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表1 重縮合のモノマー組成 モ ノ マ ー 組 成 mol 二塩基酸 グ リ コ ー ル AD 1,6 HD 1,3 PD NPG 1,3 BD TMPD 3 M 1,3 BD 重縮合 1.8.5.5 重縮合 2.8.5.5 重縮合 3.8.33.66 重縮合 4.8.33.66 重縮合 5.8.33.66. 実 1 R を使用した C NMRの測定はシングルパルス H完全デ 験 カップリング法で 重水素化ジメチルスルホキシド溶液 2.1 重縮合反応 重水素化クロロホルム溶液 又は 重 図1に使用した二塩基酸 グリコールの構造式を 表1に 水素化アセトン溶液 5 で行い 内部標準として各種重水 素化溶媒のシグナルを用いた 反応追跡を行った重縮合のモノマー組成を示す アジピン 酸 AD 1,6 -ヘキサンジオール 1,6 -HD ネオペンチルグ C NMRの測定条件は データ取り込み時間 ACQTM リコール NPG は工業品をそのまま用いた 1,3-プロパン.544秒 データ取り込み完了から次のパルスまでの待ち時 ジオール 1,3-PD 1,3-ブタンジオール 1,3-BD 3-メチル 間 PD 1.456秒 パルス幅 PW1 45 パルス相当 スペク -1,3-ブタンジオール 3-M-1,3-BD は和光純薬工業株式会社 トル観測幅 FR 312.5Hz データポイント数 PINT 製の試薬をそのまま用いた 2,4,4 -トリメチル-1,3- ペンタン 32768 積算回数 SCAN 回で行った C NMRの本 ジオール TMPD はイーストマンケミカルジャパン株式会社 測定条件で得られたシグナル強度の積分値より定量的解析 より提供を受けた試料をそのまま用いた が可能であると判断した 重縮合 - 1-5 は 二塩基酸 AD とグリコールとを無触 媒下 1 から まで 時間の昇温速度で縮 3. 結果及び考察 合水を系外へ除去しながら重縮合を行った 重縮合の反応 経時 1 毎にサンプリングを行い 重縮合反応を解析する 3.1 試料とした 図2 5に反応温度 での反応生成物 図6に反応 C NMRによるポリエステルの構造解析 温度1 での反応生成物の1級水酸基又は 1級水酸基 が反応して生成したエステル結合に対しα位のグリコールに 2.2 NMRの測定 NMR分光器は日本電子製EX-4.4MHzの C NM 由来したメチレン炭素シグナルを帰属した結果を示す 各シ CCCCCCCCC CCCCCCH CCCCCCCCCCCC HCCCH CCCCCCCCCH HCCCCCCH 72 7 68 66 64 62 58 化学シフト ppm 図 トケン1.14.indd 4 No.152 ct. 21 重縮合-1 生成物 のC NMRスペクトル 4 1/11/22 14:32

C CCCCCCC CCCCCCCCCCCC H CCCCCCCCCH C CCCCH H HCCCCCCH 72 7 68 66 64 62 58 化学シフト ppm 重縮合-5 生成物 のC NMRスペクトル H H C CH C C H B ポリエステル分子末端 重縮合 H A モノマー グリコール n HC m H C C 図6 C C 両末端H基にエステル結合を形成したポリエステル骨格 二塩基酸 ポリエステル合成原料 図7 混合生成物 重縮合反応経時における各グリコールの形態の構造式 グナルは 1級水酸基の エステル化反応性が 級と3級水 テル結合を有する水酸基に対しα位のメチレン炭素シグナル 酸基より高いと仮定して 重縮合反応を追跡した結果に基づ 61.ppm 両末端にエステル結合を有するエステル結合に 対しα位のメチレン炭素シグナル.65ppm 及び他末端が き帰属した 図2に 重水素化クロロホルム溶液 で 測定し 水酸基であるエステル結合に対しα位のメチレン炭素シグナ た 反応温度 にお ける重縮合-1 AD//1,6 -HD /1,3- ル 58.68ppm は 各々の化学シフトの差が大きく 各シグナル PD の 反応生成物の NMRシグナルを 帰属し た 結果を 示 の分離や定量分析が可能であった す 1,6-HD部位の 構造解析で は モノマー の 水酸基に 対 図3 5に 重水素化クロロホルム溶液 で 測 しα位のメチレン炭素シグナル 62.23ppm と 他末端にエス 定した 反応温度 における重縮合- 2 AD //1,6 -HD/ テル結合を有する水酸基に対しα位のメチレン炭素シグナル NPG 重縮合 - 3 AD//1,6 -HD/1,3-BD 及び 重縮合 - 4 62.15ppm の化学シフトの差が小さく.8ppm この両シ AD //1,6 -HD/ TMPD の反応生成物のNMRシグナルを帰 グナルの分離は困難であった さらに 両末端にエステル結 属した結果を示す NPG 1,3-BD及びTMPD部位も1,3-PD 合を有するエステル結合に対しα位のメチレン炭素シグナル 部位の構造解析と同様に 重水素化ジメチルスルホキシド溶 63.94ppm と 他末端が水酸基であるエステル結合に対し 液又は重水素化クロロホルム溶液を用いることで 1級水酸 α位のメチレン炭素シグナル 64.5ppm の化学シフトの差 基又は1級水酸基が形成したエステル結合に対しα位のグ も小さく.11ppm この両シグナルの分離も困難であった リコールに由来したメチレン炭素に帰属されるシグナルを利 しかし 1,3-PD部位の構造解析では モノマーの水酸基に 用して定量的に測定することができた 対しα位のメチレン炭素シグナル.94ppm 他末端にエス トケン1.14.indd 6 No.152 ct. 21 図6に 重水素化アセトン溶液 5 で測定した 反 6 1/11/22 14:32

応温度1 における重縮合 - 5 AD //1,6 -HD/3 -M-1,3-BD の反応生成物のNMRシグナルを帰属した結果を示す 重 縮合 - 5は 反応温度1 付近から低沸点の副反応物の生 8 反 応 率 成が認められ 付近でその発生量が増大したので 反 は 3-M-1,3-BDに由来した他末端が3級水酸基であるエス 4 NMR 基に対しα位のメチレン炭素シグナルを分離する目的で α位のメチレン炭素シグナルと1,6-hdの水酸 テル結合に対し 応追跡は で中断した さらに 重縮合 - 5の反応追跡で 1,3-PD由来水酸基 2 測定溶媒として重水素化アセトン溶媒を利用した 3.2 1級水酸基のエステル化反応性 図9 つの水酸基間に6個のメチレン基を有する1,6 -HDを基 重縮合-1 AD//1,6-HD/1,3-PD の水酸基反応率 準として つの 水酸基間に3個のメチレン基を有する1,3PD 水酸基に 対しβ位に個のメチル基を有する立体障害 は7 9. と7 6.6 であった が大きいNPGについてエステル化反応の解析を行った グリ 図1に重縮合の反応経時での1,6 -HDに対する1,3-PDの コールの水酸基間の距離 アルキル鎖長 及び水酸基近傍の 水酸基の反応率比を示す 全ての反応領域で 1,3-PDの反 立体障害は水酸基のエステル化反応性に影響を与えると推 応率が低く 反応率比は重合が進行するに従い.8から.96 察する と1.に近づくことが分かる 図7にポリエステル合成原料であるグリコールと二塩基酸 が重縮合して得られる混合生成物中での各グリコールの形 1. 態{モノマーとしての存在 A ポリエステル分子末端として 反 応 率 比 の存在 B 両末端の水酸基がエステル結合を形成しポリエ ステル骨格としての存在 C } の構造式を示す 3.2.1 重縮合-1 AD//1,6-HD/1,3-PD 図8と図9にNMRで実測した重縮合の反応経時における.8.6.4 1,3-PD由来水酸基.2 1,3-PD各形態の 含有率及び1,3-PDと1,6 -HDそ れ ぞ れ の 水. 酸基の反応率を示す 未反応官能基の 含有率が 高い反応 温度1 5 酸価より実測したADの反応率5 1. では 図1 1,3-PDが モノマーとして存在 A / ポリエステル分子末端と 重縮合-1 AD//1,6-HD/1,3-PD の水酸基反応率比 して存在 B / 両末端の水酸基がエステル結合を形成しポ リエステル骨格として存在 C の割合は28.3 / 53.3 / 18.4で 3.2.2 重縮合-2 AD//1,6-HD/NPG あり 1,6 -HDと1,3-PD各々の水酸基の反応率は5. と 図11と図12にNMRで実測した重縮合の反応経時におけ 5.1 であった 未反応官能基の含有率が低い反応温度 るNPG各形態の含有率及びNPGと1,6 -HDそれぞれの水酸 ADの反応率9 6. では A/B/Cの割合は4.1 / 基の反応率を示す 反応温度1 5 ADの反応率 9.6 38.5 / 57.4であり 1,6 -HDと1,3-PD各々の水酸基の反応率 で NPGが モノマーとして存在 A / ポリエステル分子末端 A モノマー B 分子末端 C 骨格中 4 2 4 重縮合-1 AD//1,6-HD/1,3-PD の1,3-PD存在形態 図11 7 トケン1.14.indd 7 2 図8 A モノマー B 分子末端 C 骨格中 8 含 有 率 含 有 率 8 重縮合-2 AD//1,6-HD/NPG のNPG存在形態 No.152 ct. 21 1/11/22 14:32

性の低いグリコールは分子末端基及び未反応モノマーとし て存在する傾向が高いと推察する 8 反 応 率 3.3 2級水酸基のエステル化反応性 1,6 -HDを基準として 1分子中に1級及び級水酸基を 有する1,3-BDと 1分子中に1級及び級水酸基を有し且 4 つ水酸基に対しβ位にメチル基を有する立体障害の大きい NPG由来水酸基 2 TMPDのエステル化反応の 解析を行った 1級と級水酸 基近傍 水酸基に対しβ位 の立体障害の有無は 水酸基の 図12 エステル化反応性に影響を与えると推察する 3.3.1 重縮合- 3 AD//1,6 -HD/1,3 -BD 重縮合-2 AD//1,6-HD/NPG の水酸基反応率 図14と図15にNMRで実測した重縮合の反応経時にお ける1,3-BD各形態の 含有率及び1,3-BDと1,6 -HDそれぞれ として存在 B / 両末端の水酸基がエステル結合を形成し の 水酸基の 反応率を 示す 反応温度1 6 ADの 反応 ポリエステル骨格として存在 C の割合は3 7 7/5 /1 1 率5 3.3 で 1,3 - BDが モノマーとして存在 A /1級水 であり 1,6 -HDとNPG各々の水酸基の反応率は5 3.9 と 酸基のみエステル化しポリエステル分子末端として存在 B 3 7. であった 反応温度 ADの反応率9.3 1 /級水酸基のみ エステル化し ポリエステル分子末端と では A/B/Cの割合は5.3/./5.7であり 1,6 -HDと して存在 B /両末端の水酸基がエステル結合を形成し NPG各々の水酸基の反応率は 3. と7 3.7 であった ポリエステル骨格として存在 C の割合は3.6/3 /1 7 3 図に重縮合の反応経時での1,6 -HDに対するNPGの水 /1 であり 1,6-HDと1,3-BDそれぞ れ の1級水酸基と 酸基の反応率比を示す 全ての反応領域で NPGの反応 1,3-BDの級水酸基の反応率は6 5.1 5.1 3 1.3 で 率が低く 反応率比は重合が進行するに従い7. から. 9 あった 反応温度 ADの反応率9. では A/ と1. に近づくことが分かる B1/B/Cの割合は3.7/ 7.3/1 3 1/ 5 5 9であり 1,6 -HD A モノマー B1 分子末端 1級水酸基のみエステル化 B2 分子末端 2級水酸基のみエステル化 C 骨格中 1. 8 含 有 率 反 応 率 比.8.6.4 4 NPG由来水酸基.2 2. 図 図14 重縮合-2 AD//1,6-HD/NPG の水酸基反応率比 重縮合-3 AD//1,6-HD/1,3-BD の1,3-BD存在形態 重縮合 - 1 重縮合 - 2 の反応を解析した結果 1級水酸 基ではエステル化反応性はグリコールの構造により異なり 低 NPG 1,3-PD 1,6-HD 高 の順であることが分かっ 8 反 応 率 た さらに 反応初期 1,6 -HDと検討グリコールにおける水 酸基の反応率の差は大きいが 反応が進行するに従い反応 率の差が小さくなることが分かる これは 反応性の高い水 酸基の方が 反応の進行に伴う水酸基濃度の低下が早いた 4 1級水酸基 1,3-BD 2級水酸基 1,3-BD 2 めと推察する この反応率の差は反応の終点まで維持され る 従って 最終的に生成したポリエステル骨格中で エス テル化反応性の高いグリコールはその両末端の水酸基がエ 図15 ステル結合を形成しポリエステル骨格中に組み込まれ 反応 トケン1.14.indd 8 No.152 ct. 21 重縮合-3 AD//1,6-HD/1,3-BD の水酸基反応率 8 1/11/22 14:32

と1,3-BDそれぞれの1級水酸基と1,3-BDの級水酸基の反 応率は 7. 3 6 9. であった 図16に重縮合の反応経時での1,6 -HDに対する1,3-BDの 8 級水酸基より級水酸基の方が低く 重合が進行するに従 い水酸基の反応率の差が小さくなることが分かる 4 1級水酸基 TMPD 2級水酸基 TMPD 2 1. 反 応 率 比 反 応 率 1級水酸基と級水酸基の反応率比を示す 反応率比は1.8.6 図18 重縮合-4 AD//1,6-HD/TMPD の水酸基反応率.4 1級水酸基 1,3-BD 2級水酸基 1,3-BD.2 図19に重縮合の反応経時での1,6 -HDに対するTMPDの. 図16 1級水酸基 級水酸基の反応率比を示す 反応率比は1 級水酸基より級水酸基の方が低く 重合が進行するに従 重縮合-3 AD//1,6-HD/1,3-BD の水酸基反応率比 い水酸基の反応率の差が小さくなることが分かる 3.3.2 重縮合 - 4 AD//1,6 -HD/TMPD 1. 図17と図18にNMRで実測した重縮合の反応経時にお 反 応 率 比 けるTMPD各形態の 含有率 TMPDと1,6 -HDそれぞ れ の 水酸基の 反応率を 示す 反応温度1 7 ADの 反応率 5 5.1 で TMPDが モノマーとして存在 A /1級水酸 基のみエステル化しポリエステル分子末端として存在 B1.8.6.4 1級水酸基 TMPD 2級水酸基 TMPD.2 /級水酸基のみ エステル化しポリエステル分子末端として 存在 B /両末端の水酸基がエステル結合を形成しポリ. エステル骨格として存在 C の割合は3 5.1/3 3/1 9 3/1 1 3 であり 1,6 -HDとTMPDそれぞれの1級水酸基とTMPDの 図19 級水酸基の反応率は.1 5 6 3.7 であった 重縮合-4(AD//1,6-HD/TMPD)の水酸基反応率比 反応温度 ADの反応率9.1 では A/B1/B/C 重縮合 -3と重縮合 - 4の反応を追跡した結果 級水酸基 の割合は 51. /3 1 3/1 7 1/ 6 5であり 1,6 -HDとTMPDの の反応性は1級水酸基より低くいことが分かった 1級水酸基とTMPD級水酸基反応率は9 1.6 7 7. さらに 1,6 -HDに対する検討グリコールの水酸基の反応 6 3.6 であった 率比より 1級及び級水酸基は共に TMPDの水酸基の 反応性が1,3- BDより低ことが分かる この反応性の相違は 8 含 有 率 水酸基に 対しβ位のメチル基が エステル化反応の立体障害 A モノマー B1 分子末端 1級水酸基のみエステル化 B2 分子末端 2級水酸基のみエステル化 C 骨格中 として作用するためと推察する エステル化反応性の異なる1級及び級水酸基を含有す る重合系でも反応初期それぞれの水酸基の反応率の差は 大きいが 反応が進行するに従い反応率の差が小さくなるこ 4 とが分かる しかし この反応率の差は反応終点まで維持さ れ 最終的に生成したポリエステルでは反応性の高い1級水 2 酸基はエステル結合を形成してポリエステルの骨格中に取り 図17 込まれ エステル化反応性の低い級水酸基は未反応のま まポリエステルの分子末端基として存在する傾向が高いと 重縮合-4 AD//1,6-HD/TMPD のTMPD存在形態 推察する 9 トケン1.14.indd 9 No.152 ct. 21 1/11/22 14:32

3.4 3級水酸基のエステル化反応性 では A/B1/B3/Cの割合は 1/ 9 1 9 / / であり 1,6 -HDと3-M-1,3-BDそれぞれの1級水酸基と3-M-1,3-BD 1,6 -HDを基準として 1分子中に1級及び3級水酸基を有 する3-M-1,3-BDのエステル化反応の 解析を行った 3級水 の3級水酸基の反応率は9 5.1 9 1.9. であった 酸基は1級や級水酸基より水酸基近傍 水酸基に対しα 本系の重合では 1 付近より低沸点化合物の生成が認 位 の立体障害が大きいのでエステル化反応性が低いと推察 められたので 反応追跡は で中断した 図22に重縮合の反応経時での1,6 -HDに対する3-M-1,3- する BDの1級水酸基と3級水酸基の反応率比を示す 本検討 3.4.1 重縮合- 5 AD//1,6-HD/3-M-1,3-BD の範囲では 3-M-1,3-BDの3級水酸基はADのカルボキシ 図2と図21にNMRで実測した重縮合の反応経時にお ル基とエステル化反応しないことが分かる ける3-M-1,3-BD各形態の 含有率 3-M-1,3-BDと1,6 -HDそ さらに 3-M-1,3-BDの1級水酸基の反応比率 1,6 -HDの れぞれの水酸基の反応率を示す 反応温度1 7 ADの 水酸基に対する検討水酸基の反応率 は 反応温度1 1 反応率5 5.1 で 3-M-1,3-BDが モノマーとして存在 A で. 1 で.9 7と反応初期より1. に近い これ /1級水酸基のみ エステル化しポリエステル分子末端として は 3-M-1,3-BDの3級水酸基の反応率がほぼであり 反 存在 B1 /3級水酸基のみエステル化しポリエステル分子 応経時で水酸基に対するカルボキシル基の割合が高いため 末端として存在 B3 / 両末端の水酸基がエステル結合を形 と推察する 成しポリエステル骨格として存在 C の割合は 5 3/7 7/ / であり 1,6 -HDと3-M-1,3-BDそれぞれの1級水酸 1. であった 反応温度 ADの反応率6 9.1 含 有 率 反 応 率 比 基と3-M-1,3-BDの3級水酸基の反応率は 1. 7.7.8.6.4 8.2. 1級水酸基 3-M-1,3-BD 3級水酸基 3-M-1,3-BD 4 図22 重縮合-5 AD//1,6-HD/3-M-1,3-BD の水酸基反応率比 2. 結 論 水酸基のエステル化反応性は合成されるポリエステルの A モノマー B1 分子末端 1級水酸基のみエステル化 図2 B3 分子末端 3級水酸基のみエステル化 C 骨格中 構造を支配する要因の一つである そこで ポリエステルの 構成成分である水酸基 - H モノマーの分子構造に着目 し 酸 - CH モノマーとの反応性 エステル化反応 をN 重縮合-5 AD//1,6-HD/3-M-1,3-BD の3-M-1,3-BD存在形態 MRで解析した 具体的には 1級水酸基 級水酸基及 び3級水酸基を含有する官能性のモノマー グリコール の重縮合反応を C NMRで定量的に解析し 以下の結論を 得た 1 1級水酸基と比較して 水酸基に対しα位に1個の置 反 応 率 8 換基を有する級水酸基はエステル化反応性が 低く 個の置換基を有する3級水酸基は本反応条件下 無 色媒 反応温度 以下 では反応が進行しないこ 4 とを定量的に確認できた 1級水酸基 3-M-1,3-BD 3級水酸基 3-M-1,3-BD 2 1級水酸基と級水酸基共に 水酸基に対しβ位に置 換基を有する水酸基のエステル化反応性は低い 図21 3 反応性の異なる水酸基を含有する重縮合では 反応経 時で各水酸基の反応率の差は変化し 反応が進行する 重縮合-5 AD//1,6-HD/3-M-1,3-BD の水酸基反応率 に従いその差が小さくなる 以上の結果から 水酸基はその分子構造によりエステル トケン1.14.indd 1 No.152 ct. 21 1 1/11/22 14:32