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1 1. 核酸と遺伝子 核酸とは ヌクレオチドの重合体で構成される生体高分子 例として ( デオキシリボ核酸 ) や RNA( リボ核酸 ) がある 核酸は遺伝情報物質であり いわば生命の 設計図 である 1 遺伝情報と 遺伝情報 : 生物が個体として生命活動を営むのに必要なすべての情報遺伝情報は ヒトの場合染色体 ( ゲノム ) に格納されている 子のゲノムは 両方の親からそれぞれ受け継いだ 2 組のゲノムを持つ ( 下図 ) 遺伝情報は細胞分裂により 親から子へ引き継がれる この遺伝情報を担う物質が である (1) ヌクレオチドの糖ヌクレオチドの糖は 2 種類ある リボース : 主として RNA に使われるデオキシリボース : 主として に使われる両者は 2 に OH( リボース ) か H( デオキシリボース ) が結合している点が異なる (2) ヌクレオチドの塩基核酸に使われる塩基の種類は 5 種類ある アデニン (A) グアニン (G) シトシン () チミン (T) ウラシル (U) に使われる塩基は A, G,, T RNA に使われる塩基は A, G,, U である 2 核酸の構造核酸の基本単位は ヌクレオチド ヌクレオチド = 糖 + 塩基 + リン酸このうち糖と塩基の部分をヌクレオシドという ヌクレオシド = 糖 + 塩基 1

2 3 核酸の構造的特徴 ヌクレオチドが多数重合したポリマー ( ポリヌクレオチド鎖 ) (1) は この鎖が一対二本 ( 二本鎖 ) からなっており RNA は一本の鎖 ( 一本鎖 ) からなる (2) このポリヌクレオチド鎖の始まりの末端を 5 - 末端 終わりの末端を 3 - 末端という 核酸が生体で作られる時には 5 3 の方向に合成される (3) 通常 下記のように構造を書くのは大変なので 5 - 末端から 3 - 末端に向かって 塩基の並び ( 塩基配列 ) のみを示す ( 例 ) 5 -ATGATGATG.-3 (4) のの二本鎖は 塩基同士の水素結合により作られる 塩基の組み合わせは A と T, G と の組み合わせである ( 右図 ) したがって の塩基の割合 ( 塩基組成 ) は A と T は等しく G と は等しい ( シャルガフの法則 ) (5) は二本鎖がらせんを巻いた二重らせんの形で存在する ( ワトソン クリックの 構造 右図 ) そのとき 二本鎖の方向は互いに逆平行である 片方の鎖に対し もう一方の鎖を相補鎖という では A は T, G は と対になるため 片方の鎖の塩基配列が分かると もう一方の鎖の塩基配列もわかる 5 ATGGTATG. 3 3 TAGATGAGG. 5 (6) RNA は一本鎖からなる RNA は A, G,, U の塩基が使われ この塩基の並び ( 塩基配列 ) が情報となる RNA は の塩基配列の一部を写し取るために使われ 長さは に比べ 著しく短い (7) RNA は その機能に応じて 以下の 3 種類がある mrna( メッセンジャー RNA, 伝令 RNA);( 遺伝子 ) から塩基配列を写し取りできる RNA で この RNA にはタンパク質のアミノ酸の並び ( アミノ酸配列 ) を指定する塩基配列を含む trna( トランスファー RNA, 運搬 RNA):mRNA の情報 ( コドン ) に基づいて 指定されるアミノ酸をリボソーム ( タンパク質合成装置 ) に運ぶ RNA rrna( リボソーム RNA): リボソームを構成する RNA 2

3 4 核酸の機能 (1) は遺伝情報の担い手である エイブリーの実験 (1944) により が遺伝物質であることが示された を細胞に導入すると その 上の情報により 細胞の形質が変化する ( 形質転換 ) S 株の細胞 無細胞抽出液を分子の種類で分画 遺伝情報の流れ ( セントラル ドグマ ) (2) 中には タンパク質を作り出す情報の部分 ( 遺伝子 ) が含まれており セントラル ドグマに従って RNA に塩基の情報が写し取られ ( 転写 ) その情報に従ってタンパク質が出来る ( 翻訳 ) RNA タンパク質 脂質 炭水 化物 R 株の細胞を形質転換する能力を調べる 複製 転写 (3) 細胞が分裂した際には も元の細胞と同じ塩基配列を持ったものがコピーされる ( 複製 ) その複製の様式は半保存的である ( 半保存的複製 ) (4) 中の遺伝情報の正体は 塩基 (ATG) の並び方 ( 塩基配列 ) である の片方の鎖の塩基配列に相補的な塩基配列が RNA に写し取られる R 株 R 株 S 株 R 株 R 株 エイブリーの実験遺伝情報を運ぶ分子は である RNA 翻訳タンパク質 5 ATGGTATG. 3 3 TAGATGAGG. 5 転写 5 ATGGTATG. 3 3 AUGUAUG TAGATGAGG RNA 転写の際は の片方の鎖の塩基配列を基にして RNA が作られる そのとき の T の代わりに RNA では U が使われる U は T と同じ機能を持ち A と水素結合 ( 塩基対 ) を作る ( 右図 ). 3

4 5 転写 (2) 真核生物の場合 イントロン ( タンパク質をコードしない部分 ) 二本鎖 上の遺伝情報 ( 塩基配列 ) の一方が読み取られ mrna が作られること 原核生物と真核生物では遺伝子の構造が異なるため 転写の様式も異なる 具体的には 二本鎖 の一部がほどけ そのうちの一本の鎖 ( 鋳型 ) を元にして RNA ポリメラーゼにより RNA がつくられる エキソン ( タンパク質をコードする部分 ) エキソンとイントロンを含めて 遺伝子と呼ぶ (1) 原核生物の場合 の情報を基に RNA ポリメラーゼにより mrna が合成される 遺伝子 ( タンパク質をコードする部分 ) RNA ポリメラーゼにより RNA が合成 翻訳 mrna( 伝令 RNA: タンパク質になる情報を含む ) タンパク質 核 RNA ポリメラーゼにより RNA が合成 一次転写産物 RNA 5 cap 構造とポリA 尾部の付加 RNAスプライシング ( イントロンの除去 ) AAAAAA ポリA 尾部 5 -cap 構造 mrna( 伝令 RNA: タンパク質になる情報を含む ) 翻訳 タンパク質 転写されて出来た mrna の塩基配列を基に アミノ酸へと情報が変換される ( 翻訳 ) 4

5 6 翻訳 翻訳は 転写により生成した mrna の情報 ( 塩基配列 ) をアミノ酸に変換し アミノ酸の重合したタンパク質を合成することである (1) 遺伝暗号 ( コドン 遺伝コード ) mrna の塩基配列をアミノ酸に変換するには 何らかの法則が必要である ニーレンバーグ オチョア コラーナは 様々な塩基配列の RNA を合成し そこから生成されるアミノ酸の関係を発見した ( プリント次ページ ) その結果 mrna の塩基 3 つの並び ( コドン ) が 一つのアミノ酸を規定することが分かった ただし 3 塩基の可能な配列は 64 通りあり アミノ酸は 20 種ある 従って 対応関係は 1:1 ではない 1 アミノ酸に対応するコドンは複数存在する ( 縮退 縮重 ) ( 例 ) AUGTTTAAA.. (2) 翻訳の概要 翻訳は mrna だけではできない そこで 1mRNA の配列に対応するアミノ酸を運搬し 2 アミノ酸同士を連結する装置が必要となる 1 に相当する分子が trna( 転移 RNA もしくは運搬 RNA) で コドンとアミノ酸の情報の仲介をする ( アダプター分子 ) 2 に相当する分子がリボソームと呼ばれる分子であり これは多数のタンパク質に rrna( リボソーム RNA) が結合した巨大な複合体分子である 3 trna の構造 trna は RNA の一種で AUG の塩基のほかに特殊な塩基 (AUG の誘導体 ) を含んでいる 一本鎖で存在するが その分子内で水素結合を形成し クローバー型の二次構造を形成する ステム 受容ステム : ここにアミノ酸が結合する Met-Phe-Pro-Lys.. ここで AUG は Met( タンパク質合成開始 : 開始コドン ) を UGA,UAA,UAG はタンパク質合成停止の合図 ( 終止コドン ) となる 生物により GUG を開始コドンとして用いるものもある アンチコドン :mrna のコドンに結合する 5

6 翻訳 4 リボソームの構造 リボソームはタンパク質を合成する巨大な分子で 小サブユニットと大サブユニットからなる 原核生物と真核生物では大きさが異なる ( 原核 70S, 真核 80S) P A 大サブユニット ( 原核 50S, 真核 60S) アミノアシルtRNAの結合とアミノ酸同士の連結 P 部位とA 部位を含む P 部位 ( ポリペプチドの転移とtRNAの排出 : 出口 ) A 部位 ( アミノアシルtRNAの結合 : 入口 ) 小サブユニット ( 原核 30S, 真核 40S) mrna と結合 5 翻訳の機構 (1) mrna が核膜孔から細胞質へ出ていき そこにリボソームが結合する (2) mrna 上のコドンに対応したアミノ酸が結合した trna が リボソームに運搬される (3) trna により運ばれたアミノ酸同士がリボソーム内で連結し タンパク質がつくられる * このように転写 翻訳を経て 中の遺伝子の情報 ( 塩基配列 ) が RNA に写し取られ ( 転写 ) mrna の情報を元にタンパク質がつくられる ( 翻訳 ) 6

7 2 文字目 U A G 1 文字目 U A G UUU Phe UU Phe UUA Leu UUG Leu UU Leu U Leu UA Leu UG Leu AUU Ile AU Ile AUA Ile AUG Met GUU Val GU Val GUA Val GUG Val* UU Ser U Ser UA Ser UG Ser U Pro Pro A Pro G Pro AU Thr A Thr AA Thr AG Thr GU Ala G Ala GA Ala GG Ala UAU Tyr UA Tyr UAA オーカー UAG アンバー AU His A His AA Gln AG Gln AAU Asn AA Asn AAA Lys AAG Lys GAU Asp GA Asp GAA Glu GAG Glu UGU ys UG ys UGA オパール UGG Trp GU Arg G Arg GA Arg GG Arg AGU Ser AG Ser AGA Arg AGG Arg GGU Gly GG Gly GGA Gly GGG Gly 赤は終止コドン * 原核生物では開始コドンとなる U A G U A G U A G U A G 3 文字目 遺伝コード ( コドン ) mrna GATTAGAU AUG GUU UGU UUU GG. AU UAA UAUAGGAUUUU. 開始コドン 終止コドン mrna の連続する 3 塩基をコドン (codon) という コドンはそれぞれ 1 つのアミノ酸に対応するが UAA, UAG, UGA の 3 つに対応するアミノ酸はなく タンパク質合成の終了を指定する ( 終止コドン ) mrna の翻訳の際 最初に現れる AUG はタンパク質合成の開始を指定する ( 開始コドン ) 開始コドン以降の配列を 3 塩基ずつ区切っていくと それらが 1 つ 1 つのアミノ酸に対応する 7

8 Topics 核酸に関する雑学 三共出版 生命と環境 林要喜知ほかより引用 究極の個人情報 ~SNP~ 前頁でのべたように 人の設計図であるゲノムの全塩基配列が 2006 年に全解明された しかし 設計図はわかっても そこから作られるものは何なのかはまだわかっていません ゲノム解読後 ( ポストゲノム ) の現在 これを解き明かすことが 世界中の生命科学研究者の最重要課題です 例えば どのような転写産物 (RNA) が作られるのかを調べるトランスクリプトーム (Transcription: 転写 +Genome) どのようなタンパク質が作られるのかを調べるプロテオーム (Protein: タンパク質 +Genome) 代謝物質を調べるメタボローム (Metaboism: 代謝 + Genome) などの新しい学問分野が生まれ 総じてシステム生物学といわれています ところで ヒトゲノムを丹念に解読すると 各個人の間で少しずつその塩基配列に違いのあること ( 遺伝子多型 ) がわかりました 特に 遺伝子の中でたった一塩基の違いの遺伝子多型を SNP (Single Nucleotide Polymorphism) といいます ヒトゲノムは 30 億塩基対であり このうち 0.1% (300 万塩基 ) は SNP です この SNP が個人差を生み出す要因であり いわば個人認証のバーコードです SNP のように 遺伝子でたった一つ塩基が違っても 遺伝子そのものに大きな影響がある場合と そうではない場合があります 例えば がん患者には がん抑制遺伝子に SNP がよく見られます また アルコールを飲むと赤くなりやすい人 気分の悪くなる人 平気な人など 個人差 があり 薬に対しても効きやすい人 効きにくい人 アレルギーを起こす人など千差万別です 甘いものが好きな人 嫌いな人なども個人差があります 現在では このような体質の個人差のうち 遺伝に起因するものは SNP が要因であると考えられており 個人の SNP を検出できれば 一人ひとりにあった有効な治療薬や治療法の開発 ( テーラーメード医療 ) につながります しかし SNP はいい面ばかりではありません がん 糖尿病などにかかりやすい遺伝子を持っていたり 逆に優秀な頭脳や秀でた身体能力などは SNP を解析することでわかってしまうケースがあります このことは 生活心理 プライバシー 健康保険 結婚 個人差別問題に発展する懸念があり こうした生命科学や医療の発展が 個人の幸福に水をさすことにもなりかねません こうした生命倫理のガイドラインの整備が 国家単位で求められています ( ブルーバックス 新しい薬をどう創るか 京大院薬学研究科編 ブルーバックス アメリカ NIH の生命科学戦略 掛札堅著 東京化学同人 ヴォート基礎生化学などから引用 ) 8

9 2. タンパク質 アミノ酸 タンパク質とは 1 構成単位であるアミノ酸同士がペプチド結合でつながったもの 2 タンパク質に使われるアミノ酸としては 20 種のアミノ酸 (L 体 ) がある 3 どのアミノ酸がどういう順番で 何個のアミノ酸がつながるかにより タンパク質のアミノ酸配列 ( アミノ酸の並び 一次構造ともいう ) は膨大な数の組み合わせが存在する アミノ酸配列の類似しているタンパク質同士は 類似した機能を持つことが多い 4 タンパク質の機能は これら一次構造と さらに官能基同士の相互作用で形成される三次元立体構造により決定される アミノ酸の種類と分類 1. 非極性アミノ酸 (10 種 ) H グリシン (Gly, G) H H 3 H 3 イソロイシン * (Ile, I) 2. 非荷電極性アミノ酸 (5 種 ) OH セリン (Ser, S) H 3 アラニン (Ala, A) S H 3 メチオニン * (Met, M) * 必須アミノ酸 H H 3 H 3 バリン * (Val, V) H 2 N + H H 2 H H 3 OH トレオニン * (Thr, T) プロリン (Pro, P) H 3 H ロイシン * (Leu, L) H 2 N O アスパラギン (Asn, N) H 3 フェニルアラニン * (Phe, F) NH トリプトファン * (Trp, W) H 2 N O グルタミン (Gln, Q) SH システイン (ys, ) OH チロシン (Tyr, Y) H 3 N + 3. 荷電アミノ酸 (5 種 ) H NH + =NH 2 NH 2 アルギニン (Arg, R) H 3 N + 塩基性アミノ酸 タンパク質とアミノ酸 N( アミノ基 ) 末端 タンパク質 H NH 3 + リシン * (Lys, K) H H 2 N--O-NH--O-..--OOH R1 一つのアミノ酸 ( アミノ酸残基という ) NH ペプチド結合 H R2 N H + ヒスチジン * (His, H) H Rn O O - アスパラギン酸 (Asp, D) 酸性アミノ酸 ( カルボキシル基 ) 末端 側鎖 主鎖 O O - グルタミン酸 (Glu, E) 9

10 タンパク質の種類と機能 タンパク質の構造 1 酵素化学反応を触媒するタンパク質 後のスライド参照 2 貯蔵タンパク質細胞や組織 個体に蓄えられるタンパク質カゼインは乳タンパク質の主成分で a 貯蔵フェリチンは肝臓などに存在し Fe 貯蔵 3 運搬タンパク質生体内で物質を運搬するタンパク質血液中のヘモグロビンは酸素を運搬血清リポタンパク質は脂肪を運搬 4 収縮タンパク質 ( アクチン ミオシン ) ATP をエネルギー源として アクチンやミオシンは筋収縮を行う タンパク質の表記法 : アミノ酸の並んでいる順番に 左から書く 従って 一番左の官能基は NH2-, 一番右の官能基は -OOH となる アミノ酸略記号は一文字でも三文字でもよいが 長い配列を表記する際は一文字記号が良く使われる 左から 1 番目 2 番目 と数える アミノ酸がつながったタンパク質 ( ポリペプチド鎖 ) 5 抗体タンパク質 防御タンパク質抗原に対し 生体内で免疫反応により生産されるタンパク質 または 生体防御にかかわるタンパク質 6 毒性タンパク質生物が産生するタンパク質で毒性を示すもの ボツリヌス毒素やジフテリア毒素など 7 構造タンパク質生体の細胞や組織 器官を構成するタンパク質ケラチン ( 角質 : 皮膚 毛髪 爪など ) コラーゲン ( 動物の細胞外基質の原材料 細胞間接着に重要 ) 8 ホルモン細胞間の情報伝達にかかわる物質のうち タンパク質性のものは インシュリン 成長ホルモン 副腎皮質刺激ホルモンなどがある 二次構造主鎖の官能基 ( ペプチド結合 ) 同士の相互作用により形成される立体構造 らせん状に巻いた α- ヘリックスや ひだ状になった部分が平行もしくは逆平行になった構造 (β ーシート ) がある 三次構造主鎖および側鎖の官能基同士の相互作用により形成される立体構造 共有結合 イオン結合 疎水性相互作用 分子間力 水素結合などにより形成される サブユニット構造 四次構造サブユニット構造 ( 四次構造を形成する一本のポリペプチドをサブユニットという ) ともいい そのタンパク質がどのようなサブユニット構成から成り立っているかを示したもの この図の場合 4 つのサブユニット (α2β2) から成り立っている 10

11 Topics アミノ酸に関する雑学 1 アミノ酸飲料と味の素 かつてブームになったアミノ酸飲料は 手軽にアミノ酸が摂取できることから 今でも根強い人気があります しかし アミノ酸飲料を飲むだけで ヒトに必要なアミノ酸摂取量が補えるのでしょうか? 体重 50kg の人の場合 一日の必要なアミノ酸量は約 50g です 一方 アミノ酸飲料に含まれるアミノ酸は約 1~4g です 従って かなり不足していることが分かります また こうしたアミノ酸飲料ではアスパルテーム (Asp-Phe-O-Me) などの人工甘味料が含まれている場合があります アスパルテームは糖類ではなく アミノ酸が 2 個つながった化合物です アスパルテームは 摂取量によっては脳腫瘍や白血病などを引き起こすという報告もあり 安全性に対する論争が続いています また アミノ酸を利用した製品として 味の素があります 味の素はうまみ成分である L- グルタミン酸ナトリウムを 97.5% 含む調味料です 以前 L- グルタミン酸ナトリウムは化学合成されていましたが 現在は発酵法が主流となっています L- グルタミン酸ナトリウムは動物実験で毒性等の報告はほとんどありませんが L- グルタミン酸ナトリウムを一度に大量に取ると 一部の人に 中華料理症候群 と呼ばれる過敏症が起こることが知られています 中華料理症候群 は 1968 年にアメリカの中華料理店で L- グルタミン酸ナトリウム入りのワンタンスープを飲んだ人たちにあらわれたもので 顔 首 腕にかけてのしびれや灼熱感 動悸 めまい 倦怠感などの症状が見られます 他のアミノ酸ではこうした報告は少ないのですが L-Tyr, L-Lys などは動物実験で胎児の発育に影響をあたえるとの報告もあります しかし こうしたアミノ酸の製品を過剰に摂取しなければ安全と考えられています ( 渡辺雄二 食べてはいけない添加物 食べてもいい添加物 だいわ文庫より ) 2 アミノ酸の味と役割 アミノ酸の初めての発見は 1806 年フランスでアスパラガスの芽から発見されたアスパラギンでした その後次々にアミノ酸が発見され 1935 年にローズが20 番目のアミノ酸としてトレオニンを発見し タンパク質を構成する20 種の標準アミノ酸が明らかとなった また 人が体内で合成できないアミノ酸 (9 種 ) を必須アミノ酸といい 一つでも足りないアミノ酸 ( 制限アミノ酸という ) があると他のアミノ酸の利用効率も下がる もっとも足りないアミノ酸 ( 第一制限アミノ酸 ) は 植物性食品ではリシンである 従って 食事においてアミノ酸のバランスが大変重要になる 標準アミノ酸のうち うまみ 酸味成分はGlu Aspの酸性アミノ酸で これらを多く含むものはおいしいと感じる 一方甘み成分は Gly, Ala, Thr, Pro, Ser, Glnであり 苦み成分はPhe, Tyr, Arg, Leu, Ile, Val, Met, Hisである 発酵食品では 微生物の作用によりタンパク質の分解が進み アミノ酸含量が増えることで独特の味が出る ( 味の素 HPより ) こうして摂取されたアミノ酸は 我々の細胞 組織 器官を形成するタンパク質や 代謝をつかさどる酵素 ( タンパク解糖系質の一種 ) の構成要素として重要である その他 アミノ酸は分解され ピルビン酸 ( 解糖系 ) アセチルoA 2- オキソグルタル酸やオキザロ酢酸 ( クエン酸回路 ) などを生成し 最終的にO2 H2O クエン酸回路尿素などに代謝されるか ブドウ糖の生成 ( 糖新生 ) に使われる また 非必須アミノ酸の合成にも一部は使われる これらの過程はATP 合成などのエネルギー代謝に関与するため アミノ酸は生物が生命活動をする上で 極 11 めて重要な物質である

12 3. バイオテクノロジーの歴史 3.1 発見の歴史 1869 年ミーシャ ホッペザイラー 細胞核中の核酸の発見 1928 年グリフィス 形質転換の発見 肺炎双球菌の実験 ( 下図 ) により 熱で殺した病原性 S 株中に 非病原性の R 株の性質を変える ( 形質転換 ) 物質があることを発見した グリフィスの実験 S 株の細胞 無細胞抽出液を分子の種類で分画 RNA タンパク質 脂質炭水化物 R 株の細胞を形質転換する能力を調べる 年ウィルキンス フランクリン の立体構造は二重らせんである X 線構造解析により解明 1953 年ワトソン クリック の二重らせんモデルを提唱 シャルガフの法則を証明する の二重らせんモデルを構築 提唱した R 株 R 株 S 株 R 株 R 株 肺炎双球菌の S 株 ( 病原性 ) S 株をマウスに注射 マウスは死ぬ 遺伝情報を運ぶ分子は である 二重らせんモデル 肺炎双球菌の R 株 ( 非病原性 ) R 株をマウスに注射 マウスは死なない 1940 年代後半シャルガフ 中の塩基組成は一定である 中の A と T, G と の割合が等しいことを発見した ( シャルガフの法則 ) S 株を加熱殺菌 R 株 S 株を加熱殺菌 マウスに注射 マウスに注射 マウスは死ぬ マウスは死なない 生きた S 株が復活 マウスに注射 マウスは死ぬ 1952 年ハーシー チェイス 遺伝子の正体は である 細菌に感染するウィルスの を 32 P で タンパク質を 35 S で標識し 感染させた細菌での成分を調べると 32 P が検出された ウィルスの遺伝物質は ウィルス 32 P で標識した 1944 年エイブリー 形質転換の原因物質は である グリフィスの実験を発展し 形質転換の原因物質が であることを証明した 大腸菌細胞 35 S で標識したタンパク質 ウィルスを大腸菌に感染させる ウィルス頭部を細菌細胞から離す 遠心分離 感染細胞には 32 P が含まれる 12

13 1950 年代後半メセルソン スタール の複製は半保存的である もとの 鎖それぞれに対して 1 本ずつ新しい 鎖が合成され もとの の情報がコピー ( 複製 ) される もとの 鎖 コピーされた 鎖 ( 半分はもとの 鎖 ) 1967 年 連結酵素 ( リガーゼ ) の発見 どうしを連結することが可能になった 1968 年アルバー 制限酵素の発見 特定の塩基配列で切断することが可能になった を切るハサミ ( 制限酵素 ) とのり ( リガーゼ ) があることで 人工的な ( 遺伝子 ) を作ることが可能となった 年ニーレンバーグ オチョア コラーナ 遺伝暗号 ( コドン ) の発見 mrna 上の塩基 3 文字の並びが どのアミノ酸を指定するのかを発見 合成 mrna (poly U) 合成された放射性ポリペプチド 遺伝子組み換え実験の時代へ 3.2 遺伝子組み換え実験の歴史 1972 年バーグ 試験管内での の結合に成功 AAA 動物に感染するウィルス SV40 の 切断と A の付加 AAA TTT 細菌に感染するウィルス λ ファージの 切断と T の付加 TTT 放射性標識アミノ酸を含む無細胞翻訳系 AAA TTT AAA TTT 人工 分子の作製 13

14 3.2 遺伝子組み換え実験の歴史 ( つづき ) 1973 年コーエン ボイヤー 試験管内での の酵素による切断 結合に成功 人工 分子の作製 大腸菌のプラスミド 制限酵素で切断 リガーゼで連結 ブドウ球菌のプラスミド 制限酵素で切断 遺伝子組み換え技術で期待されること 1975 年アシロマ会議 組換え 実験の安全性に関する国際会議 生命現象 生物進化の解明 病気の治療 医薬品開発 鑑定などの検査技術 農学分野への応用 有用なタンパク質の生産 利用 微生物の改良による食品製造 環境修復 環境浄化 遺伝子組み換え技術で懸念されること 人工生物の生態系 ( 人間含む ) への影響 産生したタンパク質などによる人体への影響 毒性 生物兵器の開発による生物テロ 遺伝子組み換え生物の長期的な影響 過剰な医薬品ビジネス アグリビジネスなどによる経済格差の拡大 鑑定などによるプライバシーの侵害 冤罪 遺伝子組み換え生物や分子に対する社会的不安の増大 国際会議による遺伝子組み換え実験指針の作成 1970 年アンデル ヒガ 大腸菌の形質転換法の発見 大腸菌に外来の を取り込ませる方法を発見 混合 塩化カルシウムで処理した大腸菌 1985 年ムリス PR (Polymerase hain Reaction) による の増幅法の開発 細胞を使わずに の一部を特異的に増幅する技術 培養 遺伝子のクローニングや人工的に作製した を増やすことが可能になった ( 遺伝子組み換え技術 ) 遺伝子組み換え生物 安全性は? 14

15 1980 年代サンガー の塩基配列決定法の開発 酵素を用いた 塩基配列決定法の開発 1981 年 ES 細胞の作製イギリスのエバンスらにより マウスの内部細胞塊 (IM) から 種々の組織や器官に分化できる ES 細胞が作製された 2006 年 ips 細胞の作製京大の山中教授らは マウスの繊維芽細胞に Oct3/4, Sox2, Klf4, c-myc の 4 つの転写因子 (Yamanaka Factor) を導入することで ES 細胞様の多能性幹細胞を作り出すことに成功した 電気泳動で分離 解析 ips 細胞 1983 年アルマー タンパク質工学の概念を提唱 理論的な設計にもとづいて 目的の機能を有するタンパク質分子を作製する 年国際ヒトゲノムプロジェクト ヒトの染色体 の塩基配列の解明 ヒトの設計図が明らかとなった ( 前回のプリント参照 ) タンパク質の立体構造を解析ゲノム情報の利用アミノ酸配列情報の利用 人工的なタンパク質分子の作製が可能に 洗剤に入っているタンパク質分解酵素 ( サチライシン ) 21 世紀はポストゲノムの時代に突入 ( オーミクス ) トランスクリプトーム ( 転写産物の解析 ) プロテオーム ( 発現タンパク質の解析 ) メタボローム ( 代謝産物の解析 ) バイオインフォマティクス ( 解析情報の統合 集約化 ) 2012 年 RISPR/as9 によるゲノム編集シャルパンティエとダウドナらは RISPR によるゲノム編集の可能性を報告した 2015 年には RISPR/as9 を用いて世界初のヒト受精卵の遺伝子操作が中国で行われた 15

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