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1 1. 体性感覚とは 感覚 特殊感覚 非特殊感覚 体性感覚 内臓感覚 表在感覚 superficial sensation 体表面の皮膚や粘膜にある受容器に 刺激が加わることによって起こる感覚 深部感覚 deep sensation( 固有感覚 proprioception) 筋肉 腱 筋膜 関節 靭帯などにある固有 受容器に刺激が加わることによって起こる感覚 体性 somatic : 身体の あるいは 肉体の ( 精神 mental) ( 皮膚 粘膜 筋 腱 骨膜 関節嚢 靭帯など ) 体性感覚 somatosensation, somesthesis: 非特殊感覚 : 全身の種々の部位で感じる 体性感覚の受容器の興奮が求心性神経により中枢に伝わって生じる

2 1) 表在感覚 superficial sensation 1 触 圧覚 皮膚表面に加わった弱い機械刺激によって起こる感覚 触 圧覚の受容野は 重複している場合が多い 受容器の密度が高く 受容野の広がりが小さい 細かい識別が可能 =2 点弁別閾値が低い 触 圧覚の刺激の閾値は部位によって異なる 2 振動感覚数十 Hzから数百 Hzの繰り返し刺激によって生じる感覚 3 温度感覚温覚と冷覚 4 痛みとかゆみ 2

3 2) 深部感覚 deep sensation ( 固有感覚 proprioception) 骨格筋や関節の感覚はほとんど意識に上ることはないが 姿勢の維持などに関与する 運動系で扱う 1 位置の感覚自己の四肢や身体の各部位の相対的位置関係を知る感覚 目隠しをした状態でも手足の位置を認識することができる 2 動きの感覚 随意運動による四肢関節角度の変化の方向 速度などを知る感覚 3 力 重さの感覚 姿勢の維持 重量感覚 収縮を必要としない筋活動により生じる 3

4 4

5 内臓感覚は体性感覚ではない 内臓では どこが刺激されているかという感覚はあまりない 内臓は 皮膚よりも神経支配が少ないから 満腹感 空腹感 渇き 尿意 息苦し 内臓の痛み求心性神経 --- 感覚神経 ( 自律神経 ) 遠心性神経 --- 自律神経 ( 交感神経と副交感神経 ) 内臓感覚の多くは 意識にのぼることがない 内臓受容器 ( 速順応性と遅順応性の機械受容器と化学受容器 ) は主として ホメオスタシスに関与する 循環器系の受容器 呼吸器系の受容器 消化器系の受容器 腎臓系の受容器 5

6 1 体性感覚と受容器の種類 温熱受容器 かゆみ受容器 侵害受容器以外の適当刺激は機械刺激 6

7 1 体性感覚と受容器の種類 体性感覚の受容器の分布と形態 ガイトン生理学 ( エルゼビアジャパン ) 改編 7

8 復習 ~ 感覚受容器の分類 第一次感覚細胞 = 神経性の受容器 感覚神経線維終末が受容器に分化したもの 受容器電位 = 起動電位 起動電位電位が 閾膜電位に達すると 活動電位を引き起こし 活動電位は求心性神経を伝導する 第二次感覚細胞 = 感覚受容細胞 = 非神経性の受容器 受容器電位が発生すると 感覚受容細胞から 伝達物質が放出される 8 標準生理学図 4-4 伝達物質は 感覚神経に起動電位を発生させ 閾値を超えると活動電位が生じる

9 2 体性感覚の受容器電位 ( 起動電位 ) の発生 体性感覚の受容器神経性の感覚受容器 ( 一次感覚細胞 ) 1 次ニューロン偽単極性細胞細胞体 : 脊髄後根神経節末梢と脊髄方向へ神経線維 末梢 偽単極ニューロン 脊髄 感覚受容器に適当刺激が加わると 受容器の膜の Na チャネルが開放し Na + が流入 受容器電位 ( 起動電位 ) が生じる 活動電位が 神経線維を伝わる 9

10 3 体性感覚の各受容器の性質 a. 機械受容器 機械受容器は特殊な構造を有し 局所への機械的刺激 ( 変形や圧変化など ) により受容器電位あるいは起動電位を発生し 閾値に達すると受容器近傍の線維に活動電位を発生させる 皮膚の機械受容器は持続的刺激により順応し 応答しなくなる マイスネル小体 表皮直下の真皮乳頭にある 受容野狭い 順応速い RA1 接触対象の細部を検出し 体表面の限局した部分の触覚情報を処理する メルケル盤 表皮と真皮にある 受容野は狭い 順応遅い SA1 繊細な皮膚の変形を感受 エッジやテクスチャの感触に関与 ルフィニ終末 真皮に存在 紡錘形 受容野広い 順応遅い RA2 皮膚の伸展 変形を感受 パチニ小体 真皮の深部に存在する 受容野広い 順応が速い 圧の変化を感受 SA1 毛包受容器 毛の動きを感知する 順応は速い 有毛部の触覚情報処理 10

11 触圧受容器の応答の時間的特性 マイスナー小体 メルケル盤 遅順応型 :SA ー 速順応型 :RA 11

12 触圧受容器の順応性 速順応性受容器 Slowly adapting receptor:sa 順応が非常に速い受容器 Rapidly Adapting receptor: RA2 = 加速度検出器 --- パチニ小体 速順応性受容器 Rapidly Adapting receptor: RA1 ( 相動性受容器 phasic receptor) = 速度検出器 --- マイスネル小体 毛包受容器 遅順応性受容器 Slowly adapting receptor:sa ( 緊張性受容器 (tonic receptor)= 強度検出器 I 型遅順応性受容器 Type I-Slowly adapting receptor:sa1--- メルケル触盤 ( メルケル細胞 ) II 型遅順応性受容器 Type II-Slowly adapting receptor:sa2--- ルフィニ終末 12

13 触圧受容器の受容野 (receptive field) 空間的役割分担 /Spatial Roles 1 型受容野狭い境界明瞭皮膚の浅い部分 メルケル盤 マイスネル小体 ルフィニ終末 パチニ小体 2 型受容野広い境界不明瞭皮膚の深い部分 メルケル盤とマイスネル小体は皮膚上の細かい動きを ルフィニ終末とパチニ小体は広い面積の動きを感知する

14 物体に触れるときには 2 万本もの神経がはたらく RA1 神経系 : 物体の動きの情報 SA1 神経系 : 物体の形やテクスチャなどからの空間的な構造の情報 手の接触 握る 持ち上げ開始 保持する RA2 神経系 : 物体の振動の情報 SA2 神経系 : 物体を握ったり 動かしたりする時の手の形や姿勢などの情報 荷重力把持力 物体の高さ これらの神経系が総合的に働くことによって手の中の物体を上手に扱うことができる 14

15 b. 温熱受容器 温熱受容器には TRP イオンチャネルファミリーが局在し さまざまな温度を感知する TRP イオンチャネルは温度だけでなく 化学物質にも反応する TRP(Transient receptor potential) イオンチャネル 6 つの膜貫通型陽イオンチャネル カンデルの神経科学 5 版図

16 温度と温覚 冷覚 痛覚の関係 温覚 (40 ピーク ) 冷覚 (25 ピーク ) 冷覚 ( 矛盾反応 ) 痛覚 痛覚 温度 ( ) 冷覚 = 温覚 (33 )

17 温度感覚の特徴 17

18 c. 侵害受容器 侵害受容器はさまざまな侵害刺激に反応する 侵害受容器は順応しない (Scholz and Woolf Nature Neuroscience 5, , 2002) 18

19 侵害受容器と侵害刺激 組織を損傷する侵害刺激は 侵害受容器を興奮させて痛みを生じさせる 侵害受容器の興奮が痛みを伴わないことがある 侵害受容器に対する適刺激は 組織によって異なる [ 皮膚の侵害受容器に対する侵害刺激 ] 侵害性機械刺激 --- 針で刺す 有鉤ピンセットでつまむ 侵害性熱刺激 以下の冷却 43 以上の加熱 侵害性化学刺激 --- 刺激性化学物質 炎症メディエーター 自由終末 ( 侵害受容器 ) の反応 [ 筋肉の侵害受容器に対する侵害刺激 ] 侵害性機械刺激 侵害性熱刺激 侵害性化学刺激 血流の減少している筋肉を収縮させると 侵害刺激を加えなくても 痛みが生じる 侵害刺激 Na + [ 内臓に対する侵害刺激 ] 皮膚の侵害受容器に対する適刺激が内臓の侵害受容器に対する適刺激になるとは限らない 内臓 ( 管腔臓器 ) は 切っても焼いても 痛みを感じない 閉塞に逆らって 内容物を移送するために 強い収縮や伸展が起こると 強い痛みが起こる 侵害性化学刺激--- 刺激性化学物質 炎症メディエーター 19

20 4 一次求心性線維 Aα 線維 Aβ 線維有髄線維 Aδ 線維 C 線維 ---- 無髄線維 太い 細い Aα 線維 : 筋感覚 ( 筋紡錘 ) Aβ 線維 : 触覚 Aδ 線維 : 痛覚 温度感覚 C 線維 : 痛覚 温度感覚 かゆみ NEUROSCIENCE Exploring the Brain Fig

21 皮膚分節デルマトーム : 一つの脊髄分節が感覚を伝える皮膚の領域 一次求心性線維は 上下に少し枝分かれして 脊髄後根から脊髄に入る 内臓からの求心性線維は 脊髄に入ってから さらに上下の分節にも枝を伸ばす

22 5 体性感覚の伝導路 ~ 脊髄支配領域 ~ 精密な触圧覚 深部感覚 温痛覚 粗大な触圧覚 脊髄に入った後 脊髄後角に入らず 同側後索を上行し延髄後索核に終止する 後索核下肢領域 薄束核 上肢領域 楔状束核 脊髄後角の 2 次ニューロンとシナプスする 2 次ニューロンの神経線維は対側へと交叉し 温痛覚は側索 粗大な触圧覚は前索を上行する 22

23 a. 深部感覚 精細な触圧覚の伝導路 < 後索 - 内側毛帯路系 > 1 次ニューロン 脊髄に入る 同側後索を上行 同側延髄後索核に終止 2 次ニューロン 交叉し 対側内側毛帯を上行 対側視床 VPL に終止 3 次ニューロン 対側大脳皮質体性感覚野 4 次ニューロン 2 次ニューロン 後索核楔状束核 上半身薄束核 下半身 同側後索 内側毛帯路 NEUROSCIENCE Exploring the Brain Fig

24 b. 温痛覚 粗大な触圧覚の伝導路 < 脊髄視床路 > 1 次ニューロン 脊髄に入る 脊髄後角に終止 2 次 (?) ニューロン 交叉 対側前側索を上行 対側脊髄視床路を上行 対側視床 VPL に終止 3 次 (?) ニューロン 対側大脳皮質体性感覚野 ( 感覚的側面 ) 4(?) 次ニューロン ( 痛みには 感覚的側面と情動的側面がある 脊髄視床路は 感覚的側面の伝導路 ) 2 次ニューロン 対側前側索 脊髄視床路 NEUROSCIENCE Exploring the Brain Fig

25 深部感覚 精細な触圧覚と温痛覚 粗大な触圧覚の伝導路の違い < 深部感覚 精細な触圧覚 > 脊髄に入った後 ニューロンを換えずに 同側の後索を上行し 延髄後索核で二次ニューロンに連絡 対側へ交叉して視床後腹側外側核 (VPL) に至る ( 後索 - 内側毛帯系 ) < 温痛覚 粗大な触圧覚 > 脊髄に入り 脊髄後角に終止 2 次ニューロンはただちに対側へと交叉し 温痛覚を伝えるニューロンは側索 粗大な触圧覚を伝えるニューロンは前索を上行して視床 VPL 核に至る ( 脊髄視床路 ) 25

26 Brown-Sequard 症候群 同側 ( 脊髄半側切断症候群 ) 触圧覚と温痛覚の伝導路が異なるため 脊髄が半側だけ切断されると 触圧覚 温痛覚の障害に違いが生じる (1) 切断レベル以下での深部感覚の消失と触圧覚の低下 ( 後索の障害 ) (2) 運動麻痺 ( 錐体路の障害 ) 反対側 位置覚消失 振動感覚消失触圧覚低下 運動麻痺 温痛覚消失触圧覚低下 (1) 切断部より 1~2 レベル下の反対側の温痛覚の消失 ( 外側脊髄視床路の障害 ) (2) 触圧覚の低下 ( 前脊髄視床路の障害 ) 図第 4 胸髄右片側切断によるブラウンセカール症候群 26

27 5 体性感覚の伝導路 ~ 三叉神経支配領域 ~ 顔面 前頭部 口腔 舌の感覚の伝導路 < 三叉神経系 > 触圧覚情報を伝える 1 次ニューロン 延髄に入り 主知覚核に終止 温痛覚情報を伝える 1 次ニューロン 延髄に入り 脊髄路核に終止 2 次 (?) ニューロン 交叉 対側内側毛帯 / 対側脊髄視床路を上行 対側視床 VPM 3 次 (?) ニューロン 対側大脳皮質体性感覚野 NEUROSCIENCE Exploring the Brain Fig

28 6 視床腹側基底核群 (VB complex) 体部位再現性 体表受容野の並びの順に配置している 下半身 体幹 手 感覚性入力 視床後腹側核群 VB complex 顔 脊髄支配領域からの感覚性入力 対側視床後外側腹側核 :VPL 三叉神経支配領域からの感覚性入力 対側視床後内側腹側核 :VPM 情動性入力 対側髄板内核群 28

29 7 体性感覚野 一次体性感覚野 SI (Broadmann の 3a 野 3b 野 1 野 2 野 ) 頭頂葉の中心後回 = 中心溝に沿って内外側方向に広がる 3a 野 深部 ( 筋紡錘 ) 3b 野 皮膚 --- 触圧覚 痛覚 1 野 皮膚 --- 触圧覚 痛覚 2 野 皮膚と深部 受容野狭い 受容野広い 二次体性感覚野 SII SI の外側後方の Sylvius 溝に沿った頭頂弁蓋の内側 表面感覚 29

30 ヒト SI(3b) の体部位再現性 SI の電気刺激 対側の体表部位に触圧覚 皮膚刺激点の移動 興奮する SI ニューロンの移動 体表表面から SI 皮質表面への触圧覚投射は反対側体表の並び通り 全身が再現される 体表の末梢受容器と感覚野のニューロンの間 末梢受容器の分布と感覚野の大きさの間に対応関係がある 敏感な体表部分は SI で広い領域に再現される ホムンクルス homunculus( 小人 ) NEUROSCIENCE Exploring the Brain Fig

31 機能円柱 ( カラム ) とバレル 機能円柱カラム バレル ( 樽 ) 大脳皮質の表面に垂直に並んだ神経細胞群は 共通した性質を持つ 機能的単位 カラム ( 約直径 0.5mm) 内のニューロンの大多数が同種の末梢刺激に反応する カラム内のニューロンの末梢受容野の広がりや潜時には著しい差がない 円柱が機能単位となっていて それが集まって作られるモザイク構造 ラットの上唇の洞毛からのインパルスを受容する一次体性感覚野では 同一の洞毛からの感覚を受容する顆粒細胞が第 IV 層に密に集団を作っている ラット SI には バレル ( 樽 ) と呼ばれる構造がみられ 一本のヒゲと一個のバレルが対応している 31

32 8 触覚の閾値 触覚の閾値は 部位によって異なる 触覚の閾値は 老人では高い傾向がある 32

33 9 触覚の 2 点弁別能 =2 つの刺激が 2 点と弁別されるのに必要な最小距離 2 点弁別能は 受容器と大脳皮質の働きによって決まる 受容器の密度高受容野の大きさ小 ( 受容野の重複度大 ) 閾値低い 口唇 顔 指尖等 指尖手掌と足底手背と足背頸骨面背部 3-6mm 15-20mm 30mm 40mm 65mm 手での 2 点弁別閾値は 1 本の感覚神経線維が支配する皮膚領域の直径とほぼ等しい 周辺抑制は 2 点弁別閾値に影響する 33

34 2. 痛みとは INTERNATIONAL ASSOCIATION FOR THE STUDY OF PAIN 世界疼痛学会による 痛み の定義 Pain (1979) : An unpleasant sensory and emotional experience associated with actual or potential tissue damage, or described in terms of such damage. 痛みは 実質的または潜在的な組織損傷に伴う あるいは組織損傷を表現する言葉を使って述べられる不快な感覚 情動体験である 痛み 感覚的側面情動的側面 痛みは 組織損傷を示す生体警告系として重要 一方 組織損傷を伴わない痛みもある 34

35 痛みの分類 < 発生部位による痛みの分類 > 体性痛 ( 皮膚痛 筋肉痛 関節痛など ) 内臓痛 ( 関連痛 ) < 原因による痛みの分類 > 侵害受容性疼痛 神経障害性疼痛 心因性疼痛 (= 身体表現性疼痛 ) 現実には原因不明な痛みも多い! < 急性痛と慢性痛 > 35

36 1 侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛 侵害受容性疼痛 侵害受容器で侵害刺激が電気信号に変換されたことによって生じる痛み スタート 感覚受容器 侵害受容器 神経障害性疼痛 神経が障害されることによって生じる痛み 侵害受容器は関与しない 侵害受容器 侵害刺激 ゴール 痛みは脳で生じる スタート 末梢神経や伝導路の障害

37 皮膚の機械受容器 ガイトン生理学 ( エルゼビアジャパン ) 改編 侵害刺激を感知する侵害受容器は終末の髄鞘が消失した自由 ( 神経 ) 終末

38 2 侵害受容器 (Scholz and Woolf Nature Neuroscience 5, , 2002) 侵害受容器 = 一次侵害受容ニューロンの末梢終末 自由終末 神経性の感覚受容器一次侵害受容ニューロン 偽単極細胞細胞体 : 脊髄後根神経節神経線維 : 末梢と脊髄方向へ

39 2 侵害受容器 侵害刺激とは 組織を損傷する刺激である 通常の痛み ( 侵害受容性疼痛 ) は 侵害受容器の活性化により生じる 侵害受容器が興奮しても必ずしも痛みが生じるとは限らないので 痛みの受容器 とは呼ばない 神経成長因子 カプサイシン ブラジキニン Na + チャネル 侵害受容器上には様々な受容体が存在 m 内因性オピオイド プロスタグランジン (Julius & Basbaum Nature 413, , 2001) 39

40 炎症の 5 主徴ー Galenus (Claudius Galenus)( ) ガレノスの 5 徴候 ローマ帝国の医師ガレノスはケルススの 4 徴候に機能障害を加えた 40

41 3 炎症メディエーターと侵害受容器 組織損傷によって生じるブラジキニン ( 発痛物質 ) なども侵害受容器に活動電位を発生させる Bradykinin 炎症メディエーターとは 損傷された組織 および炎症部位に浸潤した白血球や肥満細胞 マクロファージなどから放出される生理活性物質 41

42 3 炎症メディエーターと侵害受容器 プロスタグランジン セロトニン ヒスタミン ATP プロトン NGF なども侵害受容器に活動電位を発生させる 5-HT Histamine NGF Prostaglandin ATP H + (Julius & Basbaum Nature 413, , 2001) 42

43 炎症ー発痛物質 内因性発痛物質ペプチド類ブラジキニン サブスタンス P (SP) CGRP 電解質カリウムイオン 水素イオン アミン類ヒスタミン セロトニン アセチルコリン ノルアドレナリン その他サイトカイン インターロイキン ATP 外因性発痛物質カプサイシン 血小板 肥満細胞 線維芽細胞が産生する炎症媒介物質 発痛増強物質プロスタグランジン 43

44 4 侵害受容線維自由終末の脱分極 TRP V1 Gq 脱分極 44

45 神経性炎症による痛みの増強 Substance P 軸索反射および後根反射による侵害受容線維の遠心性作用で神経性炎症が生じ 痛みが増強する CGRP Substance P 神経性炎症 CGRP: 血管拡張作用 Substance P (SP): 血管透過性亢進作用 発赤 浮腫 (Julius & Basbaum Nature 413, , 2001) 45

46 胎生期における神経成長因子 NGF の作用 NGF NGF 標的細胞に到達できない神経細胞 NGF を産生しない標的細胞 NGF を産生する標的細胞 侵害受容線維と交感神経は nerve growth factor (NGF) によって 維持される NGF の受容体ー Trk Apoptosis Apoptosis 生存細胞 標的細胞 TrkA の変異により 侵害受容線維の消失 先天性無痛無汗症 *NGF は痛みの増強にも関与している 46

47 成体での神経成長因子 NGF は強い痛みを引き起こす 後根神経節 BDNF CGRP SP NGF: 神経栄養因子 TrkA BDNF: 脳内栄養因子 TrkB 47

48 5 侵害受容線維 Aδ 線維 鋭い痛み速い痛み ---1 次痛 (30m/sec 以下 ) 有髄性直径 5m 以下主に機械的侵害受容器 C 線維 鈍い痛み 遅い痛み ---2 次痛 (2m/sec 以下 ) 0.5~1sec の潜時がある 無髄性 直径 1.5m 以下 主に様々な刺激に応答するポリモーダル受容器 侵害刺激 ( 機械刺激, 熱 冷刺激, 化学刺激 ) 48

49 6Aδ 侵害受容線維の反応 活動電位起動電位 活動電位 受容器電位 Aδ 侵害受容線維の自由終末に侵害刺激が加わると 受容器電位が発生 この電位が引き金となって スパイク発射体から活動電位が発生 活動電位は一定の大きさを保ちながら神経線維に沿って伝わる 有髄線維では活動電位が髄鞘を欠く絞輪の部分から発生する 49

50 7 侵害受容線維と神経伝達物質 有髄 Aδ 線維 無髄 C 線維 2 次ニューロンの反応 Aδ 線維の反応 ( グルタミン酸 ) 2 次ニューロン C 線維反応 ( グルタミン酸 +Substance P: SP) 100msec 50

51 8 後角侵害受容ニューロンにおける情報伝達

52 8 後角侵害受容ニューロンにおける情報伝達 シナプス前線維 侵害受容線維 Aδ 線維の反応 ( グルタミン酸 ) グルタミン酸 AMPA 受容体 L 型電位依存性 Ca 2+ チャネル AMPA 受容体活性化による脱分極 シナプス後ニューロン Ca 2+ Na + Ca2+ NMDA 受容体は Mg+ によって阻害 されている 脱分極 興奮 Ca 2+ 濃度の上昇 PGE2 COX PLA2 活性化 NOS 活性化 アラキドン酸 遺伝子発現 NO 52

53 8 後角侵害受容ニューロンにおける情報伝達 シナプス前線維 侵害受容線維 Aδ 線維 +C 線維反応 ( グルタミン酸 +P 物質 ) (BDNF) シナプス後ニューロン NK 受容体 G 小胞体 PGE2 SP 興奮 IP3 COX グルタミン酸 NMDA 受容体 PKC DAG P Ca 2+ 脱分極 AMPA 受容体 Ca2+ Na + Ca 2+ PLA2 活性化 アラキドン酸 Ca 2+ 濃度の上昇 遺伝子発現 NOS 活性化 L 型電位依存性 Ca 2+ チャネル NO AMPA 受容体活性化による脱分極 NK1 受容体活性化による脱分極 NMDA 受容体も活性化 興奮の増大ワインドアップ現象痛みが強まる 53

54 ゲートコントロール説 脊髄後角には 痛み信号の流入をコントロールするゲートの機能がある 後角のある種のニューロンは脊髄視床路に軸索投射するが 太い径の触圧覚線維と無髄の痛覚線維の両者によって活性化される この投射ニューロンは介在ニューロンによって抑制される この介在ニューロンは太い感覚線維により活性化され 痛覚繊維により抑制される このような神経経路により 痛覚刺激による痛覚線維と機械受容器からの太い軸索線維が同時に発火すると介在ニューロンが活性化されて侵害受容信号が抑制される しかし このような神経回路は脊髄後角で見つかっていない 54

55 9 脊髄後角の層分布と侵害受容ニューロン 脊髄後根 Lissauer 路 視床 脊髄横断面 第 I 層特異的侵害受容ニューロン :NS 第 II 層外層部広作動域ニューロン :WDR 第 II 層内層部第 III 層第 IV 層第 V 層広作動域ニューロン :WDR 第 VI 層 55

56 広作動域ニューロン (Wide dynamic range neuron: WDR) a b c c 25 0 brush pressure pinch 50 b 25 刺激強度を強めると段階的に発射が増加する 痛みの強度を知らせるニューロン a brush pressure pinch brush pressure pinch 10sec 56

57 特異的侵害受容ニューロン (Nociceptive specific neuron: NS) 受容野が狭く 痛みがどこにあるのかを知らせるニューロン 同一の侵害受容ニューロンに皮膚と内臓からの入力が収束 関連痛のメカニズム 末梢受容野 50 機械刺激 0.2mV 0 10msec brush pressure pinch 10sec 下心臓神経の電気刺激 57

58 10 内臓痛と関連痛 内臓痛は平滑筋 骨格筋の強い収縮により 局所の虚血とそれに伴う組織液の酸性化 Kイオンの放出 発痛物質の蓄積などにより 内臓の痛覚繊維の興奮閾値が低下し 過敏となり生じる また 閉塞に逆らって内容物を移送することで強い収縮や伸展が起こると 痛みが生じる 内臓 ( 管腔臓器 ) は 切っても焼いても 痛みを感じない 内臓感覚線維は自律神経に交じって上行し 後根を経由して脊髄後角に達する 58

59 10 内臓痛と関連痛 関連痛とは痛みの原因が生じた部位とは別の場所に感じる痛み 多くの関連痛は深部組織 ( 内臓 筋肉 関節 ) の損傷が原因で起こる 内臓からの一部の線維は皮膚から入力を受ける同じ後角神経細胞に終末する そのため内臓に病変があると対応する皮膚分節に痛覚過敏が生じる 59

60 10 内臓痛と関連痛 頭蓋内の痛みは髄膜や血管で生じる 大脳と小脳の境にあるテントおよびその上の髄膜は三叉神経 その下の髄膜は第 2 顎神経で支配され それらが頭蓋外の皮膚や筋肉に関連痛をもたらす 血管痛は動脈周囲の交感神経で受容される

61 10 内臓痛と関連痛 ~ 発生メカニズム 末梢説 中枢説 Sinclair らの説 (Morley の腸膜皮膚反射説 ) Ruch の収束投射説 (Mackenzie の収束促通説 ) ( 上位中枢説 ) 61

62 11 痛みの伝導路 大脳辺縁系 髄板内核群 IL 痛みの情動側面 脊髄 大脳皮質体性感覚野 脳幹 延髄 視床 腹側基底核群 VB complex 痛みの感覚的側面 痛みの感覚的側面 外側系 脊髄 ( 脊髄視床路 ) ( 視床 ) 腹側基底核群 体性感覚野 痛みの情動的側面 内側系 脊髄 ( 脊髄視床路 ) ( 視床 ) 髄板内核群 大脳辺縁系 それ以外に脊髄中脳路脊髄網様体路

63 12 生理学的疼痛と病態生理学的疼痛 生理学的疼痛 一次ニューロン 生じる感覚 痛み刺激 無髄 C 線維 Aδ 線維 侵害受容ニューロン 痛み 触刺激 Aβ 線維 低閾値機械受容ニューロン 触覚 病態生理学的疼痛 痛覚過敏ー弱い刺激に対して正常より強く感じる 末梢受容体の感作や中枢の可塑的変化によっておこる アロディニア ( 異痛症 ) ー非侵害性の刺激に対しても痛みとして感じる 主に中枢の可塑的変化により生じる 63

64 痛みの増強機構 1 炎症時の末梢機序 ( 末梢性感作 ) 末梢の炎症時には肥満細胞 マクロファージ 免疫細胞や損傷細胞から様々な化学物質が遊離されて直接的 間接的に末梢の神経終末の感受性を変化させる

65 痛みの増強機構 2 炎症時の末梢機序 ( 末梢性感作 )

66 痛みの増強機構 3 中枢機序 ( 中枢性感作 ) 1 wind-up 現象 : 侵害刺激が低頻度で連続的に加わると 脊髄痛覚ニューロンにおける活動電位の発生頻度が刺激毎に増加する 2 長期増強現象 (LTP): 高頻度で連続的な刺激が加わることでシナプスの伝達効率が長期的に高まる 3 シナプスのイオンチャネル活性化 4 シナプスのダイナミックな形態変化 5 末梢神経損傷により活性化したグリア細胞による脊髄痛覚ニューロン活動の変調

67 痛みの増強機構 4 中枢機序 ( 中枢性感作 ) 炎症時 神経障害時 ニューロン グリア由来の細胞外 ATP ミクログリアP2X4 受容体の活性化 BDNF 放出 ニューロンのTrkB 活性化 K + Cl - 共輸送体 2:KCC2を抑制 (KCC2: 細胞内 Cl - くみ出し因子 ) 細胞内 Cl - 濃度上昇 GABAの作用により侵害受容ニューロンが脱分極 痛みの増強 九州大学薬学部井上 津田研究室

68 痛みの増強機構幻肢痛 四肢切断後の患者が 失った四肢が存在するような錯覚や 四肢が存在していた空間に温冷感や痺れ感を知覚する現象 末梢神経の損傷によって出来た神経腫由来の異常インパルス 脊髄レベルでの神経細胞の易興奮性 中枢性感作が原因 68

69 13 下行性疼痛抑制系 視床下部弓状核 ~ セロトニンとノルアドレナリン作動性 最上位は視床下部弓状核 脊髄で下行性モノアミン作動性経路は直接接続あるいは後角表層の介在ニューロンを介して 侵害受容性の投射ニューロンを抑制する 中脳中心灰白質 :PAG 中脳 A5/A7 橋 A6 ( 青斑核 :LC) 延髄弧束核 延髄吻側の腹内側部 : RVM( 大縫線核を含む ) 前側索 迷走神経 後側索 脊髄 69

70 14 上行性疼痛抑制系内因性オピオイドペプチドによる疼痛抑制系 中脳中心灰白質から起こり 視床下部弓状核に作用する系 ❶ ドーパミン線維により弓状核を刺激する ❷ 正中隆起を経て下垂体に作用して β ーエンドルフィンを体液中へと分泌させて体液性に弓状核を刺激する 下行性疼痛抑制系を刺激 モルヒネは中脳中心灰白質のオピオイド受容体に結合し 上行性痛覚抑制系を刺激することで鎮痛作用もつ 70

71 14 上行性疼痛抑制系内因性オピオイドペプチドによる疼痛抑制系 内因性オピオイドペプチド : 脳内麻薬 オピエート受容体 :7 回膜貫通型 G タンパク共役型受容体 seco nd transducer effecter 作用分子 m essenger Gi A C ca MP PKA μ 受容体 δ 受容体 κ 受容体 O RL 1 受容体 ( ミュー ) ( デルタ ) ( カッパ ) 内因性 リガンド β - エンドルフィン エンドモルフィン エンケファリンダイノルフィンノシセプチン / オーファニン F Q アゴニストモルヒネ コデイン ペチジン デルトルフィン ペンタゾシン フェンタニル 71

72 14 上行性疼痛抑制系 ~ 側坐核とドーパミンによる抑制系 Aristotle は 痛みは感覚ではなく 快楽の対極にある情動 と考えた 楽しいことがあれば 痛みを忘れる μ- オピオイド系 中脳ドーパミン系 = 脳内報酬系 前頭眼窩皮質扁桃体など μ- opioid NAc : 側坐核 DA VTA : 腹側被蓋野 (A10 神経 ) 慢性痛に苦しむ患者さんでは 側坐核の機能が低下していることがわかってきた 72

73 15 急性痛と慢性痛 73

74 16 痛覚中枢 ~ 痛覚に関する皮質部位 第一次 第二次体性感覚野 島前部 前帯状回 補足運動野 図 :PET による侵害性熱及び冷刺激による脳内活性化部位 侵害性の熱及び冷刺激は情動に関係のある前帯状回や島を活性化する 74

75 75

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