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ありみちこのえ
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1 ( 申請内容ファイル ) 2. 現在までの研究状況 ( 図表を含めてもよいのでわかりやすく記述すること様式の改変追加は不可 ( 以下同様 )) 1 これまでの研究の背景問題点解決方策研究目的研究方法特色と独創的な点について当該分野の重要文献を挙げて記述すること 2 申請者のこれまでの研究経過及び得られた結果について整理し 1 で記載したことと関連づけて説明することその際博士課程在学中の研究内容が分かるように記載すること 4. 研究業績欄に記載した論文学会発表等を引用する場合には同欄の番号を記載するとともに申請者が担当した部分を明らかにして記述すること本研究の中心的対象はスウェーデンの女性作家で北欧九十年代文学を代表するセルマラーゲルレーヴ (Selma Lagerlöf, ) である北欧では 19 世紀後半農業鉄工業金融交通などの分野で近代化が進み都市化アメリカ移民農村の空洞化などが深刻な問題となった G. ブランデス H. イプセン A. ストリンドベリなどに代表される八十年代文学 ( 自然主義文学 ) は進歩主義啓蒙主義科学中心主義の立場からそうした諸問題を直接的に書き批判したこれに対して九十年代文学 ( 新ロマン主義文学 ) は F. ニーチェや S. フロイトデカダンスの影響のもと理性では捉えられないものや今目の前にないものすなわち空想や過去異国などを書きまた人間の生を肯定的に描いたラーゲルレーヴのデビュー作イェスタベルリングのサガ (1891) は九十年代文学の代表作である (J. グラウザー編スカンディナヴィア文学史 2006) 作家はエルサレム ( ) で女性初スウェーデン人初のノーベル文学賞を受賞し (1909) 社会科の教科書として執筆したニルスのふしぎな旅 ( ) は 80 カ国以上に翻訳された民話神話を思わせる作風が多いことから北欧では長くお話おばさん ( 民話を口承する女性 ) として親しまれたが 1980 年代以降はジェンダー論的観点から論じ直す動きが始まっている (V. エードストレーム生の離れ業 1996 L. ステンベリ天才の遊び 2001 M. カールソン感覚の声 2002 など ) 申請者は東京大学大学院人文社会系研究科ドイツ語ドイツ文学専門分野の藤井啓司元助教授 (2000 年 4 月 ~2005 年 8 月 ) 松浦純教授 (2005 年 9 月 ~) ベルリンフンボルト大学 ( ドイツ ) の S.v. シュヌアバイン教授 (2007 年 4 月 ~2008 年 2 月 ) ウプサラ大学 ( スウェーデン ) の J. スヴェドゥイェダール教授 (2008 年 3 月 ~9 月 ) の指導のもとラーゲルレーヴを近代という問題関心を軸に論じてきたこの間日本における北欧近代文学研究の礎を築きドイツ北欧両文学研究を双方に有意義な形で両立させ世界の北欧文学研究に日本の研究者独自の立場から貢献することを目的に以下の二点を有効化するテーマ観点を模索した A. 独文科出身の日本人研究者として日本史日本文学ドイツ史ドイツ文学と本研究を関連付けること B. 北欧ドイツのラーゲルレーヴ研究者と問題関心を共有すると同時に新しい視点を提示すること A のために日本とドイツにおける北欧 ( 文学 ) の受容を研究した今日の日本において北欧には牧歌的な理想国家というイメージがラーゲルレーヴには北欧の良心を代表する母性的幻想的な平和主義作家というイメージが定着している日本の北欧学研究ではそれらの原因を北欧に対する知識の浅さ研究の少なさに求める傾向があるこれに対して申請者はラーゲルレーヴが児童文学およびキリスト教文学を中心に百年にわたって邦訳され続けている (N. トゥンマン日本におけるラーゲルレーヴ 1998 上原進セルマラーゲルレーヴ邦訳リスト未刊 ) ことに着目しステレオタイプ的なイメージは翻訳や研究の少なさによってではなく受容者の関心のあり方や思想的背景の一様性ないし限局性によって形成されるとの仮説を立て受容のあり方とその背景となった時代潮流思想を考察した一方ドイツにおいて北欧 ( 文学 ) は 19 世紀 20 世紀の民族主義運動の高揚の中ゲルマン民族 ( インド = ヨーロッパ語族アーリア人 ) の故郷として理想化された (B. ゲンティコフ資本化以前の牧歌としての北欧 1978 松村一男神話学講義 1999) ラーゲルレーヴも個人としてはナチズムに反対したもののナチス政権下での人気は高かったこのことから申請者はラーゲルレーヴとナチズムの共通点の考察という B につながるテーマを導き出した B のためにまずは作品内に見られる近代を論じラーゲルレーヴの同時代批判のあり方や近代人としての問題意識を考察することでお話おばさん像の払拭を試みたまたスウェーデンでジェンダーの観点からラーゲルレーヴが論じられる際作家は女性解放の先駆者として評価されることが多いこれに対して申請者はラーゲルレーヴの魅力とされる善意や倫理とナチズムの共通点を明らかにしそこからナチズムのみならず文明が根源的に有する支配被支配の構造に対する問題を提起した同時にネガティヴなものとして書かれている障碍や狂気などがネガティヴであるがゆえにポジティヴなものは持ち得ない可能性を秘めたものでありうることを指摘しそこに作品の民族主義や近代国家からの離脱の可能性を追究した 2009 年 7 月に提出予定の同論文 ( 一部は雑誌に掲載または学会で発表されている ) は概ね以下のような内容であるここでは今後の研究に関わるイェスタベルリングのサガ論およびエルサレム論について詳述しその他の項目は目次の提示にとどめる第一部日本におけるにおける北欧受容セルマラーゲルレーヴラーゲルレーヴを中心中心に (11で発表) (1) 新劇運動における北欧演劇 ( イプセンストリンドベリ B. ビョルンソン ) の翻訳上演 (2) 平塚らいてうによる E. ケイ受容と青鞜メンバーによる北欧児童文学の翻訳 (3) 内村鑑三による E. ダルガスの紹介と無教会グループによるデンマークの教育システム ( フォルケホイスコーレ ) への注目 (4) 近代文学同人山室静のマルクス主義からの転向と北欧文学への関心 -3/10-

2 ( 現在までの研究状況の続き ) 第二部ラーゲルレーヴにおけにおける前近代前近代イェスタイェスタベルリングベルリングのサガサガ論 (1) 作品と時代背景 ( 近代北欧文学史素描作品の位置づけ ) (2) 前近代における正反対のものの一致とサガという形式 (2に掲載) (3) 弔いとしての物語 (4) 近代人 = 異端者としての語り手と作者 ((3) とあわせて3に掲載 (2)~(4) を10 12で発表 ) (5) ドイツにおける北欧文学とラーゲルレーヴの受容 (19で発表) イェスタベルリングのサガ (Gösta Berlings saga, 1891) は近代化以前の 1820 年代作者の故郷ヴェルムランドを舞台としその美しい自然や昔ながらの暮らし方で生きる人々を叙事的に描いた作品である他の九十年代文学と同じく同作もその幻想的な筆致から現実逃避的作品とされてきた第二部では同作におけるスウェーデンの近代化の描かれ方とそれに対する作者の問題意識を考察したすなわち 1820 年代のヴェルムランドは牧歌的に描かれているのではなく美と野蛮善と悪強さと弱さといった正反対のものが一致する前近代的な空間である ( このことから逆説的に作家が近代をものごとを二項対立的に分ける時代と規定していることが分かる ) その世界は語り手が物語を語る現在においてはすでに滅んでいるそのことは作品の最後にヴェルムランドを統べる老女が死去することで示される語り手は啓蒙的理性と科学的精神を持つ近代人でありながら伝え聞いたままを語る口承文芸の形式 ( サガ ) によって清濁併せ持つ前近代を自身の思考や批判を交えずに叙述するそれは前近代と同じ方法で語ることで失われた共同体を弔うためである一方主人公イェスタは老女の世界を破壊するトリックスターとして機能する (L. ハイドトリックスターの系譜 1998 参照 ) 老女が自らイェスタを受け入れ死に際して本当の生を実感する描写には新しいものが古いものに取って代わることを良しとする作者の近代的価値観が見られる第三部ラーゲルレーヴにおけるにおける近代近代エルサレムエルサレム論 (1) 死者たちの救済と作品の予型論的構造 (7に掲載 15で発表 ) (2) 農民像女性像に見られる血と大地思想 (6に掲載) (3) 民族叙事詩からの離脱の可能性太陽狂気預言 (5に掲載 16で発表 ) (4) 死と天啓近代スウェーデンの死生観との比較 (7に掲載) 第三部ではノーベル賞受賞作エルサレム (Jerusalem, ) においてラーゲルレーヴ文学の魅力とされる善意の成就と救済の達成がドイツ民族主義とどのような共通点を持ちまたどのようにしてそこから逸脱するのかを考察する同作はスウェーデンダーラナ地方の農民 37 人が宗教上の理由からエルサレムに集団移住するという史実 (1896 年 ) に取材した長編小説である作品は主人公の父の青年時代を書いた導入部と教区に新しい教派が浸透し農民たちがエルサレムへ旅立つまでを描いた第一部ダーラナで彼らのエルサレムでの生活とその間のダーラナを描いた第二部聖地にてから成り信仰のために故郷を捨てる農民たちと屋敷と農地に執着してダーラナにとどまる富農イングマルが対比されている同作は導入部で描かれる主人公の父の人生の構図と本編で描かれる主人公のそれが同じという予型論的構成を取り同じ人生の繰り返しを提示することで人間の生と死を命の始まりと断絶ではなく命の継承として描くエルサレム移住によるダーラナの家族的共同体の崩壊や当地における移住者たちの熱病による死や発狂という惨事はこの予型論的な作品構成によってより良い未来を予感させる物語へと転換するこの構造特に父から子への命の継承という構造と強く結びつくのが郷土芸術運動および血と大地思想 ( ナチズムの思想的基盤となったドイツの民族主義運動 ) でも好まれた農民農耕のモチーフであるこのモチーフは一見文明化以前の無垢な人間性を表すようでその実大地の農地化という文明の持つ暴力性の根源形態を体現し更には男性性による女性性の接収という性暴力を体現している導入部においては主人公の父である農夫が子殺しをした妻を赦し彼女を自身の良き妻子どもたちの良き母とする子殺しをする女は人間に生命を与えもし殺しもする大地母神を連想させるここでは農夫の罪人を赦し愛するという倫理の貫徹と彼による大地の農地化 = 大地母神の馴化がパラレルである本編においては主人公の善意と健康が彼の姉の病 ( 脚部麻痺 ) と妻の呪い ( 産まれる男児がすべて障碍児の家系とされている ) を克服する 19 世紀 20 世紀の少女小説ではしばしば障碍 ( 脚部麻痺 ) が女性の家への隷従の比喩として描かれる (L. キース起き上がり床を担いで歩け 2001) がラーゲルレーヴには女性人物が障碍などネガティヴな特性を持った者として登場し男性人物の助けでそれを克服して良き妻良き母になるという構造があるここには障碍によって女性の家への隷従が象徴され更にその女性性が男性によって克服されるという二重の女性支配の構造を見て取ることができる一方障碍狂気死は常識や人智を超えたものとしても表象されるある女性登場人物の狂気は他の登場人物からは事実を認識する能力の欠陥とみなされるが物語の中で彼女の予見したことはすべて実現し作品全体として狂気は理性や人智を超えた真実に触れる能力として描かれるまたスウェーデンでは 20 世紀に死生観が大きく変化し死は自然に還ることであるという穏やかで親しみやすい言説が成立したがエルサレムにおける死は惨事であるがゆえに天啓でもありうるという正反対のものの一致を示している -4/10-

3 3. これからの研究計画 (1) 研究の背景 2. で述べた研究状況を踏まえこれからの研究計画の背景問題点解決すべき点着想に至った経緯等について参考文献を挙げて記入すること博士論文 [ 前記 ] では父の名の継承に伴って女性が荒々しさを失い家庭的になることを農夫による大地母神殺しと捉え男性による女性支配のみならず文明による自然の支配の構造を示すものとして批判したこの議論に関しては松浦教授より申請者自身が文明化以前の大地母神を女性の本来的なあり方と規定し文明と理性を男性の側に自然と感性を女性の側に位置づける結果を招いているとの指摘を受けた今後は男性対女性自然対文明という日常的に用いられる二項対立の枠組みそのものを学術的観点から相対化する必要がある申請者はすでに日常的な枠組みを超越するものとして障碍狂気死を論じたこれらの議論を発展させると同時にその成果方法を大地母神論に援用しようとした際申請者が注目したのが大地母神を跛者 ( 脚部障碍者 ) と関連付けた種村季弘畸形の神 (2004) である同書では他に放浪鍛冶屋 ( 大工錬金術師 ) 水 ( 海洪水 ) 酒飛行荒地 ( 森孤島 ) 性的虚弱なども脚部障碍と関連付けられるがこれらはいずれもラーゲルレーヴが繰り返し扱うモチーフである同書は一般向け書籍という性質上やや学術性には欠けるが本研究が一見関連の薄い諸モチーフを学術的に関連付けることができればラーゲルレーヴ文学のみならずヨーロッパの文明像障碍者像に対しても新たな視点を与えることができるまた申請者はドイツ滞在中シュヌアバイン教授のゼミナール北欧文学におけるユダヤ人の表象 ( フンボルト大学 2007 年度冬学期 ) に参加し近現代の北欧文学において病および性的倒錯がしばしばユダヤ人の表象として用いられたことを知った同ゼミナールではラーゲルレーヴへの論及はなかったが申請者は上記の諸モチーフとユダヤ人の表象を病障碍およびジェンダー論的観点を介して比較することで作家研究および北欧文学におけるユダヤ性研究に貢献できると考えた本研究では諸モチーフを近代北欧文学と神話民話原典との間で比較する申請者は古澤ゆう子教授のゼミナール ( 東京大学 2000 年度 ) で神話と近代文学の比較という問題関心を知った神話民話は近代文学によって受容表象される際原典の一部が誇張あるいは削除されたり解釈意味づけされたりするなどの変化を被るこの変化はそれ自体が近代の特質を表す本研究は近代文学と古典文学における同モチーフの共通点相違点を考察し近代における脚部障碍者像の特色とその成立の過程を明らかにする (2) 研究目的内容 ( 図表を含めてもよいのでわかりやすく記述すること ) 1 研究目的研究方法研究内容について記述すること 2 どのような計画で何をどこまで明らかにしようとするのか具体的に記入すること 3 共同研究の場合には申請者が担当する部分を明らかにすること 4 研究計画の期間中に異なった研究機関 ( 外国の研究機関等を含む ) において研究に従事することを予定している場合はその旨を記載すること博士論文をスウェーデン語で発表する準備を整える ( このため短期的にスウェーデンに赴く ) と同時にラーゲルレーヴをはじめとする近代北欧文学における脚部障碍をギリシア北欧の神話民話と比較しつつ考察する脚部障碍をテーマとして取り上げる理由は以下の二点である一点目はそのヴァリエーションの多くがラーゲルレーヴ作品に頻出するからである一見関連の薄い諸モチーフを脚部障碍というテーマのもとに関連付けることでラーゲルレーヴ文学に対する新たな視点を得ることが期待できる二点目は脚部障碍は山羊脚の悪魔のイメージと結びついてヨーロッパにおける他者排除を象徴的に示していると考えられるからであるナチスがユダヤ人をはじめとする異民族障碍者ホモセクシュアル浮浪者などをいずれも劣等とみなして排除したことは周知の事実であるその際目に見える障碍を持たないユダヤ人に関しても民族自体に対して障碍者の比喩が用いられたまたスウェーデンにおいては福祉政策の名の下に障碍者の断種が行われていたこのことからある集団を劣等と見なし種として排除する動きはナチスドイツに限ったものではなくこと障碍者に関してはその排除を押しとどめる動きは少なかったと考えられる本研究ではこうした障碍者像の背景を広くヨーロッパの神話民話伝説歴史的事実文化に求めその起源を文学における障碍者像から考察する古澤教授によればヨーロッパ中世における山羊脚の悪魔のイメージはギリシア神話のサテュロスに由来するサテュロスは官能性の象徴でありキリスト教モラルを逸脱する存在であるまた魔女も背中の曲がった老婆として表象されるこうした表象において身体障碍は内面の醜さや悪を映す鏡と考えられていた一方近代以前において身体障碍者はつまはじき者であると同時に特殊な能力を備えた存在でもあったたとえば北欧神話の主神オーディンは宇宙を統べる智慧を得る代償として片目を失う同じく北欧神話の鍛冶屋ヴェルンドは脚の腱を斬られているが屈指の金細工師であるギリシア神話の鍛冶の神ヘパイストスは醜い容姿のために母神ヘラに嫌われ天界から投げ落とされて脚部に障碍を負うが神々や英雄のために数々の芸術作品を作り出すこのようにヨーロッパには障碍者 = 天才芸術家神 ( あるいは神性を持つ者 ) という像もあった本研究では障碍者が近代においてどのように両義性を失いつまはじき者とされて排除されたのかあるいは両義性を残された部分があるのかあるとすればそれはどういった部分かを脚部障碍と関連する大地母神 -5/10-

4 ( 研究目的内容の続き ) 狂人ユダヤ人に即して考察する (1) 大地母神大地母神は旧石器時代以降の地中海世界で大地が女神として神格化されたもので手付かずの自然が人間に恵みと災いの双方をもたらすように生命の授与と剥奪という相反する二つの面を持っていたしかしこうした太古の信仰をオリュンポス文明が支配すると大地母神の二つの面は個別の女神たちへと分散され女神たちは天界を統べるゼウス神よりも下位に置かれた西洋中世にいたってその生命の剥奪を司る部分は魔女として忌避の対象となった ( 西村賀子魔女のルーツを西洋古典文学にさぐる 2004) 即ち大地母神は文明によって抑圧排除されしかし依然としてその底流をなし続けたのである申請者は大地母神の表象に文明による他者排除のあり方の典型を探ると同時に大地母神が排除されつつ底流をなす存在であるが故に持つ文明の枠組みを超越する可能性に着目し主に以下の三点を論じる一点目は異世界との往還能力である西村によれば大地母神は他界との媒介の象徴としての飛行能力を持ち死者の魂を冥府に運ぶ存在と見なされていたラーゲルレーヴ文学においては脚部障碍が異世界との往還につながる作家は左足に障碍を持ち歩くことのできなかった幼少期に楽園の鳥に会うために立ち上がって歩いて行ったというエピソードを披露している ( 自伝モールバッカ 1922) 楽園の鳥とは脚のない孔雀の剥製のことであるここには脚がない歩けないということ ( 脚部障碍 ) が楽園を飛ぶ翼を持つ即ち現世と異世界を往還する能力を持つことだという正反対のものの一致 ( 博士論文第二部参照 ) が見られる空想世界キリスト教的楽園死後の世界など日常世界の外をしばしば問題にするラーゲルレーヴ文学においてその世界との往還を保証する脚部障碍が大地母神とどのように関連しているのかまたそれが同時代の北欧文学の脚部障碍とどのような共通点相違点を持つのかを考察する二点目は大地母神あるいは魔女を思わせる老女と脚部障碍を持つ若い男性との関わりである種村は脚部障碍を持つ神ヘパイストスが海の女神テティスに育てられ大地の女神ガイアと子をもうけたこと腫れた脚という意味の名を持つオイディプス王が荒野をさまようこと鍛冶能力を持つ小人 ( 小人とせむしは近代以前の代表的障碍者である ) ダクテュロスが大地の女神レアから生まれたことなどから大地母神と脚部障碍に深い関わりがあるとするまたラーゲルレーヴと同時代のイギリスの神話学者フレイザーは神話内で死と復活が描かれる若い男性神は植物神でありその死と再生は植物の枯死と再生を象徴すると主張したフレイザーはギリシア神話のアドニスとアフロディテなど植物神と大地母神が夫婦または愛人関係にあることを指摘しその関係がピエタ像の起源でもあるとの仮説を立てた ( 金枝篇 1890) ラーゲルレーヴ作品においてもしばしば大地母神的な老女が若い男性の脚部障碍者を庇護し再生させるイェスタベルリングのサガでは酒におぼれた ( 真っ直ぐに歩けない泥酔者は脚部障碍者のヴァリエーションである ) 元牧師イェスタを悪魔と契約しているとうわさされる老女少佐夫人が庇護するニルスのふしぎな旅では魔法で小人に変えられた少年が雁の群と共に旅をする群の隊長アッカは老いた雌の雁で白鳥たちの前で自分の醜い姿を恥じる場面があることから醜い老女 = 魔女のヴァリエーションと考えられるエルサレムにおいては移住者たちを率いる老女ミセスゴードンが教派の違う主人公イングマルを自身のコロニーに招き入れ農夫として成長させるこれらの作品の最後に若い男性主人公は老女の世界を去るかその世界を破壊する博士論文の第二部では若い男性と老女の関係を新しいものが古いものを克服する関係として論じたが今後は両者の関係を植物神と大地母神の関係をにおわせるものとして捉えなおし大地母神が脚部障碍者に自身の存在を拒否否定されつつ生命を与える構造の意義を確認するまた醜い老女とピエタの若く美しいマリア像の間に見られる庇護者大地母神としての職能の共通点相違点とその変化の背景を考察する三点目はセクシュアリティの問題である大地母神はそもそも豊穣多産を司る女神であり性をタブーとするキリスト教的モラルとは相反する存在であるまたフロイトや C.G. ユングは脚を生殖器の象徴としオイディプスの母子相姦に典型的である通り脚部障碍者は生殖行為や性的嗜好に問題を持つとした申請者は彼らの説の背景にも官能性の象徴としてのサテュロス像悪魔像そして大地母神像があると考え対象作品における脚部障碍と ( 性的 ) モラルの逸脱の関係を神話民話におけるそれのみならず当時の心理学的解釈と比較しつつ考察するラーゲルレーヴに関しては近年女性秘書 S. エルカンや V. オーランダーとの書簡が公開され彼女たちとの同性恋愛関係が明らかになった作家自身は隠していた性的嗜好が作中の脚部障碍者その他の人物像にどのように反映されているのかまたそれが国民作家としての作家自身によってどのように隠されているのかも考察の対象とする (2) 預言狂気種村はヒステリー患者の一過性の身体麻痺とりわけ足の麻痺が巫女の予言的ヴィジョンと関係しているとするエルサレムにおいて預言能力を持ちながら狂人と見なされる女性イェットルードは軽やかに歩くことを特徴とする地に脚のつかない人物であるここではラーゲルレーヴとナチスの相違点の一つでもある精神疾患への態度を神話民話と比較しつつ考察する M. フーコー狂気の歴史 (1961) によれば狂人は近代以前は見世物としてではあれ社会に居場所 -6/10-

5 ( 研究目的内容の続き ) があったが近代以降精神病患者として治療の対象となり病棟に隔離されて生活空間から排除されたラーゲルレーヴはフロイトやユングの精神医学に興味を持ち地主屋敷の物語 (1899) エルサレム ( ) ポルトガリヤの皇帝 (1914) において狂人を描いているが時代が下るにつれて狂人の表象は病人から預言者へと変化する最初の作品では狂気は現実認識能力の欠如として書かれ暗闇にたとえられるこれに対し後の二作品では太陽が発狂の原因であり狂人は未来を見通し真実を見抜く預言者として描かれるギリシア神話の巫女カッサンドラは太陽神アポロンに預言能力を与えられ神がかり ( コントロールを失って身体がよろめくことを申請者は脚部障碍のヴァリエーションと見なす ) になって真実を語ったが周囲の者からは信じられず狂人とみなされたラーゲルレーヴ文学の狂気の表象を北欧その他の文学およびギリシア神話におけるカッサンドラモチーフと比較しその特色を明らかにする (3) ユダヤ人種村の挙げる脚部障碍のヴァリエーションのうち民族主義と直接関わるのは放浪でありこのことは祖国がない定住しないユダヤ人にもあてはまる北欧には 17 世紀末からユダヤ人 ( セファルディム ) の入植が始まりゲットーも存在した 20 世紀には反ユダヤ主義が横行しナチスドイツ占領下のデンマークとノルウェーには強制収容所も存在した文学においては 19 世紀以降 H. ヴェルゲランド G. ブランデスなどユダヤ系作家の自伝的作品や H.C. アンデルセン J.V. イェンセン P. ラーゲルクヴィストら非ユダヤ系作家の文学においてユダヤ人が繰り返し描かれステレオタイプ化された典型的表象としては病性的倒錯アハスヴェルス ( さまよえるユダヤ人 ) などのモチーフが挙げられる ( シュヌアバインハイブリッドな他在 2007) またアンデルセン生きるべきか死ぬべきかには脚部障碍を持つロマの少年が登場する一方ラーゲルレーヴ作品に登場するスウェーデン人の脚部障碍者は最終的には同障碍から解放され故郷や家庭へと帰還する脚部障碍病放浪性的倒錯というモチーフを軸にユダヤ人その他の異民族と中世以来の悪魔や魔女の表象を比較しスウェーデン人等自民族の脚部障碍者像と対比することで非ユダヤ人のナショナリスティクな故郷の概念が成立する過程と劣等民族としてのユダヤ人像が成立する過程を明らかにするこの研究のためベルリンに赴き資料収集およびシュヌアバイン教授とのディスカッションを行う (3) 研究の特色独創的な点次の項目について記載すること 1 これまでの先行研究等があればそれらと比較して本研究の特色着眼点独創的な点 2 国内外の関連する研究の中での当該研究の位置づけ意義 3 本研究が完成したとき予想されるインパクト及び将来の見通し本研究は日本における本格的な北欧近代文学研究の先駆的役割を担い日本および世界の北欧文学北欧学研究ドイツ文学研究に対してドイツ文学科出身の日本人北欧文学研究者という申請者独自の立場から貢献するこれまでのラーゲルレーヴに関する主要研究で作品に対する神話や民話からの影響に言及したものは存在する (G. ショルツラーゲルレーヴによるゲーテ的魔法モチーフの受容 1968 H. ヴィーヴェル雪の女王 1990) が神話民話との共通点相違点を詳細に論じたもの作家の民話受容を民族主義と関連付けたものは見当たらない北欧とドイツにおける作家のお話おばさんとしての人気の理由を民族主義に求め神話民話の原典と比較することで作家の民族主義者としての一面のみならず北欧の民族主義において神話民話が果たした役割を解明しようとする本研究の試みは他に類を見ないその際に脚部障碍を中心軸として作家論をヨーロッパ文明論へと展開させることも独創的であるまた近年のスウェーデンにおけるジェンダー的観点からの作家研究に対しても本研究は大地母神という太古以来の女性像をめぐる議論により近代の女性論女性解放論とは別の視点を提示する更に作家の人気の高さに鑑みて彼女の民族主義のあり方を論じることは北欧の民族主義の歴史的社会的政治的研究にも貢献すると期待される日本の北欧学研究では北欧は福祉のモデルケースとして注目されるが北欧における障碍者の位置づけを文化的に解明した例はなく本研究はその先駆的役割を果たすまた作家の民族主義への論及は日本におけるラーゲルレーヴ = 平和主義作家北欧 = 牧歌的な理想国家というイメージにも一石を投じる日本のドイツ文学研究においてはドイツ北欧間の長い交流史にもかかわらず北欧への言及や両文学の比較研究は極めて少ないナチズムへの反省に立って北欧近代文学の障碍者を論じる本研究はドイツ文学研究において文学とナチズムを論じる際にも重要な位置を占めるのみならずドイツ文学における北欧 ( 文学 ) 研究への論及の意義を示し得るものと考えられるまたユダヤ人ないしはユダヤ性というテーマは F. カフカや P. ツェラーンなどユダヤ系ドイツ語作家論と共通しておりこのテーマを通じてドイツ北欧両文学を比較する可能性を示すことができる特別研究員の任期終了後はドイツ語文学の教員として北欧文学研究の成果を取り入れた新しいドイツ文学の教育研究を行いたいまた将来的には北欧近代文学の専門機関を創設したい -7/10-

6 (4) 受入研究室の選定理由受入研究室として選定した理由について次の項目を含めて記載すること 1 受入研究室を知ることとなったきっかけ及び採用後の研究実施についての打合せ状況 2 申請の研究課題を遂行するうえで当該受入研究室で研究することのメリット新たな発展展開個人的に行う研究で指導的研究者を中心とするグループが想定されない分野では研究室を研究者と読み替えて記載すること受け容れ研究者である古澤ゆう子教授 ( 一橋大学 ) とは東京大学文学部のゼミナールドイツ語ドイツ文学演習 (2000 年度通年 ) を通じて知り合った同ゼミナールはドイツ古典主義文学におけるギリシア神話由来のモチーフを原典と比較しつつ考察するもので近現代文学における民話神話モチーフを原典と比較するという今回の研究計画の着想の一要因でもある古澤教授とはその後もコンタクトを取り必要に応じて参考文献の指示や論文に対するコメントを得てきた今回の研究計画に関しては教授を訪問の上綿密なディスカッションを行った脚部障碍とナチズムという一見関連性の薄い申請者の諸関心が中世の悪魔像ギリシア神話のサテュロス像およびナチズムにおける障碍者としてのユダヤ人像を介して互いに関連付けられたのはこのディスカッションによるところが大きい古澤教授はギリシア古典と近代ドイツ文学双方を専門とし北欧の神話文学についても造詣が深いことから申請者はこれから対象とする神話神話学についてもそれらを近代文学と比較する方法や観点についても豊富な情報助言を得ることができるまたドイツのロマン主義はドイツの民族主義よりもむしろ北欧の民族主義に強い影響を与えた ( スヴェドゥイェダール教授の指摘 ) 18 世紀のドイツ文学は古澤教授の専門の範疇であり申請者はこれについても教授から必要な情報助言を得られると期待している (5) 年次計画 (1 年目 ) 博士論文をスウェーデン語で発表する準備をすると同時に主に研究内容 (1) を遂行する博士論文として書いた概説部分をスウェーデン語訳し内容面ではスヴェドゥイェダール教授とディスカッションを行い言語面では G. ベッカー ( セルマラーゲルレーヴ学会秘書元国語教師 ) の校正を受ける原稿完成後上記学会およびウプサラ大学で口頭発表し彼らに出版社の紹介を受けるこれらの協力についてはスウェーデン滞在時に約束済みである (1) に関しては古澤教授の指導のもとギリシア神話におけるオイディプスへパイストスなどの典型的脚部障碍と大地母神の関係を学術的に考察する次いで同じモチーフを北欧近代文学の中に探す北欧では 1870 年代に女性解放運動が起こり 80 年代には A. スクラム V. ヴェネディクトソン S. クレーヴなど多くの女性作家思想家がデビューし 90 年代以降のラーゲルレーヴ受容の素地となったこれらの女性作家における大地母神および脚部障碍モチーフを彼女たちの女性解放論と関連付けて考察するまたラーゲルレーヴに大きな影響を与えたフロイトの同議論についても主要文献を観覧するこの成果を論文にまとめ所属する日本独文学会日本比較文学会北ヨーロッパ学会のいずれかで口頭発表し機関誌に投稿する (2 年目 ) 主に研究内容 (2) を遂行し成果を論文にまとめ上記学会で口頭発表または機関誌に投稿する古澤教授の指導のもとカッサンドラ太陽狂気預言に関するモチーフを扱う古典文学および近代北欧文学を比較研究するギリシア神話において太陽は太陽神ヘリオスが駆る馬車とされるが馬車は脚部障碍を持つ神ヘパイストスの発明品である昼と夜の間また大地または海と空の間を往還する太陽 ( 神 ) も脚部障碍者のヴァリエーションとして考察する北欧神話については太陽神フレイ ( オーディン信仰によって支配された北欧太古の太陽崇拝の主神 ) と太陽が神格化された女神ソールを考察対象とする北欧近代文学に関してはスウェーデンの作家フレーディングの作品を観覧する G. フレーディングはラーゲルレーヴの親戚であり彼の発狂はラーゲルレーヴの精神疾患への関心に影響を与えたとされるまた具体的に太陽と狂気のモチーフまた不倫や兄妹の近親相姦など性的タブーを扱った作品としてイプセン幽霊を分析するこれら近代文学における太陽の描写と夏至当時など北欧特有の太陽と関連する行事に見られる太陽のイメージを比較し北欧文学における太陽の位置づけを多角的に考察する (3 年目 ) 研究内容 (3) を遂行し成果を論文にまとめ上記学会で口頭発表または機関誌に投稿するシュヌアバイン教授のゼミナールスカンディナヴィア文学におけるユダヤ人の表象 (2007 年度冬学期 ) のリストをもとに北欧近代のユダヤ人作家による文学非ユダヤ人作家によるユダヤ人が登場する文学およびそれらについての二次文献を観覧する現在具体的に考えているのは同ゼミナールで申請者自身が報告を行ったアンデルセン生きるべきか死ぬべきかのユダヤ人とロマについての考察であるこの研究のためベルリンに赴きシュヌアバイン教授とのディスカッションおよび資料収集を行うまた F. カフカや P. ツェラーンなどユダヤ系ドイツ語作家のユダヤ性をテーマとして研究を行う C. イヴァノヴィチ客員教授 ( 東京大学大学院客員教授 ) ともディスカッションを行い場合によっては共同研究を行う -8/10-

7 4. 研究業績 ( 下記の項目について申請者が中心的な役割を果たしたもののみ項目に区分して記載することその際通し番号を付すこととし該当がない項目はなしと記載すること申請者にアンダーラインを付すこと ) (1) 学術雑誌等 ( 紀要論文集等も含む ) に発表した論文著書 ( 査読の有無を区分して記載すること査読がある場合印刷済及び採録決定済のものに限る査読中投稿中のものは除く ) 1 著者 ( 申請者を含む全員の氏名を論文と同一の順番で記載すること ) 題名掲載誌名発行所巻号 pp 開始頁 - 最終頁発行年をこの順で記入し著者の所属職については脚注に記載することなお著者が 10 人以上にわたる場合は主な著者を数名記入しそれ以外を省略 ( 省略する場合省略した共著者の員数と全著者の中で申請者が掲載されている順番を番目と記入 ) してもよい ( 著者に指導教員やコレスポンディングオーサー ( 論文責任著者 ) が含まれる場合は必ず記載すること ) 2 採録決定済のものについてはそれを証明できるものを P. 10 の後に添付すること (2) 学術雑誌等又は商業誌における解説総説 (3) 国際会議における発表 ( 口頭ポスターの別査読の有無を区分して記載すること ) 著者 ( 申請者を含む全員の氏名を論文等と同一の順番で記載すること ) 題名発表した学会名論文等の番号場所月年を記載すること発表者に印を付すこと ( 発表予定のものは除くただし発表申し込みが受理されたものは記載してもよいその場合はそれを証明できるものを P. 10 の後に添付すること ) (4) 国内学会シンポジウム等における発表 (3) と同様に記載すること (5) 特許 ( 申請中公開中取得を明記することただし申請中のもので詳細を記述できない場合は概要のみの記述でよい ) (6) その他 ( 受賞歴等 ) (1) 学術雑誌等 ( 紀要論文集等も含む ) に発表した論文著書査読あり 1 ( 註 1) 思い出す忘れる生きるゼーガース死んだ少女たちの遠足における記憶のあり方詩言語東京大学大学院人文社会系研究科ドイツ語ドイツ文学研究会第 57 号 pp ( 註 2) たそがれの物語セルマラーゲルレーヴイェスタベルリングのサガにおける前近代的世界 ( 前編 ) 詩言語東京大学大学院人文社会系研究科ドイツ語ドイツ文学研究会第 61 号 pp ( 註 3) 3 ( 註 2) たそがれの物語セルマラーゲルレーヴイェスタベルリングのサガにおける前近代的世界 ( 後編 ) 詩言語東京大学大学院人文社会系研究科ドイツ語ドイツ文学研究会第 62 号 pp ( 註 3) 4 ( 註 2) 無意味に貫かれた生クリスタヴォルフクリスタ T の追想における物語の否定と意味づけの拒否詩言語東京大学大学院人文社会系研究科ドイツ語ドイツ文学研究会第 65 号 pp ( 註 2) 太陽と死サイードのカミュ論をヒントにラーゲルレーヴエルサレムを読む北欧史研究バルトスカンディナヴィア研究会第 24 号 pp ( 註 2) 男性農地健康 / 女性森病セルマラーゲルレーヴエルサレムにおける血と大地詩言語東京大学大学院人文社会系研究科ドイツ語ドイツ文学研究会第 70 号 pp ( 註 4) 死救済天啓セルマラーゲルレーヴエルサレムにおける宗教運動の描写詩言語東京大学大学院人文社会系研究科ドイツ語ドイツ文学研究会第 71 号 2009 年 7 月刊行予定 ( 採録決定済み証明書添付ページ数未定 ) 註 : 著者の所属職 ( 論文発表時 ) および備考 ( 註 1) 東京大学大学院人文社会系研究科院生 ( 修士課程 ) ( 註 2) 東京大学大学院人文社会系研究科院生 ( 博士課程 ) ( 註 3)2 と 3 は一本の論文で前後二編に分けて掲載された ( 註 4) 東京理科大学理学部非常勤講師 (2) 学術雑誌等又は商業誌における解説総説査読あり 8 小澤実 ( 註 5) 松本涼 ( 註 6) 成川岳大 ( 註 7) ( 註 2) 中世アイスランド史学の新展開北欧史研究バルトスカンディナヴィア研究会第 24 号 pp /10-

8 ( 研究業績の続き ) 査読なし 9 ( 註 8) 狭間にある場所異端の作家セルマラーゲルルーヴとヴァルムランド ( 註 9) 村井誠人 ( 註 10) 編スウェーデンを知るための 60 章所収明石書店 pp 年 5 月刊行予定 ( 採録決定済み証明書添付 ) 註 : 著者の所属職 ( 発表時 ) および備考 ( 註 5) 東京大学院生国際医療福祉大学非常勤講師 ( 註 6) 京都大学院生日本学術振興会特別研究員 (DC1) ( 註 7) 東京大学院生 ( 註 9) 書籍全体の表記統一のため作家名出身地名が申請者の計画書内および他の論文内での表記とは異なっている ( 註 10) 早稲田大学文学部教授 (3) 国際会議における発表口頭発表 ( ドイツ語 ) 査読なし 10 Teiko Nakamaru( 註 11) Selma Lagerlöfs Gösta Berlings saga als der Roman der Prämoderne( 前近代小説としてのラーゲルレーヴイェスタベルリングのサガ ) ベルリンフンボルト大学ドクターコロキウム論文等の番号なしベルリンフンボルト大学 ( ドイツ ) 2007 年 6 月 11 Teiko Nakamaru( 註 11) Zur Geschichte der Rezeption skandinavischer Literatur in Japan. Mit besonderer Berücksichtigung Selma Lagerlöfs.( 日本における北欧文学の受容セルマラーゲルレーヴを中心に ) ベルリンフンボルト大学ドクターコロキウム論文等の番号なしベルリンフンボルト大学 ( ドイツ ) 2008 年 1 月註 : 発表者の所属職 ( 発表時 ) ( 註 11) 東京大学院生ベルリンフンボルト大学客員研究員 (4) 国内学会シンポジウム等における発表口頭発表査読なし 12 ( 註 2) たそがれの物語セルマラーゲルレーヴイェスタベルリングのサガにおける前近代的世界バルトスカンディナヴィア研究会 10 月例会論文等の番号なし早稲田大学 ( 東京 ) 2004 年 11 月 13 ( 註 2) この世だけの王国セルマラーゲルレーヴアンチキリストの奇跡における信仰と大地東京大学大学院ドクターコロキウム論文等の番号なし東京大学 ( 東京 ) 2004 年 12 月 14 ( 註 2) セルマラーゲルレーヴについて北ヨーロッパ学会関東部会論文等の番号なし文京学院大学 ( 東京 ) 2005 年 6 月 15 ( 註 2) セルマラーゲルレーヴエルサレムにおける近代化の表現東京大学大学院ドクターコロキウム論文等の番号なし東京大学 ( 東京 ) 2005 年 10 月 16 ( 註 2) 太陽と死サイードのカミュ論をヒントにセルマラーゲルレーヴエルサレムを読む東京大学大学院ドクターコロキウム論文等の番号なし東京大学 ( 東京 ) 2006 年 10 月 17 ( 註 2) 小説か物語かセルマラーゲルレーヴエルサレムにおける近代と前近代の混交北ヨーロッパ学会若手研究会論文等の番号なし立命館大学 ( 京都 ) 2006 年 11 月 18 ( 註 2) 博士論文導入近代というテーマについて東京大学大学院ドクターコロキウム論文等の番号なし東京大学 ( 東京 ) 2009 年 1 月 19 ( 註 8) ドイツ民族主義と北欧郷土芸術運動 (Heimatkunstbewegung) と血と大地文学 (Blut- und Boden-Literatur) における北欧文学の受容日本独文学会春季研究大会論文等の番号なし明治大学 ( 東京 ) 2009 年 5 月 (5) 特許等なし (6) その他 ( 受賞暦等 ) なし -10/10-

博士論文考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月広島大学大学院総合科学研究科向井秀文

博士論文考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月広島大学大学院総合科学研究科向井秀文博士論文考え続ける義務感と反復思考の役割に注目した診断横断的なメタ認知モデルの構築 ( 要約 ) 平成 30 年 3 月広島大学大学院総合科学研究科向井秀文目次はじめに第一章診断横断的なメタ認知モデルに関する研究動向 1. 診断横断的な観点から心理的症状のメカニズムを検討する重要性 2 2. 反復思考 (RNT) 研究の歴史的経緯 4 3. RNT の高まりを予測することが期待されるメタ認知モデル