vietnum News 9/6 に 四川省における H5N6 死亡症例 のウイルスと 99% の相同性を示した記載があることを紹介した 表 1 では H5N6 の最初の報告を 5/2014 としているが ラオスからの報告が早かっただけで この辺り一帯にだいぶ前から浸潤していたと思われる HPAI H5N8 については OFFLU のウェブサイトに特集されているので ご覧ください H5N1 の重要性は変わらないが 昨年出現した H7N9 とともに H5N6 もヒト死亡例があることで重視されている

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