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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 22(2008) 125. 遺伝性難聴病態マウスモデルの根本的治療 池田勝久 Key words:gjb2, 遺伝性難聴, コルチ器, アデノ随伴ウイルス, アデノウイルス 順天堂大学医学部耳鼻咽喉科 緒言先天聾は 1,000 出生に1 人の頻度に発生し, その半数が遺伝性の原因である. 我々は日本人において GJB2 遺伝子変異の重要性を明らかにした 1). 内耳を直接生検することや侵襲的な生理学的検査は困難であり, 有用な動物モデルの開発は発症機序の解明や根本的治療の確立に極めて重要である. 今回の標的である GJB2 遺伝子異常の難聴は遺伝性難聴において最も頻度の高い. これらの難聴モデル動物を用いて根本的治療を構築するための straightforward な戦略は変異マウスの内耳に欠損した正常遺伝子を導入することである. この仕事を実現するために, 第一にヒト患者の蝸牛病態解析は困難であるため, Gjb2 優性阻害変異マウス (Tg マウス ) 2) を用いて電気生理学的および形態学的に解析し, 疾患の病態を解明することである. Gjb2 遺伝子にコードされる gap 結合蛋白であるコンキシン 26(Cx26) は細胞骨格の重合やイオン共輸送体の活性に必須な細胞内 Ca イオンや IP3 などの細胞内情報伝達物質やグルタミン酸など細胞間の輸送に関与し 3-5), Cx26 の欠失は1 柱細胞やダイテル細胞のチュブリンで代表される細胞骨格の変性と2 支持細胞に存在するイオン共輸送体である kcc3 と kcc4 の活性障害をもたらすことを証明する. コルチリンパのイオン環境の障害は外有毛細胞の運動能を失活させ, また内有毛細胞からの放出されるグルタミン酸の取り込み障害は求心性神経終末の変性を引き起こし, これらが難聴機序の本体であることを証明する. 第二に, 低侵襲かつ高効率な Gjb2 遺伝子導入法を確立することである. 1 ベクターの種類, つまりアデノウイルスベクターとアデノ随伴ウイルスベクターの 2 種類で比較し, 2 投与法, つまり蝸牛側壁に作製した小孔からの内リンパへの投与法と正円窓からの外リンパへの投与法を比較することによって検討した. 方法 結果および考察優性的阻害効果を持つミスセンス変異 R75W を CAG プロモーターに組み込み, 各組織で変異コネキシン 26 を発現させるようにした. ノックアウトマウスが胎生致死であることが知られているので, プロモーターと変異遺伝子の間に loxp 配列を挿入し, 変異体の発現が Cre recombinase で調節されるように設計した. 直鎖化したベクターを受精卵に注入し, 偽妊娠状態の雌 C57bl/ 6 の子宮に戻した. その結果得られたマウスを Cre recombinase を有するトランスジェニックマウスと交配し, PCR, RT-PCR 法により内耳で変異遺伝子が発現している個体を選別した. 変異を発現している個体 (Tg マウス ) について生後 5 ~ 14 日である聴覚発達過程における聴力評価 ( 聴性脳幹反応検査 ; ABR) と組織学的評価 ( 電顕 ) を行った. 内耳への遺伝子導入の方法として蝸牛壁に小孔を開けての投与, 正円窓からの投与, 半規管からの投与があるが, 半規管からの投与は導入効率が低いため今回は検討しなかった. ウイルスベクターはアデノウイルスベクター (AdV) とアデノ随伴ウイルスベクター (AAV) を用いた. また, 投与前後に ABR を行い, 聴力を比較した. マウスの聴覚は通常生後 11 日より発現するが, Tg マウスの ABR では生後の聴覚発育過程でほとんど反応を認めなかった ( 図 1). 1

2 図 1. マウスの経時的な ABR 閾値の変化. マウスの聴覚は通常生後 11 日より発現するが, Tg マウスの ABR では生後の聴覚発育過程でほとんど反応を認めなか った (P<0.05). 電顕による組織学的な変化として 1Tg マウスではコルチトンネルの形成不全, 2 外有毛細胞神経終末形成不全, 3 コルチ器 高の伸長不全, 4 コルチ器の断細胞面積増加が特徴的であった ( 図 2). 2

3 図 2 マウス蝸牛コルチ器の高さと細胞面積の経時的変化. 電顕による組織学的な変化として①Tg マウスではコルチトンネルの形成不全, ② 外有毛細胞神経終末形成不全, ③ コ ルチ器高の伸長不全, ④ コルチ器の断細胞面積増加が特徴的であった. 3

4 コルチトンネルは柱細胞の細胞骨格の発達により内 外柱細胞の細胞間の開大が生じ形成される. Tg マウスでは柱細胞内の microtubules の形成不全を認めコルチトンネル形成不全の原因と考えられた. 外有毛細胞の神経終末は通常外有毛細胞を支持するダイテルス細胞の細胞質が消退することにより形成される. Tg マウスではダイテルス細胞が外有毛細胞周囲を占拠するため神経終末は形成されなかった. コルチ器の高さは通常コルチ器の成熟に伴い徐々に増加するが, Tg マウスではコルチトンネル形成不全のために一定であった. マウスのコルチ器細胞断面積は増加を認め, 支持細胞の膨化を示唆した ( 図 3). 図 3. マウスコルチ器の高さと細胞断面積. コルチ器の高さは通常コルチ器の成熟に伴い徐々に増加するが, Tg マウスではコルチトンネル形成不全のために一定で あった. Tg マウスのコルチ器細胞断面積は有意な増加を認め, 支持細胞の膨化を示唆した. ABR ならびに蝸牛の組織学的検討から Gjb2 優性阻害変異マウスの蝸牛は生後の発育障害により高度難聴を呈することが判明した 6). AdV を蝸牛壁を経由して内リンパ腔に投与すると支持細胞への発現は認めたが, 投与時の侵襲により聴力は低下した. また, 正円窓から鼓室階に投与すると聴力は保たれるが, 支持細胞を含むコルチ器には発現を認めなかった. 一方, AAV を内リンパ腔に投与すると AdV の投与時と同様に支持細胞への発現は認めたが, 聴力は低下した. 鼓室階に AAV を投与すると聴力の低下 4

5 を認めずに主に Deiters 細胞などの支持細胞に発現を認めた. 鼓室階に AAV を出生直後のマウスに投与することにより聴力の 損失なく蝸牛支持細胞に遺伝子を導入することに成功した ( 図 4). 図 4. マウス蝸牛への AAV 導入. 鼓室階に AAV を投与すると聴力の低下を認めず (P>0.05) に主に Deiters 細胞などの支持細胞に発現を認めた. これは GJB2 遺伝子変異の先天性難聴患者の根本治療に結びつく可能性がある 7). 共同研究者 : 飯塚崇, 井下綾子, 成井裕也, 峯川明 ( 順天堂大学医学部耳鼻咽喉科学教室 ) 文献 1) Kudo T, Ikeda K, Kure S, Matubara Y, Oshima T, Watanabe K, Kawase T, Narisawa K, & Takasaka T.: New common mutations in the connexin 26 gene (GJB2) in childhood deafness in the Japanese population. Am. J. Med. Genet., 90: , ) Kudo T, Kure S, Ikeda K, Xia AP, Katori Y, Suzuki M, Kojima K, Ichinohe A, Suzuki Y, Aoki Y, Kobayashi T, & Matsubara Y.: Transgenic expression of a dominant-negative connexin26 causes degeneration of the organ of Corti and non-syndromic deafness. Hum. Mol. Genet., 12: , ) Zhang Y, Tang W, Ahmad S, Sipp JA, Chen P, & Lin X.: Gap junction-mediated intercellular biochemical coupling in cochlear supporting cells is required for normal cochlear function. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 102: , ) Zhao HB, Yu N, & Fleming CR.: Gap junctional hemichannel-mediated ATP release and hearing controls in the inner ear. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 102: , ) Mammano F, Bortolozzi M, Ortolano S, & Anselmi F.: Ca 2+ signaling in the inner ear. Physiology, 22: , ) Inoshita A, Iizuka T, Okamura H-O, Minekawa A, Kojima K, Furukawa M, Kusunoki T, & Ikeda K.: Postnatal development of the organ of Corti in dominant-negative Gjb2 transgenic mice. Neurosci., in press. 7) Iizuka T, Kanzaki S, Mochizuki H, Inoshita A, Narui Y, Furukawa M, Ogawa K, & Ikeda K.: In vivo delivery of adeno-associated virus was successfully and noninvasively transferred into the supporting cells of the neonatal mouse cochlea. Human Gene Ther., 19: ,

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