学術俯瞰講義 137 億年の 物質 の旅 ビッグバンからみどりの地球へ 12 月 3 日 : 物質と疾病 東京大学大学院薬学系研究科柴崎正勝

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1 学術俯瞰講義 137 億年の 物質 の旅 ビッグバンからみどりの地球へ 12 月 3 日 : 物質と疾病 東京大学大学院薬学系研究科柴崎正勝

2 医薬品 (= 物質 ) で疾病を治療する 医薬品の多くは低分子有機化合物 天然物由来医薬品と人工合成医薬品の両方がある 天然物では毒性が強すぎるものもあれば 効き目が不十分なものもある S 世界初の抗生物質ペニシリン G ( 天然物 ) Me Me 効き目のありそうな天然物などを参考に人工的にデザインされた物質を使用するケースが多い 生体のメカニズムを物質 ( 分子 ) レベルで理解し 医薬品を設計する必要がある

3 医薬品 (= 物質 ) と疾病治療 医薬品はどのように作用するのか? どのように設計されたのか? 1. 臓器移植を可能にする免疫抑制剤 2. 抗ウイルス薬 AIDS 発症を防ぐ医薬品の科学抗インフルエンザ薬の科学 3. 高血圧に対する医薬品の科学 4. 高脂血症に対する医薬品の科学

4 臓器移植を可能にする医薬品の科学 生体の防御機構 ( 免疫反応 ) による拒絶反応 ブロック 免疫抑制剤 1954 年一卵性双生児間の世界初の臓器移植 ( 腎臓 ) Joseph E. Murray E. Donnal Thomas (1990 年ノーベル生理学 医学賞 ) 1962 年免疫抑制剤による 親戚関係にないヒト間の腎臓移植 2 S アザチオプリン 2 2 メトトレキサート 1963 年肝臓移植 肺移植 1967 年心臓移植 C

5 臓器移植を可能にする医薬品の科学 選択的かつ強力な 免疫系 T 細胞活性化阻害剤の発見 Me Me Me 100 倍強力 シクロスポリンA FK 年 Sandoz 1987 年 Fujisawa 別名 Tacrolimus (Tsukuba macrolide immunosuppresant)

6 FK506 の純化学合成 Me Me R S S Me R Me P(Me 2 ) 2 I Me Me R R R FK 506 Br Me R

7 免疫抑制剤研究が拓いたケミカルバイオロジー Me Me Me シクロスポリン A FK 506 全く異なる構造 同様の作用 (T 細胞活性化の阻害 ) メカニズム?

8 免疫抑制剤研究が拓いたケミカルバイオロジー シクロスポリン A FK 506 全く異なる標的タンパク質に結合 シクロフィリン FKBP-12 複合体形成 複合体形成 同様の作用 (T 細胞活性化の阻害 ) 共通のメカニズムの関与?

9 免疫抑制剤研究が拓いたケミカルバイオロジー ラパマイシンも FKBP-12 に結合する ラパマイシン FK 506 同様の作用 (T 細胞活性化の阻害 ) FKBP-12 FKBP-12 探索分子として共通部位を保持した人工分子を化学合成 Me Me 506 BD Me 類似部分構造 Me Me Me Me Me ラパマイシン Me FK 506

10 免疫抑制剤研究が拓いたケミカルバイオロジー それぞれ複合体を形成 506 BD FKBP-12 作用なし ラパマイシン FKBP-12 FK 506 FKBP-12 インターロイキン 2(IL-2) に対する反応を阻害 インターロイキン 2(IL-2) 産生を阻害 同様の作用 T 細胞活性化の阻害 IL-2 レセプター 抗原 免疫反応 T 細胞 核 IL-2 核 分化 増殖

11 免疫抑制剤研究が拓いたケミカルバイオロジー それぞれ複合体を形成 506 BD FKBP-12 作用なし ( カルシニューリンに結合できない ) ラパマイシン FKBP-12 FK 506 FKBP-12 シクロスポリン A シクロフィリン インターロイキン 2(IL-2) に対する反応を阻害 インターロイキン 2(IL-2) 産生を阻害 同様の作用 T 細胞活性化の阻害 共通の標的タンパク質それぞれ複合体を形成カルシニューリン FK 506 FKBP-12 カルシニューリンシクロスポリンA シクロフィリン カルシニューリン

12 506 BD の化学合成 Me 1. DIBAL Me 2. RMgBr Me 3. MeI, a Me = R 1. B 3 / (CCl) 2 /DMS/Et 3 3. Zn(B 4 ) 2 4. K, BnBr Me Bn Me 1. Cl 2. Ph 3 PCC 2 R 3. TBSTf BP (Et) 2 P Me Me TBS C 2 Ar 1. s /Pd() 2 3. ArC(Me) 2, + 4. (Et) 2 PC 2 C 2 5. Li Me Me BnTBS Me (Et) 2 P Me Me R Me TIPS Ar TMS 1. Dess-Martin oxidation 2. LiCl, DBU Me Me R Me TIPS Ar then DIPCDI R C oxidation 2. + Me TIPS Me Me 506BD Li Me TIPS Me

13 未来を担う免疫抑制剤の設計 FK 506 次世代免疫抑制剤 阻害 阻害 FKBP-12 カルシニューリン カルシニューリン

14 AIDS 発症を予防する医薬品の科学 AIDS: Acquired Immune Deficiency Syndrome ( 後天性免疫不全症候群 ) ヒト免疫不全ウイルス (IV: uman Immunodeficiency Virus) 1983 年パスツール研究所にてモンタニエ バレシヌシがIVをAIDS 患者より発見 (2008 年ノーベル生理学 医学賞 ) IVに感染しても すぐにはAIDSを発症しない IVがヒト体内に侵入するとヒト免疫機構に重要な CD4 陽性 T 細胞に感染し IV 増殖 T 細胞減少 長い潜伏期間の後に T 細胞の大幅な減少により免疫不全状態になり 日和見感染などを起こす

15 IV の増殖を抑制するには AIDS の発症を予防するには IV の増殖を抑え続けるのが有効 IV は非常に変異しやすいウイルスであり 仮にワクチンをつくってもすぐにワクチンの効かない IV が出現してしまう ワクチン : ウイルスの特定の表面構造を認識するもの すぐに表面構造を変化させてしまう IV には適用困難 ウイルスの増殖メカニズムを解明し 理論的に増殖を遮断する医薬品を開発することが必要

16 IV 治療薬の設計指針 ウイルスは細菌とは異なり 自分自身だけでは増殖することができない ヒトなど宿主細胞に寄生し ヒト細胞の DA 複製機能 タンパク質生産機能などを利用して爆発的に増殖する 抗ウイルス医薬品の設計戦略は 細菌自身の細胞を攻撃する抗生物質とは根本的に異なる 医薬品の設計では ヒト本来の機能を阻害することは避け IV やインフルエンザウイルスなどウイルスごとに特有の増殖メカニズムのみを選択的に攻撃する必要がある

17 IV の増殖メカニズム ウィルス DA ( 環状 ) 融合 脱外殻ウィルス ウィルス DA ( 二重らせん ) 逆転写酵素 転写 インテグラ ゼ 核 ウィルス DA が組み込まれた宿主 DA 転写ウィルス RA 増殖した IV RA を持つ IV ウィルス RA CD4 レセプター 翻訳 ウィルスゲノム RA 前駆体プロテアーゼタンパク質 CD4 陽性 T 細胞 構築 ウィルスタンパク質

18 IV 治療薬の例 (1) 逆転写酵素阻害剤 : IV は RA で遺伝情報を伝えるレトロウイルス ヒト細胞の機能を活用して増殖するためには 逆転写酵素によってヒトと同じ DA 構造に変化する必要有り 3 C 3 ウィルスゲノム RA 逆転写酵素 核酸系逆転写酵素阻害剤 AZT(1987 年 ) 初の IV 治療薬 偽核酸 ウィルス DA ( 二重らせん ) 逆転写酵素を阻害すれば IV は増殖できなくなる Me 酵素活性部位に結合 非核酸系逆転写酵素阻害剤ネビラビン (1996 年 )

19 IV 治療薬の例 (2) インテグラーゼ阻害剤 : ウイルス DA はヒト DA 中にインテグラーゼ ( 酵素 ) によって組み込まれる その結果 ヒト細胞の機能を使ってウイルス DA は増殖する インテグラーゼは TV 局のビデオテープ編集のようにヒト DA を切断し ウイルス DA を間に組み込んで 再度つなぐ機能をもっている ウィルス DA ( 環状 ) インテグラ ゼ ウィルス DA が組み込まれたヒト DA 3 C ラルテグラビルカリウム (2007 年 9 月販売 日本国内は 2008 年 7 月 ) インテグラーゼを阻害すれば IV は増殖できなくなる 3 C C 3 3 C K F

20 IV 治療薬の例 (3) プロテアーゼ阻害剤 : ヒト細胞内で合成させたウイルスタンパク質前駆体をプロテアーゼ ( 酵素 ) によってウイルスタンパク質へと変化させることで IV を複製へとつながる ウィルス RA 翻訳 前駆体プロテアーゼタンパク質ウィルスタンパク質 プロテアーゼを阻害すれば IV は増殖できなくなる Me S ネルフィナビル 1995 年以降多くのプロテアーゼ阻害剤が市販されている

21 IV 治療薬の例 (4) 融合阻害剤 : IV の CD4 陽性 T 細胞への融合 ( 侵入 ) 段階を防ぐ現在 日本では臨床試験中 IV の治療 多剤併用療法, カクテル療法 (AART:ighly Active Anti-Retroviral Therapy):IV は非常に変異を起こしやすく 一つの薬のみを使用してもすぐに耐性ウイルスが出現してしまう メカニズムの異なる薬を複数組み合せて使用することで IV 増殖を効果的に抑制し 長期間にわたって AIDS 発病を防ぐことが可能となっている 但し 残念ながら IV を体内から根絶する有効な治療法 医薬品はまだ見つかっていない

22 インフルエンザパンデミックに対する医薬品の科学 Ac 2 C Ac Et 2 C 3 2 P 4 2 タミフル リレンザ

23 インフルエンザウイルスのライフサイクル

24 Ac グリコシル結合 C シアル酸 ノイラミニダーゼの機能 糖鎖 Ac C ノイラミニダーゼ グリコシル結合の開裂 ( 加水分解 ) シアル酸 糖鎖 糖タンパク質 糖タンパク質

25 Ac ノイラミニダーゼ阻害薬の分子設計 Kim, C. U. et al. J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 681. p C 2 ノイラミニダーゼ σ* Ac C 2 Arg 292 Arg 371 シアル酸 host membrane glycoprotein R R Arg 181 Ac C 2 Et 2 E 3 P 4 タミフル (Roche) 経口可 Pro-drug Ac リレンザ (GSK) 吸入 C 2 2 ミミック R Ac C 2 オキソニウム中間体

26 TMS + Me 2 C タミフルの世界的安定供給を目指して C 2 Me Ba( i Pr) 2 (2.5 mol %) di-f-fujicap (2.5 mol %) 58-g CsF (2.5 mol %) TF, -20 o C, 96 h; 1 M Cl aq. 1) Ac 2, Et 3, DMAP y. 98% (2 steps); recryst. y. 80%, > 99% ee 2) Ac C C Pd 2 (dba). 3 CCl 3 (2 mol %) dppf (4 mol %), y. 85% 1) DEAD, PPh 3 p-nitrobenzoic acid; Li, Et y. 65% (3 steps) 2) DIAD, Me 2 PPh Et 3 (20 mol %) y. 76% Et 2 C Ac C C Ac Boc C 2 Me C 2 Me y. 91%, endo : exo = 5 : 1 95% ee (endo) Ac Boc 1) a aq. 2) DPPA, Et 3 y. 95% (2 steps) 3) t Bu, reflux 1) TFAA urea. 2 2 a 2 P 4 2) K 2 C 3 Et 1) BF 3. Et 2 3-pentanol y. 75% 2) TFA; 3 P 4 y. 73% Tamiflu Et 2 C Bo c Ac Bo c F di-f-fujicap Yamatsugu, K.; Yin, L.; Kamijo, S.; Kimura, Y.; Kanai, M.; Shibasaki, M. Angew. Chem. in press. Ph P Ph F

27 タミフル耐性菌の出現とリレンザの重要性 ノイラミニダーゼの 274 番目のヒスチジンがチロシンに変異することで タミフルへの結合親和性が約 270 分の 1 に低下するのに対し リレンザへの結合親和性は 2 分の 1 にしか低下しない すなわちリレンザはタミフル耐性菌に対しても有効 この部分に挿入されていた図は 著作権の都合上 省略させていただきます ature 2008, 453, 1258.

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