一般男子学生の脚筋力と最大無酸素パワーとの関係性について

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きみおうとだ
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1 神奈川性け I 大学払礎利介篇 i 集第 31 号 :l l/一般男学生の脚筋力と最大無酸素パワーとの関係性について Relationship betwen isokinetic peak torque and other anaerobic power parameters n i male university students 川上正人 1 根本昌樹神仮川歯科大学言語伯誠人文学晶座体育学分野 1 福島工業高等専門学校一般教科体育学 MKAWAKAMI 1MNEMOTO, Department of Physical Education, Kanagawa Dental University ;Department of Physical Education J<ukushima National Colege of Technology Abstract The purpose of this study was to investigate the relationship betwen isokinetic peak torque and other anaerobic power parameters in male university students The isokinetic peak torques during kne extension and ( l f ぅ xion ぃ nc measured at, 1, and 30 degres" sec Iaximal anaerobic power measured by using the bicycle ergometer by one s best of ten seconds in the load of thre stages The dash ability measured the dash time of 50m with the stopw;1tch in 01 seconds The jump ability measured the vertical jump and standing jump The main results Vere as folows: 1) There was a significant relationship betwen isokinetic strength (kne extension and flexion) and maximal anaerobic power of absolute value (p<001) In adition, There was a significant relationship betwen isokinctic strength and maximal 會 0 al (p<001) anaerobic power (relative value) except for kne extension at degres/sec (p<005 or p<001) 2) There was a significant relationship betwen isokineic strength of kne extension (relative value) and the jump ability velocity (p<005) 3) Only in the Hexion (relative value) at degres/sec was significant relationship betwen isokinetic strength and 50m dash (p<005) 4) There was a negative significant relationship betwen 50m dash and maximal anaerobic power (relative value) (p<005) 5) There was a significant relationship betwen maximal anaerobic power (relative value) and the jump ability Key words : isokinetic strength/ anaerobic power I jump and dash ability

2 8川上正人根本昌樹 1 緒言等速性脚筋力や自転車エルゴメーターの全カペダリングによって測定される最大無酸素パワー 5) 下肢筋の無酸素性作業能力の指標として用いられている 2) そして下肢筋の等速性筋力あるいは最大無酸素パワーと短距離疾走能力や跳躍能力との間に有意な相関関係を認めている報告が数多くなされている ) 1 3) 4) 6) しかしそれらは陸上競技や球技などのスポーツ選手を対象に検討したものでありスポーツ選手でない一般的な人々に関する報告は少ない ) 1) 0 特に単発的動作によって発揮される等速性脚筋力と連続的な動作によって発揮される最大無酸素パワーとの関係およびそれらと跳躍能力や疾走能は負荷での秒間の全カペダリングより求めた疾走能力は 50m の疾走タイムをストップウォッチにより 01 秒単位で計測しこれを指標とした跳躍能力は垂虹跳び立ち幅跳びの記録を指標としたが垂直跳びの跳躍高はフォースプレート ( 総合計装社製 ) を用いて滞空時間より求めたまた立ち幅跳びはメジャーを用いてセンチメートル単位で計測したなお垂直跳びは膝関節をはぼ直角に曲げた状態から腕の振り上げや反動動作を用いずに行う跳躍 (SJ) と跳躍動作を規定しない一般的な垂直跳び (VJ) との 2 種類行ったまた垂直跳びおよび立ち幅跳びの測定はそれぞれ 3 回ずつ行いそのうちの最も良い記録を比較に用いた最大無酸素パワーと 50m 走の測定は原則的に 1 回とした力との関係について総合的に検討している報告はみられないそこで, 本研究はスポーツ選手でない一般的な男子大学生の等速性脚筋力と最大無酸素パワー疾走および跳躍能力との関係について明らかにすることを目的に行った 3 結果と考察表 l および 2 はそれぞれの測定項目における 20 名の被験者の平均値と標準偏差を示したものである等速性脚筋力は杉田 12) らが報告している男子大学生の平均値と比較すると屈曲力はほぼ同程 2 被験者および測定方法 1) 被験者被験者は, 特別な運動習慣をもたない健康な男子大学生 20 名 ( 年齢 194 土 075 歳身長 1692 土 68cm 体重 623 土 971kg) であった等速性脚筋力はユニバーサル社製の筋力測定装置 (MERAC) を用いて 1 および 30 / 秒の 3 種類の角速度で最大努力による膝関節の伸展屈曲運動を左右それぞれ 3 回ずつ行いこのうちの最も高い値を各速度での等速性脚筋力 ( ピークトルク ) としたなお他の測定項目との比較には左右脚の平均値を用いた最大無酸素パワーは自転車エルゴメーター ( パワーマックス v: コンビ社製 ) を用いて 3 段階の度であったが伸展力は本研究の被験者の方が約はその平均体重 (62kg) をもとに宮下 1) の評価表から判定すると 7 段階評価の 3 やや劣っているであった表 3 は等速性脚筋力の絶対値および体重あたりの値と他の測定項目との相関係数を示したものである等速性脚筋力の絶対値 ( 伸展および屈曲力 ) と最大無酸素パワーの絶対値との間には高い有紅な正の相関関係が認められた ( 図 ) 1 また体重あたりの最大無酸素パワーと等速性脚筋力 ( 絶対値および体重あたりの値 ) との間にも I 秒での伸展力 ( 絶対値 ) を除き他は全て有意な相関関係にあった (p< 005 あるいは p < 001) このような高い相関関係が認められたのは単発

3 'JOO EN)EN)(ENEN)EN)学,表 1 等速性脚筋力 ( ピークトルク ) の測定結果表 2 最大照酸素パワー, 疾走および跳躍能力の測定結果 Velocity 1 30 " ( I 砂 c) E F E F E F Max Anaerobic Power 50m SJ VJ Long Jump Torque -(wat) (wf!t/kg (sec) (cm) (cm) (cm X (Nm) SD 1608 X 2534 x 2 (Nm/kg) SD SD 0470 E : extention F: flexion EN)anbJOlanbJOLenbJDL(250(Ex ten lion (~sec) > 1 4 ( r:01 p<0, Extent/on(tBOisec) / r:l 734 p< Extentlon(30,sec) 1 ー2 r=0793 P< (anbJolanbJOlanbJOl( ー Fie x io n(6 01sec) Ffexion(1'tsec) Flexion(307sec} 30 r:o 7 p< ;, e r=c0784 p < r=o 787 p:oaot 図 1 等速性脚筋力と最大無酸素パワーとの関係

4 図 3 脚伸展力と立ち幅とびとの関係 (5anbJO! b 0 I / I I )\ 根本昌樹的に発揮竺れる等速性脚筋力も秒間の連続的な日転車ペダリングで発揮されるハワーもギー t J 1 給機能からみると性作業能力を反映しているためであると考えられる 1) 表 3 エネルともに脚筋の同し非乳酸体屯あたりの脚伸展 )j と垂直院び (JV) 立ち軋屈跳びとの相関はおよびいずれの測定速度においても統計的に有意であった ( 表 3 および図 2 3) また体重あたりの脚屈曲力と垂直とび (VJ) および立ち幅跳びとの間にも / 秒と立ち幅跳びと等速性脚筋力と最大無酸素パワー, 疾走および跳躍能力との相関 Max Anaerbic Power wat wat/kg SJ VJ Long Jump 50m El- El-1 El * * * 0734* * * 0793* * * 0481 * 0452* 0463* Fl- Fl-1 Fl-30 07* * * 0784* * * 0787* * * * * 0572* * E2- E2-1 E * * 053* 0585* * * * * 065* * 0751 * * * 0593 * * 0524 * 0621 * * F2- F2-1 F * 061 * * 061 * * OD * 0546* 0495* * 0497 * ~0-457* E : extention *P<005 F: flexion * *p<001 1 : absolute value * * *p<001 2 : relative value エIEN)図 2 脚伸展力と垂直とびとの関係 Extentlon(30,sec) (6エIEN)r:0751 pべ001 an Extentlon(30,sec) r:062 p<001 t 30 Vertical 50 Jump (cm) Long Jump (cm) 30

5 一般男子学 Lj_O)IJ!:IJ 筋 )) と最人無酸素パワーとの関係性について 1 の関係を除き打瓜な相関関係がみられた (p < 005) しかし等速性脚筋力の絶対値において有意な相計的に有意な負の相閃関係かみられた (p < 005) n 短距離疾走能力と最大無酸索パワーとの間には関関係が認められたのは 30 I 秒での伸展力と垂直スポーツ選手においても密接な関係が認められてい跳び (VJ) および立ち幅跳びのみであった (p< 005) る 1) 5) 0 反動動作を用いない垂直跳び (SJ) と等速性脚筋しかし加地ら 8) は m 疾走タイムと等速性力との間には何ら有紅な相関関係は認められなかった等速性脚筋力と跳躍能力に関しては渡辺ら J,j も本傭究と同様に男 f 大学生において体重あたりの脚伸展力と跳躍 )J との間に有意な相関間係をみているしかしバレーボールやバスケットボールの選手では本研究でその絶対俯において有意な相関関係がみられなかったおよび 1 / 秒の測定速度における脚伸展力と跳躍高との間にも有意な相関関係を認めている恨告 13) やこれとは反対に測定動作と跳躍動竹か沢なることから両者間には行意な相閃関係は認められないとする否定的な恨告もありスポーツ選手では一定の結論は得られていない ) 等速性脚筋力と 50m 走の疾走タイムとの相関は表 3 からも明らかなように全体的に低く統計的に有意な関係がみられたのは c I 秒での体重あたりの屈曲力のみであった (p < 005) 短距離疾走能力と等速性脚筋力は陸卜短距離選手において密該な閃係のあることが明らかになって J J J 脚伸展力および最大無酸素パワーとの関係について検討した結呆 m 疾走タイムと最大無酸素パワーとの間には有意な相閃関係が認められたか脚伸展力との側には謡められなかったと報告している本仙究においても疾走能力と脚伸展力および最大無酸素パワーとの関係をみると彼らの報告と様に脚伸展力と短距離疾走能力との間には有意な相関関係は認められなかった c これらの結果は単発的なパワーよりも疾走状態により近い反復的な自転車ペダリングによって発揮されるパワーの力が短距離疾走能力をより反映していることを不唆するものであると考えられる体重あたりの最大無酸素パワーと垂直跳びおよび立ち幅跳びとの相歯はそれぞれ r=0587 および r=0592 でありともに統計的に有意であった (p く 001) C 動作様式からみると等速性脚筋 )J の方が最大無酸素パワーよりもより跳躍能力と関係が深いものと思われたが最大無酸素パワーと跳躍能力との間にも脚伸展力の場合と同様に比較的高い相関関係が認いるい J : ; j,, j, C また杉田に ) らは男子大学生において m 疾められた陸上競技の跳躍選 T の日転車ペダリングパワーが走能力と体瓜あたりの脚屈曲伸展力との間に 1 および 30 / 秒のそれぞれの測定速度で有意な相閃閃係を認めているが本研究では I 秒の屈曲力と疾走能力との間にのみ有意な州閃閃係かみられただけであった () これは m 走に比べ今皿測定した 50m 走ではスタート動作や加述走における技術的要因がより記録に影響しやすいことがその理由の一つとして考高いとする報告もあることから最大無酸素パワーから短距離疾走能力とともに単発的な跳躍能力もある程度推測することがJ 1 能であるかも知れない以上のように本研究の結呆から一般的な男子大学生の等速性脚筋力と最大無酸素パワーおよび跳躍能力との間には密接な関係があることまた最大無酸素パワーと疾走および跳躍能力との間にも有意な柑関関係があることなどが明らかとなったえられる一方 50m 疾走タイムと休巫あたりの最大無酸素パワーとの相 l 月は r=-045 であり両者間に統

6 12 川上正人根本昌樹 4 要約本研究の目的はスポーツ選手でない一般的な男子大学生の等速性脚筋力と最大無酸素パワー疾走および跳躍能力との関係について明らかにすることであった被験者は特別な運動習慣をもたない男子大学生 20 名であった等速性脚筋力は 1 および 30 I 秒の 3 種類の角速度で測定したまた最大無酸素パワーは自転車エルゴメーターの秒間の全カペダリングより求めた疾走能力として 50m 走跳躍能力として垂直跳びおよび立ち幅跳びの測定を行った結果は以下の通りである 1) 等速性脚筋 )J の絶対値 ( 伸展および屈曲 )J) と最大無酸素パワーの絶対値との間には高い有意な正の相関関係が認められた (p<001) また体重あたりの最大無酸素パワーと等速性脚筋力との間にも I 秒での伸展力 ( 絶対値 ) を除き他は全て有意な相関関係であった (p く005 あるいはp<001) 2) 体重あたりの脚伸展力と跳躍能力との相関はいずれの測定速度においても有意であったまた体重あたりの脚屈曲力と跳躍能力との間にも I 秒と立ち幅跳びとの関係を除き有意な相関関係がみられた (p<005) 3) 等速性脚筋力と 50m 走の疾走タイムとの相関は I 秒での体重あたりの屈曲力においてのみ有意であった (p<005) 4) 50m 疾走タイムと体重あたりの最大無酸素パワーとの間には有意な負の相関関係がみられた (p<005) 5) 体重あたりの最大無酸素パワーと跳躍能力との間にも有意な相関関係がみられた (p< 001) 参考文献 1) 阿部征次 : 女子短距離選手の記録と無酸素パワー日本体育学会第回大会号 p631,1989 2) 明石正和, 横内靖典, 武藤幸政, 畠山栄子, 永都久典 : スポーツ選手の形態および最大無酸素パワーに関する事例的研究城西大学研究年報, 自然科学輝 * 18,37-50,194 3) 麻場一徳, 勝田茂, 高松薫, 宮下憲 : 短距離疾走能力に及ぼす下肢の無気的パワー無気的持久力の影響日本体育学会第 36 回大会号 p28,1985 4) 麻場一徳, 勝田茂, 高松薫, 宮下憲 : 短距離疾走能力に及ぼす膝関節および股関節の伸展屈曲パワーの影響日本体育学会第 37 回大会号 p567,1986 5) Crielard, JM,and FPirnay : Anaerobic and aerobic power of top athletes EurJApl Physiol 47 : ,1981 6) 稲葉恭子, 加藤謙一, 宮丸凱史, 久野譜也, 尾縣貢, 狩野豊 : 女子スプリンターにおける疾走能カの向上に関する事例研究体育學研究 47 (5), ,202 7) 石崎聡之, 安松幹展, 石原啓次 : 高等専門学校生の最大無酸素パワー小山工業高等専門学校研究紀要 (3),19-23,201 8) 加地真, 高橋香代, 鈴木久雄, 三浦孝仁, 平田敏彦, 池田延行, 団琢磨 : 陸上短距離選手の筋力の評価日本体育学会第 42 回大会号 p689,191 9) 北哲也, 古川統英, 小松昌平 : 高負荷全カペダリングトレーニングが野球選手の 30m 疾走タイムに及ぽす影響トレーニング科学 25 (1),69-78, 2013 ) 三宅章介, 佐々木敏, 蓑内豊, 角田和彦 : 男子大学スポーツ選手の最大無酸素パワー : ラグビーアメリカンフットボール陸上競技を中心として北星学園大学経済学部北星論集 42 (2), 89-93,203 1) 宮下充正編著 : 一般人スポーツ選手のための体力診断システムソニー企業,62-76,1985

7 一般男子学牛の脚筋力と最大無酸素パワーとの関係性について 13 12) 杉田正明, 八木則夫, 並木洋子, 脇田裕久, 小林寛道 : 男子大学生の等速性脚筋力と m 疾走能力日本体育学会第 42 回大会号 p690,191 13) 田口孝行, 新田牧, 柳澤健 : 等速性脚筋力と等速性膝股伸展筋力との関係 ( 測定評価 ) 理学療法学 27 (suple2),342,20 14) 渡辺祐司, 広橋義敬, 金原勇, 田島行夫 : 跳躍力と等速性脚伸展力の関係について日本体育学会第 42 回大会号 p729,191

国士舘大学体育研究所報第29巻（平成22年度）

国士舘大学体育研究所報第29巻（平成22年度） THE ANNUAL REPORTS OF HEALTH, PHYSICAL EDUCATION AND SPORT SCIENCE VOL.29, 1-6, 2010 1 原著男子新体操選手の膝関節伸展屈曲運動における両側性機能低下 Bilateral deficit during isometric knee extension and flexion movement on male rhythmic