1 一票で変える女たちの会かわらばん第 2 号 2015 年 11 月 8 日当会では一〇月二七日 次のような呼びかけのもと 安保法制成立について女性議員との意見交換会を行いました したい政治と来年の参議院選挙について 語り合いたいと思います これにこたえて 五人の女性国会議員および代理の方々が多忙な日程を割いて参加してくださり 女性市議会議員を含めた参加者との活発な議論が交わされる充実した会となりました 皆さんの発言要旨をここに紹介します (以下 敬称略)出席議員田村智子参議院共産党福島みずほ参議院社民党小宮山泰子衆議院民主党神本美恵子参議院民主党山尾志桜里衆議院民主党代理出席糸数慶子秘書参議院無所属吉良よし子秘書参議院共産党倉林明子秘書参議院共産党畑野君枝秘書衆議院共産党 九月一九日 憲法学者のほとんどが 明らかに憲法違反 と唱えているにもかかわらず 安倍政権は国民の声に一切耳を貸さず 安保法案を強行採決しました 日本国憲法の平和主義は 私たちの生活と民主主義を守るための柱です 世論調査そしてこの三ヵ月間 数万人規模の老若男女が国会周辺はじめ全国で反対デモを連日のように繰り広げたことが示すように 国民の過半数はこの法案の廃案を望んでいます 廃案のためには この法案に反対する政治家が過半数を占めることがなんとしても必要です まず 女性たちが先頭に立ち ぜひ野党共闘を実現させたい これが私たちの切なる願いです そのために 心ある女性議員の方々と膝突き合わせ 私たちの実現一票で変える女たちの会第一回安保法制成立について女性議員との意見交換会 記録 野党共闘 を実現するために 二〇一五年一〇月二七日午後二時 四時参議院議員会館会議室にて
2 一票で変える女たちの会かわらばん第 2 号 2015 年 11 月 8 日太田和美秘書衆議院維新の党階猛秘書衆議院民主党参加者一票で変える女たちの会呼びかけ人 同賛同人ほか 二九名司会:角田由紀子(一票で変える女たちの会) 市民の力で野党共闘実現へ伊東秀子(一票で変える女たちの会)安倍政権は 安保法制の可決についての問題 TPPの問題など問題が山積しているのに臨時国会を開かず またアベノミクスで争点をずらしている 安保法制の廃止と 集団的自衛権の閣議決定の取消しのためには 来年の参議院選挙に向けて野党共闘をすることが必要である 野党共闘に対する市民の期待は大きく 私たちもそれを強く望んでいる そのためにこの意見交換会を企画した 忌憚のない意見を交換したい (注:ここでいう野党には 安保法制に賛成した政党は含まない 以下同じ)田村智子議員九月一九日参議院で可決とされたその日に中央委員会を開いた 安保法制成立直前まで国会外に広がっていた世論は 成立後も続き 若い人が国会前では 選挙に行こう 安保法制に賛成した議員を落選させよう と声をあげていたことを考えると 政党の責任が問われている そしてこの国会外の世論に応えるために 一人区で勝てる選挙をすること 安保法制の廃止と集団的自衛権容認の閣議決定の白紙撤回という一致点で 安保法制に反対した野党が共闘して仮称国民連合政権を作る(そのためには安保条約廃止の問題など政策上の違いは脇に置く)こと が全会一致で決定された 私も これしかないと思う 新しい政府を作った場合の不安は各党にあるが 党首の信頼関係の上で話し合っていくことを確認した すでに民主党 生活の党 社民党の党首とは会談をし 民主党と話し合いを継続していくことも確認した 維新の党とも行う予定である もちろん政党同士の話し合いだけがすべてではない 各党がそれぞれ国民との約束をして それをオープンにしていく 国民の声で共闘は可能だと考える 山尾志桜里議員私は元検察官で 四歳の子どもがいる 法律家として 母として 安保法制 その進め方は耐えがたかった 二〇〇九年に(衆院選に)当選したが二〇一二年には落選した経験もある 二〇一二年の選挙では原発問題が大きなテーマだったが 目的は同じなのに野党の意見が割れて 自民党を有利にさせ第二次安倍政権を誕生させてしまった 私は二〇一四年の選挙で当選し現在選挙対策委員をしているが 同じ轍を踏まないように 安保法制廃止という一点に絞って参議院一人区は野党が協力して 自民 公明に勝たなければならないと考えている いろんな困難があると思うが話しあっていく ただ 政党がどうであっても皆さんの声が決めるとも言える 先頃カナダで政権交替があったが 当初野党は分かれていたのに市民団体が草の根で選挙区ごとに ここではこの候補に投票しようという運動をして それが一人一人の投票行動に影響を与え 政権交替につながったことがわかった 同じように皆さんの活動がとても大きな力になると考える 一緒に頑張りましょう 小宮山泰子議員女性が議員を続けるのはむつかしいが 後に続く女性議員のためにどんな嫌がらせを受けても引かない それを支えてくれるのは地元の活動の中で聞く声である 憲法が七〇年支持されてきたのは 戦争でつらい思いをした人が大勢いるからである 映画 日本の一番長い日 にもあるように トップの人は戦地に行くわけでなく 不自由はしていない 一方 多くの国民は苦労をしたが 社会的弱者を作り出す政治はいけない 声を上げられなかった女性が声を上げていかなければならない 私は県会議員の時は自民党に所属
3 していた 自民党は驚くほど不合理なことが多く DVと同じだと思った やめてみて なぜあのような馬鹿げたことに縛られていたのか と思った 業界団体も飴と鞭で誘導され続けて 結局国力は落ちた 自民党支持をやめようとした人もいたが 自民党が野党になった時少し反省を見せたため戻った それが現在である しかしDVと同じく戻った時が一番危ない 命の危険である 安保法制がまさにそれである 憲法改正の次は非常事態宣言がくると思う 命を守ると言って権限を国会から奪い特権階級の思うままにするだろう この安倍政権を変えない限り 個人の自立も女性の自立も民主主義もない そのために少し長い闘いになるが 女性が この場合は男性も含めて 手を組むことが必要である すでに国民は自民党以外の選択をしようとしている 野党共闘で安保法したい そして次の衆議院選挙につなげたい 国民の 野党の統一候補を! という声が力になる(以下 参加者の発言は同様の意見をまとめているため 一票の会 と略)一票の会一人区では統一候補をたてるということであるが 各自党の候補を立てようと争いになるのをどうクリアするのか 比例代表についてはどうか 田村議員一人区すべてで野党が勝てば与党過半数の現状は逆転する それを目標に話し合う 比例代表は政党を選ぶのであり 各党が政策を主張し切磋琢磨することがよいので それぞれの党が与党を負かす闘いをする 多数区もそれぞれが努力し 団結して与党を負かす闘いをすることになる 山尾議員田村議員と同じ考えである 一人区で野党がつぶしあわずに勝つことに絞って全力投球したい 福島議員今回の安保法制可決は自公のクーデターと言ってよく これを元に戻すことが大事で まず参議院で自公を過半数割れにして 安保法制廃止を提案 可決することが目標である 参議院で野党が過半数をとれば 戦争法(安保法制)を作動させないことができる 田村議員 山尾議員と同じ考えで 比例代表 多数区では各党が努力して与党を負かすが 一人区では すみ分けも含めて野党が統一候補を立てて勝つ必要がある 沖縄では辺野古に基地を新設させないという一点に絞ったように 次の参議院選挙では安保法制廃止と改憲阻止に絞って闘うことが必要である 安倍政権は もし参議院選挙に勝ったら国民の信任を得たとして憲法改正に進むだろう 一一月一〇日に櫻井よしこさん等が改憲の集会をするので 私たちはカウンターの集制廃止 情報公開(特定秘密保護法廃止)を実現することを宣言する 神本美恵子議員安保法制成立後 自民党は 国民は餅を食ったら このことは忘れる と言っていたと ある人が集会で紹介し 我々は餅を食うけれど忘れない と話した そのとおり 忘れないでこのように続けて考えるために集まられたことに敬意を表したい しかし野党共闘と言っても簡単ではない 安保法制廃止のためには野党共闘は必要である それについて党内の議論は必要だが 時間がない 皆さんの力がほしい 上智大の中野晃一教授は 安保法制廃案を求めた市民は新しい民主主義をみつけた それはdemos kratos 民衆の力だ と述べている その力をもった皆さんから 安保法制に賛成した党を除く野党にプレッシャーをかけてもらい 参議院選挙で過半数をとれるように
4 一票で変える女たちの会かわらばん第 2 号 2015 年 11 月 8 日会を超党派で 衆議院議員第二会館で行う予定である ぜひ来ていただきたい 小宮山議員参議院は 衆議院が会派で動くのに対して そもそも政党に関係なく個人で動くことになっているが(良識の府) 実際は政党が関係する 来年の参議院選挙で一人区は三二ある この一人区で野党が勝って過半数をとれるようにする必要がある ただ 地方はいろいろなしがらみもあり 業界の締め付けも厳しい状況である そこで勝つには自民が嫌ならここ というのを分かりやすく示すことが大事である そのためには野党第一党の民主党が腹を据えなければならないと考えている 一票の会市民は何をすべきか 市民の側から この人を と言うのか それとも政党から候補者を絞って市民に話があるのを待っていればいいのか 小宮山議員政治はまだ男性社会である 役員に こうやってもらうと応援しやすくなるという声を届けてもらいたい それにより変わると思う 田村議員国民が野党の統一候補を望んでいるという声をあらゆる機会に上げていただくのが第一である この人はどうですか という運動が先行すると その人を支持するかどうかの運動になって 可能性の幅が狭くなる 大切なのは大義で 安保法制廃止 今の安倍政権の政治の進め方が許せない という声を様々な個人 団体で上げ続けることである 共産党はすでに一人区の候補者を立てているが それは 新たな政府が必要なのだと呼びかける先頭に立つ という位置づけである そして政党の合意ができたところで他党の候補でも合流することになる 一人区は主に地方であるが 地方は静かで 騒いでいるのは国会前だけと言われないように 地方でも声を上げなければならない 地方では 安保法制に賛成した候補者だけれどいい人だから と自民党候補者に投票する人が少なくない これを変えていければ力になるし これが課題だと思う 司会今日は国会議員だけでなく 地方議会議員も出席されているので あきる野市の市会議員辻よし子さんからご意見をお聞きしたい 辻よし子あきる野市議あきる野市で先日市長選挙があった あきる野市は人口約六六 〇〇〇人 投票率は約40 ~50 %だった 二〇〇票差で自民党候補が勝った 次点は 今の安倍政治がひどいので自民党を離れて反安保法制を掲げた候補である その方針は 開発の問題なども共産党候補の主張とほとんど重なるので 共産党候補に立候補を降りてほしいと申し入れをした人もいた 結局統一できず 共産党候補は約四 〇〇〇票獲得した 共闘していれば自民党候補に勝てた と思う 私は補欠選挙で当選した 自民党候補の絶対安心と言われた人も通ったが 私は無所属 草の根ながら安保法制反対を掲げ 一万票余獲得し当選した あきる野市は保守的なところであるが 安保法制反対の声は大きくなっている この勢いを国政にももって行きたい 福島議員選挙での協力といっても 選挙を支える多くの人々のネットワークがないとできない 沖縄で新基地建設反対の知事を誕生させたが それを支える多くの人がいて 自民党に近い人でも非自民の候補者に投票したからである 最近会う自民党の人でも 自民党支持をやめた と言う人もいるので カバーできる範囲を増やして一人区で野党が勝つという目標を立てて盛り上げていけば政党間だけでなく 得票率を上げることもできる すべての選挙区で協力できなければ失敗 ということではない かなりできれば という方向でもよいのではないか 一票の会民主党の男性議員の発言が報道されているが 野党共闘に消極的であると感じる 男性議員も今後の会には参加してもらいたい 司会今日は第一回と位置づけていて 第二回 三回と続ける計画である 女性がこういう形で集まることも大事だが 男性も交えた意見交換も大事である 山尾議員現実的な観点から ある
5 いは私たち女性と同じ気持ちから野党協力自体は必要だと考える男性議員が大勢いる こういう会には特定政党があるのではないかと考えている議員もいるが 私たちは他党の人と話し合って信頼を深めている 男性も今後は参加するよう働きかけたい 一票の会市民運動をやっていて欠けていると思うのは戦術である デモや署名は言わば前哨戦で 政権を倒すには選挙に勝つことである 様々な問題で声を上げてきたが 必要なのは受け皿である それから 同じ意見の者同士で話し合っていてもダメで もっといろんな意見の人と話し合うことが大事である 一票の会大学教員をしているが 学生は社会問題については 〇〇してほしい と言うが 自分で社会を変えていきたいとは言わない 自分の意見を持つようにと いろんな工夫をしている また 郷里に行くと地縁血縁で縛られた関係を変えたくないという傾向もあって 国会前などの盛り上がりとは落差が大きい それを変えるには 議員にキャンペーンをお願いしたり 今後意識の高い人が中心になって裾野を広げていくことが必要だと感じる 一票の会八月三〇日国会前に一二万人集まったが その理由の一つにTV(報道ステーション NEWS23 など)が 集会があることを話題にしたことがある TVの力は大きい そこで私はいい報道は誉めて元気づけ twitter で拡散している 皆さんもTV局や新聞社に電話してほしい 自民党サポーターがマスコミに圧力をかけているので マスコミは戦々恐々としている そのマスコミを私たちに向かせるようにしましょう 一票の会SEALDs は突出しているかもしれないが 若い人から変わっていくし 全体も変わってきた それが報道されるのを見てもメディアは変わってきたと感じる 私も いい報道にはその局に投稿している NHK包囲にも行く 小熊英二さんも この一ヵ月にメディアは変わってきた と述べている 一人一人が動かなければだめだ福島議員民主党と社民党と国民新党が連立政権を作る時 選挙後にかなり時間をかけて話し合い 政権公約を作った だから今の段階ではもっと大きな共通の目標で共闘してよい と思う 安保法制廃止に加えて憲法改正について統一しようとするとばらけるが 自民党改憲案にNOということは共通だと思う 党の選挙協力は大事だが 今回市民の運動が広がって可能性がみえたのは 一人一人が動かなければだめだ と思ったこと だと考える ただ それは地方にまでは浸透していなかった 安保法制が通ったということは まだ力が足りなかった 自公が危機感を持つほど追い詰められなかった ということである 男性が入ることも歓迎だが 戦前と違い選挙権 被選挙権を持った女性がいろんな工夫をして地殻変動を起こすことができればと思う 国会の内外で力を合わせてやりましょう 田村議員先日 保守的と言われる群馬の高崎駅前で二つのグループが安保法制反対の集会をしていた また長野(一人区)で共産党の候補者と民主党の北澤俊美議員が一緒にデモをした写真が報道されていた 地方でも共闘している形を市民の前に作っていくのは大事だと思った 東京でも足立区の区民集会で民主党の有田芳生議員 維新の党の真山勇一議員 共産党の私が並んでデモに参
6 一票で変える女たちの会かわらばん第 2 号 2015 年 11 月 8 日 一票で変える女たちの会 かわらばんは ご希望の方に印刷版をお届けしています コピーしてご利用ください 電子版でご覧になる方も ぜひ印刷してご友人 知人の方に紹介してください 投稿大歓迎!本や映画の紹介 地域での活動報告 選挙や地域の政治の動き 情報 ご意見 なんでもお寄せください (一本について一二〇〇字 一六〇〇字)投稿先 印刷版注文先:1pyodekaeru@gmail.com 郵便の場合 162-0823 東京都新宿区神楽河岸1の1東京ボランティア 市民活動センターメールボックスNo. 45 FAX :03-5684-1412 加した 野党が団結していることが区民に伝わったと思う これからも呼びかけられたらいろんな政党が集まるような集会を開いてほしい 山尾議員地方で 一票で変える女たちの会 主催で そこにいる議員を呼んで話を聞いたり 意見を伝える会をもってほしい 目覚めた民主主義は一人一人が自分で考える民主主義だと思う まだ統一候補のことは決まってなくても 少なくとも地域の議員がどう考えているかを知り 意見を伝えることは 遠回りでも民主主義の進展になる 政党が呼びかけるより 皆さんが呼びかける方が私たちは参加しやすい 公開討論会で自民党 公明党を呼んでもいい なぜ安保法制に賛成したのか聞くことも含めて 自民党 公明党が出席しなくても席は作っておくことは意味がある 伊東各党の話を聞いて 私たち有権者が主人公であるということを各政党にわかってもらうには 私たちの会だけでなく安保法制廃止で一致する人が政党に申し入れて思いをじかに伝え 意見交換会をする必要があると思った 各党の中にはいろんな意見があるだろうが 外の私たちの考えを伝え 野党共闘はすべての点で一致しなくても 安保法制廃止 憲法九条を守ることに絞って 参議院選挙を闘ってほしい 一票の会私たちが望んでいることを伝えるのに 地方の組織ではどこに行けばいいのか 田村議員国政選挙なので政党の協力については中央の話し合いでしか決断できない 中央で代表が話し合って何を一致点にするかを国民に説明することになる だから中央につながる人に大いに働きかけをしてほしい 同時に地域で求めていることを伝えるには 地域の各党の議員や候補者 地域の顔になっている政党の人だろう(降ろすという圧力でなく) 最後に出てくる障碍は 共産党と組むのか 共産党と一緒にやるのか という声だと私は思っている この点が参議院選挙に向けての共闘を難しくするだろう 先日の宮城県の選挙でも共産党が伸びたことで バッシングを受けている 日本共産党への疑問があれば率直に伝えてほしい 誠実に私たちの考えていることなどお話していきたい 新しい政府の構想についても何をする政府かをはっきり伝え 立憲主義の破壊は許せないという一致点だけで共闘する 憲法改正してから安保法制を審議するのが筋という意見の人も巻き込むことを伝えている なお 先ほどのあきる野市の問題だが 自治体の選挙はその地域の党組織が責任を負っている あきる野市の党組織に伝えてもらいたい 率直な意見をうけて総括することが大切だと思う (さらに党名を変えた方がいい との意見と 名前は関係ない 迎合する必要はない との意見と各複数あった 田村議員からは やっていることを見てほしい 名前で差別をしないでほしい との意見があった)辻市議デモと地方政治への関心には落差も感じる 私が議員をめざしたのは 政治を身近に取り戻したいからである 生活の身近な問題が山積している地方政治が大事で 市民の感覚でおかしいことを変えていく そのことによって市民の政治への関心を高め 地方政治から国政へとつなげていきたい 司会来年の参議院選挙までに何をどうするか 地方に広げるにはどうするか さらに第二回 第三回の意見交換会をおこなっていきたい 今日はありがとうございました