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1 # 年 6 月 12 日 今週の話題 JPCA ショー 月 1 日から東京ビッグサイトで 恒例の JPCA ショー 2016 が開催されました 今年に入ってから 日本のプリント基板業界は 前年同月比で毎月マイナス成長が続いており 市場の先行きが不透明な中での開催でしたので ショーの状況が心配でしたが 展示会の規模としては ほぼ前年並みでした 来場者は昨年を上回るほどで かなりの活況でした しかし 内容についてはかなりの変化がありました 出展者 来場者の意識も違ってきているようです JPCA ショーは日本のプリント基板業界の経営者が集まる機会ですので 市場動向の情報交換の場になっています 私もプリント基板メーカーばかりでなく 材料メーカー 装置メーカーの経営者 さらには業界のエキスパートと言われる人たちとも意見を交換することができました 残念ながら 景気の良い話はほとんどなく 業界の未来については悲観的な意見が大勢でした 日本のエレクトロニクス業界に復活の動きがない現状では 少なくとも 従来型のプリント基板ビジネスの回復は期待できない という見方です 以前であれば 各企業の経営者は 不況をジッと耐えて凌ぐ という考えが多かったのですが 今回の場合は 現状を打開する新たな手を打って行かねばならない というように変わってきているようです 一般の来場者も 以前であれば 主目的はプリント基板製造技術動向の調査であったのでしょうが 今回は新しい分野の探索 というような意味合いが強くなっているようです 会場での各種オープンセミナーは いずれも満席の盛況で 立ち見の聴講者もかなりいたようです 何か新しい展開の可能性はないか という気持ちが伝わってきました 出展者の方も 従来型の関係企業は減っているようで 新しいタイプのメーカーが目立っています 今まであまり馴染みのない中堅フレキシブル基板メーカーが多かったように思います 特に中国のメーカーがかなりの数見受けられました マレーシアのメーカーもありました 以前であれば このような海外メーカーの技術レベルは かなり低かったのですが 今回の展示で見る限りでは かなりのところまできているようです と言っても 品質で比べれば 日本メーカーと肩を並べるには もうワンステップの努力が必要でしょう ただ コスト面では かなり競争力がありそうですので 日本メーカーとしては侮れません 今回そのパフォーマンスが目立ったのは 台湾メーカーでしょう まず 台湾の業界団体である TPCA 自身が大きなブースを構え 積極的に台湾メーカーの紹介をしておりました まるで 台湾メーカーのセールスマンのようです 個々の企業のブースも かつての野暮ったさはなく 日本の大手メーカーと肩を並べ - 1 -

2 ています 新しい技術や製品にも 結構ユニークなものが見受けられます 台湾のプリント基板業界も 去年あたりから勢いがなくなっており それを打開しようとする意気込みが感じられました ただ 台湾のメーカーにとって 日本に魅力ある市場が残っているかどうかは多少疑問が残ります 技術的な面では それなりに新しいコンセプトの技術や製品があったかと思います 私は体力がなくなっているので 全体をレビューすることはできませんでしたが 個人的にはいくつか興味深い技術を見ることができました まず目に付いたのは 2 ミクロンの幅 / 間隙 (4 ミクロンピッチ ) の微細回路をセミアディティブプロセスで形成する技術です 複数の化学品メーカーからの発表で 回路メーカーでのプロセスが確立されているわけではないようです 実際の回路に適用するには 具体的な用途も含めて まだかなりの波乱がありそうです 伸縮性の回路については いくつかのフレキシブル基板メーカー 材料メーカーで展示がありました このコンセプトは数年前から出ていますが 実用化については 米国に比べて日本は遅れをとっているようです 関連して 全体の厚さが 15 ミクロン未満の極薄回路がありましたが 米国では 以前から同程度の厚さの回路が製造されていますので 後追いになります しかも 両面 多層と多様です 透明回路はある程度ユニークな新しいコンセプトと言えるかもしれません 昨年初めて透明ポリイミドフィルムが紹介されてから この 1 年間で様々な進展があったようです 複数の材料メーカーと回路加工メーカーから透明回路に関する出展がありました このニュースを私の海外ネットワークで出したところ 米国の企業からかなりの反応が返ってきましたから 特にメディカル関係では潜在的な需要がありそうです 今年は大学や研究開発機関からの参加が多かったように思います 事細かに見てまわったわけではありませんが 即戦力になりそうな技術が多くなっているようです ただ 個人的な意見としては 研究者の方にはもっとアカデミックなアプローチをしてほしいように思っています 装置メーカーは 従来型の装置は大幅に少なくなっています 残っているメーカーも新しい分野での展開を試みているようです インクジェットプリンター 3D 印刷などのプロモーションは依然として活発ですが ビジネスの様子を聞いてみると あまり好調とは言えないようでした 基板の実装機器メーカーと EMS メーカーは 出展者の数はいくらか減ったものの 展示そのものは かなりアクティブだったと言えるでしょう 基板の製造装置に比べるとその差は歴然としています プリント基板の製造は落ち込みが顕著ですが 実装組み立てビジネスは 依然として拡張傾向にあるということでしょうか 以上 つまみ食い的なレポートになってしまいましたが 日本のプリント基板業界が大きな曲がり角にあることは間違いないようで JPCA ショー自身が変わりつつあることを実感した今年のショーでありました DKN リサーチ 沼倉研史 ( マネージング ディレクター ) - 2 -

3 今週のヘッドライン 2016 年 6 月 12 日 1.Foxconn( 台湾の EMS メーカー最大手 )5/25 中国の昆山工場で 積極的にロボットを導入 11 万人いた従業員を 5 万人まで削減 ) 2.Microsoft( 米国のソフトメーカー最大手 )5/25 スマートフォン事業を根本的に見直しへ 2 年前に買収したノキア社の事業部門を中心に 1850 名を整理へ 3.Picosun( フィンランドの装置メーカー )5/26 大きなサイズのフレキシブル エレクトロニクス用に 新しい ALD(Atomic Layer Deposition) を発表 4.MIC( 台湾の市場調査機関 )5/ 年の世界市場では ノートブック PC が 7.4% 減の 1 億 27 百万台に タブレット PC が 11.1% 減の 1 億 84 百万台と予測 5.TMSC( 台湾の半導体メーカー最大手 )5/ 年における設備投資は 2015 年から倍増の 22 億ドルを計画 年には 7nm ルールでの量産を開始へ 6.Samsung Electronics( 韓国のエレクトロニクス企業最大手 )5/26 今後 量子ドット技術をテレビ以外で 様々なセンサー バッテリー 生化学デバイスに広げる方針 7.MarketWatch( 米国の市場調査会社 )5/ 年のドローン出荷は 445% の増加 2016 年は 224% の増加 8.E Ink( 台湾のディスプレイメーカー )5/30 カラーの e ペーパーディスプレイを実用化へ フレキシブルで 省電力に特徴 9.TPK( 台湾のタッチパネルメーカー最大手 )5/30 タッチパネルのフレキシブル化に対応するために ナノシルバー技術など新しい技術を検討中 10.ASE & SPIL( 台湾の半導体パッケージ大手 )5/30 合併することで基本合意 合併後の世界シェアは 30% で トップメーカーに 11.DIGITIMES( 台湾の業界メディア )5/30-3 -

4 縮小するタブレット PC 市場に対応するために サプライチェーンの部材メーカーは新しい市場の開拓へ 自動車 PND 教育 医療機器など 12.Eindhoven University( オランダ )5/31 オランダの研究開発組織 Applied Scientific Research と協力して スマートエレクトロニクス 医療デバイスの開発のために 3D printing research center を立ち上げへ 13.CPEIA (Canadian Printable Electronics Industry Assoc.) 6/2 印刷技術の実用化を目指して IEEE(Institute of Electrical and Engineers, Inc.) とパートナーシップを作って協力へ 14.Aculon( 米国の化学品メーカー )6/2 スマートフォンの水没事故などに対応するために プリント基板の耐水性を高めるコーティング剤 NanoProof をリリース 10 億ドルの市場 15.IDC( 米国の市場調査会社 )6/ 年における世界のスマートフォン市場は 18.4 億台に 2015 年の 14.8 億台から年率 3.1% の成長率 16.Samsung( 韓国のエレクトロニクス最大手 )6/3 厚さで 0.3mm の巻き取り可能な OLED ディスプレイを発表 分解能 : 1920 x SEMI( 米国の半導体製造装置業界団体 )6/ 年第一四半期における世界の半導体製造装置の出荷額は 前年同期比で 13% 減の 83 億ドル 受注は 2% 減の 94 億ドル 18.DIGITIMES( 台湾の業界メディア )6/7 5 月の台湾の輸出は 前月比 5.8% 増の 235 億ドル 前年同月比では 9. 6% 減 マイナス成長は 16 ヶ月連続 19.WSTS( 半導体業界団体 )6/ 年における世界の半導体市場は 2.4% 減少の 3270 億ドルと予測 2017 年と 2018 年は微増と予測 20.Henkel( 米国の電子材料メーカー )6/6 熱伝導性に優れた封止絶縁材料 Technomelt solution を開発 耐環境性にも優れている - 4 -

5 ( 注 ) このヘッドライン ニュース レターは速報性を重視するために 若干の誤訳や数字の変換に誤りがある場合もございます ご了承下さい DKN リサーチ栄泰産業株式会社 DKN リサーチのイベントスケジュール * コンバーテック技術セミナー 2016 年 6 月 24 日北トピア 初手から学ぶプリンタブル エレクトロニクス 最近の DKN リサーチの論文 出版物 下記 URL を開けてみてください 最近のものの一覧をみることができます コピーライトの問題がないものは全文を閲覧することもできます