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1 2011 私たちは チーム医療です 昭和大学は 4 学部 8 附属病院 製作 : 昭和大学口腔ケアセンター

2 昭和大学口腔ケアセンターについて 1. チーム医療の実践昭和大学関連 8 病院の入院患者様の口腔のケア ( 器質的ケア 機能的ケア ) の徹底を図ることで口腔疾患の改善および肺炎等の呼吸器感染症を予防し 在院中の医療を円滑に行うことに貢献するとともに 口腔機能の向上や口臭などに対する専門的な医療対応を病棟の医師 看護師 薬剤師 管理栄養士等のスタッフの協力を得て行い 入院中の患者様の QOL の向上に貢献します 活動内容の具体例として下記に挙げた口腔のケアを行います 1 急性期病棟における口腔のケア 2 手術予定患者の術前からのクリニカルパスによる口腔のケア 3 人工呼吸器患者様の VAP( 人工呼吸器関連肺炎 ) 予防 4 一般病棟や慢性期疾患の病棟における口腔の器質的口腔のケア 5 機能的ケアを可能な限り器質的ケアにプラスして摂食 嚥下機能の回復による早期の経口摂取を目指した口腔のケア 2. 教育への貢献医系総合大学の昭和大学への教育貢献として チーム医療の一員として活躍できる医療人を教育することを目的に 各病院の院内におけるチーム医療としての口腔ケアを学ぶ場として 昭和大学の4 学部の学生及び臨床研修医等の研修 実習に資するものとします 3. 地域医療連携への貢献口腔ケアセンターが昭和大学 4 学部のチーム医療の核の一つとなり 入院患者様の在院中の QOL の向上を目指しますが 同時に退院後の生活する場 ( 在宅 施設など ) の医療施設等と連携して地域医療連携を推進します 院内から口腔ケアの地域連携パスを導入する連携医療によって 退院後の呼吸器感染や機能回復に加えて社会復帰や健康の維持増進を図ります 在院中のクリニカルパスから地域連携パスに繋ぎ 口腔の医療面から地域における連携医療に貢献します 1

3 目次 本マニュアルの使用方法 Ⅰ. 口腔のケアの基本的認識 1. 口腔のケアとは 2. 現状と口腔のケアの必要性 Ⅱ. 病棟における口腔のケア 1. 口腔のケアの目的 2. 病棟における口腔衛生管理 3. 専門的口腔衛生処置の留意事項 4. 専門的口腔衛生処置の方法 5. 専門的口腔衛生処置の実際 Ⅲ. 口腔のケアアセスメント 1. 器質面の評価 2. 機能面の評価 Ⅳ. 口腔のケア用具と使用方法 1. 基本セット 2. 口腔清掃に使用する薬液 3. オプション用具とその使用法 4. 含漱等に使用する薬剤 薬液 Ⅴ. 器質的ケアの標準化 均質化 1.Step1 2.Step2 3.Step3 Ⅵ. 各種疾患の口腔衛生管理 1. 高血圧 2. 心疾患 3. 脳卒中 4. 糖尿病 5. 腎臓病 6. 肝臓病 7. 呼吸器疾患 8. 血液疾患 91. 癌 ( 悪性腫瘍 ) 2. 癌 ( 頭頸部 食道 ) 10. 認知症 11. パーキンソン病 12. 慢性関節リウマチ 13. 重症心身障害 Ⅶ. 各種症状 状態に対する口腔衛生管理 1. 気管切開 2. 経管栄養 3. オーラルディスキネジア 4. 歯肉肥大 5. 舌苔 6. 口腔カンジダ症 7. 口腔乾燥症 8. ビスフォスフォネート系薬剤の副作用 Ⅷ. 機能的ケアの標準化 均質化 1.Step1 2.Step2 3.Step3 Ⅸ. クリニカルパス 1. 口腔のケアクリニカルパス 2. 口腔のケアを含めたクリニカルパス Ⅹ. 院内クリニカルパスから地域連携クリニカルパスへ 1. 患者用 : 口腔ケア連携パス 2. 連携医用 : 口腔ケア連携パス ⅩⅠ. 口腔ケアセンターと地域との連携 1. 横浜市北部 川崎市歯科医師会との地域連携 2. 城南地区 川崎市歯科医師会との地域連携資料 : 口腔ケアセンター規定 2

4 本マニュアルの使用方法 このマニュアルは昭和大学付属の8 病院の病棟における口腔ケアを行うにあたり 多職種に共通の基本的な認識やケア方法を標準化しており 昭和大学口腔ケアセンターの基本マニュアルとして口腔ケアが行われるようにまとめたものである 口腔ケアの捉え方は 保健 医療 福祉の共通言語である ケア という用語によって どの分野にも抵抗なく受け入れられ それぞれの現場のニーズに合わせて使い分けられたという事情がある 各分野で使用されている口腔ケアは大きく 2 つに分けて捉えることができる 一つは口腔疾患および気道感染 肺炎に対する予防を目的とする口腔清掃や口腔保健指導を中心とするケアであり 他は口腔疾患および気道感染 肺炎に対する予防のみならず 口腔領域の機能障害に対する予防とリハビリテションをも含んだケアである 本マニュアルにおける口腔ケアはこの両方を含んだものを口腔ケアとしており 内容を明確に区別するために 口腔清掃を中心とするケアを 器質的口腔ケア 口腔機能障害の対応を中心とするケアを 機能的口腔ケア として記述している このマニュアルは 昭和大学付属の8つの病院で行う口腔ケアの基本マニュアルであるため以下の点に留意して作成した 1. ケア内容を標準化して8つの病院で共通の口腔ケアの評価や実施方法が可能なような内容とした 2. 口腔ケアを 1 器質的ケア 2 機能的ケアに分け それぞれの口腔ケアの内容を段階的に3step に分けて標準化 均質化している 3. アセスメント項目については 1 器質的ケア 2 機能的ケアについて 評価しやすいように図示しながら記載した このアセスメント項目を基にカルテに抜粋した評価欄や別の評価用紙を作成するなり 各病院の事情に合わせて使用されたい このように口腔ケアを標準化 均質化することで各病院において患者様のクリニカルパスに口腔ケアの項目を加えていただく際の作成を容易にすることも大きな目的の一つである この標準化した口腔ケアが退院後の地域連携の地域連携パスと共通に使用できるよう簡略さと明確さも目指している 本マニュアルを参考に院内クリニカルパス等を作成して効果的な口腔ケアがなされて 入院中のみならず 退院後も患者様の QOL の向上がなされるよう利用していただければ幸いである 3

5 Ⅰ. 口腔のケアの基本的認識 1. 口腔のケアとは種々の疾患により入院中の患者は 服薬も多種類にわたることが多く 唾液分泌の低下やケアの困難さから口腔内の乾燥 出血などに加えて呼吸や嚥下機能の減退などにより歯科疾患や感染症に罹患しやすい状態にある このような口腔環境の中で 歯科疾患や呼吸器感染を予防し機能減退への対応を行うのが 専門的口腔ケア (Professional Oral Health Care) とされてきた 本口腔ケアセンターで行う口腔のケアは所謂この 専門的口腔ケア を指している 専門的口腔ケアとは以下に示す 器質的口腔ケア と 機能的口腔ケア の双方を担ったものを指しその目的は 1 感染予防 口腔疾患の予防( う蝕 歯周病等 ) 呼吸器感染症の予防( 誤嚥性肺炎等 ) 2 口腔機能の維持 回復 摂食 嚥下機能の改善 口腔感覚の向上に伴う味覚の増進 構音機能の改善( 言語の明瞭化 ) 唾液分泌の促進( 口腔乾燥の予防 ) 3 健康の維持 回復 口腔内の爽快感 口臭の改善 消化吸収の改善 1) 器質的口腔ケア ( 口腔疾患と呼吸器感染の予防を主目的とした口腔のケア ) 入院を必要とする患者は 感染に対する抵抗力が落ちることが多く 種々の感染症に罹患しやすくなる 歯垢や歯周疾患の原因菌である嫌気性菌の多くは肺炎の起因菌としても知られており 肺炎等の呼吸器感染症の予防には口腔内の清掃が必須となる このような疾病を予防して健康を維持するための適切な口腔清掃を中心にした 口腔のケア が器質的口腔ケアである 2) 機能的口腔ケア ( 口腔機能の維持 回復を目的とした口腔のケア ) 口腔の機能減退を早期から評価して 器質的口腔ケアとともに機能減退を補う口腔の機能療法などにより機能の回復を目的にしたケアが機能的口腔ケアである 機能的口腔ケアを行うことによって摂食 嚥下機能を改善して誤嚥と誤嚥性肺炎を予防するばかりでなく 手術後などにおける早期の経口摂取を促すことも目的としている 4

6 2. 現状と口腔のケアの必要性 1) 誤嚥性肺炎の原因 食物の誤嚥 口腔内細菌の誤嚥 喀出反射の減退 GER( 胃食道逆流 ) による誤嚥 挿管時の不潔物の挿入 不顕性誤嚥 2) 誤嚥と細菌に関しての確認 (1) 挿管チューブのカフは必ずしも誤嚥を防止できない (2) 気管切開を行っても誤嚥は生じる (3) 経鼻胃チューブでも誤嚥は生じる (4) チューブに共通する為害性 1 チューブにより粘膜が損傷し細菌が定着する 2 気管内の繊毛運動を阻害する 3 チューブ表面に細菌の汚染によるバイオフィルムを形成する (5) IVH 中でも誤嚥は生じる 1 口腔の自浄性の低下により細菌数が増加する 2 IVH 等による腸粘膜の委縮による免疫能の低下と胃内容物 胃液の逆流注 )* 誤嚥 = 肺炎ではない * 一度肺炎になると繰り返しやすい 予防が非常に重要 3)VAP( 人工呼吸器関連肺炎 ) の感染経路 (1) 挿管時の不潔口腔 咽頭部を清潔にして細菌を気管内へ押し込むリスクを低くする (2) チューブのカフ周囲からの不顕性誤嚥による感染 (3) 挿管チューブ 人工呼吸器回路内汚染による感染 (4) 回路の交換は VAP の予防に必ずしもつながらない (5) 気管内吸引時の不潔な操作による感染 4) 口腔のケアのターゲットとする細菌 (1) 口腔ケアでは全ての微生物を消失させる必要はなく標的は 病原微生物 (2) 口腔内常在細菌が起炎菌となる場合も多く 細菌の塊である歯垢 バイオフィルムがターゲット (3) 常在菌は外来細菌に対するバリアの役割を担っていることを考えると常在細菌まで死滅させる殺菌消毒剤を使わず 生食や水道水での物理的な消毒方法も併用 5) 口腔内の洗浄の重要性 (1) 口腔内の細菌数は洗浄により一時的に大幅に減少する (2)VAP の予防対策として唾液への細菌の供給源である歯垢と舌苔をできるだけ除去し 十分に洗浄してさらに細菌が減少した状態を保持する 5

7 Ⅱ. 病棟における口腔のケア 口腔ケアを行なう際の手技の統一を図ることで均一なケアサービスの提供 危機管理を心がける 1. 口腔のケアの目的 1) 口腔疾患等の予防 ( 治療 ) (1) 口腔疾患の予防 進行の抑制 (2) 口臭の軽減 2) 口腔環境の改善 (1) 口腔内細菌数のコントロール (2) 唾液分泌の促進 ( 自浄作用を促す ) (3) 口腔乾燥の予防 3) 口腔機能の改善 4) 呼吸器感染症の予防 5) 口腔疾患に関連する全身諸疾患の予防 改善 6) 意識 覚醒を促す 7) 口腔領域の運動機能 ( 摂食 咀嚼 嚥下 構音 表情表出 ) 保持 増進 8) 味感覚 ( 味覚 ) 触感覚の保持 増進 9) 口腔の爽快さと食欲の増進 2. 病棟における口腔衛生管理 1) 病棟カルテで必ず事前に確認する (1) 現病歴と既往歴 (2) 感染症の有無 (B 型肝炎 C 型肝炎 MRSA など) (3) 出血傾向とその服薬 ( 抗凝固薬 抗血小板薬の服用など ) (4) バイタルサイン (5) 栄養状態 ( 食事指示箋 : 食形態 ) (6) 意識レベル (+ 医療面接で確認 ) (7) 認知機能 (+ 医療面接で確認 ) (8)ADL( 座位 立位 上肢 手指機能など )(+ 医療面接で確認 ) 2) 病棟における医療面接での追加確認 (1) 日常生活における口腔衛生管理を目的としたセルフケア (2) 日常の食生活の調理形態 ( 物性 : テクスチャー ) (3) 誤嚥窒息の既往 3. 専門的口腔衛生処置の留意事項 1) 実施時の注意 (1) 患者情報の把握 6

8 (2) 現在の禁忌事項の把握 (3) 患者の状態を把握 (4) 患者本人の能力 ( コミュニケーション能力 ROM 可動状況) の把握 2) 器質的ケアの用具 用品の選択 (1) 口腔清掃用具 1 主たる清掃用具の選択 : 歯ブラシ ( 刷毛部の大きさ 硬さ ) スポンジブラシ 2 補助的な清掃用具の選択 : 歯間ブラシ 舌ブラシ デンタルフロス タフトブラシなど (2) 口腔清掃剤 1 歯磨剤 2 含嗽剤 (3) その他 1 保湿剤 開口器 アングルワイダー 3) 機能的ケアの用具 用品の選択 (1) 訓練用器材 1 スティック 2 綿棒 3 開口補助器 4. 専門的口腔衛生処置の方法 1) 器質的ケアの準備 (1) 使用する用具の選定 1 主たる清掃用具 ( 歯ブラシ 吸引ブラシ スポンジブラシ等 ) は口腔の状況に合わせて選択する 病棟 在宅における対象者にはやわらかめのものを選択する 主たる清掃用具だけでは清掃困難な場合に補助用具を選択する 必要に応じて補助的清掃用具を選択する 2 薬液を用いた清掃 口腔内清拭用薬:0.025% ジアミトール水など日常の口腔ケア (step1) においては感染の危険が無い場合には水または滅菌水を使用する 口腔清掃剤: 含嗽剤 ( 刺激 着色があるので 使用には十分注意をする ) : 歯磨剤 ( 流水において水洗を要する ) 口腔清掃自立 (step1) または一部介助者に適用水歯みがき ( 研磨剤 発泡剤無配合 ) ( 歯肉や粘膜を傷つけないよう出血傾向のある者などに適用 ) その他: 保湿剤 ( 塗布量に注意 ) 3その他 ガーゼ( 通常は清潔なガーゼを使用 感染を危惧する場合は滅菌ガーゼを使用 ) 紙コップ: 消毒薬 清拭用滅菌水などを入れて使用 (1 回ごとに廃棄する ) ゴミ袋: 使用する材料は基本的にディスポを使用しディスポ用品の廃棄のた 7

9 めゴミ袋を携帯する 5. 専門的口腔衛生処置の実際 (1) 口腔内状況の把握 1 口腔状況の把握 歯の状態: 残存歯数 残存部位 口腔粘膜の状態: 歯肉の発赤 腫脹 出血 粘膜の発赤 出血等の異常 舌の状態: 舌苔の状態 乾燥状態 色 ( 発赤 白色 ) 傷の有無と部位 2 義歯装着の有無 (2) 実施方法実施前の注意事項 ( 依頼票にて確認できることは事前に行っておく ) 1 感染症等の把握 感染症が無くても汚染を媒介しないよう注意する 2 病状の把握 実施可能な状態であるかを確認後に実施する (3) 実際の方法 1 誤嚥を回避するために吸引を行ってから実施するのが望ましい 2 感染防止 ( スタンダードプリコ ション ) 実施には マスク ゴーグル グローブを必ず着用する 感染症の場合実施 (1 名 ) ごとに 汚物は所定の場所に廃棄して手指消毒を行う 記録等で1 度外したグローブは同患者であっても再使用せず廃棄する 3 口腔清掃 実施時の姿勢の確認 修正 口腔の観察( 口唇を含む ) 乾燥傾向の場合には実施前に保湿剤を塗布 ( 口唇 口腔内 : 粘膜に薄く一層 ) 痰や乾燥により粘液が固形化している部分にも同様に塗布する 過敏等のある場合と操作性を考慮し 下顎頬側から実施する 基本操作は臼歯部から前歯部に向けて動かす 歯ブラシで口腔清掃を行なった場合でもスポンジブラシを用い口腔内の余分な水分を除去する ( この際もあらかじめ湿らせて固く絞ったものを使用 ) 口腔乾燥を防止する為に終了時にスポンジブラシで保湿剤を塗布する (4) スポンジブラシ使用の口腔清掃 1 スポンジブラシの使用方法 スポンジブラシは必ず湿らせ よく水気を絞ってから使用する スポンジに付着した汚れは 1 回ごとに拭き取り使用する スポンジブラシは口唇に対して平行に口腔内に挿入する スポンジブラシは臼歯部から前歯部へ向けて操作する 2 注意事項 スポンジブラシは乾燥したままでは使用しない 口唇に乾燥がある場合には あらかじめ湿らせてから行う 8

10 操作時にスポンジブラシを噛み込んだ場合には 無理やり引き抜かない ( 破断されたブラシを誤嚥 誤飲する可能性があるため ) 3 スポンジブラシ使用手順 義歯が装着されている場合は外してから行う 口腔の乾燥状況などを確認してから行う あらかじめ湿らせてから使用する(1の使用方法に準ずる) 3) 機能的ケアの実際 (1) 脳神経の把握 ( 担当医師と連携 ) 麻痺部位の把握 Ⅴ Ⅶ Ⅸ Ⅹ ⅩⅡ( アセスメントの項参照 ) (2) 実施前の注意事項 ( 依頼票にて確認できることは事前に行っておく ) 1 呼吸状態等の把握 2 病状の把握 実施可能な状態であるか確認後に実施する (3) 医療の場で確認事項 1 全身状態は安定しているか 2 病状の進行はないか 3 嚥下反射はあるか 4 咳反射はあるか (4) 口腔機能状況の把握 1 口腔状況の把握 顎運動の状態: 最大可動域 (ROM) 舌運動の状態: 最大可動域 (ROM) 口唇運動の状態: 持続閉鎖 2 咀嚼運動の状態 3 嚥下運動の状態 (5) 摂食支援の場で確認 1 刺激しなくても覚醒していることを確認 3 口腔は清潔に保たれていることを確認 9

11 Ⅲ. 口腔のケアアセスメント 1. 器質面の評価 1) プラークの評価 (1) 歯および粘膜 ( 口腔内模式図 ) 観察評価 ( 記入 ) プラーク評価 (PCR) 右上 右下 左上 左下 評価 指導記録簿 ( 別紙へ記入 ) (2) 義歯 ( デンチャープラーク ) 2) 舌の評価 (1) 乾燥状態 0 度 : 正常 1 度 : 唾液の粘性が亢進している 2 度 : 唾液中に細かい唾液の泡がみられる 3 度 : 舌の上にほとんど唾液がなく乾燥状態 ( 柿木 2000) (2) 舌苔付着状態 評価 指導記録簿 ( 別紙へ記入 ) 舌苔付着部位を記入 10

12 形態萎縮有無 感覚, 運動, 縮の有無 評価 指導記録簿 ( 別紙へ記入 ) 3) 口腔 咽頭粘膜の評価 ( 痰 カンジダ 汚れ ) (1) 頬粘膜 (2) 口腔前庭 頬粘膜 ( (3) 口蓋 咽頭粘膜 4) 咽頭部の評価 (1) 痰の付着状態 ( なし ややあり 多量 ) 5) 口臭 (1) 術者の官能検査 ( ) (2) 推察される原因等 ( う蝕 歯周病 舌苔 義歯 その他 ) ( 消化器疾患 呼吸器疾患 糖尿病 血液疾患 ) 5) 薬剤等の影響評価 (1) 口腔ケアに使用する抗菌性薬剤 (2) 服薬等の影響 抗菌薬 ( ) 循環器 ( ) 内分泌 ( ) 向精神薬 ( ) その他 ( ) 11

13 2. 機能面の評価 1) 顎 顔面領域の麻痺 ( 脳神経 Ⅴ Ⅶ Ⅸ Ⅹ) 2) 口腔領域の麻痺 (1) 口唇 頬 (2) 舌 (3) 軟口蓋 3) 顎の開口量 開口量 : mm 4) 口唇の閉鎖能 ± + 5) 舌の可動範囲 左側 ( ± + ++ ) 右側 ( ± + ++ ) 下方 ( ± + ++ ) 上方 ( ± + ++ ) 6) 鼻呼吸 ( 可 否 ) 12

14 7) 鼻咽腔閉鎖不全 ( 有 無 ) 8) 安静時唾液 ( 顎下腺 舌下腺 ) の分泌程度口腔水分計 ( ムーカス ) 頬粘膜 舌背面 ) 刺激に対する唾液 ( 耳下腺 ) の分泌程度ガム咀嚼による唾液流量検査 10)RSST ml/ 分 回数 ( 回 /30 秒 ) 11)MWST( 改訂水のみテスト ) 1. 嚥下無し むせる and/or 呼吸切迫 2. 嚥下あり 呼吸切迫 (Silent aspiration の疑い ) 3. 嚥下あり 呼吸良好 むせる and/or 湿性嗄声 4. 嚥下あり 呼吸切迫 むせない 5.4に加え 追加嚥下運動が 30 秒以内に 2 回可能口腔内に投与した冷水のほとんどを吐き出してしまう場合は判定不能である また 口腔内に冷水を投与したにもかかわらず何の反応も認められない場合は判定不能である 3ml でも 呼吸の変化 喘鳴 呼吸音の変化 減弱 湿性ラ音 SpO2 の有意な変化に注意する 10) フードテスト 左からお粥 液状食品 プリンの 3 種 専用のスプーンは 1 さじで約 4g となる ( 液状食品のみ 3g) プリンはクラッシュして用いる 13

15 初回 ( 月日 ) 2 回目 ( 月日 ) 14

16 Ⅳ. 口腔ケア用具と使用方法 1. 基本セット 1) 歯ブラシ ( 乳歯用 ) ( 永久歯用 ) 例 ) 歯ブラシは口腔内の状況に応じて選択する 挿管されている場合( 特にバイトブロック 挿管チューブが留置されている側 ) 開口困難な場合は柄の小さい乳歯用の歯ブラシを使用する 挿管されていない場合は 永久歯用の歯ブラシを使用する 2) スポンジブラシ 使用前にスポンジが柄から外れていない事を確認してから使用 水を十分に含ませ よく絞った状態にして使用 奥から前( 臼歯部から前歯部 ) へ向かって清拭 清拭中に噛まれても無理に引き抜かない 15

17 3) 舌ブラシ 舌にブラシを当て 表面を軽く奥から手前に拭って舌苔や汚れを落とす 舌の奥まで入れすぎると嘔吐感があるので注意 2. 口腔清掃に使用する薬液 1) 塩化ベンザルコニウム 0.025% 塩化ベンザルコニウム ( ジアミトール水 ) を用いる 歯ブラシやスポンジブラシを薬液で軽く湿らせ 十分に水気を切って使用する 発疹や発赤が認められた場合には使用を中止する ジアミトール水 ザルコニン液 16

18 3. オプション用具とその使用法 1) 義歯ブラシ 義歯を清掃する時は歯みがき剤は使用しない 義歯を口から外し軽く水洗し磨く 義歯の汚れは義歯洗浄剤につけただけでは落ちない必ずブラシで機械的に汚れを落とす必要がある 2) 口腔粘膜保湿剤 オーラルバランス ウエットキーピング 口腔乾燥症状がみられた場合に用いる ( 舌 粘膜の評価参照 ) チューブから少量 ( 約 1cm) 押し出し指先でまんべんなく塗る 義歯を使用している場合は義歯の裏全体に塗って使用する 3) 口腔ケア用ジェル 研磨剤 発泡剤が配合されていない 水歯みがきに分類されるもので 歯肉を傷つける恐れのある出血傾向にある患者などに用いる 保湿効果のあるジェル状のものもある リフレケア 17

19 4. 含嗽等に使用する薬剤 薬液 万能含嗽液( 生理的食塩水 ): 水 1lに食塩 9 g を溶かして1 日 5~8 回うがいする適応 : 口内炎 口腔感染留意点 : 重症で痛みが強い場合も粘膜刺激が少ない 粘膜保護( ハチアズレ ):1 回 2 g を微温湯に溶かしてうがいする適応 : 軽度の口内炎 粘膜炎 咽頭炎 扁桃炎留意点 : 粘膜保護 治癒促進作用はあるが消毒作用はない 消毒作用( イソジン ガーグル ):1 回 2 ~4ml を水 60ml に薄めてうがいする適応 : 口内炎 咽頭炎 扁桃炎の感染予防 消毒留意点 : アルコールが含まれ 消毒作用が強く 刺激も強いので注意して使用する 鎮痛作用( 生理的食塩水 +キシロカイン ): 上記の生理的食塩水に 4% キシロカイン 5 ~15ml を添加 1 回 10ml を口に含みゆっくり 2 分間程度口の中を回す適応 : 放射線 抗癌剤による口腔粘膜炎 咽頭炎 食道炎の嚥下痛留意点 : 咽頭痛が強い場合は少量飲み込むのも良い 消炎鎮痛( ポンタールシロップ ): 食事の 15 分前 1 回にシロップ 10ml を飲み込む適応 : 放射線 抗癌剤による口内炎で食事の際の痛みや嚥下痛がひどい場合留意点 : キシロカイン 入り含嗽薬と併用すると良い 抗癌剤のシスプラチンを使う場合は 腎障害のリスクが高まるので使用不可 18

20 Ⅴ. 器質的ケアの標準化 均質化 本マニュアルⅠ~Ⅳの内容を基にした口腔ケアの標準化 均質化とそれらを用いたクリニカルパスによって臨床を展開する 口腔ケアを器質的ケアと機能的ケアに分けてそれぞれの内容を step1 から step3までの3 段階に分けたケア内容の標準化と均質化した手技での対応を基本とする 1) 器質的ケア step1: 介助を必要としない患者への口腔清掃 洗口ができる( むせ 誤嚥がない ) 口腔清掃ができる 方法使用器具 : 歯ブラシ 清掃補助用具 ( デンタルフロス 歯間ブラシなど ) * 義歯使用者 : 義歯ブラシ * うがい用の薬剤 口腔粘膜保湿剤は必要に応じて用いる手技 : 歯ブラシの動かし方は奥から前に汚れをかき出すように行う ( 図 1) 歯ブラシの当て方は写真のように歯と歯肉の境目に当てる ( 図 2) 歯の表 裏 噛む面に分けて磨く ( 図 3) 19

21 step2: 介助を必要とする患者の口腔清掃 口腔乾燥が著しい 舌苔付着が著しい 出血傾向がある 開口困難 誤嚥または誤嚥の疑いがある 方法 :( 図 1) 使用器具 : 歯ブラシ スポンジブラシ ガーゼ 紙コップ * 必要に応じて清掃補助用具を用いる使用薬剤 :0.025% ジアミトール水 ( 塩化ベンザルコニウム ) * 必ずしも上記薬剤でなくてもよい口腔粘膜湿潤剤 標準手技 1. 口腔乾燥 舌苔付着が著しい患者患者情報の確認 : 原疾患 既往歴 バイタルサインの確認 口腔周囲 口腔内診査 : 過敏 出血 乾燥 傷 潰瘍などに注意 * 口唇に口腔粘膜湿潤剤を塗布 * 口腔内診査歯式 動揺 出血 乾燥 傷 潰瘍 唾液の貯留等の有無 ( 必要に応じて吸引 ) 口腔ケアの実施 ( 写真参照 ) 1スポンジブラシを用いて口腔内に口腔粘膜湿潤剤を塗布 2 歯ブラシを用いて口腔清掃 * 歯に動揺 ( ゆれ ) がある場合 指で支えて磨く * 口腔内状況により 歯ブラシを用いないこともある 3スポンジブラシを用いて口腔内の水分 その他の付着物を除去 4 吸引 5スポンジブラシを用いて口腔内に口腔粘膜湿潤剤を塗布 6 口唇に湿潤剤を塗布 20

22 2. 出血傾向のある患者 ( 事前に担当医師 担当看護師 病棟薬剤師にケア内容の同意を得ること ) 使用器具: 歯ブラシ スポンジブラシ ガーゼ 紙コップ ( タフトブラシ 歯間ブラシ 舌ブラシ ) 使用薬剤:0.025% ジアミトール水 ( 塩化ベンザルコニウム ) 口腔清掃用ジェル: 口腔ケアジェル ( リフレケア ) など 口腔粘膜湿潤剤 (1) 口腔内に出血が見られない患者方法 1 状態の確認 : 入院背景 疾患名 バイタルチェックを確認する 2 口唇 口角に出血部位がある場合は口腔粘膜湿潤剤を塗布する 3スポンジブラシにて口腔内を清拭し 出血しやすい部位を確認する出血しやすい部位を避け 歯ブラシは軟毛を用い 歯肉に当てないように操作する この場合は刺激の少ない口腔ケアジェル 先口剤等を使用する また 可能ならスポンジブラシによる粘膜清拭を行う 口腔清掃後 口腔粘膜湿潤剤を塗布 (2) 口腔内に出血が見られる場合方法 1 状態の確認 : 口腔 出血状況 部位 疾患名 全身状態の確認 2ケア内容 使用器具 薬剤等を患者に十分説明し実施する 21

23 3 実施可能であるか または バイタルチェックを確認する 4 出血のある場合には止血剤を用いてから口腔清掃を行う例 : ボスミンなどの止血剤を含ませたガーゼを指に巻き口腔内の出血部位を圧迫するなど止血と同時に血液を飲み込まないように指導する 5 清掃用具 ( 綿棒 スポンジブラシ等 ) に先口剤や含嗽水を含ませた歯 歯肉を刺激しないように拭う 6 疼痛 出血のある場合には 閉口下での含嗽のみ行う場合もあるその場合には消毒効果のあるものや痛みをおさえるものを使用するとよい注意 : 凝血が歯肉や粘膜に付着している部位は無理に剥がさない 3. 開口困難な患者標準手技と同様に行う * 必要に応じてバイトブロックを用いる * バイトブロックは小臼歯より奥に入れる ( 取り外す場合にも歯が抜けたり脱臼 破折させないよう注意する ) step3: 全介助を必要とする 又はそれに相当する患者 ( 事前に担当医師 担当看護師 病棟薬剤師にケア内容の同意を得る ) 高度の手技を必要とする患者 (VAP 開口不能 口腔乾燥症 清掃不良患者) の器質的な口腔ケア 使用器具 : 歯ブラシ ( 吸引ブラシ ) スポンジブラシ ガーゼ 紙コップ ( タフトブラシ 歯間ブラシ 舌ブラシ ) 使用薬剤 :0.025% ジアミトール水 ( 塩化ベンザルコニウム ) 口腔粘膜湿潤剤手技 : 1. 挿管患者 : 入院背景 疾患名 バイタルチェックを確認する カフ圧 ( 適正圧より 10mmHg 程度高くする ) 口腔内診査 ( 歯式 動揺 出血 乾燥 ) 使用器具の選択 吸引 口腔ケアの実施 22

24 使用器材の選択 挿管チューブを固定しているテープを外して移動可能な状態にする バイトブロックを移動させながら口腔清掃を実施 スポンジブラシで口腔内の水分その他の付着物の除去 スポンジブラシで口腔粘膜湿潤剤の塗布 吸引 バイトブロック 挿管チューブの固定 カフ圧を戻す 看護師に申し送り 2. 化学療法を受けている患者 使用器具: 歯ブラシ ( 軟らかいもの ) スポンジブラシ 使用薬剤: エレース アズノール キシロカイン 使用中の抗癌剤の確認をし 血液検査データの把握をする 口腔内の創部の有無 出血の有無の観察を行う 口内炎 出血部位を避け スポンジブラシで口腔内を清拭する 口内炎の痛みがある場合は (1) 麻酔薬を含んだ洗口剤を使用して含嗽を行う あるいは洗口剤を凍らせて口に含ませる 含嗽の場合は 1 日 100cc を3~5 回に分けて使用する 凍らせる場合は 1 日あたり9 個を3~4 回に分けて口に含ませる ( 食前に行うことが良いとされる ) (2) クライオセラピー ( 冷却療法 ) を行う 口腔内へ氷片を含んだり 冷たいタオル( アイスノン ) 市販の冷却シートなどを使用し皮膚側から頬粘膜 咽頭にかけて持続的に冷やす 皮膚側から頬粘膜 咽頭にかけて持続的に冷やす 抗がん剤投与前から投与後 30 にかけて行うことが望ましい 23

25 Ⅵ 各種疾患に対する口腔の衛生管理 1. 高血圧口腔衛生管理を行う際に患者が感じる精神的緊張や器具 器材による触圧覚刺激などは血圧の変動を助長するので注意する 患者が理解しやすい説明をして不安感を感じさせないようにする 口腔内への器具の挿入は鈍感な臼歯部頬側から言葉がけをしながら行う 必要に応じてケア中に血圧測定を行う 異常高血圧時には 頭が痛い 等を患者が訴えることがあるので患者の言動に注意する 2. 心疾患虚血性心疾患で心筋梗塞回復期の患者は ストレスに対して耐性が弱く再発作の可能性が高いので口腔衛生管理を行う際に慎重な対応が必要 必要があればモニタリング下でケアを行う ケア内容を説明して主治医のアドバイスを受ける ケアで出血が予測される患者では抗血小板薬の服薬内容を確認 ワーファリン服用者では PTINR を確認する 心臓の Ope 後の患者は抗凝固療法 ( ワーファリンなど ) の確認のほか 免疫能が低下した状態になるため口内炎 ( アフタ ) になりやすく また治り難いので口腔のケアによりできるだけ清潔な状態に保つ CPK 値が上昇傾向にあるあいだは慎重にケアを行う 歯痛を訴えるときは胸痛( 狭心症の症状 ) からの関連痛として現れている可能性も考慮して狭心症の発作に注意する 口腔内に慢性化膿性の病巣や歯周病があると感染性心内膜炎 動脈硬化の原病巣となっていることがあるので注意深く口腔内を観察する うがいの水が冷たすぎると血圧の変動をきたしやすく 心臓に負担をかけることもあるため ぬるめのお湯を使う 3. 脳卒中 ( 脳梗塞 脳出血 ) 脳梗塞は再発予防の目的で抗血小板薬 ( バッファリン パナルジンなど ) 抗凝固薬( ワーファリン ) の服薬について十分な確認が必要 脳出血の後遺症も含めて麻痺部位とその程度 内容について口腔領域と上肢 手指機能などについて確認が必要 誤嚥が認められることも少なくないので嚥下障害による誤嚥に注意したケアを行うとともに 摂食嚥下障害に対して積極的に口腔機能のリハビリテーションをケアの中で行うことも必要となる 歯肉出血と唾液誤嚥に注意して口腔のケアを行う 嚥下障害の有無と内容をチェックしてケア器具 器材とケア姿勢を選択する 片麻痺で座位可の患者の場合は 健側からケアを行う( 横臥位では健側を下の姿勢 ) 24

26 摂食嚥下障害の診断とそれに対する訓練がなされている患者には 主治医の指示の下にケア内容に口腔領域の摂食嚥下リハの間接訓練を加えて行う 麻痺の程度によって歯磨きの自立などについても指導する 4. 糖尿病細菌感染に対する抵抗力が弱く 創傷の治癒も悪い 病棟カルテで空腹時血糖値 HbA1c 値 服用薬剤を確認する 唾液の分泌が少なく口渇を訴える 口腔粘膜が乾燥して自浄作用が低下するため 口角炎 歯肉炎 舌炎 口内炎などの炎症が起こりやすい 歯肉が腫脹して出血しやすく 感染を起こしやすくなる 血糖コントロールが悪い患者では呼気は甘い匂い( ケトン臭 ) の口臭となる 口腔衛生管理が食事療法を行う上でも大切であること指導する 口腔粘膜を傷つけないよう注意して口腔のケアを行う 退院後は低血糖が生じると危険なので ケアに時間を要する場合などの時にはケア時に飴やジュースなどを準備して行うように指導する 5. 腎臓病腎疾患の入院患者の中でも注意したいのが血液透析患者で 肝炎ウイルスのキャリアが多いのでカルテ等で十分確認する必要がある 易出血性であるためケア器具( ブラシ ) の硬さとブラッシング方法に注意する 腎移植後では免疫抑制剤( シクロスポリン タクロリムスなど ) が投与されており易感染性のためケア器具 器材の清潔には特に注意する 上記のため口腔のケアを行うことで院内感染( ウイルス汚染 ) を引き起こさないよう十分に注意する 6. 肝臓病肝炎や肝硬変などの肝疾患患者では 肝炎ウイルスのキャリアである可能性が高い 事前のカルテで感染症の有無を確認することが重要である 肝炎から肝硬変に移行し血小板数や血液凝固因子 ( ビタミンK 依存の凝固因子 ) が減少すると 歯肉からの出血や粘膜下出血が生じやすくなるため 傷つけないよう口腔のケア器具の操作を慎重に行う必要がある 肝機能が低下した患者では肝臓での炭水化物 脂質の代謝 ビタミンの貯蔵 活性化が低下するため 免疫の低下 治癒遅延 易感染の状態にあることを常に注意して口腔衛生管理を行う 口腔のケア処置時に出血傾向を示すことがあるので注意が必要である 歯ブラシのヘッドで粘膜を傷つけてしまう場合は小児用の歯ブラシを使用する 歯性感染や歯周疾患が増悪しやすいので早期発見と予防のためのケアを十分行う 口腔粘膜疾患になりやすいので常に粘膜を健康に保つ必要がある 25

27 7. 呼吸器疾患呼吸器疾患で口腔のケアを行う際に注意すべき疾患に 慢性気管支炎 慢性閉塞性肺疾患 肺気腫 などがある 口腔 咽頭部は上部消化器官の一部であるが呼吸器官の一部であることも常に念頭に置いた口腔衛生管理が必要である 咳反射時の喀出する力が弱い患者が多いのでケア中の唾液の誤嚥には十分注意する 呼吸リハ等を行っている患者は理学療法士と連携して口腔リハをケアの中に組み入れると良い 喘息ある患者では 喘息症状が安定しているかを確認する また 発作を誘発させるような疼痛を伴うケアや精神的にストレスを与える可能性のあるケアは避け 発作時の対処薬を予め聴取しておく 酸素吸入を行っている患者では 口腔のケアも口腔あるいは鼻腔の近くで酸素を吹き流す 口腔のケア実施時の酸素濃度を上げる等の配慮が必要である 重度の呼吸器疾患患者では 口腔のケア前後のバイタルサイン SpO2( 血中酸素濃度 ) を確認する また 患者の姿勢に注意して口腔のケア中も心拍数や SpO2( 血中酸素濃度 ) をモニタリングしながら行う 8. 血液疾患 (8,9 頁 : 出血傾向のある患者に対する手技を参照 ) 出血対策 感染対策など十分な準備の下で行う必要があるので口腔のケアの実施に対しては口腔のケアの適否について最新のデータを下に主治医と慎重に検討する必要がある 白血病患者の骨髄移植前後 寛解期の口腔内感染源の除去や口腔衛生管理は重要である 口腔粘膜に付着した血液の凝固塊は気道障害 誤嚥性肺炎の原因となりうる 血液が口腔内に貯留することによって悪臭や嘔気を誘発することになり 食欲の低下 経口摂取の回避などによる食事摂取量の低下 ( 低栄養 脱水 ) をきたすので注意深い口腔内の観察が必要である 白血病の寛解期には口腔のケアの実施は可能となる 血友病は適切な止血方法を行うことで口腔のケアの実施は可能となる わずかな物理的刺激で出血が増す恐れがあるのでケア時の力のかけ方に注意が必要 温度の高い含嗽水は出血の誘因になるので冷水を使用する 固着した喀痰は水分( オキシドールなど ) に浸した綿球などで柔らかくして粘膜を傷つけないように注意して除去する 口腔内に挿入するケア器具は粘膜に張り付く恐れがあるので湿らせてから用いる 歯ブラシは軟毛を使用し研磨剤の入っていない歯磨剤( リフレケア 等 ) を用い 歯肉にあたらないように歯肉を指でガードする 出血部には止血剤のトロンビン末を生理的食塩水に溶かし患部にあて数分間持続して止血したり 10 倍に薄めたオキシドールを口に含みゆっくり吐き出させる 出血がひどい場合は無理をせずに口腔のケアは行わないか 歯面のみの清掃を行う 91 癌 ( 悪性腫瘍 ) 癌治療に伴う口腔合併症の発症頻度は 40%: 化学療法をうける患者 ( このうち 50% が口腔粘膜炎が強くスケジュール変更 投与量変更を必要とする ) 80%: 造血幹細 26

28 胞移植患者 100%: 口腔領域が照射野に入る放射線治療の頭頸部癌患者 癌の種類による口内炎発症率は 乳癌 :14% 頭頚部癌:15% 大腸癌:21% 非小細胞肺癌 :41% 非ホジキンリンパ腫:5% 造血肝細胞移植 4%(Mattdon Jack Database,2003) また 直接的に放射線により口腔粘膜が損傷されない場合でも 2 次的な作用として 抗がん剤の副作用として骨髄抑制が起こり 白血球減少により易感染状態となり粘膜に局所感染が起きて口腔粘膜炎を発症する 1. 口腔粘膜炎の発症頻度が高い抗がん剤 抗がん性抗生物質: ブレオマイシン ダウノルビシン ドキソルビシン アクチノマイシンD 植物アルカロイド: イリノテカン エトポシド 代謝拮抗薬 : フルオロウラジル (5FU ) メトトレキサート テガフール ギメラシル オテラシルカリウム (TS1 ) カペシタビン シタラビン ゲムシタビン ヒドロキシウレア アルキル化剤 : メルファラン シクロフォスファミド アントラサイクリン系: アドリアシン ( ドキソルビシン ) ファルモルビシン( エビルビシン ) プラチナ系 : シスプラチン タキサン系 : パクリタキセル ドセタキセル 2. 代表的な口腔トラブル 1) 化学療法 口腔粘膜炎 口腔感染症 ヘルペス カンジダ 口腔乾燥 味覚障害 歯肉出血 歯の知覚過敏 2) 放射線療法 口腔粘膜炎 ヘルペス カンジダ 口腔乾燥 味覚障害 開口障害 軟組織壊死 放射線性骨髄炎 放射線性う蝕 3. 口腔衛生管理 ( 口腔のケア ) 治療前の口腔衛生状態が改善した状態で 癌治療が開始する 治療中の口腔合併症に対し医療者と協働して具体的な口腔衛生管理をおこなう 治療後に遷延する口腔合併症のリスクを きちんと患者に伝える 疼痛が強い場合には柔らかい歯ブラシやスポンジブラシを使用 疼痛が強い場合には麻酔作用のある含嗽剤の使用 乾燥がある場合には口腔内保湿剤の使用 92 癌患者 ( 頭頸部 食道癌 ) 癌患者で頭頸部 食道の手術を必要とする者は 嚥下機能に問題を生じる場合も少なくはなく 汚染された唾液誤嚥による肺炎を防止する事が重要である また嚥下機能が正常に保たれていたとしても 手術創部での感染を引き起す原因となるため周術期における口腔衛生管理を行う 化学療法を行う患者抗癌剤の種類により口腔粘膜炎の発症頻度が高くなることが予測される また骨髄抑 27

29 制による白血球減少により二次的に局所感染が起こり 口腔粘膜炎を発症する 放射線療法を行う患者 頭頸部領域を照射野とする場合は ほぼ全例で口腔合併症を発症するため治療開始前からの口腔衛生管理が重要である 放射線治療前( 照射前 ) は口腔内を清潔に保つため専門的口腔清掃を実施しプラークの付着しにくい状態にする 患者教育 スタッフ( 介助者等 ) 教育も重要である 放射線治療中( 照射中 ) 歯磨剤や刺激性の食物は避けるよう指導する また ヨード系製剤 ( イソジンガーグル等 ) は殺菌性が強いが発泡作用と刺激性があるので照射中は避け, マイルドな含嗽剤 ( 含嗽用ハチアズレ ) が望ましい 放射線治療後 治療中と同様に口腔内の洗浄は必須である 化学療法 放射線療法を行う場合は 抗癌剤 放射線により細胞周期の短い口腔粘膜を直接的に破壊され 投与 3 日以内に口腔粘膜発赤 投与 7 日以降 表皮の委縮と口腔粘膜 舌に潰瘍形成されることが多い 手術 化学療法 放射線療法を問わず 治療開始前からの口腔衛生管理が必要である 口腔合併症の予防のみならず疼痛管理や症状軽減に努めることが重要である 口腔粘膜炎などにより疼痛 易出血性を有する者のケアには適切な口腔清掃用具( ヒアルロン酸配合口腔専用ウエットティッシュなど ) を選択する必要がある 嚥下機能の低下が疑われる患者に対しては 誤嚥を防止する姿勢の保持や ケア時の吸引などの対応を行いながら口腔衛生管理を行う必要がある 10. 認知症口を開けない 噛みつくなどの問題行動で口腔のケアを拒否することも多くある 患者の気持ち 感情を受容しながら対応することが求められる 強制的なケアは避けなければならない 日常介護の中で無理のない範囲で取り組む 生活習慣としての位置付けを強くする 自立支援の観点からのケアを考える 認知障害が強い場合は口腔領域に加える刺激が弱いものから 簡単なことから少しずつ慣らしていく 経口摂取による自立支援の面から口腔の機能的なケアも必要な場合が多い 義歯装着者の場合は装着状況 適合状況のチェックと管理が必要 11. パーキンソン病パーキンソン病では手指の振戦 ( 震え ) やオーラルディスキネジアなどがある場合には 歯肉や口腔粘膜を傷つけてしまうことなどから口腔衛生管理を自身で適切に行うことができない 歯ブラシなどのケアに使用する器材を改造する工夫や介護者への指導など病気の進行程度や症状に合わせた対応が必要となる 嚥下障害や誤嚥はパーキンソン病の進行程度と一致しない場合が多いため 早期からの注意が必要である 振戦( 震え ) やオーラルディスキネジアがあって患者本人が自立して行う場合には柔らかい歯ブラシを選択する 28

30 不随意運動は緊張すると強くなることが多いので リラックスした雰囲気を作ってケアを行うようにする 病気の進行に関連せずに誤嚥がみられることがある事から 誤嚥性肺炎の予防のための日常生活における口腔衛生管理についての大切さを指導する パンなどの食物による窒息も時々みられるので十分咀嚼する食べ方の指導も必要 12. 慢性関節リウマチ慢性関節リウマチは多発性関節炎のほか 全身症状を呈する疾患である 口腔衛生管理の目的としては 口腔内を清潔に保つのはもちろん上肢や手指の関節の症状に対するリハビリテーションの一つとしての意義がある 手指の変形や筋力の低下には歯ブラシの柄を太くしたり電動歯ブラシを使用する 肩や肘関節に可動域制限がある場合は柄の長い把持具( リーチャー ) を用いると有効 義歯装着患者には義歯用に工夫された歯ブラシ( 洗面所における吸盤ブラシ ) を指導する 局部床義歯の患者には リウマチの症状に合わせた着脱方法について指導する 13. 重症心身障害重症心身障害の口腔の問題点は 摂食 構音 呼吸 という口腔の 3 大機能の全てに重大な障害があることである 摂食の面では口腔から安全に栄養を摂取することが困難であり 食事もミキサー食や軟らかい食物が多く 自浄作用が悪いので口腔周囲の運動機能障害などにより 齲蝕や歯周疾患に罹患する可能性が高く プラークと歯石がたまりやすい さらに, 抗てんかん薬服用による歯肉増殖 口呼吸による乾燥性の歯肉炎 歯肉増殖 筋緊張亢進や異常反射 不随意運動によるくいしばりや顎の異常運動による咬合性外傷や咬傷などもみられる 口腔機能の発達を促し QOL の向上に結びつくような口腔のケアを計画し保護者や介助者に働きかける 経口摂取をしている場合は 常に食渣の残留を考慮したケアを行う必要がある 座位のとりにくい重症心身障害に対しては, 全身的な筋緊張を誘発しにくい体位の工夫などを行う 口腔のケアを行う際には唾液やプラークなどを誤嚥しないよう吸引を行うなどの注意が必要である 唇 頬の緊張が強い場合や口腔領域の過敏性が強い場合には 緊張や過敏を取り除きながら徐々に歯ブラシに慣れさせていく 不随意運動や食いしばりで口唇等を自傷する場合には 口腔周囲筋や舌筋に対する機能的口腔ケアを行いながら粘膜の保護や咬合の管理を目的としたオクルーザル アプライアンス等の使用も考慮する 29

31 Ⅶ. 各種症状 状態に対する口腔衛生管理 ( 口腔のケア ) 1. 気管切開挿管チューブのカフは必ずしも誤嚥を防止できないため 気管切開を行っても誤嚥は生じる また 口腔内が不潔になると唾液とともに種々の細菌が誤嚥され誤嚥性肺炎の原因となるため 十分な口腔衛生管理が不可欠である 口腔衛生管理の方法を決める上でVF( 嚥下造影 ) 検査での誤嚥の有無を確認することが重要である 誤嚥の内容の確認 水を使う場合には吸引ブラシなどを用いて咽頭 喉頭に流れ込まないように注意する ケア時の姿勢( ファーラ 位が基本 ) に注意する 唾液の貯留感覚が低下しないように口腔粘膜のケアを十分行う 分泌する唾液の処理( 吸引 嚥下 ) 方法について指導する 食物を少量でも経口摂取している場合は口腔の自浄性低下を考慮したケアを行う 2. 経管栄養嚥下がうまくできないため 経管栄養になった患者でも 経鼻経管や食事のときだけ経口から管を挿入する間歇的経管栄養法 胃ろう 腸ろう などからの栄養摂取を行っている場合にも唾液等の誤嚥はみられる 特に経鼻や経口からの場合はチューブ表面が細菌に汚染されるとバイオフィルムを形成し それが剥がれて誤嚥されるリスクなども考慮した口腔衛生管理が必要となる 経鼻 ( 経口 ) 経管や胃瘘による経管栄養患者は経口摂取を併用している場合も多いので経口摂取の食物の物性や量 摂取時間などを十分に考慮した口腔衛生管理 ( 口腔のケア ) を行う必要がある 咀嚼などの動きがないため唾液の分泌の低下などによる口腔の自浄性が低下し細菌数が増加することを考慮した十分なケアを行う 経管から栄養物を注入する前に口腔内への刺激の意味から簡単な口腔のケアを行い 消化管の動きを促してから注入する方法について主治医と連携する 栄養物が直接胃に入るため 胃内容物の逆流(GER: 胃食道逆流 ) の可能性があり 逆流のある場合には 逆流性の食道炎に加えて胃酸による歯の脱灰がみられることも多いので予防のケアを行うなどの注意が必要である 口腔のケア時に管が刺激となって吐気を促すことがあるので栄養注入直後のケアは避ける 3. オーラルディスキネジア口をもぐもぐする 舌を突出させる 舌を捻転させる などを反復性で常道的な不随意運動として生じてしまう口腔周囲に見られる症状であるオーラルディスキネジアの患者は 専門的口腔衛生処置 ( 口腔のケア ) を必要とする 原因別に分類すると 以下のようであるが いずれも内科医 神経内科医 精神科医等と密に連携した対応が必要である 抗パーキンソン薬の投与による薬物性ディスキネジア 向精神薬長期投与による遅発性ディスキネジア 30

32 錐体外路系疾患( ハンチントン舞踏病 ウイルソン病 間脳疾患など ) によるディスキネジア 高齢者にみられる原因不明のディスキネジア口腔のケアを行う際の注意点としては 義歯の不適合は事前にチェックして治療して咬合を安定させる 不随意に動く舌や顎を押さえつけずに清掃器具を動きに逆らわずに使用する 反復する舌の突出や義歯の動きによる口腔粘膜の潰瘍に注意してケアを行う ディスキネジアのために義歯を装着しない状態が続くと顎関節脱臼の原因となるので注意 4. 歯肉肥大歯肉の肥大は薬物の副作用の一つであり 主に抗てんかん薬 カルシウム拮抗剤 免疫抑制剤 などの服用に起因する 歯肉肥大は歯間乳頭部より生じて進行すると歯冠部を覆う繊維性に硬く肥厚し 結節状 球状 分葉状の歯肉増殖をきたすことになる 肥大の原因となる薬物の服用中止または変更を医師と相談する スケーリング プラークコントロールを徹底する 口腔清掃が不良になると歯肉の発赤や腫脹が歯肉肥大を増悪させる 5. 舌苔舌苔は舌表面の糸状乳頭が延長し その周囲に口腔粘膜の剥離上皮 食塊や細菌が繁殖したものである 口腔内の汚染や口臭の原因の一つである 舌苔は不潔だが直接健康上の問題を引き起こすことは少ないが 舌苔があるとカンジダ ( 真菌の一種 ) が繁殖しやすくなり 長期間 多量に付着すると種々の細菌が増殖しやすく違和感 味覚異常 痛み 口臭などを生じることがある 舌表面は舌運動や食塊の移動などによる磨耗と乳頭の再生で性状が保たれているため 舌苔が付着している患者では舌機能が低下していることが推察される 舌苔の除去とともに舌機能の向上を目的にした機能的な口腔のケアを合わせて行うと効果的である 舌苔の除去は口腔湿潤剤などで保湿した後の湿潤下で行う 舌ブラシや通常のブラシで舌の後方( 奥舌部 ) から舌尖に向けて擦過除去する 多量の舌苔は一度に除去しようとせずに毎日少しずつ少なくする 左右両側でしっかり噛んで食べる習慣を指導する 舌苔と鑑別診断を要する疾患 症状に 前癌病変として注意を要する舌白板症や舌カンジダ症 地図状舌などがある 6. 口腔カンジダ症口腔カンジダ症は 真菌である Candida albicans(c. albicans ) による口腔粘膜感染症である C. albicans は口腔内の常在菌として舌表面 頬粘膜 歯垢内に多く検出される 健康な人であれば唾液の自浄作用や免疫抵抗などにより菌が定着して口腔カンジダ症を発症することは稀であるが 悪性腫瘍 糖尿病 膠原病 内分泌異常などの疾病及び乳幼児 高齢者 妊婦などの体力 抵抗力が低下している場合にそれらが誘引とな 31

33 って発症する 他の誘引としては 抗生剤 ステロイド剤 免疫抑制剤の長期服用 AIDS による日和見感染症 シェーグレン症候群や加齢による唾液分泌の低下 不衛生な義歯の装着など多岐にわたっている 症状等の特徴から4つに分けると対応しやすい 1. 急性偽膜性カンジダ症 : 頬粘膜 口蓋 舌などの口腔粘膜に白い苔状の散在性または孤立性にみられ 痛みを伴うことがある 白苔は易剥離性で剥離後の粘膜は出血し易い 2. 急性萎縮性カンジダ症 : 抗生物質の長期服用による菌交代の結果生じるものが多いが 急性偽膜性カンジダ症の被苔が除去されると本症となる 自発痛の強いびらんが特徴 3. 慢性肥厚性カンジダ症 : 急性偽膜性カンジダ症から移行したものが多く 白い偽膜は厚くなり 粘膜上皮に固着して上皮層の肥厚と角化亢進がみられる 4. 慢性萎縮性カンジダ症 : 義歯性口内炎ともよばれ 義歯接触面の口蓋粘膜生じることが多い 多くは無症状であるが 患部の浮腫や疼痛を訴えることがある ケアに先立ち 基礎疾患 全身状態 服薬の状況などから口腔カンジダ症の要因を検討して改善を図るよう考慮する 低い ph が適しているので食後の清掃や義歯洗浄を怠ると ph が低下して C. albicans が増殖しやすいので食後の口腔のケアを励行する 口腔カンジダ症は日和見感染であるから局所だけのケア対応では根本的な解決にならないので 局所のケアと併行して全身的な原因を除き 抵抗力を高め 体力増強に努める 義歯を装着している患者では C. albicans はレジンへの付着性が高いため 夜間就寝時は義歯をはずして義歯用ブラシで十分に清掃する また 週 1 度程度は義歯洗浄剤を使用して義歯用カンジダ症の要因を除くようする 高齢者や唾液分泌が減少する疾患では唾液による自浄作用が減弱するので抗真菌作用のある口腔浸潤財や歯磨き剤を用いるのも良い カンジダに対する含嗽薬にはファンギゾン イトリゾール などがあり 軟膏にはフロリード ゲルなどがある 7. 口腔乾燥症唾液分泌量の減少による口腔内の乾燥に起因して口腔や咽頭にさまざまな症状を呈する状態が口腔乾燥症である う蝕や歯周疾患などの歯科疾患 舌などの粘膜疾患 舌痛症などの疾病の原因となり 摂食嚥下障害 口臭 呼吸器感染症 異常乾燥感などに強く関連している 1. 口腔乾燥症の原因分類 1) 唾液分泌中枢を侵す因子 : 情動 神経症 気質的疾患 薬剤 ( モルヒネ ) 2) 自律神経性唾液分泌中枢を侵す因子 : 脳炎 脳腫瘍 事故 神経外科手術 薬剤 ( 抗ヒスタミン 鎮静剤 ) 3) 唾液分泌能に影響を与える因子 : シェーグレン症候群 導管閉塞 唾液腺切除後 先天性萎縮 放射線照射 年齢 32

34 4) 体液または電解質平衡の変化 : 脱水 浮腫 糖尿病 心疾患 尿毒症 高血圧 鉄欠乏性貧血 甲状腺疾患 葉素欠乏 ホルモン異常 薬剤 ( 利尿剤 ) 2. 口腔乾燥症の原因となる薬剤 1) 中枢神経または末梢神経とその受容体に作用して唾液分泌を低下 (1) 抗コリン薬 鎮痙薬( アトロピン スコポラミン ) 抗パーキンソン病薬( ビペリデン トリヘキシフェンジル ) 消化性潰瘍治療薬( スコポラミン プロパンテリン チメピリジウ エチルピペリナートなど ) (2) 精神神経用薬 統合失調症治療薬( クロルプロマジン フェルナジン ハロペリドール スルピリド ) うつ病治療薬( イミプラミン アミトリプチン マプロチリン トラゾドン ) 抗不安薬( トリアゾラム クロルジアゼポキシド ジアゼパム クロキサゾラム オキサゾラム プラゼパムなど ) (3) 鎮静 催眠薬 ( フェノバルビタール ) (4) 抗ヒスタミン薬 (H1 拮抗薬としてジフェンヒドラミン ジメンヒドリナート ジフェニルピラリン ホモクロルシクリジン クロルフェニラミン H2 拮抗薬としてファモチジン ニザチジン ) 2) 電解質や水の移動に関与して唾液分泌を低下 (1) 降圧薬 利尿剤( フロセミド スピロノラクトン トリアムテレン アセタゾラミド Dマンニトール ) カルシウム拮抗薬( ニフェジピン ニカルジピン ベラパミル ジルチアゼム ) (2) 気管支拡張薬 ( エフェドリン サルブタモール ツロブテロール ) 3. 口腔衛生管理 ( 口腔のケア ) スプレータイプ 洗口タイプ ジェルタイプなどの人口唾液や保湿剤を用いてケアを行う 唾液腺マッサージ( 耳下腺や顎下腺相当部 ) や口腔の筋機能療法を行い唾液の分泌を促す 口腔清掃などによる口腔内への刺激による唾液分泌の促進を図る 水分の十分な摂取や日常の精神的なゆとりについて指導する ガム( 咀嚼による顎運動刺激 ) や飴 ( 味覚刺激 : キシリトール入り又はシュガーレス ) を食べる また痛みがなければ酸味のある物を食べる などの指導を行う アルコールや刺激物香辛料はさけるよう指導する 8. ビスフォスフォネート系薬剤の副作用悪性腫瘍 骨粗鬆症 などでビスフォスフォネート系薬剤の投与を受けた経験のある患者 特に悪性腫瘍で注射剤で投与された場合に顎骨壊死 顎骨骨髄炎の発現が多く報告されている 多くは抜歯等の侵襲的歯科処置や義歯による褥創や局所感染に関連して発生している 33

35 口腔衛生管理( 口腔のケア ) 前に関連する服薬状況の情報を十分に採取し 薬剤師のとの報交換 病棟薬剤師の指導を受けてケアや退院後の指導を提案する 34

36 Ⅷ 機能的ケアの標準化 均質化 step1: 口腔周囲筋の能動的訓練手技 : 1. 口唇 頬筋協調訓練 ( 口輪筋 頬筋訓練 ) 1) 左右対称の動き : 2) 左右非対称の動き突出と引き ( イー ウー ) 口角の左右への偏位 10~20 回繰り返す口をすぼめたまま左右に動かす 10 回を1セットとして 2~3 セット 2. 舌訓練 可能な限り前方へ突出し しっかり引っ込める 左右の口角に交互舌尖をつける 上唇と下唇の交互に舌尖をつける 舌圧子( スプーンでも可 ) を舌尖で押す 10 回を1セットとして 2~3 セット 3. 顎運動訓練 口を大きく開けてぱっと閉じる 10 回を1セットとして2~3セット 舌圧子をかむ 35

37 4. 軟口蓋 頬 口唇訓練 呼吸との協調訓練 ブローイング( コップの水をストローでブクブク吹く ) できるだけ長く 5 回 頬を膨らませたりへこませることを繰り返す 10 回を 1 セットとして 2 セット 5. 頭部 咽頭部 喉頭部の筋訓練手順 1) 椅子でしっかりした座位をとる 又はベッドをギャッジアップして姿勢をとる 2) 首を前に倒し 5~10 秒間ゆっくりとストレッチする 3) 後方 右 左 右回旋 左回旋をそれぞれ 2~3 回ずつ行う 4) 肩をすぼめるようにギュと力を入れ 力が入ったらダランと力を抜く 5) これを 6 回繰り返す ( 緊張が強い時は頸部をホットパックなどで暖めてマッサージしてから行うと効果的である ) 36

38 機能的ケア step2: 喀出訓練 閉口訓練 口腔周囲筋の受動的訓練 使用器具 : 訓練用スティック グローブ 1. 口腔周囲筋の運動訓練口腔周囲筋の運動障害は 捕食 咀嚼など準備期の動きを阻害するばかりか 前頸筋群と協調して営まれる嚥下運動にも大きく影響する 口腔周囲筋の筋力増強 コントロール能力改善に有効である 1) 口唇訓練 食前に 1~2 回行うのが最も効果的 1 回の訓練時間は5~10 分程度とし それ以上は行わない 少しずつ毎日行う方が効果はあがる 以下の訓練は顎を閉じた状態で行う (1) 口輪筋を筋線維の走行に対して直角に縮める 上下口唇をそれぞれ3 等分し 1/3 ずつ指で口唇をつかむ (2) 口唇と歯肉の間に人差し指を入れ唇を外側へ膨らます 上下口唇それぞれ 2 等分でおこなう 口唇は引っ張らないようにする (3) 人差し指の指腹を赤唇部に当てる 上唇は鼻の方へ 下唇は下方に押し下げる (4) 人差し指の指腹を赤唇部と皮膚の境目に置く 前歯を軽く押さえるように押し下げ ( 上げ ) る 37

39 2) 頬訓練 頬の中央部を外側にふくらます 硬さを調べるつもりで ゆっくりもみほぐす 3) 舌訓練 顎は閉じた状態で顔を下前方に向け頸部の筋肉を縮めておく オトガイ部下部の直ぐ後ろ部分をまっすぐ上に押し上げる 頭部をしっかり固定し まっすぐな状態で行う 刺激が確実に伝わっていれば 指を突き上げたとき口腔内で舌が上前方に動く 頭部をしっかり固定する 38

40 機能的ケア step3: 嚥下訓練 ( 間接的訓練法 ) 使用器具 : 綿棒 グローブ手技 : 1) 嚥下促通訓練ガムラビング ( 歯肉マッサージによる嚥下促通訓練 ) 訓練前に口腔のケアを行う 口腔内が過敏症状を呈する場合には行わない 方法 1) 顎を介助して閉鎖させる 2) 指腹を前歯部の歯頸部に当て後方臼歯部に向かってこする 3) 後方から前に戻る時には指は歯茎から浮かす 4) 口腔内を上下左右 4 等分して順次行う 5) 唾液嚥下の確認を忘れずに行う 2)Thermal tactile stimulation ( 寒冷圧刺激法 ) 嚥下反射誘発の目的で行う 綿棒を氷水につけて軟口蓋や咽頭部を軽く 2 3 回刺激後すぐに嚥下させる 綿棒は 水を浸み込ませたものを凍らせて使用しても良い 特徴としては冷刺激と圧刺激を同時に行い 嚥下反射を惹起する 手順 : 1 予め凍らせた綿棒を用意する ( コップに入れた氷水と綿棒でも可 ) 2 冷やしてある綿棒で前口蓋弓を数回軽く刺激する 3 軟口蓋が挙上し嚥下反射が誘発されそうになったら サッと綿棒を引き抜き口を閉じさせて空嚥下させる 4 繰り返し 20~50 回程度を 1 セットとして午前と午後に 1 セットずつ行う 39

41 手術前日眠前Ⅸ. クリニカルパスこのクリニカルパスは入院患者さんの肺炎等の合併症を予防して治療成績をよりよいものにしようとするものである 縦軸にケアカテゴリー 横軸に入院から退院までを示す いいパスを分析してできるだけ多くの患者に対応し サービスが改善できるように よりすぐれたパスへの改善を絶えず重ねることが必要となる 1. 口腔ケア クリニカルパス ( 術前からのケアの一例 ) 手術翌日 ~1 週間 入院 Step 3 歯科衛生士による口腔ケア 器質的評価 歯科医師による術前評価 機能的評価 帰室 時間手術帰室起床後Step 1 本人によるケア洗口剤での含嗽 Step 2 看護師による口腔清拭 食事開始前 当日起朝床夜後手術前日後 食機能的評価 Step 1 本人によるケア洗口剤での含嗽昼経口摂取開始 歯科医師による機能評価 食事開始後 Step 1 本人によるケア洗口剤での含嗽 ( 食前のケア ) 昼食Step 3 本人と歯科衛生士による機能訓練 Step 2 本人よる機能訓練 < 解説 > クリニカルパス: ボストンニューイングランドメディカルセンターの看護師カレン ザンダー氏が 1985 年に Critical pathway と呼んで使用したものが 現在 クリニカルパス と呼ばれるものの原型とされています クリニカルパス とは医療スタッフが協力しながら患者さんの治療に当たる ( チーム医療 ) によってなされます スタッフがそれぞれの専門性をいかすことで効率性が上がり よりよい医療を実現することができます その際 スタッフ間での行き違いやミスを防ぐため 治療の行程を時間軸に沿ってまとめたクリニカルパスが使用されています アウトカム: 治療の過程において望ましい結果や目標のことです 患者さんの良好な治療経過としてあらかじめ設定しておくことにより 達成できなかったときに問題点を探し出すことができ アウトカム の設定は 問題点への能動的なアプローチ方法です バリアンス: 目標 ( アウトカム ) 通り行かない状態のことです その要因は 患者 家族要因 スタッフ要因 システム要因 ( 日曜は退院できない等 ) 地域要因( 転院先の都合での退院延期等 ) の 4 種類に分けられ 分析の際に利用しています 40

42 2. 口腔ケアを含めたクリニカルパス ( 例 ) 41

43 42

44 手術前日眠前保健福ーⅧ. 院内クリニカルパスから地域連携クリニカルパスへ病院が本来求められている急性期医療などに集中するためにも 地域の診療所と連携し 患者が安心して 地域の中で治療を受ける体制を築く必要がある 地域連携クリニカルパスとは疾患別にいつ どのような治療 看護行為が行われるか記載した 治療のスケジュール表 であるクリニカルパスを発展させ 複数の医療機関 ( 急性期から回復期など ) で行われる医療の全過程を示したもの 目的 :(1) 地域医療連携における医療の質の向上と安全の確保 (2) 地域医療連携におけるチーム医療の推進 (3) 患者さま 家族の満足度の向上 院内クリニカルパスから地域連携クリニカルパスに口腔ケアを導入することによって 在院日数の短縮や機能回復さらには社会復帰や介護予防などに有効であることが必要です 地域連携クリニカルパスの作成 運用には以下のような手順を踏みます 1 地域ネットワーク作り ( 各病院で地域の病院 診療所等の機関 ) 2 ネットワークの医療機関 施設等における診療方針 診療手技の統一 ( 口腔ケアの診断 評価法の統一 口腔ケアの手技の標準化 均質化 ) 3 達成目標の設定 ( 入院の原疾患毎の退院基準 在院日数と口腔ケアを関連させる ) 4 連携施設間で共有すべき事項が記載されたオーバービューパスの作成 ( 院内クリニカルパスはオーバービュウパスに基づいて作成 ) 5 患者用連携クリニカルパスの作成 ( 理解を深めるために説明事項も記載 ) 6 バリアンス収集システムの構築などがなされている必要性がある 7 連携施設のスタッフが参加して行う地域連携クリニカルパス改良のための定期的な会合地域連携クリニカルパスは地域全体の施設や在宅での医療の標準化です 病院内外で行う口腔ケアを含めた医療の標準化も図らねばなりません 口腔ケアの地域医療連携 入院 帰室2時間手術帰室直後起床後手術翌日 ~1 週間 診療所 後手術前日当日起食事開始前 床後 経口摂取開始 Step3,2 口腔ケア看護師 食事開始後 退院 病院 居宅 薬局 訪問看護ステーション居宅介護支援センター地域包括支援センター Step3,2 口腔ケア歯科衛生士 施設 歯科診療所 祉センタStep1 口腔ケア本人 器質的評価歯科衛生士機能評価歯科医 器質的評価歯科衛生士機能評価歯科医 口腔ケアクリニカルパス 口腔ケア地域連携パス 43

45 1. 患者用 : 口腔ケア連携パス ( 例 : 脳卒中 ) 患者氏名 紹介医 歯科医 病院 手術前入院中退院後 患者目標 手術前の口のケアが出来る 合併症がない 誤嚥 窒息のトラブルがない 食事が食べられる 食事が口から食べられる 検査口臭 嚥下造影フードテスト 食事 自由に可能 摂取制限 嚥下食 調理形態に注意 主治医 歯科医が対応 在宅歯科医と相談 歯磨き 通常通り 衛生士 看護師のケア 定期的に衛生士によるケア ケアの仕方を指導します 指導内容を実施 食べるリハ 食べ方の訓練をします 食べるリハビリを在宅歯科医 と相談 口の健康 在宅歯科医に相談 2. 連携医用 : 口腔ケア連携パス ( 例 : 脳卒中 ) 患者氏名 紹介医 歯科医 病院 手術前入院中退院後 患者目標 手術前の口のケアが出来る 合併症がない 誤嚥 窒息のトラブルがない 食事が食べられる 食事が口から食べられる 検査口臭 嚥下造影フードテスト 食事 自由に可能 摂取制限 嚥下食 調理形態に注意 主治医 歯科医が対応 食物物性の指導願います 歯磨き 通常通り 衛生士 看護師のケア 定期的な衛生士によるケア ケアの仕方を指導します の実施願います 食べるリハ 食べ方の訓練をします 食べるリハビリの訓練を お願いします 口の健康 定期的な往診をお願いします 44

46 < 昭和大学口腔ケアセンター城南地域連携協議会 > 昭和大学病院歯科室 昭和大学病院附属東病院 昭和大学歯科病院 昭和大学口腔ケアセンター 東京都城南地区 荏原歯科医師会 品川歯科医師会 大森歯科医師会 蒲田歯科医師会 目黒歯科医師会 世田谷歯科医師会 玉川歯科医師会 川崎市歯科医師会会員などの診療施設 < 昭和大学口腔ケアセンター横浜 川崎地域連携協議会 > 藤が丘病院歯科室 藤が丘リハ病院 横浜市北部病院歯科 歯科病院 昭和大学口腔ケアセンター 横浜市都筑区歯科医師会青葉区歯科医師会港北区歯科医師会緑区歯科医師会横浜市歯科医師会川崎市歯科医師会 45

47 昭和大学口腔ケアセンターの役割 チーム医療の実践 口腔ケアセンター 教育への貢献 地域医療への貢献 私たちは チーム医療です 昭和大学は 4 学部 8 附属病院 昭和大学口腔ケアセンター基本マニュアルーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー平成 23 年 10 月版昭和大学口腔ケアセンター事務局東京都大田区北千束 211 昭和大学歯科病院管理課 46

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接歯や粘膜上皮に付着できない菌も組織定着が可能です ( 図 2) 口腔ケアが低下し異菌種間の凝集を仲介する細菌種の Fusobacterium や Actinomyces などが増えると プラーク量は一気に増加します ( 図 2) 徐々にプラーク内の嫌気度が増し 歯周病原菌 Porphyromona 2012 年 7 月 25 放送 口腔内細菌の全身疾患への関わり 日本大学歯学部細菌学教授落合邦康歯周病と全身疾患う蝕と歯周病は口腔の二大疾患ですが 近年 歯周病がさまざまな全身性疾患の誘因となる可能性を示す基礎研究や臨床研究が数多く報告されています 歯周病は国民の約 80% 以上が感染し 推定患者数 6000 万人ともいわれ 歯を喪失する最も大きな原因です 歯周病と全身疾患との関連性を科学的根拠に基づいて双方向的に解析する学問領域は

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