2夢の世界を表3 題材の目標 言葉のイメージから想像を広げ, 表したい構想を練ることができる 構想に合う材料や用具を選び, 工夫して表現することができる 自分や友だちの作品のよさやおもしろさ, 表し方の工夫を感じ取ることができる 4 題材の評価規準造形への関心 意欲 態度発想や構想の能力創造的な技能

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1 第 4 学年図画工作科指導案 平成 23 年 11 月 2 日 ( 水 )5 校時 1 題材名気がつくとそこにいた ひみつの話 ~ ふしぎな世界にまよいこんだら ~ 2 題材について本学級の児童は, どの学習においても子どもたち同士で自然と教え合う姿がよく見られる とくに話し合い活動では, ほとんどの児童が積極的に考えを伝え合ったりまとめたりしている 図工に関しては, 図工が好きな児童が多く, どの題材でも楽しんで活動に取り組んでいる しかし, 絵を描くことに苦手意識があったり, イメージをもつことに時間がかかったりする児童もある また, 友だちの表現を参考にする児童は少なく, 最初から最後まで自分で考えた表現方法で取り組む児童が多い 本題材は, 新学習指導要領 第 4 学年 A 表現 (2) に関する内容で, 迷い込む 自分だけのストーリー という言葉から想像を広げ, 自分でお話をつくりながら絵に表すことを楽しむ造形活動である その中で, 夢の世界 を表現するために, 不思議な感じ, 迫力, 美しさなど, イメージに適した材料や用具を使って表現することをねらっている 学習活動は, 大きく分けて,1 自分の表したい夢の世界の構想を練る ( ストーリーづくり ) 2 構想に従って材料や用具を選び, 工夫して夢の世界を表す 3 鑑賞するの3つの内容で構成されている 誰 ( 何 ) が, どこで, どんなふうにと, お話の状況や場面を自由にイメージし, 自分で決めた表現方法を工夫して表すことを通して, 材料や用具の特徴を理解したり, それを扱う楽しさを味わったりすることができる題材である 指導にあたっては, 事前に 童話 不思議の国のアリス を読み聞かせ, 迷い込む 自分だけのストーリー という言葉のイメージがもてるようにする また, 場所が限定されないように, 場所のヒントを助言したり思いつくままに児童から発表させたりして書き出し, 誰にも似ていない夢の世界の表現にこだわらせたい ここでは, 学習カードを用意し, 浮かんできたストーリーや使いたい材料や用具を書き出して, 自分のイメージの全体像が分かりやすいようにしたい つぎに, 制作活動では, 児童がイメージに合わせていろいろな表現ができるように, 多様な材料や用具を準備する ここでは, 制作活動に入る前に, いろいろな材料や用具を使ったり試したりする時間を設ける とくに, 効果的に使うとよい技術として コラージュ スパッタリング スタンピング の 3つも指導する 最後に, 鑑賞の時間では, 発表カードと鑑賞カードを用意し, ストーリーや工夫を分かりやすく伝えたり作品から感じたことをメモしたりして, 楽しい鑑賞会にしたい

2 2夢の世界を表3 題材の目標 言葉のイメージから想像を広げ, 表したい構想を練ることができる 構想に合う材料や用具を選び, 工夫して表現することができる 自分や友だちの作品のよさやおもしろさ, 表し方の工夫を感じ取ることができる 4 題材の評価規準造形への関心 意欲 態度発想や構想の能力創造的な技能鑑賞の能力 想像のきっかけとなる言葉から自分だけのお話をつくり, 絵に表すことに意欲を持つ 言葉のイメージから自由に発想し, 表現への構想を立て, お話の状況や場面の表し方の見通しを持つ 自分のお話を楽しく絵に表すために, 構図を工夫したり, 既習の表現方法を工夫したりする 友だちの作品を, お話を聞きながら鑑賞したり, 自分の作品を楽しく紹介したりして, お互いのよさに気づく 5 指導計画 ( 全 7 時間 ) 過程時目標学習内容おもな評価規準自ス分トのー表リしーたづいく夢りの)1世界の構想を練る(用具を選び構想に従っ,す3工て材料や夫して 言葉のイメージから想像を広げ, 自分の表したい夢の世界について, ストーリーをつくったり構想を練ったりすることができる いろいろな材料や用具を試して, その扱い方や特徴を知り, イメージに合う表し方を見つけることができる 不思議な夢, 美しい夢などについて話し合う 不思議の国のアリス の読み聞かせを聞く 迷い込む という言葉から, もしも不思議な世界に迷い込んだら, 誰 ( 何 ) が, どこで, どんなふうにというストーリーを構想する イメージに合わせて紙を選び, 大よその構図を線がきする コラージュ, スパッタリング, スタンピングのやり方を知る いろいろな描画材料や用具を試し, イメージに合いそうな表し方を見つける 自分のお話づくりをもとにして絵に表すことに意欲を持つ 関 言葉のイメージから自分のストーリーを発想し, さらに表したい世界の構想を持つ 発 想像した夢の世界について, 自分のイメージに合わせて表し方を工夫して表現する 創

3 4(本時)56 構想に合う材料や用具を 選び, 工夫して表現する ことができる イメージに合うような描画材料を選んだり, 表現の中に既習の技法を生かしたりして表す 鑑賞する7 自分や友だちの作品のよさやおもしろさ, 表し方の工夫を感じ取ることができる 作品を見せながら, 自分のつくったお話や工夫したことについて話す 表し方で工夫しているところ, 作品から感じるこ 自分や友だちの発想のよさや表現の工夫に気づき, 互いの作品の魅力を感じ合う 鑑 となどを伝え合う 6 本時の学習について (4/7 時間 ) (1) 目標 構想に合う材料や用具を選び, 工夫して表現することができる (2) 準備物児童絵の具, クレパス, はさみ, のり, その他の描画材料 教師紙類 ( 画用紙, 厚紙など ), スポンジローラー, バット, インク, 網, 歯ブラシ, 色鉛筆, カラーペン, パステルなど ( 描画材料, 技法に使う用具 ) (3) 学習過程 学習活動 教師の発問と予想される児童の反応 教師の支援と評価 支援 評価 1. 前時の学習をふり返る T; いろんな材料や用具を使ってみましたね コラージュ, スパッタリング, スタンピング 網を使ったら, ぼかした感じやふんわりした感じができた パステルも優しい感じがした ペンは, はっきりした線が描ける 型紙を作ってスタンプもしたよ コラージュ, スパッタリング, スタンピングについては, 制作の参考にできるよう, 実物を掲示する 表せそうな雰囲気ごとに, 材料や用具を分けて板書する ( 例 ) ふんわり ぼかし, パステル 自分のストーリーに合わせて, 材料を選んだり組み合わせたりして表そう

4 2. 本時の課題を知る T; みなさんのストーリーには, どんな感じが出てきますか ふわふわ, 飛んでいる こわい, 暗い 寒い, 暑い はやい ぐるぐる, うず巻き, 吸い込まれる 学習カードを見るなど, 自分の構想をふり返るように助言する 児童から出てこない場合は,1 つ例をあげて挙手させるなど, きっかけをつくる T; 自分の考えたストーリーの雰囲気 に, ちょうど合う材料や用具を選 んで, 描いていきましょう それぞれの感じを出す参考にできる よう, 雰囲気ごとに分けた材料や用 具の板書を再確認する 3. 材料や用具を試し たり生かしたりし て, 表現する T; どうしてその塗り方にしたの T; ここは, 不思議な洞窟だから, ぼんやり暗い感じにしたんだね 空を飛ぶ感じはどうしたらいいかな コラージュを使ってみようかな ここだけ, ぼかしてみようかな この形は, クレパスかペンではっきり描いた方がいいな 友だちのやり方を見てみよう 他の道具があったら表せそうなんだけどな 雰囲気に合った表現をしている児童を褒め, 他の児童が注目したり参考にしたりできるようにする 表現に困っている児童には, 他の児童のやり方を見せたり, 友だちに尋ねたりするよう促す または, 材料コーナーでいろいろ試させたり, いっしょにやってみて助言したりする 自分のイメージに合うような, 材料 用具 技法を用いて表現している 創 4. 学習をふり返り, まとめる この絵は, ぼくの表現と同じ感じが するよ こんなやり方もあるんだね 次回の制作のヒントになるよう, 全員で作品を簡単に見合う その際, 雰囲気に合った表現は具体的に褒め, 児童の参考になるようにする 活動の中で, 足りなかったり試してみたくなったりした材料や道具は, 次の時間に持ってくるよう指示する

5 西小研図工部授業研究会 平成 23 年 11 月 2 日 ( 水 ) 南部町立会見小学校 1. 研究の中での位置づけ西伯郡小学校教育研究会図工部の本年度の研究テーマを 豊かな発想を育む造形活動 ~ 言語活動を取り入れた造形表現活動の工夫 ~ と掲げ このテーマに基づいて授業研究会を行った 公開された授業は 気がつくとそこにいた ひみつの話 ~ふしぎな世界にまよいこんだら~ という題材で 児童の豊かな発想と言語活動を取り入れる授業の実践について研修する機会となった 2. 授業実施後の振り返り 参加者の感想 友達同士の会話があり その中でイメージをふくらませたり イメージにあった技法を広げたりしていた 同じような作品になりがちなのに 一人一人がそれぞれにイメージを持ち 全く違う作品を制作していたので感心した 子ども達は穏やかでしっかりしていた 表現方法が多様で たくさんの中から選択する力も持っており 多様な作品ができそうで仕上がりが楽しみ 的確な先生の助言もあり 言葉できちんと表現しながら友達の作品を鑑賞していたことに感動した 喜久山先生の指導助言 自由に描きなさい と言いながら しばっている設定がよく見られるが 今日は しばられる部分から解き放たれる場の設定がしてあり 自分のイメージをふくらませて表現していた 4 年生は自分の手の内 ( 得意なこと ) が分かっている 自分の中に定着していることを紙に表すことはできる 手の内にないことをさせたい チャレンジすることによって どうしたらいいんだ? という思考が働く 先にストーリーを考えさせると 表現活動が つじつま合わせになりはしないか? 材料体験によってできた作品を 作品を表現する前に鑑賞させてはどうか おもしろいってどんな感じ? どうしてそう思った? と尋ねると 子どもは言葉に詰まる しかし しばらくすると わたあめみたい 色が暗いから寂しい感じ と ぽつりと言い出す 感じたことを言葉にしよう と 観る時間を作る 作ったストーリーから描かせるより 例えば この色模様から作りだそう と子どもから引っ張り出す こうすると 技法を広がる 例えば 同じ技法で 私の悲しい気持ち を表現させても 一人一人によって使い方が違ってくる

6 言葉と絵の関係読書感想画は 国語教育の補助 例えば エルマーの冒険 の本を読んだ後に描かせると 竜を必ず描く これしか方法がないかと思う 本の挿絵をコピーして描くのはつまらない そこで 絵を描くための本はないかと考え 絵を描くための話 を作った よんだらかいたら という名前のおじさん ペチャクチャぺクチャライト という乗り物 チョロケッタ色 という色の名前 これらを想像しないと描けない そういう状況を作った 今日の授業は 言葉が記号的配置になっており それに技法を寄せていくものだった 表現技法とは スパッタリングのように力加減で多様になり言語化できない部分がある 前もって作ったストーリーには当てはまらないかな? ストーリーを作ることもたいへん高い力 かしこい4 年生だ という感想がたくさん聞かれたように みんながイメージを取り入れて自分で表現することに慣れ親しんでいると感じた 技法の体験の時に活気があったという話があったとおり 無意識で言葉にできない表現であり 自分を越えた表現だったのだろう あの表現技法を使って いろいろな可能性のある表現活動をしたらもっとおもしろかった 作品を仕上げるのに 早い子 遅い子がある なぜ遅いかその理由を考えてみると つまらない 表現することがおっくう そもそものパーソナリティー こんなことをして何の意味がある? などの理由が考えられる 遅い子の中に 図工の意味がある そう考えて教材研究をするとよい 表現することが無駄 つまらないと思う子が おもしろいと思える仕掛けをしていくことが必要