委員名簿 氏名 所属名 委員長 安川宏紀 広島大学大学院工学研究院 委員 金子唯明 IHI CSR 推進部企画 G 委員 一瀬哲也 今治造船基本設計 G 船型性能チーム 委員 土岐直二 愛媛大学大学院理工学研究科 委員 長谷川和彦 大阪大学大学院工学研究科 委員 橋本博公 大阪大学大学院工学研究科

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1 P34 船舶操縦性予測モデルの高度化に関する研究委員会 報告書 平成 6 年 3 月

2 委員名簿 氏名 所属名 委員長 安川宏紀 広島大学大学院工学研究院 委員 金子唯明 IHI CSR 推進部企画 G 委員 一瀬哲也 今治造船基本設計 G 船型性能チーム 委員 土岐直二 愛媛大学大学院理工学研究科 委員 長谷川和彦 大阪大学大学院工学研究科 委員 橋本博公 大阪大学大学院工学研究科 委員 片山徹 大阪府立大学大学院工学研究科 委員 宮崎英樹 海上技術安全研究所流体性能評価系耐航性能研究 G 委員 古川芳孝 九州大学大学院工学研究院 委員 大森拓也 ジャパンマリンユナイテッド技術研究所流体研究 G 委員 牧野功治 ジャパンマリンユナイテッド技術研究所流体研究 G 委員 福井洋 ジャパンマリンユナイテッド技術研究所流体研究 G 委員 寺田大介 水産総合研究センター水産工学研究所 委員 三好潤 水産総合研究センター水産工学研究所 委員 山下力蔵 住友重機械マリンエンジニアリング営業開発本部性能開発 G 委員 橋詰泰久 西日本流体技研 委員 田中進 広島大学大学院工学研究院 委員 平田法隆 広島大学大学院工学研究院 幹事 佐野将昭 広島大学大学院工学研究院 委員 芳村康男 北海道大学大学院水産科学研究院 委員 岸本隆 三井造船昭島研究所事業統括部技術開発部 委員 黒岩良太 三菱重工業技術統括本部長崎研究所流体研究室 ( 所属は本委員会終了時のものである )

3 活動記録 回開催日場所出席者数 ( 人 ) 発表件数 ( 件 ) 北海道大学 17 (5) 三井造船昭島研究所 16 (18) 愛媛大学 14 (16) 北海道大学 1 (16) 西日本流体技研 15 (17) 広島大学 14 (16) 17 ( ) 書きはオブザーバーを含めた総出席者数

4 目次 1. 緒言 [ 安川 ] 1 頁. 横傾斜を考慮した船の操縦運動数学モデル.1 従来の3 自由度モデルを拡張した数学モデル ( モデル1)[ 芳村 ]. 横揺れ連成影響を考慮した簡便な操縦運動計算モデル ( モデル)[ 安川 ] 7.3 簡易型 3+1 自由度操縦運動モデル ( モデル3)[ 岸本 ] 1 3. 横傾斜時の船の操縦流体力特性 3.1 KCS コンテナ船の CMT[ 芳村 ] 軸 1 舵フェリーの CMT[ 芳村 ] 漁船船型の CMT[ 芳村 ] やせ形船型の CMT[ 安川 ] 横傾斜時のやせ形船操縦流体力の CFD 計算 [ 福井 ] 横傾斜を考慮した船の自由航走模型試験ならびに実船試験 4.1 やせ形船の GM 変更時自由航走模型試験 (1)[ 宮崎 ] 7 4. やせ形船の GM 変更時自由航走模型試験 ()[ 芳村 ] ヒール変更時の実船試験 [ 平田 ] 9 5. 横傾斜を考慮した船の操縦運動シミュレーション計算結果 [ 安川 ] 5.1 はじめに 計算の概要 計算結果と考察 まとめ 操縦流体力係数のデータベース 6.1 微係数データベースによる調査 [ 安川 ] 船体の主要目のみを用いた流体力微係数の推定式 [ 寺田 ] 操縦流体力微係数の 次モデルと 3 次モデルの比較検討 [ 古川 ] 浅水域における操縦流体力微係数について [ 古川 ] 水槽試験技術の進展 7.1 トータルステーションを用いた船位計測について [ 大森 ] 回流水槽を用いた針路安定性の検討 [ 橋詰 ] Cb シリーズ肥型船の操縦運動 [ 安川 ] 165

5 8. 結言 [ 安川 ] 17 注 :[ ] は筆者 ( 敬称略 ) を意味する

6 1. 緒言 船の操縦運動予測モデルは, 日本独自の MMG(maneuvering Modeling Group) モデルと呼ばれるものがベースとなっており, 平成 4 年 3 月に終了した 操縦運動予測モデルの標準化に関する研究委員会 ( 標準化委員会 と略称 ) において, 基本となる操縦運動モデルの標準化を行った しかしながら, 対象とした船は, 深水域を航行する満載状態における肥型船という制約があり, 課題を残していた 本研究委員会では, この制約を外して適用範囲を広げるため, 次を実施した 1 横傾斜を伴うようなやせ型船の操縦運動予測モデルの構築 : 客船やコンテナ船のような比較的 GM の小さな船は, 操縦運動と横傾斜運動が連成し, その連成影響は無視できないことが知られている 横傾斜を伴うようなやせ型船の操縦運動予測モデルを構築するとともに, それに関わる流体力データの収集を行う 特に本研究委員会では, この横傾斜を伴う船舶の予測モデルの構築とその検証に, 多くの時間が割かれた 操縦流体力微係数の簡易な推定式の提案と浅水域問題への拡張 : 標準化委員会 で構築したデータベースを元に, 船体主要目等を用いた操縦流体力微係数の簡易な推定式を提案し, 精度を確認する また, 港湾のような浅水域においては, 深水域における操縦流体力特性と大きく異なることが知られている 浅水域における操縦流体力のデータ収集を行う 3 最新の水槽試験技術のレビュー : 最新の水槽試験技術をレビューし, 整理する 回流水槽を用いた流体力係数の決定に関する妥当性の検討を行う 本書の章立てについて説明する 本書は8 章からなる 1 章では本検討の背景と概要について述べている 章では, モデル1,,3 と略称する3つの横傾斜を伴う船舶の予測モデルについて述べる モデル1,, 3の順番でとモデルが簡略化される 実際のシミュレーション計算では, 横傾斜時の操縦流体力特性のデータが必要である 章では, コンテナ船, 軸 1 舵のフェリー, 漁船等種々の船型についての流体力特性の水槽試験結果が整理されている さらには,CFD による計算結果についてもとりまとめられている 4 章では, 操縦運動に及ぼす横傾斜との連成影響を, 自由航走試験ならびに実船試験によって調査した結果が報告されている これらの結果 ( 特に, 自由航走模型試験結果 ) は, 操縦運動のシミュレーション計算の検証データとしても使用できる 5 章では, 章で述べるモデル1,,3というシミュレーション計算法の検証を行う 対象船は KCS コンテナ船であり,3.1 で述べた流体力特性等を用いて運動シミュレーション計算を行い, 計算結果は 4.1 で述べた自由航走模型試験結果と比較する このような比較により シミュレーションモデルの精度が検証できる 6 章では, 標準化委員会 で構築したデータベースを元に, 船体主要目等を用いた操縦流体力微係数の簡易な推定式を提案し, 精度を確認している 併せて, 浅水域における微係数を提示し, データベースの拡充を図っている 7 章では, まず水槽試験における新しい船位計測技術を紹介する また, 回流水槽を用いた流体力係数の決定法ならびに Cb シリーズ肥型船の自由航走模型試験についての検討結果を示す 8 章は本研究委員会で得られた成果をまとめている 1

7 . 横傾斜を考慮した船の操縦運動数学モデル.1 従来の3 自由度モデルを拡張した数学モデル ( モデル1) 横傾斜を加えた場合の主船体流体力の表現は種々の方法が提案されている 多くは実験した範囲で適切と考えられる船体の横流れ速度あるいは横流れ角 β, 無次元回頭角速度 r', および横傾斜角 φ をパラメータにした多項式で表現する方式がとられており, そのモデルは多種多様である 本報でも,β,r' およびφ をパラメータにした多項式を用いるが, 実績ある3 自由度の操縦運動に使用されるβ,r' の多項式をベースにφ の影響を合理的に取り入れることを検討する.1.1 運動方程式 運動方程式は,Fig..1.1 に示すような船体重心を原点とし,y 軸を水面に平行,z 軸を鉛直方向にとった座標 系 (horizontal body axis) を用いて次式で表す I I ( G vgrg ) ( + u r ) m u m v zz xx G r G φ G G G = N = K = X = Y G G G G ただし,m: 船体質量 I zz: 旋回運動の慣性モーメント I xx: 横揺れ運動の慣性モーメント 右辺の流体力は次式で表現する X Y G N K G G G = X = Y GA = N = K GA GA GA + X + Y GS + N + K GS GS GS δ rudder hull z ψ, r, N φ, K y, v, Y (.1.1) (.1.) x, u, X Fig DOF 操縦流体力の座標系 ここに, 添字 A は加速度成分に依存する流体力成分,S は速度成分に依存する定常流体力を表す 加速度に依存する流体力は X Y N K GA GA GA GA = m u = m v y = J = J x zz G xx G r G G + m v r y G G m u r x G G φ z Y ここに, m x: 船体前後方向の付加質量 m y: 船体横方向の付加質量 J zz: 旋回運動の付加慣性モーメント J xx: 横揺れ運動の付加慣性モーメント z H: 船体重心から横力 Y GA の上下作用位置 H GA (.1.3)

8 ただし,(.1.3) 式の roll 方向の流体モーメントは, 拘束模型試験を解析した見掛けの z' H を用いて表現する 速度に依存する流体力は船体中央における速度成分 (u, v, r) で表現する すなわち = = = = S GS S G S GS S GS S GS K K Y x N N Y Y X X (.1.4) (.1.)~(.1.4) 式を (.1.1) 式に代入して, ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) = + + = + = = + + S G G x G y H G xx xx S G S G zz zz S G G x G y S G G y G x K r m u m v z J I Y x N r J I Y r u m m v m m X r v m m u m m φ (.1.5) 上式右辺の速度成分に依存する流体力は MMG の考え方に従って船体, プロペラ, 舵の力に分離し, これらに対応する添字 H, P, R を付して次式で表現する + = + = + = + + = R H S R H S R H S P R H S K K K N N N Y Y Y X X X X (.1.6).1. 主船体流体力の数学モデル主船体に働く流体力は以下のような考え方でモデル化する ただし, ここでは横流れ速度 v の代わりに横流れ角 β (β=-sin -1 (v/u)) を用いる 定常旋回においては, 右旋回で β と r' が共にプラスで φ がマイナスになり, 逆に左旋回ではこれらの極性が逆になる 従って, 定常旋回状態を想定した場合の上記 3 自由度数学モデルの微係数の φ に対する修正量は全て φ もしくは φ の偶関数となる必要がある 一方, 同じ β と r' の組合せで φ の極性が異なる流体力は,φ もしくは φ の奇関数で表現されるが, この代表的な項が,Y' H と N' H の第一項に表れる Y'φφ と N' φφ である この他に考えられる項としては, 左右対称な船型では表れない β と r' の 次の項である これらも φ もしくは φ の奇関数で変化すると考えられる もちろん, これらの項が φ もしくは φ の偶関数となった場合は, 前述の左右の定常旋回特性に違いが生じることから, これらの横傾斜角 φ 対する変化は奇関数でなければならない 以上の検討結果をまとめると,4 自由度の主船体流体力モデルは Table.1.1 のようにまとめられる なお, 同表の右列には, これらの微係数に対応する β,r',φ の 3 乗非線形微係数を参考までに比較するが, この中で φ, βφ, r'φ という項は, 上記の力学的観点から採用できない項になる 3

9 Table.1.1 想定される 4 自由度船体流体力モデルの微係数 3 自由度モデル φ 影響 4 自由度モデル X 本モデル 乗非線形 1 even 1, φ 1,φ β, r odd βφ, rφ βφ, rφ β, βr, r even β, β r, r, β φ, β r φ, r φ β, β r, r β 4 even β 4, β 4 φ Y,N 3 乗非線形 1 odd φ φ, φ, φ 3 β, r even β, r, β φ, r φ β, r, βφ, rφ, β, β r, r odd β φ, βrφ, r φ β φ, βrφ, r φ βφ, rφ β 3, β r, βr,r 3 even β 3, β r, βr,r 3, β 3 φ,β r φ,βr φ,r 3 φ β 3, β r, βr,r 3 以上の検討から, 船体の力の内,X,Y,N は (7) 式で計算する また,K モーメントは z' H を用いて次式で表現する (.1.7) ただし, ( ) ( ) ( )( ) ( ) ( ) ( ) ( )( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) = = = = φ φ φ β φ β φ β φ φ β φ β φ β φ β φ φ ρ φ β φ β φ β φ φ φ β φ β φ β φ φ ρ β φ φ β φ β φ φ ρ β β ββ ββ βββ βββ φ φ β ββφ β β φ βββ β β ββ ββ βββ βββ β ββφ β β φ ββββ ββββ β β ββ ββ C B Y z K r c N r c N r c N c N r N r N N r c N c N N LdU N r c Y r c Y r c Y c Y r Y r Y Y r c m Y c Y Y LdU Y c X r c X r c m X c X c X LdU X H H H nrrr rr r rr n rr r n r n rr r nr r n H y rrr rr y rr r y r y rr r yr x r y H x xrr rr r x y r x x H 4

10 C B = gmgm a = gmgm π ( + ) I xx J xx (.1.8) ここに,a は横揺れ減滅曲線の線形係数を示す.1.3 プロペラの流体力モデル プロペラの力は前後方向の推力が主な力であり, 直進時の推力減少係数 (1-t) を用いて次式で表現する X Y P N P P = = = ( 1 t) ρk D n ただし,D P: プロペラ直径 T 4 P n : プロペラ回転数 K T: 推力係数 ( 前進定数 J=(1-w)u/(nD P) の関数 ) K T = a + + a1j aj 1-w: プロペラの有効伴流係数 (.1.9) 旋回 斜航が大きくなると (1-w) は 1. に近づき推力が減少するが,(1-w) の運動に対する変化は無視する また, これらは, 横傾斜の影響を受けないと取り扱う.1.4 舵の流体力モデル舵による力とモ-メント X R,Y R,N R,K R は, 横傾斜による水平成分を考慮して次式で表す ρ X R = (1 t R ) LdU FN sin δ cosφ ρ Y = + R (1 a H ) LdU FN cosδ cosφ ρ N = + R ( xr a H xh ) L du FN cosδ cosφ K = R z RYR (.1.1) ただし,t R, a H, x' H は舵と船体との干渉係数を表す また, 無次元舵直圧力 F' N は次式で表す F A R N = f U α R sinα R (.1.11) Ldem ここに,A R : 舵面積 ( 可動部 ) fα : 舵単独の直圧力係数の勾配 ( 藤井式 : ( = 6.13λ (. 5 + λ) ) λ: 舵のアスペクト比船速 U で無次元化した舵の有効流速 U' R と有効流向 α R は次式で表す 5

11 U R = u α = δ tan R R + v 1 R v R u R (.1.1) ただし,u' R, v' R は U' R の船体前後方向成分と横方向成分を用い, 横揺れ角速度を考慮して次式で表す u = ε (1 w) η R v = γ R R { 1 + κ ( 1 + 8K T / πj 1) } + (1 η) { } { v + r l + ( φz U )} γ β r l + ( φz U ) R R R R R (.1.13) ここに,η=D P /H, (H: 舵高さ ) κ = k x/ε,(k x: プロペラ後流の増速率 ) ε: 有効伴流係数比 ( = ( 1 w R ) ( 1 w) ) γ R: 船体の整流係数 l R: 旋回角速度に対する係数ただし, 整流係数の横傾斜による変化は次式 γ R = γ R = 1+ ( φ )( cγ φ ) (.1.14) と表現する これ以外の干渉係数は横傾斜によらず一定とした 参考文献 (1) 芳村康男, 福井洋, 横田大武, 矢野大行, 横傾斜を含む4 自由度操縦運動数学モデルの検討, 日本船舶海洋工学会講演会論文集,16, p.17-, (13) 6

12 . [1] ffl 3 ( ) ffl 4..1 ffl ffl ffl 1 1 ( ) ffl ffl ( ) X U x v m β u o G r y o y ψ G O δ φ z Y Fig.1: Coordinate systems Fig.1 O X Y Z X Y Z []o xyz 7

13 x y z o x y X x ψ ffi x y u v z r r dψ=dt G (x G,,z G ) o v m v v m = v x G r + z _ G ffi (1) fi fi = tan 1 vm u () U U = p u + v m (3).. (surge, sway, yaw, roll) [] m(_u vr) =F x m(_v + ur) =F y (4) (5) (I zz cos ffi + I yy sin ffi)_r (I zz I yy )r _ ffi sin(ffi) I xz ( ffi cos ffi _ ffi sin ffi) =M z (6) I xx ffi +(I zz I yy )r sin ffi cos ffi I xz _r cos ffi = M x (7) m I xx, I yy, I zz I xz F x ;F y M x, M z x z _ u v r ffi 4 [3][4] I yy I zz ' I yy, I xz ' 9 m(_u vr) = F x m(_v + ur) = F y >= (8) I zz _r = M z I ffi >; xx = M x (8) () v v m 9 m(_u v m r x G r + z G r _ ffi) = F x m(_v m + x G _r z ffi G + ur) = F y >= I zz _r = M z I ffi >; xx = M x (9) 8

14 F x = m x _u + m y v m r + X (1) F y = m y _v m x ur a ffi 4 a 6 _r + Y (11) M z = (J zz x G a 6 )_r (a 6 x G m y )_v m (a 64 x G a 4 ) ffi + m x x G ur + N m x G Y (1) M x = (J xx + z G a 4 ) ffi (a 4 + z G m y )_v m (a 46 + z G a 6 )_r m x z G ur + K + z G Y (13) X Y N m K x a 4 ;a 6 ;a 46 sway, roll,yaw 9 a 6 = a 6 ' >= a 4 = a 4 m y ff z (14) a 46 = a 64 ' >; (m + m x )_u (m + m y )v m r mx G r + mz G r _ ffi = X (m + m y )_v m +(m + m x )ur + x G m _r (m y ff z + mz G ) ffi = Y (I zz + J zz + mx G )_r + mx G(_v m z ffi G + ur) = N m (I xx + J xx + mz G ) ffi (m y ff z + mz G )_v m mz G (x G _r + ur) = K 9 >= >; (15)..3 X; Y; N m ;K X = X H + X R + X P Y = Y H + Y R N m = N H + N R K = Y H z H Y R z R mg GM sin ffi + K _ ffi _ ffi 9 >= >; (16) H; R; P z H z R GM K _ ffi (1) X H = (1=)ρLdU XH (v m;r ;ffi) Y H = (1=)ρLdU YH (v m;r ;ffi) N H = (1=)ρL du NH (v m;r ;ffi) 9 >= >; (17) 9

15 ρ L d r ( rl=u) X H, Y H, N H XH (v m ;r ;ffi) = R + X vv v m + X vr v m r + Xvffi v m ffi + X rr + X r rffi r ffi 9 +X ffiffi ffi + X vvvvv 4 m YH (v m;r ;ffi) = Yvv m + Y r r + Yffi ffi + Y vvvv m 3 + Y vvrv mr + Yvrrv mr + Y +Yvvffi v m ffi + Y vffiffi v m + Y ffi ffiffiffi + Y ffi3 rrffi ffi + Y r rffiffi r ffi + Yvrffi v m r ffi rrrr 3 N H (v m ;r ;ffi) = N v v m + N r r + N ffi ffi + N vvv v3 m + N vvr v m r + N vrr v m r + N rrr r3 +N vvffi v mffi + N vffiffi v mffi + N ffiffiffi ffi3 + N rrffi r ffi + N rffiffi r ffi + N vrffi v mr ffi >= >; (18) XH ffi, Y H N H ffi 1 +3 R X vv, Y v, N v () X P =(1 t)t (19) t T T = ρn P D 4 P K T (J P ) () D P K T K T (J P )=k J P + k 1J P + k (1) k ;k 1 ;k J P J P = u(1 w P ) n P D P () w P fi P w P =(w P w Pmin ) exp C fi P + wpmin (3) fi P fi x P r + z P _ ffi x P L z P w P w Pmin C (3) X R ;Y R ;N R 9 X R = (1 t R )F N sin ffi cos ffi >= Y R = (1 + a H )F N cos ffi cos ffi N R = (x R + a H x H )F N cos ffi cos ffi >; (4) t R ;a H ;x H F N F N =(1=)ρA R U R f ff sin ff R (5) 1

16 A R f ff U R ff R U R ff R U R = q u R + v R (6) ff R = ffi tan 1 vr u R ' ffi v R u R (7) u R v R v R fi R fl R fi R fi ` R r +z R _ ffi v R = Ufl R fi R (8) u R v ( ψs!) u u R = "u(1 w t P ) 1+» 8K T (1 ) (9) ßJP "» (D P ) (H R ) [1] 16 (13), 13S-OS1-5. [] 173 (1993) pp.9-. [3] ( 1 ), 17 (199), pp [4] ( ), 174 (1993), pp

17 .3 簡易型 3+1 自由度操縦運動モデル ( モデル 3) 本節では 平面内で Surge, Sway, Yaw の連成運動を表現する従来の 3 自由度操縦運動モデルに対して 付加 的に横傾斜影響を導入した簡易型 3+1 自由度操縦運動モデルについて記述する 本モデルは 図 -1 に示す座 標系 ( 船体水面固定座標系 ) の下で 主船体の x 軸まわりの慣性モーメント I xx および横傾斜角加速度 p を導 入し 次に示す運動方程式を基本として構成される I xx m ( u vr) ( v + ur) = X m = Y I zz r = N p mur z = K G H H H H + X P + X + Y R + N + K R R R (1) U x, X β u φ -v G r, N G o z G z R y z H y, Y ψ δ z 図 -1 座標系 ( 船体水面固定座標系 ) 1

18 (1) 式右辺の主船体に働く主船体操縦流体力の表現は 以下のように表される ( ) ( ) = = = = H H D xx H PP H H PP H H PP H H z Y GZ W p N p J K du L N N du L Y Y du L X X φ ρ ρ ρ () ( ) ( ) = = = HR G H vrr vvr rrr vvv r v zz H HR vvr vvr rrr vvv r v x y H rr vv vr y x H N x Y r r v N r v v N r r r N v v v N r N v N r J N Y r r v Y r v v Y r r r Y v v v Y r Y v Y m u r v m Y r r X v v X r v X m Fn X m u X (3) ただし u : 前後方向 ( x 軸方向 ) 速度の無次元値 ( U u = ) v 横方向 ( y 軸方向 ) 速度の無次元値 ( U v = ) r : 回頭角速度の無次元値 ( U L r PP = ) xx J : x 軸まわりの付加慣性モーメント p : 横揺れ角速度 ( ) p N D : 船体の横揺れ減衰モーメント ( ) φ GZ W, : 船体の排水重量および横傾斜角 φ における復原挺 H z : 水面から横力 H Y の着力点までの距離 ( z 軸方向 ) G x : 船体中央 ~ 重心位置前後方向距離の無次元値 ( PP x G L = ) HR N HR Y, : 主船体操縦流体力に及ぼす横傾斜影響また 主船体操縦流体力に及ぼす横傾斜影響 HR HR N Y, については 平野ら [1] の考え方に従い 次式により表現した + + = + + = φ φ φ φ φ φ φ φ φ φ φ φ r N v N N N r Y v Y Y Y r v HR r v HR (4) 次に プロペラが発生する推力は次式による表現を行った ( ) ( ) J K D n t X T P P P = 4 1 ρ (5) 13

19 w J = u P P = w x.5 P ( 1 wp ) n DP exp ( 4.β ) P β = β x r P P (6) ここで t P : 推力減少係数 n : D P : プロペラ回転数 プロペラ直径 K T ( J ) : 推力係数 J : 前進係数 w P : プロペラ位置での伴流係数 w P : 直進時のプロペラ位置での伴流係数 β P : プロペラ位置での幾何学的な流入角 さらに 舵に作用する流体力は次式による表現を行った X Y N K R R R R = ( 1 tr ) FNR sinδ ( 1+ ah ) FNR cosδ ( ) ( ) xr + ah xh FNR cosδ 1+ ah zrfnr cosδ = = = (7) ここで F NR : 舵直圧力 t R, ah, xh : 主船体と舵の干渉影響係数 x R, z R : 舵装備位置 ( x 軸, z 軸方向 ) (6) 式中の舵直圧力 FNR は次のように表される ここで F NR 1 ρ ARU R = f sin α α R A R : 舵面積 U R : 舵位置への流入速 f α ( λ) : 舵直圧力勾配 ( 舵縦横比 ) α R : 舵への流入角 u R, v R : U R の船長方向成分および船幅方向成分 (8) 舵位置への流入速 U および流入角 α は次のように表すことができる R R 14

20 U R = u R v R 1+, α R = δ tan ur 1 v u R R (9) u v g R R w = u = γ R ( 1 w ) ( ) R 1+ Cg s ( v + r) R = w R ( 4.β ) ( s) = ηκ[ ( κ ) s] ( 1 s) η = D R P κ =.6 s = 1 exp H R ( 1 wp ) ( 1 wr ) ( 1 w ) U np P cos β P (1) (11) ここで w R : 舵位置での伴流係数 w R : 直進時の舵位置での伴流係数 C : 左右操舵に対する係数 ( 左舵 :1.65, 右舵 :.935) γ R : 主船体整流係数 R : 実験定数 g ( s) : プロペラ後流の効果を表す係数 H R : 舵高さ P : プロペラピッチ 15

21 3. 横傾斜時の船の操縦流体力特性 3.1 KCS コンテナ船の CMT 供試模型模型船の要目を Table に示す 縮率は 1/15 とし, 船体をフレーム構造として, 自由航走模型実験も可能なように模型船重量を可能な限り軽量化した 拘束模型実験は, プロペラ無しの状態について IHI 横浜の運動性能水槽で CMT 試験を, また, 舵 プロペラ付きの状態については北大水産学部の小型曳航水槽で斜航試験 舵角試験を実施した Table 供試船の主要目 実船模型船 (1/ 15) Lpp m B (molded) m da (molded) m dm (molded) m df (molded) m BL.trim m.. m x G(=-Lcb) m D p m A R.46 A R/Ldm 1/ /53.57 aspect ratio Fig 供試模型船のプロファイル 3.1. 舵付き船体の拘束試験とその結果 φ, K x, u, X 拘束模型試験は, 船体と舵付きの状態であるが, プ ロペラは装着していない 船体流体力は Fig.3.1. に hull 示す原点を船体中央に固定した座標系に従って計測 y, v, Y し, 旋回 斜航による模型船及び検力計の慣性力は解 δ ψ, r, N 析の段階でこれらを全て控除した 検力計は一点ゲ rudder z ージ方式とし, 平面は船体中央, 高さ方向は模型船の Fig DOF 操縦流体力の座標系重心に近づけたが, 必ずしも一致できず, 後述する解析の段階で補正した 4 分力計 (X,Y,N,K) はこの実験用に新たに製作し, 分力における各軸の干渉を極力小さいものにした 一点ゲージ方式の場合, 特に N モーメントが大きく, ゲージ歪みが大きくなるので, この干渉力については, 事前に検定を行い, 解析の段階で補正を行った 模型船はヒ-ブ, ピッチ, の 方向を自由とし,roll 方向は所定の横傾斜角を設定して固定した 16

22 Fig 供試模型船の実験写真 舵の力は, 小型の操舵機を製作し, これに取り付けた 分力計で舵直圧力と舵長手方向の力を船体流体力と同時に計測を行った ただし, 舵直圧力は Fig の座標系にもとづいて, 水平方向成分とした 試験のパラメータは, 傾斜角が 1,, -1, - の 4 状態について,Fig に示すように,βと r' を左右の旋回で対称にして組合せて CMT を行った 舵角は中央を原則としたが, 各試験状態で操舵を行い, 運動状態に対する舵の有効流速と迎角を計測した 船速は 1.m/s (Fn=.16) である r' β Fig CMT における β と r' の組合せ 計測した流体力は, 模型船及び検力計の慣性力を控除した後, 以下のように無次元化した ρ X = X / LdU ρ Y = Y / LdU ρ N = N / L du ρ K = K / Ld U (3.1.1) ただし,L: 船の垂線間長 (=L pp) d: 船の平均吃水 (=d m) U: 船速, ρ : 水の密度 1) 主船体流体力の解析本実験は舵付き状態であるので,MMG の取扱いに準じて, 同時に計測された舵直圧力および, 舵 船体間 17

23 の干渉力を含めて控除した ただし, 流体力係数に含まれる付加質量成分は含んだままである 横傾斜角が付 いた状態の船体流体力は左右非対称な力が存在するので,β と r' の左右非対称項を含めた (3.1.) 式に示す流体力 モデルで, 最小自乗法により一括解析した 各微係数の値を Table 3.1. に示す X = X + X β + X r + X β + Y = Y + Y β + H H + Y + N 3 β + Y ( X m ) ( Y m ) + Y β + Y βr + Y r N = N + N β + N r H ββ ββ βββ r β r βr ββ r + N β + N βr + N r ββ β βββ β β β r 3 β + N r βr + X r β r + Y βr r r ββ r x y rr rr βrr β r + N βr βrr rr + X + Y r rrr N r rrr ββββ 4 β (3.1.) Table 3.1. 各傾斜角に対する主船体流体力微係数 (HR 状態で舵力成分は控除 ) roll angle Surge force X' X' β X' r X' ββ X' βr-m' y X' rr X' ββββ Sway force Y' Y' β Y 'r-m' x Y' ββ Y' βr Y 'rr Y' βββ Y' ββr Y' βrr Y' rrr Yaw moment N' N' β N' r N' ββ N' βr N' rr N' βββ N' ββr N' βrr N' rrr ) 流体力微係数の横傾斜角に対する変化上記で解析した船体流体力微係数を横傾斜に対する変化を検討する 定数項 :Y', Y' のφ に対する変化を Fig に示す φ に対してほぼ直線的に変化し, この項は Y'φφ, N'φφと表現することができ, 横傾斜による針路安定性変化に影響を与える 特に,N'φ は重要で, 同図に比較するように 18

24 SR18 コンテナ船よりマイナス方向に大きくなっている.4 Y'.. φ (deg) y = -.9 x M SR-18.4 N'.. φ (deg) M SR-18 y = -.11 x -.87 Fig 横傾斜角に対する Y, N (φ= の値を零として表示 ) 線形微係数 :Y'β, N' β,y' r, N' r のφ に対する変化をφ= の微係数で正規化して Fig に示す これらの線形微係数は前報に示したように, いずれも φ に対してほぼ直線的に変化し, これらの項は Y'β(1+cβ φ )β という形で表現することができる これらも, 針路安定性に大きく影響を与える 供試模型船では Y に対する変化に比べて,N の方が大きい Y'β N'β l'b y =.37x + 1 y =.9x + 1 y =.9x + 1 φ (deg) Y'r-m'x -N'r l'r y = -.6x + 1 y = -.88x + 1 y = -.9x + 1 φ (deg) Fig 線形微係数の傾斜角に対する変化 (φ= の値を 1 として比率を表示 ) 横傾斜がない場合は本来存在しない非線形微係数が横傾斜によって現れる これらを Fig に示す これらの項から,X については,X'βφ, X' rφ,y については,Y'ββφ, Y'βρφ,Y' rrφ,n については,N'ββφ, N'βρφ,N' rrφ の微係数が存在することになる 19

25 .5 y =.45 x φ (deg) y =.7 x X'β X'r Y'ββ Y'βr Y'rr y =.545 x y =.585 x y = -.11 x φ (deg) N'ββ N'βr N'rr y =.1 x y = -.1E-4x - 1.8E y = -.44 x φ (deg) Fig 横傾斜角に対する非対称型非線形微係数 (φ= の値を零として表示 ) X の直進抵抗係数である定数項 X' は,Fig の上図に示すように, 供試船ではφ による変化はほとんどないが,φ の偶関数で変化する 非線形微係数の X'βr もφ による変化は少ない これに対して非線形微係数 X' rr, X'ββββなどはφ に対する変化が比較的大きく, これらの微係数は φ に対してほぼ直線的に変化する傾向にあることから,X'ββββ(1+c xββ φ )β といった形で表現できる Y,N の対称型非線形微係数 :Y'βββ, Y'ββr, Y'βrr, Y' rrr および N'βββ, N'ββr, N'βrr, N' rrr のφ に対する変化についてはφ= の微係数で正規化して Fig の下段の左右に示す これらは概ね φ で変化する傾向にあり,Y'βββ(1+cβββ φ )β 3 といった形で表現することができる しかし, これらのφ に対する変化は, 前報で紹介した変化に比べてかなり小さくなっている これは, 前報では左右対称モデルで解析したことにより, 本来, 非対称型の微係数に入る変化が, これらの微係数の変化として現れた結果と考えられる また,φ に対する変化が小さければ, これらの変化は実用的に無視できる可能性があると思われる

26 y =.611x + 1 y =.43x + 1 y = -.1x + 1 y = -.39x + 1 X' 5 X'ββ 1 15 φ (deg) 5 X'βr-m'y X'rr y = -.318x + 1 X'ββββ y =.439x Y'βββ Y'ββr Y'βrr Y'rrr y =.111x + 1 y =.6x + 1 y = -.39x + 1 y = -.13x + 1 φ (deg) y = -.15x + 1 N'βββ y = -.33x + 1 y = -.4x + 1 N'ββr N'βrr φ (deg) N'rrr Fig 対称型非線形微係数の横傾斜角に対する変化 (φ= の値を 1 として比率を表示 ) 以上を考慮すると,4 自由度の船体流体力モデルは既に述べた (.1.7) 式で表現できる また,φ に対する変 化を表す係数を Table に掲げる Table 横傾斜に対する微係数変化 surge force X' c x -.1 X'βφ.4 X' rφy.58 X'ββ c xββ.31 X'βr-m' y c xβr -. X' rr 3.5 X'ββββ c xββββ sway force Y' Y'φ -.5 Y'β c yβ.5 Y' r-m' x c yr -1. Y'ββφ.335 Yβrφ.313 Y' rrφ -.64 Y'βββ c yβββ.36 Y'ββr c yββr.64 Y'βrr c yβrr -. Y' rrr c yrrr -.74 yaw-moment N' N'φ -.63 N'β c nβ.1 N' r c nr -.3 N'ββφ -.53 N'βrφ.115 N' rrφ -.1 N'βββ c nβββ -.9 N'ββr c nββr -.19 N'βrr c nβrr.5 N' rrr c nrrr -.3 1

27 3) 横傾斜モーメントの変化前節には, 横傾斜角に対する水平方向の力とモーメントの変化を示したが, 以下には K モーメントの特性を示す ここでは, 計測した横流体力 ( 慣性力を除く ) によって流体 K モーメントが発生すると仮定して解析する ただし, 実際は船底圧力の違いがこの位置に反映するので, 横力の見掛けの作用位置となる 検力計の慣性力は Fig に示すように, 検力計中心 M に, 模型船の重心 G に作用するから, 以下の関係になる Y K M M = Y H = z m GM Gy ur mur mur ( z z ) Y H GM H (3.1.3) これより, Y H K H = Y M = z + m H Y H Gy ur + mur = K M z GM ( Y + m ur) M Gy (3.1.4) となって, 検力計および模型船の慣性力を控除して流体力による横力と横傾斜モーメントの関係が導ける ただし,m: 模型船の質量,m Gy: 検力計の y 方向受感部質量である 模型船に働く慣性力 (mur) zgm G KM 検力計に働く慣性力 (mgyur) zh M YM YH Fig K モーメントと横力 慣性力との関係 Fig は各横傾斜角について, 横力と横傾斜モーメントの関係を, 単純斜航状態, 単純旋回状態, およびβと r' を組み合わせた場合に分けて表示する

28 .. y = x pure swaying pure yawing yaw and sway negative large sway y = -.499x pure swaying pure yawing yaw and sway negative large sway y =.1488x y =.11x y = x - 1E-4 φ=+1 φ= -. y = x y = x pure swaying pure yawing yaw and sway negative large sway y = x pure swaying pure yawing yaw and sway negative large sway y =.5486x y =.313x φ=-1 y = -.858x +.34 φ=- y = -.7x Fig 各傾斜角における Y H と Z H の関係 ( 横軸 : 横力係数, 縦軸 : 横傾斜モーメント係数 ) ここで, 上下位置を z = z d = K Y と表現し, z = 1. を BL,. を WL に換算して Table および Fig に示す H H m H H H Table 横力の見掛け作用位置 z' H roll angle z' H(pure sway) z' H (pure yaw) z' H (sway & yaw)

29 WL z'h(p.sway) z'h(p.yaw) z'h(sway & yaw) BL 1. φ (deg) Fig 解析した z' H の横傾斜に対する変化 以上の実験結果から, 見掛けの横力の作用位置 z' H は, 単独斜航状態 ( 旋回角速度 =) 流体力による上下位置は, 水面下の.65d 付近にあり, 傾斜角によって大きく変化しない 単独旋回状態 ( 斜航角 =) では水面上となる しかし, この場合の流体横力は ( Y m )r と小さいため, 得 られた z' H は精度的にやや欠ける可能性もある 旋回しながら斜航する場合, ややバラツキがあるが, 水面下.3d 付近にあり, これも傾斜角によって大きく変化しない 以上の結果は前報の KCS 3m 模型船とほぼ同様であり, 横力だけでなく, 船の旋回 斜航による船底圧力の変化がこうした結果を作り出しているものと考えられる r x 4) 整流係数の横傾斜角変化本供試模型船の拘束模型試験では舵付き状態で, 直進状態のみならず,CMT においても舵角試験を行い, 舵直圧力を計測したので, 横傾斜に対する舵の有効迎角の特性を調べることができる Fig は各傾斜角について,βや r' に対する舵位置での有効迎角を示し, この傾きが整流係数 γ R に相当する Table には解析した γ R と l' R を示し, これらの変化を横傾斜角 φ に対して表示したのが Fig である これより,l' R は傾斜角に対してほとんど変化しないが,γ R は横傾斜角が大きくなると減少する傾向がある Table 傾斜角に対する整流係数 roll angle γ R l' R

30 φ=+1 φ= φ=-1 φ= v' R β +l' R r' Fig 横傾斜角毎の舵有効迎角特性 gr l'r y =.6x + 1 y = -.63x + 1 φ (deg) Fig 横傾斜角に対する整流係数の変化 舵 プロペラ付き舵角試験 斜航試験とその結果船体 舵 プロペラ付きの状態とし, プロペラ回転数は模型船の自航点を基準とし, 直進舵角試験では, この回転数の他,over load, under load 状態で試験を実施した 船体流体力は Fig に示した原点を船体中央に固定した座標系に従って計測し, 斜航による模型船の慣性力は解析の段階で控除した 検力計も同じ一点ゲージ方式とし, 模型船はヒーブ, ピッチの 方向を自由とし, roll 方向は所定の横傾斜角を設定して固定した 舵の力は, 小型の操舵機を使用し, この舵軸に取り付けた検力計で舵直圧力を船体流体力と同時に計測した ただし, 舵直圧力は座標系に基づいて, 水平方向成分としている プロペラ推力は, 小型の自航動力計を使用して計測し, 軸のフェリーに関しては 台の自航動力計を用いて各軸の推力を計測した また, 舵直圧力と同様に, 推力も座標系に基づいて水平方向成分とした なお, この節では,3., 3.3で後述する 隻の模型船の結果について合わせて比較して示す 1) 自航要素の解析とその結果 船の前後力は, X = X + (1 t) T であるから, プロペラ付きの拘束模型実験で計測された X' と K T を用いて, 推進性能と同じ解析方法で推力減少係数 (1-t), 有効伴流係数 (1-w) が得られる なお, 軸のフェリーに関しては前進常数 J, プロペラ単独特性が変わらないように以下のように補正し, 1 軸とみなして解析した 具体的には, プロペラ回転数を ( 1/ ) 倍, プロペラ直径を 倍して 1 軸として解析した 直進状態の自航要素の解析結果を Fig と Fig に示す これらから, コンテナ船のみならず, 他 5

31 の船でも推力減少係数 (1-t), 有効伴流係数 (1-w) は φ に対してほとんど変化しないことがわかる 1..5 KCS フェリー漁船 φ(deg) Fig (1-t) の φ に対する変化 1..5 KCS フェリー漁船 Fig (1-w) の φ に対する変化 φ(deg) ) 船体 舵の干渉係数の解析とその結果 プロペラの力を一部含んだ状態の舵による力やモーメント X R, Y R, N R は次式のように舵角を δ, 舵直圧力を F N として表せる 舵直圧力の sin δ cosφ 成分や cos δ cosφ 成分に対して X R, Y R, N R はほぼ直線となり, これら のグラフの傾きからプロペラ 舵と船体の干渉係数を求めた X Y ' R N ' R ' R = = = ' ( 1 t ) R FN sinδ cosφ ' ( 1+ ah ) FN cosδ cosφ ' ( x' R + ah x' H ) FN cosδ cosφ (3.1.5) ただし, (1-t R) の中には, 操舵による推力変化分を含んでいる 解析した船体 舵の干渉係数を横傾斜角 φ に対して Fig ~ に示す 6

32 1..5 KCS フェリー漁船 φ(deg) Fig (1-t R) の φ に対する変化.5 KCS フェリー 漁船.5 Fig ah のφ に対する変化 φ(deg) φ(deg) -.5 Fig ' ah x H のφ に対する変化 以上の解析結果から, 舵に関する前後方向の干渉係数 (1-t R) はバラツキがあるものの,φ に対して大きな変化は みられない 横方向の干渉係数 a の横傾斜角 φ に対する変化は偶関数的に変化し, 横傾斜が大きくなると減少 H -.5 する傾向がある また, 舵に関する回頭方向の干渉係数 a の横傾斜角 φ に対する変化は a H と同様に偶関数 になり, その絶対値は横傾斜が大きくなると減少する ' H x H KCS フェリー 漁船 3) 舵有効流速に関する係数の解析とその結果 舵直圧力特性は舵面積を A, 舵への有効流速を u R とすると, 直進舵角試験中は舵の流入角は舵角そのもの R ' F N = ρ / AR fαu R sin であり, 舵角に対する舵直圧力係数の原点傾斜 ( df N / dδ ) であるから, ( ) δ を求め, 舵単 7

33 独の直圧力係数の勾配 α ' u R が次式で得られる u f を藤井式 = 6.13Λ /(. 5 + Λ) ' ( df / dδ ) ( AR / Ld ) f α f, ( Λ : 舵のアスペクト比 ) で近似できると仮定すると, α ' N R = (3.1.6) 一方, ' R u は次式のように表すことができ, 次式において ε, κ を種々変更して, プロペラ荷重度変更直進舵角 ' R 試験によって得られる u に最も一致するような ε, κ を非線形最小自乗法によって求めた ( 1 w) η{ 1+ κ ( 1+ 8KT / πj 1) } + ( η) ' ur = ε 1 (3.1.7) ここに, η = D κ = k x P / H, / ε, ( k ( H : 舵高さ ) x : プロペラ後流の増速率 ) ε : 有効伴流係数比 ( = (1 w R ) /(1 w)) 解析した舵有効流速に関する係数を横傾斜角 φ に対して Fig ~3.1.1 に示す 1. KCS フェリー漁船.5 φ(deg) Fig ε の φ に対する変化 1. KCS フェリー漁船.5 φ(deg) Fig κ の φ に対する変化 8

34 1..5 KCS フェリー漁船 φ(deg) Fig k ( = εκ ) のφ に対する変化 x 以上の解析結果から, 舵 プロペラ位置での伴流係数比 ε, 修正係数 κ は横傾斜によってほとんど変化しない その結果, プロペラ後流の増速率 k ( = εκ ) も同様に横傾斜によってほとんど変化しない なお, k x について x 軸 1 舵フェリーの値が他船と比べて小さくなっている これはフェリーが 軸 1 舵であり, 舵位置でのプロペラによる流入速度の増速が小さいためである まとめ供試船を KCS コンテナ船型として, 横傾斜をパラメータに加えた斜航試験,CMT を実施しこれを解析することによって, 横傾斜が種々の操縦流体力に及ぼす影響と特徴を調べた 得られた結論を下記に要約する 1) 横傾斜をすることによって, 従来の平面で記述される船体流体力モデルの微係数を少なからず変化させる その変化は横傾斜を考慮しない従来の 3 自由度の左右対称型の微係数については横傾斜角 φに対して偶関数となる ) 左右非対称性を表す微係数については,φに対して奇関数とすべきで, その簡単な表現はφに対して比例して変化するという取扱いが妥当である 3) 船体の整流係数も少なからず横傾斜の影響を受ける 4) 自航要素 (1-t), (1-w), また舵に関する前後方向の干渉係数 (1-t R), 舵 プロペラ位置での伴流係数比 εおよびプロペラ増速率 κはφ に対してほとんど変化しないと考えられる 5) 舵に関する横, 回頭方向の干渉係数 a H, ' ah x H の絶対値および整流係数 γ R 偶関数になり, 横傾斜が大きくなると減少する傾向がある の横傾斜角 φ に対する変化は 9

35 3. 軸 1 舵フェリーの CMT 3..1 供試模型模型船の要目を Table 3..1 に示す 縮率は 1/64 とし, 船体をフレーム構造として, 自由航走模型実験も可能なように模型船重量を可能な限り軽量化した 拘束模型実験は, プロペラ無しの状態について IHI 横浜の運動性能水槽で CMT 試験を, また, 舵 プロペラ付きの状態については北大水産学部の小型曳航水槽で斜航試験 舵角試験を実施した ただし, フィンスタビライザーは取り付けていない Table 3..1 供試船の主要目 実船 模型船 (1/ 64) Lpp m B (molded) m da (molded) m dm (molded) m df (molded) m BL.trim m.. Initial trim m m 3 (11,68).443 x G(=-Lcb) m D p m.756 A R.53 A R/Ldm 1/46.69 Fig 供試模型船のプロファイル 3.. 舵付き船体の拘束試験とその結果 φ, K x, u, X 拘束模型試験は, 船体と舵付きの状態であるが, プロペラは装着していない 船体流体力は Fig.3.. に示す原点を船体中央に固定した座標系に従って計 hull y, v, Y 測し, 旋回 斜航による模型船及び検力計の慣性力 δ ψ, r, N は解析の段階でこれらを全て控除した 検力計は一 rudder z 点ゲージ方式とし, 平面は船体中央, 高さ方向は模型船の重心に近づけたが, 必ずしも一致できず, 後 Fig DOF 操縦流体力の座標系 述する解析の段階で補正した 4 分力計 (X,Y,N,K) はこ の実験用に新たに製作し, 分力における各軸の干渉を極力小さいものにした 一点ゲージ方式の場合, 特に N モーメントが大きく, ゲージ歪みが大きくなるので, この干渉力については, 事前に検定を行い, 解析の段階 で補正を行った 模型船はヒ-ブ, ピッチ, の 方向を自由とし,roll 方向は所定の横傾斜角を設定して固定 した 3

36 Fig 供試模型船の実験写真 舵の力は, 小型の操舵機を製作し, これに取り付けた 分力計で舵直圧力と舵長手方向の力を船体流体力と同時に計測を行った ただし, 舵直圧力は Fig. 3.. の座標系にもとづいて, 水平方向成分とした 試験のパラメータは, 傾斜角が 1,, -1, - の 4 状態について,Fig.3..4 に示すように,β と r' を左右の旋回で対称にして組合せて CMT を行った 舵角は中央を原則としたが, 各試験状態で操舵を行い, 運動状態に対する舵の有効流速と迎角を計測した 船速は 1.m/s (Fn=.16) である r' β -.8 Fig CMT における β と r' の組合せ 計測した流体力は, 模型船及び検力計の慣性力を控除した後, 以下のように無次元化した ρ X = X / LdU ρ Y = Y / LdU ρ N = N / L du ρ K = K / Ld U ただし,L: 船の垂線間長 (=L pp) d: 船の平均吃水 (=d m) U: 船速, ρ : 水の密度 (3..1) 31

37 1) 主船体流体力の解析本実験は舵付き状態であるので,MMG の取扱いに準じて, 同時に計測された舵直圧力および, 舵 船体間の干渉力を含めて控除した ただし, 流体力係数に含まれる付加質量成分は含んだままである 横傾斜角が付いた状態の船体流体力は左右非対称な力が存在するので,β と r' の左右非対称項を含めた (3..) 式に示す流体力モデルで, 最小自乗法により一括解析した 各微係数の値を Table 3.. に示す X = X + X β + X r + X β + Y = Y + Y β + H H + Y + N 3 β + Y ( X m ) ( Y m ) + Y β + Y βr + Y r N = N + N β + N r H ββ ββ βββ r β r βr ββ r + N β + N βr + N r ββ β βββ β β β r 3 β + N r βr + X r β r + Y βr r r ββ r x y rr rr βrr β r + N βr βrr rr + X + Y r rrr N r rrr ββββ 4 β (3..) Table 3.. 各傾斜角に対する主船体流体力微係数 (HR 状態で舵力成分は控除 ) roll angle Surge force X' X' β X' r X' ββ X' βr-m' y X' rr X' ββββ Sway force Y' Y' β Y 'r-m' x Y' ββ Y' βr Y 'rr Y' βββ Y' ββr Y' βrr Y' rrr Yaw moment N' N' β N' r N' ββ N' βr N' rr N' βββ N' ββr N' βrr N' rrr

38 ) 流体力微係数の横傾斜角に対する変化上記で解析した船体流体力微係数を横傾斜に対する変化を検討する 定数項 :Y', Y' のφ に対する変化を Fig に示す φ に対してほぼ直線的に変化し, この項は Y'φφ, N'φφと表現することができ, 横傾斜による針路安定性変化に影響を与える 本船の Y'φφはプラス方向に変化する N'φφは各船と同様マイナス方向に変化するが, その変化は KCS コンテナ模型船よりやや大きくなっている.4 Y'. y =.93 x φ (deg) M1 SR N'.. φ (deg) M1 SR-18 y = -.15 x -.6 Fig 横傾斜角に対する Y, N (φ= の値を零として表示 ) 線形微係数 :Y'β, N'β,Y' r, N' r のφ に対する変化をφ= の微係数で正規化して Fig に示す これらの線形微係数は前報に示したように, いずれも φ に対してほぼ直線的に変化し, これらの項は Y'β(1+cβ φ )β という形で表現することができる これらも, 針路安定性に大きく影響を与える 供試模型船ではこれらの微係数は ±1 の範囲では変化が少ない Y'β N'β l'b y =.39x + 1 y = -.4x + 1 φ (deg) Y'r-m'x -N'r l'r y = -.17x + 1 y = -.18x + 1 φ (deg) Fig 線形微係数の傾斜角に対する変化 (φ= の値を 1 として比率を表示 ) 横傾斜がない場合は本来存在しない非線形微係数が横傾斜によって現れる これらを Fig に示す これらの項から,X については,X'βφ, X' rφ,y については,Y'ββφ, Y'βρφ,Y' rrφ,n については,N'ββφ, N'βρφ,N' rrφ の微係数が存在することになる 33

39 .1.1 y =.16 x φ (deg) -.1 X'β y = -.3 x -.84 X'r y =.111 x y = x φ (deg) -.1 Y'ββ y = -.5 x Y'βr Y'rr N'ββ N'βr N'rr y =.16 x y = -3.E-4x - 1.E-3 1 φ (deg) -.1 y = x Fig 横傾斜角に対する非対称型非線形微係数 (φ= の値を零として表示 ) Fig には3 自由度の左右対象型非線形微係数の横傾斜に対する変化を φ に対して示す 上段は, 直進抵抗係数を含む非線形微係数であるが, 直進抵抗係数 X' や付加質量成分となる Y'βr の横傾斜の変化は少ない なお,φ= の X'ββββが極めて小さいため, この微係数の横傾斜に対する変化が異常に大きくなったので, 同図には X'ββββの変化を割愛している Y,N の対称型非線形微係数 :Y'βββ, Y'ββr, Y'βrr, Y' rrr および N'βββ, N'ββr, N'βrr, N' rrr のφ に対する変化についてはφ= の微係数で正規化して Fig.3..8 の下段の左右に示す これらは概ね φ で変化する傾向にあり,Y'βββ(1+cβββ φ )β 3 といった形で表現することができる しかし, これらのφに対する変化は, 前節の KCS 模型船と同様, ほとんど無視できる可能性があると思われる 3 1 X' X'ββ X'βr-m'y X'rr y =.65x + 1 y =.366x + 1 y = -.4x + 1 y = -.55x φ (deg) 5 1 Y'βββ Y'ββr Y'βrr Y'rrr y =.34x + 1 y = -.9x + 1 y = -.1x + 1 y = -.147x + 1 φ (deg) N'βββ N'ββr N'βrr N'rrr y = -.8x + 1 y = -.77x + 1 y = -.111x + 1 y = -.116x + 1 φ (deg) Fig 対称型非線形微係数の横傾斜角に対する変化 (φ= の値を 1 として比率を表示 ) 34

40 以上を考慮すると,4 自由度の船体流体力モデルは既に述べた (.1.7) 式で表現でき,φ に対する変化を表す係数を Table 3..3 に, 前節のコンテナ船型と比較して示す Table 3..3 横傾斜に対する微係数変化 surge force フェリー船型 KCS m X' c x X'βφ X' rφy.9.58 X'ββ c xββ.1.31 X'βr-m' y c xβr X' rr X'ββββ c xββββ sway force Y' Y'φ Y'β c yβ Y' r-m' x c yr Y'ββφ Yβrφ Y' rrφ Y'βββ c yβββ Y'ββr c yββr Y'βrr c yβrr Y' rrr c yrrr yaw-moment N' N'φ N'β c nβ..1 N' r c nr N'ββφ N'βrφ N' rrφ N'βββ c nβββ N'ββr c nββr N'βrr c nβrr N' rrr c nrrr ) 横傾斜モーメントの変化各横傾斜角について, 横力と横傾斜モーメントの関係を, 単純斜航状態, 単純旋回状態, およびβと r' を組み合わせた場合に分けて Fig に表示する 35

41 .3.3 y = -.936x pure swaying pure yawing yaw and sway negative large sway y = -.914x pure swaying pure yawing yaw and sway negative laege sway y = -.68x y =.11x φ= y = x -.3 φ= y = x y = -.939x pure swaying pure yawing yaw and sway negative large sway.3 y = x pure swaying pure yawing yaw and sway negative large sway y =.981x y =.8x φ=-1 -. y = x φ=- -. y = x Fig 各傾斜角における Y H と Z H の関係 ( 横軸 : 横力係数, 縦軸 : 横傾斜モーメント係数 ) ここで, 上下位置を および Fig に示す と表現し, z H = 1. を BL, z H =. を WL に換算して Table 3..3 z = z d = K Y H H m H H Table 3..3 横力の見掛け作用位置 z' H roll angle z' H(pure sway) z' H(pure yaw) z' H(sway & yaw)

42 WL z'h(p.sway) z'h(p.yaw) z'h(sway & yaw) BL 1. φ (deg) Fig 解析した z' H の横傾斜に対する変化 以上の実験結果から, 見掛けの横力の作用位置 z' H は, 単独斜航状態 ( 旋回角速度 =) 流体力による上下位置は, コンテナ船型同様, 水面下の.65d 付近にあり, 傾斜角によって大きく変化しない 単独旋回状態 ( 斜航角 =) では-.7 付近の水面上となる これはコンテナ船型でも見られたが, より上側 となっている ただし, この場合の流体横力は ( Y m )r と小さいため, 得られた z' H は精度的にやや欠け r る可能性もある 旋回しながら斜航する場合, ややバラツキがあるが, 水面下.3d 付近にあり, これも傾斜角によって大きく変化しない この傾向も KCS 模型船とほとんど同じ値になっている x 4) 整流係数の横傾斜角変化拘束模型実験は舵付き状態で, 直進状態のみならず,CMT においても舵角試験を行い, 舵直圧力を計測したので, 横傾斜に対する舵の有効迎角の特性を調べることができる Table 3..4 には解析したγ R と l' R を示し, これらの変化を横傾斜角 φ に対して表示したのが Fig である これより,l' R は傾斜角の絶対値の増加と共にやや大きくなり,γ R は逆に小さくなる傾向がある なお,γ R が横傾斜角の増加で減少する傾向は KCS 模型船と同様である Table 3..4 傾斜角に対する整流係数 roll angle γ R l' R y =.59x + 1 :l R.5. :γr gr l'r y = -.93x + 1 φ (deg) Fig 横傾斜角に対する整流係数の変化 37

43 3..1 まとめ供試船を 軸 1 舵のフェリー船型として, 横傾斜をパラメータに加えた斜航試験,CMT を実施しこれを解析することによって, 横傾斜が種々の操縦流体力に及ぼす影響と特徴を調べた 得られた結論を下記に要約する 1) 横傾斜をすることによって, 主に Y'φ, N'φの微係数が発生するが, 本模型船では Y'φはプラス,N'φはマイナスとなり,N'φの絶対値は KCS コンテナ船よりやや大きい )3 自由度数学モデルの線形微係数の横傾斜による変化は KCS コンテナ船同様に少ないが,N'r はやや減少する傾向にある これらは, 前述の N'φと合わせて, 低 GM や高速航走で旋回による横傾斜が大きくなる場合, 旋回性能が強く, 針路安定性が低下する方向となる 3)KCS コンテナ船同様, 船体の整流係数も少なからず横傾斜の影響を受け, 横傾斜の増加とともに整流係数が低下し, 舵の針路安定効果が減少する傾向にある 4) 自航要素 (1-t), (1-w), また舵に関する前後方向の干渉係数 (1-t R), 舵 プロペラ位置での伴流係数比 εおよび プロペラ増速率 κ は φ に対してほとんど変化しない なお, k x について 軸 1 舵フェリーの値が他船と比 べて小さくなっている これはフェリーが 軸 1 舵であり, 舵位置でのプロペラによる流入速度の増速が 小さいためである 38

44 3.3 漁船船型の CMT 供試模型模型船の要目を Table に示す 本船は 135 トン型の旋網漁船で縮率は 1/ とし, 船体をフレーム構造とし, 自由航走模型実験も可能なように模型船重量を可能な限り軽量化した 拘束模型実験は, プロペラ無しの状態について IHI 横浜の運動性能水槽で CMT 試験を, また, 舵 プロペラ付きの状態については北大水産学部の小型曳航水槽で斜航試験 舵角試験を実施した Table 供試船の主要目 実船 模型船 (1/ ) Lpp m B (molded) m da (molded) m dm (molded) m df (molded) m BL.trim m.. Initial trim m m x G(=-Lcb) m D p m A R A R/Ldm 1/6. aspect ratio Fig 供試模型船のプロファイル 3.3. 舵付き船体の拘束試験とその結果 φ, K x, u, X 拘束模型試験は, 船体と舵付きの状態であるが, プ ロペラは装着していない 船体流体力は Fig.3.3. に示 hull す原点を船体中央に固定した座標系に従って計測し, y, v, Y 旋回 斜航による模型船及び検力計の慣性力は解析の δ ψ, r, N 段階でこれらを全て控除した 検力計は一点ゲージ方 rudder z 式とし, 平面は船体中央, 高さ方向は模型船の重心に近づけたが, 必ずしも一致できず, 後述する解析の段 Fig DOF 操縦流体力の座標系階で補正した 4 分力計 (X,Y,N,K) はこの実験用に新たに製作し, 分力における各軸の干渉を極力小さいものにした 一点ゲージ方式の場合, 特に N モーメントが大きく, ゲージ歪みが大きくなるので, この干渉力については, 事前に検定を行い, 解析の段階で補正を行った 模型船はヒ-ブ, ピッチ, の 方向を自由とし,roll 方向は所定の横傾斜角を設定して固定した 39

45 Fig 供試模型船の実験写真 舵の力は, 小型の操舵機を製作し, これに取り付けた 分力計で舵直圧力と舵長手方向の力を船体流体力と同時に計測を行った ただし, 舵直圧力は Fig の座標系にもとづいて, 水平方向成分とした 試験のパラメータは, 傾斜角が 1,, -1, - の4 状態について,Fig に示すように,β と r' を左右の旋回で対称にして組合せて CMT を行った 舵角は中央を原則としたが, 各試験状態で操舵を行い, 運動状態に対する舵の有効流速と迎角を計測した 船速は 1.m/s (Fn=.5) である r' β -.8 Fig CMT における β と r' の組合せ 計測した流体力は, 模型船及び検力計の慣性力を控除した後, 以下のように無次元化した ρ X = X / LdU ρ Y = Y / LdU ρ N = N / L du ρ K = K / Ld U ただし,L: 船の垂線間長 (=L pp) d: 船の平均吃水 (=d m) U: 船速, ρ : 水の密度 (3.3.1) 4

46 1) 主船体流体力の解析本実験は舵付き状態であるので,MMG の取扱いに準じて, 同時に計測された舵直圧力および, 舵 船体間の干渉力を含めて控除した ただし, 流体力係数に含まれる付加質量成分は含んだままである 横傾斜角が付いた状態の船体流体力は左右非対称な力が存在するので,β と r' の左右非対称項を含めた (3.3.) 式に示す流体力モデルで, 最小自乗法により一括解析した 各微係数の値を Table 3.3. に示す X = X + X β + X r + X β + Y = Y + Y β + H H + Y + N 3 β + Y ( X m ) ( Y m ) + Y β + Y βr + Y r N = N + N β + N r H ββ ββ βββ r β r βr ββ r + N β + N βr + N r ββ β βββ β β β r 3 β + N r βr + X r β r + Y βr r r ββ r x y rr rr βrr β r + N βr βrr rr + X + Y r rrr N r rrr ββββ 4 β (3.3.) Table 3.3. 各傾斜角に対する主船体流体力微係数 (HR 状態で舵力成分は控除 ) roll angle Surge force X' X' β X' r X' ββ X' βr-m' y X' rr X' ββββ Sway force Y' Y' β Y 'r-m' x Y' ββ Y' βr Y 'rr Y' βββ Y' ββr Y' βrr Y' rrr Yaw moment N' N' β N' r N' ββ N' βr N' rr N' βββ N' ββr N' βrr N' rrr

47 ) 流体力微係数の横傾斜角に対する変化 (3.3.) 式で解析した船体流体力微係数を横傾斜に対して表示する Fig には定数項 :Y', Y' のφに対する変化を示す φ に対してほぼ直線的に変化し, この項は Y'φφ, N'φφとなる 同図には SR18 コンテナ船の結果と比較するが, 本船の Y'φはマイナスでかなり大きい N'φもマイナスであり,KCS コンテナ模型船よりやや大きくなっている.8 Y'.4 M SR-18.4 N'. M SR φ (deg) y = x φ (deg) y = -.11 x Fig 横傾斜角に対する Y', Y' (φ= の値を零として表示 ) 線形微係数 :Y'β, N'β,Y' r, N' r のφ に対する変化をφ= の微係数で正規化して Fig に示す これらの線形微係数はいずれも φ に対してほぼ直線的に変化する傾向にある この内, 斜航流体力の着力点は, 横傾斜角の増大に対してやや短くなり, 針路安定性が良くなる方向にある点がコンテナ船やフェリー船型と異なっている Y'β N'β l'b y =.55x + 1 y = -.41x + 1 φ (deg) Y'r-m'x -N'r l'r y =.8x + 1 y = -.1x + 1 φ (deg) Fig 線形微係数の傾斜角に対する変化 (φ= の値を 1 として比率を表示 ) 横傾斜がない場合は本来存在しない非線形微係数が横傾斜によって現れる これらを Fig に示す これらの項から,X については,X'βφ, X' rφ,y については,Y'ββφ, Y'βρφ,Y' rrφ,n については,N'ββφ, N'βρφ,N' rrφ の微係数が存在することになる 4

48 ..1 y =.79 x -.1 y =.65 x φ (deg) -.1 X'β X'r -. Y'ββ Y'βr Y'rr y =.637 x y = x φ (deg) -.1 y = -.51 x y =.458 x +.75 y = -4.5E-4x - 1.5E y = x φ (deg) -.1 N'ββ N'βr -. N'rr Fig 横傾斜角に対する非対称型非線形微係数 (φ= の値を零として表示 ) Fig には3 自由度の左右対象型非線形微係数の横傾斜に対する変化を φ に対して示す 上段は, 直進抵抗係数を含む非線形微係数であるが, 直進抵抗係数 X' や付加質量成分となる Y'βr の横傾斜の変化は少ない Y,N の対称型非線形微係数 :Y'βββ, Y'ββr, Y'βrr, Y' rrr および N'βββ, N'ββr, N'βrr, N' rrr のφ に対する変化についてはφ= の微係数で正規化して Fig の下段の左右に示す これらは概ね φ で変化する傾向にあり,Y'βββ(1+cβββ φ )β 3 といった形で表現することができる これらのφに対する変化は,KCS 模型船ではわずかであったが,Y'βββ, Y'ββrと N'βββの横傾斜影響はやや大きく現れている 1 X' X'ββ X'βr-m'y X'rr X'ββββ y =.1x + 1 y =.35x + 1 y = -.1x + 1 y = -.46x + 1 y = -.1x φ (deg) 5 1 Y'βββ Y'ββr Y'βrr Y'rrr y = -.99x + 1 y = -.169x + 1 y = -.378x + 1 y = -.445x φ (deg) N'βββ N'ββr N'βrr N'rrr y =.74x + 1 y = -.8x + 1 y = -.111x + 1 y = -.99x + 1 φ (deg) Fig 対称型非線形微係数の横傾斜角に対する変化 (φ= の値を 1 として比率を表示 ) 43

49 以上を考慮すると,4 自由度の船体流体力モデルは既に述べた (.1.7) 式で表現でき,φ に対する変化を表す係数を Table に, 前節の KCS コンテナ船型と比較して示す Table 横傾斜に対する微係数変化 surge force 漁船船型 KCS m X' c x. -.1 X'βφ X' rφy X'ββ c xββ X'βr-m' y c xβr X' rr X'ββββ c xββββ sway force Y' Y'φ Y'β c yβ.3.5 Y' r-m' x c yr Y'ββφ Yβrφ Y' rrφ Y'βββ c yβββ Y'ββr c yββr Y'βrr c yβrr Y' rrr c yrrr yaw-moment N' N'φ N'β c nβ N' r c nr N'ββφ N'βrφ N' rrφ N'βββ c nβββ N'ββr c nββr N'βrr c nβrr N' rrr c nrrr ) 横傾斜モーメントの変化各横傾斜角について, 横力と横傾斜モーメントの関係を, 単純斜航状態, 単純旋回状態, およびβと r を組み合わせた場合に分けて Fig に表示する 44

50 y = x y = -.983x -.. pure swaying pure yawing yaw and sway negative large sway. pure swaying pure yawing yaw and sway negative large sway y = x y = x φ=+1 y = -1.45x -.8 φ= y = x y = -.867x y = x pure swaying pure yawing yaw and sway negative large sway. pure swaying pure yawing yaw and sway negative large saway y = x y = -.645x φ=-1 y = x +.5 φ=- y = x Fig 各傾斜角における Y H と Z H の関係 ( 横軸 : 横力係数, 縦軸 : 横傾斜モーメント係数 ) ここで, 上下位置を z = z d = K Y と表現し, z = 1. を BL, z =. を WL に換算して Table お よび Fig に示す H H m H H H H Table 横力の見掛け作用位置 z' H roll angle z' H(pure sway) z' H(pure yaw) z' H(sway & yaw)

51 WL z'h(p.sway) z'h(p.yaw) z'h(sway & yaw) BL 1. φ (deg) Fig 解析した z' H の横傾斜に対する変化 以上の実験結果から, 見掛けの横力の作用位置 z' H は, 単独斜航状態 ( 旋回角速度 =) 流体力による上下位置は, コンテナ船型同様, 水面下の.5~.7d 付近にあり, 傾斜角によってやや変化する 単独旋回状態 ( 斜航角 =) では水面下.3~.35d 付近となる これはコンテナ船型やフェリーでは水面上 となっていた点と異なっている この原因として, 漁船船型では流体横力 ( Y m )r が比較的大きく,z' H が 精度よく得られた可能性がある 旋回しながら斜航する場合, ややバラツキがあるが, 水面下.5~.55d 付近にあり, これも傾斜角によって大きく変化しない この傾向も KCS 模型船とほとんど同じ値になっている r x 4) 整流係数の横傾斜角変化拘束模型実験は舵付き状態で, 直進状態のみならず,CMT においても舵角試験を行い, 舵直圧力を計測したので, 横傾斜に対する舵の有効迎角の特性を調べることができる Table には解析したγ R と l' R を示し, これらの変化を横傾斜角 φ に対して表示したのが Fig である これより,l' R の横傾斜に対する変化はほとんど見られないが,γ R は横傾斜の増加に対して若干小さくなる傾向がある なお,γ R が横傾斜角の増加で減少する傾向は前報のコンテナ型船やフェリー船型と同様である Table 傾斜角に対する整流係数 roll angle γ R l' R y = -.1x + 1 :l R.5. :γr gr l'r y = -.64x + 1 φ (deg) Fig 横傾斜角に対する整流係数の変化 46

52 3.3.1 まとめ供試船を漁船船型として, 横傾斜をパラメータに加えた斜航試験,CMT を実施しこれを解析することによって, 横傾斜が種々の操縦流体力に及ぼす影響と特徴を調べた 得られた結論を下記に要約する 1) 横傾斜をすることによって, 主に Y'φ, N'φの微係数が発生するが, 本模型船では Y'φ,N'φは共にマイナスとなり,N'φは KCS コンテナ船よりかなり大きい ) 線形微係数の変化はコンテナ船やフェリー同様に少ないが,Y'β はやや増加し針路安定性が上記とは逆に良くなる傾向となる 3) 船体の整流係数はやや横傾斜の影響を受け, 横傾斜の増加とともに整流係数が低下し, 舵による針路安定効果はやや減少する傾向となる 4) 操縦運動中の横傾斜モーメントについては, 横力の見掛けの作用点は,KCS コンテナ船同様, 単純斜航時は水面下に喫水の.6 倍程度にあり, 単純旋回状態では, やや浅くなって.3~.35d 水面下にある 旋回と斜航が混在する場合は, 運動の大きさにかかわらず,.5~.55d 水面下にある 47

53 3.4 CMT GM Hirano and Takashina[1] [] [3] [4] Kim [5] PMM [6] (Circular Motion Test;CMT) 3 CMT 3.4. (1) Fig.1 O X Y Z X Y Z [?]o xyz x y z o X x ψ x, y p u, v z r U u + v fi tan 1 ( v=u) ffi () Table 1 (CS) (PCC) (FERRY) L B d 3 Volume C b x G 48

54 X x U v β u o r y y o O ψ δ φ z Y Fig.1: Coordinate systems 3 Fig. FERRY CS FERRY PCC Table 1 (F n ) Table 1: Principal particulars of ship models CS PCC FERRY L (m) B (m) d (m) Volume (m 3 ) C b x G =L F n (3) 4 (X) (Y ) (N) (K) fi r ffi ffl fi deg deg ffl r :. 49

55 ! ( '!! ")**+ " #$ - ( / 1 % 1 # 分力計は 模型船の配置スペースの関係で 静水面より上方に設置するしかなかった その場 合には ロールモーメントの計測値に 遠心力の横力成分によるモーメント成分が混入する こ のような慣性力によるロールモーメント成分は 計測値から除去し さらに静水位置での 軸ま わりのロールモーメントに変換した なお 静的な横復原モーメント成分はゼロとして計測した 流体力は ベースで無次元化し を付けてそれを表示する また 流体力は微係数 表示によるフィッティングを行い 操縦流体力微係数を定める ¼ は無次元化された横流れ速度 ¼ 無次元化された回頭角速度 ¼ ヒール角 による 次形式に ¼ の項を付加した表示 ¼ ¼ ¼ は 次 次形式で表示する ただし 本計測では ¼ が比較的小さいので ¼ の 乗以上 の項は省略することとした 具体的な表示を次に示す % % % % & % ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ & ¼ ¼ ¼ 6 ¼ & ¼ ¼ & ¼ ¼ ¼ &! ¼ ¼ & ¼ ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ ¼ ¼ 6 ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ &! ¼ ¼ & ¼ ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ ¼! ¼ 6 ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ & ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ ¼! ¼ 6 ¼ ¼ & ¼ ¼ & ¼ & ここで ¼ は抵抗係数 ¼ % ¼ 等は操縦流体力微係数である それらは最小自乗を用いて決定 した 水槽試験結果 " #$ に斜航角に対するヒール変更時の横力 ¼! 回頭モーメント ¼! ロールモーメント ¼! 係数の試験結果を示す ¼ がゼロの結果である ヒール角の絶対値が大きくなるにつれて ( と 5

56 FERRY Y PCC ffi N ( ) 3 (1) (4) 3 Y N K K (ffi) (fi) (4) (4) 5 K Fig.4 (r ) (Y ) (N ) fi Y Y CS PCC (ffi) Y FERRY N 3 Fig.5 (fi) X r fi X fi X fi > X fi < X 3 Table X vr Y r 51

57 Table : Hydrodynamic derivatives based on midship position CS PCC FERRY X vv X + vr m y X vvvv X vffi X rffi X ffiffi Y v Y m r x Y vvv Y vvr Y ffi Y vvffi Y vffiffi Y rffiffi N v N r N vvv N vvr N ffi N vvffi N vffiffi N rffiffi K v K r K vvv K vvr K ffi K vvffi K vffiffi K rffiffi

58 Y. CS Y. PCC Y. FERRY β = (deg) β = (deg) β = (deg).1 β = 15(deg).1 β = 15(deg).1 β = 15(deg) β = 1(deg) β = 1(deg) β = 1(deg) β = 5(deg) β = (deg) β = 5(deg) β = 5(deg) β = (deg) β = 5(deg) β = 5(deg) β = (deg) β = 5(deg) β = 1(deg) β = 1(deg) β = 1(deg).1 β = 15(deg).1 β = 15(deg).1 β = 15(deg) β = (deg) fitting φ (deg) N CS β = (deg) β = 15(deg) β = 1(deg) β = 5(deg) β = (deg) β = 5(deg).6 fitting φ (deg) K CS β = 1(deg) β = 15(deg) β = (deg).8 fitting φ (deg) β = (deg) β = 15(deg) β = 1(deg) β = 5(deg) β = (deg) β = 5(deg) β = 1(deg) β = 15(deg) β = (deg) β = (deg) fitting φ (deg) N PCC β = (deg) β = 15(deg) β = 1(deg) β = 5(deg) β = (deg) β = 5(deg) β = 1(deg).4 β = 15(deg).5.6 fitting β = (deg) φ (deg) K PCC fitting φ (deg) β = (deg) β = 15(deg) β = 1(deg) β = 5(deg) (deg) β = 5(deg) β = 1(deg) β = 15(deg) β = (deg) fitting φ (deg) N FERRY β = (deg) β = (deg).6 fitting φ (deg) K FERRY β = 15(deg) β = 1(deg) β = 5(deg) β = (deg) β = 5(deg) β = 1(deg) β = 15(deg) β = (deg).8 fitting φ (deg) β = (deg) β = 15(deg) β = 1(deg) β = 5(deg) (deg) β = 5(deg) β = 1(deg) β = 15(deg) β = (deg) Fig.3: Lateral force, yaw moment and roll moment coefficients with different drift angles versus heel angle (r =) 53

59 Y..1 CS Y..1 PCC Y..1 r =. r =.1 r = r =.1 r =. FERRY.1 r =. r =.1 r = r =.1 r =. fitting φ (deg) N CS..1 r =. r =.1 r = r =.1 r =. fitting φ (deg) N PCC..1 fitting φ (deg) N FERRY r =. r =.1 r = r =.1 fitting r = φ (deg).1 r =. r =.1 r = r =.1 r =. fitting φ (deg).1 r =. r =.1 r = r =.1 r =. fitting φ (deg) Fig.4: Lateral force and yaw moment coefficients with different non-dimensional yaw rate versus heel angle (fi =) fitting 1 1 β (deg).1 fitting 1 1 β (deg).1 fitting 1 1 β (deg).1... CS.3.4 X.5 φ = (deg) φ = 5 (deg) φ = 1 (deg) φ = 15 (deg) PCC.3.4 X.5 φ = (deg) φ = 5 (deg) φ = 1 (deg) φ = 15 (deg) FERRY X φ = (deg) φ = 5 (deg) φ = 1 (deg) φ = 15 (deg) Fig.5: Surge force coefficients with different heel angle versus hull drift angle (r =) 54

60 3.4.4 (1) Y ffi N ffi Table 3 Y ffi N ffi CS S175 SR18 LPS PCC CS-twin CS-sngl 1 (m ) Fig.6 v, r, ffi Y ffi N ffi Y ffi N ffi [?] N ffi N ffi Y ffi N ffi -.8 Table 3: Comparison of Y ffi, N ffi and z v=d name L=B B=d C b m Y ffi N ffi z v =d remarks CS Present PCC Present FERRY Present H-CS Hirano[1] S Son[] F-LPS Fujiwara[3] F-PCC Fujiwara[3] CS-twin Kim[5] CS-sngl Kim[5] Y φ..1 ONRT S175 FERRY H CS F PCC F LPS.1 PCC CS m N φ ONRT S175 H CS FERRY F PCC PCC F LPS CS m Fig.6: Comparison of Y ffi and N ffi versus mass coefficient m 55

61 () K Y Fig.7 FERRY Y K (ffi) K Y fi K Y K Y z v z v = K v =Y v (5) L K Y z v Table 3 z v =d (m ) Fig.8 F-PCC z v =d Fig.8 CS-sngl z v =d.5.7 z v Y Fig.7 K Y FERRY φ = (deg) φ = 5 (deg) φ = 1 (deg) mean Fig.7: Comparison of K versus Y for various heel angles z v / d S175 FERRY CS sngl CS twin PCC F LPS CS m Fig.8: Comparison of z v =d versus mass coefficient m (3) Table Table 4 Y, vffiffi Y, rffiffi N, vffiffi N rffiffi (ffi) Yv, Yr, Nv, N r Y vffiffi CS, FERRY 56

62 PCC CS, FERRY PCC N vffiffi CS, PCC FERRY Y 3 rffiffi N 3 rffiffi Y, vvffi N vvffi Y N v v Y vvffi N vvffi v ( ) 3 Y vvffi N vvffi Y N Table 4: Comparison of nonlinear terms related to heel angle CS PCC FERRY Y vffiffi N vffiffi Y rffiffi N rffiffi Y vvffi N vvffi [1] Hirano, M. and Takashina, J. : A Calculation of Ship Turning Motion Taking Coupling Effect due to Heel into Consideration, 59 (198), pp [] 15 (198), pp [3] (6), pp

63 [4] 93 (1997), pp [5] Kim, Y.-G., Kim, S.-Y., Kim, H.-T., Lee, S.-W. and Yu, B.-S.: Prediction of the Maneuverability of a Large Container Ship with Twin Propellers and Twin Rudders, J. Marine Science and Technology, Vol.1, No.3 (7), pp [6], ( ), 19 (5), pp

64 3.5 横傾斜時のやせ形船操縦流体力の CFD 計算 はじめに船舶の操縦性能に横傾斜が与える影響は大きく 決して無視できないものである この影響を確認するため これまでに本委員会メンバーであるジャパンマリンユナイテッド と北海道大学 独立行政法人海上技術安全研究所は共同研究としてジャパンマリンユナイテッド運動性能水槽において KCS の自由航走試験 及び横傾斜を考慮しヒール角を数ケース変更した拘束旋回試験を実施してきた これらの水槽試験の結果から横傾斜が操縦運動に与える影響は実験的にも確認されている 1) しかし この横傾斜を発生させている X 軸まわりのモーメントについて単純斜航時の横力の着力点を解析したところ船底より深い位置に着力点があるという結果となった この現象の原因解明にあたり 実験値からは検討が難しいことから CFD を用いた KCS の操縦運動時の計算を実施し 船体に働く流体力の検討を行った 3.5. 計算条件本検討では KCS を対象に裸穀状態の操縦運動中流場の CFD 計算を実施しており CFD コードには海上技術安全研究所殿開発の SURF (Solution algorithm for Unstructured RaNS with FVM) ) を 格子作成には商用ソフトである Gridgen を用いた 格子トポロジーは H-O 最小格子間隔は境界層方向に としており 格子セル数は両舷格子で 4 万点程度の構造格子とした 計算は模型スケールとし 造波を考慮しない二重模型モデル 乱流モデルには Sparart-Allmaras モデルを用いている Fig.1 に格子の概要図を Table1 に供試船の主要目を示す 計算状態は自由航走試験の舵角 15 35deg. の結果を参考に Re= ( 定常船速 Vm=.916) で横傾斜 (φ= ) 有無 ケース Re= ( 定常船速 Vm=.641) で横傾斜 (φ= ) 有無 ケースの全 4 ケースについて行った Fig.1 格子概要図 ( 上 : 側面図 左 : 正面図 左 : 正面図傾斜付き ) Table1 船体主要目 KCS Lpp [m] 3.5 Cb.651 Bwl [m].47 GM [m].79 T [m].143 KG [m]

65 3.5.3 計算結果はじめに各ケースについて船体に働く流体力の計算値を Fig. に示す 比較のため実験結果をともに示しているが 先に行った CMT(Vm=1.1m/s φ=.8deg.) の結果である グラフを見ると Y N については実験値をよく推定できているが K は過小評価する結果となっている また単純斜航時には横傾斜の影響は流体力に大きく表れないことがわかる Fig. 無次元操縦流体力 ( 上より Y, N, K 横軸 β) 次に問題となっている X 軸まわりモーメントについての横力の着力点の計算結果を Fig.3 に示す ただし ここで示しているのは船体の X 軸まわりモーメントが横力のみによるとした場合の値であり X Y N K を 計測した実験の解析結果と同様のものである 単純斜航時の横力の縦方向着力点は前述のとおり実験値では 6

66 zh/dm が-1 を超え 船底より下となっており 旋回運動が加わると半分程度の大きさとなることがわかる この傾向は CFD の結果からも確認でき 単純斜航時の着力点は船底を超えるまではいかないが 横傾斜の有無によらず dm/ を超え 船底近くの大きい値となっている これに旋回運動が加わると着力点が半分程度となるところも実験と同様の結果が確認できる Fig.3 横力の縦方向着力点 ( 上から実験値 CFD_φ= CFD_φ 有 ) しかし 実際に上記のように横力着力点が船底より深くなるとは考えにくく これには別の要因としてこれまであまり試験では計測されてこなかった上下力の影響が含まれていると考えられる そこで次に CFD の結果から単純斜航時の X 軸まわりモーメントを横力成分と上下力成分に分けて算出した結果を Fig.4 に示す グラフ中の Mx _y Mx _z はそれぞれ X 軸まわりモーメントの横力 上下力成分を表す 61

67 Fig.4 から単純斜航時の X 軸まわりモーメントのうち横力による成分は 6% 程度であり 4% 程度は上下力によるモーメントであることがわかる これを踏まえて X 軸まわりモーメントの横力成分に対する横力の着力点を計算した結果を Fig.5 に示す 横力成分のみで検討すると zh/dm は-.3 程度となり一般的な値となり これは船速 横傾斜角によらないことがわかる また旋回運動が加わると着力点が大きくなる傾向となっている Fig.4 単純斜航時の X 軸まわりモーメント成分 6

68 Fig.5 横力の縦方向着力点 (X 軸まわりモーメントの横力成分のみから算出 ) ( 上から CFD_φ= CFD_φ 有 ) 次に Fig.6 に単純旋回時の X 軸まわりモーメントの各方向成分を示す この結果から単純旋回時には X 軸まわりモーメントの上下力成分が横傾斜角 φ によって大きく変化していることがわかる この時の船体に働いている現象を見るため Rn= (Vm=.916 相当 ) の航走状態ごとの船体表面圧力分布を Fig.7 に示す 旋回時の圧力分布を見ると船尾部の負圧は横傾斜がつくことで小さくなっているように見えるが グラフを見るとおり Mx_z は横傾斜有りで大きくなっており 逆の傾向のように思われる ただし CFD の流体力の各方向成分は傾斜なしの船体固定座標で出しているため 横傾斜によって 船尾負圧部がモーメント中心から若干遠くなっていること 船首側部の圧力が影響していることなどの原因が考えられる 63

69 Fig.6 単純旋回時の X 軸まわりモーメント成分 64

70 r =. β= r =.4 β= Fig.7-1 単純旋回時圧力分布 _φ= r =.8 β= 65

71 r =. β=1 r =. β= Fig.7- 単純斜航 及び連成運動時圧力分布 _φ= r =.4 β= 66

72 r =. β= r =.4 β= Fig.7-3 単純旋回時圧力分布 _φ=-7.36 r =.8 β= 67

73 r =. β=1 r =. β= r =.4 β= Fig.7-4 単純斜航 及び連成運動時圧力分布 _φ=

74 3.5.4 結言本検討から操縦運動に大きな影響を与える横傾斜には運動時の上下力の影響が少なからず関わっていることがわかった この上下力を考慮しなければ横力の着力点の変化など船体に起きている現象を誤って判断してしまうおそれがあり また旋回時にはそれ自体が運動 横傾斜の角度などに大きく影響している 今後さらに検討を深め この影響を把握していく必要がある 参考文献 [1] Yoshimura, Y., Fukui, Y., Yokota, H., Yano, H., Mathematical Model for Manoeuvring Simulation including Roll motion, Spring Meeting of Society of Naval Architects Japan, (13) [] Hino, T., Navier-Stokes Computations of Ship Flows on Unstructured Grids, Proc. of the nd Symp. on Naval Hydro., (1998) 69

75 4. 横傾斜を考慮した船の自由航走模型試験ならびに実船試験 4.1 痩せ型船の GM 変更時自由航走模型試験 (1) 供試模型について 本研究では重心高さと操縦性能の関係を明らかにすることを目的として 比較的重心高さの高いコンテナ船型を供試模型とした 供試模型の主要目を Table1 に 供試模型の写真を Fig.1 に示す Table 1 Principal dimension L pp B.465 D.517 d.143 Cb.651 scale 1/ 水槽実験について 水槽実験は海上技術安全研究所 ( 以下 海技研とする ) の実海域再現水槽にて行った 実験の手法は自由航走とし 旋回性能を確認するために旋回及び逆スパイラル実験を 保針性能を確認するために Z 操舵実験を行った Fig.1 Photograph of hips model 模型船には FOG(Fiber Optical Gyro) とスラスト計 舵力計を搭載し ロール ピッチ ヨーの角度及び角速度 推力と舵力の計測を行った さらに 自由航走試験で必要となる船速 (U) 偏角 (β) 航跡は実海域再現水槽に整備されている自動追尾システムにて算出した データの計測に用いた座標系を Fig. に示す φ X θ ψ Y Z Fig. Coordinate system 自動追尾システムは模型船に取り付けたターゲットを認識することでデータの計測を行っている そのため 大きな船体運動を伴う計測を行った場合には 船体運動によるターゲットの移動も計測することとなる 本計測では模型船が大きく横傾斜したため 模型船に搭載した FOG のデータを用いてこの運動による影響を除去 7

76 した 実験状態は船速 (U ) は 1.4m/s( 実船で 4.kt 相当 ) で GM は.8cm 1.7cm 4.37cm( 実船で.6m 相当 1.8m 相当 3.3m 相当 ) とした 本報告では特に δ=-35 度旋回実験と 1 度 /-1 度の Z 操舵実験について取り上げる 1-35 度旋回実験について 操縦運動において横傾斜が特に問題となる -35 度旋回実験を行い GM の違いが旋回性能に及ぼす影響について確認を行った その際の定常状態での無次元旋回角速度 (r'=rl/u) 偏角 船速低下量 (U/U ) を Table に示す Table より定常状態には GM の違いは殆ど影響を及ぼさないことが確認された Table Turning indexes ( δ= -35 deg. ) GM=.6M GM=1.8M GM=3.3M R' Β U/U m 相当 1.8m 相当 3.3m 相当.5. X/L Y/L Fig.3 Turning trajectories (δ= -35 degrees) 航跡を Fig.3 に示す 横軸は横方向の距離を船長で無次元化した値 (y/l) を 縦軸は縦方向の距離を船長で無次元化した値 (x/l) とした GM の違いは定常状態には殆ど影響を及ぼさないが 航跡にはその影響があることが確認された GM=1.8m 相当と GM=3.3m 相当については縦距や横距 旋回圏がほぼ同一であるが GM=.6m 相当については全ての値が小さくなり 旋回性能が向上していることが確認された 71

77 m 相当 1.8m 相当 3.3m 相当 m 相当 1.8m 相当 3.3m 相当 r' β (deg) T (sec) Fig.4 Time histories of yaw rate (δ= -35 degrees) T (sec) Fig.5 Time histories of drift angle (δ= -35 degrees) m 相当 1.8m 相当 3.3m 相当 m 相当 1.8m 相当 3.3m 相当 U/U T (sec) Fig.6 Time histories of speed drop ratio (δ= -35 degrees) φ (deg) T (sec) Fig.7 Time histories of roll angle (δ= -35 degrees) 7

78 次に航跡の違いを検証するために 旋回運動中の時系列データを Fig.4~Fig.7 に示す Fig.4 は旋回角速度 (r) Fig.5 は偏角 (β) Fig.6 は船速低下量 (U/U ) Fig.7 はロール角 (φ) を示す Table にも示したが Fig.3~Fig.5 については実験開始から 秒以降は 3 状態ともほぼ同一の値となっていることがわかる そのため 航跡の違いは 秒よりも以前の操縦運動の違いに起因していると考えられる 実験開始から 秒までの傾向は GM=.6m 相当 GM=1.8m 相当 GM=3.3m 相当の順に操縦運動が小さくなっており これは航跡の傾向と一致している しかし 発達のタイミングはそれぞれ異なることがわかる Fig.7 より GM の違いはロール角に大きな影響を及ぼすことが確認された ロール角については定常状態でも異なるが その差は約 3 度である この程度の差は定常状態での操縦性能に殆ど影響を及ぼしていないことがわかる 1/-1 度 Z 操舵実験について GM が小さくなると針路不安定な傾向を示すということが知られている そこで 1/-1 度 Z 操舵実験を行い GM の違いが針路安定性に及ぼす影響について確認を行った Fig.8~Fig.1 に GM を変更した方位角 (ψ) と操舵角 (δ) の時系列データを示す また Z 操舵実験の指標となる 1st オーバーシュート角と nd オーバーシュート角を Table 3 に示す Table 3 Overshoot angle of 1/-1 zig-zag maneuvers GM=.6M GM=1.8M GM=3.3M 1ST OSA ND OSA Fig.8~Fig.1 より各状態により 1st オーバーシュート角や nd オーバーシュート角や発生するタイミングが異なることが確認された Table 3 より 本実験でも GM が小さくなるにつれて針路不安定な傾向を示していることがわかる 針路安定性の違いを検討するために Z 操舵実験中の時系列データを Fig.11~Fig.14 に示す Fig.11 は旋回角速度 (r) Fig.1 は方位角 (ψ) Fig.13 は船速低下量 (U/U ) Fig.14 はロール角 (φ) を示す Fig.11~Fig.13 より実験開始から舵を反転するまでは 3 状態ともほぼ同一の値となっていることがわかる しかし Fig.14 より操舵直後の内向傾斜やその後の外向傾斜の傾斜角が異なることが確認された 舵を反転後以降の違いはロール角の違いに起因していると考えられる 旋回試験と同様に GM=1.8m 相当と GM=3.3m 相当の違いはそれほど大きくなく 運動が発達した nd オーバーシュートでは約 度の違いではあるが 1st オーバーシュートについては約.6 度しか違いがない しかし GM=.6m 相当だけが他の 状態と比べて時間が経過するにつれて時間遅れが大きくなることがわかる これは操縦運動に伴う外向傾斜の発達が大きく 最大値が発生するタイミングが他の 状態よりも遅れることに起因すると考えられる 73

79 δ ψ. δ ψ ψ, δ (deg). -1. ψ, δ (deg) Time (sec) Fig.8 Time histories of heading and rudder angle (1/-1 zig-zag maneuvers, GM=.6m) Time (sec) Fig.9 Time histories of heading and rudder angle (1/-1 zig-zag maneuvers, GM=1.8m) 3.. δ ψ 1. ψ,δ (deg) Time (sec) Fig.1 Time histories of heading and rudder angle (1/-1 zig-zag maneuvers, GM=3.3m) 74

80 m 相当 1.8m 相当 3.3m 相当 m 相当 1.8m 相当 3.3m 相当 r ψ (deg) T (sec) Fig.11 Time histories of yaw rate (1/-1 zig-zag maneuvers) T (sec) Fig.1 Time histories of heading angle (1/-1 zig-zag maneuvers) m 相当 1.8m 相当 3.3m 相当 m 相当 1.8m 相当 3.3m 相当 U/U.95 φ (deg) T (sec) T (sec) Fig.13 Time histories of speed drop ratio (1/-1 zig-zag maneuvers) Fig.14 Time histories of roll angle (1/-1 zig-zag maneuvers) 75

81 4.1.3 横傾斜と操縦運動の関係について 上記の実験結果をもとに 横傾斜と操縦運動との関係について検討を行う -35 度旋回実験の箇所でも触れたが GM の違いが定常状態に至るまでの操縦運動に影響を及ぼすことが確認された また その影響は旋回角速度 偏角 船速低下量など項目ごとに異なることが確認された そこで 横傾斜角が最も小さかった GM=3.3m 相当を基準として 他の 状態との差分を取り比較を行った その結果 横傾斜が最初に影響を及ぼすのは旋回角速度であることが確認された 船体が横傾斜すると傾斜した側を外方傾斜とする方向に旋回することは著者らにより確認しており 通常の操舵による旋回運動に外方傾斜による旋回運動が付加されることで旋回運動が発達し易くなると考えられる 次に旋回運動の発達に伴い船速低下量が大きくなり さらに旋回し易くなる そのため GM=.6m 相当の場合には縦距や横距 旋回圏が小さいくなったと考えられる しかし 船体が横傾斜をした場合には復原力が働き 横傾斜は低減される -35 度旋回実験では定常状態での横傾斜角は約 3 度であり この程度の横傾斜では旋回運動に影響を及ぼさない そのため 定常状態での旋回性能に殆ど差が現れなかったと考えられる この傾向は Z 操舵実験でも同様のことが言える まとめコンテナ船模型を用いて重心高さを変更した自由航走実験を行い 以下のような結論が得られた -35 度旋回実験を行ったところ 定常状態については横傾斜角には多少の違いはあるが 旋回角速度や偏角などには殆ど影響が無いことが確認された しかし 航跡や定常状態に至るまでの時系列データには影響があり GM を小さくすることで縦距 横距 旋回圏が小さくなることが確認された 1/-1 度 Z 操舵実験を行ったところ GM が小さくなるにつれて針路不安定な傾向を示すことが確認された これらの影響は横傾斜に起因するもので 横傾斜をすることで主船体に働く回頭モーメントが発生し 旋回運動が発達し易くなるためと考えられる 参考文献 1) 宮崎英樹 上野道雄 沢田博史 塚田吉昭 : 自由航走試験の不確かさ解析 日本船舶海洋工学会講演会論文集 第 1 号 11 pp ) Hirano, M. and Takashina, J. : A Calculation of Ship Turning Motion Taking Coupling Effect Due to Heel into Consideration 西部造船会会報 第 59 号 198 pp ) 宮崎英樹 塚田吉昭 沢田博史 黒田貴子 : 定傾斜が旋回性能に及ぼす影響の実験的検討について 日本船舶海洋工学会講演会論文集 第 15 号 1 pp

82 4. やせ形船型の GM 変更時自由航走模型試験 () 中速船のようにやせ形船型では GM が比較的小さく, 回頭運動の発達に伴って大きな横傾斜が発生するだけでなく, その横傾斜がさらなる回頭運動を誘起することがあり, これが海難事故につながる場合がある そこで本研究では, ITTC のベンチマーク用模型船に指定されている KCS コンテナ船, 横傾斜が関わる事故を起こした船に主要目を合わせた 軸 1 舵フェリー, そして比較的フルード数が高く, 漁労機械等により重心が上がった状態で航行することもある 135GT 型旋網漁船の中速船 3 隻を供試船として横傾斜が操縦性能に与える影響について理論と実験から検討した まず, GM やフルード数を変えた自由航走模型試験を実施し, 実際に横傾斜が操縦性能に与える影響を調べた 次に, 横傾斜をパラメータとした拘束模型試験を実施し, 流体力の計測を行って横傾斜を伴う操縦運動の物理的メカニズムを明らかにし, 4 自由度操縦運動数学モデルを検討した さらに, 検討したモデルを用いて横傾斜を含む 4 自由度操縦運動シミュレーションを行い, その妥当性を確認する 4..1 GM あるいは船速を変えた自由航走模型試験横傾斜が操縦性能に与える影響を直接調べるために GM や Fn を変えた自由航走模型試験を実施した 供試模型船は Table 4..1 に示す主要目のコンテナ船, フェリー, 漁船である 各模型船は重心高さを変えて GM を変えることとし, 船速は航海船速及び半速程度とした 各模型船における GM と Fn を Table 4.. に示す Table 4..1 供試船の主要目 KCS コンテナ船 軸 1 舵フェリー 135GT 型旋網漁船 実船 模型船模型船模型船実船実船 (1/15) (1/64) (1/) L pp m B (molded) m d m (molded) m BL.trim m Initial.trim m m x G(=-L cb) m D p m P/D p A R A R/Ld m 1/ / /47.8 1/ /5.9 1/6. aspect ratio

83 Table 4.. 自由航走模型試験時の GM と Fn KCS コンテナ船 軸 1 舵フェリー 135GT 型旋網漁船 Fn GM(m) Fn GM(m) Fn GM(m) 模型船の満載排水量は 5kg 程度とかなり軽量なため, 模型船をフレーム構造として軽量 ( 約 1~15kg) に製作した他, 搭載する機器を軽量にして, バラストウエイトを kg 程度確保した これで模型船の重心高さと縦慣動半径を調節し, 所定の値に設定した 模型船の推進装置には Fig に示す小型の 6W 直流モータを使用し, 回転数一定制御方式で所定のプロペラ回転数に設定した 舵は同図の右側に示す直流サーボ方式の小型操舵機を使用し, 所定の操舵速度と操舵時定数を設定した 各実験とも, 所定の船速まで正確に加速し, アプローチの保針はプロポーショナル無線送信機によって手動操舵を行った後,Fig. 4.. に示す模型船内に搭載した自動操舵装置によって各種の試験の操舵を行った 模型船の回頭角, 角速度, 横揺れ角などは6 軸慣性ジャイロで計測し, これにプロペラ回転数と舵角を合わせて模型船内に搭載した小型データロガー (NR-) に集録した サンプル周波数は Hz である また, 模型船の位置計測には TOPCON 製トータルステーションを使用し, サンプリング周波数 Hz で計測した 前者の船内データと後者の模型船位置データの同期は, 模型船に搭載するトータルステーションの反射プリズムを Fig.4.. に示す昇降装置に取り付け, 操舵開始と同時にこのプリズムを上昇させることによって, 後者の模型船位置データに試験開始情報を取り込むことができ, 両者のデータ同期を行った その結果, 両者のデータの同期誤差はサンプリング周期以下にすることができた Fig 自航モータ, 操舵装置とそれらの制御装置 78

84 Fig. 4.. 自動操舵装置, データロガー, リチウムポリマー電池 Fig TOPCON 製トータルステーションと反射プリズム昇降装置 Fig TOPCON 製トータルステーションで計測される位置の座標系 電源は Fig. 4.. の右図に示す 6 セル型リチウムポリマー電池 (4V 5Ah, 重量約 7g)1 台を搭載し, これで 79

85 模型船内の駆動 計測 記録に至る全電源を賄った この電池で約一日分 5 走行の試験を可能にした また, 実船 GM=.1m という状態では大きな横傾斜による転覆も想定されたので, 模型船のデッキをアクリル板で密閉し, デッキ上の搭載機器も防水容器に収納した 機器を搭載した状態の模型船を Fig に示す 軸 1 舵フェリーと漁船の実験においては, 検力計アンプを搭載し, 舵直圧力の計測も行った 操舵機と舵検力 プリズム昇降装置 反射プリズム 重心高さ調整用おもり 6 軸慣性ジャイロ 検力計アンプ 無線操縦装置 データロガー リポバッテリ 自航モータモータ制御装置操舵機制御装置データ集録電源装置プリズム昇降制御装置 Fig 各種機器を搭載した状態の模型船 ( 軸 1 舵フェリー ) 自由航走模型実験は KCS コンテナ船については IHI 横浜 ( 現ジャパンマリンユナイテッド ) の運動性能水槽, 軸 1 舵フェリーと漁船については北海道大学水産学部キャンパス内の水泳プールで実施した IHI 横浜 ( 現ジャパンマリンユナイテッド ) の運動性能水槽の大きさは, 縦 7m 横幅 3m 深さ 3m であり, 水泳プールの大きさは, 縦 5m 横幅 1m 深さ 1.3m( 一部 3m) である 角水槽の実験では曳引電車で模型船を正確に加速し, 所定のアプローチ船速を設定した 北海道大学水産学部キャンパス内の水泳プールでは, 模型船の加速を人力で行ったが, 新しい船位計測システムの導入によって, 実験終了には時々刻々の正確な船速が表示されるので, 所定のアプローチ船速になっていることを毎回確認し, 初期船速がずれていた場合はその場でやり直すこととした 試験内容は, 通常の旋回試験, 逆スパイラル試験, Z 試験である これら 3 隻の試験結果から, 横傾斜の操縦運動への影響を旋回性能, 針路安定性の双方から考察する 1) 旋回試験結果と旋回性能の検討コンテナ船の舵角右 35 の旋回試験の模型船航跡を同じ Fn で GM を変えたもの, また, 同じ GM で Fn を変えたもののそれぞれを Fig と Fig.4..7 に, その時の定常時横傾斜角と合わせて示す これらの比較から, GM の減少, あるいは Fn の増加によって横傾斜が大きくなると旋回半径が小さくなり, 8

86 旋回性能が強くなることがわかる Dist./Lpp 4 3 GM=.5m GM=.6m GM=.5m GM=.3m Dist./Lpp Fig KCS コンテナ船の舵角 35 旋回試験の航跡 (GM: 変化,Fn=.6) 4 3 Dist./Lpp Fn=.6 Fn= Dist./Lpp Fig KCS コンテナ船の舵角 35 旋回試験の航跡 (GM=.6m,Fn: 変化 ) 軸 1 舵フェリーは北海道大学の水泳プールで実験を行ったが, 舵力が小さく旋回性能が弱いため旋回航跡が大きくなり, 水泳プールの中では 18 まで旋回することができなかった 舵角右 35 の旋回試験の模型船航跡を Fn=.188 で GM を変えた場合の舵角 35 の旋回試験の航跡を Fig に比較する これらの結果から, コンテナ船同様に GM の減少によって横傾斜が大きくなると旋回航跡が小さくなり, 旋回性能が強くなることがわかる 81

87 5 4 GM=1.87m GM=1.3m GM=.8m Dist./Lpp Dist./Lpp Fig 軸 1 舵フェリーの舵角 35 旋回試験の航跡 (GM 変化,Fn=.68) 漁船の舵角右 35 の旋回試験の模型船航跡を Fn=.31 で GM を変えた場合の舵角 35 の旋回試験の航跡を Fig に比較する また,GM=.m で船速を変えた場合の航跡を Fig.4..1 に示す これらの比較から, GM の減少や Fn の増加によって横傾斜が大きくなると旋回半径が小さくなり, 旋回性能が強くなることがわかる 4 3 GM=1.47m GM=.7m GM=.m Dist./Lpp Dist./Lpp Fig 漁船の舵角 35 旋回試験の航跡 (GM 変化,Fn=.31) 8

88 4 3 Dist./Lpp Fn=.31 Fn= Dist./Lpp Fig 漁船の舵角 35 旋回試験の航跡 (GM=.m,Fn: 変化 ) 83

89 )Z 試験結果と針路安定性の検討コンテナ船, フェリー, 漁船の / Z 試験の第一オーバーシュート角を GM ごとに Fig に示す これらより, 3 隻全てにおいて GM の減少や Fn の増加によって横傾斜が大きくなって, 第一オーバーシュート角が大きくなり, 針路安定性が低下する傾向がみられた 第一オーバーシュート角 (/GM 最大時の第一オーバーシュート角 ) 第一オーバーシュート角 (/GM 最大時の第一オーバーシュート角 ) 1 1 Fn=.6_freerun Fn=.156_freerun GM 実船相当 (m) 1 3 Fn=.68_freerun Fn=.188_freerun GM 実船相当 (m) 1 (KCS コンテナ船 ) ( 軸 1 舵フェリー ) 第一オーバーシュート角 (/GM 最大時の第一オーバーシュート角 ) 1 Fn=.31_freerun Fn=._freerun GM 実船相当 (m) 1 ( 漁船 ) Fig 各 GM に対する / Z 試験時の第 1 オーバーシュート 84

90 4.. 横傾斜を含めた 4 自由度操縦運動シミュレーション.1 に示した数学モデル, および 3.1~3.3 に示した拘束模型試験結果を用いて横傾斜を含めた 4 自由度の操縦運動を計算し, 前述の自由航走模型試験結果と比較して操縦運動シミュレーションによる理論的推定の妥当性を検討した 1) 旋回性能コンテナ船の舵角右 35 旋回航跡と旋回圏について, 自由航走模型試験とシミュレーション結果を Fig に示す 左側が Fn=.6 における航跡図の比較で, 右上側の図に GM=.5m の時の値を 1. として旋回圏の変化を実測とシミュレーションと比較して示す また, 下図は定常旋回中の横傾斜角の実測とシミュレーションの比較である 各図とも自由航走模型試験結果は記号で示し, シミュレーション結果は曲線で示している これらより, コンテナ船は自由航走模型試験結果, シミュレーション結果ともに GM の減少や Fn の増加によって横傾斜が大きくなると旋回圏が小さくなって旋回性能が強くなることがわかり, 自由航走模型試験とシミュレーション結果が定性的に一致していることが確認できた 4 3 Dist./Lpp GM=.5m GM=.6m GM=.5m GM=.3m Dist./Lpp Fn=.6_freerun Fn=.6_simulation Fn=.156_freerun Fn=.156_simulation 1 GM(m) 3 (Fn=.6) roll angle(deg) 1 Fn=.6_freerun Fn=.6_simulation Fn=.156_freerun Fn=.156_simulation 1 GM(m) 3 Fig GM に対する旋回航跡, 旋回圏, 定常横傾斜角の実測とシミュレーションの比較 また, フェリーの舵角右 35 旋回航跡の自由航走模型試験とシミュレーション結果を Fig に示す フェリーは舵力が小さく旋回性能が弱いため旋回航跡が大きくなり, 水泳プールの中では 18 まで旋回することができなかった そこで, スパイラル特性の大舵角の r を比較してフェリーの旋回性能について考察する フェリーの同じ Fn で GM を変えたもの, 同じ GM で Fn を変えたもののそれぞれのスパイラル特性の自由航 85

91 走模型試験とシミュレーション結果を Fig に示す 上記と同様に自由航走模型試験結果は記号で示し, シミュレーション結果は曲線で示している これらより, 自由航走模型試験結果, シミュレーション結果ともに GM の減少や Fn の増加によって横傾斜が大きくなると大舵角の r は大きくなって, 旋回性能が強くなることがわかり, 自由航走模型試験とシミュレーション結果が定性的に一致していることが確認できる 5 4 Dist./Lpp GM=1.87m GM=1.3m GM=.8m Dist./Lpp Fig GM に対する旋回航跡の実測とシミュレーションの比較 (Fn=.188) GM=1.87m GM=1.3m 1. r'(l/r) Fn=.68 Fn= r'(l/r) GM=.8m.5.5 δ(deg) δ(deg) (Fn=.68) (GM=.8m) Fig GM に対する定常旋回特性の実測とシミュレーションの比較 漁船の舵角右 35 旋回航跡と旋回圏について, 自由航走模型試験とシミュレーション結果を Fig に示す 左側が Fn=.31 における旋回航跡図の比較で, 右上側に GM=1.47m の時の値を 1. として旋回圏の変化を実測とシミュレーションとで比較して示す また, 下図は定常旋回中の横傾斜角の実測とシミュレーションの比較である 上記と同様に自由航走模型試験結果は記号で示し, シミュレーション結果は曲線で示している これらより, コンテナ船やフェリーと異なり, 漁船におけるシミュレーションは GM の減少や Fn が増加して 86

92 もほとんど変化せず, 横傾斜が大きくなると旋回圏が小さくなって旋回性能が強くなるという自由航走模型試験結果の傾向を上手く表現できていないことがわかる 4 3 Dist./Lpp GM=1.47m GM=.7m GM=.m Dist./Lpp Fn=.31_freerun Fn=.31_simulation Fn=._freerun Fn=._simulation 1 GM(m) (Fn=.31) roll angle(deg) 1 Fn=.31_freerun Fn=.31_simulation Fn=._freerun Fn=. simulation 1 GM(m) Fig GM に対する旋回航跡, 旋回圏, 定常横傾斜角の実測とシミュレーションの比較 87

93 ) 針路安定性コンテナ船, フェリー, 漁船の / Z 試験の第一オーバーシュート角について, 自由航走模型試験とシミュレーション結果を Fig の各左図に GM が最大の時の値を 1. として表示する また転舵直前の横傾斜角をそれぞれの右図に示す これらより 3 隻全てにおいて, 自由航走模型試験結果, シミュレーション結果ともに GM の減少や Fn の増加によって横傾斜が大きくなって, 第一オーバーシュート角が大きくなり, 針路安定性が低下する傾向がみられ, 自由航走模型試験とシミュレーション結果が定性的に一致していることを確認した 3 1 Fn=.6_freerun Fn=.6_simulation Fn=.156_freerun Fn=.156_simulation KCS コンテナ船 roll angle(deg) Fn=.6_freerun Fn=.6_simulation Fn=.156_freerun Fn=.156 simulation 1 GM(m) 3 1 GM(m) Fn=.68_freerun Fn=.68_simulation Fn=.188_freerun Fn=.188_simulation 軸 1 舵フェリー 1 GM(m) Fn=.31_freerun Fn=.31_simulation Fn=._freerun Fn=. simulation 漁船 roll angle(deg) roll angle(deg) Fn=.68_freerun Fn=.68_simulation Fn=.188_freerun Fn=.188_simulation 1 GM(m) Fn=.31_freerun Fn=.31_simulation Fn=._freerun Fn=. simulation 1 GM(m) 1 GM(m) Fig GM に対する / Z 試験の第一オーバーシュートと転舵直前の横傾斜角の実測と シミュレーションの比較 88

94 4..3 まとめ本論では, KCS コンテナ船, 軸 1 舵フェリー, 135GT 型旋網漁船の中速船 3 隻を供試船として横傾斜が操縦性能に与える影響について理論と実験から検討した 以下に得られた結論を要約する 1) 自由航走模型試験において, GM の減少や Fn の増加によって横傾斜が大きくなり, 旋回性能が強くなって, 針路安定性が低下することを確認した ) 横傾斜を含めた操縦運動シミュレーションでは概ね自由航走模型試験とシミュレーションの結果が定性的に一致していることから, シミュレーションの妥当性を確認した 本報では 3 隻のやせ形船型では横傾斜をすると操縦運動に少なからず影響を与えることを確認したが, 今後は数学モデルの簡略化も含めて, シミュレーション精度向上のため, 横傾斜時の流体力特性の更なる検討を行う必要があると考えられる 89

95 4.3 ヒール変更時の実船試験 緒言 荷崩れや外板損傷等が原因で船体が横傾斜すると 船体の左右対称性が壊れ 操縦性能に大きな影響を及 ぼすことがある そのような横傾斜が起こった際の操縦性能を知ることは 海難事故防止への一助になると考えられる 横傾斜しながら航行する船の操縦性能については 流体力特性を把握するための拘束模型試験をベースとした安川 平田の研究例 (1) があるが 横傾斜する船の操縦運動特性を実船試験において計測し 定量的に把握した例はないように思われる 一方で 近年では GPS 技術の発達により 船の操縦運動を高精度で計測することが可能となっている 本研究では K-GPS () を用いて Table 1 に示す主要目を持つ広島大学生物生産学部の練習船 豊潮丸 (3) を対象に 横傾斜時にはどの様な操縦運動特性を示すのか を把握するため実船試験を行った なお 豊潮丸 はバトックフロー船型を採用した電気推進船であり 舵は持たず 首振り式の推進 操舵装置 基を用いて操船する 4.3. 座標系 Fig. 1 に使用する座標系を示す 空間固定系 O-X Y Z と船体水面固定座標系 G-xyz の二つの座標系を考える 原点は試験開始時における船の重心位置にとり, その時の船の船首方向に x 軸 横方向に y 軸 鉛直下向きに z 軸をとる X 軸に対して x 軸のなす角を回頭角 ψ とする また ロール角をφとし 船を後方から見た時 時計回りの回転方向を正とする δ は首振り式の推進 操舵装置の首振り角であり 左右舷で同じ角度をとることとする この船は舵を搭載していない 船体固定系の x 軸 y 軸方向の速度成分を u v とし z 軸まわりの回頭角速度を r とする 海上試験の概要 (1) 試験の概要海上試験は直進航行試験 旋回試験 Zig-zag 試験 ( 以後 Z 試験 ) の三種類を行った CPP の翼角は BA=16deg と一定に保ち 豊潮丸 の横傾斜角をφ=+3.5deg, -.4deg, -1.5deg, -5.6deg の四種類に変更させて試験を実施し それらの結果を比較することで横傾斜の影響を把握した 各試験の詳細を Table に示す 直進航行試験とは 横傾斜角がついた状態で 直進航行するときの操縦運動を計測するものであり 首振り角は deg とした場合とオートパイロットを使用した場合の二つを実施した できるだけ外乱影響を排除するために.96km の航路を往復した 船速の平均は 4.4m/s であった Table 1 Principal dimensions of "Toyoshio-Maru" L OA (m) 4.5 L PP (m) 35.5 B mld (m) 8.5 D mld (m) 3.7 V s (m/s) 5.4 Fig. 1 Coordinate systems Table Trial conditions Straight moving test with Keeping δ =, heel Using autopilot Turning test with heel δ = ±1deg, ±35deg φ=+3.5, -1.5, -5.6deg Turning test without heel δ = ± 5deg, ± 1deg, (φ=-.4deg) ±deg, ±35deg Zig-zag test δ /ψ = ±1deg, ±deg 9

96 Table 3 Ship loading conditions and environmental conditions in trials Date May 16 May 17 Displacement W (m 3 ) Fore draft d f (m).45.5 Aft draft d a (m) Trim (m) GM(m) Weather Partly cloudy Sunny Wind direction SSW SSE Wind speed (m/s).1~9..1~3. Table 4 Test condition of block weight and water weight in freshwater tank Block weight Freshwater tank position (m) (m Date φ(deg) ) Left Right x y side Side May May May May () 試験状態 Table 3 に海上試験における船の載荷状態と環境状況を示す 1 年 5 月 16 日に φ =-1.5deg, -5.6deg の試験 を 1 年 5 月 17 日に φ =+3.5deg,-.4deg の試験を実施した 試験は瀬戸内海の宮島南沖で実施した 両日 とも風 波ともに穏やかであった Fig. に K-GPS アンテナと重りの設置位置を示す K-GPS アンテナを三基 基線長前後 5m 左右 9m にな るように設置し 本船の位置と姿勢の計測を行った 過去の実績 () より K-GPS の位置精度は数 cm 方位 精度はアンテナ間の基線長から roll が.deg 程度 yaw が.1deg 程度であったと見込まれる 横傾斜は 別 途 高さ 1,41mm 幅 1,1mm 長さ 1,mm 重さ 44kg の重りを 1 個特別に用意して甲板に配置し 重 さ約 6kg の清水タンク内の水を移動させることによって実現した Table 4 に重りと清水タンクの水の横傾斜との関係を示す 清水タンクの水が減るのは 試験期間中に船員 の生活用水として使用したためである Fig. Position of GPS antennas and block weights 試験結果 (1) 直進航行試験 Fig. 3 に各横傾斜状態における航跡のグラフを示す 保針操作は行わず 首振り角 deg での結果である 黒色の航跡は横傾斜角がほぼ deg であるにも関わらず 右舷側に回頭しており 理由は不明だが 本船はそ のような特性を持つことが分かる 右舷側に横傾斜が付いた状態で前進すると左舷側に回頭し 一方 左舷側に横傾斜が付いた状態で前進すると右舷側に回頭することが明確に見て取れる また Fig. 4 に横傾斜に対する定常旋回時の回頭角速度を示す その傾向は 横傾斜角の大きさとほぼ線形関係にある 図中 平均線を入れている 傾きが負であることから 右舷側に横傾斜が付いた状態で前進すると左舷側に回頭するこ X/L PP Y/L PP Fig. 3 Ship trajectories in straight moving test with heel δ=deg φ=+3.5deg φ=.4deg φ= 1.5deg φ= 5.6deg r(deg/s) 4 φ(deg) Fig. 4 Steady turning yaw rate in straight moving test with heel δ=deg 91

97 とがわかる このような傾向は 安川 平田が指摘したもの (1) と一致している Fig. 5 にオートパイロットを用いて直進した際の保針操作量 ( 首振り角 ) の平均を示す 横軸が横傾斜角 縦軸が当て舵の大きさを表す 参考のために記入した近似直線は右肩上がりになっている これは 右舷側に横傾斜が付くほど左舷側に回頭しようとするので 右舷側に回頭する方向に首振り角を取っていることを表している 図から 横傾斜角 deg のときの保針操作量 ( 首振り角 ) は約 -.7deg であり 右舷側に約 1.6deg 横傾斜を付けると 保針操作量 ( 首振り角 ) は deg となることが分かる また 近似直線の傾きから 保針操作量 ( 首振り角 ) は横傾斜角のおよそ.5 倍必要であることが分かる すなわち 本船の横傾斜角 deg は 首 (1) 振り角約 -1deg に相当することを意味する 安川 平田によると フェリー船型の場合 横傾斜角 3deg が 舵角約 -1deg に相当するとしている そのフェリーと比較すると 本船は横傾斜に対してヨー運動が誘起されやすいことが分かる () 旋回試験旋回試験では 旋回縦距 ( 以後 A D/L PP) と旋回圏 ( 以後 D T/L PP) によって旋回性能の評価を行う 旋回航跡については 文献 (3) に示した方法で 旋回航跡における潮流によるドリフトの補正を行っている Fig. 6 に δ=±1deg の旋回航跡を示す 図中の太線は A D/L PP と D T/L PP の二つの位置を示している 左舷側に回頭する δ=-1deg の旋回航跡に注目すると 横傾斜角が小さくなるほど A D/L PP と D T/L PP が大きくなる δ(deg) φ(deg) Fig. 5 Offset azimuth angle to keep the course in heeled conditions X/L PP 6 4 φ=+3.5deg φ= 5.6deg φ=.4deg φ= 1.5deg Y/L PP 5 5 Fig. 6 Comparison of turning trajectories for various heel angles (δ =±1deg) X/L PP 4 φ=+3.5deg φ= 5.6deg φ=.4deg φ= 1.5deg Y/L PP 4 4 Fig. 7 Comparison of turning trajectories for various heel angles (δ =±35deg) D T /L PP δ(deg) 4 4 Fig. 8 D T /L pp in turning tests versus azimuth angle (φ = -.4deg) D T /L PP φ(deg) Fig. 9 D T /L pp in turning tests versus heel angle A D /L PP φ(deg) Fig. 1 A D /L pp in turning tests versus heel angle δ=+1deg δ= 1deg δ=+35deg δ= 35deg δ=+1deg δ= 1deg δ=+35deg δ= 35deg 9

98 一方 右舷側に回頭する δ=+1deg の旋回航跡に注目すると 横傾斜角が小さくなるほど A D/L PP と D T/L PP が小さくなっており δ=-1deg の旋回とは逆の特徴が表れている Fig. 7 に δ=±35deg の旋回航跡を示す Fig. 6 と比較して A D/L PP と D T/L PP の位置が重なっているように見えるが 左舷側に回頭する δ=-35deg の旋回航跡では 横傾斜角が小さくなるほど A D/L PP と D T/L PP が大きくなっており 一方 右舷側に回頭する δ=+35deg の旋回航跡では 横傾斜角が小さくなるほど A D/L PP と D T/L PP が小さくなっており Fig. 6 の結果と定性的には同じである ただし Fig. 6 の結果のように 横傾斜角の影響は顕著ではない 本船の横傾斜角 deg は 首振り角約 -1deg に相当すると述べたが 左舷側に回頭した場合 φ=+3.5deg 旋回航跡 ( 赤 ) が約 37deg 旋回 φ=-5.6deg 旋回航跡 ( 緑 ) が約 3deg 旋回の航跡に相当すると考えられる 首振り角が 1deg に対して首振り角 1deg を比較するのと 首振り角が 35deg に対して首振り角 37deg を比較することでは 首振り角の大きさが船の操縦運動に与える影響が違うため 先ほどの結果のように横傾斜角の影響は目立たなくなると考えられる u(m/s) 4 u(m/s) 4 Time(s) 1 1 Time(s) v(m/s) r(deg/s) 1 Time(s) 4 4 φ=+3.5deg φ=.4deg φ= 1.5deg φ= 5.6deg Time(s) 1 v(m/s) r(deg/s) 4 1 Time(s) 1 Time(s) 4 φ=+3.5deg φ=.4deg φ= 1.5deg φ= 5.6deg φ(deg) Time(s) φ(deg) Time(s) 8 Fig. 11 Comparison of time histories of u, v, r and φ in turning (δ=+1deg) Fig. 1 Comparison of time histories of u, v, r and φ in turning (δ =-1deg) 93

99 Fig. 8 にφ = -.4deg 時の D T/L PP と首振り角の関係を示す 首振り角の絶対値が小さいところで D T/L PP の大きさの変化量が大きくなっていることがわかる Fig. 9 に横傾斜角と D T/L PP の関係を示す 右舷側に回頭した場合を 赤色の近似線で示し 左舷側に回頭した場合を 青色の近似線で示している 赤色の近似線は どちらも右肩上がりである これは 左舷側に横傾斜が付いた時に右舷側への旋回性能が向上し 右舷側に横傾斜が付いた時に右舷側への旋回性能が低下 ( すなわち 左舷側への旋回性能は向上 ) することを意味している 青色の近似線は どちらも右肩下がりであり 逆の特徴が表れる 図の上に位置する δ=±1deg 旋回の近似直線の傾きと 図の下に位置する δ=±35deg 旋回の近似直線の傾きを比較すると δ=+35deg 旋回では 傾きの絶対値が δ=+1deg に対して 4% と小さい また δ=-35deg 旋回では 傾きの絶対値が δ=-1deg に対して 8% と小さい このことから 首振り角が増大すると横傾斜による D T/L PP の大きさの違いが目立たなくなることがわかる Fig. 1 に横傾斜角と A D/L PP の関係を示す なお Fig. 1 も Fig. 9 に現れる特徴と同じ傾向を示している Fig. 11 に 4 つの横傾斜の δ=+1deg 旋回試験の時系列結果を示す 過渡期では 横傾斜角が小さくなるほど回頭角速度 r が大きくなる よって 前進速度は他の横傾斜状態よりも早く減少している 右舷側への旋回の場合 横傾斜角が小さくなるほど旋回性能は向上するため φ=-5.6deg の v, r の絶対値が一番大きくなるという傾向はあるものの 定常旋回時では φ=-.4deg とφ=-5.6deg の u, v, r は約 % しか違いがなく ほぼ同値となっている これは φ=-.4deg とφ=-5.6deg の D T/L PP の大きさが約 % しか違いがなく ほとんど同じになることを表している また 横傾斜が旋回運動によって変化する傾向は 初期傾斜角を保ったまま一定の間隔でずらした様に見えることからも同じ特徴を持つことがわかる Fig. 1 に 4 つの横傾斜の δ=+1deg 旋回試験の時系列結果を示す また Fig. 11 において先ほど説明した特徴は Fig. 1 に示す δ=-1deg 旋回の結果でもほとんど同じように表れている (3) Z 試験次に Z 試験の結果を示す 第一行き過ぎ角 ( 以後 1st OSA) と第二行き過ぎ角 ( 以後 nd OSA) によって保針 変針性能の評価を行う Fig. 13 は 1/1Z 試験結果を示している 右舷側に横傾斜が付いた時に 1st OSA が減少し nd OSA が増加している また 左舷側に横傾斜が付いた時には逆の特徴が表れていることがわかる 1st OSA(deg) 7 Fig. 14 に各横傾斜における 1st OSA を示す 横軸が横傾斜角 縦軸が 1st OSA である 赤色の近似直線は 1/1Z もしくは /Z 試験の結果である 丸印が 1/1Z の結果 角印が /Z の結果を表して φ(deg) δ=+1deg δ= 1deg δ=+deg δ= deg Fig. 14 1st OSA in zig-zag tests versus heel angle δ,ψ(deg) Time(s) ψ φ=+3.5deg 6 ψ φ=.4deg 9 ψ φ= 1.5deg ψ φ= 5.6deg Fig. 13 Comparison of time histories of heading angle and azimuth angles in 1/1Z test nd OSA(deg) φ(deg) Fig. 15 nd OSA in zig-zag tests versus heel angle δ=+1deg δ= 1deg δ=+deg δ= deg 94

100 おり どちらも右肩下がりである これは 右舷側に横傾斜が付いた時に 1st OSA が減少し 左舷側に横傾斜が付いた時に 1st OSA が増加する傾向を表している 青色の近似直線は-1/-1Z もしくは-/-Z 試験の結果であり 上とは逆の特徴が表れている Fig. 15 に各横傾斜角における nd OSA を示す 1st OSA の場合と異なり 赤色の近似直線は 右舷側に横傾斜が付いた時に nd OSA が増加し 左舷側に横傾斜が付いた時に nd OSA が減少する また 青色の近似直線は逆の傾向を示す これらは 安川 平田が示しているように (1) 右舷側に横傾斜したときには 左舷側へ回頭するような一定のオフセット舵角をとったような現象が起こっていると考えることによって説明が付く 結言強制的に横傾斜を付けて航行する船 ( 豊潮丸 ) の操縦運動を 3 台の K-GPS () を用いて実船計測し 横 傾斜状態で航行する船の操縦性能に及ぼす横傾斜の影響を把握した まとめると次の通りである 右舷側に横傾斜すると船は左舷側に回頭し 左舷側に横傾斜すると船は右舷側に回頭する 船体横傾斜はあたかも舵角にオフセットを付けたように作用し 本船の場合, 横傾斜角 deg は 首振 り角約 -1deg に相当する 安川 平田 (1) によると フェリー船型の場合 横傾斜角 3deg が 舵角約 -1deg に相当するとしており そのフェリーと比較すると 本船は横傾斜に対してヨー運動が誘起されやすい これらの知見は 安川 平田の検討結果 (1) と定性的に一致した 参考文献 (1) 安川宏紀 平田法隆 : 横傾斜状態で航行する船の流体力微係数と操縦性 日本船舶海洋工学論文集第 17 号 () 平田法隆 松村和昌 : K-GPS による OP 級ヨットの運動計測 日本航海学会論文集第 14 号 (3) 平田法隆 浮田寛之 安川宏紀 : 練習船 豊潮丸 の操縦性に及ぼすトリム影響 日本航海学会論文集第 16 号

101 5. 横傾斜を考慮した船の操縦運動シミュレーション計算結果 5.1 はじめに本章では, 章で述べたモデル1,,3というシミュレーション計算法の検証を行う 対象船は KCS コンテナ船であり, 主として,3.1 で述べた流体力特性等を用いて運動シミュレーション計算を行う 具体的な操縦運動として,-35deg の旋回運動と 1/-1zig-zag 運動を対象とする さらに,GM を実船相当で,.6m, 1.8m, 3.3m と変化させる これらは,4.1 で述べたように自由航走模型試験が実施されている このような比較により シミュレーションモデルの精度が検証できる 5. 計算の概要 5..1 モデル1.1 で述べた数学モデルを用いてシミュレーション計算を実施した 計算結果は,5.3 にまとめて表示する その中で, 船体流体力微係数表示の簡略化を行った 全ての微係数を考慮したものが 芳村 と記載されたもの, 横田 と記載されたものは β と r に関する非線形項に現れる横傾斜影響を無視したもの, 矢野 と記載されたものは横傾斜影響として,φ の線形項だけを考慮したものである その概要を Table 5.1 にまとめている Table 5.1 船体流体力微係数の簡略化 芳村 横田 矢野 c x c xββ c xβr c xrr c xββββ Y'φ c yβ c yr Y'ββφ Y'βrφ Y' rrφ c yβββ c yββr c yβrr c yrrr N'φ c nβ c nr N'ββφ N'βrφ N' rrφ c nβββ c nββr c nβrr c nrrr 96

102 5.. (1) [1] Table 1 Table Table 1: Hydrodynamic derivatives and added mass coefficients symbol value symbol value Xvv m x.61 Xrr -.11 m y.1494 Xvr + m y.1117 Jzz.96 Xvvvv -.54 Yv -.69 Nv Y r m x.363 N r -.47 Y vvv N vvv Y vvr N vvr -.6 Yvrr Nvrr -.34 Yrrr.5 Nrrr -.34 Table : Other coefficients and parameters symbol value symbol value t.196 w P.338 w Pmin.1 C 1-5. t R.85».6 a H.358 ".95 x H -.43 fl R for fi P.54 `R -.78 fl R for fi P <.34 () ffi X, Y, N m Table 3 Yffi N ffi [?] [] CS( ) Y ffiffiffi, N ffiffiffi, Y rrffi, N rrffi, Y vrffi, N vrffi Table 3: Hydrodynamic derivatives related to heel motion symbol value symbol value Xvffi.84 Xrffi.9 Xffiffi -.79 Yffi -.5 Nffi -.63 Yvvffi.4765 Nvvffi Y vffiffi Nvffiffi Yffiffiffi. Nffiffiffi. Yrrffi. Nrrffi. Yrffiffi Nrffiffi.694 Yvrffi. Nvrffi. 97

103 Table 4: Parameters related to heel motion symbol value symbol value z H=d.5 a.35 z R=d.6 KM (m).15 K _ ffi a K _ ffi = ß a q LgmGM(I xx + J xx ) (1) a Table 4 z H =d [] Table 3 ff z = z H z R =d KM.198 m (KG) Table 4.15 m z G, GM, KM z G = GM KM + d () (3) 4.1 U 1.4 m/s( 4kn) GM Table 5 3 :5L :35B Table 5: GM used in calculations model fullscale.8 cm.6 m 1.7 cm 1.3 m 4.4 cm 3.3 m [1] Yasukawa, H. and Sano, M.: Maneuvering Simulation of MOERI Container Ship, Workshop on Verification and Validation of Ship Manoeuvering Simulation Methods (SIMMAN 8), Copenhagen, Denmark (8). [] 17 (13), pp

104 5..3 モデル 3 (1) 計算に用いたデータ 4 自由度操縦運動シミュレーション計算のコンペ (KCS) で使用した入力データは次の通り 要目データ ( 主船体 ) 項目 単位 数値 備考 垂線間長 L PP m 3.46 船幅 B m.47 吃水 d m.143 トリム τ m. 方形係数 C B 浸水表面積 SW m 1.67 浮心位置 CB m -.45 船首側 (+) 横力着力点 zh m.7 =.5d メタセンタ位置 KM m.198 重心高さ KG m GM=.75m GM=.155m GM=.437m 要目データ ( プロペラ ) 項目 単位 数値 備考 翼数 Z - 5 直径 D P m.15 ピッチ比 p at.7r 展開面積比 ae -.8 ボス比 b -.18 要目データ ( 舵 ) 項目 単位 数値 備考 舵面積 A R m.8 可動部のみの面積 舵高さ H R m.131 アスペクト比 Λ ラダーホーンを含む 舵力着力点 zr m.9 =.69d 操舵速度 δ deg/ s. 99

105 特性データ ( 船体抵抗 & 自航要素 ) Fn Ct 4.74E E E-3 4.4E E-3 4.3E-3 tp wp E-3.4 tp 4.E-3 wp tp, wp.3. Ct 3.E-3.E-3 Ct.1 1.E-3..E Fn 特性データ ( プロペラ ) J Kt Kq 1Kq KT, 1KQ 1..9 Kt.8 1Kq J 1

106 拘束模型試験解析結果 海技研 ) X 方程式 Y 方程式 N 方程式 干渉影響 記号数値備考 vr m y m x.64 元良 X CMT 試験 (HPR) X vv CMT 試験 (HPR) X rr m y.149 元良 Y v -.6 CMT 試験 (HPR) Y r.38 Y vvv Y rrr.35 Y vvr -.46 Y vrr Y. 平野 [1]: Y = Y v = Y = φ Y v φ. Y r φ. J zz.98 元良 N v CMT 試験 (HPR) N r N vvv -.9 N rrr N vvr N vrr φ φ r φ N 6 N φ -.76 φ =.76, N v = 1.7N v, N r =. N φ φ r N v φ. N r φ. 但し 自走試験との対応から N v = N φ r t R.85 舵角変更試験 (HPR) a H.357 x H w R.438 γ R.3967 CMT 試験 (HPR) R φ = とした 5.3 計算結果と考察 Fig.5.1~5.5 に舵角 -35deg 旋回運動,Fig.5.6~5.1 に 1/-1deg zig-zag 運動の計算結果の比較を示す 図中, 芳村, 横田, 矢野 と記載したものがモデル1, 安川 と記載したものがモデル, 岸本 と記載したものがモデル3の結果である モデル1においては, 芳村, 横田, 矢野 の順番で, 流体力モデルの簡略化が進んだものとなる なお, 岸本 のモデルは, 矢野 のそれとほぼ同じと考えられる 11

107 Fig.5.1 旋回航跡の比較 ( 上から,GM=.6m. 1.8m, 3.3m 相当の結果 ) 1

108 Fig.5. 旋回時船速の時刻歴結果の比較 ( 上から,GM=.6m. 1.8m, 3.3m 相当の結果 ) 13

109 Fig.5.3 旋回時回頭角速度の時刻歴結果の比較 ( 上から,GM=.6m. 1.8m, 3.3m 相当の結果 ) 14

110 Fig.5.4 旋回時ロール角の時刻歴結果の比較 ( 上から,GM=.6m. 1.8m, 3.3m 相当の結果 ) 15

111 Fig.5.5 旋回時船体斜航角の時刻歴結果の比較 ( 上から,GM=.6m. 1.8m, 3.3m 相当の結果 ) 16

112 Fig.5.6 zig-zag 運動時船速の時刻歴結果の比較 ( 上から,GM=.6m. 1.8m, 3.3m 相当の結果 ) 17

113 Fig.5.7 zig-zag 運動時回頭角速度の時刻歴結果の比較 ( 上から,GM=.6m. 1.8m, 3.3m 相当の結果 ) 18

114 Fig.5.8 zig-zag 運動時ロール角の時刻歴結果の比較 ( 上から,GM=.6m. 1.8m, 3.3m 相当の結果 ) 19

115 Fig.5.9 zig-zag 運動時船体斜航角の時刻歴結果の比較 ( 上から,GM=.6m. 1.8m, 3.3m 相当の結果 ) 11

116 Fig.5.1 zig-zag 運動時方位角の時刻歴結果の比較 ( 上から,GM=.6m. 1.8m, 3.3m 相当の結果 ) 111

117 5.3.1 旋回運動の比較 Fig.5.11 に旋回縦距 (Ad) と旋回圏 (Dt) の比較,Fig.5.1 に定常旋回特性 (r, β, U/U, Φ) の比較を示す 実験結果 (EXP) によると,GM の減少とともに,Ad, Dt は小さくなる ( 旋回性能が向上する ) 傾向がある しかし, 矢野 の結果は,GM に対してほとんど変化が無い 流体力微係数におけるヒールの非線形影響が無視できないことが分かる 実験結果 (EXP) によると,GM の変化に対して,r, β, U/U はあまり変化していない しかし, 芳村 の結果は,GM の減少とともに r', βの絶対値は大きくなり,u/u は小さくなる GM 変化の影響が過大である 全般的に見ると, いずれの結果も,r', βの絶対値が小さく, 定量的な精度が劣る 実験結果 (EXP) によると,GM の減少によって,Φ は大きくなる いずれの方法も, 定性的な傾向を捉えているが, 定量的にはやや大きめである Fig.5.11 旋回縦距 (Ad) と旋回圏 (Dt) の比較 Fig.5.1 定常旋回特性の比較 11

118 5.3. zig-zag 運動の比較 Fig.5.13 に zig-zag 運動行き過ぎ角の比較を示す 実験 (EXP) によると,GM の減少とともに行き過ぎ角は大きくなり, 全ての計算結果はそのような傾向を捉えている 定量的には, 岸本 の結果が実験結果と近いが, 時刻歴計算結果を見ると位相の差違が目立つ Fig.5.13 zig-zag 運動行き過ぎ角の比較 5.4 まとめモデル1,,3は, ロールとの連成影響を考慮して, 船の操縦運動をおおよそ捉えることができる 今回検討したモデルの中では, モデルがより精緻な 芳村 の方法が最も精度が高いようである しかし, 操縦運動に及ぼす GM の変化の影響を, 定性的ならびに定量的に十分な精度で捉えることができる, とまでは言えない 精度向上への改良が必要であると考えられる 一般に, ロール運動に及ぼす非線形影響は無視できないと言われる それら非線形影響の考慮が十分でないことが考えられる 113

119 6. 操縦流体力係数のデータベース 6.1 微係数データベースによる調査先の研究委員会 (P9 船舶操縦性予測モデルの標準化に関する研究委員会 ) で, 微係数に関する貴重なデータを収集することができた これらのデータベースから, 例えば, 次のような検討を行うことができる マクロに見たときの操縦流体力微係数を支配する船型パラメータは何か 喫水やトリムにより操縦流体力微係数はどのように変化するのか このような検討結果について報告する 線形微係数を支配する船型パラメータについて線形微係数を支配する船型パラメータは何か, についての検討結果を述べる 微係数のデータベースから, Full load (even keel) のデータだけを抜き出し,m, C b, d/l, L/B, B/d の 5 つの船型パラメータと線形微係数との相関を調べた Table 6.1 に対象とする模型船の主要目を示す 計 3 隻分のデータを使用している Table 6.1 対象船の主要目 機関 船名 船種 m' C b d/l L/B B/d 九大 MA Car carrier 九大 MB Cargo carrier 九大 MC ULCC 九大 MD LNG carrier 九大 ME VLCC 九大 MF Container carrier 九大 MG Cargo carrier 九大 MH Cargo carrier 九大 MI RO/RO ship 九大 MJ ULCC 広大 CS Container carrier 広大 PCC PCC 広大 FERRY Ferry 北大 Esso Osaka VLCC 北大 SR1-A VLCC 北大 SR1-B VLCC 北大 SR1-C VLCC 北大 KVLCC1 VLCC 北大 KVLCC VLCC 北大 SR18 Container carrier 北大 KCS Container carrier 北大 PCC PCC 北大 Seiun-maru Training Ship

120 船型パラメータを横軸にとり, 線形微係数 (Yv, Yr -m x, Nv, Nr ) を図示した結果を,Fig.6.1 に示す 図中, 九大, 広大, 北大のデータを区別し, 九大のデータについてはパラメータに対する線形表示の決定係数 (R) を示す R が 1 のとき fitting 誤差はゼロ ( すなわち強い相関がある ),R が のとき fitting の精度は最低 ( パラメータとの相関はない ), であることを意味する この計算には表計算ソフト EXCEL の機能を使用した Table 6., 6.3 に船型パラメータと線形微係数との標準偏差の結果を示す 九大のデータ ( データ数 1) だけを使用した場合と全データ ( データ数 3) を使用した場合の結果を示している この表から次のことが分かる Yv, Yr -m x, Nv, Nr と最も相関の高い船型パラメータは, それぞれ,m, B/d, d/l, C b である これは, 九大のデータだけを使用した場合と全データを使用した場合において同じであった 九大のデータだけを使用した場合と全データを使用した場合において,Yv と Nv の R の値が大きく変化する これは, 九大以外 ( 北大 ) のデータにおいて, 主要目が同じで, フレームラインだけが異なる船のデータが含まれているためであると考えられる 少なくとも Yv と Nv の近似予測式を考えるとき, フレームラインの影響を考慮する必要がある 九大のデータだけを使用した場合と全データを使用した場合において,R の値が大きく変化することがあることから, 船型パラメータをベースとした微係数の近似予測式を作成するにあたっては, 基となるデータの質を十分に吟味する必要がある ( とは言え, どのような基準を設ければいいのかは不明 ) 全データを使用した場合に,R が.5 を越えるものは,Nv における d/l だけであり, それ以外は, 船型パラメータとの相関が悪い ( すなわちデータがばらついている ) ここで検討した単一のパラメータを使用した近似予測式において, 実用上十分な精度を確保することは難しいと考えられる 今回の検討においては, 線形微係数との相関を調べるために,5 つの代表的な船型パラメータに着目した ただ, そのようなパラメータを一つだけとりだしても十分な精度で予測を行うことは困難であることが分かった その改良のためには, 船型パラメータを複数組み合わせた近似予測式が有効である可能性がある 今後は, その方向で検討を行うこととしたい なお, 一般論として, 今後船型パラメータを用いた近似予測式の作成にあたっては, パラメータとの相関や予測精度が客観的な数字で分かるようなものにすべきであると考える 従来の微係数に関する近似式の作成にあたっては, あまりに大雑把ではなかったか, と言わざるを得ない 蛇足として付け加えておきたい Table 6. 船型パラメータと線形微係数との標準偏差 ( 九大のデータだけを使用した場合 ) 九大だけ m' C b d/l L/B B/d Yv' Yr' - m x' Nv' Nr'

121 Table 6.3 船型パラメータと線形微係数との標準偏差 ( 全データを使用した場合 ) 全部 m C b d/l L/B B/d Yv' Yr' - m x' Nv' Nr' Fig.6.1 船型パラメータと線形微係数 m' Cb Yv' 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =.7563 Yv' 九大広大北大線形 ( 九大 ) R = d/l L/B R =.631 Yv' 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =.3178 Yv' 九大広大北大線形 ( 九大 ) Yv' B/d 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =.68 Yr'-mx' R = 九大 広大 m' -. 北大 線形 ( 九大 ) -.6 Yr'-mx' 九大.1 広大.1 北大.8 線形 ( 九大 ).6.4 R =.1557 R = Cb Yr'-mx' 九大 広大 d/l 北大 線形 ( 九大 ) 116

122 Yr'-mx' R = 九大 広大 L/B -. 北大 線形 ( 九大 ) -.6 Yr'-mx' 九大広大北大線形 ( 九大 ) R = B/d Nv' 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =.5414 m' Nv' Cb 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =.4578 Nv' d/l R =.9681 九大広大北大線形 ( 九大 ) Nv' L/B 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =.3456 Nv' B/d 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =.551 Nr' 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =.136 m' Nr' Cb 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =.71 Nr' d/l 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =

123 Nr' L/B 九大広大北大線形 ( 九大 ) R =.63 Nr' B/d R = 九大広大 -.7 北大 -.8 線形 ( 九大 ) バラスト状態における主要な船型パラメータ次に, バラスト状態において線形微係数を支配する船型パラメータについての検討結果を述べる 微係数のデータベースから,Ballast load (even keel) のデータだけを抜き出し,m, C b, d/l, L/B, B/d の 5 つの船型パラメータと線形微係数との相関を調べた 等喫水のバラスト状態というものは, リアリティに欠けるが, 一方では, 貴重なデータと見ることもできる Table 6.4 に対象とする模型船の主要目を示す 計 1 隻分のデータを使用している Table 6.4 対象船の主要目 船名 船種 m' Cb d/l L/B B/d MA Car carrier MB Cargo carrier MC ULCC MD LNG carrier ME VLCC MF Container MG Cargo carrier MH Cargo carrier MI RO/RO ship MJ ULCC 船型パラメータを横軸にとり, 線形微係数 (Yv, Yr -m x, Nv, Nr ) を図示した結果を,Fig.6. に示す 図中, パラメータに対する線形表示の R を示す R が 1 のとき fitting 誤差はゼロ ( すなわち強い相関がある ),R が のとき fitting の精度は最低 ( パラメータとの相関はない ), であることを意味する この計算には表計算ソフト EXCEL の機能を使用した Table 6.5 に船型パラメータと線形微係数との R の結果を示す 参考のため, 満載状態における結果を Table 6.6 に示す このつの表から次のことが分かる Yv, Nv と最も相関の高い船型パラメータは, それぞれ,m, d/l である これは, 満載状態での結果と同じである 一方,Yr -m x, Nr と最も相関の高い船型パラメータは, それぞれ,C b, d/l, である これは満載状態の結果とは異なる バラスト状態において Nr と最も相関が高い d/l は, 満載状態では相関が非常に悪く, 満載 -バラスト状態で大きく性質が変わったと見ることができる バラスト状態における Yr -m x はどの船型パラメータとも R の値が低く, これらのパラメータを単一で用いた整理は難しい 118

124 Table 6.5 船型パラメータと線形微係数との R ( バラスト状態 ) m'(c bb/l) C b d/l L/B B/d Yv' Yr' - m x' Nv' Nr' Table 6.6 船型パラメータと線形微係数との R ( 満載状態 ) m'(c bb/l) C b d/l L/B B/d Yv' Yr' - m x' Nv' Nr' 今回の検討において, 等喫水バラスト状態における線形微係数との相関を調べるために,5 つの代表的な船型パラメータ (m, C b, d/l, L/B, B/d) に着目した その結果,Yv, Nv と最も相関の高い船型パラメータは, それぞれ,m, d/l であり, これは満載状態の結果と同じであった 一方,Yr -m x, Nr と最も相関の高い船型パラメータは, それぞれ,C b, d/l, であり, これは満載状態の結果とは異なるものであった 単一の船型パラメータによるバラスト状態における微係数の整理は, 満載状態における場合と同様に, 一般に難しいことが予想される なお, 実際のバラスト状態は船尾トリムが付いており, 今後は, その影響を吟味する必要がある 119

125 Fig.6. 船型パラメータと線形微係数 Yv' y = -.61x R =.5683 全部線形 ( 全部 ) m' Yv' 全部線形 ( 全部 ) y = -.84x R =.4 Cb Yv' d/l y = x R =.118 全部線形 ( 全部 ) Yv' L/B y =.54x R =.5491 全部線形 ( 全部 ) Yv' B/d 全部線形 ( 全部 ) y = -.448x R =.3676 Yr' - mx' y =.191x R = 全部線形 ( 全部 ) m' Yr'-mx' y =.76x +.55 R =.93.4 全部. 線形 ( 全部 ) Cb Yr'-mx' 全部線形 ( 全部 ) y = -.865x +.19 R =.81 d/l Yr'-mx' y = -.6x R =.43 全部線形 ( 全部 ) L/B Yr'-mx' y =.15x -.34 R =.71.4 全部. 線形 ( 全部 ) B/d

126 Nv' -.1 y = -.79x R = 全部線形 ( 全部 ) m' Nv' 全部線形 ( 全部 ) y =.63x -.74 R =.8 Cb Nv' y = x R =.755 全部線形 ( 全部 ) d/l Nv' L/B y =.81x R =.486 全部線形 ( 全部 ) Nv' B/d y =.17x R = 全部線形 ( 全部 ) Nr' y =.687x R =.17 全部線形 ( 全部 ) m' Nr' y =.545x R =.3839 全部線形 ( 全部 ) Cb Nr' d/l y = -.965x +.65 R =.718 全部線形 ( 全部 ) Nr' L/B y =.19x R =.164 全部線形 ( 全部 ) Nr' y =.98x R =.4351 全部線形 ( 全部 ) B/d 11

127 6.1.3 船の針路安定性に及ぼす喫水影響喫水変化により微係数はどのように変化するのか, についての検討結果を述べる 微係数のデータベースから,Full, Half, Ballast EK という 3 つの載荷状態のデータが揃っているものを抜き出し, 船の針路安定性に及ぼす喫水の影響について調査した Table 6.7 に対象とする模型船の主要目を示す それらは九大で計測された MD(LNGC), MF(C/S), MI(Ro/Ro) の3 隻である Table 6.7 対象船の主要目 船名 船種 載荷状態 L(m) B(m) d m(m) trim(%l) C b x G/L MD LNGC Full MD LNGC Half MD LNGC Ballast, EK MF C/S Full MF C/S Half MF C/S Ballast, EK MI Ro/Ro Full MI Ro/Ro Half MI Ro/Ro Ballast, EK Fig.6.3 喫水に対する線形微係数の変化を示す 横軸には,d/L(=k) をとっている 比較のため, 井上 平野の式による計算結果を図示している その式は, 次のように表される [1] Yv = -.5πk.7m, Yr = -.5πk Nv = - k, Nr = -.54k + k ここで,m は質量係数である Yv, Nv, Nr は喫水が深くなると, その絶対値が大きくなる傾向がある Yv, Nv, Nr の喫水に対する変化は, 井上 平野の式による計算結果とおおよそ一致している その中で,Nv と Nr は d/l だけで整理ができ, 井上 平野の式による計算結果と定量的にもおおよその一致を示す 一方, 喫水に対する Yr -m x の変化には決まった傾向が見られず, 井上 平野の式との対応も悪い なお,Yr -m x の計算にあたって,m x = としている 井上 平野の式は,Yv と Yr -m x の推定精度が十分ではないようである Fig.6.4 に喫水による針路安定性指数 C の比較を示す C の計算にあたり, 重心位置ベースの微係数に変換したものを使用した 比較のため, 井上 平野の式による結果も図示している 喫水に対する実験結果の変化は単純ではなく, 井上 平野の式をベースとした計算結果との一致度はあまり良くない 1

128 Yv' d/l MD MF MI cal cal cal.1 Yr' - mx' MD MF MI d/l cal Nv' d/l MD MF MI cal -.1 Nr' d/l MD MF MI cal -.6 Fig.6.3 喫水による微係数の変化 13

129 C.1 MD MF MI.5 cal cal cal d/l -.5 Fig.6.4 喫水による針路安定性指数の変化 以上をまとめると次の通りである Yv, Nv, Nr は喫水が深くなると, その絶対値が大きくなる傾向がある Yr -m x の変化には決まった傾向が見られない Nv と Nr は d/l だけでおおよそ整理ができ, 井上 平野の式との一致度も良い 一方, Yv と Yr -m x に対する井上 平野の式は推定精度が十分ではない その結果, 井上 平野の式を用いて, 喫水変化に伴う針路安定性の議論を行うには, 計算精度が十分ではないものとなる 14

130 6.1.4 バラスト状態の微係数に及ぼすトリム影響バラスト状態の線形微係数に及ぼすトリムの影響について検討した結果を述べる 微係数のデータベースから,Ballast load (even keel と船尾トリム付き ) のデータを抜き出し, トリム量 tau を平均喫水 d で割った値をベースに, 微係数の変化量を船型別に整理する Table 6.8 に対象とする模型船の主要目を示す 計 1 隻分のデータを使用している Table 6.8 対象船の主要目 船名 船種 trim(%l) tau/dm Cb L/B B/d MA Car carrier MC ULCC MD LNG carrier ME VLCC MF Container MI RO/RO ship MJ ULCC MB Cargo carrier MG Cargo carrier MH Cargo carrier つの線形微係数 (Yv, Yr, Nv, Nr ) について, 次式を用い, 船尾トリムによる微係数の変化を求める dy v = (Y v - Y v ) / ( tau/d ) dy r = (Y r - Y r ) / ( tau/d ) dn v = (N v - N v ) / (tau/d ) dn r = (N r - N r ) / ( tau/d ) 式中, 微係数における添字 はトリムゼロにおける値を, 添字 の無いものは船尾トリムが付いた状態での値を意味する なお,Y r の項は付加質量を含むものとする Fig.6.5 に, 微係数の変化 (dyv, dyr, dnv, dnr ) の結果を示す dyv は MA 船型を除き, 負の値であり, トリムが付くことにより, 横流れ運動に対する減衰が増すことが分かる dyr は MC, MF 船型を除き, 正の値である また,dNv は全船型とも正の値である dnr は全船型とも負の値であり, トリムが付くことにより, 回頭運動に対する減衰が増すことが分かる まとめると, 船尾トリムによる4つの線形微係数の変化は, ほとんどの船型において, 針路安定側への変化であることが分かる これら良く知られた知見と傾向が一致している 15

131 .5 dyv. dyr* -.5 MA MC MD ME MF MI MJ MB MG MH dyv MA MC MD ME MF MI MJ MB MG MH dyr* dnv MA MC MD ME MF MI MJ MB MG MH dnv dnr MA MC MD ME MF MI MJ MB MG MH dnr Fig.6.5 船尾トリムによる線形微係数の変化 井上等はトリム変化に対する微係数変化を推定する式を次のように与えている [1] Y v = Y v ( 1 + a tau/d ) Y r = Y r ( 1 + b tau/d ) N v = N v + c Y v tau/d N r = N r ( 1 + e tau/d ) ここで,a,b,c,e はトリムの影響を表すパラメータであり,Table 6.9 の 井上等 に示すような値を提案している ここでは, 上の式をベースに, 今回の水槽試験結果を用いて,a,b,c,e を求めてみる Fig.6.6 に, 全船型に対する a,b,c,e の計算結果を示す 船型によって,a,b,c,e は大きく変化することが分かる それぞれにおいて, 全ての船型に対し平均をとった値を,Table 6.9 の Present として示す 井上等の値と比較すると, 次のことが分かる 回頭モーメントの微係数に関する c,e はほぼ同じ大きさであるが,a は約半分,b は符号が異なる このように a,b の値が大きく異なることが分かる ただ,b についての本検討では,Y r において付加質量成分を含んだまま解析を行っているので, その影響によって, 差異が大きくなった可能性もある Table 6.9 トリム影響を表すパラメータ 井上等 Present a b c e

132 1. a 1 b MA MC MD ME MF MI MJ MB MG MH a MA MC MD ME MF MI MJ MB MG MH b c MA MC MD ME MF MI MJ MB MG MH c e MA MC MD ME MF MI MJ MB MG MH e Fig.6.6 トリム影響のパラメータの計算結果 バラスト状態における線形微係数に及ぼすトリムの影響について検討した P9 船舶操縦性予測モデルの標準化に関する研究委員会において得られた微係数のデータベースをもとに, 井上の式をベースとしたトリム影響に関するパラメータの見直しを行った Nv, Nr に関するパラメータ (c,e) については, オリジナルの値と近いものとなったが,Yv, Yr に関するパラメータ (a,b) については大きく異なることが分かった なお, 今回の検討はバラスト状態に限定したものであり, 任意の載荷状態において成り立つ式の構築を目指した井上等のアプローチとは目的がやや異なることを付記しておく 参考文献 [1] Inoue, S., Hirano, M. and Kijima, K.: Hydrodynamic Derivatives on Ship Maneuvering, International Shipbuilding Progress, Vol.8, No.31 (1981), pp

133 ) 5) MMG (CMT) 6) MMG 6.. 7) m x 1,, x m y Model(x 1,, x m ) : y = a + a 1 x a m x m + ε (6..1) ε σ n {(y i, x 1i,, x mi ); i = 1,, n} ( )L(θ) ( L(θ) = 1 πσ ) n/ exp { 1 σ n i=1 ( y i a m ) } a j x ji θ = (a, a 1,, a m, σ ) (6..) l(θ) log L(θ) l(θ) = n log πσ 1 σ n i=1 ( y i a j=1 (6..) m ) a j x ji (6..3) j=1 a, a 1,, a m â, â 1,, â m n x1i x1i x 1i... xmi... x1i x mi xmi xmi x 1i... x mi a a 1. a m = yi x1i y. xmi y (6..4) ˆσ ˆσ = 1 { n y i â n i=1 n y i j=1 m â j j=1 i=1 n } x ji y i (6..5) (6..3) l(ˆθ) = n log π n log d(x 1,, x m ) n (6..6) d(x 1,, x m ) x 1,, x m ˆσ m + x 1,, x m AIC AIC(x 1,, x m ) = n(log π + 1) + n log d(x 1,, x m ) + (m + ) (6..7) AIC Table 6..1 y vrr y rrr n vrr n rrr C b L/B B/d d/l C b B/L 5 AIC 18

134 Table 6..1 Principal dimensions of each model used in the analysis L(m) B(m) d(m) C b ( ) y r y vvv n r n vrr BdC b/l (6..8) (6..19) y v =.36(d/L).76(B/d) +.37 (6..8) y r = 1.(BdC b /L ) +.39(L/B).18 (6..9) y vvv= 67(BdC b /L ) 7.7C b C b +.97(B/d) (6..1) y vvr= 5.17C b +.68(B/d) 5.95 (6..11) y vrr=.6c b +.(B/d) 3. (6..1) y rrr =.76C b +.6(L/B).378 (6..13) n v =.63(L/B) +.3(B/d).367 (6..14) n r = 7.(BdC b /L ) +.5(L/B) +.57(B/d).37 (6..15) n vvv= 1.38C b +.144(L/B) 1.9 (6..16) n vvr= 1.4C b 1.36 (6..17) n vrr=.141(b/d) (6..18) n rrr=.4c b.164(l/b).361(d/l).79(c b B/L) (6..19) 6..4 (6..8) (6..19) Fig.6..1(a) (l) Table

135 .3.58 Fig.6..1 Scatter diagram of the measured values and estimated one 6) 13

136 Table 6.. Coefficient of determination in each maneuvering hydrodynamic derivative y v y r y vvv y vvr y vrr y rrr n v n r n vvv n vvr n vrr n rrr ),9) SR18 Table 6..3 Table 6..3 Measured Estimated (6..8) (6..19) 4(kt) (+)35 Fig.6.. X/L Fig.6..3 X Y 5 X Y X m Y 3m SR18 Table 6..3 Coefficient of determination in each maneuvering hydrodynamic derivative Measured Estimated Measured Estimated y v n v y r n r y vvv n vvv y vvr n vvr y vrr n vrr y rrr n rrr MMG 1) Inoue, S. Hirano, M. and Kijima, K. : Hydrodynamic Derivatives on Ship Maneuvering, Intl Shipbuilding Progress, 8( 35), 1981, pp. 7. ) pp

137 Fig.6.. Comparison of the turning trajectory of the ship Fig.6..3 Comparison of the deviation of the result of measured coefficients and estimated one 3) 15 pp ) 3 6 pp ) 1 9 pp ) 1 7),, ( A 5 4) ), ( 3) 1 9), pp

138 Y H N H (sway) v v (= v/u U : ) (yaw) r r (= rl/u L : ) v β β v β v = sin β β v β β [1][][3] β [] v β MMG P9 [4] v 3 β [5][6] 1 ( 7 ) β v β Y H = Y β β + (Y r m m x)r + Y ββ β β + Y rrr r + (Y ββr β + Y βrr r ) βr N H = N β β + (N r x G m )r + N ββ β β + N rrr r + (N ββr β + N βrr r ) βr (6.3.1) Y H, N H m m x x x G β r 133

139 6.3.1 β (deg.) L (m) B (m) d m (m) C b Ship No. SR18 Container C Esso VLCC Osaka Ship A Car C Ship B Cargo C Ship C ULCC Ship D LNG C Ship E VLCC Ship F Container C Ship G Cargo C Ship H Cargo C Ship I RO/RO Ship J ULCC P9 v 3 Y H = Y vv + (Y r m m x)r + Y vvvv 3 + Y vvrv r + Y vrrv r + Y rrrr 3 N H = N vv + (N r x G m )r + N vvvv 3 + N vvrv r + N vrrv r + N rrrr 3 (6.3.) (6.3.1) (6.3.) ( 7 ) β L B d m C b SR18 Esso Osaka Ship A J [7] 134

140 Ship D, F, I (6.3.1) (6.3.) Y H N H R R = 1 (yi f i ) (yi y m ) (6.3.3) y i Y H N H y m f i (6.3.1) (6.3.) R R Ship No. (1 7) Y H N H 3 R 1 Ship No. 5 8 (Ship A, B) R β Ship A (Ship No. 5) β Ship No. 14 R Ship I (Ship No. 3) r β R : Cubic form : Quadratic form Ship No. (a) Lateral force Y H R : Cubic form : Quadratic form Ship No. (b) Yawing moment N H R β β β β > 1 Ship No. 1 4 Ship No. 9 7 β 1 Esso 135

141 Y H Y H..1 : r =. : r =.315 : r =.65 : r =.9615 : Cubic form : Quadratic form..1 : r =. : r =.315 : r =.65 : r =.9615 : Cubic form : Quadratic form N H β(deg.) (a) Lateral force N H β(deg.) (a) Lateral force.6. : r =. : r =.315 : r =.65 : r =.9615 : Cubic form : Quadratic form.6. : r =. : r =.315 : r =.65 : r =.9615 : Cubic form : Quadratic form β(deg.) (b) Yawing moment β(deg.) (b) Yawing moment Y H N H (Ship A,, Ship No. 5) Y H N H (Ship I,, Ship No. 3) Osaka (Ship No. 3) Ship G (Ship No. 19) β > β 3 β 3 (r ) 3 Ship No. 1 4 Ship No. 9 7 β 1 β > 1 R R R Ship No R β 1 β 3 136

142 Y H Y H..1 : r =. : r =.315 : r =.475 : r =.6375 : r =.8 : Cubic form : Quadratic form..1 : r =. : r =.315 : r =.65 : r =.9615 : Cubic form : Quadratic form N H β(deg.) (a) Lateral force N H β(deg.) (a) Lateral force.6. : r =. : r =.315 : r =.475 : r =.6375 : r =.8 : Cubic form : Quadratic form.6. : r =. : r =.315 : r =.65 : r =.9615 : Cubic form : Quadratic form β(deg.) (b) Yawing moment β(deg.) (b) Yawing moment Y H N H (Esso Osaka,, Ship No. 3) Y H N H (Ship G,, Ship No. 19) R : Cubic form : Quadratic form Ship No. (a) Lateral force Y H R : Cubic form : Quadratic form Ship No. (b) Yawing moment N H R Ship No. 5 8 R [4] Ship No

143 . Y v C b B / L. Y r m m x C b B / L (a) Y v. Y vvv d (1 C b ) / B Y vrr (c) Y vvv d (1 C b ) / B (e) Y vrr (b) Y r m m x. Y vvr C b B / L Y rrr (d) Y vvr σ a d C b / B (f) Y rrr N v. N r x G m k k (a) N v (b) N r x G m.8 N vvv σ a d C b / B (c) N vvv.5 N vrr σ a d C b / B (e) N vrr. N vvr C b B / L (d) N vvr. N rrr C b B / L (f) N rrr

144 β ( 7 ) 3 3 β r CMT 3 [1] : 146 (1979) pp [] : MMG -V 616 (198) pp [3] Clarke, D. : The Foundations of Steering and Manoeuvring, Proceedings of the 6th IFAC Conference on Manoeuvring and Control of Marine Craft (MCMC 3) (3), pp.-16. [4] : P9 (1). [5] : 58 (1979) pp [6] Kijima, K., Katsuno, T., Nakiri, Y. and Furukawa, Y. : On the Manoeuvring Performance of a Ship with the Parameter of Loading Condition, Journal of the Society of Naval Architects of Japan, Vol.168 (1991), pp [7] Inoue, S., Hirano, M. and Kijima, K. : Hydrodynamic Derivatives on Ship Maneuvering, International Shipbuilding Progress, 8 (31) (1981), pp

145 6.4 浅水域における操縦流体力微係数について [1] 表 に示す 3 隻の模型船 (SR18,Esso Osaka および文献中の Ship B(MB)) について, 浅水域における横力および回頭モーメントの計測結果の無次元値 Y H および N H を対象として, 以下に示す 3 次のモデルに基づいて再解析を行った Y H N H 3 3 = Y vv + ( Yr m mx ) r + Yvvvv + Yvvrv r + Yvrrv r + Yrrrr 3 3 = N v + ( N x m ) r + N v + N v r + N v r + N r v r G vvv vvr vrr rrr (6.4.1) SR18, Esso Osaka, MB の各船に対する再解析結果の例を表 6.4.~ 表 に示す 各表と船名 載荷状態の対 応関係は表 1 に示す通りである また,H/d = 6. の結果は船舶操縦運動予測モデルの標準化に関する研究委員会報 告書 [] に掲載したものと同一である さらに, 図 6.4.1~ 図 には水深による線形微係数の変化を示している 表 九州大学において拘束模型試験を実施した船型の一覧 船名 船種 L B d C b σ a H/d 表番号 SR18 1. 表 6.4. Container 表 C. 6. 表 表 Esso Osaka VLCC 表 表 表 Ship B (MB) Cargo C 表 表 参考文献 1. Inoue, S., Hirano, M. and Kijima, K. : Hydrodynamic Derivatives on Ship Maneuvering, International Shipbuilding Progress, 8 (31) (1981). 船舶操縦性予測モデルの標準化に関する研究委員会 ( 日本船舶海洋工学会 P-9 プロジェクト研究委員会 ) 報告書 (1) 14

146 Ship name Kind of ship Loading condition SR18 Principal dimensions 表 6.4. SR18, Full load, Even keel, H/d = 1. Container carrier Full load, Even keel Hydrodynamic derivatives L (m) 3. Y v.1767 N v.3391 B (m).435 Y r m m x.1736 N r x Gm.194 d m (m).169 Y vvv N vvv.3966 C b.5717 Y vvr.7515 N vvr.94 trim ( % L ). Y vrr N vrr.196 σ a.558 Y rrr.6587 N rrr.14 x G / L.143 X vr Nondimensionalized lateral force Y H and yawing moment N H 141

147 Ship name Kind of ship Loading condition SR18 Principal dimensions 表 SR18, Full load, Even keel, H/d = 1.5 Container carrier Full load, Even keel Hydrodynamic derivatives L (m) 3. Y v.6364 N v.1558 B (m).435 Y r m m x.1168 N r x Gm.536 d m (m).169 Y vvv N vvv.6469 C b.5717 Y vvr N vvr.6818 trim ( % L ). Y vrr N vrr.585 σ a.558 Y rrr.5 N rrr.119 x G / L.143 X vr Nondimensionalized lateral force Y H and yawing moment N H 14

148 Ship name Kind of ship Loading condition SR18 Principal dimensions 表 SR18, Full load, Even keel, H/d = 6. Container carrier Full load, Even keel Hydrodynamic derivatives L (m) 3. Y v.337 N v.1111 B (m).435 Y r m m x.1191 N r x Gm.441 d m (m).169 Y vvv 3.7 N vvv.875 C b.5717 Y vvr.11 N vvr.5795 trim ( % L ). Y vrr 1.18 N vrr.831 σ a.558 Y rrr.199 N rrr.475 x G / L.143 X vr Nondimensionalized lateral force Y H and yawing moment N H 143

149 Ship name Kind of ship Loading condition 表 Esso Osaka, Full load, Even kee l, H/d = 1. Esso Osaka VLCC Principal dimensions Full load, Even keel Hydrodynamic derivatives L (m).5 Y v.165 N v.578 B (m).477 Y r m m x.476 N r x Gm.977 d m (m).1696 Y vvv N vvv C b.831 Y vvr N vvr.1453 trim ( % L ). Y vrr.6 N vrr.4385 σ a.51 Y rrr.3653 N rrr.858 x G / L.317 X vr Nondimensionalized lateral force Y H and yawing moment N H 144

150 Ship name Kind of ship Loading condition 表 Esso Osaka, Full load, Even kee l, H/d = 1.5 Esso Osaka VLCC Principal dimensions Full load, Even keel Hydrodynamic derivatives L (m).5 Y v.848 N v.346 B (m).477 Y r m m x.416 N r x Gm.798 d m (m).1696 Y vvv N vvv.335 C b.831 Y vvr N vvr.7958 trim ( % L ). Y vrr N vrr.834 σ a.51 Y rrr.188 N rrr.45 x G / L.317 X vr Nondimensionalized lateral force Y H and yawing moment N H 145

151 Ship name Kind of ship Loading condition 表 Esso Osaka, Full load, Even kee l, H/d = 6. Esso Osaka VLCC Principal dimensions Full load, Even keel Hydrodynamic derivatives L (m).5 Y v.497 N v.1537 B (m).477 Y r m m x.381 N r x Gm.713 d m (m).1696 Y vvv 1.45 N vvv.58 C b.831 Y vvr.81 N vvr.1693 trim ( % L ). Y vrr.4983 N vrr.1174 σ a.51 Y rrr.589 N rrr.76 x G / L.317 X vr Nondimensionalized lateral force Y H and yawing moment N H 146

152 Ship name Kind of ship Loading condition MB Principal dimensions 表 MB, Full load, Even kee l, H/d = 1. Cargo carrier Full load, Even keel Hydrodynamic derivatives L (m).5 Y v N v.498 B (m).4194 Y r m m x.1875 N r x Gm.863 d m (m).143 Y vvv N vvv 1.8 C b.6978 Y vvr.183 N vvr.3188 trim ( % L ). Y vrr.748 N vrr.43 σ a.65 Y rrr.3449 N rrr.871 x G / L.6 X vr Nondimensionalized lateral force Y H and yawing moment N H 147

153 Ship name Kind of ship Loading condition MB Principal dimensions 表 MB, Full load, Even kee l, H/d = 1.5 Cargo carrier Full load, Even keel Hydrodynamic derivatives L (m).5 Y v.5355 N v.76 B (m).4194 Y r m m x.1777 N r x Gm.57 d m (m).143 Y vvv 5.91 N vvv.55 C b.6978 Y vvr.9734 N vvr.3 trim ( % L ). Y vrr.754 N vrr.494 σ a.65 Y rrr.4 N rrr.637 x G / L.6 X vr Nondimensionalized lateral force Y H and yawing moment N H 148

154 Ship name Kind of ship Loading condition MB Principal dimensions 表 MB, Full load, Even kee l, H/d = 6. Cargo carrier Full load, Even keel Hydrodynamic derivatives L (m).5 Y v.31 N v.176 B (m).4194 Y r m m x.191 N r x Gm.536 d m (m).143 Y vvv N vvv.878 C b.6978 Y vvr.831 N vvr.8 trim ( % L ). Y vrr.57 N vrr.543 σ a.65 Y rrr.597 N rrr.39 x G / L.6 X vr Nondimensionalized lateral force Y H and yawing moment N H 149

155 図 Y ( h) / Y v ( ) v 図 6.4. { Y m m }( h) /{ Y m m }( ) r x r x 図 N ( h) / N ( ) v v 図 { N x m }( h) /{ N x m }( ) r G r G 15

156 7. 水槽試験技術の進展 7.1. トータルステーションを用いた船位計測について はじめに船舶操縦性能の正確な解析のためには水槽試験の計測についても高い精度で行われる必要がある そのため操縦運動時の船位計測精度の向上も求められている ジャパンマリンユナイテッド では従来試験水槽での船位計測に超音波を用いた三角測量法を用いていたが 水中での超音波の発受信は水温層や模型船の速度 姿勢により計測精度に影響を受けるなどの問題があった そこで計測精度向上のため 新たな船位計測装置としてトータルステーション ( 測量機 ) を導入し 水槽試験法の高度化を図った 新船位計測装置概要本検討ではトプコンソキアポジショニングジャパン株式会社の自動追尾 MC モデル :PS-13AS という機種を導入 検討した トータルステーションは反射プリズムを搭載した対象物に本体から赤外光レーザを投射し 反射光を受光することで 対象物との距離を計測し 同時に投影された光量の変化から旋回角度を計測する このようにして得られた斜距離 天頂角 方向角を解析して対象物の座標を算出することを可能とする Table1 に主な仕様を Fig.1 に装置概観図を示す 駆動系 項目 所有機能 最大回転速度 追尾速度 Table1 装置仕様 性能 自動追尾 自動視準 MC モード 85 / 秒 / 秒 測角部測角精度 3 測距部 データ記録 諸般 測距範囲 ( プリズムモード ) 測距精度 ( プリズムモード ) 1.3 m~1, m ±(1.5mm + ppm D) m.s.e. メモリ内部 5MB( プログラム領域含 ) インターフェース 寸法 質量 バッテリー使用時間 ( 連続 ) レーザ規格 シリアルポート (RS-3C) 3(W) 7(D) 393(B) mm 6.9 kg 7. V 5. A / 4 時間 プリズム測距 :1( 不可視 ) レーザ照準 :3R( 可視 ) 151

157 Fig.1 装置写真 ( 左 : トータルステーション本体 右 : 反射プリズム ) 模型船のような移動体の位置計測についてはトータルステーションが有する自動追尾機能を用い 行われる 上記の反射プリズムは 36 プリズムであり 船体が旋回運動を行っている際にどの方向からレーザが照射されても反射光を計測装置に返す 計測装置側はこの反射光を常に視界に捉えるように追尾 回転することで時々刻々の斜距離 角度を計測し 座標の時系列を得る また本装置は Table1 に示した測距モードの他に最大 Hz の高速データ更新レートに対応した MC( マシンコントロール ) モデルであり MC モードを用いた場合の測距性能を Table に示す 測距モードは計測時に設定可能となっており 本計測では基本的には計測レート数が高い MC モードを用いて実施する Table MC モード測距性能 測距モード測距精度表示単位測定時間 MC モード 1mm モード ±(3mm+ppm D) mse 1mm 約.5 秒 計測方法トータルステーションを用いた計測を行うにあたり まずは模型船上の 36 プリズムを視認できる場所に装置を設置する必要がある Fig. にトータルステーション設置概略図を示す 15

158 3m 7m 水槽岸 Fig. トータルステーション設置概略図 トータルステーションの座標については x 軸のみ設定が可能である トータルステーション下部から鉛直のポイントと岸端部との距離を計測し 水槽岸に沿った遠方の岸端から同等の距離の位置に印をつけ その印にレーザを照射し 方向を測定することで x 軸を設定する 概略図を Fig.3 に示す x 軸 水槽 y 軸 Fig.3 座標系設定方法 自由航走船位計測結果旋回試験 及び Z 試験時の船位計測の結果を Fig.4 に示す トータルステーションの自動追尾計測による出力データは本器を原点として で設定した軸方向を正とした座標で出力されるため Fig.4 で示した図では右旋回の結果が左旋回しているようなイメージで描かれている Fig.5 6 に位置計測結果から解析した航跡と船速等の時系列を示す ただし 一緒に描いている回頭角速度 方位角 舵角等の時系列データは模型船に搭載したジャイロによる計測データである 結果を見ると トータルステーションを用いた計測では十分な点の計測ができており 航跡も綺麗に描けていることがわかる 本計測で対象とした船はコンテナ船で比較的船速が速く ( アプローチ船速 : 約 1.4m/s) 旋回中には 5 以上の横傾斜がつくような船型であったが 模型船の速度 姿勢による計測精度への影響は特に問題とはならないと考えられる またここでは計測データは示していないが 本計測では上述した Hz の MC モードの他に 一部計測では 153

159 MC モードを使用しない精密測定 ( データ更新レートは約 Hz) による計測を行い 測距精度と距離 角度計測値の時間誤差の影響を確認した その結果から計測モードによる差はほとんど確認できなかったが モードの精度差 mm が各試験間の航跡の誤差に比べて小さいと考えられることからも MC モードを用いた Hz の計測を使用することで問題はないと考えられる Fig.4 旋回航跡 ( 左 : 舵角 +35 中 : 舵角 +1 右 : 舵角 -1 ) 154

160 Fig 旋回航跡と時系列データ 155

161 Fig Z 操舵航跡と時系列データ 計測データの問題点 Fig.4 に示したトータルステーションによる計測結果を見ると 右旋回では 旋回したあたりで航跡が一部途切れていることが確認できる これは模型船に設置したプリズムが模型船の旋回運動の最中に操舵機 及びその他機器の陰に隠れて トータルステーションの視界から消えてしまっている区間である そのため計測の際にはプリズム位置を高くするなどによって できる限りレーザとプリズムの間に遮蔽物が入らないように設置することが望ましいが 模型船の構造や曳引車下の空間の制約上ある程度は発生してしまう可能性がある ただし 計測できない区間はおよそ 3 秒前後で 解析時に十分補間できると考えられる また上記の物理的なデータの欠落以外にも機械的なデータの欠落も一部発生し データ出力の際 1 秒毎に約. 秒間距離計測ができない点が出てくることを確認した 参考に計測データ時系列例を Fig.7 に示す これは装置内の角度情報補正のためとされているが こちらも. 秒程度の欠落のため 解析時の補間で十分処理できる 156

162 Fig.7 時系列データにおける機械的要因によるデータ欠落 本計測では上述のとおり基本的に Hz の MC モードで行っているが 右 5 左 35 旋回では MC モードを使用しない 3Hz の計測を行い Table4.1- に示した測距精度と距離と角度の計測値の時間誤差の影響を確認した 結果として 計測モードによる差はほとんど確認できなかったが モードの精度差 mm が各試験間の航跡の誤差に比べて小さいと考えられることからも MC モードを用いた Hz の計測を使用することで問題はないと考えられる 船体データとの時刻同期トータルステーションは船体に搭載し船体姿勢やスラストなどを計測しているデータロガーとは独立しているため 自由航走試験の解析の際に重要なこととして 船位データと船体データの同期が挙げられる 本計測においても相互の時刻同期のため 位置計測用 船体データ計測用のコンピュータはそれぞれ計測前に NSTP サーバと時刻を合わせて実施していたが 試験解析結果から船位と船体データに.1 秒弱程度の時刻誤差があると推定された この原因としては 距離と角度の計測に僅かに時間のズレがある ( メーカ説明 ) トータルステーションと PC 間のシリアルポートの通信速度により計測と出力の間で時刻がずれる等の可能性が考えられる.1 秒の誤差はアプローチ時であれば 1.4m/s の船で 14mm の差となり 測距誤差の 5 倍程度となるため無視できないものであるため トータルステーションと船体データロガーの両方の計測データに同時に信号を入れ 同期点を明確にすることが必要と考えられる ここではレーザ式判別変位センサを用いた同期方法について記載する 同期手法としては船上に判別変位センサを搭載し あるタイミングでセンサのレーザをトータルステーショ 157

163 ンのレーザと同時に遮蔽することで船体データと船位データに変化を与え 同期点を入れるものとした 本検 討で用いたレーザ式判別変位センサは株式会社 KEYENCE の IL-3 及び IL-1 を導入した Table3 に主な 仕様を Fig.8 にセンサ概観図を示す Table3 小型レーザ測距計仕様 型式 IL-3( センサヘッド ) IL-1( アンプユニット ) 基準距離 測定距離 光源 レーザクラス 出力 3mm 16~45mm 赤色半導体レーザ波長 :655nm( 可視光 ) Class(FDA CDRH Part14.1) 1 Class(IEC 685-1) 56μW サンプリング周期.33/1//5ms(4 段階可変 ) 質量 約 135g Fig.8 レーザ式判別変位センサ写真 ( 左 :IL-3 右 :IL-1) 計測方法の詳細は船体上の反射プリズムの近傍に判別変位センサを取付け 模型船が走行する前に船位 船体データの計測を開始し あるタイミングで Fig.9 に示したようにトータルステーションと判別変位センサの両方のレーザの光路に遮蔽物を通すことで トータルステーション側には距離測定不能のデータが 判別変位センサにはレーザ照射距離の変位データが出力される 精度確認のため 陸上にて同一 PC にて船位 船体データを計測できるようにセッティングを行い 上記手法を行った際の計測結果を Fig.1 に示す この結果より本同期手法を用いることでトータルステーションとレーザ式判別変位センサとの時刻誤差は約.3 秒となっていることが確認でき これによる船位のズレは本検討で用いている模型 ( アプローチ船速 1.4m/s 船長 3m) の場合でも 1.5%Lpp 程度となり 十分な精度で時刻同期がとれていると考えられる 158

164 Fig.9 同期手法概要 トータルステーションデータ 判別変位センサデータ レーザ遮断により距離が計測不可になる 遮蔽物により変位データが入る Fig.1 同期計測データ 結言本検討から次のことを確認した 試験水槽での自由航走試験において トータルステーションを用いた船位計測は十分な精度で計測ができており 超音波計測などでは問題となった模型船の速度 姿勢による計測精度への影響は特に問題とはならないと考えられる トータルステーションを用いた計測データは物理的 或いは機械的な要因でデータの欠落が起こり得るが 解析精度上は問題にならないレベルである 自由航走試験の解析には船位データと船体運動データ間で時刻の同期が必要となるが 本稿で紹介したレーザ式判別変位センサを用いた手法により十分な精度で同期をとることが可能である 159

165 7. 回流水槽を用いた針路安定性の検討 Lpp.m~.5m の比較的小型の模型を用いた回流水槽での実験 [1] が行われている その目的は抵抗軽減や推進器との干渉影響に関わる推進性能の改善の他 操縦性能の調査とその改良にある 模型試験結果から船体に関する微係数やプロペラ 舵の相互干渉の係数を求め 数値シミュレーションを実施して操縦性能を評価する方法もあるが 斜航試験と Pure Yaw 試験のみから針路安定性を簡易に判別する方法もある 後者は試験や解析に要する時間が比較的短いことから船舶の計画段階における操縦性能の確認に特に有効である 本節では幾つかの船型を対象に実施された回流水槽での PMM 試験結果とそれを用いた針路安定性能判別結果を報告する 厳密な意味で PMM(Planer Motion Mechanism) 試験とは PMM 装置を用いて模型船に正弦関数状の運動を与える Dynamic 試験を指す しかしここでは斜航角を設定するのに PMM 装置を用いた斜航試験も広い意味での PMM 試験として表現する 7..1 実施された水槽試験ここでは実施された試験について報告する 1) 回流水槽 PMM 試験に用いられた船型開発用回流水槽の主要目を次に示す 型式 : 垂直循環式 インペラー型回流水槽観測部寸法 : 長さ 6.m 幅.m 水深 1.m 最大流速 :.m/s ) PMM 装置同装置は Lpp.5m 以下の模型船を対象としたものであり 次の特徴を持つ 型式 : 軸独立制御による簡易式大振幅 PMM 運動設定範囲 : 最大 Swaying 振幅 ±.9m 最大 Yawing 振幅 ±45deg 運動制御 : 基の AC サーボモータをパソコンで制御 3) 検力システム模型船は 3 分力計とパンタグラフを介して PMM 装置に拘束されている 検力計の設定位置に応じて重心ベースの検力を行う方法と Midship ベースの検力を行う方法とがあるが今回は後者の設定とした 船舶の針路安定性については重心固定座標上の力の釣り合いで論じられるべきであるため解析において重心ベースの運動方程式での微係数への変換を行った 船体の検力 : X 力 N Y 力 N Z 軸モーメント 8Nm 運動拘束 : Surge Sway Yaw Heel を拘束 Heave Pitch 自由その他の検力 : 舵直圧力 FN スラスト T ここでは舵は船体の一部とみなされており 計測された舵直圧力は解析には使われていない 4) 供試模型船 PMM 試験に供された模型船は Table 1 に示した 3 隻である KVLCC-87 船型は良く知られた肥大船型 KVLCC- を基本とし より肥大度が高い船型として Cb が.87 に設定されたものである 船首 船尾のプロフィルと舵は KVLCC- と同一である SR1-A 船型は針路安定性が比較的良くないことが知られている [] 16

166 Table 1 Principal Particulars Model KVLCC KVLCC-87 SR1-A Lpp.m.m.m B.365m.365m.365m d.13m.13m.16m xg Cb PMM 試験の解析回流水槽における PMM 試験の解析方法については平成 年から 4 年に行われた船舶操縦運動の予測モデル標準化研究委員会の報告書に詳しいのでここでは割愛する 非線形微係数としては 3 次の項を用いる解析を行った 船舶の針路安定性の評価は重心固定座標上での斜航流体力と旋回流体力の関係から行われるべきであることから Midship ベースの検力システムでの試験で得られた微係数を重心ベースのものに変換する必要がある [3] 変換に用いられた式を以下に示す 添え字 G の有無で微係数が重心ベースのものと Midship ベースのものとを区別している x'gは Midship から見た重心の前後方向の位置の無次元値である Y ' = Y ' Y ' Gv Gr N ' Gv Gv v = Y ' v = N' Y ' v v v Y ' x' v G x' N ' = N' ( N' + Y ' Gv G r ) x' G 1) 斜航流体力と旋回流体力の線形微係数を用い 針路安定性指数 C は次のように定義される C = Y ' Gv N' Gr ( Y ' Gv m' m' x ) N' Gv ) Pure Yawing 試験の解析において線形微係数 Y'rは前後方向の付加質量係数の項 -mx' を伴って得られるため 特別に m'xの値を求める必要は無い 7..3 試験結果 Table,Fig.1 に 3 船型についての横力とそのモーメント成分に関わる重心周りの線形微係数と針路安定性指数を示す 161

167 Table The Course Stability Criterion Model KVLCC KVLCC SR1-A Cb=.81 Cb=.87 Cb=.81 Condition H+P+R m xg YGv NGv YGr - mx' NGr C KVLCC KVLCC-87 SR1-A Fig.1 Course stability criterion KVLCC は 3 船型の中で最も針路安定性は良いと判定された 絶対値は小さいが負の極性が示されており 判別としては若干の不安定である KVLCC-87 の針路安定指数は KVLCC より負に大きく 肥大度が増した影響が表れている 更に針路安定性が良くないと評価されたのは SR1-A 船型である 同船型は V 型船尾フレームラインを有するものであり Lpp3.5m 模型船で実施された自由航走のスパイラル試験では約 1 の不安定ループ幅を持ったことが報告 [] されている PMM 試験はプロペラ 舵付きの模型船で行われた 同時に実施された舵角試験で得られた船体と舵の干渉係数 ah,x Hを用い KVLCC に関して舵の影響を差し引いて船体のみに作用する微係数を求めた 同船型についての CMT 結果との比較を Table 3 に示す CMT 結果 [4] の斜航流体力の微係数はβ 表記が採られていたが比較のため v 表記に換算されている ここに示すのは全て Midship ベースで求められた微係数である 16

168 Table 1 Comparision of Derivatives PMM in CWC (FEL) CMT (NMRI) Lpp.m.991m Yv Yvvv Nv Nvvv Yr -mx Yrrr Nr Nrrr Table1 に示された微係数を用い 次式で求めた斜航流体力 旋回流体力とそれらのモーメント成分を Fig. に比較する Y ' 3 ( v ) = Y ' v v' + Y ' vvv v' N' Y ' 3 ( v ) = N' v v' + N' vvv v' 3 ( r ) = ( Y ' r m' mx ') r' + Y ' rrr r' 3) N' 3 ( r ) = N' r r' + N' rrr r' Fig. Comparison between the results of CMT and PMM Test 横運動が大きくなり 流体力に含まれる非線形性分の影響が比較的大きくなる領域については CMT 結果と回流水槽での PMM 試験結果には若干の差が認められるが斜航流体力 旋回流体力とそれらのモーメント成分について概ね良い一致が示されている 163

169 参考文献 [1] 川島敏彦 橋詰泰久 : 回流水槽の現状と課題 日本船舶海洋工学会推進性能研究会シンポジウムテキスト 平成 年 1 月 [] 社団法人日本造船研究協会 : 操縦運動時の船体周囲流場に関する研究成果報告書 ( 第 1 研究部会 ) 平成 8 年 3 月 [3] 安川宏紀 : ミッドシップと重心ベースの微係数の変換 日本船舶海洋工学会 船舶操縦運動予測モデル標準化研究委員会資料 平成 5 年 1 月 [4] 芳村康男 : 操縦流体力データベース 日本船舶海洋工学会 船舶操縦運動予測モデル標準化研究委員会資料 平成 4 年 月 164

170 7.3 C b (C b ).85 (1) C b.85 C b =:81 KVLCC () C b.84,.87 3 C b 7.3. Fig.1 o xyz o x y z o x y z x x ψ ffi fi r u v m U x -vm U β u r o y x ψ δ o y Fig.1: Coordinate systems Table 1 S-Cb81 C b =:81 KVLCC () Fig. 165

171 S-Cb81(KVLCC) C b.84,.87 S-Cb84, S-Cb87 3 C b KVLCC 3 m VLCC Fig.3 3 (Full ) (Ballast ) Fig.: S-Cb81 model Table 1: Principal particulars of ship models name S-Cb81 S-Cb84 S-Cb87 L (m).99 B (m).57 D (m).36 load condition Full load d m (m).189 trim (m). volume (m 3 ) C b load condition Ballast load d m (m).1 trim (m).35 volume (m 3 ) C b ( 16 m 3 m 3.3 m) ± deg ±35 deg 1/1 / zig-zag U Full.76 m/s( 15.5 kn ) Ballast.785 m/s( 16. kn ) 1.76 deg/s.5l Fig.4 166

172 Fig.3: Body plans (top: S-Cb81, middle: S-Cb84, bottom: S-Cb87) PC Amp. Towing carriage Rudder dynamometer Camera Target Motor Rudder model Propeller dynamometer Propeller model Ship model Directional jyro Fig.4: A schematic diagram of free-running model test 167

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