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さやなさかど
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1 第 1 回明日の高梁川を語る会資料 -3 高梁川の概要と課題平成 19 年 11 月 5 日国土交通省中国地方整備局

2 目次 1. 流域の概要 1.1 流域の概要地形気象気候土地利用と産業歴史 5 2. 洪水対策 2.1 主な洪水と治水対策明治 26 年 1 月洪水 ( 台風 ) 昭和 9 年 9 月洪水 ( 室戸台風 ) 昭和 47 年 7 月洪水 ( 前線 ) 昭和 51 年 9 月洪水 ( 台風 17 号 ) 治水事業の経緯現状の治水安全度 ( 流下能力 ) 治水対策 ( 洪水処理計画 ) 小田川の内水被害堤防の整備状況高潮地震対策 3.1 高潮被害および対策地震対策危機管理対策 4.1 危機管理対策水利用 5.1 河川水の利用 ( 農水発電 ) 河川水の利用 ( 工水上水 ) 河川水利用の課題正常流量環境 6.1 水質自然環境 ( 上流中流 ) 自然環境 ( 下流 ) 自然環境 ( 河川環境の整備と保全 ) 河川利用 7.1 河川の利用地域連携 8.1 地域との連携 28

3 1.1 流域の概要 1. 流域の概要高梁川は鳥取県境付近の花見山に発し途中成羽川小田川の大支川を合流し瀬戸内海に注ぐ想定氾濫域は岡山県第二の都市となる倉敷市水島コンビナートなど資産の集積する岡山平野の西半部で岡山市域まで及ぶ花見山 (1,188m) 流域及び氾濫域の諸元流域面積 ( 集水面積 ):2,67km 2 ( 全国 23 位 ) ( 中国地方 2 位 ) 幹川流路延長 :111km ( 全国 44 位 ) ( 中国地方 5 位 ) 流域内人口 : 約 27 万人想定氾濫区域人口 : 約 44 万人流域内市町 :9 市 3 町 ( 倉敷市高梁市など ) 国管理区間延長高梁川小田川高梁川派川 ( 柳井原貯水池 ) 26.5km 7.9km 2.km JR 山陽新幹線国道 2 号柳井原貯水池霞橋倉敷市街湛井倉敷市矢形橋基準地点さかづ酒津 ( 低水 ) 潮止堰高梁基準地点ふなお船穂 ( 高水 ) 河口国管理区間 ( 桃色 ) 玉島港川水島大橋重化学工場群 ( 水島コンビナート ) 下流部の状況 ( 河口から望む ) 1

4 1.2 地形 1. 流域の概要高梁川は中上流域では狭い谷底を急勾配で流れ洪水は勢いが衰えることなく下流平野に到達下流平野は干拓等によって形成された洪水氾濫に対して脆弱な低平地でゼロメートル地帯も多い上流部は中国山地から発する急流河川中流部はカルスト台地石灰岩峡谷があり河川沿いの平地は狭い信濃川下流部の水島などの地区は計画高潮位以下のいわゆるゼロメートル地帯洪水高潮によりひとたび氾濫すれば被害大河口より 81.1km ( 西川合流点 ) 上流部 ( 中国脊梁山地 ) 中国山地新見満奇洞想定氾濫区域帝釈峡 ( カルスト台地 ) 阿哲台上房台井倉洞高梁中流部 ( 吉備高原山地 ) 河口より 24.4km ( 湛井堰 ) A A A 高梁川吉備高原山地下流部 ( 平野など ) 干拓地からの転用による工業用地 ( 嵩上済み ) 倉敷 A A 高梁川流域の地形分類図出典 : 土地分類図 ( 国土庁土地局昭和 46 年 ) 2

5 1.3 気候気象上流部の中国山地の年間降水量は全国平均約 1,7mm より多雨下流部は瀬戸内式気候で年間降水量 1,2mm 程度 1. 流域の概要月別降雨は 6~7 月の梅雨期と 9 月の台風期に多い降雨量 ( mm ) 新見平年降雨量平年気温気温 ( ) 年降水量の等値線 (mm) 上流部 ( 中国脊梁山地 ) 河口より 81.1km ( 西川合流点 ) 中流部 ( 吉備高原山地 ) 下流部 ( 平野など ) ( 淡水域 ) 倉敷河口より 24.4km ( 湛井堰 ) ( 感潮域 ) 近年は雨量の少ない年 ( 渇水年 ) が頻発している河口より 6.1km ( 潮止堰 ) 年降雨量 (mm) 年降雨量 (mm) 新見倉敷降雨量 ( mm ) 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 1 月 11 月 12 月倉敷平年降雨量平年気温 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 1 月 11 月 12 月 5 年 S53 日別平均降雨量および気温 (1979~2 年 ) S53: 欠測 : 渇水の発生年 H6 H14 H17 : 渇水の発生年取水制限を実施した年 H6 H14 H17 5 年年降雨量の推移 (1979~2 年 ) 資料 : 気象庁 HP 気象統計情報気象観測 ( 電子閲覧室 ) 気温 ( ) 3

1.4 土地利用と産業上流部は中国脊梁山地で大部分が常緑針葉樹林中流部の吉備高原山地は緩やかな地形のため耕地は主に高原部に点在

山地等森林 91% 高原面高原面市街地 1% 水田畑地等 8% 土地利用の高梁川流域に占める割合黒鳥ダム倉敷市 17%

年に過去最大の7 兆倉敷市 14% 29 億円を記録下流部倉敷市は 3 兆 94 億円に達し中国地方で 2 割近いシェアを占める

6 1.4 土地利用と産業上流部は中国脊梁山地で大部分が常緑針葉樹林中流部の吉備高原山地は緩やかな地形のため耕地は主に高原部に点在 1. 流域の概要下流部には倉敷市街地著名な観光地の美観地区岡山県の製造品出荷額の過半数を占める水島コンビナートが低平地に立地山地等森林 91% 高原面高原面市街地 1% 水田畑地等 8% 土地利用の高梁川流域に占める割合黒鳥ダム倉敷市 17% 岡山県 ( 倉敷市を除く ) 中国 4 県 ( 広島 14% 鳥取島根山口 ) 計 69% 岡山県の製造品出荷額は平成 17 年に過去最大の7 兆倉敷市 14% 29 億円を記録下流部倉敷市は 3 兆 94 億円に達し中国地方で 2 割近いシェアを占める吉備高原山地の高原面と谷底を流れる支川成羽川平成 17 年度工業統計調査経済産業省による年間製造品出荷額土地利用図下流部の水島工業地帯 4

比重選鉱により採取されたこの採取方法を鉄穴 ( かんな ) 流しという砂が堆積した旧東高梁川 (M43 撮影 ) 倉敷市水江付近を渡河する陸軍鉄穴流し跡地の分布東城凡例 : 船番所新市承応 2(1653) 年新見川之瀬明和年間 (1764~72) 笠神文字岩徳治 2(137) 年田原広石井高成羽木之子承応元 (1652) 年江戸時代以前高瀬通し ( 水江 ~

7 1.5 歴史 1. 流域の概要上流部では江戸時代を中心にたたら製鉄が盛んになり多くの流出土砂が発生下流の玉島港から中流の高梁を経て上流の新見などを結ぶ高瀬舟の航路が開設され伯備線の開通まで輸送の主役たたら製鉄原料となる鉄を含む鉱石と燃料として木炭や薪などを使い金属鉄を作る方法で古くから山陰山陽地方で盛んであった鉄穴 ( かんな ) 流し原料となる砂鉄は花崗岩の風化土層を切り崩して水路に流し比重選鉱により採取されたこの採取方法を鉄穴 ( かんな ) 流しという砂が堆積した旧東高梁川 (M43 撮影 ) 倉敷市水江付近を渡河する陸軍鉄穴流し跡地の分布東城凡例 : 船番所新市承応 2(1653) 年新見川之瀬明和年間 (1764~72) 笠神文字岩徳治 2(137) 年田原広石井高成羽木之子承応元 (1652) 年江戸時代以前高瀬通し ( 水江 ~ 玉島 ) 江戸時代一時通船笠岡正保 3(1646) 年正保元年 (1644) 年辻巻境谷矢掛松山 ( 高梁 ) 青木江戸時代以前万治 2(1659) 年高瀬通し玉島江戸時代以前湛井倉敷旧東高梁川一ノ口水門高梁川の舟運室町時代以前から高梁川中流部の主要交通路として河川が利用されており江戸時代に高瀬舟が使用されるようになると舟運は隆盛をきわめた洋式製鉄が盛んになり中国山地のたたら製鉄が衰えるとともに高瀬舟は積荷を失って衰退伯備線開通により終幕を迎えた笠神の文字岩 ( 国史跡 ) 我が国最古の舟路の開発記念碑鎌倉時代の徳治 2 年 (137) と刻まれている現在は田原ダム湖に水没しレプリカを湖畔に設置一ノ口水門倉敷市水江から玉島に至る高瀬通し ( 運河 ) が開削された際高梁川の堤防を横切る地点の水位差に対応するために設置された閘門高梁川流域における鉄穴流しの跡地および高瀬船航路と開発年次図高梁川流域の高瀬舟船路と開発年次 5

8 2.1 主な洪水と治水対策 2. 洪水対策高梁川の本格的な改修は明治 26 年 1 月洪水を契機に明治 4 年に内務省直轄工事として着手明治 43 年に全国の第 1 期改修 2 河川に選定され大正 14 年に完成その後も昭和 9 年昭和 47 年洪水で小田川で堤防の決壊 ( 破堤 ) や内水被害が発生洪水名 ( 成因 ) ピーク流量被害明治 26 年 1 月 ( 台風 ) 14,9 m3 /s( 船穂 ) 床下浸水 5,29 戸 ( 岡山県内 ) 全半壊 12,92 戸 ( 岡山県内 ) 大正 14 年高梁川改修第 1 期工事の完成計画流量 :6,9 m3 /s( 酒津 ) 昭和 9 年 9 月 ( 室戸台風 ) 9,4 m3 /s( 船穂 ) 床下浸水 6,334 戸 ( 岡山県内 ) 全半壊 6,789 戸 ( 岡山県内 ) 昭和 2 年 9 月 ( 枕崎台風 ) 8,7 m3 /s( 船穂 ) 床下 / 浸水 1,779/21,499 戸 ( 岡山県内 ) 全半壊 1,837 戸 ( 岡山県内 ) 昭和 42 年工事実施基本計画の策定計画流量 :6,9 m3 /s( 酒津 ) 昭和 45 年 8 月 ( 台風 1 号 ) 3,4m3 /s( 日羽 ) 床下 / 浸水 856/348 戸全半壊 24 戸昭和 47 年 7 月 ( 前線 ) 5,7m3 /s( 日羽 ) 床下 / 浸水 5,23/2,144 戸全半壊 227 戸昭和 51 年 9 月 ( 台風 17 号 ) 2,2m3 /s( 日羽 ) 床下 / 浸水 1,461/1,185 戸全半壊 14 戸昭和 6 年 6 月 ( 前線 ) 3,5m3 /s( 日羽 ) 床下 / 浸水 284/14 戸全半壊 1 戸平成元年 3 月工事実施基本計画の改定基本高水 :13,7 m3 /s( 船穂 ) 計画流量 :12,2 m3 /s( 船穂 ) 平成 1 年 1 月 ( 台風 1 号 ) 5,4m3 /s( 日羽 ) 床下 / 浸水 13/1 戸全半壊 26 戸平成 19 年 8 月河川整備基本方針の策定基本高水 :13,7m3/s( 船穂 ) 計画流量 :13,4m3/s( 船穂 ) 死者不明死者不明死者不明死者不明浸水農地死者不明浸水農地死者不明浸水農地死者不明浸水農地死者不明浸水農地 423 人 151 人 127 人 1 人 1,762ha 15 人 3,765ha 18 人 62ha 3 人 847ha 6 人 26ha 洪水被害は特記を除き高梁川水系の岡山県分 + 広島県分死者不明者数は岡山県下の総計 6

9 2.2 明治 26 年 1 月洪水 ( 台風 ) 2. 洪水対策船穂地点流量 14,9 m 3 /s 床下床上浸水 5,29 戸 ( 岡山県内 ) 全半壊 12,92 戸 ( 岡山県内 ) 既往最大洪水下流部の川辺連島等で堤防の決壊 ( 破堤 ) 氾濫による家屋資産の被害および多数の人的被害が発生高蔵寺高梁川高梁川東高梁川倉敷市真備町川辺堤防決壊状況総社倉敷市中島西阿知付近浸水状況小田川倉敷倉敷市真備町川辺字辻尾家屋倒壊状況 : 実績浸水区域 : 堤防の決壊 ( 破堤 ) 地点高蔵寺に現存する客殿漆喰壁の洪水痕跡改築時に元の高さに復元明治 26 年 1 月洪水の実績浸水区域図旧東高梁川高梁川地盤からの水深約 4m 倉敷市真備町川辺字片原家屋倒壊状況 7

10 梁川2.3 昭和 9 年 9 月洪水 ( 室戸台風 ) 2. 洪水対策船穂地点流量 9,4 m 3 /s 床下床上浸水 6,334 戸 ( 岡山県内 ) 全半壊 6,789 戸 ( 岡山県内 ) 中上流部下流部小田川筋で大きな被害下流部高梁川筋は第 1 期改修後のためほとんど被害なし新見高梁市高梁市市街地の被災状況高梁川左岸の被災状況高梁 : 実績浸水区域 : 堤防の決壊 ( 破堤 ) 地点 JR 伯備線井倉駅付近高梁川鉄橋流失状況高梁川総社倉敷小田川高梁川成羽川高矢掛町川面地区小田川の氾濫状況昭和 9 年 9 月洪水の実績浸水区域図 8

11 2.4 昭和 47 年 7 月洪水 ( 前線 ) 2. 洪水対策日羽地点流量 5,7 m 3 /s 床下 / 床上浸水 5,23 戸 /2144 戸全半壊 227 戸浸水農地 3,765ha 戦後最大規模の洪水中上流部下流部小田川筋で大きな被害新見高梁市内氾濫状況高梁市広瀬玉川橋 ( 県道宇戸谷 ~ 高梁線 ) 梁川成羽川倉敷高高梁実績浸水区域 : 堤防の決壊 ( 破堤 ) 地点総社市宍粟付近国道 18 号の浸水状況高梁川 : 小田川高梁川総社倉敷市鶴新田低水護岸被災状況昭和 47 年 7 月洪水の実績浸水区域図 9

2.5 昭和 51 年 9 月洪水 ( 台風 17 号 ) 日羽地点流量 2,2 m3/s 床下 / 床上浸水

洪水対策洪水は中規模だったが長雨のため小田川で大規模な内水氾濫が発生江戸期以前に築造されていた旧河辺村 (

高梁川下流明治 3 年測図 (1/2,) 大日本帝国陸地測量部発行内水による浸水被害状況末政川有井陸閘門 (

12 2.5 昭和 51 年 9 月洪水 ( 台風 17 号 ) 日羽地点流量 2,2 m3/s 床下 / 床上浸水 1,461 戸 /1,185 戸全半壊 14 戸浸水農地 62ha 2. 洪水対策洪水は中規模だったが長雨のため小田川で大規模な内水氾濫が発生江戸期以前に築造されていた旧河辺村 ( 倉敷市真備町 ) のかぐら土手 ( 輪中堤 ) 3 有井かぐら土手 ( 川辺地区 ) 高梁川小田川 7 背谷川 5 尾崎西 4 尾崎東源福寺付近 2 柳井原 6 内山谷川昭和 51 年 9 月洪水の実績浸水区域図および陸閘門の位置内水発生時には陸閘門閉鎖による交通途絶が発生 : 河川堤防 ( 弱小堤 ) 高梁川下流明治 3 年測図 (1/2,) 大日本帝国陸地測量部発行内水による浸水被害状況末政川有井陸閘門 ( 西方向小田川上流方向 ) 洪水から川辺地区を防御するために高梁川小田川の堤防を築造したのでは改修延長が非常に長くなることから狭い範囲を守る輪中堤方式をとったものと推察される一部を除いて現存しない 1

酒津酒津水江水江2.6 治水事業の経緯明治 4 年から内務省直轄工事として小田川合流点より下流を主に旧西高梁川に統合利水施設も整備 ( 笠井堰柳井原貯水池 ) 2.

本の河川に集めたため高い堤防で対応 ( 利用面 ) 旧東高梁川の廃川敷に工場立地柳井原貯水池 ( 農業用 ) の整備第一期改修で築造された高築堤さかづ ( 高梁川 9.

西派川 ) 改修前改修後の小田川の水位東高梁川 ( 東派川 ) 廃川 ( 東高梁川 ) 河口水位改修後高梁川の水位西高梁川の水位小田川出発水位の上昇

13 酒津酒津水江水江2.6 治水事業の経緯明治 4 年から内務省直轄工事として小田川合流点より下流を主に旧西高梁川に統合利水施設も整備 ( 笠井堰柳井原貯水池 ) 2. 洪水対策 1 川統合方式を採用堤防の整備延長が半分で済む経済的メリット分流制御がうまくいかなかった場合の片方の派川への負担の集中を懸念約 11m ( 治水面 ) 洪水流を 1 本の河川に集めたため高い堤防で対応 ( 利用面 ) 旧東高梁川の廃川敷に工場立地柳井原貯水池 ( 農業用 ) の整備第一期改修で築造された高築堤さかづ ( 高梁川 9.8K 東岸側倉敷市酒津 ) 東西用水柳井原貯水池水位東西高梁川に分流していたものを高築堤方式で統合河道水位の上昇小田川合流点水位改修後堤防を嵩上げ堤防高高築堤化西高梁川 ( 西派川 ) 改修前改修後の小田川の水位東高梁川 ( 東派川 ) 廃川 ( 東高梁川 ) 河口水位改修後高梁川の水位西高梁川の水位小田川出発水位の上昇改修前の小田川の水位本川水位の影響区間 ( 背水区間 ) 東高梁川の水位第 1 期改修着手前 (M4) 第 1 期改修の完成後 (T14) 河口上流本川への合流点高梁川小田川第一期改修による高梁川および小田川水位への影響 ( イメージ図 ) 上流 11

14 2.7 現状の治水安全度 ( 流下能力 ) 2. 洪水対策笠井堰 ~ 小田川合流点国管理上流端付近で水位が高く対策が必要固定堰が河床から突出した形状のため洪水の流れを阻害 (T.P.m) k k. 水島大橋 2k k. 2 河川整備基本方針大規模な引堤は影響が大きく基本的に現状河道内を掘削河道内樹木は基本的には伐開するものとし治水上支障にならない範囲で適切に管理 (T.p.m) 潮止堰 18.K 総社大橋下流 (18.K) 横断面図 24. 樹木伐開現状河道の流下能力 4k k. 4 新霞橋 k. 6 堤防強化国道 2 号 k. 8 JR 山陽線船穂橋山陽道 k 1k. 1 笠井堰洪水流下のための河道断面の確保平水位 11.4 k. 12k HWL 河床掘削新幹線小田川 (m) k. 14 井原線新川辺橋 k 16k. 16 k 18k. 18 総社大橋小田川との合流点付近が高梁川の流下能力の最小地点となっている ( 計画高水位 ( 氾濫危険水位 ) を 2.m 以上超える ) 1 堤防は完成形河積は現状の場合の流下能力 2 計算水位 : 計画流量が氾濫せずに流れたと仮定した水位 6k 8k 14k 堤防強化 k. 2k 2 固定堰周辺で水位上昇湛井堰現況平均河床高計画高水位計算水位 k 22k. 22 鉄穴 ( かんな ) 流しにより土砂の流出が豊富で河床の高い時代に固定堰を建設鉄穴流しが終わり土砂の流出が減少して河床は低下しており平均的な河床に対して固定堰が突出 ( 氾濫危険水位 ) 河川整備基本方針固定堰の改築固定堰を安定的な河床縦断形状に合わせた敷高に改築し河積を確保突出して洪水流を阻害する固定堰標高標高河口現在 ( 堰あり ) 高梁川潮止堰堰改築後河口高梁川潮止堰合流点付替先現在の合流点笠井堰現在の合流点笠井堰湛井堰堰上流は河床が固定土砂が堆積湛井堰堤防河床供給土砂の減少による河床低下上流上流堤防河床堰の可動化河床掘削に河床掘削よる水位低下 12

15 2.8 治水対策 ( 洪水処理計画 ) 河川整備基本方針洪水処理計画工事実施基本計画策定後に計画を変更するような大洪水はなく既往洪水の検証等を踏まえ基本方針においても基本高水のピーク流量を13,7m 3 /s( 船穂 ) と設定基本高水流量と計画高水流量の差分 3m 3 /sについては既設ダムの機能発揮により対応基本高水河道への配分流量 ( 工事実施基本計画と河川整備基本方針との比較 ) 計画名河川名基準地点計画規模工事実施基本計画河川整備基本方針高梁川船穂 1/15 13,7 1,5 12,2 高梁川ふなおふなお基本高水のピーク流量 (m 3 /s) 洪水調節施設による調節流量 (m 3 /s) 河道への配分流量 (m 3 /s) 船穂 1/15 13,7 3 13,4 三室川ダム ( 完成 ) ダム名完成目的総貯水量 ( 万 m 3 ) 高瀬川ダム ( 完成 ) 千屋ダム平成 1 年度洪水調節環境水道工業用水発電 2,8 高瀬川ダム昭和 57 年度千屋ダム ( 完成 ) 三室川ダム洪水調節環境洪水調節環水道境水道発電洪水対策洪水調節施設 ( 治水目的を有する多目的ダム ) 平成 17 年度 82 河道への流量配分の比較 ( 単位 :m 3 /s) : 基準地点 : 主要な地点高梁川上段 : 工事実施基本計画下段 : 河川整備基本方針酒河津口瀬戸(11,1) (12,2) 12, 13,4 内海小船矢形橋田穂川(2,) 2,3 基本高水のピーク流量 13,7m 3 /s 矢形橋地点基準地点船穂洪水調節施設 ( 治水ダム ) の位置酒津地点 13

5~7m の高い堤防があり河床と堤防の居住側 ( 堤内地 ) との高さの差も小さく小田川へ排水しにくいまた高梁川本川の水位上昇の影響を受けやすい河川整備基本方針小田川合流点付替え 4m 3m 17.1m 9.m 実績水位 15.9m.8k( 矢形橋 ) 昭和 47 年 7 月昭和 51 年 9 月 13.9m 13.1m 昭和 6 年 6 月 12.8m HWL 12.

16 2.9 小田川の内水被害 2. 洪水対策小田川は流れが緩やかなため高梁川の影響で水位が上昇し広い範囲で内水はん濫を生じる昭和低平地に 47 年梅雨昭和 5~7mの高築堤がなされ河床と堤内 51 年台風 17 号では大きな内水氾濫被害が発生し現在も内水はん濫の危険地との比高も小さく小田川へ排水しにくい性は高い支川小田川の本川背水区間支川小田川の本川影響区間 L= L= 約 6km 小田川の下流部は 5~7m の高い堤防があり河床と堤防の居住側 ( 堤内地 ) との高さの差も小さく小田川へ排水しにくいまた高梁川本川の水位上昇の影響を受けやすい河川整備基本方針小田川合流点付替え 4m 3m 17.1m 9.m 実績水位 15.9m.8k( 矢形橋 ) 昭和 47 年 7 月昭和 51 年 9 月 13.9m 13.1m 昭和 6 年 6 月 12.8m HWL m 1.1m 洪水時の高梁川の影響が無くなり小田川水位が低下小田川を分流させることで現合流点下流にある倉敷市街地の氾濫危険度を低減 1.m 水島コンビナート国道 2 号現状の水面形 ( 合流点付替え前 ) 付替後の合流点 13,4m3/s 高梁川倉敷市街地酒津船穂 ( 基準点 ) 酒津地点柳井原貯水池付替え後の水面形堤防によって高梁川と小田川を分離合流点 ( 付替後 ) 山陽自動車道 JR 山陽新幹線合流点 ( 現状 ) 高梁川 : 現状河道 : 小田川合流点の付替河道柳井原貯水池を洪水時の小田川ハイハスとして活用小田川水位低下現状水位付替後水位 12,m3/s 付替え後の水面形現状の合流点小田川合流点付替えによる水位低下効果のイメージ高梁川小田川現状水位付替後水位水位低下 14

十分な堤防断面が確保されている区間は全体の 37% 堤防の大部分が明治大正期に川砂利を使って作られていることから漏水や崩壊の危険凡例完成堤暫定堤無堤 (

完成堤防はわずかに37% の整備率堤防の要整備区間 51kmのうち 21kmで漏水等に対する堤防補強が必要調査済みの32kmを対象 (H19.

17 2.1 堤防の整備状況 2. 洪水対策高梁川下流の国が管理する区間の河道は大正 14 年までに現在の形状に整備堤防の高さがあっても幅が不足する箇所が多く十分な堤防断面が確保されている区間は全体の 37% 堤防の大部分が明治大正期に川砂利を使って作られていることから漏水や崩壊の危険凡例完成堤暫定堤無堤 ( 未施工区間 ) 高梁川小田川下流部の堤防は第 1 期改修 ( 明治 ~ 大正 ) の際に概成河川整備基本方針堤防の詳細点検堤防補強完成堤防はわずかに37% の整備率堤防の要整備区間 51kmのうち 21kmで漏水等に対する堤防補強が必要調査済みの32kmを対象 (H19.3)) ドレーン部透水性の小さい材料 HWL さかづ酒津付近の築堤工事 ( 明治 44 年 ) 現堤防について以下の懸念整備年代が古い形状変化堤防材料は透水性大漏水堤防補強の施工イメージ堤防断面の状況 ( 小田川.95K 左岸 ) 高梁川の堤防整備状況漏水対策工等の堤防の質的整備を推進堤防補強におけるドレーン部の施工状況 ( 高梁川酒津地区 ) 15

2k 西岸側 ) 4 3 潮位 2 (m 1 ) 実績潮位平成 16 年 8 月台風 16 号高潮災害水島港潮位最高潮位 31 日 23: CDL4.95m=T.P.+3.22m 最大偏差 3 日 22: 1.

18 3.1 高潮被害および対策平成 16 年台風 16 号により水島港で過去最高の潮位を観測高潮堤防が整備されていなかったため高潮による被害が発生 3. 高潮地震対策最高潮位 T.P.+3.22m ( 既往最高潮位を観測 ) 高潮に対して堤防高が不足高潮に対して堤防高が不足倉敷市玉島乙島地区の高潮による越波状況 ( 高梁川 -.2k 西岸側 ) 4 3 潮位 2 (m 1 ) 実績潮位平成 16 年 8 月台風 16 号高潮災害水島港潮位最高潮位 31 日 23: CDL4.95m=T.P.+3.22m 最大偏差 3 日 22: 1.6m ゼロメートル地帯および高潮堤防の必要な区間河川整備基本方針計画的に高潮対策を実施河口部への高潮堤防の整備等により高潮による浸水被害を軽減約 2m の不足 -1 天文潮位 -2 8/ / 時刻 H16.8 台風 16 号高潮時の実績潮位記録高潮堤防のイメージ図 16

地盤高も低い地震による液状化等により堤防が被災し浸水が生じる恐れ潮止堰も同様に被災し工水

堤防は軟弱地盤上にあると推定され地震対策が必要潮止堰は大正末期に設置昭和 4 年代に改築

19 3.2 地震対策 3. 高潮地震対策高梁川の下流域は東南海南海地震防災対策推進地域に指定干拓等による軟弱地盤の上に堤防があり地盤高も低い地震による液状化等により堤防が被災し浸水が生じる恐れ潮止堰も同様に被災し工水上水等が取水不能になる恐れ地震による堤防崩壊に伴う浸水が懸念されるゼロメートル地帯はすべて干拓地このため堤防は軟弱地盤上にあると推定され地震対策が必要潮止堰は大正末期に設置昭和 4 年代に改築堰は軟弱地盤上にあり基礎工が不足しているため地震対策が必要地震による堤防の崩壊状況 ( 阪神淡路大震災淀川 ) ゼロメートル地帯 ( 朔望平均満潮位以下の地域 ) 潮止堰 ( 高梁川 2.7K) ( 農水工水上水を取水 ) 河川整備基本方針堤防堰の耐震対策を実施地震による堤防の崩壊を防止しゼロメートル地帯の浸水防止を図る堤防堰排水門 ( 樋門 ) 等の河川管理施設の機能を確保するため河川管理施設等の状態を的確に把握し維持補修機能改善等を計画的に行う高梁川下流部の干拓地とゼロメートル地帯 17

地域住民も参加したハザードマップ防災マップの作成活用支援防災訓練等により災害時のみならず平常時からの防災意識の向上を図る必要

水防団等による防災情報を提供 ) 国土交通省と気象庁は共同で高梁川の洪水予警報を発表するとともに浸水想定図を公表地域の自主的な防災活動に役立つ防災マップ作成ガイドライン作成し

20 4.1 危機管理対策 4. 危機管理対策整備規模を上回る洪水が発生し氾濫した場合においても被害をできるだけ軽減できるよう河川情報の収集情報伝達体制警戒避難体制情報提供内容等の充実が必要地域住民も参加したハザードマップ防災マップの作成活用支援防災訓練等により災害時のみならず平常時からの防災意識の向上を図る必要岡山県内の防災情報の一元化や避難情報の提供を目標として GIS( 地理情報システム ) を利用した防災情報ポータルサイトを試行中 (CCTV 画像や水位情報水防団等による防災情報を提供 ) 国土交通省と気象庁は共同で高梁川の洪水予警報を発表するとともに浸水想定図を公表地域の自主的な防災活動に役立つ防災マップ作成ガイドライン作成し提供河川道路統合型地域防災システム ( 防災情報ポータルサイト ) 河川整備基本方針超過洪水等に対するソフト対策水位や雨量のデータを的確に収集提供できるシステムを構築し洪水予測の精度向上を図るとともに地域に対し分かり易い情報を発信氾濫区域や避難経路避難場所等について地域住民に周知するための自治体による洪水ハザードマップの作成公表を支援河川に関する情報を様々な手段により発信し住民の水害に対する意識の向上を図る 18

戦後は小阪部川ダムの整備や笠岡湾干拓農業用水などの広域導水も実施発電は帝釈川ダム ( 大正 13 年完成 ) に始まり

高梁川からのかんがい水は古くから岡山平野の西半部を潤す東西用水酒津南配水樋門 ( 笠井堰より取水

21 5.1 河川水の利用 ( 農水発電 ) 5. 水利用高梁川のかんがい水利用の記録は平安時代まで遡り江戸時代には児島湾干拓地に達する用水路網が形成戦後は小阪部川ダムの整備や笠岡湾干拓農業用水などの広域導水も実施発電は帝釈川ダム ( 大正 13 年完成 ) に始まり混合揚水式の新成羽川ダムなどを含めて 36 万 kw の最大出力 ( 岡山県内の電力の約 1% を発電 ) 高梁川からのかんがい水は古くから岡山平野の西半部を潤す東西用水酒津南配水樋門 ( 笠井堰より取水土木学会日本の近代土木遺産に指定 ) 大規模な水力発電施設 ( 最大合計 36 万 kw) 主要な水力発電所名称最大出力最大使用水量新成羽川 3.3 万 kw 424m 3 /s 田原 2.2 万 kw 6m 3 /s 新帝釈川 1.1 万 kw 1m 3 /s 新見 ( 河本ダム ) 1.9 万 kw 24m 3 /s 高梁川下流部のかんがい区域図小阪部川ダム (S3 年度完成 ) [ 農水, 上水, 発電 ] 新成羽川ダム (S43 年度完成 ) [ 農水, 上水, 工水, 発電 ] 19

高梁川と水島工業地帯とのかかわり旧東高梁川の廃川敷に倉敷絹織工場 ( 現クラレ ) が開設 ( 昭和 8 年 ) 三菱重工業水島航空機製作所が開設 ( 昭和 18 年 ) 旧東高梁川河口部を浚渫して水島港を整備

工業用水の供給開始千屋ダム (H1 年度完成 ) [ 治水, 環境, 上水, 工水, 発電 ] 上水道利水者名公称能力 (m3/ 日 ) 新見市水道 8, 岡山県広域水道企業団 89,88 吉備中央町水道

(1 種 ) 第四期 (2 種 ) 児島工業用水道笠岡工業用水道西之浦浄水場潮止堰新見市水道新見市高梁川流域吉備中央町水道吉備中央町笠岡浄水場鶴新田浄水場岡山県広域水道企業団総社市高梁市倉敷市

22 5.2 河川水の利用 ( 工水上水 ) 5. 水利用水島工業地帯への工業用水の供給のために河本ダム千屋ダム等の工水の補給施設が整備下流部の都市化による水需要の増大に対応して上水も開発 ( 香川県直島へも送水 ) 工業用水道高梁川と水島工業地帯とのかかわり旧東高梁川の廃川敷に倉敷絹織工場 ( 現クラレ ) が開設 ( 昭和 8 年 ) 三菱重工業水島航空機製作所が開設 ( 昭和 18 年 ) 旧東高梁川河口部を浚渫して水島港を整備高梁川の三角州を埋め立て工業用地を造成 ( 昭和 28 年 ~) 河本ダム竣工( 昭和 4 年 ) 工業用水の供給開始水島地区におけるコンビナートの形成( 昭和 4 年代 ) 新成羽川ダム竣工( 昭和 43 年 ) 工業用水の供給開始千屋ダム (H1 年度完成 ) [ 治水, 環境, 上水, 工水, 発電 ] 上水道利水者名公称能力 (m3/ 日 ) 新見市水道 8, 岡山県広域水道企業団 89,88 吉備中央町水道 4,65 備南水道企業団 12,25 岡山県西南水道企業団 6, 倉敷市水道 283,17 岡山県南部水道企業団 124, ( 平成 19 年 2 月 1 日現在 ) 旭川流域凡例水島工業用水道第二期第三期第四期 (1 種 ) 第四期 (2 種 ) 児島工業用水道笠岡工業用水道西之浦浄水場潮止堰新見市水道新見市高梁川流域吉備中央町水道吉備中央町笠岡浄水場鶴新田浄水場岡山県広域水道企業団総社市高梁市倉敷市 ( 真備 ) 吉備中央町井原市真庭市備南水道企業団倉敷市 ( 倉敷, 茶屋町 ) 早島町茂平浄水場岡山県西南水道企業団笠岡市浅口市 ( 鴨方, 寄島 ) 里庄町工業用水道 ( 岡山県企業局 ) の導水ルート平面図倉敷市水道倉敷市 ( 玉島, 水島, 連島, 船穂 ) 金光町倉敷市 ( 児島, 福田 ) 玉野市岡山市 ( 灘崎 ) 香川県直島町岡山県南部水道企業団高梁川を水源とした上水道の給水区域 2

23 5.3 河川水利用の課題 5. 水利用河川水量に対する水利用率は 52% と高く利水ダムの補給により下流で取水が可能となっている大規模な渇水が発生 ( 昭和 53 年平成 6 年平成 14 年などの渇水 ) 発生年明治 37 年大正 12 年大正 13 年昭和 14 年昭和 4 年昭和 53 年平成 6 年平成 14 年平成 17 年高梁川流域の主な渇水被害状況被害等の状況 1 月より 8 月までの雨量 568mm で平年より約 1mm 減特に 8 月は 8mm 都窪郡早島町では約 4 日間降雨なく田用水は涸渇し農産物枯死する干天日 42 日間干天日降雨量 3.3mm 小田川が渇水となり沿岸各地の井堰掛りの水田への給水不能このため小田郡では畑作物ほとんど枯死状態となる都窪郡早島方面では飲料水に支障をきたす湛井 12 カ郷用水の通水が困難となり各地で水喧嘩が発生する ( 平素 25 立方尺 / 秒の排水量が 1 立方尺 / 秒に減水 ) 倉敷紡績にて飲水に苦しむ本店より送水が行われる東西用水が停止する酒津水門を開放する ( 西岸用水沿いの冨田玉島地区 13 町歩南部用水の西阿知福田地区 16 町歩へ送水 ) 倉敷絹織倉敷工場で節水を行う各用水組合では揚水ポンプを使用して地下水伏流水を取水笠岡市地方では 8 月に入り 17mm の降雨があっただけで 23 日現在笠岡市の上水道 7 本のうち 1 本が枯れ給水区域の 1/3 にあたる約 1, 戸に及んだ井原市では 26 日以降午後 1 時 ~ 翌朝 5 時まで断水する給水制限を実施高梁市上房郡真庭郡で学校給食を中止する水島地区の受水企業 26 社に対し給水制限を実施河本ダム小阪部川ダム新成羽川ダムで底水放流上水道 5% 工業用水 7% 農業用水 9% の節水率になり上水道は 16 時間断水工業用水は国内外からの水の補給農業用水は 1~14 日に 1 回の給水上水道 1% 工業用水 2% 農業用水 3% の節水率 5 ダム合計貯水率 2.%( 非洪水期容量 ) 上水道 1% 工業用水 2% 農業用水 3% の節水率農業用水約 29m 3 /s 68% 3, 2,5 2, 1,5 1, 5 上水道約 4m 3 /s 9% 2,66 年総量 ( 本川 + 小田川 ) 工業用水約 1m 3 /s 23% 高梁川の水利用割合 ( 湛井合同堰下流 ) 渇水流量 (m 3 /s) ( 平成 15 年 ) 1,344 水利権相当量高い水利用率 ( 水利権相当量 / 年間総流出量 ):52% 酒津 : 渇水の発生年取水制限を実施した年 H6 H14 H17 年流況の経年変化 ( 酒津地点 ) 平成 6 年渇水時の高瀬川ダム河川整備基本方針渇水への対応水利使用者相互間の水融通の円滑化等を推進し渇水等の発生時の被害を最小限に抑える ( 空欄は欠測年 ) 21

景観を損なわない水面幅の確保に必要な流量 1 動植物の生息地生育地の状況及び漁業 [2.7k]( 魚類の移動 ) 必要流量 2.

感潮区域や湛水区域の利用やアユ漁の木舟のみであるため設定しない 1 の必要流量と同様とする塩害は発生していないため設定しない河口閉塞は発生していないため設定しない 2 景観 [ 川辺橋下流地点 ] 必要流量 7.

24 5.4 正常流量 5. 水利用正常流量は河川環境等に関する河川維持流量と河川水の利用に関する水利流量をみたす流量とする維持流量の検討検討項目決定根拠等 1 動植物の生息地または生育地の状況 2 景観サツキマスアユ等の移動等に必要な流量ヒイラギシラウオ等が生息する汽水環境の保全アンケートにより景観を損なわない水面幅の確保に必要な流量 1 動植物の生息地生育地の状況及び漁業 [2.7k]( 魚類の移動 ) 必要流量 2.6m 3 /s サツキマスアユ等の移動に必要な流量 ( 通年 ) ヒイラギシラウオ等が生息する汽水環境の保全新霞橋潮止堰 3 流水の清潔の保持平成 3 年流達負荷量予測値より環境基準の 2 倍値を満足する流量 4 舟運 5 漁業 6 塩害の防止 7 河口閉塞の防止感潮区域や湛水区域の利用やアユ漁の木舟のみであるため設定しない 1 の必要流量と同様とする塩害は発生していないため設定しない河口閉塞は発生していないため設定しない 2 景観 [ 川辺橋下流地点 ] 必要流量 7.62m 3 /s 流量規模別フォトモンタージュによるアンケート 5% 以上の人が親しみがあると考える流量流量大 8 河川管理施設の保護保護が必要な木製施設は存在しないため設定しない流量小 9 地下水位の維持地下水障害は問題化していないため設定しない支川流入量や取水量を考慮して酒津地点の正常流量として換算すると通年概ね 16m 3 /s 河川整備基本方針流水の正常な機能の維持正常流量の設定代かき期の例正常流量 ( 概ね 16m 3 /s) = 維持流量 (2.6m 3 /s) 魚類の移動汽水環境の保全からの必要流量 + 水利流量 (13.3m 3 /s) 潮止堰から酒津地点までの水収支考慮後の水利流量広域的かつ合理的な水利用の促進を図るなど今後とも関係機関と連携し必要な流量の確保に努める酒津地点における流水の正常な機能を維持するため必要な流量はおおむね 16m 3 /s とし以て流水の適正な管理円滑な水利使用河川環境の保全等に資するものとする 22

25 6.1 水質水質は良好で近年いずれの地点においてもおおむね環境基準を満足 6. 環境 BOD 75% 値 (mg/l) BOD 75% 値 (mg/l) BOD 75% 値 (mg/l) BOD 75% 値 (mg/l) H8 H9 H1 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 4 成羽川神崎橋地点 H8 H9 H1 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H1 4 7 高梁川湛井堰地点環境基準 2.mg/l(A 類型 ) H8 H9 H1 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H 環境基準 2.mg/l(A 類型 ) 環境基準 3.mg/l(B 類型 ) 高梁川中井橋地点環境基準 3.mg/l(B 類型 ) 環境基準 3.mg/l (B 類型 ) 3 高梁川下流の湛井堰でのBOD(75% 値 ) 1mg/l 程度に代表されるように水質は清 2 1 浄であり吉井川旭川といった岡山 3 河川の中で最も良好な値を示している清流を好むアユが多く 3 川の中で最も魚獲量が多いまた初夏には各所でホタ H8 H9 H1 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 ルの乱舞を見ることができる小田川福松橋地点 H8 H9 H1 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 水質 (BOD75% 値 ) の経年変化 BOD 75% 値 (mg/l) 4 A 類型 B 類型西川( 東城川) 成羽川帝釈川高梁川霞橋地点中井橋成羽川神崎橋小田川高梁川美山川福松橋霞橋有漢湛井堰川小田川水質環境基準の類型指定および水質観測地点高梁川瀬戸内海ゲンジボタルの発生地 ( 佐伏川 ) 23

V 字谷の底を流れ峡谷部の変化に富んだ自然環境上流千屋ダム上流の高梁川河床勾配 :1/9~1/16 河床材料 : 礫 ~ 粗礫現状

ヤナギ類やヌルデなどの木本類が自生アオサギヤマセミなどの鳥類ミヤマカワトンボなどの昆虫類が生息鯉が窪湿原帝釈峡

河床材料 : 砂礫 ~ 粗礫現状吉備高原山地を侵食した V 字谷の峡谷区間が多い河岸にはヤナギダテやツユクサなどの草本類マダケヤナギ類

国指定天然記念物雄橋帝釈峡 ( 比婆道後帝釈国定公園 ) 鯉が窪湿原 ( 国天然記念物 ) オオサンショウウオ [ オオサンショウウオ科 ]

26 6.2 自然環境 ( 上流中流 ) 6. 環境上流部は山地帯 ~ 里山を流れる渓流 ~ 小河川の様相を呈す中流部と同様にオオサンショウウオが生息する自然豊かな河川環境中流部は深い V 字谷の底を流れ峡谷部の変化に富んだ自然環境上流千屋ダム上流の高梁川河床勾配 :1/9~1/16 河床材料 : 礫 ~ 粗礫現状標高 8~11m の中国脊梁山地が分水嶺をなす山地河川沿いに谷底平野の広がる里山の風景河岸にはツルヨシやイタドリなどの草本類ヤナギ類やヌルデなどの木本類が自生アオサギヤマセミなどの鳥類ミヤマカワトンボなどの昆虫類が生息鯉が窪湿原帝釈峡小田川小坂部川西川帝釈上流川成羽川槇高谷川美山川有漢川小田川梁川井倉峡高梁川中流下流アユ産卵場中流河床勾配 :1/27~1/8 河床材料 : 砂礫 ~ 粗礫現状吉備高原山地を侵食した V 字谷の峡谷区間が多い河岸にはヤナギダテやツユクサなどの草本類マダケヤナギ類エノキなどの木本類が自生カワウアオサギキセキレイなどの鳥類クロアゲハテングチョウなどの昆虫類カジカガエルなどの両生類が生息国指定天然記念物雄橋帝釈峡 ( 比婆道後帝釈国定公園 ) 鯉が窪湿原 ( 国天然記念物 ) オオサンショウウオ [ オオサンショウウオ科 ] 文化財保護法 : 特別天然記念物種の保存法 : 国際希少種ワシントン条約付属書 :Ⅱ 表掲載種環境省 : 準絶滅危惧 (NT) 岡山県 : 絶滅危惧広島県 : 絶滅危惧 Ⅱ 類多くの支川上流域で確認出典 : 日本の重要な両生類は虫類井倉峡の石灰岩断崖 ( 高梁川上流県立自然公園 ) 24

川成羽川槇高谷川美山川有漢川小田川梁川井倉峡高梁川中流下流アユ産卵場下流河床勾配 :1/74~1/21 河床材料 : 砂 ~ 礫代表粒径 :.

ヤナギ類やヌルデなどの木本類が自生カワウコサギなどの鳥類ヌートリアが生息ブラックバス ( オオクチバス ) 等により在来種が捕食アユ産卵場の状況

27 6.3 自然環境 ( 下流 ) 6. 環境下流部は沖積平野を流れ多様な河川環境を呈しているアユ産卵場や重要なタナゴ類の生息環境鯉が窪湿原帝釈峡小田川小坂部川西川帝釈上流川成羽川槇高谷川美山川有漢川小田川梁川井倉峡高梁川中流下流アユ産卵場下流河床勾配 :1/74~1/21 河床材料 : 砂 ~ 礫代表粒径 :.6~48mm 現状丘陵地と沖積平野河道は堰による湛水区間中州の発達など多様な形状河岸にはセイタカアワダチソウやヨモギなどの草本類ヤナギ類やヌルデなどの木本類が自生カワウコサギなどの鳥類ヌートリアが生息ブラックバス ( オオクチバス ) 等により在来種が捕食アユ産卵場の状況スイゲンゼニタナゴ [ コイ科 ] 種の保存法 : 国内希少野生種千種川 ( 兵庫県 ) から芦環境省 : 絶滅危惧 IA 類 (CR) 田川 ( 広島県 ) にかけての岡山県 : 絶滅危惧種山陽地方に生息するが広島県 : 絶滅危惧 Ⅰ 種その中でも高梁川水系に多い高梁川 8.8K( 酒津地点下流 ) 25

カワシンジュガイなど貴重な生物が生息井倉峡帝釈峡をはじめとする石灰岩峡谷など多くのエリアが自然公園や環境保全地域に指定高梁川水系には潮止堰をはじめ 16 箇所を超える堰があり魚の移動の障害となっているものもある高梁川はアユ漁が盛んで漁獲高は中国地方第 2 位下流部にはタナゴ類の重要種が多く生息しているが近年は移動経路が分断されるなど生息場に変化を生じつつある

28 6.4 自然環境 ( 河川環境の整備と保全 ) 6. 環境豊富な淡水魚の数貴重な生物自然公園への指定など良好な河川環境が形成魚類の遡上環境は万全といえずタナゴの重要種の移動経路が近年損なわれている一部区域の樹木の密生小田川の顕著な樹林化に対応して適切な伐採管理により流下能力を確保過去の魚類調査 (H12~H16) では淡水魚の出現種数が全国 7 番目で良好な河川環境が形成中上流部にはアカザオオサンショウウオカワシンジュガイなど貴重な生物が生息井倉峡帝釈峡をはじめとする石灰岩峡谷など多くのエリアが自然公園や環境保全地域に指定高梁川水系には潮止堰をはじめ 16 箇所を超える堰があり魚の移動の障害となっているものもある高梁川はアユ漁が盛んで漁獲高は中国地方第 2 位下流部にはタナゴ類の重要種が多く生息しているが近年は移動経路が分断されるなど生息場に変化を生じつつある土砂の堆積箇所が見られるとともにアカメヤナギハリエンジュなどの樹木が一部で密生小田川では樹林化が顕著で洪水流下の阻害の他これまで生育していた草本類の駆逐など生態系への影響が懸念淡水魚出現数ベスト 1 河川 ( 対象 19 河川河川水辺の国勢調査 H2~9) 順位水系名魚種数 1 淀川 49 2 木曽川 ( 木曽川長良川揖斐川 ) 46 3 旭川 44 4 吉井川 42 5 利根川 39 6 高梁川 38 7 阿賀野川 37 8 加古川 36 8 江の川 36 1 筑後川 35 河川整備基本方針江の川高津川高梁川高梁川高津川日野川千代川太田川神戸川良好な河川環境に配慮井倉峡 ( 石灰岩断崖 ) をはじめとする峡谷部の変化に富んだ自然環境を保全 1 アユ漁獲高 (H14) (t) アユ漁獲高は中国地方で第 2 位潮止堰の魚道設置状況鳥類の遡上環境を確保産卵場などを保全アユなど回遊性魚類の遡上環境の確保や生息環境を保全河床勾配の緩やかな灌漑用水細流に生息するタナゴの重要種の産卵場生息場を保全再生面積 (ha) 果樹園植林地 ( その他 ) 植林地 ( 竹林 ) 落葉広葉樹林その他の低木林ヤナキ高木林 H6 H11 H16 年度樹林面積の推移 ( 小田川 ) 河川水辺の国勢調査による河道の樹林化への対応適切な伐採管理により流下能力を確保するとともに河川環境保全に配慮 26

29 7.1 河川の利用 7. 河川利用自然豊かな中上流部や整備された下流部の河川敷などでスポーツを中心に多種多様な河川利用高梁川総利用者数 5 位 48 万人 1 位スポーツ 25.1 万人上流ダム湖畔の環境整備が進んでいるイベント等の開催空間としても活用下流運動公園などが整備されスポーツの利用が多い ( 中国地方の河川では利用者数第 1 位 ) 旭川 4 位 52 万人吉井川 7 位 33 万人太田川 1 位 423 万人平成 15 年調査順位は中国地方内 3 位 7 位 2 位 17.5 万人 6.9 万人 24.6 万人少年野球少年サッカーアユ釣りウィンドサーフィン千屋ダム千水湖畔のアウトドアスポーツセンター水辺の楽校が整備され (3 箇所 ) 環境教育等に利用カヌー教室テイキャンフ魚のつかみ取り ( 新見市かなや橋付近 ) 27

防災情報の提供等により地域住民の防災意識の向上を図り洪水被害を軽減高梁川クリーン一斉行動清掃の状況

倉敷市内で毎年春に開催されているアニメーション上映環境劇作文コンテストこどもと大人の未来会議

岡山水災害への事前の備えや災害発生時の適切な対応自主防災のあり方などを考える行政民間代表者 6

30 8.1 地域との連携 8. 地域連携地域の個性や活力歴史文化が実感できる川づくりのために地域住民の参加と協働を促す取り組み防災情報の提供等により地域住民の防災意識の向上を図り洪水被害を軽減高梁川クリーン一斉行動清掃の状況 (JR 山陽本線橋梁付近 ) おかやまアダプト事業 ( 県管理区間 ) 河川道路の周辺住民の方々が河川道路の里親となり維持管理活動などに積極的に関わってもらうことにより管理者と一体となって考えようとする事業 GREEN DAY 高梁川の森と水と暮らしの関わりをテーマとして倉敷市内で毎年春に開催されているアニメーション上映環境劇作文コンテストこどもと大人の未来会議自然の素材での工作自然エネルギーのデモンストレーションなどが開催防災減災フォーラム 26 in 岡山水災害への事前の備えや災害発生時の適切な対応自主防災のあり方などを考える行政民間代表者 6 人により地域がはぐくむ防災力と題したパネルディスカッションが行われ知識や経験を伝えるため子どもを巻き込んだ活動が大切など活発な議論が交わされた事業の状況を示す看板開催の状況 ( 高梁川河川敷 ) 28

07_henkou_fuzu.pdf

07_henkou_fuzu.pdf 水系河川整備計画 ( 変更原案 ) 国管理区間附図本川 (1/14):-2.2k~1.2k 付近築堤 ( 高潮堤 ): 乙島地先 -0.8k~1.0k 右岸築堤 ( 高潮堤 ): 鶴新田地先 -0.5k~1.0k 左岸 1.0k -2.0k -1.0k 0.0k 本川 (2/14):1.2k~2.8k 付近堤防補強 ( 浸透対策 ): 上成地先 2.7k~5.1k 右岸 2.0k 3.0k