未成年の子が婚姻する場合 原則として父母双方の同意を要するが 父母の一方が同意しない場合 父母の一方が知れない場合や死亡した場合 又はその意思を表示できない場合は 他の一方の同意で足りる (737ⅠⅡ) 結局 父母のどちらか一方の同意で足りる 父母がいない場合でも 未成年後見人の同意を得ることを要し

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1 民法 Ⅲ 第四編親族 第一章総則 親族とは 1 六親等内の血族 2 配偶者 3 三親等内の姻族をいう (725) 配偶者の甥 姪は三親等の姻族であり 親族であるが その甥 姪の配偶者は姻族の配偶者にすぎず 親族にあたらない 縁組前の養子の子と養親との間には法定血族関係は生じない (727, 大判昭 ) 生存配偶者の姻族関係終了の意思表示には期間制限はない (728) 姻族関係終了の意思表示と死後離縁 姻族関係の終了 死 後 離 縁 方式戸籍法上の届出戸籍法上の届出 家裁の許可不要要 (811Ⅵ) 原則 : 復氏せず 原則 : 復氏する (816Ⅰ) 復氏例外 : 戸籍法上の届出によりい例外 : 縁組期間が7 年を超える場合 離縁の日 つでも復氏可 (751Ⅰ) から 3ヵ月以内に戸籍法上の届出により 縁組みの際の氏を称すること可 (816Ⅱ) 生存配偶者の姻族関係終了の意思表示と復氏とは何の関係もなく 姻族関係を終了させず に復氏することも また復氏せずに姻族関係を終了することもできる 姻族関係の終了と復氏 離婚一方の死亡 原則 : 復氏する (767Ⅰ) 原則 : 復氏せず 復氏例外 : 離婚後 3ヵ月以内の戸籍法上の例外 : 戸籍法上の届出によりいつでも復氏 届出により離婚時の氏を称する こと可 (767Ⅱ) 姻族関係当然に終了する (728) 可 (751Ⅰ) 意思表示により終了する (728Ⅱ) 生存配偶者が再婚しても存続する 第二章婚姻 第一節婚姻の成立 ( 第一款婚姻の要件 ) 直系血族又は三親等内の傍系血族は婚姻することができない 但し 養子と養方の傍系血族との間では三親等内でも婚姻可 (734) - 1-

2 未成年の子が婚姻する場合 原則として父母双方の同意を要するが 父母の一方が同意しない場合 父母の一方が知れない場合や死亡した場合 又はその意思を表示できない場合は 他の一方の同意で足りる (737ⅠⅡ) 結局 父母のどちらか一方の同意で足りる 父母がいない場合でも 未成年後見人の同意を得ることを要しない ( 昭 民 977 号 ) 未成年の子が婚姻する場合 父母が親権を辞任しているときであっても その父母の同意を 要する ( 第二款婚姻の無効及び取消 ) 取消権者取消事由不適齢婚重婚待婚期間内の近親婚詐欺 強迫 (731) (732) 婚姻 (733) (734~735) (747Ⅰ) 1 各当事者 1 後婚の当事者 1 各当事者 1 各当事者 1 表意当事者 取消権者 2 親族 2 後婚の親族 2 親族 2 親族 (747Ⅰ) (744) 3 検察官 3 検察官 3 検察官 3 検察官 4 前婚の配偶者 4 前配偶者 不適齢婚の場合 離婚 婚姻の取消の際に婚姻適齢に達している者については成年擬制の効果は失われないが 離婚 婚姻の取消の際にも不適齢の者については成年擬制の効果は失われる ( 昭 民二 60 号 ) 配偶者の一方が 他方配偶者に無断で協議離婚届出書を作成し 戸籍係員に提出した後他者と婚姻したとき 当該婚姻は 無効な協議離婚後になされた婚姻である以上 重婚に該当し 他方配偶者は 協議離婚の無効を確認する審判又は判決の確定前であっても その婚姻の取消を請求することができる (744 最判昭 参照 ) 婚姻適齢に達した未成年者が父母の同意を得ずになした婚姻は 取り消すことができない (744 反対解釈 737) 父母が詐欺により同意をしたときでも婚姻の取消不可 不適齢者は 適齢に達した後でも 追認した場合を除いて その後 3カ月間は 裁判所に取 消を請求できる (745) 第二節婚姻の効力 夫婦間で締結された契約は 婚姻中は 夫婦の一方からこれを取消すことができるが 夫婦関係が形式的には継続していても実質的には破綻している場合には 夫婦間の契約であることを理由に取消すことはできない (754 最判昭 ) 夫婦間でした贈与契約につき 夫婦間の取消権が認められない場合であっても 履行が終わっていない部分については書面によらない贈与として取り消すことができる (550) - 2-

3 第三節夫婦財産制 ( 第一款総則 ) 夫婦が法定財産制と異なる契約をしたときは 婚姻の届出までにその登記をしなければ これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない (756) 夫婦財産契約は 婚姻の届出後に変更することはできないが 他の一方の財産を管理する夫婦の一方の管理が失当であったためにその財産を危うくしたときは 他の一方は 自ら管理をすることを家庭裁判所に請求することができる (758ⅠⅡ) ( 第二款法定財産制 ) 第四節離婚 ( 第一款協議上の離婚 ) 他方配偶者に協議離婚届出書の提出を委託した配偶者の一方が その後翻意し その旨を戸籍係員に表示している場合には 相手方に対する翻意の表示又は届出解除がなされてなくても 当該協議離婚届では無効である ( 最判昭 ) 協議離婚の取消は 一般の法律行為の取消が相手方に対する意思表示で足りるのとは異 なり 必ず裁判によることを要する ( Ⅰ) 内縁の夫婦について 離別による内縁解消の場合に財産分与の規定を類推適用することは 準婚的法律関係の保護に適することから認められる ( 最決平 ) ( 第二款裁判上の離婚 ) 婚姻関係を破綻せしめた配偶者は 他方配偶者が同居を拒み扶助しなかったとしても 悪意の遺棄を理由に裁判上の離婚請求不可 (770Ⅰ2 最判昭 ) 有責配偶者からなされた離婚請求であっても 婚姻を継続しがたい重大な事由がある場合には 認容される余地がある ( 最大判昭 ) 配偶者の一方が他方配偶者の3 年以上の生死不明を理由にした離婚の訴えが認められた場合 後に他方配偶者が生還しても その他方配偶者は 離婚の取消を請求することはできない (770Ⅰ3) 失踪宣告における失踪の取消し (32) 裁判離婚は 判決の確定によって効力を生ずる - 3-

4 第二章 第一節 親子 実子 嫡出子 = 婚姻中に懐胎した子 (772Ⅰ) 要 件 訴 え 婚姻成立の日から 200 日後 推定が及ぶ又は婚姻の解消もしくは取消嫡出否認の訴え (775) 嫡出子から300 日以内に生まれた子 推定される (772Ⅱ 嫡出推定 ) 嫡出子 嫡出推定期間内に生まれた子 推定が及ばであるが 妻が夫によって懐胎親子関係不存在確認の訴え ない嫡出子することが不可能な場合 推定されない嫡出子婚姻成立の日から 200 日以内親子関係不存在確認の訴え に生まれた子 二重推定が及ぶ場合嫡出推定が重複する場合父を定める訴え (773) 各種の訴え 嫡出否認の訴え 親子関係不存在確認の父を定める訴え (775) 訴え (773) 1 夫 提訴権者 2 その子の為に相続権を害利害関係人子 母 前夫 後夫 される者 その他夫の三 親等内の血族 1 子又は親権を行う母 1 確認を求める当事者 1 子また母 相手方 2 特別代理人 2 当事者の一方が死亡 2 子及び母が原告の した場合には検察官 ときは前夫と後夫が 共同被告 提訴期間出生を知ったときから1 年なしなし (777) 消滅事由承認 (776) なしなし 父を定める訴えは 嫡出推定が二重に働く場合にのみに認められる (773) 父が嫡出推定を受ける子の嫡出性を争うには嫡出否認の訴え (775) によらなければならないが 嫡出推定を受けない子に対しては 親子関係不存在確認の訴えによる ( 大判昭 昭 民甲 1332 号 ) - 4-

5 嫡出否認の訴えは 夫が子の出生を知ったときから1 年内にこれを提起しなければならない が 夫が成年被後見人である場合には その期間は 後見開始の審判の取消後 夫が子の出 生を知ったときからこれを起算する ( ) 失踪宣告を受けた夫の失踪期間中に妻が産んだ子 ( 推定されない嫡出子 ) に対し その夫 は 失踪宣告の取消後 その子の出生を知ったときから 1 年を経過した場合でも 親子関係 不存在確認の訴えにより父子関係を争うことができる 任意認知は戸籍の届出という方式によらなければならない要式行為であって この届出によって効力を生じる創設的届出である (781) 強制認知は 判決の確定によってその効力を生じ 戸籍の届出は報告的届出である 認知の意思に基づきその届出を他者に委託した者が 届出時において意識を喪失し その後死亡した場合でも その認知は有効に成立する 認知意思は原則として届出時において必要であるが 届出時に認知者が意識を喪失していても 届出書受理以前に翻意をするなどの特段の事情がない限り 認知は有効に成立する ( 最判昭 ) 父が 嫡出でない子について嫡出子出生届又は非嫡出子出生届をした場合 各届は認知届としての効力を有する (781 最判昭 ) 嫡出子出生届は嫡出性の承認にはあたらず これによって嫡出否認権を失うものではない 婚姻中の妻が夫以外の男との間にもうけた子 ( 夫の嫡出子と推定される ) について その男は 夫による嫡出否認の訴えが認められた後でなければ 認知することができない 認知できない場合 1 他人の嫡出子と推定される実子 2 他人の特別養子となった実子 無効な認知がなされたときは 子その他利害関係人は 認知に対し反対の事実を主張することができる (786) 期間限定の定めはない 利害関係人は 再審によらない限り 強制認知に対し反対の事実を主張することはできない ( 最判昭 ) 非嫡出子が戸籍上他人の嫡出子として記載されていても非嫡出子であることに変わりはなく 嫡出推定を受ける場合でない限り 戸籍はそのままで 実親に対して直ちに認知の訴えをすることができる (787 最判昭 ) 胎児の母は 子が出生しない限り法定代理人とはなり得ないので 認知の訴えを提起することはできない (787 大判明 昭 民甲 22 号 ) 父は 子が胎児であるときでも 母の承諾を得て 任意認知することができる (783Ⅰ) - 5-

6 認知の訴えの提訴期間は 父又は母の死亡が客観的に明らかになった時から3 年以内である (787 但書 最判昭 ) 父 ( 又母 ) の死亡後に認知の訴えを提起する場合の被告人は 相続人ではなく 検察官である ( 人訴 32Ⅱ 2Ⅱ) 準正婚姻準正すでに父が認知した子 ( 非嫡出子 ) は 父母の婚姻によって 婚姻の時から嫡出子の身分を取得する (789Ⅰ) 認知準正未だ父の認知を受けていない子の父母が婚姻した後 父が認知した子は婚姻の時 ( 法文は 認知の時 ) から嫡出子の身分を取得する (789Ⅱ) 離婚後の認知でも準正は生ずる ( 昭 民甲 3358 号 ) 子が既に死亡している場合でも 婚姻準正及び認知準正が認められる (789Ⅲ) 死亡した子に直系卑属がいる場合に限り 認知することができる (783Ⅱ) 子の氏の変更 父又は母と氏を異にする場合 父母と氏を異にする場合 家裁の許可要 (791Ⅰ) 家裁の許可不要 (791Ⅱ) 準正によって嫡出子の身分を取得した者は 父母の婚姻中に限り戸籍法上の届出によって父母の氏を称することができる (791Ⅱ) 790 条は生来嫡出子のみに適用され 婚姻届又は認知届によって当然に父母の氏を称するわけではない 縁組をした養子が離縁をすることなく実親夫婦の氏へ変更することは 養親の同意や家庭裁 判所の許可があったとしてもできない (791Ⅰ 昭 民甲 20 号 ) 15 歳未満の子が氏を変更するときは 法定代理人が代わってこれを行う (791Ⅲ) 15 歳以上の未成年者が氏を変更する場合 法定代理人の同意を得ることを要しない 未成年の時に氏を変更した者は 成年に達した後 1 年内に限り 従前の氏へ変更することが でき この場合において家庭裁判所の許可は不要 (791Ⅳ) 15 歳以上の未成年が自らの意思により氏を変更した場合も同じ 身分行為能力をして満 15 歳とされている場合 1 氏の変更 (791Ⅲ) 2 養子縁組 (797Ⅰ) 3 離縁 (811Ⅱ 815) 4 遺言 (961) - 6-

7 第二節養子 ( 第一款縁組の要件 ) 養子縁組の要件 1 当事者の縁組意思 ( 実質的意思 ) の合致 2 養親となる者が成年者 ( 婚姻擬制を含む ) であること (792) 3 養子となる者が尊属又は年長者でないこと (793) 4 後見人が被後見人を養子とするに場合には家裁の許可があること (794) 後見人が成年に達している被後見人を養子とする場合でも家裁の許可要 5 配偶者のある者が単独で養親又は養子となる場合には配偶者の同意要 (796Ⅰ) 配偶者のある者が配偶者の未成年の嫡出子を養子とする場合には 単独ですることができるが 配偶者の同意が必要 配偶者が意思表示をすることができない場合には不要 (796Ⅱ) 未成年養子縁組の特則 1 原則として 夫婦共同で縁組をすることを要する (795 本文 ) 配偶者の嫡出子を養子とする場合 又は 2 配偶者が意思表示をすることができない 場合には 単独で縁組可 (795 但書 ) 既に血縁関係のある父又は母との関係においても嫡出子たる身分を取得させる必要 があるため 配偶者の非嫡出子を養子とするときも 原則どおり夫婦共同縁組となる 2 自己又は配偶者の直系卑属を養子とする場合を除き 家裁の許可があること (798) 離縁する場合には家裁の許可は不要 父は 認知した自己の非嫡出子を養子とすることができる (793 参照 ) 養子となる者が15 歳未満の場合には法定代理人による代諾縁組がなされる この場合にお いて 父母の一方が親権者 ( 法定代理人 ) で 他方が監護権者であるときは 代諾縁組につき 監護権者の同意が必要 (797) 養子となる者が15 歳以上で意思能力を有する場合は本人の意思表示に基づいて縁組をす ることができる 父母の同意は不要 15 歳以上で意思能力を有しない者は 当事者の意思の合致による縁組も代諾縁組もするこ とができない 胎児を他人の養子とすることはできない (1 の 3 参照 ) 他人夫婦の子として虚偽の出生届をした後 その戸籍上の父母の代諾によって養子縁組がなされた場合 縁組の効力は生じない ( 大判昭 ) 養子が縁組能力を有する満 15 歳に達した後は 養子は当該縁組を追認することができる この場合 無権代理の追認に関する民法 116 条の類推により 縁組は 提出の時 に遡って有効となる ( 最判昭 ) - 7-

8 ( 第二款縁組の無効及び取消 ) 養親が養子縁組無効の訴えを提起する場合 養子を被告とする ( 大阪高判昭 ) 配偶者のある者が 他方配偶者の同意を得ずに 成年者を養子とした場合 この縁組は取り 消すことができるが 取消権者は 縁組の同意をしていない他方配偶者のみである (806 の 2) 養子縁組の取消し (804~808) 取消権者 養親が未成年者で 1 養親 ある縁組 養子が尊属又は年 1 各当事者 長者である縁組 後見人 被後見人 1 養子 間の無許可縁組 取消権が消滅する場合 1 養親が成年に達した後 6 カ月経過したとき 2 養親の法定代理人 2 養親が成年に達した後追認したとき 2 各当事者の親族 1 管理の計算終了後 6 カ月経過したとき 2 養子の実方の親族 2 管理の計算終了後養子が追認したとき 他方配偶者の同意同意していない他方 1 他方配偶者が養子を知ったときから 6 カ月 を欠く縁組配偶者経過したとき 2 他方配偶者が追認をしたとき 監護者の同意を欠同意していない養子 1 監護者が追認をしたとき く縁組の父母たる監護者 2 養子が 15 歳に達した後 6 カ月経過したとき 養子が未成年者の 1 養子 無許可縁組 3 養子が 15 歳に達した後追認をしたとき 2 養子の実方の親族養子が成年に達した後 6 カ月経過したとき 3 縁組代諾者 詐欺 強迫による詐欺 強迫を受けた 1 当事者が詐欺を発見し 強迫を免れた後 6 縁組当事者カ月経過したとき 2 当事者が詐欺を発見し 強迫を免れた後 追認したとき ( 第三款縁組の効力 ) 養子は 縁組の日 ( 戸籍法の届出時 ) から 養親の嫡出子たる身分を取得する (809) 特別養子についても同じ 但し 特別養子は家裁の審判によって成立する (817 の 2) 夫婦の一方が他人の養子となった場合の氏 1 婚姻によって氏を改めなかった者が養子となった場合 夫婦双方が養親の氏を称する (810 本文 ) 2 婚姻によって氏を改めた者が養子となった場合 氏の変更は生じない (810 但書 ) - 8-

9 ( 第四款離縁 ) 養親夫婦が未成年者と離縁する場合にも 縁組の場合と同様 原則として 夫婦が共同でしなければならない (811の2) 離縁以前に 養親夫婦が離婚していた場合は その一方のみと離縁することができる 養子と養親とが協議離縁するときは家庭裁判所の許可は不要であるが 養子又は養親の一方が死亡した後に離縁をするときは 家庭裁判所の許可が必要である (811Ⅵ) 協議離縁 死後離縁いずれの場合も戸籍の届出によってなす要式契約であり その効果は戸籍の届出の時から生じる ( Ⅰ) 離縁をした養子が離縁の際に称していた氏を続称するには 縁組期間が7 年を超え かつ 離縁後 3ヵ月内に届出をしなければならない (816Ⅱ) ( 第五款特別養子 ) 特別養子と普通養子 特別養子普通養子 成立養親となる者の申立に基づく家裁の審判当事者の合意に基づく届出 1 配偶者のある者 (817 の 3) 養親の要件 2 一方が 25 歳以上 他方が20 歳以上 (817 の 4) 原則 : 6 歳未満 成年者であること 1 養親より年長でないこと 養子の要件例外 : 6 歳に達する前から養親となる者の監 2 養親の尊属でないこと 護養育を受けていた場合は8 歳に達 (793) するまで可 実父母の同意必要原則 : 不要 実親による監護が著しく困難又は不適当 なし 成立条件その他特別な事情がある場合に 子の為に 特に必要があると認められるとき (817 の 7) 試験養育期間 6カ月以上 (817の8) なし 実親との関係終了する (817 の 9) 終了しない 離 例外 : 代諾縁組 (797) 縁養子 実父母又は検察官の請求に基づく当事者双方の協議又は裁判 家裁の審判 (817 の 10) 特別養子縁組は 養親となる者の申立てによる家庭裁判所の審判によって成立し また 効力も生じる (817の2Ⅰ) 嫡出子たる身分は戸籍法の届出によって取得する 特別養子縁組は 審判による縁組であるから 被後見養子や未成年養子における家庭裁判所の許可は不要である (817の2Ⅱ) - 9-

10 特別養子縁組は 実親と養子との親子関係を遮断するため 縁組後は実親が養子を認知す ることはできない (817 の 9) 特別養子縁組の場合 養子が成年に達した後は離縁をすることができない (817 の 10Ⅱ) 特別養子縁組においては 養親が死亡した場合であっても 養子は死後離縁をすることが できない (817 の 10Ⅱ 参照 ) 他人の養子となった者が 更に他人の特別養子となった後に その特別養子縁組の離縁が成立した場合でも 先の養親子関係が再び生じることはない (817の11) 離縁により 実親との親族関係は復活する 第四章親権 第一節総則 子の出生前に父母が離婚した場合 原則として母が親権を行使するが 子の出生後に父母の協議又は審判によりに父を親権者と定めることができる (819Ⅲ) 子の出生後に離婚した場合 親権者の変更は裁判所がこれを行う (819Ⅵ) 子が胎児である間に親権者の指定をなすことは許されない 第二節親権の効力 親権者が 子を代理する権限を濫用した場合において 相手方が濫用の事実を知り又知り得べかりしときは 93 条但書の類推適用により その行為の効果は子に帰属しないが 親権者の代理行為は 利益相反行為に該当しない限り広範な裁量に委ねられており 親権者が子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は 親権者に子を代理する権限を授与した法の趣旨に著しく反すると認められる特段の事情がない限り 濫用には該当しない (824 最判平 ) 利益相反行為かどうかは 親権者が子を代理してした行為自体を外形的 客観的に考察して判断され 親権者の動機 意図をもって判断されない (826 最判昭 ) 第三者の金銭債務について親権者が自ら連帯保証をするとともに 子の代理人として同一の債務について連帯保証をし かつ親権者と子が共有する不動産に抵当権を設定する行為は 利益相反行為に該当する ( 最判昭 ) 他人の債務の保証のため 親権者とその親権に服する子とが共に物上保証人となることは 利益相反行為に該当しない ( 昭和 民甲 2819 号 ) 親権の濫用 親権者が利益相反行為をなした場合権限踰越表見代理 (110) 外形上 利益相反行為ではないが 親権者の意図が心裡留保 (93) 子の利益を害する場合

11 親権者が特別代理人の選任なくして利益相反行為をした場合 当該行為は無権代理行為 となる ( 大判昭 ) 第三節親権の喪失 親権喪失の宣告の請求権者は この親族 検察官及び児童相談所所長であり 子自身には認められていない (834 児童福祉法 33の6) 親権を行う父又は母は やむを得ない事由があるときは 家庭裁判所の許可を得て 親権又 は管理権を辞することができる (837Ⅰ) 親権を辞した父又は母は その事由が止んだときは 家庭裁判所の許可を得て 親権を回復することができる (837Ⅱ) 戸籍の届出によってその効果が生じる 第五章後見 第一節後見の開始 親権者が心神喪失の状況にあるが後見開始の審判を受けていない場合でも 未成年者に対する後見が開始する (8381 大阪家審昭 札幌家審昭 ) 親権者自身に対する後見は 後見開始の審判を受けて初めて開始される (8382) 養親の死亡は縁組関係の終了をもたらさないため 実親の親権が回復することはなく 後見 が開始する (8381) 父母の親権に服する未成年者の女性から生まれた子に対しては その女性の父母が親権を 代理行使する (833) ため 後見は開始しない 第二節後見の機関 ( 第一款後見人 ) 未成年者に対し最後に親権を行う者は 管理権を有しない者は別として 遺言により未成年後見人を指定することができる (839Ⅰ) が 自己の死亡後に未成年後見人となる者の指定を家庭裁判所に請求することはできない 成年後見人が選任されている場合でも 家庭裁判所は 必要があると認めるときは 成年後見人 成年被後見人若しくはその親族その他利害関係人の請求によって又は職権で 更に成年後見人を選任することができる (843Ⅲ) 未成年後見人は1 人でなければならない (842) 家庭裁判所は 後見開始の審判をするときは 職権で成年後見人を選任する (843Ⅰ) 夫婦の一方が後見開始の審判を受けた場合でも 他方配偶者が当然に成年後見人となるわけではない ( 平 11 改正 )

12 法人も成年後見人となることができ これを目的とする寄附行為も有効 (843Ⅳ 括弧書 ) 後見人に不正な行為 著しい不行跡その他後見の任務に適しない事由があるときは 家庭裁判所は 後見監督人 被後見人若しくはその親族若しくは検察官の請求によって 又は職権で これを解任することができる (846) 後見人については 親権者の場合の財産管理権喪失の制度 (835) は存しない 後見人の欠格事由 (847) 1 未成年者及び破産者 2 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人 保佐人又は補助人 3 被後見人に対して訴訟をし 又はした者及びその配偶者並びに直系血族 4 行方の知れない者 ( 第二款後見監督人 ) 後見人の配偶者 直系血族及び兄弟姉妹は 後見監督人となることができない (850) ( 第三款後見の事務 ) 成年後見人が数人あるときは 家庭裁判所は 職権で 数人の成年後見人が 共同して又は事務を分掌して その権限を行使すべきことを定めることができる (859の2Ⅰ) 第三者の意思表示はそのうちの1 人に対してすれば足りる (859の2Ⅲ) 成年後見人は 成年被後見人の債務を担保するために その居住の用に供する建物及びその敷地について 売却 賃貸 賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには 家庭裁判所の許可を得ることを要する (859の3) 第四節後見の終了 第六章扶養 扶養義務者 (877) 原則 : 要扶養者の1 直系血族及び2 兄弟姉妹例外 : 家庭裁判所は特別な事情がある場合には三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる 第一扶養義務者が要扶養者を扶養する資力を有しない場合に限られない 法律上の扶養義務者の具体的な扶養義務発生の要件 1 要扶養者の扶養の必要性 2 扶養義務者の扶養可能性 3 要扶養者の請求 要扶養者が扶養を要する状態となった後でも 要扶養者から請求を受けない限り 法律上の扶養義務者に 具体的な扶養義務は発生しない ( 大判明 )

13 現に扶養している扶養義務者の意に反して扶養権利者 ( 要扶養者 ) を扶養した他の扶養義 務者であっても 既に支出した扶養料を請求することができる ( 最判昭 ) 扶養義務者がその義務を履行しないまま扶養権利者が死亡した場合には その相続人は扶養義務者に対し未払いの扶養料を請求することができる 扶養請求権は 一身専属権にあたり 相続の対象とはならないが 家庭裁判所の審判によって既に発生し未払いとなっている過去の扶養料については 通常の金銭債権であって相続の対象となる ( 大判明 ) 扶養の方法は当事者間の協議で 協議が調わないときは家庭裁判所の審判により決定され るのであり 扶養義務者は 引取扶養と給付扶養のいずれかを選択することはできない (879) 第五編 第一章 相続 総則 相続回復請求の当事者原告適格者 1 真正相続人及びその法定代理人 2 相続分の譲受人 相続回復請求権は一身専属権であり 真正相続人の相続人は真正 相続人の相続回復請求権を相続することはできず 相続人は自己固 有の相続回復請求権を行使することができる 但し 相続回復請求権の 20 年の消滅時効の起算点は 当初の相 続開始時である 被告適格者善意かつ合理的理由のある相続侵害者 ( 表見相続人 ) 真正相続人の相続回復請求権に対して 被告適格者は相続回復請 求権の短期消滅時効を主張することができる 但し 被告適格者は相続回復請求権が時効消滅するまで相続財産 の取得時効の主張不可 被告不適格者 1 悪意又は合理的理由のない相続侵害者 2 相続侵害者 ( 善意かつ合理的理由のある相続侵害者を含む ) からの 相続財産を譲り受けた第三者 真正相続人は 被告不適格者に対して相続回復請求権を行使するこ とができず 所有権に基づく返還請求をすることになる 従って 被告 不適格者は真正相続人からの返還請求に対して 相続回復請求権の 短期消滅時効を主張することができい 但し 被告不適格者は取得時効の主張可 相続回復請求権は 相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知ったとき から5 年で時効消滅する (884) 除斥期間 ( 判例は時効であるとしている ) は相続開始の時から 20 年

14 相続回復請求権は一身専属権であり 相続の対象とはならないが 相続回復請求権者が相続回復請求権を行使せずに死亡した場合 相続人は自己固有の相続回復請求権として行使することができる ( 大判大 7.4.9) 数次相続の場合でも新たに侵害が発生しているわけではないので 20 年の消滅時効の起算点は 当初の相続開始時である ( 最判昭 ) 相続回復請求権の短期消滅時効が完成している場合には 真正相続人からの相続回復請求に対して 表見相続人は 消滅時効を援用してこれを排斥することができるが 表見相続人が真正相続人の相続権を害することにつき悪意又は有過失の場合には 短期消滅時効を主張することはできない (884 最大判昭 ) 表見相続人には他の共同相続人も含まれる 悪意の表見相続人からの善意の特定承継人も884 条の短期消滅時効の援用不可 ( 最判平 ) 第二章相続人 被相続人から廃除された後に被廃除者の養子となった者も 被廃除者を代襲して相続人となることができる (887Ⅱ) 相続欠格事由 (891) 1 故意に被相続人又は相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡するに至らせ又は至らせようとしたために刑に処せられた者 傷害致死や執行猶予の場合は含まれないが 殺人予備は含まれる 2 被相続人が殺害されたことを知りながらこれを告発又は告訴しなかった者 ( その者に是非の弁別がない場合 又は殺害者が自己の配偶者もしくは直系血族の場合を除く ) 既に捜査が開始され告訴 告発の必要がない場合には相続欠格事由にあたらない ( 大判昭 ) 3 詐欺又は強迫によって 被相続人が相続に関する遺言をし これを取消し又はこれを変更することを妨げた者 4 詐欺又は強迫によって 被相続人に相続に関する遺言をさせ これを取消させ又はこれを変更させた者 5 相続に関する被相続人の遺言を偽造 変造 破棄又は隠匿した者 遺言書を破棄又は隠匿した場合であっても 不当な利益を目的とするものでなかったときは相続欠格事由にあたらない ( 最判平 ) 遺留分を有する推定相続人の廃除又は廃除の取消は家庭裁判所の審判の確定によって効力を生じる ( ) 被相続人の意思表示によって効力を生ずるのではない

15 第三章相続の効力 第一節総則 相続による占有の承継の場合でも 承継人 ( 相続人 ) は自己の占有のみを主張することができる (896 最判昭 Ⅰ 参照 ) 遺留分減殺請求権は 相続法上の権利であって広義の身分権の一種に属するが 財産法 的色彩が強く 相続の対象となる 内縁関係の不当破棄に基づく慰謝料請求は これによって当然に発生するものであり しか も発生したその債権は単純な金銭債権であり 相続の対象となる ( 大判昭 7.7.8) 離婚をした夫婦の一方の相続人は 生前に被相続人によって相手方に対して請求された財産分与請求権を相続し 家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる ( 名古屋高決昭 ) 扶養請求権は 身分法上の権利であって被相続人のみに帰属する一身専属権に当たり 相続の対象とはならないが 被相続人の請求によって既に発生し未払いとなっている過去の扶養料については 単純な金銭債権であり 相続の対象となる ( 大判明 ) 連帯債務者の1 人が死亡し その相続人が数人ある場合 相続人は被相続人の債務を分割して承継し 各自その承継した範囲内において 本来の債務者と共に連帯債務者となる (899 最判昭 ) 連帯保証についても同じ 継続的な取引契約から生ずる将来の不特定な債務の保証 ( 信用保証 根保証 ) ついて 限度額及び保証期間の定めのあるものに限って相続性が肯定される (899 最判昭 ) 賃貸借契約から将来発生する賃料債務の保証は 相続性が肯定される ( 大判昭 ) 身元保証においては 保証人は労務者との人的つながりから保証を引き受けたという 一身 専属的性格を有し その相続性は原則として否定されている (899 大判昭 2.7.4) 遺産に属する債権遺産に属する不可分な特定債権については 債権者たる共同相続人全員不可分債権が共同して履行を請求できるほか 各共同相続人が単独で全員のために履行を請求することもできる ( 最判昭 ) 可分債権各共同相続人に分割されたものが帰属する ( 最判昭 )

16 第二節 相続分 相続分 (900123) 現行 第一順位相続 配偶者 2 分の1 子 2 分の1 (S56.1.1~) 第二順位相続配偶者 3 分の 2 直系尊属 3 分の 1 第三順位相続配偶者 4 分の 3 兄弟姉妹 4 分の 1 旧民法第一順位相続配偶者 3 分の 1 子 3 分の 2 (~S ) 第二順位相続配偶者 2 分の 1 直系尊属 2 分の 1 第三順位相続配偶者 3 分の 2 兄弟姉妹 3 分の 1 被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合 被相続人と父母の一方のみを同じくする兄弟姉 妹の相続分は 父母双方を同じくする兄弟姉妹の 2 分の 1 である (9004) 特定遺贈を受けた相続人は 遺贈を受けた財産の価額が法定相続分を下回っている場合には 法定相続分に達するまで他の相続財産を取得することができる 相続分の指定を受けた相続人の財産の価額が法定相続分を下回っていても 相続分の指定によって法定相続分に関する規定が廃除されるので その差額を相続財産から受けることができず 自己の遺留分が侵害されない限り 指定された相続分に従って相続財産を取得できるにとどまる (902Ⅰ) 被相続人が 遺言で共同相続人の 1 人についてのみ相続分を指定した場合には 他の共同 相続人の相続分は 法定相続分の規定によって定まる (902Ⅱ) 寄与分権者は相続人に限られ 内縁の妻や廃除された者 相続欠格者および包括受遺者 は寄与分権を有しない (904 の 2Ⅰ) 被相続人は 遺言で特定の相続人の寄与分を指定することはできない (904 の 2ⅠⅡ) 特別受益者 寄与者の具体的相続分の算定方法 1 特別受益者の具体的相続分 (903Ⅰ) =( 相続開始時の財産 + 特別受益 - 寄与分 ) 法定相続分 - 特別受益 2 寄与者の具体的相続分 (904の2Ⅰ) =( 相続開始時の財産 + 特別受益 - 寄与分 ) 法定相続分 + 寄与分 第三節 遺産の分割 包括受遺者や相続分の譲受人も遺産分割の当事者となる (990 大阪高決昭 ) 被相続人が相続分の指定について遺言をした場合でも 共同相続人は 協議により当該指 定と異なる割合の遺産分割をすることができる

17 分割協議が調わないとき 又は協議できないときは分割を家庭裁判所に請求できるが この場合 特別の事由 ある時は期間を定めて審判で遺産分割を禁止することができる (907Ⅲ) 家庭裁判所は 分割禁止の審判後 事情の変更が認められるときは 相続人の申立により いつでも分割禁止の審判を取消又は変更することができる ( 家審規 112Ⅰ) 遺産分割協議によって分割禁止を定めた場合でも 共同相続人全員の同意があれば 当 該分割禁止期間内であっても 分割をすることができる 遺産分割の対象となるものは 被相続人が有していた積極財産だけであり 消極財産たる債務 ( 可分債務を含む ) は 相続開始と同時に 共同相続人に その相続分に応じて当然分割承継される ( 東京高判昭 ) 債権者は 法定相続分に応じて請求しても 指定された相続分に応じて請求してもよいし 又特別受益者等がある場合には 具体的相続分に応じて請求することもできる 債権者の承諾があれば 債務についての遺産分割も可能 抵当権の債務者変更の登記において 遺産分割を登記原因とすることができる 被相続人は遺言で5 年を超えない期間内の分割を禁止することができる (908) この期間は更新することができない 債務不履行を理由として遺産分割協議を解除することは 909 条本文により遡及効を有する遺産の再分割を余儀なくされ法的安定を害するため することはできない ( 最判平 1.2.9) 合意解除によって第三者の権利を害することはできないので 共同相続人全員で その分割協議を合意解除することは 法律上 当然に妨げられるものではない ( 最判平 ) 共同相続人の 1 人が遺産分割によって取得した財産に瑕疵があるときは それが相続開始 後に生じたものであっても 他の共同相続人は売主と同じく担保責任を負う (911) 但し 遺産分割後に生じたものについては担保責任を負わない 各共同相続人は その相続分に応じ 他の共同相続人が遺産分割によって受けた債権に ついて 当然に分割当時における債務者の資力を担保する (912Ⅰ) 共同相続人が連帯して担保する必要はない 債権売買においては 特約がない限り売主は担保責任を負わない (569Ⅰ) 第四章相続の承認及び放棄 第一節総則 相続の承認及び放棄は 相続人が自己のために相続の開始があったこと すなわち被相続人の死亡の事実及びこれにより自己が相続人となった事実を知った時から3ヵ月以内にしなければならない (915 大決大 ) 相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識したとき又は通常認識し得べき時から起算するべきである ( 最判昭 )

18 熟慮期間は 各相続人ごとに進行するから 共同相続人のうちの一部につき熟慮期間が経過しても 他の共同相続人は 各自の熟慮期間が経過していなければ 相続の承認及び放棄をすることができる 相続人たる被保佐人は 保佐人の同意又はこれに代わる裁判所の許可を得なければ 単独 で有効な相続放棄をすることができない (12Ⅰ6 Ⅲ) 相続の承認 放棄の取消 原則 : 相続の承認 放棄は 熟慮期間内でも取り消すことはできない (919Ⅰ) 例外 : 民法第一編総則及び親族編の規定による取消は認められる (919Ⅱ 本文 ) 追認をすることができる時から 6ヵ月 承認 放棄の時から10 年を経過したときは その取消権は消滅する (919Ⅱ 但書 ) 親族編の規定による取消とは 後見監督人の同意なき後見人の代理又は同意に よって相続の承認 放棄がなされた場合 ( ) 第二節承認 ( 第一款単純承認 ) 相続人が相続財産の全部又は一部を602 条に定められている期間を超えて賃貸したときは その相続人は単純承認したものとみなす (9211 法定単純承認) 相続人が相続開始の事実を知り又は確実に予想しながら被相続人の財産を処分した場合でなければ 法定単純承認とはならない ( 最判昭 ) 法定単純承認たる相続財産の全部又は一部の処分行為には 処分意思が必要であり 相 続人 相続財産に属する家屋を失火により焼失させた場合でも 相続放棄をすることができる 相続人が 限定承認又は放棄をした後でも 財産の全部若しくは一部を隠匿し ひそかにこれを浪費し 又は悪意でこれを財産目録中に記載しなかった場合は その相続人は単純承認したものとみなされる (9213) 相続人が放棄をしたことにより新たに相続人となったものが承認をした後は 放棄をした相続人が単純承認したものとみなされることはない ( 同但書 ) ( 第二款限定承認 ) 第三節放棄 相続人が被相続人の債権者を害する目的で相続を放棄したとしても 被相続人の債権者は その相続の放棄を詐害行為として取り消すことはできない ( 最判昭 参照 )

19 第五章 財産の分離 財産分離 第一種財産分離 (941Ⅰ) 第二種財産分離 (944Ⅰ) 相続人の固有財産が債務超過の場合相続財産が債務超過の場合に 相続に 趣 旨に 相続による混同により 被相続人のよる混同により 相続人の債権者が不 債権者や受遺者が不利益を受けないよ利益を受けないようにするため うにするため 請求権者相続債権者 ( 被相続人の債権者 ) 相続人の債権者 受遺者 相続開始時から3カ月以内又は相続財相続人が限定承認をすることができる 産と相続人の固有財産と混同しない間 間又は相続財産と相続人の固有財産と 相続開始から3カ月以内であれば 混同しない間 期 間 相続財産と相続人の固有財産とが混合している場合でも請求可 相続財産と相続人の固有財産と混同しない間は3カ月経過後も可 財産の分離が命じられた場合 相続人は相続財産を自由に処分することができなくなるが 不動産についてこれを第三者に対抗するためには 処分制限の登記を要する (945) 第六章相続人の不存在 被相続人に相続人がいない場合でも 相続財産全部の包括受遺者がいるときは 相続財産法人は成立しない (951 最判平 ) 相続債権者は 被相続人から抵当権の設定を受けていても 被相続人の死亡前に仮登記がされていた場合を除き 相続財産法人に対して抵当権設定登記手続をすることができない (957 最判平 ) 特別縁故者に対して相続財産の一部を分与した後に 相続人である旨の申し出をした者は その残余財産についても相続権を主張することはできない (958 の 2) 第七章 第一節 遺言 総則 満 15 歳に達した者は遺言をすることができる (961) 被後見人が 後見の計算の終了前に 後見人又は後見人の配偶者もしくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは その遺言は無効である (966Ⅰ) 後見人が被後見人の直系血族 配偶者又は兄弟姉妹のときはこの限りではない (966Ⅱ) 相続欠格事由に該当する者は 同時に受遺能力も失う (965)

20 第二節 遺言の方式 ( 第一款 普通の方式 ) 遺言の方式 立会人 筆者 署名 捺印 日付検認 確認 自筆証書遺言 不要 本人 本人 必要検認要 普 (968Ⅰ) 通 公正証書遺言 証人 2 人以上 公証人 本人 証人 公証人 必要 検認不要 方 (969) 式 秘密証書遺言 公証人 1 人 誰でも本人及び封紙には必要検認要 (970) 証人 2 人以上 可 本人 証人 公証人 危一般危急時遺言 証人 3 人以上 証人の各証人 不要検認要 急 (976) 1 人 確認要 特時難船危急時遺言 証人 2 人以上 証人の各証人 不要検認要 別遺 (979) 1 人 確認要 方隔伝染病隔離者遺言警察官 1 人 本人 本人 筆者 証人 必要検認要 式絶 (977) 証人 1 人以上 確認不要 地在船者遺言 船長又は事務本人 本人 筆者 証人 必要検認要 遺 (978) 員 1 人 証人 2 確認不要 言 人以上 氏又は名のみ記載されている自筆証書遺言も 遺言者が何人であるかを知ることができ 他 人と混同を生じないときは 有効である (968Ⅰ 大判大 4.7.3) 自筆証書遺言の訂正は 遺言者が訂正箇所を指示し これを変更した旨を附記してこれに署名をし かつ 訂正箇所に押印しなければならない (968Ⅱ) 訂正箇所に押印の代わりに署名がなされていても その訂正は無効である 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復したときにおいて遺言をするには 医師 2 人以上の立会が必要 (973Ⅰ) 証人及び立会人の欠格事由 (974) 1 未成年者 2 推定相続人 受遺者及びその配偶者並びに直系血族 3 公証人の配偶者 4 親等内の親族 書記及び雇人 平成 11 年度の改正により 禁治産者 準禁治産者は削除された 視覚障害者も公正証書遺言に立会う証人としての適格を有する (974 最判昭 )

21 遺言でなし得る行為遺言のみでなし得る行為 ( 生前行為ではなし得ない ) 1 未成年後見人の指定 (839) 1 認知 (781) 2 未成年後見監督人の指定 (848) 3 相続分の指定又は指定の委託 (902) ( ) 4 遺産分割方法の指定又は指定の委託 (908 前段 ) 5 遺産分割の禁止 (908 後段 ) 生前行為でもなし得る行為 2 推定相続人の廃除及びその取消 3 特別受益者の相続分の指定 (903Ⅲ) 6 共同相続人間の担保責任の指定 (914) 4 寄附行為 (41Ⅱ) 7 遺言執行者の指定又は指定の委託 (1006) 8 遺贈の減殺方法の指定 (1034 但書 ) 9 遺贈 (964) 5 信託 ( 信託法 2)etc 遺言でなしえない行為 1 推定相続人についての保佐開始の審判の申立て 2 受贈者に対する遺留分減殺の順序の変更 ( 第二款特別の遺言 ) 第三節 遺言の効力 特定遺贈の受遺者は遺言者の死亡後いつでも遺贈の放棄をすることができる (986Ⅰ) 包括受遺者については 相続人の規定が準用されるため 自己のために相続の開始があっ たことを知ったときから 3カ月以内 ( Ⅰ) 被相続人が相続財産に属さない権利を特に遺贈の目的とした場合 遺贈義務者は その権利を取得して受遺者に移転する義務を負う (997) 特定遺贈の目的たる権利が 遺言者の死亡時において相続財産に属さない場合には 原則として遺贈の効力は生じない (996 本文 ) 被相続人が不特定物を遺贈の目的とした場合 目的物に瑕疵があるときは 遺贈義務者は瑕疵がない物に代えることを要する (998Ⅱ) 特定物遺贈の目的物に瑕疵があっても 遺贈義務者は担保責任を負わない 第四節遺言の執行 公正証書遺言以外の遺言は 家庭裁判所の検認を受けることを要するが 検認は遺言の効力要件ではなく 検認を受けない遺言が無効となるものではない (1004 大判大 ) 相続人が 遺言執行者に指定された者に対し 相当の期間を定め その期間内に就職を承諾するか否かを確答すべき旨を催告したにもかかわらず 返答をしないときは 就職を承諾したものとみなされる (1008)

22 遺言執行者の欠格事由は 未成年者及び破産者のみであり その他 その資格に制限はなく 法人であっても 遺言執行者となることができる (1009) 相続人であっても 相続人の廃除等 遺言の執行が当該相続人の利益と相反しない限り 遺言執行者となることができる ( 通説 ) 遺言事項中遺言執行者を必要とする場合 1 推定相続人の廃除 (893) 2 廃除の取消 (894Ⅱ) 3 認知 (781Ⅱ 戸 64) 以上の場合において 遺言書に遺言執行者に関する記載がないときは 利害関係人の請求により 家庭裁判所が遺言執行者を選任する (1010) 後見人の指定に基づく 後見開始の届出は後見人によって行われる ( 戸 81) 遺言執行者があるときは その者によって遺言が公正に執行されることを担保するため 相続人は相続財産の管理処分権を失い 相続人が相続財産についてした処分行為は絶対的に無効である (1013 大判昭 ) 被相続人が特定不動産を遺贈する遺言をした場合において その遺言執行者を選任したときであっても 相続人が他の不動産についてした処分は無効とはならない (1314) 遺言者が相続財産に属する不動産を遺贈し 遺言執行者を指定した場合には 相続人がその遺言執行者が就職する前に当該不動産に抵当権を設定しても無効であり 受遺者は 登記なくして抵当権者に対抗することができる (1013 最判昭 ) 第五節遺言の取消 遺言が詐欺又は強迫によりなされた場合には 瑕疵ある意思表示をした遺言者及びその承継人 ( 相続人 ) は遺言を取り消すことができる (96Ⅰ 120) 抵触遺言又は抵触行為が詐欺又は強迫によりなされた場合を除き 当該抵触遺言又は抵触行為が撤回又は取消されても前の遺言は復活しない (1025) 第一遺言を撤回した第二遺言又は第一遺言と抵触する第一遺言を故意に破棄した場合には 第一遺言は復活すると解されている 第八章 遺留分 法定遺留分 (1028) 直系尊属のみが相続人の場合 被相続人の財産の3 分の1 その他の場合 被相続人の財産の2 分の1-22 -

23 遺留分算定の基礎となる財産の算出方法 (1029Ⅰ 1030) 被相続人の相続開始時における積極財産 + 特別受益分 ( 理由及び時期を問わない ) + 相続開始前 1 年以内の贈与 ( 当事者双方悪意の場合は時期を問わない ) + 不相当な対価をもってなされた有償行為 ( 当事者双方悪意の場合のみ ) - 債務 = 遺留分算定の基礎となる財産 個別的遺留分の算出方法 遺留分算定の基礎となる財産 法定遺留分 法定相続分 = 個別的遺留分 受贈者は 遺留分権利者から減殺請求に対し 取得時効を援用してその目的物の返還を免 れることはできない (1031 最判平 ) 遺留分減殺の順序 1 遺贈と贈与の間では 遺贈を先に減殺する (1033) 2 複数の遺贈の間では 目的の価額の割合に応じて減殺する (1034) 遺言により遺贈の減殺方法につき別段の指定可 (1034 但書 ) 3 複数の贈与の間では 後の贈与を先に減殺する (1035) 特別受益は遺留分減殺の対象とはならない 減殺を受けるべき受贈者が無資力であるときは 遺留分権利者が損失を負担する (1037) 遺留分減殺請求は 遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったこ とを知ったときから1 年間で時効消滅する (1042 前段 ) 減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った 時とは 贈与又は遺贈の事実を認知した だけでは足りず それが減殺できるものであることを知った時である ( 最判昭 ) 除斥期間は相続開始より 10 年間 (1042 後段 ) 家庭裁判所の許可を受ければ 相続開始前でも遺留分の放棄可 (1043Ⅰ) 相続 遺贈の放棄 特別受益としての贈与が遺留分を害するときは それが相続開始前 1 年より前になされたも のであっても 特段の事情がない限り 遺留分減殺の対象となる ( 最判平 )

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