画像機器の観点からの動体追跡装置の品質管理法の提案 [全文の要約]

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1 Title 画像機器の観点からの動体追跡装置の品質管理法の提案 [ 全文の要約 ] Author(s) 木村, 傑 Issue Date Doc URL Type theses (doctoral - abstract of entire text) Note この博士論文全文の閲覧方法については 以下のサイトをご参照ください 配架番号 :2203 Note(URL) File Information Suguru_Kimura_summary.pdf Instructions for use Hokkaido University Collection of Scholarly and Aca

2 学位論文 ( 要約 ) 画像機器の観点からの動体追跡装置の品質管理法の提案 (A proposal of quality assurance procedures for a real-time tumor tracking radiotherapy system from the view point of imaging devices) 2016 年 3 月 北海道大学 木村 傑

3 緒言 動体追跡放射線治療は 1999 年に白土らにより提示された高精度放射線治療のひとつであり 2 対の透視 X 線装置で構成される動体追跡装置で 体内の腫瘍もしくはその近傍に留置された金マーカーの動きを毎秒 30 フレームで持続的に追跡し 予め定めた範囲に金マーカーが存在する時のみ直線加速器が治療ビームを照射する方法である 主に呼吸性移動を伴う臓器に対して同期照射を行うためのものであるが 結果として Planning target volume( 計画標的体積 以下 PTV) マージンの縮小や金マーカーを基準とした PTV の位置合わせ精度の向上にも貢献してきた 放射線治療機器においては 品質保証と品質管理は極めて重要であるが その推奨される方法の具体的内容に関しては 2009 年の The American Association of Physicists in Medicine ( 以下 AAPM) の Task Group 142( 以下 TG-142) レポートがある そこには治療装置の付属品の項目に Radiographic Imaging があり 動体追跡装置は Planner kv imaging の一つに該当すると考えられる そこでは推奨する品質管理項目が 幾何学的精度 画質 透視線量等にわたって明記されている 一方で動体追跡装置は 診断放射線領域の X 線装置としての側面も持っている これらの標準的な性能評価には 2003 年の The International Electrotechnical Commission( 以下 IEC) 標準が 現在広く用いられている 具体的にはデジタル医用画像機器の解像度特性としての Modulation Transfer Function ( 以下 MTF) ノイズ特性としての Noise Power Spectrum( 以下 NPS) さらに検出器性能としての Detective Quantum Efficiency ( 以下 DQE) の評価に至る定量的な指標による画質評価法が記載されている 動体追跡装置は 初めて動体追跡放射線治療が報告された 1999 年以降 改良が重ねられ 2013 年に北海道大学と島津製作所の共同開発によって カラー イメージインテンシファイア ( 以下 I.I.) を搭載した島津製動体追跡装置 SyncTraX が販売され 2014 年 7 月より北海道大学病院で臨床使用が開始された SyncTraX は汎用型動体追跡装置として開発され 高エネルギー X 線治療用加速器の世界シェアが大きい Valian 社製の直線加速器にも接続が可能である その品質管理としてこれまで幾何学的精度や追跡性能の独立した検証が行われてきたが 3 次元追跡精度と画質の関連性は検討されていなかった 本研究では 動体追跡装置の定期的な品質管理に関して まず透視画像の画質と金マーカーの座標計算精度の関係を明らかにした上で 放射線治療機器の一部として AAPM TG-142 の Planner kv imaging の項目を網羅しつつ かつ動体追跡装置の金マーカーの 3 次元追跡精度を保証する可能な限り簡便な品質管理法を提案する 1

4 略語表 本文中および図中で使用した略語は以下のとおりである AAPM The American Association of Physicists in Medicine ( 米国医学物理学会 ) CCD Charge coupled device( 電荷結合素子 ) DBR Distance between ray( 共通垂線の距離 ) DICOM Digital Imaging and Communication in Medicine ( 医用画像のファイル形式.dcm) DQE Detective quantum efficiency( 検出量子効率 ) EFOV Effective field of view( 実効撮像野 ) EPID Electric Portal Imaging Device ( 治療ビームそのものを利用して画像化する装置 ) FFT Fast Fourier transform( 高速フーリエ変換 ) FOV Field of view( 撮像野 ) IEC The International Electrotechnical Commission( 国際電気会議 ) I.I. Image Intensifier( イメージ インテンシファイア ) MTF Modulation transfer function( 変調伝達関数 ) NEQ Noise equivalent quanta( 雑音等価量子数 ) NIST National Institute of Standards and Technology ( アメリカ国立標準技術研究所 ) NPS Noise power spectrum( ノイズパワースペクトル ) OBI On-board imager( オンボード イメージャー ) PACS Picture Archiving and Communication Systems ( 各モダリティの医用画像を 保存 参照 通信するシステム ) PMMA Polymethyl methacrylate( アクリル樹脂 ) PRS Pattern recognition score( パターン認識スコア ) PTV Planning target volume( 計画標的体積 ) RGB Red Green Blue ROI Region of interest( 関心領域 ) TG-142 Task Group 142 ( タスクグループ 142 放射線治療品質管理に関する委員会) TIFF Tagged Image File Format( 画像ファイルの形式.tif) 2

5 実験方法 1. 動体追跡装置の仕様 本研究では 現行の SyncTraX のプロトタイプ装置を使用した プロトタイプ装置は 直線加速器に 2 対の透視装置 ( 以降 装置 A B) とパルスを制御するパルスコントローラおよび画像取り込み パターンマッチング 座標計算のためのホスト PC から構成される 透視装置 A B はいずれも床下に設置された X 線管と天井に設置されたカラー I.I. による構成で その X 線束軸の中心はアイソセンターで交差する 2 幾何学的体系は X 線管焦点からアイソセンターの距離が 229 cm X 線管焦点から I.I. の距離が 425 cm X 線管の仰角が 38.3 である X 線管は管電圧を kv 管電流を ma パルス幅を 1-4 msec の範囲で 被写体厚に応じて任意に設定できる カラー I.I は実照射野 ( 以下 FOV) が 9 インチ (228.6 mm) であり これを ピクセルに標本化してデジタル化される カラー発光体として Y2O2S:Eu を使用しており その発光をカラー Charge coupled device ( 以下 CCD) カメラで感度の高い順に Red Green Blue( 以下 RGB) の 3 成分にそれぞれ 8 ビット (0-255 諧調 ) で量子化する 動体追跡装置の主な被写体は アイソセンターおよびその近傍の体内の金マーカーであるため 実際の撮像範囲は幾何学的体系からアイソセンターを中心とした mm の範囲と計算される これを 実効照射野 ( 以下 EFOV) と定義した EFOV にカラー I.I. のピクセルサイズは実質 mm となる なお EFOV は幾何学的体系に依存するため 設置環境により変動する 動体追跡装置では 2 つの 2 次元透視画像を用いて最終的に金マーカーの 3 次元座標を毎秒 30 フレームで計算する 透視画像上の金マーカーの 2 次元座標の決定はパターンマッチングにより行われる これは あらかじめ装置に取り込んだ金マーカーの 2 次元画像 ( 通常 ピクセル ) をテンプレート画像として その画像と実際の透視画像上のサーチエリア ( 通常 ピクセル ) 内の正規化相関係数に基づく Patter Recognition Score( 以下 PRS:0-100 の値 ) が最も高くなる座標を金マーカーの 2 次元座標とする方法である ここで 金マーカーの大きさは直径 mm であるが 追跡する金マーカーのサイズはテンプレート画像の金マーカーのサイズと一致させる必要がある RGB の 3 成分を持つカラー I.I. では 3 つの PRS が独立に計算されており その中で PRS が最高値となるものの 2 次元座標が使われる この方法で 2 つの 2 次元座標が決定されると X 線管焦点と 2 次元座標を結ぶ 2 つの空間ベクトルが計算され 最終的にそれらの共通垂線の中点が金マーカーの 3 次元座標と決定される その共通 3

6 垂線の長さは Distance Between Ray ( 以下 DBR) と呼ばれ この距離は 2 つ透視画像による 3 次元座標の信頼性の指標となる PRS と DBR は 位置計算精度の面から同期照射の安全性を確保するため 直線加速器のインターロックの指標として用いられる 2. 実験手順と使用したツール 2.1 回転動体ファントム 本研究では まず 3 次元追跡精度と 2 次元透視画像の PRS DBR の関係を明らかにするための検討を行った ステッピング モーターによって 60 mm/sec までの回転速度で制御できる回転動体ファントムを用意し その金マーカーの追跡精度と透視条件の関係について検討した 回転動体ファントムは 大きさ 300 mm 300 mm 14 mm の PMMA の中に 厚さ 10 mm 直径 250 mm の円盤状ギア (PMMA 製 ) が装填されており 円盤ギアの中心から 16, 40, 48 mm の位置に直径 2.0 mm の金マーカーが埋め込まれている 患者の体厚を模擬するために 動体ファントムを含む合計厚さが 10 cm になるよう PMMA を追加し 回転中心をアイソセンターに合わせた状態で直線加速器のカウチに水平に設置した 2.2 画質評価のためのファントムとツール 次に 2 次元透視画像の画質と PRS の関係を明らかにするための検討を行った 患者の体厚を模擬するために 一様な厚さの PMMA( 厚さが 5 cm と 2 mm 大きさが高さ 20 cm 幅 30 cm 密度約 1.2 g/mm3) のファントムを使用した 5 cm のものは患者の体厚を模擬するためにアイソセンターを挟むように設置し 2 mm のものはアイソセンターに解像度評価のためのラインペアチャート (KYOKKO TYPE 8) と 2.0 mm の金マーカーを支持するためにそれぞれ使用した これらのファントムは 自作のアルミ製のファントム支持台で X 線管の仰角 (38.3 ) に角度付けして直線加速器のカウチに置くことで X 線束軸に垂直に配置出来るので 模擬する患者の体厚を変化させて透視画像を取得した この装置では 透視画像を非圧縮の TIFF 形式で取得することが出来る 取得した透視画像の画質の評価には 関心領域 ( 以下 ROI) の設定 ピクセル値の抽出などの画像処理を必要とするが それらの処理には ImageJ を使用した ImageJ は アメリカ国立衛生研究所 (NIH 米国) で開発されたオープンソースの画像処理ソフトウェアであり Java プラグインやマクロによる機能拡張が可能で医学研究以外の研究用途でも広く用いられている 使用した画像処理はピクセル値の抽出のほか 4

7 に 透視画像上の角度計測 透視画像を RGB へ分割 複数画像のスタック化 加算平均画像の作成 2 画像による差分画像の作成 切り出した画像の高速フー リエ変換 (FFT) などである 2.3 線量計 カラー I.I. の入出力特性の評価には透視装置の線量率測定が必要であるため 本研究では 150 cm 3 の電離箱 Type 96020C(IBA Dosimetry 社製 ) と電位計に FLUKE TRIAD TnT Dosimeter( 米国 Fluke Biomedical 社製 ) を用いてアイソセンターでの測定を行った なお この線量計は 国立標準技術研究所 (NIST 米国 ) の国家標準にトレーサブルなリファレンス線量計である 3. 動体追跡装置の 3 次元追跡精度と PRS DBR 動体追跡放射線治療における同期照射の安全性保証は 指標によるインターロックで直線加速器を制御することで成立している 装置の仕様で述べた PRS DBR が指標として用いられており 金マーカーの 3 次元座標とともに追跡ログに記録される PRS DBR の閾値は複合して使用できるが 実際には PRS には下限値を設けずに DBR の上限値のみでインターロックをすることが同期効率も含めて最も効果的であるとの報告がある ここで 2 つの空間ベクトルのうちの 1 つが 統計的変動を持たない理想的な状態を仮定した場合 金マーカーの 3 次元追跡精度は DBR の半分の距離の精度であることを意味しており 例えば追跡の間 DBR が 2.0 mm 以内であれば 3 次元座標のずれは金マーカー半分相当の 1.0 mm 以内となる 今回 3 次元追跡精度を 最低限達成すべきである 下限値 を 1.0 mm と 可能な限り達成したい 目標値 を 0.5 mm 以内 つまり片側あたりの精度 0.5 mm と 0.25 mm を閾値とした時の PRS と DBR を評価することとした 動体追跡装置での金マーカーの追跡は 透視画像上で視認される金マーカーをコンソールのマウスカーソルでクリックすることで開始される 以降は サーチエリア内の PRS の最高値から金マーカーの 2 次元座標を計算し続ける 金マーカーの追跡に伴い 装置 A と装置 B の RGB それぞれの PRS 2 次元座標の計算値が追跡ログに記録される そして装置 A B 両方で 2 次元座標が計算されることで金マーカーの 3 次元座標と DBR が計算される まず この 3 次元追跡精度と装置 A, B の片側あたりで必要な PRS および DBR の関係を評価した 片側の装置の透視条件を 80 kv, 200 ma, 4 msec で固定した もう片側の装置はパルス幅を 4msec で固定し 管電圧を 70, 80, 90 kv 管電流を ma で透視条件を設定した PMMA 厚さの合計が 10 cm の標準的な 5

8 体厚を仮定した動体ファントムにて静止した金マーカーの追跡を行った 追跡 可能であった透視条件の 300 フレーム分の追跡ログから装置両方の PRS DBR な らびに 3 次元座標の変動 σ 3D を以下の式より求めた σ σ σ σ (1) D x y z ここで σ x,σ y,σ z はそれぞれ 300 フレーム分の 3 次元座標 (x, y, z) の標準偏差である 静止している場合には 0 が理想であるが 実際には 3 次元の統計的変動を含む 今回 99% の確率で 3 次元追跡精度を保持するための 3σ 3D を設定し 3σ 3D <0.5 mm を精度の下限値 3σ 3D <0.25 mm を精度の目標値に設定することとした そして 装置 A,B ごとに 3σ 3D と片側の平均 PRS の関係 および DBR の標準偏差 ( 以下 σ DBR ) の関係を評価した ここで σ DBR はσ 3D と同様に理想的には常に共通垂線が 0 となるが 装置 A,B いずれかの 2 次元座標が統計的変動を含むことで実際には 0 にならない カラー I.I. の装置では RGB の PRS 中の最高値を用いて 2 次元座標計算するため その最高値の平均 PRS として評価した さらに 同じ透視条件 ( ただし管電圧は 80 kv のみ ) で動体ファントムの回転速度を 0-60 mm/sec(10msec 間隔 ) で変化させて金マーカーの追跡を 10 秒間以上行い その中の 10 秒間 (300 フレーム分 ) を抽出した このログから まずは装置 A B における管電圧を 80kV 管電流 200mA, パルス幅 4msec としたときの 静止状態と速度のある状態での PRS の平均値の差を評価した 今回 金マーカーの動作範囲を中心 ピクセル内に入るようにファントムをセッティングしたが このとき平均 PRS が同等となっているかを確認するためである また この場合は金マーカーが回転運動をしておりσ 3D は評価できないため 同一透視条件における速度とσ DBR の関係の評価とした 4. 動体追跡装置の透視画像の画質と PRS 動体追跡装置において 直線加速器のインターロック制御に使用する指標のうち 2 対の透視装置のうちの 1 対のみで評価できる PRS と 透視画像の画質の関係を明らかにするための検討を行った 動体追跡装置では一般的な医用画像機器と被写体の幾何学的体系や使用目的が大きく異なり また最終的に品質管理法を構築したいという目的から ここではその簡便性も考慮した画質評価法を検討することとした デジタル医用画像機器における解像度特性の指標には MTF が用いられる IEC 6

9 標準では MTF の評価はエッジ法を推奨している これは検出器に直接タングステン製のエッジを 2~3 傾けて張り付け 撮像した画像から合成 EFS を取得して LSF を介してそのフーリエ解析により MTF を評価する方法である しかし実際の臨床使用において 動体追跡装置では被写体がアイソセンターにあり検出器面からの距離が大きい点 品質管理に用いるにはセットアップや後処置が煩雑である点から適しているとは言えない 一方 ラインペアチャートを約 45 傾けて撮像した画像上に ROI を設定し そのピクセル値の平均値と標準偏差から MTF を評価する方法が報告されている これは EPID の品質管理に関する文献ですでに実績があり 画像から直接評価できる点で簡便性や迅速性に優れている また 被写体のあるアイソセンターに直線加速器のカウチを使用してラインペアチャートを置いて評価できるという点でも 動体追跡装置の幾何学的体系に最適であると思われた エッジ法と異なる点は ラインペアのある空間周波数しか評価できないことと水平垂直方向の 2 次元で評価できないことである 9 エッジ法では水平垂直方向に分けて詳細な空間周波数間隔のスペクトルで MTF を得られるが 品質管理として変動を確認することが目的であれば MTF がスペクトルや 2 次元の評価である必要はなく 特定の空間周波数のみで管理すればよい 今回使用した KYOKKO TYPE 8 のラインペアチャートは 厚さ 0.1 mmpb の空間周波数 0.5~6.0 lp/mm のラインペアで構成される 使用した MTF の式を以下に示す MTF f f m a 2 a m t 2 t f f c /3 (2) ここで σ f は空間周波数 f のラインペア上の ROI のピクセル値の標準偏差 σ a とσ t はそれぞれ一様な 0.1 mmpb とバックグラウンドの ROI のピクセル値の標準偏差 m a と m t はそれぞれ一様な 0.1 mmpb とバックグラウンドの ROI のピクセル値の平均値である ラインペアチャートの角度は 45 ±1 に収まるように 2 mm の PMMA に張り付けてアイソセンターに置いた カラー I.I. のピクセル幅は mm であることから ナイキスト周波数である約 4.0 lp/mm 付近で理論上の MTF は一度 0 となる ここをカットオフ周波数 f c と設定した場合 上記の式で評価できる空間周波数は約 1.35 lp/mm 以下となるため このラインペアチャートで評価可能な空間周波数は 0.5, 0.75, 1.0, 1.25 lp/mm となる 今回は この 4 つの空間周波数を評価対象とした ラインペアチャートの画像を取得する透視条件を決定するために まず検出器の入出力特性を評価した これには 2 つの目的があり 1 つは入出力特性が直線となるリニアシステムであるか否かの確認 もう 1 つは MTF を最も精度よく 7

10 評価する透視条件の決定である 入出力特性がリニアシステムではなく Log システムの場合には 透視画像のピクセル値を直接用いて評価することが出来ず 一度得られた画像のピクセル値を露光量変換しなくてはならない また MTF の精度の高い評価には入出力特性が最も直線となるダイナミックレンジの中央付近を用いることが望ましい ラインペアチャートは準高電圧用であり その使用管電圧である 80kV におけるアイソセンターでの空気カーマ率 (μgy/frame) を測定した 管電流は 10, 25, 50, 80, 100, 200 ma パルス幅 1, 2, 3, 4 msec の各組み合わせで 30 秒の空気カーマ (μgy) を 5 回測定し 最終的に 1 フレームあたりの空気カーマ率を算出した 次に ラインペアチャートを支持するための 2 mm 厚の PMMA のみをアイソセンターに置き 空気カーマ率の測定と同じ透視条件で得た 5 枚の透視画像の中心 ピクセルの平均ピクセル値を取得し 空気カーマ率とピクセル値の関係を装置 A B の RGB についてプロットして入出力特性を評価した MTF は得られた特性曲線から RGB のピクセル値がそれぞれ 8 bit (0-225) の中央である 128 に最も近くなる透視条件を使用して評価した MTF はノイズの少ない加算平均画像で評価すると測定精度が向上するため 装置 A B で得られたラインペアチャートの透視画像 100 枚から 10 画像の加算平均画像を 10 個作成し それぞれの MTF の平均値 ± 標準偏差を評価した 12 また カラー I.I. の構造により透視画像のピクセル値が周辺に行くほど低下するため それを補正するためにチャートの加算平均画像のピクセル値から同条件のラインペアチャートのない画像 100 枚の加算平均画像のピクセル値を減算した差分画像を用いて MTF を評価した 評価対象である空間周波数 0.5, 0.75, 1.0, 1.25 lp/mm のラインペア画像に ROI を設定した ROI のサイズはラインペアの広さに合わせ σ a, σ t, σ 0.5, σ 0.75 で 30 ピクセル σ 1.0, σ 1.25 で 20 ピクセルの正方形を使用した デジタル医用画像機器のノイズ特性の指標としては NPS が用いられる IEC 標準におけるデジタル医用画像機器の NPS の評価は 一様な画像の ピクセルの ROI に対する 2 次元 FFT 法を推奨しているが MTF と同様に入出力特性がリニアシステムであれば動体追跡装置でも透視画像のピクセル値で直接評価できる 一様な画像に含まれるノイズ成分の NPS は水平方向と垂直方向の 2 次元であり ピクセルサイズによって決まる空間周波数間隔のスペクトルで得られる IEC で定義される NPS の計算式を以下に示す NPS x y 2 I( x, y ) S( x, y )exp( 2 i( ux vy )) M ( u, v) i j i j i j M m 1 i 1 j 1 (3) 8

11 ここで x, y は縦横軸のピクセルサイズ M は評価した ROI の数である I(x i, y j ) は評価する ピクセルの ROI のピクセル値 S(x i, y j ) は同じ ROI のピクセル値の 2 次元多項式近似の曲面であり 式のように減算処置をすることでトレンド ( 検出器が持つ構造的なムラ ) を補正する MTF の評価でも述べたが カラー I.I. の透視画像のピクセル値は周辺に行くほど低下するが それを補正する項が IEC で定義される NPS には含まれており 実際に 2 次元多項式近似の曲面を用いたトレンド補正が最も効果的であるとの報告もあることから そのまま採用した NPS を評価するための画像を取得する透視条件を 入出力特性の評価に使用した管電圧 80 kv 管電流 10, 25, 50, 80, 100, 200 ma パルス幅 1, 2, 3, 4 msec のすべての組み合わせに設定した そして ファントム支持台を用いてアイソセンターに 2 mm 厚の PMMA を X 線束軸に垂直配置し それを挟むように 5 cm 厚の PMMA を組み合わせ 標準的な体格として合計 10 cm, 20 cm の体厚を想定した さらに体格が大きい場合を 透視条件を管電圧が 110kV, 管電流とパルス幅を同じ組み合わせにしたときの PMMA の合計 20 cm, 30 cm の体厚を想定した ここで 2 mm 厚の PMMA は同じ体系で金マーカーの追跡を行うためのスペーサーである この体系は NPS を評価する一様な画像の取得と実施する金マーカーの追跡による PRS の取得を両立できる実験条件である 上記の透視条件と PMMA 厚さの組み合わせで得られた 100 枚の透視画像から上記式 (3) で NPS を評価し 測定精度の向上のために 100 本の NPS スペクトルを加算平均した カラー I.I. のピクセルサイズが mm であることから NPS は空間周波数間隔 lp/mm で lp/mm までの範囲のスペクトルで得られることになる 式の通りの方法では 水平垂直方向の 2 次元の NPS として評価される 仮に 1 次元の NPS を得たい場合 IEC では 2 次元の NPS を平均するとされている MTF の評価との一致 品質管理に求められる簡便性を考慮し 1 次元で NPS を評価した ここまでの過程で 装置 A B の RGB について透視画像の MTF および透視条件と PMMA ファントム厚さによる透視画像の NPS を評価した IEC 標準では引き続き検出器性能としての DQE の評価について述べられているが 本研究で評価したいのは検出器性能ではなく 特定の透視条件とファントム厚の組み合わせで得られた透視画像の画質である そこで MTF と NPS から DQE を評価する前段階の画質指標として Noise Equivalent Quanta( 以下 NEQ) を評価する報告がある NEQ は解像度 ノイズ コントラストの要素を含む画質指標であり MTF NPS と同様に空間周波数のスペクトルで表され 同一の空間周波数の MTF と NPS より式 (4) を用いて評価できる 9

12 2 2 2 S MTF ( f ) MTF NEQ( f ) NPS( f ) NNPS f f (4) 式において f は空間周波数 S 2 はシグナルつまり NPS を評価した透視画像の ROI の平均ピクセル値を意味する そして NNPS は NPS を S 2 で除した正規化 NPS であり 評価した画像の平均ピクセル値が異なる画像のノイズ特性を比較する目的で便宜的に用いられる 参考に DQE は IEC 標準の適合性宣言に基づいて評価した NEQ を入力光子数で除することで評価できる MTF で評価した空間周波数は 0.5, 0.75, 1.0, 1.25 であるから 最も簡便な線形補完を用いて同じ空間周波数の NPS を求め これら4つの空間周波数の NEQ を評価した さらに これらを一つの透視画像に対する画質指標としてまとめるため lp/mm の 4 つの空間周波数で囲まれた 3 つの矩形の面積の合計に相当する積分 NEQ( 以下 NEQ) を評価した これは 空間周波数のスペクトルで評価される指標を単一の値にし 他の指標と比較するために行うものである つまり本研究における NEQ は 空間周波数 lp/mm の範囲の画質指標である 今回評価した MTF NPS から NEQ を介して 透視画像の画質指標 NEQ を装置 A B の RGB および透視条件と PMMA 厚さの組み合わせごとに評価した さらに NPS の評価と同じ透視条件と PMMA ファントムでアイソセンターの金マーカーの追跡を行い 追跡可能であった場合はその条件での PRS を抽出した NPS の測定で使用した 2 mm 厚の PMMA の中心部分に穴をあけ 直径 2.0 mm の金マーカーを装着した アイソセンターの 2 mm 厚の PMMA を 5 cm 厚の PMMA で挟んでいくという点では NPS を評価するための透視画像を得る実験手順と同じである 装置 A B それぞれで同一の実験体系を作り 追跡ログを取得して 100 フレーム分の PRS の平均値を評価し 同一条件の画質指標 NEQ との関係を調べた 10

13 実験結果 1. 動体追跡装置の 3 次元追跡精度と PRS DBR の関係 動体ファントムの実験では 全体の PMMA ファントムの厚さを 10 cm としたが 追跡に使用した円盤の中心に最も近い金マーカーは NPS の評価と同一 ROI である中心 ピクセルの範囲内で 回転中心軸と重ならない範囲を動くことを確認した また 片側を固定する透視条件とした 80kV, 200mA, 4msec を 装置 A, B 両方で同一とした場合 σ 3D =0.076 であったため 3σ 3D <0.25 mm となることを確認した PRS と 3σ 3D は指数近似で負の相関を示し 静止時における追跡精度の下限値 3σ 3D <0.5 mm を達成するためには 装置 A で平均 PRS>54.34 装置 B で平均 PRS >57.29 が必要であった 同じく目標値 3σ 3D <0.25 mm を達成するためには 装置 A で平均 PRS>80.31 装置 B で平均 PRS>82.27 が必要であった また 図 4 (b) において σ DBR と 3σ 3D は累乗近似で正の相関を示し 静止時における追跡精度の下限値 3σ 3D <0.5 mm を達成するためには 装置 A でσ DBR <0.45 装置 B でσ DBR <0.39 が必要であった 同じく目標の閾値 3σ 3D <0.25 mm を達成するためには 装置 A でσ DBR <0.15 mm 装置 B でσ DBR <0.24 mm が必要であった 次に 装置 A B における管電圧を 80kV 管電流 200 ma, パルス幅を 4 msec の時の 静止状態と動体ファントムにより速度 mm/sec を持つ金マーカーの平均 PRS は 同一透視条件で静止状態と速度を持つ場合では有意差は見られなかった (p>0.05) 速度が上がるほど平均 PRS は低下傾向であったが ごく僅かであった 装置 A B における管電圧を 80 kv 管電流 200 ma, パルス幅を 4 msec の時の および片側の管電流を 80mA としたときの 金マーカーの速度とσ DBR は 2 次の多項式近似で正の相関を示した 装置 A B の透視条件が管電圧 80kV 管電流 200mA, パルス幅 4 msec の時 3σ 3D <0.5 mm を達成する速度は 装置 A を基準にして 16.5 mm/sec 装置 B を基準にして 12.9 mm/sec となったが 透視条件として装置 A B の電流値を 50mA に下げた時に 3σ 3D <0.5 mm を達成できる速度はそれぞれ 11.0 mm/sec 6.7 mm/sec に低下した 2つの結果をまとめると 動体追跡装置で静止した金マーカーを追跡したときの 3 次元計算座標の変動 σ 3D は 装置のインターロック指標である PRS の平均値と負の相関 DBR の標準偏差 σ DBR と正の相関を示した 同様に 動体追跡装置で速度 (10-60 mm/s) を持った金マーカーを追跡したとき 同一条件では PRS の平均値に有意差は見られなかったが σ DBR は速度と正の相関を示した このことにより 金マーカーの 3 次元座標計算の精度は 透視画像と金マー 11

14 カーの速度の両方に依存して変化するが PRS の平均値は必要条件としての追跡 精度の指標 ( 速度の有無にかかわらず最低限必要とされる条件の指標 ) となる ことが示された 2. 動体追跡装置の透視画像の画質と PRS の関係 測定した空気カーマ率と透視画像のピクセル値より得られた入出力特性を図 7 に示す 装置 A 装置 B の RGB すべてにおいて線形近似で R 2 >0.933 と高い相関が見られたことからリニアシステムであることが確認されたため 以降は透視画像の ROI のピクセル値を直接使用して MTF と NPS の評価を行った また 装置 A 装置 B には入出力特性に個体差が見られるが それぞれ平均ピクセル値が 8 bit (0-225) の中央である 128 に近い値 (116±0.98 から ±1.21 の範囲 ) を作ることが出来た 加算平均画像の 10 画像による MTF について その標準偏差は最も高い空間周波数 1.25 でも測定誤差は小さく すべて 2% 未満であった 装置 A B の RGB において MTF には差が見られ それぞれの値を NEQ の評価に使用した NEQ の評価の過程で NPS はあらかじめ式 (4) の S 2 つまり平均ピクセル値で除して NNPS として評価することが多い カラー I.I. の透視画像の平均ピクセル値は RGB の順に高いが NNPS だとこの差が正規化されて同一条件における RGB のノイズ特性の違いが容易に把握できる 透視条件と PMMA 厚さの組み合わせで得られた NNPS のスペクトルから 線形補間により MTF で評価した空間周波数と同一の の NNPS を評価した そして 評価した MTF と NNPS から 透視条件と PMMA 厚さの組み合わせによる画質指標 NEQ を評価し 得られた NEQ から lp/mm の面積に相当する NEQ を評価した これは 複数の空間周波数で評価した NEQ を一つの画質指標として評価し 平均 PRS との関係を検討するためである 同一の実験体系におい 各条件 ( 透視条件 PMMA ファントム厚 ) で評価した ここで 動体ファントムによる検証では 金マーカーの追跡精度 3σ 3D <0.5 mm を達成するためには 装置 A で平均 PRS>54.34 装置 B で平均 PRS>57.29 が必要であったが これらを平均 PRS の下限値としてそれ以下の平均 PRS となる場合を プロットから除外した それには2つの理由があり ひとつは低い PRS では金マーカーではないものを追跡し 本来のマーカー位置から外れることがあるため PRS そのものが金マーカーによるものではない場合が混在することによる もうひとつは 画質評価法そのものが本来高い画質の評価を正確に行うための方法であることから 低い輝度では評価精度が大幅に低下するためである そこで 下限値を設ける必要があり その基準を 3σ 3D <0.5 mm の範囲とな 12

15 る PRS に設定した 装置 A B の RGB いずれについても NEQ の値が大きくなると 平均 PRS が上昇することが示されたが 90 を超えたあたりから上昇が緩やかに飽和状態となり 一定以上あればそれ以上の画質を必要としないことがわかった NEQ は空間周波数 lp/mm の範囲の画質指標であるが PRS と高い相関を持つことがわかった また管電圧を 80kV と 110kV 体厚を想定した PMMA の厚さを cm で検討したが 管電圧や被写体の違いによる依存性は見られなかったことから 管電圧や被写体によらず画質評価を行うことが出来ることがわかった しかし 装置ごとと RGB の成分によって NEQ と PRS の関係性が異なった これはそれぞれの入出力特性の個体差 MTF と NPS の空間周波数特性の違いが関与していると考えられる すなわち カラー I.I. を使用した動体追跡装置は入出力特性と空間周波数特性の異なる 6 つの検出器を使用していることになり それぞれについて画質と PRS との関係性の検証が必要となることがわかった 本研究で使用した装置 A B の RGB において NEQ と平均 PRS は飽和関数近似ですべて正の相関を示した 3 次元追跡精度の検証で得られた下限値 ( 装置 A で平均 PRS>54.34 装置 B で平均 PRS>57.29) を超えるために装置 A の Red Green Blue で必要な NEQ は それぞれ 装置 B でそれぞれ となった また 目標値 ( 装置 A で平均 PRS>80.31 装置 B で平均 PRS>82.27) を超えるために装置 A の Red Green Blue で必要な NEQ はそれぞれ 装置 B でそれぞれ となった 13

16 考察 1. 診断用放射線機器としての動体追跡装置 動体追跡装置は 診断用医用画像機器の観点においては 2003 年の IEC 標準に準じて性能評価を行うことが推奨される 医用画像は DICOM と PACS の普及とともに一部のモダリティを除きほぼデジタル化していることから 装置間の性能比較や品質管理においても画像のデジタル値を直接取り扱うのが主流であり 1994 年の IEC と比較すると 画像評価法も空間周波数のスペクトルによる客観的な指標にシフトしている 動体追跡装置では 金マーカーの 3 次元計算座標は透視画像のデジタル値を用いて最終的に決定されるが 本研究で金マーカーの 3 次元追跡精度と画質指標 ( 入出力特性 MTF NPS から評価した NEQ) は強い相関があることが明らかとなり 客観的な画質指標で装置を評価することは動体追跡装置には非常に適していること そして相対的に低線量率で高い NEQ の透視画像を出力できることが装置の高性能化への最も簡単なアプローチとなり得ることがわかった さらに 結果としてこれらの指標は 金マーカーの 3 次元追跡精度が高くなる空間周波数特性を持つ 動体追跡装置のための検出器開発の検討にも使用できることがわかった 今回の検討において NPS は約 4.0 lp/mm までのスペクトルで評価できたが 市販のラインペアチャート (KYOKKO TYPE 8) を使用したため空間周波数 0.5 lp/mm 以下の低周波領域の MTF また設定したカットオフ周波数の関係から空間周波数 1.25 lp/mm 以上の MTF の評価が出来なかった 仮に より広く詳細な空間周波数領域で画質評価 ( 検出器の評価 ) を行うには 動体追跡装置の画質評価に特化した より低い空間周波数を含むラインペアチャートの開発に加え より高い空間周波数の MTF を評価できる方法に切り替える必要がある 2. 放射線治療機器としての動体追跡装置 一方で動体追跡装置は 放射線治療機器の観点においては AAPM TG-142 の Planner kv imaging に準じた装置の品質管理が必要である その品質管理項目では 月ごとのコントラスト 空間分解能 ノイズ特性 および年ごとの線量率測定について アクセプタンス コミッショニング時の測定値を基準値 (Baseline) として その変動をチェックし続けることで品質管理を行うこととされている しかし その方法については装置ごとに具体的に示されているわけではなく 装置の性能と品質管理項目の関係性を理解して その装置にあ 14

17 った具体的な品質管理法を施設ごとに構築し 品質管理項目が実際に基準値から外れた時にその原因を具体的に理解して問題解決を行う必要がある 本研究で透視画像の画質評価を行うにあたって ピクセル値を用いて評価したのは 入出力特性を評価する過程で得られる画像中心の ROI の平均ピクセル値 MTF NPS であり さらに入出力特性を評価するためにアイソセンターの空気カーマ率の測定も行っている 以上の測定値により 空気カーマ率を Imaging Dose( 線量率測定 ) 透視画像の輝度( 平均ピクセル値 ) を Contrast( コントラスト ) MTF を Spatial resolution( 空間分解能 ) NPS を Uniformity and noise( 一様性とノイズ ) をとすることで 画質評価に関する品質管理項目をすべて客観的な指標で埋めることができ いずれもコミッショニング時の基準値からの変動を確認することが可能となると考えられる さらに 空気カーマ率と平均ピクセル値の組み合わせで入出力特性 MTF と NPS の組み合わせで NEQ を導くことができるので 拡張的な指標 (Extended Index) による強固な品質管理を行うことも可能になると考えられる また Imaging Dose のみが年ごとの項目となっているが 名目の透視条件に対して X 線管と検出器のいずれの経年劣化が変動を招いているかを入出力特性で確認することが望ましく 動体追跡装置においては他の月ごとの項目と同じタイミングで行うことが望ましいと考えられる 動体追跡装置以外の Planner kv Imaging に関して on-board imager(obi) の品質管理に関する報告がある そこでは コントラスト分解能や空間分解能の評価を視認性 ( 目視で視認できる lp/mm の最高値 ) により評価しているが 患者位置合わせが主な使用目的である OBI においてはその視認性が重要であるため 適した方法であるかもしれない しかし動体追跡装置ではピクセル値を直接座標計算に使用する観点から 追跡精度との相関が強く 透視画像のピクセル値から直接得られる客観的な指標を用いた方が 精度の高さ 実施手順の簡便性の面で優れているため 品質管理として適していると考えられる また 動体追跡装置では幾何学的位置精度の中で最も重要であり 治療と画像の座標系の一致度の品質管理を日ごとに行うこととされているが この検証は校正用ファントムの金マーカーの 3 次元座標計算が正しく行われていることが前提で成立する 本検討によって得られた金マーカーの 3 次元座標計算精度と PRS の関係から 幾何学的位置精度の検証を行うために必要な精度が確保される PRS を 品質管理のための至適条件として導くこともできた 3. 動体追跡装置の品質管理法の提案 動体追跡装置において これまで画像機器として客観的な画質指標を用いた 品質管理に関する報告は無かった また 2 次元透視画像での座標計算精度と PRS 15

18 の関係は報告されていたが 3 次元座標計算精度との関係については報告されていなかった 19 本研究では 金マーカーの 3 次元座標計算精度とインターロック指標の PRS DBR の関係を検討し さらに PRS と透視画像の画質の関係を検討することで 透視画像の画質と金マーカー追跡精度の関係について明らかにした これまでの診断用画像機器と放射線治療機器の観点からの考察を踏まえ 我々は 動体追跡装置の品質管理に客観的な画質指標を用いることを提案したい 基本的な流れは 本研究で実施した手順と同じく 1 線量率と透視画像のピクセル値の関係から入出力特性を評価する 2 入出力特性より決定した至適条件で MTF を評価する 3 NEQ と PRS の関係より決定した条件で NPS を評価するという順序となり のいずれも コミッショニング時の入出力特性 MTF NPS を基準値 (Baseline) として 全く同じ条件で比較評価をして品質管理を実施することである 1 に関しては 同一透視条件での線量率の比較も可能であり 3 に関しては NEQ と PRS の関係性が飽和する前の条件 ( 本検討においては 装置 A で 54.34<PRS<80.31 装置 B で 57.29<PRS<82.27 の範囲 ) を用いることで 装置の変動を容易に検知できると考えられ さらに強固な品質管理を実施できる AAPM TG-142 では 品質管理には許容レベル (tolerance level) や介入レベル (action level) よりも小さい変化を検出できる方法を用いるべきであるとされている 動体追跡装置の品質管理における許容レベルや介入レベルは 実際には上記の画質指標による品質管理データを 今後蓄積していくことにより各施設で検討を続けていく必要があるが それらのレベルが設定できれば 品質管理手順を最小限にする ( なるべく少ない透視条件やファントム条件による検証で済ませるプロトコールを作成する ) ことも可能であり 許容レベルや介入レベルを超える変動が検知された場合には コミッショニング時に行った検証を再度行うことにより その原因調査と必要な対策を検討することも可能である ただし 今回評価した画質指標は 本研究で使用した SyncTraX のプロトタイプの動体追跡装置に固有の指標であり 幾何学的条件 I.I. の種類 透視 X 線量率の異なる施設ごとにコミッショニング時に NEQ と PRS の関係性を検証しておく必要がある また 本検討では 2.0 mm の金マーカーについてのみの検討であったが 施設や部位によっては 1.5 mm の金マーカーを挿入するケースもある 20 その場合 パターンマッチのテンプレートが異なる金マーカーのサイズごとに NEQ と PRS の関係性を検証する必要がある 16

19 総括および結論 動体追跡装置で静止した金マーカーを追跡したときの 3 次元計算座標の変動 σ 3D は 装置のインターロック指標である PRS の平均値と負の相関 DBR の標準偏差 σ DBR と正の相関を示した 同様に 動体追跡装置で速度 (10-60 mm/s の範囲で 10 mm/s 間隔 ) を持った金マーカーを追跡したとき 同一条件では PRS の平均値に有意差は見られなかったが σ DBR は速度と正の相関を示した 以上により 金マーカーの 3 次元座標計算の精度は 透視画像と金マーカーの速度の両方に依存して変化するが PRS の平均値は必要条件としての追跡精度の指標 ( 速度の有無にかかわらず最低限達成するべき指標 ) となることが示された 一方で 動体追跡装置で得られた透視画質のピクセル値を用いて評価した 解像度特性の MTF とノイズ特性の NPS より導かれる画質指標 NEQ は 同一条件で静止した金マーカーを追跡した時の PRS の平均値と正の相関を示した ただし 画質指標 NEQ の上昇にしたがって PRS の平均値は 90~95 あたりで飽和し 高い追跡精度を維持するためには画質 (NEQ) を必要以上に高くしなくてもよいことも示された 画質指標 NEQ と金マーカーの追跡精度の関係から NEQ 評価する過程で得られる MTF と NPS は AAPM TG-142 で推奨する放射線治療用機器の品質管理項目 ( 空間分解能 コントラスト ノイズと一様性 ) と重なることも踏まえて これらを動体追跡装置の品質管理に使用することを提案した 基本的には コミッショニング時の MTF NPS の測定値を基準値 (Baseline) として その経年変化を観察することで品質管理を行い 施設ごとに設定した許容範囲外の変動がなければ コミッショニング時の 3 次元追跡精度を保証していると考えてよい 本研究の意義は 動体追跡装置のインターロック指標である PRS との関係を明らかにすることで 装置の金マーカー追跡精度が透視画像の画質に依存し 一定の追跡精度を得るには一定以上の画質が必要であるということが証明されたことである さらに 動体追跡装置において透視画像の客観的な画質指標を用いた新たな品質管理法を提案したことにより 動体追跡放射線治療をより高精度かつ安全に実施するための新たな指標を得られた また その評価方法については 定期的な品質管理に適した簡便性を有しており さらに複数の指標を組み合わせて得られた拡張的な指標も品質管理に使用できることを示した さらに 金マーカー追跡精度の指標となった NEQ は 今後新しい動体追跡装置を開発する場合に 新旧装置の性能比較を客観的に行う指標としても使用できる 優れた動体追跡装置の定義は 可能な限り低い患者被ばくで 高い金マーカー追跡精度を有する装置 であるが この指標で新しい装置の性能向上の程度を客観的に示すことが出来る 具体的には 同一の透視条件で 何パーセ 17

20 ント高い画質 (NEQ) の透視画像が得られる と明示でき またその逆に 同一の画質 (NEQ) の透視画像を 何パーセント低い透視条件 ( 空気カーマ率 ) で得られる と 患者被ばくを観点とした評価も可能となる ただし 両方の装置でコミッショニングを実施し 金マーカー追跡精度と画質指標 NEQ の関係性を PRS を介してあらかじめ評価した上で比較を行う必要がある 今後の課題は 人体と同様に不均一な体厚で構成される被写体内を 金マーカーが移動する場合に その追跡精度を検証するための方法論を確立することである 本研究では 画質と金マーカー追跡精度の関係性を導くために 画質評価が可能な一様な透視画像を使用する必要があった 実際には 金マーカーは画質変化を伴った不均一な領域を移動するため 特にその変化が急峻な領域を移動する場合についての検討が必要である しかし 不均一な領域の画質を評価することは不可能であるため 金マーカーの追跡精度を別の指標との関係性から導く必要がある 18

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