2010 年 8 月 9 日発行 消費税増税に伴う低所得者対策の検討 ~ 軽減税率よりも給付付き税額控除単独の導入を ~ 要旨 消費税増税の際に問題となる逆進性への対策として 1 軽減税率 または2 給付付き税額控除 ( 税還付 ) の導入が検討されている 本稿で試算したジニ係数によれば 軽減税率よ

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1 010 年 8 月 9 日発行 消費税増税に伴う低所得者対策の検討 ~ 軽減税率よりも給付付き税額控除単独の導入を ~ 要旨 消費税増税の際に問題となる逆進性への対策として 1 軽減税率 または 給付付き税額控除 ( ) の導入が検討されている 本稿で試算したジニ係数によれば 軽減税率よりも給付付き税額控除の方が逆進性対策として明らかに効果的である また 給付付き税額控除と同時に軽減税率を導入すると 税額控除のみの場合と比べてわずかながらジニ係数が上昇する ( 所得の不平等度が高まる ) 財政負担の面からみても 税額控除単独の導入が望ましい 給付付き税額控除を導入するためには納税者番号制度を整備する必要があり 準備に 3~ 年を要するとされる 番号制度の整備を出来る限り迅速に進め 財政健全化に向けた消費税増税スケジュールを確定する必要があろう 調査本部経済調査部エコノミスト大和香織 ( ) kaori.yamato@mizuho-ri.co.jp

2 消費税引き上げによる逆進性対策が課題に税率を15% に引き上げれば低所得者の消費税負担は所得の1 割超に諸外国では軽減税率 給付付き税額控除で対応 7 月の参院選では 消費税率の引き上げ幅と合わせ 低所得者に対する負担軽減策も議論された 消費税を増税する際には 低所得者ほど税負担感が重くなるという逆進性への対応が問題となる 財政健全化のためには大幅な税率引き上げが不可避との見方が強まる中 増税と同時に低所得者の負担を緩和する何らかの逆進性対策 ( 所得再分配の見直し ) を導入することは国民の納得感を高める上でも欠かせない 実際 参院選時に消費税率引き上げの方針を示した全政党が 何らかの低所得者対策を導入することに言及していた 本稿では 逆進性緩和策の類型とその効果について検討する 一般に消費支出額は高額所得者ほど多いため 消費税額は所得が低いほど少ない しかし 所得が低いほど消費性向 ( 所得に占める消費支出の割合 ) が高いことから 所得対比でみた負担感は低所得者の方が強くなる 家計調査を用いて 009 年の所得階級別の消費税負担率 ( 消費税額 / 所得額 ) を計算すると 所得五分位第 Ⅰ 階級 ( 年間所得 57 万円未満 ) が 3.9% であるのに対して所得が高くなるほど負担率は低くなり 第 Ⅴ 階級 ( 同 759 万円以上 ) では.0% と 所得第 Ⅰ 階級と比べて負担率が半減する ( 図表 1) 所得が低いほど負担率が高いことは 消費税率を引き上げた場合に低所得者ほど負担感が強まることを意味する 009 年の所得及び消費額を基に消費税率を10% 15% に引き上げた場合の所得階級別負担率を計算してみよう 第 Ⅰ 階級では消費税率 10% の場合 7.9%( 税率 5% と比べて3.9Pt 上昇 ) 15% の場合では11.8%( 同 7.9 Pt 上昇 ) と所得の1 割以上が消費税負担に消えるのに対して 第 Ⅴ 階級ではそれぞれ3.9%( 同.0Pt 上昇 ) 5.9%( 同 3.9Pt 上昇 ) と比較的軽微にとどまる 消費税の逆進性対策としては 生活必需品に対する軽減税率 ( もしくはゼロ税率 ) の適用 あるいは給付付き税額控除 ( 課税最低所得以下の世帯には給付 ) の導入が検討されており 海外では両方が採用されている場合も少なくない ( 次頁図表 ) 前者は付加価値税率が 0% 前後と高い欧州各国で広く実施されているものの 逆進性を緩和する効果に乏しいとの指摘が多い 民主党が逆進性対策として有力視しているのは 菅首相が選挙期間中に言及したように 後者の給付付き税額控除である 図表 1 所得階級別の消費税負担率 ( 消費税額 / 年間所得 %) %Pt 5% 10% 15% %Pt +.0%Pt +3.9%Pt 0 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ ( 所得五分位階級 ) ( 注 ) 負担率は 各所得階層の 009 年平均消費支出額から非課税品目 ( 家賃地代 医療品 保健医療サービス 教育 ( 補償教育を除く )) を控除した課税対象消費額に消費税率を乗じて求めた税額の 各平均所得額に対する比率 ( 資料 ) 総務省 家計調査 よりみずほ総合研究所作成 1

3 そもそも 民主党は給付付き税額控除を消費税の逆進性対策に限定するものではなく 所得税の控除全般を見直し 課税最低限に満たない所得層へ控除相当額を給付する仕組みを導入することで 所得再分配機能を強化するための方策とみなしていた 1 民主党税制調査会が008 年 1 月に纏めた 民主党税制抜本改革アクションプログラム では 給付付き税額控除の導入目的は1 低所得者に対する生活支援 消費税の逆進性緩和 3 就労促進 のいずれかもしくはその組み合わせとされていた なかでも消費税の逆進性緩和策として 家計調査などの客観的な統計に基づき 年間の基礎的な消費支出にかかる消費税相当額を一律に税額控除し 控除しきれない部分については 給付を実施する とあり 消費税を還付する形の税額控除が検討されていたようだ 民主党が参考にしたとみられるカナダの制度(GST Credit: Goods and Services Tax Credit) も 基礎消費分の消費税額 ( みなし ) を低所得者に還付するという趣旨の下 所得および子どもの数に応じて還付 ( 控除 ) 額を決定するものである しかし 税額控除を実施するためには所得を正確に捕捉する必要があり 納税者番号制度の整備が不可欠とされる 番号制度の整備には最短でも 3~ 年かかるとみられており 現状では比較的準備に時間を要さない軽減税率も検討対象として並存している模様である 従って本稿では 逆進性緩和策として軽減税率 消費型の給付付き税額控除 ( 以下 ) の両方について 逆進性緩和効果の試算及び財政に与える影響を検討する 図表 諸外国の逆進性対策 イギリス ドイツ フランス スウェーデン カナダ 付加価値税導入年 標準税率 0%(011/~) 19% 19.% 5% 5% 導入時標準税率 10% 10% 1.% 11.11% 7% 非課税品目 土地の譲渡 賃貸 建物の譲渡 賃貸 金融 保険 医療 教育 郵便 福祉等 不動産取引 不動産賃貸 金融 保険 医療 教育 郵便等 不動産取引 不動産賃貸 金融 保険 医療 教育 郵便等 不動産取引 不動産賃貸 金融 保険 医療 教育等 居住用不動産の取引 賃貸 金融 医療 教育等 軽減税率 ゼロ税率導入年 適用品目 エネルギー 住宅修食品 水道 新聞 旅食品 水道 旅客輸食品等 (1%) 旅客繕等 (5%) 食品 水食品 処方薬 医療客輸送 医療等送等 (5.5%) 新聞 輸送 新聞等 (%) 道 新聞 医薬品 旅機器等 (0%) (7%) 医薬品等 (.1%) 医薬品等 (0%) 客輸送等 (0%) 給付付き税額控除導入年 概要 低所得者向け勤労税額控除 及び中低所得世帯向け 1 歳未満の児童税額控除 原則 18 歳未満の子ども対象 児童手当または児童扶養控除のいずれかを適用 低所得者の就労促進を目的とした 雇用のための手当 扶養児童 一人親加算あり 中低所得者の就労促進を目的とした勤労税額控除 消費税逆進性対策型 所得と家族構成に応じて給付額決定 他に児童手当 就労所得手当あり ( 資料 )EU, VAT Rates Applied in the Member States of the European Union, 010 鎌倉治子 諸外国の給付付き税額控除の概要 国立国会図書館 調査と情報第 78 号 010 旧税制調査会資料 財務省ウェブサイト等よりみずほ総合研究所作成 年 1 月の 民主党税制改革大綱 には 格差の下への拡大を止めるために 所得税に給付付き税額控除制度を導入すること 制度の仕組み方によって就労支援や消費税の逆進性緩和の機能を持たせることも可能である とある 給付付き税額控除のタイプは 1 勤労税額控除 ( 英国 米国等 ) 児童税額控除 ( 英国 ドイツ フランス 米国 ) 3 消費税逆進性対策税額控除 ( カナダ シンガポール等 ) の 3 つに大別される ( 森信茂樹 給付付き税額控除の具体的設計 税経通信 010 年 月号 )

4 軽減税率の適用 による負担緩和効果試算 まず 軽減税率によって所得階級毎の負担はどの程度減少するのか家計調査を用いて試算した結果が図表 3である 軽減税率の適用品目は様々な選択肢がありうるが 本稿では 外食を除く食料 及び 水道 の税率を0% に引き下げ または5% に据え置きというパターンを想定した 3 どの所得階級でも軽減税率によって負担が軽減するが 低所得者ほど軽減率が大きく逆進性緩和に一定の効果があることが分かる 次に による逆進性対策の効果を試算する 制度設計には多様なタイプ ( 脚注 参照 ) があるが ここでは家計調査の基礎的消費支出 ( 非課税品目を除く ) にかかる税額について 消費税率を10% 15% に引き上げたときに 5% であった場合よりも税負担が増加した分を所得階層に応じて還付する制度を想定する 還付対象となる所得層は第 Ⅰ~Ⅱ 階級とし 第 Ⅰ 階級は負担増分を全額 第 Ⅱ 階級は階級内で所得に反比例する形で逓減する ( 第 Ⅱ 階級の平均還付額は負担増分の 分の1となる ) と仮定した 結果は当然ながら第 Ⅰ 階級で最も負担軽減幅が大きく 次いで第 Ⅱ 階級で軽減されるものの それ以上の所得階級では負担軽減はない 軽減税率と比べると 所得第 Ⅰ 階級ではが最も負担は軽くなり 所得第 Ⅱ 階級では軽減税率 0% の場合の負担が最も軽く よりはの方が軽減幅は大きい 第 Ⅲ 階級以上では 軽減税率を導入した場合のみ負担が軽減される ( 図表 ) 図表 3 < 標準税率 10% の場合 > 軽減税率の適用による負担緩和効果 < 標準税率 15% の場合 > ( 消費税額 / 年間所得 %) 9 軽減税率なし 8 軽減税率 0% Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ ( 所得五分位階級 ) ( 資料 ) 総務省 家計調査 よりみずほ総合研究所作成 ( 消費税額 / 年間所得 %) 軽減税率なし軽減税率 0% Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ ( 所得五分位階級 ) 図表 逆進性対策による消費税負担額の変化 ( 万円 / 月 ) 標準税率 逆進性対策 所得階級 平均 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 5% % なし 軽減税率 0% % なし 軽減税率 0% ( 資料 ) 総務省 家計調査 よりみずほ総合研究所作成 3 消費税率を 0% にする場合 厳密にはゼロ税率か非課税かで消費者の税負担は変わるとみられる ゼロ税率は仕入れ段階も免税となるのに対して 非課税は最終消費者のみ免税 ( 最終供給者に納税義務がなく仕入れ分の消費を申請できない ) となるため 仕入れ段階の消費税額分が最終製品価格に転嫁される可能性があるためである 本稿では この点についての区別は行っていない 3

5 逆進性緩和にはの方が効果的逆進性対策による税収減少幅は軽減税率よりの方が小さい 軽減税率 のどちらがより逆進性緩和効果があるかを判断するために 所得階級ごとの税負担額をそれぞれの平均所得から控除した修正所得額を用いて ジニ係数 ( 大きいほど所得が不平等 ) を計算してみよう 図表 5をみると ジニ係数は横軸の消費税率が上がるにつれて上昇する (= 所得の不平等度が高まる ) が 軽減税率を適用した場合には傾きが緩やかになり の場合は税率を引き上げてもほぼ変化がない (= 所得の不平等度が変化しない ) すべての所得階級の税負担を幾許か軽減する軽減税率よりも 低所得者に限って負担を軽減するの方が格差拡大を食い止めるのは当然の結果であろう ジニ係数から判断すると 軽減税率よりもの方が逆進性を緩和する効果が高いという点で望ましいといえる 以上のような負担軽減策は 税収の減少という形で財政再建に対してはマイナスとなるが 財政へのネガティブインパクトをなるべく小さくするという観点からも の方が軽減税率よりも望ましい それぞれの税収減少幅を試算すると 標準税率 10% の場合 軽減策がない場合の税収に比べて で.8 兆円 軽減税率 0% で 5. 兆円 で 1.5 兆円と 軽減対象が低所得層に限られる方式の方が税収の減少幅が小さくなる ( 図表 ) 図表 5 逆進性対策によるジニ係数の改善度 ( ジニ係数 ) 措置なし 軽減税率 0% % 10% 15% ( 注 ) 総務省 家計調査 よりみずほ総合研究所作成 ( 標準税率 ) 図表 逆進性対策による税収の減少 ( 単位 : 兆円 ) 税収 標準税率 措置なし 軽減税率 5% 0% 5% % (.8) ( 5.) ( 1.5) 15% ( 5.) ( 8.) ( 3.0) ( 注 ) 地方消費税 1% 分を含む税収 カッコ内は措置なしの場合の税収からの減収額 ( 資料 ) みずほ総合研究所作成 軽減税率との並存は逆進性緩和効果を毀損する可能性も なお 欧州では軽減税率と給付付き税額控除の両制度が並存している国も多い 但し に加えて軽減税率を導入すると だけの場合と比べてジニ係数はわずかながら上昇する ( 図表 7) 低所得層では軽減税率に関わらず税負担増分が還付される一方で 中高所得層では軽減税率によって負担軽減が図られるためで

6 ある また 両制度を同時に実施すると当然ながら財政負担も増大する 標準税率 10% の場合 軽減策がなかった場合と比べた税収の減少幅は + 軽減税率 5% で 3.7 兆円 + 軽減税率 0% では 5.9 兆円と 軽減税率だけの場合よりも大きくなる ( 軽減税率適用分は対象外となるため 軽減税率を実施した場合とを実施した場合の減収額を単純に合計するよりは小さくなる ) 図表 7 軽減税率ともに実施した場合のジニ係数の変化 ( ジニ係数 ) 軽減税率 0% のみ % 10% 15% ( 標準税率 ) ( 注 ) 総務省 家計調査 よりみずほ総合研究所作成 一律のは高齢者に恩恵 最後に 本稿で仮定したように低所得者に対して一律に還付を実施した場合 例えば資産を多く保有しながら所得の少ない高齢者にも還付されることになる点に触れておこう 所得階級別に試算した消費税負担額の変化を世帯主の年齢別に再集計すると 軽減税率は幅広い年齢層に恩恵が及ぶのに対して では若年層及び 70 歳以上の高齢者に手厚いことが分かる ( 図表 8) 菅首相は先の参院選挙戦中に 一定所得水準以下へ税負担分を全額還付する可能性に言及していた しかし 還付対象を勤労者に限定したり 子どもが多いほど還付額を増加させるなどといった制度設計をしなければ 消費税増税のメリットの一つである世代間の受益と負担の不均衡を是正する効果が薄れることに留意する必要がある 図表 8 年齢別の負担軽減度 ( マイナスほど負担緩和 ) < 標準税率 10% の場合 > < 標準税率 15% の場合 > 0.0 ( 年齢階級 ) ~9 30~39 0~9 50~59 0~9 70~79 80~ 0.0 ( 年齢階級 ) ~9 30~39 0~9 50~59 0~9 70~79 80~ 軽減 5%.0 軽減 5% 1..5 ( 負担軽減度 Pt) ( 負担軽減度 Pt) ( 注 ) 国民生活基礎調査 ( 厚生労働省 008 年 ) の所得階級別年齢構成を基に按分 ( 資料 ) 総務省 家計調査 等よりみずほ総合研究所作成 5

7 納税者番号制度の整備を迅速に進め 給付付き税額控除の導入を 本稿で試算したジニ係数に基づけば 消費税率引き上げに伴う逆進性対策としては軽減税率よりも給付付き税額控除 ( 本試算では消費型 ) の方が 逆進性の緩和効果が高く かつ財政負担 ( 税収減少幅 ) が小さいという点で好ましい しかし 給付付き税額控除を導入する際に 正確な所得捕捉のために必要となる納税者番号制度の整備期間は3~ 年といわれている そのため選択肢としては 財政健全化目標の達成に向けて消費税率の引き上げ時期を前倒しするために 比較的準備期間を要さない軽減税率をとりあえず実施し 後に給付付き税額控除を導入することもありえよう ところが 軽減税率の実施と共に給付付き税額控除を導入した場合 給付付き税額控除だけの場合よりも逆進性緩和効果が薄れる上 財政負担も増大する 結局のところ 納税者番号制度の整備を出来る限り迅速に進めて 給付付き税額控除を導入することが最も望ましい みずほ総合研究所の試算によれば 景気への悪影響を最小限にとどめながら着実に財政再建を進めることができる消費税率の引き上げ幅は年間 1~% 程度 目標達成に必要な税率引き上げ幅はプライマリーバランスの赤字半減で5% 黒字化で 10% である ( 詳細は みずほ日本経済インサイト 消費税増税スケジュールを考える ~ 漸進的税率引き上げを早急に開始することが必要 ~ 010 年 8 月 9 日発行をご参照 ) 政府が 月に示した財政健全化目標 (015 年度までにプライマリーバランスの赤字半減 00 年度に黒字化 ) を達成するためには 準備期間に当てる時間は限られている 参院選の結果を受けて首相は消費税議論に消極的になりつつあるようだが 選挙前も後も 早急に議論を進める必要性に変わりはない 以上 当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり 商品の勧誘を目的としたものではありません 本資料は 当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが その正確性 確実性を保 証するものではありません また 本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります

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