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1 経済産業省大臣官房会計課長殿 平成 28 年度産業経済研究委託事業 ( 託送料金制度を中心とする電力の送配電部門の重要課題に関する調査 ) - 調査報告書 - 有限責任監査法人トーマツ 2016 年 12 月 26 日

2 目次 1. 調査概要 背景と目的 調査内容 調査全体のまとめ 6 2. 調査 1: 託送料金の設計内容 発電事業者に対する送電料金課金 地点別料金制度 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 潮流改善対策 送電ロス補填電力の安価な調達方法 調査 2: 送配電事業者の行為規制 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 補足資料 123 2

3 1. 調査概要 3

4 1.1 背景と目的 背景 ( 我が国 ) 電力市場を取り巻く環境の変化 風力 太陽光発電等の再生可能エネルギーや分散電源の普及による潮流の変化 人口減少や省エネの普及等による需要構造の変化 一部の地域間連系線や周波数変換所における系統混雑 市場分断の発生 高経年化設備の増加等の重大な環境変化が生じている 電力システム改革 東日本大震災以降 電力供給のロバスト性を高めるために 広域での電力融通による需給調整能力の向上が求められている 一方で 市場競争の促進による電気料金抑制や 需要家の電力選択の多様化等も求められている このような背景により 平成 28 年 4 月には電力の小売全面自由化が始まり また 平成 32 年 4 月には 送配電部門の法的分離が行われる 託送料金の上昇 設備利用率の低い電源の増加 広域連系の必要性の高まり 高経年化設備の増加等により 今後 電力流通設備の建設 修繕ニーズが高まることで 託送料金の上昇が懸念される 目的 我が国にとって必要な制度の詳細検討を行うために 託送料金制度に関する海外事例の法的根拠 背景事情 政策的評価について 日本への適用可能性を見据えた調査を行う - 調査内容 ( 詳細は次ページ参照 )- 調査 1: 託送料金の設計内容 電力の安定供給 バランスの取れた競争市場の確立 再生可能エネルギーの導入による 3E+S の向上 需要家の電気料金の低減等 多角的な視点に立って 我が国の低廉かつ効率的な託送料金制度の設計に必要な海外調査を行う 調査 2: 送配電事業者の行為規制 組織上の規律 取引上の規律 グループ会社の他部門 ( 発電 小売 ) への利益規制等について 我が国における平成 32 年の法的分離に向けて 透明性の高い送配電部門の制度設計に必要な海外調査を行う 4

5 1.2 調査内容 調査項目と調査のポイント 調査項目は 大きく分けて下記の2つ 調査 1: 託送料金の設計内容 効率的な設備形成 利用の促進を促すために必要調査 2: 送配電事業者の行為規制 中立性 公平性を確保するために必要 調査項目 対象国 調査のポイント 調査 No. 1) 発電事業者に対する送電料金課金 英国 フランス ドイツ ノルウェー スウェーデン 米国 発電事業者の負担割合が 国によって異なる理由と背景はどのようなものか 1-1) 2) 地点別料金制度 英国 ノルウェー スウェーデン 地点別料金制度は どのような背景で導入されたか また その評価はどうなっているか 1-2) 調査 1: 託送料金の設計内容 3) 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 英国 フランス ドイツ ノルウェー スウェーデン 米国 基本料金と従量料金の課金比率は どのような思想で設定されているか 1-3) 4) 潮流改善対策 ドイツ 再エネ普及に伴い 潮流改善のための対策をどのように行っているか 1-4) 5) 送電ロス補填電力の安価な調達方法 フランス ドイツ ノルウェー 送電ロスの補填電力の調達はどのように規定され 実際に どのような方法で調達されているか 1-5) 1) 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 送配電部門の中立性 公平性を確保するために 組織上の規制をどのように設計しているか 2-1) 調査 2: 送配電事業者の行為規制 2) 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 フランス ドイツ 送配電部門が取引を行う際の規制と 規制機関のモニタリングはどのように行われているか 2-2) 3) 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 グループ会社の社名変更や 建物 システムの共用に対する規制はどのように行われているか 2-3) 5

6 1.3 調査全体のまとめ 調査 1: 託送料金の設計内容 (1/3) 調査項目 調査結果のまとめ ( ): 参照先ページ数 1) 発電事業者に対する送電料金課金 (13 14 ページ ) 目的 内容 政策的評価 課題 1. 欧州の規制協力機関 ACER の見解では 発電事業者課金の目的は 地点別料金制度の適用と 発電側 需要側での送電系統コストの分担 の 2 つとしている 2. また ACER は 発電事業者課金は 地点別に価格傾斜をかけることで効果を発揮する一方で 送電系統コストの発電事業者への課金分を 電力の取引価格に直接転嫁できる ( 需要側に再転嫁する ) 状態では意味がないとしている 3. スウェーデンの事例では 発電側課金の比率が高まっている理由は 他国に輸出している発電所起因の送電系統の費用を当該発電所に負わせることで 国内の需要家の負担を軽減するためである 1. 発電側課金比率が 10% を超える国は 8 カ国で 内 島国 半島諸国が 6 カ国を占める 2. 地点別料金制度との関連が深く 同制度を導入している英国 北アイルランド アイルランド ノルウェー スウェーデン ルーマニア ( ルーマニア以外は島国 半島諸国 ) の 6 カ国は全て 発電事業者課金を行っており その課金比率は平均約 27% と高い 3. 欧州では 2009 年から 2016 年の期間において 発電事業者への課金比率は 全体的に 同じか或いは上昇傾向にある 4. 課金方法は kw 課金 kwh 課金 送電ロスやアンシラリーサービスへの課金がある 1. 島国 半島諸国 英国の規制機関 Ofgem は 地点別に価格の傾斜をかけて発電側に課金 ( 北部が高く 南部が安い ) することで 発電所を大需要地近傍に立地誘導できたとの評価をしている 2. 欧州大陸 ( 主要国 ) 欧州大陸では 国際電力取引における公平性の観点から 一部の国が高い比率の発電事業者課金や地点別料金制度を導入することは非現実的としている 3. 米国 調査した 5 つの州 地域では 発電事業者課金や地点別料金制度の適用は無いが 電力卸市場での取引価格に 地点別限界価格 (LMP) が導入されている 6

7 1.3 調査全体のまとめ 調査 1: 託送料金の設計内容 (2/3) 調査項目 調査結果のまとめ ( ): 参照先ページ数 2) 地点別料金制度 (28 ページ ) 目的 内容 政策的評価 課題 1. 地点別に料金を設定し 発電所と大口需要家の立地を誘導することで 送電線の混雑を解消し 送電系統の投資コストと送電ロス調達コストを抑制すること 2. 発電事業者や需要家に 送電ロスや潮流のボトルネックに関する価格シグナルを送ること 1. 導入している国は 英国 北アイルランド アイルランド ノルウェー スウェーデン ルーマニアの 6 カ国で ルーマニア以外の 5 カ国は島国 半島諸国である 2. 送電線が南北方向に敷設されている英国とスウェーデンでは 基本料金 (kw 課金分 ) 単価に 南北方向の傾斜がかけられている ( 発電側と小売側で傾斜の向きは逆 ) 1. 島国 半島諸国 前ページ 1) の再掲 英国の規制機関 Ofgem は 地点別に価格の傾斜をかけて発電側に課金 ( 北部が高く 南部が安い ) することで 発電所を南部の大需要地近傍に立地誘導できたとの評価をしている 2. 欧州大陸 ( 主要国 ) 前ページ 1) の再掲 欧州大陸では 国際電力取引における公平性の観点から 一部の国が高い比率の発電事業者課金や地点別料金制度を導入することは非現実的としている 3) 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 (48 ページ ) 考え方 設定方針 1. 送電ロスは送電量に比例して発生するため 送電容量の制約が無いという条件下では 送電ロスの調達コストが系統運用者の支出 + 利益に占める割合に合わせて kwh 課金比率を設定するのが論理的との見方もあるが 実際は 各国の設定方針次第である ( なお フランス ドイツ ノルウェー スウェーデンでは 日本とは異なり 送電ロス補填電力の調達は 系統運用者 (TSO DSO) が行う ) 1. ドイツの TSO は kwh 課金比率を 15%( 上記の 考え方 に沿う ) に フランスの TSO は 将来の電力需要量の変動に応じて投資コストを回収する目的で 60% に設定している 7

8 1.3 調査全体のまとめ 調査 1: 託送料金の設計内容 (3/3) 調査項目 調査結果のまとめ ( ): 参照先ページ数 4) 潮流改善対策 (57 ページ ) 内容 政策的評価 課題 1. 送電系統運用者 (TSO) と配電系統運用者 (DSO) は 潮流改善の義務を負う一方で 改善に対して経済的インセンティブが与えられる 2. TSO は 送電系統の増強や再給電指令等 DSO は 配電系統の増強 分散電源へのインセンティブ付与やデマンドレスポンス等の対策を行っている 1. TSO 再エネの普及拡大に伴い 南北の送電系統の増強が喫緊の課題となっている 中 東側の TenneT と 50Hertz の管轄区域で 混雑に伴う再給電指令の費用が大きい 2. DSO 再エネの普及拡大に伴い 配電系統の増強も喫緊の課題となっている 分散電源の普及促進のために導入された 回避された系統利用料のインセンティブは効果的に作用せず 今後は デマンドレスポンス等へのインセンティブを強める方針である 5) 送電ロス補填電力の安価な調達方法 (66 ページ ) 規定 調達状況 1. EU 指令では 2003 年の第 2 次エネルギーパッケージと 2009 年の第 3 次エネルギーパッケージにて 透明性が高く公平な市場を通した送電ロスの調達を規定している 2. フランスでは エネルギー法により 公平 透明な市場での調達を規定している 3. ドイツでは グリッドアクセス規制と BNetzA の行政手続きにおいて 原則入札による調達とした上で 卸市場での調達も認めている 1. フランスでは 卸市場 相対取引 入札 ドイツでは 卸市場 入札 ノルウェーでは卸市場にて調達している 2. TSO の送電ロス率は 2015 年時点で フランスが 2.0% ドイツが 1.5% ノルウェーが 2.0% となっている 3. レベニューキャップ制度により 目標値からの増減は TSO の収益又は費用となる 8

9 1.3 調査全体のまとめ 調査 2: 送配電事業者の行為規制 フランスでは EU 指令 国内法により 送電会社 配電会社への行為規制が制定されている ( ): 参照先ページ数 ドイツでは 送電会社への行為規制はフランス同様に制定されているが 配電会社は 地方自治体の監視下にあるため 送電会社程の EU 指令 国内法による行為規制は制定されていない フランスドイツ送電会社配電会社送電会社配電会社 機関設計 監査役会の出身母体別の人数構成に関する規制を制定 1) 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 (88 ページ ) 就任制限 コンプライアンス 業務委託 就任前後の期間に関する規制を制定 - コンプライアンス オフィサーを配置 規制機関へ報告 規制機関が契約内容を監視 就任前後の期間に関する規制を制定 2) 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 (105 ページ ) 影響力の防止 資金調達 保証 担保提供 第三者との取引 発電会社から独立して資金調達を実施 コンプライアンス オフィサーを配置 規制機関へ報告 - 送電会社 配電会社が規制対象 規制は無いが規制機関が監視を実施 - 発電会社からの資金調達を実施 法的分離を実施した送電会社のみ規制対象 規制は無いが規制機関が監視を実施 約 90 社ある配電会社は 地方自治体の監視下にあるため 送電会社程の EU 指令 国内法による行為規制は制定されていない 3) 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 (114 ページ ) 社名等変更 広告 宣伝 建物 IT システムの共用 親会社 発電会社との関係性を連想させない社名を義務付け 第三者に誤認を与えない広告 宣伝を義務付け 親会社 発電会社との建物の物理的な分離と IT システムの分離を義務付け 9

10 2. 調査 1: 託送料金の設計内容 10

11 2. 調査 1: 託送料金の設計内容 日本とは異なり 欧米では 送電料金と配電料金が分かれている また 国によって 送電系統と配電系統の電圧階級が異なる 日本と欧米の違いと 本調査の対象範囲 託送料金と送配電料金の違い 日本託送料金送電料金配電料金 一般電気事業者 又は 一般送配電事業者が徴収 欧米 送電料金 配電料金 TSO* 1 が徴収 DSO* 2 が徴収 本調査の対象範囲 その他 *1: 送電系統運用者 *2: 配電系統運用者 電圧階級の違い 欧米では 国によって 送電系統と配電系統の電圧階級が異なる 電圧区分英国フランスドイツノルウェースウェーデン 電圧区分 米国 送電系統 * kV 53% 21% 61% 74% 74% kV 28% 27% 39% 0% 26% kV 20% 53% 0% 26% 0% 配電系統 * 4 132kV 以下注 ) 20kV 以下 110kV 以下 22kV 以下 22kV 以下 送電系統 * 4 254kV 以上 16% kV 34% kV 50% 配電系統 * 4 39kV 以下 注 ) スコットランドは 66kV 以下 *3:ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe 2016 *4: 一般社団法人海外電力調査会 海外諸国の電気事業

12 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 12

13 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) ACER の見解によると 発電事業者課金の目的は 地点別料金制度を適用することと 発電側 需要側双方で送電系統コストを分担することの 2 つ まとめ (1/2) - 発電事業者課金の目的 - 欧州エネルギー規制当局協力機関 (ACER) の見解 * 1 発電事業者に対する送電料金課金の目的 ( ): 参照先ページ数 目的 欧州視点 目的 1: 地点別料金制度の適用 (15 ページ ) 1. 地点別料金制度と組合せて 発電事業者に送電系統コストを負担させることで 送電線の空容量に余裕がある所に発電所を誘導する 2. 送電ロス 潮流混雑 アンリラリーサービス費用がエリアによって異なる場合 地点別料金制度は 需要地に近いエリアの発電所を稼動させるインセンティブとなる 3. 卸市場では 取引価格に送電料金の差異が転嫁されていないため 発電事業者課金が効果的となる (16ページ) 目的 2: 発電側 需要側での送電系統コストの分担 1. 発電事業者課金は 発電側に直接的に関係する送電系統コストをカバーすべきである 例えば 輸出国では 発電事業者課金は TSO 間取引の補填として使える 2. 発電事業者と需要側で送電系統コストを効果的に分担できるかどうかは 発電事業者への課金分を需要側に転嫁できるかどうかによって決まる もし 発電事業者への課金分を 市場取引価格 ( 需要側 ) に直接転嫁できるならば 発電事業者課金は意味が無い (16ページ) 目的 国視点 スウェーデン * 2 スウェーデンで発電事業者課金の比率が高まっている理由は 他国に輸出している発電所起因の送電系統の費用を当該発電所に負わせることで 国内の需要家の負担を軽減するためである なお 上記目的 1の3. より スウェーデンでは 発電事業者に課金される送電料金の ( 地点別の ) 差異は 卸市場での取引価格 ( 小売側 ) に転嫁されない 自国での発電事業者の課金を高めることで 発電事業者の経済メリットを低くし 発電事業者の参入を防止すること (16ページ) 13 *1:ACER Opinion on the agency for the cooperation of energy regulations 2014 *2:ACER( 欧州 ) Ei SvK( スウェーデン ) の担当者へのヒアリング

14 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) 送電料金の発電事業者への課金比率を高く設定している国は 島国 半島諸国が多い 一方 欧州大陸の主要国では 国際電力取引の公平性の観点から 今後も 高い比率の発電事業者課金を行う可能性は低い まとめ (2/2) ( ): 参照先ページ数 発電事業者課金の内容 5% を超える発電事業者課金を行っている国は11カ国 その内 10% を超える国は 8カ国で 内 島国 半島諸国が6カ国を占める (18ページ) 地点別料金制度を導入している英国 北アイルランド アイルランド ノルウェー スウェーデン ルーマニアの 6カ国は 発電事業者課金も行っており その課金比率は平均約 27% と高い (18ページ) 2009 年から2016 年までの期間において 発電事業者への課金比率は 全体的に 同じか或いは上昇傾向にある (20ページ) 課金方法は kw 課金 kwh 課金 送電ロスやアンシラリーサービスへの課金がある (21ページ) 政策的評価 課題 島国 半島諸国欧州大陸 ( 主要国 ) 米国 英国 ノルウェー スウェーデン等では 発電事業者課金は 地点別料金制度との組合せで導入されている 英国のOfgemは 地点別に価格の傾斜をかけて課金することで 発電所の立地誘導につながっているとの評価をしている (38ページ) スウェーデンでは 風力 原子力発電の容量と 国際電力融通の増加により 2012 年に 発電事業者への課金比率を引き上げた (17ページ) 今後も 高い比率の発電事業者課金を行う可能性は低い * 1 欧州大陸では 国際電力取引における公平性の観点から 一部の国が高い比率の発電事業者課金や地点別料金制度を導入することは非現実的としている 調査した 5つの州 地域では 発電事業者課金や地点別料金制度の適用は無いが 電力卸市場での取引価格に地点別限界価格 (LMP) が導入されている (23ページ) *1:RTE( フランス ) TransnetBW TenneT 50Hertz( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 14

15 販売価格エリア価格発電コスト発電コストコストエリア価格 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) 発電事業者に対する送電料金課金は 地点別に課金の傾斜を付けることで 効果を発揮する 発電事業者課金の目的としての地点別料金制度 地点別料金制度による発電事業者へのインセンティブの仕組み ( スウェーデンの事例 * 1 ) ノルドプール卸市場では スウェーデンの 4 つのエリア (SE1~SE4) 毎に エリア価格が設定されている なお 4 つのエリア価格は 通常は同じだが 潮流の混雑がある場合のみ 差異が生じる 発電事業者への送電料金課金を地点別に設定 ( 北部 (SE1) 程高く 南部 (SE4) 程安い ) することで 発電事業者の経済優位性は 南部の方が高くなり 南部への発電所立地誘導のインセンティブとなる * 2 発電事業者課金 + 地点別料金制度 : 無 発電事業者課金 + 地点別料金制度 : 有 発電事業者 小売事業者 発電事業者 小売事業者 (SE1~SE4 が 全て同じ場合 ) 発電発電コストSE2 SE3 SE4 エリア価格 (SE1~SE4 が 全て同じ場合 ) 左図に比べて利益 : 減 混雑発生時は SE4 の方がエリア価格が高くなる SE4 の優位性はさらに高まる 発電コスト発電コスト発電コストエリ発ア電価コ格ストSE2 SE3 SE4 SE1~SE4 販売価格スウェーデン国内で見ると 発電所の立地条件は SE1 SE1~SE4 SE1 北南北南利益送電料金 *1:Nord Pool ウェブサイト等の情報を基に トーマツ作成 *2:Svenska Kraftnat The swedish electricity market and the role of Svenska Kraftnat 2001 南部 (SE4) の方が経済優位性が高い (SE1~SE4 の発電コストが同等との前提 ) 15

16 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) ノルドプールのように 発電事業者に課金された送電料金の ( 地点別の ) 差異を 市場価格に直接転嫁できない卸市場では 発電事業者課金が効果的に作用する 卸市場における発電事業者課金の意味 - ノルドプールの事例 - 卸市場での取引価格への転嫁 ノルドプール卸市場では まず 市場全体 ( ノルウェー スウェーデン フィンランド デンマーク ) に対してシステム価格が決定される 次に それを基に 各国のエリア価格が決まる エリア価格が 市場全体の電力需給バランスによって決められるため 発電事業者に課金された送電料金の ( 地点別の ) 差異は 直接的にエリア価格に転嫁できない -1 日前市場でのシステム価格の決定方法 * 1-1. ノルドプール市場全体について 需要カーブと供給カーブを求め 交点をシステム価格に設定 2. システム価格を参照して 各国のエリア価格を決定 3. 混雑発生時のみ エリア価格間に差異が発生 自国への発電事業者の参入の防止 下図において スウェーデンの SE4 とデンマークの DK1 のエリア価格は同じであるが 送電料金の発電事業者への課金比率は SE4 の方が高い 送電料金以外の発電コストが同じであれば SE4 での発電所建設は経済的に不利となり 発電事業者の参入障壁となる -スウェーデンとデンマークのエリア価格 * 1 - エリア価格 ( /MWh) (2015 年の平均 ) 30 同じエリア価格 ( ) 需要カーブ ( 小売事業者 ) 供給カーブ ( 発電事業者 ) 10 システム価格 0 SE1 SE2 SE3 SE4 DK1 DK2 取引高 *1:Nord Pool ウェブサイトの情報を基に トーマツ作成 (MW) 送電料金の発電事業者への課金比率 スウェーデン :41% (SE1( 北 ) が高く SE4( 南 ) が安い ) 発電事業者への高い課金比率が参入障壁となる デンマーク :3% 16

17 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) EU 規則では 発電事業者への課金を考える上で 欧州全体での国際協調による利益を重視している 発電事業者への課金方針 欧州の EU 規則 * Commission Regulation (EU) No. 838/2010 Rectial (10): 発電事業者への課金は 国内市場を弱体化させてはならず また 国際協調による利益を実現するために ある一定の範囲内で設定されるべき と規定している Annex Part B: 再エネの導入目標を達成するために必要な送電系統への投資の影響を考慮して 発電事業者課金の適切性を ACER が監視しなければならない と規定している Annex Part B: 送電料金の規制共通化のガイドライン において 発電事業者へ課金できる送電料金の上限値を定めている ( 下表参照 ) なお 下表に示す上限値には 発電事業者が支払う送電系統への接続設備の費用 アンシラリーサービス費用 送電ロス補填費用 ( 発電事業者分 ) を含んではいけない としている 上限値 国 A) 2.5 /MWh 英国 北アイルランド B) 2.0 /MWh ルーマニア C) 1.2 /MWh デンマーク スウェーデン フィンランド D) 0.5 /MWh その他 EU 加盟国 ACER の見解 * ACER Opinion on the agency for the cooperation of energy regulations 2014 発電事業者課金は 市場での競争と投資決定を歪めないように 欧州全体で調和の取れた方法で効率的に適用されるべき 発電事業者への kwh 課金は インフラ投資コストの回収ではなく 送電ロスの調達とアンシラリーサービス費用の回収に活用すべきである 送電系統への影響が小さい場所へ発電所を誘導するために 発電事業者への kw 課金とランプサム課金に上限を設ける必要はない 島国 半島諸国の視点 英国 2013 年 7 月 ガス電力市場規制庁 (Ofgem) は 北部での注入料金が高いことが 同地域における風力発電導入の障壁になっているとして 南北の価格差を小さくする方針を発表した * 一般社団法人海外電力調査会, 海外諸国の電気事業 2014 スウェーデン 2012 年 風力発電 原子力発電の容量と 国際電力融通の増加により SvK は 基本料金に占める発電事業者の課金比率を 25% から 30% に引き上げた * Elforsk Transmission grid planning in modern electricity markets 2013 欧州大陸 ( フランス ドイツ ) の視点 島国 半島諸国 高い上限値設定 欧州大陸 低い上限値設定 グリッドが隣国 他地域とメッシュ状につながっており 国際 地域間電力取引において 発電事業者の公平な競争市場を確立するために 発電事業者への課金を行っていない * RTE( フランス ) TransnetBW TenneT 50Hertz( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 17

18 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) 欧州で 送電料金の発電事業者への課金比率が 10% を超える国は 8 カ国 この内 地点別料金制度も導入している国は 6 カ国で 内 5 カ国が島国 半島諸国である 送電料金の発電事業者課金と地点別料金制度の関係 送電料金の発電事業者への課金比率 (PG)* 1 PG が 5% を超える国は 11 カ国 PG が 10% を超える国は 8 カ国 地点別料金制度を導入している国 * 1 英国 北アイルランド アイルランド ノルウェー スウェーデン ルーマニアの 6 カ国が導入し これら 6 カ国の PG は平均 27% と高い 5% < PG 10% 10% < PG PG が 10% を超える国は 8 カ国で 内 6 カ国は 島国 半島諸国 発電側課金のみ 発電側 需要側課金の両方 6 カ国の内 5 カ国は 島国 半島諸国 ノルウェー (38%) フィンランド (19%) ノルウェー 英国 (23%) 英国 北アイルランド (25%) スウェーデン (41%) 北アイルランド スウェーデン アイルランド (25%) ベルギー (7%) ルーマニア (8%) アイルランド ルーマニア ポルトガル (8%) オーストリア (43%) モンテネグロ (33%) *1:ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe 2016 を基に トーマツ作成 18

19 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) 英国 ノルウェー スウェーデンでは 発電事業者への課金を行い かつ 地点別料金制度を導入している 一方 フランス ドイツでは 発電事業者への課金はほぼ行っておらず また 地点別料金制度も導入していない 送電料金の発電事業者への課金比率 ( 欧州 ) 送電料金の発電事業者への課金比率 英国 ノルウェー スウェーデンでは 発電事業者への課金比率が高く それぞれ 23% 38% 41% となっている 一方 フランス ドイツでは 発電事業者への課金はほぼ行っておらず それぞれ 2% 0% となっている 発電事業者への課金比率と他の事実との関係 ( 下表参照 ) 発電事業者への課金比率が高い英国 ノルウェー スウェーデンでは 地点別料金制度を導入している 島国 半島諸国の特徴 一方 発電事業者への課金比率が低いフランス ドイツでは 地点別料金制度を導入していない 欧州大陸の特徴 - 送電料金の発電事業者への課金比率と他の事実との関係 - 項目英国フランスドイツノルウェースウェーデン 発電事業者への課金比率 [%]* 注 1) 地点別料金制度 * 1 有無無有有 発電事業者の初期接続費用の回収方法 * 1 電源構成 シャロー ~ シャローシャロー ~ 準シャロー注 2) スーハ ーシャローガス3 割原子力 8 割再エネ3 割水力 9 割強石炭 3 割 シャローディープ 水力 4 割原子力 4 割 本表の考察 発電事業者への課金比率が高い国は 地点別料金制度 有 発電事業者への課金比率との関係性は確認できない 注 1) フランスでは kV に接続する場合のみ 発電側に課金される注 2) 接続に要した工事費用に加えて 接続に伴い発生する配電系統の増強工事費用の一部を一括回収し 残りの部分を配電線使用料で浅く広く回収する方式 *1:ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe

20 英国北アイルランドアイルランドアイスランドノルウェースウェーデンデンマークフィンランドエストニアラトビアリトアニアオーストリアベルギーブルガリアクロアチアチェコフランスドイツギリシャハンガリーイタリアモンテネグロオランダポーランドルーマニアスロバキアスイススペインポルトガル(%) 2016 年 2009 年 20 送電料金の発電事業者への課金比率の推移 ( 欧州 ) 発電事業者への課金比率は 2009 年から 2016 年の期間において 全体的に 同じか或いは上昇している傾向にある 地域別に見ると 北欧諸国とイベリア半島において 上昇している国の割合が高い 1-1) 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 送電料金の発電事業者への課金比率の推移 (2009 年 2016 年 )* 1 *1:ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe を基に 図はトーマツ作成 地域上昇 低下 1 島国アイルランド (+5%) 英国 (-4%) 2 北欧諸国 ( 半島 ) スウェーデン (+16%) フィンランド (+8%) ノルウェー (-6%) デンマーク (-1%) 3 バルト三国 欧州大陸オーストリア (+28%) ルーマニア (+8%) ベルギー (+7%) スロバキア (+3%) イタリア (-3%) ポーランド (-1%) 5 イベリア半島ポルトガル (+8%) スペイン (+5%) - 合計 +88% -15% 上昇低下

21 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) 発電事業者への課金方法として kw 課金を採用している英国 北アイルランド アイルランド スウェーデンでは 地点別料金制度を導入している 送電料金の発電事業者への課金方法 各国の課金方法 * 1 発電事業者への課金方法として kw 課金 kwh 課金 送電ロス アンシラリーサービスがある kw 課金を行っている英国 北アイルランド アイルランド スウェーデンは 地点別料金制度を導入している 国 kw 課金 [ /MW] - 送電料金の発電事業者への課金方法 - kwh 課金 [ /MWh] 課金方法 送電ロス [ /MWh] アンシラリーサービス [ /MWh] 地点別料金制度の導入 英国 6, 北アイルランド 5, アイルランド 5, スウェーデン 4, デンマーク フィンランド オーストリア ベルギー フランス ルーマニア スペイン ポルトガル *1:ACER Opinion on the agency for the cooperation of energy regulations

22 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) 調査した米国の 5 つの州 地域では 送電料金の発電事業者課金と地点別料金制度の導入は行っていない この事実は 欧州大陸のフランス ドイツと同様である 送電料金の発電事業者への課金比率 ( 米国 ) 送電料金の発電事業者への課金比率 米国の 5 つの州 地域 (PJM New York California New England Texas) では 発電事業者への課金を行っていない ( 下表参照 ) 発電事業者への課金比率と他の事実との関係 発電事業者への課金を行っていない米国の 5 つの州 地域では 地点別料金制度も導入していない また 発電事業者の初期接続費用は PJM 以外はシャロー方式 (PJM のみディープ方式 ) である ( 下表参照 ) 米国では 1996 年に FERC がオーダー を公布し 送電設備の第三者利用開放義務を課すことで卸電力取引の活性化を図っている また 投資税額控除 (ITC) 発電税額控除 (PTC) 再エネ利用基準制度 (RPS) 等の導入により 再エネ促進支援を行っている - 送電料金の発電事業者への課金比率と他の事実との関係 * 1 - 項目 PJM New York California New England Texas 発電事業者への課金比率 [%] 地点別料金制度無無無無無 欧州大陸 ( フランス ドイツ ) と同様に 発電事業者への経済的負担が小さい 発電事業者の初期接続費用の回収方法 ディープ注 ) シャローシャローシャローシャロー 注 ) 米国では FERC のオーダー 2003 によって 発電事業者にシャロー方式以上の負担を求めている PJM でディープ方式となっているのは 容量市場協定に関する供給可能量基準によるものであり 容量電源としての登録に コスト負担が求められている 地点別の概念は 送電料金ではなく 電力卸市場での取引価格 (LMP) に反映されている 次ページ参照 *1:Frontier economics International transmission pricing review 2009 を基に トーマツ作成 22

23 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) 米国の送電料金では 発電事業者課金や地点別の概念が無い 一方 電力卸市場での取引価格において 地点別限界価格 (LMP) を導入することで 送電線の混雑時に 地点 ( ノード ) 毎に価格を設定している LMP の仕組み (1/3) 地点別限界価格 :LMP(Locational Marginal Price) の内容 米国では 送電料金に発電事業者課金や地点別の概念は無いが PJM CAISO や NYISO 等では LMP により 電力卸市場での取引価格に地点別の概念を導入している LMP = 発電限界費用 + 送電混雑費用 + 限界損失費用 でノード毎に計算され 送電線の混雑が発生した場合のみ ノード間の LMP 価格に差異が発生する ( 次ページ参照 ) 送電線の混雑が無い場合 ( 使用送電容量 < 最大送電容量 ) の LMP の設定方法 * 1 1 ノード 2 の $48/MWh の発電所よりも安い ノード 1 の $38/MWh の発電所を稼動し ノード 1 からノードに 2 へ送電する 2 ノード 1 とノード 2 は同じ LMP 価格となる *1: 各種文献情報を基に 図はトーマツ作成 : 発電所運転 : 発電所停止 発電側 200MW $35/MWh 200MW $36/MWh 200MW $38/MWh 200MW $42/MWh 200MW $40/MWh 200MW $40/MWh 200MW $48/MWh 200MW $50/MWh 注 ) 本図では 送電混雑費用と限界損失費用は考慮していない ノード 1 最大送電容量 : 400MW 使用送電容量 : 300MW ( 混雑無し ) ノード 2 小売側 ( 需要 ) 300 MW 700 MW ノード 1 の LMP=$40/MWh ( ノード 1 2 で最も高い発電限界費用 ) 同じ価格 ノード 2 の LMP=$40/MWh ( ノード 1 2 で最も高い発電限界費用 ) 23

24 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) 地点別限界価格 LMP では ノード間の送電線に混雑が発生した場合に ノード間の LMP 価格に差異が発生する LMP の仕組み (2/3) 送電線の混雑が有る場合 ( 使用送電容量 = 最大送電容量 ) のLMPの設定方法 * 1 1 ノード 1とノード 2 間の使用送電容量が 400MW( 最大送電容量 ) に到達する 2 ノード 1の $42/MWhの発電所は 送電線の混雑のために運転できない 3 2の代わりに ノード 2の $48/MWhの発電所を運転する 4 ノード 1とノード 2でLMPの価格差が発生する : 発電所運転 : 発電所停止 発電側 200MW $35/MWh 200MW $36/MWh 200MW $38/MWh 200MW $42/MWh 200MW $40/MWh 200MW $40/MWh 200MW $48/MWh 200MW $50/MWh 注 ) 本図では 送電混雑費用と限界損失費用は考慮していない ノード 1 最大送電容量 :400MW 使用送電容量 :400MW ( 混雑有り ) ノード 2 小売側 ( 需要 ) 200 MW 1,000 MW *1: 各種文献情報を基に 図はトーマツ作成 ノード 1 の LMP=$38/MWh ( ノード 1 で最も高い発電限界費用 ) 価格差が発生 ノード 2 の LMP=$48/MWh ( ノード 2 で最も高い発電限界費用 ) 24

25 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) 米国の場合 地点別限界価格 LMP に 送電ロス費用が反映されている LMP の仕組み (3/3) 限界損失費用の算定方法 * 1 1 ノード 1 からノード 2 に電力を供給する場合 送電ロス ( 下図では 15MW) が発生する 2 受け手となるノード 2 の LMP に限界損失費用 (15MW の送電ロス費用 ) が反映され ノード 2 の LMP 価格が高くなる 発電側 515MW $38/MWh : 発電所運転 ノード 1 最大送電容量 :400MW 使用送電容量 :315MW 送電ロス :15MW ノード 2 小売側 ( 需要 ) 200 MW 300 MW ノード 1 の LMP =$38/MWh < ノード 2 の LMP =$38/MWh*(315MW/300MW)=$39.9/MWh *1: 各種文献情報を基に 図はトーマツ作成 25

26 2.1 発電事業者に対する送電料金課金 1-1) 英国では 発電所を停止又は出力低減する場合は kw 課金を回避又は低減するために 接続契約の解消又は接続登録容量の低減の申請を行う 停止する発電所の費用負担 停止する発電所への課金 ( 英国の事例 )* 1 発電所を停止する場合は 下記 A. 接続契約の解消 の手続きを行い 接続容量を低減する場合は 下記 B. 接続登録容量の低減 の手続きを行う 種類 概要 A. 接続契約の解消 B. 接続登録容量の低減 1. 接続契約を解消する場合は 6 ヶ月前までに TSO に書面で申請しなければならない 本申請において特別な記載が無い場合は 下記 B. において接続登録容量が 0 の扱いとなる 2. 接続契約の解消をもって相対契約が完了し TSO の請求日より 28 日以内に 申請者は 下記を支払わなければならない a) 年度末までの接続料金と Use of System Charges b) 接続地点での契約完了に伴う総額 c) 送電系統に直接接続する発電事業者 又は 相対契約をしている発電事業者はキャンセル料金 3. 契約解消から 6 ヶ月以内に a) イングランドとウェールズでは TSO の土地において スコットランドでは TSO から送電ライセンスを受けた者の土地において 申請者は 申請者の全ての設備を撤去しなければならない b) イングランドとウェールズでは TSO が 全ての資産を申請者の土地から撤去しなければならない スコットランドでは TSO から送電ライセンスを受けた者が申請者の土地から撤去した全ての資産を TSO が 買い取らなければならない 4. 接続地点が洋上の場合 申請者と TSO から送電ライセンスを受けた者の間で合意した期間内に a) 送電ライセンスを受けた者の洋上プラットフォーム又は隣接する場所において 申請者は 申請者の全ての設備を撤去しなければならない b) 申請者の洋上プラットフォーム又は隣接する場所において 送電ライセンスを受けた者が撤去した全ての資産を TSO は 買い取らなければならない 1. 接続容量を低減する日の 5 営業日より前に 書面で申請し 次の 4 月 1 日から有効となる 2. 申請が有効となる次の 4 月 1 日までの期間は Use of System Charges を通常通り支払う 3. 加えて 低減した分のキャンセル料金の支払いが必要となる キャンセル料金は 年度の終わりの 28 日前に TSO が申請者に請求し 申請者は そこから 28 日以内に支払わなければならない 26 *1:National grid ウェブサイト

27 2.2 地点別料金制度 27

28 2.2 地点別料金制度 1-2) 地点別料金制度は 隣国との複雑な電力潮流が少ない島国や半島諸国にて導入されており 英国の Ofgem は 送電線の混雑解消を目的とした 発電所の立地誘導につながっていると評価している * 1 まとめ ( ): 参照先ページ数 地点別料金制度の目的 地点別に料金を設定し 発電所と大口需要家の立地を誘導することで 送電線の混雑を解消し 送電系統の投資コストと送電ロス調達コストを抑制すること * 1 発電事業者や需要家に 送電ロスや潮流のボトルネックに関する価格シグナルを送ること * 2 地点別料金制度の内容 導入している国のほとんどが 島国 半島諸国 (18 ページ ) 導入している国は 英国 北アイルランド アイルランド ノルウェー スウェーデン ルーマニアの 6 カ国で ルーマニア以外の 5 カ国は島国 半島諸国である 送電線が南北方向に敷設されている英国とスウェーデンでは 基本料金 (kw 課金分 ) 単価に 南北方向の傾斜がかけられている ( 発電側と小売側で傾斜の向きは逆 ) 島国 半島諸国の特徴として 隣国との複雑な電力潮流が少ないため 地点別料金の設計と実行が容易である 政策的評価 課題 島国 半島諸国欧州大陸 ( 主要国 ) 発電所の立地誘導につながっている 英国では ガスの輸入配管と火力発電所を 大需要地近傍に誘導できている (38ページ) ノルウェーやスウェーデンでも 新規分は南部に建設される傾向にある (46ページ) 今後も地点別料金制度を導入する可能性は低い * 3 ドイツでは グリッドが隣国とメッシュ状につながっており (33 ページ ) 複雑な電力潮流が発生しているため 地点別料金制度の適用が困難である 欧州大陸では 国際電力取引における公平性の観点から 一部の国が高い比率の発電事業者課金や地点別料金制度を導入することは非現実的としている *1:Ofgem Locational charging on Britain s gas and electricity networks 2007 *3:TransnetBW TenneT( ドイツ ) の担当者へのヒアリング *2:Svenska Kraftnat The swedish electricity market and the role of Svenska Kraftnat

29 2.2 地点別料金制度 1-2) 英国では地点 ( 発電側 :27 ゾーン 小売側 :14 ゾーン ) ノルウェーでは限界ロス率と k ファクター スウェーデンでは緯度と限界ロス率に対して地理的要素が反映され これら 3 カ国の地点別料金の傾斜は大きい 地点別料金制度の課金方法のまとめ ( 英国 ノルウェー スウェーデン ) 地点別料金制度の課金方法と 価格への地理的要素の反映方法 国 TSO/DSO 課金先 英国 * 1 TSO ノルウェー * 2 * 3 TSO/DSO kw 課金 / kwh 課金 発電側注 ) kw 課金 (27 ゾーン ) 小売側 (30 分メーター ) kw 課金 (14 ゾーン ) 小売側 ( 一般メーター ) kwh 課金 (14 ゾーン ) 価格への地理的要素の反映方法 地点限界ロス率その他 発電側 kwh 課金 小売側 スウェーデン * 4 * 5 TSO/DSO 発電側 小売側 kw 課金 (k ファクター ) kwh 課金 kw 課金 ( 緯度 ) kwh 課金 地点別料金の傾斜 (TSO 発電側 + 小売側 )* 6 ( /MWh) 地点別料金制度を導入している 6 カ国の内 料金の傾斜が大きいのは 英国 ノルウェー スウェーデン 注 ) アンシラリーサービス費用は含まない 英国アイルランド北アイルランドノルウェールーマニアスウェーデン *1:National grid The statement of use of system charges 2016 *2:Statnett 2014 tariff bookket *3:Nord REG Economic regulation of electricity grids in Nordic countries 2011 *4:Elforsk Transmission grid planning in modern electricity markets 2013 *5:Svenska Kraftnat The swedish electricity market and the role of Svenska Kraftnat 2001 *6:ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe

30 2.2 地点別料金制度 1-2) 英国 ノルウェー スウェーデンでは 1990 年代に地点別料金制度が導入された 地点別料金制度に関する歴史的背景 英国 * Ofgem Locational charging on Britain s gas and electricity networks 2007 * 一般社団法人海外電力調査会, 海外諸国の電気事業 年に イングランドとウェールズ地方の高圧送電系統を対象として 地点別料金制度が導入された その後 2005 年に電力取引制度 (BETTA) が出来た際 地点別料金制度の適用範囲は スコットランドまで拡張された 2013 年 7 月 ガス電力市場規制庁 (Ofgem) は 北部での注入料金が高いことが 同地域における風力発電導入の障壁になっているとして 南北の価格差を小さくする方針を発表した (17 ページの再掲 ) ノルウェー * Nord REG Economic regulation of electricity grids in Nordic countries 年のエネルギー法において 地点別料金制度の導入が規定された 利用者が支払う料金単価は 系統内のどこから電力を購入するか また どこへ電力を販売するかに関係なく 接続地点によって決まる ( 経過措置 ) 送電系統の潮流改善につながる場所に発電所が建設される場合は 当該発電所の注入電力量に係る料金に対して 15 年間の軽減措置が与えられる 15 年の根拠としては 下記のようなものが関連していると考えられる なお ノルウェーの電源構成では 水力発電が 9 割強を占める - 石油エネルギー省が 1917 年に制定した Industrial Licensing Act において 国以外が水力発電所の権利を得る際は ライセンスの取得が必要となり その権利は 15 年間と規定されている 年 1 月に ノルウェーとスウェーデンで運用開始されたグリーン電力証書では 再エネ発電事業者に 補助金が 15 年間支払われる スウェーデン * Elforsk Transmission grid planning in modern electricity markets 2013 * Svenska Kraftnat The swedish electricity market and the role of Svenska Kraftnat 年 1 月 送電ロスやボトルネックに関する価格シグナルを事業者に提供するために 系統運用者 SvK 社が地点別料金制度を導入した 利用者が支払う料金単価は 系統内のどこから電力を購入するか また どこへ電力を販売するかに関係なく 接続地点によって決まる 1996 年には 地方送電系統 配電系統の利用料金においても 地点別料金制度が導入された 2011 年 11 月 スウェーデンの電気料金ゾーンが 4 つに分割された後 SvK は 基本料金の内 緯度により決定されるファクターを低く設定することで 緯度による送電料金の違いを小さくすることを決めた 30

31 2.2 地点別料金制度 1-2) 地点別料金制度を導入している 6 カ国の特徴として 隣国との電力の輸出入量 又は 隣国との複雑な電力潮流が少ないことが挙げられる 電力の輸出入と地点別料金制度 ( 欧州全体 ) 地点別料金制度を導入している国の特徴 電力輸出入量が小さい : 北アイルランド アイルランド ルーマニア : 地点別料金制度導入国 - 欧州の国際連系線 * 2 - 隣国との複雑な電力潮流が少ない : 英国 輸入量は大きいが 96% がフランスとオランダからノルウェー スウェーデン 北欧諸国内での輸出入量が大きい - 各国の電力輸出量と輸入量 (2015 年 )* 1 - (TWh) 島国 半島諸国 全体の約 8 割が 北欧諸国内での輸出入 欧州大陸 北欧諸国 輸出 輸入 英国 北アイルランド 96% がフランスとオランダからの輸入 アイルランド スノ デ ルウェーウェーン デンマーク フィンランド オーストリア スイス ベ ド ギーツ ル イ フランス イタリア モンテネグロ ルーマニア スペイン ポルトガル *1:ENTSO-E ウェブサイトの情報を基に トーマツ作成 *2:ENTSO-E ウェブサイト 31

32 2.2 地点別料金制度 1-2) 英国 ノルウェー スウェーデンでは 隣国との複雑な電力潮流が少ない 特に 英国とスウェーデンでは 送電線が南北方向に敷設されているため 地点別料金において 南北方向の価格傾斜の設計をし易くしている 送電系統と地点別料金制度 ( 英国 ノルウェー スウェーデン ) 英国 スウェーデンの送電系統の特徴 英国 スウェーデンでは 送電線は南北方向に敷設されている ( 下図参照 ) よって 南北方向の電力潮流が大きい 地点別料金制度との関係 英国 スウェーデン共に 国内における南北方向の電力潮流の混雑を解消するために 地点別料金制度を導入し 基本料金 (kw 課金分 ) 単価に南北方向の傾斜をかけている ( 発電側は北部が高く 小売側は南部が高い ) 隣国との複雑な潮流が無いため 地点別料金制度の設計がし易い - 英国の送電系統図 * スウェーデンの送電系統図 ( 緑色の背景色 )* 2 - 英国 スウェーデンでは 北部に 水力や風力発電所が 南部に需要地が集中する 北部から南部へ送電するために 送電線は南北方向に敷設されている *1:National grid ウェブサイト *2:Svenska Kraftnat ウェブサイト 32

33 2.2 地点別料金制度 1-2) 隣国との複雑な電力潮流が生じるドイツでは 地点別料金制度の設計が複雑となる 実際 北部での風力発電の普及拡大に伴う南北の潮流改善対策として 南北方向の送電線の増強を選択している * 1 送電系統と地点別料金制度 ( 欧州大陸の例 : ドイツ ) *1:TransnetBW TenneT( ドイツ ) の担当者へのヒアリング ドイツの送電系統の特徴 ドイツでは 送電線はメッシュ状に敷設され 複数の隣国とつながっている ( 下左図 ) この結果 隣国との電力潮流が複雑になり 地点別料金制度の導入を困難にしている 近年の北部での風力発電の普及拡大により 北部から需要地の集中する南部への潮流が大きくなったため 南北方向の送電線の増強を計画している ( 下右図 ) - ドイツの送電系統図 * 2 - 隣国とメッシュ状につながるドイツの送電系統 - ドイツの送電線増強計画図 * 3 - 南北方向の送電線の増強を計画中 ( 青色斜線部 ) *2:ENTSO-E Map - ENTSO-E transmission system map を基に 一部トーマツ作成 *3:BNetzA Grid expansion planned according to the Bundesbedarfsplangesetz

34 2.2 地点別料金制度 1-2) 英国の送電料金 (TNUoS) は 発電側は 1Wider zonal generation TNUoS tariffs 2 Local substation generation TNUoS tariffs 3 Local circuit generation TNUoS tariffs で構成される 地点別料金の設定ロジック ( 英国 送電料金 )* 1 (1/4) 計算式 送電料金 = 容量 [kw] * P (G1) [ /kw] + 容量 [kw] * P (G2) [ /kw] + 容量 [kw] * P (G3) [ /kw] 発電側 (G) 注 ) kw 課金 1 Wider zonal generation TNUoS tariffs kw 課金 2 Local substation generation TNUoS tariffs kw 課金 3 Local circuit generation TNUoS tariffs P (G1) :27 ゾーン別に設定されている価格 [ /kw] P (G2) : 陸上の送電系統に直接接続する発電事業者に課金される変電所関連価格 [ /kw] P (G3) : 陸上の送電系統に直接接続しない発電事業者に課金される変電所関連価格 [ /kw] 35 ページ参照 36 ページ参照 36 ページ参照 30 分メーター (HH) 送電料金 = 3 回の 3 組の期間における 30 分デマンド値 [kw] * P (L1) [ /kw] 小売側 (L) 一般メーター (NHH) 送電料金 = 16 時 ~19 時の時間帯の年間の電力使用量 [kwh] * P (L2) [ /kwh] P (L1) :14 ゾーン別に設定されている価格 [ /kw] 37 ページ参照 P (L2) :14 ゾーン別に設定されている価格 [ /kwh] 37 ページ参照 注 ) アンシラリーサービス費用は含まない *1:National grid The statement of use of system charges

35 2.2 地点別料金制度 1-2) 英国で 27 ゾーン別に設定されている発電側価格の 1Wider zonal generation TNUoS tariffs は 2016 年に計算方法が変更され 南北の価格差が小さくなった 地点別料金の設定ロジック ( 英国 送電料金 )* 1 (2/4) 発電側価格 1 Wider zonal generation TNUoS tariffs:p (G1) -P (G1) が設定されている 27 ゾーン - -P (G1) (2015 年 )- -P (G1) (2016 年 )- (A) (A) (B) (B) *1:National grid The statement of use of system charges 2016 計算例 (2015 年 ): Zone1 石炭火力 /kw (A) Zone1 陸上風力 /kw Zone23 石炭火力 /kw (B) Zone23 陸上風力 /kw (A) と (B) の価格差 /kw 計算例 (2016 年 ): Zone1 石炭火力 *58%( 稼働率 ) =12.4 /kw (A) Zone1 陸上風力 10.51*37%( 稼働率 ) =12.2 /kw Zone23 石炭火力 *58%( 稼働率 ) =-6.8 /kw (B) Zone23 陸上風力 3.11*37%( 稼働率 ) =-4.7 /kw (A) と (B) の価格差 19.2 /kw 2016 年の価格差は 2015 年比 62% 35

36 2.2 地点別料金制度 1-2) 英国の発電側価格の 2Local substation generation TNUoS tariffs と 3Local circuit generation TNUoS tariffs は 陸上と洋上について 異なる価格設定がされている 地点別料金の設定ロジック ( 英国 送電料金 )* 1 (3/4) 発電側価格 2 Local substation generation TNUoS tariffs:p (G2) - 陸上の主要送電系統 (MITS) に直接接続する場合 - - 洋上の送電系統に接続する場合 - 発電側価格 3 Local circuit generation TNUoS tariffs:p (G3) - 陸上の主要送電系統 (MITS) に直接接続しない場合 - - 洋上の送電系統に接続する場合 - *1:National grid The statement of use of system charges

37 2.2 地点別料金制度 1-2) 英国では 小売側価格は 14 ゾーン別に設定されている 発電側価格の 1Wider zonal generation TNUoS tariffs と比べて 同地点間 (1. Northern Scotland と 12. London) での南北の価格差が小さい 地点別料金の設定ロジック ( 英国 送電料金 )* 1 (4/4) 小売側価格 :P (L1) P (L1) 14 ゾーン別に設定され 北部が安く 需要地が集中する南部が高い 発電側価格 1 Wider zonal generation TNUoS tariffs:p (G1) と比べると 南北の価格差は小さい -P (L1) P (L2) が設定されている 14 ゾーン - (A) - P (L1) P (L2) (2016 年 )- P (L1) 30 分メーター P (L2) 一般メーター (A) (B) (B) *1:National grid The statement of use of system charges 2016 Demand Tariff の Zone1(A) と Zone12(B) の価格差 10.9 /kw 発電側の P (G1) (2016 年 ) の 同地点間における価格差 19.2 /kw に比べて 小さい (35 ページ参照 ) 37

38 2.2 地点別料金制度 1-2) Ofgem によると 英国の地点別料金制度は 風力発電の立地に対してはインセンティブとして作用していない一方で 火力発電に対してはインセンティブとして効果的に作用し 大需要地近傍への立地誘導ができたと評価している 発電マップ ( 英国 ) - 風力発電マップ * 1 - 建設中や承認済の風力発電を示す - 火力発電マップ * 年以降の 600MW 超のガス火力発電と熱電併給 (CHP) 発電を示す 風力発電の建設場所は 英国全体に散らばっており 地点別料金制度の影響を受けていない (Ofgem* 1 ) 高 送電料金の発電事業者への課金 ガス火力発電 CHP 地点別料金制度により ガスの輸入配管と火力発電が大需要地近傍に建設され 既存の送電インフラの増強を回避している (Ofgem* 1 ) 建設中 承認済 申請済 安 *1:Ofgem Locational charging on Britain s gas and electricity networks

39 2.2 地点別料金制度 1-2) ノルウェーでは 固定料金は 発電側は過去の使用量に対して 小売側は過去の容量に対して課金される 実際の使用量に対する kwh 課金単価は 接続地点の限界ロス率によって決まる 地点別料金の設定ロジック ( ノルウェー 送配電料金 )* 1, 2 計算式 発電側 (G) 送配電料金 = 過去の使用量 [kwh] 1 * P (G) [NOK/kWh] + 使用量 [kwh] * P S [NOK/kWh] * C loss,i 固定料金 kwh 課金 小売側 (L) 送配電料金 = 過去の容量 [kw] 2 * P (L) [NOK/kW] * k + 使用量 [kwh] * P S [NOK/kWh] * C loss,i 固定料金 kwh 課金 P (G) P S :Statnett が決定する単価 [NOK/kWh] 3 : ノルドプールのシステム価格 [NOK/kWh] 4 C loss,i : 接続地点 i の限界ロス率 40 ページ参照 P (L) :Statnett が決定する単価 [NOK/kW] 5 k :k ファクター 41 ページ参照 1: 過去 10 年間の年間発電電力量 ( 送電端 ) の平均値とする 発電端の計測値しかない場合は 発電端の計測値から 1.5% を差し引いた数値を使用するが それよりも良い変圧器や変電所の参照データがあれば 良い方のデータを用いる 揚水発電については 発電端の数値が用いられる なお 新規の発電所については 初年度とその翌年は発電量の予測値が使用され 3 年目以降は過去のデータを参照する 2: 過去 5 年間のピーク時間帯の消費電力の平均値とする 3:2014 年は 0.012NOK/kWh Commission regulation 774/2010 により 0~1.2 /MWh の範囲での設定が規定されている 4: 市場全体の需給均衡価格 5:2014 年は 170NOK/kW なお 給電停止の通知時間と給電停止時間に応じて 料金設定を 170NOK/kW(2014 年の場合 ) の 5% 25% 50% 75% に変更できる ( 右表参照 ) - Statnett の送電料金表 * 3 - P (G) P (L) 0.012NOK/kWh 170NOK/kW k ファクターの c 分前通知 9NOK/kW 5% of P (L) 2 時間前通知 給電停止時間の制約無し 43NOK/kW 25% of P (L) 12 時間前通知 85NOK/kW 50% of P (L) 15 分前通知 給電停止時間 2 時間 128NOK/kW 75% of P (L) *1:Statnett 2014 tariff bookket *2:Nord REG Economic regulation of electricity grids in Nordic countries 2011 *3:Statnett ウェブサイト 39

40 2.2 地点別料金制度 1-2) ノルウェーで kwh 課金単価の計算に使用される限界ロス率は 潮流の状況に応じて地点別に異なる送電ロスを反映している 地点別料金の限界ロス率 ( ノルウェー 送配電料金 )* 1 * 2 * 3 限界ロス率 役割 送配電料金に 潮流の状況に応じて地点別に異なる送電ロスを反映すること 1 主要系統 約 200 の接続地点毎に設定される 毎週見直され 金曜日に翌週分が公開される ピーク時間帯 ( 平日の 6:00~22:00) とオフピーク時間帯 ( 平日の 22:00~6:00 と 土日 ) とではロス率が異なる ( 右図参照 ) ±15% の範囲内で設定される ピーク時間帯 北部の限界ロス率 ( 発電側 ) が高い 送電料金が高い オフピーク時間帯 内容 2 地方送電系統 配電系統の小売側料金には 系統全体の年間平均ロス率が設定される 限界ロス率 ( 発電側 ) + - 南部の限界ロス率 ( 発電側 ) がマイナスの数値となる 送電料金が安い *1:Statnett 2014 tariff bookket *2:Nord REG Economic regulation of electricity grids in Nordic countries 2011 *3:ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe 2016 限界ロス率 ( 小売側 )= -1 * 限界ロス率 ( 発電側 ) 40

41 計算式2.2 地点別料金制度 1-2) 小売側料金の k ファクターは 発電所への近接性によって送配電料金を割引する目的で導入された 具体的には 接続地点における冬期の発電供給力が大きい程 同接続地点での小売側の送配電料金が安くなる 地点別料金の k ファクター ( ノルウェー 送配電料金 )* 1 k ファクター 役割 下記 2 つの要因によって 需要家の送配電料金の割引を実施すること 1. 発電所への近接性 2. 大需要家の安定消費 k ファクターは 1 大需要家以外用 (k f ) と 2 大需要家 (SFHB) 用 (k SFHB ) の 2 種類存在し 接続地点毎に計算される 2014 年に下記 2 つの変更が行われた 1. k f の下限 ( 割引率の上限 ) を 50% に設定 2. k SFHB に補正係数 c を採用 1 大需要家以外用 (k f ) 2 SFHB 用 (k SFHB ) 大需要家 (SFHB): ピーク電力が 15MW 超 かつ 使用時間が 7,000 時間超 ( 使用時間は 年間の総電力消費量をピーク電力で割ったもの ) 内容 k = F ୲୭୲ (P ୲ + F ୲୭୲ ) ( ただし k 0.5 の場合 k = 0.5) P ୲ が大きい程 k ファクターの値が小さくなる ( 小売側の送配電料金が安くなる ) k > 0.5 の場合 k = F ୲୭୲ (P ୲ + F ୲୭୲ + c F ) k = 0.5 の場合 k = F ୲୭୲ (2 F ୲୭୲ + c F ) P୲ が大きい程 また F が大きい程 k ファクターの値が小さくなる ( 小売側の送配電料金が安くなる ) F のみ個々の需要家に関するパラメータ 1. 発電所への近接性 の考慮 1. 発電所への近接性 と 2. 大需要家の安定消費 の考慮 ୲୭୲ F F P ୲ : 接続地点における 全需要家の F の合計 [kw] : 需要家の 過去 5 年間のピーク時間帯消費電力の平均値 (SFHB 以外 )[kw] : 接続地点における 冬期の利用可能出力の合計 [kw] ( 水力発電 : 冬期のピーク時間帯 (6 時間連続 ) の出力 風力発電 : 容量の 50% 火力発電 : 容量の 100% に設定 ) F : 大需要家の 過去 5 年間のピーク時間帯消費電力の平均値 (SFHB)[kW] c :SFHB 用の補正係数で c = 1.5に固定 *1:Statnett 2014 tariff bookket 41

42 2.2 地点別料金制度 1-2) スウェーデンでは 送配電料金の計算方法は発電側と小売側で同じで kw 課金単価は緯度により kwh 課金単価は接続地点の限界ロス率により決まる 地点別料金の設定ロジック ( スウェーデン 送配電料金 )* 1, 2 計算式 発電側 (G) 小売側 (L) 送配電料金 = 容量 [kw] * (m * (φ i - φ min ) + PC min ) [SEK/kW] + 使用量 [kwh] * P A [SEK/kWh] * C loss,i * C corr kw 課金 kwh 課金 m : 勾配 ( 発電側は + 小売側は -)[SEK/kW/ o ] ( 右図参照 ) φ i : 接続地点 i の緯度 [ o ] φ min : 最南端の接続地点の緯度 [ o ] PC min P A C loss,i :φ min における基本料金単価 [SEK/kW] 1 : スウェーデンのエリア価格 [SEK/kWh] 2 : 接続地点 i の限界ロス率 3 C corr : 補正係数 ( スウェーデンは 0.8 に固定 ) 1:SvK が 基本料金単価の見直しが必要な場合に調整するパラメータ 2: 送電ロスを補填するために市場から調達した電力価格に基づき SvK が年に一度設定する 3: 接続地点毎に設定される係数 北部の電源地における発電側と 南部の需要地における小売側のロス率は高く設定される 緯度 m 発電側 北部 南部 m 小売側 価格 [SEK/kW]* 3 *3: 一般社団法人海外電力調査会, 海外諸国の電気事業 2014 *1:Elforsk Transmission grid planning in modern electricity markets 2013 *2:Svenska Kraftnat The swedish electricity market and the role of Svenska Kraftnat

43 2.2 地点別料金制度 1-2) 北部から南部への大きな電力潮流が発生しているスウェーデンでは 発電事業者や需要家に 送電ロスや潮流のボトルネックに関する価格シグナルを送るために 緯度による地点別料金制度を導入した * 1 電力潮流 ( ノルウェー スウェーデン ) ノルウェーの電力潮流の分析 ( 右図参照 ) ノルウェーでは 北部から南部へといった明確な電力潮流は確認できない これは ノルウェーでは 発電所と需要地共に南部に集中しているためである 次ページ参照 ノルウェーの地点別料金制度では 緯度の概念が含まれていない スウェーデンの電力潮流の分析 ( 右図参照 ) スウェーデン国内の電力潮流を見ると 北部から南部 (SE1 SE2 SE3 SE4) の方向であることが分かる 特に SE2 SE3 の潮流 (33,461GWh/ 年 ) と SE3 SE4 の潮流 (24,886GWh/ 年 ) は大きい これは 北部に発電所が 南部に需要地が集中しているためである 次ページ参照 スウェーデンの地点別料金制度では 緯度の概念が含まれている - ノルウェーとスウェーデンの電力潮流 * 年単位 :GWh/ 年 15,100 1,680 3,297 1,459 8, SE2 2,319 33,461 5,806 SE3 24,886 SE1 4,210 8,587 8,699 スウェーデン北部から南部への電力潮流 北部から南部への大きな電力潮流が発生しているスウェーデンでは 地点別料金制度に緯度の概念が含まれている 375 SE4 4,143 *1:Svenska Kraftnat The swedish electricity market and the role of Svenska Kraftnat 2001 *2:Nord Pool ウェブサイトの情報を基に トーマツ作成 注 ) 北欧諸国以外との輸出入量は省略 43

44 2.2 地点別料金制度 1-2) ノルウェー : 水力発電所 人口 ( 電力需要 ) 共に南部に集中している スウェーデン : 北部に水力発電所 南部に人口 ( 電力需要 ) が集中し 南北方向の大きな潮流の原因となっている 発電マップ及び人口マップ ( ノルウェー スウェーデン ) - 発電マップ (2013 年 )* 1 - 円の大きさ 発電量に比例 円の色 青 : 水力発電 茶 : 原子力 - 人口マップ (2015)* 1 - 円の大きさ 人口に比例 円の色 濃い青ほど 人口の増加率が高い 北部に水力発電所が集中 ( スウェーデン ) 南部に水力発電所が集中 ( ノルウェー ) 南部に人口 ( 電力需要 ) が集中 ( ノルウェー スウェーデン ) *1:Nordregio ウェブサイト 44

45 2.2 地点別料金制度 1-2) ノルウェー スウェーデン共に 再生可能エネルギー関連の政策により 風力発電は増加傾向である ノルウェーの火力発電は 全体量としては小さいものの 2005 年から 2011 年で 1.9 倍に増加している 電源構成の推移 ( ノルウェー スウェーデン ) ノルウェーの電源構成の推移 * 1 ノルウェーの発電設備容量は 2005 年から 2011 年において 風力と火力が増加している 特に 風力の増加率は約 5.6 倍と高い ( 政策 )EU によって 2009 年 6 月に発効された 再生可能エネルギー利用促進指令 (28/2009/EC) が欧州経済領域 (EEA) 協定へ取り入れられたことに伴って 最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を 2020 年までに 67.5% とする目標を設定した 年 水力 ,549 28,725 28,957 29,413 29,539 29,693 29,969 風力 ,293 1,570 1,601 火力 合計 ,098 29,296 30,076 30,572 31,255 31,688 32,082 (MW) 2005 年 2011 年 5.6 倍に増加 1.9 倍に増加 スウェーデンの電源構成の推移 * 1 スウェーデンの発電設備容量は 1990 年から2011 年の約 20 年で 風力以外はほとんど変化していない ( 政策 )2009 年 6 月の エネルギー気候変動政策 において 2020 年までの目標として 再エネの割合を50% に高めること エネルギー効率を 2008 年度比で20% 改善することを掲げた (MW) 年 水力 16,331 16,229 16,150 16,180 16,209 16,195 16,203 16,200 16, 年 2011 年 風力 ,021 1,560 2,163 2, 倍に増加 原子力 9,970 9,439 8,961 8,965 9,063 8,938 9,342 9,151 9,363 火力 7,880 4,985 7,576 8,094 8,005 8,027 8,608 8,185 7,988 合計 34,189 30,894 33,212 33,819 34,065 34,181 35,713 35,699 36,447 *1: 一般社団法人海外電力調査会, 海外諸国の電気事業 2014 年 45

46 2.2 地点別料金制度 1-2) ノルウェーで増加している火力発電は その多くが北部と南部に建設されている スウェーデンで増加している風力発電は その多くが中部と南部に建設されている 発電マップにおける電源構成の推移 ( ノルウェー スウェーデン ) - 発電マップ (2007 年 )* 発電マップ (2011 年 )* 1 - ノルウェーの火力発電は 北部で増加 ( オレンジ色部分 ) スウェーデンの風力発電は 中 南部で増加 ( 赤色部分 ) ノルウェーの火力発電は 南部でも増加 ( オレンジ色部分 ) *1:Nordregio ウェブサイト 46

47 2.3 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 47

48 2.3 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 1-3) 送配電料金の従量料金 (kwh 課金 ) の比率を 系統運用者の支出 + 利益に占める送電ロス調達コストの割合に合わせるのが論理的との見方もあるが 実際は 各国の方針によって 基本料金 (kw) と kwh の課金比率は異なる まとめ 定義 kw と kwh の課金比率の考え方 本報告書では 下記のように定義した 基本料金 容量 kw) ( に対して課金される部分 (kw 課金 )+ 固定料金 従量料金 送電量 kwh) ( に対して課金される部分 (kwh 課金 ) 送電ロスは 送電量 (kwh) に比例して発生する部分であるため 送電容量の制約が無いという条件下では 送電ロスの調達コストの割合 (TSO の場合 支出 + 利益の 5~10% 程 ) に合わせて kwh 課金比率を設定するのが論理的 * 1 * 2 との見方もあるが 実際は 各国の設定方針次第である ( なお フランス ドイツ ノルウェー スウェーデンでは 日本とは異なり 送電ロス補填電力の調達は 系統運用者 (TSO DSO) が行う ) 各国の設定方針 TSO DSO ドイツでは kwh 課金比率 (15%) は TSO の支出 + 利益の内 送電ロスの調達コストが占める割合 (5~10% 程 ) に沿っている * 3 フランスでは 送電ロスの調達コストが占める割合 (5~10%) はドイツと同等だが 将来の電力需要量 (kwh) の変動に応じて送電設備投資コストを回収するために kwh 課金比率を 5~10% に比べて高く設定 (60%) している * 3 米国では 州や事業者によって 設定方法が異なる ノルウェーの規制機関 NVE は ピーク電力を下げるための顧客への強いインセンティブとなるため 将来的に 小売側の kw 課金比率を高く設定するのが望ましいとの見方をしている * 1 *1:NVE Status of NVE s work on network tariffs in the electricity distribution system 2016 *2:Elforsk Transmission grid planning in modern electricity markets 2013 *3: 送電系統運用者 (TSO) の Annual report( フランス ノルウェー ) RTE( フランス ) TransnetBW TenneT( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 48

49 2.3 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 1-3) 英国 フランス ドイツでは 低圧 ( 家庭用 ) では従量料金への課金比率が高く 電圧が高くなるにつれて 基本料金への課金比率が高くなる 基本料金と従量料金の課金比率 ( 電圧別 ) 送配電料金における基本料金と従量料金の比率 ( 電圧別 ) 英国 フランス ドイツでは 低圧 ( 家庭用 ) では従量料金への課金比率が高い一方で 電圧が高くなるにつれて 基本料金への課金比率が高まっている 特にドイツでは その傾向が顕著である 100% - 送配電料金における基本料金と従量料金の比率 ( 電圧別 )* 1-80% 従量料金 (%) 基本料金 (%) 60% 40% 20% 0% 電圧 A 電圧 B 電圧 C 電圧 A 電圧 B 電圧 C 電圧 A 電圧 B 電圧 C 電圧 A 電圧 B 電圧 C 電圧 A 電圧 B 電圧 C 英国フランスドイツノルウェースウェーデン *1: 電圧 A ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe 2015 電圧 B C( ノルウェー以外 ) EC Study on tariff design for distribution systems 2015 電圧 B C( ノルウェー ) Nordic Energy Regulator Tariff in Nordic Countries 2015 基本料金と従量料金の課金比率の計算条件は 次ページ参照 49

50 2.3 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 1-3) 前ページの送配電料金に占める基本料金と従量料金の比率は 各電圧階級 ( 電圧 A 電圧 B 電圧 C) における 年間電力消費量 契約電力 使用時間等の条件を設定して 計算されている 基本料金と従量料金の課金比率の計算条件 前ページにおける 電圧別の基本料金と従量料金の計算条件 電圧階級 * 1 需要家 基本料金と従量料金の課金比率の計算条件 * 1 電圧 A 大規模産業 電圧 : kV(EHV) 契約電力 :40MW 使用時間 :5,000 時間 ( kV の送電線が無い国は それよりも低い電圧階級において 契約電力 :10MW 使用時間 :5,000 時間の条件にて計算 ) 再エネや分散電源の普及促進費用 規制上の課徴金 セキュリティコスト等の 系統運用に直接的に関係しない費用と それに係る税金は含まない 電圧 B 年間電力消費量 :24,000MWh/ 年 契約電力 :4MW 使用時間 :7,000 時間 基本料金 kw 課金 + 固定料金 従量料金 kwh 課金 電圧 C 家庭 年間電力消費量 :3,500kWh/ 年 契約電力 :6kW 基本料金 kw 課金 + 固定料金 従量料金 kwh 課金 *1: 電圧 A ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe 2015 電圧 B C( ノルウェー以外 ) EC Study on tariff design for distribution systems 2015 電圧 B 電圧 C には 上位の電圧レベルにおける送配電料金も含む 次ページ参照 50

51 2.3 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 1-3) 英国 フランス ドイツ ノルウェー スウェーデンでは 顧客への電気料金の請求書に TSO DSO 料金共に含まれるケース ( 請求書 1 枚方式 ) が主流である 顧客への電気料金 ( 送配電料金含む ) の請求方式 顧客への請求方式 5 カ国全てにおいて 請求書 1 枚方式が主流となっている 請求書 1 枚方式は 顧客に届く 1 枚の請求書の中に 送電系統運用者 (TSO) 配電系統運用者 (DSO) の料金が共に含まれる - 顧客への電気料金の請求方式 * 1 - 国 請求書 1 枚 請求書 2 枚 請求書 3 枚 請求書情報 英国 - フランス 可 TSO+DSO+その他の合計 ドイツ 注 ) 可 DSO+TSO+その他の合計 ノルウェー 可 可 DSO+TSO+その他の合計 スウェーデン 可 DSO+TSO+その他の合計 : 多数派 注 ) 産業用 請求書 1 枚 請求書 2 枚 請求書 3 枚 前ページの電圧 B 電圧 C には TSO DSO 料金共に含まれる TSO TSO TSO DSO DSO DSO 小売 小売 小売 顧客 顧客 顧客 *1:EURELECTRIC, Network tariff structure for a smart energy system, 2013 を基に トーマツ作成 51

52 2.3 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 1-3) 調査対象の 5 カ国について 2009 年 ~2016 年の期間において TSO の送電料金に占める基本料金比率は 横ばい或いは上昇傾向にある 基本料金と従量料金の比率の推移 (TSO) 2009 年から 2016 年の推移 フランス ドイツ ノルウェー 同期間において 基本料金と従量料金の比率はほぼ横ばい 英国 スウェーデン 同期間において 基本料金比率は上昇傾向にある 100% -TSO の送電料金に占める基本料金と従量料金の比率 (2009 年 2016 年 )* 1 - 電圧階級 : kV 80% 60% 従量料金 (%) 40% 基本料金 (%) 20% 0% 英国フランスドイツノルウェースウェーデン *1:ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe を基に トーマツ作成 52

53 2.3 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 1-3) TSO の送電料金収入の総額は 相対的に 英国 フランス ドイツが大きく ノルウェー スウェーデンが小さい TSO 各社の送電料金収入の総額 送電系統運用者 (TSO) 各社の送電料金収入の総額 * 1 5カ国の内 最も収入の大きい英国のNGET( 約 47 億 ) と 最も収入の小さいスウェーデンの SvK( 約 4 億 ) は 10 倍以上の差がある TSOの送電料金収入の内訳 ( 従量料金と基本料金 ) の推定 ( 推定方法 ) TSO 各社の送電料金収入の総額 * 1 に 従量料金と基本料金の比率 * 2 を用いて推定 ( 推定結果 ) 英国とドイツでは それぞれ TSO3 社の基本料金の合計が40 億 を超え フランスでは RTE1 社の従量料金が 25 億 を超える ( 百万ユーロ ) -TSO の託送料金収入の内訳 - 5,000 4,000 3,000 従量料金 基本料金 2,000 1,000 0 NGET SPT SHETL RTE Amprion TenneT 50Hertz Statnett SvK 英国フランスドイツノルウェースウェーテ ン *1:TSO 各社の Annual report 2015 *2:ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe

54 2.3 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 1-3) 米国の CAISO の送電料金は TAC と呼ばれ MWh のみに対して課金され 容量に対しては課金されない CAISO の送電料金 送電料金 :Transmission Access Charge (TAC)* 1 カリフォルニア州の ISOである CAISOの送電料金は TACと呼ばれる TACは MWhのみに対して課金され 容量に対しては課金されない 発電事業者への課金も無い 200kV 以上の送電系統はsystem-wide 価格によって 200kV 未満は個別設定された価格によって それぞれのコストがカバーされる -CAISO の TAC 価格 * 1 - TAC 価格 *1:CAISO の担当者へのヒアリング ウェブサイト 54

55 2.3 送配電料金における基本料金と従量料金の設計 1-3) 米国のテキサス州では 送配電料金は複数の TDUs 毎に決められている 家庭用料金は 固定料金 ( 顧客チャージ メーターチャージ ) と kwh 課金によって 送電用料金は 固定料金と kw 課金によって それぞれ徴収されている テキサス州の送配電料金 送配電料金 :Generic Transmission and Distribution Rates* 1 Transmission and Distribution Utilities (TDUs) が申請し テキサス州のPublic Utility Commission of Texas (PUCT) が承認する仕組み ERCOTは 送配電料金の算定に必要な送電量は算出するものの 送配電料金自体の設計には関わっていない 各 TDUsのGeneric Transmission and Distribution Ratesの推移 (2009 年 2016 年 )* 2 固定料金 ( 顧客チャージ メーターチャージ ) kw 課金 kwh 課金の推移に 明確な傾向は確認できない 55 対象 料金 2009 年 2016 年 推移 家庭 顧客チャージ 2.09$ 1.62$ メーターチャージ 1.79$ 3.85$ 送電料金 $/kWh $/kWh kwh 課金 配電料金 $/kWh $/kWh 送電系統 顧客チャージ 1,071$ 154$ メーターチャージ 120$ 1,450$ 送電料金 1.48$/kVA 2.12$/kVA kw 課金 配電料金 0.301$/kVA 0.463$/kVA 対象 料金 2009 年 2016 年 推移 家庭 顧客チャージ 2.74$ 0.78$ メーターチャージ 2.21$ 2.28$ 送電料金 $/kWh 0.000$/kWh kwh 課金 配電料金 $/kWh $/kWh 送電系統 kw 課金 顧客チャージ送電料金 1,715$ 1.06$/kW 115$ 0.00$/kVA メーターチャージ配電料金 295$ 0.82$/kW 239$ 0.58$/kVA *1:ERCOT の担当者へのヒアリング *2:PUCT ウェブサイトの 7 社中 4 社の情報を基に トーマツ作成 対象 料金 2009 年 2016 年 推移 家庭 顧客チャージ 3.19$ 3.19$ - メーターチャージ 3.55$ 3.55$ - 送電料金 $/kWh $/kWh - kwh 課金 配電料金 $/kWh $/kWh - 送電系統 顧客チャージ 38.8$ 38.8$ - メーターチャージ 1,869$ 1,869$ - 送電料金 1.72$/kW 1.72$/kW - kw 課金 配電料金 0.199$/kW 0.199$/kW - -CenterPoint- -Oncor- -AEP(TCC)- -TNMP- 対象 料金 2009 年 2016 年 推移 家庭 顧客チャージ 0.33$ 4.00$ メーターチャージ 3.58$ 1.25$ 送電料金 $/kWh 0.000$/kWh kwh 課金 配電料金 $/kWh $/kWh - 送電系統 kw 課金 顧客チャージ送電料金 176$ 1.28$/kVA 214$ 0.00$/kVA メーターチャージ配電料金 5,491$ 0.13$/kVA 1,752$ 0.00$/kVA

56 2.4 潮流改善対策 56

57 2.4 潮流改善対策 1-4) 送電系統運用者 (TSO) と配電系統運用者 (DSO) は 潮流改善の義務を負う一方で 改善に対して経済的インセンティブが付与される ドイツでは 近年の再エネの普及拡大により 潮流改善に係る費用は増大している まとめ 送電系統運用者 (TSO) 配電系統運用者 (DSO) 発電事業者によって捉え方が異なる 送電系統運用者 (TSO) 配電系統運用者 (DSO) 発電事業者 ( ): 参照先ページ数 潮流の課題 容量不足の系統では 潮流の大幅な調整が必要 潮流が改善されない場合は 設備の破損に繋がる 管轄区域の中 低圧配電系統にて 再エネの普及拡大による混雑が生じている 電力需要地から離れた場所 ( 例えば北部の風力 ) で発電する場合 混雑の原因となる 潮流改善の内容 潮流改善対策 送電系統の増強 送電権の調達 再給電指令 配電系統の増強 回避された系統利用料 デマンドレスポンス 回避された系統利用料の適用による より低い電圧レベルでの分散電源の設置 法的義務 経済的インセンティブ 有りエネルギー事業法 (EnWG) による電気事業者への規制の目的は 効率的かつ信頼性の高い送配電系統を長期的視点で確保するため (EnWG 1(2)) 有りドイツでは レベニューキャップ制度を導入しているため 潮流改善対策によって混雑管理費用を削減しないと 収益が低下する 無し原則 潮流改善義務は TSO と DSO にある 無し回避された系統利用料は 再エネ事業者へは支払われない 政策的評価 課題 TSO DSO 北部での風力発電の普及に伴い 南北の送電系統の増強が喫緊の課題である (59ページ) 再給電指令に係る費用は 中 東側のTenneTと50Hertzの管轄区域で大きいため 今後は 西側のAmprionとTransnetBWの負担を増やす方針である (60ページ) 再エネの普及に伴い 配電系統の増強費用も上昇している (61ページ) 分散電源の普及促進のための回避された系統利用料のインセンティブは効果的に作用せず 今後は デマンドレスポンス等へのインセンティブを強める方針である (61 63ページ ) 57

58 2.4 潮流改善対策 1-4) 現状のドイツでは TenneT と 50Hertz の管轄区域である中 東側で混雑が発生し易くなっている この混雑への対処方法として 送電事業者は 送電空き容量の確保と 再給電指令等を実施している 送電事業者の潮流改善への取組み (1/3) 対策 1: 送電空き容量の確保 送電空き容量の確保として 下記に示す 2 つの方法がある 1-1: 送電系統の増強 送電線の増強工事を実施する 59 ページ参照 1-2: 送電権の調達 潮流改善のための送電権調達は 透明性 公平性確保のために 公募 前日取引 直接競売方式 (Explicit Auction) で Joint Allocation Office(JAO) にて実施している 特に国境設備の空き容量等に関しては German Electricity Grid Access Ordinance (StromNZV) の 15にて規定され 公平かつ透明性を確保した公募調達が行われている - 再給電指令により影響を受けた送電系統 * 1 - 対策 2: 再給電指令 60 ページ参照 混雑を解消するために 発電事業者に対して 再給電指令 (Redispatch) を行う 中 東側 (TenneT 50Hertz の管轄区域 ) では 風力発電が集中する北部から 需要地が集中する南部への送電により 混雑が発生し易い ( 右図ハイライト部分 ) 西側 (Amprion と TransnetBW の管轄区域 ) は 消費量は大きいものの 大きな混雑は発生していない Amprion TenneT 50Hertz TransnetBW 風力発電が集中する北部から 需要地の南部へ送電するため 北部から中央部にかけた送電系統で混雑が発生しやすい ( ハイライト部分 ) 58 *1:BNetzA Monitoring Report 2015

59 2.4 潮流改善対策 1-4) 50Hertz の事例として 需要地が集中する南部への送電による混雑を解消するために 隣国のポーランドやチェコを経由する送電線の増強を行っている 送電事業者の潮流改善への取組み (2/3) 対策 1-1: 送電系統の増強例 )50Hertz による送電線建設 50Hertz の管轄区域では 混雑解消のために 特に国境設備に対する送電線建設プロジェクトが強化されている ( 右表 下図参照 ) 下図において 送電線建設が計画されている地域は 先述した混雑が頻発する地域と一致している これらの送電線建設により 需要が集中する南部 ( ミュンヘン等 ) への送電時の混雑を解消する目的がある -50Hertz の混雑解消のための送電線建設プロジェクト * 1 - プロジェクト名建設工事の内容建設地域 380 kv connection between Halle and Schweinfurt (dena Grid Study) 380 kv 送電線建設 ( 以下地域間 ) Lauchstädt ~ Vieselbach, Vieselbach ~ Altenfeld, Altenfeld ~ Thuringia 州 /Bavaria 州境界 (+ 他工事 ) 試運転開始予定 ドイツ - チェコ Hertz の混雑解消のための送電線建設プロジェクトマップ * kv Uckermark line (dena Grid Study) 380 kv 送電線建設 Neuenhagen ~ Bertikow/Vierraden ドイツ - ポーランド kv Vierraden (50Hertz) Krajnik (PSE) 送電線増強工事 220 kv 380 kv Vierraden ~ Krajnik ( ドイツ ) ( ポーランド ) ドイツ - ポーランド 2018 ポーランド チェコからの越境送電 Kriegers Flak - Combined Grid Solution (Energinet.dk 50Hertz) 交流海底ケーブルドイツ ~ デンマーク Bentwisch 開閉所 (50Hertz) ドイツ - デンマーク 2018 *1:50Hertz ウェブサイト 59

60 2.4 潮流改善対策 1-4) 混雑管理に係る費用は 中 東側の TenneT と 50Hertz の管轄区域で大きい ドイツ全体で本費用の分担を平均化することを目的として 今後は 西側の Amprion と TransnetBW の負担を高めることが検討されている 送電事業者の潮流改善への取組み (3/3) 対策 2: 再給電指令 (Redispatch) 具体的には 下記のような指令を行う 風力発電に対して停止指令を出すことができる 北部の従来型電源に対して抑制指令を出すことができる 南部の従来型電源に対して発電力増加指令を出すことができる また 国際市場で再給電指令を行う場合は Countertrading と呼ばれる Countertrading は 当日市場等で取引され 利用可能な容量とスポット市場のスケジュールによって 取引の上限が決められている 再給電指令に係る費用 ドイツでは 再給電指令に係る費用の増加が課題となっている 特に 中 東側の TenneT と 50Hertz の負担が大きい ドイツ全体での再給電指令に係る費用の負担を平均化する動きがあり 今後のドイツ全体としての増加分については Amprion と TransnetBW の負担とすることが検討されている * 1 ( 右図参照 ) ( 百万 ) 再給電指令に係る費用 (2015 年 )* 2 - Countertrading Redispatching Amprion と TransnetBW の負担増が検討されている * 1 0 Amprion TransnetBW Tennet 50 Hertz 西側 中 東側 *1:TransnetBW( ドイツ ) の担当者へのヒアリング *2:ENTSO-E Transparency platform - Cost of congestion management を基に トーマツ作成 60

61 2.4 潮流改善対策 1-4) 配電系統の設備投資を抑える効果的な方法の一つであるデマンドレスポンスは 費用対効果が小さいため 連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) が インセンティブを強める規制モデルを検討中である 配電事業者の潮流改善への取組み (1/4) 配電事業者による潮流改善に対する取り組み 配電事業者は 再エネの普及による混雑を解消するために 配電系統を増強しており その投資金額は上昇傾向である ( 下図参照 ) 送電系統の増強費用の低減につながる 配電系統への分散電源の導入について 回避された系統利用料を支払う 次ページ参照 なお ドイツの配電 小売事業者は細分化されており 1 つの地域内でも数十の小売事業者が様々なサービスを提供している ( 右図参照 ) -( 例 ) ミュンヘンで契約可能な電気事業者リストの一部 * 3 - ( 百万 ) - 配電系統への設備投資総額 * 1-4,000 3,000 2,000 1, 配電系統の設備投資増加への対策 61 ( デマンドレスポンスの検討 ) 費用対効果が小さいため 配電事業者のインセンティブになっていない 配電事業者へのインセンティブを強めるための規制モデルを 連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) が検討中である * 2 *1:BNetzA Monitoring report 2015 *2:SEDC Mapping demand response in Europe today 2015 *3:Stromvergleich ウェブサイト

62 2.4 潮流改善対策 1-4) 回避された系統利用料は DSO に接続する分散電源に対して支払われるが 需要地近接性のインセンティブが仕組みとして考慮されていない 配電事業者の潮流改善への取組み (2/4) 回避された系統利用料 (Avoided network charge:anc)* 1 目的 : 分散電源の導入を促進すること 導入トリガー : 2005 年 7 月の電力ネットワーク料金規制 (Strom NEV 18) における 分散電源へのインセンティブ支払いに関する規定 評価 : 再エネ導入量の拡大により DSO の回避された系統利用料の支払い負担が増大した 結果として 本制度は 2021 年に廃止予定である 考察 : 潮流改善を目的とした制度にも関わらず 分散電源の設置場所と需要地との近接性へのインセンティブがなかったため 潮流改善にはつながらなかったと考えられる - 回避された系統利用料の概要 - -ANC の流れ * 2-1 再エネ コージェネレーション ( バイオマス ) の発電事業者の場合 再エネ賦課金 ANC TSO DSO 需要家 FIT FIT ANC は 需要家の再エネ賦課金の減免に使われる 発電事業者 対象 算定方法 制度内容 DSO に接続する分散電源 回避された系統利用料 = 回避された電力 [kw] 上位系統の送配電基本料金 [ 円 /kw] + 回避された電力量 [kwh] 上位系統の送配電従量料金 [ 円 /kwh] 分散電源の設置場所と需要地との近接性は評価されない 再エネの場合 ANC は発電事業者には支払われない ( 右図参照 ) 2 コージェネレーション ( バイオマス以外 ) の発電事業者の場合 DSO ANC 発電事業者 *1:VKU zur Ermittlung des Entgeltes für dezentrale Einspeisung *2:TransnetBW( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 62

63 2.4 潮流改善対策 1-4) DSO が支払う回避された系統利用料の総額は 再エネの普及拡大により 結果として増加傾向にある この結果 需要家の送配電料金負担が増加したため 2021 年に本制度は廃止される予定である 配電事業者の潮流改善への取組み (3/4) 回避された系統利用料の支払額とデススパイラル DSO が支払う回避された系統利用料の支払い額は 再エネが急速に普及拡大した結果 増加傾向にある ( 下左図参照 ) DSO が支払う回避された系統利用料は 最終需要家の送配電料金に転嫁されるため 最終需要家の負担増加に繋がっている 2015 年 7 月に発行された白書 The White Paper An Electricity Market for Germany s Energy Transition において 連邦経済エネルギー省 (BMWi) は 同年 9 月に利害関係者と協議した上で ドイツの再エネ普及拡大よって生じる様々な課題への対策を実施中 その一環として 再エネの普及拡大によって増大している回避された系統利用料を 2021 年に廃止する予定である 2021 年 1 月以降の再エネ発電所建設に対しては適用されなくなる * 1 ( 百万 ) 1,800 1,600 - 回避された系統利用料の支払額 * 2 - -ANC のデススパイラル * 2 - 下位系統で 分散電源が増加 1,400 1,200 変電所 (EHV/HV) 送電線 (HV) 既存の上位系統の利用者が減少 1,000 変電所 (HV/MV) 送電線 (MV) 変電所 (MV/LV) 上位系統の送配電料金単価が上昇 400 送電線 (LV) 注 )2011~2013 は実測値 2014 年はデータ無し 2015 年は予想値 ANC の上昇 (ANC は 上位系統の送配電料金を基に算出されるため ) *1:BMWi ウェブサイト *2:BNetzA Monitoring Report 2015 を基に トーマツ作成 63

64 2.4 潮流改善対策 1-4) 北部では風力 バイオマス 南部では太陽光 水力と 電源の立地に地理的偏りがある 一般的な考えでは この立地の傾向は 風況や日照等の気象条件に起因するものであり 潮流改善を目的としたものではない 配電事業者の潮流改善への取組み (4/4) 回避された系統利用料の電源別内訳と再エネ電源の地理的普及分布図 近年の回避された系統利用料の増加原因は バイオマス 風力 太陽光発電である ( 下図参照 ) これら再エネの立地は 風況 日照 水量等に影響を受けている 具体的には 北部では風力 南部では太陽光と水力が普及している ( 右図参照 ) 北部では風力 南部では太陽光と水力が普及している - 再エネ電源の地理的普及分布図 * 2 - ( 百万 ) - 回避された系統利用料 ( 電源別 )* バイオマス風力太陽光水力ごみ処理等ガス地熱 *1:BNetzA EEG Staistikbericht 2010 ~2014 を基に トーマツ作成 *2:The Federal Office for Building and Regional Planning (BBR) ウェブサイト バイオマス太陽光風力水力 注 ) 円の大きさは発電容量を示す 64

65 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 65

66 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 2003 年の第 2 次エネルギーパッケージと 2009 年の第 3 次エネルギーパッケージにて 透明性が高く公平な市場を通して送電ロスを調達すること と規定され 送電ロスの調達について 送配電事業者の中立性が求められている まとめ ( ): 参照先ページ数 送電ロス補填電力の調達に関する規定 (67 ページ ) 欧州全体 フランス ドイツ 2003 年の第 2 次エネルギーパッケージ * 1 と 2009 年の第 3 次エネルギーパッケージ * 2 にて 透明性が高く公平な市場を通した送電ロスの調達を規定している エネルギー法 (Article L321-11) で 公平 透明な市場での調達を規定している グリッドアクセス規制 (Strom NZV 10(1)) と BNetzA の行政手続き (BK ) において 原則入札による調達とした上で 卸市場での調達も認めている フランス (77 78ページ ) ドイツ (79~84ページ) ノルウェー (85ページ) 送電ロス補填電力の調達状況 (TSO) 調達方法 長期 卸市場 (EEX) 相対取引 入札短期 卸市場 (EPEX) 長期 卸市場 (EEX) 入札短期 卸市場 (EPEX) 卸市場 調達量 10,280GWh (2015 年 ) 7,959GWh (2015 年 4 社合計 ) 2,513GWh (2015 年 ) 調達価格 4.5 Ct/kWh (2015 年 ) 3.6 Ct/kWh (2015 年 4 社平均 ) 2.0 Ct/kWh (2015 年 ) 送電ロス率 2.0% (2015 年 ) 1.5% (2015 年 TransnetBW) 2.0% (2015 年 ) インセンティブ レベニューキャップ制度により 目標値からの増減は TSO の収益又は費用となる *1: 第 2 次エネルギーパッケージ (Directive 2003/54/EC) 2003 年 *2: 第 3 次エネルギーパッケージ (Directive 2009/72/EC) 2009 年 66

67 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 2003 年の第 2 次エネルギーパッケージの EU 指令を受けて 各国政府が 送電ロス補填電力の調達方法に関する法律の制定を開始した 送電ロス補填電力の調達に関する規定の歴史 ( 欧州全体 ) 送電ロス補填電力の調達の規定に関する欧州と各国の関係 EU 指令に基づいて 各国政府が 送電ロス補填電力の調達方法を決めている 欧州 EU TSO ITO DSO が 透明性が高く公平な市場を通して 送電ロス調達することを 下記にて規定 2003 年 第 2 次エネルギーパッケージ (Directive 2003/54/EC): 第 11 条 第 14 条 2009 年 第 3 次エネルギーパッケージ (Directive 2009/72/EC): 第 15 条 第 17 条 第 25 条 第 28 条 ACER ITC メカニズム注 ) の監視 EC へ報告 ENTSO-E ITC メカニズム注 ) の運用管理 国際電力融通に係る送電ロスの管理 フランス ドイツ ノルウェー 政府 政府 政府 各国 (2005 年 7 月 ) エネルギー法 (Article L321-11) において 透明 公平な市場での送電ロスの調達を規定 (2005 年 7 月 ) エネルギー事業法 (EnWG) とグリッドアクセス規制 (Strom NZV) にて 透明 公平な市場での送電ロスの調達を規定 (1999 年 3 月 ) Energy Act が改訂され REG. no. 301 の Section 5-3 にて 送電ロスの計算方法を規定 規制機関 :BNetzA 規制機関 :NVE (2008 年 10 月 ) 行政手続き BK にて 入札や卸市場での調達を規定 系統運用者が行う送電ロスのコスト計算を監視 67 注 ) 送電ロスとインフラ設備増強のコスト負担をカバーするための枠組み

68 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 送電ロスは 透明性が高く公平な市場での調達を原則としている 具体的な調達方法や 調達コストの送電料金への反映方針は 国や TSO によって異なる 送電ロス補填電力の調達方法と課金方法 送電ロスの調達と課金の概念 EU のエネルギーパッケージに基づいて 系統運用者が 透明性が高く公平な市場で送電ロスを調達することが原則となっている フランス ドイツ ノルウェーでは 送電ロスの調達コストは TSOの支出 + 利益の5~10% を占める ドイツでは 送電料金における kwh 課金比率 (15%) は この比率に沿っているが 国によって設定比率は異なる * 3 送電容量の制約が無い条件下では 送電ロスの系統運用者 (TSO) の場合調達コストの割合に合わせて kwh 課金比率を電力量 (kwh) コスト ( ) 設定するのが論理的 * 1 * 2 との見方もある 送電ロスの調達方法 * 3 系統運用者が 透明性が高く公平な市場にて調達 フランス入札 卸市場 相対 ドイツ入札 卸市場 ノルウェー卸市場 送電ロス TSO の電圧レベルで発生する送電ロスは 1~2% 程 電力需要量 TSO の支出 + 利益に占める送電ロスの調達コストは 5~10% 程 * 3 送電ロス 設備投資 運用 メンテ 人件費 利益他 ドイツ 15% 85% 送電料金の課金比率 * 4 ノルウェー 42% 58% フランス 60% kwh 課金 40% kw 課金 *1:NVE Status of NVE s work on network tariffs in the electricity distribution system 2016 *2:Elforsk Transmission grid planning in modern electricity markets 2013 *3:RTE( フランス ) TransnetBW TenneT( ドイツ ) の担当者へのヒアリング *4:ENTSO-E Overview of Transmission Tariffs in Europe

69 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 送電ロスの調達に関する大枠の方針は EU の第 2 次 第 3 次エネルギーパッケージにて規定されている 送電ロス補填電力の調達に関する規定の歴史 ( 欧州全体 )(1/2) EU 第 2 次エネルギーパッケージ (Directive 2003/54/EC) 第 11 条 TSOの給電及び需給調整 第 6 項 : TSOが 透明性が高く公平な市場を通して 送電ロス調達すること 第 14 条 DSOの配電系統運用者の任務 第 5 項 : DSOが 透明性が高く公平な市場を通して 送電ロスを調達すること 第 3 次エネルギーパッケージ (Directive 2009/72/EC) 第 15 条 TSOの給電及び需給調整 第 6 項 : TSOが 透明性が高く公平な市場を通して 送電ロス調達すること 第 17 条 ITOの資産 設備 職員及び主体 第 2 項 (d): 需給調整や送電ロスの調達等 送電系統に係る全ての費用を徴収すること 第 25 条 DSOの配電系統運用者の任務 第 5 項 : DSOが 透明性が高く公平な市場を通して 送電ロスを調達すること 第 28 条 閉鎖的配電系統 第 2 項 (a): 閉鎖的配電系統運用者は 透明性が高く公平な市場による 送電ロスの調達 が免除される 69

70 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 欧州全体では 送電ロスのコスト負担をカバーするための ITC ファンドが設立され ACER が監視と EU への報告を ENTSO-E が運用管理を それぞれ行っている 送電ロス補填電力の調達に関する規定の歴史 ( 欧州全体 )(2/2) ACER EU 加盟国間の協調を図る組織として 2010 年に設立 2011 年 3 月に EU No. 838/2010 に従って ITC メカニズムを発足 ENTSO-E により ITC ファンド (Inter-Transmission System Operator Compensation) が設立された ITC メカニズムとは 送電ロスとインフラ設備増強の両者のコスト負担をカバーするための枠組み ITC メカニズムに加盟している TSO は国際電力融通について送電量に応じた補償金を受領できる 一方 非加盟の TSO は ITC 加盟地域との国際電力融通について都度費用を支払う ACER は ITC の実施状況のオブザーバーであり 毎年 EU へ ITC メカニズムと ITC ファンド活動について報告する義務がある ENTSO-E は 算出した 送電ロスの国レベルでの妥当性 ( 特に公平性 ) を検証する ENTSO-E 2008 年 12 月に 42 の TSO により設立 ( 前身は ETSO 等の複合体 ) 当時の欧州電力市場統一が非効率的な状況のため 第 3 次エネルギーパッケージを機に設立 2009 年 1 月から活動開始 主な目的は 1 再エネの普及と電力市場への統合 2 持続可能な電力の安定供給 をサポートすること Commission Regulation (EU) No. 838/2010 により ENTSO-E が 国際電力融通に関する送電ロスの責任を持つこととなった ENTSO-E が ITC メカニズムを運用管理している ロス算出に加えて 計算結果の公表義務もある ERGEG(2011 年後の ACER) 第 2 次エネルギーパッケージ (Directive 2003/54/EC) により 欧州委員会 (EC) のアドバイザリー組織として発足したが 2011 年 7 月 1 日付けで解散した 当初の目的は EC による欧州の電力市場統をサポートすることであった 第 3 次エネルギーパッケージ (Directive 2009/572/EC) により発足した ACER が 2011 年 9 月より活動を開始し ERGEG の役割を継承している 2008 年と 2009 年には 欧州の系統運用者による送電ロスの取扱いについてまとめたポジションペーパーを公表した 本ポジションペーパーでは 送電系統運用者等 20 社のパブリックコメントを反映している 70

71 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 欧州では ERGEG のポジションペーパーにより 系統運用者による送電ロスの取扱いについてまとめた 送電ロスに関する欧州の見解 (1/4) ERGEG のポジションペーパー ERGEG (European Regulators Group for Electricity and Gas) が 2008 年 7 月と 2009 年 2 月に発行した 本ペーパーは エネルギー効率化指令 (2006/32/EC) に基づいて 系統運用者による送電ロスの取扱いについてまとめたものである 1 Treatment of Losses by Network Operators (E08-ENM 年 7 月 ) 2 Treatment of Electricity Losses by Network Operators (E08-ENM-04-03c 2009 年 2 月 ) 送電ロスに関する下記 6 項目に関して 各国の分析結果をまとめた 下記 6 項目について 13 個の質問へのパブリックコメントを募集した 1. 送電ロスの定義 2. 評価方法 3. 送電ロス量 4. 調達方法 5. 料金表と規制 6. 規制 インセンティブの仕組み 72 ページ参照 ETSO 注 ) E. ON EnBW RWE 等 20 社からパブリックコメントを受領 6 項目 13 個の質問に対する 20 社のパブリックコメントをまとめ 送電ロスの考え方を結論付けた ページ参照 注 )ETSO は ENTSO-E の前身の組織で 2009 年 7 月に その機能が ENTSO-E に引き継がれた 71

72 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) ERGEG は 2008 年 7 月に発行したポジションペーパーにおいて 送電ロスの定義 評価方法 調達方法等に関する各国の分析結果をまとめた 次に 送電ロスに関する 13 個の質問を公表し パブリックコメントを募集した 送電ロスに関する欧州の見解 (2/4) ERGEGのポジションペーパー :1 Treatment of Losses by Network Operators* 1 送電ロスに関する 6 項目について 各国の分析結果をまとめた ( 下表参照 ) 次に 6 項目に関する13 個の質問を公表し パブリックコメントを募集した 送電ロスに関する6 項目各国の分析結果のまとめ 1. 送電ロスの定義 2. 評価方法 3. 送電ロス量 4. 調達方法 5. 料金表と規制 6. 規制 インセンティブの仕組み 送電ロスを テクニカルロスとノンテクニカルロスに大別 テクニカルロス ジュール熱によるもので 電圧が高いほど小さく 計測可能 ノンテクニカルロス 需要家内消費 盗電 未計測 計測エラー等で 計測不可 送電ロスの事後評価方法として 下記を定義 Continuous metering 注入量と引出量の実測値よりロスを算定 Register metering 中圧 低圧領域において計測されないロスを 数理モデルにより予測 主要 14 カ国の送電ロス量 (%) を TSO と DSO に分けて例示 TSO と DSO に含まれる電圧階級と 送電ロスの計算方法は 国によって異なる 第 2 次エネルギーパッケージ (Directive 2003/54/EC) に沿って 下記 2つの方法を定義 調達価格は規制機関の承認が必要 Option A TSO DSO が 卸市場 相対 入札のいずれか 又は複数の組合せで調達 Option B 発電事業者が調達なお 送電ロスにより発生するインバランスは 他の需給インバランス等と同様に扱われる TSO DSO が送電ロスの調達を行う多くの国では 送電ロスのための特別なタリフが存在しないため 送電ロスの調達コストは 系統利用料金に含まれるべき 各国の送電ロスの規制 インセンティブの方法を分析し 下記のように大別 送電ロスに係る費用は 他のコストと同様の扱いを受ける 系統利用料金に含めていい送電ロス率 (%) の上限が制限 送電ロスがリファレンス値を下回るとインセンティブを受領 ( 上回るとペナルティ課金 ) *1:ERGEG Treatment of Losses by Network Operators, E08-ENM

73 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) ERGEG は 送配電系統運用者を含む 20 社のパブリックコメントをまとめて 2009 年 2 月に発行したポジションペーパーにおいて 欧州における送電ロスの取扱いについて結論付けた 送電ロスに関する欧州の見解 (3/4) ERGEG のポジションペーパー :2 Treatment of Electricity Losses by Network Operators* 1 (1/2) 13 個の質問に対する 20 社のパブリックコメントをまとめて 送電ロスの取扱いについて下記の通り結論付けた No. 送電ロスに関する項目 1 送電ロスの定義 2 評価方法 3 送電ロス量 4 調達方法 質問 Q1. 送電ロスの定義として認められるものは? Q2. 送電ロスはテクニカルロスのみを考慮すべきか? それともノンテクニカルロスも含むべきか? Q3. 送電ロスを定義する際 主な要因は何か? Q4. 配電系統において 送電ロスの評価方法 (Register metering) を改善する方法は? Q5. 送電系統 配電系統それぞれにおいて 合理的かつ許容できる送電ロスのレベルはどの程度か? Q6. どの種類の送電ロスが 最も容易に削減可能か? Q7. 送電ロス補填電力は 誰が調達すべきか? 結論 系統システムへの注入量と引出量の差 ( メーター計測値又は推計値 ) で 注入量又は引出量に対する % 値で表示される 現状 ヨーロッパでは統一された定義は存在せず 計測のタイミング 盗電等により差異が生じる テクニカルロスは明確な物理的ロスであり ノンテクニカルロスについては定義が不明確 発電所から需要地へ到達するまでに ロスがどこでどうやって発生するかは 全体で見ると重要な問題ではないため 両者を区別する必要はない また 両者の区別は困難であり かつ 費用がかかる 上位区分 : テクニカルロス or ノンテクニカルロス中位区分 : 送電系統 or 配電系統下位区分 : 固定ロス ( 送電量に依存しない ) or 変動ロス ( 送電量に依存 ) スマートメーターによる計測地点を増加させ 費用対効果の分析等へ反映させること しかし スマートメーターへの莫大な投資については まず その経済性評価と 仕様 設計の定義の明確化が必要 1 国内でさえ地域により差異があるため 欧州全体でロスの許容範囲を統一することは困難である ロスの許容範囲は ロスの要因となる政治 環境 技術的な要素によって異なる テクニカルロス : 距離に起因するロスが削減し易い 削減手段としては 送電容量の増加や 発電所の立地を需要地に近づける等が挙げられる ノンテクニカルロス : 盗電 未計測 計測エラーが削減し易い TSO DSO と 発電事業者のどちらかが調達すべき いずれにしても 中立性 透明性のある市場メカニズムを通じて調達するべきとの意見が多かった *1:ERGEG Treatment of Losses by Network Operators, E08-ENM-04-03c

74 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 前ページからの続き 送電ロスに関する欧州の見解 (4/4) ERGEG のポジションペーパー :2 Treatment of Electricity Losses by Network Operators* 1 (2/2) No. 送電ロスに関する項目 4 調達方法 質問 Q8. 送電ロス補填電力は 市場においてどのように調達されるべきか? また どのようなソリューションが最も効率的か? Q9. 送電ロス補填電力の調達には 特別な価格設定が必要か? 5 料金表と規制 規制 インセンティブの仕組み Q10. インセンティブのメリット デメリットは? Q11. インセンティブ規制を評価する際に考慮すべき要素は? Q12. テクニカルロスとノンテクニカルロスを区別して それぞれにインセンティブの仕組みをつくることにメリットはあるか? Q13. 送電系統と配電系統を分けて それぞれにインセンティブの仕組みをつくることにメリットはあるか? *1:ERGEG Treatment of Losses by Network Operators, E08-ENM-04-03c 2009 結論 重要なのは中立性 透明性のある市場メカニズムを通して調達すること 一部の回答者は 規制機関の監視の下での入札による調達も中立性 透明性のある市場取引として含まれるべきだとした 下記理由により 送電ロスを調達するための特別な価格設定はしない方がよい とする回答者が多数であった 発電事業者がロスの調達に責任を持つ場合は 発電コストに含むべき TSO DSO がロスの調達に責任を持つ場合は 送配電料金に含むべき メリット : 中長期的に ロス改善のための設備投資を促す デメリット : 国や地域でロス率が違うため 改善に係る投資の費用対効果が明確でない また 気候等の外部変動要因も大きいため 規制に対応しづらい 1) 規制の対象となるロス改善の責務を負う者が ロス改善のための手段を有していること 2) 目標値が段階的に実現可能な設定であることと データ収集等に係る労力が最小化されていること 3) ロス改善の実施者と顧客が請け負う リスク 報酬のバランスが取れていること ロスの範囲と ロス低減のためのコストドライバーが異なるため 理論上は区別して仕組みをつくることが望ましいが 現実的には困難である 仮に区別した場合 部分最適化に直面するリスクがある 特に ノンテクニカルロスは国毎の発生条件が違うため 統一は困難である また DSO にとって それらロスを区別することのコスト優位性が感じられない 送電系統ではノンテクニカルロスはほとんど発生しないため インセンティブの仕組みを分けた方がよい 一方 計算のメカニズムを同じにして 使用するパラメーターを状況に応じて使い分けるのがよいとの意見もあった 74

75 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) ITC ファンドは 国際電力融通を充実させ ヨーロッパの電力市場の統一を促進させる目的で設立され ENTSO-E が運用管理を行っている ITC ファンドの支出の半分強を送電ロス補填電力費用が占める 欧州の国際電力融通のための ITC ファンド ITC ファンド ITC ファンドは 2011 年 3 月に EU No. 838/2010 に従って 計 34 社の加盟 TSO の合意の下で ENTSO-E によって設立された 国際電力融通を充実させ ヨーロッパの電力市場統一を促進させるのが目的である 加盟 TSO からの献金及び非加盟 TSO より集金した費用を 国際電力融通により発生する送電ロス補填と設備増強費への補助金として活用する ( 下左図参照 ) 2014 年の実績としては 加盟 TSO より 213 百万 の献金と 非加盟 TSO より 16 百万 の計 229 百万 を集金している 一方 送電ロス補填には 129 百万 設備増強費には 100 百万 を支出している ENTSO-E が ITC 全体を運用管理し ロス算出と計算結果を毎年 9 月にウェブサイトに公開している ( 下右図参照 ) -ITC ファンドに関する資金の流れ (2014 年実績 )* 1 - -ENTSO-E が公表している国際電力融通による送電ロスの計算結果 * 2 - 非加盟 TSO 集金 16 百万 100 百万 支出 設備増強費 ( 単位 :MWh) 2015 年 Q1 Q2 Q3 Q4 スウェーデン 96,535 44,162 68, ,594 ノルウェー 74,453 30,650 10,041 7,403 加盟 TSO 213 百万 ITC ファンド 229 百万 129 百万 送電ロス補填 ドイツ 188,134 64,200 39,553 78,795 フランス 41,029 40,201 14,695 40,750 英国 -22,764-4,603 6,614-12,748 *1:ACER ITC monitoring report 2015 *2:ENTSO-E ITC transit losses data report

76 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 国際電力融通による送電ロスの算出方法は EU No. 838/2010 に従って ENTSO-E が定めている 欧州の国際電力融通における送電ロスの算出方法 ITC メカニズムによる 国際電力融通における送電ロスの算出方法 * 1 ITC メカニズムを運用管理している ENTSO-E が EU No. 838/2010 に従って 国際電力融通による送電ロスを計算している 下記 1 と 2 の送電ロスの差分が 国際電力融通による送電ロス量となる 1 実測値 国際電力融通により 一定期間に実際に発生した送電ロス量 ( 下左図参照 ) 2 推計値 国際電力融通がなかった場合の 一定期間に発生することが予想される送電ロス量 ( 下右図参照 ) ITC メカニズムの参加 TSO に対して 1 ヶ月に 6 個の電力量の実測値 (3 番目の水曜日とその前の日曜日それぞれについて 時刻 3:30 11:30 19:30 の実測値 ) を基に 加重平均を用いて 1 ヶ月毎の送電ロス量を算出している 1 実測値 2 推計値 L A 国 B 国 L L A 国 B 国 L 電気の流れ 電気の流れ L L L L 76 *1:ENTSO-E ITC transit losses data report 2016 図はトーマツ作成

77 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) フランスでは エネルギー法 L にて透明 公平な市場での送電ロスの調達が規定された 送電会社 RTE は ロス全体の 6~7 割を占める固定分を 長期市場にて事前に調達している 送電ロス填補電力の調達 ( フランス ) 規定の歴史 2005 年 7 月 エネルギー法 (Article L321-11) において 透明 公平な市場での送電ロスの調達が規定された 送電ロスの調達実績 * 2 フランスの送電会社は1 社 (RTE) のみであり RTEの送電ロス調達量とロス率は 下記の通りとなっている 年 総延長 :104,557km 送電ロス量 :11.23TWh 送電ロス率 :2.15% 送電線の総延長は年々長くなっているものの 年 総延長 :104,908km 送電ロス量 :10.43TWh 送電ロス率 :2.05% 送電ロス量及び送電ロス率は 年々減少している 年 総延長 :105,023km 送電ロス量 :10.28TWh 送電ロス率 :2.01% 送電ロスの調達コストは 2015 年時点で 466 million であり RTE の全収入 4,593 million の約 10% を占める 送電ロスの調達方法 * 1 RTE では 長期市場と短期市場にて 下記のように調達している 送電ロス (MW) 変動分 +α 短期 (1 日前 当日 ) 卸市場 (EPEX) にて 予測手法を使用しながら調達している 長期 固定分 送電ロス全体の 6~7 割については 事前に予測可能なため 卸市場 (EEX) の先物市場 相対取引 (OTC) 入札等にて調達している 月 *1:RTE( フランス ) の担当者へのヒアリング *2:RTE Management report consolidated financial statements

78 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 送電事業者 RTE は 統計解析を取り入れた予測手法により 24 時間分の送電ロスの予測値を遅くとも 2 日前までに公表している これにより 送電ロスを効率的に調達している 送電ロスの予測方法 ( フランス ) -RTE の事例 * 1 - 予測値の公表 1 日分の予測値 ( 右図参照 ): 24 時間分の予測値を 遅くとも 2 日前までに公表している 1 週間分の予測値 : 毎週木曜日に 次の土曜日からその次の金曜日までの 1 週間分の予測値を公表する - 送電ロスの 1 日分の予測値 * 1 - 予測方法 フランスでは 気温が下がると消費量が増え それに伴って送電ロス量も増大する また 休止期間やメンテナンスも 発電所の発電計画や送電経路に影響を与えるため 送電ロス量に影響する 送電ロスの予測は 移動平均や一次回帰等の統計手法を使って 下記 1~3 の順番で行われる 1 1 日 24 時間分のロス分布曲線の作成 2 対象日の 1 日の送電ロス量を 1 の分布に応じて配分 3 1 日 24 時間毎の送電ロス予測量を算定 予測方法の評価 現状の予測方法は 送電ロスの適切な調達という目的を満たすのに 十分なレベルである 今後は 気温予測や電力消費パターン分析等の要素を取り入れることを検討している *1:RTE ウェブサイト 78

79 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) ドイツでは EU 指令を受け エネルギー事業法 (EnWG) とグリッドアクセス規制 (Strom NZV) により 透明性が高く公平な市場を通して送電ロスを調達することを規定した 送電ロス補填電力の調達に関する規定の歴史 ( ドイツ ) ドイツでの送電ロス補填電力の調達方法に関する規定の歴史は 下記の通り 時期法律名内容 2005 年 7 月 エネルギー事業法 (EnWG) 22(1) 系統運用者が 透明性が高く公平な市場を通して 送電ロスを調達すること 2005 年 7 月 グリッドアクセス規制 (Strom NZV) 10(1) 系統運用者が 透明性が高く公平な市場を通して 送電ロスを調達すること 送電ロスは 大きな障壁がない限りにおいて 入札により調達すること ただし 顧客数 10 万人未満の DSO はこの限りではない 2008 年 10 月 BNetzA の行政手続き BK ( ドイツでの調達方法のガイドライン ) 1 2 他 系統運用者 (TSO と 顧客数 10 万人以上の DSO) は 送電ロスを入札により調達すること 系統運用者が調達する送電ロスは 長期と短期に分類される 長期と短期のロスの調達共に 入札での調達を原則として 卸市場取引も認められている 系統運用者は 取引量 取引方法 契約の内容について 遅くとも 3 週間前までに公表する必要がある 1 ロットあたりの取引量は 50,000MWh を超えないこと 79

80 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) ドイツでは 送電ロスの補填電力を 長期と短期に分けて調達している 長期市場にて送電ロスのベース部分を確実に調達した後に バランシング費用を低減するように 短期市場にて変動分を調整しながら調達している 送電ロス補填電力の調達方法 ( ドイツ ) ドイツでの送電ロス補填電力の調達方法 長期市場と短期市場があり それぞれ 下記のように調達している 長期 * 1 短期 (1 日前 当日 )* 2 目的 送電ロスのベース部分を確実に調達する 目的 変動分を調整し バランシング費用を低減する 内容 入札と 卸市場での先物取引によって調達する 両者の割合は 各 TSO の方針次第 入札の場合は 落札者の契約履行リスクがあり 卸市場での先物取引の場合は 市場の流動性リスクがある 内容 全量卸市場 (EPEX) にて 予測手法を使用しながら調達している EPEX スポット市場で 1 日前からゲートクローズ時刻 ( 受渡 30 分前 ) まで 15 分と 60 分の商品を調達できる -TSO の長期市場での調達比率 * 2 - -TSO の短期市場での調達比率 * 2 - 事例 TSO 入札 調達比率卸市場 (EEX) Amprion 100% 0% TransnetBW 50% 50% TenneT 100% 0% 事例 TSO Amprion TransnetBW TenneT 調達比率 入札 卸市場 (EPEX) 0% 100% 50Hertz 0% 100% 50Hertz *1:TransnetBW( ドイツ ) の担当者へのヒアリング *2:TransnetBW TenneT 50Hertz( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 80

81 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 長期の送電ロスは入札と卸市場で調達され その比率は 各社のリスクヘッジ方針による * 1 Amprion の場合 長期の送電ロスを全量入札で調達している 送電ロス填補電力の調達方法 ( ドイツ ) -Amprion の事例 (1/2)- 長期市場での送電ロスについて 下記の要領にて調達している * 2 長期 商品 参加要件 全量入札により調達し 商品としては Base Year Peak Year Base Quarter Peak Quarter がある 取引きする商品のロット数 取引量 商品の種類に関する情報は 入札の少なくとも 3 週間前に Amprion が公表する 商品の取引は インターネットプラットフォーム上で行われる 参加要件として Amprion 管轄内のバランシンググループ又はそのサブグループであることと規定されている 上記の参加要件に該当しない参加希望者が参加登録を行う場合は バランシンググループが当該参加希望者に対して送電ロス調達の責務を果たす旨を記載した文書を TSO に提出しなければならない 入札の参加者登録は インターネットプラットフォーム上で行う - 長期市場での入札結果 (2018 年分を 2016 年に調達 )- 入札日商品ロット数 *1:TransnetBW( ドイツ ) の担当者へのヒアリング *2:Amprion ウェブサイトの情報を基に トーマツ作成 調達単位 [MW/ ロット ] 調達量 [MWh/ ロット ] 平均価格 [ /MWh] 最大価格 [ /MWh] Base-Year Base-Q Base-Year Base-Q Base-Year Base-Q

82 調達2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 短期市場では まず 1 日前市場において 長期市場にて調達したロスと予測ロスの差分を調達する 次に 当日市場において 今までに調達したロスと取引直前時刻の実測ロスとの差分を調達し 取引時刻の実測ロスに近づけていく 送電ロス填補電力の調達方法 ( ドイツ ) -Amprion の事例 (2/2)- 送電ロスの短期の調達方法について 下記に示す * 1 長期 短期 (1 日前 当日 ) 全量卸市場 (EPEX スポット市場 ) にて調達する 1 日前市場と当日市場の 2 段階に分けて 予測手法を使用して調達している ( 下記参照 ) (MW) 1 日前当日 2 差分を 1 日前市場で調達 予測ロス3 差分を当日市場で調達 実測ロス対象日対象時刻 4 調整力 予備力にてバランシング 1 長期市場で調達 T-1 T 時刻 - 予測ロス (1 日前 ) と実測ロス ( 当日 取引時刻 T) の公表 - 1 日前 当日 取引時刻 T 予測ロス [MW] 更新時刻 実測ロス [MW] 更新時刻 :30-08: : : :45-09: : : :00-09: : : :15-09: : :40 時刻 実測ロ取引ス取引直前時刻 *1:Amprion ウェブサイトの情報を基に トーマツ作成 82

83 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 送電ロスの調達価格は 2009 年の約 8 ct/kwh をピークにその後低下傾向にあり 2015 年は約 3.5 ct/kwh となった 送電ロス量は 各社 2010 年以降増加傾向にあり 特に 2015 年の伸びが大きい ( 考察は次ページ参照 ) 送電ロス填補電力の調達実績 ( ドイツ ) 送電ロスの調達実績 * 1 ドイツの TSO4 社は グリッドアクセス規制 (Strom NZV 17) と電力ネットワーク料金規制 (Strom NEV 10) に従って 送電ロス量と調達価格を公表している 83 ロス (GWh) 送電ロス量価格価格 ( ct/kwh) ロス (GWh) 送電ロス量価格 3, ,000 Amprion* 1 9 TransnetBW* 1 2, ,500 7 次ページにて詳細分析を実施 2,000 2, , ,500 1, , ロス (GWh) 送電ロス量 価格 価格 ( ct/kwh) ロス (GWh) 送電ロス量 価格 3, ,000 2,500 TenneT* Hertz* 1 8 2,500 2, ,000 1, ,500 1, , *1: 各社ウェブサイトの送電ロスに関する情報を基に トーマツ作成 価格 ( ct/kwh) 価格 ( ct/kwh)

84 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) ドイツでは 電力需要量が低下しているにも関わらず 北部での風力発電所建設による送電距離の延伸と 隣国とのループフローやトランジットフローの増加等により 送電ロス量は増加している 送電ロス填補電力の調達実績 ( ドイツ ) TransnetBW の送電ロスの調達実績 (GWh) 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 電力需要量 * 年の電力需要量は 2011 年に比べて 12% 低下した 電力需要量 1 12% 低下 送電ロス量 (GWh) 1, 送電ロス量と送電ロス率 * 年の送電ロス量は 2011 年に比べて 13% 増加した 送電ロス量 送電ロス率注 ) 2 13% 増加 送電ロス率 1.5% 1.0% 0.5% % 注 ) 送電ロス率 = 送電ロス量 ( 送電ロス量 + 電力需要量 ) 電力需要量が低下している (1) にも関わらず 送電ロス量が増加している (2) 理由 * 2 1. 北部の風力発電所の増加により 発電所と需要地間の送電距離が長くなったため 2. 隣国との国際連系線を通じた ループフローやトランジットフロー等の 計画外潮流が増えたため *1:TransnetBW ウェブサイトの情報を基に トーマツ作成 *2:TransnetBW( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 84

85 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) ノルウェーでは 送電ロスを卸市場 ( ノルドプール ) にて調達しており その調達価格は ノルウェーの 5 エリアにおけるスポット市場のエリア価格を基に算定されている 送電ロス填補電力の調達 ( ノルウェー ) 規定の歴史 1999 年 3 月 Energy Act が改訂され REG. no. 301 の Section 5-3 にて 送電ロスの計算方法が規定された 送電ロスの調達実績 * 1 ノルウェーの送電会社 Statnettの送電ロス調達量は 2015 年時点で2,513GWhであり 全電力需要量 128TWhの約 2% を占める 1MWhあたりの調達単価は 平均 185NOK/MWhであった 送電ロスの調達コストは 2015 年時点で466 million NOKであり Statnettの全収入 5,906 million NOKの約 8% を占める 送電ロスの調達方法 * 2 Statnett は 卸市場にて 送電ロスを外部から調達している その調達単価 (Ploss) は 下記に示す通り ノルドプールの卸市場 ( スポット市場 ) におけるエリア価格を基に計算される Ploss = P_NO1 * wt1 + P_NO2 * wt2 + P_NO3 * wt3 + P_NO4 * wt4 + P_NO5 * wt5 ノルウェーのスポット市場のエリア毎 (NO1~NO5) のエリア価格に重率をかけて求める P_NO1~P_NO5: ノルドプールの卸市場 ( スポット市場 ) におけるエリア NO1~NO5 のエリア価格 wt1~wt5: 月毎の電力需要量を基に計算されたエリア NO1~NO5 の重率 *1:Statnett の Annual report 2015 *2:Nord REG Economic regulation of TSOs in the Nordic countries

86 2.5 送電ロス補填電力の安価な調達方法 1-5) 全体の傾向として 送電系統のロスは正確に計測可能だが 配電系統のロスは ノンテクニカルロスの影響もあり 正確な計測が困難となる 送電ロス ( 電力量 ) の計測 フランス * 1 送電系統と配電系統毎に また 電圧毎 (VHV HV MV LV) に送電ロスが計算され 次の料金計算期間に適用される (2005 年に計算された送電ロスが 年に使われる ) 公共の電灯 盗電 家庭内の消費分等も 送電ロスに含める ドイツ * 2 (TSO) 2012 年時点で TSO(4 社 ) の送電線の総延長距離は EHVが34,780km HVが61kmである 電力の計測点は合計 649 地点で 内 509 地点 (78%) は需要家の計測点である (DSO) 2012 年時点で DSO( 回答に応じた約 800 社 ) の送電線の総延長距離は 1,753,290kmである 電力の計測点は 全てのネットワークレベルにおいて 合計 48,769,032 地点あり 内 45,722,788 地点 (94%) が家庭用の計測点である ノルウェー * 1 (TSO) 送電ロスは 1 時間毎に かつ 異なるネットワーク 電圧レベルの接続地点毎に計測されているため 正確である (DSO) 家庭では 電力の検針を各家庭の報告に任せているため 送電ロスは正確に計測されていない *1:ERGEG Treatment of Losses by Network Operators, E08-ENM *2:BNetzA Monitoring report

87 3. 調査 2: 送配電事業者の行為規制 87

88 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 88

89 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) EU 指令により 送電会社の機関設計に関して 送配電部門の分離 就任制限 人事 の規制が制定されている 一方で 配電会社に対しては 就任制限 に関する規定は無い 送配電会社の機関設計に関する規定 ( 欧州全体 ) EU 指令による規定の経緯 1) 第 1 次エネルギーパッケージ (1996 年 12 月 ) により 送配電部門の会計分離が求められた 2) 第 2 次エネルギーパッケージ (2003 年 6 月 ) により 送配電部門の最低限の法的分離 ( 別法人化だが 詳細な就任規則等は含まない ) が求められた 3) 第 3 次エネルギーパッケージ (2009 年 7 月 ) により 送電部門の中立性 独立性を厳格に義務付けるため 所有権分離 (FOU) 機能分離 (ISO) 又は厳格な法的分離 (ITO) が求められた 送配電会社の機関設計に関する EU 指令の内容 送電会社 配電会社 送配電部門の分離 就任制限 人事 垂直統合型事業者 (VIEC) から 送電部門の所有権分離 (FOU) 機能分離 (ISO) 又は厳格な法的分離 (ITO) を実施すること 垂直統合型事業者 (VIEC) は 送電事業の支配や 何らかの影響力を行使してはならない 役員会 執行委員会や監査役会の構成員は 就任前 3 年間 退任後 4 年間について 垂直統合型事業者 (VIEC) と職位 職責関係を有することができない 役員会の構成員の指名や待遇の決定は 監査役会が行う 但し 規制機関から反対が無いことが条件となる 役員会の過半数は 就任前の 3 年間に 送電部門以外の垂直統合型事業者 (VIEC) と利害関係を持ってはならない 発電会社の経営に大きな影響を与える者 ( 発電会社の役員会での議決権を有している者や 発電会社の株式を過半数所有している者等 ) は 役員会 監査役会等の構成員になることはできない 垂直統合型事業者 (VIEC) から 配電部門の法的分離 ( ITO) がなされなくてはならない 配電部門が垂直統合型事業者 (VIEC) の一部である場合 その法人格 組織及び意思決定について 配電以外の活動と関わりがあってはならない 配電事業の管理責任者は 垂直統合型事業者 (VIEC) の発電及び送電の責任者になってはならない 発電会社の経営に大きな影響を与える者 ( 発電会社の役員会での議決権を有している者や 発電会社の株式を過半数所有している者等 ) は 役員会 監査役会等の構成員になることはできない 89

90 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) フランスの送電会社は 役員会 執行委員会 監査役会 で構成される 役員会 は送電網の整備計画に関する議決権を有し 監査役会 はそれ以外の事項に関する議決権を有する 送電会社の機関設計に関する状況 ( フランス ) 規制機関による規制 1) 独立性の審議 証明 監視は CRE によって実施されている * 1 2) 役員会 監査役会は株主である発電会社 (EDF) から独立することが求められており CRE が両者の独立性の審議 証明 監視を行っている * 1 3) エネルギー法による決議事項の分担 役員会 日常業務や送電網の整備 長期の送電網計画に関する議決権を持つ 監査役会 送電網の計画以外の事項 ( 予算 負債 配当金等 ) に関する議決権を持つ 送電会社の状況 機関設計 4) 役員会 執行委員会 監査役会で構成される 人数構成 5) 役員会は 5 名で構成され 監査役会より任命される * 2 6) 執行委員会は 送電網の開発 維持 展開 法務等を担当する責任者の 8 名で構成される * 2 7) 監査役会は 計 14 名 ( 独立組織の代表者 4 名 RTE 従業員代表者 4 名 株主 (EDF) 代表者 4 名 政府代表者 1 名 事務局長 1 名 ) で構成される 各団体から選出される構成員は 監査役会全体に占める割合の 49% 以下の人数でなくてはならない * 3 - 送電会社の機関設計 - (RTE の例 ) 発電会社 EDF 送電会社 RTE 役員会 4) 5) 執行委員会 4) 6) エネルギー規制委員会 (CRE) 監査役会 4) 7) 1) 2) 90 *1:CRE Respect des codes de bonne conduite et indépendance des gestionnaires de réseaux d électricité et de gaz naturel *2:RTE Rapport du président du condeil de surveillance 2015 *3:RTE( フランス ) の担当者へのヒアリング 人事部門 法務部門総務部門

91 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) フランスの配電会社は 役員会 監査役会 で構成され その人数構成は送電会社と同等の規制が行われている 一方で 親会社への利益貢献のために EDF が 監査役会 で多数派となることが認められている 配電会社の機関設計に関する状況 ( フランス ) 規制機関による規制 1) 独立性の審議 証明 監視は CRE によって実施されている * 1 - 配電会社の機関設計 - (Enedis の例 ) 配電会社の状況 機関設計 2) 役員会 監査役会で構成される 人数構成 3) 役員会は 5 名で構成され 監査役会より任命される * 2 4) 監査役会は 計 15 名 ( 監査役会長 1 名 株主 (EDF) 代表者 7 名 Enedis 代表 5 名 政府代表 1 名 外部代表者 1 名 ) で構成される 5) エネルギー法では Enedis の株主 (EDF) からの独立を求める一方で EDF の利益への貢献を認めている そのため 配電事業に関する決定を行う監査役会の多数派が EDF の代表者で占められることを認めている 発電会社 EDF 配電会社 Enedis 役員会 エネルギー規制委員会 (CRE) 1) 監査役会 2) 3) 2) 4) 人事部門 法務部門総務部門 91 *1:CRE Respect des codes de bonne conduite et indépendance des gestionnaires de réseaux d électricité et de gaz naturel *2:Enedis Statuts 2016

92 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) ドイツの送電会社は 執行委員会 監査役会 で構成され 人数構成についても厳しい規制が定められている 一方 配電会社 ( 約 900 社 ) は 地方自治体の監視下にある 送配電会社の機関設計に関する状況 ( ドイツ ) 規制機関による規制 1) 独立性の審議 証明 監視は BNetzA によって実施されている * 1 2) 監査役会 業務執行者は株主である発電会社から独立することが求められており BNetzA が両者の独立性の審議 証明 監視を行っている * 1 3) エネルギー事業法による決議事項の分担 執行委員会 日常業務や送電網の整備 長期の送電網計画に関する議決権を持つ 監査役会 送電網の計画以外の事項 ( 予算 負債 配当金等 ) に関する議決権を持つ 送電会社の状況 - 送電会社の機関設計 - (TransnetBW の例 ) 発電会社 EnBW ドイツ連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) 1) 2) 機関設計 4) 執行委員会 監査役会で構成される 人数構成 5) 監査役会の役員の任命には 50%+1 ルールがあり 全役員数の 50%+1 名は 発電会社から任命される * 1 例 ) 役員総数が 9 名 ( 発電会社から 5 名 外部独立組織から 4 名が任命 ) 6) 役員総数に関する規制は存在しない * 1 送電会社 TransnetBW 執行委員会 (CEO CFO CTO) 4) 監査役会 4) 5) 配電会社の状況 7) 配電会社 ( 約 900 社 ) は 地方自治体の監視下にある * 1 人事部門 法務部門総務部門 *1:BNetzA( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 92

93 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) フランスでは 送電会社と配電会社は アンバンドリングの実施状況や発電会社との取引に関して CRE の監視 監督下にある また アンバンドリングに関する報告書は 年次で外部へ公表することにより 透明性を高めている アンバンドリングに関する規制 ( フランス ドイツ ) 93 EU 指令による規制 1) 規制機関は アンバンドリング ( 送配電分離 ) の実施状況の確認のため 以下の監視を行うことを規定している 垂直統合型事業者 (VIEC) と送電事業者のコミュニケーション 契約関係 財務関係の監視 アンバンドリングに関わる各種義務の履行の監視 2) 規制機関は 送配電会社の投資計画 系統の安全性 信頼性の規制の遵守状況について監視 監督を行うことを規定している 規制機関による規制 ( フランス ) 3)CRE は 年次で報告書を発行し 発電会社 送電会社 配電会社の取引内容 アンバンドリングの状況 今後のアクションプランを 外部へ公表している * 1 送配電会社の状況 ( フランス ) 4)RTE は 年次で報告書を発行し 行為規範 独立性の遵守状況について CRE に報告を行っている また EDF との取引内容 残高 推移を 外部へ公表している * 2 5)Enedis は 年次で報告書を発行し 行為規範 独立性の遵守状況について CRE に報告を行っている また EDF との取引を通じた誤認防止のための対策を 外部へ公表している * 3 規制機関による規制 ( ドイツ ) 6)BNetzA は アンバンドリング及び送配電運用者の義務の履行状況のモニタリングを行っている - フランスにおけるアンバンドリングに関する情報公開 - 1) 2) 4) 送電会社 RTE 4) 報告書を外部へ公表 1) 2) 発電会社 EDF エネルギー規制委員会 (CRE) 1) 2) 配電会社 Enedis 5) 5) 報告書を外部へ公表 報告書を 3) 外部へ公表 *1:CRE Respect des codes de bonne conduite et indépendance des gestionnaires de réseaux d électricité et de gaz naturel *2:RTE Respect du code de bonne conduite et Independance de RTE 2015 *3:Enedis, Rapport sur la mise en oeuvre du code de bonne conduite d Electricite Reseau Distribution France 2015

94 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) EU 指令では 経営に携わる役員および経営幹部に対して 原則 就任前 3 年間と退任後 4 年間の就任制限を設けている 一方 一般従業員については 就任前と退任後の就任制限は無いが 就任中の兼業を一切禁止している EU 指令の定める就任制限規定 ( 欧州全体 ) EU 指令における就任制限規定 1) 第 3 次 EU 指令では 1: 役員会 執行委員会の構成員 2: 監査役会の構成員 3:1 の構成員に直接報告する者 4: 一般従業員 という分類にて就任制限を規定している ( 下図参照 ) 2) フランス ドイツでは EU 指令で定める就任制限規定及び規制委員会による監視によって 独立性の確保を規定している 規制機関による規制 ( フランス ) 3)CRE は RTE の監査役会の役員候補者について RTE との金銭的利害や 報酬の RTE 業績からの独立性について 事前に確認する * 1 4)CRE は RTE の監査役会の役員候補者の独立性を確認するが 能力等の審査 その不足による候補者の拒否は 原則行わない * 2 5)CRE は RTE 社員の独立性について 5 名の取締役及び 3 名の送電網の開発 維持 展開の担当者については 個人毎に確認しているが 一般従業員は監査 RTE 提供の情報や報道を通して 監視している * 2 6)CRE は RTE から遅くとも 3 週間前には 取締役会の任命の通知を受け EU 指令の就任制限規定を満たしていることの監視を行っている * 1 1 役員会 執行委員会の構成員 -EU 指令における就任制限規定 - 過半数半数未満 就任前 3 年間 6 か月 就任中 退任後 2 監査役会の構成員 3 1 の構成員に直接報告する者 3 年間 兼業禁止 4 年間 4 一般従業員 規定なし 規定なし *1:Journal officiel de la république francaise Délibération du 26 janvier 2012 portant décision de certification de la société RTE *2:CRE( フランス ) の担当者へのヒアリング 94

95 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) フランスでは EU 指令に基づき 送配電会社へのコンプライアンス オフィサーの配置や報告書の作成など コンプライアンスに関する規制を制定している コンプライアンスに関する対応 ( フランス ) 95 EU 指令による規制 1) 送配電会社による差別的行為を排除するため 送配電会社は自ら コンプライアンス プログラム を策定し 実施することを規定している 2) 送配電会社の法令遵守担当者は その実施を監視し 年次で報告書を作成し 規制機関へ提出することと規定している 規制機関による規制 3)CRE は RTE Enedis に対して コンプライアンスの状況の確認 承認 勧告を行っている * 1 4)CRE は 年次でコンプライアンス報告書を発行し RTE Enedis の EDF からの分離状況について 外部へ公表している * 1 送配電会社の状況 5)RTE Enedis は 法令遵守の責任者であり CRE によって 独立性及び専門能力が検証された コンプライアンス オフィサーを配置している * 2 6) コンプライアンス オフィサーは 毎年 コンプライアンス報告書や活動プログラムの作成を行い 場合によっては 役員会への改善勧告や CRE への改善計画の提出を行う * 2 7) コンプライアンスに関するアニュアルレポートは 5 原則 ( 公平性 透明性 客観性 機密情報保護 独立性 ) で構成され CRE の改善要求 勧告に応える活動計画 ( 例 : 送配電網の改善等 ) も含んでいる * 2 *1:CRE Respect des codes de bonne conduite et indépendance des gestionnaires de réseaux d électricité et de gaz naturel *2:CRE( フランス ) の担当者へのヒアリング - フランスにおけるコンプライアンスプログラムの仕組み - 3) 2) 6) 送電会社 RTE コンプライアンス オフィサーを配置 1) 2) 発電会社 EDF エネルギー規制委員会 (CRE) 3) 配電会社 Enedis 2) 6) コンプライアンス オフィサーを配置 5) 5) 報告書を 4) 外部へ公表

96 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) ドイツでは EU 指令に基づき 送電会社へのコンプライアンス オフィサーの配置や報告書の作成等 コンプライアンスに関する規制を制定している コンプライアンスに関する対応 ( ドイツ ) EU 指令による規制 ( フランスと同じ内容の再掲 ) 1) 送配電会社による差別的行為を排除するため 送配電会社は自ら コンプライアンス プログラム を策定し 実施することを規定している 2) 送配電会社の法令遵守担当者は その実施を監視し 年次で報告書を作成し 規制機関へ提出することと規定している - ドイツにおけるコンプライアンスプログラムの仕組み - (Amprion の例 ) 規制機関 (BNetzA) による規制 3)BNetzA は 送電会社に対して コンプライアンスの状況の確認 承認 勧告を行っている * 1 1) 2) ドイツ連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) 送電会社の状況 4)Amprion は 年に一度 BNetzA にコンプライアンス報告書を提出している * 2 5) 各送電会社は コンプライアンス報告書を年に 1 度 外部に公表することで 透明性を高めている * 1 発電会社 RWE 3) 2) 4) 6) 各送電会社は 法律専門家であるコンプライアンス オフィサーを社内に配置し 場合によっては外部組織からの助言に基づき コンプライアンス体制の拡充を図っている 外部組織 6) 送電会社 Amprion コンプライアンス オフィサーを配置 5) 報告書を外部に公表 *1:BNetzA( ドイツ ) の担当者へのヒアリング *2:Amprion( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 96

97 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) EU 指令により 発電会社と送電会社の業務委託について 規制が行われている 発電会社と送電会社との業務委託の制限 ( 欧州全体 ) 発電会社と送電会社との業務委託に関する EU 指令の内容 送電会社 発電会社と送電会社の業務委託 ( 禁止事項 ) 垂直統合型事業者 (VIEC) との間で サービスの提供 授受は 以下の場合を除き 禁止される 送電会社が提供するサービスが 同じ条件で全ての送電網の利用者が利用可能で かつ発電 供給の競争を制限 歪曲 妨害しない サービスの提供条件が 規制機関によって承認されている ( 義務事項 ) 垂直統合型事業者 (VIEC) と送電会社の全ての商業的及び財務的関係は 市場の条件を遵守しなければならない また 垂直統合型事業者 (VIEC) との財務的協定を規制機関に提出し その承認を受けなくてはならない 送電会社は 垂直統合型事業者 (VIEC) との商業的及び財務的関係の詳細な記録を保存し 要請に応じて 規制機関に提出しなくてはらない 97

98 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) フランスでは 発電会社と送配電会社間の業務委託に関する契約について 提出された契約リストを基に CRE が監視を行っている 発電会社と送配電会社との業務委託の制限 ( フランス ) 規制機関による規制 1)CRE は 提出された契約リストを確認し 一部契約については RTE Enedis と質疑等を行い 内容の詳細を把握することで EDF と RTE Enedis との契約の監視を行っている * 1 例 )2013 年 7 月から 2014 年 7 月までの 1 年間において RTE は 21 個の EDF との契約を CRE に提出し うち 15 個が承認された 送配電会社の状況 2)RTE と Enedis は CRE からの要求に従い 随時 EDF との契約リストを CRE に提出している * 1 3)EDF から RTE Enedis へのサービス提供は 送配電網の安全上で本当に必要な業務と認められるもの以外 一切禁止されている (EDF が不必要な業務を RTE Enedis に提供することで EDF が利益を得ることを避けるため * 1 ) 4)RTE Enedis から EDF へのサービス提供は サービスが発電や供給におけるの競争を妨害せず また CRE が提供条件を承認している場合のみ 可能である * 1 5)EDF と RTE の商業的関係は 市場の条件に合致していることが求められており 業務委託等の取引は CRE の監視下にある * 2 6)EDF と Enedis の商業的関係は 市場の条件に合致していることが法的に求められていない ただし Enedis が公表している資料の中では EDF との業務委託に関する契約は 市場の条件に合致していることを示している * 3 - フランスにおける業務委託に関する規制の仕組み - 1) 5) 2) 送電会社 RTE 発電会社 EDF 4) 4) 3) 3) エネルギー規制委員会 (CRE) 1) 配電会社 Enedis 2) *1:CRE( フランス ) の担当者へのヒアリング *2:Journal officiel de la république francaise Délibération du 26 janvier 2012 portant décision de certification de la société RTE *3:Enedis Rapport sur la mise en oeuvre du code de bonne conduite d Electricite Reseau Distribution France

99 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) ドイツでは 法的分離を実施した送電会社 (ITO) と 親会社である発電会社との間の業務委託について BNetzA がその契約内容を監視している 発電会社と送電会社との業務委託の制限 ( ドイツ ) 送電会社 (ITO) の状況 1) 法的分離 (ITO) を実施した送電会社 (Amprion TransnetBW) と親会社の商業的関係は 市場の条件に合致していなければならず BNetzA の監視下にある なお 商業的関係を結ぶ際に遵守すべきガイドラインは 存在していない * 1 2) 親会社である発電会社が 法的分離 (ITO) を実施した送電会社 (Amprion TransnetBW) へ業務を委託することは認められていない - ドイツにおける業務委託に関する規制の仕組み - ( 法的分離を実施した送電会社 (ITO) の例 ) ドイツ連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) 送電会社 (FOU) の状況 3) 送電会社間の取引事例として E.ON から所有権分離 (FOU) した TenneT( 独 TenneT) について 親会社であるオランダの送電会社 TenneT( 蘭 TenneT) との間では 相互で送電網整備に関連するサービスを提供している 発電会社 1) 2) 送電会社 *1:BNetzA( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 99

100 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) EU 指令により 送電会社の会議体による決議と設備投資計画の策定について グループ会社や第三者による影響力を防止するために コンプライアンス オフィサーの配置や 規制機関への報告等が行われている グループ会社や第三者による影響力を防ぐ施策 ( 欧州全体 ) グループ会社や第三者による影響力の防止に関する EU 指令の内容 送電会社 会議体による決議への影響力 ( 義務事項 ) 送電会社は 監査役会の決定事項 ( 株主の資産価値に重大な影響を与える可能性のある決定 特に年間 長期財政計画 借入額 株主への配当額の承認など ) を妨げることなく 送電系統を運用 維持 又は開発するために必要な資産の使用において 垂直統合型事業者 (VIEC) から独立した事実上の意思決定権限 ( フランスの役員会 ドイツの執行委員会 ) を持たなくてはならない コンプライアンス オフィサーは 所属する送電会社の経営 管理組織 ( フランスの役員会 ドイツの執行委員会 に該当 ) 監査役会や株主総会の全ての会議に出席することができる コンプライアンス オフィサーは 送電会社の差別的行為の排除を定めた法令遵守計画の実施において 重大な違反があった場合 規制機関へ報告する 設備投資計画の策定への影響力 ( 義務事項 ) 規制機関は 送電会社の投資計画を監視し 欧州共同体広域系統開発計画との整合性について 送電会社の投資計画を評価し 年次報告書に記載する また 評価には 当該投資計画の修正を含むことができる 送電会社の法令遵守担当者は 送電系統における投資計画又は個別の投資に関する決定の提案を 規制機関に提出しなければならない 遅くとも 送電会社の監査役会に提出する時までに提出する必要がある 垂直統合型事業者 (VIEC) が 株主総会において 任命されている監査役会の構成員の投票を通じた採択を妨害し 系統開発 10 カ年計画に基づいた今後 3 年間に実施予定の投資に停止又は遅延をもたらす場合には 送電会社の法令遵守担当者は 規制機関に報告しなければならない 100

101 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) フランスでは 送配電会社の就任制限規定 監査役会の構成員の多様化 CRE による監視等によって 会議体による決議を通じた影響力を防ぐための規制を行っている 会議体による決議を通じた影響力を防ぐ施策 ( フランス ) 送配電会社の状況 1)RTE Enedis は 就任制限規定 監査役会の構成員の多様化 CRE による監視を通して グループ会社や第三者による会議体による決定事項への影響力を防いでいる 2)RTE Enedis は コンプライアンス オフィサーを配置し 内部から監査役会や役員会に対する EDF からの影響力の排除を推進している * 1 3)RTE の内部規程では 予算 財政活動 株式や不動産の売買に関する決議の承認には 監査役会の過半数の承認に加え 株主 (EDF) 代表者の過半数の賛成が必要としている 例 ) 監査役会の構成員が 14 名 ( 株主 (EDF) 代表者が 4 名 ) のため 予算 財政活動 株式や不動産の売買に関する決議の承認には 構成員のうち 8 名以上 かつ株主 (EDF) 代表者のうち 3 名以上 の賛成が必要となる - フランスにおける影響力を防ぐ仕組み - エネルギー規制委員会 (CRE) 発電会社 1) EDF 1) 送電会社 RTE コンプライアンス オフィサーを配置 配電会社 Enedis コンプライアンス オフィサーを配置 2) 2) *1:CRE( フランス ) の担当者へのヒアリング 101

102 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) ドイツにおいてもフランスと同様に 送電会社の就任制限規定 監査役会の構成員の多様化 BNetzA による監視等によって 会議体による決議を通じた影響力を防ぐための規制を行っている 会議体による決議を通じた影響力を防ぐ施策 ( ドイツ ) 送電会社の状況 1) 送電会社は 就任制限規定 監査役会の構成員の多様化 BNetzA による監視を通じて グループ会社や第三者による会議体による決議を通じた影響力を防いでいる 2) 送電会社は コンプライアンス オフィサーを配置し 内部から監査役会や役員会に対するグループ会社からの影響力の排除を推進している 3)TenneT と 50Hertz は 所有権分離 (FOU) を実施しているため 親会社である発電会社からの影響力は存在しないが 両社の経営責任者 ( 執行委員会の構成員 ) は 他の発電会社との兼業は認められていない * 1 - ドイツにおける影響力を防ぐ仕組み - (Amprion の例 ) ドイツ連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) 発電会社 RWE 1) 送電会社 Amprion コンプライアンス オフィサーを配置 2) *1:TenneT( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 102

103 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) フランスでは RTE Enedis は 送配電に関する全ての事業の実施前に CRE へ報告する義務が課されている これに対して CRE は RTE Eneids に対して 必要に応じて勧告をすることができる 設備投資計画の策定等への影響力を防ぐ施策 ( フランス ) 規制機関による規制 1)CRE は RTE が事業の実施前に報告する 送電に関する全ての事業の報告をもとに 必要に応じて RTE に勧告を行っている * 1 2)CRE は Enedis が事業の実施前に報告する 配電に関する事業の報告をもとに 必要に応じて Enedis に勧告を行っている * 1 - フランスにおける設備投資計画の策定等への影響力を防ぐ仕組み - 送電会社の状況 3)RTE は 送電に関する全ての事業について 事業の実施前に CRE に報告する義務がある * 1 4) 株主 (EDF) の代表者を構成員としている RTE の監査役会は 送電系統の開発 10 カ年計画の投資に関する意思決定には参加することができず 同計画は RTE 役員会の決定事項となっている これに反して 監査役会が同計画実施を妨害する決定を行った場合 RTE のコンプライアンス オフィサーは事態を CRE に報告しなくてはならない 配電会社の状況 3) 4) 1) 発電会社 EDF エネルギー規制委員会 (CRE) 5) 2) 5)Enedis は 配電に関する全ての事業について 事業の実施前に CRE に報告する義務がある * 1 6)Enedis の役員会は 監査役会に承認された配電事業計画に基づき 配電事業を行う * 2 7)Enedis の役員会は 日常業務の実施において EDF 代表者が多数派を占める監査役会から介入されない権利がある ただし 監査役会は IT 又は不動産に関する投資について Enedis の内規で定められた額 (2,000 万 ) を超える場合 投資の実施に関する承認を行う * 2 *1:RTE( フランス ) の担当者へのヒアリング *2:Enedis Statuts 2016 送電会社 RTE 役員会 コンプライアンス オフィサーを配置 役員会 配電会社 Enedis 監査役会 6) 7) コンプライアンス オフィサーを配置 103

104 3.1 中立性 公平性の確保に必要な組織上の規制 2-1) ドイツにおいてもフランスと同様に 送配電に関する全ての事業の実施に関して 規制が行われている 設備投資計画の策定等への影響力を防ぐ施策 ( ドイツ ) 規制機関による規制 1)BNetzA は 送電会社が事業の実施前に報告する 送電に関する全ての事業の報告をもとに 必要に応じて送電会社に勧告を行っている 例 )Amprion は 事業活動の内容について 毎年 BNetzA に報告を行っており RTE による送電に関する事業への影響力は存在しないとしている - ドイツにおける設備投資計画の策定等への影響力を防ぐ仕組み - (Amprion の例 ) ドイツ連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) 送電会社 (ITO) の状況 2) 送電会社は 送電に関する全ての事業について 事業の実施前に BNetzA に報告する義務がある 3) 親会社である RWE は Amprion の送電設備建設計画の意思決定プロセスに参加することはできない * 1 4) 親会社である EnBW の代表者を含む TransnetBW の監査役会は 送電系統開発 10 カ年年計画への投資に関する決定に参加することはできず 同計画は TransnetBW 執行委員会の決定事項となっている これに反して 監査役会が同計画実施を妨害する決定を行った場合 TarnsnetBW のコンプライアンス オフィサーは事態を BNetzA に報告しなくてはならない 発電会社 RWE 3) 送電会社 Amprion 2) 1) コンプライアンス オフィサーを配置 *1:Amprion( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 104

105 3.2 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 105

106 3.2 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 2-2) EU 指令により 送電会社に対して 1 グループ内資金調達 2 グループ内取引 ( 資金調達以外 ) 3 第三者との取引 について 規制が行われている 送配電会社の資金調達 取引に関する状況 ( 欧州全体 ) 送電会社の資金調達 取引に関する EU 指令の内容 送電会社 1 グループ内資金調達 ( 禁止事項 ) 垂直統合型事業者 (VIEC) の子会社は 送電会社の株式を保有することはできない ( 義務事項 ) 垂直統合型事業者 (VIEC) と送電会社の全ての商業的及び財務的関係は 市場の条件を遵守しなければならない また 垂直統合型事業者 (VIEC) との財務的協定を規制機関に提出し その承認を受けなくてはならない 送電会社は 商業的及び財務的関係の詳細な記録を保存し 要請に応じて規制機関に提出しなくてはならない 2 グループ内取引 ( 資金調達以外 ) ( 禁止事項 ) 送電会社の垂直統合型事業者 (VIEC) に対するサービスの提供は 以下の場合を除き 禁止される 当該サービスが 同じ条件で全ての送電網の利用者が利用可能で かつ発電 供給の競争を制限 歪曲 妨害しない 当該サービスの提供条件が 規制機関によって承認されている ( 義務事項 ) 垂直統合型事業者 (VIEC) と送電会社間の全ての商業的関係は 市場の条件を遵守しなければならない 3 第三者との取引 ( 禁止事項 ) 送電会社は 株主資産価値に大きな影響を与える監査役会の決定事項 ( 年間及び長期財政計画 送電会社の負債額の程度 株主への配当額の承認に関する決定 ) を妨げることなく 市場から資金を調達しなければならない 106

107 3.2 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 2-2) RTE は 長期資金調達では 独自で社債の発行を行っており 短期資金調達でも グループ内のキャッシュプーリングには参加せず 独自で資金取引を行うことで EDF からの独立性を確保している 送配電会社におけるグループ内資金調達の状況 ( フランス ) 送電会社の状況 長期資金調達 1)2005 年に RTE は EDF の完全子会社となり EDF は送電網への投資資金調達の役割を RTE に移管した 2012 年に CRE は この RTE への投資資金調達の役割の移管は 市場条件に適合していたと判断した * 1 2)RTE は 独立性確保のため 独自に社債を発行しており 徐々に EDF との資金調達関係を解消している RTE の総債務に占める EDF からの長期借入金の割合は 年々減少している * 2 ( 右図参照 ) 短期資金調達 3)RTE は EDF とのキャッシュプーリングを行っていない * 3 4)EU 指令では キャッシュプーリングを禁止していない 一方で RTE は CRE に対して EDF からの独立性を示すため キャッシュプーリングを行わず 独自に資金調達を行っている * 2 配電会社の状況 5)Enedis は EDF とキャッシュプーリングを行っている * 3 *1:Journal officiel de la république francaise Délibération du 26 janvier 2012 portant décision de certification de la société RTE *2:RTE Respect du code de bonne conduite et Independance de RTE 2015 図表はトーマツ作成 *3:EDF Document de reference Rapport fi nancier annuel 2015 百万 9,000 8,000 7,000 6,000 2,000 1, RTE の主な長期債務残高の推移 * 年 年度 RTE の割合 % % % RTE 独自の社債発行や銀行からの長期借入金 EDF からの長期借入金 -EDF の長期債務に占める RTE の割合の推移 - 107

108 3.2 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 2-2) 送電会社が 長期資金 短期資金の両方を 発電会社から調達している点が フランスとの相違点である 送電会社におけるグループ内資金調達の状況 ( ドイツ ) 送電会社の状況 長期資金調達 1)RWE EnBW 及び E.ON は グループ ファイナンスを行っている 具体的には 100% の金融子会社が起債し 資金調達を行う 当該金融子会社からインター カンパニー ローン (IC ローン ) を通じて 発電会社のみならず送電会社にも貸付けが行われる なお 当該金融子会社が発行する社債には 親会社による債務保証が付されている * 1 2) 最適 公平 安価な方法で資金を調達し 送配電料金を安くする目的のため 送電会社が発電会社から資金調達することは可能である * 2 例 )TransnetBW は 2022 年までに 親会社 EnBW から送電設備の増強費用に対する投資 (27 億 ) を受ける予定である ただし 独立性の確保のため 送電設備の計画の中身について EnBW は関与することができない * 3 1) 債務保証 - ドイツにおける長期資金調達の仕組み - ( グループ ファイナンスの例 ) ドイツ連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) 短期資金調達 3)TransnetBW は EnBW とのキャッシュプーリングを行っている * 1 1)IC ローン 発電会社 4)BNetzA は EnBW の TransnetBW に対する金利等の貸付条件を 必要に応じてモニタリングしている * 1 金融子会社 1) 社債 市場 2) 資金調達 送電会社 1)IC ローン *1:KPMG 電力システム改革に係る実務とファイナンスに関する実態調査 報告書 2014 *2:BNetzA( ドイツ ) の担当者へのヒアリング *3:EnBW( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 108

109 3.2 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 2-2) フランスでは 発電会社と送配電会社の企業内取引 ( 資金調達以外 ) が市場の条件に合致しているか CRE が監視している 一方 ドイツでは 発電会社と送電会社間のみ BNetzA が監視している 発電会社と送配電会社におけるグループ内取引 ( 資金調達以外 ) の状況 ( フランス ドイツ ) 規制機関による規制 ( フランス ) 1)RTE と EDF との間で新しく商業的関係を締結する場合 契約ドラフトの締結 2 ヶ月前に CRE に通知 承認を受ける必要がある * 1 2)CRE は EDF と RTE Enedis との取引が 市場の条件に合致しているかについて 入札段階から取引の内容や財務状況を確認している CRE は 市場条件に合致していないと判断した場合 入札の再実施を強制することができる * 2 3)CRE は RTE と Enedis が EDF に取引を提供する際 公平性と透明性が確保されているかについて 監視を行っている * 2 発電会社と送配電会社が行うその他取引の状況 ( フランス ) 4)RTE Enedis から EDF に対して 資金調達以外の取引 ( 業務委託契約 経営指導に関する契約等 ) が行われている * 2 5) 一方で EDF から RTE Enedis に対する その他取引は 送電網の安全上 必要不可欠な取引を除き 禁止されている * 2 - フランスにおける発電会社との取引の状況 内容 - 1) 2) 3) 発電会社 EDF エネルギー規制委員会 (CRE) 2) 3) 規制機関による規制 ( ドイツ ) 6)BNetzA は 発電会社と送電会社間の取引が 市場の条件に合致しているかについて 監視している * 3 4) 5) 5) 4) 送電会社 RTE 配電会社 Enedis *1:RTE Respect du code de bonne conduite et Independance de RTE 2015 *2:CRE( フランス ) の担当者へのヒアリング *3:BNetzA( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 109

110 3.2 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 2-2) フランスでは 発電会社と送配電会社の財務的関係が市場の条件に合致していることが求められており 保証 担保提供は CRE の監視下にある 必要に応じて CRE は監査や勧告を実施することができる 発電 小売部門と行う保証 担保提供に関する規制 ( フランス ) 規制機関による規制 1)CRE は EDF と RTE Enedis 間の財務的関係が 市場の条件に合致していることを求めており 両社間の保証 担保提供の監視を行っている 2)CRE は 必要に応じて 両社間の財務的取決めに対して監査や勧告を実施することができる * 1 - フランスにおける送配電会社の保証 担保提供の状況 - 送配電会社の状況 3)2005 年に RTE は EDF の完全子会社となり EDF は送電網への投資資金調達の役割を RTE に移管した 2012 年に CRE は この RTE への投資資金調達の役割の移管は 市場条件に適合していたと判断した * 2 (107 ページの再掲 ) エネルギー規制委員会 (CRE) 4) エネルギー法は EDF と RTE Enedis 間の保証 担保提供において 両社の財務的取引が市場の条件に合致していることを求めているが 規制は行っていない 1) 2) 発電会社 EDF 1) 2) 保証 担保提供 保証 担保提供 送電会社 RTE 配電会社 Enedis *1:CRE( フランス ) の担当者へのヒアリング *2:Journal officiel de la république francaise Délibération du 26 janvier 2012 portant décision de certification de la société RTE 110

111 3.2 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 2-2) ドイツでは 法的分離 (ITO) を実施した送電会社よる 親会社への保証 担保提供を実施するためには BNetzA との事前協議が必要となっている ただし 送電会社による 親会社への保証 担保提供の実施は 稀少である 発電 小売部門と行う保証 担保提供に関する規制 ( ドイツ ) 送電会社 (ITO) の状況 1) 親会社である発電会社と 発電会社から法的分離 (ITO) を実施した送電会社 (Amprion と TransnetBW) 間の財務的関係は 市場の条件に合致していることが求められており 両社間の保証 担保提供は BNetzA の監視下にある ただし 保証 担保提供に関するガイドラインは存在しない * 1 2) 法的分離 (ITO) を実施した送電会社による親会社への保証や担保提供は極めて稀である 仮に 法的分離 (ITO) を実施した送電会社が親会社へ保証や担保提供を実施する場合は BNetzA との事前協議が必要となっている * 1 3) 親会社である発電会社が 資金調達を行う際 法的分離 (ITO) を実施した送電会社が 親会社に対して連帯保証を提供することは BNetzA による審査が必要となるが 国内法で規制されていない 送電会社 (FOU) の状況 4) 所有権分離 (FOU) を実施した送電会社 (50Hertz TenneT) は 発電会社が親会社に該当しないことより 発電会社と行う保証 担保提供に関する規制は存在しない - ドイツにおける送電会社の保証 担保提供の状況 - ( 法的分離 (ITO) の例 ) 発電会社 保証 担保提供 ドイツ連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) 1) 2) 3) 送電会社 *1:KPMG 電力システム改革に係る実務とファイナンスに関する実態調査 報告書

112 3.2 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 2-2) フランスでは RTE Enedis は第三者と取引を行うことができる 一方で RTE は CRE へ送電に関する年間の事業計画を報告しており CRE は遵守の状況について 監視している 第三者との取引の状況 ( フランス ) 規制機関による規制 1)CRE は RTE Enedis が第三者と行う取引について 特別な規制を設けていない 2)CRE は RTE が報告した年間の事業計画を確認し 遵守の状況について監視を行っている 3)CRE は過去に ERDF( 現 Enedis) に対し 日常業務に関する契約 ( カタログの印刷等 ) について EDF を通して締結するのではなく 自ら選定 締結することを求めた * 1 送電会社の状況 4)RTE は 第三者と取引を行うことができる 5)RTE は EDF から独立し 独自で資金調達することができる 6)RTE は CRE に年間の事業計画を報告している 配電会社の状況 7)Enedis は 第三者と取引を行うことができる 8)Enedis は 日常業務に関する契約 ( カタログの印刷等 ) を第三者と締結している * 1 - 送配電会社と第三者との取引の状況 - 6) 送電会社 RTE 2) 発電会社 EDF エネルギー規制委員会 (CRE) 配電会社 Enedis 4) 5) 7) 8) *1:CRE Respect des codes de bonne conduite et indépendance des gestionnaires de réseaux d électricité et de gaz naturel 第三者 112

113 3.2 中立性 公平性の確保に必要な取引上の規制 2-2) ドイツでは 送電会社は第三者と取引を行うことができる BNetzA は 取引の内容が法律に抵触していないかを監視しており 必要に応じて勧告を行っている 第三者との取引の状況 ( ドイツ ) 規制機関による規制 1) 第三者との取引について 特別な規制は存在しない 2) 送電会社と第三者の取引が 法律に抵触しているかどうかの 監視を行っている * 1 3) 送電会社と第三者との取引のうち 市場の条件と大きく乖離している価格設定がある場合に 送電会社に勧告を行っている 送電会社の状況 4) 送電会社は 送配電料金を安くする目的のため 最適 公平 安価な方法で 第三者からの資金調達を行っている * 1 例 )TransnetBW は 自由に取引先銀行を選定している - 送電会社と第三者との取引の状況 - (TransnetBW の例 ) ドイツ連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) 5) 送電会社は 第三者との間で 資金調達以外の取引を自由に行うことが できる * 2 発電会社 2) 3) EnBW 送電会社 TransnetBW 4) 5) *1:BNetzA( ドイツ ) の担当者へのヒアリング *2:BNetZA EnBW( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 第三者 113

114 3.3 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 114

115 3.3 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 2-3) フランスでは 送電会社と配電会社に対して 発電会社からの法的分離 (ITO) を要求した また 2016 年には 第三者の誤認を避けるために 配電会社 ERDF の社名を Enedis に変更する等 配電会社へのブランド規制も行っている 送配電会社の変遷の規定と歴史 ( フランス ) EU 指令による規定の経緯 1) 第 1 次エネルギーパッケージ (1996 年 12 月 ) により 送配電部門の会計分離が求められた 2) 第 2 次エネルギーパッケージ (2003 年 6 月 ) により 送配電部門の最低限の法的分離 ( 別法人化だが 詳細な就任規則等は含まない ) が求められた 3) 第 3 次エネルギーパッケージ (2009 年 7 月 ) により 送電部門の所有権分離 (FOU) 機能分離 (ISO) 又は厳格な法的分離 (ITO) が求められた 送電会社の変遷の歴史 4)2000 年 7 月 EDF の送電部門が独立し RTE が設立された * 1 5)2005 年 9 月 RTE が EDF の完全子会社となった * 1 - フランスにおける規制と送配電分離 - EU 指令をフランス国内法へ適用し 旧垂直統合会社を分離 1) 2) 3) エネルギー規制委員会 (CRE) 配電会社の変遷の歴史 6)2004 年 8 月 EU 指令がフランス国内法に適用され EDF は社内に独立した配電事業部門を設置した * 2 7)2008 年 1 月 同部門が EDF の完全子会社となり ERDF が設立された * 2 8)2016 年 5 月 ERDF は社名を Enedis に変更した その背景として CRE が 配電会社と発電会社が社会的アイデンティティ コミュニケーション手法とブランド戦略におけるあらゆる誤認を避けることを目的に EDF と ERDF にアクションプランの策定を要求した ことが挙げられる * 3 この際 EDF と類似していたロゴも変更した *1:RTE ウェブサイト *2:Enedis ウェブサイト *3:CRE Respect des codes de bonne conduite et indépendance des gestionnaires de réseaux d électricité et de gaz naturel 送電会社 RTE 4) 5) 発電会社 EDF 7) 配電会社 ERDF 8) 配電会社 Enedis 115

116 3.3 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 2-3) ドイツでは 送電会社に対して 法的分離 (ITO) 又は所有権分離 (FOU) による発電会社からの分離を要求した 一方 配電会社 ( 約 900 社 ) は地方自治体の監視下にあり 送電会社程の規制が制定されていない 送配電会社の変遷の規定と歴史 ( ドイツ ) EU 指令による規定の経緯 ( 前ページと同じ内容の再掲 ) 1) 第 1 次エネルギーパッケージ (1996 年 12 月 ) により 送配電部門の会計分離が求められた 2) 第 2 次エネルギーパッケージ (2003 年 6 月 ) により 送配電部門の法的分離が求められた 3) 第 3 次エネルギーパッケージ (2009 年 7 月 ) により 送電部門の所有権分離 (FOU) 機能分離 (ISO) 又は厳格な法的分離 (ITO) が求められた 送電会社の変遷の歴史 4) 法的分離を実施した 2 社 (Amprion TransnetBW) と所有権分離を実施した 2 社 (TenneT 50Hertz) がある * 1 EU 指令をドイツ国内法へ適用し 旧垂直統合会社を分離 - ドイツにおける規制と送配電分離 - 1) 2) 3) ドイツ連邦ネットワーク規制庁 (BNetzA) 法令上の義務を遵守するよう監視 配電会社の変遷の概要 5) 配電会社については 大手電力会社グループの 4 社を含め 約 900 社近くある * 1 発電会社 RWE 発電会社 EnBW 発電会社 E.ON 発電会社 Vattenfall 6) 配電会社の監視は 連邦ネットワーク規制庁 BNetzA ではなく 各地方自治体が実施している その結果 規制も送電会社程の規制が制定されていない * 1 送電会社 Amprion 送電会社 TransnetBW 送電会社 TenneT 送電会社 50Hertz *1:BNetzA( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 送電会社の変遷と歴史は次ページ参照 116

117 3.3 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 2-3) ドイツでは Amprion と TransnetBW が親会社からの法的分離を実施した 一方 TenneT はオランダの会社 50Hertz はベルギーとオーストリアの会社に買収され 所有権が分離された 送電会社の変遷と歴史 ( ドイツ ) 送電会社の変遷の歴史 法的分離 (ITO) 所有権分離 (FOU) 発電会社 RWE 発電会社 EnBW 発電会社 E.ON 発電会社 Vattenfall ( 分離 ) 2009 年 9 月 RWE から送電部門が分離し Amprion が設立 ( 分離 ) 2012 年 3 月 EnBW の送電部門 EnBW Transportnetze AG が分離し TransnetBW が設立 1 ( 買収 ) 2010 年 2 月 E.ON の子会社 TSG 注 1) を TenneT Holding( オランダ政府が株主 ) が買収 2 ( 社名変更 ) 2010 年 10 月 TSG が TenneT に社名変更 1 ( 社名変更 ) 2010 年 1 月 Vattenfall の子会社 Vattenfall Europe Transmission は 50Hertz 注 2) に社名変更 2 ( 買収 ) 2010 年 5 月 Vattenfall の子会社 50Hertz を ベルギーの送電会社 Elia 注 3) とオーストリアの IFM 注 4) が買収 送電会社 Amprion 送電会社 TransnetBW 送電会社 TenneT 送電会社 50Hertz 注 1)Transpower Stromübertragungs GmbH 注 2)50Hertz Transmission GmbH 注 3)Elia System Operator 注 4)Industry Funds Management インフラファンド 117

118 3.3 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 フランスでは EDF RTE Enedis のそれぞれに対して 広告 宣伝等に関する規制が制定されている ドイツにおける広告 宣伝について ホームページを例に取ると 発電会社と配電会社は類似のデザインの使用が許されるが 送電会社は許されていない 広告 宣伝等の取組み ( フランス ドイツ ) フランスにおける規制 各社の状況 1)EDF RTE Enedis との共同でのマーケティング活動や広告宣伝 共同購買は禁止されている * 1 2)RTE Enedis は EDF とのコミュニケーション規定に署名を行い 各社の役割を明確にすることが求められている * 1 3)EDF RTE Enedis のコーポレートアイデンティティ 企業活動におけるコミュニケーション方法 ブランディング戦略については ステークホルダーに誤認を与えないよう 実施されなくてはならない 具体的には ブランド 商標 ロゴ ホームページは 視覚的に異なる必要がある * 1 なお RTE Enedis が EDF の子会社であることを周知する場合は 必ず EDF から独立した企業であることを明記する必要がある 例 )EDF RTE Enedis のホームページのデザインは 異なる配色や構成のものを使用することで 第三者の誤認を防止している ドイツにおける規制 各社の状況 (EnBW グループの例 ) 4) 送電会社のブランド 商標 ロゴ ホームページは 発電会社と区別する必要がある * 2 ( 下図参照 ) 5) 配電会社は 発電会社と類似した ブランド 商標 ロゴ ホームページの使用が許可されている * 2 ( 下図参照 ) 6)EnBW グループでは TransnetBW 社や NetzeBW 社のように社名に BW を共通して使用しているが BW は州名称であることより 中立性 公平性の確保上 問題とならない * 2 - ドイツの EnBW グループの事例 * 2 - ( ホームページの情報は 2016 年 11 月時点 ) 2-3) 送電会社のホームページ 発電会社のホームページ 配電会社のホームページ EnBW のグループ会社であると明記 発電会社 配電会社とは異なるデザイン デザイン的に類似点が多い *1:CRE( フランス ) の担当者へのヒアリング *2:BNetzA EnBW Amprion の担当者へのヒアリング 118

119 3.3 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 2-3) フランスでは 送配電会社の中立性を保つため EDF RTE Enedis は 建物 IT システムを共有することが許されていない 建物 IT システムの共有状況 ( フランス )* 1 フランスにおける送配電会社と発電会社の建物 IT システム等の規制内容 共有状況について示す ( 下図参照 ) フランスでは 送電会社と配電会社に対して 同等の規制が制定されている 規制内容 状況 ( ヒアリング調査より ) 原則 発電会社と送電会社 配電会社は 同じ場所 建物を共有してはならない RTE は EDF から物理的に分離されている ( 駐車場も分離されている ) 建物 同じ建物内に存在する場合 セキュリティ対策 ( 入退室管理等 ) により 各社を厳密に分離し 従業員による情報漏洩を防がなくてはならない IT システム 送電会社 配電会社 IT システム IT システムの設置場所 電子機器等の利用等の分離により 情報漏洩を防止しなければならない 規制内容に反し RTE の IT システム ( サーバー ) は EDF と同じ場所に設置されている ただし 各社が使用できる IT システムの機能が分離されているため 他社へのアクセスは制限されている IT システム ( 契約 ) 委託事業者との契約については 契約内容に応じ CRE が監視を行い 守秘義務を徹底しなくてはならない EDF が委託している IT 事業者から 同サービスの提供を RTE が受ける際は 守秘義務条項を盛り込んだ契約書を CRE に送付する CRE は契約書を確認し 守秘義務が徹底されているか監視している *1:CRE RTE( フランス ) の担当者へのヒアリング 表はトーマツ作成 119

120 3.3 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 2-3) ドイツでは フランスと同様に 送電会社が発電会社と同じ建物 IT システムの利用することは許されていない 一方 配電会社の内 中立性 公平性が求められない部署は 親会社と同じ建物 IT システムの利用が許されている * 1 建物 IT システムの共有状況 ( ドイツ )* 1 ドイツにおける送配電会社と発電会社の建物 IT システムの規制内容 共有状況について示す ( 下図参照 ) ドイツでは 配電会社に対しては 送電会社程の規制は制定されていない 規制内容 状況 ( 現地ヒアリング調査より ) TransnetBW と EnBW の建物は 分離されている 送電会社 発電会社と同じ建物の使用は 入口が完全に分離されている場合を除き 禁止されている Amprion の従業員は 情報漏洩の防止のため RWE の従業員との交流を制限している Amprion と RWE は ケータリングサービスも分離している 建物 配電会社 中立性 公平性が求められる部署 ( 料金計算や配電網計画 等 ) 発電会社と同じ建物の使用は 入口が完全に分離されている場合を除き 禁止されている 上記以外の部署 発電会社と同じ建物 フロアの利用が許されている 実際 EnBW と NetzeBW の中立性 公平性が求められていない部署は 同じ建物 同じフロアを使用していた ただし 顧客の誤認防止のために 社用車は別となっている IT システム 送電会社 配電会社 法律による規制はないが 発電会社と同じ IT システムを使用することや 同じ場所に IT システムを設置することを 原則禁止している 発電会社と同じ IT システムを使用することは可能となっている TransnetBW と EnBW は 同じ IT システムは使用しておらず かつ同じ場所に IT システムを設置していない EnBW と NetzeBW は同じ IT システムを使用している ただし 顧客の誤認防止のために メールアドレスは別となっている *1:BNetzA EnBW Amprion( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 表はトーマツ作成 120

121 3.3 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 2-3) ドイツでは 建物の入口とフロアの入口共に物理的に分離されている場合のみ 発電会社と送電会社 (TSO) が同じ建物を利用することが許されるが 実際はそれぞれが違う建物を所有しているため 現状問題となっていない * 1 発電会社と送電会社の建物の共有状況 ( ドイツ )* 1 (1/2) ドイツにおける発電会社と送電会社の建物の共有状況について示す 送電会社 (TSO) 1 建物の入口とフロアの入口共に物理的に分離されていなければ 発電会社と同じ建物の利用が許されない 送電会社 (TSO) 2 建物の入口とフロアの入口共に物理的に分離されていれば 発電会社と同じ建物の利用が許される N.G. O.K. 発電会社 TSO 発電会社 TSO 2 階 2 階 1 階 物理的に分離されていない 1 階 物理的に分離されている 建物の入口 フロアの入口 *1:EnBW( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 図はトーマツ作成 121

122 3.3 発電 小売部門に生じるメリットに係る規制 2-3) ドイツでは 配電会社の内 料金計算や配電網計画を行っている部署は 送電会社 (TSO) と同等の規則が適用されるが それ以外の部署については 発電会社と同じ建物 フロアの利用が許されている 発電会社と配電会社の建物の共有状況 ( ドイツ )* 1 (2/2) ドイツにおける発電会社と配電会社の建物の共有状況について示す 配電会社 (DSO) 1 DSO の内 中立性 公平性が求められる部署 ( 料金計算や配電網計画 等 ) については ITO と同様に 建物の入口とフロアの入口共に物理的に分離されていなければならない O.K. 配電会社 (DSO) 2 DSO の内 中立性 公平性が求められない部署 については 発電会社と同じ建物 フロアの利用が許される O.K. 発電会社 DSO 発電会社 DSO 2 階 2 階 1 階 物理的に分離 1 階 建物の入口 フロアの入口 *1:EnBW( ドイツ ) の担当者へのヒアリング 図はトーマツ作成 122

123 4. 補足資料 123

124 4.1 用語集 国際連系線で発生する潮流方式 用語 再給電指令 (Redispatch) 発電事業者の初期接続費用 トランジットフロー ループフロー スーパーシャロー シャロー 準シャロー ディープ 説明 ある国で発電された電力が 他国の送電系統を通過して 発電された国に戻ってこない潮流 ある国で発電された電力が 他国の送電系統を経由して 発電された国に戻って消費される潮流発電機に対する停止 抑制 稼動指令 国間で行う場合は Countertradingと呼ばれる 全て一般負担で回収され 発電事業者の特定負担は求めない方式 系統接続に必要な送電線等の費用を発電事業者が負担する方式 接続に要した工事費用に加えて 接続に伴い発生する配電系統の増強工事費用の一部を一括回収し 残りの部分を配電線使用料で浅く広く回収する方式 系統接続に伴い 必要な送電線等の費用負担に加えて 既存系統の増強費用の一部負担する方式 124

125 4.2 略語集 略語 ACER BETTA BMWi BNetzA CAISO CHP CRE DSO ENTSO-E ERCOT NVE ITO LMP Ofgem PJM TNUoS TSO 正式名称 Agency for the Cooperation of Energy Regulators 欧州エネルギー規制当局協力機関 British Electricity Trading and Transmission Arrangements 英国の電力取引制度 The Federal Ministry for Economic Affairs and Energy ドイツの連邦経済エネルギー省 Bundesnetzagentur ドイツの連邦ネットワーク規制庁 California Independent System Operator 米国カリフォルニア州における独立系統運用機関 (ISO) Combined Heat and Power 熱電併給システム Commission de régulation de l'énergie フランスのエネルギー規制委員会 Distribution System Operator 配電系統運用者 European Network of Transmission System Operators for electricity 欧州送電系統運用者ネットワーク Electric Reliability Council of Texas 米国テキサス州における独立系統運用機関 (ISO) Norwegian water resources and energy directorate ノルウェーの水資源 エネルギー庁 Independent Transmission Operator 独立系送電運用者 Locational Marginal Pricing 米国の地点別限界価格 Office of Gas and Electricity Markets 英国のガス電力市場規制庁 PJM Interconnection 米国北東部地域における独立系統運用機関 (RTO) Transmission Network Use of System 英国における送電線使用料金 ( なお BSUoSは Balancing Services Use of Systemで 英国のバランシング料金 ) Transmission System Operator 送電系統運用者 125

126 デロイトトーマツグループは日本におけるデロイトトウシュトーマツリミテッド ( 英国の法令に基づく保証有限責任会社 ) のメンバーファームおよびそのグループ法人 ( 有限責任監査法人トーマツ デロイトトーマツコンサルティング合同会社 デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社 デロイトトーマツ税理士法人および DT 弁護士法人を含む ) の総称です デロイトトーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひとつであり 各法人がそれぞれの適用法令に従い 監査 税務 法務 コンサルティング ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています また 国内約 40 都市に約 8,700 名の専門家 ( 公認会計士 税理士 弁護士 コンサルタントなど ) を擁し 多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています 詳細はデロイトトーマツグループ Web サイト ( をご覧ください Deloitte( デロイト ) は 監査 コンサルティング ファイナンシャルアドバイザリーサービス リスクマネジメント 税務およびこれらに関連するサービスを さまざまな業種にわたる上場 非上場のクライアントに提供しています 全世界 150 を超える国 地域のメンバーファームのネットワークを通じ デロイトは 高度に複合化されたビジネスに取り組むクライアントに向けて 深い洞察に基づき 世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを Fortune Global 500 の 8 割の企業に提供しています Making an impact that matters を自らの使命とするデロイトの約 225,000 名の専門家については Facebook LinkedIn Twitter もご覧ください Deloitte( デロイト ) とは 英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイトトウシュトーマツリミテッド ( DTTL ) ならびにそのネットワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します DTTL および各メンバーファームはそれぞれ法的に独立した別個の組織体です DTTL( または Deloitte Global ) はクライアントへのサービス提供を行いません Deloitte のメンバーファームによるグローバルネットワークの詳細は をご覧ください IS / ISO (JIS Q) BCMS / ISO 有限責任監査法人トーマツ丸の内オフィスエンタープライズリスクサービス部門は 2006 年 2 月 8 日 監査法人として初めて情報セキュリティマネジメントの国際規格である ISO/IEC27001 の認証を取得しました 2009 年 4 月 1 日には デロイトトーマツリスクサービス株式会社をこの認証範囲に含めております 有限責任監査法人トーマツ丸の内オフィスエンタープライズリスクサービス部門における BCP/BCM サービス提供部門及びデロイトトーマツリスクサービス株式会社は 2011 年 3 月 11 日に事業継続マネジメントシステムの規格である BS :2007 の認証を取得し 2013 年 2 月 19 日に国際規格である ISO22301:2012 の認証を取得しました Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited

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