2..1 緒言 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 2 of 要であることが示唆されている 5,) 同様に 虚血性網膜症及び糖尿病網膜症の動物モデルにおいて VEGF を薬理学的に中和すると 血管新生及び血管漏出の発現抑制あるいは回復が認められる 7,8) VEGF は病的な眼血管新生

Size: px
Start display at page:

Download "2..1 緒言 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 2 of 要であることが示唆されている 5,) 同様に 虚血性網膜症及び糖尿病網膜症の動物モデルにおいて VEGF を薬理学的に中和すると 血管新生及び血管漏出の発現抑制あるいは回復が認められる 7,8) VEGF は病的な眼血管新生"

Transcription

1 2..1 緒言 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 2..1 緒言 血管内皮増殖因子 血管内皮増殖因子 (VEGF) は 血管内皮細胞にとって不可欠の増殖因子であり 1) 内皮細胞の分裂促進因子として機能するのみならず 既存の血管からの新たな血管形成 ( 血管新生 ) や血管系の初期形成 ( 脈管形成 ) のプロセスである内皮細胞の遊走 生存や管腔形成を促進する また VEGF は血管透過性を亢進させる さらに VEGF は正常な血管形成や生理的な血管新生において重要な役割を果たすほか 様々な疾患においても 病的な血管新生や血管透過性の亢進に深く関わっていることが知られている VEGF ( VEGF-A として記される場合もある ) には 一連の関連たん白質の存在が知られている ヒトや哺乳類の VEGF ファミリーには 胎盤増殖因子 (PlGF) VEGF-B VEGF-C や VEGF-D がある これらの VEGF ファミリーはいずれも二量体を形成し 3 種の受容体型チロシンキナーゼ [VEGFR-1(flt-1) VEGFR-2(flk-1) 及び VEGFR-3] のいずれか又は複数に結合する 1,2) これら受容体へのリガンドの結合は 受容体の二量体化 自己リン酸化及び細胞内シグナル伝達を誘導し 細胞機能を調節する VEGFR-2 は主として血管内皮細胞に発現しているが VEGFR-1 は血管内皮細胞のほかに 好中球 単球 マクロファージや周細胞などにも発現している VEGFR-1 は VEGFR-2 よりも VEGF に対する高い結合親和性を有しているものの VEGF による二量体化で生じる内皮細胞の VEGFR-1 活性化は弱い したがって すべての VEGF(VEGF-A) アイソフォームの作用は 主に VEGFR-2 の活性化を介して生じると考えられる VEGFR-1 は関連分子である PlGF や VEGF-B にも結合する VEGF と異なり PlGF や VEGF-B は正常の血管形成や成熟動物の生理的な血管新生に必須ではない しかしながら VEGF と同様に PlGF 及び VEGF-B は病的な血管のリモデリングに関与している 1) その他の VEGF ファミリーである VEGF-C や VEGF-D は VEGFR-3 に高親和性で結合する VEGFR-3 はリンパ管内皮細胞に主として認められ VEGF-C や VEGF-D は主にリンパ管新生の調節に関与していると考えられる 2) VEGF は単一遺伝子によってコードされているが 選択的スプライシングやたん白質分解切断により生じるいくつかの異なるアイソフォームが存在する 1) それぞれの VEGF アイソフォームはいずれも二量体として機能するものの その大きさ並びにヘパリンやニューロピリンと呼ばれるアクセサリーたん白質 ( 非シグナル性の結合たん白質 ) への結合能には違いがある 例えば ヒトで最も主要なアイソフォームである VEGF 15 は ヘパリンやニューロピリンに結合する VEGF 121 も多くの組織や病的な状態で高レベルに発現するが ヘパリンやニューロピリンに結合するドメインを欠いている 1,2) いずれの VEGF アイソフォームも主として VEGFR-2 への結合とその活性化を介して作用を発現するものの 血管パターンの制御過程において異なる役割を担っている VEGF と同様に PlGF も複数のアイソフォームが選択的スプライシングによって生じ ヘパリンやニューロピリンへの結合能に違いが認められる 臨床データ及び疫学データあるいは非臨床試験結果から VEGF が 滲出型 ( 血管新生 ) 加齢黄斑変性 (AMD) 糖尿病網膜症及び虚血性網膜症などの眼性血管疾患の特徴である血管透過性亢進 浮腫及び血管新生において重要な役割を果たしていることが示された 例えば 動物の眼内への VEGF 投与 あるいはトランスジェニック法により局所的 VEGF 過剰発現を誘導すると 異常な血管漏出及び眼血管新生が生じる 3,4) また 脈絡膜新生血管 (CV) の動物モデルでは VEGF シグナルの阻害により CV の発症が強力に抑制されたことから CV 発症に VEGF 刺激が必

2 2..1 緒言 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 2 of 要であることが示唆されている 5,) 同様に 虚血性網膜症及び糖尿病網膜症の動物モデルにおいて VEGF を薬理学的に中和すると 血管新生及び血管漏出の発現抑制あるいは回復が認められる 7,8) VEGF は病的な眼血管新生や網膜浮腫に至るプロセスに関わる基本的因子であることから VEGF の阻害はこれらの病態を特徴とする疾患に対する有望な治療法の一つとなることが期待される また VEGF に加え 関連の血管新生たん白質である PlGF もまた眼血管新生及び血管漏出に関与していると考えられている 9,10) VEGF Trap-Eye VEGF Trap( アフリベルセプト ) は ヒト VEGFR-1 の第 2 Ig ドメインとヒト VEGFR-2 の第 3 Ig ドメインをヒト IgG1 の Fc ドメインに直列に融合した新規の組換えヒト融合たん白質である ( 図 ) 組換え VEGF Trap たん白質 ( ホモ二量体糖たん白質 ) は チャイニーズハムスター卵巣 (CHO)K1 細胞で発現させ ろ過及びクロマトグラフィー法で精製する 図 VEGF Trap の構造 VEGFR-1 及び VEGFR-2 は互いに近縁の受容体であり それぞれ細胞外に 7 個の Ig ドメインと細胞内に 1 個のチロシンキナーゼドメインを有する VEGF Trap には 融合した VEGFR-1 の第 2 Ig ドメイン及び VEGFR-2 の第 3 Ig ドメイン 並びにそれらと融合した IgG1 の Fc 領域が含まれている VEGFR-1 と VEGFR-2 それぞれのリガンド結合に重要なドメインを取込むことによって VEGF Trap はすべての VEGF アイソフォームに結合するようにデザインされた ) 実際に VEGF Trap

3 2..1 緒言 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 3 of は VEGF に結合し その活性を阻害することが様々な試験において確認されている また VEGF Trap は VEGF のヘパリン結合アイソフォーム及びヘパリン非結合アイソフォームいずれにも同等に結合した [ 解離定数 (K D) は VEGF 15:0.5pM VEGF 121:0.3pM] VEGF に対する高い結合親和性により VEGF Trap は VEGF と複合体を形成し VEGF とその細胞表面受容体との相互作用を阻害する VEGF Trap は VEGFR-1 のリガンドである PlGF-2 及び VEGF-B にも高い結合親和性 (K D: それぞれ 39pM 及び 1.92pM) を有している VEGF Trap の VEGF 及び PlGF に対する結合は in vivo においてそれらリガンドとその内因性 VEGF 受容体との相互作用を阻害し 異常な血管新生及び血管漏出を抑制すると考えられる VEGF Trap-Eye は 硝子体内投与用として高純度に精製された VEGF Trap の等浸透圧性製剤であり 滲出型 AMD 糖尿病黄斑浮腫及び網膜血管閉塞性疾患を有する患者を対象に臨床試験が実施されている これらの疾患は先進国における中途失明の主な原因となっている 臨床試験では VEGF Trap-Eye (VEGF Trap として )0.5mg 又は 2.0mg を月 1 回又はそれ以下の頻度で罹患眼に硝子体内投与した 本概要に記載の非臨床試験プログラムは これら疾患の適応に VEGF Trap- Eye を使用する根拠及び安全性を裏付けるために計画された VEGF Trap は ヒトの VEGF 及び PlGF と同程度の親和性でマウス ラット ウサギ及びサルの VEGF 及び PlGF に結合することから これらの動物種において非臨床の薬理試験 薬物動態試験及び毒性試験を実施した 本概要中で示した VEGF Trap の非臨床試験のほか 公表されている非臨床試験 4,12,13) において 滲出型 AMD 糖尿病網膜症及び虚血性網膜症の動物モデルにおける異常な血管透過性及び血管新生に対する VEGF Trap の抑制効果が検討された いずれのモデルにおいても VEGF Trap は全身又は硝子体内投与で異常な血管透過性及び血管新生を効果的に抑制した 非臨床安全性試験の評価を裏付け VEGF Trap-Eye の臨床使用を支持する知見を得るために 硝子体内投与による薬物動態試験を実施し VEGF Trap の in vivo における分布及び消失について全身曝露も含めて評価した VEGF Trap の毒性プロファイルは マウス ラット ウサギ及びサルを含む複数の動物種を用いた単回及び反復投与毒性試験によって評価した また VEGF Trap の安全性プロファイルを硝子体内 皮下及び静脈内を含む複数の投与経路により評価した さらに 硝子体内投与による VEGF Trap-Eye の眼に対する慢性毒性をサルを用いて評価した サルの網膜は構造的及び機能的にヒトの網膜と類似しているため サルをこれらの試験に用いる動物種として選択した また サルの硝子体は比較的容量が大きいため ヒト臨床用量よりも高い投与量で VEGF Trap-Eye を反復硝子体内投与したときの影響が評価可能である 本概要に示す一連の非臨床試験により 硝子体内投与した VEGF Trap は 網膜及び脈絡膜に効果的に曝露するとともに 全身曝露を最小限にし かつ安全性プロファイルが良好であることが確認された VEGF Trap-Eye の申請効能 効果は 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性 であり 申請用法 用量は アフリベルセプト ( 遺伝子組換え ) として 2mg(0.05mL) を 1 ヵ月ごとに 1 回 連続 3 回 ( 導入期 ) 硝子体内投与する その後の維持期においては 通常 2 ヵ月ごとに 1 回 硝子体内投与する なお 症状により投与間隔を適宜調節する である

4 2..1 緒言 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 4 of 略語一覧 略語 英語名称 日本語名称 ADA Anti-drug antibody 抗薬物 (VEGF Trap) 抗体 ADCC Antibody dependent cell-mediated 抗体依存性細胞傷害 ( 作用 ) cytotoxicity AMD Age-related macular degeneration 加齢黄斑変性 ALP Alkaline phosphatase アルカリホスファターゼ AST Aspartate aminotransferase アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ ALT Alanine aminotransferase アラニンアミノトランスフェラーゼ AUC Area under the concentration-time 濃度 - 時間曲線下面積 curve AUC 0- Area under the concentration-time curve (from time 0 to infinity) 濃度 - 時間曲線下面積 (0 から無限大時間 ) AUC (0-x) Area under the concentration-time 濃度 - 時間曲線下面積 (0 からx 時間 ) curve over x h bfgf Basic fibroblast growth factor 塩基性線維芽細胞増殖因子 BSA Bovine serum albumin ウシ血清アルブミン CDC Complement dependent cytotoxicity 補体依存性細胞傷害 ( 作用 ) CHO Chinese hamster ovary チャイニーズハムスター卵巣 CL Clearance クリアランス C max Maximum serum or plasma (drug) 最高血清 / 血漿中 ( 薬物 ) 濃度 concentration CV Choroidal neovascularization 脈絡膜新生血管 CTAD Sodium citrate, theophyline, adenosine, dipyridamole クエン酸ナトリウム テオフィリン アデノシン ジピリダモール ECG Electrocardiogram 心電図 EDTA Ethylenediamine tetraacetic acid エチレンジアミン四酢酸 ELISA Enzyme-linked immunosorbent assay 酵素免疫測定法 ERG Electroretinogram 網膜電図 F Bioavailability バイオアベイラビリティ FA Fluorescein angiography フルオレセイン蛍光眼底造影 FSH Follicle stimulating hormone 卵胞刺激ホルモン GD Gestation day 妊娠日 GGT Gamma-glutamyl transferase ガンマーグルタミルトランスフェラーゼ GLP Good laboratory practice 医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準 hrf Human rheumatic factor ヒトリウマチ因子 HRP Horse radish peroxidase 西洋ワサビペルオキシダーゼ HUVEC Human umbilical vein endothelial ヒト臍帯静脈内皮細胞 cells IC 50 Concentration inducing 50% of inhibition 50% 阻害濃度

5 2..1 緒言 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 5 of 略語 英語名称 日本語名称 ICH International conference on 日米 EU 医薬品規制調和国際会議 harmonization of technical requirements for registration of pharmaceuticals for human use Ig Immunoglobulin 免疫グロブリン IM Intramuscular 筋肉内 IOP Intraocular pressure 眼圧 IP Intraperitoneal 腹腔内 IU International unit 国際単位 IVT Intravitreal 硝子体内 IV Intravenous 静脈内 K D (Equilibrium) Dissociation 解離定数 constant LH Luteinizing hormone 黄体形成 ( 化 ) ホルモン LLOQ Lower limit of quantitation 定量下限 LOAEL Lowest observable adverse effect 最小毒性量 level LYO lyophilized 凍結乾燥剤 MRT Mean residence time 平均滞留時間 OAEL o observed adverse effect level 無毒性量 OIR Oxygen-induced retinopathy 酸素誘発虚血性網膜症 PEG Polyethylene glycol ポリエチレングリコール PDGF Platelet-derived growth factor 血小板由来増殖因子 PlGF Placental growth factor 胎盤増殖因子 PS20 Polysorbate 20 ポリソルベート 20 SC Subcutaneous 皮下 SCID Severe combined immunodeficiency 重症複合免疫不全 Sprague Dawley - S.D. Standard deviation 標準偏差 t 1/2 Terminal elimination half-life 終末相における消失半減期 TK Toxicokinetics トキシコキネティクス T max Time to reach maximum (serum/plasma) concentration 最高 ( 血清 / 血漿中 ) 濃度到達時間 VEGF Vascular endothelial growth factor 血管内皮増殖因子 VEGFR Vascular endothelial growth factor 血管内皮増殖因子受容体 receptor V ss Volume of distribution at steady state 定常状態における分布容積

6 2..1 緒言 Bayer Yakuhin, Ltd. Page of 参考文献一覧 1) Takahashi H et al., Clin Sci 2005:109: ) Alitalo K et al., Cancer Cell 2002:1: ) Miller JW et al., Diabetes Metab Rev 1997:13: ) Saishin Y et al., J Cell Physiol 2003:195: ([ 参考 ] 参照 ) 5) Kwak et al., Invest Ophthalmol Vis Sci 2000:41: ) Krzystolik MG et al., Arch Ophthalmol 2002:120: ) Aiello LP et al., Proc atl Acad Sci USA 1995:92: ) Qaum T et al., Invest Ophthalmol Vis Sci 2001:42: ) Carmeliet P et al., at Med 2001:7: ) Rakic JM et al., Invest Ophthalmol Vis Sci 2003:44: ) Holash J et al., Proc atl Acad Sci USA 2002:99: ) Cursiefen C et al., J Clin Invest 2004:3: ([ 参考 ] 参照 ) 13) Cao J et al., Invest Ophthalmol Vis Sci 2010:51: ([ 参考 ] 参照 )

7 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 薬理試験の概要文の目次 まとめ 効力を裏付ける試験 In vitro における作用 VEGF Trap と VEGF ファミリー関連リガンドの結合 HUVEC における VEGF-A 15 依存性受容体リン酸化の阻害作用 VEGF 誘発カルシウム動員の阻害作用 VEGF Trap の補体依存性細胞傷害及び抗体依存性細胞傷害作用 In vivo における作用 マウスにおける脈絡膜新生血管及び VEGF 誘発血液網膜関門破綻に対する VEGF Trap の抑制作用 網膜下マトリゲルモデルラットにおける VEGF Trap による CV の形成抑制 CV の退行 並びに CV に付随する炎症及び線維化の抑制 サルにおける VEGF Trap による実験的 CV の形成抑制並びに既存の活動性病変の血管漏出の速やかな抑制 VEGF Trap 投与による糖尿病ラットにおける網膜血管漏出の改善 VEGF Trap による網膜虚血マウスにおける病的な血管新生の抑制 VEGF Trap による角膜傷害マウスにおける炎症及び血管新生の抑制 副次的薬理試験 正常及び担癌マウスにおける遊離型 VEGF Trap 及び VEGF Trap 複合体の濃度 並びに抗腫瘍効果との相関性 安全性薬理試験 中枢神経系 心血管機能 げっ歯類における血圧に及ぼす VEGF Trap の影響 : 遊離型 VEGF Trap の血中濃度との相関性 カニクイザルにおける心血管機能に及ぼす VEGF Trap の影響 血栓形成 呼吸機能... 2

8 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 2 of 創傷治癒 薬力学的薬物相互作用 考察及び結論 図表 参考文献一覧... 54

9 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 3 of 薬理試験の概要文 まとめ 血管内皮増殖因子 (VEGF) は 眼血管新生など血管新生を特徴とする様々な疾患を初めとして 生理的及び病的な新生血管の形成に重要な役割を果たしている 1) また 病的新生血管において VEGF は血管透過性の亢進や浮腫を誘発することも知られている 2) VEGF Trap( アフリベルセプト ) は 血管内皮増殖因子受容体 -1(VEGFR-1) の第 2 Ig ドメインと血管内皮増殖因子受容体 -2(VEGFR-2) の第 3 Ig ドメインを ヒト免疫グロブリン G1 (IgG1) の定常領域 (Fc) に融合させた組換えたん白質である VEGF Trap は分子量 97 キロダルトン (kda) のたん白質に % 程度の糖鎖が付加された 総分子量 5kDa の二量体糖たん白質である チャイニーズハムスター卵巣 (CHO)K1 細胞で発現させた組換え VEGF Trap を ろ過及びクロマトグラフィーで精製し 硝子体内投与 (IVT) 用に製剤化した VEGF Trap-Eye を製造する VEGF Trap はヒト VEGF に対し高い親和性を有しており VEGF-A 15 及び VEGF-A 121 各アイソフォームに対する解離定数 (K D) はそれぞれ 0.5pM 及び 0.3pM である VEGF Trap は VEGF に結合して複合体を形成することにより VEGF とその細胞表面受容体との相互作用を阻害する ヒト胎盤増殖因子 -2(PlGF-2) 及び VEGF-B も VEGFR-1 のリガンドであるが VEGF Trap は PlGF- 2(K D:39pM) 及び VEGF-B(VEGF-B (10-108) の K D:1.92pM) に対しても高親和性で結合する ( 表 VGFT-MX VGFT-MX-01 参照 ) VEGF Trap は VEGF による血管透過性亢進及び血管新生を阻害することが非臨床薬理試験において示されている In vitro において VEGF Trap はヒト ウサギ ラット及びマウスの VEGF-A に高親和性で結合し ヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC) の VEGF 誘発による受容体リン酸化及びカルシウム動員を阻害する In vivo においては 既報の成績 3,4,5) や後述のとおり VEGF Trap の全身又は硝子体内 (IVT) 投与で 異常な血管漏出及び病的な血管新生が効果的に抑制され 脈絡膜新生血管 (CV) 糖尿病網膜症 虚血性網膜症及び角膜傷害などの眼性血管疾患の動物モデルに付随する炎症性反応が回復した 特に サルのレーザー誘発 CV モデルにおいて既に形成されている脈絡膜病変部位の血管漏出が VEGF Trap 単回硝子体内投与により 速やかに回復した また マトリゲル網膜下投与により誘発した CV ラットモデルにおいて VEGF Trap は新生血管の退行を促進することが示された VEGF Trap は全身投与でも 病的血管新生や血管漏出を伴う他の in vitro 及び in vivo モデル 例えば 乾癬 ) 角膜移植拒絶 7) 及び腫瘍増殖 8) などのモデルにおいて 薬理効果を発揮することが確認されている 腫瘍の同種又は異種移植マウスモデルを用いた用量反応性試験において 腫瘍増殖を著明に抑制するのに必要な VEGF Trap の皮下投与量は 2.5mg/kg( 週 2 回 ) 以上であった 8) 効果が認められた投与量における血中 遊離型 ( 非結合型 )VEGF Trap 濃度は 投与期間中 VEGF Trap 複合体の最大濃度 (1~2μg/mL) を超えるレベルで維持されていた VEGF は 血管の様々な病態に関わるほかに 血圧調節にも関与することが知られており VEGF 阻害作用を有する薬剤を その薬理効果を示す用量で全身投与すると VEGF 阻害剤のクラスエフェクトとして血圧上昇がみられることが知られている 9,10) VEGF Trap も同様に げっ歯類への単回皮下投与で 収縮期血圧と拡張期血圧に用量に相関した上昇が認められた ラットでは 0.5mg/kg 以上で血圧の用量比例的な上昇がみられ 10mg/kg 以上で最大上昇値 15~20mmHg に達した 血圧上昇の持続期間は作用用量範囲 (0.5~25mg/kg) で用量に応じて延長し また遊

10 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 4 of 54 離型 VEGF Trap の血漿中濃度と相関していた 血中の遊離型 VEGF Trap 濃度がおよそ 1μg/mL を下回ると血圧はベースラインレベルに回復した サルにおける VEGF Trap の反復皮下投与又は静脈内投与時の安全性薬理エンドポイントを評価した結果 中枢神経系又は心電図 (ECG) パラメータに影響は認められなかった ウサギを用いた電気的傷害誘発血栓症モデルにおいて VEGF Trap は 30mg/kg までの反復静脈内投与で静脈及び動脈血栓形成に影響を及ぼさなかった ラットにおける VEGF Trap 250mg/kg までの単回静脈内持続投与により 呼吸機能パラメータに影響は認められなかった しかしながら ウサギの切開創及び切除創モデルにおいて VEGF Trap は反復静脈内投与により 検討したすべての用量 (0.3~30mg/kg) で創傷治癒を抑制した いずれの動物モデルでも 創傷治癒パラメータに対する VEGF Trap の影響はおおむね用量依存的で 0.3mg/kg 投与群では投与初期の観察時点で軽微な抑制がみられた 一方 3 及び 30mg/kg 投与群では創傷治癒の抑制はより顕著で 試験期間中持続した このように 高用量投与群で創傷治癒のより強くかつ持続的な抑制がみられたが これは遊離型 VEGF Trap の平均血漿中濃度と相関しており 投与後すべての評価時点で遊離型 VEGF Trap 濃度が VEGF Trap 複合体濃度よりも高かった これに対して 0.3mg/kg 投与群では遊離型 VEGF Trap の平均血漿中濃度は一時的に VEGF Trap 複合体濃度を上回ったのみであった 上記のように VEGF Trap が血圧 創傷治癒及び腫瘍増殖に及ぼす影響は 眼内の病的な血管新生及び血管漏出を阻害するのに必要な VEGF Trap 硝子体内投与量を大きく上回る投与量を全身投与したときに認められる そのような影響が生じ得る投与量 ( 全身投与 ) における血中遊離型 VEGF Trap 濃度は 臨床試験で硝子体内投与後に予想される濃度 あるいはサルの VEGF Trap 硝子体内投与 ( 体重補正 ) 後の濃度 ( 表 ) をはるかに上回る濃度 (1~2μg/mL 以上 ) に達している したがって VEGF Trap 硝子体内投与は 眼外組織において VEGF が介在する生物学的作用のプロセスには意味のある影響を及ぼさないと考えられる

11 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 5 of 効力を裏付ける試験 VEGF-A( 単に VEGF として記される場合もある ) は VEGF/PDGF( 血小板由来増殖因子 ) 遺伝子ファミリーの一つであり 正常な血管形成や様々な病態において 血管透過性亢進及び血管新生を誘導する その他の VEGF ファミリーには VEGF-B VEGF-C VEGF-D VEGF-E 及び PlGF などがある VEGF-A は主に 2 つの膜貫通型の受容体型チロシンキナーゼ VEGFR-1 及び VEGFR-2 に結合し 活性化することで作用を発揮する 3 つめの関連する受容体 VEGFR-3 は主にリンパ管形成の調節に関与しているが この受容体には主に VEGF-C 及び VEGF-D が結合し VEGF-A の結合は弱い ) VEGF-A は主として VEGFR-2 を介したシグナル伝達により 血管内皮に作用を及ぼすと考えられている 1) VEGFR-2 がリガンドを介して二量体を形成することにより受容体が自己リン酸化され ホスファチジルイノシトール 3' キナーゼ /Akt などの経路を介してシグナルが下流に伝達される VEGFR-2 は主に血管内皮細胞の細胞表面に存在しており 細胞の生存 遊走や増殖に重要な役割を果たしている VEGF-A は当初 内皮のバリア機能を低下させ 様々な病態において水や高分子を血管外へ滲出させる血管透過性因子として発見された 2) VEGFR-1 は VEGF-A やその類縁分子である PlGF 及び VEGF-B にも結合する VEGFR-1 の VEGF-A に対する親和性は VEGFR-2 よりも高いが 同様の条件下で比較すると VEGF-A を介した VEGFR-1 の自己リン酸化は VEGFR-2 よりも弱い VEGFR-1 活性化が血管内皮で弱いことは VEGFR-1 の直接的な血管透過性亢進作用及び血管新生作用が弱いことと一致する 12) しかし VEGFR-2 とは異なり VEGFR-1 は内皮前駆細胞のほか ある種の周細胞 平滑筋細胞や白血球など内皮細胞以外の様々な細胞にも発現している 特に VEGF 及び PlGF は 様々な病態で白血球 特に単球の強力な化学走化性因子及び活性化因子として機能する したがって 内皮細胞への直接作用による血管新生と血管透過性亢進に加え VEGF と PlGF は血管の構造及び機能の調節に関与する様々な細胞に対して VEGFR-1 を介して作用を及ぼすことが可能である 12) PlGF は VEGF と異なり 正常な血管形成には重要な役割を担っていないと考えられているが 様々な病態において病的な血管新生や血管漏出を惹起することが知られている 13,14) また VEGF と同様 PlGF はヒトの CV 膜中に存在し 動物での実験的 CV 形成に寄与していることが確認されている 15) さらに VEGF-B も動物モデルにおいて 網膜及び脈絡膜での血管新生や血液網膜関門の破綻に関与することが報告されている 1) VEGF Trap は ヒト VEGFR-1 の第 2 Ig ドメインとヒト VEGFR-2 の第 3 Ig ドメインを ヒト IgG1 の定常領域に融合した組換えたん白質である VEGF Trap は VEGF-A に強く結合することで VEGF-A とその受容体との相互作用を阻害し VEGF-A の生物学的作用を抑制する また VEGF Trap は他の VEGFR-1 リガンドである PlGF にも結合する VEGF Trap のリガンド結合特性を明らかにし VEGF 受容体を発現しているヒト血管内皮細胞を用いて VEGFR-2 の VEGF 依存性リン酸化に及ぼす VEGF Trap の影響を検討した また 眼性血管疾患の様々な動物モデルを用いて 病的な血管漏出及び血管新生に対する VEGF Trap の効果を検討した

12 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page of In vitro における作用 VEGF Trap と VEGF ファミリー関連リガンドの結合 参照項目 : VGFT-MX VGFT-MX VGFT-MX-01 [ 参考 ] Papadopoulos manuscript Oct VEGF Trap はヒト VEGF-A 15 及びヒト PlGF-2 と高親和性で結合する組換え融合たん白質である ヒト由来の VEGFR-1 に結合し得るヒト VEGF/PlGF リガンドファミリーの他のアイソフォーム ( 例えばヒト VEGF-A 121 ヒト PlGF-1 など ) も VEGF Trap に結合することが確認されている さらに VEGF Trap はマウス ラット ウサギなどのヒト以外の動物種の VEGF 及び PlGF に対しても同等の親和性で結合することから これらの動物種を用いて非臨床薬理試験及び毒性試験を実施することが可能である なお カニクイザル VEGF-A に対する VEGF Trap の結合親和性については検討していないが サルの VEGF-A のアミノ酸配列はヒトと同一であることから ヒト及びサルの VEGF-A と VEGF Trap の結合作用に差はほとんどないと考えられる VEGF Trap と VEGF ファミリーの 12 のリガンドとの結合について検討するため 表面プラスモン共鳴法 (BiaCore 法 ) を用いて解離定数 (K D) を求めた リガンドには ヒト VEGF-A 15 ヒト VEGF-A 121 ヒト PlGF-1 ヒト PlGF-2 ヒト VEGF-B (10-108) ヒト VEGF-C ヒト VEGF-D マウス VEGF-A 14 マウス VEGF-A 120 マウス PlGF-2 ラット VEGF-A 14 及びウサギ VEGF-A 15 を用いた BiaCore 法による測定は デキストラン被覆チップ (CM-5) を使用した BiaCore 3000 又は 2000 装置を用いて実施した アミンカップリング法を用いて Protein A を CM-5 チップにカップリングさせた VEGF Trap の結合親和性を BiaCore 法を用いて測定するため まずアミンカップリングさせた Protein A の表面に VEGF Trap(0.25μg/mL) を注入した (100μL/ 分 ) 後 さらに VEGF Trap の表面に様々な濃度の VEGF ファミリーのリガンドを注入した (50 又は 100μL/ 分 ) 得られたデータは Scrubber 2 software を用いて処理し Biaevaluation 4.1 software により解析した VEGF Trap は 検討した 12 リガンド中 10 のリガンドに対し特異的に結合した 一方 ヒト VEGF-C 及びヒト VEGF-D に対しては測定可能なレベルの結合を示さなかった また VEGF Trap はヒト マウス ラット ウサギ由来の VEGF-A に対して 高親和性 (K D 値は 1pM 未満 ) で結合した また ヒト及びマウス PlGF に対しても VEGF Trap は高親和性を示した リガンドと VEGF Trap の結合に対する K D 値を表 に示す ( 参照 )

13 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 7 of 54 表 VEGF Trap と VEGF ファミリー関連リガンドの結合 (BiaCore 法 ) に関するパラメータ Ligand ka (M -1 s -1 ) kd (s -1 ) K D (pm) Human VEGF-A x x Human VEGF-A x x Human PlGF x10.81x Human PlGF-1.73 x10 2.4x Murine VEGF-A x x Murine VEGF-A x x Murine PlGF-2 1.4x x Rat VEGF-A x x Rabbit VEGF -A x x Human VEGF-B (10-108) 3.52 x x Human VEGF-C B 1. B B Human VEGF-D B B B Abbreviations used: ka = Association rate constant, kd = Dissociation rate constant, K D = Equilibrium dissociation constant. 1. B= no detectable binding HUVEC における VEGF-A 15 依存性受容体リン酸化の阻害作用 参照項目 : VGFT-MX-0801 ヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC) は VEGF 受容体を発現していることから 外因性 VEGF の添加により in vitro にて培養し増殖を誘導することができる HUVEC を用いて VEGF Trap の VEGF-A 15 依存性 VEGFR-2 リン酸化阻害能を評価した ヒト VEGF-A 15(1nM) を様々な濃度の VEGF Trap( nM) とインキュベートした後 HUVEC に添加して VEGFR-2 のチロシンリン酸化を誘導した HUVEC に添加してインキュベートした後 HUVEC を溶解し 抗 VEGFR-2 抗体を用いて免疫沈降した 得られた抗体 -VEGFR-2 複合体を用いて S ゲル電気泳動を実施した 電気泳動後 たん白を PVDF 膜に転写し マウスの抗リン酸化チロシンモノクローナル抗体を添加した 次に HRP 標識したヤギの抗マウス抗体とインキュベートした後 リン酸化 VEGFR 2 を ECL(enhanced chemiluminescence) 検出システムにより可視化した VEGF Trap の濃度が VEGF-A 15 濃度に対し化学量論比以下 ( モル比 1:1 以下 ) では 遊離型 ( 非結合型 )VEGF-A 15 により受容体リン酸化が誘導されるが モル比が 1:1 以上では 受容体リン酸化の阻害が認められた ( 参照 )

14 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 8 of VEGF 誘発カルシウム動員の阻害作用 参照項目 : VGFT-MX-0801 HUVEC を用いて ヒト VEGF-A 15 と VEGFR-2 の結合及びその後のカルシウム動員の活性化に対する VEGF Trap の抑制能について検討した 独立した 3 試験において 50pM の VEGF-A 15 により誘導されるカルシウム動員に対する VEGF Trap の抑制能について検討した Fluo-4( カルシウムインジケーター ) で標識した HUVEC に VEGF Trap(54.9pM-40nM) を添加し さらに VEGF 15(50pM) を添加しカルシウム動員を刺激した 細胞における蛍光強度変化は FlexStation(Molecular Devices 社 ) を用いて発光波長 525nm で記録し データは各種濃度の VEGF Trap の平均ピーク蛍光強度を用いて解析した VEGF Trap はカルシウム動員を効果的に抑制し 細胞内カルシウム動員を 50% 抑制する濃度 (IC 50) は 1.2~1.7nM であった ( 参照 ) VEGF Trap の補体依存性細胞傷害及び抗体依存性細胞傷害作用 参照項目 : VGFT-MX VEGF Trap の作用における Fc 介在性エフェクター機能の役割を検討するために 数種の細胞アッセイを用い 補体依存性細胞傷害 (CDC) 作用及び抗体依存性細胞傷害 (ADCC) 作用を検討した ADCC: 初代培養 HUVEC 及び腫瘍細胞株 ( 肺癌 Calu 大腸癌 DLD 1 線維肉腫 HT1080 類表皮癌 A431 細胞株 ) と様々な濃度の VEGF Trap( 最終濃度 0.85pM~50nM)[± ヒト VEGF-A 15 (10nM)] をインキュベートした さらに エフェクター細胞としてヒト末梢血リンパ球を添加し インキュベートした 細胞溶解性は 培養液中に放出された LDH (lactate dehydrogenase) を測定することにより評価した CDC: 様々な濃度に VEGF Trap を希釈し ( 最終濃度 0.85pM~50nM) ADCC アッセイと同様の標的細胞に添加した [± ヒト VEGF-A 15(10nM)] さらに 補体を含むヒト正常血清を添加し インキュベートした 細胞の生存を alamarblue 蛍光色素により検出した VEGF Trap(0.85pM~50nM)[±VEGF-A 15(10nM)] は 初代培養 HUVEC 及び腫瘍細胞株 ( 線維肉腫 HT1080 肺癌 Calu- 大腸癌 DLD-1 類表皮癌 A431 細胞株 ) のいずれにおいても ADCC 作用を示さなかった 同様に VEGF Trap(0.85pM~50nM)[±VEGF-A 15(10nM)] は 初代培養 HUVEC 及び腫瘍細胞株 ( 線維肉腫 HT1080 肺癌 Calu- 大腸癌 DLD-1 類表皮癌 A431 細胞株 ) のいずれにおいても 本アッセイの陽性対照であるリツキシマブ ( 抗 CD20 IgG1 抗体 ) が CD20 抗原を発現するバーキットリンパ腫由来 Daudi 細胞に殺細胞作用を示す条件下で CDC 作用を誘発しなかった ( 参照 ) 以上の結果より VEGF Trap は in vivo において CDC 作用及び ADCC 作用のいずれも発揮しないと考えられることから in vivo における VEGF Trap の作用は VEGF Trap が VEGF 又はその他の VEGFR リガンドに結合し リガンドの受容体への結合を妨げることにより発揮されていると考えられる 細胞アッセイにおける VEGF Trap の作用について 表 にまとめる

15 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 9 of 54 表 In vitro における VEGF Trap の作用 Cellular assay VEGF Trap activity Location in CTD Study number Human VEGF-A 15 (1 nm) dependent VEGFR2 phosphorylation Human VEGF-A 15 (50 pm) induced calcium mobilization Complement-dependent cytotoxicity (VEGF Trap (0.85 pm to 50 nm) ± 10nM human VEGF-A 15) Antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity (VEGF Trap (0.85 pm to 50 nm) ± 10 nm human VEGF-A 15) Abbreviation: IC 50 = Concentration inducing 50% of inhibition. Complete inhibition at an equimolar concentration of VEGF Trap (1 nm) VGFT-MX-0801 Inhibition IC 50 = nm VGFT-MX-0801 o effect VGFT-MX o effect VGFT-MX In vivo における作用 非臨床試験に加えて 臨床試験や疫学的データからも VEGF Trap-Eye が滲出型 ( 新生血管 ) 加齢黄斑変性 (AMD) 及び糖尿病網膜症やその他の虚血性網膜症などの眼性血管疾患の治療薬になり得ることを支持する根拠が示されている このような眼性血管疾患では 2 つの共通する特徴 すなわち 血管漏出に伴って二次的に生じる網膜浮腫と異常血管の増殖がみられる 異常な血管透過性亢進及び血管新生に対する VEGF Trap の抑制効果を様々な眼性血管疾患動物モデルを用いて検討した VEGF Trap は 遺伝子導入による VEGF の過剰発現マウス 又は外因性 VEGF 硝子体内投与マウスにおける網膜の血管漏出を抑制し 糖尿病モデルラットにおいて網膜血管透過性を正常化することが確認された また VEGF Trap はげっ歯類及びサルの脈絡膜新生血管 (CV) モデル マウス酸素誘発虚血性網膜症モデル及び縫合糸誘発角膜血管新生モデルで血管新生を抑制した 特に サルのモデルでは レーザー傷害の 15 日後に VEGF Trap を単回硝子体内 (IVT) 投与した結果 活動性 CV 病変における血管漏出が速やかに回復した これらすべての試験において VEGF Trap の全身あるいは硝子体内投与により 血管透過性及び血管新生が効果的に抑制され 評価部位に付随する炎症も著明に改善した マウスにおける脈絡膜新生血管及び VEGF 誘発血液網膜関門破綻に対する VEGF Trap の抑制作用 参照項目 :[ 参考 ] J Cell Physiol 動物は AMD そのものは発症しないが レーザー照射によりブルッフ膜とその上に重なる網膜色素上皮に局所的な損傷を起こすことによって 滲出型 AMD でみられるような脈絡膜新生血管病変を形成させることができる この損傷は 網膜色素上皮層と網膜下腔へ向かう脈絡毛細血管の異常増殖を刺激する ブルッフ膜の損傷は 滲出型 AMD を含むすべての CV の病態に共通してみられる特徴である

16 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 10 of 54 レーザー傷害誘発 CV マウスモデルにおいて C57BL/ マウス ( 成熟 ) の片眼に VEGF Trap (4.92μg) を もう一方の眼に対照のたん白質としてヒト Fc(hFc 4.92μg) をレーザー傷害後直ちに単回硝子体内投与した 投与後 14 日目にマウスを麻酔し フルオレセイン標識デキストランで灌流した後 両眼を摘出して組織学的な評価を行った CV 病変の大きさは脈絡膜フラットマウントの画像解析により測定した VEGF Trap を硝子体内投与したマウスでは hfc を硝子体内投与したマウスと比較して CV 病変面積が小さかった ( 図 ) 高用量の VEGF Trap(25mg/kg) を皮下投与した試験においても hfc を皮下投与した対照群と比較して レーザー傷害マウスモデルの CV 病変の面積は小さかった ( 図 参照 ) 図 レーザー傷害誘発 CV マウスモデルにおける VEGF Trap 単回硝子体内投与後の CV 病変に対する抑制作用 C57BL/ マウス ( 成熟 ) の片眼に VEGF Trap(4.92μg) を もう一方の眼に hfc(4.92μg) をレーザー照射後直ちに硝子体内投与した 投与 14 日目に フルオレセイン標識デキストランで灌流した後 CV 面積を測定した VEGF Trap を投与した眼 (54 傷害部位 /19 眼 ) では hfc を投与した眼 (44 傷害部位 /19 眼 ) と比較して 画像解析により測定した CV 面積が有意に小さかった (P< Student s two-tailed t-test)

17 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page of 54 図 レーザー傷害誘発 CV マウスモデルにおける VEGF Trap 皮下投与後の CV 病変に対する抑制作用 C57BL/ マウス ( 成熟 ) に レーザー照射により片眼当たり 3 ヵ所にブルッフ膜の損傷を誘発した レーザー照射前 レーザー照射後 及び 日目に マウスに 25mg/kg の VEGF Trap 又は hfc を皮下投与した VEGF Trap を投与したマウス (52 傷害部位 /20 眼 ) では hfc を投与したマウス (57 傷害部位 /20 眼 ) と比較して 画像解析により測定した CV の平均面積が有意に小さかった (P< Student s two-tailed t-test) VEGF 誘発血液網膜関門破綻に対する VEGF Trap の抑制効果を評価するため 2 種類のマウスモデルを用いて追加試験を実施した 最初の試験では マウスに VEGF Trap(25mg/kg) 又は hfc を皮下投与し 翌日 10 - M の組換えヒト VEGF 1μL を硝子体内投与した 投与後 時間に網膜の血管透過性を [ 3 H] マンニトールをトレーサーとして評価した VEGF Trap を投与したマウスでは 対照と比べて網膜対肺の漏出比が有意に減少し 血液網膜関門機能の改善が示された ( 図 参照 ) 続く試験では ドキシサイクリンで誘導可能なロドプシンプロモーターの制御下で 光受容体に導入した VEGF 遺伝子が発現されるよう設計したトランスジェニックマウスを用いた (rhovegf マウス ) VEGF の過剰発現を誘導するため rhovegf マウスの飲水にドキシサイクリンを加え ドキシサイクリン投与の 1 日前及び 2 日後に VEGF Trap 又は対照のたん白質である hfc を同様に皮下投与した 2 回目の VEGF Trap 投与 1 日後に [ 3 H] マンニトールをトレーサーとして網膜血管透過性を測定した 本試験においても 同量の hfc を投与した対照群のマウスと比較して VEGF Trap 投与マウスでは VEGF 誘発血液網膜関門の破綻が抑制されることが示された ( 図 参照 )

18 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 12 of 54 図 マウスにおける VEGF Trap 皮下投与後の VEGF 誘発血液網膜関門破綻に対する抑制作用 C57BL/ マウス ( 成熟 ) に 25mg/kg の VEGF Trap 又は hfc を皮下投与し 翌日 1μg(10 - M) の VEGF を硝子体内投与した 投与後 時間に網膜の血管透過性を [ 3 H] マンニトールをトレーサーとして評価した VEGF Trap を投与したマウス (9 匹 18 眼 ) では hfc を投与したマウス (9 匹 18 眼 ) と比較して網膜対肺の漏出比が有意に減少し 血液網膜関門機能の改善が示された 図 VEGF 過剰発現マウスにおける VEGF Trap 皮下投与後の VEGF 誘発血液網膜関門破綻に対する抑制作用 ドキシサイクリンで網膜での VEGF の発現を誘発したトランスジェニックマウスに 25mg/kg の VEGF Trap 又は hfc をドキシサイクリン投与の 1 日前及び 2 日後に皮下投与し [ 3 H] マンニトールを指標に血管透過性を測定した VEGF Trap を投与したマウス (10 匹 20 眼 ) では hfc を投与したマウス (10 匹 20 眼 ) と比較して網膜対肺の漏出比が有意に減少した

19 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 13 of 網膜下マトリゲルモデルラットにおける VEGF Trap による CV の形成抑制 CV の退行 並びに CV に付随する炎症及び線維化の抑制 参照項目 :[ 参考 ] Invest Ophthalmol Vis Sci Sprague-Dawley 系成熟ラットに 33G 針を用いて 75% のマトリゲル溶液を網膜下に投与し CV を誘発した 本モデルでは マトリゲル投与後 4 日目に新生血管の伸展がみられ 10 日目までにはマトリゲル投与領域に脈絡膜毛細血管から伸長した血管網が広範に形成される VEGF Trap が本モデルの CV 形成を抑制するかどうかを検討するために VEGF Trap(12.5mg/kg) をマトリゲル投与後 2 日目及び 日目に皮下投与した 対照群の動物には ほぼ等モルの hfc( 分子量 58kDa).25mg/kg を対照たん白質として皮下投与した 10 日目に動物を安楽死させ 蛍光色素 (DiI) を投与して血管を視覚化し CV 範囲を定量した 対照群ではすべての眼に高度の CV 形成が認められた (CV の面積 :2.35± μ m 2 平均値 ± 標準偏差 n=12) が VEGF Trap 投与群では CV 形成は全く認められなかった (CV の面積 :0± μm 2 n=12)( 参照 ) また マトリゲル投与後 10 日間 CV を形成させ 一方の群の眼を摘出し治療前の CV のベースラインとした 残りの動物に VEGF Trap(12.5mg/kg) 又は等モル濃度の hfc(.25mg/kg) を 及び 1 日目に皮下投与した マトリゲル投与後 20 日目に眼を摘出し CV を評価した マトリゲル投与後 10 日目ですべての眼に CV が認められ 20 日目では hfc 投与群の CV の形成範囲は拡大した 一方 VEGF Trap 投与群の CV の面積 (37.10± μm 2 n=14) は 10 日目の治療前対照群の面積 (244.50± μm 2 n=1) の 15% にとどまり 14 例中 例の眼には CV が全く認められなかった 以上の結果から VEGF Trap は 10 日目から 20 日目の間に新たに生じる CV を抑制するのみでなく 既に形成された CV 病変も退行させることが示された 同じ処置を施した動物から作製した眼の切片をヘマトキシリン エオジン染色した結果 20 日目の網膜下病変部位の総容積 ( 血管及び血管以外のすべての構成要素 ) は hfc 投与群 (7.5± μm 3 n=8) と比較して VEGF Trap 投与群 (2.0± μm 3 n= 10) で明らかに小さく ヘマトキシリン エオジン染色された細胞含有量も少なかった 一連の切片におけるビメンチン 平滑筋アクチン及び CD45 の免疫染色でも hfc 投与群と比較し VEGF Trap 投与群の病変部位では 筋線維芽細胞及び白血球は少なく また網膜下病変のコラーゲン沈着も著明に減少していることがマッソントリクローム染色により確認された ( 表 ) これらの結果は VEGF Trap がマトリゲルの網膜下沈着による CV 形成を抑制するのみでなく 異所性の新生脈絡膜血管の退行も誘導することを示している さらに VEGF Trap は筋線維芽細胞及び炎症性細胞の網膜下病変部位への浸潤も抑制した ( 参照 )

20 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 14 of 54 表 CV 病変における CD45 ビメンチン αsma 及びトリクローム染色の半定量的解析 Stain Type Day 10 Matrigel* Day 20 Matrigel + hfc* Day 20 Matrigel + VEGF Trap* P value Day 10 vs Day 20 hfc P value Day 20 hfc vs Day 20 VEGF Trap CD ± ± ± 0.49 <0.01 <0.05 Vimentin 3.75 ± ± ± 0.45 <0.05 <0.05 αsma # 3.42 ± ± ± 0.35 >0.05 <0.001 Trichrome 2.50 ± ± ± 0.33 <0.01 <0.05 半定量的解析 : 各染色の範囲及び強度について 独立した 2 名の観察者がスコア ( 代表的な切片において スコア 0 を 染色なし スコア を 最も広範囲で濃い染色 とみなした スケール 0- のスコア ) により盲検下で評価した * Mean ± (n=) Kruskal-Wallis test and Dunn test. # αsma = α smooth muscle actin サルにおける VEGF Trap による実験的 CV の形成抑制並びに既存の活動性病変の血管漏出の速やかな抑制 参照項目 : VGFT-TX 成熟カニクイザルを用いて レーザー誘発 CV に対する VEGF Trap 投与の効果について検討した サルの網膜に細く強力なレーザーを 9 ヵ所照射し 形成される活動性 CV 病変をフルオレセイン蛍光眼底造影 (FA) により 照射前 1 回 並びに照射後 及び 29 日目に評価した 予防効果試験では VEGF Trap をレーザー傷害の 1 週間前から静脈内投与 (3 又は 10mg/kg 週 1 回 ) 又は硝子体内投与 ( 又は 500μg 2 週間に 1 回 ) した 治療効果試験では 活動性 CV が既に形成されているレーザー傷害後 2 週間目に VEGF Trap を単回硝子体内投与 (500μ g) した 対照群のサルにはプラセボをレーザー傷害の 1 週間前から週 1 回静脈内投与又は 2 週間に 1 回硝子体内投与した 各群には それぞれ 匹 ( 雄 3 匹 / 雌 3 匹 ) の動物を割り当てた CV 病変を FA により視覚化し 盲検下で評価者によりグレード 1( 過蛍光なし ) からグレード 4 ( レーザー照射部位の境界を越えて広がる後期漏出と鮮明な過蛍光 ) に分類した プラセボを硝子体内又は静脈内投与した群では レーザー傷害後 15 日目に活動性 CV 病変 ( グレード 4) がレーザー傷害部位のそれぞれ 32.4% 及び 45.4% に認められた ( 表 ) 一方 VEGF Trap を静脈内又は硝子体内投与した群では グレード 4 の病変は全くあるいはほとんど形成されなかった さらに 活動性 CV 病変形成後に VEGF Trap(500μg) を単回硝子体内投与すると 投与後 2 週間でグレード 4 の病変の割合が 44% から 0% に低下した ( 表 及び図 ) VEGF Trap 硝子体内投与の忍容性は良好であり 前眼部及び硝子体に炎症性細胞は全く認めないか 又は認めたとしても微量 (trace~1+) であった ( 参照 )

21 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 15 of 54 表 サルのレーザー傷害後 及び 29 日における各群のグレード 4 の割合 Group Day 15 Day 20 Day 29 Intravenous Prevention Placebo (0 mg/ml, 4.78 ml/kg) mg/kg (0.9 mg/ml, 4.35 ml/kg) mg/kg (2.09 mg/ml, 4.78 ml/kg) Intravitreal Prevention Placebo (0 mg/ml, 0.05 ml/eye) µg/eye (1 mg/ml, 0.05 ml/eye) µg/eye (10 mg/ml, ml/eye) µg/eye (10 mg/ml, 0.05 ml/eye) $ Intravitreal Regression 500 µg/eye (1 x) (10 mg/ml, 0.05 ml/eye) 予防効果試験では VEGF Trap をレーザー傷害の 1 週間前から静脈内投与 (3 又は 10mg/kg 週 l 回 ) 又は 硝子体内投与 ( 又は 500μg/eye 2 週間に 1 回 ) した 治療効果試験では VEGF Trap をレーザー傷害の 2 週間後に単回硝子体内投与 (500μg) した 両試験の対照群の動物には レーザー傷害の 1 週間前からプラセボを週 1 回静脈内投与又は 2 週間に 1 回硝子体内投与した 投与群及び対照群には それぞれ 匹 ( 雄 3 匹 / 雌 3 匹 ) の動物を割り当てた フルオレセイン蛍光眼底造影 (FA) を用いて CV 病変を視覚化し 盲検下で評価者によりグレード 1( 過蛍光なし ) からグレード 4( レーザー照射部位の境界を越えて広がる後期漏出と鮮明な過蛍光 ) に分類した 上表は 評価の各時点 ( レーザー傷害後 及び 29 日目 ) における臨床的に重度 ( グレード 4) と判断された投与群及び対照群の病変の割合 ( 平均値 ) を示す $ この増加は投与群 1 匹の両眼のみにみられたグレード 4 の病変に起因した なお 当該動物でみられた異常 反応の原因は不明であった

22 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 54 Day 15 Day 20 Day µg-single Placebo 図 形成されたグレード 4 病変に対する VEGF Trap 硝子体内投与の治療効果 IVT 治療効果試験 : プラセボ ( 反復 ) 又は VEGF Trap( 単回 500μg) 投与群におけるレーザー傷害 15, 20 及び 29 日後の後期フルオレセイン蛍光眼底造影画像を示す プラセボ群 ( 上段 ) の動物では いずれの観察時点においても 9 つの傷害処置部位のほとんどでグレード 4 の血管漏出が認められた VEGF Trap 群 ( 下段 ) では VEGF Trap 投与前である傷害 15 日後では 9 つの傷害部位すべてでグレード 4 の漏出がみられたが 20 日後 (VEGF Trap 投与 5 日後 ) ではグレード 4 は認められなかった 傷害 29 日後でも血管漏出の再発はみられなかった サルにおいて 硝子体内投与後の血漿中遊離型 VEGF Trap 濃度は 静脈内投与後に比べ明らかに低かった ( 表 参照 ) 50μg/eye を硝子体内投与後の血漿中遊離型 VEGF Trap 濃度は 定量下限未満であった 250 及び 500μg/eye 硝子体内投与後の血漿中濃度は用量依存的であり 硝子体内投与後 24 時間で最大濃度に達し 次回投与前には検出限界付近又はそれ以下に低下した 一方 3 及び 10mg/kg 静脈内投与後の血漿中遊離型 VEGF Trap 濃度は すべての測定時点において 500μg/eye 投与後よりも高かった ( 表 参照 ) VEGF Trap 投与による糖尿病ラットにおける網膜血管漏出の改善 参照項目 : VGT-C-007 VEGF の過度の発現が 糖尿病における網膜血管新生と黄斑浮腫の発症に中心的な役割を果たすと考えられている 糖尿病の網膜内で起こり得る変化を検討するため 2 種の動物モデル すなわち糖尿病 ( ストレプトゾトシン処置 ) ラットにおける網膜浮腫 並びにマウス虚血誘発網膜血管新生 ( 参照 ) に対する VEGF Trap の効果を評価した Sprague Dawley 系雄性成熟ラットに 10mM クエン酸緩衝液 (ph4.5) に溶解したストレプトゾトシン (0mg/kg) を単回腹腔内投与することにより糖尿病を誘発した 24 時間後に高血糖が認められない動物は試験から除外した ストレプトゾトシン処置 1 週間後に血糖値を再測定し 糖

23 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 17 of 54 尿病の状態を確認した 糖尿病の発症が確認された動物の片眼に VEGF Trap(3μg/3μL) を単回硝子体内投与し もう一方の眼に対照たん白質の hfc を投与した 投与後 48 時間に エバンスブルー色素 (45mg/kg) を静脈内投与し 2 時間後に網膜の色素濃度を測定して網膜血管透過性を評価した 網膜におけるエバンスブルー色素の平均濃度は 非糖尿病ラットに比較して 糖尿病ラットで約 3 倍上昇した ( 図 ) 一方 VEGF Trap を硝子体内投与した糖尿病ラットでは hfc を硝子体内投与した糖尿病ラットに比べてエバンスブルー色素濃度が有意に減少し 非糖尿病ラットと同程度まで低下した VEGF Trap 硝子体内投与 48 時間後の血中に遊離型 VEGF Trap は検出されなかった また VEGF Trap 硝子体内投与 1 週間後の血管漏出の評価においても 網膜血管透過性の正常化が認められた ( 参照 ) 図 VEGF Trap 硝子体内投与によるストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットの網膜におけるエバンスブルー色素漏出の抑制 雄性成熟ラットにストレプトゾトシンを投与し糖尿病を誘発した 非糖尿病群のラットにはストレプトゾトシンの代わりにクエン酸緩衝液を投与した 糖尿病誘発 1 週間後 片眼に VEGF Trap(3μg/3μL) を単回硝子体内投与し もう一方の眼に対照のたん白質 hfc(3μg/3μl) を投与した 48 時間後にエバンスブルー色素の血管外漏出を指標として網膜血管透過性を評価した VEGF Trap は 糖尿病モデルにおける網膜血管透過性亢進を有意に改善した (unpaired t-test) 図中の値は平均値 ± 標準誤差 VEGF Trap による網膜虚血マウスにおける病的な血管新生の抑制 参照項目 : VGT-C-013 VEGF Trap の抗血管新生作用を 酸素誘発虚血性網膜症 (OIR) のマウスモデルを用いて検討した OIR は 幼若マウスを生後 7 日目から高酸素環境に一時的に曝露することで生じさせた ( 高酸素症 ) 高酸素環境下では 中心網膜内の微小血管系の発達が低下する 幼若マウスを生

24 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 18 of 54 後 12 日目に高酸素環境下から室内の通常酸素環境下に戻すと 網膜が低酸素状態となり 増殖糖尿病網膜症や未熟児網膜症などの虚血性網膜症と同様に血管新生が刺激される 生後 14 日目 ( 室内酸素に戻した 2 日後 ) に VEGF Trap(0.5μg 5mg/mL 100nL/eye) 又は同量の対照たん白質 (hfc) を幼若マウスに単回硝子体内投与し 3 日後 ( 生後 17 日目 ) に網膜を採取した 高酸素に曝露した対照群のマウスの網膜では 内境界膜を貫通する血管のふさ状分岐と 特に視神経乳頭周辺の網膜表面における無秩序な血管の伸長を特徴とする病的な新生血管がみられた これに対して VEGF Trap を投与した群のマウスでは 網膜の病的な新生血管の形成が抑制されていた ( 図 ) この用量 (0.5μg) の VEGF Trap は 中心網膜の無血管領域における血管再生範囲も減少させた 一方 生後 15 日目に低用量 (0.24μg.82mg/mL 20nL/eye) の VEGF Trap を硝子体内投与した群では 病的な網膜血管新生は抑制されたが 正常に血管再生された中心網膜の範囲は生後 19 日目までに拡大した ( 図 )( 参照 ) 結論として 高用量の VEGF Trap による強力な VEGF の阻害は 病的な血管新生を完全に抑制するが 正常な網膜血管の再生も若干遅延させた これに対して 低用量の VEGF Trap は 正常な網膜血管の再生を遅らせることなく むしろ促進する一方 病的な血管新生は抑制した この結果は 病的に形成される血管は正常の血管よりも VEGF 阻害に対して感受性が高いことを示唆している

25 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 19 of 54 図 OIR マウスにおける VEGF Trap 硝子体内投与後の網膜の病的な血管新生及び血管再生 レクチン染色の網膜フラットマウントの画像より 異常な血管を含む網膜の大きさを測定して病的な血管新生の範囲を定量した ( 上段 ) フラットマウントの画像は ikon Eclipse 顕微鏡 Adobe Photoshop 及び Scion Image を使用して取り込んだ 中心網膜の無血管領域も同様の方法で測定した ( 下段 ) VEGF Trap 又は hfc 0.5μg 又は 0.24μg の硝子体内投与の効果をそれぞれ左列及び右列に示す 投与条件盲検下で 評価者がすべての画像を撮影及び解析した (n=4 試験ごとに各治療群で検討した網膜数 ) データは平均値 ± 標準誤差で示し unpaired t-test を用いて解析した (**p<0.01 ***p<0.001 ****p<0.0001) P= 生後日数 VEGF Trap による角膜傷害マウスにおける炎症及び血管新生の抑制 参照項目 :[ 参考 ] J Clin Invest マウスの角膜実質内に留置した縫合糸により誘発した角膜傷害により 高度の血管新生反応がみられる 本モデルでは VEGF-C と VEGF-D による VEGFR-3 の活性化を介して生じるリンパ管新生が 血管新生と同時に生じる 最初の試験では Balb/C マウス ( 成熟 ) に VEGF Trap (12.5mg/kg) 又は同量の対照たん白質 (hfc) を 縫合糸傷害時に単回腹腔内投与し 7 日後に角膜を評価した

26 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 20 of 54 その結果 VEGF Trap を投与したマウスでは hfc 投与マウスとは異なり血管新生のみならず角膜リンパ管新生も完全に抑制されることが明らかになった 4) ( 血管 + リンパ管面積 :VEGF Trap 投与群 2.3±1.5% hfc 投与群 49±12%)( 参照 ) 本モデルでは 血管新生及びリンパ管新生に先行して 血管炎症並びに傷害された角膜への白血球 ( 主にマクロファージと好中球 ) の遊走が生じる VEGF-A や関連リガンドの PlGF は 白血球の細胞表面に存在する VEGFR-1 を介して 白血球の強力な化学走化性因子として機能することが知られている 活性化した白血球は VEGF-C 及び VEGF-D を発現する したがって 局所的に発現が上昇した VEGF-A や PlGF による白血球の傷害部位への遊走を VEGF Trap が抑制することにより VEGF Trap は間接的にリンパ管新生を抑制する可能性が考えられた これを確かめるために 角膜傷害後の白血球浸潤に対する VEGF Trap の阻害能を評価する試験を再度実施した VEGF Trap 投与群 (188±14) では 対照の hfc 投与群 (909±17) と比較して角膜切片中の炎症性細胞数が減少した さらに 角膜傷害前の放射線照射による全骨髄由来細胞の全身的な枯渇 [ 血管面積 : 放射線照射群 18.4±4% 対照 ( 非照射 ) 群 49.±10.4% リンパ管面積 : 放射線照射群 1.4±3.2% 対照群 ( 非照射 )38±12.23%] あるいはリポソーム封入クロドロネートによるマクロファージの局所的な枯渇 [ 血管面積 : リポソーム封入クロドロネート群.3±5.8% 対照 ( リン酸緩衝液 ) 群 42.3±.3% リンパ管面積 : リポソーム封入クロドロネート群 10.8±2.5% 対照 ( リン酸緩衝液 ) 群 38.8±4.7%] により 血管新生及びリンパ管新生が有意に抑制されることも示された これらの結果から VEGF-A 及び PlGF は 血管新生やリンパ管新生に必要なシグナルを供給及び増幅させる白血球 / マクロファージの動員を介して 角膜傷害の病態生理学的反応に重要な役割を果たしていると考えられる なお 最近の報告によると VEGF Trap は bfgf による角膜の血管新生を抑制し 17) またマウス角膜移植後の VEGF Trap 投与により 血管新生 リンパ管新生及び炎症を抑制するのみならず 同種移植角膜の生着も改善することが明らかにされている 7,18,19)

27 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 21 of 副次的薬理試験 正常及び担癌マウスにおける遊離型 VEGF Trap 及び VEGF Trap 複合体の濃度 並びに抗腫瘍効果との相関性 参照項目 :[ 参考 ] Proc atl Acad Sci USA 乾癬 ) 角膜移植拒絶反応 7) 及び腫瘍異種移植 8) などの動物モデルを用いた非臨床試験において VEGF Trap 全身投与による病的な血管新生の治療及び他の生物学的作用について評価した 腫瘍の同種又は異種移植モデルでは 用量反応性試験を実施し VEGF を完全に中和するのに必要な VEGF Trap の用量及び血中濃度を検討した それらの試験の一つでは 担癌マウスと正常マウスの両方で 遊離型 VEGF Trap 血中濃度と VEGF に結合した VEGF Trap(VEGF Trap 複合体 ) の濃度を比較し 腫瘍増殖に対する効果との相関性を検討した ( 参照 ) B1F1 マウス黒色腫細胞株 A73 ヒト横紋筋肉腫細胞株又は MMT マウス乳癌細胞株を皮下に移植した SCID マウスに VEGF Trap 及び 25mg/kg を週 2 回皮下投与 (1~2 週間 ) し 血漿中遊離型 VEGF Trap 及び VEGF Trap 複合体の濃度を ELISA 法で測定した その結果 腫瘍の種類によらず遊離型 VEGF Trap 濃度は 検討した用量範囲において用量に応じて上昇し 2.5mg/kg でおよそ 10μg/mL のレベルに 25mg/kg ではおよそ 100μg/mL に達した 一方 VEGF Trap 複合体濃度は低用量域で漸増し 図 に示すとおり 2.5mg/kg 以上の用量で最大濃度である 1~2μg/mL に達した 一方 VEGF Trap は 2.5mg/kg 以上の用量で腫瘍の増殖を抑制した すなわち 抗腫瘍効果のみられる用量では 遊離型 VEGF Trap 濃度は VEGF Trap 複合体の最大血漿中濃度を超えていた

28 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 22 of 54 図 VEGF Trap の用量と遊離型 VEGF Trap 及び VEGF Trap 複合体の血漿中濃度の関連並びに腫瘍増殖に対する効果との相関 マウスの皮下 ( 脇腹 ) に B1F1 マウス黒色腫細胞株 (A) A73 ヒト横紋筋肉腫細胞株 (B) 又は MMT マウス乳癌細胞株 (C) を移植し 腫瘍がおよそ 100 mm 3 に増殖した後 VEGF Trap 及び 25mg/kg を週 2 回 1~2 週間皮下投与した 血漿中の遊離型 VEGF Trap(Free Trap 図中青線 ) と VEGF Trap 複合体 (VEGF Trap Complex 図中緑線 ) を測定した 腫瘍の種類に関係なく遊離型 VEGF Trap レベルは検討範囲内の用量で 用量に応じて増加し 2.5mg/kg で 10μg/mL に達し 25mg/kg でおよそ 100μg/mL に上昇した 一方 VEGF Trap 複合体は 2.5mg/kg 以上の用量で最大濃度 1~2μg/ml に達した 腫瘍容積 ( 図中赤線 ) は 2.5mg/kg 以上の用量では一貫して減少し この用量 (2.5mg/kg) は 遊離型 VEGF Trap の血漿中濃度が VEGF Trap 複合体濃度を超える最低用量である (n=/ 群 )

29 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 23 of 54 図 VEGF Trap の用量と遊離型 VEGF Trap 及び VEGF Trap 複合体の血漿中濃度の関連 マウスに移植した腫瘍の重量が体重の 3% 未満である場合 腫瘍から産生される VEGF はマウスの内因性の VEGF と比較して少量であることが示唆される (A 及び B) マウス (A) 又はヒト (B) 腫瘍がおよそ 100 mm 3 に増殖した後 VEGF Trap 及び 25mg/kg を週 2 回 1~2 週間投与した 血中の遊離型 VEGF Trap と VEGF Trap 複合体を試験終了時に測定した マウス由来腫瘍の移植モデルでは いずれの場合も最終腫瘍容積によらず 血中の VEGF Trap 複合体濃度はおよそ 1μg/mL であった 一方 ヒト由来腫瘍の移植モデルでは VEGF Trap 複合体濃度はおよそ 0.1μg/mL であった 遊離型 VEGF Trap 濃度は徐々に増加し 2.5mg/kg の用量で VEGF Trap 複合体濃度を超え 25mg/kg でおよそ 100μg/mL に達した (n=/ 用量 ) (C) マウス及びヒトの腫瘍型を示す マウス (Lewis 肺癌 B1F10 黒色腫 ) 又はヒト (SK-EP Wilm 腫瘍及び HT1080 線維芽肉腫 ) 由来の腫瘍を移植したマウスでも同様の結果が得られた VEGF Trap 複合体濃度は VEGF Trap の投与量の増加に伴い上昇し 2.5mg/kg 以上で最大濃度の約 1~2μg/mL に達した この用量レベルでは 遊離型 VEGF Trap の血中濃度は VEGF Trap 複合体濃度よりも高かった ( 図 ) VEGF Trap を同投与スケジュールで正常なマウスに投与したときの遊離型及び結合型の VEGF Trap 濃度は担癌マウスでの濃度と同等であった したがって 予想以上に多くの内因性かつ生体内利用可能な VEGF が通常でも正常組織により産生されており ( 約 0.00μg/g 組織 / 日 ) 腫瘍異種移植由来の VEGF は比較的少量にとどまることが示唆された

30 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 24 of 安全性薬理試験 ICH ガイドライン S7A 安全性薬理試験ガイドライン ( 平成 13 年 月 21 日付医薬審発第 902 号 ) で定義されている in vitro 安全性薬理試験により融合たん白質などの高分子量化合物を評価する必要性は低いと考えられる したがって GLP に準拠した in vivo 試験及び GLP 非準拠の in vivo 試験 ( げっ歯類の血圧に関する 1 試験 ) により VEGF Trap の安全性薬理評価を行った ( 参照 ) 中枢神経系 参照項目 : VGFT-TX VGFT-TX VEGF Trap の中枢神経系に及ぼす影響については 毒性試験で得られた成績から一般症状 直腸温など安全性薬理のエンドポイントを評価した 雌雄カニクイザルに VEGF Trap 及び 30mg/kg を週に 2 回 3 ヵ月間皮下投与した試験において カニクイザルの一般症状及び直腸温への影響は VEGF Trap のいずれの群においても認められず VEGF Trap の投与による中枢神経系への影響は認められなかった ( 表 L VGFT-TX 参照 ) 同様に 雌雄カニクイザルに VEGF Trap 3 10 及び 30 mg/kg を週 1 回 15 週間 その後 27 週まで 1 週おきに静脈内投与した試験 ( 表 J VGFT-TX 参照 ) においても中枢神経系への影響は認められなかった 心血管機能 げっ歯類における血圧に及ぼす VEGF Trap の影響 : 遊離型 VEGF Trap の血中濃度との相関性 参照項目 :[ 参考 ] VGFT-MX C57BL/ マウスに 2.5 及び 25mg/kg の VEGF Trap を Wistar-Kyoto ラットに 及び 25mg/kg の VEGF Trap 又は 5mg/kg の hfc を単回皮下投与したときの血圧に及ぼす影響をテレメトリー法で検討した ( 非 GLP 試験 ) 投与前 48 時間以上の測定記録を血圧と心拍数のベースライン値とし 測定は投与後およそ 3~4 週間まで継続した ( 参照 ) VEGF Trap 2.5 及び 25mg/kg を C57BL/ マウスに単回皮下投与した結果 収縮期血圧及び拡張期血圧いずれも統計学的に有意な上昇を示し 最大上昇は投与後 24~48 時間以内に認められた 2.5 及び 25mg/kg を投与したマウスにおける収縮期血圧の各動物での最大上昇の平均値は それぞれ 14.3±0.7mmHg 及び 17.3±1.1mmHg であった ベースライン値を上回る収縮期血圧の上昇の持続期間は 2.5mg/kg 投与群のマウスで約 7 日であったのに対し 25mg/kg 投与群ではおよそ 21 日間持続した 同様の用量依存的な影響は拡張期血圧にも認められたが 最大上昇幅はわずかに小さかった 血圧上昇の持続時間は血中の遊離型 VEGF Trap の存在と密接に関係しており 血中の遊離型 VEGF Trap 濃度がおよそ 1μg/mL を下回るまで 収縮期血圧と拡張期血圧は投与前ベースライン値を上回る上昇を持続した また VEGF Trap 投与マウスにおいて一時的かつ用量依存的な心拍数の減少が認められたが その作用は統計学的に有意ではなかった ( 図 A 図 B 参照 )

31 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 25 of 54 Wistar-Kyoto ラットに VEGF Trap を 0.5mg/kg 以上の用量で単回皮下投与した結果 収縮期血圧と拡張期血圧いずれにおいても用量依存的で有意な上昇が認められ 投与 2~4 日以内に最大上昇がみられた 最高用量である 25mg/kg の VEGF Trap を投与したときの 収縮期血圧及び拡張期血圧の各動物での最大上昇の平均値は それぞれ 22±1.5mmHg 及び 17.8±1.0mmHg であった 収縮期血圧と拡張期血圧の最大上昇と同程度の上昇が 10mg/kg 投与群でみられていることから 正常のラットでは VEGF Trap による血圧上昇は飽和に達することが示唆された 低用量では血圧の上昇幅は段階的に減少し VEGF Trap 0.5mg/kg での収縮期血圧及び拡張期血圧の最大上昇は それぞれ 4.7±0.mmHg 及び 3.5±0.5mmHg にすぎなかった VEGF Trap 0.15 及び 0.05mg/kg の投与では 血圧の上昇は認められなかった ( 図 参照 ) 血圧上昇の程度とは異なり 血圧上昇の持続時間は 0.5mg/kg 以上のすべての用量で用量に応じて延長し 0.5mg/kg で約 5 日 25mg/kg で 1~17 日であった 血圧への影響の持続時間は 遊離型 VEGF Trap の血清中濃度と明らかな相関を示した 血圧の最大上昇は 遊離型 VEGF Trap 濃度がおよそ 10μg/mL に達するレベルで認められ 遊離型 VEGF Trap 濃度がおよそ 1μg/mL 以下に低下するまで ベースラインを上回る血圧の上昇が持続した ( 図 A 参照 ) 心拍数は 1mg/kg 以上の VEGF Trap を投与したラットで一時的に減少する傾向がみられた ( 投与後 1~4 日目 ) 心拍数の減少幅は投与前と比べて最大 10~25bpm であったが 統計学的に有意ではなかった ( 図 B 参照 ) 心拍数の減少は血圧上昇に伴う反射によるものと考えられ 二次的に誘発された反応であり 毒性学的意義は少ないと考えられた カニクイザルにおける心血管機能に及ぼす VEGF Trap の影響 参照項目 : VGFT-TX VGFT-TX VEGF Trap の心血管系に及ぼす影響については 毒性試験で得られた成績から血圧 ( 収縮期 拡張期 平均血圧 ) 心拍数及び ECG パラメータ (PR QT RR QTc 及び QRS 間隔 ) を評価した 雌雄カニクイザルに VEGF Trap 及び 30mg/kg を週 2 回 3 ヵ月間皮下投与した試験 (2..7.7L VGFT-TX 参照 ) 又は 3 10 及び 30mg/kg を週 1 回 15 週間 その後 27 週まで 1 週間おきに静脈内投与した試験 (2..7.7J VGFT-TX 参照 ) のいずれにおいても 血圧上昇が一部のカニクイザルに認められたものの (2..7.7L VGFT-TX 参照 ) VEGF Trap の投与による血圧 心拍数及び ECG パラメータへの影響は認められなかった ( 表 表 表 表 参照 )

32 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 2 of 血栓形成 参照項目 : VGFT-TX-0012 雄ウサギ (ew Zealand White) の電気的傷害誘発血栓症モデルを用いて 静脈及び動脈の血栓形成に対する VEGF Trap の影響を検討した VEGF Trap 及び 30mg/kg を 3 回 ( 試験 - -3 及び 1 日 )30 分間持続静注した ( 試験第 1 日の投与後に右頸静脈及び下行大動脈に電流を負荷し 血栓形成を誘発させた ) 活性化凝固時間 プロトロンビン時間 活性化部分トロンボプラスチン時間 血液学的パラメータ並びに心拍数 血流量 ( 下行大動脈及び右頸静脈 ) 電流負荷の開始から血栓性閉塞に至るまでの時間経過 又は血栓と共に摘出した血管重量 ( 血栓が存在した場合 ) を評価した結果 VEGF Trap 及び 30mg/kg の投与により 静脈及び動脈の血栓形成に影響は認められなかった ( 表 表 表 表 表 表 表 VGFT- TX-0012 参照 ) 呼吸機能 参照項目 : VGFT-TX-0009 雄ラット (Sprague Dawley) に VEGF Trap 及び 250mg/kg を 30 分間単回持続静注したときの呼吸機能パラメータに対する影響を全身プレチスモグラフィーにより覚醒 非拘束下で検討した テオフィリン (30mg/kg 20 分間単回持続静注 ) を陽性対照薬として用いた 溶媒投与群に比して VEGF Trap は 静注開始 270 分後まで及び投与 7 日後において 検討したいずれの用量でも呼吸機能パラメータ ( 呼吸数 1 回換気量 吸気及び呼気時間 最大吸気及び呼気流量 分時換気量 enhanced pause) に生物学的に問題となる影響を及ぼさなかった ( 表 VGFT-TX-0009 参照 ) 創傷治癒 参照項目 : VGFT-TX VGFT-TX-00 ウサギ (ew Zealand White) の切開創及び切除創治癒モデルを用いて VEGF Trap の創傷修復 治癒に対する影響を検討した 雄ウサギの切開創治癒モデルに対して 試験 及び 日に VEGF Trap を 30 分間持続静注した 試験第 1 日に切開創傷を作製した ( VGFT-TX-0010 参照 ) VEGF Trap 及び 30mg/kg の投与により 用量依存的な血管密度の低下が明確にみられ 3 及び 30mg/kg 群の平均血管密度は試験 4 8 及び 12 日に対照群 ( 生理食塩液投与群及び VEGF Trap の溶媒投与群 ) に比して低かった 30mg/kg 群では 試験 8 及び 12 日に血管密度の低下が最も大きかった 0.3mg/kg 群では試験 4 日においてのみ血管密度が対照群に比し低かった 創傷の伸張強度は 試験 4 8 及び 12 日目に生理食塩液投与群と比較してすべての VEGF Trap 投与群でわずかに低かった ( 表 図 参照 ) VEGF Trap を投与したすべてのウサギで 遊離型 VEGF Trap が初回投与から 9 時間後まで血液中に検出された ( 但し 0.3mg/kg 群のウサギ 1 匹で誤投与があり このウサギの試験 -2 日の 5 分後 ~3 日の成績を評価から除いた ) 0.3mg/kg 群では 遊離型 VEGF Trap の血漿中濃度は初回投与 24~48 時間後においてのみ VEGF Trap 複合体濃度を上回る濃度を維持したのに対して 3 及び 30mg/kg 群の遊離型 VEGF Trap の平均濃度は いずれの測定時点においても VEGF Trap 複合体の平均血漿中濃度と比

33 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 27 of 54 較してそれぞれ 3 倍及び 18 倍以上高い値を示した 各投与群の初回投与 24 時間後の遊離型 VEGF Trap 濃度は それ以降の投与 ( 試験 3 7 及び 日 )24 時間後の濃度と同等であった 試験終了時に 抗 VEGF Trap 抗体が 30mg/kg 群のウサギ 1 匹にのみ確認され このウサギでは遊離型及び VEGF Trap 複合体の血漿中濃度は低下した 雄ウサギの切除創治癒モデルに対して 試験 -2 5 及び 17 日に VEGF Trap を 30 分間持続静注した 試験第 1 日に切除創傷を作製した ( VGFT-TX-00 参照 ) 同モデルにおいても VEGF Trap の 及び 30mg/kg 投与により 創傷治癒及び関連パラメータに対する用量依存的な抑制が認められた 創傷修復 治癒の抑制は 対照群 ( 生理食塩液投与群及び VEGF Trap の溶媒投与群 ) に比し 0.3mg/kg 群では特に試験 8 日に顕著で 線維化反応及び血管新生の低下を特徴としていた 一方 3 及び 30mg/kg 投与群では 血管新生はすべての測定時点 ( 試験 8 14 及び 20 日 ) でほとんど検出されず 線維化反応及び表皮過形成も顕著に減少した その結果 VEGF Trap 3 及び 30mg/kg の静脈内投与により 試験 14 及び 20 日では 対照群と比較して創傷部位の面積が大きく これらの投与量では試験 20 日に開放創の割合が高かった ( 図 図 図 表 図 参照 ) 遊離型及び VEGF Trap 複合体は VEGF Trap を投与したすべてのウサギで初回投与から 144 時間後まで血液中に検出された 0.3mg/kg 群では 遊離型 VEGF Trap 濃度は 初回投与 24 時間後においてのみ VEGF Trap 複合体濃度を上回ったのに対し 3 及び 30mg/kg 群では 最長測定時点である初回投与 144 時間後まで VEGF Trap 複合体濃度を上回るレベルの遊離型 VEGF Trap 濃度が維持された いずれの群においても 初回投与 72 時間後の遊離型 VEGF Trap 濃度はそれ以降の投与 ( 試験 5 及び 17 日 )72 時間後の濃度と同等であった 試験終了時に 抗 VEGF Trap 抗体が 0.3mg/kg 群のウサギ 2 匹 30mg/kg 群に 1 匹に確認され これらのウサギでは遊離型及び VEGF Trap 複合体の血漿中濃度は低下した 薬力学的薬物相互作用 該当試験なし

34 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 28 of 考察及び結論 VEGF-A は in vitro における内皮細胞の分裂促進因子であり in vivo で血管新生を誘導することが知られている 1) 胚発生において 血管形成及び血管新生に VEGF は極めて重要である 成体の哺乳動物では VEGF は多くの組織で恒常的に発現しており 血管緊張の調節 並びに器官 特に腎臓における毛細血管の有窓性の維持に関与している 20) また VEGF は血管透過性を著明に亢進させる 2) 加えて 創傷治癒の際に血管新生を促進し 卵胞の成熟 21) や黄体の形成 22) にも関与している 異常な血管透過性や病的血管新生を特徴とする固形癌や多くの眼性血管疾患などの病態において VEGF の発現が亢進していることが知られている 1,2,23) VEGF は 病的血管新生や浮腫形成に関わる重要な構成要素と考えられていることから VEGF の阻害がそれらの病態に対する有望な治療法となる可能性がある 一方 PlGF は 血管形成関連たん白質であり VEGF と相乗的に様々な病態の病的血管新生や過度の血管透過性亢進を誘導すると考えられている 13,14) PlGF は VEGF と同様に滲出型 AMD 患者から採取した新生血管の膜内に存在し AMD のモデル動物では CV 形成を促進することが知られている 15) また VEGF-B も動物モデルにおいて 網膜及び脈絡膜での血管新生や血液網膜関門の破綻に関与することが報告されている 1) VEGF Trap は ヒト VEGFR-1 及び VEGFR-2 の細胞外ドメインのリガンド結合部位とヒト IgG1 の Fc 部位を融合させた組換え融合たん白質である VEGF Trap はヒト VEGF-A 15 と 1:1 の比で結合して複合体を形成する その解離定数 (K D) はおよそ 0.5pM である また ヒト VEGF-A 121 に対する親和性も 1pM 未満であった カニクイザルの VEGF-A たん白質のアミノ酸配列はヒトと同一であり また VEGF Trap は 1pM 未満の K D 値でマウス ラット及びウサギの VEGF-A に結合することが示されている 以上の知見に基づき これらの動物種を薬理試験に用いた VEGF Trap は VEGF 受容体の一部を用いた構造であることから VEGFR-1 に結合する他の VEGF ファミリー 特に PlGF にも結合するが VEGFR-3 を介してシグナルを伝達しリンパ管形成を誘導する VEGF-C 及び VEGF-D に対する結合は検出されなかった VEGF-A VEGF-B 及び PlGF と VEGF Trap が高親和性で結合することにより これらリガンドは細胞表面受容体に作用を及ぼすことができなくなる In vitro において VEGF Trap は HUVEC の VEGFR-2 の VEGF 依存性リン酸化をモル濃度比 1:1 以上で完全に阻害することが示された 一方 細胞系アッセイにおいて VEGF Trap は内皮細胞及び腫瘍細胞株に対して CDC 又は ADCC 活性を示さなかったことから VEGF Trap は in vivo においても CDC 及び ADCC いずれも促進しないと予想される したがって 疾患動物モデルにおいて認められた VEGF Trap の効果は VEGF-A 及び恐らく VEGFR-1 に結合する他の VEGF ファミリーとの結合 並びにその不活化を介したものであると考えられる 検討したすべての眼血管新生モデル及び血管漏出モデルの非臨床薬理試験において VEGF Trap は病的な血管新生又は血管漏出を効果的に抑制することが確認された すなわち げっ歯類の糖尿病性及び虚血性網膜症モデル 角膜傷害モデル 並びに滲出型 AMD に類似した CV のげっ歯類及び霊長類モデルにおいて VEGF Trap は病的血管新生や浮腫形成を抑制した 特に VEGF Trap の硝子体内投与により げっ歯類糖尿病モデルの網膜における血管漏出 並びにサルモデルにおけるレーザー誘発活動性 CV は速やかに回復することが示された さらに VEGF Trap は 上述の動物モデルに付随する眼の炎症を回復させた VEGF-A 及び PlGF は 白血球の亜集団 特にマクロファージ及び好中球の細胞表面に発現する VEGFR-1 を介して白血球の遊走を媒介することが知られていることから VEGF Trap の抗炎症作用は VEGF-A 又は PlGF との結合に基づく可能性が高い 12)

35 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 29 of 54 上述の動物モデルにおいて VEGF Trap は硝子体内への直接投与又は全身投与 ( 皮下 腹腔内又は静脈内投与 ) により効果を示すことが確認されたが 全身投与により眼の病的な血管漏出や血管新生を改善させるには 硝子体内投与よりも高用量の VEGF Trap を投与する必要があった 例えば 硝子体内投与では VEGF Trap 又は 500μg の 2 週に 1 回投与により活動性 CV の形成が抑制されたのに対し 静脈内投与では 3mg/kg 又は 10mg/kg 週 1 回投与で同様の効果が得られた 正常及び担癌マウス並びにヒトのいずれにおいてもこの用量で 全身の内因性 VEGF は効果的に中和されることから この用量を全身投与時の投与量として選択した 8) 特に マウスでは VEGF Trap 2.5mg/kg 以上 ( 皮下投与 週 2 回 ) の用量でのみ ほとんどの異種移植腫瘍の増殖が顕著に抑制された 総じて 腫瘍増殖の最大抑制は 10mg/kg 以上 ( 皮下投与 週 2 回 ) でみられる 同様に テレメトリー法のラットで VEGF Trap による血圧の最大上昇は 10mg/kg 以上の用量 ( 皮下投与 ) で認められた 血圧の最大上昇は遊離型 VEGF Trap の血中濃度がおよそ 10μg/mL に達したときに認められ 遊離型 VEGF Trap の血中濃度がおよそ 1μg/mL を下回るまで 投与前を上回る血圧の上昇が持続した 0.5mg/kg 未満の VEGF Trap では 血圧の上昇は認められなかった 抗 VEGF 抗体であるベバシズマブの ヒトで予想される主な副作用は高血圧であり 血圧維持機構に関与する VEGF/VEGFR シグナル伝達阻害剤のクラスエフェクトとして知られている 9,10) 安全性薬理試験では VEGF Trap の呼吸機能及び血栓形成に対する影響は認められなかった また 毒性試験において VEGF Trap を高用量で数ヵ月間全身投与しても中枢神経系及び心血管機能への影響は認められなかった しかしながら ウサギに VEGF Trap を反復全身投与したとき 検討したすべての用量 (0.3 3 及び 30mg/kg) で切開創傷及び切除創傷の治癒速度の遅延及び治癒範囲の減少が用量に相関して認められた 創傷治癒抑制も VEGF 阻害剤のクラスエフェクトである 24) したがって 血管新生や腫瘍増殖を効果的に抑制する用量で VEGF Trap を全身投与すると 同時に血圧が上昇し 創傷治癒を抑制することが考えられる しかし 硝子体内投与の場合 はるかに低用量で網膜の病的な血管漏出及び血管新生を効果的に抑制することから 前述の作用は生じないと考えられる 硝子体内投与により低用量の VEGF Trap を投与したときの全身曝露量は低く 有効用量の VEGF Trap 硝子体内投与後の VEGF Trap の最大全身濃度は 全身投与で明らかな作用を示すために必要な濃度以下に維持される 例えば マウスを用いて実施した副次的薬理試験において 1mg/kg 以下の VEGF Trap 週 2 回投与では 腫瘍増殖に対する VEGF Trap の効果はほとんどあるいは全くみられず 腫瘍増殖を抑制するためには 10 倍高用量を必要とした 8) 同様に ラットにおける血圧の最大上昇は 10mg/kg 以上の用量で達成されたが 0.5mg/kg 未満では明らかな血圧の変化は認められなかった 対照的に VEGF Trap 3μg の硝子体内投与で糖尿病ラットの網膜血管漏出が効果的に抑制されたが この用量はおよそ 0.012mg/kg に相当し 同じ動物種で血圧に検出可能な変化を生じさせる皮下投与での最低用量の 40 分の 1 であった 実際 この用量の硝子体内投与 48 時間後の血漿中遊離型 VEGF Trap 濃度は 定量下限未満であった ( VGT-C-007 参照 ) さらに VEGF Trap(3μg) の硝子体内投与によって 反対側の眼の血管透過性は正常化しなかったことから 全身循環血中に遊離型 VEGF Trap が薬理学的に有効な濃度で存在していないことを示している 同様に サルの硝子体内投与試験において VEGF Trap 50μg/eye( 両眼投与 ) と極めて低用量で 実験的 CV の形成が効果的に抑制された一方で 評価時点において遊離型 VEGF Trap の全身曝露は検出されなかった ( VGFT-TX 参照 ) サルでのこの用量は 体重換算した全身投与量で外挿すると ヒトではおよそ 2mg/eye( 片眼投与 ) に相当する ( 表 )

36 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 30 of 54 結論として VEGF Trap の硝子体内投与は CV モデル 糖尿病性又は虚血性網膜症モデルなど検討したすべての眼性血管疾患動物モデルにおいて 病的な血管漏出 血管新生及び炎症を効果的に抑制することが確認された 極めて高用量の VEGF Trap を全身投与したときにみられる影響は VEGF 経路の阻害に直接関連する既知のクラスエフェクト ( 例えば 血圧 創傷治癒に及ぼす影響 ) であり 硝子体内投与による低用量投与では 遊離型 VEGF Trap の血中濃度はそのような影響が発現し得る濃度に達しないと考えられる

37 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 31 of 図表 安全性薬理試験の結果 ( 図表 ) を本項に記載した 表 カニクイザルの 13 週間皮下投与毒性試験における体温に及ぼす VEGF Trap の影響 Group/ Dose Pre-dose Treatment Period Week -1 Week 1 Week 13 Male Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg Female Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg 表中の値 ( 体温 ) は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の動物数 )

38 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 32 of 54 表 カニクイザルの ヵ月間静脈内投与毒性試験における体温に及ぼす VEGF Trap の影響 Group/ Dose Pre-dose Treatment Period Week 4 Week 12 Week 2 Male Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean B mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg Female Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg 表中の値 ( 体温 ) は平均値 ± 標準偏差 (1 群 匹 ) 溶媒群からの有意差 A - P 0.05 B - P 0.01 C - P (Dunnett)

39 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 33 of 54 図 A C57BL/ マウスの血圧に及ぼす VEGF Trap の影響 : 遊離型 VEGF Trap の血中濃度との相関性 VEGF Trap 2.5 mg/kg 又は 25 mg/kg を単回皮下投与した 尾静脈から採血し 遊離型 VEGF Trap の血中濃度を ELISA 法により測定した 収縮期血圧の変化 ( 赤線 Y 軸左 mmhg) と遊離型 VEGF Trap の血中濃度のデータ ( 黒線 Y 軸右 μg/ml) を重ねてプロットした

40 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 34 of 54 図 B C57BL/ マウスの心拍数に及ぼす VEGF Trap の影響 VEGF Trap を単回皮下投与した ( 赤矢印は投与時点を示す ) 心拍数のベースラインからの変化 (BPM) をプロットした

41 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 35 of 54 図 Wistar-Kyoto ラットの血圧 ( 収縮期血圧 ) に及ぼす VEGF Trap の影響 VEGF Trap 又は human Fc control protein を単回皮下投与した ( 赤矢印は投与時点を示す ) 収縮期血圧のベースライン値からの変化量を測定日ごとにプロットした (mmhg)

42 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 3 of 54 図 A Wistar-Kyoto ラットの血圧 ( 収縮期血圧 ) に及ぼす VEGF Trap の影響 : 遊離型 VEGF Trap の血中濃度との相関性 VEGF Trap 1mg/kg 2.5 mg/kg 10 mg/kg 又は 25 mg/kg を単回皮下投与した 尾静脈から採血し 遊離型 VEGF Trap の血中濃度を ELISA 法により測定した 収縮期血圧の変化 ( 赤線 Y 軸左 mmhg) と遊離型 VEGF Trap の血中濃度のデータ ( 黒線 Y 軸右 μg/ml) を重ねてプロットした

43 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 37 of 54 図 A Wistar-Kyoto ラットの血圧 ( 収縮期血圧 ) に及ぼす VEGF Trap の影響 : 遊離型 VEGF Trap の血中濃度との相関性 ( 続き ) VEGF Trap 1mg/kg 2.5 mg/kg 10 mg/kg 又は 25 mg/kg を単回皮下投与した 尾静脈から採血し 遊離型 VEGF Trap の血中濃度を ELISA 法により測定した 収縮期血圧の変化 ( 赤線 Y 軸左 mmhg) と遊離型 VEGF Trap の血中濃度のデータ ( 黒線 Y 軸右 μg/ml) を重ねてプロットした

44 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 38 of 54 図 B Wistar Kyoto ラットの心拍数に及ぼす VEGF Trap の影響 VEGF Trap を単回皮下投与した ( 赤矢印は投与時点を示す ) 心拍数のベースラインからの変化 (BPM) をプロットした

45 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 39 of 54 表 カニクイザルの 13 週間皮下投与毒性試験における血圧に及ぼす VEGF Trap の影響 Group/ Dose Treatment Period Week 1 Week 1 Week 5 Week 5 Week 13 Week 13 Systolic Diastolic Systolic Diastolic Systolic Diastolic Male Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg Female Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg 表中の値 ( 血圧 mmhg) は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の動物数 ) 投与 13 週目に VEGF Trap 15mg/kg 群及び 30mg/kg 群のそれぞれ雌 2 例に 投与前値と比較し血圧上昇 が認められた これらの血圧変化はサルの血圧測定における変動範囲内であり VEGF Trap の投与による影 響とは考えられなかった

46 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 40 of 54 表 カニクイザルの ヵ月間静脈内投与毒性試験における血圧に及ぼす VEGF Trap の影響 Group/ Dose Pre-dose Pre-dose Treatment Period First Second Week 4 Week 12 Week 2 Male Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg Female Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean 74.8 D mg/kg VEGF Trap Mean 80.2 D mg/kg 表中の値 ( 平均血圧 mmhg) は平均値 ± 標準偏差 (1 群 匹 ) 溶媒群からの有意差 : A - P 0.05 B - P 0.01 C - P (Dunnett) D - P 0.05 E - P 0.01 G - P (Dunn)

47 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 41 of 54 表 カニクイザルの 13 週間皮下投与毒性試験における心電図に及ぼす VEGF Trap の影響 Group/ Dose Week 13 Heart Interval (msec) rate (bpm) PR QT RR QTc QRS Male Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg Female Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg PR = PR 間隔, QT = QT 間隔, RR = R-R 間隔, QTc = QT corrected = QT / SQRT (RR/1000), QRS = QRS 間 隔. 表中の値は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の動物数 )

48 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 42 of 54 表 カニクイザルの ヵ月間静脈内投与毒性試験における心電図に及ぼす VEGF Trap の影響 Group/ Dose Week 2 Heart Interval (msec) rate (bpm) PR RR QRS QT QTc Male Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg Female Vehicle Mean VEGF Trap Mean A 3 mg/kg VEGF Trap Mean A 10 mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg PR = PR 間隔, RR = RR 間隔, QRS = QRS 間隔, QT = QT 間隔, QTc = QT corrected by Fredericia s equation. 表中の値は平均値 ± 標準偏差 (1 群 匹 ) 溶媒群からの有意差 : A - P 0.05 B - P 0.01 C - P (Dunnett)

49 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 43 of 54 表 電気的傷害誘発血栓症ウサギモデルにおける VEGF Trap の活性化凝固時間 (ACT) プロトロンビン時間 (PT) 及び活性化部分トロンボプラスチン時間 (APTT) に及ぼす影響 Group/ Dose Vehicle VEGF Trap 0.3 mg/kg VEGF Trap 3.0 mg/kg VEGF Trap 30 mg/kg Mean Mean Mean Mean ACT (sec) PT (sec) APTT (sec) 溶媒群からの有意差 : :P 0.05 (AOVA/Kruskal-Wallis and Dunnett/Dunn) 表中の値は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の例数 ) プロトロンビン時間において 30mg/kg 群で溶媒群に比較し有意な減少が認められた しかし 溶媒群に対する減少率はわずかであったこと 試験開始前値 (8.13 秒 ) と同様な値であったことから この変化は生理的変動範囲内であり VEGF Trap 投与による影響とは考えられなかった 表 電気的傷害誘発血栓症ウサギモデルにおける VEGF Trap の血液学的パラメータに及ぼす影響 Group/ Dose Vehicle VEGF Trap 0.3 mg/kg VEGF Trap 3.0 mg/kg VEGF Trap 30 mg/kg Mean Mean Mean Mean WBC (10 3 /μl) RBC (10 /μl) HGB (g/dl) HCT (%) MCV (fl) MCH (pg) MCHC (g/dl) WBC: 全白血球数 RBC: 赤血球数 HGB: ヘモグロビン濃度 HCT: ヘマトクリット値 MCV: 平均赤血球容積 MCH: 平均赤血球ヘモグロビン MCHC: 平均赤血球ヘモグロビン濃度表中の値は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の例数 )

50 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 44 of 54 表 電気的傷害誘発血栓症ウサギモデルにおける VEGF Trap の血液学的パラメータに及ぼす影響 ( 続き ) Group/ Dose Vehicle VEGF Trap 0.3 mg/kg VEGF Trap 3.0 mg/kg VEGF Trap 30 mg/kg Mean Mean Mean Mean RDW (%) PLT (10 3 /μl) MPV (fl) PLY (%) APLY (10 3 /μl) LYM (%) ALYM (10 3 /μl) RDW: 赤血球分布幅 PLT: 血小板数 MPV: 平均血小板容積 PLY: 多形核好中球相対数 APLY: 多形核好中球絶対数 LYM: リンパ球相対数 ALYM: リンパ球絶対数表中の値は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の例数 ) 表 電気的傷害誘発血栓症ウサギモデルにおける VEGF Trap の血液学的パラメータに及ぼす影響 ( 続き ) Group/ Dose Vehicle VEGF Trap 0.3 mg/kg VEGF Trap 3.0 mg/kg VEGF Trap 30 mg/kg Mean Mean Mean Mean MO (%) AMO (10 3 /μl) EOS (%) AEOS (10 3 /μl) BSO (%) ABSO (10 3 /μl) MO: 単球相対数 AMO: 単球絶対数 EOS: 好酸球相対数 AEOS: 好酸球絶対数 BSO: 好塩基球相対数 ABSO: 好塩基球絶対数溶媒群からの有意差 : :P 0.05 (AOVA/Kruskal-Wallis and Dunnett/Dunn) 表中の値は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の例数 ) 好酸球相対数において 0.3mg/kg 群で溶媒群に比較し有意な増加が認められた しかし 試験開始前値 (2.2%) と同様な値であったこと 及び用量依存性がみられなかったことから この変化は生理的変動範囲内であり VEGF Trap 投与による影響とは考えられなかった

51 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 45 of 54 表 電気的傷害誘発血栓症ウサギモデルにおける VEGF Trap の血液学的パラメータに及ぼす影響 ( 続き ) Group/ Dose Vehicle VEGF Trap 0.3 mg/kg VEGF Trap 3.0 mg/kg VEGF Trap 30 mg/kg Mean Mean Mean Mean LUC (%) ALUC (10 3 /μl) RTC (%) ARTC (10 9 /L) LUC: 大型非染色細胞相対数 ALUC: 大型非染色細胞絶対数 RTC: 網状赤血球相対数 ARTC: 網状赤血球絶対数表中の値は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の例数 )

52 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 4 of 54 表 電気的傷害誘発血栓症ウサギモデルにおける VEGF Trap の心拍数に及ぼす影響 Time (minutes) Group/ Dose Vehicle VEGF Trap 0.3 mg/kg Heart rate VEGF Trap 3.0 mg/kg VEGF Trap 30 mg/kg Current Initiation Time Mean Mean Mean Mean Mean Mean Mean Mean A 1 70 Mean Mean A 1 80 Mean Mean A 1 90 Mean Mean Mean Mean A 1 7 Mean A 1 9 Mean A Mean A Mean A 1 A Mean 250 A A: 該当せず -: データなし 表中の値 ( 心拍数 回 / 分 ) は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の例数 )

53 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 47 of 54 表 電気的傷害誘発血栓症ウサギモデルにおける VEGF Trap の下行大動脈血流量に及ぼす影響 Time (minutes)* -50 Mean -40 Mean -30 Mean -20 Mean -10 Mean Current Initiation Time Mean Mean blood flow Group/ Dose Vehicle VEGF Trap 0.3 mg/kg 21.8 A A VEGF Trap 3.0 mg/kg VEGF Trap 30 mg/kg A: 該当せず -: データなし 表中の値 ( 血流量 ml/ 分 ) は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の例数 ) *: 血栓形成誘発後も下行大動脈血流量の測定を続けたが 電流を停止する時間及び血栓による閉塞の発現する時間は個体間で差異があったため 血栓形成誘発後の平均血流量については評価しなかった 表 電気的傷害誘発血栓症ウサギモデルにおける VEGF Trap の右頸静脈血流量に及ぼす影響 Time (minutes) * -50 Mean -40 Mean -30 Mean -20 Mean -10 Mean Current Initiation Time Mean Mean blood flow Group/ Dose Vehicle VEGF Trap 0.3 mg/kg 13.7 A A VEGF Trap 3.0 mg/kg VEGF Trap 30 mg/kg A: 該当せず -: データなし 表中の値 ( 血流量 ml/ 分 ) は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の例数 ) *: 血栓形成誘発後も右頸静脈血流量の測定を続けたが 電流を停止する時間及び血栓による閉塞の発現する時間は個体間で差異があったため 血栓形成誘発後の平均血流量については評価しなかった

54 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 48 of 54 表 電気的傷害誘発血栓症ウサギモデルにおける VEGF Trap の血栓形成開始から血栓性閉塞に至るまでの時間経過に及ぼす影響 Group/ Dose Vehicle VEGF Trap 0.3 mg/kg VEGF Trap 3.0 mg/kg VEGF Trap 30 mg/kg Mean Mean Mean Mean Descending aorta Time to occlusion Right jugular vein A A: 該当せず表中の値 ( 血栓性閉塞に至るまでの時間 分 ) は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の例数 ) 表 電気的傷害誘発血栓症ウサギモデルにおける VEGF Trap の血管重量 ( 血栓を含む ) に及ぼす影響 Group/ Dose Vehicle VEGF Trap 0.3 mg/kg VEGF Trap 3.0 mg/kg VEGF Trap 30 mg/kg Mean Mean Mean Mean Descending aorta Vessel weights Right jugular vein 表中の値 ( 血管重量 g) は平均値 ± 標準偏差 (:1 群の例数 )

55 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 49 of 54 表 ラットの呼吸機能に及ぼす VEGF Trap 単回静脈内持続投与の影響 Group/ Dose Respiratory rate (cycles /min) Time after Baseline Treatment T0 T30 T0 T90 T270 Day 7 Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg Theophilline Mean ** 32 *** 29 ** mg/kg Tidal (a.u.) volume Vehicle Mean VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg Theophilline Mean * 202 * mg/kg VEGF Trap 又は溶媒は T0 から T30 まで投与した テオフィリンは T0 から T20 まで投与した 表中の値は平均値 ± 標準偏差 (1 群 8 匹 ) 溶媒群からの有意差 : *: p<0.05, **: p<0.01 and ***: p<0.001 (AOVA and t-test)

56 2..2 薬理試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 50 of 54 表 ウサギの切開創治癒モデルにおける創傷の伸張強度に及ぼす VEGF Trap の影響 Group umber Test Maximum Load () Material (%) a) (%) a) (%) a) Day 4 Day 8 Day % acl Mean Vehicle Mean control VEGF Trap Mean * mg/kg VEGF Trap Mean mg/kg VEGF Trap Mean * mg/kg ote: A mean with * indicates a significant difference from Group 2 (control) mean at a confidence level of 95% (AOVA/Kruskal-Wallis and Dunnett/Dunn) ote: a) indicates % inhibition compared to Group 2 (control) 図 ウサギの切開創治癒モデルにおける血管密度に及ぼす VEGF Trap の影響 Group 1: 2.0mg/kg Dexamethasone, Group 2: 0.9% acl, Group 3: vehicle control, Group 4: 0.3mg/kg VEGF Trap, Group 5: 3mg/kg VEGF Trap, Group : 30mg/kg VEGF Trap

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す 日本標準商品分類番号 872491 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制することが示されたが 血管新生に対するカリジノゲナーゼの影響を評価した報告はない そこで今回 網膜血管新生に対するカリジノゲナーゼの役割を同定するため

More information

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http 脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2009-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/124054 Right Type Thesis or

More information

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社 オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社 Page 2 2.1 CTD の目次 ( 第 2 部から第 5 部 ) 第 2 部 :CTD の概要 ( サマリー ) 2.1 CTD の目次 ( 第 2 部から第 5 部 ) 2.2 諸言 2.3 品質に関する概括資料 2.3.I 諸言 2.3.S 原薬 ( オクスカルバゼピン,

More information

能性を示した < 方法 > M-CSF RANKL VEGF-C Ds-Red それぞれの全長 cdnaを レトロウイルスを用いてHeLa 細胞に遺伝子導入した これによりM-CSFとDs-Redを発現するHeLa 細胞 (HeLa-M) RANKLと Ds-Redを発現するHeLa 細胞 (HeL

能性を示した < 方法 > M-CSF RANKL VEGF-C Ds-Red それぞれの全長 cdnaを レトロウイルスを用いてHeLa 細胞に遺伝子導入した これによりM-CSFとDs-Redを発現するHeLa 細胞 (HeLa-M) RANKLと Ds-Redを発現するHeLa 細胞 (HeL 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 秦野雄 論文審査担当者 主査竹田秀副査北川昌伸 山口朗 論文題目 Tumor associated osteoclast-like giant cells promote tumor growth and lymphangiogenesis by secreting vascular endothelial growth factor-c ( 論文内容の要旨 )

More information

テイカ製薬株式会社 社内資料

テイカ製薬株式会社 社内資料 テイカ製薬株式会社社内資料 アレルギー性結膜炎治療剤トラニラスト点眼液.5% TS TRANILAST Ophthalmic Solution.5% TS 生物学的同等性に関する資料 発売元 : 興和株式会社 製造販売元 : テイカ製薬株式会社 9 年 月作成 TSTR5BE9 ラット及びモルモットアレルギー性結膜炎モデルにおける生物学的同等性試験 Ⅰ. 試験の目的トラニラスト点眼液.5% TS および標準製剤の生物学的同等性をラット受動感作アレルギー性結膜炎モデル及びモルモット能動感作アレルギー性結膜炎モデルを用い薬力学的に検討した

More information

2.4 非臨床試験の概括評価 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 非臨床試験の概括評価の目次 非臨床試験計画概略 薬理試験 効力を裏付ける試験 In vitro における

2.4 非臨床試験の概括評価 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 非臨床試験の概括評価の目次 非臨床試験計画概略 薬理試験 効力を裏付ける試験 In vitro における Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 26 の目次 2.4.1 非臨床試験計画概略... 4 2.4.2 薬理試験... 6 2.4.2.1 効力を裏付ける試験... 6 2.4.2.1.1 In vitro における VEGF Trap の作用... 6 2.4.2.1.2 In vivo における VEGF Trap の作用... 6 2.4.2.2 副次的薬理試験...

More information

微小粒子状物質曝露影響調査報告書

微小粒子状物質曝露影響調査報告書 (7)PM 2.5 抽出物が高血圧ラットの呼吸 循環機能に及ぼす影響に関する研究 要旨大気環境中の浮遊粒子状物質の吸入により 呼吸器系のみならず心臓血管系に対するリスクが高まることが指摘されているが十分に明らかにされてはいない そこで 心臓血管系の病態モデルとして自然発症高血圧ラット (SHR:Spontaneous Hypertensive Rat) を用いて 抽出物及び 抽出物の影響について気管内投与を行い検討した

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > platelet derived growth factor (PDGF 血小板由来成長因子)-C,

More information

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 朝日通雄 恒遠啓示 副査副査 瀧内比呂也谷川允彦 副査 勝岡洋治 主論文題名 Topotecan as a molecular targeting agent which blocks the Akt and VEGF cascade in platinum-resistant ovarian cancers ( 白金製剤耐性卵巣癌における

More information

グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ

グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ 薬効薬理 1. 作用機序 アナグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ -4(DPP-4) の競合的かつ可逆的な選択的阻害剤である インクレチンであるグルカゴン様ペプチド-1(GL P-1) 及びグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド (GI P) は グルコース依存的なインスリン分泌促進作用やグルカゴン分泌抑制作用等 ( 主にGLP-1の作用 ) を有するが 24) DPP-4により分解されて活性を失う

More information

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で ( 様式甲 5) 氏 名 髙井雅聡 ( ふりがな ) ( たかいまさあき ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Crosstalk between PI3K and Ras pathways via 学位論文題名 Protein Phosphatase 2A in human

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial Hyperglycemia-Induced Pathological Changes Induced by Intermittent

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 森脇真一 井上善博 副査副査 東 治 人 上 田 晃 一 副査 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independent rejection of D d -, K d -, or D d K d -transgened mouse skin

More information

Microsoft Word - FHA_13FD0159_Y.doc

Microsoft Word - FHA_13FD0159_Y.doc 1 要約 Pin1 inhibitor PiB prevents tumor progression by inactivating NF-κB in a HCC xenograft mouse model (HCC 皮下移植マウスモデルにおいて Pin1 インヒビターである PiB は NF-κB 活性を低下させることにより腫瘍進展を抑制する ) 千葉大学大学院医学薬学府先端医学薬学専攻 ( 主任

More information

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関 Title 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 大西, 正俊 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2010-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/120523 Right Type Thesis or Dissertation

More information

第6号-2/8)最前線(大矢)

第6号-2/8)最前線(大矢) 最前線 免疫疾患における創薬標的としてのカリウムチャネル 大矢 進 Susumu OHYA 京都薬科大学薬理学分野教授 異なる経路を辿る 1つは マイトジェンシグナル 1 はじめに を活性化し 細胞増殖が促進されるシグナル伝達経 路 図1A 右 であり もう1つはカスパーゼやエ 神 経 筋 の よ う な 興 奮 性 細 胞 で は カ リ ウ ム ンドヌクレアーゼ活性を上昇させ アポトーシスが K

More information

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - がんやウイルスなど身体を蝕む病原体から身を守る物質として インターフェロン が注目されています このインターフェロンのことは ご存知の方も多いと思いますが 私たちが生まれながらに持っている免疫をつかさどる物質です 免疫細胞の情報の交換やウイルス感染に強い防御を示す役割を担っています

More information

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 12 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 免疫の要 NF-κB の活性化シグナルを増幅する機構を発見 - リン酸化酵素 IKK が正のフィーッドバックを担当 - 身体に病原菌などの異物 ( 抗原 ) が侵入すると 誰にでも備わっている免疫システムが働いて 異物を認識し 排除するために さまざまな反応を起こします その一つに 免疫細胞である B 細胞が

More information

緒言

緒言 CERA 2.2 緒言 Page 1 ミルセラ注シリンジ25 μg ミルセラ注シリンジ50 μg ミルセラ注シリンジ75 μg ミルセラ注シリンジ100 μg ミルセラ注シリンジ150 μg ミルセラ注シリンジ200 μg ミルセラ注シリンジ250 μg [ 腎性貧血 ] 第 2 部 CTD の概要 ( サマリー ) 2.2 緒言 中外製薬株式会社 CERA 2.2 緒言 Page 2 目次頁 2.2

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a murine model of rheumatoid arthritis ( 論文内容の要旨 ) < 要旨

More information

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM

く 細胞傷害活性の無い CD4 + ヘルパー T 細胞が必須と判明した 吉田らは 1988 年 C57BL/6 マウスが腹腔内に移植した BALB/c マウス由来の Meth A 腫瘍細胞 (CTL 耐性細胞株 ) を拒絶すること 1991 年 同種異系移植によって誘導されるマクロファージ (AIM ( 様式甲 5) 氏 名 山名秀典 ( ふりがな ) ( やまなひでのり ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 26 年 7 月 30 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 Down-regulated expression of 学位論文題名 monocyte/macrophage major histocompatibility

More information

トリアムシノロンアセトニド マキュエイド硝子体内注用 40mg 医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請書 添付資料 CTD 第 2 部 ( 資料概要 ) 2.6 非臨床試験の概要文及び概要表 薬物動態試験の概要文 わかもと製薬株式会社 1

トリアムシノロンアセトニド マキュエイド硝子体内注用 40mg 医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請書 添付資料 CTD 第 2 部 ( 資料概要 ) 2.6 非臨床試験の概要文及び概要表 薬物動態試験の概要文 わかもと製薬株式会社 1 トリアムシノロンアセトニド マキュエイド硝子体内注用 40mg 医薬品製造販売承認事項一部変更承認申請書 添付資料 CTD 第 2 部 ( 資料概要 ) 2.6 非臨床試験の概要文及び概要表 2.6.4 薬物動態試験の概要文 わかもと製薬株式会社 1 2.6.4 薬物動態試験の概要文マキュエイド硝子体内注用 目次 2.6.4 薬物動態試験の概要文... 4 2.6.4.1 まとめ... 4 2.6.4.2

More information

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 奥橋佑基 論文審査担当者 主査三浦修副査水谷修紀 清水重臣 論文題目 NOTCH knockdown affects the proliferation and mtor signaling of leukemia cells ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 目的 : sirna を用いた NOTCH1 と NOTCH2 の遺伝子発現の抑制の 白血病細胞の細胞増殖と下流のシグナル伝達系に対する効果を解析した

More information

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規 論文の内容の要旨 論文題目アンジオテンシン受容体拮抗薬テルミサルタンの メタボリックシンドロームに対する効果の検討 指導教員門脇孝教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 19 年 4 月入学 医学博士課程 内科学専攻 氏名廣瀬理沙 要旨 背景 目的 わが国の死因の第二位と第三位を占める心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を引き起こす基盤となる病態として 過剰なエネルギー摂取と運動不足などの生活習慣により内臓脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満を中心に

More information

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問 フェキソフェナジン塩酸塩錠 6mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにフェキソフェナジン塩酸塩は 第二世代抗ヒスタミン薬の一つであり 抗原抗体反応に伴って起こる肥満細胞からのヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制すると共に ヒスタミンの H1 作用に拮抗することにより アレルギー症状を緩和する 今回 フェキソフェナジン塩酸塩錠 6mg

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 大道正英 髙橋優子 副査副査 岡 田 仁 克 辻 求 副査 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent transforming growth factor- binding protein-4 is downregulated in breast

More information

<4D F736F F D F4390B38CE3816A90528DB88C8B89CA2E646F63>

<4D F736F F D F4390B38CE3816A90528DB88C8B89CA2E646F63> 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 論文題目 主査 荒川真一 御給美沙 副査木下淳博横山三紀 Thrombospondin-1 Production is Enhanced by Porphyromonas gingivalis Lipopolysaccharide in THP-1 Cells ( 論文の内容の要旨 ) < 要旨 > 歯周炎はグラム陰性嫌気性細菌によって引き起こされる慢性炎症性疾患であり

More information

TDM研究 Vol.26 No.2

TDM研究 Vol.26 No.2 測定した また Scrは酵素法にて測定し その参考基 r =0.575 p

More information

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形

の活性化が背景となるヒト悪性腫瘍の治療薬開発につながる 図4 研究である 研究内容 私たちは図3に示すようなyeast two hybrid 法を用いて AKT分子に結合する細胞内分子のスクリーニングを行った この結果 これまで機能の分からなかったプロトオンコジン TCL1がAKTと結合し多量体を形 AKT活性を抑制するペプチ ド阻害剤の開発 野口 昌幸 北海道大学遺伝子病制御研究所 教授 広村 信 北海道大学遺伝子病制御研究所 ポスドク 岡田 太 北海道大学遺伝子病制御研究所 助手 柳舘 拓也 株式会社ラボ 研究員 ナーゼAKTに結合するタンパク分子を検索し これまで機能の 分からなかったプロトオンコジンTCL1がAKTと結合し AKT の活性化を促す AKT活性補助因子 であることを見い出し

More information

Untitled

Untitled 上原記念生命科学財団研究報告集, 25 (2011) 86. 線虫 C. elegans およびマウスをモデル動物とした体細胞レベルで生じる性差の解析 井上英樹 Key words: 性差, ストレス応答,DMRT 立命館大学生命科学部生命医科学科 緒言性差は雌雄の性に分かれた動物にみられ, 生殖能力の違いだけでなく形態, 行動などそれぞれの性の間でみられる様々な差異と定義される. 性差は, 形態や行動だけでなく疾患の発症リスクの男女差といった生理的なレベルの差異も含まれる.

More information

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性 2012 年 1 月 4 日放送 抗菌薬の PK-PD 愛知医科大学大学院感染制御学教授三鴨廣繁抗菌薬の PK-PD とは薬物動態を解析することにより抗菌薬の有効性と安全性を評価する考え方は アミノ配糖体系薬などの副作用を回避するための薬物血中濃度モニタリング (TDM) の分野で発達してきました 近年では 耐性菌の増加 コンプロマイズド ホストの増加 新規抗菌薬の開発の停滞などもあり 現存の抗菌薬をいかに科学的に使用するかが重要な課題となっており

More information

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 6459 8. その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May. 2017 EGFR 遺伝子変異検査 ( 院内測定 ) c-erbb/egfr [tissues] 基本情報 8C051 c-erbb/egfr JLAC10 診療報酬 分析物 識別材料測定法

More information

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d 2015 5 7 201410 28 TNF 阻害薬 TNFFab シムジア 皮下注 200mg シリンジ Cimzia 200mg Syringe for S.C. Injection セルトリズマブペゴル ( 遺伝子組換え ) 製剤 873999 22400AMX01488000 20132 20133 20155 20079 警告 1. 2. 1 2 X - CT 3. TNF 4. 1 禁忌

More information

プロトコール集 ( 研究用試薬 ) < 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫

プロトコール集 ( 研究用試薬 ) < 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫 < 目次 > 免疫組織染色手順 ( 前処理なし ) p2 免疫組織染色手順 ( マイクロウェーブ前処理 ) p3 免疫組織染色手順 ( オートクレーブ前処理 ) p4 免疫組織染色手順 ( トリプシン前処理 ) p5 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理 ) p6 免疫組織染色手順 ( ギ酸処理後 マイクロウェーブまたはオートクレーブ処理 )p7 抗原ペプチドによる抗体吸収試験 p8 ウエスタン ブロッティング

More information

報告にも示されている. 本研究では,S1P がもつ細胞遊走作用に着目し, ヒト T 細胞のモデルである Jurkat 細胞を用いて血小板由来 S1P の関与を明らかにすることを目的とした. 動脈硬化などの病態を想定し, 血小板と T リンパ球の細胞間クロストークにおける血小板由来 S1P の関与につ

報告にも示されている. 本研究では,S1P がもつ細胞遊走作用に着目し, ヒト T 細胞のモデルである Jurkat 細胞を用いて血小板由来 S1P の関与を明らかにすることを目的とした. 動脈硬化などの病態を想定し, 血小板と T リンパ球の細胞間クロストークにおける血小板由来 S1P の関与につ 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 伊井野潤子 論文審査担当者 主査窪田哲朗副査戸塚実, 小山高敏 論文題目 Platelet-derived sphingosine 1-phosphate induces migration of Jurkat T cells ( 血小板由来スフィンゴシン 1-リン酸は Jurkat T cell の遊走を促進する ) ( 論文内容の要旨 ) < 結言 > リゾリン脂質はさまざまな生理学的作用および病態生理学的作用に関与する脂質メディエーターである.

More information

新規 P2X4 受容体アンタゴニスト NCP-916 の鎮痛作用と薬物動態に関する検討 ( 分野名 : ライフイノベーション分野 ) ( 学籍番号 )3PS1333S ( 氏名 ) 小川亨 序論 神経障害性疼痛とは, 体性感覚神経系の損傷や疾患によって引き起こされる痛みと定義され, 自発痛やアロディ

新規 P2X4 受容体アンタゴニスト NCP-916 の鎮痛作用と薬物動態に関する検討 ( 分野名 : ライフイノベーション分野 ) ( 学籍番号 )3PS1333S ( 氏名 ) 小川亨 序論 神経障害性疼痛とは, 体性感覚神経系の損傷や疾患によって引き起こされる痛みと定義され, 自発痛やアロディ 九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository 新規 P2X4 受容体アンタゴニスト NCP-916 の鎮痛作用と薬物動態に関する検討 小川, 亨 http://hdl.handle.net/2324/178378 出版情報 : 九州大学, 216, 博士 ( 創薬科学 ), 課程博士バージョン : 権利関係 : やむを得ない事由により本文ファイル非公開

More information

Microsoft Word - 第14回定例会_平田様_final .doc

Microsoft Word - 第14回定例会_平田様_final .doc クロスオーバー実験のデザインと解析 - テレメトリー法によ る QT/QTc 試験の実データを用いた検討 - II. クロスオーバー実験の統計解析 4) 有意差検定と信頼区間方式の解析の比較 平田篤由 薬理統計グループ安全性薬理チーム 要約 : ヒトの QT/QTc 評価試験における判断基準は,QTc 間隔の 95% 信頼区間の上限が 10ms を越えるかどうかである. 一方, 非臨床試験のイヌを用いたテレメトリー

More information

検査項目情報 トータルHCG-β ( インタクトHCG+ フリー HCG-βサブユニット ) ( 緊急検査室 ) chorionic gonadotropin 連絡先 : 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10)

検査項目情報 トータルHCG-β ( インタクトHCG+ フリー HCG-βサブユニット ) ( 緊急検査室 ) chorionic gonadotropin 連絡先 : 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) chorionic gonadotropin 連絡先 : 3479 2-2908 基本情報 ( 標準コード (JLAC10) ) 基本情報 ( 診療報酬 ) 標準コード (JLAC10) 診療報酬 分析物 9186 4. 内分泌学的検査 >> 4F. 性腺 胎盤ホルモンおよび結合蛋白 >> 4F090. Ver.2 4F090 HCGβ サブユニット (β-hcg) 特掲診療料 >> 検査 >> 検体検査料

More information

60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起

60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起こされる病態です 免疫力が低下している場合に 急性腎盂腎炎や肺炎 急性白血病 肝硬変 悪性腫瘍などさまざまな疾患によって誘発され

More information

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ 再発した前立腺癌の増殖を制御する新たな分子メカニズムの発見乳癌治療薬が効果的 発表者筑波大学先端領域学際研究センター教授柳澤純 (junny@agbi.tsukuba.ac.jp TEL: 029-853-7320) ポイント 女性ホルモンが制御する新たな前立腺癌の増殖 細胞死メカニズムを発見 女性ホルモン及び女性ホルモン抑制剤は ERβ 及び KLF5 を通じ FOXO1 の発現量を変化することで前立腺癌の増殖

More information

論文の内容の要旨

論文の内容の要旨 1. 2. 3. 4. 5. 6. WASP-interacting protein(wip) CR16 7. 8..pdf Adobe Acrobat WINDOWS2000 論文の内容の要旨 論文題目 WASP-interacting protein(wip) ファミリー遺伝子 CR16 の機能解析 氏名坂西義史 序 WASP(Wiskott-Aldrich syndrome protein)

More information

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63>

<4D F736F F D B82C982C282A282C482512E646F63> サンプル条件および固定化分子の選択 Biacoreの実験ではセンサーチップに固定化する分子をリガンド それに対して結合を測定する分子をアナライトと呼びます いずれの分子をリガンドとし アナライトとするかは 実験系を構築する上で重要です 以下にサンプルに適したリガンド アナライトの設計方法やサンプルの必要条件などをご紹介します アナライト リガンド センサーチップ (1) タンパク質リガンドとしてもアナライトとしても用いることができます

More information

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2 ロスバスタチン錠 mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロスバスタチンは HMG-CoA 還元酵素を競合的に阻害することにより HMG-CoA のメバロン酸への変更を減少させ コレステロール生合成における早期の律速段階を抑制する高コレステロール血症治療剤である 今回 ロスバスタチン錠 mg TCK とクレストール 錠 mg の生物学的同等性を検討するため

More information

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 # 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 # 5 酸化マグネシ

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 # 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 # 5 酸化マグネシ 医療用医薬品最新品質情報集 ( ブルーブック ) 2017.7.7 初版 有効成分 酸化マグネシウム 品目名 ( 製造販売業者 ) 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 後発医薬品 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 5 酸化マグネシウム錠 250mg ケンエー

More information

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに吸収され 体内でもほとんど代謝を受けない頻脈性不整脈 ( 心室性 ) に優れた有効性をもつ不整脈治療剤である

More information

Microsoft Word - 第14回定例会_金納様_final.doc

Microsoft Word - 第14回定例会_金納様_final.doc クロスオーバー実験のデザインと解析 - テレメトリー法による QT/QTc 試験の実データを用いた検討 - I. テレメトリー法による QT/QTc 試験について 1) イヌを用いたテレメトリー QT/QTc 試験の実際 金納明宏 薬理統計グループ安全性薬理チーム 要約 : 医薬品開発の非臨床試験で, 安全性薬理試験の QT/QTc 延長を評価する in vivo テレメトリー試験は, ヒトでの不整脈発現を評価する上で非常に重要な試験である.

More information

リーなどアブラナ科野菜の摂取と癌発症率は逆相関し さらに癌病巣の拡大をも抑制する という報告がみられる ブロッコリー発芽早期のスプラウトから抽出されたスルフォラフ ァン (sulforaphane, 1-isothiocyanato-4-methylsulfinylbutane) は強力な抗酸化作用

リーなどアブラナ科野菜の摂取と癌発症率は逆相関し さらに癌病巣の拡大をも抑制する という報告がみられる ブロッコリー発芽早期のスプラウトから抽出されたスルフォラフ ァン (sulforaphane, 1-isothiocyanato-4-methylsulfinylbutane) は強力な抗酸化作用 論文内容の要旨 論文題目 The beneficial effects of sulforaphane on the vascular functions 和訳スルフォラファンの血管保護作用に関する研究指導教員永井良三教授東京大学大学院医科系研究科平成 19 年 4 月入学医学博士課程内科学専攻氏名稲島司 1. 背景 心血管疾患の多くは動脈硬化に起因し 日本をはじめとする先進諸国において死亡原因 の高い割合を占める

More information

2.4 非臨床試験の概括評価エクリズマブ エクリズマブ ソリリス点滴静注 300mg 第 2 部 CTD の概要 2.4 非臨床試験の概括評価 アレクシオンファーマ合同会社

2.4 非臨床試験の概括評価エクリズマブ エクリズマブ ソリリス点滴静注 300mg 第 2 部 CTD の概要 2.4 非臨床試験の概括評価 アレクシオンファーマ合同会社 エクリズマブ ソリリス点滴静注 300mg 第 2 部 CTD の概要 2.4 非臨床試験の概括評価 アレクシオンファーマ合同会社 目次 2.4 非臨床試験の概括評価... 3 2.4.1 非臨床試験計画概略... 3 2.4.2 総括及び結論... 5 2.4.3 参考文献... 7 頁 2 / 7 2.4 非臨床試験の概括評価 2.4.1 非臨床試験計画概略 非臨床試験に関する情報は 2010

More information

モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の特性と

モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の特性と 実験動物における免疫組織化学染色 ~ マウス組織を中心に ~ 1) 1,2) 1) 川井健司, 中村雅登, 玉置憲一 1. 財団法人実験動物中央研究所, 2. 東海大学医学部基盤診療学系病理診断学 はじめに動物を使った実験というのは, 医学の研究者および新薬の開発を目指す研究者にとって欠かせないものであり, その実験の素材となるのが 実験動物 である. 実験動物として使用される動物は多種類の動物が使用されており,

More information

<4D F736F F F696E74202D2097D58FB08E8E8CB1838F815B834E F197D58FB E96D8816A66696E616C CF68A4A2E >

<4D F736F F F696E74202D2097D58FB08E8E8CB1838F815B834E F197D58FB E96D8816A66696E616C CF68A4A2E > 再生医療等製品の非臨床安全性評価の考え方 ex vivo 遺伝子治療を中心に 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 (PMDA) 再生医療製品等審査部 真木一茂 様式 1-B 第 24 回日本遺伝子細胞治療学会学術集会 CO I 開示 発表者名 : 真木一茂 演題発表に関連し 開示すべき CO I 関係にある企業などはありません 2 1 本日の話 1.Ex vivo 遺伝子治療について 2. 治験開始に必要な非臨床試験

More information

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK の生物学的同等性試験 ( 口中溶解後 水なし投与 ) バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにモンテルカストナトリウムは アレルギーのメディエーターの 1 つであるロイコトリエン (LT) の受容体の内 cyslt1 受容体を遮断する抗アレルギー薬である 今回 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg の生物学的同等性を検討するため

More information

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果 RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果 Poly I:C により一部の樹状細胞にネクローシス様の細胞死が誘導されること さらにこの細胞死がシグナル伝達経路の活性化により制御されていることが分かりました

More information

Microsoft PowerPoint - 新技術説明会配付資料rev提出版(後藤)修正.pp

Microsoft PowerPoint - 新技術説明会配付資料rev提出版(後藤)修正.pp 食品の抗アレルギー活性評価に利用できる マウスモデルの紹介 農研機構食品総合研究所 食品機能研究領域主任研究員 後藤真生 農研機構 は独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネームです 国民の 1/3 はアレルギー症状を自覚している 1 アレルギー症状なし (59.1%) 皮膚 呼吸器 目鼻いずれかのアレルギー症状あり (35.9%) 医療機関に入院 通院中 (58.2%) (

More information

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム 平成 30 年度医科学専攻共通科目 共通基礎科目実習 ( 旧コア実習 ) 概要 1 ). 大学院生が所属する教育研究分野における実習により単位認定可能な実習項目 ( コア実習項目 ) 1. 組換え DNA 技術実習 2. 生体物質の調製と解析実習 3. 薬理学実習 4. ウイルス学実習 5. 免疫学実習 6. 顕微鏡試料作成法実習 7. ゲノム医学実習 8. 共焦点レーザー顕微鏡実習 2 ). 実習を担当する教育研究分野においてのみ単位認定可能な実習項目

More information

2.6.4 薬物動態試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 薬物動態試験の概要文の目次 まとめ 分析法 血漿中 rfⅧ 濃度の測定 薬物動態データ

2.6.4 薬物動態試験の概要文 Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 薬物動態試験の概要文の目次 まとめ 分析法 血漿中 rfⅧ 濃度の測定 薬物動態データ Bayer Yakuhin, Ltd. Page 1 of 15 の目次 2.6.4.1 まとめ... 2 2.6.4.2 分析法... 3 2.6.4.2.1 血漿中 rfⅧ 濃度の測定... 3 2.6.4.2.2 薬物動態データの取り扱い... 4 2.6.4.3 吸収... 5 2.6.4.3.1 単回投与後の薬物動態... 5 2.6.4.3.1.1 ラット... 5 2.6.4.3.1.2

More information

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を 解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を進展させるしくみを解明 難治がんである悪性黒色腫の新規分子標的治療法の開発に期待 ポイント 難治がんの一つである悪性黒色腫

More information

cover

cover 旭川医科大学研究フォーラム (2016.3) 16:42-45. 平成 25 26 年度 独創性のある生命科学研究 個別研究課題 24) 脂肪組織由来幹細胞を用いた低浸襲細胞治療に関する研究 岡久美子 24) 脂肪組織由来幹細胞を用いた低侵襲細胞治療に関する研究研究代表者岡久美子 研究目的 細胞治療は骨再建 再生を低侵襲 効率的に行うために有用である 近年 脂肪組織に含まれる体性幹細胞 (Adiposederivedstem

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Insulin-like growth factor ( 以下 IGF)

More information

Taro-kv12250.jtd

Taro-kv12250.jtd ニューカッスル病 マレック病 ( ニューカッスル病ウイルス由来 F 蛋白遺伝子導入マレック病ウイルス 1 型 ) 凍結生ワクチン 平成 22 年 8 月 12 日 ( 告示第 2288 号 ) 新規追加 ニューカッスル病ウイルスのF 蛋白をコードする遺伝子を弱毒マレック病ウイルス (1 型 ) に挿入して得られた組換え体ウイルスを培養細胞で増殖させて得た感染細胞浮遊液を凍結したワクチンである 1 小分製品の試験

More information

報道発表資料 2007 年 4 月 11 日 独立行政法人理化学研究所 傷害を受けた網膜細胞を薬で再生する手法を発見 - 移植治療と異なる薬物による新たな再生治療への第一歩 - ポイント マウス サルの網膜の再生を促進することに成功 網膜だけでなく 難治性神経変性疾患の再生治療にも期待できる 神経回

報道発表資料 2007 年 4 月 11 日 独立行政法人理化学研究所 傷害を受けた網膜細胞を薬で再生する手法を発見 - 移植治療と異なる薬物による新たな再生治療への第一歩 - ポイント マウス サルの網膜の再生を促進することに成功 網膜だけでなく 難治性神経変性疾患の再生治療にも期待できる 神経回 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 4 月 11 日 独立行政法人理化学研究所 傷害を受けた網膜細胞を薬で再生する手法を発見 - 移植治療と異なる薬物による新たな再生治療への第一歩 - 五感の中でも 視覚 は 私たちが世界を感知するためにとても重要です この視覚をもたらすのが眼 その構造と機能は よく カメラ にたとえられ レンズの役目 水晶体 を通して得られる光の情報を フイルムである

More information

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 6 月 23 日 独立行政法人理化学研究所 独立行政法人科学技術振興機構 細胞内のカルシウムチャネルに情報伝達を邪魔する 偽結合体 を発見 - IP3 受容体に IP3 と競合して結合するタンパク質 アービット の機能を解明 - 細胞分裂 細胞死 受精 発生など 私たちの生の営みそのものに関わる情報伝達は 細胞内のカルシウムイオンの放出によって行われています

More information

Microsoft Word - Dr. Abe.doc

Microsoft Word - Dr. Abe.doc 3 ステップ アビジン - ビオチンシステム (SAB 法 ) とポリマー法 慶應義塾大学医学部病理学教室阿部仁 はじめに 免疫組織化学は Coons らが蛍光色素を抗体に標識した蛍光抗体法の技術を確立してから Singers のフェリチン抗体法を経て 1967 年に Nakane と Pierce により標識物質に西洋ワサビペルオキシダーゼ (horseradish peroxidase:hrp)

More information

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血 報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血管に溜まっていくことが動脈硬化の原因となる 3. マクロファージ内に存在するたんぱく質 MafB は

More information

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果 2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果汁飲料 ) の飲用試験を実施した結果 アトピー性皮膚炎症状を改善する効果が確認されました なお 本研究成果は

More information

学位論文の要約

学位論文の要約 学位論文内容の要約 愛知学院大学 甲第 678 号論文提出者土屋範果 論文題目 骨芽細胞におけるずり応力誘発性 細胞内 Ca 2+ 濃度上昇へのグルタミン酸の関与 No. 1 愛知学院大学 Ⅰ. 緒言 矯正歯科治療時には機械刺激により骨リモデリングが誘発される 機械 刺激が骨リモデリングや骨量の制御因子の一つであることはよく知られて いるが 骨関連細胞が機械刺激を感受する分子機構は十分に明らかにされ

More information

研究成果報告書

研究成果報告書 ABO Transpl. Immunol., 20: 132 138, 2009 ABO 1 1. 2 ABO 2. A B 4 A B 3a,b 8 3c 8 BATP A B RBC HA 3d BATP A B 3e,f 8 BATP HA A B A および B 抗体の結合を約 60%阻害した 次に BATP でブロッキングした A/B 型腎組 HA 活性阻害効果および抗血液型抗体結合 織における抗

More information

平成14年度研究報告

平成14年度研究報告 平成 14 年度研究報告 研究テーマ 多嚢胞性卵巣発症に関する遺伝性素因の解析 - PCO の解析 - 北海道大学大学院医学研究科 助手菅原照夫 現所属 : 北海道大学大学院医学研究科 医学部連携研究センター サマリー 多嚢胞性卵巣 (PCO) は生殖可能年齢の婦人の 5 10% に発症する内分泌疾患である 臨床症状は 月経不順 多毛 肥満 排卵障害が主な特徴であり 難治性の不妊症の主な原因である

More information

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or 33 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 2015 年第 2 版 NCCN.org NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) の Lugano

More information

<4D F736F F D20322E CA48B8690AC89CA5B90B688E38CA E525D>

<4D F736F F D20322E CA48B8690AC89CA5B90B688E38CA E525D> PRESS RELEASE(2017/07/18) 九州大学広報室 819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp URL:http://www.kyushu-u.ac.jp 造血幹細胞の過剰鉄が血液産生を阻害する仕組みを解明 骨髄異形成症候群の新たな治療法開発に期待 - 九州大学生体防御医学研究所の中山敬一主幹教授

More information

Microsoft Word _2180AMY10104_K104_1.doc

Microsoft Word _2180AMY10104_K104_1.doc アボネックス 筋注用シリンジ ( インターフェロン β-1a) 第 2 部 CTD 概要 ジェンザイム ジャパン株式会社 目次 2.7.6.1 個々の試験の一覧... 1 2.7.6.2 個々の試験の概要 2.7.6.2.1 試験 C90-042 の概要外国人健康志願者における IFNβ-1a(XG90xx) の用量漸増試験 ( 試験報告書 5.3.1.1-1)... 7 2.7.6.2.2 試験

More information

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル 1mg は 1 カプセル中ロペラミド塩酸塩 1 mg を含有し消化管から吸収されて作用を発現する このことから

More information

ルグリセロールと脂肪酸に分解され吸収される それらは腸上皮細胞に吸収されたのちに再び中性脂肪へと生合成されカイロミクロンとなる DGAT1 は腸管で脂質の再合成 吸収に関与していることから DGAT1 KO マウスで認められているフェノタイプが腸 DGAT1 欠如に由来していることが考えられる 実際

ルグリセロールと脂肪酸に分解され吸収される それらは腸上皮細胞に吸収されたのちに再び中性脂肪へと生合成されカイロミクロンとなる DGAT1 は腸管で脂質の再合成 吸収に関与していることから DGAT1 KO マウスで認められているフェノタイプが腸 DGAT1 欠如に由来していることが考えられる 実際 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 津田直人 論文審査担当者 主査下門顕太郎副査吉田雅幸横関博雄 論文題目 Intestine-Targeted DGAT1 Inhibition Improves Obesity and Insulin Resistance without Skin Aberrations in Mice ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Diacylglycerol O-acyltransferase

More information

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達 60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - カビが猛威を振るう梅雨の季節 この時期に限って喘息がでるんですよ というあなたは カビ アレルギー アレルギーを引き起こす原因物質は ハウスダストや食べ物 アクセサリなどとさまざまで この季節だけではない

More information

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析 論文題目 腸管分化に関わる microrna の探索とその発現制御解析 氏名日野公洋 1. 序論 microrna(mirna) とは細胞内在性の 21 塩基程度の機能性 RNA のことであり 部分的相補的な塩基認識を介して標的 RNA の翻訳抑制や不安定化を引き起こすことが知られている mirna は細胞分化や増殖 ガン化やアポトーシスなどに関与していることが報告されており これら以外にも様々な細胞諸現象に関与していると考えられている

More information

-119-

-119- -119- - 日中医学協会助成事業 - 前立腺がんの造骨性骨転移のメカニズム解明 研究者氏名中国所属機関日本研究機関指導責任者共同研究者 王麗楊中国医科大学大阪大学歯学研究科教授米田俊之相野誠 要旨 近年日本の男性において急増している前立腺がんは死亡率の第 2 位にランクされている 80% 以上の前立腺癌は造骨性の骨転移を示し 患者の QOL および生存期間を著しく低下させる 前立腺がん発生のメカニズムには未だ不明な点が多く

More information

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する 糖鎖の新しい機能を発見 : 補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する ポイント 神経細胞上の糖脂質の糖鎖構造が正常パターンになっていないと 細胞膜の構造や機能が障害されて 外界からのシグナルに対する反応や攻撃に対する防御反応が異常になることが示された 細胞膜のタンパク質や脂質に結合している糖鎖の役割として 補体の活性のコントロールという新規の重要な機能が明らかになった 糖脂質の糖鎖が欠損すると

More information

中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適

中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適 中医協総 - 3 3 1. 3. 2 7 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適用に係る今後の対応について 再生医療等製品の保険適用に関する当面の間の対応 薬事法改正後に承認 ( 条件

More information

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお 2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎においてはかゆみが診断基準の基本項目にもあげられる重要な要素となっています 執拗なかゆみの持続により 集中力の低下や不眠が生じ日常生活に悪影響を及ぼし

More information

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日) 平成 28 年 5 月 26 日 肺がんに対する新たな分子標的治療を発見! 本研究成果のポイント 肺がんのうち 5% 程度を占める KRAS( 1) 遺伝子変異肺がんは, 上皮間葉移行 ( 2) 状態により上皮系と間葉系の 2 種類に分類される KRAS 遺伝子変異を有する肺がんに対し現在臨床試験中の MEK 阻害薬は, 投与後に細胞表面受容体を活性化することにより効果が減弱され, 活性化される細胞表面受容体は上皮間葉移行状態により異なる

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション パーキンソン病患者の認知 障害を正常化する薬 帯広畜産大学獣医学研究部門基礎獣医学分野教授石井利明 背景 ~ パーキンソン病 (PD) とは ~ PD の概要 (10 万人に 100 人の割合で発症 ) アルツハイマー病に次いで多い進行性神経変性疾患 発症の原因は不明 黒質線条体ドパミン (DA) 神経の傷害 PD の症状 1 運動症状 安静時振戦 : ふるえ 固縮 : 筋肉のこわばり 無動 : 動作が遅くなる

More information

がん免疫療法モデルの概要 1. TGN1412 第 Ⅰ 相試験事件 2. がん免疫療法での動物モデルの有用性がんワクチン抗 CTLA-4 抗体抗 PD-1 抗体 2

がん免疫療法モデルの概要 1. TGN1412 第 Ⅰ 相試験事件 2. がん免疫療法での動物モデルの有用性がんワクチン抗 CTLA-4 抗体抗 PD-1 抗体 2 020315 科学委員会 非臨床試験の活用に関する専門部会 ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構会議室 資料 1 2 がん免疫療法モデルの概要 川 博嘉 1 がん免疫療法モデルの概要 1. TGN1412 第 Ⅰ 相試験事件 2. がん免疫療法での動物モデルの有用性がんワクチン抗 CTLA-4 抗体抗 PD-1 抗体 2 TGN1412 第 Ⅰ 相試験事件 2006 年 3 月 13 日英国でヒトで全く初めての物質が使用された第

More information

血漿エクソソーム由来microRNAを用いたグリオブラストーマ診断バイオマーカーの探索 [全文の要約]

血漿エクソソーム由来microRNAを用いたグリオブラストーマ診断バイオマーカーの探索 [全文の要約] Title 血漿エクソソーム由来 microrna を用いたグリオブラストーマ診断バイオマーカーの探索 [ 全文の要約 ] Author(s) 山口, 響子 Issue Date 2017-03-23 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/66158 Type theses (doctoral - abstract of entire text) Note この博士論文全文の閲覧方法については

More information

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを シプロフロキサシン錠 mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを有し 上気道感染症 尿路感染症 皮膚感染症などに有効なニューキノロン系の合成抗菌剤である シプロキサン 錠

More information

ヒト胎盤における

ヒト胎盤における 論文の内容の要旨 論文題目 : ヒト胎盤における MHC 様免疫誘導分子 CD1d の発現様式に関する研究指導教員 : 武谷雄二教授東京大学大学院医学系研究科平成 17 年 4 月進学医学博士課程生殖発達加齢医学専攻柗本順子 産科領域において 習慣流産 子宮内胎児発育不全 妊娠高血圧症候群などが大きな問題となっている それらの原因として 胎盤を構成している trohpblast のうち EVT (

More information

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる 化粧品用コラーゲンの原料 現在は 魚由来が中心 かつては ウシの皮膚由来がほとんど BSE 等病原体混入の危険 人に感染する病原体をもたない アレルギーの問題は未解決 ( むしろ問題は大きくなったかもしれない ) アレルギーを引き起こす可能性 医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では

More information

Microsoft PowerPoint - 2_(廣瀬宗孝).ppt

Microsoft PowerPoint - 2_(廣瀬宗孝).ppt TrkA を標的とした疼痛と腫瘍増殖 に効果のあるペプチド 福井大学医学部 器官制御医学講座麻酔 蘇生学領域 准教授 廣瀬宗孝 1 研究背景 癌による痛みはWHOの指針に沿って治療すれば 8 割の患者さんで痛みが取れ 残りの内 1 割は痛みの専門医の治療を受ければ痛みが取れる しかし最後の1 割は QOLを良好に保ったまま痛み治療を行うことは困難であるのが現状である TrkAは神経成長因子 (NGF)

More information

HIGAマウス.xls

HIGAマウス.xls HIGA/NscSlc 由来 HIGA/NscSlc は 武曾らにより 1996 年に ddy マウスより確立された IgA 腎症モデルである 当社では 本マウスを 2002 年に日本新薬より導入 以後生産 供給を行っている 毛色 アルビノ 特徴 若週齢より血中 IgA 値高い ヒト IgA 腎症と症状が類似している 腎糸球体における IgA の沈着 メサンギウム細胞の増殖等が若週齢のうちに始まり

More information

Folia Pharmacol. Jpn mg/14 ml mg/ ml Genentech, Inc. Genentech HER human epidermal growth factor receptor type HER - HER HER HER HER

Folia Pharmacol. Jpn mg/14 ml mg/ ml Genentech, Inc. Genentech HER human epidermal growth factor receptor type HER - HER HER HER HER Folia Pharmacol. Jpn. 143 420 mg/14 ml 1 2 3 4 mg/ ml Genentech, Inc. Genentech HER human epidermal growth factor receptor type HER - HER HER HER HER HER KPL- HER BO HER CLEOPATRA HER HER 1. HER HER EGFR

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小島光暁 論文審査担当者 主査森尾友宏 副査槇田浩史 清水重臣 論文題目 Novel role of group VIB Ca 2+ -independent phospholipase A 2γ in leukocyte-endothelial cell in

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小島光暁 論文審査担当者 主査森尾友宏 副査槇田浩史 清水重臣 論文題目 Novel role of group VIB Ca 2+ -independent phospholipase A 2γ in leukocyte-endothelial cell in 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小島光暁 論文審査担当者 主査森尾友宏 副査槇田浩史 清水重臣 論文題目 Novel role of group VIB Ca 2+ -independent phospholipase A 2γ in leukocyte-endothelial cell interactions: an intravital microscopic study in rat

More information

態である新生血管の発生を一部再現したものであり 疾患モデル動物の代替として病態解析や創薬スクリーニングに応用できる可能性があります 本研究の成果は 平成 29 年 6 月 14 日 ( 英国時間 ) 付けで Scientific Reports 誌 ( 電子版 ) に掲載されます 本研究は 文部科学

態である新生血管の発生を一部再現したものであり 疾患モデル動物の代替として病態解析や創薬スクリーニングに応用できる可能性があります 本研究の成果は 平成 29 年 6 月 14 日 ( 英国時間 ) 付けで Scientific Reports 誌 ( 電子版 ) に掲載されます 本研究は 文部科学 平成 29 年 6 月 13 日 報道機関各位 東北大学大学院工学研究科東北大学大学院医学系研究科 失明に繋がる網膜疾患の病態を一部生体組織チップ上で再現病態解析や創薬スクリーニングへの応用に期待 発表のポイント 眼内の網膜と呼ばれる光を感知する神経組織の一番外側の構造を模倣して チップ上でヒト由来の網膜の細胞と血管の細胞を培養しました チップ上の細胞を低血糖状態や低酸素状態にすると 血管の細胞が網膜の細

More information

検査項目情報 1171 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4F. 性腺 胎盤ホルモンおよび結合蛋白 >> 4F090. トータル HCG-β ( インタクト HCG+ フリー HCG-β サブユニット ) トータル HCG-β ( インタクト HCG+ フリー HCG-β サブ

検査項目情報 1171 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4F. 性腺 胎盤ホルモンおよび結合蛋白 >> 4F090. トータル HCG-β ( インタクト HCG+ フリー HCG-β サブユニット ) トータル HCG-β ( インタクト HCG+ フリー HCG-β サブ chorionic gonadotropin 連絡先 : 3483 基本情報 4F090 HCGβサブユニット (β-hcg) 分析物 JLAC10 診療報酬 識別 材料 023 血清 測定法 結果識別 第 2 章 特掲診療料 D008 第 3 部 検査 第 1 節 検体検査料 第 1 款 検体検査実施料 ( 生化学的検査 (Ⅱ) ) 18 ヒト絨毛性ゴナドトロピン -β サブユニット (HCG-β)

More information

免疫組織化学の基礎と応用 蓮井和久鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 講師 この講義は 2007 年から大学院専門基礎過程の選択科目として開講しているものである 教科書には 改訂四版渡辺 中根の酵素抗体法 ( 名倉宏 長村義之 堤寛編集 ) 学際企画を用いています それに 最近のポリマー法の開発等と私の研究への応用等を基礎にしています I. 序論 1) 医学 生物学における免疫組織化学の確立と意義免疫組織化学は

More information

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によ

60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によ 60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 10 月 22 日 独立行政法人理化学研究所 脳内のグリア細胞が分泌する S100B タンパク質が神経活動を調節 - グリア細胞からニューロンへの分泌タンパク質を介したシグナル経路が活躍 - 記憶や学習などわたしたち高等生物に必要不可欠な高次機能は脳によって実現されています 脳は 神経回路で知られるニューロン 脳構造の維持をつかさどるグリア細胞および血管で構成されています

More information

豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹

豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹 豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 2.1.1 名称豚丹毒菌多摩 96 株 ( 血清型 2 型 ) 又はこれと同等と認められた株 2.1.2 性状感受性豚に接種すると

More information

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産 TOKYO UNIVERSITY OF SCIENCE 1-3 KAGURAZAKA, SHINJUKU-KU, TOKYO 162-8601, JAPAN Phone: +81-3-5228-8107 報道関係各位 2018 年 8 月 6 日 免疫細胞が記憶した病原体を効果的に排除する機構の解明 ~ 記憶 B 細胞の二次抗体産生応答は IL-9 シグナルによって促進される ~ 東京理科大学 研究の要旨東京理科大学生命医科学研究所

More information

八村敏志 TCR が発現しない. 抗原の経口投与 DO11.1 TCR トランスジェニックマウスに経口免疫寛容を誘導するために 粗精製 OVA を mg/ml の濃度で溶解した水溶液を作製し 7 日間自由摂取させた また Foxp3 の発現を検討する実験では RAG / OVA3 3 マウスおよび

八村敏志 TCR が発現しない. 抗原の経口投与 DO11.1 TCR トランスジェニックマウスに経口免疫寛容を誘導するために 粗精製 OVA を mg/ml の濃度で溶解した水溶液を作製し 7 日間自由摂取させた また Foxp3 の発現を検討する実験では RAG / OVA3 3 マウスおよび ハチムラサトシ 八村敏志東京大学大学院農学生命科学研究科食の安全研究センター准教授 緒言食物に対して過剰あるいは異常な免疫応答が原因で起こる食物アレルギーは 患者の大部分が乳幼児であり 乳幼児が特定の食物を摂取できないことから 栄養学的 精神的な問題 さらには保育 教育機関の給食において 切実な問題となっている しかしながら その発症機序はまだ不明な点が多く また多くの患者が加齢とともに寛解するものの

More information

,...~,.'~ 表 2.6.2.2-26 試験管内 PAE 菌株薬剤 MIC (µg/ml) PAE (h) 1 MIC 4 MIC STFX 0.025 0.92 2.35 S. aureus FDA 209-P LVFX 0.20 0.68 2.68 CPFX 0.20 1.05 1.59 SPFX 0.10 0.35 1.07 STFX 0.025 2.33 1.14 E. coli KL-16

More information

ソラフェニブ 薬理試験の概要文 効力を裏付ける試験 in vitro 試験ソラフェニブは当初, 生化学的検討により C-RAF 阻害物質の構造 - 活性相関を評価する過程で発見された新規化合物である ソラフェニブの活性について in vitro で行っ

ソラフェニブ 薬理試験の概要文 効力を裏付ける試験 in vitro 試験ソラフェニブは当初, 生化学的検討により C-RAF 阻害物質の構造 - 活性相関を評価する過程で発見された新規化合物である ソラフェニブの活性について in vitro で行っ 2.6.2.2 効力を裏付ける試験 2.6.2.2.1 in vitro 試験は当初, 生化学的検討により C-RAF 阻害物質の構造 - 活性相関を評価する過程で発見された新規化合物である の活性について in vitro で行った試験の結果を, 表 2.6.2-1 にまとめた 以下に, 表に示した各試験の方法の概略について記載する キナーゼ阻害活性 RAF (C-RAF, B-RAF 及び V0E

More information

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞 資料 - 生電 6-3 免疫細胞及び神経膠細胞を対象としたマイクロ波照射影響に関する実験評価 京都大学首都大学東京 宮越順二 成田英二郎 櫻井智徳多氣昌生 鈴木敏久 日 : 平成 23 年 7 月 22 日 ( 金 ) 場所 : 総務省第 1 特別会議室 研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する

More information

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 P EDTA-2Na( 薄紫 ) 血液 7 ml RNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60 氷 MINテイリョウ. 採取容器について 0

検体採取 患者の検査前準備 検体採取のタイミング 記号 添加物 ( キャップ色等 ) 採取材料 採取量 測定材料 P EDTA-2Na( 薄紫 ) 血液 7 ml RNA 検体ラベル ( 単項目オーダー時 ) ホンハ ンテスト 注 外 N60 氷 MINテイリョウ. 採取容器について 0 0868010 8. その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査 >> minor bcr-abl, mrna quantitative 連絡先 : 3664 基本情報 8C127 minor bcr-abl 分析物 JLAC10 診療報酬 識別 9962 mrna 定量 材料 019 全血 ( 添加物入り ) 測定法 875 リアルタイムRT-PCR 法 結果識別 第 2 章 特掲診療料 D006-2

More information