日本内科学会雑誌第104巻第1号

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1 Ⅴ. 腸内細菌 : 多彩な内科領域における 腸管免疫と腸内細菌の密接な関わり合い 要旨 腸管は, 栄養の消化吸収を行っていると同時に, 外来異物に対する生体防御の最前線でもある. 腸内細菌は 個にも及び, 腸管免疫系の発達に作用するだけでなく,Th17 細胞の分化を誘導したり, 制御性 T 細胞の数および機能を高めたりすることで, 腸管の生体防御における恒常性を維持している. 腸内細菌の構成異常は免疫異常につながり, 各種疾患発症に関わっているのみならず, 腸管免疫系を介し腫瘍形成にも関与している. 大島茂 渡辺守 日内会誌 104:81~85,2015 Key words 腸内細菌,Th17 細胞, 制御性 T 細胞, 分泌型 IgA はじめに 1. 腸管免疫系の基本的構造 腸管は, 栄養の消化吸収を行っていると同時に, 常に多くの細菌やウイルスなど外来異物にも暴露されている. 腸管は, これら外来異物に対する生体防御の最前線であり, 腸管免疫系はヒト最大の免疫組織である. ヒトの腸内には 個にも及ぶ腸内細菌が存在し, 腸管免疫に影響を与えている. さらに, その腸内細菌の構成異常が免疫異常につながり, 疾患に関わっていることが判明してきている. 本稿においては, 腸管免疫系の基本的構造, 腸内細菌による腸管免疫系の発達制御を中心に, 腸内細菌による腸管免疫への作用, 最近のトピックである腸管免疫 腸内細菌 腸管腫瘍のクロストークについてまとめる. 腸管における免疫系は, 免疫誘導組織もしくは免疫実効組織に分けられる. 免疫誘導組織は, 小腸におけるPeyer 板 (Peyer patches), 孤立リンパ小節 (isolated lymphoid follicle), 大腸におけるcolonic patch, 腸間膜リンパ節などを含み, いわゆる腸管関連リンパ組織 (gut-associated lymphoid tissues:galt) と言われている. GALTにはリンパ濾胞が存在し, 免疫の誘導が行われている. 免疫実効組織には, 上皮層 ( 上皮細胞, 上皮間リンパ球 ) および粘膜固有層がある. 粘膜固有層には, 多くのT 細胞,B 細胞,IgA (immunoglobulin A) 産生形質細胞, 抗原提示細胞 ( 樹状細胞など ) が存在し, 粘膜免疫の中心的な役割を担っている ( 図 1). また, 最近,T 東京医科歯科大学消化器内科 Gut Microbiota and Internal Diseases:Update Information. Topics:V. Gut Microbiota:Topics in Various Medical Fields;4. Interactions between the host immune system and microbes. Shigeru Oshima and Mamoru Watanabe:Department of Gastroenterology and Hepatology Tokyo Medical and Dental University(TMDU), Japan. 81

2 Ⅴ. 腸内細菌 : 多彩な内科領域における M 細胞 腸内細菌 IgA ムチン 抗菌ペプチド 粘液層 上皮層 B 細胞 T 細胞 Peyer 板 図 1 腸管免疫系 Treg 上皮間リンパ球 Th17 樹状細胞形質細胞 杯 Paneth 細胞 細胞 粘膜固有層 細胞でもB 細胞でもない新しい自然免疫リンパ球 (innate lymphoid cell) の存在が報告されている. 腸管上皮細胞はタイトジャンクション (tight junction) を形成し, 体の内と外を隔てる物理的バリアを形成しているだけでなく, ムチンを分泌し粘液層を形成している. 粘液層は, 腸管上皮に覆いかぶさるように存在し, 上皮と栄養素および腸内細菌との間に微小環境を形成し, 上皮細胞から分泌される抗菌ペプチド, 形質細胞から産生されたIgAなどとともに, 積極的な宿主防御の役割を果たしている. リンパ濾胞を覆う腸管上皮には,M 細胞という粘膜抗原の取り込みに特化した特殊な細胞があり, 樹状細胞などの抗原提示細胞に受け渡しをしている. また, 杯細胞が抗原を取り込み, 樹状細胞に抗原を提示したり, 樹状細胞が直接上皮間に手を伸ばし管腔から抗原を取り込んだりすることも報告されている. 樹状細胞は抗原の断片をT 細胞に提示し,T 細胞を活性化し,B 細胞は分化 成熟してIgA 抗体を産生し, 腸管の恒常性を維持している. 2. 腸内細菌による腸管免疫系発達調節無菌動物の作成およびノトバイオートシステム ( 既知の細菌や微生物群を定着させた動物 ) の成功により, 腸内細菌の機能解析が大きく発展した. その結果, 腸内細菌は生物の生存期間に直接的には関与しないが, 免疫系の発達に重要な効果を持っていることが判明している 1). 無菌動物は,SPF(specific pathogen free) に比較してPeyer 板や腸間膜リンパ節が小さく, 孤立リンパ節も発達が障害され,IgA 産生も減少している 1,2). さらには, 無菌動物にて腸管上皮細胞のターンオーバーが減少し, 上皮間リンパ球も減少, 腸の構造発達も密接に腸内細菌と関係していると考えられる. 腸管上皮細胞にはサイトカイン産生やMHC(major histocompatibility complex) 発現など免疫学的機能もあるが, これらの反応を介在するパターン認識受容体 (pattern-recognition receptor:prrs) の発現や局在も, 腸内細菌に影響されている. 例えば, Paneth 細胞から抗菌ペプチドであるRegIIIγ 産生を誘導する細菌として, グラム陰性のBacteroi- des thetaiotaomicronが同定されている. これらのことは, 正常 腸管免疫機能は, 腸内細菌が存在しない場合に損なわれる可能性があることを示唆している. さらに, 無菌動物は細菌, ウイルス, 寄生虫の感染に感受性が高いことが知られている. 例えば, グラム陰性の腸管病原性 Shigella flexneri を無菌動物に感染させると, 免疫抵抗性低下により, 腸内細菌のいる動物に比べ死亡すること 82

3 腸内細菌 腫瘍 腸管免疫 図 2 腸管免疫 腸内細菌 腫瘍のクロストーク腸内細菌は, 直接的に作用し腫瘍形成に関わるとともに, 腸管免疫を制御し間接的に腫瘍形成に関わる. 方で,Th17 細胞の過剰な活性化は, 関節リウマチ, 多発性硬化症や炎症性腸疾患など自己免疫性疾患に関わることが報告されている. この Th17 細胞は, 腸管においてセグメント菌 (segmented filamentous bacteria:sfb) により強く誘導されることが判明した 3). セグメント菌はグラム陽性菌であり, 上皮細胞に強く接着して存在している. 他にもTh17 細胞を誘導する細菌も報告され始めている. 2) 腸内細菌と制御性 T 細胞 が報告されている. グラム陽性の細胞内侵入性細菌であるListeria monocytogenesやsalmonella typhimuriumに対しても免疫反応は低下している. 以上のように, 腸管免疫系によるバリア機能を維持するには腸内細菌からの持続的な刺激が必要であると考えられている. 3. 腸内細菌による腸管免疫への作用偽膜性腸炎は, 腸内細菌の構成のうちClos- tridium difficileが異常に増加することで発症することは以前から知られていた. しかし, 腸内細菌の全てが培養可能であるわけはなく, 具体的にどの腸内細菌が腸管免疫系にいかなる作用をもたらすかは長らく不明であった. しかし, 次世代シークエンサーなどの技術革新により腸内細菌と疾患の関わりなど, さらに多くのことが判明してきた. 本稿では, 腸管免疫の理解の基本となる重要な3 点に絞って述べる. 1) 腸内細菌とTh17 細胞インターロイキン (IL)-17 産生 CD4 陽性 T 細胞 (Th17 細胞 ) は,Th1,Th2 細胞と異なるヘルパー T 細胞の一種として同定された. 粘膜固有層にヘルパー T 細胞が恒常的に存在するが, このTh17 細胞が多く含まれる.Th17 細胞が分泌するサイトカインは病原細菌や真菌に対する感染防御において必須の役割を果たしている. 一 制御性 T 細胞 (regulatory T cell:t reg) は, CD4 陽性 T 細胞分画の1つで, 転写因子 Foxp3を発現する. この細胞は, 過剰な免疫応答の抑制に働く必須の細胞である. 制御性 T 細胞は多くの臓器に存在し, 作用している. 腸管粘膜固有層にも存在し, 食物成分や腸内細菌に対する免疫寛容や免疫不応答に関与していると考えられている. この制御性 T 細胞の誘導に,Clostridium 属細菌が関わっていることが, マウス腸内細菌および健常日本人に由来する便サンプルの検討から示されている 4,5).Bacteroides fragilisも制御性 T 細胞を誘導することが報告され, こうした細菌群が制御性 T 細胞を誘導し, 腸管における恒常性を維持していることが考えられる. 3) 腸内細菌と分泌型 IgA ヒトにおけるIgAの産生量は免疫グロブリンの中でもIgGに次いで2 番目に多い. 分泌型 IgA は粘膜固有層に存在するIgA 産生形質細胞 ( プラズマ細胞 ) により二量体として産生され, 分泌される. 細菌, ウイルス, 毒素などに結合することで粘膜免疫において重要な役割を担っている. この分泌型 IgAもセグメント菌を定着させることで, 小腸管腔において分泌型 IgAの濃度が上昇することが判明している. さらには,Clostridium 属細菌や他の菌も大腸で分泌型 IgAを促進することが報告されている 6). 逆に, 分泌型 IgA の産生異常を示すAID(activation-induced 83

4 Ⅴ. 腸内細菌 : 多彩な内科領域における cytidine deaminase) ノックアウトマウスの上部小腸においてセグメント菌が増えることも示されており, 腸内細菌とIgAは互いに影響しながら恒常性を保っている. 4. 腸管免疫 腸内細菌 腸管腫瘍のクロストーク 無菌動物において腸管腫瘍の発症が抑えられることから, 腸内細菌が腫瘍形成に関わることが予測されていた. 最近の研究では, 腸内細菌による腫瘍形成作用機序として, 細菌による直接的作用と免疫系を介した間接的な作用が考えられている ( 図 2). 腸内細菌による直接的な腫瘍促進作用として,Fusobacterium nucleatumが直接的にβ-catenin 系を活性化することで腸管腫瘍形成を促進すると報告されている 7,8). また, 腸管のみならず, 細菌代謝産物であるdeoxycho- lic acid(dca) が直接的にDNA 障害を起こすことで肝臓がん形成を促進することなどが判明しつつある. 本稿においては, 腸内細菌による免疫系を介した間接的な腫瘍形成作用について述べる. 1) 自然免疫系を介した腫瘍形成作用 NLRP6(NOD-like receptor family pyrin domain containing 6) は腸内細菌を認識する自然免疫系の重要な分子の1つである. このNLRP6を欠損したマウスにおいて, プレボテラ科 (Prevotellaceae) の細菌が増加していることが判明した. このマウスではCCL5(chemokine(C-C motif)ligand 5) を介して炎症細胞浸潤が起こり, 炎症細胞から分泌されたIL-6を介した腫瘍増殖作用が認められている. また, このマウスの腸内細菌を他のマウスに移行させると移植先のマウスにて腫瘍増殖作用が認められた 9). さらに, 大腸がん患者においてプレボテラ科の細菌が増加していることも報告されている. これらのことより, 自然免疫系を介した分子機能異常により, ある種の細菌が腸内に増加し, 腫瘍形成に作用している可能性が示唆されている. 2) 獲得免疫系を介した腫瘍形成作用 Th17 細胞分化誘導には腸内細菌が必須であるが, このTh17 細胞の産生するIL-17Aおよび IL-22に腫瘍増殖作用があることが明らかとなってきた 10). 腸内細菌のBacteroides fragilisは著明にth17 細胞を増加させ, 腫瘍増殖させることが報告された.APCmin マウスを用いた腫瘍形成の検討で,IL-17Aを欠損させると腫瘍が縮小することも判明している. さらに, ヒト大腸がんにおいてIL-22が強く関与していることも示唆されている. これらのことより, ある種の細菌がヘルパー T 細胞を介して腫瘍増殖に作用していることが考えられる. おわりに 腸内細菌は, 腸管免疫系を制御するだけでなく, 様々な疾患に関わっている. 長い人類の歴史の中で人間は知らず知らずのうちに, 腸内細菌を調節する食生活や生活習慣を見出してきたと考えられる. 今後は, さらに腸管免疫と腸内細菌の関係を明らかにしていくことで, 疾患の病態解明のみならず, 新規治療の開発が進められていくと考えられる. 著者のCOI(conflicts of interest) 開示 : 大島茂 ; 研究費 助成金 ( 武田科学振興財団, 持田記念医学薬学振興財団 ), 渡辺守 ; 講演料 ( アッヴィ, エーザイ, 杏林製薬, 田辺三菱製薬 ), 研究費 助成金 ( 小野薬品工業, ジーンケア研究所, 第一三共, 武田科学振興財団, 難病医学財団, 日本消化器病学会 ), 寄付金 ( 旭化成クラレメディカル, アステラス製薬, アストラゼネカ,MSD, 第一三共, 武田薬品工業, 田辺三菱製薬, 中外製薬 ), 寄付講座 ( 旭化成クラレメディカル, 味の素製薬, アボットジャパン, エーザイ,MSD, 大塚製薬, 杏林製薬, 協和発酵キリン, シェリング プラウ,JIMRO, ゼリア新薬工業, 大日本住友製薬, 田辺三菱製薬, 中外製薬, 東レ, ブリストルマイヤーズ, ユーシービージャパン ) 84

5 文献 1 ) Gordon HA, et al : Aging in germ-free mice : life tables and lesions observed at natural death. J Gerontol 21 : , ) Bouskra D, et al : Lymphoid tissue genesis induced by commensals through NOD1 regulates intestinal homeostasis. Nature 456 : , doi : /nature ) Ivanov II, et al : Induction of intestinal Th17 cells by segmented filamentous bacteria. Cell 139 : , doi : /j.cell ) Atarashi K, et al : Treg induction by a rationally selected mixture of Clostridia strains from the human microbiota. Nature 500 : , doi : /nature ) Atarashi K, et al : Induction of colonic regulatory T cells by indigenous Clostridium species. Science 331 : , doi : /science ) Umesaki Y, et al : Differential roles of segmented filamentous bacteria and Clostridia in development of the intestinal immune system. Infect Immun 67 : , ) Kostic AD, et al : Fusobacterium nucleatum potentiates intestinal tumorigenesis and modulates the tumor-immune microenvironment. Cell Host Microbe 14 : , doi : /j.chom ) Rubinstein MR, et al : Fusobacterium nucleatum promotes colorectal carcinogenesis by modulating E-cadherin/ b-catenin signaling via its FadA adhesin. Cell Host Microbe 14 : , doi : / j.chom ) Hu B, et al : Microbiota-induced activation of epithelial IL-6 signaling links inflammasome-driven inflammation with transmissible cancer. Proc Natl Acad Sci U S A 110 : , doi : /pnas )Wu S, et al : A human colonic commensal promotes colon tumorigenesis via activation of T helper type 17 T cell responses. Nat Med 15 : , doi : /nm

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<4D F736F F D BE391E58B4C8ED2834E C8CA48B8690AC89CA F88E490E690B62E646F63> 平成 20 年 3 月 27 日 科学技術振興機構 (JST) Tel:03-5214-8404( 広報課 ) 九州大学 Tel:092-642-2106( 広報室 ) 白血球の一種 好中球 が感染源に向けて動く際の基本原理を解明 ( 炎症性疾患の治療応用に期待 ) JST 基礎研究事業の一環として 九州大学生体防御医学研究所の福井宣規教授らは 白血球の一種 好中球注 1) が細菌などの感染源に向かって動く際

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本研究成果は 2015 年 7 月 21 日正午 ( 米国東部時間 ) 米国科学雑誌 Immunity で 公開されます 4. 発表内容 : < 研究の背景 > 現在世界で 3 億人以上いるとされる気管支喘息患者は年々増加の一途を辿っています ステロイドやβ-アドレナリン受容体選択的刺激薬の吸入によ 喘息を抑える新しいメカニズムの発見 1. 発表者 : 中江進 ( 東京大学医科学研究所附属システム疾患モデル研究センターシステムズバイオロジー研究分野准教授 ) 2. 発表のポイント : 気管支喘息を抑える新しい免疫応答機構を発見した ( 注 同じマスト細胞 1) でも アレルゲンに結合した免疫グロブリン E (IgE) ( 注 2) によって刺激された場合には気管支喘息を悪化させるが インターロイキン

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