をよくみかけますシーズン初期の A 型流行では急激に度台に発熱してぐったりというエピソードが重要ですついで始まる B 型では頭痛や吐き気が主体で発熱は最初 38 度台にとどまるためインフルエンザを疑われない例も多く認めます結局治療のタイミングが遅れ細菌混合感染をお

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あきひさねぎたや
5 years ago
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2012 年 10 月 31 日放送外来におけるインフルエンザの診断と治療法五の橋キッズクリニック院長水沢慵一はじめに私のクリニックでは例年インフルエンザの流行期である年末から 3 月上旬までに約 500 人のインフルエンザ患者さんがみえていましたしかし 2010 年のシーズンから

これを心配してくる高熱患者という状況になっていますこの中で約 1600 人がラピアクタ点滴の治療を受けましたこれは予想をはるかに超える反響でした本日はこの経験を生かし今後のインフルエンザ診療の参考になればと思いより実際的なお話をさせていただきます

1 2012 年 10 月 31 日放送外来におけるインフルエンザの診断と治療法五の橋キッズクリニック院長水沢慵一はじめに私のクリニックでは例年インフルエンザの流行期である年末から 3 月上旬までに約 500 人のインフルエンザ患者さんがみえていましたしかし 2010 年のシーズンからラピアクタ点滴が登場したことで状況は一変しここ2 年間は例年の 2 倍近いペースで患者が訪れ計 1800 人のインフルエンザ患者さんを治療することになりましたこれは点滴治療ができる病院として患者に口コミが広がったためで毎日の患者さんの 80% がインフルエンザとこれを心配してくる高熱患者という状況になっていますこの中で約 1600 人がラピアクタ点滴の治療を受けましたこれは予想をはるかに超える反響でした本日はこの経験を生かし今後のインフルエンザ診療の参考になればと思いより実際的なお話をさせていただきます診察時のポイントインフルエンザを疑う典型的身体所見は急激な発熱真っ赤な顔ぽーっとしているぐったりしている頭痛や手足の痛みが強いなどがよく経験するところです次に家族内での発病者の有無と学校園習い事居住地域での流行状況を確かめますインフルエンザでは最初は咳がでないといわれますがシーズン中には軽い感冒症状が先行している子供たち

をよくみかけますシーズン初期の A 型流行では急激に 39-40 度台に発熱してぐったりというエピソードが重要ですついで始まる B 型では頭痛や吐き気が主体で発熱は最初 38 度台にとどまるためインフルエンザを疑われない例も多く認めます結局治療のタイミングが遅れ細菌混合感染をおこして 39-40 度台にこじれていくという経過も珍しくありません

30 分以内を目標としますこのため点滴中に採血結果の説明や会計を同時進行させ処方箋は院外薬局にあらかじめ FAX しておきます検体採取と処理検体採取にはコツがあります介助者が頭をしっかり固定し前後に動かないようにすることで鼻血がでにくくなりますくしゃみによるウイルス拡散を防ぐため鼻の下のぎりぎりまでマスクでおおいます鼻中隔にそわせてスワブをゆっくり入れ鼻甲介にあたったら

2 をよくみかけますシーズン初期の A 型流行では急激に度台に発熱してぐったりというエピソードが重要ですついで始まる B 型では頭痛や吐き気が主体で発熱は最初 38 度台にとどまるためインフルエンザを疑われない例も多く認めます結局治療のタイミングが遅れ細菌混合感染をおこして度台にこじれていくという経過も珍しくありませんシーズン中は多くの患者さんを診察するため待合室で待たせないうつさないための工夫も重要ですまず受付ではマスクを配ります待合室はなるべく広く使いくしゃみや咳を直接かぶらないように椅子を横並びにします隔離スペースには非発熱者を入れ普段と隔離非隔離を入れ替える大胆な発想が重要です診察机床おもちゃなどを抗ウイルススプレーで毎日午前午後と拭き取ります診察から帰宅までは 30 分以内を目標としますこのため点滴中に採血結果の説明や会計を同時進行させ処方箋は院外薬局にあらかじめ FAX しておきます検体採取と処理検体採取にはコツがあります介助者が頭をしっかり固定し前後に動かないようにすることで鼻血がでにくくなりますくしゃみによるウイルス拡散を防ぐため鼻の下のぎりぎりまでマスクでおおいます鼻中隔にそわせてスワブをゆっくり入れ鼻甲介にあたったら強く2-3 秒間回転させ粘膜をこすりとります鼻甲介にあたらないときは深くいれずにやり直します検体処理にもポイントがあります粘液が多い場合はテイッシュでそっと粘液をとり除きますキットはコントロールまでの展開が早いものを選びます最新のキットでは 1 分で判定できるものもあります 1 患者について 1トレイ 1 タイマーを用意し人間違いを防ぎます検査のタイミングは 38 度以上になってから12 時間が目

安とされています当院では 6 時間以内ではまず治療を優先し翌日検査をすることにしています 10 時間以内では容態により検査を行うか翌日検査するかを決めます 10 時間以上で検査が陰性となった場合でも症状が強く疑われる場合はまず治療を開始し翌日再検査をするようにしていますすると 10% 程度が陽性になるので

型では効果が弱いといわれていますリレンザ吸入は 5 日間の投与が面倒ですが失敗してもやり直しがきくという利点があります対照的にイナビル吸入は 1 回ですむのですがこどもや老人では吸入に失敗することもあり効果が不確実である欠点がありますタミフル内服は耐性化が進み A ソ連型では全く無効 B

3 安とされています当院では 6 時間以内ではまず治療を優先し翌日検査をすることにしています 10 時間以内では容態により検査を行うか翌日検査するかを決めます 10 時間以上で検査が陰性となった場合でも症状が強く疑われる場合はまず治療を開始し翌日再検査をするようにしていますすると 10% 程度が陽性になるので抗インフルエンザ薬を継続し陰性の場合は治療を中止します治療治療は抗インフルエンザ薬抗生剤などの原因治療と漢方解熱鎮痛剤鎮咳去痰剤などの対症療法薬を組み合わせることになります抗インフルエンザ薬にはそれぞれ特徴がありますラピアクタ点滴は1 5 分で終わります A 型では効果が確実ですが B 型では効果が弱いといわれていますリレンザ吸入は 5 日間の投与が面倒ですが失敗してもやり直しがきくという利点があります対照的にイナビル吸入は 1 回ですむのですがこどもや老人では吸入に失敗することもあり効果が不確実である欠点がありますタミフル内服は耐性化が進み A ソ連型では全く無効 B 型では効果が非常に弱いといわれておりこの 2 年間私はまったく処方していませんさらに細菌の混合感染例では抗生剤を併用します発熱後 48 時間以内の A 型の子供たちではぐったりとしていて吸入や内服がきちんとできないことも多く効果が確実なラピアクタ点滴を第一選択としていますほとんどの患者で 6~ 12 時間で解熱にいたります点滴をしたくないという患者では吸入を用いま

す比較的元気な人仕事で忙しいお父さんなどには 1 回ですむイナビル吸入を処方しています吸入を失敗するかもしれない子供たちにはリレンザ吸入を薦めています吸入薬の場合はこのように相手をよくみて処方をきめることがポイントですまた他院で吸入やタミフルを処方されたがうまく使用できなかった患者には発熱後 48

イナビルでは吸入時にむせることがあり失敗すると 2~4 日後に再発熱することが多いことタミフル内服では効果が非常に限られているためですラピアクタ点滴後の体温の典型的経過をみるとその特徴が鮮明になります A 型ではほとんどの子供たちで 6~12 時間後には解熱し再発熱はありませんしかし B 型では A 型に比べゆっくりと 24

4 す比較的元気な人仕事で忙しいお父さんなどには 1 回ですむイナビル吸入を処方しています吸入を失敗するかもしれない子供たちにはリレンザ吸入を薦めています吸入薬の場合はこのように相手をよくみて処方をきめることがポイントですまた他院で吸入やタミフルを処方されたがうまく使用できなかった患者には発熱後 48 時間以内に限ってラピアクタ点滴を行います B 型では比較的元気な患者が多いのですがタミフルの効果が限られているため 0~4 歳ではラピアクタ点滴を行っていますただ A 型に比べゆっくりと解熱したり 2~3 日後に再発熱する例が多いことを知っておかなければなりません 4 歳以上では必ず吸入テストを行った上でリレンザの吸入を薦めていますイナビルでは吸入時にむせることがあり失敗すると 2~4 日後に再発熱することが多いことタミフル内服では効果が非常に限られているためですラピアクタ点滴後の体温の典型的経過をみるとその特徴が鮮明になります A 型ではほとんどの子供たちで 6~12 時間後には解熱し再発熱はありませんしかし B 型では A 型に比べゆっくりと 24 時間 ~36 時間で下熱し中には 5 日かけてゆっくりと解熱するようなほとんど無効といえる例や 3~5 日後に再発熱する例もあります抗インフルエンザ薬投与の工夫抗インフルエンザ薬を投与する場合の工夫についてもお話しておきましょうまず生食 50mlのピギーバッグにラピアクタを入れ輸液ポンプを必ず使用し 15 分で終了させます最後に生食 20mlを加え自然滴下でルート内

の残留分を確実に投与します投与後 24 時間で解熱しない場合には患者さんに連絡してもらい発熱後 48 時間以内にかぎりラピアクタを再投与しています次に吸入薬のリレンザやイナビルについては 4

インフルエンザでは想像以上に混合感染が多くみられますラピアクタ点滴時にはおよそ 30% で肺炎球菌インフルエンザ菌モラキセラなどが鼻腔培養で同定されます再発熱無効未治療例では 50%

鼻腔培養の結果に一致して白血球数が 10000 以上 CRP 値が 1.0 以上の例が 30% に上りますこのうち CRP が 3.

5 の残留分を確実に投与します投与後 24 時間で解熱しない場合には患者さんに連絡してもらい発熱後 48 時間以内にかぎりラピアクタを再投与しています次に吸入薬のリレンザやイナビルについては 4 歳以上では必ず吸入テストを行ってから処方しています吸うと音のでる笛を用いてプーとテストをします音がでれば吸入もできるというわけですこれにより無駄な処方を減らすことができますインフルエンザでは想像以上に混合感染が多くみられますラピアクタ点滴時にはおよそ 30% で肺炎球菌インフルエンザ菌モラキセラなどが鼻腔培養で同定されます再発熱無効未治療例では 50% 以上に混合感染がおきておりこれは単に抗インフルエンザ薬だけでは治療が不十分になる場合が多いことを示しています抗生剤の併用方法そこで抗生剤の併用方法についてお話しますラピアクタ点滴時の採血では鼻腔培養の結果に一致して白血球数が以上 CRP 値が 1.0 以上の例が 30% に上りますこのうち CRP が 3.0 以上の場合には長時間作動型であるロセフィンを 1 回静注し 1.0~3.0 の例では経口セフェムを 3 日間併用しています未治療無効経過再発熱例でも培養結果に一致して 50% 以上で血液の炎症所見を認めこうした例では抗生剤を積極的に併用することが重要なポイントとなっています

漢方薬漢方薬もよく併用しています発熱初期には寒気頭痛や体の痛みが強く消耗しているため麻黄湯や葛根湯を 2~3 日間の短期に限り用います一律に 1 週間などの長期投与は好ましくありません次に咳嗽や鼻汁が増えた気管支炎期には麻杏甘石湯を 3~5 日間程度用います一般に漢方は苦く飲みにくいといわれますがミルクテイーやココアと混ぜると意外と美味しく飲むことができます

6 漢方薬漢方薬もよく併用しています発熱初期には寒気頭痛や体の痛みが強く消耗しているため麻黄湯や葛根湯を 2~3 日間の短期に限り用います一律に 1 週間などの長期投与は好ましくありません次に咳嗽や鼻汁が増えた気管支炎期には麻杏甘石湯を 3~5 日間程度用います一般に漢方は苦く飲みにくいといわれますがミルクテイーやココアと混ぜると意外と美味しく飲むことができますまた未治療や治療失敗例にも応用の効く困ったときの救世主的な薬剤でもあります保護者への説明最後に保護者への説明はあらかじめチラシにまとめて説明の際に配布するとよいでしょうポイントは A 型と B 型混合感染の有無発熱から治療開始までの時間により治療経過には様々なバリエーションがあることです次に今後の予測を説明します予想される解熱の時期はいつなのか子供たちは隔離措置が 5 日間必要であること解熱しても次第に咳嗽や鼻汁は悪くなり 1 週間程度続くことなどをお話しし今後の予定をたてる参考にしてもらいますさらに 1 日 ~2 日の潜伏期間の後に家族内で次の患者が発生しやすいことその場合にはあせらずに予定された治療を行えばよいことを伝え安心してもらいますラピアクタ点滴をした場合には 24 時間しても解熱しない場合発熱後 48 時間以内に限りラピアクタを再投与したり採血の値により抗生剤の併用が必要なことを情報として伝えますまた喘息が背景にある場合喘息が増悪するリスクがありステロイド吸入などをあらかじめ行っておくと発作がこじれにくくすむこと痙攣の既往がある児では痙攣がおきやすいためしっかり抗痙攣剤での予防を行っておくとよいなどの助言をするようにしていますこうして治療方針や今後の予測をきちんと伝えることで患者さんには安

7 心して治療をうけていただくことができ医療側も効率的な治療計画を実践することができると思います以上インフルエンザ治療の実際についてお話しさせていただきました

インフルエンザ（成人）

インフルエンザ（成人） ⅩⅠ-2 インフルエンザ 1 概要インフルエンザは A 型 B 型インフルエンザウイルスによる急性呼吸器疾患である主に冬季に流行する典型的なものでは急激で高度の発熱頭痛倦怠感などの全身症状が現れ同時かやや遅れて鼻汁咽頭痛咳などの呼吸器症状が出現する熱は 38 度以上となり諸症状とともに次第に緩解し 1 週間ほどで治癒に向かう 2 診断臨床症状に加え下記の方法で診断する迅速診断