検査方法 :SA の分離は食塩卵黄寒天培地 血液 寒天培地を用いて分離を行い 分離株の同定は PS ラテックス栄研で選別 生化学性状をアピスタフで実施 SA に特異的な遺伝子である SAU 1) の増幅により同定した 薬剤感受性試験は 1 濃度ディスク法によりアンピシリン (ABPC) ペニシリン

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1 11 バルク乳 個体乳検査による黄色ブドウ球菌に対する 取り組みと性状検査 1) 吉崎浩岩倉健一北村知也 要 約 黄色ブドウ球菌 (SA) による乳房炎は伝染力が強く 治療が困難で農家に対する経済損失は甚大なものがある そこで 都内全農場のバルク乳検査を定期的に行い 検査成績に基づき個体乳 分房乳検査を実施して 検査成績を還元 治療 牛のとう汰更新等の対策を行った また 個体乳および分房乳から分離された SA について性状検査を行った 1) 薬剤感受性試験 : 一部の株でアンピシリン (ABPC) ストレプトマイシン (SM) テトラサイクリン(TC) 耐性株等が認められ 検査結果に基づく治療への活用を行った 2) コアグラーゼ遺伝子型別 :A 型 9 株 C 型 88 株 D 型 6 株 E 型 15 株 F 型 56 株 G 型 1 株 H 型 13 株が確認され 同一農場で複数の遺伝子型が見られる事例もあった 複数の遺伝子型があった農場において SA が確認されなくなった牛が再び SA を確認するようになり 遺伝子型が異なる株を分離する事例があった 3) 毒素遺伝子の検出 :197 株中 29 株で毒素遺伝子の保有が確認された 4) SA に対する取り組みの効果 : バルク乳検査 個体乳および分房乳検査を実施し 検査成績還元 治療 廃用指導等の対策を実施したところ SA 菌数の大幅な減少が認められた 取り組みに伴う農場における経済効果は非常に大きいものがあると推察された また バルク乳検査により清浄であった農場が複数戸 急に SA 数が増加していたが 外部からの侵入と考えられ 1 頭の牛から複数の遺伝子型の異なる株が確認される事例もあった 今後も定期的に検査と対策を継続していくことが大切と思われた て注目されている また 近年 薬剤耐性菌の出はじめに現が大きな問題となっている 黄色ブドウ球菌 (SA) は乳房炎の重要な原因菌そこで SA による乳房炎の低減と SA の性状をであり 農家に多大な経済的損失を与えている 調べるため 都内全農場のバルク乳 個体乳およまた 本菌は伝染力が強く 感染初期はほとんどび分房乳並びに保存菌株を用いて検査を実施したが潜在性感染牛となり把握が困難であり 気がつので概要を報告する かないうちに他牛にも感染するため 感染牛の把材料および検査方法握が重要となる 症状が明確になったときには 抗菌剤等で治療しても回復が困難であり ( 難治性材料 : 都内全農家のバルク乳 1,349 検体 ( 平成乳房炎 ) 早期発見 早期対策が重要となる 2 年 9 月から平成 25 年 11 月 ) 個体乳 分房乳 SA が産生するエンテロトキシン (SE) やトキ 2,5 検体 ( 平成 21 年 4 月から平成 25 年 11 月 ) シックシンドロームトキシン (TSST-1) は公衆を用いて SA の分離を行った コアグラーゼ遺伝衛生上ならびに臨床型乳房炎に関与する因子とし子 毒素遺伝子検査については 保存菌株 197 株を用いて検査を実施した 1) 東京都農業共済組合

2 検査方法 :SA の分離は食塩卵黄寒天培地 血液 寒天培地を用いて分離を行い 分離株の同定は PS ラテックス栄研で選別 生化学性状をアピスタフで実施 SA に特異的な遺伝子である SAU 1) の増幅により同定した 薬剤感受性試験は 1 濃度ディスク法によりアンピシリン (ABPC) ペニシリン (P) ジクロキサシリン(DX) クロキサシリン (CX) セファゾリン(CEZ) セフロキシム (CXM) オキシテトラサイクリン (OTC) ゲンタマイシン (GM) カナマイシン(KM) エリスロマイシン (EM) ネオマイシン (N) ストレプトマイシン (SM) の 12 種類の薬剤について実施した 毒素遺伝子は SEA SEB SEC SED SEE SEG SEH SEI SEJ SEK SEL SEM SEN SEO 2) SEP SEQ SER TSSI の 18 種類について PCR 法にて実施した コアグラーゼ遺伝子型別は A ~ H 型について PCR 法 3) PCR-RFLP 法 3) にて実施した SA 検査の仕組み SA 検査の仕組みは SA 感染牛が存在する農家を早期発見するため 四半期ごとにバルク乳検査を実施した バルク乳から SA が確認された農家の中から個体乳検査農家を選定し 個体乳 分房乳検査を行い 感染牛の早期発見を行うとともに分離 SA 株ごとに薬剤感受性試験を実施し 結果を還元し 獣医師による治療 搾乳衛生指導等の対策を実施した また 農家 獣医師より乳房炎検査の依頼があった場合も個体乳 分房乳検査を行い検査結果の還元と治療も含む対策を行った これらのことは 家保と都関係機関 獣医師 農家との連携により行われた ( 図 1) 農家では SA 感染牛の把握により 隔離 他牛への感染予防 計画的な淘汰更新等を行った 四半期毎バルク乳検査 結果還元 対策 感染農家の早期発見 個体乳検査農家選定改善意欲のある農家 繰り返しSAが確認される農家急にSA 菌数が増えた農家 SA 菌数の多い農家 個体乳 分房乳検査結果還元 対策感染牛の早期発見薬剤感受性試験 : 治療への対応 乳房炎疑い ( 農家 獣医師 ) ( 頭 ) 結 1 SA の感染状況本取組み前の平成 2 年のバルク乳検査では都内検査農家全体の約 7 割の農家で SA が確認され 中には非常に多くの SA 菌数が確認される農家もあった ( 図 2) また 取組み初期の平成 21 年 4 月の個体乳検査では 農家によって半数以上の牛が SA に感染している状況がみられた ( 図 3) 2 薬剤感受性試験成績薬剤感受性試験成績は一部の株でストレプトマイシン (SM) 耐性株 テトラサイクリン (TC) 耐性株 アンピシリン (ABPC) 耐性株等が認められ 果 家保 図 1 SA 検査の仕組み 各農家のハ ルク乳 SA 検出数 連携 都関係機関 採材 還元 SA 等検査成績獣医師薬剤感受性成績治療農家状 況 把 握隔離 搾乳衛生 感染防止治療 淘汰更新等対応 図 2 SA バルク乳感染状況 (H2) 陰性 陽性 A 農家 B 農家 C 農家 D 農家 E 農家 F 農家 図 3 SA 個体乳感染状況 (H21.4) - 5 -

3 353 株 図 4 各種薬剤耐性菌株数 H:13(6.6%) A:9(4.6%) G:1(5.1%) F:56(28.4%) C:88(44.7%) 197 株 E:15(7.6%) D:6(3.%) 戸 1 種類 2 種類 3 種類 図 6 各農家のコアク ラーセ 型別の保有状況 図 5 SA コアグラーゼ遺伝子型別 個体乳検査 H 牛 A 1 H 牛 B 2 H 牛 C 3 C 牛 D 4 H 牛 E 5 H 牛 F 6 H 牛 G 7 H 牛 H 8 F 牛 Ⅰ 9 F 牛 J 1 H 牛 K 11 H 牛 L 12 H 牛 M 牛 N 牛 O 牛 P 牛 Q 牛 R 牛 S H H ハ ルク乳検査 H C 14 C H H23.9 廃用 H23.1 廃用 H23.9 完治 H23.9 廃用 H23.5 廃用 : 導入牛 H F H H24.3 完治 H H C H23.5 廃用 H H24.1 死亡 17 C H23.9 完治 H23.9 廃用 18 H 19 C H H C 21 C H24.1 廃用 H25.4 完治 22 C 23 C H 図 7 A 農家 SA 対策事例

4 HH CHHH H F F H H HCC F C CHCCC C C 図 8 A 農場 SA コアグラーゼ遺伝子型別 (PCR) HH CHHH H F F H H HCC F C CHCCC HH CHHH H F F H H HCC F C CHCCC C C C C 表 1 SA 改善事例 ( ハ ルク乳 ) 表 2 SA 侵入事例 ( ハ ルク乳 ) B 農家 C 農家 D 農家 E 農家 F 農家 G 農家 H 農家 H H H H H H H H H H H H H H Ⅰ 農家 J 農家 K 農家 検出なし 検出なし 検出なし H H H 割強の農家は 5 年間 SA の侵入なし 図 9 A 農場 SAコアグラーゼ遺伝子型別 (PCR-RFLP) た ( 図 4) 検査結果に基づき獣医師の治療に活用した 3 コアグラーゼ遺伝子型別コアグラーゼ遺伝子型別では 197 株中 A 型 9 株 C 型 88 株 D 型 6 株 E 型 15 株 F 型 56 株 G 型 1 株 H 型 13 株が確認され C 型および F 型の割合が多かった ( 図 5) 多くの農家では 1 種類の遺伝子型だけであったが 同一農家で複数の遺伝子型が見られる事例もあった ( 図 6) 4 SA 対策事例コアグラーゼ遺伝子型が H 型 C 型 F 型の 3 種類確認された A 農家での SA 対策事例を図 7に示した もともと A 農家ではバルク乳検査で SA は確認されていなかったが 平成 23 年 1 月の検査時に SA が 32CFU/ml 確認されたため 同年 2 月に個体乳検査を実施した 個体乳検査では 12 頭の牛が SA に感染していることが確認された そこで治療 廃用等を組み合わせた対策を行ったところ平成 23 年 7 月および 1 月のバルク乳検査で SA 菌数は減少していった しかし 平成 24 年 7 月のバルク乳検査では再び増えていた その後の個体乳検査では SA が確認されなくなっていた牛も再び SA が確認される事例があった 分離された SA のコアグラーゼ遺伝子型を調べた結果 治療前の牛から分離された SA は H 型の株であっ 表 3 清浄農家での新たな SA 感染の確認 対応事例 事例 1 事例 2 バルク乳検査分房乳検査 SA 増加確認診療時乳房炎確認 検査依頼個体乳検査 2 頭 3 分房 SA 確認 (1 頭 A 県導入牛 ) 17 頭中 4 頭 SA 確認うち1 頭 2 分房で毒素遺伝子保有確認 (2 頭 A 県導入牛 ) ( SEC/SEG/SEI/SEL/tst 5 種 ) 分房乳検査分房乳検査 SA 保有牛うち4 分房 SA 確認同居牛全頭全房乳 (56 分房 ) SA 保有牛 : 隔離 治療等対応 SA 検査 陰性確認 ( 広がりなし ) SA 保有牛 : 隔離 治療等対応事例 3 B 県より妊娠牛 ( 経産 ) 導入 (2ケ月前) 導入 1ケ月後分娩 搾乳時乳房炎確認 検査依頼分房乳検査 1 頭 2 分房 SA 確認生化学性状及びコアク ラーセ 遺伝子型 (C F 型 ) の異なる株確認 同時に2 種類の異なる株の侵入 SA 保有牛 : 隔離 治療等対応 たものが 治療後には一時期分離されなくなり その後再び分離された SA の遺伝子型を調べた結果 C 型の株であることが判明した 新たな牛にも SA が確認され コアグラーゼ遺伝子型は C 型の株であった コアグラーゼ遺伝子型を時系列で見ると 当初は H 型の株が多かったが 後のほうでは C 型の株が増えていた ( 図 7 8 9) 新たに SA が確認された牛についても治療 廃用等を組み合わせた対策を実施し 平成 25 年 7 月以降バルク乳検査で SA は確認されなくなった このようにバルク乳検査で SA 菌数の多い農家の個体乳 分房乳検査を実施して SA の低減に努めてきた 5 SA 清浄化事例 新たに SA が確認された事例バルク乳検査で SA 数の多い農家について個体乳 分房乳検査を実施して搾乳衛生 治療 廃用指導等を実施し SA の低減につとめてきた 比較的短期間で清浄化された農家では いずれも

5 非保有 : 168 (85.3%) 保有 :29(14.7%) SEC/SEL : 1 ( 株数 ) SEG/SEO/SEM/SEN : 2 SEG/SEI/SEO/SEN : 2 SEA/SEH/SEK/SEQ : 6 SEC/SEG/SEL/tst : 1 SEC/SEG/SEI/SEL/tst : 2 SEO : 2 SEG/SEI/SEN : 3 SEI : 6 SEI/SEN : 4 SEA/SHB/SEC/SED/SEE SEG/SEH/SEI/SEJ/SEK/SEL SEM/SEN/SEO/SEP/SEQ/SER TSSI/FemA/Fem B 197 株 :2 種類の遺伝子延べ 396 項目 毒素遺伝子保有株 : 毒素産生 耐熱性毒素 図 1 SA 毒素遺伝子保有状況 戸 取組前 H2.9 SA 検出農家戸数 (1 CFU/ml 以上 ) 取組後 H25.11 取組前 H2.9 SA 総検出数 取組後 H25.11 取組前 H2.9 取組後 H25.11 SA 平均検出数 SA 感染牛を早期に廃用としていた ( 表 1) 一方 もともと SA が検出されなかった農家で 急に SA 菌数が増えたところもあり ( 表 2) このような農家についても個体乳 分房乳検査を実施して SA 低減に努めてきた また 2 割強の農家は 5 年間 SA が確認されなかった 清浄農家で新たに SA が確認されたため対応した3 事例について表 3にまとめた 事例 1では バルク乳検査で SA が増加したため全頭検査を実施した結果 17 頭中 4 頭の牛から SA が分離された ( 内 2 頭は他県導入牛 ) 4 頭の分房乳検査を行い SA に感染している4 分房を確認し 隔離 治療等の対応を実施した 事例 2 では獣医師が診療時に乳房炎を確認し 分房乳検査を依頼されたため 実施したところ 2 頭 3 分房から SA が分離され うち 1 頭 2 分房で 5 種類の毒素遺伝子を持つ SA が確認された 本事例では 同居牛全頭全分房 (56 分房 ) の検査を行い 陰性 ( 広がりのないこと ) を確認し SA 保有牛の隔離 治療等対応をおこなった 事例 3 では他県より導入された妊娠牛 ( 経産 ) が 導入 1ケ月後に分娩し その後乳房炎に罹患したため 分房乳検査を実施したところ 1 頭 2 分房で SA が確認された 各分房から分離された SA は生化学性状及びコアグラーゼ型別が異なっており 2 種類の異なる菌株が同一牛の別々の分房に同時に感染したことが示唆された 図 11 SA 取り組みによる効果 表 4 SA 取り組みによる経済効果 乳代損失 : 8,kg.1 9 円 1 頭 = 72, 円治療時損失 : 4kg 1 日 9 円 8 頭 = 288, 円廃用時損失 : {8,kg(1 産 ) 9 円 -54, 円 ( えさ代 )} 2 頭 = 432, 円治療経費 : 15, 円 1 頭 = 15, 円 特殊疾病対策事業 ( 都単独事業 ) 培地等経費 :457, 円 / 年人 件 費 :5, 円 / 年 957, 円 / 年 957 万円 /1 年 25 戸低減 41.5 倍 1,59, 円 / 年 / 戸 3,975 万円 / 年 /25 戸 経済効果 3 億 9,75 万円 /1 年 /25 戸 6 毒素遺伝子の検出保存菌株 197 株中 SEC/SEL 保有株 2 株 (2 戸 ) SEG/SEO/SEM/SEN 保有株 2 株 (1 戸 ) SEG/SEI/ SEO/SEN 保有株 2 株 (1 戸 ) はじめ 合計 29 株で毒素遺伝子の保有が確認された ( 図 1) 7 SA に対する取組み前後の比較バルク乳等で SA が確認された農家に対して個体乳 バルク乳検査を実施し 対策を行ってきたところ 取組み前の平成 2 年 9 月にバルク乳中の SA 検出数が 1CFU/ ml 以上の農家は 17 戸であったものが 取組み後の平成 25 年 11 月には 3 戸と減少していた 取り組み中に数値が増えて対策をおこなった農家を含め実際は約 3 戸に対応してきた また SA 検出平均数 SA 総検出数についても取組み前に比較して大幅な減少が見ら

6 れた ( 図 1 1 ) 8 SA に対する取り組みによる経済効果 SA に対する取り組みによる経済効果は 1 戸当たり 1 頭の SA 感染牛を改善したと仮定すると乳代損失 治療時損失 廃用時損失 治療経費等を合わせて 1 戸当たり年間 159 万円ほど経済効果があると試算される これを都内の 25 戸の農場に対して行ったと仮定すると 年間 3,975 万円ほどの経済効果が期待される さらに本対策を継続していくことにより SA の低減により生じる経済効果は継続されると考えられる 仮に 1 年間 SAの低減状況が継続できたとすると 3 億 975 万円もの経済効果が試算される 一方 必要経費は 培地等経費 人件費等で年間 95 万 7 千円かかるとして 1 年で 957 万円に留まり 費用対効果は 41.5 倍と試算された ( 表 4) まとめ及び考察 SA は平成 2 年のバルク乳検査では 7 割ほどの農家で確認され都内農家に広範に入っていることが判明した バルク乳検査で SA が確認された農家で平成 21 年に個体乳検査を実施したところ 農家によっては半数以上の乳牛が SA に感染している状況で対策が必要であった SA はいったん農家に侵入すると感染力が強く 難治性であるため 飼養牛に広く広がってしまう バルク乳検査によるモニタリングと個体乳検査の取り組みにより 農家の SA に対する意識も高まり 個々の牛の搾乳衛生 治療 廃用等の対策が取りやすくなった SA による乳房炎は難治性ではあるが 感染初期であれば 治療効果はあると思われた 症状が進んでいる場合は廃用による対策が有効と考えられた 薬剤感受性試験成績では 多くの薬剤に感受性であったが 一部薬剤耐性の株もあった 成績還元で獣医師に活用してもらった コアグラーゼ遺伝子型は多くの農家では 1 種類だけであったが 1 農家で複数の種類のコアグ ラーゼ遺伝子型が確認された事例があり 複数の株が侵入していた可能性も考えられる 複数のコアグラーゼ遺伝子型が認められた農家における SA の取組み事例で 当初はコアグラーゼ遺伝子型が H 型の株が分離されていたが 治療後いったん分離されなくなり その後 C 型の株が分離される事例があった これは H 型の株が治療によりなくなった後に 他の牛が保有していた C 型の株に再感染したものと推察された SA による乳房炎が難治性といわれる理由として SA が乳腺内に微細膿瘍を形成するようになり 治療しても薬剤が到達せず難治性となる 8) こと以外にも SA の再感染による乳房炎も含まれている可能性が示唆された SA は感染力が強いため一度侵入すると次々に牛に広がり さらに再感染する可能性もあるので SA 感染牛の把握とともに搾乳衛生が非常に重要と思われた また 導入牛から複数の種類の SA 株が分離される事例もあり 1 頭の導入牛が複数の種類の SA を持ち込んでしまう可能性もあると考えられた 毒素遺伝子保有株は比較的少なかったが 公衆衛生上問題も生ずるので今後も SA を低減することが必要である SA に対するバルク乳 個体乳検査の継続的な取り組みで大幅な改善効果を認めることができた SA 低減による費用対効果は非常に大きいと推察される SA の早期発見 早期対策が経営改善につながると思われた 一方 清浄な農家等への新たな SA 侵入も確認された このような場合は早期発見 早期対策をとることが広がりを防ぎ 経済的損失を防ぐことができると思われる 今後も 複数の培地による定期的なバルク乳検査によるモニタリング 個体乳検査による現状把握 都関係機関 団体 獣医師と連携した対策の継続が必要と思われる 引用文献 1) Hata,E.,Katsuda,K,Kobayashi,H.,Ogawa, T,Endo,T.and Eguchi,M.:Characteristics

7 and epidemiologic genotyping of Staphylococcus aureus isolates from bovine mastitic milk in Hokkaido,Japan. J.met.Med.sci,68, (26) 2) 秦英司ほか :Staphylococcus aureus による牛乳房炎 家畜衛生研修会抄録 ( 病性鑑定 : 細菌部門 ) 第 26 号 (22) 3) Hookey,J,V.,et al.:molecular Typing of Staphylococcus aureus Based on PCR Restriction Fragment Length Polymorphism and DNA Sequence Analysis of the Coagulase Gene,J.Clin. Microbiol,36, (1998) 8) PHILPOT WN :Mastitis Management 1-72 Babson Bros.co.(1978)

現在 乳房炎治療においては 図 3に示す多くの系統の抗菌剤が使用されている 治療では最も適正と思われる薬剤を選択して処方しても 菌種によっては耐性を示したり 一度治癒してもすぐに再発することがある 特に環境性連鎖球菌や黄色ブドウ球菌の場合はその傾向があり 完治しない場合は盲乳処置や牛を廃用にせざるを

現在 乳房炎治療においては 図 3に示す多くの系統の抗菌剤が使用されている 治療では最も適正と思われる薬剤を選択して処方しても 菌種によっては耐性を示したり 一度治癒してもすぐに再発することがある 特に環境性連鎖球菌や黄色ブドウ球菌の場合はその傾向があり 完治しない場合は盲乳処置や牛を廃用にせざるを 2 乳房炎の新たな治療薬剤への対応 中央家畜保健衛生所 平田圭子 山田均 青山達也 乳房炎が酪農経営へ及ぼすマイナス面 1 乳量の減少 2 治療費の発生 3 淘汰による乳牛改良の遅れ 4 治療や搾乳時間に要する労働時間とそれに伴う精神的ダメージ 対策 罹患分房の特定 原因菌の早期同定 適正な薬剤の使用による治療 図 1 乳房炎が酪農経営へ及ぼすマイナス面と対策 Ⅰ はじめに 乳房炎は酪農経営において最も重要な

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