< F2D95F18D908F FE393632E6A7464>

Similar documents
(3) 資料について本資料は混雑したお店で孫が積んである段ボールを崩してしまい困っているおばあさんの代わりに わたし とその友達の友子が 整理していると 事情の知らない店員に叱られてしまう その後 おばあさんにお礼を言われたが わたし と友子はすっきりしないで帰る 数日後 店員からお詫びの手紙が来た

考え 主体的な学び 対話的な学び 問題意識を持つ 多面的 多角的思考 自分自身との関わりで考える 協働 対話 自らを振り返る 学級経営の充実 議論する 主体的に自分との関わりで考え 自分の感じ方 考え方を 明確にする 多様な感じ方 考え方と出会い 交流し 自分の感じ方 考え方を より明確にする 教師

4 研究主題との関連 自分を見つめ 友達の思いを大切にする子供の育成 道徳授業の充実を通して 研究主題に迫るために 4 年生では子供たちの目指すべき児童像を 自分の思いを見つめる子 友達の思いに気付く子とした また 目指すべき具体的な児童像を 資料の世界観に浸り 登場人物に自分を重ねながら登場人物の

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

平成27年度 小・中道徳教育 研究の実際2

第 3 学年道徳学習指導案 1 主題名どうすることが正しいか 1-(3) 勇気 平成 27 年 9 月 11 日 ( 金 ) 第 3 学年 2 組 34 名 授業者久米亨 2 資料名 思いきって言ったらどうなるの? ( 出典 : 光文書院 ) 3 主題設定の理由 (1) ねらいとする価値について中学

道徳学習指導案

Microsoft Word - 24授業実践.docx

第 2 学年道徳学習指導案 平成 27 年 6 月 12 日 ( 金 ) 第 2 学年 2 組 34 名授業者川田聡子 1 主題名友達と助け合う心 2-(3) 信頼 友情 助け合い 2 資料名 森のともだち ( 出典 : 東京書籍 みんなたのしく ) 3 主題設定の理由 (1) ねらいとする価値につ

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

とができる児童が増えてきている 総合的な学習の時間の 私たちにできることは何だろう では 調べ学習や実際の車いす体験の学習を通して 相手の気持ちを考えて親切な行動をすることの大切さを学んできている 一方で 仲の良い友達には親切にできるが そうでない友達には同じように親切にできない児童がいる また 困

2年生学級活動(性に関する指導)指導案

生徒自身, 思いやりをもった行動ができたと感じていても, 相手の立場に立った行動になっていないこともあるこのキャストの心情を考えることで, 相手の気持ちや立場に共感し, 相手のことを考えた上でキャストがとった思いやりある行動, 親切な行為を学ばせたい (4) 生徒の実態と関わらせた指導の方策 ( 指

< 心の中でおうえんしながらそっと見守ったぼく > ぼくの状況 家に用事があったけれど じっとおばあさんを見ていた < 最初に声をかけたぼく > ぼくの状況 お母さんのお手伝いをする約束を果たすため 下校を急いでいた おばあさんの状況 不自由な足を一生懸命動かして坂を上っている この間より足どりが重

< F2D8FAC90BC E AB290FC82C581768E77>

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

( 支援と 評価 ) 導入8 指導過程段階学習活動主な発問 ( ) と児童の心の動き ( ) 指導上の留意点 1 困っている人に親切にした経験を出し合う 2 資料 くずれ落ちただんボール箱 を場面ごとに読んでわたしの気持ちについて話し合う 今までに, 困っている人に親切にしたことがあるか 低学年が泣

< F2D87408E7793B188C C993A190E690B6816A2E6A7464>

いとする価値 生命の尊さ と自己の生き方との関わりについて, さらに考えを深める時間としたい これは, 内容項目 生命の尊さを知り, 生命あるものを大切にすること に関する学習を道徳の時間を要にし, 関連する各教科 領域または日常生活と組み合わせて作成したものである 導入では, 生命に関する価値を確

第 4 学年算数科学習指導案 平成 23 年 10 月 17 日 ( 月 ) 授業者川口雄 1 単元名 面積 2 児童の実態中条小学校の4 年生 (36 名 ) では算数において習熟度別学習を行っている 今回授業を行うのは算数が得意な どんどんコース の26 名である 課題に対して意欲的に取り組むこ

< F2D93B993BF8E7793B188C E6A7464>

平成27年度 小・中道徳教育 研究の実際6

<4D F736F F D C91CC8CB C88A778F4B8EC091488E9697E A AC97A782B982E782D082AA82B58FAC8A778D5A816A2E646F6378>

<4D F736F F D20819A82B982E782D082AA82B58FAC8A778D5A2E646F6378>

<4D F736F F D AAE90AC94C5817A E7793B188C481698D5D E7397A791E58A A778D5A814094F68FE3816A2E646F63>

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

Microsoft Word - åł½èªžç§‚2å¹´2çµ—ã••ï¼™ã†¤ã†®ã†łã†¤ã‡†ã†—ã‡™ã†‘ã‡›ã†¹ã‡‹ã†ƒã••ã•„ã†µã‡“ã†Šã†“ã†¯ã•†ã†©ã‡fiㆪㆬㆮ㕓æ„⁄尔桋

Microsoft Word - 研究協議会資料(保健分野学習指導案)

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

道徳の時間学習指導案 指導者 T1 長手英克 T2 浜井綾子 1 学年第 4 学年 15 名 2 主題名本当の友達 B 友情, 信頼 3 ねらいなつみに逆上がりを教えようと思うようになったてつおの気持ちを考えることを通して, 友達には自分とは違ったよさがあり, それぞれが力を発揮すると一人ではできな


られる 日常の生活場面でも, そのことを裏付けるような行動が時折見られることがある (3) 教材について 1 教材名 手品師 出典 : 新しい道徳 6 東京書籍 2 価値 A-(2) 正直, 誠実 3 教材について本教材は, あまり売れない手品師が大劇場のステージに立てるチャンスを捨て, 男の子と交

国語科学習指導案様式(案)

Microsoft Word - 小学校第6学年国語科「鳥獣戯画を読む」

○ ○ 科 学 習 指 導 案

(2) 指導の実際 1 話すこと 聞くこと の実践ア協働による教材研究の柱 モデルの提示について対話のためのスキルの定着や対話の深まりを目指し, 教師や代表グループによる対話のモデルを提示し, 気付いたことや発見したことを基に自分たちの対話や話合いの様子を振り返らせ, 学びの充実を図るようにする 共

ICTを軸にした小中連携

<4D F736F F D B993BF89C882CC8D5A93E08CA48F432E646F6378>

深く考えさせるために ロベーヌの感じ方や考え方をとらえさせ その変化に気付かせる また 経済的援助という親切な行動だけでなく 心からロベーヌを気遣うジョルジュの温かな心遣いや言動に注目させ そのことが相手の立場を考えた真心からの親切な行為であることに気付かせたい さらに 真に相手に対する思いやりの心

<4D F736F F D E A96E291E889F08C C88A778F4B2E646F6378>

Microsoft Word - 社会科

平成27年4月1日

道徳科学習指導案 指導者 T1 重森恵美子 T2 毛利佐由理 1 日時平成 30 年 6 月 27 日 ( 水 )5 校時 2 学年第 1 学年 (16 名 ) 3 主題名 だれにでもおなじように [C 公正, 公平, 社会正義 ] 4 ねらい誰に対しても同じように接することがすてきであることに気づ

う来なかった 翌々日の月曜日 あきらは じゅんに いいよ と返事をもらったのに どうしてこなかったのか と詰め寄った それに対して じゅんからは いいよ って 断ったじゃないか という返事が返ってきた という内容である ここでは 文字だけで思いを伝える難しさと 相手の立場をよく考えて情報を発信する大

勝ちにこだわるあまり, 他人の気持ちを考えない言動をする生徒がいたため, 全体指導を行った経緯もある 以上の事から, 中学校生活で様々な活動に一生懸命に取り組む中で, 思うようにいかず, 悔しい思いをする経験をした生徒が多いことがわかる 本学級の生徒がこの経験を生かし, さらに成長するためには, 悔

群教セ I01-08 平 集 特 情緒障害 中学校自閉症 情緒障害特別支援学級における人と関わる意識を高める支援の工夫 自己肯定感を高めるための振り返りと ソーシャルスキルトレーニングを通して 特別研修員田子賢一 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 自閉症 情緒障害特別支援学級の生徒は 社会生活

第1学年1組 道徳学習指導案

Taro-授業実践事例 中学年(4年

< F2D95F18D908F BE08E712E6A7464>

道徳科の授業を構成する手立て 1 教育課程編成の一般方針道徳教育は, 学校や児童生徒の実態などを踏まえ設定した目標を達成するために, あらゆる教育活動を通じて, 適切に行われなくてはならない その中で, 道徳科は, 各活動における道徳教育の要として, それらを補ったり, 深めたり, 相互の関連を考え

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

<4D F736F F D E7793B188C D915F88E48FE38BB E646F63>


Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

<4D F736F F D F18CBE A D8D DC58F49816A39382E646F63>

4. 単元の実際 習得 (1) 三部構成のモデル文 ゲームなんてやめなさい を提示し 子どもの意識とのズレを生む 実践を行った4 年生のクラス 38 名全員が何らかのゲームをもっていることを確認し 子どもがゲームについて感じている楽しさを十分掘り起こす その上で はじめ なか おわり の形式で書かれ

事例 1 アキラの選択 ( 出典 : 自分を見つめる あかつき ) を活用した事例 主題名 1 自主的な生き方 1-(3) 自主 自律の精神 2 よりよい判断 1-(3) 自主 自律の精神 3 自己を見つめる 1-(5) 個性の伸長中学校第 3 学年 主題名 1 自主的な生き方 1 目標 深く考えな

第 3 学年道徳学習指導案 1 日時平成 28 年 7 月 1 日 ( 金 ) 公開授業 1 第 1 校時 指導者教諭千葉哲朗 2 学級盛岡市立上田中学校 3 年 1 組男子 20 名女子 16 名計 36 名南校舎 2 階 3 年 1 組教室 3 主題自己を見つめ, 自己の向上を図る 個性の伸長

Microsoft Word - t2gika1.doc

(3) 本題材の系統と他教科等との関連は 次のとおりである 学級活動 5 月シンボルマークを決めよう 6 月みんなで雨の日を楽しく過ごそう 6 月本題材 9 月 2 学期がんばろう会をしよう 他教科等との関連 道徳 わけっこしよう ( 友情 ) 道徳 どうしたらいいのかな ( 親切 ) (4) 指導

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

第1学年道徳学習指導案

平成 30 年 6 月 8 日 ( 金 ) 第 5 校時 尾道市立日比崎小学校第 4 学年 2 組外国語活動 指導者 HRT 東森 千晶 JTE 片山 奈弥津 単元名 好きな曜日は何かな? ~I like Mondays.~ 本単元で育成する資質 能力 コミュニケーション能力 主体性 本時のポイント

北野中学校 30 周年第 1 学年共通道徳学習指導案 人はなぜ働くのか. 日 時 平成 18 年 11 月 24 日 生 徒 札幌市立北野中学校第 1 学年 指導者 教諭 筒井 久保村 石塚 川村 1. 主題名 人はなぜ働くのか 4-(5) 勤労と奉仕の精神 2. 主題設定の理由 人のためにならない

ここからは保護者の方がお答えください なお 鍵については お子さんがつけた1から 23 の番号でお書きください 5 生きていく世界を開いていく鍵 の中で どの 鍵 について 学校で特に力を入れて指導してほしいですか 理 由も一緒にお書きください 複数回答可 6 生きていく世界を開いていく鍵 の中で

道徳学習指導案

から 自分はよいと思っていても, 相手は迷惑がっているかもしれないから 自分がいらいらしている時などは思いやりを忘れてしまうから 相手のことを思っても, どうしたらよいか分からないことがあるから などがあったこれらの結果から, 多くの児童が思いやりの心で人に接することは大切であるが, 相手との人間関

Taro-学級活動学習指導案.jtd

きるか, 必要なものを取捨選択したり, 試したり見立てたり工夫したりしながら, 自分が選んだおもちゃや楽器をつくる できたおもちゃや楽器を交流し, 友達とアドバイスしあいながら, 改良したり, 遊び方を工夫したりして, よいものにしようとする おもちゃフェスティバルを開き実際に遊び, みんなが楽しく

(Microsoft Word - \217\254\212w\202U\224N\201i\216R\217\343\201j.doc)

Taro-10月22日道徳指導案.jtd

第 2 学年 * 組保健体育科 ( 保健分野 ) 学習指導案 1 単元名生涯の各段階における健康 ( イ ) 結婚生活と健康 指導者間中大介 2 単元の目標 生涯の各段階における健康について, 課題の解決に向けての話し合いや模擬授業, ディベート形式のディスカッションなどの学習活動に意欲的に取り組む

第 5 学年道徳学習指導案 研究主題 摂津市立鳥飼北小学校 指導者 一人ひとりの力を伸ばし 自尊感情を高め 互いに学び合える授業をめざす 1 正しく読み取る力を育成する 2 自尊感情を高め 道徳性を高める 研究仮説 Ⅰ 国語科の授業を中心に 読む 書く についての取り組みを行うことで 正しく読みとる

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

指導に当たっては, 作品に対する解釈は開かれていることから, 子供たちがそこから何を感じどのように考えたか, 子供の思いを大切にしたい そのために, 子供が自分の感じたことを進んで話したり, 友達の思いに興味を持って聞いたりできるような雰囲気づくりに努めることが大切である 自分と異なった捉え方や感じ

< F2D81758E968C8F81458E968CCC96688E7E >

<4D F736F F D20819A8AAE90AC814089CD93E08FAC8A778D5A814090B68A8889C88E7793B188C42E646F6378>

41 仲間との学び合い を通した クラス全員が学習に参加できる 授業づくり自分の考えを伝え 友達の考えを聞くことができる子どもの育成 42 ~ペア グループ学習を通して~ 体育における 主体的 対話的で深い学び を実現する授業づくり 43 ~ 子どもたちが意欲をもって取り組める場の設定の工夫 ~ 4

○ ○ 科 学 習 指 導 案

第 6 学年 1 組理科学習指導案単元名 : 瀬野川の生き物のつながり 生き物のくらしと環境 男子 18 名女子 21 名計 39 名 単元について 指導者澄川和生 単元観本単元は, 小学校学習指導要領解説理科編第 6 学年 内容 B(3) の 動物や植物の生活を観察したり, 資料を活用したりして調

平成 30 年度研究授業 道徳科学習指導案 授業仮説 黒田投手の 決断 の理由について考えさせ, [ 指導の工夫 ( 手立て )] グループで話し合い, 友達の考えを参考にして, 自分の考えを深めることで, 自分の進みたい道に向かって, よりよく生きようとする道徳的実践意欲と 態度を養うことができる

アンケート調査結果や日常の様子から 親切 とは 相手の立場になって相手の気持ちを考えて行うことであることに気がついていない児童が多く 相手の気持ちを考えて親切にしよう という意識が高まっていないということが考えられる 指導に当たっては 本時を 道徳学習プログラム やさしさにっこり において体験してき

7 月の 人の心にふれて では, 人に素直に親切にできた経験をふり返る ぼく の気持ちを考えることを通して, だれに対しても相手の立場に立って温かな心で接していこうとする心情を育てることをねらいとして取り組んだ 授業後には, 親切にしたいと心では思っていても行動に移すのは難しい でも思っているだけで

座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

るようにしていく 深く考える力教材文で述べられているロボットや, 図鑑や事典などで収集したロボットのそれぞれの違いやよさを比較するために, ベン図 を用いて視覚的に理解を促す また, 自分の既有のロボットについての認識と教材文を結び付けて考えさせることにより, ロボットのよさに気付かせていきたいが,

活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

Microsoft Word - 24授業実践.docx

第1学年5組 道徳学習指導案

平成 30 年度佐賀県教育センター小 中学校道徳科 3 授業実践 (1) 小学校 2 年生の授業実践 1 1 主題名 自分らしく (A-4 個性の伸長 ) 2 教材名 ありがとうりょうたさん ( 東京書籍 ) 3 教材について 本教材は 主人公のりょうたとその友達のゆきおの個性が際立つように書かれて

あったらいいな ! こんなあそび場 (わたしの町大好き)

Taro-【HP用】指導案.jtd

15-miyazakiken

Microsoft Word - (1)㇢㕕㕄夌é†−ã†³éłƒä¼ı㇙ㆊ㇋ㆃ㕓

(3) 資料について 1 概要主人公のともこが 仲良しのまいに クラスの女子でフェスティバルに行かない と誘われる しかし さとみは嫌いだから誘わないで と言われてしまう ともこはよくないと思いつつも さとみに声を掛けることも まいにやめさせる行動も取れずにもやもやした思いで過ごしている すると さ

<835A E E A B83678F578C768C8B89CA E786C7378>

<4D F736F F D B993BF8BB388E782C98AD682B782E98D5A93E08CA48F432E646F63>

Transcription:

群教セ G10-01 平 27.257 集 道 徳 Ⅰ 研究テーマ設定の理由 相手の気持ちや立場を考えて行動しようとする児童の育成 道徳の時間における発問と 授業の振り返りの工夫を通して 特別研修員 上田 美果 平成 27 年 3 月に告示された一部改正小学校学習指導要領には 教師による発問は, 児童が自分との関わりで道徳的価値を理解したり, 自己を見つめたり, 物事を多面的 多角的に考えたりするための思考や話合いを深める上で重要である と示されている さらに 発問によって児童の問題意識や疑問などが生み出され, 多様な感じ方や考え方が引き出される そのためにも, 考える必然性や切実感のある発問, 自由な思考を促す発問, 物事を多面的 多角的に考えたりする発問などを心掛けることが大切である と述べ 指導方法の中でも 特に発問の工夫を重視している また はばたく群馬の指導プランにおいては 児童生徒の心を動かし 思考や話合いを深めるためには 発問が重要な鍵になります 児童生徒の意識の流れを予想し ねらいとする道徳的価値の自覚を深めるよう発問を工夫しましょう と示されている 本学級の児童は 道徳的価値のよさや大切さを理解し 善悪の判断は付いている しかし 時と場に応じた望ましい行動をとれるまでには至っていない そこで 道徳の時間において 道徳的価値についての自覚を深める 発問 を工夫し 話合い活動や板書から導いたキーワードを活用して 授業の振り返り をすることで 相手の気持ちや立場を考えて行動する児童を育成できると考え 本テーマを設定した Ⅱ 研究内容 1 研究構想図 - 1 -

2 授業改善に向けた手立て (1) 発問の工夫発問は 自分との関わりで道徳的価値を理解したり 物事を多面的 多角的に考えたりするための思考や話合いを深める上で 重要である 児童の心を動かし 多様な感じ方や考え方を引き出すために 心揺さぶられる発問 考える必然性のある発問 や 理由を問う発問 をする このことで 登場人物の心情を多面的にとらえ 道徳的価値を考え直したり 理解を深めたりして 授業のねらいにせまることができると考えた 実践 1 資料名 オトちゃんルール は あたりまえ のルール 思いやり という道徳的価値には多様な感じ方 考え方があることの理解をねらい 道徳的価値を違った視点で考えさせるために 心揺さぶられる発問 をした 実践 2 資料名くずれ落ちただんボール箱道徳的価値について考え直すことができるよう 考える必然性のある発問 をした さらにその 理由を問う発問 をし 誰のために 何のために親切にするのかを考えることで道徳的価値の意義の理解を深めることをねらった (2) 授業の振り返りの工夫自らの成長を実感したり これからの課題や目標を見付けたりするために 自らの生活や考えを見つめるための具体的な振り返りの工夫が必要である そこで 思考の過程や変容が分かる板書 児童の 多様な考えを導く話合い活動 や キーワードを活用した自己の振り返り を通して授業の振り返りをすれば 道徳的心情を深め 行動しようという意欲を養うことができると考えた 実践 1 資料名 オトちゃんルール は あたりまえ のルール終末において 板書を使って授業を振り返り 今日の授業で大切だと思った言葉 という視点で話合い活動などで出された考えの中から 児童がキーワードを選び出し 教師が補足をした これまでの自己を振り返り これからの生活で大切にしたいこと についてキーワードを生かしてワークシートに記述させた 実践 2 資料名くずれ落ちただんボール箱終末において 板書を使って授業を振り返り 話合い活動などで出された考えの中から 教師が意図的にキーワードを選び出した 価値理解の深まりを見取るために アンケートと同じ 本当の親切とは何か についてキーワードを生かしてワークシートに記述させた Ⅲ 研究のまとめ 1 成果 児童がこれまでとは違った視点で道徳的価値について考え直したり 話合い活動において多様な考えに触れたりすることを通して 相手の気持ちや立場を考えて行動することのよさを理解し 自分も行動できるようになりたいという意識の高まりにつながった キーワードを提示する際に ねらいとする道徳的価値とは相反するキーワードも取りあげると道徳的価値の理解を深めるのに有効であることが分かった その価値のよさを知りながらも実践できない人間の弱さを理解し 本時で扱う道徳的価値の意義や大切さを改めて理解させることができた 2 課題 道徳的価値にせまるための効果的なキーワードを提示するために 望まれる児童の具体的な姿を思い描き そのための発問構成を工夫する必要がある さらに 予想したキーワードが出ないときの補助発問を準備しておく必要がある - 2 -

< 授業実践 > 実践 1 1 主題名ほんとうの思いやり内容項目 2-(2) 思いやり 親切 ( 第 5 年 1 学期 ) 資料名 オトちゃんルール は あたりまえ のルール 東京書籍希望を持って道徳 5 111で説明し合う際に 聞く側の視点を提示する 2 本主題及び本時について実践 1では 思いやり を主題とし 相手の立場や気持ちを考えて 温かく親切にする心情を育てる ことをねらいとした 児童は 人に親切にすることの大切さは理解している しかし 見ず知らずの困っている人や 障害を持った人に対しては かわいそうだとか 気の毒という意識が強く それは真の思いやりとはいえない 思いやりの心を持つためには 相手の立場に立つことが重要である どんな立場の相手にも 同じ人間として対等に接し 助け合って生きていくことの大切さに気付かせたいと考えた 3 授業の実際導入では 事前に行ったアンケート結果を紹介し 価値への方向付けをした そこで 親切な行いをしている対象が友達や家族など身近な人に限られていることに気付かせた < 手立て1 発問の工夫 > 展開後段で 中心発問や 話合い活動を通して児童から出された思いやりに関する道徳的価値について 違った視点で考えさせるような 心揺さぶられる発問 をした 道徳的価値を違った視点で考えるような心揺さぶられる発問 T : オトちゃんがけがをしないように 見学させるのは 思いやり とは言えないのか S1 : たしかに オトちゃんはけがをしてしまいそうだよ S2 : それもやさしさかもしれない S3 : でも オトちゃんはいっしょに遊びたがっているよ S1 : オトちゃんの願いをかなえてあげたい S2 : オトちゃんの気持ちを考えるのがやさしさなんだね ほとんどの児童が オトちゃんルール を考えて一緒に遊ぶことが 思いやり であり それが当たり前と考えていた この発問で再度 思いやり について考えたことで いろいろな 思いやり があることに気付くことができた けがをしないように見学させるのも 思いやり ではあるが オトちゃんの意には沿わない 思いやり であり 本当の 思いやり とは 相手の気持ちを考えることが大切であるというねらいにせまることができた < 手立て2 授業の振り返りの工夫 > 多様な考えを導く話合い活動 考えの変化 図 1 話合い活動の様子 図 2 中心発問に対しての児童の考えの変化 中心発問に対する自分の考えを ワークシートに書き 話合い活動を行った ( 図 1) 小グループで考えを交流し 友達のよいと思う考えを右の欄に記入した 話合い活動で多様な意見に触れることに - 3 -

よって オトちゃんは障害者だから という考えから みんなと楽しく遊べるから という考えの変化も見られた ( 前項図 2) 授業を振り返るための思考の過程や変容が分かる板書の工夫 児童が選んだキーワード やさしさ 相手の気持ちを考える 思いやり みんな同じ 図 3 キーワードを板書した例 終末では 板書を使って児童の発言を振り返り 児童が大切だと思うキーワードを選び出した ( 図 3) 上記のキーワードを受けて 今日の授業を受けてこれからの生活で大切にしたいこと についてワーク シートに考えを書かせた ( 図 4) 児童の記述の結果は以下の通りである これからの生活で大切にしたいこと の記述結果 仲間外れ 区別をしない (10 人 ) 友達 家族にやさしくする (9 人 ) 相手の気持ちを考える (7 人 ) 障害者にやさしくする (6 人 ) 困っている人を助ける (5 人 ) 無記入 (1 人 ) 図 4 ワークシートの記述例 表れてほしい姿として どんな人でも相手の気持ちを考える という記述を期待したが 7 人にとど まり 仲間外れをしない や 障害者にやさしくする と記述した児童が半数近くを占めた これは 同じクラスの特別支援の児童を想起したことや乙武さんの映像の印象が強かったため 障害がある人に親 切にしたいという強い気持ちを持ったためではないかと考えられる 4 考察 これまで親切にしていたり 親切にしたいと思ったりしていた児童も 相手の気持ちを考えた 親切の大切さに気付き 相手のことを考えて行動したいという気持ちを涵養することができた 話合い活動でお互いの考えを交流することを通して 自分とは異なる意見に触れたり 更に考え直したりすることで 発問のほかにも心を揺さぶられる機会を持つことができた 予想以上に乙武さんの認知度が低く 映像を使った資料提示が効果的であった 映像を見たことで 乙武さんは手足が不自由であっても 野球やサッカーをして一緒に遊ぶことができるという資料の共通理解を図ることができた また オトちゃんがけがをしないように見学させることは優しさではないのか という心揺さぶられる発問をより深く考えるための手立てにもなった 道徳的価値のまとめを意識して提示するキーワード絞りすぎてしまったため 児童の8 割が同じ記述となり 価値の押し付けとなってしまった ねらいとする価値からずれずに 多様な意見を引き出すためにはどのようなキーワードを提示すると効果的なのかを更に検討する必要がある 話合い活動での交流が 書いたものを読んだり 友達の考えを書いたりすることに終始してしまったグループが見られた ワークシートの形式の改善 話合い活動の司会者の育成やマニュアル化などの必要がある - 4 -

実践 2 1 主題名 困っている人のために 内容項目 2-(2) 思いやり 親切 ( 第 5 年 2 学期 ) 単元名 くずれ落ちただんボール箱 東京書籍 希望を持って 道徳 5 2 本主題及び本時について実践 2では 困っている人のために を主題とし 誰に対しても思いやりの心を持ち 相手の立場に立って親切にしようとする態度を育てる ことをねらいとした 児童は 思いやりや親切の大切さを十分に理解し 困っている人を助けるのが親切であるという認識を持っている しかし 親切な行いをすれば 感謝されるのは当然だと考えている児童がほとんどである だからこそ 親切とは何のために誰のためにするのかということを考えさせ 親切な行いをした結果 自分もすがすがしくいい気持ちになるということに気付かせたいと考えた 3 授業の実際導入では アンケート結果を紹介し 価値への方向付けを行った そして 困っている人を助けることが親切だと考えている児童が多いことを確認した < 手立て1 発問の工夫 > 中心発問で 主人公の揺れる気持ちをより深く考えられるように 以下のような補助発問をした T : 勇気を出して親切にしたのに 店の人に誤解され叱られて わたし はどう思ったか S1: 親切にしたことを後悔する こんなことをしなければ 叱られなかったから S2: 後悔しない おばあさんのためにしたことだから おばあさんを助けられればそれでいい 親切にしたことを 後悔する 後悔しない かとその理由について ペアで考えを交流した 親切にするのはいいことであるが 誤解されたりいやな思いをしたりすることもあることに気が付いた T : おばあさんにお礼を言われたけれど 店員に注意されたモヤモヤはなくなったのか S1: なんで叱られるのかと やっぱりすっきりしない T : 親切にすると いつも校長先生に朝会で褒められるのか S2: そんなことはめったにない 親切にしても褒めてもらえないこともある おばあさんにお礼を言われて嬉しかったが すっきりしない気持ちと 校長先生に褒められたが いつもそのようなことがあるわけではないということを押さえた上で 中心発問を投げかけた 道徳的価値を考え直す必然性のある発問 T: 親切にしてよかったと思ったのは おばあさんにお礼を言われたときと校長先生の話を聞いたと きのどちらか おばあさんにお礼を言われたとき (3 名 ) 校長先生の話を聞いたとき (34 名 ) S1: 親切にした相手から直接お礼を言われ S3: みんなの前でほめられたから て思いが伝わったと思うから S4: 気持ちがすっきりしたから 理 S2: 直接お礼を言われて 人助けができた S5: わざわざ手紙を書いてくれたから と思えたから S6: 誤解がとけたから 由 S7: 校長先生の話を聞いて 自分も親切にしようと いう気持ちになってほしいから S8: 人の役に立ってよかったと思えたから 中心発問に対する考えには おばあさんにお礼を言われたときが3 名 校長先生の話を聞いたときが 34 名と考えに大きな偏りが出た しかし 親切にしたよさを感じた理由では 上記のような様々な考え が出され 話合い活動で自分とは違う考えに触れることができた - 5 -

< 手立て2 授業の振り返りの工夫 > 終末では 板書を使って児童の発言を振り返り 教師が意図的にキーワードを選び出した ( 図 5) 授業を振り返るための思考の過程や変容が分かる板書の工夫 図 5 キーワードを選んだ板書例 キーワード 価値理解につながるキーワード 人間理解につながるキーワード なんだかそのままにしていられない どうしよう 人のため はずかしい 助けてあげたい ほめてもらえた 上記のキーワードを受けて 本当の親切とは何か についてワークシートに書かせた ( 図 6) 児童の記述の結果は以下の通りである 本当の親切とは何か の記述結果 どんな時も迷わず困っている人を助けること (23 人 ) 相手のためになることや喜んでくれることをする (10 人 ) やさしい心を持つこと (2 人 ) 困っている人を助けて 相手も自分も嬉しくなること (2 人 ) 図 6 ワークシートの記述 その他 (1 人 ) 図 6 ワークシートの記述例 事前アンケートと同じ 困っている人を助ける という記述が半数を超えたが 86% の児童が 迷わず すぐに どんな時も など 状況や心情についての言葉を付け加えることができた 4 考察 毎月実施している友達アンケートの 困っている人に自分 から声をかけていますか という項目に対する回答に図 7のよ うな変化が見られ 相手の気持ちや立場を考えて行動しようと する道徳的実践意欲が高まっていると考えられる ねらいとする道徳的価値に相反するキーワードを意図的に 提示したが 人間理解をふまえた上で 道徳的価値を実現しよ うという前向きな姿勢の児童が多く見られた 図 7 友達アンケートの結果 ペアでの話合い活動を取り入れたことで 自分の考えを気兼ねなく語り合うことができ 交流を深 め 他者理解につながった 自分の生活を振り返り 児童が身近に感じ実践できる親切について考える場を設定すれば 今後の 生活に生かそうという道徳的実践意欲を持つことができると考える - 6 -